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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING 2-NITROIMIDAZOLE DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090731
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a 2-nitroimidazole derivative having an acyclic sugar chain in a side chain which is suitable for production of a derivative having a radioisotope. Specifically disclosed is a method for producing 1-(1- benzoyloxymethyl-2-hydroxyethyl)oxymethyl-2-nitroimidazole, which is characterized in that 1-O-benzoylglycerin is obtained by reacting glycerin with a benzoylating agent, then 4-benzoyloxymethyl-1,3-dioxolane is obtained by reacting 1-O-benzoylglycerin with dimethoxymethane in the presence of a dehydrating agent, and then 4-benzoyloxymethyl-1,3-dioxolane is reacted with 2-nitroimidazole or 2-nitro-1-trialkylsilylimidazole in the presence of a Lewis acid.

Inventors:
NISHIO AZUMA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000038
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
POLA PHARMA INC (JP)
NISHIO AZUMA (JP)
International Classes:
C07D233/91; A61K51/00; C07D317/24
Foreign References:
JPH01110675A1989-04-27
JP2003509413A2003-03-11
JPH06279415A1994-10-04
JPH03223258A1991-10-02
JPH01110675A1989-04-27
JP2003509413A2003-03-11
JP2005538030A2005-12-15
JPH0248549A1990-02-19
JPH06228123A1994-08-16
Other References:
WADA H. ET AL.: "J. Labelled Cpd", RADIOPHARM., vol. 43, no. 8, 2000, pages 785 - 793, XP002167863
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (3-6 Nihonbashiningyocho 1-chom, Chuo-ku Tokyo 13, JP)
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Claims:
 グリセリンにベンゾイル化剤を反応させて1-O-ベイゾイルグリセリンを得、1-O-ベンゾイルグリセリンに脱水剤の存在下にジメトキシメタンを反応させて4-ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオキソランを得、次いでこれに、ルイス酸存在下に2-ニトロイミダゾール又は2-ニトロ-1-トリアルキルシリルイミダゾールを反応させることを特徴とする1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾールの製造法。
 ベンゾイル化剤が、ベンゾイルハライドである請求項1記載の製造法。
 脱水剤が、5酸化リンである請求項1記載の製造法。
 請求項1~3のいずれか1項記載の方法により得られた1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾールを、置換スルホニル化、フッ素化、次いで脱ベンゾイル化することを特徴とする1-(1-ヒドロキシメチル-2-フルオロ)エトキシメチル-2-ニトロイミダゾールの製造法。
 フッ素原子が、 18 Fである請求項4記載の製造法。
Description:
2-ニトロイミダゾール誘導体の 造法

 本発明は、非環状糖鎖構造を有する2-ニ ロイミダゾール誘導体の製造方法に関し、 に詳細には、1-(1-ヒドロキシメチル-2-フルオ ロ)エトキシメチル-2-ニトロイミダゾールの 造方法に関する。

 2-ニトロイミダゾールを母核とする化合 は、低酸素性の癌細胞への配向性が高く、 つ、ニトロ基の電子親和性の高さから、低 素性の癌細胞を再酸素化する作用に優れ、 の様な特質を利用して、癌放射線療法にお る低酸素性の放射線抵抗性を有する癌の放 線療法への検討が重ねられてきた。特に、2- ニトロイミダゾールの側鎖が非環状糖鎖構造 である場合には、代謝排泄されやすく、放射 線照射を行うべき必要なときには癌細胞内に 存在し、放射線治療の終了後には速やかに体 外に排泄される特質を有し、有用性が高いこ とが知られている(例えば、特許文献1~3を参 )。しかしながら、非環状糖鎖構造を導入す ことは、反応性を有する水酸基を多数導入 ることにつながり、かかる水酸基の保護と 保護の工程を多数踏まなければならず、製 に時間を要するデメリットも同時に備える とになっていた。

 その後、2-ニトロイミダゾール誘導体の特 として、癌に限らず、低酸素性の部位に配 しやすい性質を有することもわかり、側鎖 放射性同位元素の 18 Fなどを導入し、陽電子放射断層法(PET)を利用 して体内における該誘導体の存在位置を可視 化することにより、低酸素部位のイメージン グ剤としての利用も見出されている(例えば 特許文献4、5を参照)。しかしながら、この な放射性同位体を導入する場合、前記の非 状糖鎖構造を側鎖に持つと、水酸基の保護 び脱保護の作業を繰り返さなければならず この様な作業時間の間に化合物が分解する とも少なくなかったし、最終的な収率も低 ならざるを得なかった。 18 Fの希少価値からすれば、この様な状況は大 な損失と言わざるを得ない。

