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Title:
METHOD FOR MANUFACTURING SILICON SINGLE CRYSTAL WAFER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105136
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for manufacturing a silicon single crystal wafer. Rapid heat treatment is performed to a silicon single crystal wafer, which is manufactured by Czochralski method and has an entire surface in the diameter direction as an N region, under oxidizing atmosphere. Then, an oxide film formed by the rapid heat treatment under the oxidizing atmosphere is removed, and rapid heat treatment is performed to the wafer under nitriding atmosphere or Ar atmosphere or the mixed atmosphere of them. Thus, the silicon single crystal wafer having a DZ layer on the wafer surface and excellent device characteristics, and at the same time, permitting oxygen precipitate that functions as a gettering site to be sufficiently formed within a bulk region, is manufactured at low cost.

Inventors:
HAYAMIZU YOSHINORI (JP)
KIKUCHI HIROYASU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000070
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
January 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHINETSU HANDOTAI KK (JP)
HAYAMIZU YOSHINORI (JP)
KIKUCHI HIROYASU (JP)
International Classes:
C30B29/06; C30B15/00; H01L21/26; H01L21/322
Foreign References:
JPS62293727A1987-12-21
JP2001308101A2001-11-02
JP2000294470A2000-10-20
JPH06163531A1994-06-10
JPH0851144A1996-02-20
JP2001151597A2001-06-05
JP2001007217A2001-01-12
JPH11150112A1999-06-02
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIMIYA, Mikio (6-11 Ueno 7-chome, Taito-k, Tokyo 05, JP)
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Claims:
 シリコン単結晶ウエーハの製造方法であって、チョクラルスキー法により作製した径方向の全面がN領域のシリコン単結晶ウエーハを酸化性雰囲気下で急速熱処理し、該酸化性雰囲気下の急速熱処理で形成された酸化膜を除去してから、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこれらの混合雰囲気下で急速熱処理することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
 
 前記径方向の全面がN領域のシリコン単結晶ウエーハを、Ni領域およびNv領域が混在したものとすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
Description:
シリコン単結晶ウエーハの製造 法

 本発明は、ウエーハ表面からデバイス活性 域となる一定の深さまで、結晶欠陥の発生 ないDZ層が形成され、かつウエーハ内部に ゲッタリングサイトとなる酸素析出物を形 することのできるシリコン単結晶ウエーハ 製造方法に関するものである。
 

 半導体デバイスの材料となるシリコン単 晶ウエーハは、一般的にチョクラルスキー (Czochralski Method:以下CZ法ともいう)によりシ コン単結晶を成長させ、得られたシリコン 結晶を切断、研磨等の工程を施すことによ 作製することができる。

 このようにCZ法で育成されたシリコン単 晶は、熱酸化処理(例えば1100℃×2時間)を受 た時にリング状に発生するOSFと呼ばれる酸 誘起積層欠陥を生じることがある。OSF以外 も結晶育成時に形成され、デバイス性能に 影響を及ぼす微細欠陥(以下Grown-in欠陥とも う)が存在することが明らかになってきた。

 そこで、近年これらの欠陥をできるだけ少 くしたウエーハを得るための単結晶製造方 が例えば特開平11-79889号公報や特許第3085146 公報で開示されている。
 図8は、単結晶を育成した場合の引き上げ速 度と欠陥分布の関係の一例を示している。単 結晶育成時の引き上げ速度V(mm/min)を変化させ ることによって、シリコン融点から1300℃ま の温度範囲における引き上げ軸方向の結晶 温度勾配の平均値G(℃/mm)との比であるV/Gを 化させた場合のものである。

 一般に、単結晶内の温度分布はCZ炉内の構 (以下ホットゾーンともいう)に依存しており 、引き上げ速度を変えてもその分布は殆ど変 わらないことが知られている。このため、同 一構造のCZ炉の場合はV/Gは引き上げ速度の変 にのみ対応することになる。すなわち引き げ速度VとV/Gは近似的には正比例の関係があ る。したがって図8の縦軸には引き上げ速度V 用いている。
 引き上げ速度Vが比較的高速な領域ではベー カンシー(Vacancy:以下Vaともいう)と呼ばれる点 欠陥である空孔が凝集したボイドと考えられ ているCOP(Crystal Originated Particle)やFPD(Flow Patt ern Defect)とよばれる空孔型のGrown-in欠陥が結 径全域に存在し、V-Rich領域と呼ばれている

 これより引き上げ速度Vが少し遅くなると、 結晶の周辺からOSFがリング状に発生し、引き 上げ速度Vが低下するにしたがってOSFは中心 向かってシュリンクしていき、ついには結 中心でOSFは消滅する。
 さらに引き上げ速度Vを遅くすると、Vaやイ タースティシャルシリコン(Interstitial Silicon :以下Iともいう)と呼ばれる格子間型の点欠陥 の過不足が少ないニュートラル(Neutral:以下N もいう)領域が存在する。このN領域はVaやIの 偏りはあるが飽和濃度以下であるため、前記 COPやFPDのように凝集した欠陥としては存在し ないか、あるいは現在の欠陥検出方法では欠 陥の存在が検出できないことが判明してきた 。
 このN領域はVaが優勢なNv領域とIが優勢なNi 域に分別される。

