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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING RACEWAY RING MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090848
Kind Code:
A1
Abstract:
An improved method for manufacturing a raceway ring member such as an outer ring (2) having a fixing portion (6) on its outer circumferential surface and also having double-row outer ring raceways (5) on its inner circumferential surface. A material (16) is worked into a final-stage intermediate blank (25) after being subjected to a first upsetting step, a forward and backward extrusion step, a second upsetting step, a deburring step, and a punching step that are shown in (A)-(F). In the second upsetting step, a movable die which recedes from a fixed die at the final stage of working is used to feed a surplus metal material radially outward toward a portion that is to be the fixing portion (6) and toward a burr (38) portion. Consequently, metal material of high purity is exposed at at least a portion, out of portions of both the outer ring raceways (5), on which a rolling body load acts, thus achieving sufficient rolling contact fatigue life of both the outer ring raceways (5).

Inventors:
KOBAYASHI KAZUTO (JP)
KOYAMA HIROSHI (JP)
YASUDA YUU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050722
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NSK LTD (JP)
KOBAYASHI KAZUTO (JP)
KOYAMA HIROSHI (JP)
YASUDA YUU (JP)
International Classes:
B21K1/04; B21J5/06; B21J5/08; B60B35/02; B60B35/18; F16C33/64
Foreign References:
JP2006111070A2006-04-27
JP2000263179A2000-09-26
JPH03146237A1991-06-21
JPH01262037A1989-10-18
JP2007152413A2007-06-21
JP2005083513A2005-03-31
JP2006250317A2006-09-21
JP2006309916A2006-11-09
Other References:
See also references of EP 2123374A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMODA, Tetsuaki (4th Fl.1-20-10, Nishi-Shimbash, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 円筒部の内周面の軸方向2個所位置に背面組み合わせ型の外輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞれ設けた軌道輪部材を造るため、金属材製で円柱状の素材を軸方向に押し潰す据え込み加工により、軸方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よりも大きくなった前段階中間素材とした後、この前段階中間素材の周囲を、上記外向フランジ部を加工するためのフランジ成形用空間を備えたダイスにより囲んだ状態で、上記前段階中間素材を一対のパンチにより軸方向両側から押圧してこの前段階中間素材を塑性変形させ、軸方向両端部を、これら両パンチの外周面形状に見合う内周面形状を有する円筒部とし、外周面に上記フランジ成形用空間に見合う形状を有する上記外向フランジ部を形成して後段階中間素材とする軌道輪部材の製造方法において、上記素材として、この後段階中間素材を造るために必要とするよりも大きな容積を有するものを使用すると共に、上記ダイスとして、上記両パンチのうちの一方のパンチの周囲に固定された固定ダイスと、これら両パンチのうちの他方のパンチの周囲に、この固定ダイスに向かう方向の弾力を付与された状態で設けられた可動ダイスとからなるものを使用し、この可動ダイスの先端面と上記固定ダイスの先端面とを突き合わせた状態で、上記両パンチにより上記前段階中間素材を軸方向両側から押し潰して、この前段階中間素材を構成する金属材料を上記両ダイスと上記両パンチとにより囲まれるキャビティ内に充満させた後、この金属材料により上記可動ダイスを押圧することにより、この可動ダイスを上記弾力に抗して上記固定ダイスから退避させ、余剰の金属材料をこれら両ダイスの先端面同士の間に生じる隙間に逃がすことを特徴とする軌道輪部材の製造方法。
 前段階中間素材の軸方向両端面中央部を互いに近づく方向に押し潰し、軸方向一端面側に開口する第一円形凹部及び軸方向他端面側に開口する第二円形凹部とこれら両円形凹部の底面同士の間に存在する隔壁部とを備えた第二前段階中間素材とする前後方押し出し工程の後、この第二前段階中間素材を固定、可動両ダイスの内径側にセットした状態で、この第二前段階中間素材を一対のパンチの先端面同士の間で押圧し、上記第一円形凹部の深さ及び内面形状を変化させずに上記隔壁部を押し潰して、金属材料を径方向外方に移動させ、外周面に外向フランジを形成して後段階中間素材とする、請求項1に記載の軌道輪部材の製造方法。
 前段階中間素材を固定、可動両ダイスの内径側にセットした状態で、この前段階中間素材を一対のパンチの先端面同士の間で押圧し、この前段階中間素材の径方向中央部を押し潰して金属材料を径方向外方に移動させると共に、軸方向一端面側に開口する第一円形凹部及び軸方向他端面側に開口する第二円形凹部と、これら両円形凹部の底面同士の間に存在する隔壁部と、外向フランジとを形成して後段階中間素材とする、請求項1に記載の軌道輪部材の製造方法。
 第一円形凹部の内周面を、内径が小さい奥半部と内径が大きい開口側半部とを段差部で連続させた、段付円筒面状とする、請求項2または3に記載の軌道輪部材の製造方法。
 固定、可動両ダイスと一対のパンチとの間で前段階中間素材を塑性変形させて予備後段階中間素材を造った後、上記両ダイスの先端面同士の間の隙間に対応して、外向フランジの外周面に、この外周面から径方向外方に突出する状態で形成された、バリを打ち抜き除去して後段階中間素材とする、請求項1~4の何れかに記載の軌道輪部材の製造方法。
 固定、可動両ダイスと一対のパンチとの間で前段階中間素材を塑性変形させて後段階中間素材を造った後、隔壁部を打ち抜き除去する、請求項1~5の何れかに記載の軌道輪部材の製造方法。
Description:
軌道輪部材の製造方法

