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Title:
METHOD FOR PRODUCING FLUOROALKYL ALCOHOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146746
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a fluoroalkyl alcohol represented by the general formula (6) below, which is characterized in that a compound represented by the general formula (1) below is decarboxylated in the presence of at least one substance selected from the group consisting of pyridines, amines, quaternary ammonium salts and quaternary phosphonium salts. This method enables to easily produce a fluoroalkyl alcohol such as hexafluoroisopropyl alcohol with high selectivity by using a low-cost raw material. (In the formula (1), Rf1 and Rf2 may be the same or different and each represents a CF3(CF2)n group (wherein n represents an integer of 0-10) or a CH3(CH2)m group (wherein m represents an integer of 0-10), and at least one of Rf1 and Rf2 is a CF3(CF2)n group; and R1 represents an optionally substituted alkyl group, an optionally substituted aryl group, an optionally substituted aralkyl group, an alkali metal, or an M1/2 (wherein M represents an alkaline earth metal).) (In the formula (6), Rf1 and Rf2 are as defined above.)

Inventors:
SUGIYAMA AKINARI (JP)
SUZUKI ATSUSHI (JP)
TOMITA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059567
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
SUGIYAMA AKINARI (JP)
SUZUKI ATSUSHI (JP)
TOMITA MASAHIRO (JP)
International Classes:
C07C29/00; C07C31/38; C07B61/00
Foreign References:
JP2002234860A2002-08-23
JP2000281672A2000-10-10
JP2005306747A2005-11-04
JP2002371068A2002-12-26
JP2008013488A2008-01-24
JP2008013540A2008-01-24
JP2002234860A2002-08-23
JPS6335534A1988-02-16
JPS61286348A1986-12-16
Other References:
F. W. HOFFMANN ET AL., J. AM. CHEM. SOC., vol. 79, 1957, pages 1741
UTEBAEV U. ET AL., IZV. AKAD. NAUK SSSR SER. KHIM., vol. 2, 1974, pages 387
Attorney, Agent or Firm:
Saegusa & Partners et al. (1-7-1 Doshomachi, Chuo-kuOsaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
一般式(1)
(式中、Rf 1 及びRf 2 は、同一又は異なって、基:CF 3 (CF 2 ) n (式中、nは0~10の整数である)又は基:CH 3 (CH 2 ) m (式中、mは0~10の整数である)であり、Rf 1 及びRf 2 の少なくとも一つは、基:CF 3 (CF 2 ) n である。R 1 は、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、アルカリ金属、又はM 1/2 (Mはアルカリ土類金属である)である。)で表される化合物を、
一般式(2)
(式中、Xはハロゲン原子であり、aは0~9の整数である)で表されるピリジン類、一般式(3)
(式中、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、又は置換基を有することのあるアラルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、bは0~9の整数である)で表されるアミン類、一般式(4)
(式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子である)で表される四級アンモニウム塩、及び一般式(5)
(式中、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原子である)で表される四級ホスホニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の存在下に、脱炭酸することを特徴とする、一般式(6)
(式中、Rf 1 及びRf 2 は上記に同じ)で表されるフルオロアルキルアルコールの製造方法。
一般式(1)において、Rf 1 及びRf 2 におけるnが0又は1、mが0又は1であり、R 1 が炭素数1~4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、Li、Na、K、又はM 1/2 (MはMg、Ca又はBaである)である請求項1に記載のフルオロアルキルアルコールの製造方法。
一般式(3)において、R 2 、R 3 及びR 4 が、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基である請求項1に記載のフルオロアルキルアルコールの製造方法。
一般式(2)において、XはF、Cl、Br又はIであり、aの値は、一般式(1)におけるR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合に0であり、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、又は置換基を有することのあるアラルキル基である場合において、XがCl、Br又はIである場合に1であり、XがFである場合に1~9の整数であり、
一般式(3)において、XはF、Cl、Br又はIであり、bの値は、一般式(1)におけるR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合に0であり、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、又は置換基を有することのあるアラルキル基である場合において、XがCl、Br又はIである場合に1であり、XがFである場合に1~9の整数である、請求項1に記載のフルオロアルキルアルコールの製造方法。
アミド系溶媒の存在下に脱炭酸反応を行う請求項1に記載のフルオロアルキルアルコールの製造方法。
Description:
フルオロアルキルアルコールの 造方法

