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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR FORMING FERROMAGNETIC BODY, TRANSISTOR AND METHOD FOR MANUFACTURING THE TRANSISTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123321
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for forming a ferromagnetic body is provided. The method is provided with a step of forming a magnetic element layer (20) on a semiconductor layer (16) formed on a reaction suppressing layer (14); and a step of forming a ferromagnetic layer, i.e., a Heusler alloy layer (26), on the reaction suppressing layer (14), by performing heat treatment to the semiconductor layer (16) and the magnetic element layer (20) and having the layers react to each other. A transistor and a method for manufacturing the transistor are also provided. A semiconductor to be supplied for reaction between the semiconductor and the magnetic element is limited by the reaction suppressing layer which suppresses reaction between the semiconductor layer and the magnetic element layer, and the ferromagnetic body having high relative proportions of the magnetic element can be formed.

Inventors:
SUGAHARA SATOSHI (JP)
TAKAMURA YOTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055769
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO INST TECH (JP)
SUGAHARA SATOSHI (JP)
TAKAMURA YOTA (JP)
International Classes:
H01L29/82; C22C19/07; C22C30/00; H01F10/12; H01F41/22; H01L21/336; H01L29/786
Foreign References:
JP2005228998A2005-08-25
JPH10183349A1998-07-14
JP2006286726A2006-10-19
Other References:
INOMATA K.: "Chapter 12 Half Metal Usumaku to TMR", vol. 1ST ED., 30 July 2004, CMC PUBLISHING CO., LTD., article "Spinelectronics -Basic and Forefront-", pages: 142 - 145
AMBROSE T., KREBS J.J., PRINZ G.A.: "Magnetic properties of single crystal Co2MnGe Heusler alloy films", JOURNAL OF APPLIED PHYSICS, vol. 87, no. 9, 1 May 2000 (2000-05-01), pages 5463 - 5465, XP000947827
RAPHAEL M.P. ET AL.: "Magnetic structural, and transport properties of thin film and single crystal Co2MnSi", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 79, no. 26, 24 December 2001 (2001-12-24), pages 4396 - 4398, XP001087077
SUGAHARA S.: "Spin metal-oxide-semiconductor field-effect transistors (spin MOSFETSs) for integrated spin electronics", IEE PROCEEDINGS-CIRCUITS, DEVICES AND SYSTEMS, vol. 152, no. 4, 5 August 2005 (2005-08-05), pages 355 - 365, XP006024923
Attorney, Agent or Firm:
KATAYAMA, Shuhei (6-1 Kyobashi 1-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 反応抑制層上に形成された半導体層上に磁性元素層を形成する工程と、
 前記半導体層と前記磁性元素層とを熱処理し反応させることにより、前記反応抑制層上にホイスラー合金である強磁性体層を形成する工程と、を有することを特徴とする強磁性体の形成方法。
 前記半導体層はシリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載の強磁性体の形成方法。
 前記反応抑制層は酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項1または2記載の強磁性体の形成方法。
 前記反応抑制層はシリコン基板であり、前記半導体層はゲルマニウムであることを特徴とする請求項1記載の強磁性体の形成方法。
 前記磁性元素層を形成する工程は、前記半導体層上に前記磁性元素層を選択的に形成する工程であり、
 前記強磁性層を形成する工程は、前記反応抑制層上に前記強磁性層を選択的に形成する工程であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の強磁性体の形成方法。
 反応抑制層上に形成された半導体層内のチャネルとなるべき領域の両側のうち少なくとも一方の半導体層上に選択的に磁性元素層を形成する工程と、
 前記半導体層と前記磁性元素層とを熱処理し反応させることにより、前記反応抑制層上にホイスラー合金である強磁性体電極を形成する工程と、を有することを特徴とするトランジスタの製造方法。
 前記半導体層はシリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項6記載のトランジスタの製造方法。
 前記反応抑制層は酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項6または7記載のトランジスタの製造方法。
 前記反応抑制層はシリコン基板であり、前記半導体層はゲルマニウムであることを特徴とする請求項6記載のトランジスタの製造方法。
 前記強磁性体電極はソース電極及びドレイン電極であることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項記載のトランジスタの製造方法。
 前記半導体チャネルと前記強磁性電極との間に、前記半導体チャネルよりドーパントを高濃度に含む半導体領域を形成する工程を有することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項記載のトランジスタの製造方法。
 前記半導体チャネルと前記強磁性電極との間に、偏析層を形成する工程を有することを特徴とする請求項6から10のいずれか一項記載のトランジスタの製造方法。
 前記チャネルとなるべき領域上にゲート電極及びゲート電極の両側に側壁を形成する工程を有し、
 前記強磁性体電極を形成する工程は、前記側壁下まで侵食するように前記強磁性電極を形成する工程を含むことを特徴とする請求項6から10のいずれか一項記載のトランジスタの製造方法。
 反応抑制層上に設けられた半導体チャネル層と、
 前記半導体チャネルの両側のうち少なくとも一方の前記反応抑制層上に設けられ、前記半導体チャネルを構成する半導体と磁性元素とのホイスラー合金である強磁性体電極と、を有することを特徴とするトランジスタ。
 前記半導体層は、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項14記載のトランジスタ。
 前記反応抑制層は酸化シリコン膜であることを特徴とする請求項14または15記載のトランジスタ。
 前記反応抑制層はシリコン基板であり、前記半導体層はゲルマニウムであることを特徴とする請求項14記載のトランジスタ。
 前記強磁性体電極はソース電極及びドレイン電極であることを特徴とする請求項14から17のいずれか一項記載のトランジスタ。
 前記半導体チャネルと前記強磁性電極との間に、前記半導体チャネルよりドーパントを高濃度に含む半導体領域を具備することを特徴とする請求項14から17のいずれか一項記載のトランジスタ。
 前記半導体チャネルと前記強磁性電極との間に、偏析層を具備することを特徴とする請求項14から17のいずれか一項記載のトランジスタ。
 前記半導体チャネル上に設けられたゲート電極及びゲート電極の両側に形成された側壁を具備し、
 前記強磁性体電極は前記側壁下まで侵食していることを特徴とする請求項14から17のいずれか一項記載のトランジスタ。
Description:
強磁性体の形成方法並びにトラ ジスタ及びその製造方法