 引き上げ速度Vを更に遅くするとIが過飽和 なり、その結果Iが凝集した転位ループと考 られるL/D(Large Dislocation:格子間転位ループ 略語、LSEPD、LEPD等)の欠陥が低密度に発生し この領域はI-Rich領域と呼ばれている。
 これらのことから、結晶の中心から径方向 域に渡ってN領域となるような範囲にV/Gを制 御しながら引上げた単結晶をウエーハに切り 出し、研磨することにより径方向の全面がN 域になる極めて欠陥の少ないウエーハを得 ことができる。

 例として、図8のA-Aの位置から切り出したウ エーハは図9(a)に示すように全面Nv領域のウエ ーハとなる。図9(b)は図8のB-Bの位置から切り したウエーハを示し、ウエーハ中心部にNv 域があり、その外周部にNi領域が存在する。
 図9(c)は図8のC-Cから切り出したウエーハを し、ウエーハ全面がNi領域からなるウエーハ を得ることができる。
 なお、これらは一例であり、ホットゾーン によっては、例えば上記の図9(b)の例とは逆 に、ウエーハ中心部にNi領域があり、その外 部にNv領域が存在する場合もある。
 ウエーハ表面にV-Rich領域またはI-Rich領域に 在するGrown-in欠陥が出現すると、デバイス MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造を形成した場合 に酸化膜の耐圧を低下させるなどデバイス特 性に悪影響を及ぼすために、ウエーハ表層に はこのような欠陥が存在しないことが望まれ ている。

 図10はV/GとVa濃度及びI濃度の関係を模式的 表現したもので、この関係はボロンコフ理 と呼ばれており、空孔領域と格子間シリコ 領域の境界がV/Gによって決定されることを している。
 より詳細には、V/Gが臨界点(V/G)c以上ではVa 優勢な領域が形成され、臨界点以下ではIが 勢な領域が形成される。すなわち、(V/G)cは VaとIが同濃度となるV/G値を示している。

 図10中のI-Rich領域は、V/Gが(V/G)i以下であり 格子間シリコン型点欠陥Iが飽和濃度Ci以上 あるため格子間型シリコン点欠陥の凝集体 なわちL/DのGrown-in欠陥が発生している領域で ある。
 V-Rich領域は、V/Gが(V/G)v以上であり、空孔Va 飽和濃度Cv以上であるため空孔の凝集体すな わちCOP等のGrown-in欠陥が発生している領域で る。
 N領域とは空孔の凝集体あるいは格子間シリ コン型点欠陥の凝集体が存在しないニュート ラル領域((V/G)i~(V/G)osf)を示す。
 そして、通常このN領域に隣接してOSF領域((V /G)osf~(V/G)v)が存在する。

 ところで、シリコンウエーハには通常7~10×1 0 17 atoms/cm 3 (JEIDA:日本電子工業振興協会による換算係数 使用)程度の酸素が過飽和状態で含まれてい 。
 そのため、このようなシリコンウエーハに バイスプロセス等で熱処理が施されるとシ コンウエーハ内の過飽和な酸素が酸素析出 として析出する。この様な酸素析出物はBMD( Bulk Micro Defect)と呼ばれる。
 このBMDはウエーハ内のデバイス活性領域で 生すると、接合リーク等のデバイス特性に 影響を及ぼすため問題となるが、一方でデ イス活性領域以外のバルク中に存在すると デバイスプロセス中に混入した金属不純物 捕獲するゲッタリングサイトとして機能す ため有効である。

 そのため、シリコンウエーハの製造にお ては、ウエーハのバルク中にBMDを形成する ともに、デバイス活性領域であるウエーハ 面近傍はBMDやGrown-in欠陥等が存在しない無 陥領域(Denuted Zone;以下DZ層という)を維持し ければならない。

 近年、シリコンウエーハの出荷段階ではウ ーハ内部にBMDは発生していないが、その後 デバイスプロセス等の熱処理を行うことに って、デバイス活性領域であるウエーハ表 近傍にはBMDのないDZ層を維持したまま、デ イス活性領域より深いバルク中にはBMDが形 されてゲッタリング能力を有するように設 されたシリコンウエーハの製造方法として シリコンウエーハをRTP(Rapid Thermal Process)処 する方法(急速熱処理)が提案されている(例 ば特開2001-203210号公報、USP5401669号公報、特 2001-503009号公報参照)。
 このRTP処理とは、シリコンウエーハをN 2 またはNH 3 等の窒化物形成雰囲気、あるいはこれらのガ スとAr、H 2 等の窒化物非形成雰囲気との混合ガス雰囲気 中で、例えば50℃/sといった昇温速度で室温 り急速昇温し、1200℃前後の温度で数十秒程 加熱保持した後、例えば50℃/sといった降温 速度で急速に冷却することを特徴とする熱処 理方法である。

