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Title:
METHOD FOR GROWING GROUP III NITRIDE CRYSTAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090904
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for growing a group III nitride crystal, which comprises a step of preparing a substrate (10) containing a group III nitride seed crystal (10a) having a major surface (10m), a step of providing the major surface (10m) of the substrate (10) with a plurality of facets (10ms, 10mt, 10mu) by vapor-phase etching, and a step of growing a group III nitride crystal (20) on the major surface (10m) having the facets (10ms, 10mt, 10mu). By this method, a group III nitride crystal (20) having low dislocation density can be efficiently obtained by a simple process.

Inventors:
SATO FUMITAKA (JP)
NAKAHATA SEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050110
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES (JP)
SATO FUMITAKA (JP)
NAKAHATA SEIJI (JP)
International Classes:
C30B29/38; C23C16/02; C23C16/34; C30B25/18; H01L21/205
Foreign References:
JP2002313733A2002-10-25
JP2000244061A2000-09-08
JP2006036561A2006-02-09
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-k, Osaka-shi Osaka 05, JP)
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Claims:
 一主面(10m)を有するIII族窒化物種結晶(10a)を含む基板(10)を準備する工程と、
 気相エッチングにより前記基板(10)の前記主面(10m)に複数のファセット(10ms,10mt,10mu)を形成する工程と、
 前記ファセット(10ms,10mt,10mu)が形成された前記主面(10m)上にIII族窒化物結晶(20)を成長させる工程と、を備えるIII族窒化物結晶の成長方法。
 前記主面(10m)は前記III族窒化物種結晶(10a)の(0001)面に対するオフ角が10°以下であり、
 前記ファセット(10ms,10mt,10mu)は{11-2m}面(mは正の整数)および{10-1n}面(nは正の整数)からなる群から選ばれる少なくとも1つの結晶幾何学的に等価な面を含む請求の範囲第1項に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
 前記気相エッチングは、HClガス、Cl 2 ガスおよびH 2 ガスからなる群から選ばれる少なくとも1種類のガスを用いて行なう請求の範囲第1項に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
 前記ファセット(10ms,10mt,10mu)が形成されている前記主面(10m)の平均粗さRaが、1μm以上1mm以下である請求の範囲第1項に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
 前記気相エッチング後の前記基板(10)の厚さが300μm以下である請求の範囲第1項に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
 前記基板(10)の前記主面(10m)に複数の前記ファセット(10ms,10mt,10mu)を形成する工程の後、前記基板(10)を移動させることなく、連続して、前記ファセット(10ms,10mt,10mu)が形成された前記主面(10ms,10mt,10mu)上にIII族窒化物結晶(20)を成長させる工程を行なう請求の範囲第1項に記載のIII族窒化物結晶の成長方法。
Description:
III族窒化物結晶の成長方法

 本発明は、転位密度の低いIII族窒化物結 の成長方法に関する。

 Al x Ga 1-x N(0≦x≦1)結晶などのIII族窒化物結晶は、発光 デバイス、電子デバイスなどの各種半導体デ バイスに好適に用いられている。ここで、各 種半導体デバイスの特性を向上させるため、 転位密度の低いIII族窒化物結晶が求められて いる。

 転位密度の低いIII族窒化物結晶を成長させ 方法として、基板上に開口部をするマスク を形成して、開口部からマスク層上にIII族 化物結晶を横方向に成長させるELO(エピタキ シャルラテラルオーバーグロース)法が開示 れている(たとえば、国際公開第WO98/047170号 ンフレット(特許文献1)を参照)。

国際公開第WO98/047170号パンフレット

 しかし、国際公開第WO98/047170号パンフレ ト(特許文献1)で開示されているELO法は、成 させるIII族窒化物結晶の転位密度を低減す ことはできるが、開口部を有するマスク層 形成することが必要であり、工程が複雑と り、生産性および経済性において不利であ た。

 そこで、本発明は、簡便に効率よく転位 度の低いIII族窒化物結晶を成長させる方法 提供することを目的とする。

 本発明は、一主面を有するIII族窒化物種 晶を含む基板を準備する工程と、気相エッ ングにより基板の主面に複数のファセット 形成する工程と、ファセットが形成された 面上にIII族窒化物結晶を成長させる工程と を備えるIII族窒化物結晶の成長方法である

 本発明に係るIII族窒化物結晶の成長方法に いて、主面はIII族窒化物種結晶の(0001)面に するオフ角が10°以下とし、ファセットは{11 -2m}面(mは正の整数)および{10-1n}面(nは正の整 )からなる群から選ばれる少なくとも1つの結 晶幾何学的に等価な面を含むことができる。 また、気相エッチングは、HClガス、Cl 2 ガスおよびH 2 ガスからなる群から選ばれる少なくとも1種 のガスを用いて行なうことができる。また ファセットが形成されている主面の平均粗 Raを1μm以上1mm以下とすることができる。ま 、気相エッチング後の基板の厚さを300μm以 とすることができる。また、基板の主面に 数のファセットを形成する工程の後、基板 移動させることなく、連続して、ファセッ が形成された主面上にIII族窒化物結晶を成 させる工程を行なうことができる。