 この発明は、自動車の車輪及びブレーキ ィスク等の制動用回転部材を懸架装置に対 て回転自在に支持するために利用する、車 支持用転がり軸受ユニットを構成する軌道 部材の製造方法の改良に関する。本発明の 造方法の対象となる軌道輪は、内周面の軸 向2個所位置に背面組み合わせ型で複列の外 輪軌道を、外周面に外向フランジを、それぞ れ備えたものである。この様な軌道輪部材は 、上記車輪支持用転がり軸受ユニットが内輪 回転型の場合には、懸架装置に結合固定され る外輪が、同じく外輪回転型の場合には、車 輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転 するハブが、それぞれ相当する。

 なお、本発明の製造方法を実施する場合 、上記外向フランジの軸方向位置は特に問 ない。ただし、軌道輪部材が、外輪、ハブ 何れであっても、本発明の製造方法の対象 なる軌道輪部材は、当該軌道輪の軸方向に する、上記外向フランジの位置が、この外 フランジ部のうちの少なくとも厚さ方向の 部が上記両外輪軌道の中心位置同士の間に 在することが好ましい。なお、これら両外 軌道の中心位置とは、これら両外輪軌道と 動体との接触面(転動体が玉である場合には 接触楕円)の中心位置をいう。上記外向フラ ジの位置が、上記両外輪軌道の中心位置同 の間から軸方向に外れた位置に存在すると 外れた量が大きい程、本発明の効果を得に くなる。ただし、この場合でも、大きく外 ない限り、従来の製造方法に比べて、耐久 を向上させることは可能である。

 自動車の車輪を構成するホイール、及び 制動用回転部材であるディスクあるいはド ムを懸架装置を構成するナックルに回転自 に支持するために、車輪支持用転がり軸受 ニットが広く使用されている。この様な車 支持用転がり軸受ユニットとして、一般的 は、図7に示した内輪回転型のものが使用さ れているが、一部では、図8に示した様な外 回転型のものも使用されている。

 まず、図7に示した、内輪回転型で従動輪 (FR車及びMR車の前輪、FF車の後輪)用の車輪支 用転がり軸受ユニット1は、外輪2の内径側 ハブ3を、複数の転動体4を介して、回転自在 に支持している。使用状態では、上記外輪2 上記ナックルに結合固定し、上記ハブ3に車 及び制動用回転部材を支持固定する。この めに、上記外輪2の内周面の2個所位置に複 の外輪軌道5を、外周面の一部で、軸方向中 部よりも少し軸方向内寄り部分(軸方向に関 して内とは、使用状態で車体の幅方向中央側 となる側をいい、図1~6、11の上側、図7~9の右 。反対に、使用状態で車体の幅方向外側と る、図1~6、11の下側、図7~9の左側を、軸方 に関して外という。本明細書全体で同じ。) 、外向フランジである取付部6を、それぞれ 形成している。一方、上記ハブ3の外周面に 、上記外輪2よりも軸方向外方に突出した外 寄り部分に、車輪及び制動用回転部材を支 固定するための支持フランジ7を、軸方向中 間部ないし内端寄り部分に複列の内輪軌道8 、それぞれ形成している。そして、これら 列の内輪軌道8と上記両列の外輪軌道5との間 に、両列毎に複数個ずつの転動体4を配置し 、上記外輪2の内径側での上記ハブ3の回転を 自在としている。

 また、図8に示した、外輪回転型の車輪支 持用転がり軸受ユニット1aは、それぞれの外 面に内輪軌道8を形成した一対の内輪9の周 にハブ10を、複数個の転動体4を介して回転 在に支持している。使用状態では、上記両 輪9を、懸架装置に設けた車軸に外嵌固定し 上記ハブ10に車輪及び制動用回転部材を支 固定する。このために、このハブ10の内周面 の2個所位置に複列の外輪軌道5を、外周面の 方向外寄り部分に、外向フランジである支 フランジ7aを、それぞれ形成している。そ て、上記両列の内輪軌道8と上記両列の外輪 道5との間に、両列毎に複数個ずつの転動体 4を配置して、上記両内輪9の外径側での上記 ブ10の回転を自在としている。なお、図示 例では、転動体4として玉を示したが、重量 嵩む車両用の車輪支持用転がり軸受ユニッ の場合には、転動体として円すいころを使 する場合もある。

 図7に示した車輪支持用転がり軸受ユニッ ト1を構成する外輪2の様な、内周面の軸方向2 個所位置に複列の外輪軌道を、外周面に外向 フランジを、それぞれ備えた軌道輪部材は、 鍛造加工と切削加工及び研削加工とを組み合 わせて造る。例えば、特許文献1には、図9に す様な、駆動輪用で内輪回転型の車輪支持 転がり軸受ユニット1bを構成する外輪2a、及 び、内輪9aと組み合わされてハブ3aを構成す ハブ本体11の加工方法について記載されてい る。即ち、上記ハブ本体11は、図10の(A)に示 様な工程により、上記外輪2aは、図10の(B)に す様な工程により、それぞれ素材に鍛造加 を施して完成品に近い形状を有する中間素 とする。そして、この中間素材に、必要な 削加工及び研削加工を施して、上記外輪2a るいは上記ハブ本体11とする。