 ここで、RTP処理後に酸素析出熱処理を行う とによってBMDが形成されるメカニズムにつ て簡単に説明する。
 まず、RTP処理では、例えばN 2 雰囲気中で1200℃という高温保持中にウエー 表面からVaの注入が起こり、1200℃から700℃ 温度範囲を例えば50℃/sという降温速度で冷 する間にVaの拡散による再分布とIとの再結 による消滅が起きる。その結果、バルク中 はVaが不均一に分布した状態になる。

 このような状態のウエーハに対して例え 酸素析出熱処理を施すことにより、高いVa 度の領域では酸素析出物がクラスター化し クラスター化した酸素析出物が成長してBMD 形成される。このように、RTP処理後のシリ ンウエーハに酸素析出熱処理が施されると RTP処理で形成されたVaの濃度プロファイルに 従って、ウエーハ深さ方向に分布を有するBMD を形成することになる。

 以上のように、デバイス性能に悪影響を及 すCOPやOSF等の結晶欠陥をなくすことを目的 して、N領域からなるシリコン単結晶を作り こむ技術が開発されたり、また、表層にDZ層 有し、バルク領域にはBMDを有するシリコン 結晶ウエーハを製造するにあたってRTP処理 用いた製造方法が行われている。
 しかしながら、まず、N領域からなるシリコ ン単結晶ウエーハにおいては、初期酸素濃度 が比較的低いため、ゲッタリングに必要な酸 素析出が十分に得られない場合があった。さ らに、径方向の全面がN領域といっても、通 はNv、Ni領域が混在しており、Iが比較的多い Ni領域では酸素析出が起き難く、BMD密度の面 分布において顕著なむらが発生する場合が った。

 これらのようなN領域における酸素析出の問 題を解決する手段として、高温のRTPによりウ エーハに空孔を注入し、この空孔により酸素 析出を促進させる方法がある。
 しかしながら、NvおよびNi領域が混在したN 域のシリコン単結晶ウエーハにRTPを施すと Nv領域、あるいは通常の検査ではOSFが検出さ れない領域であっても、1000℃で3hと1150℃で10 0minの2段の熱処理を施す高感度のOSF検査を行 た場合には欠陥が検出される領域では、TDDB (Time Dependent Dielectric Breakdown)特性が低下し しまう。この傾向は200mmよりも大口径の300mm エーハにて、より顕著である。
 また、例えば、径方向の全面がNi領域のシ コン単結晶ウエーハを使用する方法も考え れるが、シリコン単結晶の製造マージンが くて生産性が低く、製造コストも著しく高 なってしまう。
 

 本発明は、このような問題点に鑑みてな れたものであり、ウエーハ表層にDZ層が形 されてデバイス特性が優れていると同時に ゲッタリングサイトとして機能する酸素析 物をバルク領域内に十分に形成できるシリ ン単結晶ウエーハを安価に製造することが 能な製造方法を提供することを目的とする

 上記課題を解決するため、本発明は、シ コン単結晶ウエーハの製造方法であって、 ョクラルスキー法により作製した径方向の 面がN領域のシリコン単結晶ウエーハを酸化 性雰囲気下で急速熱処理し、該酸化性雰囲気 下の急速熱処理で形成された酸化膜を除去し てから、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこ らの混合雰囲気下で急速熱処理することを 徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方 を提供する。

 このように、本発明のシリコン単結晶ウ ーハの製造方法では、まず、チョクラルス ー法により作製した径方向の全面がN領域の シリコン単結晶ウエーハを酸化性雰囲気下で 急速熱処理する。この酸化性雰囲気下の急速 熱処理を施すことでウエーハに格子間シリコ ンを注入することができ、それによってOSF核 を消滅あるいは不活性化させることができる 。そして、次に、上記酸化性雰囲気下の急速 熱処理によって形成された酸化膜を除去し、 それから窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこ らの混合雰囲気下で急速熱処理して製造す ことで、ウエーハに空孔を効率良く注入す ことができる。また、急速熱処理のため、 処理に費やす時間が短時間で済む。このた 、表層にDZ層を有してTDDB特性が優れ、かつ 酸素析出熱処理等によってバルク領域内に 分なBMDを形成することが可能なシリコン単 晶ウエーハを効率的にコストをかけずに製 することが可能である。

