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Patent Searching and Data


Title:
RICE COOKER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/155997
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a rice cooker capable of cooking rice desirably in conformity with the change in the rice quality according to the season change. The rice cooker comprises a pot (7), into which food to be cooked is poured, a cooker body (2) having an opening for housing the pot and heating means for heating the food in the pot, storage means stored with various cooking menus, a display panel for displaying the various cooking menus, operation means for performing the selection of the cooking menu and the change of the various settings, and a control device (24) for executing predetermined cooking steps. The storage means is stored with the cooking conditions, which are given the levels prepared by dividing the cooking conditions according to the four seasons and the taste of the user for the cooked rice. When the four-season cooking menu is selected by the selecting means, the control device calculates, on the basis of the four-season cooking conditions set by the operation means and according to the favorite cooking condition set by the operation means, the cooking conditions at that level, and executes the cooking step.

Inventors:
SHIMOZAWA MASAYUKI (JP)
HOKIMOTO AKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060436
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO ELECTRIC CO (JP)
SANYO CONSUMER ELECTRONICS CO (JP)
SHIMOZAWA MASAYUKI (JP)
HOKIMOTO AKIO (JP)
International Classes:
A47J27/00
Foreign References:
JPH0788041A1995-04-04
JPH09140574A1997-06-03
JP2002089845A2002-03-27
JP2000300430A2000-10-31
JP2004344570A2004-12-09
Attorney, Agent or Firm:
WIN TECH PATENT OFFICE (Uchikanda-Shibuya Bldg.16-11, Uchikanda 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 45, JP)
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Claims:
 被炊飯物が投入される鍋と、該鍋が収容される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段を有する炊飯器本体と、該炊飯器本体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、各種炊飯メニューを記憶した記憶手段と、各種炊飯メニューを表示する表示パネルと、該炊飯メニューの選択及び各種設定の変更等を行う操作手段と、所定の炊飯工程を実行する制御装置と、を備え、
 前記制御装置により、前記炊飯メニューにしたがって、前記加熱手段を制御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分を吸水させる吸水工程と、該吸水された被炊飯物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工程と、該被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰維持工程と、該沸騰維持工程後に被炊飯物を蒸らす蒸らし工程と、を含む炊飯工程を実行する炊飯器において、
 前記記憶手段には、各種炊飯メニューとして少なくとも四季炊メニューを含み、予め四季に対応した四季炊飯条件及び被炊飯物の炊き上がりにおけるユーザーの味好みを複数に区分して各区分ごとにレベル分けしたこだわり炊飯条件を記憶しておき、
 前記制御装置は、前記操作手段により四季炊きメニューが選択されたときに、前記操作手段により設定された前記四季炊飯条件及びこだわり炊飯条件にしたがって前記炊飯工程の各条件を演算し、前記演算された各条件に基づいて前記炊飯工程を実行することを特徴とする炊飯器。
 前記四季炊飯条件は、冬季を基準にして、前記吸水工程における吸水温度は春季及び夏季は高く、秋季は低く設定され、前記吸水時間は春季及び夏季は長く、秋季は短く設定され、前記沸騰維持工程における沸騰維持電力は春季及び夏季は小さく、秋季は高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
 前記制御装置は、被炊飯物の炊き上がり時におけるユーザーの味好みを複数に区分し、この区分された味好みを複数段階にレベル分けして入力できるこだわり炊飯メニュー画面を前記表示パネルに表示させる表示手段と、前記こだわり炊飯メニュー画面において前記操作手段により設定された区分及びレベルにしたがって前記炊飯工程における炊飯条件を算出する炊飯条件算出手段と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
 前記制御装置は、前記こだわり炊飯条件のそれぞれのレベルごとに少なくとも前記吸水工程における吸水温度・時間及び前記沸騰維持工程における沸騰維持電力をそれぞれ所定値に設定し、該所定値に基づいて前記炊飯条件算出手段により修正された吸水温度・時間及び沸騰維持電力をそれぞれ算出し、これらの算出値によって前記炊飯工程を実行することを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
 前記こだわり炊飯条件の複数に区分された味好みは、被炊飯物の甘み、粘り及び硬さであり、これらの甘み、粘り及び硬さは少なくとも3レベル以上に分割されていることを特徴とする請求項3に記載の炊飯器。
 前記蓋体には、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁と、前記圧力弁を制御する圧力弁開放機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
 前記記憶装置には、前記吸水工程における給水温度をT、吸水時間をTAとし、前記立上加熱工程における立上時間をTBとし、前記沸騰維持工程における沸騰維持時間をTCとし、前記蒸らし工程における蒸らし時間をTDとしたとき、前記四季炊飯条件に応じて前記炊飯工程に掛かる時間が略一定になる前記吸水時間TA、立上時間TB、沸騰維持時間TC及び蒸らし時間TDを予め求めて記憶させておき、
 前記制御装置は、前記四季炊飯条件に応じて前記吸水時間TA、前記立上時間TB、前記沸騰維持時間TC及び前記蒸らし時間TDを呼び出して、それぞれの時間を合算した時間がいずれの前記四季炊飯条件でも実質的に同じ炊飯時間TEになるように前記炊飯工程を実行することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
 前記吸水時間をTAn、前記立上時間をTBn、前記沸騰維持時間をTCn及び前記蒸らし時間をTDnとし、前記四季炊飯条件が秋、冬、春及び夏季である場合にそれぞれ順にn=1~4の整数を割り当て、以下の(1)~(4)式の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項7に記載の炊飯器。
  TAn=一定                   (1)
  TB 1 <TB 2 <TB 3 <TB 4             (2)
  TC 1 >TC 2 >TC 3 >TC 4             (3)
  TDn=TE-(TAn+TBn+TCn)     (4)
 前記吸水時間をTAn、前記立上時間をTBn、前記沸騰維持時間をTCn及び前記蒸らし時間をTDnとし、前記四季炊飯条件が秋、冬、春及び夏季である場合にそれぞれ順にn=1~4の整数を割り当て、以下の(1)'~(4)式の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項7に記載の炊飯器。
  TA 1 <TA 2 <TA 3 <TA 4             (1)'
  TB 1 <TB 2 <TB 3 <TB 4             (2)
  TC 1 >TC 2 >TC 3 >TC 4             (3)
  TDn=TE-(TAn+TBn+TCn)     (4)
 前記吸水温度をTnとし、前記四季炊飯条件が秋、冬、春及び夏季である場合にそれぞれ順にn=1~4の整数を割り当て、以下の(5)の関係を満たすように設定したことを特徴とする請求項8に記載の炊飯器。
  T 2 >T 1 >T 3 >T 4                 (5)
Description:
炊飯器

 本発明は炊飯器に係り、詳しくは四季に って米質の異なる米に対応してユーザーの みの炊飯ができる炊飯メニューを備えた炊 器に関するものである。

 現在、電気炊飯器は、一般家庭において 需品となっており、種々タイプの炊飯器が 発されている。近年の炊飯器は、マイクロ ンピュータが組み込まれて、記憶手段に種 の炊飯メニューを記憶しておき、ユーザー 好みに応じたメニューを選択きるようにな ている。炊飯メニューには、様々なものが 発されている。これらの炊飯メニューは、 常、米に水を吸水させる吸水工程、フルパ ーで加熱する立上加熱工程、沸騰状態を維 する沸騰維持工程、及び炊き上がったご飯 蒸らす蒸らし工程などの一連の工程で炊飯 るものとなっている。

 ところが、米は、四季の変移によって米 が変化している。その米質は、その年の最 に収穫された新米、収穫から月日が経って 年に収穫されるまでの間の米、さらにそれ り古い米などで異なっている。そこで、こ らの米質の異なる米を、同じ炊飯工程で炊 すると、炊き上がったご飯は、米質によっ その硬さや香りなどが変化してしまって美 しく炊き上がらないことがある。また、一 で、ユーザーの好みが多様化し、ご飯の硬 、粘り及び甘みなどをユーザーの好みに合 せて炊飯できる炊飯器が要求されている。 こで、このような課題を解決するために種 タイプの炊飯器が開発されてきている。

 例えば、下記特許文献1に開示された炊飯 ジャーは、記憶手段に予め米質に対応した炊 飯シーケンスを記憶しておき、使用者が炊飯 する米に対応した炊飯シーケンスを選択でき るようにしたものである。この炊飯シーケン スは、基本となる基本炊飯シーケンス、新米 を炊飯する炊飯シーケンス及び古米を炊飯す る炊飯シーケンスとなっている。また、収穫 された米は、その米質が四季の変移によって も変化するので、夏を基準にして、その前後 で吸水工程の吸水時間を変更するようにした 炊飯器が下記特許文献2に開示されている。

 また、ご飯の硬さを柔らかめ、少し柔らか 、ふつう、少し硬め、硬めの何れかに設定 て炊飯できるようにした炊飯器が下記特許 献3に開示されている。さらに、下記特許文 献4に開示された炊飯器は、甘みのあるご飯 炊飯できるようにしたものである。さらに た、下記特許文献5に開示された炊飯器は、 ーザーの個々の好みに合わせた炊飯ができ ようにしたものである。具体的には、吸水 昇温・炊き上げ・蒸らしの各工程ごとの加 条件にしたがって炊飯加熱運転を制御する 転制御手段を備えた炊飯器において、加熱 件変更スイッチと、各工程ごとの加熱条件 予め設定された標準加熱条件から加熱条件 更スイッチの操作に応じてユーザーが加熱 件に変更する加熱条件変更手段とを設け、 ーザーが個々の好みに適合した炊飯が設定 きるようにしたものである。

特開平6-133849号公報(図3、段落〔0015〕~〔 0020〕)

特許第2914224号公報(図10、段落〔0063〕~〔 0063〕)

特公平7-102183号公報(図2a、特許請求の範 (請求項1))

特開2004-344570号公報(図6、段落〔0041〕~〔 0044〕)

特開2001-87130号公報(図1、図4、段落〔0042 ~〔0046〕)

