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Title:
METHOD FOR PROCESSING DIE FOR OPTICAL ELEMENT, MOLDING DIE, AND OPTICAL ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128313
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for machining a die, wherein rotation of a tool is not required, a processing machine which performs linear two-axis operation is used, and both side surfaces of a solid structure of a molding surface of the die can be easily and symmetrically processed without interference of the tool. A processing position is reversed without rotating the direction of a blade edge (23a) of a cutting tool (23), which greatly influences process accuracy. Thus, while eliminating interference between the cutting tool (23) and a work (W), both side surfaces (SS1, SS2) of a solid structure (SA2) can be symmetrically processed by sandwiching an axis parallel to the center axis (RA) of the work (W).

Inventors:
MATSUDA HIROYUKI (JP)
HOSOE SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055048
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
March 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA OPTO INC (JP)
MATSUDA HIROYUKI (JP)
HOSOE SHIGERU (JP)
International Classes:
B29C33/38; B23B5/36; G02B3/00; B29L11/00
Foreign References:
JP2005219187A2005-08-18
JPH1110401A1999-01-19
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Claims:
 成形品の全体的な外形を形成する成形表面と、前記成形表面上に設けられる少なくとも凹部または凸部を有する立体構造と、を備える成形面を加工する光学素子用金型の加工方法であって、
 前記光学素子用金型を前記光学素子用金型の中心軸を軸として回転させると共に、前記中心軸に対して第1の側にバイトを配置して前記光学素子用金型を切削し、前記光学素子用金型の前記立体構造の前記中心軸側及び外周側のうち一方に対応する第1の側面を形成する第1工程と、
 前記光学素子用金型を前記中心軸を軸として回転させると共に、前記中心軸に対して前記第1の側と反対の第2の側に前記バイトを配置して前記光学素子用金型を切削し、前記光学素子用金型の前記立体構造の前記中心軸側及び前記外周側のうち前記第1の側面とは異なる他方に対応する第2の側面を形成する第2工程と、
を備えることを特徴とする光学素子用金型の加工方法。
 前記第1工程と前記第2工程との間において、前記第1の側の位置から前記バイトの刃先を前記中心軸を挟んで前記第2の側における反対方向の所定位置に移動させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記第2工程における前記光学素子用金型の回転方向は、前記第1工程における前記光学素子用金型の回転方向と逆であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記第1工程において、前記バイトの刃先を前記中心側に移動させつつ切削することによって前記中心軸側に前記第1の側面を形成することを特徴とする請求の範囲第1項から第3項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記第1工程において、前記光学素子用金型の前記立体構造を形成すると共に、前記光学素子用金型の前記成形表面の少なくとも一部を切削することを特徴とする請求の範囲第1項から第4項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記第1工程の前に、前記光学素子用金型の前記成形表面を切削することを特徴とする請求の範囲第1項から第4項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記第2工程において、前記バイトの刃先は前記中心軸と反対側に移動させつつ切削することによって前記外周側に前記第2の側面を形成することを特徴とする請求の範囲第1項から第6項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記立体構造は、複数形成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第7項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記立体構造の底面と前記第1の側面とで形成される角度と、前記立体構造の底面と前記第2の側面とで形成される角度とは、略等しいことを特徴とする請求の範囲第1項から第6項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 前記立体構造の前記第1の側面と前記第2の側面とは、前記中心軸に平行な面であることを特徴とする請求の範囲第1項から第9項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法。
 請求の範囲第1項から第10項までのいずれか一項に記載の光学素子用金型の加工方法を用いて作製されたことを特徴とする成形用金型。
 請求の範囲第11項に記載の成形用金型を用いて成形されたことを特徴とする光学素子。
Description:
光学素子用金型の加工方法、成 用金型、及び光学素子