 このとき、特に、前記径方向の全面がN領域 のシリコン単結晶ウエーハを、Ni領域およびN v領域が混在したものとすることができる。
 このように、本発明ではNi領域およびNv領域 が混在したシリコン単結晶ウエーハであって も、ウエーハ全面においてTDDB特性が優れ、 ルク領域に十分なBMDを発生させ、高いゲッ リング能力を有し得るシリコン単結晶ウエ ハを製造することができる。しかも、例え Ni領域のみの場合に比べて製造マージンが広 く、生産性高く、一層安価に製造することが 可能である。

 このような本発明のシリコン単結晶ウエー の製造方法であれば、表層にDZ層を有し、 つバルク中にBMDを十分に形成できるシリコ 単結晶ウエーハをコストをかけずに製造す ことができる。
 

本発明のシリコン単結晶ウエーハの製 方法の手順の一例を示す工程図である。 本発明の製造方法で用いることができ 単結晶引き上げ装置の一例を示す概略図で る。 本発明の製造方法で用いることができ 急速熱処理装置の一例を示す概略図である 実施例1および比較例1のTDDB特性の評価 果を示すグラフである。 実施例2および比較例2のTDDB特性の評価 果を示すグラフである。 比較例5および比較例6のTDDB特性の評価 果を示すグラフである。 実施例3および比較例7のBMD密度の面内 布の評価結果を示すグラフである。 シリコン単結晶インゴットを育成した きの引き上げ速度と欠陥分布の関係の一例 示す概略説明図である。 シリコン単結晶インゴットを半径方向 切り出したウエーハの面内欠陥分布を示す 略図である。 V/GとVa濃度およびI濃度の関係を示す概 略説明図である。

 以下では、本発明の実施の形態を図面を参 して説明するが、本発明はこれに限定され ものではない。
 図1に、本発明のシリコン単結晶ウエーハの 製造方法の手順の一例を示す。
 図1に示すように、手順の全体の流れとして は、まずN領域シリコン単結晶ウエーハを準 し(工程1)、これに酸化性雰囲気下で急速熱 理を施す(工程2)。この後、工程2で形成され ウエーハ表面の酸化膜を除去する(工程3)。 の後、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこ らの混合雰囲気下で急速熱処理を再度施す( 程4)。

 ここで、上記工程に用いることのできる装 について説明する。
 N領域シリコン単結晶ウエーハの準備でチョ クラルスキー法によりシリコン単結晶を引き 上げるにあたっては、例えば図2のような単 晶引き上げ装置を使用することができる。
 図2に示すように、この単結晶引き上げ装置 1には、引き上げ室2内に、シリコン単結晶イ ゴット10の原料となるシリコン融液11を収容 するルツボ3が設けられている。そして、こ ルツボ3にはルツボ保持軸5及びその回転機構 (図示せず)が備えられており、単結晶の育成 にルツボ3を回転できるようになっている。 さらに、このルツボ3の周囲には、加熱のた のヒータ4が配設されており、さらにヒータ4 の外側周囲には断熱材9が配置されている。 して、ルツボ3内のシリコン融液11の上方に 、シリコンの種結晶6を保持するシードチャ ク7、シードチャック7を引上げるワイヤ8、 イヤ8を回転又は巻き取る巻取機構(図示せ )が備えられている。このように、本発明の 造方法では従来と同様の単結晶引き上げ装 を用いることができる。
 このような装置1により、シリコン単結晶イ ンゴット10は、原料のシリコン融液11から、 き上げ速度等を調整してワイヤ8によって引 げられる。

 次に、上記のような単結晶引き上げ装置1に よって引き上げられたシリコン単結晶インゴ ット10を切り出したシリコン単結晶ウエーハ 各急速熱処理を施すための装置について述 る。
 図3に示す急速熱処理装置12は、石英からな チャンバー13を有し、このチャンバー13内で シリコン単結晶ウエーハ21を急速熱処理でき ようになっている。加熱は、チャンバー13 上下左右から囲繞するように配置される加 ランプ14(例えばハロゲンランプ)によって行 。この加熱ランプ14はそれぞれ独立に供給 れる電力を制御できるようになっている。

 ガスの排気側は、オートシャッター15が装 され、外気を封鎖している。オートシャッ ー15は、ゲートバルブによって開閉可能に構 成される不図示のウエーハ挿入口が設けられ ている。また、オートシャッター15にはガス 気口20が設けられており、炉内雰囲気を調 できるようになっている。
 そして、シリコン単結晶ウエーハ21は石英 レイ16に形成された3点支持部17の上に配置さ れる。トレイ16のガス導入口側には、石英製 バッファ18が設けられており、酸化性ガス 窒化性ガス、Arガス等の導入ガスがシリコン 単結晶ウエーハ21に直接当たるのを防ぐこと できる。
 また、チャンバー13には不図示の温度測定 特殊窓が設けられており、チャンバー13の外 部に設置されたパイロメータ19により、その 殊窓を通してシリコン単結晶ウエーハ21の 度を測定することができる。
 急速熱処理装置12もまた、従来と同様のも を用いることができる。

