NOSE MASATOSHI (JP)
CHAKI TAKEHIRO (JP)
TAKAHASHI KAZUHIRO (JP)
NOSE MASATOSHI (JP)
CHAKI TAKEHIRO (JP)
WO1993025510A1 | 1993-12-23 | |||
WO2007056194A1 | 2007-05-18 |
JP3158440B2 | 2001-04-23 | |||
US20070179324A1 | 2007-08-02 | |||
JP3412165B2 | 2003-06-03 | |||
JP2000034237A | 2000-02-02 |
以下の一般式 CF 3 CH (2-n) X n CH (3-m) X m (式中、n=0、1または2、m=1、2または3、かつn+m≦3を満たし、XはF、ClおよびBrから独立して選択される)で表わされる含フッ素ハロゲン化プロパンからの脱ハロゲン化水素反応によって含フッ素オレフィンを生成させる反応工程において、フッ素含有量が30重量%以上の酸化フッ化クロムを触媒として使用することを特徴とする、含フッ素オレフィンの製造方法。 |
前記酸化フッ化クロム触媒のフッ素含有量が30~45重量%である、請求項1に記載の含フッ素オレフィンの製造方法。 |
含フッ素ハロゲン化プロパンが1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパンであり、脱ハロゲン化水素反応により含フッ素オレフィンとして1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペンを生じる、請求項1または2に記載の含フッ素オレフィンの製造方法。 |
含フッ素ハロゲン化プロパンが1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパンであり、脱ハロゲン化水素反応により含フッ素オレフィンとして1,1,1,2-テトラフルオロプロペンを生じる、請求項1または2に記載の含フッ素オレフィンの製造方法。 |
本発明は含フッ素オレフィンの製造方法 関し、より詳細には、含フッ素ハロゲン化 ロパンからの脱ハロゲン化水素反応により フッ素オレフィンを生成させる反応工程を んで成る含フッ素オレフィンの製造方法に する。
従来、CFC(クロロフルオロカーボン)およびHC FC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などが 媒物質として用いられていたが、これらは ゾン層を破壊し得るため、代替冷媒物質と てHFC(ハイドロフルオロカーボン)、特にHFC-12 5(ペンタフルオロエタン)およびHFC-32(ジフル ロメタン)などが広く用いられるようになっ いる。しかしながら、HFC-125およびHFC-32は強 力な温暖化物質であり、その拡散によって地 球温暖化に影響を及ぼすことが懸念されてい る。拡散ひいては温暖化の防止策として、こ れらを不要になった装置から回収しているも のの、全てを回収できるわけではない。また 、漏洩などによる拡散も無視できない。更な る代替冷媒物質として、CO 2 や炭化水素系化合物を利用することも検討さ れているが、効率や安全性の面で問題が多い 。
このような問題を解決する代替冷媒物質と て、最近、温暖化係数の低いオレフィンのH FCである1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(CF 3 CF=CHF、以下、「HFC-1225ye」とも言う)や1,1,1,2- トラフルオロプロペン(CF 3 CF=CH 2 、以下、「HFC-1234yf」とも言う)が注目されて る。
これら含フッ素オレフィンは、対応する フッ素ハロゲン化アルカンの脱ハロゲン化 素反応により製造することができる(例えば 特許文献1~3を参照のこと)。