 本発明は、射出成形等に用いられる光学 子用金型の加工方法、成形用金型、及び光 素子に関する。

 射出成形による光学素子の製造方法として 光学素子の回折構造である階段状の輪帯群 対応する輪帯と円錐面とを有する金型構造 用いるものがある。このような金型構造の 工方法として、バイトに回転駆動される金 の軸方向と径方向の動きだけでなく、その 端の加工エッジ部を中心とする金型との相 回動を与えることにより精密な成形面の加 をしているものがある(例えば、特許文献1 照)。

特開平11-10401号公報

 しかしながら、上記のような金型構造で 、バイトの相対回動を伴うため、直線2軸と 回転軸とを備えた3軸旋盤加工機が必要とな 。また、上記のような金型構造に限らず、 等の両側面が金型の回転軸を基準に左右対 (例えば、平行)な構造の凹凸構造を有する金 型構造を剣先バイト等で加工する場合にも、 バイトの刃先を反転させて姿勢を調整する必 要があり、3軸旋盤加工機が必要となる。こ ため、バイトの回転駆動を制御するために 雑な工程が必要となり、加工時間が増加す という問題がある。また、加工に伴う複雑 工程は、光学素子の精度に影響する。特に 光ピックアップ装置用の対物レンズなどの 側開口数NAが0.8以上の高NAのレンズに入射光 に光路差を付与するための光路差付与構造 光学面に設けた構造、すなわち段差構造を するものの成形においては、段差形状を精 よく形成しないとレンズの光学性能に顕著 影響するという問題がある。また、3軸旋盤 加工機は、直線2軸のみに駆動可能な2軸旋盤 工機よりも高価であり、金型の加工にコス がかかるという問題もある。

 そこで、本発明は、工具の回転を不要と 、直線2軸で動作する加工機を用いた加工方 法であって、工具の干渉なく容易に光学素子 用金型の成形面の凹凸形状等の立体構造の両 側面を左右対称に加工することができる光学 素子用金型の加工方法を提供することを目的 とする。

 また、本発明は、上記のような光学素子 金型の加工方法を用いて作製した成形用金 と上記のような成形用金型を用いて成形し 光学素子とを提供することを目的とする。

 本発明に係る光学素子用金型の加工方法 、成形品の全体的な外形を形成する成形表 と、成形表面上に設けられる少なくとも凹 または凸部を有する立体構造と、を備える 形面を加工する光学素子用金型の加工方法 あって、光学素子用金型を光学素子用金型 中心軸を軸として回転させると共に、中心 に対して第1の側にバイトを配置して光学素 子用金型を切削し、光学素子用金型の立体構 造の中心軸側及び外周側のうち一方に対応す る第1の側面を形成する第1工程と、光学素子 金型を中心軸を軸として回転させると共に 中心軸に対して第1の側と反対の第2の側に イトを配置して光学素子用金型を切削し、 学素子用金型の立体構造の中心軸側及び外 側のうち前記第1の側面とは異なる他方に対 する第2の側面を形成する第2工程と、を備 ることを特徴とする。以上において、中心 とは、被加工体(光学素子用金型)を切削加工 する際に被加工体を回転させる回転軸を意味 し、加工品(光学素子用金型)によって形成さ る光学素子の光軸に対応する軸である。

 上記光学素子用金型の加工方法では、加 精度に大きな影響を与えるバイトの刃先の きは回転させずに加工位置を逆転させるこ により、バイトと被加工体(光学素子用金型 )との干渉を避けつつ、立体構造の両側面を 学素子用金型の回転軸と平行な軸を挟んで 右対称に加工することができる。

 本発明の具体的な態様又は観点では、第1 工程と第2工程との間において、第1の側の位 からバイトの刃先を中心軸を挟んで第2の側 における反対方向の所定位置に移動させるこ とを特徴とする。この場合、バイトの刃先を 第2の側に移動させることにより、加工点に する刃先の角度を適切に保った状態で立体 造の一方と他方の側面を形成することがで る。

 本発明の別の態様では、第2工程における 光学素子用金型の回転方向は、第1工程にお る光学素子用金型の回転方向と逆であるこ を特徴とする。この場合、第1工程と第2工程 とにおいて光学素子用金型の回転方向を反転 させることにより、バイトの刃先の向きを反 転させる複雑な工程を経ずに立体構造の両側 面を切削することができる。

