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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING ANTHRANILAMIDE COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/155990
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a specific anthranilamide compound or a salt thereof. Specifically disclosed is a method for producing an anthranilamide compound represented by the formula (I) below or a salt thereof, wherein a compound represented by the formula (III) below is reduced, thereby producing an aminopyrazole derivative, and the derivative is diazotized and then halogenated in the presence of copper halide or copper metal. (III) (In the formula (III), R1 represents a halogen, an alkyl, a haloalkyl, an alkenyl, a haloalkenyl, an alkynyl, a haloalkynyl, an alkoxy, a haloalkoxy, an alkylcarbonyl, a haloalkylcarbonyl, an alkoxycarbonyl, a haloalkoxycarbonyl, a formyl or a cyano; A represents an alkyl which may be substituted by Y; Y represents a C3-4 cycloalkyl which may be substituted by at least one substituent selected from the group consisting of halogens, alkyls and haloalkyls; and m represents a number of 0-4.) (I) (In the formula (I), X represents a halogen, and A, R1 and m are as defined above.)

Inventors:
KOYANAGI TORU (JP)
NAKAMOTO KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060315
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ISHIHARA SANGYO KAISHA (JP)
KOYANAGI TORU (JP)
NAKAMOTO KENICHI (JP)
International Classes:
C07D401/04; C07D413/14
Domestic Patent References:
WO2008072743A12008-06-19
Foreign References:
JP2004538327A2004-12-24
JP2004538328A2004-12-24
Other References:
CHU I. ET AL.: "Synthesis and biological evaluation of xanthine oxidase inhibitors. Pyrazolo[3,4-d]pyrimidines and pyrazolo[3,4-b]pyridines", JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 18, no. 2, 1975, pages 161 - 165
CHAPMAN D. ET AL.: "Pyrazolopyridines. Part 5. Preparation and reactions of pyrazolo[3,4-c]pyridines", JOURNAL OF THE CHEMICAL SOCIETY, PERKIN TRANSACTIONS 1: ORGANIC AND BIO-ORGANIC CHEMISTRY, no. 11, 1980, pages 2398 - 2404, XP009049302
ONDA H. ET AL.: "Fluoropyrroles and tetrafluoroporphyrins", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 26, no. 35, 1985, pages 4221 - 4224
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square17, Kanda-konyacho, Chiyoda-ku, Tokyo 35, JP)
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Claims:
式(I):
(式中、R 1 はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ホルミル又はシアノであり、AはYで置換されてもよいアルキルであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC 3-4 シクロアルキルであり、Xはハロゲンであり、mは0~4である。)で表されるアントラニルアミド化合物又はその塩の製造方法であって、式(III):
(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合物を還元して、式(II):
(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合物を製造し;
式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハロゲン化銅又は金属銅の存在下でハロゲン化させる方法。
式(V):
で表される化合物と式(VIII):
(式中、R 1 はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ホルミル又はシアノであり、mは0~4である)で表される化合物とを反応させ、式(IV):
(式中、R 1 及びmは前述の通りである)で表される化合物を製造し;
式(IV)の化合物と式(VII):
(式中、AはYで置換されてもよいアルキルであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC 3-4 シクロアルキルである)で表される化合物を反応させ、式(III):
(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合物を製造し;
式(III)の化合物を還元して、式(II):
(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合物を製造し;
式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハロゲン化銅又は金属銅の存在下でハロゲン化させる請求項1に記載の方法。
式(III):
(式中、R 1 はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ホルミル又はシアノであり、AはYで置換されてもよいアルキルであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC 3-4 シクロアルキルであり、mは0~4である)で表される化合物又はその塩。
式(IV):
(式中、R 1 はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ホルミル又はシアノであり、mは0~4である)で表される化合物又はその塩。
式(V):
で表される化合物又はその塩。
Description:
アントラニルアミド系化合物の 造方法

 本発明は、アントラニルアミド系化合物 製造方法に関する。

 アントラニルアミド系化合物は、農園芸 野の有害生物防除剤として優れた効果を示 ことが、例えば特許文献1に開示されている 。一方、特許文献2にはある種のアントラニ アミド系化合物の製造方法が記載されてい 。

国際公開公報 WO 2005/077934

国際公開公報 WO 2003/016283

 アントラニルアミド系化合物の製造方法 ついては、種々の方法が提案されている。 かしながら、ピラゾール3位がハロゲンで置 換されたアントラニルアミド系化合物を製造 する場合、そのハロゲン化にはオキシ臭化リ ン等毒性の強いリン系ハロゲン化剤を使用す る必要があり、リン系ハロゲン化剤を使用し ない該アントラニルアミド系化合物の製造方 法が希求されていた。

 本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭 検討した結果、ピラゾール3位にアミノ基を 有する化合物を用いれば、ハロゲン化反応に おいてリン系ハロゲン化剤のような有毒な試 薬を使うことなく、目的の化合物の製造が可 能であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I):

(式中、R 1 はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アル ケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロ アルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、 アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニ ル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシ カルボニル、ホルミル又はシアノであり、A Yで置換されてもよいアルキルであり、Yはハ ロゲン、アルキル及びハロアルキルからなる 群より選択される少なくとも1つの置換基で 換されてもよいC 3-4 シクロアルキルであり、Xはハロゲンであり mは0~4である)で表されるアントラニルアミド 化合物又はその塩の製造方法であって、式(II I):

(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合 物を還元して、式(II):

(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合 物を製造し;
式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハロゲン 銅又は金属銅の存在下でハロゲン化させる 法に関する。

 また、本発明は、式(III):