 以下、図2、3の各装置を用いて行う本発明 製造方法における各工程について説明する
(工程1:N領域シリコン単結晶ウエーハの準備)
 工程1では、後に二段階の急速熱処理(酸化 雰囲気下の急速熱処理(初段のRTO(Rapid Thermal Oxidation)処理)、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、ま はこれらの混合雰囲気下での急速熱処理(二 段目のRTA(Rapid Thermal Annealing)処理))を施す、 方向の全面がN領域のシリコン単結晶ウエー ハ21を準備する。
 すなわち、まず、図2の単結晶引き上げ装置 1を用い、チョクラルスキー法によってシリ ン単結晶インゴット10を引き上げる。このと き、この引き上げたシリコン単結晶インゴッ ト10から径方向の全面がN領域のシリコン単結 晶ウエーハ21を切り出せるように、例えば引 上げ速度を適当に調整してV/Gを制御し、シ コン単結晶インゴット10の内部の欠陥領域 目的に沿った分布となるように引き上げを う。このV/G等の制御方法は特に限定される のではない。上述したように、引き上げ速 を調整したり、あるいは炉内構造を変化さ たりすることにより制御すれば良い。
 このようにしてシリコン単結晶インゴット1 0を引き上げた後、ワイヤソーを用いてウエ ハ状に切り出し、径方向の全面がN領域のシ コン単結晶ウエーハ21を得る。

 なお、本発明は、Ni領域およびNv領域が混在 するようなシリコン単結晶ウエーハ21に対し 特に有効である。すなわち、Ni領域およびNv 領域が混在したものであれば、シリコン単結 晶インゴット10の引き上げにおいて、例えば 面がNi領域の場合に比べて製造マージンを くとることができるので、より簡単かつ低 ストでシリコン単結晶インゴット10を引き上 げることができ、生産性の向上を図ることが できる。また、Nv領域が存在していても、TDDB 特性が優れたシリコン単結晶ウエーハにでき る。
 以下の工程2~4においては、Ni領域およびNv領 域が混在するN領域シリコン単結晶ウエーハ 用いた場合について説明する。

(工程2:酸化性雰囲気下の急速熱処理)
 次に、工程2として、準備したN領域シリコ 単結晶ウエーハ21に対し、図3の急速熱処理 置12を用いて急速熱処理を施す。このときの チャンバー13内の雰囲気は酸化性雰囲気であ ば良く、例えば乾燥酸素雰囲気とすること できるし、あるいはwet酸素雰囲気とするこ もできる。なお、この酸化性雰囲気下の急 熱処理によって、シリコン単結晶ウエーハ2 1の表面には熱酸化膜が形成される。

 このときの熱処理条件としては、例えば 50℃/sの昇温速度で昇温し、900~1250℃程度で1 0~30秒間保持した後、50℃/sの降温速度で降温 ることができる。本発明者がこの酸化性雰 気下での急速熱処理について実験を繰り返 て研究を行ったところ、基本的には、最高 度が高いほど、また、急速熱処理としてそ 最高温度での保持時間が長いほど、後述す ような、Nv領域あるいは2段の熱処理(1000℃ 3hと1150℃で100min)を施すOSF検査で欠陥が検出 れるような領域でのTDDB特性等の改善がより 顕著に得られることが判った。ただし、これ らの最高温度、保持時間等の条件は特に限定 されるものではなく、切り出し後のシリコン 単結晶ウエーハ21におけるOSF核のサイズ等に って、その都度、適切に調整することがで る。例えば、OSF核のサイズが元々比較的大 ければ、最高温度を比較的高く、保持時間 長く設定すれば良い。

 このように、予め、工程2として酸化性雰 囲気下での急速熱処理を施しておくことによ りTDDB特性が改善されるメカニズムとしては まず、シリコン単結晶ウエーハ21に格子間シ リコンを注入し、ウエーハ内部に存在するOSF 核を消滅あるいは不活性化することができる ためと考えられる。したがって、後の工程4 、酸素析出を促進するために空孔をウエー に注入するべく、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、 またはこれらの混合雰囲気下での急速熱処理 を施し、そしてその後にBMD形成のための酸素 析出熱処理やデバイス工程での熱処理を行っ たとしても、OSF核は既に消滅あるいは不活性 化しているので、OSF核が結晶欠陥に成長する のを防止することができ、その結果、デバイ ス特性の悪化防止、改善を得ることができる と考えられる。

 一方、上記工程2を予め行っておく本発明 に対し、この工程2(および後述する工程3)を わずに工程4の窒化性雰囲気、Ar雰囲気、ま はこれらの混合雰囲気下での急速熱処理を してしまう従来のシリコン単結晶ウエーハ 製造方法では、工程4の前にOSF核の消滅や不 性化が行われていないため、酸素析出熱処 やデバイス工程での熱処理等が施されると Nv領域あるいは高感度のOSF検査で欠陥が検 されるような領域において核が成長して結 欠陥が発生し易く、TDDB特性が悪化する。

