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Title:
METHOD FOR JUDGING ADHESION FAILURE OF INKJET HEAD, METHOD FOR MANUFACTURING INKJET HEAD AND METHOD FOR MANUFACTURING IMAGE FORMING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004947
Kind Code:
A1
Abstract:
Existence of an adhesion failure of an inkjet head is highly accurately judged without being affected by a connection status of a measuring terminal and a pair of input/output terminals. The inkjet head is subjected to a measuring step and a judging step. In the measuring step, an antiresonant frequency caused by each pair of input/output terminals of adjacent ink chambers is measured for a plurality of pairs of input/output terminals. In the judging step, based on the antiresonant frequency fluctuation measured in the measuring step, whether there is an adhesion failure between a plurality of members is judged.

Inventors:
HONDA MITSURU
IWATA MITSUHIRO
Application Number:
PCT/JP2008/061447
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
June 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
HONDA MITSURU
IWATA MITSUHIRO
International Classes:
G01M99/00; B41J2/045; B41J2/055; B41J2/16
Foreign References:
JP2005225028A2005-08-25
Attorney, Agent or Firm:
KOMORI, Hisao et al. (NoninbashiChuo-ku, Osaka-shi, Osaka 11, JP)
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Claims:
 それぞれ天板及び底板の間に立設し、少なくとも天板部材を含む他の部材に接着部で接着されて複数のインク室を区画する複数の圧電素子壁と、前記複数のインク室それぞれに設けた駆動電極と、を備えるインクジェットヘッドに対して、各圧電素子壁とその圧電素子壁を介して対向する駆動電極とによる圧電回路の反共振周波数を、隣接するインク室の駆動電極の組ごとに測定する測定ステップと、
 前記測定ステップで測定した各圧電回路の反共振周波数のばらつきに基づいて、前記複数の接着部それぞれの接着不良の有無を判定する判定ステップと、
をこの順に行うインクジェットヘッドの接着不良判定方法。
 前記判定ステップは、前記測定ステップで測定した反共振周波数の平均値と、最大値と、最小値とに基づいて、反共振周波数のばらつきを算出する請求項1に記載のインクジェットヘッドの接着不良判定方法。
 前記判定ステップは、前記測定ステップで測定した反共振周波数の平均値を含む一定の範囲内に、各圧電回路の反共振周波数が収まる場合に、前記接着部の接着が良好であると判定するステップである請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの接着不良判定方法。
 前記測定ステップは、各圧電回路に対して、周波数を掃引しながら測定用信号を入力し、その測定用信号に対する応答信号からインピーダンス変化を把握して、前記反共振周波数を測定するステップである請求項1~3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの接着不良判定方法。
 それぞれ天板及び底板の間に立設し、複数のインク室を区画する複数の圧電素子壁と、前記複数のインク室それぞれに設けた複数の駆動電極と、を備えるインクジェットヘッドに対して、前記複数の圧電素子壁それぞれを、少なくとも天板部材を含む他の部材に接着部で接着する接着工程と、
 各圧電素子壁とその圧電素子壁を介して対向する駆動電極とによる圧電回路の反共振周波数を、隣接するインク室の駆動電極の組ごとに測定する測定ステップと、記測定ステップで測定した各圧電回路の反共振周波数のばらつきに基づいて、前記複数の接着部それぞれの接着不良の有無を判定する判定ステップと、を行う接着不良判定工程と、
をこの順に行うインクジェットヘッドの製造方法。
 それぞれ天板及び底板の間に立設し、複数のインク室を区画する複数の圧電素子壁と、前記複数のインク室それぞれに設けた複数の駆動電極と、を備えるインクジェットヘッドに対して、前記複数の駆動電極それぞれを、少なくとも天板部材を含む他の部材に接着部で接着する接着工程と、
 各圧電素子壁とその圧電素子壁を介して対向する駆動電極とによる圧電回路の反共振周波数を、隣接するインク室の駆動電極の組ごとに測定する測定ステップと、記測定ステップで測定した各圧電回路の反共振周波数のばらつきに基づいて、前記複数の接着部それぞれの接着不良の有無を判定する判定ステップと、を行う接着不良判定工程と、
 前記判定ステップで前記複数の接着部が良好に接着されたと判定されたインクジェットヘッドを、インクジェット装着部に装着する装着工程と、
をこの順に行う画像形成装置の製造方法。
Description:
インクジェットヘッドの接着不 判定方法、インクジェットヘッドの製造方 、および、画像形成装置の製造方法