 本発明は、強磁性体の形成方法並びにト ンジスタ及びその製造方法に関し、特に反 抑制層上にホイスラー合金である強磁性体 を形成する強磁性体の形成方法並びにトラ ジスタ及びその製造方法に関する。

 ハーフメタル強磁性体としてホイスラー合 が知られている。ホイスラー合金には、フ ホイスラー合金及びハーフホイスラー合金 ある。図1はフルホイスラー合金であるCo 2 FeSiのL2 1 型結晶構造を示した図である。このように、 フルホイスラー合金の組成は、X 2 YZである。ハーフホイスラー合金は、C1 b 型結晶構造を有し、組成はXYZである。ここで 、XとしてCo(コバルト)、Ni(ニッケル)などの元 素を、YとしてFe(鉄)、Cr(クロム)、Mn(マンガン )等の元素を、ZとしてSi(シリコン)、Ge(ゲルマ ニウム)等の元素を用いることができる。例 ば、フルホイスラー合金であるCo 2 FeSiはキューリ温度が室温以上であり、室温 ハーフメタルの強磁性体として用いること できる。従来、ホイスラー合金は、スパッ 法や分子線エピタキシー法によって作製さ てきた。

 ハーフメタル強磁性体は、例えば非特許文 1及び非特許文献2のように、スピントラン スタのソース電極及びドレイン電極として 用される。ハーフメタル強磁性体はフェル レベルでのスピン分極率を100%とすることが きるため、ハーフメタル強磁性体をソース 極及びドレイン電極に用いたスピントラン スタは、大きな磁気電流比を得ることがで る。一方、非特許文献1及び非特許文献2に 、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いたスピン ランジスタが開示されている。
S. Sugahara, IEE Proc.-Circuits Devices Syst., V ol. 152, No. 4, 2005, pp. 355-365 S. Sugahara, phys. stat. sol. (c) 3, No. 12,  2006, pp. 4405-4413

 MOSFET型スピントランジスタにおいては、 ランジスタ性能(電流駆動能力)やスピン(磁 )依存伝達特性(磁気電流比)の観点から、ソ ス電極及びドレイン電極として、磁性元素 をシリサイド化(またはジャーマナイド化) たホイスラー合金であるハーフメタル強磁 体層を形成することが好ましい。非特許文 1及び非特許文献2に示したスピントランジス タのソース電極及びドレイン電極としてホイ スラー合金を用いるためには、半導体層に隣 接する領域にホイスラー合金を形成すること が求められる。しかしながら、従来のスパッ タ法や分子線エピタキシー法を用い、ソース 電極及びドレイン電極としてホイスラー合金 を形成すると、Si表面にホイスラー合金を形 することとなってしまう。

