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Title:
METHOD FOR PRODUCING ALKYLATED AROMATIC COMPOUNDS AND METHOD FOR PRODUCING PHENOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150974
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a method for the efficient production of alkylated aromatic compounds such as cumene etc. where a compact reactor can be employed, and a method for producing phenol including a process whereby cumene is obtained using said method. In the method for producing an alkylated aromatic compound, a raw material containing aromatic compound and alcohol is introduced into a fixed bed reactor packed with solid acid catalyst with a gas/liquid cocurrent downflow system, and the reaction gas flow rate on entry to the solid acid catalyst layer, specified by the following equation, has a value of at least 0.05. ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)]1/2(kgm-2s-1)

Inventors:
SENOO SHINJI (JP)
KATO KAZUHIKO (JP)
DOI KENJI (JP)
HIGASHI KATSUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060137
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 03, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
SENOO SHINJI (JP)
KATO KAZUHIKO (JP)
DOI KENJI (JP)
HIGASHI KATSUNARI (JP)
International Classes:
C07C2/86; C07C15/085; C07C37/08; C07C39/04; C07B61/00
Domestic Patent References:
WO1996004225A11996-02-15
Foreign References:
JP2003523985A2003-08-12
JPH02231442A1990-09-13
JPH11347574A1999-12-21
JP2005314424A2005-11-10
JPH02174737A1990-07-06
JPH02231442A1990-09-13
JPH01135497A1989-05-29
JP2003523985A2003-08-12
JPH11116523A1999-04-27
Other References:
SONO SEKKEI: "Shokubai Hannou Souchi", vol. 6, December 1985, KODANSHA LTD., article "Shokubai Kouza", pages: 182
SONO SEKKEI: "Shokubai Hannou Souchi", vol. 6, December 1985, KODANSHA LTD., article "Shokubai Kouza (Catalyst Courses)", pages: 182
KAGAKU KOUGAKU BINRAN: "Chemical Engineering Handbook", THE SOCIETY FOR CHEMICAL ENGINEERS
IPATIEFF V., OIL GAS J., vol. 32, 1993, pages 14 - 15
SOKOLOV V., J. APPL. CHEM. USSR, vol. 50, no. 6, 1977, pages 1347 - 1349
THOMPSON W. H., J. CHEM. ENG. DATA, vol. 9, no. 4, 1964, pages 516 - 520
ENGLIN B. A., KHIM. TEKHNOL. TOPL. MASEL, vol. 10, no. 9, 1965, pages 42 - 46
BURD S. D., PROC. AM. PETROL. INST. REF. DIV., vol. 48, 1968, pages 464 - 476
See also references of EP 2298718A4
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (JP)
Shunichiro Suzuki (JP)
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Claims:
 芳香族化合物とアルコールとを含む原料を、固体酸触媒を充填した固定床反応器中に、気液下降並流方式で反応器に導入することによりアルキル化芳香族化合物を製造する方法であって、
 前記原料がガス流通下で反応器に導入され、
 下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値であることを特徴とするアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )      ・・・(1)
 (ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水のガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表す。)
 反応器内の流動状態が、トリクルベッド領域であることを特徴とする請求項1に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 ガスが窒素、水素、および希ガスからなる群から選択される少なくとも一種のガスであることを特徴とする請求項1または2に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 固体酸触媒がゼオライトである請求項1~3のいずれかに記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 ゼオライトが10~12員環構造を有するゼオライトである請求項4に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 芳香族化合物がベンゼンであり、アルコールがイソプロパノールである請求項1~5のいずれかに記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法。
 下記工程(a)~工程(e)を含むフェノールの製造方法において、工程(d)を請求項6に記載のアルキル化芳香族化合物の製造方法に従って実施することを特徴とするフェノールの製造方法。
工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペルオキシドへ変換する工程
工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解させてフェノールとアセトンとを得る工程
工程(c):上記工程(b)において得られるアセトンに水素添加してイソプロパノールへ変換する工程
工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノールを用いて、ベンゼンとイソプロパノールとを反応させてクメンを合成する工程
工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a)へ循環する工程
Description:
アルキル化芳香族化合物の製造 法およびフェノールの製造方法

 本発明は、アルキル化芳香族化合物の製 方法およびフェノールの製造方法に関する

 クメンを出発原料としてフェノールを製 するクメン法は公知であるが、クメン法に いては生成フェノールと等モル量のアセト が常に副生する。副生するアセトンは溶剤 たは有機合成原料として広範囲な用途があ が、その時々の市場の動向によってはアセ ンが過剰であったり、市況が悪い場合があ 、製造するフェノールの経済性を低下させ 原因となっている。クメンは通常ベンゼン プロピレンでアルキル化することにより製 されている。プロピレンはナフサの熱分解 製造されており同時に併産されるエチレン プロピレンの需要バランスによりプロピレ が不足しクメン生産の隘路となる場合が多 。