 この発明は、シェアモード型インクジェ トヘッドなどのインクジェットヘッドの接 不良の有無を判定する方法、インクジェッ ヘッドの製造方法、および画像形成装置の 造方法に関する。

 圧電材料のせん断モード変形を利用する 式のインクジェットヘッド(以後、シェアモ ード型インクジェットヘッドと記す)はイン 室を備え、インク室内のインクに対してせ 断モード変形を利用して圧力を与える。イ ク室は、両面に駆動電極が形成された圧電 子壁が設けられる。駆動電極に入出力端子 ら駆動電力が供給されることで、圧電素子 にせん断モード変形が生じてインク室の容 が変化し、インクに圧力が付与される。

 ところで、多数のノズルを備えたインク ェットヘッドにおいては、それぞれのノズ 毎の吐出特性ができるだけ揃っている必要 ある。ここで吐出特性とは、吐出速度、液 量、吐出方向などである。例えば、液滴量 大きく異なるノズルがあると、そのノズル ら吐出された液滴が着弾する箇所で、付着 る液滴量が他と大きく異なることになり、 像印刷における画質や、デバイス生産にお るデバイス性能が大きく損なわれることに る。

 インクジェットヘッドの圧電素子壁は、 の部材と接着される。この接着部に接着不 が生じた場合、インク室間の吐出特性にも らつきが生じてしまう。そこで、隣接する ンク室の入出力端子間に形成される圧電回 における特性変化に基づいて、インクジェ トヘッドにおける接着不良の有無を検査す ことがある(例えば、特許文献1及び2参照。) 。

 特許文献1の技術では、圧電素子両端に設 けた入出力端子間にインピーダンスアナライ ザ等の測定用端子を接続し、圧電回路のイン ピーダンスを測定する。そして、圧電回路の 高調波振動数を取得する。高調波振動数が低 い圧電回路では、接着部に接着不良が生じて いると判定する。

 特許文献2の技術では、所定周波数の入力信 号に対する圧電回路のインピーダンスを取得 する。そして、規定インピーダンスとのばら つきが大きいインク室には、電気的及び機械 的な破損が生じていると判定する。

特開平11-64175号公報

特開2001-138514号公報

 インピーダンスアナライザ等を用いた接 不良の有無の判定時には、インクジェット ッドの入出力端子に、インピーダンスアナ イザの測定用端子が接続される。これらの 続状態によっては、圧電回路のインピーダ スが変化することがある。

 この接続状態の変化による高調波振動数 変動は大きく、高調波振動数に基づいて高 度に接着不良の有無を判定する場合には、 ンピーダンスアナライザの測定用端子を、 ンクジェットヘッドの入出力端子にばらつ なく接続する必要があった。入出力端子と 定用端子との接続位置の微小なずれや、端 形状の微小な相違があると、同一端子を用 ていても高調波振動数が大きく変動してし う。

 この発明の目的は、入出力端子と測定用 子との接続状態による影響を抑制して、高 度に接着不良の有無を判定できる、インク ェットヘッドの接着不良判定の方法と、イ クジェットヘッドの製造方法と、画像形成 置の製造方法と、を提供することにある。

 インクジェットヘッドは、複数の圧電素 壁と複数の接着部と複数の駆動電極とを備 る。複数の圧電素子壁は、それぞれ天板及 底板の間に立設し、少なくとも天板部材を む他の部材に接着部で接着されて複数のイ ク室を区画する。複数の駆動電極は、複数 インク室それぞれに設けられる。

 このインクジェットヘッドに対して、測 ステップと判定ステップを行い、構成部材 の接続不良の有無を判定する。測定ステッ では、各圧電素子壁とその圧電素子壁を介 て対向する駆動電極とによる圧電回路の反 振周波数を、隣接するインク室の駆動電極 組ごとに測定する。判定ステップでは、測 ステップで測定した反共振周波数のばらつ に基づいて、接着部それぞれの接着不良の 無を判定する。