 MOSFET型スピントランジスタを製造する際 、従来のMOSFETの製造工程と同様の工程を用 ハーフメタル強磁性体が形成できることが ましい。また、スピントランジスタの構造 、メタルソース及びドレインを有するMOSFET 構造と同様の構造であることが好ましい。

 本発明は、上記課題に鑑みなされたもの あり、ホイスラー合金である強磁性体層を 導体層に隣接して形成することが可能な強 性体の形成方法及びトランジスタの製造方 を提供することを目的とする。

 本発明は、反応抑制層上に形成された半 体層上に磁性元素層を形成する工程と、前 半導体層と前記磁性元素層とを熱処理し反 させることにより、前記反応抑制層上にホ スラー合金である強磁性体層を形成する工 と、を有することを特徴とする強磁性体の 成方法である。本発明によれば、磁性元素 半導体層との反応を抑制する反応抑制層を 成し、反応抑制層上に磁性元素層を形成し 半導体層と磁性元素層とを反応させる。こ により、半導体の供給量が制限され、磁性 素の組成比が大きなホイスラー合金を形成 ることができる。よって、スピン分極率の きな強磁性体を形成することができる。

 上記構成において、前記半導体層はシリ ン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含 構成とすることができる。この構成によれ 、MOSFETのメタルソース及びドレイン形成技 と同様の方法を用いて強磁性体を形成する とができる。

 上記構成において、前記反応抑制層は酸 シリコン膜である構成とすることができる この構成によれば、高温においても安定な 化シリコン膜を反応抑制層として用いるこ ができる。

 上記構成において、前記反応抑制層はシ コン基板であり、前記半導体層はゲルマニ ムである構成とすることができる。この構 によれば、低温で磁性元素と反応し易いゲ マニウム層を半導体層とし、ゲルマニウム り磁性元素と反応し難いシリコン基板を反 抑制層とすることにより、ゲルマニウムと 性元素とのホイスラー合金を形成すること できる。

 上記構成において、前記磁性元素層を形 する工程は、前記半導体層上に前記磁性元 層を選択的に形成する工程であり、前記強 性層を形成する工程は、前記反応抑制層上 前記強磁性層を選択的に形成する工程であ 構成とすることができる。この構成によれ 、反応抑制層上に半導体層と強磁性層とを 択的に形成することができる。

 本発明は、反応抑制層上に形成された半 体層内のチャネルとなるべき領域の両側の ち少なくとも一方の半導体層上に選択的に 性元素層を形成する工程と、前記半導体層 前記磁性元素層とを熱処理し反応させるこ により、前記反応抑制層上にホイスラー合 である強磁性体電極を形成する工程と、を することを特徴とするトランジスタの製造 法である。本発明によれば、トランジスタ 電極をホイスラー合金からなる強磁性体を い形成することができる。

 上記構成において、前記強磁性体電極は ース電極及びドレイン電極である構成とす ことができる。

 上記構成において、前記半導体チャネル 前記強磁性電極との間に、前記半導体チャ ルよりドーパントを高濃度に含む半導体領 を形成する工程を有する構成とすることが きる。この構成によれば、半導体チャネル 強磁性体電極との間にキャリア濃度の高い 域を形成できるためトランジスタ性能を向 させることができる。

 上記構成において、前記半導体チャネル 前記強磁性電極との間に、偏析層を形成す 工程を有する構成とすることができる。こ 構成によれば、偏析層により半導体チャネ と強磁性電極との界面を制御することがで る。例えば、ショットキー障壁高さを下げ ことができる。

 上記構成において、前記チャネルとなる き領域上にゲート電極及びゲート電極の両 に側壁を形成する工程を有し、前記強磁性 電極を形成する工程は、前記側壁下まで侵 するように前記強磁性電極を形成する工程 含む構成とすることができる。この構成に れば、寄生抵抗を排除してトランジスタ性 を向上させることができる。

 本発明は、反応抑制層上に設けられた半 体チャネル層と、前記半導体チャネルの両 のうち少なくとも一方の前記反応抑制層上 設けられ、前記半導体チャネルを構成する 導体と磁性元素とのホイスラー合金である 磁性体電極と、を有することを特徴とする ランジスタである。本発明によれば、半導 チャネルを構成する半導体と磁性元素とで イスラー合金からなる強磁性体電極を形成 ることができる。よって、スピン分極率の きな強磁性体電極を用い、大きな磁気電流 を得ることができる。