 本発明によれば、簡便に効率よく転位密 の低いIII族窒化物結晶を成長させる方法を 供することができる。

本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長 法の一実施形態を示す概略断面図である。 こで、(a)は基板の準備工程を、(b)はファセ ト形成工程を、(c)はIII族窒化物結晶の成長 程を示す。 図1(b)におけるII部分の拡大図である。 図1(c)におけるIII部分の拡大図である。 本発明におけるHVPE法によるIII族窒化 結晶の成長方法におけるファセット形成工 の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明におけるHVPE法によるIII族窒化 結晶の成長方法におけるIII族窒化物結晶の 長工程の一実施形態を示す概略断面図であ 。

符号の説明

 1 HClガス、2 III族元素原料、3 III族元素 料ガス、4 窒素原料ガス、5,8 排ガス、7  ッチングガス、10 基板、10a III族窒化物種 晶、10b 下地基板、10m 主面、10ms,10mt,10mu フ ァセット、10n (0001)面、20 III族窒化物結晶、 100 HVPE装置、110 反応室、111 第1のガス導入 、112 第2のガス導入管、113 第3のガス導入 、115 ガス排出管、119 基板ホルダ、120 III 元素原料ガス生成室、121 III族元素原料ボ ト、131,132,133 ヒータ。

 本発明にかかるIII族窒化物結晶の成長方 の一実施形態は、図1~図3を参照して、一主 10mを有するIII族窒化物種結晶10aを含む基板1 0を準備する工程(図1(a))と、気相エッチング より基板10の主面10mに複数のファセット10ms,1 0mt,10muを形成する工程(図1(b)、図2)と、ファセ ット10ms,10mt,10muが形成された主面10m上にIII族 化物結晶20を成長させる工程(図1(c)、図3)と を備える。

 本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法 よれば、基板10の主面10mに形成された複数 ファセット10ms,10mt,10muのそれぞれの上にIII族 窒化物結晶20が成長する。ここで、ファセッ 10ms,10mt,10mu上に成長する結晶の成長方向お び転位の伝搬方向(図3において、それぞれ矢 印S,TおよびUの方向)は、それぞれファセット1 0ms,10mt,10muに実質的に垂直な方向となる。こ により、III族窒化物結晶20において、主面10m に実質的に垂直な方向に伝搬する転位が減少 する。

 また、対向するファセット(たとえば、フ ァセット10mtとファセット10mu)上に成長する結 晶間では、転位の伝搬方向(矢印TとUの方向) 対向しており、伝搬してきた転位が衝突す (図3において、たとえば矢印TとUが衝突する) 。この衝突において、バーガーズベクトルの 符号が反対で大きさが同じ転位が消滅する。 また、消滅しなかった転位は、上記の対向す るファセットが衝突する領域に吸収される。 このようにして、III族窒化物結晶20の転位密 が低減する。

 本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法 ついて、図1~図3を参照して、さらに詳細に 明する。まず、図1(a)を参照して、一主面10m を有するIII族窒化物種結晶10aを含む基板10を 備する(基板の準備工程)。III族窒化物種結 10aは成長させるIII族窒化物結晶との結晶格 の不整合が小さい。特に、III族窒化物種結 と成長させるIII族窒化物結晶との間で、結 の構成原子の種類および密度が同じ場合に 、それらの結晶間の結晶格子が整合する。 のため、一主面10mを有するIII族窒化物種結 10aを含む基板10を用いることにより、その主 面10m上に転位密度が低く結晶性の高いIII族窒 化物結晶20を成長させることができる。

 ここで、基板10は、一主面10mを有するIII族 化物種結晶10aを含むものであれば特に制限 なく、その全体がIII族窒化物種結晶10aで形 されている自立基板であってもよく、また 下地基板10b上にIII族窒化物種結晶10aの層が 成されているテンプレート基板であっても い。全体がIII族窒化物種結晶10aで形成され いる基板10としては、GaN基板、AlN基板、Al x Ga 1-x N(0<x<1)基板などが挙げられる。また、下 基板10b上にIII族窒化物種結晶10aの層が形成 れている基板10としては、GaN/サファイア基 (サファイア基板上にGaN種結晶が形成されて いる基板をいう、以下同じ)、GaN/SiC基板(SiC基 板上にGaN種結晶が形成されている基板をいう 、以下同じ)、GaN/Si基板(Si基板上にGaN種結晶 形成されている基板をいう、以下同じ)、GaN/ GaAs基板(GaAs基板上にGaN種結晶が形成されてい る基板をいう、以下同じ)、GaN/GaP基板(GaP基板 上にGaN種結晶が形成されている基板をいう、 以下同じ)、GaN/InP(InP基板上にGaN種結晶が形成 されている基板をいう、以下同じ)などが挙 られる。

 次に、図1(b)および2を参照して、気相エ チングにより基板10の主面10mに複数のファセ ット10ms,10mt,10muを形成する(ファセット形成工 程)。主面10m上に複数のファセット10ms,10mt,10mu を形成することにより、主面10mのファセット 10ms,10mt,10mu上に成長するIII族窒化物結晶20の 長方向および転位の伝搬方向がそれぞれフ セット10ms,10mt,10muに対して実質的に垂直とな り、主面10mに実質的に垂直な方向に伝搬する 転位が減少する。また、対向するファセット (たとえば、ファセット10mtとファセット10mu) に成長する結晶間においては、バーガーズ クトルの符号が反対で大きさが同じ転位が 突により消滅する。消滅しなかった転位は 上記の対向するファセットが衝突する領域 吸収される。このようにして、III族窒化物 晶20の転位密度が低減する。