 インクジェットヘッドは、接着工程と接 不良判定工程とを経て製造される。接着工 では、複数の圧電素子壁それぞれを、少な とも天板部材を含む他の部材に接着部で接 する。装着不良判定工程では測定ステップ 判定ステップとを行う。

 画像形成装置は、接着工程と接着不良判 工程と装着工程を経て製造される。装着工 では、接着不良判定工程で複数の装着部が 好に接着されていると判定されたインクジ ットヘッドを、画像形成装置のインクジェ ト装着部に装着する。

 判定ステップでは、測定ステップで測定 た反共振周波数の平均値と、最大値と、最 値とに基づいて、反共振周波数のばらつき 算出してもよい。

 判定ステップでは、測定ステップで測定 た反共振周波数の平均値を含む所定の範囲 に、各圧電回路の反共振周波数が収まる場 に、接着部の接着が良好であると判定して よい。

 測定ステップでは、各圧電回路に対して 周波数を掃引しながら測定用信号を入力し その測定用信号に対する応答信号からイン ーダンス変化を把握して、反共振周波数を 定してもよい。

 この発明によれば、入出力端子と測定用 子との接続状態による影響を受けずに、高 度にインクジェットヘッドの接着不良の有 を判定できる。

インクジェットヘッドの構成例を示す である。 インクジェットヘッドの製造工程を説 する図である。 インクジェットヘッドの吐出動作を説 する図である。 インクジェットヘッドの接着状態の判 処理を説明する図である。 インクジェットヘッドの他の構成例を す図である。

符号の説明

10…圧電素子
11…下圧電素子
12…上圧電素子
13…天板
14…ノズルプレート
15…底板部
16…圧電素子壁部
21…インク室
22…共通インク室
23…ノズル孔
31…駆動電極
32…入出力端子
33…接着剤
100…インクジェットヘッド
101…インピーダンスアナライザ
102…分析装置

 以下インクジェットヘッドの構成例を説 する。このインクジェットヘッドは、多チ ンネル化が容易で、高密度のインクジェッ ヘッドを作成しやすいシェアモード型イン ジェットヘッドである。

 図1は、シェアモード型インクジェットヘッ ドの製造工程での各段階を示す斜視図である
 まず、同図(A)に示すように、下圧電素子板1 1の上に上圧電素子板12を接着剤を用いて接着 する。下圧電素子板11及び上圧電素子板12は れぞれ、一般的な圧電材料であるPZT(ジルコ チタン酸鉛)で構成されていて、溝深さ方向 に上下に分極されている。下圧電素子板11は 板厚方向の下方向が正で上方向が負となる うに分極されていて、上圧電素子板12は、 厚方向の上方向が正で下方向が負となるよ に分極されている。このように下圧電素子 11及び上圧電素子板12の分極方向を逆向きに て接着することにより、接着面を境に分極 向の異なる1枚の圧電素子10を得ている。

 次に、同図(B)に示すように、圧電素子10 前面から背面にかけて、上面側から下圧電 子板11に及ぶ深さでダイシングを行う。この ダイシングを平行に複数回行い、複数の溝を 形成する。各溝はそれぞれ、インク室21を形 する。

 次に、同図(C)に示すように、複数のイン 室21に対して、内部にスパッタ法により金 膜を形成することで、インク室21毎に独立し た駆動電極31を形成する。なお、図示してい いがインク室21の後端側を部分的に接着剤 埋め、接着剤より後端側の駆動電極31を入出 力端子とする。

 次に、同図(D)に示すように、圧電素子10 両側面間にかけて上面側から下圧電素子板11 に及ぶ深さでダイシングを行う。上記接着剤 で埋めた位置よりもインク室21の前端側をダ シングすることで、複数のインク室21を連 する共通インク室22を形成する。

