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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR FORMING ORGANIC SEMICONDUCTOR THIN FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/001816
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a uniform organic semiconductor material thin film for semiconductor devices such as organic thin film transistors, which has an orientation with high carrier mobility. Also disclosed is an organic thin film transistor using such an organic semiconductor material thin film. Specifically disclosed is a method for forming an organic semiconductor thin film wherein a coating liquid containing an organic semiconductor material is applied onto a substrate and an organic semiconductor material thin film is formed thereon. This method is characterized in that the coating liquid containing an organic semiconductor material contains a nonionic surfactant.

Inventors:
OBUCHI REIKO (JP)
HIRAI KATSURA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061448
Publication Date:
December 31, 2008
Filing Date:
June 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
OBUCHI REIKO (JP)
HIRAI KATSURA (JP)
International Classes:
H01L21/368; H01L21/336; H01L29/786; H01L51/05; H01L51/40
Foreign References:
JP2007258724A2007-10-04
JP2005064122A2005-03-10
JP2005183889A2005-07-07
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Claims:
基板上に有機半導体材料を含有する塗布液を供給し、成膜する有機半導体薄膜の形成方法において、有機半導体材料を含有する塗布液中にノニオン型界面活性剤を含有させることを特徴とする有機半導体薄膜の形成方法。
前記ノニオン型界面活性剤が、アルキレンオキサイド型ノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機半導体薄膜の形成方法。
前記有機半導体材料が分子量5000以下の低分子材料であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の有機半導体薄膜の形成方法。
有機半導体材料が結晶性を有することを特徴とする請求の範囲第1項~第3項のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の形成方法。
界面活性剤の添加により、塗布液の表面張力が80%以下に低下することを特徴とする請求の範囲第1項~第4項のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜の形成方法。
Description:
有機半導体薄膜の形成方法

 本発明は有機半導体薄膜の形成方法に関 る。

 有機機能材料は、様々な用途に適用が可 であるが、有機機能材料薄膜の形成は、蒸 、スパッタあるいは塗布等によって行われ 。しかしながら、液状の機能材料を、基板 に供給・適用して液体プロセスで成膜する 法は、生産性が高い有効な成膜方法である 液体プロセスによる成膜は、溶液または分 液を、いずれかの基板上に、印刷、コーテ ング等により適用して形成される。基板表 に均一な配向性のよい薄膜を成膜すること 重要である。

 基板上に有機機能材料の薄膜を均一に形 するため、例えば、有機またはポリマー系 エレクトロルミネセンスデバイスの分野に いて、有機化合物に基づく電荷輸送物質(通 常、トリアリールアミンに基づくホール輸送 物質)、また、スペクトルの可視領域に光を する特定の半導有機化合物に、特定の界面 性剤を添加して成膜することが知られてい (例えば、特許文献1に記載)。

 また、有機系固体レーザダイオードや有 系光検知器等の用途、また有機集積回路(有 機iCs)や有機の太陽電池としての用途をもつ 機の電荷輸送膜においても、特定の添加剤 適用が試みられている(例えば、特許文献2に 記載)。

 特に有機TFT素子の様な半導体デバイスにお ては、有機半導体薄膜の成膜には、それが 高誘電性の表面エネルギーの小さい表面上 成膜されることや、また、同時に、微細レ ルにおいて均一さが必要とされ、特性のバ ツキ等がないことが要求されるため、これ 適した均一で配向性が高い成膜方法が必要 されている。

特開2004-87482号公報

特表2005-514726号公報

 従って、本発明の目的は、有機薄膜トラ ジスタのような半導体デバイスにおいて、 一なキャリア移動度の高い配向性の有機半 体材料薄膜を、またこれを用いた有機薄膜 ランジスタを得ることにある。

 本発明の上記課題は以下の手段により達 される。

 1.基板上に有機半導体材料を含有する塗 液を供給し、成膜する有機半導体薄膜の形 方法において、有機半導体材料を含有する 布液中にノニオン型界面活性剤を含有させ ことを特徴とする有機半導体薄膜の形成方 。

