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Title:
METHOD FOR MEASURING PRESSURE OF GAS SEALED IN ELECTRIC DISCHARGE TUBE AND METHOD FOR MANUFACTURING ELECTRIC DISCHARGE TUBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041008
Kind Code:
A1
Abstract:
An electric discharge tube (1) has a bulb (2), gas (6) sealed in the bulb (2), and electrodes (4A, 4B) provided in the bulb (2).The bulb (2) has first and second end portions (3B, 3A) extending in the length direction of the bulb (2) and disposed on the opposite sides along the length direction. The first end portion (3B) is immersed in liquid (7), and in this state the liquid (7) is caused to enter the bulb through the first end portion (3B), thereby forming a babble (20) of the gas (6) in the bulb (2). While maintaining the length direction of the bulb (2) horizontally, the length of the babble (20) in the length direction of the bulb (2) is measured. From the measured length, the pressure of the gas (6) in the electric discharge tube (1) is computed. With this method, the pressure of the gas (6) sealed in the bulb (2) of an electric discharge tube (1) can be simply and precisely determined.

Inventors:
MORI TADAO
Application Number:
PCT/JP2008/002606
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MORI TADAO
International Classes:
H01J9/42; H01J9/395
Foreign References:
JP2005276652A2005-10-06
JPS57190253A1982-11-22
JPH0562598A1993-03-12
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
   長手方向に延び、前記長手方向に沿って互いに反対側に配列された第1の端部と第2の端部とを有するバルブと、
   前記バルブ内に封入されたガスと、
   前記バルブ内に設けられた電極と、
を有する放電管を準備するステップと、
前記放電管を準備するステップの後で、前記放電管の前記バルブの前記第1の端部を液体中に漬けた状態で前記液体を前記第1の端部から前記バルブ内に浸入させることにより、前記ガスよりなる気泡を前記バルブ内に発生させるステップと、
前記バルブの前記長手方向を水平に維持しながら、前記気泡の前記長手方向での長さを測定するステップと、
前記気泡の前記測定された長さに基づいて前記放電管での前記ガスの圧力を算出するステップと、
を含む、放電管の封入ガス圧測定方法。
前記ガラスバルブは内寸長さL1(mm)を有し、前記気泡の前記測定された長さはL2(mm)であり、
前記放電管での前記ガスの前記圧力を算出するステップは、前記圧力C(Torr)を
C=(L2/L1)×760
で算出するステップを含む、請求項1に記載の放電管の封入ガス圧測定方法。
気温に依存する気温定数Yを定義するステップをさらに含み、
前記ガラスバルブは内寸長さL1(mm)を有し、前記気泡の前記長さはL2(mm)であり、
前記放電管での前記ガスの前記圧力を算出するステップは、前記圧力P(Torr)を
P=Y×(L2/L1)×760
で算出するステップを含む、請求項1に記載の放電管の封入ガス圧測定方法。
前記気温に依存する前記気温定数Yを定義するステップは、前記気温X(℃)により前記気温定数Yを
Y=-0.003×X+1.0774
で定義するステップを含む、請求項3に記載の放電管の封入ガス圧測定方法。
前記気泡の前記長手方向での前記長さを測定するステップは、
   前記バルブを固定する治具を有する測定器具を準備するステップと、
   前記測定器具に前記バルブを固定して前記長さを測定するステップと、
を含む、請求項1に記載の放電管の封入ガス圧測定方法。
   長手方向に延び、長手方向に沿って互いに反対側に配列された第1の端部と第2の端部とを有するバルブを準備するステップと、
   ガス封入系のガス圧設定を決定して所定の圧力で前記バルブ内にガスを封入するステップと、
   前記バルブ内に電極を設けるステップと、
を含む、放電管を作製するステップと、
前記放電管の前記第1の端部を液体中に漬けた状態で前記液体を前記第1の端部から前記バルブ内に浸入させることにより、前記ガスよりなる気泡を前記バルブ内に発生させるステップと、
前記バルブの前記長手方向を水平に維持しながら、前記気泡の前記長手方向での長さを測定するステップと、
前記気泡の前記測定された長さに基づいて前記放電管での前記ガスの圧力を算出するステップと、
前記算出された圧力に基づき、前記ガス封入系の前記ガス圧設定を調整するステップと、
前記調整されたガス圧設定で別の放電管を作製するステップと、
を含む、放電管の製造方法。
請求項6に記載の製造方法で製造された放電管。
Description:
放電管の封入ガス圧測定方法と 電管の製造方法