 他方、非環状糖鎖導入に関しては、製造上 困難性からも改善努力が為されている(例え ば、特許文献6、7を参照)が、この様な放射性 同位体を有する誘導体の製造に適した製造法 はまだ見出されていない。

特開平06-279415号公報

特開平03-223258号公報

特開平01-110675号公報

特表2003-509413号公報

特表2005-538030号公報

特開平02-48549号公報

特開平06-228123号公報

 本発明はこの様な状況下為されたもので り、放射性同位体を有する誘導体の製造に した、非環状糖鎖を側鎖に有する2-ニトロ ミダゾール誘導体の製造法を提供すること 課題とする。

 この様な状況に鑑みて、本発明者らは放 性同位体を有する誘導体の製造に適した、 環状糖鎖を側鎖に有する2-ニトロイミダゾ ル誘導体の製造法を求め、鋭意研究努力を ねた結果、グリセリンを原料とし、その1位 みを選択的にベンゾイル化した後、これを4 -ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオキソランに 変換するステップを採用すれば、少ない工程 数で1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロキ エチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾール が得られ、当該化合物から容易に1-(1-ヒドロ シメチル-2-フルオロ)エトキシメチル-2-ニト ロイミダゾールが製造できることを見出した 。この結果、イメージング剤製造における閾 値的な時間をクリアーし、歩留まりを著しく 向上せしめることができることを見出し発明 を完成させるに至った。

 すなわち、本発明は、グリセリンにベン イル化剤を反応させて1-O-ベンゾイルグリセ リンを得、1-O-ベンゾイルグリセリンに脱水 の存在下にジメトキシメタンを反応させて4- ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオキソランを 、次いでこれに、ルイス酸存在下に2-ニト イミダゾール又は2-ニトロ-1-トリアルキルシ リルイミダゾールを反応させることを特徴と する1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロキ エチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾール の製造法を提供するものである。

 また、本発明は、上記の方法により得ら た、1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロ シエチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾー を、置換スルホニル化、フッ素化、次いで ベンゾイル化することを特徴とする1-(1-ヒ ロキシメチル-2-フルオロ)エトキシメチル-2- トロイミダゾールの製造法を提供するもの ある。

 本発明は、陽電子放射断層法(PET)における メージング剤などに有用な1-(1-ヒドロキシメ チル-2-フルオロ)エトキシメチル-2-ニトロイ ダゾールの製造方法であって、グリセリン モノベンゾイルエステルに誘導し、しかる に、1,3-ジオキソラン誘導体に誘導し、ルイ 酸存在下2-ニトロイミダゾールと開環重合 しめ、1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒドロ キシエチル)オキシメチル-2-ニトロイミダゾ ルへ誘導する工程を有することを特徴とす 。即ち、1-(1-ヒドロキシメチル-2-フルオロ) トキシメチル-2-ニトロイミダゾールの製造 程における、重要中間体である1-(1-ベンゾイ ルオキシメチル-2-ヒドロキシエチル)オキシ チル-2-ニトロイミダゾールをできるだけ少 い工程で、ジヒドロキシ体或いはジベンゾ ル体などの関連物質の含有量を低く抑えて 造する手段であることを特徴とする。この 間体の水酸基の位置をフッ素原子に置き換 ることにより、目的化合物である1-(1-ヒドロ キシメチル-2-フルオロ)エトキシメチル-2-ニ ロイミダゾールが得られるが、前記の関連 質の含有量が多いとフッ素の導入割合が影 を受ける。これによりイメージング剤とし の定量性に影響を与えることになるので、 記中間体である1-(1-ベンゾイルオキシメチル -2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロ ミダゾールの製造純度を向上せしめること 重要な品質維持の要因となる。
 従って、本発明によれば、放射性同位体を するニトロイミダゾール誘導体を、短時間 つ高収率で製造することができる。

 本発明方法を反応式で示せば、次のとお である。

(式中、Bzはベンゾイル基を示し、R 1 は水素原子又はトリアルキルシリル基を示し 、R 2 はアルキル基又はアルキルフェニル基等の置 換基を示す)

