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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING POROUS POLYMER MOLDED ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069393
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for manufacturing a porous polymer molded article has a step of laminating, on a polymer molded article, a first mask whereupon a plurality of openings are formed and a second mask whereupon a plurality of openings having an average opening diameter larger than that of the first mask are formed, and a step of forming a through hole on the polymer molded article by performing dry etching from the side of the second mask.

Inventors:
YAMANE KAZUYUKI (JP)
HOKARI YUKI (JP)
ONO TOSHIHIKO (JP)
SAITOU TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068665
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KUREHA CORP (JP)
YAMANE KAZUYUKI (JP)
HOKARI YUKI (JP)
ONO TOSHIHIKO (JP)
SAITOU TAKESHI (JP)
International Classes:
C08J9/00
Foreign References:
JPH07501988A1995-03-02
JPH0360713A1991-03-15
JPH0412243A1992-01-16
JP2008029386A2008-02-14
JPH09296057A1997-11-18
JP2001305750A2001-11-02
JPS60111243A1985-06-17
JPS62267336A1987-11-20
JPH0586216A1993-04-06
JPH0515987A1993-01-26
JPH06198598A1994-07-19
Other References:
See also references of EP 2216361A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 ポリマー成形物上に、複数の開口が形成された第1のマスクと、前記第1のマスクの平均開口径よりも大きい平均開口径を有する開口が複数形成された第2のマスクと、をこの順に積層する工程と、
 前記第2のマスク側からドライエッチングすることにより前記ポリマー成形物に貫通孔を形成する工程と、
を備える多孔性ポリマー成形物の製造方法。
 前記ポリマー成形物はポリグリコール酸からなるポリマー成形物である、請求項1記載の製造方法。
 前記ドライエッチングはアルゴンイオンエッチングである、請求項1又は2記載の製造方法。
 請求項1~3のいずれか一項に記載の多孔性ポリマー成形物の製造方法により得ることのできる多孔体。
Description:
多孔性ポリマー成形物の製造方

 本発明は、多孔性ポリマー成形物の製造 法に関する。

 有機ポリマー材料は、その種類ごとに有 ている弾性率、強度等の機械的性質、溶剤 解性、親水性、疎水性等の化学的性質、耐 性等の熱的性質に応じて、フィルム状、繊 状、板状、粒状等の各種形状に成形加工さ 、様々な分野で使用されている。また、有 ポリマー材料からなる成形物に細孔を施す とも検討されている。

 例えば、特許文献1~3では、各種パターンを するフォトレジストをマスクとして用い、 リイミド膜等の有機高分子成形体をエッチ グすることが開示されている。また、特許 献4及び5では、プラスチックフィルムのエ ボスされた部分に細孔を形成する方法が開 されている。さらに、特許文献6では、開口 有する金属箔を表面に備えるプラスチック ートに、エキシマレーザー光の照射により 通孔を形成する方法が開示されている。特 文献7では、流体音波により薄いシート材料 に微小孔を形成する方法が開示されている。

特開平9-296057号公報

特開2001-305750号公報

特開昭60-111243号公報

特開昭62-267336号公報

特開平5-86216号公報

特開平5-15987号公報

特開平6-198598号公報

 しかしながら、特許文献1~3に記載の方法 、ウェットエッチングを用いているため、 溶剤の処理の問題がある。また、特許文献4 ~7に記載の方法では、多孔化するための工程 繁雑となってしまう傾向がある。

 そこで、本発明の目的は、簡便なプロセ によりポリマー成形物に貫通孔を形成する とが可能な多孔性ポリマー成形物の製造方 及びそれにより得られる多孔体を提供する とにある。

 本発明は、ポリマー成形物上に、複数の 口が形成された第1のマスクと、上記第1の スクの平均開口径よりも大きい平均開口径 有する開口が複数形成された第2のマスクと この順に積層する工程と、第2のマスク側か らドライエッチングすることによりポリマー 成形物に貫通孔を形成する工程とを備える多 孔性ポリマー成形物の製造方法を提供する。

 上記多孔性ポリマー成形物の製造方法に いては、平均開口径の異なる2種類のマスク を用いることを必須としている。第1のマス 上に第2のマスクを積層ことにより第1のマス クをポリマー成形物により密着させることが できる。これにより、ドライエッチング時に おける第1のマスクとポリマー成形物とを平 に保つことができ、垂直方向へのエッチン がより有効となる。そして、第1のマスクの 口径に応じ、多孔性ポリマー成形物に目的 するサイズの貫通孔を確実に形成すること できる。このように、上記製造方法では、 来のような複雑な工程を経ることなく、か 、ウェットエッチングのように廃液の発生 なく、簡便なプロセスでポリマー成形物に 通孔を形成するができる。