 本発明は、冷陰極型、誘電体型等の放電 の封入ガス圧測定方法に関する。

 液晶テレビジョンや液晶モニターに用い れる液晶表示装置のバックライトとして、 陰極放電管が広く採用されている。近年で 液晶テレビジョンや液晶モニターの大型化 伴い、バックライトとして使われる冷陰極 電管の全長を大きくすることが要求されて ている。冷陰極放電管は、蛍光体を塗布し ガラスバルブの両端部にガラスビードを介 て金属の電極を封止し、ガラスバルブの内 にネオン・アルゴン等を混合したガスと水 を封入することで製造される。

 一般的に、封入されたガスの圧力が高け ば冷陰極放電管内を流れる電流が小さくな 、そのため冷陰極放電管の発光輝度は低く る。他方、ガスの圧力が低ければ流れる電 が大きいので発光輝度は高くなるが、電子 放出する電極の劣化が早くなり冷陰極放電 の寿命が短くなる。よって、所望の輝度と 命を有する冷陰極放電管を得るためには、 陰極放電管の製造工程において封入される スの圧力を高精度に管理する必要がある。

 特許文献1はガラスバルブへのガスの封入 工程を開示している。まずガラスバルブの内 周面に蛍光体を塗布する。その後、ガラスバ ルブの両端部に、ニッケル等からなる外部リ ード線と封着部に設けられたタングステン等 からなる内部リード線とニッケルやニオブ等 からなるホロー電極によって構成される電極 ユニットをそれぞれ挿入する。電極ユニット にはガラスビードがそれぞれ嵌められている 。一方のガラスビードはガラスバルブの外部 から熱しながら締め付けることで通気性を有 するように仮にガラスバルブに溶着されて取 り付けられる。他方のガラスビードがガラス バルブと完全に溶着されて封止される。その 後、通気性を有するように封止されたガラス バルブの端部からガラスバルブ内の空気が排 出され、その後、その端部からガラスバルブ 内へ不活性ガスが入れられる。この際に不活 性ガスの圧力が製造装置により設定される。 ガラスバルブ内に水銀が封入される。この際 には不活性ガスの圧力がその後、仮に溶着さ れたガラスビードをガラスバルブに完全に溶 着して、ガス封入工程が終了する。この製造 方法では、気密性の高い状態でガラスバルブ にガスが封入されるので、ガラスバルブ内の ガスの圧力は製造装置の設定によって管理す ることができる。

 しかし、製造装置の設定が一定であって 、材料の品質や製造場所の環境、装置の調 等の外的要因によって、実際に製造される 陰極放電管のガスの圧力は変動する。所望 性能を有する冷陰極放電管を得るために、 造装置のガスの圧力を設定して一度冷陰極 電管を製造して、実際に得られた放電管の ラスバルブに封入されたガスの圧力を測定 て、測定した圧力に基づいて製造装置のガ の圧力を再度設定する。

 特許文献2は、放電管のガスの圧力を測定 する従来の測定器を開示している。この測定 器で圧力を測定するために時間と手間がかか るので、放電管の製造工程におけるガスの圧 力の測定には不向きである。

 放電管の製造工程では以下に述べる方法 ガスの圧力を測定する。まず、ガスが封入 れて両端部が完全に溶着されたガラスバル の一方の端部を水中に漬けて破壊する。破 した端部から空気がガラスバルブ内に入ら いようにその端部を水中に漬けたまま、ガ スバルブを立てて水をガラスバルブ内に浸 させる。その状態では、封入されたガスが の圧力に押されて、ガラスバルブ内の上部 そのガスによる気泡が発生する。この気泡 長さは封入されたガスの圧力によって変わ 、圧力が高ければ気泡が長くなり、圧力が ければ気泡は短くなる。したがって、その 泡の長さを操作者がノギスで測定し、その さから冷陰極放電管に封入されたガスの圧 を計算する。この簡便な従来の方法により 測定器と同程度の精度でガスの圧力を測定 ることができる。