 この隘路を避ける目的でフェノール製造 に併産されるアセトンを水素添加してイソ ロパノールとし、これを更に脱水してプロ レンとし、クメン製造などの原料としてリ イクル使用する方法が提案されている(特許 文献1参照)。しかしながらこの方法では水添 程と脱水工程という2つの工程が増えるとい う問題点がある。

 そこで工程短縮のために、アセトンへの 素添加によって得られたイソプロパノール 脱水せずにそのままアルキル化剤として使 しベンゼンと反応させてクメンを製造する 法が提案されている(特許文献2~4参照)。特 文献4には、トリクルベッド反応器を使用す 方法も開示されているが、ガスの流量につ ては記載がない。

特開平2-174737号公報

特開平2-231442号公報

特開平11-35497号公報

特表2003-523985号公報

 アルコールをアルキル化剤として使用し アルキル化芳香族化合物を製造する場合、 応中に、反応したアルキル化剤と当量の水 生成する。この水によりアルキル化触媒で る固体酸触媒は被毒されることは公知であ 、そのために従来のアルキル化剤にオレフ ンを使用した方法と比較して触媒の活性の 下や触媒寿命の低減が予想される。よって 従来の方法より触媒量は多く必要になり、 媒当たりの芳香族化合物(ベンゼン)とアル ール(イソプロパノール)との処理量である液 重量基準空間速度(WHSV)は低くなる。これによ り、反応器が過大になり機器費増大の要因と なる。

 上述のような不都合は、アルキル化剤に ルコールを用いて、工業的にアルキル化芳 族化合物を製造する上では解決すべき課題 ある。

 本発明は、固体酸触媒の存在下で、芳香 化合物とアルコールとを含む原料を反応さ てアルキル化芳香族化合物を製造する方法 あって、コンパクトな反応器を使用でき、 率よくクメン等のアルキル化芳香族化合物 製造するための方法を提供することを目的 する。また、該方法によってクメンを得る 程を有するフェノールの製造方法を提供す ことを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明者ら 鋭意検討を重ねた結果、アルキル化触媒と て固体酸触媒を充填した固定床反応器にお て、イソプロパノール等のアルコールをア キル剤として用いて芳香族化合物をアルキ 化する際に、反応器にガスを流通させるこ で極めて高いアルキル化剤転化率・クメン 選択率が得られる事を見出した。

 すなわち、本発明に係るアルキル化芳香 化合物の製造方法およびフェノールの製造 法は以下の(1)~(7)に関する。

 (1) 芳香族化合物とアルコールとを含む原 を、固体酸触媒を充填した固定床反応器中 、気液下降並流方式で反応器に導入するこ によりアルキル化芳香族化合物を製造する 法であって、
 前記原料がガス流通下で反応器に導入され
 下記式(1)で規定する反応ガス流量が、固体 触媒層入口で0.05以上の値であることを特徴 とするアルキル化芳香族化合物の製造方法。

 ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )      ・・・(1)
 (ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液 の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水の ガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表 。)
 (2) 反応器内の流動状態が、トリクルベッ 領域であることを特徴とする(1)に記載のア キル化芳香族化合物の製造方法。

 (3) ガスが窒素、水素、および希ガスか なる群から選択される少なくとも一種のガ であることを特徴とする(1)または(2)に記載 アルキル化芳香族化合物の製造方法。

 (4) 固体酸触媒がゼオライトである(1)~(3) いずれかに記載のアルキル化芳香族化合物 製造方法。

 (5) ゼオライトが10~12員環構造を有するゼ オライトである(4)に記載のアルキル化芳香族 化合物の製造方法。

 (6) 芳香族化合物がベンゼンであり、ア コールがイソプロパノールである(1)~(5)のい れかに記載のアルキル化芳香族化合物の製 方法。

 (7) 下記工程(a)~工程(e)を含むフェノールの 造方法において、工程(d)を(6)に記載のアル ル化芳香族化合物の製造方法に従って実施 ることを特徴とするフェノールの製造方法
工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペル キシドへ変換する工程
工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解 せてフェノールとアセトンとを得る工程
工程(c):上記工程(b)において得られるアセト に水素添加してイソプロパノールへ変換す 工程
工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノ ルを用いて、ベンゼンとイソプロパノール を反応させてクメンを合成する工程
工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a )へ循環する工程