 上記特許文献1に開示された炊飯ジャーに よれば、新米及び古米などの米質に対応した 炊飯シーケンスを選択して炊飯することがで き、上記特許文献2に開示された炊飯器によ ば、夏を基準にしてその前後で吸水時間を 更するので、それぞれの区分に対応したご を炊き上げることができる。また、上記特 文献3に開示された炊飯器によれば、ご飯の さを調節して炊き分けることができ、上記 許文献4に開示された炊飯器によれば、甘み のあるご飯を炊くことができる。さらに、上 記特許文献5の炊飯器によれば、各炊飯工程 の加熱条件を標準の加熱条件としたときに この標準炊き上げ状態に満足できない場合 も、各工程での加熱条件をユーザー自らが 宜変更することによって、ユーザーの好み より合致した加熱条件を求めて炊き分ける とができる。したがって、これらの炊飯器 よって炊き上げたご飯は、大半のユーザー 満足感を与えることができるものとなって る。

 しかし近年は、ユーザーが更なる美味し を要求し、その美味しさも様々なものに多 化してきている。また、収穫された米は季 によってその米質が変化し、一般に、新米 柔らかくしかも粘りが多く、また夏場の米 硬く、ぱさつき気味になるので、1年を通し て同じようなご飯に仕上げることが難しくな っている。さらに、その炊き上がりも、硬さ の調節だけでなく、その他の好み、例えば甘 み、粘り、旨み、香り、弾力性、つやなども 求められている。

 また、これらの炊飯器は、四季に応じて 質が異なる米を炊飯するときに、その米質 米に合わせて炊飯工程における炊飯条件、 えば吸水工程における吸水時間、立上加熱 程における立上電力及び立上時間、沸騰維 工程における沸騰維持電力及び沸騰維持時 、蒸らし工程における蒸らし時間などがそ ぞれ設定されて、これらの条件のうち、個 の工程に掛かる時間を合計した炊飯時間も 質の違いごとに異なったものとなっている そのため、ユーザーによっては、米質が変 する季節によって炊飯時間が違ってしまう とに戸惑いを感じることがあり、ユーザー ら1年を通じて同じ炊飯時間で炊飯できしか も美味しく炊き上げることができる炊飯器の 提供が要望されている。

 もっとも、米質が異なる米でも炊飯時間 同じにして炊飯することは可能であるが、 飯時間を同じにしてもそもそも米質によっ 炊飯条件が違うので美味しく炊き上げるこ ができない。すなわち、この米質が変化し 米を炊飯すると、一般に、新米は柔らかく かも粘りが多く、また夏場の米は硬く、パ つき気味になるので、1年を通して同じよう なご飯を炊き上げることができない。また、 その炊き上がりも、硬さの調節だけでなく、 その他の好み、例えば甘み、粘り、旨み、香 り、弾力性、つやなどまで調節できるものが 求められている。

 本発明は、このような従来技術の課題を 決し、しかも近年のユーザーの要求に応え ことができるようにするために開発された のである。すなわち、本発明の目的は、季 の変移による米質の変化に合わせて、好み 炊飯、例えばご飯の甘み、粘り、硬さを選 することができ、更には違った炊飯条件で 飯しても同じ炊飯時間で炊飯することがで るようにした炊飯器を提供することにある

 上記目的を達成するために、本発明の炊 器は、炊飯物が投入される鍋と、該鍋が収 される開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱す 加熱手段を有する炊飯器本体と、該炊飯器 体の開口部を塞ぐ開閉自在な蓋体と、各種 飯メニューを記憶した記憶手段と、各種炊 メニューを表示する表示パネルと、該炊飯 ニューの選択及び各種設定の変更等を行う 作手段と、所定の炊飯工程を実行する制御 置と、を備え、前記制御装置により、前記 飯メニューにしたがって、前記加熱手段を 御して前記鍋内の被炊飯物に所定量の水分 吸水させる吸水工程と、該吸水された被炊 物を沸騰するまで昇温加熱する立上加熱工 と、該被炊飯物を沸騰状態に維持する沸騰 持工程と、該沸騰維持工程後に被炊飯物を らす蒸らし工程と、を含む炊飯工程を実行 る炊飯器において、前記記憶手段には、各 炊飯メニューとして少なくとも四季炊メニ ーを含み、予め四季に対応した四季炊飯条 及び被炊飯物の炊き上がりにおけるユーザ の味好みを複数に区分して各区分ごとにレ ル分けしたこだわり炊飯条件を記憶してお 、前記制御装置は、前記操作手段により四 炊きメニューが選択されたときに、前記操 手段により設定された前記四季炊飯条件及 こだわり炊飯条件にしたがって前記炊飯工 の各条件を演算し、前記演算された各条件 基づいて前記炊飯工程を実行することを特 とする。

 収穫された米は季節の変移によってその 質が変化し、一般に、新米は柔らかくしか 粘りが多く、また夏場の米は硬く、ぱさつ 気味になりがちになる。しかしながら、本 明の炊飯器によれば、季節の米質の変化に わせて、新米は粘りを抑えて硬めに、夏場 ものは柔らかめで粘りのあるものにし、同 に季節ごとに好みの炊飯が可能になる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記 季炊飯条件は、冬季を基準にして、前記吸 工程における吸水温度は春季及び夏季は高 、秋季は低く設定され、前記吸水時間は春 及び夏季は長く、秋季は短く設定され、前 沸騰維持工程における沸騰維持電力は春季 び夏季は小さく、秋季は高く設定されてい ことが好ましい。

 本発明の炊飯器によれば、上記のように 季炊飯条件を設定しているので、より細か 季節ごとに好みの炊飯が可能になる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記 御装置は、被炊飯物の炊き上がり時におけ ユーザーの味好みを複数に区分し、この区 された味好みを複数段階にレベル分けして 力できるこだわり炊飯メニュー画面を前記 示パネルに表示させる表示手段と、前記こ わり炊飯メニュー画面において前記操作手 により設定された区分及びレベルにしたが て前記炊飯工程における炊飯条件を算出す 炊飯条件算出手段と、を有していることが ましい。

 係る態様の炊飯器によれば、表示パネル 表示画面から好みの区分及びレベルを簡単 設定できるようになる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記 御装置は、前記こだわり炊飯条件のそれぞ のレベルごとに少なくとも前記吸水工程に ける吸水温度・時間及び前記沸騰維持工程 おける沸騰維持電力をそれぞれ所定値に設 し、該所定値に基づいて前記炊飯条件算出 段により修正された吸水温度・時間及び沸 維持電力をそれぞれ算出し、これらの算出 によって前記炊飯工程を実行するものであ ことが好ましい。

 従来技術で採用されている硬さ乃至甘み 制御は、それぞれ単独に所定の硬さ又は甘 になるように炊き上げるもので、炊き上が たご飯は、この硬さ又は甘み以外において 何なる状態で炊き上がっているかが把握で ず、また、硬さ以外はレベル分けされない で、美味しいご飯を望むユーザー好みの要 に応じられない。これに対し、本発明の炊 器によれば、こだわり炊飯における条件は 設定された味好みレベルに応じて、その都 、味好みごとの吸水温度・時間及び沸騰維 電力を算出して、この算出値に基づいて炊 するので、ユーザーのきめ細かな要求に応 た炊飯が可能となる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記 だわり炊飯条件の複数に区分された味好み 、被炊飯物の甘み、粘り及び硬さであり、 れらの甘み、粘り及び硬さは少なくとも3レ ベル以上に分割されていることが好ましい。

 係る態様の炊飯器によれば、ユーザーは みの味好みを複数レベルにレベル分けして り細かく設定して炊飯ができる。これらの み、粘り及び硬さは、それぞれ3レベル以上 、例えば甘みを、甘い、ふつう、甘み控えめ に、粘りを、粘りめ、ふつう、あっさりに、 更に、硬さを、硬め、ふつう、柔らかめ、な どに分けてお好みの炊飯ができるようになる 。

 また、本発明の炊飯器によれば、前記蓋 には、前記鍋内の内圧を調整する圧力弁と 前記圧力弁を制御する圧力弁開放機構を備 ていることが好ましい。

 係る態様の炊飯器によれば、圧力式の炊 器においても上記本発明の効果を奏するよ にすることができるようになる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記 憶装置には、前記吸水工程における給水温 をT、吸水時間をTAとし、前記立上加熱工程 おける立上時間をTBとし、前記沸騰維持工 における沸騰維持時間をTCとし、前記蒸らし 工程における蒸らし時間をTDとしたとき、前 四季炊飯条件に応じて前記炊飯工程に掛か 時間が略一定になる前記吸水時間TA、立上 間TB、沸騰維持時間TC及び蒸らし時間TDを予 求めて記憶させておき、前記制御装置は、 記四季炊飯条件に応じて前記吸水時間TA、前 記立上時間TB、前記沸騰維持時間TC及び前記 らし時間TDを呼び出して、それぞれの時間を 合算した時間がいずれの前記四季炊飯条件で も実質的に同じ炊飯時間TEになるように前記 飯工程を実行する用にすることが好ましい

 米は、収穫後の月日の経過により米質が 化し、炊飯工程における好ましい吸水工程 立上加熱工程、沸騰維持工程及び蒸らし工 の炊飯条件も違ったものとなる。しかしな ら、上記態様の炊飯器によれば、これらの 質の変化に伴って炊飯条件が違っても、四 を通じていずれの季節でも全体の炊飯時間 同じにして美味しく炊き上げることが可能 なる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記吸 時間をTAn、前記立上時間をTBn、前記沸騰維 時間をTCn及び前記蒸らし時間をTDnとし、前 炊飯する季節が秋、冬、春及び夏季である 合にそれぞれ順にn=1~4の整数を割り当て、 下の(1)~(4)式の関係を満たすように設定する とが好ましい。
  TAn=一定                   (1)
  TB 1 <TB 2 <TB 3 <TB 4             (2)
  TC 1 >TC 2 >TC 3 >TC 4             (3)
  TDn=TE-(TAn+TBn+TCn)     (4)