 2.前記ノニオン型界面活性剤が、アルキ ンオキサイド型ノニオン界面活性剤である とを特徴とする前記1に記載の有機半導体薄 の形成方法。

 3.前記有機半導体材料が分子量5000以下の 分子材料であることを特徴とする前記1また は2に記載の有機半導体薄膜の形成方法。

 4.有機半導体材料が結晶性を有すること 特徴とする前記1~3のいずれか1項に記載の有 半導体薄膜の形成方法。

 5.界面活性剤の添加により、塗布液の表 張力が80%以下に低下することを特徴とする 記1~4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜 形成方法。

 本発明により、例えば有機TFT素子の形成 おいて、高誘電性の絶縁性基板上に、均一 、配向性の高い有機半導体材料薄膜を形成 ることができる。

有機TFTを示す図である。

符号の説明

 1 基板
 2 ゲート電極
 3 ゲート絶縁層
 4 有機半導体層
 5 ソース電極

 以下に、本発明を実施するための最良の 態について詳細に説明するが、本発明はこ らに限定されるものではない。

 本発明は、基板上に有機半導体材料を含 する塗布液を供給して、基板上に成膜する 機半導体薄膜の形成方法おいて、有機半導 材料を含有する塗布液中に界面活性剤を含 させることを特徴とする。

 有機薄膜トランジスタを構成する場合に 、有機半導体材料を含有する塗布液は、ゲ ト絶縁膜、例えば、シリコンの熱酸化膜等 疎水性の高い絶縁性膜を有する表面に、キ ストコート、スピンコート、印刷、インク ェット法等種々の方法により供給・適用し 、これを乾燥することで、基板上に有機半 体薄膜が成膜される。

 前記有機半導体材料を含有する塗布液を構 する、有機半導体を溶解する溶媒は、塗布 を適用する表面との親和性を有している溶 であって、かつ、沸点が70℃以上250℃以下 あることが好ましく、塗布液中に含まれる 機半導体材料が、塗布溶媒に対して、標準 態(25℃、10 5 Pa)で3質量%以上溶解する溶媒を用いるのが好 しい。

 例えば、トルエン等の芳香族炭化水素、 キサン、ヘプタン等の鎖状脂肪族炭化水素 またシクロヘキサン、シクロペンタン等の 状脂肪族炭化水素等、脂肪族炭化水素類、 ロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲ ン化炭化水素、ジエチルエーテルやジイソプ ロピルエーテル等の鎖状エーテル類、テトラ ヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル 、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン 類等から選ばれる溶媒が挙げられる。また、 これらの溶媒は混合して用いてもよい。

 有機半導体材料溶液への、界面活性剤の 加によって、有機半導体材料を含有する塗 液の表面張力は低下するが、有機半導体材 溶液の表面張力は、界面活性剤を含まない 合に比べ、80%以下に低下することが好まし 。

 このような有機半導体材料溶液において 表面張力の低下を引き起こす好ましい界面 性剤としては、後述するノニオン系界面活 剤、または両親媒性界面活性剤が挙げられ 。

 有機半導体材料溶液の表面張力の低下に り、前記のような疎水性の高い絶縁膜上に 、これを塗布液として、供給・適用したと 、薄膜が、はじきやムラ等また泡等による 陥がなく、基板上に、均一に有機半導体薄 を成膜することができる。

 有機半導体材料は、0.001~10.0質量%、好ま くは、0.01~5.0質量%の範囲で塗布液中に溶解 ていることが好ましいが、含有される界面 性剤の実用濃度範囲は、その応用条件にも るが、0.01%~50%(質量割合)(溶液中の有機半導 量基準)である。好ましい範囲は、0.01~10%、 に好ましい範囲は、0.01~2%である。このこと 、例えば、1質量%濃度の半導体溶液(m/v、mass /volume)を用いる場合、溶媒に対する添加物の は、0.0001~0.5%(m/v)である。

 濃度が高すぎると基板上の均一な延展が きない、また低すぎると基板上での液切れ よる塗膜のピンホール等が生じやすい。

 有機半導体材料を含有する塗布液(溶液) 基板上への供給は、キャストコート、スピ コート、印刷、インクジェット法等によっ 絶縁体表面(基板上)に適用して、乾燥するこ とで、絶縁体表面に、有機半導体薄膜を形成 することができる。