 上記構成において、前記半導体チャネル 前記強磁性電極との間に、前記半導体チャ ルよりドーパントを高濃度に含む半導体領 を具備する構成とすることができる。この 成によれば、トランジスタ性能を向上させ ことができる。

 上記構成において、前記半導体チャネル 前記強磁性電極との間に、偏析層を具備す 構成とすることができる。

 上記構成において、前記半導体チャネル に設けられたゲート電極及びゲート電極の 側に形成された側壁を具備し、前記強磁性 電極は前記側壁下まで侵食している構成と ることができる。トランジスタ性能を向上 せることができる。

 本発明によれば、磁性元素と半導体層と 反応を抑制する反応抑制層を形成し、反応 制層上に磁性元素層を形成し、半導体層と 性元素層とを反応させる。これにより、半 体の供給量が制限され、磁性元素の組成比 大きなホイスラー合金を形成することがで る。よって、スピン分極率の大きな強磁性 を形成することができる。

図1はフルホイスラー合金のL2 1 結晶構造を示す図である。 図2(a)及び図2(b)はSi基板上に直接、シリ サイド磁性合金を形成する場合を示す図であ る。 図3(a)から図3(c)は実施例1に係る強磁性 の形成方法を示す図である。 図4は熱処理温度を変化させた場合のX 回折強度を示した図である。 図5はX線回折角度を変化させた場合のX 回折強度を示した図である。 図6はSIMSを用い測定した深さに対する 原子の含有率を示した図である。 図7(a)及び図7(b)は実施例2に係る強磁性 の形成方法を示した図である。 図8(a)及び図8(b)は実施例3に係る強磁性 の形成方法を示した図である。 図9(a)から図9(d)は実施例4に係るスピン ランジスタの製造方法を示した図である。 図10(a)から図10(c)は実施例5に係るスピ トランジスタの製造方法を示した図である 図11は実施例6に係るスピントランジス タの製造方法を示した図である。 図12(a)から図12(c)は実施例7に係るスピ トランジスタの製造方法を示した図である

 強磁性ホイスラー合金の例としてCo、Fe、 Siからなる合金を形成する方法として一般的 考えられる方法を図2(a)及び図2(b)に示す。 2(a)を参照に、Si基板50上に蒸着法等を用い、 Co層22及びFe層24を形成する。図2(b)を参照に、 RTA(Rapid Thermal Annealing)法を用い熱処理するこ とにより、Co層22、Fe層24及びSi基板50が反応し Co、Fe及びSiからなる合金28が形成される。

 この合金28はホイスラー合金ではなく磁 元素(Co、Fe)の組成比の小さな非磁性体とな てしまう。これは、ホイスラー合金は熱力 的に安定な相ではあるが、磁性元素の組成 小さな合金はさらに自由エネルギーの小さ 。これにより、Si基板50からSiが供給される 、磁性元素の組成比の小さな非磁性の合金 なってしまうためである。

 そこで、本発明においては、磁性元素とS i等の半導体基板との反応を抑制する反応抑 層を形成し、反応抑制層上に磁性元素層を 成し、半導体層と磁性元素層とを反応させ 。これにより、半導体の供給量が制限され 磁性元素の組成比が大きなホイスラー合金 形成することができる。以下、本発明の実 例について説明する。

 実施例1はSOI(Silicon on Insulator)基板を用い強 磁性体を形成する方法の例である。図3(a)か 図3(c)は実施例1に係る強磁性体の形成方法を 示す図である。図3(a)を参照に、Si基板12、埋 込み酸化膜でありSiO 2 からなる酸化シリコン層14(反応抑制層)、Si層 16(半導体層)が順次形成されたSOI基板10を形成 する。図3(b)を参照に、SOI基板10上にCo層22及 Fe層24を蒸着法を用い形成する。これにより Si層16上にCo層22及びFe層24からなる磁性元素 20が形成される。このとき、各層が全て反 した場合、化学量論的にCo 2 FeSiとなる原子が供給されるように、Si層16、C o層22及びFe層24の厚さを設定する。実施例1に いては、Si層16、Co層22及びFe層の厚さを、そ れぞれ40nm、45nm及び24nmとした。なお、磁性元 素層20は磁性元素が含まれている層であれば く、例えば、CoとFeとの合金層でもよい。