 係る態様の炊飯器によれば、吸水工程に ける吸水時間を一定にして、いずれの季節 件でも同じ炊飯時間で美味しく炊飯するこ ができるようになる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記吸 時間をTAn、前記立上時間をTBn、前記沸騰維 時間をTCn及び前記蒸らし時間をTDnとし、前 四季炊飯条件が秋、冬、春及び夏季である 合にそれぞれ順にn=1~4の整数を割り当て、 下の(1)'~(4)式の関係を満たすように設定する こともできる。
  TA 1 <TA 2 <TA 3 <TA 4             (1)'
  TB 1 <TB 2 <TB 3 <TB 4             (2)
  TC 1 >TC 2 >TC 3 >TC 4             (3)
  TDn=TE-(TAn+TBn+TCn)     (4)

 係る態様の炊飯器によれば、吸水工程にお る吸水時間を季節に対応させて、TA 1 <TA 2 <TA 3 <TA 4 にすることにより、四季を通じて、同じ炊飯 時間で美味しいご飯を炊飯することができる ようになる。特に、新米は粘りを抑えて硬め に、一方、夏場の米は粘りがあり柔らかめに 炊き上げることができるようになる。

 また、本発明の炊飯器においては、前記吸 温度をTnとし、前記四季炊飯条件が秋、冬 春及び夏季である場合にそれぞれ順にn=1~4の 整数を割り当て、以下の(5)の関係を満たすよ うに設定することもできる。
  T 2 >T 1 >T 3 >T 4                 (5)

 係る態様の炊飯器によれば、吸水工程にお る吸水温度を季節に対応させて、T 2 >T 1 >T 3 >T 4 にすることにより、季節条件に応じて最適な 温度で吸水を行う為、米に十分な水を含ませ ることができるので、四季を通じて、同じ炊 飯時間で美味しいご飯を炊飯することができ るようになる。

本発明の第1の実施形態に係る炊飯器の 正面図である。 図1の炊飯器の外ケース等を省略した縦 断面図である。 図2の圧力弁開放機構を拡大した拡大断 面図である。 図4Aは図1の表示部分の拡大図、図4Bは だわり炊飯メニュー画面である。 第1の実施形態に係る炊飯器の制御装置 の制御ブロック図である。 炊飯工程における鍋内の温度及び圧力 の開閉パターを示した説明図である。 図7A及び図7Bは四季によって米質が変化 し、この変化した四季の米を炊飯したときの 性状の一部を示したグラフである。 図8A~図8Dは、春、夏、秋及び冬季の炊 工程における鍋底温度、弁の開閉を示した 明図である。 四季ごとの炊飯条件の設定値を纏めた である。 図10Aは好み区分とレベルを説明する説 明図でありであり、図10Bは甘み、粘り及び硬 さの各レベルの組み合わせを示す図である。 甘み、粘り及び硬さと、吸水温度、吸 水温度及び沸騰維持電力などの関係を説明す る説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る炊飯器 炊飯工程を示すフローチャートである。 図12に続く炊飯工程のフローチャート ある。 図13に続く炊飯工程を示すフローチャ トである。 四季設定処理の変更処理工程を示すフ ローチャートである。 こだわり炊飯設定処理の変更処理工程 を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る炊飯器 制御装置の制御ブロック図である。 共通炊飯メニューの炊飯工程における 鍋内の温度及び圧力弁の開閉パターを示した 説明図である。 図19A~図19Dは、それぞれ、秋、冬、春 び夏季の炊飯工程における鍋底温度を示し 温度曲線図である。 秋、冬、春及び夏季の吸水時間、立上 時間、沸騰維持時間及びむらし時間を纏めた 表である。 本発明の第2の実施形態に係る炊飯器 炊飯工程を示すフローチャートである。 図21に続く炊飯工程のフローチャート ある。 図21における四季設定処理の炊飯工程 フローチャートである。

符号の説明

1   炊飯器
2   炊飯器本体
3   外部ケース
3a  炊飯スタートボタン
4   内部ケース
5   加熱手段
6   鍋底温度センサ
7   鍋
10  蓋体
11  内蓋
12  外蓋
13  圧力弁
14  弁孔
15  弁座
16  ボール
17  カバー
18  圧力弁開放機構
19a シリンダ
19b プランジャ
20  作動棹
21  蒸気口
22  安全弁
24  制御装置
25  表示操作部

 以下、図面を参照して、本発明の最良の 施形態を説明する。但し、以下に示す実施 態は、本発明の技術思想を具体化するため 炊飯器を例示するものであって、本発明を の炊飯器に特定することを意図するもので なく、特許請求の範囲に含まれるその他の 施形態のものも等しく適応し得るものであ 。

[第1の実施形態]
 最初に、図1~図5を参照して、本発明の第1の 実施形態に係る炊飯器の構造を説明する。な お、図1は本発明の第1の実施形態に係る炊飯 の正面図、図2は図1の炊飯器の外ケース等 省略した縦断面図、図3は図2の圧力弁開放機 構を拡大した拡大断面図、図4Aは図1の表示部 分の拡大図、図4Bはこだわり炊飯メニュー画 、図5は制御装置の制御ブロック図である。

 炊飯器1は、図1及び図2に示すように、被 飯物が投入される鍋7と、上方にこの鍋7が 容される開口部及び内部にこの鍋7を加熱し 炊飯物を加熱する加熱手段5を有する炊飯器 本体(以下、本体という)2と、この炊飯器本体 2の一側に枢支されて開口部を覆い閉塞状態 係止する係止機構を有する蓋体10と、この蓋 体10に装着されて鍋7内の内圧を調整する圧力 弁13と、この圧力弁を制御する圧力弁開放機 18と、各種の炊飯メニューを表示して選択 る表示操作部25と、選択された炊飯メニュー により加熱手段(例えばヒータやIHコイル)5及 圧力弁開放機構18を制御する制御装置24と、 を備えている。

 炊飯器本体2は、図1及び図2に示すように 有底箱状の外部ケース3と、この外部ケース 3に収容されその中に鍋7が収容される内部ケ ス4とからなり、外部ケース3と内部ケース4 の間に隙間が形成され、この隙間に制御装 24を構成する制御回路基板等(図示省略)が配 設されている。内部ケース4は、その底部4a及 び側部4bに加熱手段5、底部4aに鍋底温度を検 するサーミスタ等からなる鍋底温度センサ6 が設けられている。加熱手段5には、ドーナ 状に巻装した電磁誘導コイルが使用されて る。鍋7は、図2に示すように、水及び米から なる所定量の被炊飯物が投入される比較的深 底の容器からなり、アルミニウムとステンレ スとのクラッド材で形成されている。

 蓋体10は、図2に示すように、鍋7の開口部 を閉蓋する内蓋11と、炊飯器本体2の開口部全 体を閉蓋する外蓋12等とで構成されている。 の蓋体10は、一端が炊飯器本体2の一端に枢 され、他端が本体の他端に係止機構により 止されるようになっている。内蓋11上部に 、圧力弁13とこの圧力弁13を開放させる圧力 開放機構18が設けられている。圧力弁13は、 図3に示すように、所定径の弁孔14が形成され た弁座15と、この弁孔14を塞ぐように弁座15上 に載置される金属製のボール16と、このボー 16の移動を規制しボール16を弁座15上に保持 るカバー17(図3参照)とで構成されている。

 また、圧力弁開放機構18は、電磁コイル 巻回されたシリンダ19aと、このシリンダ19a を電磁コイルの励磁により摺動してボール16 を移動させるプランジャ19bと、プランジャ19b の先端に装着されたバネ及び作動棹20とで構 されている。

 圧力弁開放機構18は、制御装置24により制 御される。すなわち、制御装置24からの指令 基づいて電磁コイルが励磁されると、プラ ジャ19bがシリンダ19aから飛出してボール16 衝突し、このボール16を横方向に押し出す。 この押し出しにより、ボール16は弁孔14上か 移動されて、弁孔14を強制的に開放させる。 また、この開放状態において、電磁コイルへ の励磁がストップされると、プランジャ19bが シリンダ19a内にばね力により引き戻され、こ の引っ込みにより、プランジャ19bがボール16 横方向に押す力がなくなり、ボール16は弁 14上に戻り、弁孔14がボール16により閉塞さ る。

 外蓋12には、内蓋11と外蓋12との間の空間 大気とを連通する蒸気口21が設けられてい 。また、内蓋11には、鍋内の圧力が所定圧力 以上の異常圧力に上昇したときに、鍋内の蒸 気を蒸気口21を介して外部に逃がすための安 弁22が設けられている。また、この内蓋7に 、蒸気温度センサ23(図3参照)が取り付けら ている。

 炊飯器本体2の前面壁には、各種の炊飯メ ニューが表示され、この表示されたメニュー から所定のメニュー等を設定する複数個の操 作釦等を備えた表示操作部25が設けられてい 。

 この表示操作部25は、図1に示すように、 種の炊飯選択メニュー及び時刻等が表示さ る表示パネル8と、この表示パネル8の左右 び下方に複数個の操作釦が配設されている ここで述べる操作釦は、炊飯器を作動させ 炊飯スタート釦3a、炊飯予約をする予約釦3b 炊飯等の設定を取消す切釦3c、米を選択す お米選択釦3d、炊飯メニューを選択するメニ ュー釦3e、コースを選択するコース釦3f、及 表示パネル8に表示されたメニュー等を選択 決定する十字シフトキー9となっている。

 これらの操作釦は、押し釦式のスイッチ 構成する釦あるいはキーであって、この釦 いはキーを押圧することにより、それぞれ スイッチ(図示省略)が作動されるようにな ている。これらの操作釦3a~3fのうち、メニュ ー釦3eは、各種炊飯メニューを表示パネル8に 表示させるもので、この釦を押圧すると、ふ つう、かため、やわらか、おかゆ、すしめし 、カレー用、炊込みおこわ、もちもちなどの 炊飯メニューが表示される。また、お米選択 釦3dは、米の種類を選定するもので、例えば 米、無洗米、玄米、発芽玄米等の何れかを 択するものである。

