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Title:
METHOD OF MEASURING LOW DENSITY LIPOPROTEIN (LDL) CHOLESTEROL AND TEST PIECE FOR MEASURING LDL CHOLESTEROL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031506
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method of measuring LDL cholesterol which is applicable to a test piece. A method of measuring LDL cholesterol whereby LDL cholesterol in a sample is measured, characterized by comprising: (A) the step of preparing a total cholesterol measurement section and a non-LDL cholesterol measurement section for measuring non-LDL cholesterol other than low density lipoprotein (LDL) cholesterol; (B) the step of measuring the total cholesterol in the above-described sample in the total cholesterol measurement section as described above; (C) the step of measuring non-LDL cholesterol in the above-described sample in the non-LDL cholesterol measurement section as described above; and (D) the step of determining the amount of LDL cholesterol in the above-described sample by subtracting the non-LDL cholesterol level measured in the above-described step (C) from the total cholesterol level measured in the above-described step (B).

Inventors:
YAMAGUCHI TAKEHIRO
MIYAKE YUKA
Application Number:
PCT/JP2008/065697
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
September 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ARKRAY INC (JP)
YAMAGUCHI TAKEHIRO
MIYAKE YUKA
International Classes:
C12Q1/60; C12M1/34; C12Q1/26; C12Q1/32; C12Q1/44
Domestic Patent References:
WO2005028662A22005-03-31
Foreign References:
JP2000214170A2000-08-04
JP2002142799A2002-05-21
JPH07301636A1995-11-14
JPH09313200A1997-12-09
JP3091230B22000-09-25
JP3193634B22001-07-30
JP3767232B22006-04-19
JP3822340B22006-09-20
JPH0358602B21991-09-06
Other References:
See also references of EP 2116613A4
Attorney, Agent or Firm:
TSUJIMARU, Koichiro et al. (Kyoto Research Park134, Chudoji Minami-machi, Shimogyo-ku,Kyoto-sh, Kyoto 13, JP)
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Claims:
試料中の低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを測定するLDLコレステロール測定方法であって、下記(A)工程から(D)工程を有することを特徴とするLDLコレステロール測定方法。
(A) 総コレステロール測定部と、
LDLコレステロール以外のコレステロールである非LDLコレステロールを測定する非LDLコレステロール測定部とを準備する工程
(B) 前記総コレステロール測定部において前記試料中の総コレステロールを測定する工程
(C) 前記非LDLコレステロール測定部において前記試料中の非LDLコレステロールを測定する工程
(D) 前記(B)工程の前記総コレステロール測定値から、前記(C)工程の前記非LDLコレステロール測定値を差し引いて前記試料中のLDLコレステロール量を求める工程
前記(A)工程において、前記総コレステロール測定部が、コレステロール測定用酵素試薬を有し、
前記非LDLコレステロール測定部が、コレステロール測定用酵素試薬と、非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤と、LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤とを有し、
前記(B)工程において、前記コレステロール測定用酵素試薬により前記総コレステロールを測定し、
前記(C)工程において、前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤および前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤の作用により、前記コレステロール測定用酵素試薬により前記非LDLコレステロールを選択的に測定する、
請求の範囲1記載のLDLコレステロール測定方法。
前記(A)工程において、前記非LDLコレステロール測定部が、さらに、LDLコレステロール凝集剤を有し、
前記(B)工程において、前記コレステロール測定用酵素試薬により前記総コレステロールを測定し、
前記(C)工程において、前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤、前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤および前記LDLコレステロール凝集剤の作用により、前記コレステロール測定用酵素試薬により前記非LDLコレステロールを選択的に測定する、
請求の範囲2記載のLDLコレステロール測定方法。
前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキレントリベンジルフェニルエーテルの少なくとも一方の界面活性剤を含み、
前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む請求の範囲2記載のLDLコレステロール測定方法。
前記酵素試薬が、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼを含む請求の範囲2記載のLDLコレステロール測定方法。
前記酵素試薬が、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールデヒドロゲナーゼを含む請求の範囲2記載のLDLコレステロール測定方法。
前記LDLコレステロール凝集剤が、ポリビニル硫酸塩である請求の範囲3記載のLDLコレステロール測定方法。
前記非LDLコレステロールが、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールおよび超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールである請求の範囲1記載のLDLコレステロール測定方法。
請求の範囲1記載の低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール測定方法に使用するLDLコレステロール測定用試験片であって、
総コレステロール測定部と、
LDLコレステロール以外のコレステロール量である非LDLコレステロール量を測定する非LDLコレステロール測定部とを有し、
前記総コレステロール測定部での総コレステロール測定値から、前記非LDLコレステロール測定部での非LDLコレステロール測定値を差し引いてLDLコレステロール量を求めることを特徴とするLDLコレステロール測定用試験片。
前記総コレステロール測定部が、コレステロール測定用酵素試薬を有し、
前記非LDLコレステロール測定部が、コレステロール測定用酵素試薬と、非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤と、LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤とを有する請求の範囲9記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記非LDLコレステロール測定部が、さらに、LDLコレステロール凝集剤を有する請求の範囲10記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキレントリベンジルフェニルエーテルの少なくとも一方の界面活性剤を含み、
前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤を含む請求の範囲10記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記酵素試薬が、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼを含む請求の範囲10記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記酵素試薬が、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールデヒドロゲナーゼを含む請求の範囲10記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記LDLコレステロール凝集剤が、ポリビニル硫酸塩である請求の範囲11記載のLDLコレステロール測定用試験片。
前記非LDLコレステロールが、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールおよび超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールである請求の範囲9記載のLDLコレステロール測定用試験片。
支持体と、第一の試薬層および第二の試薬層とを有し、
前記支持体の上に、前記第一の試薬層および前記第二の試薬層が配置され、
前記第一の試薬層が、前記総コレステロール測定部であり、
前記第二の試薬層が、前記非LDLコレステロール測定部である
請求の範囲9記載のLDLコレステロール測定用試験片。
第一の支持体および第二の支持体と、第一の試薬層および第二の試薬層とを有し、
前記第一の支持体の上に前記第一の試薬層が配置され、
前記第二の支持体の上に前記第二の試薬層が配置され、
前記第一の試薬層が、前記総コレステロール測定部であり、
前記第二の試薬層が、前記非LDLコレステロール測定部である
請求の範囲9記載のLDLコレステロール測定用試験片。
Description:
低密度リポタンパク質(LDL)コレ テロール測定方法およびLDLコレステロール 定用試験片

 本発明は、低密度リポタンパク質(LDL)コ ステロール測定方法およびLDLコレステロー 測定用試験片に関する。

 LDLは、コレステロールを運搬するリポタ パク質の一種である。LDLとコレステロール の複合体であるLDLコレステロールは、動脈 化の原因物質の一つであることが医学的に らかにされている。LDLコレステロール量は 労働安全衛生法に基づく健康診断における 査項目として、2008年4月から、新たに追加 れている。

 LDLコレステロールの測定方法には、例え 、超遠心分離によりLDLを他のリポタンパク (例えば、高密度リポタンパク質(HDL)、超低 度リポタンパク質(VLDL)等)と分離した後、酵 素を用いて、LDLコレステロールのみを測定す る方法がある。また、電気泳動により、LDLを 分離した後、脂質の染色を行い、その発色強 度を測定する方法もある。これらの方法は、 一般的な測定方法であるが、操作が煩雑であ り、多数の検体を処理することが困難である 。したがって、これらの方法は、臨床検査等 では利用できない。

 そこで、酵素試薬を用いた、液系のLDLコ ステロール測定方法が種々開発され、一部 実施されている。前記酵素試薬を用いた測 方法は、自動分析装置に適用可能であるた 、多数の検体の処理が必要な臨床検査に有 である。前記酵素試薬を用いた測定方法に 、LDLコレステロールそのものを直接測定す 直接法や、第一反応でLDLコレステロール以 のコレステロール(非LDLコレステロール)を 応させて消去し、第二反応で残ったLDLコレ テロールを反応させることにより、LDLコレ テロール量を測定する消去法等がある。