 ところで、車輪支持用転がり軸受ユニッ 用の軌道輪部材を造るための素材は、鉄鋼 ーカーで押し出し成形された、断面円形の 尺材を所定長さに切断することで造られた 円柱状のものを使用する。この様にして得 れる円柱状の素材の組成(清浄度)は均一で いことが、即ち、上記素材の中央部40%の範 (中心から半径の40%までの中央寄り円柱状部 )は、非金属介在物が存在しやすいことが、 上記特許文献2に記載がある様に、従来から られている。また、上記素材の外径寄り20% 範囲(中心から半径の80%よりも外周面側に存 する円筒状部分)に関しても、酸化物や非金 属介在物が存在しやすいこと等により、清浄 度が低いことが知られている。そして、中心 寄り、外周面寄り、何れの部分に存在する金 属材料にしても、清浄度が低い金属材料が、 軌道輪部材の周面に設けた軌道面のうちで、 特に転動体の転動面が転がり接触する部分に 露出すると、この部分の転がり疲れ寿命の確 保が難しくなる。

 これらのことを考慮し、且つ、素材中の 化物や非金属介在物の分布のばらつきや、 造作業時に発生する(押圧力等の)各種ばら きを考慮した場合、上記素材の中央部50%の 囲、及び、上記素材の外径寄り30%の範囲に 在する金属材料が、軌道面のうちで、少な とも転動面が転がり接触する部分に露出し い様にすることが好ましい。言い換えれば 上記軌道面のうちの少なくとも転動面が転 り接触する部分には、上記素材のうちで、 心からの半径が50~70%の範囲である、中間円 状部分に存在する金属材料を露出させるこ が好ましい。

 ところが、本発明の製造方法の対象とな 様な、内周面の軸方向2個所位置に複列で背 面組み合わせ型の外輪軌道を備え、外周面に 設けられた外向フランジ部の軸方向位置が、 少なくともこの外向フランジ部の厚さ方向の 一部が上記両外輪軌道の中心位置同士の間に 存在する様な軌道輪部材を鍛造加工により造 る場合、上記中間円筒状部分を上記両軌道面 に露出させることが難しい。例えば、前述の 図10の(B)に示した様な、前記特許文献1に記載 された様な方法で、前記図7に示した車輪支 用転がり軸受ユニット1の外輪2を造ると、素 材中の各部の金属材料、即ち、中心から半径 の50%までの中央寄り円柱状部分の金属材料12 、中心からの半径が50~70%の範囲である、中 円筒状部分に存在する金属材料13と、外径 り30%の範囲の外径寄り円筒状部分に存在す 金属材料14とは、図11に示す様に、上記外輪2 中に分布する。この外輪2は、鍛造加工によ 図11に実線で示した中間素材15を造った後、 削加工及び研削加工により、この図11に鎖 で示す状態にまで上記中間素材15を削り取り 、上記外輪2として完成する。

 この様な中間素材15と外輪2とを示した図1 1中、斜格子で示した、上記中間円筒状部分 存在する金属材料13が、一対の外輪軌道5部 に露出すれば、これら両外輪軌道5の転がり れ寿命を確保し、上記外輪2を含む、上記車 輪支持用転がり軸受ユニット1の耐久性確保 図りやすくなる。ところが、上記図11から明 らかな通り、従来の製造方法により上記外輪 2を造ると、上記中央寄り円柱状部分の金属 料12が、上記両外輪軌道5のうちの軸方向内 の外輪軌道5の一部(特に、外向フランジ部で ある取付部6の内径側に位置する部分の)表面 露出する。このため、従来から知られてい 軌道輪部材の製造方法では、上記車輪支持 転がり軸受ユニット1の耐久性確保を図るた めの設計の自由度が限られる。

 特許文献2には、円柱状の素材に前後方押 し出し加工を施す際の押し出し方法を工夫す ることで、中間素材のうちで外輪軌道となる ベき部分に、中央寄り円柱状部分の金属材料 12{次述する図12(B)(C)の斜格子部分}が存在しな い様にする、軌道輪部材の製造方法について 記載されている。この様な従来の製造方法の 場合には、図12の(A)に示す様な円柱状の素材1 6の軸方向両端面中央部を互いに近づく方向 押し潰し、図12の(B)(C)に示す様な、軸方向両 端面に開口する第一、第二両円形凹部17、18 、これら両円形凹部17、18の底面同士の間に 在する隔壁部19とを備えた中間素材20とする 。さらに、この中間素材20に、所定の切削(旋 削)加工及び研削加工を施して、図12の(B)(C)に 鎖線で示した様な断面形状を備えた外輪2bと る。

 上記隔壁部19の形成位置を工夫しない場 には、図12の(B)に示す様に、上記中央寄り円 柱状部分の金属材料12が外輪軌道5となるべき 部分に存在する。これに対して、図12の(C)に す様に、上記隔壁部19の形成位置を、上記 輪軌道5となるべき部分の間に位置させると 上記中央寄り円柱状部分の金属材料12が外 軌道5となるべき部分に存在しなくなる。た し、上記図12の(C)に示す様に、上記隔壁部19 の形成位置を工夫しただけでは、製造コスト の低減と耐久性向上とを高次元で両立させる ことはできない。

