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Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF LONG OPTICAL LAMINATE, AND LIQUID CRYSTAL PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096577
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an optical laminate which has a high contrast ratio and is applicable to a large-sized display device. Specifically disclosed is a method for producing an optical laminate, which comprises: a first step for applying a coating solution comprising a birefringent material and a solvent onto the surface of a long base material and drying the applied coating solution to form a birefringent film having a birefringence in a thickness-wise direction at a wavelength of 590 nm (Δnxz[590]) of 0.02 or greater, thereby forming a long sheet (A) comprising the base material and the birefringent film; a second step for drawing a long film composed of a hydrophilic polymer containing a dichroic substance at a draw ratio of 3 to 5 times relative to the original length and a neck-in ratio of 55% or less, thereby producing a long polarizer (B); and a third step for laminating the long sheet (A) produced in the first step on one surface of the long polarizer (B) produced in the second step, thereby producing a long optical laminate.

Inventors:
FUTAMURA KAZUNORI (JP)
NAGASE JUNICHI (JP)
YOSHIMI HIROYUKI (JP)
HAYASHI MASAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050406
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
January 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
FUTAMURA KAZUNORI (JP)
NAGASE JUNICHI (JP)
YOSHIMI HIROYUKI (JP)
HAYASHI MASAKI (JP)
International Classes:
G02B5/30; B32B7/02; G02F1/1335; G02F1/13363
Foreign References:
JP2004195875A2004-07-15
JP2003344657A2003-12-03
JP2004233871A2004-08-19
JP2006251224A2006-09-21
JP2006058437A2006-03-02
JP2006243558A2006-09-14
Attorney, Agent or Firm:
OHNAKA, Minoru et al. (4F 3-6, Minamisemba 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 81, JP)
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Claims:
 次の工程1~工程3を含む、長尺光学積層体の製造方法。
 工程1:長尺基材の表面に、複屈折材料と溶媒とを含む塗布液を塗布・乾燥し、波長590nmにおける厚み方向の複屈折率(δn xz [590])が0.02以上の複屈折膜を形成して、前記基材と前記複屈折膜とを含む長尺シート(A)を作製する工程、
 工程2:二色性物質を含有する親水性ポリマーの長尺フィルムを、元長に対する延伸倍率が3倍~5倍、且つ、ネックイン比が55%以下となるように延伸して、長尺偏光子(B)を作製する工程、
 工程3:工程2で得られた長尺偏光子(B)の一方の面側に、工程1で得られた長尺シート(A)を積層して、長尺光学積層体を作製する工程。
 前記長尺光学積層体の幅が、1500mm以上に形成される、請求項1に記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記工程3において、長尺シート(A)の基材側を、長尺偏光子(B)と隣接するように積層する、請求項1又は2に記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記工程3において、長尺シート(A)の複屈折膜側を、長尺偏光子(B)と隣接するように積層する、請求項1又は2に記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記工程1の後に、次の工程4をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の長尺光学積層体の製造方法。
 工程4:工程1で得られた長尺シート(A)を、複屈折膜の屈折率楕円体がnx>ny≧nzを満足するように、幅方向に延伸する工程。
 前記長尺偏光子(B)の二色比(DR)が40~100である、請求項1から5のいずれかに記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記長尺偏光子(B)は、偏光度(P)が99%以上であり、且つ、透過率(T)が35%~42%である、請求項1から6のいずれかに記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記工程3において、長尺シート(A)が、長尺偏光子(B)の一方の側に、接着層を介して積層される、請求項1から7のいずれかに記載の長尺光学積層体の製造方法。
 前記工程3の後に、次の工程5をさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の長尺光学積層体の製造方法。
 工程5:工程3で得られた長尺光学積層体を、70インチ以上の長方形状に打ち抜いて、長方形状の光学積層体を作製する工程。
 請求項1から9のいずれかに記載の製造方法によって得られた光学積層体を備える液晶パネル。
Description:
長尺光学積層体の製造方法、及 液晶パネル

 本発明は、液晶表示装置などに使用され 長尺光学積層体の製造方法、及び該光学積 体を備える液晶パネルに関する。

 液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電 等の特徴を活かして、携帯電話、モニタ、 レビ等の様々な用途に利用されている。近 、テレビ用途の液晶表示装置は、画面サイ の大型化が急速に進んでおり、例えば65イ チサイズのものが実用化されている。この うな市場動向の下、該液晶表示装置に利用 れる光学フィルムの大型化が急務となって る。