(式中、R 1 、A及びmは前述の通りである)で表される化合 物又はその塩に関する。

 また、本発明は、式(IV):

(式中、R 1 及びmは前述の通りである)で表される化合物 はその塩に関する。

 また、本発明は、式(V):

で表される化合物又はその塩に関する。

 なお、R 1 、A又はY中のアルキル又はアルキル部分は直 又は分岐状のいずれでもよい。その具体例 しては、メチル、エチル、プロピル、イソ ロピル、ブチル、ターシャリーブチル、ペ チル、ヘキシルのようなC 1-6 のものなどが挙げられる。
 R 1 中のアルケニル又はアルケニル部分は直鎖又 は分岐状のいずれでもよい。その具体例とし ては、ビニル、1-プロペニル、アリル、イソ ロペニル、1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1 -ヘキセニルのようなC 2-6 のものなどが挙げられる。
 また、R 1 中のアルキニル又はアルキニル部分は直鎖又 は分岐状のいずれでもよい。その具体例とし ては、エチニル、2-ブチニル、2-ペンチニル 3-ヘキシニルのようなC 2-6 のものなどが挙げられる。
 R 1 、X又はY中のハロゲン又は置換基としてのハ ゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ の各原子が挙げられる。置換基としてのハ ゲンの数は1又は2以上であってもよく、2以 の場合、各ハロゲンは同一でも異なってい もよい。又、ハロゲンの置換位置はいずれ 位置でもよい。

 前記式(I)のアントラニルアミド系化合物 はその塩は、〔A〕式(III)の化合物を還元し 式(II)の化合物を製造し、〔B〕式(II)の化合 をジアゾ化した後、ハロゲン化銅又は金属 の存在下でハロゲン化させることにより製 される。

 式(III)の化合物としては、N-(4-クロロ-2-(1- シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニ )-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピ ゾール-5-カルボキサミド、N-(2-ブロモ-4-クロ ロ-6-(1-シクロプロピルエチルカルバモイル) ェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニトロ -1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、N-(4-クロロ -2-(1-シクロプロピルエチルカルバモイル)-6- チルフェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3- ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、N-(2- ブロモ-4-クロロ-6-(シクロプロピルメチルカ バモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イ ル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド どを挙げることができる。

 また、前記式(II)の化合物としては、3-ア ノ-N-(4-クロロ-2-(1-シクロプロピルエチルカ バモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリジン-2- ル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、3-アミ -N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピルエ ルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリ ン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、 3-アミノ-N-(4-クロロ-2-(1-シクロプロピルエチ カルバモイル)-6-メチルフェニル)-1-(3-クロ ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサ ミド、3-アミノ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(シクロ プロピルメチルカルバモイル)フェニル)-1-(3- ロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カル キサミドなどが挙げられる。

 式(III)の化合物を還元して式(II)の化合物を 造する方法としては、酸性溶媒中で鉄、ス 又は塩化スズ(II)などの還元剤を加えて反応 させる方法、塩基性溶媒中で亜鉛などの還元 剤を加えて反応させる方法、水素雰囲気下で パラジウム炭素又はラネーニッケルなどの還 元剤を加えて反応させる方法などが挙げられ る。還元剤は、式(III)の化合物に対して等モ 以上、望ましくは2.0~10.0倍モルである。
 反応は、通常、溶媒の存在下で実施する。 媒としては、反応に不活性な溶媒であれば ずれのものでもよく、例えば、テトラヒド フラン、ジオキサン、ジメトキシエタンの うなエーテル類;メタノール、エタノール、 プロパノール、ノルマルブタノール、ターシ ャリーブタノールのようなアルコール類;酢 エチル、アセトニトリル、プロピオニトリ 、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト ミド、ジメチルスルホキシドのような極性 プロトン性溶媒および水などから1種又は2種 以上を適宜選択することができる。
 酸性溶媒とは酸と溶媒の混合溶液をいい、 基性溶媒とは塩基と溶媒との混合溶液をい 。酸としては、酢酸、塩酸、硫酸などを使 することができる。塩基としては、水酸化 トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ ムのようなアルカリ金属水酸化物又はアル リ土類金属水酸化物などを使用することが きる。

 反応は、通常0~120℃、望ましくは30~70℃で 行うことができる。その反応時間は、0.1~12時 間程度である。

 なお、還元剤の反応性から式(VI)のヒドロ キシルアミンを経由する場合があるが、この ような二段階の反応も本発明に包含される。

式中、R 1 、A及びmは前述の通りである。

 式(II)の化合物のジアゾ化は、式(II)の化 物を亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸アルキル ステルと反応させることにより行なうこと できる。この反応によって、式(II)の化合物 ピラゾール環上3位のアミノ基がジアゾ基と なったジアゾ化合物を生成し、ジアゾニウム 化合物は、単離され或いは単離されることな く、ハロゲン化反応に使用される。

 ハロゲン化は、式(II)の化合物をジアゾ化し た後、ハロゲン化銅又は金属銅の存在下で行 なう。上記ハロゲン化銅を用いる反応はSandme yer反応として、金属銅を用いる反応はGatterman n反応として、それぞれ呼ばれる反応に相当 る。
 ハロゲン化銅としては、一価若しくは二価 ものを使用することができる。ハロゲン化 応は、一般には前記ジアゾ化合物のジアゾ をハロゲン化銅又は金属銅で脱離させた後 ハロゲン化物イオンが付加することにより 行する。
 反応に金属銅を使用する場合は、ハロゲン のためのハロゲンを供給する必要がある。 ロゲン化銅を使用する場合には、反応に必 なハロゲンは、ハロゲン化銅から供給され 。