 図3(c)を参照に、RTA法を用い熱処理すること により合金層26を形成する。RTAは窒素雰囲気 で約4分間行った。熱処理温度は後述する。 酸化シリコン層14は熱的に極めて安定である とから、各層が反応する程度の温度では反 しない。よって、酸化シリコン層14上のSi層 16、Co層22及びFe層24のみが反応する。これに り、形成された合金層26は化学量論的にCo 2 FeSiの組成となる。

 ホイスラー合金であるCo 2 FeSiの結晶構造には、図1に示したL2 1 構造、図1のSiとFeの原子が不規則に配列したB 2構造、図1のCo、Fe、Siの原子が不規則に配列 たA2構造がある。L2 1 構造が最もスピン分極率が大きく好ましい構 造である。実施例1において作製したCo 2 FeSiの結晶構造を調べるためX線回折法による 定を行った。表1を参照に、L2 1 構造であれば(220)基本格子線、(200)規則格子 及び(111)規則格子線の全てが観測される。B2 造であれば、(220)基本格子線及び(200)規則格 子線は観測されるが(111)規則格子線は観測さ ない。A2構造であれば、(220)基本格子線は観 測されるが、(200)及び(111)規則格子線は観測 れない。

 図4は、各熱処理温度においてRTAを行った試 料についてX線回折を行った結果である。熱 理する前は、回折線は観測されないが、熱 理温度が600℃においてCo 2 FeSiの(220)基本格子線が観測される。熱処理温 度が700℃以上になると、観測されるのはほと んどCo 2 FeSiの(220)基本格子線である。この結果から、 熱処理温度が700℃以上では体心立方格子(BCC) らなるホイスラー合金構造を有するCo 2 FeSiが形成されていることが確認された。

 図5は熱処理温度が700℃の試料を用い、(200) 則格子線及び(111)規則格子線を観察した図 ある。図5を参照に、(220)基本格子線に加え(2 00)規則格子線及び(111)規則格子線も観測され いる。このように、実施例1で作製したCo 2 FeSiはL2 1 構造のホイスラー合金であることが確認でき た。

 図6は熱処理温度が700℃の試料を用い、SIMS(S econdary Ion Mass Spectrometry)を観察した結果で る。横軸は試料の表面からの深さ、縦軸は 原子の含有量(原子%)を示している。酸化シ コン層14より下(図6では右側)ではCo及びFeは 測されていない。これは、酸化シリコン層14 及びSi基板12はCo及びFeとは反応していないこ を示している。すなわち、Co 2 FeSi合金層26を構成する原子のほとんどは、Si 16、Co層22及びFe層24から供給された原子であ ると考えられる。合金層26の組成比は、化学 論的組成であるCo:Fe:Si=50:25:25にほぼ近い組 を得ることができた。なお、Si層16、Co層22及 びFe層24の膜厚を調整することにより、完全 化学量論的組成となるホイスラー合金を得 ことができる。以上のように、実施例1によ ば、酸化シリコン層14上にホイスラー合金 26であるハーフメタル強磁性体層を形成する ことができた。

 実施例2はGOI(Germanium on Insulator)基板を用 た強磁性体の形成方法の例である。図7(a)及 び図7(b)は実施例2に係る強磁性体の形成方法 示す図である。図7(a)を参照に、Si基板12、 化シリコン層14及びGe(ゲルマニウム)層16aが に形成されたGOI基板10a上に、蒸着法を用い Co層22及びFe層24からなる磁性元素層20を形成 る。

 図7(b)を参照に、RTA法を用い、熱処理するこ とにより、Ge層16a、Co層22及びFe層24を反応さ る。これにより、ホイスラー合金構造を有 るCo 2 FeGe合金層26aが形成される。

 実施例3はSi基板上のGe層を用いた強磁性体 形成方法の例である。図8(a)を参照に、Si基 12上にGe層16a、Co層22及びFe層24を形成する。 8(b)を参照に、SiとGeとの反応、並びにSiとCo びFeとの反応が起こらない温度を用い、ホイ スラー合金構造を有するCo 2 FeGe合金層26aを形成することもできる。SiとGe の反応、並びにSiとCo及びFeとの反応が起こ ず、GeとCo、Feとが反応する温度としては、 えば300℃~400℃程度とすることができる。