 更に、コース釦3fは、うまみ保温、おや み保温及びクリーニング等を選択するもの ある。また、十字シフトキー9は、表示パネ 8に表示された種々のメニューから所定のメ ニューを選択するもので、表示された炊飯メ ニュー、例えば、ふつう、かため、やわらか 、おかゆ、すしめし、カレー用、炊込みおこ わ、もちもち、四季炊き条件(春、夏、秋、 )等から十字シフトキー9を操作してカーソル (点滅表示)を上下及び左右に移動させて選択 るものである。表示パネル8に表示される春 、夏、秋、冬は、四季の変移を示したもので ある。表示パネル8には、例えば図4Aに示す画 面が表示される。この表示パネル8には、図4B に示すように、こだわり炊飯設定を行う甘み 、粘り及び硬さが表示され、それぞれのレベ ルが設定できるようになっている。

 制御装置24は、図5に示すように、CPU、ROM RAMなどが搭載された回路基板からなるハー ウェアを備え、炊飯スタート釦3a、メニュ 選択釦3e、炊飯予約釦3b及び取消/保温釦3c、 底温度センサ6、十字シフトキー9、蒸気セ サ23などにそれぞれ接続され、これらの釦及 びセンサからの信号がCPUに入力されるように なっている。また、CPUには、所定時間を計時 する各種のタイマー及びROM、RAMが接続されて いる。また、出力部(ドライバ)には、加熱手 5、圧力弁開放機構(ソレノイド)19a'、および 表示パネル8などが接続されている。ROMには 各種の炊飯メニューおよびこのメニューを 行するプログラムが収納されている。

 次に、図6を参照して、各炊飯メニューに 共通する炊飯工程の概要を説明する。なお、 図6は炊飯工程における鍋内の温度及び圧力 の開閉パターンを示した説明図である。

 共通する炊飯工程は、所定の吸水温度及 時間で米に所定量の水を吸水させる吸水工 Iと、この吸水後に被炊飯物を沸騰温度まで 昇温加熱する立上加熱工程IIと、所定の沸騰 持電力で所定時間沸騰状態に維持する沸騰 持工程IIIと、この沸騰維持終了後に炊飯さ たご飯を所定時間蒸らす追い炊き工程IVと を有している。

 これらの炊飯工程I~IVのうち、沸騰維持工 程III及び追炊き工程IVにおいて、圧力弁13の 放制御が行われる。沸騰維持工程IIIにおけ 圧力弁13の開放制御は、立上加熱工程IIで鍋7 内が沸騰温度に達した後に、圧力弁13の開閉 数及び閉時間の長短により、3つの開閉パタ ーンA、B、Cに分かれている。開閉パターンA 、立上加熱工程II後に、所定時間、例えば2~6 秒単位で所定回数、例えば4回の圧力弁13の開 閉を行い、その後、圧力弁13を閉じ、この閉 態を追い炊き後まで継続するパターンで弁 鎖時間が最も長いものである。

 また、開閉パターンBは、2~6秒単位で4~8回 の圧力弁13の開閉を行った後に圧力弁13を閉 、この閉状態を鍋内の水分がなくなり温度 最高値、すなわち炊飯切り温度まで継続す パターンである。更に、開閉パターンCは、2 ~6秒単位で4回の圧力弁13の開閉を行い、その は、圧力弁31を開放状態とするもので、弁 閉時間が最も短いパターンである。また、 開閉パターンA、B、Cは追炊き工程IVの後半に も圧力弁を閉成する。これらの圧力弁13の開 パターンA~Cは、主にこだわり炊飯メニュー おいて、甘み、粘り、硬さ制御の際に設定 れる。また、この圧力弁13の開閉パターン 御は制御装置24により圧力弁開放機構18を作 させることにより行われる。

 各種炊飯メニューは、上述のような炊飯 程により炊飯される。しかしながら、米は 四季の変移によってその米質が変化するの 、一定の炊飯工程によって炊飯すると、好 のご飯に炊き上がらない。そこで、四季の 移による米質の変化及びこの米質の異なる を従来の炊飯工程で炊飯したときのご飯の 状を説明する。

 収穫された米は、収穫直後の秋の新米、 れから少し月日が経った冬の米、春の米及 夏の米でそれぞれ米質が変化し、この変化 た四季の米を炊飯すると、四季によりその 状、例えば硬さ、硬軟性、付着力、粘着性 咀嚼性、弾力性、バランス度、凝集性及び 続性などが異なったものとなる。なお、図7 A及び図7Bは四季によって米質が変化し、この 変化した四季の米を炊飯したときの性状の一 部を示したグラフである。

(i)硬さ;この硬さをその度合いでみると、図7A のA1に示すように、収穫期10月の新米を炊い ご飯が最も低く、その後、冬季、春季及び 季に向かって徐々に上昇し、次年の9月頃に も高い値となる。したがって、この新米を 常の炊飯工程で炊くと、柔らかく水っぽい のとなる。
(ii)粘着性;粘着性は、ご飯の粘りつく性質が れまいとする度合いとして捉えると、図7B B1に示すように、10月頃の新米が最も高く、 の季節は新米の時期に比べて低くなってい 。したがって、新米が最も粘着性が高いも となる。なお、発明者は、硬さ及び粘着性 他に、付着力、咀嚼性、弾力性、バランス 、凝集性及び持続性なども検証したので、 示はしないが、その結果の概要を説明する

(iii)柔軟性;この柔軟性を噛み応えとして捉え ると、冬季2月頃のご飯が最も柔軟性があり 春季、夏季及び秋季のものは冬季より柔軟 が低くなる。したがって、冬季頃のご飯は 軟性が最も高く、噛み応えがあるものとな 、他の季節のご飯は冬季のものに比べて、 軟性が低いものとなる。
(iv)付着力;この付着力を付着する性質の度合 として捉えると、冬季2月頃のご飯が最も高 く、その後、次第に低下し、10月の新米も高 なく11月の米が最も低い値となる。したが て、冬季2月頃のご飯が付着力が最も高く、 の季節のご飯は冬季のものに比べて付着力 低下したものとなる。
(v)咀嚼性;この咀嚼性を「コシ」のよさの度 いで捉えると、冬季2月頃のご飯が最も高く 11頃のご飯が最も低く、他の季節のご飯は これらの間になっている。したがって、冬 のご飯が咀嚼性が最も高く、コシの強いも となる。反対に11月頃の米が最もコシが弱く なっている。

(vi)バランス度;このバランス度を硬さに対す 粘りの度合いで捉えると、新米と冬季2月頃 のご飯が高く、他の季節のご飯がこれに続い ている。したがって、新米及び冬季のご飯が バランス度が高く、硬さに対する粘りのバラ ンスがとれている。他の季節の米は新米及び 冬季のものに比べて、バランス度が低くなっ ている。
(vii)弾力性;この弾性力をご飯のもつ弾力の性 質の度合い、或は元の形に戻ろうとする力の 度合いとして捉えると、冬季2月頃の米が最 高く、10月の新米がそれに続いている。頃の 米が最も低い値になっている。したがって冬 季の米及び新米が弾力性が高く、弾力性があ り、11月頃の米が最も弾力性が低いものとな 。
(viii)凝集性;この凝集性を歯で噛んだときに り近い感覚で捉えると、10月の新米及び冬季 2月頃の米が最も高く、11月及び6月頃の米が くなっている。したがって、新米及び冬季 米が凝集性、すなわち歯で噛んだときによ 近い感覚のものとなる。
(ix)持続性;この持続性を粘りが保たれる度合 として捉えると、10月から2月頃までの米が の季節のものより高く、6頃の米が低くなる 。したがって、10月から2月頃までの米が持続 性、すなわち粘りがあるものとなる。

 このように、収穫後の米は、その性状が 節の変移によって変化するので、これまで 炊飯工程で炊飯すると、その硬さ、硬軟性 付着力、粘着性、咀嚼性、弾力性、バラン 度、凝集性及び持続性などで好みの炊きあ りにならない。そのため、この米質の異な 米、例えば新米を炊くと、柔らかく、粘り 多いご飯となり、一方、夏場の米を炊くと く、ぱさつき気味のご飯となって、ユーザ の好みに合致しないことがある。一方、冬 2月頃の米は、硬軟性、付着力、粘着性、咀 嚼性、弾力性、バランス度、凝集性及び持続 性などが高くなるので、他の季節に比べて、 美味しく炊きあきあがる。そこで、この四季 炊きでは、冬季に合わせて、例えば新米は粘 りを抑えて硬めに、一方、夏場は粘りがあり 柔らかめにして、1年を通して同じようなご に仕上がるようにする。例えば、(i)に示す さは図7AのA2、(ii)に示す粘着性は図7BのB2の 性のものにする。

 次に、図8~図10を参照して四季炊きの炊飯 工程の条件設定について説明する。なお、図 8A~図8Dは、春、夏、秋及び冬季の炊飯工程に ける鍋底温度、弁の開閉を示した説明図、 9は四季ごとの炊飯条件の設定値を纏めた図 である。

 四季を春、夏、秋及び冬季に分けて、それ れの炊飯工程における条件が設定される。 季は、図8Aに示すように、吸水工程におけ 吸水温度XがX1(例えば60℃)、吸水時間TKがTK1(1 6分)、沸騰維持電力KがK1(93%)に設定されて、 の設定値に基づいて炊飯される。同様に、 季は、図8Bに示すように、吸水温度XがX2(60℃ )、吸水時間TKがTK2(20分)、沸騰維持電力KがK2(8 5%)に設定され、秋季は、図8Cに示すように、 水温度XがX3(53℃)、吸水時間TKがTK3(8分)、沸 維持電力KがK3(110%)に設定される。冬季は、 8Dに示すように、吸水温度XがX4(58℃)、吸水 間TKがTK4(12分)、沸騰維持電力KがK4(100%)に設 される。そして、これらの設定条件におい 、春、夏、秋及び冬季における各設定値は 以下の関係に設定される。
  吸水温度X  :X3<X4<X1=X2
  吸水時間TK :TK3<TK4<TK1<TK2
  沸騰維持電力K:K2<K1<K4<K3
 これらの条件設定により、冬季を基準にし 、例えば新米は粘りを抑えて硬めに、一方 夏場は粘りがあり柔らかめにして、1年を通 して同じようなご飯に炊き上げることができ る。