 次に、同図(E)に示すように、圧電素子10 上面に、接着剤を用いて天板13を接着する。

 次に、同図(F)に示すように、圧電素子10 前面にノズルプレート14を接着剤で接着する 。ノズルプレート14には、各インク室21それ れに連通する複数のノズル孔23を形成してい る。

 図2(A)にこのシェアモード型インクジェッ トヘッドの斜視図を示す。同図では解説のた めにノズルプレート14の一部を省略している また同図(B)に、このシェアモード型インク ェットヘッドの断面図を示す。

 インクジェットヘッド100は、圧電素子10 天板13とノズルプレート14とから構成されて る。圧電素子10は、底板部15と複数の圧電素 子壁部16とから構成される。底板部15は矩形 板状の部位である。複数の圧電素子壁部16は 、それぞれインクジェットヘッド100の前面か ら背面にかけて平行に延び、底板部15の上面 立設する部位である。天板13は矩形平板状 部材であり、複数の圧電素子壁部16それぞれ の上面に接着されている。ノズルプレート14 圧電素子10と天板13との前側面に接着されて いる。圧電素子壁部16が本発明の圧電素子壁 構成している。また、インク室21には駆動 極31を形成している。そしてインク室21の後 側は部分的に接着剤33で埋めていて、接着 33よりも後端側の電極により本発明の入出力 端子32を構成している。

 このインクジェットヘッド100は、ノズル レート14の接着後に、接着不良判定装置に り各部材間の接着不良判定が実施された後 良好に接着されていると判定された場合に 図示しない画像形成装置のインクジェット ッド装着部に装着されることになる。

 インクジェットヘッド装着部への装着後 は、駆動電極31は入出力端子32を介して画像 形成装置の駆動回路に接続され、駆動回路か ら個別の駆動信号が印加される。また、共通 インク室22は図示しない画像形成装置のイン タンクに供給チューブを介して接続され、 ンクタンクからインクの供給を受ける。

 図3は駆動信号によるインク室の変形を説 明する図である。同図(A)は、駆動信号が印加 されていない静定状態を示し、同図(B)は正の 電位の駆動信号が印加された状態を示し、同 図(C)は負の電位の駆動信号が印加された状態 を示す。

 図中に示す矢印は、圧電素子壁部の分極 向を示している。すなわち、圧電素子壁部1 6A,16Bの上側(上圧電素子板)は上方向が正で下 向が負となり、下側(下圧電素子板)は上方 が負で下方向が正となるように分極されて る。

 同図(A)に示す静定時には、インク室21A~21C それぞれの駆動電極31A~31Cは接地されていて 圧電素子壁部16Aと圧電素子壁部16Bとは変形 ない。

 同図(B)に示す状態では、インク室21Bの駆 電極31Bに駆動信号として正の電位を印加し その両側のインク室21A、21Cの駆動電極31A、3 1Cは接地する。この状態では、圧電素子壁部1 6Aと圧電素子壁部16Bとに電界が印加されて、 れぞれせん断モード変形し、インク室21Bの 積が拡大する。これにより共通インク室22 らインク室21B内にインクが流入する。

 同図(C)に示す状態では、インク室21Bの駆 電極31Bに駆動信号として負の電位が印加さ 、その両側のインク室21A、21Cの駆動電極31A 31Cは接地される。この状態では、圧電素子 部16Aと圧電素子壁部16Bとに同図(B)と逆向き 電界が印加されて、それぞれ逆方向にせん モード変形し、インク室21Bの容積が収縮す 。このインク室21の容積変化によってイン に付与される圧力が高まり、インク室21Bの ズル孔23からインク液滴が吐出される。

 さて、インクジェットヘッド100の製造工 では、接着不良の有無の判定を行う接着不 判定工程が行われる。

 図4は、接着不良判定工程を説明する図で ある。

 接着不良判定工程では、同図(A)に示すよ にインピーダンスアナライザ101と分析装置1 02とを用いる。インピーダンスアナライザ101 測定用端子は、インクジェットヘッド100の 接する2つのインク室の入出力端子の組を介 して、この2つのインク室の間に構成される 電回路に接続される。この状態で、インピ ダンスアナライザから、周波数を掃引しな ら測定用信号を出力し、その測定用信号に する応答信号からこの組の周波数-インピー ンス特性を得る。測定用信号の掃引周波数 囲は反共振周波数が含まれる範囲である。