 本発明のさらに別の態様では、第1工程に おいて、バイトの刃先を中心側に移動させつ つ切削することによって中心軸側に第1の側 を形成することを特徴とする。この場合、 イトの刃先に倣って光学素子用金型の中心 側に立体構造の第1の側面を形成することが きる。

 本発明のさらに別の態様では、第1工程に おいて、光学素子用金型の立体構造を形成す ると共に、光学素子用金型の成形表面の少な くとも一部を切削することを特徴とする。こ の場合、立体構造の第1の側面と成形表面と 少なくとも一方を連続的に形成することが きる。

 本発明のさらに別の態様では、第1工程の 前に、光学素子用金型の成形表面を切削する ことを特徴とする。この場合、立体構造を形 成する前に成形表面を形成することができる 。

 本発明のさらに別の態様では、第2工程に おいて、バイトの刃先は中心軸と反対側に移 動させつつ切削することによって外周側に第 2の側面を形成することを特徴とする。この 合、バイトの刃先に倣って光学素子用金型 外周側に立体構造の第2の側面を形成するこ ができる。

 本発明のさらに別の態様では、立体構造 、複数形成されることを特徴とする。この 合、光学素子用金型に複数の輪帯構造を形 することができる。

 本発明のさらに別の態様では、立体構造 底面と第1の側面とで形成される角度と、立 体構造の底面と第2の側面とで形成される角 とは、略等しいことを特徴とする。この場 、対称性を有する横断面の輪帯構造を形成 ることができる。

 本発明のさらに別の態様では、立体構造 第1の側面と第2の側面とは、中心軸に平行 面であることを特徴とする。この場合、よ 高精度な輪帯構造を形成することができる

 本発明に係る成形用金型は、上述の光学 子用金型の加工方法を用いて作製されたこ を特徴とする。この場合、上述の金型加工 法を用いて作製されることにより、輪帯構 を有する精度の高い金型とすることができ 。

 本発明に係る光学素子は、上述の射出成 用金型を用いて成形されたことを特徴とす 。この場合、上述の射出成形用金型を用い 成形されることにより、輪帯構造を有する 度の高い光学素子となる。これにより、光 素子の回折効率を良くすることができる。

第1実施形態の加工装置を説明するブロ ック図である。 (A)~(C)は、図1に示す加工装置を用いた ークの加工を説明する拡大断面図である。 (A)、(B)は、図1に示す加工装置を用いた ワークの加工を説明する拡大断面図である。 (A)、(B)は、図1に示す加工装置を用いて 作製した成形用金型の側方断面図である。 図4の成形用金型によって形成されたレ ンズの側方断面図である。 図1に示すワークの加工工程を説明する フローチャートである。 図6に示す加工工程の変形例を説明する フローチャートである。 (A)、(B)は、第2実施形態のワークの加工 の変形例を説明する図である。 (A)、(B)は、図2及び図3に示すワークの 工の変形例を説明する図である。 (A)、(B)は、図2及び図3に示すワークの 工の別の変形例を説明する図である。 (A)、(B)は、図8に示すワークの加工の 形例を説明する図である。

符号の説明

 2A…第1金型
 2B…第2金型
 3a,3b…成形面
 10…加工装置
 20…切削ユニット
 21…ツール部
 23a…刃先
 23…切削工具
 30…NC駆動機構
 31…台座
 32,33…ステージ
 35,36…可動部
 37…チャック
 40…駆動制御装置
 A1…第1の側
 A2…第2の側
 AR1…外周部
 AR2,AR3…中間部
 AR4…中央部
 BO…底部
 BO1,BO3…内側部分
 BO2…外側部分
 E1…エッジ
 G1,G2,G3…環状溝
 G4,G5,G6…環状段差
 G7…環状凸部
 L…レンズ
 RA…中心軸
 SA…成形面
 SA1…成形表面
 SA2,SA3…立体構造
 SL…表層
 SS1,SS2,SS3,SS4,SS5,SS6,SS7,SS8…側面
 TO…上側部分
 W…ワーク