 具体的には、ハロゲン化反応は、例えば下 の3つの態様で行なうことができる。
 一つ目の態様として、反応は、式(II)の化合 物を塩酸、臭化水素酸、硫酸のような無機酸 を含む水溶液に溶解し、亜硝酸ナトリウム水 溶液を加えてジアゾニウム塩を形成させた後 、ハロゲン化銅(I)塩と反応させることにより 行なうことができる。
 本反応では、式(II)の化合物の溶解度を向上 させる目的で、酢酸、アセトン、ジメチルス ルホキシド等の溶媒を共存させて行なうこと が好ましい。
 上記反応で使用することのできるハロゲン 銅(I)としては、塩化第一銅(CuCl)又は臭化第 銅(CuBr)が挙げられる。ハロゲン化銅(I)は、 (II)の化合物に対して0.5モル以上、望ましく は0.6~1.5倍モルである。
 反応は、通常-20~120℃、望ましくは0~100℃で うことができ、その反応時間は、0.5~12時間 度である。

 2つ目の態様として、反応は、式(II)の化合 と、溶媒の存在下で亜硝酸アルキルエステ と、ハロゲン化銅(I)又はハロゲン化銅(II)と 反応させることによっても行なうことがで る。
 上記反応で使用することのできる亜硝酸ア キルエステルとしては、亜硝酸t-ブチル、 硝酸i-ペンチル、亜硝酸i-ブチルなどが挙げ れ、ハロゲン化銅(I)としては、塩化第一銅( CuCl)又は臭化第一銅(CuBr);ハロゲン化銅(II)と ては、塩化第二銅(CuCl 2 )又は臭化第二銅(CuBr 2 )が挙げられる。反応に使用することができ 亜硝酸アルキルエステルは、式(II)の化合物 対して等モル以上、望ましくは1.2~3.0倍モル であり、ハロゲン化銅(I)あるいはハロゲン化 銅(II)は、式(II)の化合物に対して等モル以上 望ましくは1.2~3.0倍モルである。
 本反応に使用することのできる溶媒として 、反応に不活性な溶媒であればいずれのも でもよく、例えば、ジエチルエーテル、テ ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ タンのようなエーテル類;アセトニトリル、 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ ド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキ ドのような極性非プロトン性溶媒などから1 種又は2種以上を適宜選択することができる 又、この反応は、通常-20~100℃、望ましくは0 ~60℃で行うことができ、その反応時間は、0.5 ~24時間程度である。
 3つ目の態様として、反応は、式(II)の化合 を塩酸、臭化水素酸のようなハロゲンを含 無機酸の水溶液に溶解し、亜硝酸ナトリウ 水溶液を加えてジアゾニウム塩を形成させ 後、金属銅を反応させることにより行なう とができる。
 反応は、通常-20~120℃、望ましくは0~100℃で うことができ、その反応時間は、0.5~12時間 度である。
 上記金属銅を用いる反応は、ハロゲンを含 無機酸に代えて硫酸のようなハロゲンを含 ない無機酸も用いることができるが、その 合はジアゾニウム塩を形成させた後、塩酸 臭化水素酸のような含ハロゲン化合物を加 て反応させることにより行なうことができ 。

 この方法で製造される式(I)のアントラニ アミド系化合物としては、3-ブロモ-N-(4-ク ロ-2-(1-シクロプロピルエチルカルバモイル) ェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラ ール-5-カルボキサミド、3-ブロモ-N-(2-ブロ -4-クロロ-6-(1-シクロプロピルエチルカルバ イル)フェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1 H-ピラゾール-5-カルボキサミド、3-ブロモ-N-(4 -クロロ-2-(1-シクロプロピルエチルカルバモ ル)-6-メチルフェニル)-1-(3-クロロピリジン-2- イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、3-ブ モ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(シクロプロピルメ ルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリ ン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、 N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピルエチ カルバモイル)フェニル)-3-クロロ-1-(3-クロ ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサ ミドなどが挙げられる。

 また、式(IV)の化合物としては、6-クロロ- 2-(1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピ ゾール-5-イル)-4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オ 、8-ブロモ-6-クロロ-2-(1-(3-クロロピリジン-2- イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4H-3,1-ベ ゾオキサジン-4-オン、6-クロロ-2-(1-(3-クロ ピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イ ル)-8-メチル-4H-3,1-ベンゾオキサジン-4-オンな どが挙げられる。

 前記化合物の塩としては、農薬上許容さ るものであればあらゆるものが含まれる。 えば、ナトリウム塩、カリウム塩のような ルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム 塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルア モニウム塩、トリエチルアンモニウム塩の うなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、 酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メ タンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙 げられる。

 本発明の方法によれば、リン系ハロゲン 剤を用いずにピラゾール3位にハロゲンを持 つアントラニルアミド系化合物又はその塩を 効率的に製造することができる。

 以下に、本発明に係わるアントラニルア ド系化合物又はその塩の製造方法について 述する。

 式(III)の化合物は、反応〔C〕、〔E〕又は 〔F〕により製造することができる。

 反応〔C〕:

 式中、R 1 、A及びmは前述の通りである。

 反応〔C〕は、通常、溶媒の存在下で式(IV) 化合物と、等モル以上、望ましくは1.5~5.0倍 ルの式(VII)の化合物とを反応させることに り行うことができる。
 式(VII)の化合物としては、1-シクロプロピル エチルアミン、1-シクロブチルエチルアミン シクロプロピルメチルアミンなどのアミン あるいはその塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸 などの塩の形として使用することができる
 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれのものでもよく、例えば、ジエチル ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン ジメトキシエタンのようなエーテル類;塩化 メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロ ロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類; ンゼン、トルエン、キシレンのような芳香 炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルホル アミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル ロリドン、ジメチルスルホキシドのような 性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上 を適宜選択することができる。
 なお、式(VII)の化合物を塩酸塩、硫酸塩、 化水素酸塩等の形で使用する場合には塩基 用いるのが望ましい。塩基としては、水酸 ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナト ウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、 酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水 カリウムのような無機塩;ナトリウムt-ブト シド、カリウムt-ブトキシドのようなアルカ リ金属アルコキシド;トリメチルアミン、ト エチルアミン、トリイソプロピルアミン、 イソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジ メチルアミノピリジン、2,6-ルチジン、4-ピロ リジノピリジン、N-メチルモルホリン、N,N-ジ メチルアニリン、N-エチル-N-メチルアニリン 1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、1 ,4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような 機塩基などから1種または2種以上を適宜選 することができる。
 反応〔C〕は、通常0~120℃、望ましくは20~80 で行うことができ、その反応時間は、0.5~24 間程度である。

 式(IV)の化合物は、下記の反応〔D〕に従 て製造することができる。

 反応〔D〕:

 式中、R 1 及びmは前述の通りである。

 反応〔D〕は、通常、式(V)の化合物を塩基 および溶媒の存在下で活性誘導体に変換させ た後、塩基の存在下で式(VIII)の化合物と反応 させることにより行なうことができる。

 反応〔D〕は溶媒の存在下で行なうことが でき、同一の溶媒中で一連の反応を行なうこ とができる。溶媒としては、反応に不活性な 溶媒であればいずれのものでもよく、例えば クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロ ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジク ロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエ チレンのようなハロゲン化炭化水素類;ペン ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シク ヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチ エーテル、ブチルメチルエーテル、テトラ ドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ のようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチ ル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセ ン、2-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノンのよ なケトン類;アセトニトリル、プロピオニト リル、N,N-ジメチルホルムアミドのような極 非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を 適宜選択することができる。

 活性誘導体に変換する試薬としては、クロ 炭酸エステル類や塩化スルホニルあるいは ルボン酸塩化物などを使用することができ 。クロロ炭酸エステルとしては、クロロ炭 メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イ プロピルが挙げられ、塩化スルホニルとし は、塩化メタンスルホニル、塩化プロパン ルホニル、塩化ベンゼンスルホニルなどが げられ、カルボン酸塩化物としては、塩化 セチル、塩化プロピオニルなどが挙げられ なかでも塩化メタンスルホニルが好ましい この試薬の使用量は、式(V)の化合物に対し 1.0から1.5倍モル、望ましくは1.1から1.3倍モ である。
 塩基としては、トリメチルアミン、トリエ ルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイ プロピルエチルアミン、ピリジン、2-ピコ ン、3-ピコリン、4-ピコリン、4-ジメチルア ノピリジン、2,6-ルチジンなどが挙げられる 塩基は式(V)の化合物に対して2.0~10.0倍モル 望ましくは4.0~8.0倍モルで使用する。
 反応は、通常-30~60℃、望ましくは-10~40℃で うことができ、反応時間は、10分~2時間程度 である。

 式(V)の化合物を活性誘導体に変換させた後 反応させる式(VIII)の化合物としては、2-ア ノ-5-クロロ安息香酸、2-アミノ-3-ブロモ-5-ク ロロ安息香酸、2-アミノ-5-クロロ-3-メチル安 香酸などを使用することができる。
 式(VIII)の化合物の使用量は、前記式(V)の化 物に対して0.9~1.2倍モル、望ましくは1.05倍 ルである。反応は、通常-30~60℃、望ましく -10~40℃で行うことができ、反応時間は、1時 ~24時間程度である。

 また、更に、反応を促進するために式(VIII) 化合物を反応させた後、活性化剤を加えて よい。活性化剤としては、クロロ炭酸エス ル類や塩化スルホニルなどを使用すること できる。クロロ炭酸エステルとしては、ク ロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ 酸イソプロピルなどが挙げられ、塩化スル ニルとしては、塩化メタンスルホニル、塩 プロパンスルホニル、塩化ベンゼンスルホ ルなどが挙げられるが、なかでも塩化メタ スルホニルが好ましい。活性化剤の使用量 、前記式(V)の化合物に対して0.1~1.5倍モル、 さらに望ましくは0.1~1.3倍モルである。活性 剤は前述の活性誘導体に変換する試薬と同 のものを使用することが望ましく、溶媒と 混合物にして加えることもできる。
 反応は、通常-30~60℃、望ましくは-10~40℃で うことができ、反応時間は、1時間~24時間程 度である。

 反応〔E〕:

 式中、R 1 、A及びmは前述の通りである。
 反応〔E〕は、通常、式(V)の化合物を酸塩化 物、酸無水物等の活性誘導体に変換させた後 、塩基及び溶媒の存在の下で式(IX)の化合物 反応させることにより行なうことができる
 酸塩化物に変換するためには、塩化チオニ 又は塩化オキサリルなどを用いることがで る。また、酸無水物に変換するためには、 化アセチル、塩化トリフルオロアセチルな を用いることができる。その他の活性誘導 に変換させる試薬として、クロロ炭酸エチ 、塩化メタンスルホニル、塩化トリフルオ メタンスルホニル、塩化p-トルエンスルホ ルなどを使用することができる。
 活性誘導体に変換させる反応は、通常、式( V)の化合物と、等モル以上の上記試薬とを反 させることにより行なうことができる。
 活性誘導体に変換する反応は溶媒を使用し もよく、溶媒としては、反応に不活性な溶 であればいずれの物でもよく、例えば、ジ チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ サン、ジメトキシエタンのようなエーテル ;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素 、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水 素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのよう 芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ジメチ ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N- チルピロリドン、ジメチルスルホキシドの うな極性非プロトン性溶媒などから1種又は2 種以上を適宜選択することができる。
 反応は、通常-20~80℃、望ましくは0~60℃で行 うことができ、その反応時間は、0.5~2時間程 である。