 上記ポリマー成形物は、ポリグリコール からなるポリマー成形物であることが好ま い。このようなポリマー成形物は、ドライ ッチングにより貫通孔が形成されやすい。 た、ポリグリコール酸は生分解性ポリマー あることから、得られる多孔性ポリマー成 物は、生細胞の培養基材としても使用する とができる。

 本発明の多孔性ポリマー成形物の製造方 において、ドライエッチングは、アルゴン オンエッチングであることが好ましい。ア ゴンイオンエッチングは垂直方向のエッチ グ性に優れるため、エッチング形状の整っ 貫通孔を有する多孔性ポリマー成形物を形 することができる。

 本発明は、また、上記多孔性ポリマー成 物の製造方法により得ることのできる多孔 を提供する。このような多孔体は、微細な 通孔を有するものとなる。

 本発明によれば、簡便なプロセスにより リマー成形物に貫通孔を形成することが可 な多孔性ポリマー成形物の製造方法及びそ により得られる多孔体を提供することがで る。

本発明の製造方法により得られる多孔 ポリマー成形物の実施形態を示す斜視図で る。 本発明に係る多孔性ポリマー成形物の 造方法の実施形態を斜視図により示す工程 である。 平織りメッシュを表す模式図である。 実施例1で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング表面から観察したSEM画像である。 実施例1で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング裏面から観察したSEM画像である。 実施例2で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング表面から観察したSEM画像である。 実施例2で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング裏面から観察したSEM画像である。 比較例1で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング表面から観察したSEM画像である。 比較例1で得られた多孔化PGAフィルムを エッチング裏面から観察したSEM画像である。

符号の説明

1…多孔性ポリマー成形物、2…ポリマー成 物、3…貫通孔、4…第1のマスク、6…第2の スク、8…ドライエッチング装置、10…平織 メッシュ、12…目開き、14…線径。

 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、 発明の好適な実施形態について詳細に説明 る。なお、図面中、同一要素には同一符号 付すこととし、重複する説明は省略する。 た、上下左右等の位置関係は、特に断らな 限り、図面に示す位置関係に基づくものと る。さらに、図面の寸法比率は図示の比率 限られるものではない。

 本発明の多孔性ポリマー成形物の製造方 は、ポリマー成形物上に複数の開口が形成 れた第1のマスクと、第1のマスクの平均開 径よりも大きい平均開口径を有する開口が 数形成された第2のマスクとをこの順に積層 る工程と、第2のマスク側からドライエッチ ングすることによりポリマー成形物に貫通孔 を形成する工程とを備えるものである。

 図1は、本発明の製造方法により得られる 多孔性ポリマー成形物の実施形態を示す斜視 図である。図1に示す多孔性ポリマー成形物1 、フィルム状を成しており、その厚さ方向 貫通孔3が複数形成されている。貫通孔3は それぞれ独立し規則的に配列されている。 1に示す多孔性ポリマー成形物1は、図2に示 工程により作製することができる。図2は、 発明に係る多孔性ポリマー成形物の製造方 の実施形態を斜視図により示す工程図であ 。まず、ポリマー成形物2、第1のマスク4及 第2のマスク6を準備する。(図2(a))。次に、 リマー成形物2上に、第1のマスク4と、第2の スク6とをこの順に積層する。(図2(b))。次い で、ドライエッチング装置8から第2のマスク6 上に反応性のガス等を照射してポリマー成形 物2をドライエッチングし、ポリマー成形物2 貫通孔を形成する(図2(c))。そして、第1及び 第2のマスクを除去し、貫通孔3が形成された 孔性ポリマー成形物1が製造される(図2(d))。

 上記ポリマー成形物2は、使用目的に応じ て各種ポリマーをフィルム状、シート状、板 状等に成形したものである。

 ポリマー成形物2は、ドライエッチングの 容易性の観点から、フィルム状であることが より好ましい。この場合の膜厚は0.1~500μmで ることが好ましく、1~200μmであることがより 好ましく、2~50μmであることがさらに好まし 。ポリマーフィルムの膜厚が0.1μm未満では 取り扱い難くなる傾向があり、500μmを超え と、エッチング時間が長くなり、微細な貫 孔の形成がし難くなる傾向がある。