 前記直接法には、例えば、シクロデキス リンおよび界面活性剤によりLDLコレステロ ルに対する酵素試薬の特異性を高めて、LDL レステロールを直接測定する方法がある(特 許文献1)。また、前記消去法には、ポリアニ ンと2価金属イオン(特許文献2)、ポリアニオ ン(特許文献3)、硫酸カリクスアレン(特許文 4)またはアミン(特許文献5)を用いて、LDLコレ ステロールと酵素試薬との反応を阻止したり 、非LDLコレステロールと酵素試薬との反応性 を高めたりする方法がある。そして、各メー カーからは、前記直接法や前記消去法を用い た液系試薬が市販されている。

特許第3091230号公報

特許第3193634号公報

特許第3767232号公報

特許第3822340号公報

特許第3058602号公報

 しかしながら、従来の測定方法は、大型 自動分析装置を要する。大型の自動分析装 は、設置スペースを要し、コストがかかる したがって、このような測定装置は、大規 病院であれば、導入可能であるが、一般の 院では、導入が困難である。また、従来の 定方法は、試薬を乾燥状態で保持する試験 (ドライ系)には適用できず、液系の測定の に用途が限定されている。液系での測定で 、大量の洗浄水が必要であり、洗浄により 液が出る。

 そこで、本発明は、小型で簡単な構成の 定装置でLDLコレステロールを測定可能であ 、かつ試験片にも適用可能なLDLコレステロ ル測定方法およびそれを用いたLDLコレステ ール測定用試験片の提供を目的とする。

 前記目的を達成するために、本発明の測定 法は、
試料中の低密度リポタンパク質(LDL)コレステ ールを測定するLDLコレステロール測定方法 あって、下記(A)工程から(D)工程を有するこ を特徴とする。
(A) 総コレステロール測定部と、
LDLコレステロール以外のコレステロールであ る非LDLコレステロールを測定する非LDLコレス テロール測定部とを準備する工程
(B) 前記総コレステロール測定部において前 試料中の総コレステロールを測定する工程
(C) 前記非LDLコレステロール測定部において 記試料中の非LDLコレステロールを測定する 程
(D) 前記(B)工程の前記総コレステロール測定 から、前記(C)工程の前記非LDLコレステロー 測定値を差し引いて前記試料中のLDLコレス ロール量を求める工程

 本発明の試験片は、
本発明の低密度リポタンパク質(LDL)コレステ ール測定方法に使用するLDLコレステロール 定用試験片であって、
総コレステロール測定部と、
LDLコレステロール以外のコレステロール量で ある非LDLコレステロール量を測定する非LDLコ レステロール測定部とを有し、
前記総コレステロール測定部での総コレステ ロール測定値から、前記非LDLコレステロール 測定部での非LDLコレステロール測定値を差し 引いてLDLコレステロール量を求めることを特 徴とする。

 本発明者等は、前記目的を達成するため 、一連の研究を重ねた。その過程で、従来 消去法を用いた測定方法について検討した 前記消去法を用いたLDLコレステロール測定 系試薬(ウェットケミストリー法)では、前 のとおり、第1反応で非LDLコレステロールを 応させて消去し、第2反応で残ったLDLコレス テロールを反応させる。すなわち、この反応 系では、非LDLコレステロールを消去した検体 もしくは非LDLコレステロールを消去した検体 を含む反応液を得る前処理工程が必要となる 。したがって、前記消去法を用いたLDLコレス テロール測定液系試薬をそのまま試験片化す ることは、測定原理上不可能であることがわ かった。そこで、さらに研究を重ねた結果、 前記総コレステロール測定部と前記非LDLコレ ステロール測定部を別個独立に準備し、前記 総コレステロール測定部で総コレステロール を測定し、前記非LDLコレステロール測定部で 非LDLコレステロールを測定し、前記総コレス テロール測定値から非LDLコレステロール測定 値を差し引いてLDLコレステロール値を求める という構成にすれば、試験片化が可能である ことを見出し、本発明に到達した。本発明に よれば、測定装置の構造を単純化することが でき、かつ測定装置を小型化することが可能 であり、装置の低コスト化および省スペース 化が実現可能となる。したがって、本発明に より、例えば、大規模病院だけではなく、一 般の病院でも、LDLコレステロールの測定装置 を導入することが可能となる。また、本発明 の測定方法は、試験片へ応用し易い原理であ る。そして、本発明の試験片を用いれば、洗 浄水の必要がなく、廃液が出ないため、環境 面および測定の簡素化にも貢献することがで きる。

図1(A)は、本発明の試験片の一例の斜視 図である。図1(B)は、図1(A)のA-A方向に見た断 図である。 図2は、本発明の試験片のその他の例の 断面図である。 図3は、本発明の試験片のさらにその他 の例の断面図である。 図4は、本発明の試験片のさらにその他 の例の断面図である。 図5(A)は、本発明の試験片のさらにその 他の例の断面図である。図5(B)は、図5(A)に示 試験片の平面図である。 図6は、本発明の測定方法の一例におけ る、K/S値のタイムコースを示すグラフである 。 図7は、測定方法の比較例および本発明 の測定方法の一例における、K/S値のタイムコ ースを示すグラフである。 図8は、本発明の測定方法のその他の例 における測定値と、測定方法のその他の比較 例における測定値との相関関係を示すグラフ である。 図9は、本発明の測定方法のさらにその 他の例における測定値と、測定方法のその他 の比較例における測定値との相関関係を示す グラフである。

 本発明の測定方法は、前述のように、試 片に適用することが好ましいが、本発明は これに限定されず、液系に適用してもよい

 本発明の測定方法において、前記(B)工程 よび前記(C)工程の順番は特に制限されず、 ずれの工程を先に実施してもよいし、同時 実施してもよい。

 本発明の測定方法において、
前記(A)工程において、前記総コレステロール 測定部が、コレステロール測定用酵素試薬を 有し、
前記非LDLコレステロール測定部が、コレステ ロール測定用酵素試薬と、非LDLコレステロー ル可溶化用界面活性剤と、LDLコレステロール 溶解阻止用界面活性剤とを有し、
前記(B)工程において、前記コレステロール測 定用酵素試薬により前記総コレステロールを 測定し、
前記(C)工程において、非LDLコレステロール可 溶化用界面活性剤および前記LDLコレステロー ル溶解阻止用界面活性剤の作用により、前記 コレステロール測定用酵素試薬により前記非 LDLコレステロールを選択的に測定するという 構成が好ましい。従来技術ではLDLコレステロ ールとVLDLコレステロールとの分別測定が困 であったが、本構成によれば、前記分別測 が可能となり、LDLコレステロール測定の精 および信頼性が向上する。

 本発明の測定方法において、
前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤 は、ポリオキシエチレンアルキレンフェニル エーテルおよびポリオキシエチレンアルキレ ントリベンジルフェニルエーテルの少なくと も一方の界面活性剤を含み、
前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤 は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ ル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピ ン縮合体、ポリオキシエチレンアルキルエ テル硫酸塩およびアルキルベンゼンスルホ 酸塩からなる群から選択される少なくとも つの界面活性剤を含むことが好ましい。