 本発明は、フルオロアルキルアルコール 製造方法に関する。

 ヘキサフルオロイソプロピルアルコールの 造方法としては、オクタフルオロイソブテ をアルコール付加物とし、次いで脱フッ化 素反応により(CF 3 ) 2 C=CFOR(ヘプタフルオロイソブテニルアルキル ーテル)とした後、これを酸化して得られる( CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 R(ヒドロキシカルボン酸エステル)やヒドロキ シカルボン酸塩をプロトン性溶媒下で脱炭酸 する方法が知られている(下記特許文献1参照) 。しかしながら、この方法は、毒性の高いヘ キサフルオロイソブテンを原料とすることに 加えて、選択率が約70%と低いという問題点が ある。

特開2002-234860号公報

 本発明は、上記した従来技術の現状に鑑 てなされたものであり、その主な目的は、 キサフルオロイソプロピルアルコールなど フルオロアルキルアルコールを、安価な原 を用いて、簡便に高選択率で製造できる方 を提供することである。

 本発明者は、上記した目的を達成すべく 意研究を重ねた結果、産業廃棄物として有 利用が求められているオクタフルオロイソ テン又はその類似化合物から得られる含フ 素ヒドロキシカルボン酸類を原料として用 、これを特定のアミン化合物、四級アンモ ウム塩又は四級ホスホニウム塩の存在下に 脱炭酸反応に供することによって、目的と るフルオロアルキルアルコールを簡便に且 高選択率で製造できることを見出し、ここ 本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明は、下記のフルオロアルキル ルコールの製造方法を提供するものである
1. 一般式(1)

(式中、Rf 1 及びRf 2 は、同一又は異なって、基:CF 3 (CF 2 ) n (式中、nは0~10の整数である)又は基:CH 3 (CH 2 ) m (式中、mは0~10の整数である)であり、Rf 1 及びRf 2 の少なくとも一つは、基:CF 3 (CF 2 ) n である。R 1 は、置換基を有することのあるアルキル基、 置換基を有することのあるアリール基、置換 基を有することのあるアラルキル基、アルカ リ金属、又はM 1/2 (Mはアルカリ土類金属である)である。)で表 れる化合物を、
一般式(2)

(式中、Xはハロゲン原子であり、aは0~9の整 数である)で表されるピリジン類、一般式(3)

(式中、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異なって、水素原子、置換基を 有することのあるアルキル基、置換基を有す ることのあるアリール基、又は置換基を有す ることのあるアラルキル基であり、Xはハロ ン原子であり、bは0~9の整数である)で表され るアミン類、一般式(4)

(式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である)で表される四級アンモニウム塩、及 一般式(5)

(式中、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である)で表される四級ホスホニウム塩から る群から選ばれた少なくとも一種の成分の 在下に、脱炭酸することを特徴とする、一 式(6)

(式中、Rf 1 及びRf 2 は上記に同じ)で表されるフルオロアルキル ルコールの製造方法。
2. 一般式(1)において、Rf 1 及びRf 2 におけるnが0又は1、mが0又は1であり、R 1 が炭素数1~4のアルキル基、シクロアルキル基 、フェニル基、Li、Na、K、又はM 1/2 (MはMg、Ca又はBaである)である上記項1に記載 フルオロアルキルアルコールの製造方法。
3. 一般式(3)において、R 2 、R 3 及びR 4 が、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル 基である上記項1又は2に記載のフルオロアル ルアルコールの製造方法。
4. 一般式(2)において、XはF、Cl、Br又はIであ 、aの値は、一般式(1)におけるR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合に0であり、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合において、XがCl、Br又はIである場合に1 あり、XがFである場合に1~9の整数であり、
一般式(3)において、XはF、Cl、Br又はIであり bの値は、一般式(1)におけるR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合に0であり、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合において、XがCl、Br又はIである場合に1 あり、XがFである場合に1~9の整数である、上 記項1~3のいずれかに記載のフルオロアルキル アルコールの製造方法。
5. アミド系溶媒の存在下に脱炭酸反応を行 上記項1~4のいずれかに記載のフルオロアル ルアルコールの製造方法。