 得られた活性誘導体を含む反応溶液に、通 、塩基及び溶媒の存在下で式(IX)の化合物を 反応させることにより、式(III)の化合物を製 することができる。
 式(IX)の化合物としては、2-アミノ-5-クロロ- N-(1-シクロプロピルエチル)ベンズアミド、2- ミノ-3-ブロモ-5-クロロ-N-(1-シクロプロピル チル)ベンズアミド、2-アミノ-5-クロロ-N-(1- クロプロピルエチル)-3-メチルベンズアミド 、2-アミノ-3-ブロモ-5-クロロ-N-(シクロプロピ ルメチル)ベンズアミドなどを使用すること できる。
 塩基としては、水素化ナトリウム、水素化 リウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸 ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ 金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリ ムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドの うなアルカリ金属アルコキシド;トリメチル アミン、トリエチルアミン、トリイソプロピ ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピ リジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン 、4-ジメチルアミノピリジン、2,6-ルチジン、 4-ピロリジノピリジン、N-メチルモルホリン N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン 、N-エチル-N-メチルアニリン、1,8-ジアザビシ クロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、1,4-ジアザビシク ロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類 どから1種又は2種以上を適宜選択すること できる。塩基は、式(V)の化合物に対して2.0~1 0.0倍モル、望ましくは3~7倍モル使用すること ができる。

 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれのものでもよく、例えば、ジエチル ーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒ ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン ようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロ ロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム 、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロ エタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン 化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ のような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキ ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン ような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、 プロピオニトリル、N,N-ジメチルホルムアミ 、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ ホリックトリアミド、スルホラン、ジメチ アセトアミド、N-メチルピロリドンのような 極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以 を適宜選択することができる。
 反応は、通常-20~80℃、望ましくは0~60℃で行 うことができ、その反応時間は、0.5~24時間程 度である。

 また、反応〔E〕は、通常、塩基及び溶媒の 存在下で式(V)の化合物と、式(IX)の化合物及 縮合剤とを反応させることによっても行な ことができる。
 反応で使用することができる縮合剤として 、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1-エ ル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイ ド塩酸塩、ジフェニルホスホリルアジドな が挙げられ、式(V)の化合物に対して等モル 上使用することが望ましい。
 塩基としては、トリメチルアミン、トリエ ルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイ プロピルエチルアミン、ピリジン、2-ピコ ン、3-ピコリン、4-ピコリン、4-ジメチルア ノピリジン、2,6-ルチジン、N-メチルモルホ ン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、 1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンのような三 アミン類などから1種または2種以上を適宜 択することができる。塩基は、式(V)の化合 に対して2~10倍モル、望ましくは2.2~7倍モル 用することができる。式(IX)の化合物は、式( V)の化合物に対して、0.5~2.0倍モル使用するこ とができる。
 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれの物でもよく、例えば、ジエチルエ テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 メトキシエタンのようなエーテル類;塩化メ チレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロ ベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ベ ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族 化水素類;アセトニトリル、ジメチルホルム ミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピ リドン、ジメチルスルホキシドのような極 非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を 適宜選択することができる。
 反応〔E〕は、通常-20~80℃、望ましくは0~60 で行うことができ、その反応時間は、0.5~24 間程度である。

 反応〔F〕:

 式中、R 1 、A及びmは前述の通りである。
 式(V)の化合物から式(X)の化合物を製造する 応〔F〕の一段階目の反応は、通常、式(V)の 化合物を酸塩化物に変換させた後、塩基及び 溶媒の存在下で式(VIII)の化合物を反応させる ことにより行なうことができる。
 酸塩化物に変換する試薬としては、塩化チ ニル又は塩化オキサリルなどを用いること できる。
 活性誘導体に変換させる反応は、通常、式( V)の化合物と、等モル以上、望ましくは1.1~1.3 倍モルの上記試薬とを反応させることにより 行なうことができる。尚、過剰に用いた試薬 は、上記反応後加熱蒸留あるいは減圧下蒸留 することにより取り除いてもよい。
 本反応には溶媒を使用してもよく、溶媒と ては、反応に不活性な溶媒であればいずれ 物でもよく、例えば、ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキ エタンのようなエーテル類;塩化メチレン、 クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン のようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、 ルエン、キシレンのような芳香族炭化水素 ;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、 メチルアセトアミド、N-メチルピロリドン ジメチルスルホキシドのような極性非プロ ン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択 することができる。
 反応は、通常-20~150℃、望ましくは0~100℃で うことができ、その反応時間は、0.5~2時間 度である。