 冷陰極放電管が長くなるほど冷陰極放電 内を流れる電流が小さくなるので、高輝度 得るには封入されたガスの圧力を低くしな ればならない。よって、所望の性能を有す 長い冷陰極放電管を得るためには、封入さ たガスの圧力を高精度で管理する必要があ 。

 ガラスバルブを立てた状態で気泡の長さを 定する上記の従来の方法では、ガラスバル の長さや径によって、測定されたガスの圧 がばらつき、実際の圧力と異なる場合があ 。したがって、この方法ではガスの圧力を 精度に測定できない。よって、測定された 力の誤差を考慮して冷陰極放電管の寿命や 度を設定しなければならず、この方法では 圧力を高精度に管理する必要のある長い冷 極放電管を作製することは困難である。

特許第3241750号公報

特開平8-105932号公報

 放電管は、バルブと、バルブ内に封入さ たガスと、バルブ内に設けられた電極とを する。バルブは長手方向に延び、長手方向 沿って互いに反対側に配列された第1の端部 と第2の端部とを有する。この放電管のバル の第1の端部を液体中に漬けた状態で液体を 1の端部からバルブ内に浸入させることによ り、ガスよりなる気泡をバルブ内に発生させ る。バルブの長手方向を水平に維持しながら 、気泡の長手方向での長さを測定する。気泡 の測定された長さに基づいて放電管でのガス の圧力を算出する。

 この方法により、簡便にかつ高精度で放 管のバルブに封入されたガスの圧力を測定 ることができる。

図1は本発明の実施の形態における放電 管の概略図である。 図2は実施の形態における放電管のバル ブに封入されたガスの圧力の測定方法を示す 概略図である。 図3は実施の形態における放電管のバル ブに封入されたガスの圧力の測定方法を示す 概略図である。 図4は図3に示すバルブの拡大図である 図5は図4に示すバルブ内に発生した気 の長さを測定器具で測定する方法を示す。 図6は図4に示す気泡の長さを他の測定 具で測定する方法を示す。 図7は実施の形態における放電管の製造 装置の概略図である。 図8は実施の形態における測定方法で測 定されたガスの圧力の測定に用いる気温定数 を示す。 図9は実施の形態における測定方法で測 定されたガスの圧力の測定結果を示す。 図10は実施の形態における測定方法で 定されたガスの圧力の測定結果を示す。

符号の説明

1  放電管
2  バルブ
2A  長手方向
3A  端部(第2の端部)
3B  端部(第1の端部)
4A  電極
4B  電極
6  ガス
7  液体
12  ガス封入系
16A  治具
16B  治具
15  測定器具
20  気泡

 図1は実施の形態による放電管1の概略図 ある。放電管1は例えば冷陰極放電管である 放電管1は、バルブ2と、バルブ2内に挿入さ た電極4A、4Bと、電極4A、4Bをバルブ2にそれ れ取り付けるビード5A、5Bと、バルブ2内に 入されたガス6とを備える。バルブ2はガラス やセラミック等の透明の絶縁部材よりなり、 長手方向2Aに延びる管形状を有する。バルブ2 は長手方向2Aに配列されて互いに反対側の端 3A、3Bを有し、長手方向2Aに沿った内寸長さL 1を有する。バルブ2は、内寸長さL1に渡って 一の断面を有する。実施の形態では、バル 2は長手方向2Aに延び、長さL1に渡って内径が 一定の円筒形状を有する。電極4A、4Bはビー 5A、5Bをそれぞれ介してバルブ2に溶着して取 り付けられている。ビード5A、5Bはバルブ2と じ材料よりなる。ガス6はネオン・アルゴン 等の不活性ガスである。ガス6の圧力を測定 る目的で内部が見えるように、バルブ2には 光体は塗布されていない。しかし、ガス6の 圧力を測定ない製品としての放電管1では、 ルブ2の内部には蛍光体が塗布されていても い。電極4A、4Bはそれぞれ、バルブ2の外部 位置する外部リード線と、バルブ2に封着さ る内部リード線と、バルブ2の内部に位置す るホロー電極よりなる。外部リード線はニッ ケル等からなる。内部リード線はタングステ ン等からなる。ホロー電極はニッケルやニオ ブ等からなる。