 本発明の測定方法において、前記酵素試 は、コレステロールエステラーゼおよびコ ステロールオキシダーゼを含むという態様 あってもよい。

 本発明の測定方法において、前記酵素試 は、コレステロールエステラーゼおよびコ ステロールデヒドロゲナーゼを含むという 様であってもよい。

 本発明の測定方法において、前記(A)工程 おいて、前記非LDLコレステロール測定部が さらに、LDLコレステロール凝集剤を有し、 記(C)工程において、前記非LDLコレステロー 可溶化用界面活性剤、前記LDLコレステロー 溶解阻止用界面活性剤および前記LDLコレス ロール凝集剤の作用により、前記コレステ ール測定用酵素試薬により前記非LDLコレス ロールを選択的に測定するという構成がよ 好ましい。従来技術ではLDLコレステロール VLDLコレステロールとの分別測定が困難であ ったが、本構成によれば、前記分別測定が可 能となり、LDLコレステロール測定の精度およ び信頼性が、さらに向上する。前記LDLコレス テロール凝集剤は、ポリビニル硫酸塩である ことが好ましい。

 本発明の測定方法において、前記非LDLコ ステロールが、高密度リポタンパク質(HDL) レステロールおよび超低密度リポタンパク (VLDL)コレステロールであってもよい。

 前述と同様の理由により、本発明の試験片 おいて、
前記総コレステロール測定部が、コレステロ ール測定用酵素試薬を有し、
前記非LDLコレステロール測定部が、コレステ ロール測定用酵素試薬と、非LDLコレステロー ル可溶化用界面活性剤と、LDLコレステロール 溶解阻止用界面活性剤とを有するという構成 が好ましい。

 本発明の試験片において、
前記酵素試薬が、コレステロールエステラー ゼおよびコレステロールオキシダーゼを含む という形態であってもよい。

 本発明の試験片において、
前記酵素試薬が、コレステロールエステラー ゼおよびコレステロールデヒドロゲナーゼを 含むという形態であってもよい。

 本発明の試験片において、
前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤 が、ポリオキシエチレンアルキレンフェニル エーテルおよびポリオキシエチレンアルキレ ントリベンジルフェニルエーテルの少なくと も一方の界面活性剤を含み、
前記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤 が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ ル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピ ン縮合体、ポリオキシエチレンアルキルエ テル硫酸塩およびアルキルベンゼンスルホ 酸塩からなる群から選択される少なくとも つの界面活性剤を含むことが好ましい。

 前述と同様の理由により、本発明の試験片 おいて、
前記非LDLコレステロール測定部が、さらに、 LDLコレステロール凝集剤を有するという構成 がより好ましい。前記LDLコレステロール凝集 剤は、ポリビニル硫酸塩であることが好まし い。

 本発明の試験片において、
前記非LDLコレステロールが、高密度リポタン パク質(HDL)コレステロールおよび超低密度リ タンパク質(VLDL)コレステロールであっても い。

 本発明の試験片は、
支持体と、第一の試薬層および第二の試薬層 とを有し、
前記支持体の上に、前記第一の試薬層および 前記第二の試薬層が配置され、
前記第一の試薬層が、前記総コレステロール 測定部であり、
前記第二の試薬層が、前記非LDLコレステロー ル測定部である
という形態であってもよい。

 本発明の試験片は、
第一の支持体および第二の支持体と、第一の 試薬層および第二の試薬層とを有し、
前記第一の支持体の上に前記第一の試薬層が 配置され、
前記第二の支持体の上に前記第二の試薬層が 配置され、
前記第一の試薬層が、前記総コレステロール 測定部であり、
前記第二の試薬層が、前記非LDLコレステロー ル測定部である
という形態であってもよい。

 つぎに、本発明について、例をあげて詳 に説明する。なお、本発明において、試料 用時における全成分中の配合割合とは、試 (検体)を前記総コレステロール測定部(例え 、前記第一の試薬層)または前記非LDLコレス テロール測定部(例えば、前記第二の試薬層) 適用した場合の全成分中の割合であり、全 分とは、前記試料、前記コレステロール測 用酵素試薬、前記非LDLコレステロール可溶 用界面活性剤、前記LDLコレステロール溶解 止用界面活性剤および前記LDLコレステロー 凝集剤等の、試料適用時に存在する成分全 をいう。通常、一検体の量は、その種類に り予測可能若しくは決定可能である。

 本発明の試験片は、例えば、1つの支持体 上に、前記総コレステロール測定部および前 記非LDLコレステロール測定部を配置した構成 であってもよい。また、本発明の試験片は、 第一の支持体の上に、前記総コレステロール 測定部を配置し、第二の支持体の上に前記非 LDLコレステロール測定部を配置したという構 成であってもよい。

 本発明の試験片において、前記総コレス ロール測定部は、例えば、支持体の上に第 の試薬層が形成され、前記第一の試薬層が コレステロール測定用酵素試薬を含むとい 構成をとることができる。前記第一の試薬 は、さらに、コレステロール可溶化用界面 性剤を含むことが好ましい。前記第一の試 層は、反応層と検出層を有し、前記反応層 前記コレステロール可溶化用界面活性剤を し、前記検出層が前記コレステロール測定 酵素試薬を有するという構成であってもよ 。また、前記反応層が前記コレステロール 定用酵素試薬の一部、前記コレステロール 溶化用界面活性剤を有し、前記検出層が、 記コレステロール測定用酵素試薬の残部を することも好ましい。

 本発明の試験片において、前記非LDLコレ テロール測定部は、例えば、支持体の上に 二の試薬層が形成され、前記第二の試薬層 、コレステロール測定用酵素試薬、前記非L DLコレステロール可溶化用界面活性剤および 記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤 有するという構成をとることができる。前 第二の試薬層は、反応層と検出層を有し、 記反応層が、前記非LDLコレステロール可溶 用界面活性剤および前記LDLコレステロール 解阻止用界面活性剤を有し、前記検出層が レステロール測定用酵素試薬を有するとい 構成であってもよい。さらに、前記反応層 部において、その上部(上層)に前記LDLコレ テロール溶解阻止用界面活性剤を有し、そ 下部(下層)に前記非コレステロール可溶化用 界面活性剤を有するという構成であることが 好ましい。また、前記反応層が前記コレステ ロール測定用酵素試薬の一部、前記非LDLコレ ステロール可溶化用界面活性剤および前記LDL コレステロール溶解阻止用界面活性剤を有し 、前記検出層が、前記コレステロール測定用 酵素試薬の残部を有するという構成も好まし い。

 前記第二の試薬層は、さらに、前記LDLコ ステロール凝集剤を有することが好ましい 前記第二の試薬層は、反応層と検出層を有 、前記反応層が、前記非LDLコレステロール 溶化用界面活性剤、前記LDLコレステロール 解阻止用界面活性剤および前記LDLコレステ ール凝集剤を有し、前記検出層がコレステ ール測定用酵素試薬を有するという構成で ってもよい。さらに、前記反応層内部にお て、その上部(上層)に前記LDLコレステロー 溶解阻止用界面活性剤および前記LDLコレス ロール凝集剤を有し、その下部(下層)に前記 非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤を有 するという構成であることが、より好ましい 。また、前記反応層が前記コレステロール測 定用酵素試薬の一部、前記非LDLコレステロー ル可溶化用界面活性剤、前記LDLコレステロー ル溶解阻止用界面活性剤および前記LDLコレス テロール凝集剤を有し、前記検出層が、前記 コレステロール測定用酵素試薬の残部を有す るという構成も、より好ましい。

 本発明において、前記非LDLコレステロー 可溶化用界面活性剤は、LDLコレステロール 比べ、非LDLコレステロール(HDLコレステロー ルやVLDLコレステロール等)に対する可溶化性 が高いものであれば、特に制限されない。 記非LDLコレステロール可溶化用界面活性剤 、非LDLリポタンパク質に内包されるコレス ロール若しくはコレステロールエステルを 溶化する働きを有し、その結果として、コ ステロール若しくはそのエステルと前記酵 試薬の反応を促進することになる。前述の うに、前記非LDLコレステロール可溶化用界 活性剤は、ポリオキシエチレンアルキレン ェニルエーテルおよびポリオキシエチレン ルキレントリベンジルフェニルエーテルが ましく、これらは単独で使用してもよいし 併用してもよい。この中でより好ましいの 、ポリオキシエチレンアルキレントリベン ルフェニルエーテルである。ポリオキシエ レンアルキレンフェニルエーテルの市販品 しては、例えば、商品名「エマルゲンA-60」 (花王株式会社製)や商品名「ノニポール40」( 洋化成工業株式会社製)等があり、ポリオキ シエチレンアルキレントリベンジルフェニル エーテルの市販品としては、商品名「エマル ゲンB66」(花王株式会社製)や商品名「ブラウ ン TBP-15-95」(青木油脂工業株式会社製)等が ある。