 次に、図10A及び図10Bを参照して、こだわ 炊飯の条件設定について説明する。なお、 10Aは好み区分とレベルを説明する説明図、 10Bは甘み、粘り及び硬さの各レベルの組み わせを示す図、図11は甘み、粘り及び硬さ 、吸水温度、吸水温度及び沸騰維持電力な の関係を説明する説明図である。

 こだわり炊飯メニューが選択されると、 示パネル8に、甘み、粘り及び硬さがそれぞ れ3段階にレベル分けして入力できる画面が 示される。図4Bは、このこだわり炊飯メニュ ー画面を示している。図4Bの画面は、甘み、 り及び硬さを段階レベルの数字1~3に星印を ークして好み炊飯を設定するものである。 の画面を使用して、甘み、粘り及び硬さの 定は、十字シフトキー9により左右上下操作 により甘み、粘り及び硬さごとにレベルが設 定される。この設定は、例えば甘みに2個の 印、粘りに1個の星印、硬さに3個の星印マー クで設定される。この星印マークは、十字シ フトキーの左右方向キーを押圧することによ り行われる。また、甘み、粘り及び硬さの変 更は、このキーの上下方向キーを押圧するこ とにより変更される。それぞれの星印は、甘 み2個、粘り1個、硬さ3個となり、これらの星 印数により、後述する炊飯パターン「213」が 設定される。この表示パネル8によれば、極 て簡単に甘み、粘り及び硬さのレベルを設 できる。

 このこだわり炊飯メニューは、ユーザー 味好みを複数に区分し、この区分された味 みを更に複数段階にレベル分けして、炊飯 にユーザーがこれらの区分及びレベルから 定のものを選定できるようになっている。 ーザーの味好みは、図10Aに示すように、ご の甘み、粘り及び硬さの3つに区分し、更に この区分はそれぞれが3段階のレベルに細分 されている。このうち、甘みは、レベル3の い、レベル2のふつう、及びレベル1の甘さ えめの3段階にレベル分けされている。これ のレベル分けは、炊き上げたご飯のブドウ 及びショ糖の値(mg/ご飯乾物100g)で決められ 。このショ糖の計測には、液体クロマトグ フを使用することができる。

 また粘りは、レベル3の粘りめ、レベル2 ふつう、及びレベル1のあっさりの3段階にレ ベル分けされる。このレベル分けは、粘着性 (N・mm)の値で決められる。この粘着性の計測 は、レオメーターが使用される。更に、硬 は、レベル3の硬い、レベル2のふつう、及 レベル1の柔らかめの3段階にレベル分けされ る。このレベル分けは、硬さ(N)の値で決めら れる。この計測には、同じくレオメーターが 使用される。この3段階にレベル分けされた み、粘り及び硬さは、こだわり炊飯時に選 ・組み合わされる。図10Bは、この組み合わ パターンを示している。

 この甘み、粘り及び硬さをそれぞれ3段階 レベルに分けて、それらを組み合わせると、 図10Bに示すように、正四角形の立方体で表す ことができる。すなわち、この図10Bは、3次 座標軸X、Y、Zにおいて、X軸に甘み、Y軸に硬 さ、Z軸に粘りをとり、更にX、Y、Z軸を1~3に ベル分けしてプロットしたものである。そ て、この図における三桁の数字は、甘み、 さ及び粘りの組み合わせを表し、この三桁 数字のうち、3桁目は粘り、2桁目は甘み、1 目は硬さとなっている。例えば、三桁の数 「113」は、粘りレベル1、甘みレベル1、硬さ レベル3となり、この炊飯パターン「113」に って炊き上がったご飯は、甘みと粘りが少 く、硬いご飯、いわゆる硬めのあっさりし ご飯となる。その逆は、数字「331」のパタ ンとなる。

 したがって、味好みを甘み、粘り及び硬 の3区分に分け、更にそれぞれを3段階にレ ル分けすると、これらの組み合わせの合計 、27通りとなり、この27通りの炊飯パターン 炊飯ができる。四季炊きと合わせると27(通 )×4(四季)で108通りの炊飯ができる。したが て、四季炊きとこだわり炊き、とを組み合 せると、四季炊きの選定で、新米は粘りを えて硬めに、一方、夏季の米は粘りがあり らかめに炊き上がり、更に、こだわり炊き 、四季に対応した甘み、粘り及び硬さを設 して炊飯することができる。この27通りの き分けは、炊飯工程における吸水温度及び 水時間、沸騰維持電力、弁の開閉回数の制 、及び追炊き時の切温度等を所定値に設定 ることにより行われる。

 以下、この吸水温度、沸騰維持電力、吸 時間等と、甘み、粘り及び硬さ制御との関 を主に図11を参照して説明する。なお、上 「四季炊き」では、吸水温度を「X」、吸水 間を「TK」、及び沸騰維持電力を「K」の符 を使用して説明したが、こだわり炊飯にお ては、吸水温度を「T」、吸水時間を「H」 び沸騰維持電力を「P」の符号を使用して説 する。

 図11において、吸水温度T(℃)は、吸水工程 おける吸水温度であって、甘みレベル1~3に しては、それぞれ温度a 1 ~a 3 が設定され、これらの値は、他の粘り、硬さ と関連して重みw a が付けられている。これらの温度a 1 ~a 3 は、レベル2(ふつう)の温度a 2 を基準にして、レベル1の温度a 1 は低く、レベル3の温度a 5 は高くしてある。レベル2(ふつう)の温度a 2 は、四季炊きの吸水温度X1~X4に設定される。 たがって、たとえば、四季炊きで春季が選 されてこだわり炊飯されるときは、レベル2 の吸水温度a 2 にはX1が設定され、同様にして、夏、秋及び は、吸水温度X2、X3及びX4がそれぞれ設定さ る。すなわち、甘み設定における吸水温度a 2 は、四季(春、夏、秋及び冬)に対応してそれ れの吸水温度はX1~X4となる。

 また、粘りレベル1~3に対しては、それぞれ 吸水温度b 1 ~b 3 が設定され、これらの値は、他の甘み、硬さ と関連して重みw b が付けられている。これらの温度b 1 ~b 3 は、レベル2(ふつう)を基準にして、レベル1 高く、レベル3は低くしてある。そして、レ ル2の吸水温度b 2 は四季(春、夏、秋及び冬)に対応してそれぞ の吸水温度はX1~X4に設定される。

 更に、硬さレベル1~3に対しては、それぞれ 吸水温度c 1 ~c 3 が設定され、これらの値は、他の甘み、粘り と関連して重みw c が付けられている。これらの吸水温度c 1 ~c 3 は、レベル2(ふつう)を基準にして、レベル1 高く、レベル3は低くしてある。レベル2の吸 水温度c 2 は四季(春、夏、秋及び冬)に対応してそれぞ の吸水温度はX1~X4に設定される。そして、 れらの甘み重みw a 、粘り重みw b 、及び硬さ重みw c の合計値は100%であり、これらの関係は、w b >w c >w a としてある。この関係から吸水温度は、粘り に最も寄与し、その寄与度は硬さ、甘みの順 になり、この吸水温度の高低により、米の吸 水率が変わり、その結果、炊き上がり時の粘 りがコントロールされることになる。

 弁の開閉Vは、沸騰維持工程における圧力弁 の開閉パターンを示すものであって、甘み、 粘り及び硬さのそれぞれのレベル1~3に対して 、それぞれ前記の開閉パターンA~C(図6参照)が 設定され、これらの値は、それぞれ重みw 1 、w 2 、w 3 が付けられている。そして、これら甘み重み w 1 、粘り重みw 2 、及び硬さ重みw 3 の合計値は100%であり、これらの関係は、w 3 >w 2 >w 1 としてある。この関係から弁の開閉において 、開閉パターンの相違、すなわち弁の閉時間 の長さは、硬さに最も寄与し、その寄与度は 粘り、甘みの順になっている。

 沸騰維持電力Pは、沸騰維持工程において鍋 内の被炊飯物を沸騰状態に加熱維持するため に供給される電力であって、甘みレベル1~3に 対しては、それぞれ沸騰維持電力d 1 ~d 3 が設定され、これらの値は、他の粘り、硬さ との関連で重みw d が付けられている。これらの沸騰維持電力d 1 ~d 3 は、レベル2(ふつう)を基準にして、レベル1 高く、レベル3は低くしてある。レベル2の沸 騰維持電力d 2 は四季(春、夏、秋及び冬)に対応してそれぞ の吸水温度はK1~K4に設定される。同様に、 り及び硬さのレベル1~3も、それぞれe 1 ~e 3 、f 1 ~f 3 に設定され、レベル2のe 2 、f 2 は四季(春、夏、秋及び冬)に対応してそれぞ の吸水温度はK1~K4に設定される。

 そして、甘み重みw d 、粘り重みw e 、及び硬さ重みw f の合計値は100%であり、これらの関係は、w d >w f >w e としてある。この関係から沸騰維持電力は、 甘みに最も寄与し、その寄与度は硬さ、粘り の順になる。したがって、沸騰維持電力を変 化させると、被炊飯物が沸騰している時間が 変わり、その沸騰時間の長短により、甘みの 度合いをコントロールできる。すなわち、沸 騰時間を長くすると、甘みが多くなり、短く すると甘みは少なくなる。