(工程3:酸化膜の除去)
 工程2により、シリコン単結晶ウエーハ21の 面には酸化膜が形成されており、この状態 まま、次の工程4である窒化性雰囲気、Ar雰 気、またはこれらの混合雰囲気下での急速 処理を行うと、この熱酸化膜がマスクとし 働いてしまうため、シリコン単結晶ウエー 21中に空孔を効率良く注入することができ い。
 したがって、そもそもウエーハ全面におい 十分には空孔が注入されず、そのため、酸 析出熱処理が行われてもバルク領域でのBMD 形成が不十分となり、ゲッタリング能力を 足に得ることができなくなる。

 しかしながら、本発明では、工程2で形成さ れた酸化膜を工程3で除去してから工程4を行 ので、工程4において空孔の注入が酸化膜に より邪魔されることもなく、効率良く空孔を 注入することができる。したがって、ウエー ハの全面において空孔が十分に注入され、酸 素析出が促進されるものとなり、バルク領域 にBMDを十分に形成することが可能なものであ り、高いゲッタリング能力を有し得るものに 製造することができる。
 なお、工程3における酸化膜の除去について 、その方法は特に限定されないが、例えば、 シリコン酸化膜の除去の際によく行われてい るようにフッ酸を用いて除去することができ る。

(工程4:窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこれ の混合雰囲気下での急速熱処理)
 上記のように、工程3で酸化膜を除去した後 に、図3の急速熱処理装置12を用い、再度急速 熱処理をシリコン単結晶ウエーハ21に施す。 だし、このときのチャンバー13内の雰囲気 、窒化性雰囲気、Ar雰囲気、またはこれらの 混合雰囲気とする。窒化性雰囲気としては、 例えばNH 3 、N 2 等が挙げられる
 上述したように、この急速熱処理により、 リコン単結晶ウエーハ21中に空孔が注入さ 、バルク中にBMD、ひいてはゲッタリング能 を有し得るものとすることができる。

 なお、熱処理条件としては、例えば、50℃/s の昇温速度で昇温し、900~1250℃程度で10~30s保 した後、50℃/sの降温速度で降温することが できる。この急速熱処理の条件は特に限定さ れず、例えば従来と同様の急速熱処理条件で 行うことが可能である。
 

(実施例1、比較例1)
 抵抗率9.2ωcm、初期酸素濃度11.0ppma(JEIDA)、全 面N領域(中心部がNi領域、外周部がNv領域)、 感度のOSF検査によりOSFが外周部に102ヶ/cm 2 検出される直径300mmでp型のシリコン単結晶イ ンゴットを図2に示す単結晶引き上げ装置1を いて育成し、このシリコン単結晶インゴッ から切り出し、化学エッチング処理したウ ーハ(CWウエーハ)を実施例1および比較例1用 それぞれ用意した。

 本発明の製造方法にあたる実施例1として、 まず、図3に示すような急速熱処理装置12を用 い、上記CWウエーハに、乾燥酸素雰囲気中で5 0℃/sの昇温速度で昇温し、1050~1250℃、10sまた は30sの急速酸化熱処理を施した後、50℃/sの 温速度でウエーハを冷却した(初段のRTO処理) 。このとき、ウエーハには少なくとも3.5nm以 の熱酸化膜が形成されたが、HF洗浄により の熱酸化膜を全て除去した。
 その後、NH 3  0.75L/min+Ar 14.25L/minの混合雰囲気で1175℃、10s の急速熱処理(二段目のRTA処理)を施し、50℃/s の降温速度でウエーハを冷却した。その後、 両面研磨と片面研磨を行なって鏡面研磨ウエ ーハ(PWウエーハ)を作製した。
 このPWウエーハにデバイス製造工程を模擬 た熱シミュレーションとして、(900℃、30min)+ (1000℃、30min)+(800℃、180min)+(900℃、60min)の熱 理を施し、その後25nmの熱酸化膜を形成し、 化膜耐圧を測定した。
 尚、急速熱処理装置としては、市販のApplied  Materials社製300mm RTP装置 Vantage Radianceを用 た。

 また、従来の製造方法にあたる比較例1と しては、初段のRTO処理やその後のHF洗浄を行 ないこと以外は実施例1と同様にして、二段 目のRTA処理、デバイス製造工程を模擬した熱 シミュレーション、酸化膜耐圧特性の測定を 行った。

 実施例1および比較例1のTDDB評価結果を図4に 示す。グラフの横軸は初段のRTO処理における 最高温度、縦軸は定電流TDDBを評価した際の5C /cm 2 以上となったウエーハのセルの割合(すなわ 、5C/cm 2 までチャージをかけても破壊しなかったセル の割合)を良品率として表したものである。
 比較例1のように、今回使用したCWウエーハ は、初段のRTO処理を行わなかった場合には 事前の高感度のOSF検査でOSFが検出されたウ ーハ外周部の領域でTDDB特性が低下し、良品 率は92.3%にとどまった。