 〔第1実施形態〕
 以下、本発明の第1実施形態に係る加工装置 を図面を用いて説明する。図1は、レンズ等 光学素子を成形するための光学素子用金型 転写光学面(成形面)を加工する加工装置の構 造を概念的に説明するブロック図である。

 図1に示すように、加工装置10は、被加工 であるワークWを切削加工するための切削ユ ニット20と、切削ユニット20をワークWに対し 支持するNC駆動機構30と、NC駆動機構30の動 を制御する駆動制御装置40とを備える。

 切削ユニット20は、Z軸方向に延びるツー 部21先端に切削工具23を固定した切削工具で ある。切削工具23は、剣先状の外形を有する イトであり、その先端は、例えばダイヤモ ドチップの切刃になっている。切削工具23 、後述する第2ステージ33による切削ユニッ 20の移動に伴い、例えばX軸方向に沿って変 する。

 NC駆動機構30は、台座31上に第1ステージ32 第2ステージ33とを載置した構造の駆動装置 ある。ここで、第1ステージ32は、第1可動部 35を支持しており、この第1可動部35は、チャ ク37を介してワークWを間接的に支持してい 。この第1ステージ32は、ワークWを、例えば Z軸方向に沿った所望の位置に所望の速度で 動させることができる。また、第1可動部35 、ワークWをZ軸に平行な中心軸RAのまわりに 望の速度で回転させることができる。一方 第2ステージ33は、第2可動部36を支持してお 、この第2可動部36は、切削ユニット20を支 している。第2ステージ33は、第2可動部36及 切削ユニット20を支持して、これらを例えば X軸方向に沿った所望の位置に所望の速度で 動させることができる。

 なお、以上のNC駆動機構30において、第1 テージ32と第1可動部35とは、ワークWを駆動 る被加工体駆動部を構成し、第2ステージ33 第2可動部36とは、切削ユニット20を駆動する 工具駆動部を構成する。

 駆動制御装置40は、高精度の数値制御を 能にするものであり、NC駆動機構30に内蔵さ たモータや位置センサ等を駆動制御装置40 制御下で駆動することによって、第1及び第2 ステージ32,33や、第1及び第2可動部35,36を目的 とする状態に適宜動作させる。例えば、第1 び第2ステージ32,33によって、切削ユニット20 のツール部21先端に設けた切削工具23先端の 工点を低速でXZ面に平行な面内に設定した所 定の軌跡に沿ってワークWに対して相対的に 動(送り動作)させつつ、第1可動部35によって 、ワークWを中心軸RAのまわりに高速で回転さ せることができる。

 以下、図1に示す加工装置10を用いたワー Wの加工について説明する。ここで、説明の 便宜上、ワークWを加工する切削工具23の位置 は、中心軸RAを含むYZ平面を境にして-X側を第 1の側A1と呼び、+X側を第2の側A2と呼ぶことに る。図2は、第1の側A1において切削加工をす る第1工程を主に説明する図であり、図3は、 2の側A2において切削加工をする第2工程を説 明する図である。なお、図2及び図3は、図1の 加工装置10をI方向から見たものである。

 切削工具23の先端部は、図1のNC駆動機構30 によって、被加工体であるワークWに対し、 えばXZ面内で所定の軌跡を描いて徐々に相対 的に移動する。つまり、切削工具23の送り動 が行われる。また、被加工体であるワークW は、図1のNC駆動機構30によって、Z軸に平行な 中心軸RAのまわりに一定速度で回転する(図1 照)。これにより、ワークWの旋削加工が可能 になり、ワークWに対し中心軸RAのまわりに回 転対称な例えば成形面SA(例えば、凹凸の球面 、非球面等の曲面のほか、位相素子面、段差 面等の立体形状)を形成した光学素子用金型 得ることができる。