 ポリマー成形物2としては、例えば、ポリ イミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ レート、ポリカーボネート、ポリグリコール 酸からなるポリマー成形物が挙げられる。ド ライエッチング性に優れる観点からポリマー 成形物2は、ポリグリコール酸からなる成形 であることが好ましい。

 ポリグリコール酸(以下、「PGA」と表記す る)は、-(O-CH2-CO)-で表わされるグリコール酸 り返し単位のみからなるグリコール酸の単 重合体又は上記グリコール酸繰り返し単位 有するグリコール酸共重合体を含むもので る。ポリグリコール酸がグリコール酸共重 体である場合、上記繰り返し単位を、50質量 %以上含むことが好ましく、75質量%以上含む とがより好ましく、90質量%以上含むことが に好ましく、99質量%以上含むことが特に好 しい。

 グリコール酸共重合体は、例えば、シュ 酸エチレン(即ち、1,4-ジオキサン-2,3-ジオン )、ラクチド類、ラクトン類(例えば、β-プロ オラクトン、β-ブチロラクトン、β-ピバロ クトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラク ン、β-メチル-δ-バレロラクトン、ε-カプロ ラクトン)、カーボネート類(例えば、トリメ リンカーボネート)、エーテル類(例えば1,3- オキサン)、エーテルエステル類(例えば、 オキサノン)、アミド類(例えば、ε-カプロラ クタム)等の環状モノマー;乳酸、3-ヒドロキ プロパン酸、3-ヒドロキシブタン酸、4-ヒド キシブタン酸、6-ヒドロキシカプロン酸等 ヒドロキシカルボン酸又はそのアルキルエ テル;エチレングリコール、1,4-ブタンジオー ル等の脂肪族ジオール類、コハク酸、アジピ ン酸等の脂肪族ジカルボン酸類又はそのアル キルエステル類をコモノマーとして用い、グ リコール酸モノマーと共重合したものである 。上記コモノマーは、1種を単独で又は2種以 を混合して使用することができる。

 第1のマスク4及び第2のマスク6には、複数 の開口が形成されている。そして、本発明に おいては、第1のマスク4の平均開口径より、 2のマスク6の平均開口径が大きいことを特 としている。平均開口径は、表面に形成さ た開口部の面積を計算し、その開口部面積 持つ真円の直径として計算する。第2のマス 6の平均開口径は、第1のマスク4の平均開口 の5~100倍であることが好ましく、7~60倍であ ことがより好ましく、8~20倍であることがさ らに好ましい。第2のマスク6の平均開口径が 1のマスク4の平均開口径の5倍未満又は100倍 超えると、本発明の効果を奏し難くなる。

 平均開口径を具体的な数値で表すと、第1 のマスクの平均開口径は、0.1~1000μmであるこ が好ましく、1~100μmであることがより好ま い。第1のマスクの平均開口径が0.1μm未満で 、貫通孔の形成がし難くなり、100μmを超え と、形成した貫通孔が大きくなりすぎる。

 第2のマスクの平均開口径は、200~5000μmで ることが好ましく、400~2500μmであることが り好ましい。第2のマスクの平均開口径が200 m未満では、第1のマスクとの開口径に対応し た貫通孔が得られない傾向があり、5000μmを えると、第1のマスクとポリマー成形物との 着性が低下する傾向がある。

 また、第1及び第2のマスクとして、平織り の網目を有する網を用いる場合は、平均開 径の代わりに「メッシュ数」で表すことも きる。メッシュとは、1インチ(2.54×10 4 μm)間に存在する網目を形成する糸の本数を い、メッシュ数が大きいほど網目が細かい とを意味する。図3に、平織りメッシュ10の 式図を示す。図3中、糸と糸の間の距離を目 き12といい、下記式(1)に示すように、目開 12は、メッシュ数と糸の線径14から算出する とができる。この目開き12は、平均開口径 ほぼ対応しており、目開きに基づき好適な ッシュ数を選択することができる。
 目開き(μm)=2.54×10 4 /メッシュ数-線径(μm)   (1)

 第1及び第2マスクの材質としては、ポリ ー成形物とのエッチング時の選択比が大き ものが好ましく、ポリマー成形物の種類に じて、適宜選択できる。例えば、シリカ系 含フッ素ポリマー系、金属系、ポリエステ 系、ポリアミド系のマスクを用いることが きる。本発明においては、エッチング選択 の観点から、第1及び第2のマスクが同じ材質 であることが好ましく、第1及び第2のマスク 、SUS等の金属系マスクであることがより好 しい。