しかしながら、従来の含フッ素オレフィ の製造方法では、副生成物が多量に生成す という難点がある。特に1,1,1,2,3,3-ヘキサフ オロプロパン(HFC-236ea)からの脱HF反応による HFC-1225yeの生成反応では、低沸点成分であるHF C-23(トリフルオロメタン)、HFC-143a(1,1,1-トリフ ルオロエタン)およびHFC-134(1,1,2,2-テトラフル ロエタン)などが副生成物として生じる。こ れら副生成物も強力な温暖化物質であり、大 気中への放出により地球温暖化に影響を及ぼ すことが懸念される。特にHFC-134は、目的物 であるHFC-1225yeと沸点が近く(HFC-134:-19.7℃、(Z )-HFC-1225ye:-19.5℃、(E)-HFC-1225ye:-15.3℃ 尚、こ らはいずれも0.1013MPa(1atm)の圧力下での標準 点(normal boiling point))、蒸留により容易に分 除去することができない。更に、これら副 成物が生じると収率が悪化するため、コス アップの原因となる。
本発明の目的は、含フッ素オレフィンを る反応工程において生じる副生成物の量を 減し、目的物質である含フッ素オレフィン 従来よりも高い選択率で得ることができる フッ素オレフィンの製造方法を提供するこ にある。
本発明の1つの要旨によれば、以下の一般式
CF 3
CH (2-n)
X n
CH (3-m)
X m
・・・(I)
(式中、n=0、1または2、m=1、2または3、かつn+m
3を満たし、XはF、ClおよびBrから独立して選
択される)で表わされる含フッ素ハロゲン化
ロパンからの脱ハロゲン化水素反応によっ
含フッ素オレフィンを生成させる反応工程
おいて、フッ素含有量が30重量%以上の酸化
ッ化クロムを触媒として使用することを特
とする、含フッ素オレフィンの製造方法が
供される。
本発明によれば、フッ素含有量が30重量% 上の酸化フッ化クロム(以下、「高フッ素化 -酸化フッ化クロム触媒」とも言う)を脱ハロ ン化水素反応の触媒として用いることによ 、副生成物の量を効果的に低減でき、目的 質である含フッ素オレフィンを従来よりも い選択率で得ることができる。
高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒それ自 身は、テトラクロロエチレンなどをフッ化水 素によりフッ素化する反応において使用され 得る(例えば特許文献4を参照のこと)。しかし ながら、本発明は含フッ素ハロゲン化プロパ ンからの脱ハロゲン化水素反応を利用するも のであり、フッ化水素によるフッ素化反応と は全く異なるものである。また、高い活性を 持つ触媒は、通常であれば、目的物質を生じ る所望の反応のみならず、副生成物を生じる 副反応も促進するので、より多くの副生成物 が生じることが予測されるであろう。
しかしながら、本発明者らは、上記一般 (I)で表わされる含フッ素ハロゲン化プロパ からの脱ハロゲン化水素反応によって含フ 素オレフィンを生成させる反応工程におい 、高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を用い ると、高い触媒活性を維持したまま、副生成 物の量を効果的に低減でき、目的物質である 含フッ素オレフィンを従来よりも高い選択率 で得ることができるという独自の知見を得て 、本発明を完成するに至ったものである。高 フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を用いると フッ素含有量がそれより低い酸化フッ化ク ム触媒(以下、「低フッ素化-酸化フッ化クロ ム触媒」とも言う)を用いる場合に比べて、 著な効果を奏し得る。
本発明において、上記一般式(I)中、XはF ClおよびBrから独立して選択されるものであ ばよいが、XはFであることが好ましい。
本発明に用いる高フッ素化-酸化フッ化ク ロム触媒のフッ素含有量は、30重量%以上であ ればよいが、好ましくは30重量%以上、約45重 %以下である。フッ素含有量が30~45重量%であ れば、副生成物の量を一層効果的に低減でき 、目的物質である含フッ素オレフィンの選択 率がより改善される。
本発明の1つの態様においては、含フッ素 ハロゲン化プロパンが1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオ ロプロパン(HFC-236ea)であり、脱ハロゲン化水 (より詳細には脱HF)反応により含フッ素オレ フィンとして1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペ (HFC-1225ye)を生じる。よって、この態様によ ばHFC-1225yeの製造方法が提供される。