 加工後のワークWは、光学素子を射出成形 するための成形金型を構成する部品(光学素 用金型)である。ワークWに形成される最終的 な成形面SAは、光学素子の光学面用の転写面 あり、図2(A)の点線や図3(B)の実線で示すよ に、全体的な外形を形成する曲面状の成形 面SA1と、成形表面SA1上に設けられる輪帯状 立体構造SA2とを備える。この実施形態では 成形表面SA1として、凹の球面又は非球面が 成され、立体構造SA2として、矩形横断面を する複数の環状溝G1,G2,G3が形成される。

 まず、図2(A)に示すように、ワークWを中 軸RAのまわりに回転させながら切削工具23をX Z面内で相対的に移動させることにより、切 工具23の刃先23aでワークWの表面を旋削加工 る前加工を行う。この前加工によって、成 表面SA1上の薄い表層SLを残して凹面を形成す ることができる。なお、切削工具23の+X側の ッジE1は、この前工程及び後述する本工程に おいて、中心軸RAに平行に保持される。

 以下、本加工方法について説明する。本 工方法では、まず第1工程で成形表面SA1と、 複数の環状溝G1,G2,G3のうち中心軸RA側に対応 る第1の側面SS1とを旋削によって形成し、第2 工程で複数の環状溝G1,G2,G3のうち外周側に対 する第2の側面SS2を旋削によって形成する。

 具体的には、第1工程において、図2(B)及 2(C)に示すように、切削工具23を、第1の側A1 おいて中心軸RAに関して-X方向の最大位置、 なわち-Xスタート位置に配置し、-Z方向に向 いてワークWを時計方向に回転させた状態と る。この状態で、切削工具23の刃先23aをワー クWに対して相対的に移動させることにより 成形表面SA1を外周側から形成しつつ、複数 環状溝G1,G2,G3のうち中心軸RA側の第1の側面SS1 と底部BOの一部とを順次形成する。つまり、 形表面SA1の外周部AR1を加工し、外側の環状 G1の第1の側面SS1と、底部BOの内側部分BO1と 加工する。次に、成形表面SA1の中間部AR2を 工し、中間の環状溝G2の第1の側面SS1と、底 BOの内側部分BO1とを加工する。次に、成形表 面SA1の中間部AR3を加工し、内側の環状溝G3の 1の側面SS1と、底部BOの内側部分BO1とを加工 る。最後に、成形表面SA1の中央部AR4を加工 、切削工具23の刃先23aをワークWから後退さ ることにより、第1工程を完了する。

 次に、切削工具23を、第2の側A2において 心軸RAに関して+X方向の中間位置、すなわち+ Xスタート位置に移動させる。本実施形態の 合、切削工具23を内側の環状溝G3の正面に配 し、ワークWの回転を反転させ、-Z方向に向 てワークWを反時計方向に回転させた状態と する。

 次に、第2工程において、図3(A)及び3(B)に すように、切削工具23の刃先23aをワークWに して相対的に移動させることにより、複数 環状溝G1,G2,G3のうち外周側の第2の側面SS2と 部BOの残りとを順次形成する。つまり、内 の環状溝G3の第2の側面SS2と、底部BOの外側部 分BO2とを加工する。次に、中間の環状溝G2の 2の側面SS2と、底部BOの外側部分BO2とを加工 る。最後に、外側の環状溝G1の第2の側面SS2 、底部BOの外側部分BO2とを加工し、切削工 23の刃先23aをワークWから後退させることに り、第2工程を完了する。