 次に、放電管1に封入されたガス6の圧力 測定方法について説明する。図2と図3は放電 管1のガス6の圧力の測定方法を示す概略図で る。

 まず、図2に示すように、端部3Aが端部3B り上方に位置させた状態で、放電管1の端部3 Bを槽7Aに収容されている水等の液体7に完全 漬ける。端部3Bが液体7に完全に漬かってい 状態で、電極4Bとビード5Bが除去できる程度 位置でバルブ2の外周部をニッパー等の工具 を用いて破壊し、端部3Bからバルブ2内に液体 7を浸入させる。

 端部3Bから液体7が浸入すると、ガス6が液 体7を介して大気圧で押されて端部3A付近で気 泡20となる。

 端部3Bから液体7が浸入してバルブ2の内部 が液体7で満たされた後に、バルブ2を槽7Aか 取り出し、その状態で気泡20(ガス6)の圧力が 安定するまで放置する。例えば、バルブ2の さL1が900mm、内径2.4mmである場合には3分以上 置する。この時間は長さL1が大きくなるの つれて長くすることが好ましい。

 放電管1に封入されたガス6の圧力はバル 2の外部の大気圧よりも低く、さらに液体7は 毛細管現象によってバルブ2の内部に留まる したがって、バルブ2が槽7Aから取り出され も、気泡20が移動して端部3Bからガス6と液体 7は流出しない。したがって、破壊された端 3Bを液体7に漬けていなくとも、バルブ2の長 方向2Aを水平に維持するだけで気泡20(ガス6) の圧力を安定化できる。

 次に、図3で示すように、気泡20にバルブ2 の外部から液体7を介して空気が入らないよ にかつ気泡20に電極4Aが入らないように、バ ブ2を水平に置いたままで、すなわち長手方 向2Aが水平になるようにバルブ2を配置したま まで、気泡20の長手方向2Aの長さL2を測定する 。長さL2は操作者がモーゼル形やCM形のノギ を用いて測定することができる。

 気泡20の長さL2は詳細には以下のように測 定する。図4はバルブ2で発生している気泡20 拡大図である。気泡20は、端部3Aに向いてい 端面20Aと、端面20Aの反対側で端部3Bに向い いる端面20Bを有する。気泡20の端面20A、20Bは 長手方向2Aに配列されている。気泡20の端面20 Aは液体7の表面張力によりバルブ2の端部3Aに かって突出している凸面である。凸面であ 端面20Aは頂点120Aと外縁220Aとを有する。気 20の端面20Bは液体7の表面張力によりバルブ2 端部3Bに向かって突出している凸面である 凸面である端面20Bは頂点120Bと外縁220Bとを有 する。気泡20の直径は、端面20A、20Bの外縁220A 、220Bからバルブ2の内径よりも縮小し始める 気泡20の長さL2は、端面20Aの頂点120Aと端面20 Bの外縁220Bの長手方向2Aに沿った距離である または、気泡20の長さL2は、端面20Bの頂点120B と端面20Aの外縁220Aの長手方向2Aに沿った距離 である。

 図5は気泡20の長さL2を測定器具13で測定す る方法を示す。測定器具13はノギスである。 定器具13は、目盛りが刻まれて長手方向13E 延びる本尺13Dと、本尺13Dの先端13Cから本尺13 Dと直角に延びるジョウ13Aと、本尺13Dからジ ウ13Aと平行に延びるジョウ13Bとを有する。 ョウ13Aはジョウ13Bに対向する測定面113Aを有 る。ジョウ13Bはジョウ13Aに対向する測定面1 13Bを有する。本尺13Dの長手方向13Eとバルブ2 長手方向2Aとを互いに平行にした状態で、ジ ョウ13Aの測定面113Aを気泡20の端面20Aの頂点120 Aに位置させ、かつジョウ13Bの測定面113Bが気 20の端面20Bの外縁220Bに位置するようにジョ 13Bを移動させる。その後、操作者は本尺13D 目盛を読み取って長さL2を測定する。

 操作者が測定器具13を保持すると、測定 具13がバルブ2に対して方向R1に変位し、測定 器具13の本尺13Dの長手方向13Eをバルブ2の長手 方向2Aと平行に維持できなくなる場合がある これにより、気泡20の長さL2を測定すること が困難になり、測定された長さL2に誤差が含 れる。