 本発明において、前記総コレステロール 定部で用いるコレステロール可溶化用界面 性剤としては、全てのリポタンパク質を可 化するものであれば特に制限はされず、例 ば、デオキシコール酸ナトリウム、ポリオ シエチレン(n)オクチルフェニルエーテル(例 えば、商品名「Triton X-100」(和光純薬社製)) 使用できる。

 本発明において、前記LDLコレステロール 解阻止用界面活性剤は、LDLコレステロール 溶解を阻害するものであれば、特に制限さ ない。前記LDLコレステロール溶解阻止用界 活性剤が、LDLコレステロールの溶解を阻害 ることにより、LDLコレステロール若しくは のエステルと前記酵素試薬との反応を阻害 ることになる。前述のように、前記LDLコレ テロール溶解阻止用界面活性剤は、ポリオ シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ シエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ま しく、これらは単独で使用してもよく、2種 以上併用してもよい。この中でより好まし のは、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロ レン縮合体である。ポリオキシエチレンア キルエーテルとしては、ポリオキシエチレ セチルエーテル(例えば、商品名「エマルゲ ン220」(花王株式会社製))が好ましい。ポリオ キシエチレンアルキルフェニルエーテルとし ては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ ーテル(例えば、商品名「ブラウノン N-502」( 青木油脂工業株式会社製))が好ましい。ポリ キシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合体 としては、商品名「プルロニックF-88」(株式 社ADEKA社製)が好ましい。ポリオキシエチレ アルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオ シエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ (例えば、商品名「エマール20C」(花王株式 社製))が好ましい。アルキルベンゼンスルホ ン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン 酸ナトリウムが好ましい。これらは単独で、 若しくは二種類以上を併用できる。

 本発明の試験片における前記総コレステ ール測定部(例えば、第一の試薬層)におい 、試料適用時における全成分中の前記コレ テロール可溶化用界面活性剤の割合は、例 ば、0.05~3.0重量%の範囲であり、好ましくは 0.1~1.0重量%の範囲であり、より好ましくは、 0.3~0.7重量%の範囲である。

 本発明の試験片における前記非LDLコレス ロール測定部(例えば、第二の試薬層)にお て、試料適用時における全成分中の前記非LD Lコレステロール可溶化用界面活性剤の配合 合は、例えば、1~15重量%の範囲であり、好ま しくは、2~10重量%の範囲であり、より好まし は4~8重量%の範囲である。また、試料適用時 における全成分中の前記LDLコレステロール溶 解阻止用界面活性剤の配合割合は、例えば、 1~15重量%の範囲であり、好ましくは、1.5~10重 %の範囲であり、より好ましくは、2~6重量% 範囲である。前記非LDLコレステロール可溶 用界面活性剤(A)と前記LDLコレステロール溶 阻止用界面活性剤(B)の重量比(A/B)は、例えば 、1/1~4/1の範囲であり、好ましくは、1.1/1~3/1 範囲であり、より好ましくは、1.2/1~2.5/1の範 囲である。

 本発明において、前記LDLコレステロール 集剤としては、特に制限されないが、例え 、ポリビニル硫酸塩、アニオン性水溶性ポ マー、植物由来のレクチン、ポリエチレン リコール(PEG)、リンタングステン酸、デキ トラン硫酸、デキストラン硫酸塩、ヘパリ 等が挙げられ、好ましくは、前述のように ポリビニル硫酸塩である。

 前記ポリビニル硫酸塩としては、例えば ポリビニル硫酸カリウム、ポリビニル硫酸 トリウム、ポリビニル硫酸リチウム、ポリ ニル硫酸アンモニウム等が挙げられ、これ は単独で使用してもよいし、二種類以上を 用してもよい。この中で好ましいのは、ポ ビニル硫酸カリウムである。前記ポリビニ 硫酸塩は、側鎖に硫酸基を70%以上有するも が好ましい。また、前記ポリビニル硫酸塩 エステル化度は、80%以上が好ましく、より ましくは90%以上である。また、前記ポリビ ル硫酸塩にポリグリコールメチルエーテル たはポリビニルピロリドンを添加すると、L DLの凝集反応がさらに良くなり好ましい。

 前記アニオン性水溶性ポリマーとしては 特に限定されないが、例えば、アクリル酸( 2-ホスホ-1,1-ジメチルエチルアミド)、2-アク ルアミドグリコール酸、2-アクリルアミド-2- メチル-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルア ド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸-CO-2-アク ルアミドグリコール酸等のモノマーのホモ リマー、前記モノマーのコポリマー、ポリ( メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。 記アニオン性水溶性ポリマーの具体例とし は、例えば、ポリアクリル酸-(2-ホスホ-1,1- メチルエチルアミド)(PAP)、ポリ-2-アクリル ミドグリコール酸(PAAG)、ポリ-(2-アクリルア ド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)(PAMPS)、 リ-(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンス ホン酸-CO-2-アクリルアミドグリコール酸)[P( AMPS-AAG)]等が挙げられる。

 前記植物由来のレクチンとしては、特に限 されないが、例えば、ヒマ( Ricinus   communis )の実、ダイズ等由来のレクチンが挙げられ 。

 前記ポリエチレングリコール(PEG)、リン ングステン酸、デキストラン硫酸およびヘ リンは、単独で用いてもよく、例えば、マ ネシウムイオン、マンガンイオン、カルシ ムイオン、リチウムイオン、ニッケルイオ 等のカチオンと併用してもよい。

 本発明の試験片において、試料適用時に ける全成分中の前記LDLコレステロール凝集 の配合割合は、例えば、0.01~0.30重量%の範囲 であり、好ましくは、0.02~0.20重量%の範囲で り、より好ましくは、0.04~0.15重量%の範囲で る。本発明の試験片において、試料適用時 おける全成分中の前記ポリグリコールメチ エーテルの配合割合は、例えば、3~12重量% 範囲であり、好ましくは、3.5~11重量%の範囲 あり、より好ましくは、4~10重量%である。

 前述のように、前記コレステロール測定 酵素試薬としては、コレステロールエステ ーゼおよびコレステロールオキシダーゼの み合わせ、またはコレステロールエステラ ゼおよびコレステロールデヒドロゲナーゼ 組み合わせが好ましい。より好ましいのは 前者の組み合わせである。

 本発明の試験片において、試料適用時に ける全成分中のコレステロールエステラー の割合は、例えば、5~1000U/mLの範囲であり、 好ましくは、10~100U/mLの範囲であり、より好 しくは30~70U/mLの範囲である。また、本発明 試験片において、試料適用時の全成分中の レステロールオキシダーゼの割合は、例え 、5~1000U/mLの範囲であり、好ましくは10~100U/mL の範囲であり、より好ましくは20~50U/mLの範囲 である。そして、本発明の試験片において、 試料適用時における全成分中のコレステロー ルデヒドロゲナーゼの割合は、例えば、5~1000 U/mLの範囲であり、好ましくは10~100U/mLの範囲 あり、より好ましくは30~70U/mLの範囲である

 前記コレステロール測定用酵素試薬とし は、例えば、市販品を使用することができ 一連の反応を阻害する夾雑物等を含まない 正品や、遺伝子組換え製品等を好ましく使 することができる。