 次に、得られた式(V)の酸塩化物を、通常、 基及び溶媒の存在下で式(VIII)の化合物と反 させることにより、式(X)の化合物を製造す ことができる。
 塩基としては、水素化ナトリウム、水素化 リウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸 ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ 金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリ ムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドの うなアルカリ金属アルコキシド;トリメチル アミン、トリエチルアミン、トリイソプロピ ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピ リジン、2-ピコリン、3-ピコリン、4-ピコリン 、4-ジメチルアミノピリジン、2,6-ルチジン、 4-ピロリジノピリジン、N-メチルモルホリン N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン 、N-エチル-N-メチルアニリン、1,8-ジアザビシ クロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、1,4-ジアザビシク ロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類 どから1種又は2種以上を適宜選択すること できる。塩基は、式(V)の化合物に対して0.5~5 .0倍モル、望ましくは1~3倍モル使用すること できる。

 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれのものでもよく、例えば、ジエチル ーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒ ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン ようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロ ロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム 、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロ エタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン 化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ のような芳香族炭化水素類;アセトニトリル プロピオニトリルのような極性非プロトン 溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択す ことができる。
 反応は、通常-20~80℃、望ましくは0~60℃で行 うことができ、その反応時間は、0.5~24時間程 度である。

 式(X)の化合物から式(III)の化合物を製造す 反応〔F〕の二段階目の反応は、通常、式(X) 化合物と式(VII)のアミンとの混合溶液と、 合剤とを反応させることにより行うことが きる。
 式(VII)の化合物としては、1-シクロプロピル エチルアミン、1-シクロブチルエチルアミン シクロプロピルメチルアミンなどのアミン あるいはそれらの塩酸塩、硫酸塩、臭化水 酸塩などの塩の形として使用することがで る。
 本反応で使用することができる縮合剤とし は、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1- チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジ ミド塩酸塩、ジフェニルホスホリルアジド どが挙げられ、式(X)の化合物に対して等モ 以上使用することが望ましい。
 また、本反応は塩基を使用してもよい。塩 としては、トリメチルアミン、トリエチル ミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプ ピルエチルアミン、ピリジン、2-ピコリン 3-ピコリン、4-ピコリン、4-ジメチルアミノ リジン、2,6-ルチジン、N-メチルモルホリン 1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,4- アザビシクロ[2,2,2]オクタンのような三級ア ン類などから1種または2種以上を適宜選択 ることができる。塩基を使用する場合は、 (X)の化合物に対して0.5~5.0倍モル、望ましく 1~2倍モル使用することができる。

 式(VII)の化合物は、式(X)の化合物に対して 1.0~4.0倍モル使用することができる。尚、式( VII)の化合物を塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸 等の形で使用した場合には、塩基を用いる が望ましい。塩基としては、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、 素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ のような無機塩;ナトリウムt-ブトキシド、 リウムt-ブトキシドのようなアルカリ金属ア ルコキシド;トリメチルアミン、トリエチル ミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプ ピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルア ミノピリジン、2,6-ルチジン、4-ピロリジノピ リジン、N-メチルモルホリン、N,N-ジメチルア ニリン、N-エチル-N-メチルアニリン、1,8-ジア ザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン、1,4-ジアザ ビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基 どから1種または2種以上を適宜選択するこ ができる。
 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれの物でもよく、例えば、ジエチルエ テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 メトキシエタンのようなエーテル類;塩化メ チレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロ ベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ベ ゼン、トルエン、キシレンのような芳香族 化水素類;アセトニトリル、ジメチルホルム ミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピ リドン、ジメチルスルホキシドのような極 非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を 適宜選択することができる。
 反応は、通常-20~80℃、望ましくは0~60℃で行 うことができ、その反応時間は、0.5~24時間程 度である。

 前記式(V)の化合物は、通常、溶媒存在下 式(XI)の化合物を酸化することにより製造す ることができる。

 反応〔G〕:

 式中、R 2 はアルキルであり、直鎖又は分岐状のいずれ でもよい。その具体例としては、メチル、エ チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、タ ーシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルのよ うなC1-6のものなどが挙げられる。
 酸化剤としては、過マンガン酸カリウムの うな過マンガン酸塩;クロロクロム酸ピリジ ニウム、二クロム酸ピリジニウムのようなク ロム酸錯体;四酸化ルテニウム;過酸化水素な から適宜選択することができる。
 溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれ いずれのものでもよく、例えば、アセトン 2-ブタノン、3-ペンタノン、4-メチル-2-ペン ノンのようなケトン類;アセトニトリル、ジ メチルホルムアミドのような極性非プロトン 性溶媒;酢酸、プロピオン酸、酪酸のような ルボン酸類;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸 チルのようなカルボン酸エステル類;ピリジ ン;塩化メチレン;ベンゼン;ターシャリーブタ ノール;水などから1種又は2種以上を適宜選択 することができる。
 反応は、通常0~150℃、望ましくは20~100℃で なうことができ、その反応時間は、1~48時間 度である。

 式(XI)の化合物は、通常、塩基および溶媒 の存在下で式(XII)の化合物と式(XIII)の化合物 を反応させることにより製造することがで る。

 反応〔H〕:

 式中、Lは塩素原子又は臭素原子である。
 塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリ ムのようなアルカリ金属炭酸塩類;水素化ナ トリウム、水素化カリウムのようなアルカリ 金属水素化物類などから1種又は2種以上を適 選択することができる。塩基は、式(XII)の 合物に対して1~5倍モル、望ましくは1~2倍モ 使用することができる。 反応は、通常、溶 媒の存在下に実施する。溶媒としては、反応 に不活性な溶媒であればいずれの物でもよく 、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンの ような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、 ロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、 メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ 、ヘキサメチルホスホリックトリアミドの うな極性非プロトン性溶媒などから1種又は2 種以上を適宜選択することができる。
 反応は、通常0~200℃、望ましくは50~160℃で うことができ、その反応時間は、0.5~48時間 度である。
 式(XII)の化合物は、公知資料である、J.Org.Ch em.,38,1777(1973)やJ.Org.Chem.,25,1259(1960)の方法に準 じて製造することができる。