 図6は気泡20の長さL2を他の測定器具15で測 定する方法を示す。測定器具15はノギスであ 。図6において、図5に示す測定器具13と同じ 部分には同じ参照番号を付して、その説明を 省略する。測定器具15は、図5に示す測定器具 13の本尺13Dとジョウ13A、13Bに、放電管1(バル 2)を固定するための治具16A、16Bをさらに有す る。治具16Aはジョウ13Aの裏面に設けられてい る。治具16Bは、本尺13Dの先端13Cの反対側の端 部15Bに取り付けられている。治具16A、16Bは、 バルブ2の外径H1とほぼ同じ厚みT1を有する直 体形状を有する。治具16A、16Bは、長手方向1 3Eに平行でかつバルブ2に対向するように構成 された面116A、116Bをそれぞれ有する。

 気泡20の長さL2を測定するために、水平に 置かれたバルブ2の外面に治具16A、16Bの面116A 116Bを当接させる。面116A、116Bは測定器具15 本尺13Dの長手方向13Eに平行であり、かつ面11 6A、116Bが同一平面上に位置している。したが って、面116A、116Bをバルブ2に当接させること でバルブ2の長手方向2Aを本尺13Dの長手方向13E と平行にすることができる。この状態で、図 5に示す測定器具13と同じ方法で気泡20の長さL 2を測定する。測定器具15は、図5に示す方向R1 に変位しにくいので、気泡20の長さL2をより 精度に測定することができる。

 以下に、測定された気泡20の長さL2から放電 管1のバルブ2に封入されているガス6の圧力を 算出する方法について説明する。ガス6の圧 C1(気圧)はバルブ2の長手方向2Aでの内寸長さL 1と気泡20の長手方向2Aでの長さL2により次式 算出できる。
C1=L2/L1 …(式1)
 また、1気圧は760Torrなので、ガス6の圧力C(To rr)は以下の式で表される。
C=(L2/L1)×760 …(式2)
 ガス6の圧力と体積の関係は気温により変わ る。より高精度にガス6の圧力を算出するた に、気温に依存する気温定数Yを式1や式2で 出された圧力C、C1に掛けて補償された高精 の圧力P、P1をそれぞれ算出する。具体的に 、ガス6の圧力P(Torr)と圧力P1(気圧)は以下の で表される。なお、1(Torr)は133.322(Pa)である
P1=Y×C1=Y×L2/L1 …(式3)
P=Y×C=Y×(L2/L1)×760 …(式4)
 気温Xとそれに対応する気温定数Yを図8に示 。気温定数Yは気温X(℃)により以下の式で定 義される。
Y=-0.003×X+1.0774
 実施の形態では、液体7は水であるが、バル ブ2内の気泡20を容易に測定するために、液体 7は着色されていてもよい。また、実施の形 では気泡20の長さL2をノギスである測定器具1 3または測定器具15で測定している、より高い 精度で長さL2を得るために、レーザー測定器 の他の測定器具で長さL2を測定してもよい

 このように、実施の形態による測定方法 より、気温の影響を考慮してガス6の圧力を 高価なガス圧測定器を使用せずに簡便にかつ 高精度で測定することができる。

 次に、実施の形態における放電管1のガス 6の圧力の測定方法を用いた放電管1の製造方 について説明する。

 図7は放電管1の製造装置の概略図であり 特にバルブ2へのガス6の封入装置1001を示す まず、バルブ2の内周面に蛍光体を塗布する バルブ2の端部3A、3Bに電極4A、4Bをそれぞれ 入する。電極4A、4Bにはビード5A、5Bがそれ れ嵌められている。ビード5Bはバルブ2に完 に溶着されて端部3Bを封止する。ビード5Aは ルブ2の外部から熱しながら締め付けられて 、通気性を有するように端部3Aに仮に溶着さ る。その後、電磁弁10、11が閉じられた状態 でバルブ2の端部3Aを封入装置1001のヘッド8に 着する。電磁弁10が開かれると、端部3Aを通 して真空系9によりバルブ2内の空気が排出さ 、電磁弁10が閉じられる。ガス封入系12のガ ス圧設定を決定する。その後、電磁弁11が開 かれて、端部3Aを通して、決定されたガス 設定に基づいてガス6をバルブ2に送る。その 後、水銀をバルブ2内に入れて、ビード5Aをバ ルブ2の端部3Aと完全に溶着し、放電管1への ス6を封入する工程が終了する。