 ここで、III族窒化物種結晶10aは、六方晶 でありウルツ鉱型の結晶構造を有する。こ ため、上記複数のファセット10ms,10mt,10muに って、多角錐型の複数の凸部を有する凹凸 が形成される。ここで、多角錐としては、 に制限はないが、六角錐、四角錐、三角錐 十二角錐などが容易に形成される。

 また、基板10の主面10mの複数のファセッ 10ms,10mt,10muは、気相エッチングによって形成 される。気相エッチングにより、表面状態の よいファセットが形成される。ここで、表面 状態がよいとは、表面処理による不純物の混 入が低く、目的とする結晶面が表面に現れて いることをいう。研磨加工および液相エッチ ングによっては、エッチングの選択性が悪く 、また、不純物が混入し易いため、表面状態 のよいファセットが得られず、成長させるIII 族窒化物結晶の転位密度を低減することが困 難である。

 ここで、気相エッチングに用いられるガス 、表面状態のよいファセットが得られるも であれば特に制限はないが、III族窒化物種 晶を効率的にエッチングする観点から、HCl ス、Cl 2 ガスおよびH 2 ガスからなる群から選ばれる少なくとも1種 のガスが好ましい。ここで、HClガスおよびH 2 ガスは、GaN種結晶、Al組成の低いAl x Ga 1-x N種結晶(たとえば、0<x<0.5)などのエッチ グに好ましく、Cl 2 ガスは、AlN種結晶、Al組成の高いAl x Ga 1-x N種結晶(たとえば、0.5≦x<1)などのエッチン グに好ましい。また、これらのエッチングガ スを併用することもできる。

 また、III族窒化物種結晶を効率的にエッ ングする観点から、エッチングガスの分圧 0.1Pa以上100kPa以下が好ましく、エッチング 度は700℃以上1200℃以下が好ましく、エッチ グ時間は1分以上180分以下が好ましい。

 次に、図1(c)および3を参照して、ファセ ト10ms,10mt,10muが形成された主面10m上に、III族 窒化物結晶を成長させる(III族窒化物結晶の 長工程)。かかる結晶成長により、基板10の 面10mに形成された複数のファセット10ms,10mt,1 0muのそれぞれの上にIII族窒化物結晶20が成長 る。ここで、ファセット10ms,10mt,10mu上に成 する結晶の成長方向および転位の伝搬方向( 3において、それぞれ矢印S,TおよびUの方向) 、それぞれファセット10ms,10mt,10muに実質的 垂直な方向となる。これにより、III族窒化 結晶20において、主面10mに実質的に垂直な方 向に伝搬する転位が減少する。

 また、対向するファセット(たとえば、フ ァセット10mtとファセット10mu)上に成長する結 晶間では、転位の伝搬方向(矢印TとUの方向) 対向しており、伝搬してきた転位が衝突す (図3において、たとえば矢印TとUが衝突する) 。この衝突において、バーガーズベクトルの 符号が反対で大きさが同じ転位が消滅する。 また、消滅しなかった転位は、上記の対向す るファセットが衝突する領域に吸収される。 このようにして、III族窒化物結晶20の転位密 が低減する。

 ここで、III族窒化物結晶20の成長方法に 、特に制限はなく、HVPE(ハイドライド気相成 長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、昇華 などの気相法、溶液法、フラックス法など 液相法などが用いられる。これらの結晶成 方法の内、気相エッチング後に連続して結 成長させることが可能な観点から、気相法 好ましい。また、気相法の内、結晶成長速 が高い観点から、HVPE法がより好ましい。

 本実施形態のIII族窒化物結晶の成長方法 おいて、図1(a)を参照して、基板10の主面10m III族窒化物種結晶10aの(0001)面10nに対するオ 角θが10°以下であり、ファセット10ms,10mt,10m uは{11-2m}面(mは正の整数)および{10-1n}面(nは正 整数)からなる群から選ばれる少なくとも1 の結晶幾何学的に等価な面を含むことが好 しい。ここで、mおよびnは、いずれも正の整 数であり、同じ数であっても異なる数であっ てもよい。

 ここで、基板10の主面10mは、III族窒化物 結晶10aの安定な結晶面である(0001)面に対す オフ角θが10°以下であることから、その主 10m上に転位密度の低いIII族窒化物結晶20を安 定して成長させることができる。

 また、ファセット10ms,10mt,10muは、III族窒 物種結晶10aの安定な結晶面である{11-2m}面(m 正の整数)および{10-1n}面(nは正の整数)からな る群から選ばれる少なくとも1つの結晶幾何 的に等価な面を含むことから、ファセット10 ms,10mt,10muのそれぞれの上に転位密度が低いIII 族窒化物結晶20を安定して成長させることが きる。ここで、{11-2m}面とは(11-2m)面および(1 1-2m)面と結晶幾何学的に等価な面をいい、{10- 1n}面とは(10-1n)面および(10-1n)面と結晶幾何学 に等価な面をいう。