 実施例3によれば、低温で磁性元素と反応 し易いGe層16aを半導体層とし、低温ではGeよ 磁性元素と反応し難いSi基板12を反応抑制層 することにより、Geと磁性元素とのホイス ー合金を形成することができる。これによ 、高価なSOI基板やGOI基板を用いることなく イスラー合金を形成することができる。

 実施例1及び実施例2と同様に、SGOI(SiGe on In sulator)を用い、ホイスラー合金構造を有するC o 2 FeGe 0.5 Si 0.5 合金を形成することもできる。また、ホイス ラー合金としては、CoFeSi、CoFeGe等のC1 b 構造のハーフホイスラー合金を形成すること もできる。また、Co 2 FeAl 0.5 Si 0.5 等の4元のホイスラー合金を形成することも きる。

 半導体層としてSiまたはGeを含む層を用い ることにより、SiまたはGeと磁性元素とのホ スラー合金を形成することができる。

 実施例1及び実施例2は反応抑制層として 化シリコン層14の例、実施例3は反応抑制層 してSi基板12の例であった。反応抑制層は、S i層16やGe層16a等の半導体基板とCo層22やFe層24 の反応が抑制される層であればよい。例え 、酸化シリコン層以外の絶縁膜等を用いる とができる。これにより、反応抑制層上の 導体層と磁性元素層とが反応しホイスラー 金からなるハーフメタル強磁性体層を形成 ることができる。また、半導体層と磁性元 層とを反応させる方法としてRTA法を用いた その他の熱処理法を用いてもよい。

 実施例4はホイスラー合金を用いスピント ランジスタを製造する例である。図9(a)から 9(d)は、実施例4に係るスピントランジスタの 製造方法を示す図である。実施例1の図3(a)と 様にSOI基板10を準備する。図9(b)を参照に、 化シリコン膜14(反応抑制層)上にSi層16(半導 層)が形成されたSOI基板10上にゲート酸化膜3 2を介しゲート電極30を形成する。ゲート電極 30の両側に酸化膜からなる側壁34を形成する 図9(c)を参照に、側壁34をマスクに、チャネ となるべき領域の両側のSi層16上にCo層22及び Fe層24からなる磁性元素層20を蒸着法を用い形 成する。図9(d)を参照に、RTA法を用い、Si層16 Co層22及びFe層24を反応させることにより、 ャネルとなるべき領域の両側の酸化シリコ 膜14上にソース電極及びドレイン電極として ホイスラー合金層26であるハーフメタル強磁 体電極を形成する。

 図9(d)を参照に、実施例4に係るスピント ンジスタは、チャネルであるSi層16(半導体チ ャネル層)が酸化シリコン層14(反応抑制層)上 設けられている。ハーフメタル強磁性体電 であるホイスラー合金層26が、Si層16の両側 酸化シリコン層14上に設けられている。図9( a)から図9(d)の方法でスピントランジスタを製 造することにより、ホイスラー合金層26は、 導体チャネル層を構成する半導体であるSi 磁性元素とから構成される。よって、ソー 電極とドレイン電極とであるハーフメタル 磁性電極の磁化方向が反平行の場合は、コ ダクタンスが小さくなり、ソース電極とド イン電極とのハーフメタル強磁性電極の磁 方向が平行の場合は、コンダクタンスが大 くなる。このように、大きな磁気電流比を ることができる。

 実施例4においては、チャネルの両側の半 導体層を用いホイスラー合金を形成する例を 説明したが、チャネルの両側のうち少なくと も一方をホイスラー合金としてもよい。すな わち、ソース電極及びドレイン電極の一方を ホイスラー合金からなるハーフメタル強磁性 体とし、他方をホイスラー合金以外の強磁性 体としてもよい。実施例4はスピントランジ タの製造方法に実施例1に示した強磁性体の 成方法を用いた例であったが、実施例2及び 実施例3の強磁性体の形成方法を用いスピン ランジスタを製造してもよい。実施例4のス ントランジスタの製造方法のように、半導 層の一部に選択的にハーフメタル強磁性体 形成する場合、実施例1から実施例3に示し 方法を用いることが好ましい。