 即ち、上記隔壁部19は、その後打ち抜き除 して、スクラップとして廃棄・回収するも である。従って、この打ち抜き除去作業を 易に行なう面からも、材料の歩留り向上を る面からも、上記隔壁部19の軸方向寸法(厚 )は小さい程よい。ところが、図12の(C)に示 た状態から、さらに上記隔壁部19を押し潰す と、上記中央寄り円柱状部分の金属材料12が 記両外輪軌道5となるべき部分に移動し、こ れら両外輪軌道5の転がり疲れ寿命の確保が しくなる。言い換えれば、上記図12の(A)→(C) に示した製造方法では、上記隔壁部19の軸方 寸法を相当に大きくする必要が生じ、工業 品として製造コストを抑制する面からは好 しくない。

特開2005-83513号公報

特開2006-250317号公報

 本発明は、上述の様な事情に鑑みて、内 面の軸方向2個所位置に複列の外輪軌道を、 外周面に外向フランジを、それぞれ備えた軌 道輪部材を、円柱状の素材を塑性変形させる ことにより造る場合に、上記両外輪軌道のう ち、少なくとも転動体荷重が作用する部分に 、素材のうちで清浄度の高い中間円筒状部分 の金属材料を露出させられ、しかも、低コス トで実施できる軌道輪部材の製造方法を実現 すべく発明したものである。

 なお、本発明の製造方法は、上記外向フ ンジ部のうちの少なくとも厚さ方向の一部 、上記両外輪軌道の中心位置同士の間(後述 する図3の鎖線α、β同士の間)に存在する軌道 輪部材を対象として実施することが好ましい 。上記外向フランジの軸方向位置がこの条件 を満たさない場合には、上記両外輪軌道の表 面部分に、上記清浄度の高い中間円筒状部分 の金属材料以外の金属材料が露出しやすくな る。従って、例えば上記外向フランジが、上 記間部分から大きく外れた部分に存在する場 合には、例えば特願2006-309916に開示された様 、本発明とは異なる他の製造方法により造 ことが好ましい。

 本発明の軌道輪部材の製造方法は、円筒 の内周面の軸方向2個所位置に背面組み合わ せ型の外輪軌道を、外周面に外向フランジを 、それぞれ設けた軌道輪部材を造る。

 このため、まず、金属材製で円柱状の素 を軸方向に押し潰す据え込み加工により、 方向中間部の外径が軸方向両端部の外径よ も大きくなった前段階中間素材とする。

 その後、この前段階中間素材の周囲を、 記外向フランジ部を加工するためのフラン 成形用空間を備えたダイスにより囲んだ状 で、上記前段階中間素材を一対のパンチに り軸方向両側から押圧してこの前段階中間 材を塑性変形させる。そして、軸方向両端 を、これら両パンチの外周面形状に見合う 周面形状を有する円筒部とし、外周面に上 フランジ成形用空間に見合う形状を有する 記外向フランジ部を形成して、後段階中間 材とする。

 特に、本発明の軌道輪部材の製造方法に いては、上記素材として、この後段階中間 材を造るために必要とするよりも大きな容 を有するものを使用する。また、上記ダイ として、上記両パンチのうちの一方のパン の周囲に固定された固定ダイスと、これら パンチのうちの他方のパンチの周囲に、こ 固定ダイスに向かう方向の弾力を付与され 状態で設けられた可動ダイスとからなるも を使用する。

 そして、この可動ダイスの先端面と上記 定ダイスの先端面とを突き合わせた状態で 上記両パンチにより上記前段階中間素材を 方向両側から押し潰して、この前段階中間 材を構成する金属材料を、上記両ダイスと 記両パンチとにより囲まれるキャビティ内 充満させる。その後、この金属材料により 記可動ダイスを押圧することにより、この 動ダイスを上記弾力に抗して上記固定ダイ から退避させ、余分な金属材料をこれら両 イスの先端面同士の間に生じる隙間に逃が て、当該部分にバリを形成する。このバリ 、後から、打ち抜き、削り取り等により除 する。

 上述の様な本発明の軌道輪部材の製造方 を実施する場合に、より具体的には、前後 押し出し工程により、上記前段階中間素材 軸方向両端面中央部を互いに近づく方向に し潰す。そして、軸方向一端面側に開口す 第一円形凹部及び軸方向他端面側に開口す 第二円形凹部と、これら両円形凹部の底面 士の間に存在する隔壁部とを備えた、第二 段階中間素材とする。

 また、上記前後方押し出し工程の後、こ 第二前段階中間素材を固定、可動両ダイス 内径側にセットした状態で、この第二前段 中間素材を一対のパンチの先端面同士の間 押圧する。そして、上記第一円形凹部の深 及び内面形状を変化させずに上記隔壁部を し潰して、金属材料を径方向外方に移動さ 、外周面に外向フランジを形成して(バリを 有する予備後段階中間素材を介して)後段階 間素材とする。

 あるいは、上記前段階中間素材を固定、 動両ダイスの内径側にセットした状態で、 の前段階中間素材を一対のパンチの先端面 士の間で押圧する。上記の前後方押し出し 程は省略する。そして、この前段階中間素 の径方向中央部を押し潰して金属材料を径 向外方に移動させると共に、軸方向一端面 に開口する第一円形凹部及び軸方向他端面 に開口する第二円形凹部と、これら両円形 部の底面同士の間に存在する隔壁部と、外 フランジとを形成して、(バリを有する予備 後段階中間素材を介して)前記後段階中間素 とする。