 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造 法によれば、イソプロパノール等のアルコ ルおよびベンゼン等の芳香族化合物(原料) 反応器に導入する際に、ガス流通下で行う とにより、従来よりも高収率で、かつ工業 、実用的な方法でクメン等のアルキル化芳 族化合物を得ることができる。

 本発明のフェノールの製造方法において 、上記アルキル化芳香族化合物の製造方法 適用することにより、フェノールの製造の に併産するアセトンを再使用することが可 となる。

図1は「触媒講座第6巻(工学編2) 触媒反 応装置とその設計」、触媒学会、講談社、198 5年12月、第1刷、p.182に記載の気液下降並流充 填層での流動領域を示す図に、実施例、比較 例の流動状態をプロットしたものである。

 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造 法は、芳香族化合物とアルコールとを含む 料を、固体酸触媒を充填した固定床反応器 に、気液下降並流方式で反応器に導入する とによりアルキル化芳香族化合物を製造す 方法であって、前記原料がガス流通下で反 器に導入され、下記式(1)で規定する反応ガ 流量が、固体酸触媒層入口で0.05以上の値で あることを特徴とする。

 ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )      ・・・(1)
 (ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液 の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水の ガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表 。)
 なお、固体酸触媒層とは、固定床反応器中 固体酸触媒を充填することにより形成され 触媒層を示す。

 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造 法における反応は、固体酸触媒を用いた芳 族化合物のアルコールによるアルキル化で り、液固2相反応である。しかしながら、本 発明においては、原料をガス流通下で反応器 に導入することにより、アルキル化反応の反 応成績が著しく向上する。

 図1に気液下降並流での流動領域を示す。 この流動領域図は、空気-水系から得られた ータに基づいて作成されたものであり、そ 以外の系については物性の違いに基づく補 項を考慮することにより作成される(「触媒 座第6巻(工学編2) 触媒反応装置とその設計 、触媒学会、講談社、1985年12月、第1刷、p.1 82)。なお、図1において、斜線の部分は境界 存在する範囲を表している。この図のx、y軸 は以下のように定義されている。

 X軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl) 2 ] 1/3  (kgm -2 s -1
 Y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )
 ここで、ρl、ρg、ρair、及びρwaterはそれぞ 、反応液の密度、反応ガスの密度、空気の ス密度及び水のガス密度を表し、σ及びσwat erはそれぞれ反応液及び水の表面張力を表し ul及びugは反応液及び反応ガスの空塔基準流 速を表す。

 なお、本発明において、反応ガスとは、 応器内の気相成分を意味する。すなわち、 応ガスには、気体として存在する全成分が まれ、具体的には原料を気液下降並流方式 導入するために用いるガス以外にも、気化 た芳香族化合物やアルコール、さらには気 したアルキル化芳香族化合物、水等が含ま る。また本発明において、反応液とは、反 器内の液相成分を意味する。すなわち、反 液には液体として存在する全成分が含まれ 具体的には原料として導入する芳香族化合 やアルコール、液相に溶解したガス、さら はアルキル化芳香族化合物、水等が含まれ 。

 また、本発明において反応器内の流動状 が、トリクルベッド領域(灌液流)であるこ が好ましい。トリクルベッド領域において 、液がしずくの様に触媒の外表面を滴下し おり、また、触媒の狭い空隙に付着して停 している液もある。いずれにしても液体は 々のかたまりとして散在しており、分散相 形成している。一方、気体は触媒および液 のまわりを囲んで連続相を形成している。

 反応器内の流動状態がトリクルベット領 であると、特開平11-116523号公報にあるよう 系内濃度分布が均一で穏やかな運転が可能 なり、高度の耐圧設備にする必要がなく、 た触媒にかかる物理的な負荷も低減し触媒 損を防止することができる。

 また、本発明においては、下記式(1)で規 する反応ガス流量が、固体酸触媒層入口で0 .05以上の値である。

 ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )      ・・・(1)
 (ここで、ρgは反応ガスの密度、ρlは反応液 の密度、ρairは空気のガス密度、ρwaterは水の ガス密度、ugは反応ガスの空塔基準流速を表 。)
 上記式(1)は、図1の流動領域図のy軸に相当 る式である。式(1)で規定する反応ガス量が0. 05以上では、高いクメン類選択率であり好ま い。反応ガス量は0.08~0.6であることがより ましい。