 本発明では、原料としては、一般式(1)

(式中、Rf 1 及びRf 2 は、同一又は異なって、基:CF 3 (CF 2 ) n (式中、nは0~10の整数である)又は基:CH 3 (CH 2 ) m (式中、mは0~10の整数である)であり、Rf 1 及びRf 2 の少なくとも一つは、基:CF 3 (CF 2 ) n である。R 1 は、置換基を有することのあるアルキル基、 置換基を有することのあるアリール基、置換 基を有することのあるアラルキル基、アルカ リ金属、又はM 1/2 (Mはアルカリ土類金属である)である。)で表 れる化合物を用いる。

 上記一般式(1)において、Rf 1 及びRf 2 は、同一又は異なって、基:CF 3 (CF 2 ) n 又は基:CH 3 (CH 2 )  m であり、Rf 1 及びRf 2 の少なくとも一つは、基:CF 3 (CF 2 ) n である。特に、Rf 1 及びRf 2 の両方が、基:CF 3 (CF 2 ) n であることが好ましい。これらの基において 、nは0~10の整数であり、好ましくは0~5の整数 あり、特に好ましくは0又は1である。また mは、0~10の整数であり、好ましくは0~5の整数 であり、特に好ましくは0又は1である。特に nが0であり、mが0又は1であることが好まし 。

 R 1 は、置換基を有することのあるアルキル基、 置換基を有することのあるアリール基、置換 基を有することのあるアラルキル基、アルカ リ金属、又はM 1/2 (Mはアルカリ土類金属である)である。アルキ ル基、アリール基、及びアラルキル基の置換 基としては、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、 ニトロ基、ニトリル基、基:CH 3 (CH 2 ) c  O(CH 2 ) d -(式中、c及びdは同一又は異なって0~5の整数 ある)、基:CH 3 (CH 2 ) c OCO(CH 2 ) d -(式中、e及びfは同一又は異なって0~5の整数 ある) 、基:CH 3 (CH 2 ) g CO 2 (CH 2 ) h -(式中、g及びhは同一又は異なって0~5の整数 ある) 、基:CH 3 (CH 2 ) i S-(式中、iは0~5の整数である。)等を例示でき 。アルキル基、アリール基、及びアラルキ 基の各基には、上記した置換基の内で同一 は異なる基が、1個又は2個以上置換してい も良い。

 R 1 で表されるアルキル基の具体例としては、メ チル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n -ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ 、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1~6程度の 鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シク ヘキシル基等のシクロアルキル基等を例示 きる。置換基を有することのあるアリール としては、フェニル基、ナフチル基、ピリ ル基、クロロフェニル基、トリル基、ニト フェニル基等を例示できる。アラルキル基 しては、ベンジル基、フェネチル基等を例 できる。

 アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs を例示でき、安価で入手し易い点でLi、Na、 K等が好ましい。

 Mで表されるアルカリ土類金属としては、 Be、Mg、Ca、Sr、Baなどを例示でき、安価で入 し易い点でMg、Ca、Ba等が好ましい。

 R 1 としては、特に、炭素数1~4程度のアルキル基 、シクロアルキル基、フェニル基、Li、Na、K のアルカリ金属、M 1/2 (Mは、Mg、Ca、Ba等のアルカリ土類金属)等が好 ましい。

 一般式(1)の化合物としては、特に、Rf 1 及びRf 2 が基:CF 3 (CF 2 ) n であって、R 1 が炭素数1~4程度の低級アルキル基である化合 物が好ましい。
 上記一般式(1)で表される化合物は、公知の 合物又は公知化合物に類似した化合物であ 、例えば、ヘキサフルオロプロペンの製造 に副生する産業廃棄物であるオクタフルオ イソブテンを原料として、下記の工程によ 製造できる。