 なお、上述の様な本発明の軌道輪部材の 造方法を実施する場合に、上記第一円形凹 の内周面を、内径が小さい奥半部と内径が きい開口側半部とを段差部で連続させた、 付円筒面状とすることが好ましい。

 また、本発明の軌道輪部材の製造方法を 施する場合に、より具体的には、固定、可 両ダイスと一対のパンチとの間で前段階中 素材を塑性変形させて予備後段階中間素材 造った後、上記両ダイスの先端面同士の間 隙間に対応して、外向フランジの外周面に この外周面から径方向外方に突出する状態 形成された、バリを打ち抜き除去して、上 後段階中間素材とする。

 さらに、固定、可動両ダイスと一対のパ チとの間で前段階中間素材を塑性変形させ 後段階中間素材を造った後、隔壁部を打ち き除去する。

 上述の様に構成する本発明の軌道輪部材 製造方法によれば、内周面のうちの軸方向 離隔した2個所位置に形成した両外輪軌道の うち、少なくとも転動体荷重が作用する部分 に、素材のうちで清浄度の高い中間円筒状部 分の金属材料を露出させられる。このため、 上記両外輪軌道の転がり疲れ寿命を確保し、 これら両外輪軌道を備えた軌道輪部材を含む 、車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性確 保のための設計の自由度向上を図れる。また 、隔壁部の軸方向寸法(厚さ)を小さくしても 上記両外輪軌道のうちで転動体荷重が作用 る部分に清浄度の高い金属材料を露出させ れるため、上記隔壁部を除去する作業の容 化と材料の歩留り向上とにより、製造コス の上昇を抑えられる。

 また、必要に応じて、上記の態様のうち 切な構成を採用することにより、外向フラ ジの軸方向位置や各外輪軌道の設置位置に じて、上記中間円筒状部分の金属材料をこ ら各外輪軌道の表面部分に、効果的に露出 せられる。

 また、固定、可動両ダイスの先端面同士 間の隙間に対応して形成されたバリを打ち き除去すれば、加工コストを低く抑えつつ 上記外向フランジを含む、各部の寸法及び 状を、所望通り精度よく造れる。

 さらに、後段階中間素材を造った後、隔 部を打ち抜き除去することにより、余分な 属材料を除去して、軽量な車輪支持用転が 軸受ユニットを得られる。なお、外輪軌道 形成した円筒状部分等の他の部分を薄肉化 る代わりに、隔壁部により強度保持を図る 造を採用することも可能であり、この場合 は、この隔壁部を除去する工程は不要であ 。

図1は、本発明の軌道輪部材の製造方法 の実施の形態の第1例を工程順に示す、素材 いし最終段中間素材の断面図である。 図2、は第二前段階中間素材の軸方向両 端部に第一、第二両円形凹部を、外周面に外 向フランジを、ぞれぞれ形成するための第二 の据え込み加工の実施状況を工程順に示す断 面図である。 図3は、本発明の製造方法を適用するこ とが好ましい外輪に関して、取付部の軸方向 位置の範囲を示す断面図である。 図4は、後段階中間素材の段階での、中 央寄り円柱状部分の金属材料と、中間円筒状 部分の金属材料と、外径寄り円筒状部分の金 属材料との分布状況に関して、(A)は実施の形 態の第1例の製造方法により造られた場合を (B)は可動ダイスを使用しなかった場合を、 れぞれ示す断面図である。 図5は、本発明の軌道輪部材の製造方法 の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図 ある。 図6は、実施の形態の第2例に関して、 段階中間素材の段階での、中央寄り円柱状 分の金属材料と、中間円筒状部分の金属材 と、外径寄り円筒状部分の金属材料との分 状況を示す断面図である。 図7は、本発明の製造方法の対象となる 軌道輪部材である外輪を備えた、内輪回転型 で従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニット の1例を示す断面図である。 図8は、本発明の製造方法の対象となる 軌道輪部材であるハブを備えた、外輪回転型 の車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示 断面図である。 図9は、本発明の製造方法の対象となる 外輪を備えた、内輪回転型で駆動輪用の車輪 支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面 である。 図10は、従来から知られている軌道輪 材の製造方法の2例を、それぞれ工程順に示 す断面図である。 図11は、従来の製造方法により後段階 間素材を造った状態での、中央寄り円柱状 分の金属材料と、中間円筒状部分の金属材 と、外径寄り円筒状部分の金属材料との分 状況を示す断面図である。 図12は、従来の製造方法の別例を説明 る、素材の断面形状(A)と、隔壁部の形成位 を工夫しない場合の中間素材の断面形状(B) 、工夫した場合の中間素材の断面形状(C)と 示す図である。