 本発明を反応工程毎に説明する。

(工程A)
 工程Aは、グリセリン(1)にベンゾイル化剤を 反応させて1-O-ベンゾイルグリセリン(2)を得 工程である。

 ベンゾイル化剤としては、ベンゾイルハ イド、安息香酸(酸触媒又は塩基触媒存在下 )等が挙げられ、このうち、1位のみをアシル できる点でベンゾイルハライドが特に好ま い。またベンゾイルハライドのハロゲン原 としては塩素原子、臭素原子が挙げられる 、塩素原子が好ましい。ベンゾイル化剤と て特に好ましいのは、ベンゾイルクロリド ある。

 工程Aのベンゾイル化反応としては、アル カリ存在下、氷冷から60℃程度の温度に制御 て、攪拌を加えながらグリセリンにベンゾ ル化剤を徐々に加えることが好ましく例示 きる。グリセリンとベンゾイル化剤のモル は、グリセリン大過剰であることが好まし 、5:1~1:1が好ましく、3:1~3:2がより好ましい この様な緩和で且つグリセリンが過剰の条 を採用することにより、ベンゾイル基は優 的にα位に導入され、1-O-ベンゾイルグリセ ンが高収率で生成するので好ましい。溶媒 しては、例えば、塩化メチレンやクロロホ ムなどが好ましく、少なくともグリセリン 10倍量用いることが好ましい。共存するアル カリとしては、例えば、ピリジンやトリエチ ルアミンなどの有機アミンや、炭酸カリウム などの炭酸塩等が好適に例示でき、ベンゾイ ル化剤に対して、等量乃至は2倍量を用いる とが好ましい。

 斯くして得られた1-O-ベンゾイルアシルグ リセリンは、適宜、カラムクロマトグラフィ ーや精密蒸留を行い、精製した後に工程Bに すのが好ましい。

 工程Bは、1-O-ベンゾイルグリセリン(2)に 水剤の存在下にジメトキシメタンを反応さ て、4-ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオキソ ン(3)を得る工程である。

 工程Bに用いる脱水剤としては、5酸化リ 、p-トルエンスルホン酸、オキシ塩化リン等 が挙げられるが、5酸化リンが特に好ましい ジメトキシメタンは大過剰、例えば1-O-ベン イルグリセリン(2)に対し、10倍モル以上用 るのが好ましい。

 工程Bの反応は、水冷下乃至は室温で行う ことが好ましい。反応時間は少なくとも3時 以上、好ましくは12~48時間に設定するのが好 ましい。得られる4-ベンゾイルオキシメチル- 1,3-ジオキソランは、減圧蒸留乃至はカラム ロマトグラフィーで容易に精製することが きる。

 工程Cは、4-ベンゾイルオキシメチル-1,3- オキソラン(3)に、ハイス酸の存在下に2-ニト ロイミダゾール又は2-ニトロ-1-トリアルキル リルイミダゾール(4)を反応させて、1-(1-ベ ゾイルオキシメチル-2-ヒドロキシエチル)オ シメチル-2-ニトロイミダゾール(5)を得る工 である。

 工程に用いる2-ニトロイミダゾール誘導体(4 )のうち、2-ニトロ-1-トリアルキルシリルイミ ダゾールが特に好ましい。ここでトリアルキ ルシリル基としては、トリメチルシリル基、 トリエチルシリル基等のトリ(C 1-4 アルキル)シリル基が好ましい。当該2-ニトロ -1-トリアルキルシリルイミダゾールは、ビス トリアルキルシリルアセタミドやヘキサアル キルシラザンなどを2-ニトロイミダゾールと 応させることにより得られる。

 工程Bに用いるルイス酸としては、塩化第 二スズ、三フッ化ホウ素・エーテル錯体、塩 化アルミニウム等が好適である。

 1,3-ジオキソラン誘導体(3)と2-ニトロイミ ゾール誘導体(4)との量比は1:1~5:1が好ましい 。又、ルイス酸の使用量は2-ニトロイミダゾ ル(4)と当量前後であることが好ましい。か る反応に於いては溶媒を使用することもで 、該溶媒としては、例えば、ジメチルホル アミド(DMFと称することもある)、ジメチル ルホキシド(DMSOと称することもある)等が好 に例示できる。前記ルイス酸の添加は徐々 行うことが好ましく、塩化第二スズや三フ 化ホウ素エーテル錯体などの液状のルイス の場合には滴下して加えることが好ましい かかる反応は室温乃至80℃程度の温度条件で 行うことができる。