 前記コレステロールエステラーゼとしては 特に限定されないが、例えば、シュードモ ス属( Pseudomonas   sp. )、トリコデルマ属( Trichoderma   sp. )等の微生物由来の酵素が挙げられる。前記 素は、特に限定されないが、例えば、下記 に示す基質特異性を有するものが挙げられ 。また、前記酵素には、例えば、BSA等が添 されていてもよく、特に制限されない。

(酵素の基質特異性)
基質               比活性 (%)の範囲 
コレステロールアセテート     0.1~50
コレステロールプロピオネート    0~50
コレステロールブチレート       1~50
コレステロールパルミテート      1~200
コレステロールステアレート      0~50
コレステロールオレエート       1~200
コレステロールリノレート        100
コレステロールカプリネート      0~100
コレステロールラウリネート      0~200
コレステロールミリステート       0~200

 通常、生体内において、コレステロール 、遊離型状態と、脂肪酸とエステル結合し いる状態の2種類に分類される。そこで、後 者をコレステロールエステラーゼにより、コ レステロールと脂肪酸とに加水分解する。そ して、生じたコレステロールと前者遊離型コ レステロールを、コレステロールオキシダー ゼで処理すれば、コレステノンと過酸化水素 を生じる。この過酸化水素を測定すれば、コ レステロール量を求めることができる。過酸 化水素の測定は、電気化学的測定若しくは化 学的測定があるが、パーオキシダーゼ(POD)と 酸化されると発色する基質(以下「酸化発色 性基質」という)を用いた化学的測定が好ま い。この場合、前記コレステロール測定用 素試薬に、PODおよび前記酸化発色性基質が まれることになる。本発明の試験片におい 、試料適用時における全成分中のPODの割合 、例えば、50~5000U/mLの範囲、好ましくは100~15 00U/mLの範囲、より好ましくは700~800U/mLの範囲 ある。本発明の試験片において、試料適用 における全成分中の前記酸化発色性基質の 合は、その種類により適宜決定されるが、 えば、10~1000mmol/Lの範囲、好ましくは20~200mmo l/Lの範囲、より好ましくは30~70mmol/Lの範囲で る。

 前記酸化発色性基質としては、例えば、A LPS[N-Ethyl-N-(3-sulfopropyl)aniline,sodium salt]、DAOS[N- Ethyl-N-(2-hydroxy-3-sulfopropyl)-3,5-dimethoxyaniline,sodiu m salt]、MAOS[N-Ethyl-N-(2-hydroxy-3-sulfopropyl)-3,5-dime thylaniline,sodium salt,monohydrate]、TOOS[N-Ethyl-N-(2-hy droxy-3-sulfopropyl)-3-methylaniline,sodium salt,dihydrate] 、フェノール等があり、この中から、測定機 器が用いる波長に合う発色を呈する基質を適 宜選択することができる。

 本発明の試験片において、前記総コレス ロール測定部および非LDLコレステロール測 部は、試料適用時におけるpHがpH6~9の範囲に なるように調整されていることが好ましい。 前記pHの好ましい範囲はpH7~8の範囲であり、 適には、前記総コレステロール測定部がpH7.5 、前記非LDLコレステロール測定部がpH7.7であ 。前記pHに調整するために、前記総コレス ロール測定部(例えば、第一の試薬層)および 非LDLコレステロール測定部(例えば、第二の 薬層)は、緩衝液(バッファー)を含むことが ましい。前記緩衝液としては、例えば、後 のものが挙げられる。

 本発明の測定対象となる試料は、特に制 されず、例えば、全血、血漿、血清等のLDL レステロールを含有する可能性のある検体 料(特に生物学的液体)である。

 つぎに、本発明の試験片の一例を図1に示 す。図1(A)は、本例の試験片の斜視図であり 図1(B)は、図1(A)のA-A方向にみた断面図である 。本例の試験片は、細長い長方形板状の支持 体1の一端上に、二つの試薬層2および試薬層3 が配置されているという構成である。前記二 つの試薬層2および3のうち、一方が、前記総 レステロール測定部(第一の試薬層)であり 他方が、前記非LDLコレステロール測定部(第 の試薬層)である。

 前記支持体1は、例えば、ポリエチレンテ レフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリエス ル、酢酸セルロース等の樹脂を用いて製造 き、この中でもPETが好ましい。支持体1の厚 みは、特に制限されないが、例えば、0.1~1mm 範囲であり、好ましくは0.1~0.5mmの範囲であ 、より好ましくは0.2~0.3mmの範囲である。

 前記非LDLコレステロール測定部となる前 試薬層には、例えば、前記コレステロール 定用酵素試薬、前記非LDLコレステロール可 化用界面活性剤および前記LDLコレステロー 溶解阻止用界面活性剤等が含まれ、好まし は、さらに、前記LDLコレステロール凝集剤 含まれる。前記総コレステロール測定部で る前記試薬層には、例えば、前記コレステ ール測定用酵素試薬、前記コレステロール 溶化用界面活性剤等が含まれる。

 試薬層2および3は、例えば、前記コレス ロール測定用酵素試薬、前記各種界面活性 、前記LDLコレステロール凝集剤等の各種試 および親水性ポリマーを溶媒に溶解して混 した溶液を、繊維質構造体等に含浸または 布し、その後乾燥して作製することができ 。

 前記親水性ポリマーとしては、例えば、 リビニルピロリドン、ヒドロキシプロピル ルロース、メチルセルロース、アルギン酸 トリウム、ポリアクリル酸、ゼラチン、酸 水分解ゼラチン、ポリアクリルアミド、ア ロース等が挙げられる。

 また、前記溶媒としては、例えば、リン 緩衝液、グッドの緩衝液、トリス塩酸緩衝 等が挙げられる。前記総コレステロール測 部における前記溶媒としては、リン酸緩衝 が、前記非LDLコレステロール測定部におけ 前記溶媒としては、グッドの緩衝液がそれ れ好ましい。グッドの緩衝液としては、例 ば、PIPES、TES、HEPES、DIPSO、TAPSO、MES等が好 しく、より好ましくはTESである。試料適用 におけるpHが前記所定の範囲になるように、 前記緩衝液のpHは、pH6~9の範囲に調整するこ が好ましく、より好ましくはpH7~8の範囲に調 整することであり、最適には、前記総コレス テロール測定部はpH7.5、前記非LDLコレステロ ル測定部はpH7.7に調整することである。前 親水性ポリマーの配合割合は、塗布溶液全 に対し、例えば、0~40重量%の範囲であり、好 ましくは10~30重量%の範囲であり、その種類に より適宜調整できる。前記コレステロール測 定用酵素試薬、前記各種界面活性剤および前 記LDLコレステロール凝集剤は、前述の割合に なるように予め調整して前記溶媒に配合する 。

 前記繊維質構造体は特に制限されず、繊 の種類は測定に障害とならない材質であれ よく、構成は編物あるいは不織布のいずれ もよい。前記繊維としては、例えば、レー ン、ナイロン、ポリエステル等の繊維が挙 られ、またこれらの複合繊維でもよい。

 前記塗布の方法としては、特に制限され 、例えば、刷毛等を用いる方法、スプレー ート法、ロールコーターを用いる方法、デ ッピング法等を用いることができる。

 前記試薬層2および3の厚みは、例えば、50 ~250μmの範囲であり、好ましくは80~200μmの範 であり、より好ましくは100~150μmの範囲であ 。なお、前記試薬層2および3の厚みとは、 布乾燥後の厚みではなく、塗布時の塗布厚 である。前記試薬層2および3は、前記成分の 他に、必要に応じ、酸化防止剤等の添加剤を 含んでいてもよい。前記試薬層2および3を、 持体1の所定の位置に、貼着することにより 、本例の試験片を作製できる。なお、本発明 において、試験片の形状は、特に制限されな いが、例えば、板状もしくは短冊状である。 短冊状の場合の大きさは、例えば、全長50~150 mmの範囲で幅3~15mmの範囲、好ましくは、全長6 0~100mmの範囲で幅5~10mmの範囲である。