符号の説明

  1、1a、1b 車輪支持用転がり軸受ユニット
  2、2a、2b 外輪
  3、3a ハブ
  4  転動体
  5  外輪軌道
  6  取付部
  7、7a 支持フランジ
  8  内輪軌道
  9a 内輪
 10  ハブ
 11  ハブ本体
 12  中央寄り円柱部分の金属材料
 13  中間円筒状部分の金属材料
 14  外径寄り円筒状部分の金属材料
 15  中間素材
 16  素材
 17  第一円形凹部
 18  第二円形凹部
 19  隔壁部
 20  中間素材
 21  前段階中間素材
 22  第二前段階中間素材
 23、23a 予備後段階中間素材
 24、24a 後段階中間素材
 25  最終段中間素材
 26  第一円形凹部
 27  第二円形凹部
 28  隔壁部
 29  押圧パンチ
 30  カウンターパンチ
 31  上側ダイス
 32  下側ダイス
 33  押し出しパンチ
 34  ばね
 35  下側キャビティ
 36  成形用空間
 37  隙間
 38  バリ

  [実施の形態の第1例]
 図1~4は、本発明の実施の形態の第1例を示し ている。本例の製造方法は、図1の(A)に示し 、中炭素鋼、軸受鋼、浸炭鋼の様な鉄系合 等の、塑性加工後に焼き入れ硬化可能な、 属製で円柱状の素材16に、順次、塑性加工あ るいは打ち抜き加工を施す。そして、(B)に示 した前段階中間素材21、(C)に示した第二前段 中間素材22、(D)に示した予備後段階中間素 23、(E)に示した後段階中間素材24を経て、(F) 示した最終段中間素材25を得る。さらに、 の最終段中間素材25に、必要とする切削加工 及び研削加工を施して、前述の図7に示した な、内輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユ ット1を構成する外輪2とする。上記素材16の 積は、上記後段中間素材24の容積よりも(後 するバリ38の容積分だけ)大きくしている。 下、上記素材16を上記最終段中間素材25に加 工する工程について、順番に説明する。なお 、以下の加工は、基本的には総て熱間若しく は温間で行なうが、小型のハブを形成する場 合等、可能であれば、冷間で行なってもよい 。

 まず、第一の据え込み工程で、図1の(A)→ (B)に示す様に、上記素材16を軸方向に押し潰 つつ外径を拡げ、この素材16を、径方向中 部が膨らんだビヤ樽型の、上記前段階中間 材21とする。

 次の前後方押し出し工程で、図1の(B)→(C) に示す様に、上記前段階中間素材21を前記第 前段階中間素材22に塑性加工する。この様 前後方押し出し工程では、鍛造加工の分野 広く知られている方法により、上記前段階 間素材21の径方向中央寄り部分を軸方向に圧 縮して、この径方向中央寄り部分の金属材料 を、径方向外方に移動させつつ、軸方向両側 (前後両方向)に移動させる。

 次に行なう、上記前段階中間素材21の径 向中央寄り部分を軸方向に圧縮する加工は 上記前段階中間素材21を、上記第二前段階中 間素材22の外周面形状に対応した(凹凸が逆に なった)ダイス内にセットした状態で、互い 同心に配置した押圧パンチとカウンターパ チとの間で、上記前段階中間素材21の軸方向 両端面中央部を押圧することにより行なう。 一般的には、図1で下側に配置する上記カウ ターパンチを固定した状態のまま、図1で上 に配置する上記押圧パンチを、このカウン ーパンチに押し付ける。そして、上記前段 中間素材21を構成する金属材料を移動させ 、上記ダイスの内周面と上記押圧パンチ及 上記カウンターパンチの外面(外周面及び先 面)とにより囲まれたキャビティ内に充満さ せ、上記第二前段階中間素材22とする。

 この第二前段階中間素材22は、軸方向一 面(図1~4の上端面)側に開口する第一円形凹部 26及び軸方向他端面(図1~4の下端面)側に開口 る第二円形凹部27と、これら両円形凹部26、2 7の底面同士の間に存在する隔壁部28とを備え る。本例の場合には、上記第一円形凹部26の 状を、内径が小さい奥半部と内径が大きい 口側半部とを段差部で連続させた、段付形 とする。このために、上記押圧パンチとし 、先半部の外径が小さく、基半部の外径が きい、段付のものを使用する。この様な前 方押し出し工程で、上記前段階中間素材21 上記第二前段階中間素材22に塑性加工するこ とに伴い、中央寄り円柱状部分の金属材料12 、中間円筒状部分の金属材料13と、外径寄 円筒状部分の金属材料14との分布状況が、図 1の(B)→(C)に示す様に変化する。

 上述の様にして造った、上記第二前段階 間素材22は、次の第二の据え込み工程で、 記予備後段階中間素材23とする。この第二の 据え込み工程は、図2に示した据え込み装置 使用して行なう。この据え込み装置は、他 のパンチに相当する押圧パンチ29と、同じく 一方のパンチに相当するカウンターパンチ30 、同じく可動ダイスに相当する上側ダイス3 1と、同じく固定ダイスに相当する下側ダイ 32と、押し出しパンチ33とを備える。