 本発明に用いられる有機半導体材料は、 分子有機半導体材料として機能するもので ればどのような有機化合物を選択してもよ が、分子量として重量平均分子量が5000以下 のものであることが好ましい。

 また、有機半導体材料分子は結晶性を有 ることが好ましく、代表的な、低分子有機 導体材料としては代表的にはペンタセン等 化合物があり、特に国際公開第03/16599号パ フレット、国際公開第03/28125号パンフレット 、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004-107216 公報等に記載の置換基を有するペンタセン 、米国特許出願公開第2003-136964号明細書等 記載のペンタセンプレカーサ類がある。

 本発明に用いられる低分子有機半導体材 としては、置換基を有する縮合多環芳香族 合物が好ましく、分子中にヘテロ原子を含 縮合多環芳香族化合物が特に好ましく、ヘ ロ原子としてはSi、S、O、N、Ge等が好ましい 。特に本発明に好ましいのは、ヘテロ原子が 縮合環外の置換基に置換されているものであ る。

 以下に好ましい有機半導体材料の具体的 合物例を挙げるが、本発明はこれらに限定 れるものではない。

 例示化合物(4)及び(6)はJ.A.C.S.2005,127,4986~498 7に記載されている化合物であり、その他の 合物も上記文献を参考に合成することがで る。

 これらの有機半導体材料は、前記有機半 体材料を含有する塗布液の形態で基板表面 供給され、成膜されるため、溶媒は、適用 る表面との親和性を有する前記のような溶 が用いられるが、有機半導体材料の溶解の 進のため、有機半導体材料に対する溶解性 高い他の溶媒を混合して用いてもよい。

 また、本発明においては、有機半導体膜( 層)の設置後に所定時間、所定温度において 処理を行ってもよい。これにより形成され 有機半導体材料の分子の配向、乃至配列を らに強化、促進することが可能である。

 熱処理は有機半導体材料の融点以下の温度 行うのが好ましい。特に有機半導体材料が 記示差走査熱分析(DSC)測定において発熱ピ クを有する場合、融点以下、発熱開始温度 上の範囲の温度で一定時間処理することが ましい。例えば、10秒から1週間、好ましく 10秒から1日、さらに好ましくは10秒から1時 の一定時間、熱処理が行われることが好ま い。融点以上の温度での熱処理は、有機半 体材料を融解させるので形成された配向あ いは結晶化した膜が溶融状態となり破壊さ るからである。また余りに高い温度に晒さ ると、有機半導体材料自体の分解や変質も こるため好ましくない。これらの熱処理は 窒素あるいはヘリウム、アルゴン等の不活 ガス中で行うのが好ましい。また、これら 活性気体の圧力としては0.7×10 2 ~1.3×10 2 kPaの範囲、即ち大気圧近傍が好ましい。

 本発明において使用される界面活性剤は ニオン系、カチオン系、ノニオン系あるい 両親媒性の界面活性剤(乃至両親媒性を有す る化合物)いずれにも限定されないが、ノニ ン系界面活性剤が好ましい。

 本発明に用いられる、好ましいノニオン 面活性剤について次に説明する。

 ノニオン界面活性剤は大別するとポリエチ ングリコール型と多価アルコール型に分類 ることができ、どちらも使用できるが、現 性能の点からポリエチレングリコール型の ニオン界面活性剤が好ましく、そのなかで エチレンオキシ基(-CH 2 CH 2 O-)を3以上有し、かつHLB値(HLBはHydrophile-Lipophil e Balanceの略)が5以上(より好ましくは8~20)のノ ニオン界面活性剤がより好ましい。