 即ち、特開2002-234860号公報に記載されてい ように、オクタフルオロイソブテンをアル ール(ROH)と反応させてアルコール付加物((CF 3 ) 2 CHCF 2 OR)とし(F. W. Hoffmann. et al.; J. Am. Chem. Soc., 79 (1957) 1741等参照)、ついで、脱HF反応を行 (特開昭63-35534号公報等参照)、得られたヘキ フルオロイソブテニルアルキルエーテル((CF 3 ) 2 )C=CFOR)を酸化することによって、一般式(1)の ドロキシカルボン酸エステル((CF 3 ) 2 C(OH)COOR)とすることができる。酸化反応とし は、KMnO 4 を酸化剤として用いる方法(Utebaev U. et al.;  Izv. Akad. Nauk SSSR Ser. Khim., 2 (1974) 387等参 )、H 2 O 2 を酸化剤として用いる方法(特開昭61-286348号 報など参照)等を適用できる。また、オスミ ム触媒又はルテニウム触媒を用いて酸化反 を行うこともできる(特開2002-234860号公報な 参照)。一般式(1)で表されるその他の化合物 についても同様の方法によって得ることがで きる。

 本発明のフルオロアルキルアルコールの 造方法は、一般式(2)

(式中、Xは、ハロゲン原子であり、aは、0~9 の整数である)で表されるピリジン類、一般 (3)

(式中、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異なって、水素原子、置換基を 有することのあるアルキル基、置換基を有す ることのあるアリール基、又は置換基を有す ることのあるアラルキル基であり、Xは、ハ ゲン原子であり、bは0~9の整数である)で表さ れるアミン類、一般式(4)

(式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である)で表される四級アンモニウム塩、及 一般式(5)

(式中、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である)で表される四級ホスホニウム塩から る群から選ばれた少なくとも一種の成分の 在下に、上記した一般式(1)で表される化合 を脱炭酸する方法である。

 一般式(2)で表されるピリジン類において、X はF、Cl、Br、I等のハロゲン原子であり、入手 の容易さからF、Cl、Br等が好ましく、特に、F 、Cl等が好ましい。aの値は、0~9の整数であり 、上記一般式(1)におけるR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合には0であることが好ましく、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合には1~9の整数であることが好ましい。特 に、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合において、XがCl、Br又はIである場合には 、aの値は1であることが好ましく、XがFであ 場合には、aの値は1~9の整数であることが好 しく、1~5の整数であることがより好ましく 入手の容易さから1~3の整数であることが特 好ましい。

 一般式(3)で表されるアミン類では、R 2 、R 3 及びR 4 は、同一又は異なって、水素原子、置換基を 有することのあるアルキル基、置換基を有す ることのあるアリール基、又は置換基を有す ることのあるアラルキル基であり、Xは、ハ ゲン原子であり、bは0~9の整数である。これ の内で、アルキル基としては、炭素数1~10程 度のアルキル基が好ましく、特に、メチル、 エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ 、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペ チル、ヘキシル等の炭素数1~6程度の直鎖状 は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロヘキ ル基等のシクロアルキル基等が好ましい。R 2 、R 3 及びR 4 で表される基の好ましい具体例としては、水 素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基 イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル 、sec-ブチル基、t-ブチル基、オクチル基、 ェニル基、ベンジル基等を挙げることがで る。また、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子 あり、入手の容易さからF、Cl、Br等が好ま く、特に、Cl、Br等が好ましい。

 一般式(3)で表されるアミン類において、bの 値は、0~9の整数であり、上記一般式(1)におけ るR 1 がアルカリ金属又はM 1/2 である場合には0であることが好ましく、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合には1~9の整数であることが好ましい。特 に、R 1 が置換基を有することのあるアルキル基、置 換基を有することのあるアリール基、又は置 換基を有することのあるアラルキル基である 場合において、XがCl、Br又はIである場合には 、bの値は1であることが好ましく、XがFであ 場合には、bの値は1~9の整数であることが好 しく、1~5の整数であることがより好ましく 入手の容易さから1~3の整数であることが特 好ましい。