 ここで、III族窒化物種結晶10aの(0001)面、 面の面方位および(0001)面に対するオフ角、 らびにファセットの面方位は、基板のX線回 折、SEM(走査型電子顕微鏡)およびレーザ顕微 による観察により測定することができる。

 また、図2を参照して、本実施形態のIII族 窒化物結晶の成長方法において、ファセット 10ms,10mt,10muが形成されている主面10mの平均粗 Raが、1μm以上1mm以下であることが好ましい ここで、主面10mの平均粗さRaは、JIS B 0601 規定する算術平均粗さRaをいい、具体的には 、粗さ曲面からその平均面の方向に基準面積 だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均面か ら粗さ曲面までの距離(偏差)の絶対値を合計 基準面積で平均した値をいう。また、平均 さRaは、3D-SEM(3次元-走査型電子顕微鏡)、レ ザ顕微鏡などを用いて測定することができ 。主面10mの平均粗さRaが1μmより小さいと、 ァセットの総数は多くなるが一つのファセ ト当りの平均面積が小さくなるため、転位 低減する効果が低減する。また、主面10mの 均粗さRaが1mmより大きいと、一つのファセ ト当りの平均面積は大きくなるがファセッ の総数が少なくなるため、転位を低減する 果が低減する。

 また、本実施形態のIII族窒化物結晶の成 方法において、気相エッチング後の基板の さは300μm以下であることが好ましい。基板 厚さが300μmより大きいと、基板上にIII族窒 物結晶を成長させる際および成長後に冷却 る際に、基板とIII族窒化物結晶との熱膨張 数の相違により両者間にかかる応力歪みが きくなり、結晶成長の際または結晶成長後 冷却の際に、基板およびIII族窒化物結晶に れやクラックが発生しやすくなる。基板の さが小さくなるほど、基板上にIII族窒化物 晶を成長させる際および成長後に冷却する に、基板とIII族窒化物結晶との熱膨張係数 相違により両者間にかかる応力歪みが緩和 れる。かかる観点から、気相エッチング後 基板の厚さは、200μm以下であることがより ましく、100μm以下であることがさらに好ま い。

 また、図1を参照して、本実施形態のIII族 窒化物結晶の成長方法において、気相エッチ ングにより基板10の主面10mに複数のファセッ 10ms,10mt,10muを形成する工程(図1(b))の後、基 10を移動させることなく、連続して、ファセ ット10ms,10mt,10muが形成された主面10m上にIII族 化物結晶20を成長させる工程(図1(c))を行な ことが好ましい。かかる観点から、III族窒 物結晶20は気相法により成長させることが好 ましい。気相法としては、特に制限はなく、 HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属 化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法などが好 ましく用いられる。これらの中でも、結晶成 長速度が高い観点から、HVPE法がより好まし 。

 HVPE法によるIII族窒化物結晶20の成長は、 とえば、図4Bに示すようなHVPE装置100を用い 行なわれる。HVPE装置100は、反応室110、III族 元素原料ガス生成室120、ならびに反応室110お よびIII族元素原料ガス生成室120を加熱するた めのヒータ131,132,133を備える。反応室110およ III族元素原料ガス生成室120には、HClガス1を III族元素原料ガス生成室120に導入するための 第1のガス導入管111が配設されている。III族 素原料ガス生成室120内には、その内部にIII 元素原料2を入れるIII族元素原料ボート121が 置され、生成されたIII族元素原料ガス3を反 応室110内に導入するための第2のガス導入管11 2が配設されている。反応室110には、窒素原 ガス4を反応室110内に導入するための第3のガ ス導入管113および排ガス5を反応室110内から に排出するためのガス排出管115が配設され いる。また、反応室110内には、III族窒化物 晶20を成長させるための基板10を配置するた の基板ホルダ119が配置されている。

 図4Aを参照して、上記HVPE装置100を用いて まず、気相エッチングにより基板10の主面10 mに複数のファセット10ms,10mt,10muを形成する。 具体的には、まず、反応室110内の基板ホルダ 119上に基板10を配置する。次いで、第1および 第2のガス導入管111,112を通して、または第3の ガス導入管113を通して、または第1および第2 ガス導入管111,112ならびに第3のガス導入管11 3を通して、エッチングガス7を反応室110内に 入する。このとき、ヒータ133により基板10 加熱されている。基板10の主面10mは、エッチ ングガス7によってエッチングされ、複数の ァセットが形成される。エッチング後の反 室110内の排ガス8はガス排出管115を通して排 される。かかる気相エッチングの際の基板 温度(以下、エッチング温度ともいう。)は 特に制限はないが、効果的なエッチングを なう観点から、700℃以上1200℃以下が好まし 、950℃以上1050℃以下がより好ましい。また 、エッチングガス7の分圧は、特に制限はな が、効果的なエッチングを行なう観点から 0.1Pa以上100kPa以下が好ましく、10Pa以上10kPa以 下がより好ましい。