 実施例5はチャネルである半導体層の両側 に低抵抗の領域を形成する例である。図10(a) ら図10(c)は、実施例5に係るスピントランジ タの製造方法を示す図である。図10(a)を参 に、実施例4の図9(b)の後、斜めから不純物を イオン注入する。これにより、ソース及びド レインとなるべき領域とともに、側壁34下のS i層16にも不純物が注入される。その後、熱処 理することにより、高ドープSi層40を形成す ことができる。なお、nチャネルデバイスの 合、注入するイオンはAsやPを用いる。すな ち高ドープSi層40は高ドープn型層となる。 方、pチャネルデバイスの場合、注入するイ ンはBを用いる。すなわち高ドープSi層40は ドープp型層となる。また、斜めから不純物 注入する代わりに、側壁34を形成する前に ゲート電極30をマスクにSi層16に不純物をイ ン注入してもよい。

 図10(b)を参照に、ソース及びドレインと るべき領域に磁性元素層20を形成する。図10( c)を参照に、実施例4の図9(d)と同様に、高ド プSi層40、Co層22及びFe層24からホイスラー合 層26を形成する。このとき、側壁34下の高ド プSi層40は反応しないため、半導体チャネル であるSi層16と強磁性体電極であるホイスラ 合金層26との間に、高ドープSi層40が残存し 導体チャネルよりドーパントを高濃度に含 抵抗率の小さな半導体領域が形成される。

 図9(d)を参照に、実施例4によれば、磁性 素層20とゲート電極30との接触を抑制するた 側壁34が形成されている。しかしながら、 壁34下にSi層16が残存しているため、ソース びドレインに寄生抵抗が発生し、トランジ タ性能(電流駆動能力)が低下してしまう。実 施例5によれば、図10(c)のように、側壁34下に ドープSi層40が形成されていることにより、 ソース抵抗及びドレイン抵抗を低減し、トラ ンジスタ性能を向上させることができる。

 実施例6は、ホイスラー合金を側壁下まで 形成する例である。図11を参照に、ホイスラ 合金層26を形成する際、侵食反応を用い側 34下まで侵食するようにホイスラー合金層26 形成する。これにより、強磁性体電極が側 34の下26bまで形成される。よって、ソース 抗及びドレイン抵抗を低減し、トランジス 性能を向上させることができる。

 実施例7は、ホイスラー合金を形成する際 、偏析層を形成する例である。図12(a)から図1 2(c)は、実施例7に係るスピントランジスタの 造方法を示す図である。図12(a)を参照に、 施例4の図9(b)の後、不純物をイオン注入する 。これにより、ソース及びドレインとなるべ き領域のSi層16に不純物が注入され、Si層16に 純物導入層42が形成される。なお、nチャネ デバイスの場合、注入するイオンはAsやPを いる。一方、pチャネルデバイスの場合、注 入するイオンはBを用いる。また、不純物導 層42はSi層16の一部の層であってもよい。図12 (b)を参照に、熱処理を行わず、ソース及びド レインとなるべき領域に磁性元素層20を形成 る。

 図12(c)を参照に、RTA法を用い熱処理する とにより、ホイスラー合金層26を形成する。 このとき、半導体チャネルであるSi層16とホ スラー合金層26との間に不純物が偏析し偏析 層44が形成される。偏析層44により、Si層16と イスラー合金層26との間のショットキ障壁 低くすることができる。よって、ソース抵 及びドレイン抵抗を低減し、トランジスタ 能を向上させることができる。なお、実施 7の図12(c)においては、実施例6の図11と同様 侵食反応を行っているが、実施例4の図9(d)の ように侵食反応は行わなくてもよい。

 前述のように、スパッタ法や分子線エピ キシー法を用いホイスラー合金を形成する 法では、従来のMOSFETにおいて用いられてい 製造方法を適用することができない。一方 実施例4から実施例7においては、スピント ンジスタの強磁性体電極を、MOSFETにおける タルソース及びドレインの形成工程と同様 、金属のシリサイドまたはジャーマナイド より形成している。このように、強磁性体 極を従来のMOSFETのメタルソース及びドレイ の形成と同様の工程を用いるとにより、実 例6のように、侵食反応を利用することがで る。また、実施例7のように、偏析現象を用 いることができる。

 なお、実施例1から実施例7において、強 性体層および強磁性体電極としてスピン分 率が100%のハーフメタル強磁性体を例に説明 たが、スピン分極率は100%に近いことが好ま しいものの100%より小さい強磁性体でもよい

 以上、発明の好ましい実施例について詳 したが、本発明は係る特定の実施例に限定 れるものではなく、特許請求の範囲に記載 れた本発明の要旨の範囲内において、種々 変形・変更が可能である。