 液晶表示装置に利用される光学フィルムの1 つに、偏光子がある。この偏光子は、通常、 ロール状のポリビニルアルコールフィルムを 、二色性物質で染色し、長手方向に一軸延伸 して作製される。かかる偏光子は、一般に、 延伸倍率の高いフィルムほど偏光性能が優れ ていると考えられており、このような偏光子 が、特許文献1に開示されている。
 しかしながら、偏光性能の高い偏光子を得 ために、延伸倍率を高くすると、ネッキン によって偏光子の有効幅が狭くなる。その め、上記大型の表示装置用の偏光子を得る とが困難である。

 また、液晶表示装置は、斜め方向のコント スト比が低いため、これを改善するために 偏光子に複屈折膜を積層した光学フィルム 用いられている。
 しかしながら、市場に於いては、斜め方向 ら文字や画像を鮮明に見せることができる よりコントラスト比の高い液晶表示装置等 求められている。

日本国特許出願公開2004-341515号公報

 本発明の目的は、コントラスト比が高く 且つ、大型の表示装置に対応することがで る長尺光学積層体の製造方法、及び液晶パ ルを提供することである。

 本発明は、長尺基材の表面に、複屈折材料 溶媒とを含む塗布液を塗布・乾燥し、波長5 90nmにおける厚み方向の複屈折率(δn xz [590])が0.02以上の複屈折膜を形成して、該基 と該複屈折膜とを含む長尺シート(A)を作製 る工程1と、二色性物質を含有する親水性ポ マーの長尺フィルムを、元長に対する延伸 率が3倍~5倍、且つ、ネックイン比が55%以下 なるように延伸して、長尺偏光子(B)を作製 る工程2と、工程2で得られた長尺偏光子(B) 一方の面側に、工程1で得られた長尺シート( A)を積層して、長尺光学積層体を作製する工 3と、を有する長尺光学積層体の製造方法を 提供する。

 上記製造方法は、従来の偏光子の製造方法 比べ、比較的低い延伸倍率で長尺フィルム 延伸する。このため、該フィルムの幅方向 於ける収縮が小さくなり、従来法に比して 幅の広い長尺偏光子を得ることができる。 って、本発明の長尺光学積層体の製造方法 よれば、例えば、画面サイズ70インチ以上 液晶表示装置に対応した、光学積層体を作 することができる。
 さらに、上記製造方法によって得られた長 偏光子は、斜め方向の光漏れを効果的に防 ことができる。従って、該偏光子を含む光 積層体を液晶表示装置などに適用すること より、斜め方向のコントラスト比の高い表 画面を実現できる。

 本発明の製造方法によって得られる長尺光 積層体は、その幅が1500mm以上に形成される
 さらに、本発明の好ましい製造方法は、上 工程3において、長尺シート(A)の基材側を長 尺偏光子(B)と隣接するように積層する。
 また、本発明の他の好ましい製造方法は、 記工程3において、長尺シート(A)の複屈折膜 側を長尺偏光子(B)と隣接するように積層する 。
 さらに、本発明の他の好ましい製造方法は 上記工程1の後に、工程1で得られた長尺シ ト(A)を、複屈折膜の屈折率楕円体がnx>ny≧ nzを満足するように、幅方向に延伸する工程4 、を有する。

 また、本発明の他の好ましい製造方法は、 記長尺偏光子(B)の二色比(DR)が40~100である。
 さらに、本発明の他の好ましい製造方法は 上記長尺偏光子(B)は、偏光度(P)が99%以上で り、且つ、透過率(T)が35%~42%である。
 また、本発明の好ましい態様は、上記工程3 において、長尺偏光子(B)の一方の側に、長尺 シート(A)が接着層を介して積層される上記製 造方法である。
 さらに、本発明の他の好ましい製造方法は 上記工程3の後に、工程3で得られた長尺光 積層体を70インチ以上の長方形状に打ち抜い て、長方形状の光学積層体を作製する工程5 を有する。
 本発明の他の手段は、上記いずれかの製造 法によって得られた光学積層体を備える液 パネルを提供する。
 本発明の製造方法によって得られる光学積 体を用いれば、従来の位相差フィルム付偏 板に比べて、斜め方向のコントラスト比が い液晶表示装置を構成できる。