 さらに、ノニオン型界面活性剤の構造の 部にハロゲン元素を含有する材料が特に好 しい。なかでもフッ素原子を含有するもの 特に好ましい。

 ノニオン界面活性剤のうち、エチレンオ シ基とプロピレンオキシ基の両者を有する のが特に好ましく、そのなかでHLB値が8以上 のものがより好ましい。

 ノニオン界面活性剤の好ましい例として 記一般式〔1〕~〔8〕で表される化合物が挙 られる。

 〔1〕~〔8〕式において、Rは水素原子また は1価の有機基を表す。該有機基としては、 えば直鎖もしくは分岐の炭素数1~30の、置換 {例えばアリール基(フェニル等)}を有してい てもよいアルキル基、アルキル部分が上記ア ルキル基であるアルキルカルボニル基、置換 基(例えばヒドロキシル基、上記のようなア キル基等)を有していてもよいフェニル基等 挙げられる。a、b、c、m、n、xおよびyは各々 1~40の整数を表す。

 ノニオン界面活性剤の具体例を示す。

 ポリエチレングリコール、ポリオキシエ レンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ ノニルエーテル、ポリオキシエチレンセチ エーテル、ポリオキシエチレンステアリル ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー ル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン チルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ シプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキ エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオ シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ オキシエチレンステアリルアミン、ポリオ シエチレンオレイルアミン、ポリオキシエ レンステアリン酸アミド、ポリオキシエチ ンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレン マシ油、ポリオキシエチレンアビエチルエ テル、ポリオキシエチレンラノリンエーテ 、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポ オキシエチレンモノステアレート、ポリオ シエチレングリセリルモノオレート、ポリ キシエチレングリセルモノステアレート、 リオキシエチレンプロピレングリコールモ ステアレート、オキシエチレンオキシプロ レンブロックポリマー、ジスチレン化フェ ールポリエチレンオキシド付加物、トリベ ジルフェノールポリエチレンオキシド付加 、オクチルフェノールポリオキシエチレン リオキシプロピレン付加物、グリセロール ノステアレート、ソルビタンモノラウレー 、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ ート等。

 ノニオン界面活性剤の重量平均分子量は3 00~10000の範囲が好ましく、500~5000の範囲が特 好ましい。

 本発明において、分子量は、当該業者周 の質量分析装置を用いて測定するが、分子 分布を示す化合物(オリゴマーや高分子等) 分子量(本願では、オリゴマー、高分子の分 量としては、重量平均分子量Mwを用いる。) 該分子量分布の測定は、市販のGPC(ゲルパー ミエーションクロマトグラフ)法などを用い 測定する。

 本発明による界面活性剤は、その応用条 にもよるが、溶液中の有機半導体量基準で 0.01%~50%(質量割合)、好ましくは、0.01~10%、特 に好ましくは、0.01~2%で用いられる。

 本発明の有機半導体材料および界面活性 を含有する溶液は、溶液中での固体物質の 合物である。この混合物においては、固体 分子的に溶解状態、即ち、固体分子の大部 が実質的に溶解し、凝集物やナノ粒子ある はマイクロ粒子の形状では存在しない。

 本発明の有機半導体材料を含有する塗布 の粘度は、変動可能である。しかしながら 特定のコーティング技術には特定の粘度範 が必要とされる。例えば、約4~25mPa・sの範 は、IJPによるコーティイングに適したもの あり、例えば、例えば、グラビアプリンテ ングの場合には、実質的により高い粘度、 えば20~500mPa・sの範囲の粘度が有利に用いら る。

 本発明に係る成膜方法は、少なくともチ ネル部が有機半導体薄膜で形成された有機T FT素子(有機薄膜トランジスタ素子)の構成要 となる有機半導体薄膜を形成する際に適用 能である。この有機TFT素子としては、例え 図1に示すような構成のものがある。

 図1において、基板1上にはゲート電極2が 成されている。また、基板1上にはゲート電 極2を覆った状態で高誘電率の絶縁体からな ゲート絶縁膜3が形成され、このゲート絶縁 3上には有機半導体層4が形成されている。 して、この有機半導体層4上にソース電極5お よびドレイン電極6が形成されることにより 有機TFT素子(有機薄膜トランジスタ素子)が構 成される。