 本例の試験片は、例えば、次のようにし 使用する。なお、以下において、前記試薬 2が、非LDLコレステロール測定部であり、前 記試薬層3が、総コレステロール測定部であ 。すなわち、まず、前記試薬層2および前記 薬層3の上から、血液等の検体を滴下する。 前記試薬層2において、滴下された検体は、 記試薬層2に含まれる前記非LDLコレステロー 可溶化用界面活性剤および前記LDLコレステ ール溶解阻止用界面活性剤の作用により、 LDLコレステロールのみが前記コレステロー 測定用酵素試薬と反応する。前記試薬層2に 、さらに、前記LDLコレステロール凝集剤が含 まれると、その作用が付加され、非LDLコレス テロールのみが、前記コレステロール測定用 酵素試薬とさらに効果的に反応する。一方、 前記試薬層3の場合、滴下された検体は、試 層に含まれる前記コレステロール可溶化用 面活性剤の作用により、全てのコレステロ ルが前記コレステロール測定用酵素試薬と 応する。そして、前記試薬層2および前記試 層3にPODと前記酸化発色性基質が含まれてい る場合は、分光光度計や反射率計等の光学的 測定機器により、前記基質の発色を測定する 。血漿や血清の試料について発色を測定する 場合、前記支持体1が光透過性であれば、前 支持体1側から光照射してもよいし、前記試 層2および前記試薬層3側から光照射しても く、光照射による透過率や反射率等を測定 る。また、前記支持体1が光透過性でない場 は、前記試薬層2および前記試薬層3側から 照射して反射率を測定する。なお、後述の うに、全血を試料とする場合には、赤血球 着色による測光妨害の防止のため、前記検 層と前記反応層との間に血球遮断層および 反射層を設け、光透過性支持体を用い、こ 前記支持体1側から測定することが好ましい

 図2に、本発明の試験片のその他の例の断 面図を示す。本例の試験片では、支持体1の に、前記非LDLコレステロール測定部の試薬 2と、前記総コレステロール測定部の試薬層3 が形成されており、前記両試薬層2および3は 同図に示すように、反応層4と検出層5を備 ている。これ以外は、前述の図1に示す試験 と同様であり、使用方法も同様である。前 試薬層2において、前記反応層4は、前記非LD Lコレステロール可溶化用界面活性剤、前記LD L溶解阻止用界面活性剤および前記LDLコレス ロール凝集剤を含み、前記反応層5は、前記 レステロール測定用酵素試薬を含む。前記 薬層3において、前記反応層4は、前記コレ テロール可溶化用界面活性剤を含み、前記 出層5は、前記コレステロール測定用酵素試 を含む。

 さらに、前記試薬層2において、前記反応 層4は、上層41および下層42に分かれ、前記上 41に、前記LDLコレステロール溶解阻止用界 活性剤および前記LDLコレステロール凝集剤 含有し、前記下層42に前記非LDLコレステロー ル可溶化用界面活性剤を含有していてもよい 。このようにすれば、試料は、まず、前記上 層41において、前記LDLコレステロール溶解阻 用界面活性剤および前記LDLコレステロール 集剤に接触し、その後、前記下層42に移動 て前記非LDLコレステロール可溶化用界面活 剤に接触した後に、前記検出層5において前 酵素試薬と接触する。このように試料の移 順に応じて反応層を上層と下層の二層に分 ることにより、さらにLDLコレステロールの 溶化を効果的に阻止することができ、非LDL レステロールの測定精度が向上する。この うな前記反応層4は、例えば、繊維質構造体 に、前記コレステロール測定用酵素試薬の溶 液を塗布して乾燥して前記検出層5を形成し 後、この上に、前記非LDLコレステロール可 化用界面活性剤と親水性ポリマーを溶媒に 解した溶液を塗布して乾燥し、この上に、 記LDLコレステロール溶解阻止用界面活性剤 前記LDLコレステロール凝集剤および親水性 リマーを溶媒に溶解した溶液を塗布して乾 すれば形成できる。この場合の親水性ポリ ーおよび溶媒の種類や濃度等は、前述と同 であり、塗布の方法も前述と同様である。 た、二層構造の前記試薬層3は、前述の試薬 2の溶液を重層する方法に準じて、形成する ことができる。また、溶液を重層して多層構 造の試薬層を形成する方法の他に、複数の繊 維質構造体に、各試薬溶液を塗布して乾燥さ せ、これらを積層することによっても、多層 構造の試薬層を形成できる。

 図3に、本発明の試験片のさらにその他の 例の断面図を示す。本例の試験片では、支持 体を有さず、前記非LDLコレステロール測定部 の試薬層2と前記総コレステロール測定部の 薬層3が、それぞれ異なる試験片として形成 れている。前記両試薬層2および3は、同図 示すように、反応層4と検出層5を備えている 。前記試薬層2において、前述のように、前 反応層4は、上層41および下層42に分かれ、前 記上層41に、前記LDLコレステロール溶解阻止 界面活性剤および前記LDLコレステロール凝 剤を含有し、前記下層42に前記非LDLコレス ロール可溶化用界面活性剤を含有していて よい。これ以外は、前述の図1に示す試験片 同様であり、使用方法も同様である。前記 薬層2において、前記反応層4は、前記非LDL レステロール可溶化用界面活性剤、前記LDL 解阻止用界面活性剤および前記LDLコレステ ール凝集剤を含み、前記検出層5は、前記コ ステロール測定用酵素試薬を含む。前記試 層3において、前記反応層4は、前記コレス ロール可溶化用界面活性剤を含み、前記検 層5は、前記コレステロール測定用酵素試薬 含む。

 図4に、本発明の試験片のさらにその他の 例の断面図を示す。本例の試験片では、試料 適用面に対して試験片を垂直に半分に区切り 、半区画それぞれを前記非LDLコレステロール 測定部の試薬層2と前記総コレステロール測 部の試薬層3としたものである。前記両試薬 2および3は、図に示すように、反応層4と検 層5を備えている。前記試薬層2において、 述のように、前記反応層4は、上層41および 層42に分かれ、前記上層41に、前記LDLコレス ロール溶解阻止用界面活性剤および前記LDL レステロール凝集剤を含有し、前記下層42 前記非LDLコレステロール可溶化用界面活性 を含有していてもよい。これ以外は、前述 図1に示す試験片と同様であり、使用方法も 様である。前記試薬層2において、前記反応 層4は、前記非LDLコレステロール可溶化用界 活性剤、前記LDL溶解阻止用界面活性剤およ 前記LDLコレステロール凝集剤を含み、前記 出層5は、前記コレステロール測定用酵素試 を含む。前記試薬層3において、前記反応層 4は、前記コレステロール可溶化用界面活性 を含み、前記検出層5は、前記コレステロー 測定用酵素試薬を含む。

 図5(A)に、本発明の試験片のさらにその他 の例の断面図を示し、図5(B)に、その例の平 図を示す。本例の試験片では、図4に示す試 片と同様に、境界面7により、試料適用面に 対して試験片を垂直に半分に区切り、半区画 それぞれを前記非LDLコレステロール測定部の 試薬層2と前記総コレステロール測定部の試 層3としたものである。また、本例の試験片 外周縁は、外枠6の溝に嵌入した状態になっ ている。前記両試薬層2および3は、図4の試験 片と同様に、反応層と検出層を備えていても よい。前記試薬層2において、前述のように 前記反応層は、上層および下層に分かれ、 記上層に、前記LDLコレステロール溶解阻止 界面活性剤および前記LDLコレステロール凝 剤を含有し、前記下層に前記非LDLコレステ ール可溶化用界面活性剤を含有していても い。これ以外は、前述の図1に示す試験片と 様であり、使用方法も同様である。前記試 層2の前記検出層は、前記コレステロール測 定用酵素試薬を含む。前記試薬層3において 前記反応層は、前記コレステロール可溶化 界面活性剤を含み、前記検出層は、前記コ ステロール測定用酵素試薬を含んでいても い。