長尺光学積層体の一実施形態を示す断 図。 長尺偏光子の作製工程の一例を示す参 図。 実施例の液晶表示装置のコントラスト 高線図。 比較例の液晶表示装置のコントラスト 高線図。 実施例及び比較例の液晶表示装置に於 て、方位角60°-240°におけるコントラスト比 の極角依存性を示すグラフ図。

[A.本発明の製造方法の概要]
 本発明の長尺光学積層体の製造方法は、長 基材の表面に、複屈折材料と溶媒とを含む 布液を塗布・乾燥し、波長590nmにおける厚 方向の複屈折率(δn xz [590])が0.02以上の複屈折膜を形成し、該基材 該複屈折膜とを含む長尺シート(A)を作製す 工程1と、二色性物質を含有するポリビニル ルコール系樹脂の長尺フィルムを、元長に する延伸倍率が3倍~5倍、且つ、ネックイン が55%以下となるように延伸して、長尺偏光 (B)を作製する工程2と、工程2で得られた長 偏光子(B)の一方の面側に、工程1で得られた 尺シート(A)を積層して、長尺光学積層体を 製する工程3と、を少なくとも有する。
 なお、本明細書において、シートとは、一 にフィルムと呼ばれるものを含む意味であ 。
 工程1及び工程2を行う順序は、特に限定さ ず、工程1を行った後に工程2を行ってもよく 、或いは、工程2を行った後に工程1を行って よく、或いは、工程1及び工程2を同時並行 に行ってもよい。

 本明細書において「長尺」とは、長さ寸 が幅寸法よりも十分に大きいことを表す。 の長さ寸法は、通常、幅寸法の2倍以上であ り、好ましくは3倍以上である。本発明の長 光学積層体は、ロール形状であってもよく その巻き長さは、好ましくは300m以上であり さらに好ましくは1,000m~50,000mである。

 本明細書において、「厚み方向の複屈折率( δn xz [λ])」とは、式;δn xz =nx-nzから算出される値である。前記「nx」は 面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、 遅相軸方向)の屈折率を表し、前記「nz」は、 厚み方向の屈折率を表す。

 本発明の製法で得られる長尺光学積層体( 1)は、図1に示すように、長尺基材(2)と複屈折 膜(3)とが積層された長尺シート(A)と、このシ ート(A)の一方の面に積層された長尺偏光子(B) と、を少なくとも有する積層体である。該積 層体に於いて、同図(a)に示すように、長尺シ ート(A)の長尺基材(2)が長尺偏光子(B)に隣接し て積層されていてもよいし、或いは、同図(b) に示すように、長尺シート(A)の複屈折膜(3)が 長尺偏光子(B)に隣接して積層されていてもよ い。

[B.工程1]
 本発明の製造方法における工程1は、長尺基 材の表面に、複屈折材料と溶媒とを含む塗布 液を流延し、乾燥させて、波長590nmにおける み方向の複屈折率(δn xz [590])が0.02以上の複屈折膜を形成し、該基材 該複屈折膜とを含む、長尺シート(A)を作製 る工程である。かかる工程を含む製法によ ば、長手方向に延伸する必要がないため、 幅の複屈折膜を作製することができる。

 上記工程1により得られる長尺シート(A)は 、後述する基材と複屈折膜とを含む。上記長 尺シート(A)の総厚みは、好ましくは15μm~200μm であり、さらに好ましくは15μm~90μmである。

 上記長尺シート(A)は、好ましくは、透明で 着色が無いか又は小さい。長尺シート(A)の 長590nmの光における透過率(T A )は、好ましくは80%以上である。上記長尺シ ト(A)の波長590nmにおける厚み方向の位相差値 (Rth A [590])は、好ましくは20nm以上であり、さらに ましくは100nm~800nmである。
 なお、本明細書において、厚み方向の位相 値(Rth[λ])は、23℃、波長λにおいて、式;Rth=( nx-nz)×dから算出される値である。前記「nx」 、面内の屈折率が最大となる方向(すなわち 、遅相軸方向)の屈折率を表し、前記「nz」は 、厚み方向の屈折率を表し、前記「d」は、 み(nm)を表す。