 これら各構成部材29~33のうち、上側ダイ 31はプレス加工機のラムの下面に、このラム に対する昇降可能に支持されており、大きな 弾力を有するばね34により、下方に向いた大 な弾力を付与されている。上記ラムに対す 上記上側ダイス31の下降量は、これらラム 上側ダイス31との間に設けたストッパ機構に より規制している。また、上昇量は、例えば 、上記ラムの下面と上記上側ダイス31の上面 が突き当たることで制限される。従って、 記上側ダイス31は、通常状態では上記ラム 共に昇降するが、上向きの大きな力が加わ た場合には、上記各ばね34の弾力に抗し、上 記ラムに対して上昇する。また、上記押圧パ ンチ29は、上記上側ダイス31の内径側に配置 た状態で、上記ラムに対し固定している。 って、この上側ダイス31は、上記押圧パンチ 29の周囲に、この押圧パンチ29に対する所定 の軸方向変位(昇降)を可能に支持されている 。そして、上記ラムの下降時に上記上側ダイ ス31の下端面は、上記押圧パンチ29の下端面 上記カウンターパンチ30の上端面との間で上 記第二前段階中間素材22の隔壁部28を強く挟 する以前に、上記下側ダイス32上端面に突き 当たる。この状態から上記ラムがさらに下降 すると、上記上側ダイス31はそのままの位置 止まり、上記押圧パンチ29のみが上記上側 イス31と共に下降する。この際、上記各ばね 34が弾性変形する。

 一方、上記カウンターパンチ30と上記下 ダイス32とは、上記プレス加工機の支持台の 上面に、互いに同心に固定されており、互い の間に、前記予備後段階中間素材23の軸方向 半部の外面形状に見合う(凹凸が逆である) 面形状を有する、下側キャビティ35を設けて いる。上記カウンターパンチ30と上記下側ダ ス32とは、前記第二の据え込み工程の進行 伴って変位することはない。さらに、上記 し出しパンチ33は、円筒状であり、その上端 面により、上記下側キャビティ35の下端部を 切っている。この様な上記押し出しパンチ3 3は、上記プレス加工機の支持台に対し、昇 可能に支持されている。そして、この押し しパンチ33が下降し切った状態で、上記下側 キャビティ35の内面形状が、上記予備後段階 間素材23(前記後段階中間素材24)の軸方向外 部の外面形状に見合う形状になる。なお、 例の場合には、上記押圧パンチ29の先端部 び上記カウンターパンチ30の先端部は、何れ も、先端面寄りの小径部と基端寄りの大径部 とを段部で連続させた、段付形状としている 。

 上述の様な構成を有する、前記据え込み 置を使用し、前記第二前段階中間素材22に 記第二の据え込み工程を施して、上記予備 段階中間素材23とする場合には、まず、この 第二前段階中間素材22の軸方向外端寄り部分 上記下側ダイス32内に挿入する。そして、 記カウンターパンチ30の上端部を、上記第二 前段階中間素材22の軸方向外端面に形成した 前記第二円形凹部27内に嵌合させる。その 、上記ラムを下降させて、図2の(A)に示す様 、前記押圧パンチ29を、上記第二前段階中 素材22の軸方向内端面に形成した、前記第一 円形凹部26内に嵌合させると共に、上記下側 イス32の上端面と前記上側ダイス31の片面と を突き合わせる。この状態で、これら両ダイ ス32、31の突き合わせ面同士の間に、フラン 成形用空間36が形成される。

 この状態から上記ラムを、図2の(B)(C)の矢 印aで示す様に、さらに下降させると、図2の( A)→(B)に示す様に、上記上側ダイス31はその まの位置に止まって、上記押圧パンチ29のみ が下方に移動する。この移動に伴って、この 押圧パンチ29が、上記第二前段階中間素材22 径方向中央部分を軸方向に押圧して、この 分を押し潰し、前記隔壁部28を、厚さ寸法の 小さい隔壁部19とする。この様に径方向中央 分を押し潰すことで押し出された金属材料 、上記下側キャビティ35内に入り込んで当 部分を円筒形に形成すると共に、一部は、 記フランジ成形用空間36に向け、径方向外方 に送られて、このフランジ成形用空間36内に 取付部6となるべき、外向フランジ状の突出 部を形成する。

 上記押圧パンチ29が、図2(C)に示す様に、 分に下降し、上記フランジ成形用空間36内 十分量の金属材料が押し込まれると、この ランジ成形用空間36内の圧力上昇に伴って、 上記上側ダイス31を上方に押圧する力が大き なる。そして、この力が、前記各ばね34の 力よりも大きくなると、上記上側ダイス31が これら各ばね34の弾力に抗して、図2(C)に矢印 bで示す様に上昇し、この上側ダイス31の上端 面が上記下側ダイス32から離隔して、これら 端面同士の間に隙間37が生じる。すると、 記フランジ成形用空間36内に入り込んでいた 金属材料の一部がこの隙間37内に入り込み、 記取付部6となるべき突出部の外周縁にバリ 38を形成する。この結果、図1の(D)に示す様な 予備後段階中間素材23を得られる。この予備 段階中間素材23に形成した、第一、第二両 形凹部17、18の内周面は、内径が小さい奥半 と内径が大きい開口側半部とを段差部で連 させた段付円筒面状である。