 以上の工程により、ワークWの表面上に、 光学素子成形用の成形面SAとして、凹曲面の 形表面SA1と輪帯状の立体構造SA2とが一組の 状として形成される。

 なお、立体構造SA2のうち1つの環状溝G1に 目すると、第1工程において、第1の側A1の適 所に切削工具23を配置してワークWを切削し、 環状溝G1の中心軸RA側に対応する第1の側面SS1 び内側部分BO1を形成している。その後、切 工具23を第1の側A1の環状溝G1に相当する位置 から第2の側A2の環状溝G1に相当する位置、す わち反対方向の位置に移動させる。この際 中心軸RAを挟んで切削工具23を正反対の位置 に移動させるのではなく溝幅以下の適当な間 隔だけ移動量を増加させて、切削部分がオー バーラップするようにする。最後に、第2工 において、第2の側A2に移動した切削工具23を 適所に配置してワークWを切削し、環状溝G1の 外周側に対応する第2の側面SS2及び外側部分BO 2を形成している。このようにして形成され 環状溝G1の側面SS1,SS2は、互いに平行で、と に中心軸RAに沿って延びている。なお、以上 は、環状溝G1に着目した加工及び形状の説明 あったが、他の環状溝G2,G3も環状溝G1と同様 に加工され同様の形状となる。

 以下、本実施形態に係る成形金型につい 説明する。図4は、第1実施形態の切削ユニ ト20を用いて作製した成形金型(光学素子用 型金型)を説明する図である。図4(A)は、固定 型、すなわち第1金型2Aの側方断面図であり、 図4(B)は、可動型、すなわち第2金型2Bの側方 面図である。両金型2A,2Bの成形面3a,3bは、図1 に示す加工装置10によって仕上げ加工された のである。つまり、両金型2A,2Bの母材をワ クWとしてチャック37に固定し、駆動制御装 40を適宜動作させて、切削ユニット20のツー 部21先端をワークWに対して3次元的に任意に 移動させる。これにより、第1金型2A,第2金型2 Bの成形面3a,3bを、球面や非球面に限らず、段 差面、位相構造面、回折構造面とすることが できる。

 図5は、図4(A)の第1金型2Aと、図4(B)の第2金 型2Bとを用いてプレス成形したレンズLの断面 図である。このレンズL光は、例えば光ピッ アップ装置用の対物レンズとして機能する 図示していないが、第1金型2A,第2金型2Bの成 面3a,3bが段差面、位相構造面、回折構造面 の立体構造を有する場合、レンズLの成形光 面も、段差面、位相構造面、回折構造面等 立体構造を有するものとなる。さらに、レ ズLの材料は、プラスチックに限らず、ガラ ス等とすることができる。なお、上記のレン ズLの具体的適用例は、像側開口数NAが0.8以上 の高NAの光ピックアップ装置用の対物レンズ( 例えばBDとDVD又はCDとの互換型対物レンズ等) あり、レンズ本体の光学面上の適所に立体 造として入射光束に光路差を付与する光路 付与構造等を設けたものとなっている。

 図6は、図4の第2金型2Bを構成する図1のワ クWの加工工程を説明するフローチャートで ある。なお、本フローチャートでは、簡便の ため図2(A)に示す前加工を省略している。

 -X最大スタート位置に切削工具23の刃先23a を移動する(ステップS11)。次に、これからの 工部分が成形表面SA1に対応する曲面か、立 構造SA2を構成する各環状溝G1,G2,G3に対応す 立体形状かを選択する(ステップS12)。曲面を 切削する場合、第1の側A1に対応する第1対象 工領域において、中心軸RAに向けて刃先23aを +X方向に徐々に移動させつつZ方向に適宜前進 させることにより、凹曲面を切削する(ステ プS13)。これにより、例えば成形表面SA1のう 外周部AR1を形成することができる。一方、 体形状を切削する場合、同じ第1対象加工領 域において、刃先23aを+X方向に適宜移動させ つZ方向に必要量進退させることにより、凹 部の中心軸RA側を切削する(ステップS14)。こ により、例えば外側の環状溝G1のうち中心軸 RA側の第1の側面SS1や内側部分BO1を形成するこ とができる。曲面または立体形状を切削後( テップS13,S14)、刃先23aが中心軸RAに到達して れば、次の加工領域はないと判断し(ステッ プS15)、+Xスタート位置に刃先23aを移動する( テップS16)。一方、刃先23aがまだ中心軸RAに 達していない場合にはステップS12に戻る。 お、ステップS12に戻った場合、上記ステッ S12~S15の動作が繰り返され、例えば成形表面S A1のうち中間部AR2,AR3等を形成することができ (ステップS13)、或いは、中間の環状溝G2等の ち中心軸RA側の第1の側面SS1や内側部分BO1を 成することができる(ステップS14)。