 インピーダンスアナライザ101は、1回の測 定が終了するたびに、この圧電回路の周波数 -インピーダンス特性のデータを分析装置102 出力する。そして、インピーダンスアナラ ザ101の測定端子を接続する入出力端子の組 1個ずらして、次の組の周波数-インピーダン ス特性を測定する。このようにして全ての組 の圧電回路の周波数-インピーダンス特性を める。これらの周波数-インピーダンス特性 データは分析装置102で解析される。

 周波数-インピーダンス特性例を同図(B)に 示す。線No.1、及び線No.2は、同じシェアモー 型インクジェットヘッドを構成した、別の 電回路に対する測定結果である。この図に いて、線No.1、及び線No.2いずれの組でも、 波数1900kHz~2000kHz付近にインピーダンスの極 点である共振周波数が位置している。また 線No.1、及び線No.2いずれの組でも、周波数212 0kHz付近にインピーダンスの極大点である反 振周波数が位置している。

 インピーダンス測定ではインピーダンス ナライザ101の測定用端子をインクジェット ッドの入出力端子の組に接続して行うが、 ンピーダンス値は測定用端子と入出力端子 組との接続インピーダンスにより大きく変 する。このため、同じ入出力端子の組につ ての測定であっても、端子接続をやり直す びに圧電回路の特性は変動する。

 圧電回路の特性のうち共振周波数は変動 るが、反共振周波数の周波数値は、共振周 数に比べて鋭いピークを示し、接着不良が じていなければほとんど変動することが無 、明瞭に把握できる。接着不良が生じてい ば、若干の変動を示す。

 一方、共振周波数の周波数値は、インピ ダンス変化が鈍いピークしか示さないため 、接着不良の有無に関わらず、明瞭に割り すことができない。

 同図(B)に示す線No.1と線No.2との周波数-イ ピーダンス特性例では、反共振周波数は一 するが、共振周波数は約50kHzもの違いが生 ている。このように反共振周波数は、同一 インクジェットヘッドを構成し接着不良が じていない入出力端子の組であれば、ほと どばらつきが生じない。

 全ての入出力端子の組に対して反共振周 数が求まれば、そのばらつきを求めること 可能となる。そこで、分析装置102は、全て 周波数-インピーダンス特性のデータに基づ き反共振周波数のばらつきを求める。分析装 置102では、反共振周波数のばらつきが所定の 閾値よりも小さなインクジェットヘッドを、 接着不良が生じていない物であると判定し、 反共振周波数のばらつきが所定の範囲を超え たインクジェットヘッドを、接着不良が生じ た物であると判定する。反共振周波数のばら つきは、測定ステップで測定した反共振周波 数の平均値と、最大値と、最小値とに基づい て、算出するとよい。その際に、反共振周波 数の平均値の一定の範囲内に、各組の反共振 周波数が収まる場合に、接着が良好であると 判定すると好適である。

 なお、この接着不良判定工程は自動化す ことが可能である。例えば、入出力端子の 組とインピーダンスアナライザ101との接続 スイッチにて自動的に切り替えて測定する よい。さらに、求まった全ての反共振周波 からばらつきを自動的に求め、反共振周波 のばらつきの小さなインクジェットヘッド 自動的に選択して、画像形成装置に装着す ようにしてもよい。

 次に、実際の接着不良の有無の判定を行 た実験結果を図4(C)に示す。この実験では、 同一形状で、インクジェットヘッドの吐出特 性のばらつき、具体的には、吐出速度及び吐 出量のばらつきが異なる複数のシェアモード 型インクジェットヘッドに対して、反共振周 波数のばらつきと共振周波数のばらつきを算 出した。測定には、アジレント・テクノロジ ー社製の「4294A プレシジョン インピーダン ス・アナライザ」を用いた。共振周波数のば らつきを表す値としては、共振周波数の最大 値と最小値との差分を、平均値で割った値を 用いた。また、反共振周波数のばらつきを表 す値としては、同様に、反共振周波数の最大 値と最小値との差分を、平均値で割った値を 用いた。