 上記の製造方法で得られた放電管1のバル ブ2内のガス6の圧力を上記の方法で測定する 測定された圧力に基づき、ガス封入系12の ス圧設定を調整する。すなわち、ガス6の所 の圧力よりも測定された圧力が低い場合に 、ガス6の圧力が高くなるようにガス圧設定 を調整する。また、ガス6の所定の圧力より 測定された圧力が高い低い場合には、ガス6 圧力が低くなるようにガス圧設定を調整す 。その後、上記の製造方法で別の放電管1を 製造する。このように、測定された圧力に基 づき、ガス封入系12のガス圧設定を調整する とで、ガス6の所定の圧力と、実際にバルブ 2内に封入されるガス6の圧力との誤差を小さ することができる。上記の測定方法により ス6の圧力Pを短時間で測定できので、放電 1の量産過程において随時ガス6の圧力を測定 して圧力設定を調整することができ、したが って、バルブ2に所定の圧力でガス6を封入す ことができる。このように、実施の形態に るガス6の圧力の測定方法を含む製造方法で 製造された放電管1は、バルブ2内にガス6を高 精度に所定の圧力で封入されているので、確 実に所望の性能を有する。

 (実施例1)
 上記の製造方法により気温25℃で放電管1の 料1~3を作製した。これらの試料のバルブ2の 長手方向2Aの内寸長さは896mmである。ガス6は1 0体積%のアルゴンと90体積%のネオンとを含有 る。ガス封入系12のガス圧設定を60Torrと入 した。バルブ2の内部がよく見えるように、 ルブ2の内周面には蛍光体を塗布しなかった 。得られた放電管1の試料1~3の端部3Bを槽7A内 液体7中で破壊してバルブ2内に液体7を入れ 端部3Bから液体7が浸入してバルブ2の内部が 液体7で満たされた後に、バルブ2を槽7から取 り出した。その後、ガス6の気泡20が安定する まで3分間放置した。その後、(1)バルブ2の長 方向2Aを水平に維持した状態と、(2)端部3Aを 端部3Bより上方に位置するようにバルブ2の長 手方向2Aを立てて維持して気泡20がバルブ2の 部に位置した状態と、(3)端部3Aを端部3Bより 下方に位置するようにバルブ2の長手方向2Aを 立てて維持して気泡20がバルブ2の下部に位置 する状態とで、図5に示すように気泡20の長さ L2を操作者がノギスで測定した。測定された 泡20の長さと、測定された長さの平均値と 測定された長さの最大値と最小値の差D1と、 式4で算出されたガス6の圧力Pと、算出された 圧力の平均値Pave1を図9に示す。

 図9に示すように、バルブ2の長手方向2Aを 水平に維持した状態(1)で測定した気泡20の長 L2により算出した圧力の平均値Pave1は61.3Torr あり、端部3Aが上方に位置するように長手 向2Aを垂直に維持した状態(2)で測定した長さ L2により算出した圧力の平均値Pave1は65.6Torrで あり、端部3Aが下方に位置するように長手方 2Aを垂直に維持した状態(3)で測定した長さL2 により算出した圧力の平均値Pave1は56.1Torrで った。

 端部3Aが上方に位置する状態では、バル 2の傾きによって気泡20の長さL2が変化する。 また、重力により気泡20の下方に位置する液 7の部分が重力で引かれて、長さL2が大きく る。したがって、測定された長さの最大値 最小値の差D1と、ガス圧設定で設定した圧 と長さL2より算出した圧力Pの誤差がともに きく、ガス6の圧力を高精度に測定できない

 端部3Aが下方に位置する状態では、バル 2内に浸入して留まっている液体7が重力に引 かれて気泡20を押すので、測定された長さの 大値と最小値の差D1は状態(1)から状態(3)の かでは最も小さい。しかし、液体7で気泡20 押されて長さL2が短くなるので、設定した圧 力と長さL2より算出した圧力Pとの誤差が最も 大きい。

 バルブ2の長手方向2Aを水平に維持した状 では、気泡20にかかる液体7の圧力が重力の 響を受けないので、状態(1)から状態(3)のな で最も高精度にガス6の圧力を測定できる。