 なお、図1においてはx軸は反応液(反応器内 液相成分)の流量であり、式(2)で表わされる 。本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方 法により、効率よくアルキル化芳香族化合物 を得ることが可能であるが、式(2)で表わされ る反応液流量は、式(1)で表わされる反応ガス 流量と比べ、本発明の製造方法に与える影響 は少なかった。
ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl) 2 ] 1/3  (kgm -2 s -1 )      ・・・(2)
 (ここで、ρlは反応液の密度、ρwaterは水の ス密度、σは反応液の表面張力、σwaterは水 表面張力、ulは反応液の空塔基準流速を表す 。)
 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造方 は、前述のように反応器内の流動状態が、 リクルベッド領域であることが好ましく、 リクルベッド領域となる範囲であれば、反 液流量は本発明の製造方法に悪影響をおよ すことはない。

 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造 法において、前記芳香族化合物としては、 ンゼン、ナフタレン等が挙げられ、中でも ンゼンが好適である。また、前記アルコー としては、イソプロパノール、2-ブタノー 等が挙げられ、中でもイソプロパノールが 適である。

 すなわち、本発明のアルキル化芳香族化 物の製造方法は、芳香族化合物としてはベ ゼンであり、アルコールとしてはイソプロ ノールであることが好ましく、この場合に られるアルキル化芳香族化合物は、クメン ある。

 本発明に用いるガスは、通常窒素、水素 よび希ガスからなる群から選択される少な とも一種のガスである。

 本発明に用いる固体酸触媒は、酸として 機能を持つ触媒であり、一般的に固体酸と ばれるものであれば良く、ゼオライト、シ カアルミナ、アルミナ、硫酸イオン担持ジ コニア、WO3担持ジルコニアなどを用いるこ ができる。

 特に、ケイ素とアルミニウムから構成さ る無機の結晶性多孔質化合物であるゼオラ トは耐熱性や目的とするアルキル化芳香族 合物(クメン)の選択率の面から本発明に好 な固体酸触媒である。

 アルキル化芳香族化合物として、クメン 製造する際には、ゼオライトとしては、ク ンの分子径と同程度の細孔を有する、10~12 環構造を有するゼオライトが好ましい。

 12員環構造を有するゼオライトの例とし は、Y型、USY型、モルデナイト型、脱アルミ ウムモルデナイト型、β型、MCM-22型、MCM-56 などが挙げられ、とくにβ型、MCM-22型、MCM-56 型が好適な構造である。

 これらゼオライトのケイ素とアルミニウ の組成比は2/1~200/1の範囲にあれば良く、特 活性と熱安定性の面から5/1~100/1のものが好 しい。さらにゼオライト骨格に含まれるア ミニウム原子を、Ga、Ti、Fe、Mn、Bなどのア ミウム以外の金属で置換した、いわゆる同 置換したゼオライトを用いることも出来る

 固体酸触媒の形状は特に制限は無く、球 ・円柱状・押し出し状・破砕状いずれでも く、またその粒子の大きさも、例えば0.01mm~ 100mmの範囲のものを用いることができ、反応 の大きさに応じ選定すればよい。

 本発明における原料の供給速度は、高生 性を達成するために好ましくは触媒重量に する液重量基準空間速度(WHSV)が通常は50以 の範囲、より好ましくは20以下の範囲、さら に好ましくは10以下の範囲である。また、液 量基準空間速度(WHSV)は通常1以上である。

 上記範囲では、高収率でクメンを製造す ことができる。

 また、本発明に用いる芳香族化合物は、 理的には、アルコールと等モル以上あれば く、分離回収の点からは、好適な範囲は、 ルコールに対して、1~10倍モル、好ましくは 、1~5倍モルである。

 本発明に用いるガスは、分離回収の点か は、好適な範囲は、アルコールに対して、1 ~20倍モル、好ましくは、1~10倍モルである。

 本発明のアルキル化芳香族化合物の製造 法では、気液下降並流方式で原料を固定床 応器中に導入するが、該反応器内の反応温 は、100~300℃の範囲、好ましくは120~250℃の 囲である。また、反応圧力は0.5~10MPaG、好ま くは2~5MPaGの範囲である。