 ここで、エッチングガス7は、特に制限はな いが、基板10の少なくとも主面10m側に含まれ III族窒化物種結晶を効率的にエッチングす 観点から、HClガス、Cl 2 ガスおよびH 2 ガスからなる群から選ばれる少なくとも1種 のガスが好ましい。ここで、エッチングガ 7としてHClガスを第1および第2のガス導入管11 1,112を通して導入する場合には、III族元素原 ガス生成室120内にIII族元素原料2を配置しな いか、または、III族元素原料ガス生成室120内 を加熱しないかにより、HClガスをIII族元素原 料2と反応させることなく、HClガスのままで 応室110内に導入する必要がある。

 図4Bを参照して、次に、主面10mにファセ トが形成された基板10を移動させることなく 、連続して、HVPE法により基板10の主面10m上に III族窒化物結晶20を成長させる。具体的には III族元素原料ガス生成室120内にIII族元素原 2(たとえば金属Ga、金属Alなど)が入れられた III族元素原料ボート121を配置し、反応室110内 の基板ホルダ119上に基板10を配置する。

 次いで、HClガス1を第1のガス導入管111を通 てIII族元素原料ガス生成室120内に導入する HClガス1はIII族元素原料ガス生成室120内に配 されヒータ131により加熱されているIII族元 原料2(たとえば、金属Ga融液、金属Al融液な )と反応してIII族元素原料ガス3(たとえば、G a塩化物ガス、Al塩化物ガスなど)が生成する このIII族元素原料ガス3が第2のガス導入管112 を通して反応室110内に導入される。ここで、 加熱されているIII族元素原料2の温度は、特 制限はないが、III族元素原料ガス3を効果的 生成させる観点から、400℃以上1000℃以下で あることが好ましい。一方、窒素原料ガス4 してNH 3 ガスを第3のガス導入管113を通して反応室110 に導入する。

 反応室110内に導入されたIII族元素原料ガス3 と窒素原料ガス4とが反応して、ヒータ133に り加熱されている基板10の主面10m上にIII族窒 化物結晶20が成長する。ここで、加熱されて る基板10の温度(以下、結晶成長温度ともい 。)は、特に制限はないが、結晶を高い速度 で成長させる観点から、900℃以上1600℃以下 好ましい。また、III族元素原料ガス3の分圧( 以下、P III ともいう。)および窒素原料ガス4の分圧(以下 、P N ともいう。)は、特に制限はないが、結晶を い速度で成長させる観点から、それぞれ0.1kP a以上50kPa以下および20kPa以上90kPa以下である とが好ましい。

 また、III族元素原料ガス3の分圧および窒素 原料ガス4の分圧の調節を容易にし結晶の成 速度を容易に制御する観点から、III族元素 料ガス3および窒素原料ガス4は、それぞれキ ャリアガスとともに反応室内に導入されるこ とが好ましい。かかるキャリアガスは、III族 元素原料ガス3および窒素原料ガス4と反応し いガスであれば特に制限はないが、低コス で高純度のガスが入手できる観点から、H 2 ガス、N 2 ガス、Arがス、Heガスなどが好ましく用いら る。

 (実施例1)
 1.基板の準備工程
 HVPE法により成長させた主面がほぼ(0001)面で ある直径50.8mm(2インチ)で厚さ10mmのGaNバルク 晶を、(0001)面に平行な面でスライスするこ により、主面のオフ角が(0001)面に対して0.8° 以下である直径50.8mm(2インチ)で厚さが400μmの GaN基板を5枚得た。このようにして上記のGaN ルク結晶20個から100枚のGaN結晶が得られた。 このGaN基板の主面における転位密度は、CL(カ ソードルミネッセンス)法による暗点(ダーク ポット)観察により測定したところ、1.00×10 8 cm -2 であった。

 2.気相エッチングによる基板の主面の複数 ファセット形成工程
 GaN基板をHVPE装置の反応室内の基板ホルダ上 に配置した。反応室内に分圧(P HCl )が4kPaのHClガスを導入し、950℃で60分間、主 の気相エッチングを行なった。エッチング の基板の厚さは300μmであり、その主面には 数のファセットが形成され、その主面の平 粗さRaは、3D-SEMにより100μm×100μmの基準面積 おいて測定したところ、5μmであった。また 、主面に形成されたファセットの面方位は、 X線回折、SEMおよびレーザ顕微鏡を用いた観 により同定したところ、(11-22)および(10-12)で あった。

 3.III族窒化物結晶の成長工程
 GaN基板の複数のファセットが形成された主 上にHVPE法によりGaN結晶を成長させた。結晶 成長条件は、結晶成長温度を1050℃、III族元 原料ガスであるGa塩化物ガスの分圧(P Ga )を40.4kPa、窒素原料ガスであるNH 3 ガスの分圧(P N )を10.1kPaとした。かかる条件で50時間結晶成 させて、直径が50.8mm(2インチ)で厚さが10mmのG aN結晶が得られた。このGaN結晶の結晶成長面 転位密度は、CL法による暗点観察により測 したところ、5.00×10 5 cm -2 と低くなった。また、このGaN結晶の曲率半径 は、X線回折によるオフ角分布測定から算出 たところ、5mと反りが小さかった。また、上 記100枚の基板におけるクラック発生率は、5% あった。ここで、クラックが発生するとは 基板内に、長さが2.0mm以上の表面線状割れ 生じた場合、または0.5mm~2.0mmの表面線状割れ が3本以上生じた場合、または0.3mm~0.5mmの表面 線状割れが21本以上発生したことをいう。結 を表1にまとめた。