 さらに、本発明の試験片は、必要に応じ 前記試薬層の上に、血球分離層を形成して よい。これは、血球をろ過できるような多 性部材と、場合により反射層を配置すれば い。前記多孔性部材としては、例えばガラ フィルターなどの公知の血球分離素材が使 できる。このように血球分離層を備えてい ば、全血をそのまま供給するだけで、血漿 しくは血清中のLDLコレステロールを測定で る。

 前述のように、本発明の測定方法は、液 の測定方法にも適用できる。前記液系の測 方法は、例えば、総コレステロール測定部 ある第1の反応容器と、非LDLコレステロール 測定部である第2の反応容器とを用いて実施 きる。前記反応容器としては、特に限定さ ないが、例えば、キュベット、試験管等が げられる。

 前記液系の測定方法において、
前記(A)工程において、前記第1の反応容器が 前記コレステロール測定用酵素試薬を有し
前記第2の反応容器が、前記コレステロール 定用酵素試薬と、前記非LDLコレステロール 溶化用界面活性剤と、前記LDLコレステロー 溶解阻止用界面活性剤とを有し、
前記(B)工程において、前記コレステロール測 定用酵素試薬により前記総コレステロールを 測定し、
前記(C)工程において、前記非LDLコレステロー ル可溶化用界面活性剤および前記LDLコレステ ロール溶解阻止用界面活性剤の作用により、 前記コレステロール測定用酵素試薬により非 LDLコレステロールを選択的に測定するという 構成が好ましい。そして、前記第2の反応容 が、さらに、前記LDLコレステロール凝集剤 有するという構成が、より好ましい。前記 系の測定方法において、前記コレステロー 測定用酵素試薬、前記非LDLコレステロール 溶化用界面活性剤、前記LDLコレステロール 解阻止用界面活性剤および前記LDLコレステ ール凝集剤等の測定試薬としては、前述と 様のものを使用できる。そして、測定手法 しては、特に限定されないが、例えば、前 酵素試薬を用いた際に生じる過酸化水素を 電気化学的手法または化学的手法により測 する手法等が挙げられる。なお、前記LDLコ ステロール凝集剤を用いる場合等、反応液 濁りが生じて化学的測定法が適用できない 合には、酵素電極等を用いた電気化学的測 法を適用することが好ましい。

 つぎに、実施例について比較例と併せて説 する。なお、以下において、「K/S値」とは 下記式で計算される変数であり、反射率(R) 濃度に換算する際に使用される。
 (式)  K/S=(1-R) 2 /2R

[実施例1]
(A)非LDLコレステロール測定部の作製
 まず、白色PETフィルム(厚み125μm)の支持板 に、下記組成の検出層形成用溶液を厚み150μ mで塗布した後、40℃で10分間乾燥し、検出層 形成した。一方、ポリエチレン製編物(厚み 250μm)に下記組成の第一試薬液を含浸し、40℃ で10分間乾燥した。このポリエチレン製編物 片面に下記組成の第二試薬液を塗布し、40 で10分間乾燥して、試料供給層を作製した。 つぎに、前記検出層表面に、ラミネート液を 噴霧した。そして、前記ラミネート液を噴霧 した前記検出層上に、前記第二試薬液の塗布 面が上になるようにして前記試料供給層をさ らに積層し、40℃で10分間乾燥して、非LDLコ ステロール測定部を作製した。なお、下記 成に示す各成分の濃度は、試料適用時にお る全成分中の配合割合、すなわち5μLの試料 供給した際の最終濃度(酵素反応時の濃度) ある。

(検出層形成用溶液の組成)
成分                                  濃度     
POD(東洋紡株式会社製)                  764U/mL
4-アミノアンチピリン(キシダ化学株式会社製 )       43mmol/L
DAOS(株式会社同仁化学研究所製)              51mmol/L
TESバッファー(株式会社同仁化学研究所製、pH 7.7)300mmol/L

(第一試薬液の組成)
成分                                   濃度    
TESバッファー(同仁化学研究所製、pH7.7)        30mmol/L
コレステロールエステラーゼ                   46U/mL
コレステロールオキシダーゼ                   35U/mL
ポリオキシエチレンアルキレントリベンジル フェニルエーテル
(花王株式会社製、商品名:エマルゲンB66)          5重量%

(第二試薬液の組成)
成分                             濃度     
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン 合物
(ADEKA社製、商品名:プルロニックF88)    4重 %
ポリビニル硫酸カリウム                 0.10重量%
ポリグリコールメチルエーテル              5重量%

(ラミネート液の組成)
蒸留水      100重量%

(B)総コレステロール測定部の作製
 さらに、前記非LDLコレステロール測定部に 接した前記支持板上に、下記組成の検出層 成用溶液を厚み150μmで塗布後、40℃で10分間 乾燥して、検出層を形成した。一方、ポリエ チレン製編物(厚み250μm)に、下記組成のラミ ート液を噴霧した。そして、前記ラミネー 液を噴霧したポリエチレン製編物を、前記 出層上に積層し、40℃で10分間乾燥して、総 コレステロール測定部を形成させ、本例の試 験片を作製した。なお、下記組成に示す各成 分の濃度は、試料適用時における全成分中の 配合割合、すなわち5μLの試料を供給した際 最終濃度(酵素反応時の濃度)である。

(検出層形成用溶液の組成)
成分                            濃度     
リン酸バッファー(pH7.5)              9 0mmol/L
コレステロールエステラーゼ            795U/mL
コレステロールオキシダーゼ            233U/mL
POD                          750U/ mL
4-アミノアンチピリン(キシダ化学株式会社製 ) 44mmol/L
DAOS(株式会社同仁化学研究所製)      53mmol /L

(ラミネート液の組成)
成分                         濃度     
リン酸バッファー(pH7.5)         17mmol/L
デオキシコール酸ナトリウム          0 .5重量%

[実施例2]
 実施例2の試験片は、非LDLコレステロール測 定部におけるポリビニル硫酸カリウムの試料 供給時の最終濃度(試料適用時における全成 中の配合割合)を0.05重量%としたこと以外は 実施例1と同様にして作製した。

[実施例3]
 実施例3の試験片は、非LDLコレステロール測 定部が、ポリビニル硫酸カリウムおよびポリ グリコールメチルエーテルのいずれも含まな いこと以外は、実施例1と同様にして作製し 。

<既知濃度との相関関係の確認>
 このようにして得られた実施例1~3の各試験 を用いて、LDLコレステロール量が既知の血 試料55検体中のLDLコレステロール量を測定 た。なお、前記LDLコレステロール量は、つ にようにして測定した。すなわち、まず、 試験片の総コレステロール測定部、非LDLコ ステロール測定部に、それぞれ血液試料5μL 滴下した。そして、各測定部の反射率を、 用反射率計(商品名スポットケム、アークレ イ社製)を用いて、測定した。前記測定にお て、測定波長は、610nmであった。つぎに、得 られた反射率から、LDLコレステロール量(K/S )を求めた。そして、この実測により得た各 験片のLDLコレステロール量と、前記既知濃 との相関係数を算出した。この結果を下記 1に示す。

(表1)
実施例 ポリビニル硫酸カリウム 度(重量%) 相関係数(r)
実施例1       0.10              0.96 51
実施例2       0.05              0.96 40
実施例3       0.00              0.94 57

 表1に示すように、実施例1~3の試験片を用 いて測定したLDLコレステロール量は、既知濃 度と高い相関係数を示した。特に、ポリビニ ル硫酸カリウムを含む実施例1および実施例2 試験片では、非常に高い相関係数が得られ 。