 吸水時間Hは、甘み、粘り及び硬さのそれぞ れのレベル1~3に対して、それぞれ時間n 1 ~n 3 、o 1 ~o 3 、p 1 ~p 3 が設定され、これらの時間は、レベル2(ふつ )を基準にして、レベル1は短く、レベル3は くしてある。これらの値は、重みw n 、w o 、w p が付けられている。これらの甘み重みw n 、粘り重みw o 、及び硬さ重みw p の合計値は100%であり、これらの関係は、w p >w n >w o としてある。この関係から吸水時間は、硬さ に最も寄与し、その寄与度は甘み、粘りの順 になる。また、レベル2(ふつう)の温度n 2 、o 2 、p 2 には四季炊きのTK1~TK4が設定される。したが て、この吸水時間の長短により、硬さをコ トロールできる。すなわち、吸水時間を長 すると、柔らかくなり、短くすると硬くな 。

 切温度CTは、炊飯工程において、鍋内の水 が枯渇して昇温された状態で沸騰維持電力 切断する炊飯切温度であって、甘み、粘り び硬さのそれぞれのレベル1~3に対して、切 度g 1 ~g 3 、h 1 ~h 3 、i 1 ~i 3 が設定され、レベル2(ふつう)を基準にして、 レベル1は低く、レベル3は高くしてある。そ て、これらの甘み重みw g 、粘り重みw h 、及び硬さ重みw i の合計値は100%であり、これらの関係は、w g >w h >w i としてある。この関係から切温度は、甘みに 最も寄与し、その寄与度は硬さ、粘りの順に なっている。したがって、この切温度は、甘 みをコントロールする要因として効果を発揮 する。また、この切温度は、その温度を変え ると、香りをコントロールできる。その結果 、切温度が高いと香りが多く、香ばしいもの となり、切温度が低いと香りが少なくなる。

 追炊きCOは、蒸し工程における追い炊き時 (図6参照)であって、甘み、粘り及び硬さそ ぞれのレベル1~3に対して、追い炊き時間j 1 ~j 3 、k 1 ~k 3 、m 1 ~m 3 が設定され、レベル2(ふつう)を基準にして、 レベル1は低く、レベル3は高くしてある。そ て、これらの甘み重みw j 、粘り重みw k 、及び硬さ重みw m の合計値は100%であり、これらの関係は、w j >w m >w k としてある。この関係から追炊き時間は、甘 み最も寄与し、その寄与度は硬さ、粘りの順 になっている。したがって、この追い炊き時 間は甘みをコントロールする要因として効果 を発揮する。

甘み、粘り及び硬さの制御は、上記の吸水温 度、沸騰維持電力、吸水温度等を各レベル1~3 ごとに所定値に設定することによって行われ るが、以下に、これらの値に基づいた幾つか の炊飯パターン例を説明する。例えば、炊飯 パターン「113」が選択されると、この炊飯パ ターンを実行するために、制御装置はこのパ ターンの吸水温度T 113 、沸騰維持電力P 113 、及び吸水時間H 113 等を次の計算式によりそれぞれ算出する。す なわち、
 吸水温度T 113 =a 1 ×w a +b 1 ×w b +c 3 ×w c     ・・(式1)
 沸騰維持電力P 113 =d 1 ×w d +e 1 ×w e +f 3 ×w f   ・・(式2)
 弁の開閉V 113 =C×w 1 +C×w 2 +C×w 3       ・・(式3)
 切温度CT 113 =g 1 ×w g +h 1 ×w h +i 3 ×w i     ・・(式4)
 追炊きCO 113 =j 1 ×w j +k 1 ×w k +m 3 ×w m     ・・(式5)
 吸水時間H 113 =n 1 ×w n +o 1 ×w o +p 1 ×w p     ・・(式6)
をそれぞれ算出する。

 この算出結果から、炊飯パターン「113」の 飯は、吸水温度T 113 、沸騰維持電力P 113 、及び吸水時間H 113 等に基づいて行われる。この炊飯パターン「 113」により、炊き上がったご飯は、甘みと粘 りが少なく、硬いご飯、いわゆる硬めのあっ さりしたものとなる。

 また、別の炊飯パターン「331」が選択され と、制御装置は、吸水温度T 331 、沸騰維持電力P 331 、吸水時間H 331 等を算出する。この際の式は上記(式1)~(式6) 同様であり、例えば吸水温度T 331 は、a 3 ×w a +b 3 ×w b +c 1 ×w c 、沸騰維持電力P 331 は、d 3 ×w d +e 3 ×w e +f 1 ×w f 、吸水時間H 331 は、j 3 ×w j +k 3 ×w k +m 1 ×w m であり、同様にして弁の開閉V 311 、切温度CT 311 及び追炊きCO 331 を算出する。そして、この算出結果に基づい て、炊飯パターン「331」の炊飯が行われる。
 次に、図12~図16を参照して、四季における だわり炊飯メニューの炊飯工程を説明する なお、図12は本発明の第1の実施形態に係る 飯器の炊飯工程を示すフローチャートであ 。図13は図12に続く炊飯工程のフローチャー であり、図14は図13に続く炊飯工程のフロー チャートである。図15は図12における四季設 処理の炊飯工程のフローチャートであり、 16は図12におけるこだわり設定処理の炊飯工 のフローチャートである。まず、炊飯の開 に際し、ユーザーにより所定量の水と白米 投入された鍋7が内部ケース4内に収容され 蓋体10が閉められる(S101)。次いで、表示操作 部25により炊飯メニューが選択される(S102)。 こで四季炊きメニューが選択されると(S103 Yes)、S104に移り四季炊きの設定処理がなされ る。なお、四季炊きメニューが選択されない 場合(S103でNo)には、その他の炊飯工程に移行 て炊飯を行う。このその他の炊飯工程につ ては本発明とは直接関連しないので説明を 略する。

 S104に示す四季炊きの設定処理は、図15に すように、先ず制御装置24内のカレンダー 参照(S201)して現在の暦が四季の何れに該当 るかを認識し、現在の暦に基づく四季表示 デフォルト表示として四季設定画面を表示 せる(S202)。この表示画面が表示されたとき 何らの変更も行わずに炊飯スタート釦3aが押 下されると(S203でYes)、現在の暦に基づく四季 設定を反映して四季炊き条件を確定する(S204) 。また、炊飯スタート釦3aが押下されずに(S20 3でNo)、十字シフトキー9の左右方向キーが押 された場合(S205でYes)には四季設定を選択・ 更し(S206)、この変更の後炊飯スタート釦3a 押下された場合(S207でYes)には、選択・変更 れた四季設定を反映して四季炊き条件を確 する(S208)。この四季炊き条件を確定するこ により、炊飯工程における吸水温度、吸水 間、沸騰維持電力などが設定されることに る。なお、この設定値は図9に示す表から選 されることになる。

 次いで、上述の工程によって確定した四 炊き条件に基づいて、こだわり炊飯設定処 が行われる(S105)。このこだわり炊飯設定処 は、図16に示すように、先ずデフォルト表 で表示パネル8にこだわり炊飯設定画面の表 が行われる(S301)。なお、このこだわり炊飯 定画面のデフォルト表示としては、例えば り、甘み、硬さの3つパラメータそれぞれを レベル2として表示する。ここで、炊飯スタ ト釦3aが押圧されると(S302でYes)、制御装置24 デフォルト表示として表示された設定値で 飯を行うものと認識し、このこだわり炊飯 定値に対応した前記(式1)~(式6)に対応する数 値を条件算出手段(図示省略)で算出してこだ り炊飯条件を確定し、炊飯を開始(S303)して だわり炊飯設定処理を完了する。

こだわり炊飯設定画面が表示された際(S301) に、炊飯スタート釦3aが押下されることなく( S302でNo)十字シフトキー9のいずれかが押圧さ ると、こだわり炊飯設定値の変更が行われ 。詳しくは、十字シフトキー9のうち上下方 向キーが押圧されると(S304でYes)、甘み、粘り 及び硬さの各パラメータの選択操作を行うこ とができ(S305)、左右方向キーが押圧されると (S306でYes)、上下方向キーにより選択されたパ ラメータのレベルを変更することができるよ うになっている(S307)。このこだわり炊飯設定 値の変更が完了すると、炊飯スタート釦3aが 圧され(S309)ることになり、この炊飯スター 釦3aの押下により、制御装置24は選択された 設定値での炊飯を行うものと認識し、このこ だわり炊飯設定値に対応した前記(式1)~(式6) 対応する数値を条件算出手段(図示省略)で算 出してこだわり炊飯条件を確定し、炊飯を開 始(S309)してこだわり炊飯設定処理を完了する 。

 なお、制御装置24側において、上記S303~S30 8において選択・変更されたこだわり炊飯設 値を記憶装置(図示省略)内に記憶して次回か らのこだわり炊飯設定処理の際にデフォルト 表示できるようにするとより使い勝手が向上 するので好ましい。

 このこだわり炊飯設定処理が完了すると 制御装置24は炊飯工程を開始する。炊飯工 が開始されると、内部ケース4の外底壁と外 壁とに取り付けられた加熱手段5に高周波電 流が印加され、鍋7に渦電流が発生してこの が加熱され、被炊飯物の加熱が開始される(S 106)。次に、制御装置24により圧力弁開放機構 18を作動させてボール16を移動せしめ、圧力 13を強制的に開状態にし(S107)、吸水工程Iが 行される(S108)。この吸水工程Iが開始される 、吸水タイマー(図示せず)が吸水時間ST1の 時を開始し(S109)、次いで鍋底温度センサ6に り鍋底温度SK1が計測される(S110)。

 この鍋底温度SK1の計測は所定の温度に達す まで行われるがこの温度はこだわり炊飯設 処理が行われた際に設定されたこだわり炊 設定値を参照して上記(式1)で示した式を用 て算出される。鍋底温度SK1が吸水温度X(X=T 111 、T 112 …T 333 )に達したことを確認すると(S111でYes)、制御 置24により加熱手段5の加熱量を制御して被 飯物を所定温度に保持しつつ(S112)、吸水時 ST1の計測が継続して行われる。この吸水工 Iは、予め設定された吸水時間ST1、詳しくは( 式6)で示した式を用いて算出された吸水時間T K(TK=H 111 、H 112 …H 333 )の間行われる。