 刃先23aが中心軸RAに到達していると判断 れた場合、刃先23aを-Z方向に一旦後退させた 後、刃先23aを+Xスタート位置に移動させる(ス テップS16)。この際、ワークWの回転を逆転さ る。その後、第2の側A2に対応する第2対称加 工領域において、外周に向けて刃先23aを+X方 に適宜移動させつつZ方向に必要量進退させ ることにより、凹部の外周側を切削する(ス ップS17)。これにより、例えば内側の環状溝G 3のうち外周側の第2の側面SS2や外側部分BO2を 成することができる。環状溝G3の加工終了 は、次の加工領域がないか判断する(ステッ S18)。加工領域が残ってなければ加工を終了 する。一方、加工領域が残っていれば、ステ ップS17に戻る。なお、ステップS17に戻った場 合、ステップS17,S18の動作が繰り返され、例 ば中間の環状溝G2等のうち外周側の第2の側 SS2や外側部分BO2を形成することができる(ス ップS17)。

 図7は、図6に示す加工工程の変形例を説 するフローチャートである。この場合、成 表面SA1を予め一括して行うこととしている まず、-X最大スタート位置に切削工具23の刃 23aを移動し(ステップS11)、第1の側A1に対応 る第1対象加工領域において、中心軸RAに向 て刃先23aを+X方向に徐々に移動させつつZ方 に適宜前進させることにより、凹曲面を切 する(ステップS23)。これにより、成形表面SA1 を形成することができる。次に、第1の側A1に 対応する第1対象加工領域において、刃先23a +X方向に適宜移動させつつZ方向に必要量進 させることにより、凹部の中心軸RA側を切削 する(ステップS24)。これにより、例えば外側 環状溝G1のうち中心軸RA側の第1の側面SS1や 側部分BO1を形成することができる。その後 刃先23aが中心軸RAに最も近い凹凸最内周に到 達していれば、次の加工領域はないと判断し (ステップS25)、+Xスタート位置に刃先23aを移 する(ステップS16)。一方、刃先23aがまだ凹凸 最内周に到達していない場合にはステップS24 に戻る。なお、ステップS24に戻った場合、ス テップS24の動作が繰り返され、例えば中間の 環状溝G2等のうち中心軸RA側の第1の側面SS1や 側部分BO1を形成することができる(ステップ S24)。

 以上の説明により、本実施形態における 型の加工方法では、加工精度に大きな影響 与える切削工具23の刃先23aの向きを回転さ ずに加工位置を逆転させることにより、切 工具23とワークWの干渉なく立体構造SA2の両 面SS1,SS2を金型の中心軸RAを基準に左右対称 加工することができる。

 また、切削工具23の刃先23aを第2の側A2に 動させることにより、加工点に対する刃先23 aの角度を適切に保った状態で立体構造SA2の 1及び第2の側面SS1,SS2を形成することができ 。また、第1工程と第2工程とにおいてワーク Wの回転方向を反転させることにより、切削 具23の刃先23aの向きを反転させる複雑な工程 を経ずに立体構造SA2の両側面SS1,SS2を切削す ことができる。この場合、切削工具23の刃先 23aに倣ってワークWの中心軸RA側に立体構造SA2 の第1の側面SS1を形成することができる。ま 、切削工具23の刃先23aに倣ってワークWの外 側に立体構造SA2の第2の側面SS2を形成するこ ができる。

 以上のような金型加工方法を用いて作製 れた輪帯構造を有する精度の高い金型とす ことができる。この第2金型2Bと第1金型2Aを いて成形されることにより、輪帯構造を有 る精度の高い光学素子、すなわちレンズLと なる。これにより、レンズLの回折効率を良 することができる。