 このような有機TFT素子を製造するには、 ず、基板1上にゲート電極材料が設けられゲ ート電極2が形成される。次に、このゲート 極2を覆った状態にゲート絶縁膜3が形成され る。このゲート絶縁膜3の形成材料としては 限定されることなく種々のものが使用可能 あるが、特に高誘電率の絶縁体として、金 酸化物薄膜、好ましくはチタン酸バリウム トロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バ ウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン 鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チ ン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウ 、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチ ムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビ マス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、タン ル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマス、ペ トオキサイドタンタル、ジオキサイドチタ 、トリオキサイドイットリウム、酸化タン ル、酸化バナジウム、酸化チタンなどの無 材料が好適に用いられる。また、ポリクロ ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ オキシメチレン、ポリビニルクロライド、 リフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラ 、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフ ン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有 材料も使用可能である。なお、特に前記の 機材料によってゲート絶縁膜3を形成する場 には、成膜後、さらにこれに150~400℃の範囲 の適宜な温度でアニール処理を行うのが、膜 品質を改善し、誘電率を増大させることがで き好ましい。

 また、塗布される有機半導体材料を含有 る液体との濡れ性の高い表面を得るために 例えば、ゲート絶縁膜には表面処理を施す とが好ましい。このような処理として、ゲ ト絶縁膜を研磨等によってその表面粗さを 化させる処理、自己配列型の薄膜を形成さ るためのラビング等の配向処理、またシラ カップリング剤による表面処理、シランカ プリング剤を用いた表面処理による自己組 化単分子膜(SAM膜)の形成が挙げられる。シ ンカップリング剤としては、オクタデシル リクロロシラン、オクチルトリクロロシラ 、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジ ラザン等が好ましい例として挙げられ、本 明はこれらに限らないが、シランカップリ グ剤による処理が好ましい。

 次いで、このゲート絶縁膜3上に有機半導 体層4が形成される。この有機半導体層4の形 にあたっては、キャストコート、スピンコ ト、印刷、インクジェット法等の液滴吐出 置が好適に用いられる。有機半導体層4の形 成材料としては、具体的には、前記の有機半 導体材料、また、ナフタレン、アントラセン 、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ま た、米国特許出願公開第2003-136964号明細書等 記載のペンタセンプレカーサ類、さらに、 記の置換基を有する縮合多環芳香族化合物 らなる低分子有機半導体材料等、また、ポ アセチレン等が用いられる。

 また、特にp-チャネル用とされる場合に 、2~5個の炭素原子を介して結合された、オ ゴ重合度が4以上8以下のチオフェンのオリゴ マー;2~5個の炭素原子を介して結合された、3~ 6個のチオフェン環と末端基としてチオフェ を有するビニレンと、チエニレンとの交互 役オリゴマー;ベンゾ[1,2-b:4,5’]ジチオフェ の線状ダイマーおよびトリマー;末端のチオ ェンの4個または5個の炭素原子上に置換基( えば、炭素原子を1~20個有するアルキル置換 基)を有する前記オリゴマー;ポリマーマトリ クス中のp、p’-ジアミノビフェニル複合体 ども使用可能であり、特にα-ヘキサチエニ ン(α-6T)が好適に用いられる。さらに、p-チ ネル用とされる場合には、1,4,5,8-ナフタレ テトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA:n aphthalene tetracarboxylic dianhydride)、1,4,5,8-ナフ レンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI:naphtha lene tetracarboxylic diimide)、11,11,12,12-テトラシ ノナフト-2,6-キノジメタン(TCNNQD:tetracyanonaphth o-2,6-quinodimethane)なども使用可能である。

 このような有機半導体材料をインクジェ ト法によって成膜する場合、まず、有機半 体材料を溶媒に溶解するとともに上述した 面活性剤を添加することにより液状体組成 を形成し、そして、この液状体組成物を基 1のゲート絶縁膜3上に吐出し塗布する。そ て、加熱あるいは減圧等による乾燥を適宜 行うことにより、溶媒を除去して有機半導 層4が形成される。その後、この有機半導体 4上にソース電極5およびドレイン電極6が形 され、有機TFT素子が得られる。

 電極の形成方法としては、上記を原料と て蒸着やスパッタリング等の方法を用いて 成した導電性薄膜を公知のフォトリソグラ 法やリフトオフ法を用いて電極形成する方 、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写 インクジェット等によるレジストを用いて ッチングする方法等がある。