 設定された吸水時間TKが経過すると(S113で Yes)、立上加熱工程IIに移行する(S114)。この立 上加熱工程IIは、短時間で沸騰状態になるよ に加熱手段5を全加熱(フルパワー加熱)する ともに、制御装置24により、圧力弁開放機 18を作動させてプランジャ19aを引き戻すこと でボール16により圧力弁14を閉鎖させる。つ り、ボール16が自重により弁孔14上に転げて 孔14を塞ぎ、圧力弁14を閉鎖状態とする(S115) 。この状態においては、鍋7内の圧力は弁孔14 を介してボール16を押し上げ得る圧力に上昇 るまで昇圧される。したがって、このとき 鍋内の圧力は、ボール16の重さ及び弁孔14の 大きさを設定することにより適宜定めること ができる。

 この立上加熱工程IIでは、蒸気温度SK2を 気温度センサ23により計測する(S116)。そして この蒸気温度SK2が所定温度Yに達すると(S117で Yes)、被炊飯物が沸騰現象を起こす温度にな 、立上加熱工程IIが終了する。このときの鍋 内の圧力は、圧力弁13により制御され、大気 以上の所定圧力、例えば約1.2気圧となる。 して、次に沸騰維持工程IIIが開始される(S11 8)。

 沸騰維持工程IIIに移行すると、図13に示す うに、鍋7内の圧力が大気圧以上の所定圧力 すなわち約1.2気圧となり、被炊飯物はこの 圧された圧力に対応する飽和温度で沸騰す ようになる。なお、このとき供給される電 は(式3)に示した式を用いて算出された沸騰 持電力P(P=P 111 、P 112 …P 333 )である。この沸騰維持電力Pは沸騰時間を可 させる。

 また、沸騰維持工程IIIに入ると、直ちに 御装置24により圧力弁開放機構18を作動させ てボール16を移動させることで圧力弁13の強 的な開動作が行われる(S119)。またこの開動 の際には、加熱手段5の加熱を停止して(S120) 圧力弁13の強制的開動作を所定時間、例え 4秒間継続する(S121)。この強制的開作動によ 、鍋7内の加圧状態の圧力が大気圧近傍まで 低下する。

 このように沸騰維持工程IIIにおいて、鍋7 内の圧力を加圧された所定沸騰圧力(約1.2気 )から一気に大気圧近傍まで低下させると、 7内は激しい突沸状態となる。この突沸状態 になると、鍋内に泡が発生し、この泡によっ て被炊飯物が攪拌される。この結果、被炊飯 物が均一に加熱され、炊き上げられることに なる。

 圧力弁13を強制的に開放する所定時間は 1回目の圧力弁13の強制的開動作により鍋7内 圧力が略大気圧に戻るよう程度の時間(すな わち4秒程度)に定められている。圧力弁13の 制的に開放する時間をこのように設定する とにより、最大限の攪拌エネルギーを得る とができるようにしている。また、圧力弁13 の強制的な開放を上記所定時間(4秒間)行うと 、圧力弁開放機構18を作動させて再び圧力弁 閉状態とし(S122)、所定時間、例えば28秒間 び加熱する(S123、S124)。なお、この加熱時間( 28秒間)は、鍋7内の圧力が前述の所定圧力(約1 .2気圧)まで回復するのに必要な時間である。 また、この時間は、予め実験的に求められる 。

 この圧力弁開放機構による圧力弁13の強制 開放は複数回繰り返される。このとき、こ わり炊飯設定により、(式2)に示した式を用 て算出された弁開閉V(V=V 111 、V 112 …V 333 )が弁開閉パターンBである場合は(S125でYes)、 力弁開閉が6回既に行われたかが検出され(S1 27)、未だ6回圧力弁開閉動作が行われていな 場合には上述したS119に戻り、既に行われて る際には圧力弁13を閉状態としたままS130以 の処理に移行する。また、弁開閉Vが弁開閉 パターンBではない場合には圧力弁開閉が4回 われたか否かが検出され(S126)、未だ4回圧力 弁開閉動作が行われていない場合には上述し たS119に戻り、既に行われている際には弁開 Vが弁開閉パターンCであるか否かを判別する (S128)。

 この判別により弁開閉パターンCでない場 合、すなわち弁開閉パターンAである場合に 圧力弁13を閉状態としたままS130以降の処理 移行し、弁開閉パターンCである場合には圧 弁13を開状態とした後(S129)S130以降の処理に 行する。なお、この沸騰維持工程IIIにおい 時間が経過すると、鍋7内の残水量が減少し 、圧力変動幅が小さくなり、突沸現象が弱く なる。このため、圧力弁13の強制的な開放は 騰維持工程IIIの初期段階に集中させると効 的である。

 圧力弁13を複数回開放する操作を終えると 圧力弁開放機構18による圧力弁13の強制的開 が停止される。そして、加熱手段5による加 熱を継続し(S130)、鍋底温度SK3を計測する(S131) 。そして、鍋底温度SK3が所定温度、詳しくは (式4)に示した式で算出された切温度Z(Z=CT 111 、CT 112 …CT 333 )に達すると(S132でYes)、鍋7内の水が枯れて強 ドライアップが終了したと判断されるので 加熱手段5による加熱作用を停止する(S133)。

 続いて、図14に示すように、蒸らし工程IV を開始し、先ず蒸らし1工程に移行させ、蒸 し時間ST2の計時を開始する(S134)。所定の蒸 し時間ST2が所定時間、例えば4分経過すると( S135)、(式2)に示した式を用いて算出された弁 閉Vが開閉パターンCであるか否かが検出さ (S136)、弁開閉パターンCである場合は圧力弁1 3は既に開状態であるのでそのまま追炊き工 に移行し、弁開閉パターンCでない場合、つ りは弁開閉パターンAあるいはBである場合 圧力弁13を開状態とした後(S137)追炊き工程に 移行する。この追炊き工程に入ると、加熱手 段5により再加熱して米の表面に付着した水 蒸発させると共に、追炊き(再加熱)時間ST3の 計測を行う(S138)。

 そして、所定の追炊き時間ST3、詳しくは(式 5)に示した式により算出した追炊き(時間)CO(CO =CO 111 、CO 112 …CO 333 )が経過すると(S139でYes)、加熱手段5による加 動作を停止し、蒸らし2工程に移行し、蒸ら し時間ST4を計時する(S140)。そして、蒸らし時 間ST4が所定時間、例えば5分経つと(S141)、炊 を終了し(S142)、保温工程に移行し(S143)、一 の炊飯工程を終了する。

 なお、この実施形態では、味好みを、甘 、粘り及び硬さに区分けし、更にそれぞれ 3段階にレベル分けしているが、更に細区分 化・細レベル化してもよい。更に、他の味好 み、例えば香り、旨み、弾力性、つや等の味 好みにし、これらを細区分化・細レベル化し てもよい。また、鍋内の圧力は、圧力弁及び この圧力弁開放機構により調整したが、この ような機構を設けない圧力式で構成してもよ い。

[第2の実施形態]
 次に、本発明の第2の実施形態の炊飯器につ いて説明するが、この第2の実施形態に係る 飯器のうち、正面図、炊飯器の外ケース等 省略した縦断面図、圧力弁開放機構を拡大 た拡大断面図及び表示部の拡大図は、それ れ第1の実施形態に係る炊飯器の図1~図3及び 4Aと同様であるので、その詳細な説明は省 する。第2の実施形態の炊飯器が第1の実施形 態の炊飯器塗工性が相違する点は、図17に示 たように、図5に示した第1の実施形態の炊 器に対してコースを選択するコース釦3fを追 加した点である。なお、図17は本発明の第2の 実施形態に係る炊飯器における制御装置24の 御ブロック図である。

 次に、図18を参照して、第2の実施形態に いて、各炊飯メニューに共通する炊飯工程 概要を説明する。なお、図18は第2の実施形 の炊飯工程における鍋内の温度及び圧力弁 開閉パターンを示した説明図である。各種 飯メニューに共通する炊飯工程は、所定の 水温度T及び吸水時間TAで米に所定量の水を 水させる吸水工程Iと、吸水後に被炊飯物を 沸騰温度Yまで昇温加熱する立上加熱工程IIと 、所定の沸騰維持電力で所定時間TC沸騰状態 維持する沸騰維持工程IIIと、この沸騰維持 程III終了後に炊飯されたご飯を所定時間TD らす蒸らし程IVと、を有している。

 このうち、立上加熱工程IIでは、圧力弁13 が閉成されて、被炊飯物が沸騰温度Yまで昇 加熱される。この圧力弁13の閉成により、鍋 内の圧力が大気圧から1.2気圧へ昇圧される。 また、沸騰維持工程IIIでは、圧力弁13が所定 隔で複数回開閉動作が繰り返された後に圧 弁13が閉成される。圧力弁13の開成時には、 鍋7内の圧力が1.2気圧から略大気圧近傍まで 気に低下される。この圧力変化により、鍋7 が激しく沸騰する、いわゆる突沸現象が発 する。この突沸現象により、鍋7内の米粒は 攪拌される。特に、沸騰維持工程IIIの初期段 階に圧力弁13の開閉が行われると、この段階 は鍋7内の水が多くなっているので米粒は効 率よく攪拌される。また、この沸騰維持工程 IIIの後半では、鍋7内の水分がなくなり温度 最高値、すなわち炊飯切り温度Z(130℃)に到 する。この炊飯切り温度Zを検出することに り、沸騰維持工程IIIが終了する。

 この沸騰維持工程IIIの後は、蒸らし工程I Vへ移行されて、この蒸らし工程IVは、沸騰維 持工程III終了後に行う蒸らし1(蒸らし前半)と 、この蒸らし1の終了後に行う追い炊きと、 上げを行う蒸らし2(蒸らし後半)とからなっ いる。なお、追い炊きによって鍋内が昇温 熱されて不要な水分が除去されている。