 前述の反応〔A〕~〔H〕で得られる化合物 は、光学異性体、幾何異性体のような異性 が存在する場合があるが、本発明には各異 体及び異性体混合物の双方が含まれる。  お、本発明には、当該技術分野における技 常識の範囲内において、前記したもの以外 各種異性体も含まれる。また、異性体の種 によっては、前記反応式に記載した構造と なる化学構造となる場合があるが、当業者 あればそれらが異性体の関係にあることが 分認識できる為、本発明の範囲内であるこ は明らかである。

 また、本発明には以下の方法が含まれる。
(1)式(III)の化合物を還元して式(II)の化合物を 製造する方法。
(2)前記反応〔C〕により式(III)の化合物を製造 する方法。
(3)前記反応〔C〕により式(III)の化合物を製造 し;式(III)の化合物を還元して式(II)の化合物 製造し;式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハ ロゲン化銅又は金属銅の存在下でハロゲン化 させて式(I)の化合物を製造する方法。
(4)前記反応〔D〕により式(IV)の化合物を製造 る方法。
(5)前記反応〔D〕及び〔C〕により式(III)の化 物を製造し;式(III)の化合物を還元して式(II) 化合物を製造し;式(II)の化合物をジアゾ化 た後、ハロゲン化銅又は金属銅の存在下で ロゲン化させて式(I)の化合物を製造する方 。
(6)前記反応〔E〕により式(III)の化合物を製造 する方法。
(7)前記反応〔E〕により式(III)の化合物を製造 し;式(III)の化合物を還元して式(II)の化合物 製造し;式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハ ロゲン化銅又は金属銅の存在下でハロゲン化 させて式(I)の化合物を製造する方法。
(8)前記反応〔F〕により式(III)の化合物を製造 し;式(III)の化合物を還元して式(II)の化合物 製造し;式(II)の化合物をジアゾ化した後、ハ ロゲン化銅又は金属銅の存在下でハロゲン化 させて式(I)の化合物を製造する方法。

 本発明をより詳しく述べるために、以下に 施例を記載するが、本発明はこれらに限定 て解釈されるものではない。
 なお、実施例中で化合物の同定に使用した1 H-NMRとは、分子内水素原子の核磁気共鳴分析 を意味する。
 合成例1:1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニト -1H-ピラゾール-5-カルボン酸の合成
(1)3-クロロ-2-(5-メチル-3-ニトロ-1H-ピラゾール -1-イル)ピリジンの合成
 3-メチル-5-ニトロピラゾール9.93g、2,3-ジク ロピリジン12.73g、炭酸カリウム21.58g、及び メチルアセトアミド60mlの混合物を160℃で6時 間反応させた。反応後、室温まで放冷し、反 応液を水600mlに加え、析出した固体をろ過し 。固体を酢酸エチルに溶解させ、水、飽和 塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥 た。溶媒を減圧下で留去し、目的物13.2g(融 :115-117℃)を得た。
1 H-NMR(400MHz,CDCl 3 )δ:8.52(dd,1H),7.97(dd,1H),7.48(dd,1H),6.82(s,1H),2.29(s,3H )

(2)1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピ ゾール-5-カルボン酸の合成
 前記工程(1)で得た3-クロロ-2-(5-メチル-3-ニ ロ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジン13.2g、過マ ガン酸カリウム43.6g及び水300mlの混合物を還 流下3時間30分反応させた。反応後、室温まで 放冷し、水酸化カリウム水溶液を加えて塩基 性にした後、不溶物をろ別した。ろ液をジエ チルエーテルで洗浄後、濃塩酸を加えて酸性 にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和 食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥 した。溶媒を減圧下で留去し、目的物4.49g(融 点:200-205℃)を得た。
1 H-NMR(400MHz,DMSO-d 6 )δ:8.61(dd,1H),8.32(dd,1H),7.76(s,1H),7.75(dd,1H)

合成例2:8-ブロモ-6-クロロ-2-(1-(3-クロロピリ ン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4H-3 ,1-ベンゾオキサジン-4-オンの合成
 前記合成例1により得た1-(3-クロロピリジン- 2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸0. 30g、3-ピコリン0.22ml、及びアセトニトリル10ml の溶液に、塩化メタンスルホニル0.096mlを、 応温度を0℃に保ちながら徐々に滴下した後 同温度で1時間攪拌した。そこへ、2-アミノ- 3-ブロモ-5-クロロ安息香酸0.28gを加え10分間反 応させた後、3-ピコリン0.44mlとアセトニトリ 5mlの混合溶液を滴下した。同温度で1時間攪 拌した後、室温で13時間攪拌した。反応溶液 水2.5mlを加え、析出した固体をろ取した。 体を少量のアセトニトリルで洗浄した後、 燥することにより目的物(融点:218-225℃)0.45g 得た。
1 H-NMR (400MHz DMSO-d 6 )δ:8.64(dd,1H),8.39(dd,1H),8.28(d,1H),8.10(d,1H),8.04(s,1H) ,7.79(dd,1H)