 第1及び第2のマスクの厚さとしては、特 限定されないが、第2のマスクは補強材とし 使用されるため、第1のマスクの厚さよりも 第2のマスクの厚さが厚いほうが好ましい。

 本発明におけるドライエッチングとは、 応性のガス、イオン、ラジカル又は研磨剤 によって、材料をエッチングする方法であ 。ドライエッチングとしては、プラズマエ チング、イオンエッチング、集束イオンビ ムエッチングなど、公知の様々な方法が利 できる。

 イオンエッチングは、ヘリウム(He)、アル ゴン(Ar)、ネオン(Ne)、及びその組合せを含む 活性ガス等で、固体表面をエッチングする 法である。本発明においては、垂直なエッ ングが可能であり、エッチング形状の整っ 貫通孔を形成できることから、反応性イオ エッチング(RIE)を用いることがより好まし 、アルゴンガスを用いたアルゴンイオンエ チングであることがさらに好ましい。

 エッチング時間としては、30秒~36時間で ることが好ましく、1分~14時間であることが り好ましく、1分~7時間であることが更に好 しい。エッチング時間が30秒未満では、貫 孔を形成し難くなり、36時間を越えると、工 業的な生産に適合し難くなる。なお、エッチ ング時の真空度は、50mTorr以下であることが ましく、40mTorr以下であることがより好まし 。

 以上のように、本発明においては、上記 孔性ポリマー成形物の製造方法により、簡 なプロセスにより微細な貫通孔を形成した 孔体を得ることができる。

 以上、本発明をその実施形態に基づいて 細に説明した。しかし、本発明は上記実施 態に限定されるものではない。本発明は、 の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可 である。

 以下、本発明の好適な実施例について更 具体的に説明する。ただし、本発明はこれ の実施例に限定されるものではない。

(実施例1)
 膜厚4μmのポリグリコール酸(以下、「PGA」 表記する)フィルム上に、第1のマスクである 300メッシュのSUSメッシュ(太陽金網社製、商 名「アヤ織金網」)、第2のマスクである60メ シュのSUSメッシュ(太陽金網社製、商品名「 平織金網」)の順に積層した試料を準備した 上記試料をエッチグ装置(エーコーエンジニ リング社製、商品名「IE-10」)のベルジャー にセットした。約6mTorrで1時間脱気後、アル ゴンガスを注入し、真空度約40mTorrにコント ール(電圧1.5kVで設定の電流値になるようア ゴンガスの注入量を調製)しながら、60メッ ュのSUSメッシュ上から、PGAフィルムを15分間 エッチングし、多孔化PGAフィルムを作製した 。得られた多孔化PGAフィルムをエッチング表 面から観察したSEM画像を図4に、エッチング 面から観察したSEM画像を図5にそれぞれ示す

(実施例2)
 第2のマスクとして上記60メッシュのSUSメッ ュに代えて40メッシュのサスメッシュ(太陽 網社製、商品名「平織金網」)を用いた以外 は、実施例1と同様の操作を行い、PGAフィル を20分間エッチングし、多孔化PGAフィルムを 作製した。得られた多孔化PGAフィルムをエッ チング表面から観察したSEM画像を図6に、エ チング裏面から観察したSEM画像を図7にそれ れ示す。

(比較例1)
 上記60メッシュのSUSメッシュを用いなかっ 以外は、実施例1と同様の操作を行い、PGAフ ルムを15分間エッチングし、多孔化PGAフィ ムを作製した。得られた多孔化PGAフィルム エッチング表面から観察したSEM画像を図8に エッチング裏面から観察したSEM画像を図9に それぞれ示す。

 なお、図4~9において、(b)の画像は(a)の画 を拡大したものである。

 図4~9を比較すると、実施例1及び2で得ら た多孔化PGAフィルムでは、300メッシュの開 部に対応した貫通孔が形成されているこが かる。これに対し、比較例1で得られた多孔 PGAフィルムでは、300メッシュの開口部に対 した貫通孔が形成されている部分と形成さ ていない部分とがある。

 以上のことから、本発明の多孔性ポリマ 成形物の製造方法によれば、フォトレジス プロセス等の複雑な工程を経ることなく、 便なプロセスによりポリマー成形物に微細 貫通孔を形成することができることがわか た。また、上述のようにして作製した多孔 PGAフィルムは、生細胞の培養基材や透湿性 水素材等としての使用も可能である。

 本発明によれば、簡便なプロセスにより リマー成形物に貫通孔を形成することが可 な多孔性ポリマー成形物の製造方法及びそ により得られる多孔体を提供することがで る。