 電極の形成方法としては、白金、金、銀 コバルト、ニッケル、クロム、銅等の、導 性(金属微粒子)微粒子分散液、または、例 ば、導電性ポリピロール、導電性ポリチオ ェン、ポリエチレンジオキシチオフェンと リスチレンスルホン酸の錯体等の導電性ポ マーの溶液あるいは分散液を直接インクジ ット法によりパターニングする方法、塗工 からリソグラフやレーザーアブレーション により形成する方法がある。さらに導電性 リマーや導電性微粒子を含むインク、導電 ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリー 印刷等の印刷法でパターニングする方法も いることができる。

 特に、金属微粒子分散物の製造方法とし 、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属 気合成法等の物理的生成法や、コロイド法 共沈法等の液相で金属イオンを還元して金 微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ 。好ましくは特開平11-80647号、特開2000-239853 号等に示されたコロイド法、同2000-123634号に 載されたガス中蒸発法により製造された金 微粒子分散物である。

 分散される金属微粒子の平均粒径として 、20nm以下であることが好ましい。また、金 属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させ ることが好ましく、これをパターニングして 押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電 極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機 半導体層とのオーミック接触を可能とできる 。即ち、金属微粒子の表面に導電性ポリマー を介在させて半導体への接触抵抗を低減させ 、且つ金属微粒子を加熱融着させることで、 さらに本発明の効果を高めることができる。

 以下、実施例により本発明を具体的に説 するが本発明はこれにより限定されるもの はない。

 実施例1
 比抵抗0.02ω・cmのn型Siウエハーに厚さ200nmの 熱酸化膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。こ の基板にフォトリソグラフィー工程を経て金 のパターンを形成し、ソース、ドレイン電極 とした。この基板をHMDS(ヘキサメチルジシラ ン)のトルエン溶液に浸漬、洗浄することに より絶縁膜上にHMDSのSAM膜を形成した。次に 機半導体材料(6)の3.0質量%トルエン溶液に、 機半導体材料(6)の質量基準で1.0質量%に相当 する界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリ ルエーテル硫酸ナトリウムを添加した溶液を 、前記基板上に供給し、塗布したところ、均 一な半導体膜が形成され、その移動度は0.1cm 2 /Vsであった。

 実施例2~6
 実施例1において、添加する界面活性剤を表 中記載の界面活性剤に代えて実施したところ いずれも結晶性の良い薄膜が得られ、移動度 は表中記載の通りであった。

 比較例1
 比抵抗0.02ω・cmのn型Siウエハーに厚さ200nmの 熱酸化膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。こ の基板にフォトリソグラフィー工程を経て金 のパターンを形成し、ソース、ドレイン電極 とした。この基板をHMDS(ヘキサメチルジシラ ン)により表面処理し、絶縁膜上にHMDSのSAM を形成した。次に有機半導体材料(6)の3.0質 %トルエン溶液を調製し、前記基板上に供給 、有機半導体薄膜を形成することを試みた その結果、チャネル部全体を被覆する均一 膜が得られず、製膜した部分の結晶性も非 に悪かった。

 以上について、製膜の可否、結晶性、ま 製膜したものについては、薄膜トランジス を駆動させ、移動度を評価した。

 移動度については、ドレインバイアスを10V し、ゲートバイアスを-10Vから+20Vまで掃引 た時のドレイン電流の増加(伝達特性)を観測 しその飽和領域から移動度(cm 2 /Vs)を見積り評価した。

 また、結晶性は、偏光顕微鏡観察により、 下の基準で評価した。
◎:チャネル中の結晶領域間に1μm幅を越える メインバウンダリーが確認できない。
△:チャネル中の結晶領域間に1~10μm幅のドメ ンバウンダリーあり。
×:チャネル中の結晶領域間に10μmより大きい のドメインバウンダリーあり。

 その結果を表1に示す。

 ノニオン型界面活性剤の添加により塗布 可能、かつ半導体特性をもつ結晶性の薄膜 なることが判る。