 特に、一般式(3)で表されるアミン類とし は、水素原子を含まないか或いは水素原子 が1個である二級アミン類又は三級アミン類 が好ましい。

 一般式(4)で表される四級アンモニウム塩に いて、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である。これらの内で、アルキル基として 、炭素数1~10程度のアルキル基が好ましく、 に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプ ピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、te rt-ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1~6 程度の直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基 、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等 が好ましい。R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 としては、特に、メチル基、エチル基、n-プ ピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、オク ル基、フェニル基、ベンジル基等が好まし 。また、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子で り、入手の容易さからF、Cl、Br等が好まし 、特に、Cl、Br等が好ましい。

 一般式(5)で表される四級ホスホニウム塩に いて、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、同一又は異なって、アルキル基、フェニ ル基又はベンジル基であり、Xはハロゲン原 である。これらの内で、アルキル基として 、炭素数1~10程度のアルキル基が好ましく、 に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプ ピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、te rt-ブチル、ペンチル、ヘキシル等の炭素数1~6 程度の直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基 、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等 が好ましい。R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 としては、特に、メチル基、エチル基、n-プ ピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、オ チル基、フェニル基、ベンジル基等が好ま い。また、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子 あり、入手の容易さからF、Cl、Br等が好ま く、特に、Cl、Br等が好ましい。

 一般式(2)で表されるピリジン類、一般式( 3)で表されるアミン類、一般式(4)で表される 級アンモニウム塩、及び一般式(5)で表され 四級ホスホニウム塩からなる群から選ばれ 少なくとも一種の成分の使用量は、一般式( 1)の化合物1モルに対して、0.001~100モル程度と すればよく、0.01~50モル程度とすることが好 しく、安価且つ効率的に反応させるために 、0.1~5モル程度とすることが特に好ましい。

 本発明の製造方法は、溶媒の存在下又は非 在下に行うことができるが、特に、反応基 の接触効率の点から溶媒の存在下に行うこ が好ましい。溶媒としては、上記した原料 分を分散又は溶解できる溶媒であればよく 例えば、n-ヘキサン等の炭化水素系溶媒、N- メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド 、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、ジメチ ルホルムアミド、水、メタノール、エタノー ル等のアルコール類、エチレングリコール、 ポリエチレングリコール、アセトニトリル、 スルホラン、塩化メチレン、クロロホルム、 四塩化炭素、ジメチルスルホキシド、ジメチ ルアセテート、酢酸、キシレン等の他、1,1- クロロ-1-フルオロエタン、3,3-ジクロロ-1,1,1, 2,2,-ペンタフルオロプロパン、パーフルオロ キサン、HCF 2 CF 2 CF 2 CF 2 Cl等のフッ素系溶媒等も用いることが出来る また、一般式(3)のアミン類を溶媒として用 ても良い。特に、ジメチルアセトアミド、 メチルホルムアミド等のアミド系溶媒を用 る場合には、高い選択率で一般式(6)で表さ るフルオロアルキルアルコールを得ること できる。

 溶媒を使用する場合の溶媒の使用量は、 般式(1)の化合物に対し0.001~20体積倍程度と ることができ、好ましくは、0.01 ~10体積倍 度とすればよく、安価かつ効率的に反応さ るためには、0.1~5体積倍程度とすればよい。

 反応方法については、特に限定はなく、 原料を同時に仕込んでも良く、或いは、任 の順序で別々に仕込んでもよい。特に、発 を抑制するためには、一般式(2)~(5)のいずれ かの化合物と溶媒を混合した後、これに一般 式(1)で表される化合物を添加することが好ま しい。

 反応温度は、-20℃~300℃程度とすることが できるが、特に5~200℃程度の範囲とすること 好ましい。

 反応時の圧力は特に限定はなく、減圧下 大気圧下、加圧下のいずれでもよいが、特 ガスの発生の点から大気圧下で行うのが好 しい。

 反応時間は、通常、0.01~50時間とすればよ く、好ましくは、0.1~24時間程度とすればよい 。各成分は同時に仕込んでもよく、別々に仕 込んでも良い。

 反応器の材質は特に限定はなく、ガラス 金属のいずれでも良く、反応温度・化合物 対する耐性がある材料を用いれば良い。

 上記した方法によって、一般式(6)