本発明のもう1つの態様においては、含フ ッ素ハロゲン化プロパンが1,1,1,2,2-ペンタフ オロプロパン(HFC-245cb)であり、脱ハロゲン化 水素(より詳細には脱HF)反応により含フッ素 レフィンとして1,1,1,2-テトラフルオロプロペ ン(HFC-1234yf)を生じる。よって、この態様によ ればHFC-1234yfの製造方法が提供される。
本発明によれば、フッ素含有量が30重量% 上の酸化フッ化クロムを脱HF反応の触媒と て用いることにより、副生成物の量を効果 に低減でき、目的物質である含フッ素オレ ィンを従来よりも高い選択率で得ることが きる。
(実施形態1)
まず、高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を
準備する。酸化フッ化クロムは、酸化クロム
をHFによりフッ素化することにより得ること
できる(特許文献4および5を参照のこと)。高
フッ素化-酸化フッ化クロム触媒は、酸化ク
ムを通常より高温、長時間でフッ素化する
とにより得られるが、ハロゲン化アルキル
HFによるフッ素化に使用することでも得られ
る(特許文献5を参照のこと)。
高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒は30重量% 以上のフッ素含有量を有するものであればよ く、好ましくは30~45重量%のフッ素含有量を有 する。フッ素含有量は、触媒の重量変化もし くは一般的なクロム酸化物の定量分析法によ り測定することができる。高フッ素化-酸化 ッ化クロム触媒の比表面積(BET法による)は、 通常的には25~130m 2 /g、好ましくは40~100m 2 /gであるが、これに限定されるものではない
また、原料として用いる含フッ素ハロゲン
プロパンを準備する。含フッ素ハロゲン化
ロパンは、以下の一般式
CF 3
CHXCHX 2
・・・(I’)
(式中、XはHおよびFから独立して選択される)
表わされる。例えば1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオ
プロパン(HFC-236ea)または1,1,1,2,2-ペンタフル
ロプロパン(HFC-245cb)であり得るが、これら
限定されるものではない。
そして、反応工程において、上記のよう 高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒に含フッ 素ハロゲン化プロパンを気相状態で接触させ る。接触方式は特に限定されず、例えば固定 床型または流動床型などとし得る。
反応条件は、用いる触媒および原料など よって異なり得るが、例えば常圧下では、 200~600℃、好ましくは約250~450℃の温度およ 約0.1~300秒、好ましくは約0.5~120秒の接触時間 とし得る。
この反応工程において、含フッ素ハロゲ 化プロパンからHFが脱離して、含フッ素オ フィンが生成する。目的物質である含フッ オレフィンは、原料の含フッ素ハロゲン化 ロパンにHFC-236eaを用いた場合は1,1,1,2,3-ペン フルオロプロペン(HFC-1225ye)であり、HFC-245cb 用いた場合は1,1,1,2-テトラフルオロプロペ (HFC-1234yf)であり得るが、これらに限定され ものではない。尚、HFC-1225yeには、(Z)-1,1,1,2,3 -ペンタフルオロプロペンおよび(E)-1,1,1,2,3-ペ ンタフルオロプロペンの2種の異性体(以下、 れぞれ「(Z)-HFC-1225ye」および「(E)-HFC-1225ye」 とも言う)が存在するが、HFC-1225yeの選択率は れら異性体を合わせたものとする。
以上のようにして、含フッ素オレフィン 製造することができる。本実施形態によれ 、高フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を脱HF 応の触媒として用いることにより、副生成 の量を効果的に低減でき、目的物質である フッ素オレフィンを従来よりも高い選択率 得ることができる。
以下、本発明の実施例および比較例を通 て本発明を更に説明する。
(実施例1)HFC-236eaの脱HF反応
まず、触媒の前駆体である酸化クロムを特
文献4に記載されている方法を参考にして調
製した。5.7%硝酸クロム水溶液765gに10%アンモ
ア水を加え、これにより生じた沈殿をろ過
より回収して洗浄した後、空気中で120℃、1
2時間乾燥させて水酸化クロムを得た。この
酸化クロムを直径3.0mm、高さ3.0mmのペレット