 (比較例1)
 85質量%のリン酸水溶液を用いて230℃で3分間 基板の主面を液相エッチングしたこと以外は 、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、 の主面をエッチングし、エッチングされた 面上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチ グにより、基板の厚さは370μmとなり、基板 主面には複数のファセットが形成され、そ 主面の平均粗さRaは1μmであった。しかし、 板の主面に形成されたファセットは表面状 が悪く、ファセットの面方位はX線回折、SEM よびレーザ顕微鏡を用いた観察によっても 定することはできなかった。また、本比較 の液相エッチングにおいては、エッチング 象とする主面よりも反対側の主面(裏面)の が優先的にエッチングされるという問題点 あった。また、得られたGaN結晶は、結晶成 面の転位密度が7.00×10 7 cm -2 と高く、曲率半径が3mと反りが大きく、クラ ク発生率が5%であった。結果を表1にまとめ 。

 (比較例2)
 85質量%のリン酸水溶液を用いて230℃で10分 基板の主面を液相エッチングしたこと以外 、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、 の主面をエッチングし、エッチングされた 面上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチ グにより、基板の厚さは250μmとなり、基板 主面には複数のファセットが形成され、そ 主面の平均粗さRaは5μmであった。しかし、 板の主面に形成されたファセットは表面状 が悪く、ファセットの面方位はX線回折、SEM およびレーザ顕微鏡を用いた観察によっても 特定することはできなかった。また、本比較 例の液相エッチングにおいては、エッチング 対象とする主面よりも反対側の主面(裏面)の が優先的にエッチングされるという問題点 あり、結晶成長工程の途中でクラックが入 てしまった。また、得られたGaN結晶は、ク ックが入っているものの結晶成長面の転位 度が1.00×10 6 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さくなった 結果を表1にまとめた。

 (比較例3)
 平均粒径15μmのSiC砥粒を含むスラリーを用 て120分間GaN基板の主面を研磨したこと以外 、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、 の主面を研磨(エッチング)し、研磨(エッチ グ)された主面上にGaN結晶を成長させた。基 板の研磨(エッチング)により、基板の厚さは3 40μmとなり、基板の主面にはファセットは形 されなかった。また、その主面の平均粗さR aは1.5μmであった。また、得られたGaN結晶は 結晶成長面の転位密度が1.00×10 8 cm -2 と非常に高く、曲率半径が3mと反りが大きく クラック発生率が8%であった。結果を表1に とめた。

 表1の比較例1~3と実施例1とを対比すると 基板の主面を液相エッチングまたは研磨す 場合に比べて、基板の主面を気相エッチン すると主面に表面状態の良い複数のファセ トを形成させることができ、基板の主面上 より転位密度が低いIII族窒化物結晶を成長 せることができることがわかる。

 (実施例2)
 エッチング時間を30分間としたこと以外は 実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、そ 主面をエッチングし、エッチングされた主 上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチン により、基板の厚さは350μmとなり、基板の 面には複数のファセットが形成され、その 面の平均粗さRaは2.5μmであった。主面に形 されたファセットの面方位は、(11-23)および( 10-13)であった。また、得られたGaN結晶は、結 晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が7mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表2にまとめ 。

 (実施例3)
 エッチング時間を120分間としたこと以外は 実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、そ の主面をエッチングし、エッチングされた主 面上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチン グにより、基板の厚さは200μmとなり、基板の 主面には複数のファセットが形成され、その 主面の平均粗さRaは13μmであった。主面に形 されたファセットの面方位は、(11-22)および( 10-12)であった。また、得られたGaN結晶は、結 晶成長面の転位密度が6.50×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が6%であった。結果を表2にまとめ 。

 (実施例4)
 エッチング時間を180分間としたこと以外は 実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、そ の主面をエッチングし、エッチングされた主 面上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチン グにより、基板の厚さは100μmとなり、基板の 主面には複数のファセットが形成され、その 主面の平均粗さRaは17μmであった。主面に形 されたファセットの面方位は、(11-21)、(10-11) および(21-32)であった。また、得られたGaN結 は、結晶成長面の転位密度が6.50×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が4%と低くなった。結果を表2にま めた。

 (実施例5)
 エッチング時間を210分間としたこと以外は 実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、そ の主面をエッチングし、エッチングされた主 面上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチン グにより、基板の厚さは50μmとなり、基板の 面には複数のファセットが形成され、その 面の平均粗さRaは24μmであった。主面に形成 されたファセットの面方位は、(11-21)、(10-11) (21-32)、(31-43)および(32-53)であった。また、 られたGaN結晶は、結晶成長面の転位密度が6 .50×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が3%と低くなった。結果を表2にま めた。

 表1の実施例1および表2の実施例2~5を対比 ると、気相エッチング時間が長くなるほど 主面のエッチングが進行し、主面の平均粗 Raが大きくなることがわかる。また、実施 4および5において、クラック発生率が4%以下 低減しているのは、気相エッチングにより 板の厚さが100μm以下となり、基板上におけ 結晶成長の際および結晶成長後の冷却の際 基板と結晶との間の応力歪みが低減したた と考えられる。