 この炊飯工程により、各種炊飯メニュー の炊飯ができるが、既に述べたように、炊 する米は、四季によって米質が変化してい ため、第2の実施形態の炊飯器1における四 炊きでは、新米は粘りを抑えて硬めに、一 、夏場の米は粘りがあり柔らかめにして、1 を通して同じようなご飯に仕上がるように ると共に、いずれの季節でも同じ炊飯時間 炊飯できるようにする。

 次に、図19~図20を参照して第2の実施形態 炊飯器1における四季炊きの炊飯条件を説明 する。なお、図19A~図19Dは、秋、冬、春及び 季の炊飯工程における鍋内の温度を示した 度曲線図、図20は、秋、冬、春及び夏季の吸 水時間、立上時間、沸騰維持時間及び蒸らし 時間を纏めた表である。

 制御装置24の記憶手段ROM、RAMには、春、夏 秋及び冬季の四季ごとに炊飯工程における 飯条件が設定されている。秋季は、図19Aに すように、吸水工程Iにおける吸水温度TはT 1 、吸水時間TAはTA 1 、立上加熱工程IIの立上時間TBはTB 1 、沸騰維持工程IIIにおける沸騰維持時間TCはT C 1 、蒸らし工程IVにおける蒸らし時間TDはTD 1 に設定される。同様にして、冬季は、図19Bに 示すよう、吸水温度TはT 2 、吸水時間TAはTA 2 、立上時間TBはTB 2 、沸騰維持時間TCをTC 2 、蒸らし時間TDをTD 2 に設定される。春季は、図19Cに示すように、 吸水温度TはT 3 、吸水時間TAをTA 3 、立上時間TBはTB 3、 沸騰維持時間TCはTC 3 、蒸らし時間TDはTD 3 に設定される。夏季は、図19Dに示すように、 吸水温度TはT 4 、吸水時間TAはTA 4 、立上時間TBはTB 4、 沸騰維持時間TCはTC 4 、蒸らし時間TDはTD 4 に設定される。

 そこで、秋、冬、春及び夏季における炊飯 間を略同じ時間TEにするために、吸水時間TA 、立上時間TB、沸騰維持時間TC及び蒸らし時 TDを秋、冬、春及び夏季で所定の時間に割り 当てて調整される。この調整では、吸水時間 TAは、秋、冬、春及び夏季(TA 1 、TA 2 、TA 3 、TA 4 )で、いずれも同じ時間の例えば15分に設定さ れる。立上時間TBはTB 1 <TB 2 <TB 3 <TB 4 の関係に設定される。このように設定すると 、それぞれの時間との間、すなわち時間TB 2 とTB 1 、TB 3 とTB 2 及びTB 4 とTB 3 等の間に時間差が発生し、最も長い時間TB 4 と最小の時間TB 1 との間には最大で時間差δTBが発生する。

 また、沸騰維持時間TCは、TC 1 >TC 2 >TC 3 >TC 4 の関係に設定される。この設定により、最も 長い時間TC 1 と最小の時間TC 4 との間には最大で時間差δTCが発生する。秋 冬、春及び夏季における立上時間TB及び沸騰 維持時間TCで上記の時間差δTB及びδTCが発生 ると、沸騰維持工程IIIが終了するまでの合 した工程時間が各季において時間差が発生 るので、この時間差を次の蒸らし工程IVの蒸 らし時間TDで吸収して、全体の炊飯時間TEを 同じに設定する。

 すなわち、秋、冬、春及び夏季の蒸らし 間をTDnとすると、この蒸らし時間TDnは、一 の炊飯時間TEから(TAn+TBn+TCn)を差し引いた時 に設定される。なお、nは1(秋)、2(冬)、3(春) 及び4(夏)のいずれかである。これにより、四 季を通じて、同じ炊飯時間TEで美味しいご飯 炊飯することができる。これらの条件設定 より、新米は粘りを抑えて硬めに、一方、 場の米は粘りがあり柔らかめにして、1年を 通して同じようなご飯に炊き上げることがで きる。

 次に、図21~図23を参照して、四季炊きメ ューの炊飯工程を説明する。なお、図21は本 発明の第2の実施形態に係る炊飯器の炊飯工 を示すフローチャートである。図22は図21に く炊飯工程のフローチャートである。図23 図21における四季設定処理の炊飯工程のフロ ーチャートである。なお、表示パネル8には 種の炊飯メニューが表示されるが、以下、 季炊きメニューを選択した炊飯工程につい のみ説明する。

 まず、炊飯メニューをスタートする前に 鍋7内に所定量の水と米を投入し、この鍋を 内部ケース4内に収容し、上蓋10を閉めて炊飯 器本体2に係止してロックする(ステップS401) 次のステップS402で炊飯コースを選択し、四 炊きが選択されたかどうかを判定する(S403) なお、四季炊きが選択されないときは、他 炊飯メニューによる炊飯工程へ移行する。 季炊き以外の炊飯工程は本発明に直接関係 ないので、その説明は省略する。

 四季炊きが選択されると、ステップS404で 四季処理設定が行われる。この設定処理は、 図23に示す工程で行われる。すなわち、ステ プS501で炊飯器に記憶されているカレンダー を参照して炊飯時現在の四季が導き出され、 表示パネル8の画面に四季設定画面が表示さ る(S502)。炊飯時現在の四季で炊飯を実行す のであれば炊飯スタートボタン3aを押圧し(S5 03においてYes)、ステップS504で現在の四季設 を反映する。一方、現在の四季設定で炊飯 行わない場合、例えば、炊飯時現在が四季 境目であり、ユーザーの好みにより炊飯し い四季を選ぶ場合など、は炊飯スタートボ ン3aを押圧せず(S503においてNo)、ステップS505 で十字シフトキー9の左右ボタンなどを押圧 ることにより、四季設定を変更することも きる(S506)。

 次に十字シフトキー9の左右ボタンが押圧 されない場合、または、四季設定が変更され た場合は、ステップS507で炊飯スタートボタ 3aを押圧することで選択された四季設定が反 映される(S508)。なお、炊飯スタートボタン3a 押圧されなければ(S507)、このステップを繰 返す。

 次に、炊飯を行う四季が決定したら、ス ップS509で四季に対応した炊飯条件、すなわ ち、図20に示すように、秋、冬、春及び夏季 おける吸水温度Tn、吸水時間TAn、立上時間TB n及び沸騰維持時間TCnが設定される。これら 値は、記憶手段ROM、RAM内に記憶されたデー から選択されて設定される。また、ステッ S510で蒸らし時間TDnが算出される。

 四季のうち、秋季が設定されると、秋季の 水温度はT 1 、吸水時間はTA 1 、立上加熱時間はTB 1 及び沸騰維持時間はTD 1 となる。以下、秋季が設定された炊飯工程に ついて説明する。

 秋季の炊飯工程は、ステップS405で圧力弁13 閉成された状態で各ヒータ5a、5bへの通電が 開始されて、圧力弁13が開状態とされ(S406)秋 に対応した吸水温度T 1 で吸水時間TA 1 掛けた吸水工程Iが実行される(S407)。この吸 工程Iでは、吸水タイマーで秋季の吸水時間T A 1 になるまで吸水時間ST1の計時が継続される。 また、この吸水時間TA 1 内では、鍋底温度センサ6で鍋底温度SK1が検 されて、各ヒータ5a、5bの温度制御を行ない 季の吸水温度T 1 に調節される(S408~S412)。

 その後、立上加熱工程IIに移行される。こ 立上加熱工程IIでは、圧力弁13が閉成されて 秋季の立上時間TB 1 掛けてフルパワーで加熱される(S413~S416)。続 、沸騰維持工程IIIでは、秋季の沸騰維持時 TC 1 掛けて、ヒータ5a、5bへの通電及び圧力弁13の 開閉が所定時間間隔で行われる(S417~S422)。詳 くは、圧力弁13の開閉は、この工程の初期 階に1回乃至数回行われる。この圧力弁13の 成により、鍋7内の圧力は、1.2気圧から略大 圧近傍まで一気に低下する。この圧力変化 より突沸現象が発生し、鍋7内の米粒は攪拌 される。特に、沸騰維持工程IIIの初期段階に 圧力弁13の開閉が行われると、この段階では 内の水が多くなっているので米粒は効率よ 攪拌される。一方、ヒータ5a、5bへの通電は 、圧力弁13の開閉に同期してオン/オフされる 。そして、秋季の沸騰維持時間TC 1 を経過すると加熱を停止する(S423)。

 次の蒸らし工程IVでは、ヒータ5a、5bへの通 を停止させて、秋季の蒸らし時間TD 1 掛けて蒸らしを実行して炊飯を終了する(S424~ S427)。炊飯終了後は、保温工程へ移行される( S428)。

 以上説明したとおり、本発明の第2の実施 形態に係る炊飯器によれば、立上時間TB及び 騰維持時間TCの時間差を次の蒸らし工程の らし時間TDで吸収して、全体の炊飯時間TEを じに設定することができる。すなわち、秋 冬、春及び夏季の蒸らし時間をTDnとすると この蒸らし時間TDnは、一定の炊飯時間TEか (TAn+TBn+TCn)を差し引いた時間に設定される。 お、nは1(秋)、2(冬)、3(春)及び4(夏)である。 これにより、四季を通じて、同じ炊飯時間TE 美味しいご飯を炊飯することができる。こ らの条件設定により、新米は粘りを抑えて めに、一方、夏場の米は粘りがあり柔らか にして、1年を通して同じようなご飯に炊き 上げることができる。

 なお、上記第2の実施形態に係る炊飯器では 、秋、冬、春及び夏季の吸水時間TAを同じ時 にしたものについて説明したが、米の状態 応じてこの吸水時間TAを異ならせて、TA 1 <TA 2 <TA 3 <TA 4 にし、蒸らし時間を調節することで全体の炊 飯時間TEが同じになるようにすると、より米 状態に合った吸水工程を行うことができる で好ましい。また、吸水温度TがT 2 >T 1 >T 3 >T 4 になるようにしてもよい。また、炊飯器は圧 力式のものに限定されない。