 以上の本発明の合成経路と従来法との比 のために、従来の合成方法のスキーム以下 示す。従来法に於いては、最終的な保護基 ベンゾイル基に代えてアセチル基を用いて る。

(式中、Bzはベンゾイル基を、Acはアセチル を示す)

 従来の製造方法と本発明の製造方法におけ 大きな差異は、反応工程数、特に2-ニトロ ミダゾール骨格導入後の工程数であり、1-(1- ベンゾイル(乃至はアセチル)オキシメチル-2- ドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロイミ ダゾールの製造純度の維持が要求されること から、2-ニトロイミダゾール骨格導入後は各 テップごとに精製工程を必要とするので、 製工程数も増える。これは収量の低下を招 。
 第二の差異は、2-ニトロイミダゾール骨格 導入に際して、本発明はジオキソラン開環 応による縮合であるのに対し、先行技術で 脱酢酸反応であり、この反応では離脱した 酸が触媒となり、生成した1-(1,3-ビスベンゾ ルオキシプロパン-2-イル)オキシ-2-ニトロイ ミダゾールが分解し、2-ニトロイミダゾール ホルマリン及び1,3-ジベンゾイルグリセリン が生成する反応が並行して起こり、目的物の 収量が低下する。更にこの様な反応副生成物 の除去工程がより困難なものになる。
 更に第三の差異としては、最終的な保護基 本発明ではベンゾイル基であり、従来技術 はアセチル基であることである。ジヒドキ 体より、モノアセチル体へ誘導する反応に いては、ジアセチル体、未反応体が同程度 現し、収量が減じるとともに、精製を重ね もモノアセチル体、ジアセチル体、ジヒド キシ体の分離度が低く、類縁体として残存 てしまいやすい欠点も存する。この様な残 は放射化度の低減につながるし、再精製な を要する場合も存する。

 工程Dは、1-(1-ベンゾイルオキシメチル-2-ヒ ロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロイミダ ゾール(5)に置換スルホニル化する工程である 。置換スルホニル化に用いる置換スルホニル 化剤としては、メタンスルホニルハライド等 のアルキルスルホニルハライド、p-トルエン ルホニルハライド等のアルキルベンゼンス ホニルハライド等が挙げられる。従って、 の工程Dで得られる化合物(6)中のR 2 としては、メタンスルホニル基(メシル基)等 C 1-4 アルキルスルホニル基、p-トルエンスルホニ 基等のC 1-4 アルキルベンゼンスルホニル基が挙げられる 。

 置換スルホニル化は、常法に従って行え よく、例えばトリエチルアミン等の塩基存 下、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメ ルホルムアミド、又はピリジン等の有機溶 中、化合物(5)1モルに対して2~3モルの置換ス ルホニルハライド(例えば、塩化トシル等)を い、0~100℃で1~5時間反応させることにより うことができる。

 工程Eは、化合物(6)をフッ素化する工程で ある。

 フッ素化反応は、不活性溶媒中、クラウ エーテル等を触媒として、(例えば、フッ化 ナトリウム、フッ化カリウム若しくはフッ化 セシウム等の)アルカリ金属フルオライド、 は(例えばテトラブチルアンモニウムフルオ イド等の)テトラアンモニウムフルオライド 等のフッ素化剤を用いることにより行うこと ができる。不活性溶媒としてはハロゲン系溶 媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、極性 溶媒、又はこれらの混合溶媒が好ましい。フ ッ素化は、通常、約70~130℃、DMFを溶媒にした 場合は好ましくは100~120℃で実施される。

 フッ素化剤としては 18 Fフルオライド(例えばK 18 F)を用いる場合、フッ素化反応は、相間移動 媒として作用するクリプトフィックス2.2.2 を用いて行うことが好ましい。 18 Fのフルオライド源は、H 2 18 O濃縮水から、 18 O(p,n.)により得られた 18 F水溶液を陰イオン交換樹脂でトラップし、 酸カリウム水溶液で溶出することにより得 ことができる。

 工程Fは、化合物(7)を脱ベンゾイル化して 目的の化合物(8)を得る工程である。脱ベンゾ イル化反応は、例えば加水分解反応により行 われる。

 加水分解反応は、無機塩基の存在下、溶 中で0~100℃で1~5分実施することができる。 機塩基は水酸化カリウム、水酸化ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸 シウムであり得る。溶媒は水;メタノール、 タノール、プロパノール等のアルコール類; テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジ オキサン等のエーテル類;又はアセトン、メ ルエチルケトン等のケトン類であり得る。