<K/S値のタイムコースの確認>
 図6のグラフに、実施例1~3の各試験片により 得られた、前記LDLコレステロール量(K/S値)の イムコースを示す。同図のグラフにおいて 横軸は、測定時間(秒)であり、縦軸は、前 K/S値である。また、同図のグラフにおいて 丸のプロットは、実施例1の結果であり、四 のプロットは、実施例2の結果であり、三角 のプロットは、実施例3の結果である。

 図6のグラフに示すように、実施例1~3の試 験片を用いたLDLコレステロール量の測定では 、いずれも反応が終点に達していた。したが って、実施例1~3の試験片を用いた前記測定で は、LDLコレステロールの反応が防止され、非 LDLコレステロールのみが反応し、LDLコレステ ロール量を高精度に測定できた。そして、ポ リビニル硫酸カリウムを含む実施例1および2 試験片を用いた前記測定では、K/S値がさら 低くなり、非LDLコレステロールのみが反応 、より高精度にLDLコレステロール量を測定 きた。

<液状試薬のドライ化試験片との比較>
[比較例1]
 比較例1は、特許文献1(特許第3091230号公報) 実施例1における試薬組成を参考に、前記直 法によるLDLコレステロール測定用液状試薬( ウェットケミストリー法)を試験片としてド イ化した。比較例1の試験片は、ポリエチレ 製編物(250μm)に下記組成の試薬液を含浸さ 、40℃で10分間乾燥して作製した。下記組成 各成分の濃度は、5μLの試料を供給した際の 最終濃度(酵素反応時の濃度)である。

(試薬液の組成)
成分                            濃度     
α-シクロデキストリン              5m mol/L
ポリオキシエチレンモノラウレート        0.5重量%
コレステロールエステラーゼ          0 .25U/mL
コレステロールオキシダーゼ          1 .25U/mL
POD                        6.25U/mL
4-アミノアンチピリン              0.5 5mmol/L
DAOS                       0.83mmol/L
Tris-HClバッファー(pH7.0)       30mmol/L

 なお、特許文献1の実施例1では、発色剤 EMSE(N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシ ニル-エチレンジアミン)が用いられているが 比較例1では、代わりにDAOS(N-エチル-N-(2-ヒ ロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシア リン)を使用した。

 このようにして得られた比較例1および実 施例1の試験片について、濃度既知の管理血 を検体として、前述と同様にして、前記試 片の各測定部の反射率(タイムコース)を測定 し、LDLコレステロール量(K/S値)を求めた。こ 結果を、図7のグラフに示す。同図のグラフ において、横軸は、測定時間(秒)であり、縦 は、前記K/S値である。また、同図のグラフ おいて、四角のプロットは、実施例1の総コ レステロール測定部の結果であり、丸のプロ ットは、実施例1の非LDLコレステロール測定 であり、三角のプロットは、比較例1の試験 の測定結果である。

 図7のグラフから明らかなように、実施例 1の総コレステロール測定部および非LDLコレ テロール測定部は、反応が終点に達してい 。したがって、実施例1の試験片では各測定 において測定対象物以外の測定が防止され 総コレステロール測定部は総コレステロー のみを、非LDLコレステロール測定部は非LDL レステロールのみを各々測定できているこ が分かる。これに対し、液系のLDLコレステ ール測定用液状試薬をドライ化した比較例1 の試験片では、全く反応がおこらず、LDLコレ ステロールを測定できなかった。このことか ら、前述のとおり、LDLコレステロール測定用 液状試薬を単純にドライ化するだけでは、LDL コレステロールの測定はできないことが分か る。

<液状試薬との測定値精度の比較>
[実施例4]
 実施例4の試験片は、ポリオキシエチレンア ルキレントリベンジルフェニルエーテルの最 終濃度を7.5重量%にして非LDLコレステロール 定部を形成したこと以外は、実施例1と同様 して作製した。

[比較例2]
 比較例2としては、消去法によるLDLコレステ ロール測定用液状試薬である、血清LDLコレス テロール測定キット(商品名「コレステストLD L」、積水メディカル株式会社製)を用いた。

 こうして得られた実施例4と比較例2を用 、70検体の血清試料中のLDLコレステロール量 を測定した。実施例4の試験片を用いた測定 は、前述と同様に反射率を測定し、LDLコレ テロール量(K/S値)を求めた。一方、比較例2 市販測定キットを用いた測定では、呈色反 後の反応液の吸光度を、吸光度計を用いて 定し、LDLコレステロール量を求めた。そし 、実施例4の測定値と、比較例2の測定値との 相関関係を調べた。この結果を図8のグラフ 示す。同図のグラフにおいて、縦軸は、実 例4の測定値であり、横軸は、比較例2の測定 値である。

 図8のグラフに示すように、実施例4の測 値と比較例2の測定値とは、良好な相関関係 示し、その相関係数はr=0.9834であった。し がって、本発明の試験片は、市販の血清LDL レステロールキットと同等以上の精度でLDL レステロール量を測定できることが示され 。しかし、比較例2は液状試薬のため、大量 洗浄水が必要となり、また、測定時に廃液 発生した。これに対し、実施例4の試験片で は、洗浄水は不要であり、当然廃液の発生は なく、測定を簡便に行うことが可能であった 。

[実施例5]
 実施例5では、下記組成の検出層形成用溶液 、第一試薬液およびラミネート液を用い、前 記ポリエチレン製編物の片面に第二試薬液を 塗布せずに非LDLコレステロール測定部を形成 したこと以外は、実施例1と同様にして、試 片を作製した。

(検出層形成用溶液の組成)
成分                                   濃度    
POD(東洋紡株式会社製)                   764U/mL
4-アミノアンチピリン(キシダ化学株式会社製 )       43mmol/L
DAOS(株式会社同仁化学研究所製)              51mmol/L
TESバッファー(株式会社同仁化学研究所製、pH 7.7)300mmol/L

(第一試薬液の組成)
成分                                 濃度   
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン 合物
(ADEKA社製、商品名:プルロニックF88)        4重量%

(ラミネート液の組成)
成分                                   濃度     
TESバッファー(同仁化学研究所製、pH7.7)        30mmol/L
コレステロールエステラーゼ                   46U/mL
コレステロールオキシダーゼ                   35U/mL
ポリオキシエチレンアルキレントリベンジル フェニルエーテル
(花王株式会社製、商品名:エマルゲンB66)          5重量%

 こうして得られた実施例5と比較例2を用 、61検体の血清試料中のLDLコレステロール量 を測定した。実施例5の試験片を用いた測定 は、前述と同様に反射率を測定し、LDLコレ テロール量(K/S値)を求めた。一方、比較例2 市販測定キットを用いた測定では、前述と 様に、吸光度を測定し、LDLコレステロール を求めた。そして、実施例5の測定値と、比 例2の測定値との相関関係を調べた。図9の ラフに、実施例5の測定値と、比較例2の測定 値との相関関係を示す。同図のグラフにおい て、縦軸は、実施例5の測定値であり、横軸 、比較例2の測定値である。

 図9のグラフに示すように、実施例5の測 値と比較例2の測定値とは、良好な相関関係 示し、その相関係数はr=0.9780であった。し がって、実施例5の試験片は、市販の血清LDL レステロールキットと同等以上の精度でLDL レステロール量を測定できることが示され 。しかし、比較例2は液状試薬のため、大量 の洗浄水が必要となり、また、測定時に廃液 が発生したのに対し、実施例5の試験片では 洗浄水は不要であり、当然廃液の発生はな 、測定を簡便に行うことが可能であった。

 本発明のLDLコレステロール測定用試験片 用いれば、簡単な構造で小型の測定装置に って、LDLコレステロールを測定することが きる。したがって、本発明のLDLコレステロ ル測定用試験片は、例えば、臨床検査等の 量の検体を測定する必要がある分野に有用 あり、広い分野に適用可能である。