 一方、実施例1のように、初段にRTO処理を行 った場合は、不良セル数は減少し、ほぼ95%以 上の高い値を得ることができ、比較例1に比 て改善されたことが判る。なお、データの らつきがあるが、基本的にはRTO温度が高い ど、最高温度でのホールド時間が長いほう 、TDDB良品率が向上する傾向が見られた。上 したように、急速熱処理として、より高温 より長時間の条件とすることで、より多く OSF核を消滅あるいは不活性化させることが き、結晶欠陥に成長するのを抑制できたた と考えられる。
 

(実施例2、比較例2)
 抵抗率10.2ωcm、初期酸素濃度10.9ppma(JEIDA)、 面N領域(中心部がNi領域、外周部がNv領域)、 感度のOSF検査によりOSFが外周部に76ヶ/cm 2 検出される直径300mmでp型のシリコン単結晶イ ンゴットを育成し、このシリコン単結晶イン ゴットから切り出し、化学エッチング処理し たウエーハ(CWウエーハ)を実施例2および比較 2用にそれぞれ用意した。

 実施例2として、実施例1とほぼ同様にして 記CWウエーハの処理およびTDDB評価を行った( 段のRTO処理として、乾燥酸素雰囲気中で50 /sの昇温速度で昇温し、900~1200℃、30sの急速 化熱処理を施した後、50℃/sの降温速度でウ エーハを冷却した。)。
 比較例2として、初段のRTO処理やその後のHF 浄を行わないこと以外は実施例1と同様にし て、上記CWウエーハの処理およびTDDB評価を行 った。

 実施例2および比較例2の評価結果を図5に示 。
 比較例2のように、今回使用したCWウエーハ は、初段のRTO処理を行わなかった場合のTDDB 特性良品率は85.7%にとどまった。
 一方、実施例2のように、初段のRTO処理を行 った場合、1175℃以下ではTDDB特性の改善の度 いは少なかったものの、1200℃、30sの場合は 95%以上となり、比較例2に比べて著しい改善 果が見られた。
 このTDDB特性の改善効果についての実施例1 実施例2の違いは、実施例2のウエーハの結晶 引き上げ時に形成されたOSF核のサイズが実施 例1のサンプルに比べて大きく、TDDB特性が回 するRTO温度が高温側にシフトしたためと考 られる。
 

(比較例3、4)
 実施例1と同じシリコン単結晶インゴットか ら作ったCWウエーハに対し、初段のRTO処理の わりに、急速熱処理ではなく、乾燥酸素雰 気での1150℃、1h(比較例3)とAr雰囲気での1200 、1hの熱処理(比較例4)を別々のウエーハに った。この場合の熱処理は、従来から用い れているバッチ式の縦型熱処理炉(抵抗加熱 イプ)を用いた。昇温速度は、1000℃までは5 /min、1100℃までは3℃/min、1100℃以上は1℃/min とした。
 そして、バッチ炉での熱処理以降は、HF洗 で熱酸化膜を除去し、その後のサンプル処 、TDDB評価は実施例1と同じとした。

 その結果、比較例3のように、乾燥酸素雰 囲気での1150℃、1hの熱処理の場合、TDDB良品 は79.7%と悪く、特にウエーハ外周部に不良セ ルが多発した。実施例1のRTO処理時と同様に 子間シリコンは注入されているが、昇温速 が遅いため、昇温中に結晶欠陥が成長した 考えられる。このため、初段のRTO処理では 本発明を実施した実施例1や実施例2のように 急速加熱することが重要であることが判る。

 一方、比較例4のように、非酸化性のAr雰囲 で1200℃、1hの熱処理を行った場合、TDDB良品 率は99.7%と良好であった。これはAr雰囲気中 の高温熱処理中にウエーハ表層の格子間酸 が外方拡散し、結晶欠陥が消滅したものと えられる。この高温ArアニールによるGOI特性 の改善は公知であるが、長時間を必要とし、 特にコストの面から実施は現実的ではない。
 

(比較例5、6)
 比較例4にて、Ar雰囲気での1200℃、1hの熱処 がGOI特性の改善に効果が見られたため、実 例1における初段のRTOの替わりにAr雰囲気で RTA処理を検討した。
 抵抗率9.2ωcm、初期酸素濃度11.1ppma(JEIDA)、全 面N領域(中心部がNi領域、外周部がNv領域)、 感度のOSF検査によりOSFが外周部に102ヶ/cm 2 検出される直径300mmでp型のシリコン単結晶イ ンゴットを育成し、このシリコン単結晶イン ゴットから切り出し、化学エッチング処理し たウエーハ(CWウエーハ)を、比較例5、6用にそ れぞれ用意した。