に成形した。このペレットを窒素気流中400
で2時間焼成して酸化クロムを得た。得られ
た酸化クロムの比表面積(BET法による)は約200m
2
/gであった。
次に、このようにして得られた酸化クロム
フッ化水素により200℃~360℃まで段階的に温
度を上げながら加熱し、360℃に到達した後、
HFにより220時間フッ素化して、酸化フッ化ク
ムを得た(特許文献5を参照のこと)。得られ
酸化フッ化クロムの比表面積(BET法による)
70m 2
/gであり、そのフッ素含量は31.4重量%であっ
。これにより、高フッ素化-酸化フッ化クロ
触媒を調製した。
そして、このようにして調製した酸化フッ
クロム触媒を予め充填したハステロイ製反
管に、原料の含フッ素ハロゲン化プロパン
してHFC-236eaを気相状態でフィードして脱HF
応に付した。
脱HF反応の反応条件は、反応管への含フッ
ハロゲン化プロパンの供給量F0=18Nml/min(記号
N」は0℃および1atmでの標準状態換算を示す)
、反応管に充填した触媒の量W=12gとし、よっ
、W/F0=40g・Nml -1
・secであった。また、反応温度は350℃および
400℃とした。
反応管から出てくるガスを回収し、これを
洗した後、ポラパックQカラムのガスクロマ
トグラフにより分析した。結果を表1に示す
(実施例2)HFC-236eaの脱HF反応
フッ素含有量が41.2重量%である高フッ素化-
化フッ化クロム触媒を使用したこと以外は
実施例1と同様の条件でHFC-236eaの脱HF反応を
った。本実施例で用いた高フッ素化-酸化フ
ッ化クロム触媒は、HCFC-133aのフッ素化反応に
用いて得られたものである。結果を表2に示
。
(比較例1)HFC-236eaの脱HF反応
フッ素含有量が12重量%である低フッ素化-酸
化フッ化クロム触媒を使用したこと以外は、
実施例1と同様の条件でHFC-236eaの脱HF反応を行
った。この低フッ素化-酸化フッ化クロム触
は、比表面積(BET法による)が200m 2
/gの酸化クロム(特許文献4を参照のこと)を200
にて2時間に亘ってHFと接触させることによ
フッ素化して調製した。結果を表3に示す。
(比較例2)HFC-236eaの脱HF反応
実施例1において酸化クロムのフッ素化条件
を360℃、120時間とし、フッ素含有量が22重量%
である低フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を
用したこと以外は、実施例1と同様の条件でH
FC-236eaの脱HF反応を行った。結果を表4に示す
(実施例3)HFC-245cbの脱HF反応
酸化フッ化クロム触媒を予め充填したハス
ロイ製反応管に、原料の含フッ素ハロゲン
プロパンとしてHFC-245cbを気相状態でフィー
して脱HF反応に付した。
触媒には、実施例2で使用したものと同様の
、フッ素含有量が41.5重量%である高フッ素化-
酸化フッ化クロム触媒を使用した。
脱HF反応の反応条件は、反応管への含フッ
ハロゲン化プロパンの供給量F0=6Nml/min、反応
管に充填した触媒の量W=2gとし、よって、W/F0=
20g・Nml -1
・secであった。また、反応温度は350℃および
400℃とした。
反応管から出てくるガスを実施例1と同様に
して分析した。結果を表5に示す。
(比較例3)HFC-245cbの脱HF反応
比較例1で使用したものと同様の、フッ素含
有量が12重量%である低フッ素化-酸化フッ化
ロム触媒を使用したこと以外は、実施例3と
様の条件でHFC-245cbの脱HF反応を行った。結
を表6に示す。
以上の実施例および比較例の結果から、 フッ素ハロゲン化プロパンからの脱ハロゲ 化水素(より詳細には脱HF)によって含フッ素 オレフィンを生成させる反応の触媒として高 フッ素化-酸化フッ化クロム触媒を用いるこ により、低フッ素化-酸化フッ化クロム触媒 用いた場合よりも、副生成物の量が著しく 減され、目的物質である含フッ素オレフィ が極めて高い選択率で得られることが確認 れた。
本発明により含フッ素オレフィン、例え 1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペンや1,1,1,2-テ ラフルオロプロペンを製造でき、これらは ずれも冷媒物質として使用できる。
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