 かくして得られた、ニトロイミダゾール 導体(8)は、生体に投与することにより、虚 部位又は癌細胞を識別し速やかにこれらに 向することから、画像診断薬として有用で り、MRI等の画像診断装置と共に用いること より虚血部位又は癌細胞の存在位置が検出 き、その部位又は細胞の量を測定すること できる。

 以下に、実施例を挙げて本発明について に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる 施例にのみ限定されないことは言うまでも い。

<参考例>
 従来法に従って、1-(1-アセチルオキシメチ -2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロ ミダゾールを製造した。即ち、グリセリン9 .2gをクロロホルム100mlに溶かし、トリエチル ミン50mlを加え、氷令しながら攪拌下ベンゾ イルクロリド30gをクロロホルム50mlに溶解さ て滴下した。滴下終了後室温に戻し、室温 1時間攪拌を続け、水100mlを加えて水洗した 、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマト ラフィー(溶出溶媒;ノルマルヘキサン:イソ ロピルエーテル7:3→0:10)で精製した。(収量;1 6.2g)このもの5.2gにジメトキシメタン100mlを加 、室温にて攪拌下徐々に1.5gの五酸化燐を加 え、16時間攪拌を続けた。反応終了後、水200m lと酢酸エチル100mlを加え液液抽出を行い、酢 酸エチル層を取り、硫酸ナトリウム上で乾燥 後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマト グラフィーで精製し(溶出溶媒;ノルマルヘキ ン:イソプロピルエーテル10:0→5:5)1,3-ジベン ゾイルオキシ-2-メトキシメチルオキシプロパ ンを得た。これを10mlの無水酢酸に溶かし、 フッ化ホウ素エーテル錯体を0.1ml加え、1時 室温で反応させた。反応物を飽和炭酸ナト ウム水溶液200mlで4回洗浄し、減圧濃縮した 、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで 製し、2-アセトキシメトキシ-1,3-ジベンゾイ オキシプロパンを5.1g得た。

 2-ニトロイミダゾールを5.7g秤取り、これに ストリメチルシリルアセタミド10mlを加え、 1位水素をトリメチルシリル化し、過剰のビ トリメチルシリルアセタミド及び反応残渣 減圧除去し、アセトニトリル30mlを加え、更 前記2-アセトキシメトキシ-1,3-ジベンゾイル オキシプロパンを3g加えた。室温で攪拌しな ら塩化第二スズ5mlを滴下し、1時間攪拌を続 けた。反応物を減圧濃縮した後、氷を加えた 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液上に注ぎ、こ れに酢酸エチル200mlを加え3回液液抽出し、酢 酸エチル相を集め、水洗した後減圧濃縮し、 シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製 した(溶出溶媒クロロホルム:メタノール=100:0 8:2)。反応物はアンモニア飽和無水メタノー ル中で処理し、ベンゾイル基を脱保護し、減 圧濃縮した後、2-プロパノールから再結晶し 1-(2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル)エチル- 2-ニトロイミダゾールを得た。このものをDMF1 00mlとトリエチルアミン20mlに溶かし、氷冷下D MF100mlに溶かした無水酢酸12gを滴下し、室温 で温度を上昇させ、室温で1時間反応させた 反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液上 注ぎ、酢酸エチル200mlを加え、飽和炭酸水 ナトリウム水溶液で3回洗浄し、水洗した後 減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグ フィーで精製し(溶出溶媒;クロロホルム:メ ノール=100:0→10:90)、1.3g(2-ニトロイミダゾー ルに対する収率:21%)の1-(1-アセチルオキシメ ル-2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニト イミダゾールを得た。このものを次のHPLC条 件で分析したところ、主ピーク(面積比98%)以 に、原料である1-(2-ヒドロキシ-1-ヒドロキ メチル)エチル-2-ニトロイミダゾールのピー (面積比1.7%)と1-(2-ベンゾイルオキシ-1-ベン イルオキシメチル)エチル-2-ニトロイミダゾ ルのピーク(面積比0.14%)も認められた。
HPLC条件;カラム:ODS4.6mm×150mm、カラム温度:40℃ 、移動相:アセトニトリル水溶液5%→50%(リニ グラージェント、1時間)、流速:1ml/min.、検知 :紫外部320nm