 比較例5として、このCWウエーハをAr雰囲気 で50℃/sの昇温速度で昇温し、1200-1250℃、10s 急速熱処理を施し、50℃/sの降温速度でウエ ーハを冷却した。HF洗浄により自然酸化膜を 去した後、NH 3  0.75L/min+Ar 14.25L/minの雰囲気で1175℃ 10sの急 熱処理を施し、50℃/sの降温速度でウエーハ を冷却した。その後、実施例1と同様の処理 よびTDDB評価を行った。

 また、比較例6としては、Ar雰囲気でのRTA 理やその後のHF洗浄を行わないこと以外は 較例5と同様にして、サンプルの処理および 価を行った。

 比較例5および比較例6の評価結果を図6に示 。
 比較例6のように、Ar雰囲気でのRTA処理を行 なかった場合のTDDB特性良品率は84.7%であっ 。
 また、比較例5のように、最初にAr雰囲気で RTA処理を行った場合もTDDB特性良品率は90%未 満となり、良品率が90%以上、さらには95%以上 のデータを得られた実施例1や実施例2に比べ 顕著な効果は見られなかった。これは、そ そもAr雰囲気の熱処理での欠陥消滅作用は 格子間酸素の外方拡散が主であるので、RTA 理のように熱処理時間が短いと外方拡散が 十分になり、その結果、結晶欠陥を消滅で なかったためと考えられる。
 以上のように、本発明を実施した実施例1、 2のように、予めRTO処理を行う方法が最も効 よくGOI特性を改善することが出来ることが る。
 

(実施例3、比較例7)
 次に、本発明の製造方法における、初段のR TO処理と二段目のRTA処理との間に実施する熱 化膜の除去の効果について検討を行った。
 抵抗率26.8ωcm、初期酸素濃度11.5ppma(JEIDA)、 面N領域(中心部がNi領域、外周部がNv領域)、 感度のOSF検査によりOSFが外周部に48ヶ/cm 2 検出される直径300mmでp型のシリコン単結晶イ ンゴットを育成し、このシリコン単結晶イン ゴットから切り出し、化学エッチング処理し たウエーハ(CWウエーハ)を実施例3および比較 7用にそれぞれ用意した。

 実施例3として、まず、CWウエーハに、乾燥 素雰囲気中で50℃/sの昇温速度で昇温し、117 5℃ 10sの急速酸化熱処理を施した後、50℃/s 降温速度でウエーハを冷却した(初段のRTO処 )。このとき、ウエーハには7.9nmの熱酸化膜 形成されたが、HF洗浄によりこの熱酸化膜 全て除去した。
 その後、NH 3  0.75L/min+Ar 14.25L/minの混合雰囲気で1175℃、10s の急速熱処理(二段目のRTA処理)を施し、50℃/s の降温速度でウエーハを冷却した。その後、 両面研磨と片面研磨を行なって鏡面研磨ウエ ーハ(PWウエーハ)を作製した。
 このPWウエーハにデバイス製造工程を模擬 た熱シミュレーションとして、(900℃、30min)+ (1000℃、30min)+(800℃、180min)+(900℃、60min)の熱 理を施し、三井金属社製内部欠陥測定装置MO -441でBMD密度の面内分布を評価した。

 比較例7としては、初段のRTO処理後、熱酸 化膜を除去せず、その後はそのまま熱酸化膜 のついた状態で実施例3と同様のサンプル処 および評価を行った。

 実施例3および比較例7の結果を図7に示す。
 本発明の製造方法を行った実施例3のように 、初段のRTO処理の後、熱酸化膜を除去してか ら二段目のRTA処理を行なった場合は、ウエー ハ全面において、1E9/cm 3 以上のBMDが検出され、十分なゲッタリング能 力が期待できる。
 一方、比較例7は、特開2001-44193公報に開示 れた製造方法に相当するものであるが、熱 化膜の付いた状態で二段目のRTA処理を行な たウエーハのBMD密度は1E8/cm 3 未満となり、ゲッタリング効果はほとんど期 待できない。また、面内分布に著しいむらが 発生している。

 すなわち、実施例3のように初段のRTO処理に よって形成され、取り除かないと空孔注入時 にマスクの役割を果たすことになる熱酸化膜 を除去してから、二段目のRTA処理を施して空 孔の注入を行うことによって、空孔を効率良 く十分にウエーハ全面に注入することができ 、その結果、ウエーハ全面において高いBMD密 度、ゲッタリング能力を有し得るシリコン単 結晶ウエーハを製造できることが判る。
 

 なお、本発明は、上記実施形態に限定さ るものではない。上記実施形態は、例示で り、本発明の特許請求の範囲に記載された 術的思想と実質的に同一な構成を有し、同 な作用効果を奏するものは、いかなるもの あっても本発明の技術的範囲に包含される