 (実施例6)
 エッチング温度を1000℃としたこと以外は、 実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、そ 主面をエッチングし、エッチングされた主 上にGaN結晶を成長させた。基板のエッチン により、基板の厚さは220μmとなり、基板の 面には複数のファセットが形成され、その 面の平均粗さRaは13μmであった。主面に形成 れたファセットの面方位は、(11-21)および(10 -11)であった。また、得られたGaN結晶は、結 成長面の転位密度が5.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が4mであり
、クラック発生率が6%であった。結果を表3に まとめた。

 (実施例7)
 基板として、HVPE法により成長させた主面が ほぼ(0001)面である直径50.8mm(2インチ)で厚さ10m mのAlNバルク結晶を、(0001)面に平行な面でス イスして得られた主面のオフ角が(0001)面に して0.8°以下である直径50.8mm(2インチ)で厚さ が400μmのAlN基板を用いたこと以外は、実施例 1と同様にして、基板を準備し、その主面を ッチングし、エッチングされた主面上にGaN 晶を成長させた。AlN基板の主面の転位密度 5.00×10 9 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 厚さは300μmとなり、基板の主面には複数のフ ァセットが形成され、その主面の平均粗さRa 5μmであった。主面に形成されたファセット の面方位は、(11-23)および(10-13)であった。ま 、得られたGaN結晶は、結晶成長面の転位密 が5.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が5%であった。結果を表3にまとめ 。

 (実施例8)
 AlN基板の主面のエッチングガスとして分圧P Cl2 が4kPaのCl 2 ガスを用いたことおよびAlN基板の複数のファ セットが形成された主面上にHVPE法によりAlN 晶を成長させたこと以外は実施例7と同様に て、基板を準備し、その主面をエッチング 、エッチングされた主面上にAlN結晶を成長 せた。

 基板のエッチングにより、基板の厚さは3 50μmとなり、基板の主面には複数のファセッ が形成され、その主面の平均粗さRaは4μmで った。主面に形成されたファセットの面方 は、(11-22)および(10-12)であった。

 AlN結晶の成長条件は、結晶成長温度を1450℃ 、III族元素原料ガスであるAl塩化物ガスの分 (P Al )を40.4kPa、窒素原料ガスであるNH 3 ガスの分圧(P N )を10.1kPaとした。かかる条件で50時間結晶成 させて、直径が50.8mm(2インチ)で厚さが10mmのA lN結晶が得られた。このAlN結晶は、結晶成長 の転位密度が5.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ
ク発生率が8%であった。結果を表3にまとめた 。

 表1の実施例1と表3の実施例6とを対比する と、エッチング温度が高いほど、主面のエッ チングが進行し、主面の平均粗さRaが大きく ることがわかる。また、表1の実施例1、表3 実施例7および8を対比すると、基板としてGa N基板に替えてAlN基板を用いても、成長させ 結晶をGaN結晶に替えてAlN結晶としても、気 エッチングにより基板の主面に複数のファ ットを形成し、かかるファセットが形成さ た主面上に結晶を成長させることにより、 位密度の低い結晶が得られることがわかる

 (実施例9)
 基板として、厚さ400μmのサファイア下地基 上に厚さ100μmのGaN種結晶が形成されているG aN/サファイア基板(テンプレート基板)を用い こと、およびエッチング時間を30分間とし こと以外は、実施例1と同様にして、基板を 備し、その主面をエッチングし、エッチン された主面上にGaN結晶を成長させた。

 本実施例の基板は、HVPE法によりサファイア 基板(0001)面上にGaN結晶を成長させることによ り得られた、一主面を有するGaN種結晶を含み 、主面のオフ角が(0001)面に対して0.8°以下で る直径50.8mm(2インチ)で、GaN種結晶の厚さが1 00μmでサファイア下地基板の厚さが400μmのGaN/ サファイア基板である。このGaN/サファイア 板の主面の転位密度は1.00×10 8 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり 基板の主面には複数のファセットが形成さ 、その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。 面に形成されたファセットの面方位は、(11-2 3)および(10-13)であった。また、得られたGaN結 晶は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が7mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表4にまとめ 。

 (実施例10)
 基板として、厚さ400μmのSiC下地基板上に厚 100μmのGaN種結晶が形成されているGaN/SiC基板 (テンプレート基板)を用いたこと以外は、実 例9と同様にして、基板を準備し、その主面 をエッチングし、エッチングされた主面上に GaN結晶を成長させた。GaN/SiC基板の主面の転 密度は1.00×10 9 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり 基板の主面には複数のファセットが形成さ 、その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。 面に形成されたファセットの面方位は、(11-2 3)および(10-13)であった。また、得られたGaN結 晶は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5
cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表4にまとめ 。

 (実施例11)
 基板として、厚さ400μmのSi下地基板上に厚 100μmのGaN種結晶が形成されているGaN/Si基板( ンプレート基板)を用いたこと以外は、実施 例9と同様にして、基板を準備し、その主面 エッチングし、エッチングされた主面上にGa N結晶を成長させた。GaN/Si基板の主面の転位 度は8.00×10 9 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり 基板の主面には複数のファセットが形成さ 、その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。 面に形成されたファセットの面方位は、(11-2 3)および(10-13)であった。また、得られたGaN結 晶は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表4にまとめ 。