 〔第2実施形態〕
 以下、第2実施形態に係るワークWの加工方 について説明する。なお、第2実施形態に係 ワークWの加工方法は、第1実施形態を変形 たものであり、特に説明しない部分につい は、第1実施形態と同様であるものとする。

 図8は、第2実施形態のワークWに形成され 立体構造SA3の拡大断面図である。

 第2実施形態においてワークWに形成され 最終的な成形面は、曲面上の成形表面SA1と 形表面SA1上に設けられる階段状の立体構造SA 3とを備える。立体構造SA3は、環状段差G4,G5,G6 を有する。この立体構造SA3は、第1工程にお て、成形表面SA1を外周側から形成しつつ、 1の側A1の環状段差G6の適所に切削工具23を配 してワークWを切削し、環状段差G6の中心軸R A側に対応する第1の側面SS3及び環状段差G6の 側部分BO3を形成している。その後、切削工 23を第1の側A1の環状段差G6に相当する位置か 第2の側A2の環状段差G6に相当する位置、す わち反対方向の位置に移動させる。この際 中心軸RAを挟んで切削工具23を正反対に移動 せるのではなく、移動量を増加させて切削 分がオーバーラップするようにする。最後 、第2工程において、第2の側A2に移動した切 削工具23を各環状段差G6,G5,G4の適所に順に配 してワークWを切削し、各環状段差G4,G5,G6の 周側に対応する第2の側面SS4,SS5,SS6及び底部BO を形成している。このようにして形成された 環状段差G4,G5,G6の側面SS3,SS4,SS5,SS6は、互いに 行で、ともに中心軸RAに沿って延びている

 以上、実施形態に即して本発明を説明し が、本発明は、上記実施形態に限定される のではない。例えば、立体構造SA2等の幅、 さ、数は実施形態で説明したものに限らず 用途に応じて自由に設計することができる

 また、上記実施形態において、ワークWは 第1の側A1及び第2の側A2のどちらから加工して もよい。なお、第1の側A1の加工と第2の側A2の 加工とをつなぐ位置は、切削工具23の稜線が 渉しない位置であればよい。

 また、上記実施形態では、第2可動部36及 切削ユニット20をX軸方向に沿って移動させ いたが、第2ステージ33にY軸方向の移動機能 を持たせて直線3軸の加工装置とし、切削ユ ット20等をY軸方向に沿って移動させてもよ 。つまり、切削工具23をYZ面内で相対的に移 させることにより、ワークWの表面を図2、3 示す工程と同様の工程で、同様の形状に旋 加工することができる。

 また、上記実施形態では、立体構造SA2を 状の環状溝G1,G2,G3としたが、図9に示すよう 、凸状の環状凸部G7にしてもよい。この場 、例えば第1の側A1で環状凸部G7の外周側に対 応する第2の側面SS7及び上側部分TOを形成し、 第2の側A2で環状凸部G7の中心軸RA側に対応す 第1の側面SS8を形成する。なお、ワークWに形 成する立体構造は、例えば図2に環状溝G1とし て例示される凹部と、例えば図9に環状凸部G7 として例示される凸部とを組み合わせた複合 型の凹凸形状とすることもできる。

 また、上記実施形態では、環状溝G1,G2,G3 切削は、第1の側A1から行ったが、図10に示す ように、第2の側A2から行ってもよい。

 また、上記実施形態では、環状段差G4,G5,G 6の切削は、第1の側A1から行ったが、図11に示 すように、切削工具23の刃先23aを図8の刃先23a と逆向きにして、第2の側A2から行ってもよい 。

 さらに、第1実施形態では、第2工程で切 工具23の刃先23aを外周側に移動させているが 、逆に、切削工具23の刃先23aを中心軸RA側に 動させることもできる。この場合、環状溝G1 ,G2,G3の順に加工が完了する。