 本発明のフェノールの製造方法は、下記工 (a)~工程(e)を含むフェノールの製造方法にお いて、工程(d)を前述のアルキル化芳香族化合 物の製造方法に従って実施することを特徴と する。なお、フェノールの製造方法の工程(d) として、前述のアルキル化芳香族化合物の製 造方法を実施する場合には、前記芳香族化合 物がベンゼンであり、アルコールがイソプロ パノールである。
工程(a):クメンを酸化してクメンヒドロペル キシドへ変換する工程
工程(b):クメンヒドロペルオキシドを酸分解 せてフェノールとアセトンとを得る工程
工程(c):上記工程(b)において得られるアセト に水素添加してイソプロパノールへ変換す 工程
工程(d):上記工程(c)で得られるイソプロパノ ルを用いて、ベンゼンとイソプロパノール を反応させてクメンを合成する工程
工程(e):上記工程(d)で得られるクメンを工程(a )へ循環する工程
 本発明のフェノールノ製造方法は、工程(a) よび(b)においてクメンからフェノールを生 し、副生するアセトンを工程(c)でイソプロ ノールに水素化し、工程(d)において、クメ を生成し、工程(e)において、工程(d)で得ら たクメンを工程(a)に循環するため、理論上 アセトンを反応系外から導入する必要がな 、コストの面でも優れている。なお実際の ラントにおいては、アセトンを100%回収する ことは困難であり、少なくとも減少した分の アセトンは新たに反応系に導入される。

 また本発明のフェノールの製造方法にお ては、種々の改良法を提供しても問題ない

 以下、実施例を挙げて本発明を説明する 、本発明はその要旨を超えない限りこれら 例に限定するものではない。

 〔実施例1〕
 原料としてイソプロパノールおよびベンゼ を用い、該原料からクメンを生成する触媒 験を行った。

 内径:38.4mm、長さ:4800mmのステンレス製縦 反応管にβゼオライト触媒(φ1.5mmのペレット 、東ソー製):2435gを充填した。充填後、イソ プロパノール:24L/hを反応器上部より流し、1 間触媒洗浄を実施した。

 反応器圧力:3MPaG、予熱温度:175℃に保ち、 反応器上部よりベンゼン:8.1L/h、イソプロパ ール:0.65L/h、水素:1900NL/hを送り込み反応を行 った。本条件での液重量基準空間速度(WHSV)は 3.0である。反応器下部より排出される反応液 とガスの混合物を気液分離槽、さらに油相と 水相を油水分離槽に分け、12時間連続反応を 行したところで反応液ならびに廃ガスをそ ぞれガスクロマトグラフィーで分析した。 の結果、イソプロパノール転化率:100%・ク ン類選択率:92.8%と高い選択性を示した。

 また、この条件における流動領域の判別 行った。固体酸触媒層(アルキル化触媒層) 口の反応ガス流量はPSRK式(化学工学便覧改定 6版、化学工学会編集)を用い、さらにベンゼ ・クメンへの水素溶解度データ(Ipatieff V.,Oi l Gas J. 32,14-15,(1993)およびSokolov V.,  J.Appl.C hem.USSR,  50(6),  1347-1349,(1977))、ベンゼン・ メンの水への溶解度データ(Thompson W.H.,J.Chem. Eng.Data,  9(4), 516-520,(1964)およびEnglin B.A.,Khim .Tekhnol.Topl.Masel,  10(9),  42-46,(1965))、ベンゼ /水共沸データ(Burd S.D.,Proc.Am.Petrol.Inst.Ref.Div .,48,464-476,(1968))の文献データを回帰して修正 た推算式より算出した。

 なお、物性算出には上記推算式および実 例反応条件を定常プロセスシミュレーター( アスペンテック社)に入力して推算した。結 を表1に示す。

 実施例1において流動状態はトリクルベッ ト領域であり、反応ガス流量は0.280であった

 x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl) 2 ] 1/3  (kgm -2 s -1 )=2.263
 y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )=0.280
 〔実施例2〕
 実施例1に記載した実験装置及び実験条件に おいて、水素:500 NL/hにした以外は実施例1と 様にして触媒試験を実施した。その結果、 ソプロパノール転化率:100%・クメン類選択 :86.9%と高い選択率となった。

 また、実施例2において、流動状態はトリ クルベッド領域であり、反応ガス流量は0.075 あった。

 x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl) 2 ] 1/3  (kgm -2 s -1 )=4.269
 y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )=0.075
 〔比較例1〕
 実施例1に記載した実験装置及び実験条件に おいて、水素:190NL/hにして以外は実施例1と同 様にして触媒試験を実施した。その結果、イ ソプロパノール転化率:50.5%・クメン類選択率 :42.6%と低い選択率となった。また、副生成物 としてプロパン・プロピレンが大量に生成し た。

 また、比較例1において、流動状態はトリ クルベッド領域にあるが、反応ガス流量は、 0.026であった。

 x軸:ρl・ul・[(σwater/σ)(ρwater/ρl) 2 ] 1/3  (kgm -2 s -1 )=4.771
 y軸:ρg・ug・[ρair・ρwater/(ρg・ρl)] 1/2 (kgm -2 s -1 )=0.026

1・・・灌液流
2・・・噴霧流
3・・・脈動流
4・・・気泡流