 (実施例12)
 基板として、厚さ400μmのGaAs下地基板上に厚 さ100μmのGaN種結晶が形成されているGaN/GaAs基 (テンプレート基板)を用いたこと以外は、 施例9と同様にして、基板を準備し、その主 をエッチングし、エッチングされた主面上 GaN結晶を成長させた。GaN/GaAs基板の主面の 位密度は1.00×10 8 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり 基板の主面には複数のファセットが形成さ 、その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。 面に形成されたファセットの面方位は、(11-2 3)および(10-13)であった。また、得られたGaN結 晶は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。
結果を表5にまとめた。

 (実施例13)
 基板として、厚さ400μmのGaP下地基板上に厚 100μmのGaN種結晶が形成されているGaN/GaP基板 (テンプレート基板)を用いたこと以外は、実 例9と同様にして、基板を準備し、その主面 をエッチングし、エッチングされた主面上に GaN結晶を成長させた。GaN/GaP基板の主面の転 密度は1.00×10 9 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり その主面には複数のファセットが形成され その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。主 に形成されたファセットの面方位は、(11-23) よび(10-13)であった。また、得られたGaN結晶 は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表5にまとめ 。

 (実施例14)
 基板として、厚さ400μmのInP下地基板上に厚 100μmのGaN種結晶が形成されているGaN/InP基板 (テンプレート基板)を用いたこと以外は、実 例9と同様にして、基板を準備し、その主面 をエッチングし、エッチングされた主面上に GaN結晶を成長させた。GaN/InP基板の主面の転 密度は1.00×10 9 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 一主面を有するGaN種結晶の厚さは50μmとなり その主面には複数のファセットが形成され その主面の平均粗さRaは2.5μmであった。主 に形成されたファセットの面方位は、(11-23) よび(10-13)であった。また、得られたGaN結晶 は、結晶成長面の転位密度が7.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表5にまとめ 。

 表4および表5の実施例9~14に示すように、 面側にGaN種結晶を含むテンプレート基板に いても、気相エッチングにより基板の主面 複数のファセットを形成し、かかるファセ トが形成された主面上にGaN結晶を成長させ ことにより、転位密度の低い結晶が得られ ことがわかる。

 (実施例15)
 成長させる結晶がAlGaN結晶であること以外 、実施例1と同様にして、GaN基板を準備し、 の主面をエッチングし、エッチングされた 面上にAl 0.25 Ga 0.75 N結晶を成長させた。結晶成長条件は、結晶 長温度を1050℃、III族元素原料ガスであるAl 化物ガスおよびGa塩化物ガスのそれぞれの分 圧を10.1kPa(P Al )および30.3kPa(P Ga )とし、窒素原料ガスであるNH 3 ガスの分圧(P N )を10.1kPaとした。GaN基板の主面の転位密度は1 .00×10 8 cm -2 であった。基板のエッチングにより、基板の 厚さは300μmとなり、基板の主面には複数のフ ァセットが形成され、その主面の平均粗さRa 5μmであった。主面に形成されたファセット の面方位は、(11-22)および(10-12)であった。ま 、得られたGaN結晶は、結晶成長面の転位密 が5.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が5%であった。結果を表6にまとめ 。

 (実施例16)
 GaN基板の主面のエッチングガスとしてCl 2 ガスを用いたこと以外は実施例1と同様にし 、GaN基板を準備し、その主面をエッチング 、エッチングされた主面上にGaN結晶を成長 せた。基板のエッチングにより、基板の厚 は280μmとなり、基板の主面には複数のファ ットが形成され、その主面の平均粗さRaは7μ mであった。主面に形成されたファセットの 方位は、(11-21)および(10-11)であった。また、 得られたGaN結晶は、結晶成長面の転位密度が 4.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が6mと反りが小さく、クラ ク発生率が4%と低かった。結果を表6にまと た。

 (実施例17)
 GaN基板の主面のエッチングガスとしてH 2 ガスを用いたこと以外は実施例1と同様
にして、GaN基板を準備し、その主面をエッチ ングし、エッチングされた主面上にGaN結晶を 成長させた。基板のエッチングにより、基板 の厚さは350μmとなり、基板の主面には複数の ファセットが形成され、その主面の平均粗さ Raは4μmであった。主面に形成されたファセッ トの面方位は、(11-23)および(10-13)であった。 た、得られたGaN結晶は、結晶成長面の転位 度が8.00×10 5 cm -2 と低く、曲率半径が5mと反りが小さく、クラ ク発生率が7%であった。結果を表6にまとめ 。

 表1の実施例1と表6の実施例15とを対比する 、成長させる結晶をGaN結晶に替えてAl 1-x Ga x N結晶(0<x<1)としても、気相エッチングに り基板の主面に複数のファセットを形成し かかるファセットが形成された主面上に結 を成長させることにより、転位密度の低い 晶が得られることがわかる。表1の実施例1 表6の実施例16および17とを対比すると、エッ チングガスをHClガスに替えてCl 2 ガスまたはH 2 ガスとしても、基板の主面上にファセットを 形成することができることがわかる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は、上記した説明でなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内のすべての変更が含まれることが意図 れる。