(式中、Rf 1 及びRf 2 は上記に同じ)で表されるフルオロアルキル ルコールが得られる。得られたフルオロア キルアルコールは、公知の方法で分離、精 することが出来る。例えば、抽出、蒸留、 結晶、クロマトグラフィーなどの方法を適 できる。

 本発明によれば、産業廃棄物であるオク フルオロイソブテンから得られる一般式(1) 表される化合物を原料として、ヘキサフル ロイソプロピルアルコールなどのフルオロ ルキルアルコールを高い選択率で収率良く 造できる。よって、本発明の方法は、フル ロアルキルアルコールを安価に収率良く製 できる方法として有用性の高い方法である

 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細 説明する。

  実施例1
 50mlの3つ口フラスコに98%(CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 :10.0g(43.1mmol)、トリエチルアミン一塩酸塩:6.5g (47.3mmol)、及びエチレングリコール10mlを仕込 だ。

 フラスコにマントルヒーターを取り付け、 120℃に加熱して反応させた。反応の進行と に還留がかかりはじめ、約115℃で安定した 2時間反応させた後、室温まで冷却し、反応 溶液を分析した結果、水層・有機層のガスク ロマトグラフィ(GC)、スクロマトグラフィ/質 分析(GC/MS)、 19 FNMR測定を行った。

 (CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 の転化率は90.9%であり、1,1,1,3,3,3-ヘキサフル ロイソプロパノールの選択率は77.6%であっ 。

 比較例1
 トリエチルアミン塩酸塩を用いることなく それ以外は実施例1と同様の方法で反応を行 った。その結果、反応は進行せず、ヘキサフ ルオロイソプロパノールは得られなかった。

 実施例2
 リフラックスコンデンサーを備え付けた50mL の3つ口フラスコに99% (CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 :5.0g(22.1 mmol)、テトラn-ブチルアンモニウム ロライド:6.7g(24.3mmol)、及びエチレングリコ ル(5mL)を仕込み、攪拌しながら120℃に加熱し て反応させた。反応中には、ガスの発生が見 られ、コンデンサー上部よりメチルクロライ ド及び二酸化炭素がガスとして生成していた 。2時間反応させた後、室温まで冷却し、反 溶液についてガスクロマトグラフィ(GC)、ガ クロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)、 19 F-NMR測定を行ったところ、(CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 の転化率は99%であり、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオ ロイソプロパノールが44%の選択率で生成して いた。

実施例3~6
実施例2において、テトラn-ブチルアンモニウ ムクロライドに代えて、テトラn-ブチルアン ニウムアイオダイド(nBu 4 N-I)(実施例3)、テトラn-ブチルアンモニウムブ ロマイド(nBu 4 N-Br)(実施例4)、トリエチルベンジルアンモニ ムクロライド(Et 3 NBn-Cl)(実施例5)、又はトリフェニルベンジル スホニウムクロライド(Ph 3 PBn-Cl)(実施例6)を、テトラn-ブチルアンモニウ ムクロライドと同モル用いたこと以外は、実 施例2と同様にして脱炭酸反応と分析を行っ 。(CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 の転化率及び1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプ ロパノールの選択率を表1に示す。

 実施例7~12
 リフラックスコンデンサーを備え付けた50mL の3つ口フラスコに99% (CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 :5.0g(22.1 mmol)、トリエチルアミン塩酸塩:3.3g(2 4.3mmol)、表2に示す溶媒(5mL)を仕込み、120℃に 熱して反応させた。反応後、実施例1と同様 にして分析を行い、(CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 の転化率と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロ パノールの選択率を求めた。得られた結果を 表2に示す。
 
  

 実施例13~14
 リフラックスコンデンサーを備え付けた50mL の3つ口フラスコに99% (CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 :5.0g(22.1 mmol)、表3に示すアミン塩酸塩(24.3mmol )、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を仕込み、12 0℃に加熱して反応させた。反応後、実施例1 同様にして分析を行い、(CF 3 ) 2 C(OH)CO 2 CH 3 の転化率と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロ パノールの選択率を求めた。得られた結果を 表3に示す。