 シェアモード型インクジェットヘッドAは 、吐出速度及び吐出量それぞれのばらつきが 共に標準基準値未満となったシェアモード型 インクジェットヘッドの代表例である。シェ アモード型インクジェットヘッドBは、吐出 度(または吐出量)のばらつきが標準基準値以 上で限界基準値未満となったシェアモード型 インクジェットヘッドの代表例である。シェ アモード型インクジェットヘッドCは、吐出 度(または吐出量)のばらつきが標準基準値以 上となったシェアモード型インクジェットヘ ッドの代表例である。

 図4(C)に示すように、いずれのインクジェ ットヘッドも、反共振周波数に比べて共振周 波数のばらつきが大きい。また、シェアモー ド型インクジェットヘッドAでは、反共振周 数のばらつきが0.9%となった。また、シェア ード型インクジェットヘッドBでは、反共振 周波数のばらつきが1.3%となった。また、シ アモード型インクジェットヘッドCでは、反 振周波数のばらつきが1.5%となった。

 この実験に用いた形状のシェアモード型 ンクジェットヘッドでは、反共振周波数の らつきが約1.0%未満の場合に、吐出特性のば らつきが設定していた標準基準値以下になり 、極めて小さくなった。また、反共振周波数 のばらつきが約1.4%未満の場合に、吐出特性 ばらつきが設定していた限界基準値以下に り、有る程度の範囲内におさまった。また 反共振周波数のばらつきが約1.4%以上の場合 、吐出特性のばらつきが、設定していた限 基準値以上になり、画像形成装置に装着す のに不適当なものになった。一方、共振周 数のばらつきにおいては、ある程度の相関 係はみられるものの、明確な判定基準値を ることが困難であった。

 以上により、シェアモード型インクジェ トヘッドにおいて、入出力端子の組の反共 周波数のばらつきが一定以下のインクジェ トヘッドを用いることにより、ノズル毎の 出特性が一定の範囲に収まり、吐出特性の らつきの小さなインクジェットヘッドが得 れることがわかる。

 なお、ノズル孔の個数に冗長性があり、 らつきの大きな入出力端子の組に関わるノ ル孔を除いてもインクジェットヘッドとし 使用可能であれば、反共振周波数のばらつ の大きな入出力端子の組にかかるノズル孔 使用しないように設定することにより、使 範囲内においてはばらつきが一定の範囲内 あるインクジェットヘッドを得ることもで る。

 本実施の形態においては、インク室の溝 方向と液滴の吐出方向とが同一となる構成 インクジェットヘッドを元に説明を行った 、本発明はそれに限定されるものでは無い 例えば、図5(A)に示すような、液滴の吐出方 向がインク室の溝の方向に垂直な方向のもの でも良い。

 また、本実施の形態においては、圧電素 壁の分極方向が異なる2方向を持つ構造のイ ンクジェットヘッドを元に説明を行ったが、 本発明はそれに限定されるものでは無い。例 えば、PZTの分極の方向が一方向で、電極が溝 深さ方向で略半分のみに形成されている図5(B )に示す構造のものでも良い(同図は、ノズル レートの一部を省略している)。

 あるいは、圧電素子壁の分極の方向が一 向で、溝の底面から略1/3と溝の上面から略1 /3にのみに電極が形成されている図5(C)に示す 構造のものでも良い(同図も、ノズルプレー の一部を省略している)。この場合にも圧電 子壁を挟んだ2つの電極間に電位差を形成す ることで圧電素子壁の変形を行うが、溝の底 面側の電極と上面側の電極とでは電位の方向 が逆方向となるように電位を加えることで、 インク室の容積の拡大や縮小が行われる。

 また、本実施の形態においては、圧電材 としてPZTを用いたがそれに限られるもので 無く、他の圧電材料を用いても良い。

 最後に、上述の実施形態の説明は、すべ の点で例示であって、制限的なものではな と考えられるべきである。本発明の範囲は 上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲 よって示される。さらに、本発明の範囲に 、特許請求の範囲と均等の意味および範囲 でのすべての変更が含まれることが意図さ る。