 この様にして行なう、図1の(C)→(D)に示し た第二の据え込み工程に伴って、中央寄り円 柱状部分の金属材料12と、中間円筒状部分の 属材料13と、外径寄り円筒状部分の金属材 14との分布状況が、図1の(C)→(D)に示す様に 化する。上記第二の据え込み工程では、前 両外輪軌道5のうちの軸方向内側の外輪軌道5 を形成すべき部分に隣接する、前記第一円形 凹部26の内面形状は変化させない。前記第二 形凹部27に関しては、深さを大きくする。 して、上記第二の据え込み工程の結果、こ ら両円形凹部26、27同士の間に存在する隔壁 28から押し出された金属材料のうちの多く 部分が、上記取付部6となるべき突出部及び 記バリ38となる。これら突出部及びバリ38は 、一対の外輪軌道5の中心位置同士の間の径 向外方部分に存在するので、上記隔壁部28か ら押し出された金属材料(特に、中央寄り円 状部分の金属材料12)のうちの多くの部分が 上記両外輪軌道5となるべき部分に送られず 、これら両外輪軌道5となるべき部分の間を 通って、径方向外方に送られる。このため、 上記図1の(D)及び図4の(A)から明らかな通り、 記予備後段階中間素材23(前記後段階中間素 24)の段階では、後から外輪軌道5を形成すべ き部分には、清浄度の高い中間円筒状部分の 金属材料13が存在する。

 上述の様に本例の場合には、上記予備後 階中間素材23の加工完了の状態で、上記両 イス31、32の先端面同士が互いに当接せず、 れら両先端面同士の間に隙間37が介在する 態となる。そして、この隙間37には、金属材 料の余剰分が入り込んで、上記バリ38を形成 る。この様にして造られた、上記取付部6の 外周面からバリ38を突出させた、上記予備後 階中間素材23は、上記押圧パンチ29及び上記 上側ダイス31を上昇させてから、前記押し出 パンチ33を上昇させることで、前記据え込 装置から取り出す。そして、図1の(D)→(E)に す様に、上記バリ38を打ち抜き除去して、 記後段階中間素材24とする。

 そして、最後に、図1の(E)→(F)に示す様に 、上記両円形凹部17、18同士の間に存在する 記隔壁部19を、プレス加工等により打ち抜き 除去し、前記最終段中間素材25とする。この 終段中間素材25は、完成後の外輪2{図4の(A) 鎖線参照}よりも厚肉である。そこで、この 終段中間素材25に、所定の切削(旋削)加工及 び研削加工を施して、上記外輪2として完成 る。完成後の状態で上記取付部6は、図3に示 す様に、上記両外輪軌道5の中心を通り、上 外輪2の中心軸に直交する仮想平面α、β同士 の間に存在する。図4の(A)に、上記後段階中 素材24の段階での、上記各金属材料12~14の分 状態と、完成後の外輪2{図4の(A)の鎖線参照} の断面形状とを示している。この様な図4の(A )から明らかな通り、本例の外輪2の製造方法 よれば、この外輪2の内周面のうちの軸方向 に離隔した2個所位置に形成した両外輪軌道5 うち、少なくとも転動体荷重が作用する部 に、素材のうちで清浄度の高い中間円筒状 分の金属材料13を露出させられる。このた 、上記両外輪軌道5の転がり疲れ寿命を確保 、これら両外輪軌道5を備えた外輪2を含む 輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性確保 ための設計の自由度向上を図れる。

 これに対して図4の(B)は、一対のダイスを 突き合わせた状態のまま(可動ダイスを使用 ず)に、図4の(A)と同形状の後段階中間素材24a を塑性加工した場合の、各金属材料12~14の分 状況を示している。この場合には、フラン 成形用空間36に入り込んだ金属材料が隙間37 (図2参照)に向け、径方向外方に大きく移動す ることがないので、中央寄り円柱状部分の金 属材料12が軸方向に拡がりやすく、清浄では いこの金属材料12が、軸方向内側の外輪軌 5の一部(周囲に取付部6が存在しない部分)に 出する。このため、十分な耐久性を有する 輪2を得ることが難しくなる。

  [実施の形態の第2例]
 図5は、本発明の実施の形態の第2例を示し いる。本例の場合には、上述した実施の形 の第1例で行なっていた前後方押し出し工程 省略している。即ち、図5の(B)に示した前段 階中間素材21に、前述の図2に示した様な第二 の据え込み加工を直接施して、図5の(C)に示 た予備後段階中間素材23aを得て、さらに、 リ38を除去して、図5の(D)及び図6に示した後 階中間素材24aを得る。この様な本例は、造 べき外輪が小型であったり、あるいは、プ ス加工を施すためのプレス加工機の容量が きい等、一挙動で大きな塑性加工を行なえ 場合に適用できる。本例の場合、上記後段 中間素材24a内部での、中央寄り円柱状部分 金属材料12と、中間円筒状部分の金属材料13 と、外径寄り円筒状部分の金属材料14との分 状況は、図6に示す様になる。この図6から らかな通り、本例の場合も、外輪2の内周面 うちの軸方向に離隔した2個所位置に形成し た両外輪軌道5のうち、少なくとも転動体荷 が作用する部分に、素材のうちで清浄度の い中間円筒状部分の金属材料13を露出させら れる。このため、上記両外輪軌道5の転がり れ寿命を確保し、これら両外輪軌道5を備え 外輪2を含む車輪支持用転がり軸受ユニット の耐久性確保のための設計の自由度向上を図 れる。

 上述の説明は、本発明の軌道輪部材の製 方法により、前述の図7、9に示した様な、 輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニット1 1bを構成する外輪2、2aを造る場合を中心に 明した。ただし、前述の図8に示した様な、 輪回転型の車輪支持用転がり軸受ユニット1 aを構成するハブ10であっても、支持フランジ 7aの軸方向位置が適切であれば(図8よりも右 に存在すれば)、本発明の製造方法により造 ことができる。