合成例3: N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロ ピルエチルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロ ピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5- ルボキサミドの合成
 1-シクロプロピルエチルアミン塩酸塩0.34g、 トリエチルアミン0.77ml、及びアセトニトリル 8mlの溶液を1時間攪拌した後、前記合成例2に り得た8-ブロモ-6-クロロ-2-(1-(3-クロロピリ ン-2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4H-3 ,1-ベンゾオキサジン-4-オン0.44gを加え室温で6 時間反応させた。反応溶液を水100mlに加え、 出した固体をろ過した。固体を酢酸エチル 溶解させ、水、飽和食塩水で洗浄後、無水 酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で 去し、目的物0.40g(融点:163-164℃)を得た。
1 H-NMR(400MHz,CDCl 3 )δ:10.40(s,1H),8.44(dd,1H),8.13(s,1H),7.86(dd,1H),7.45(d,1H ),7.42(dd,1H),7.28(d,1H),6.20(d,1H),3.45(m,1H),1.18(d,3H),0. 76(m,1H),0.50(m,1H),0.26(m,3H)

合成例4:3-アミノ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シ ロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)-1- (3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カ ボキサミドの合成
 前記合成例3により得たN-(2-ブロモ-4-クロロ- 6-(1-シクロプロピルエチルカルバモイル)フェ ニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-3-ニトロ-1H- ピラゾール-5-カルボキサミド0.40g、還元鉄0.40 g及びエチルアルコール20mlの混合物に濃塩酸2 mlを加え、60℃で30分間反応させた。反応後、 反応液を水200mlに投入し、酢酸エチルで抽出 た。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無 硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下 留去し、目的物0.40g(融点:139.8℃)を得た。
1 H-NMR(300MHz,DMSO-d 6 )δ:9.95(s,1H),8.27(d,1H),7.98(m,2H),7.90(d,1H),7.82(s,1H),7 .33(md,2H),6.40(s,1H),3.16(q,1H),0.95(d,3H),0.68(m,1H),0.27( m,1H),0.16(m,2H),0.06(m,2H).

合成例5: 亜硝酸t-ブチルエステルを使用した 3-ブロモ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロ ルエチルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロ ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサ ミドの合成
 臭化銅(II)0.25gと90%亜硝酸t-ブチル0.13gの10ml セトニトリル溶液に、前記合成例4で得た3- ミノ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピ エチルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロロピ リジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミ 0.40gの10mlアセトニトリル溶液を0℃で徐々に 滴下した後、同温度で1時間30分、室温で30分 拌した。反応液を水150mlに投入し、酢酸エ ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で 浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を 圧下で留去後、残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチ =6/4)で精製して目的物(融点260.6℃)0.29gを得た 。
1 H-NMR(300MHz,DMSO-d 6 )δ:10.34(s,1H),8.37(d,1H),8.18(d,1H),8.05(d,1H),7.84(s,1H), 7.50(dd,1H),7.44(s,1H),7.35(s,1H),3.17(q,1H),0.95(d,3H),0.72 (m,1H),0.25(m,1H),0.17(m,1H),0.05(m,2H).

合成例6: 亜硝酸ナトリウムを使用した3-ブロ モ-N-(2-ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピルエ チルカルバモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリ ン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド 合成
 前記合成例4で得た3-アミノ-N-(2-ブロモ-4-ク ロ-6-(1-シクロプロピルエチルカルバモイル) フェニル)-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラ ゾール-5-カルボキサミド0.30gの酢酸(1.5ml)及び 47%臭化水素酸(2.0ml)の混合溶液に、0℃で、亜 酸ナトリウム0.046gの水溶液(0.12ml)を徐々に 下した後、同温度で30分攪拌して、ジアゾニ ウム塩を合成した。次に、別の反応容器に調 製した臭化第一銅(CuBr)80mgの47%臭化水素酸(2.0m l)溶液に、前記ジアゾニウム塩溶液を、35~40 で徐々に滴下した後、同温度で1時間反応さ た。反応液を氷水100mlに投入し、析出物を 取後乾燥して298mgの灰色固体が得られた。高 速液体クロマトグラフ(HPLC)で分析したところ 、目的物がピーク面積比80.7%で含まれている とが明らかになった。

合成例7: 2-アミノ-3-ブロモ-5-クロロ-N-(1-シク ロプロピルエチル)ベンズアミドを用いたN-(2- ブロモ-4-クロロ-6-(1-シクロプロピルエチルカ ルバモイル)フェニル)-1-(3-クロロピリジン-2- ル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミ の合成
 前記合成例1により得た1-(3-クロロピリジン- 2-イル)-3-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸2g 、2-アミノ-3-ブロモ-5-クロロ-N-(1-シクロプロ ルエチル)ベンズアミド2.15g、3-ピコリン3.27m l及びアセトニトリル50mlの混合物に、室温下 塩化メタンスルホニル0.68mlを滴下した。2時 間室温で反応させた後、テトラヒドロフラン 5mlを加え1時間20分反応させた。その後、更に 3-ピコリンと塩化メタンスルホニルを反応が 結するまで少しずつ加えた。最終的には3- コリン4.91ml及び塩化メタンスルホニル1.02ml 追加し、24時間反応させた。次に反応液に水 50mlを加え、析出物をろ取後、酢酸エチルに 解し、1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水の順 に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を減圧下で留去し、目的物3.40g(融点:163-1 64℃)を得た。

 本発明の方法により、毒性の強いリン系ハ ゲン化剤を用いずにピラゾールの3位にハロ ゲンを持つアントラニルアミド系化合物又は その塩を効率的に製造することができ、これ らの化合物は農園芸分野の有害生物防除剤な どとして有用である。
 
 なお、2007年6月20日に出願された日本特許出 願2007-163122号の明細書、特許請求の範囲、及 要約書の全内容をここに引用し、本発明の 細書の開示として、取り入れるものである