 (実施例2)
 上記の製造方法により気温25℃で放電管1の 料4~8を作製した。これらの試料のバルブ2の 長手方向2Aの内寸長さは896mmである。ガス6は1 0体積%のアルゴンと90体積%のネオンとを含有 る。ガス封入系12のガス圧設定を40Torrと入 した。バルブ2の内部がよく見えるように、 ルブ2の内周面には蛍光体を塗布しなかった 。得られた放電管1の試料4~8の端部3Bを槽7A内 液体7中で破壊してバルブ2内に液体7を入れ 端部3Bから液体7が浸入してバルブ2の内部が 液体7で満たされた後に、バルブ2を槽7から取 り出した。その後、ガス6の気泡20が安定する まで3分間放置した。その後、(1)バルブ2の長 方向2Aを水平に維持した状態と、(2)端部3Aを 端部3Bより上方に位置するようにバルブ2の長 手方向2Aを垂直に維持して気泡20がバルブ2の 部に位置した状態と、(3)端部3Aを端部3Bより 下方に位置するようにバルブ2の長手方向2Aを 垂直に維持して気泡20がバルブ2の下部に位置 する状態とで、図6に示すように気泡20の長さ L2を操作者が測定器具15で測定した。測定さ た気泡20の長さと、測定された長さの平均値 と、測定された長さの最大値と最小値の差D2 、式4で算出されたガス6の圧力Pと、算出さ た圧力の平均値Pave2と、算出された圧力の 小値と最小値の差D3と、算出された圧力の平 均値Pave2とガス圧設定で設定された圧力との 差E2を図10に示す。

 図10に示すように、バルブ2の長手方向2A 水平に維持した状態(1)で測定した気泡20の長 さの最大値と最小値の差D2は0.5mmであった。 部3Aが上方に位置するように長手方向2Aを垂 に維持した状態(2)で測定した長さの最大値 最小値の差D2は1.1mmであった。端部3Aが下方 位置するように長手方向2Aを垂直に維持し 状態(3)で測定した長さの最大値と最小値の D2は1.3mmであった。このように、バルブ2の長 手方向2Aを水平に維持して測定した気泡20の さの差D2は、状態(1)から状態(3)のうちで最も 小さく、端部3Aが下方に位置するように長手 向2Aを垂直に維持して測定した長さの差D2は 状態(1)から状態(3)のうちで最も大きい。

 実施例2ではバルブ2を固定する治具16A、15 Bを備えた測定器具15によって気泡20の長さを 定する。状態(1)から状態(3)の各状態におい 、実施例2で測定された気泡20の長さの差D2 、実施例1の測定器具13を用いて測定した長 の差D1より小さい。例えば、状態(1)の実施例 1での差D1は2.6mmであったが、状態(1)の実施例2 での差D2は0.42mmに減少し、測定精度が向上し いる。

 バルブ2の長手方向2Aを水平に維持した状 (1)で測定した長さL2により算出した圧力の 均値Pave2は38.47Torrであり、端部3Aが上方に位 するように長手方向2Aを垂直に維持した状 (2)で測定した長さL2により算出した圧力の平 均値Pave2は41.69Torrであり、端部3Aが下方に位 するように長手方向2Aを垂直に維持した状態 (3)で測定した長さL2により算出した圧力の平 値Pave2は36.01Torrであった。ガス圧設定で設 したガス6の圧力と平均値Pave2との誤差E2につ いて、状態(1)から状態(3)のうちで状態(1)での 誤差E2が最も小さい。

 バルブ2を固定する治具16A、16Bを有する測 定器具15では、測定器具15の本尺13Dの長手方 13Eとバルブ2の長手方向2Aとを平行に維持す ことができるので、バルブ2が方向R1に変位 にくい。したがって、測定器具13に比べて、 測定器具15により気泡20の長さL2を高精度に測 定することができ、ガス6の圧力を高精度に 出することができる。

 本発明による測定方法により、放電管の ルブに封入されたガスの圧力を高精度で測 でき、所望の輝度と寿命を有する長い放電 が得られるので、大型液晶テレビジョン等 光源として用いられる冷陰極型、誘電体型 熱陰極型等の放電管を得ることができる。