 この様にして得られた、1-[1-アセトキシ チル-2-(ヒドロキシ)エトキシ]メチル-2-ニト イミダゾール117mgを乾燥ピリジンとともにフ ラスコ中に入れ、トルエンスルホニルクロラ イド252mgを加えて室温で5時間攪拌した。反応 混合物を、酢酸エチル30mlを加えて抽出し、 られた抽出液を30mlの水で2回、分液・水洗し た。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧 濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ ーで精製し、1-[1-アセトキシメチル-2-メシル トキシ]メチル-2-ニトロイミダゾールを得た 。乾燥DMF10mlを加え、このものを溶かし、予 、アセトニトリル10mlと水1mlとを混合し、フ 化カリウム33.8mgと18-クラウン-6を80mg加えて 減圧下乾燥させて調整した中に加え、110℃ 8時間加熱した。得られた反応混合物に酢酸 エチル20mlを加え、水20mlで水洗した。水相は 酸エチル20mlで2回抽出し、得られた抽出液 有機相と合わせ、減圧乾固した。乾燥生成 を分取高速クロマトグラフィーで精製し、1- (1-ヒドロキシメチル-2-フルオロ)エトキシメ ル-2-ニトロイミダゾールを15.4mg得た。この のの質量分析の結果はM+1(219)が認められ、構 造が確認された。又、元素分析値は、炭素38. 55%、水素4.11%、窒素19.28%、フッ素8.70%で構造 支持していた。

<実施例1>
 本発明の方法に従って、1-(1-ベンゾイルオ シメチル-2-ヒドロキシエチル)オキシメチル- 2-ニトロイミダゾールを製造した。即ち、グ セリン9.2gをクロロホルム100mlに溶かし、ト エチルアミン50mlを加え、氷令しながら攪拌 下ベンゾイルクロリド14gをクロロホルム50ml 溶解させて滴下した。滴下終了後室温に戻 、室温で1時間攪拌を続け、水100mlを加えて 洗した後、減圧濃縮し、シリカゲルカラム ロマトグラフィー(溶出溶媒;イソプロピルエ ーテル:メタノール10:0→7:3)で精製した。(収 ;14.1g)このものの9gに100mlのジメトキシメタン を加え、室温で攪拌下五酸化燐1gを徐々に加 、その後16時間反応を続けた。反応終了後 水200mlと酢酸エチル100mlを加え液液抽出を行 、酢酸エチル層を取り、硫酸ナトリウム上 乾燥後、減圧濃縮し、シリカゲルカラムク マトグラフィーで精製し(溶出溶媒;ノルマ ヘキサン:イソプロピルエーテル10:0→5:5)9.8g 4-ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオキソラン を得た。

 2-ニトロイミダゾールを5.7g秤取り、これ ビストリメチルシリルアセタミド10mlを加え 、1位水素をトリメチルシリル化し、過剰の ストリメチルシリルアセタミド及び反応残 を減圧除去し、アセトニトリル30mlを加え、 に前記の4-ベンゾイルオキシメチル-1,3-ジオ キソラン4.4gを加え、氷冷攪拌下1mlの3フッ化 ウ素エーテル錯体を滴下し、室温に戻し、 応を4時間続けた。反応終了後減圧濃縮し、 酢酸エチル200mlと飽和炭酸水素ナトリウム水 液200mlとを加え、液液抽出し、酢酸エチル を取り、しかる後に200mlの水で水洗し、減圧 濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラ フィーで精製し、1-(1-ベンゾイルオキシメチ -2-ヒドロキシエチル)オキシメチル-2-ニトロ イミダゾールを3.2g得た。このものを次のHPLC 件で分析したところ、主ピーク(面積比99.9%) 以外に、ピークは認めなかった。本願発明の 方法では、従来法に比して、ステップ数が少 なく、収率が良好な上に、純度も向上してい ることが分かる。

 この様にして得られた、1-(1-ベンゾイル キシメチル-2-ヒドロキシエチル)オキシメチ -2-ニトロイミダゾール160mgを参考例と同様 、メシル化、次いでフッ素化、脱保護の作 を行い、1-(1-ヒドロキシメチル-2-フルオロ) トキシメチル-2-ニトロイミダゾールを18.6mg た。このものの質量分析の結果はM+1(219)が認 められ、構造が確認された。又、元素分析値 は、炭素38.54%、水素4.12%、窒素19.27%、フッ素8 .72%で構造を支持していた。フッ素化率も参 例に比して優れていることが分かる。

 本発明は、PETイメージング剤の製造など 応用できる。