 本発明に用いられる長尺基材は、任意の適 なものが採用される。長尺基材は、単層の のであってもよいし、2層以上の積層体であ ってもよい。上記長尺基材の総厚みは、好ま しくは10μm~180μmである。上記長尺基材は、好 ましくは、透明で、着色が無いか又は小さい 樹脂から成形されたシートである。
 前記シートを形成する樹脂は、好ましくは 可塑性樹脂である。さらに好ましくは、前 樹脂は、ポリエチレンテレフタレートやポ エチレンナフタレート等のエステル系樹脂; ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロ ース等のセルロース系樹脂;ノルボルネン系 脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル 樹脂;ポリスチレンやアクリロニトリル・ス チレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系樹脂; ーボネート系樹脂などである。

 上記長尺基材の波長550nmの光における透過 (T)は、好ましくは80%以上である。
 上記長尺基材の、波長590nmにおける厚み方 の複屈折率(δn xz [590])は、好ましくは0.002以下であり、さらに ましくは0.001以下である。
 上記長尺基材の、波長590nmにおける光弾性 数の絶対値は、好ましくは40×10 -12 m 2 /N以下であり、さらに好ましくは20×10 -12 m 2 /N以下である。低複屈折で、且つ、低光弾性 長尺基材を用いれば、その上に複屈折膜を 層しても、光学的なムラの生じにくい長尺 ート(A)を得ることができる。
 なお、本明細書において、光弾性係数とは 外力を加えて内部に応力を起こさせたとき 複屈折の生じやすさをいう。光弾性係数は 例えば、日本分光(株)製の分光エリプソメ ター、製品名「M-220」を用いて、2cm×10cmの試 験片に23℃で応力をかけながら、波長590nmの でシート面内の位相差値を測定し、位相差 と応力の関数の傾きから算出することがで る。

 本発明に用いられる複屈折材料は、流延法 より作製した複屈折膜の、波長590nmにおけ 厚み方向の複屈折率(δn xz [590])が0.02以上となるものであれば、任意の 切なものが採用され得る。このような複屈 材料は、例えば、棒状液晶化合物又はディ コチック液晶化合物を含有する液晶性組成 や、剛直な主鎖骨格を有する熱可塑性樹脂 用いられ得る。

 上記複屈折膜は、位相差を有する単独の であってもよいし、複数の層からなる積層 であってもよい。上記複屈折膜は、好まし は、イミド系樹脂、アミド系樹脂、又はエ テル系樹脂を含有する。これらの樹脂は、 直な主鎖骨格を有し、これらの樹脂を含む 布液を流延法により成形した場合に、屈折 楕円体がnx=ny>nzの関係を示し且つ薄い複 折膜を得ることができる。上記イミド系樹 としては、例えば、日本国特許出願公表平8- 511812号公報に記載されているものが用いられ 得る。上記アミド系樹脂としては、例えば、 日本国特許出願公表平10-508048号に記載されて いるものが用いられ得る。上記エステル系樹 脂としては、例えば、米国特許第6964795号に 載されているものが用いられ得る。

 上記イミド系樹脂は、好ましくは、ヘキ フルオロイソプロピリデン基及び/又はトリ フルオロメチル基を有する。さらに好ましく は、上記イミド系樹脂は、下記一般式(I)で表 される繰り返し単位、又は下記一般式(II)で される繰り返し単位の少なくともいずれか 方を有する。これらの繰り返し単位を含む ミド系樹脂は、透明性、汎用溶剤に対する 解性に優れ、厚み方向の複屈折率が大きい

 上記一般式(I)及び(II)中、G及びG’は、共有 合、CH 2 基、C(CH 3 ) 2 基、C(CF 3 ) 2 基、C(CX 3 ) 2 基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O 原子、S原子、SO 2 基、Si(CH 2 CH 3 ) 2 基、及び、N(CH 3 )基からなる群から、それぞれ独立して選択 れる基を表し、それぞれ同一でもよいし、 なっていてもよい。

 上記一般式(I)中、Lは置換基であり、eは の置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、 素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のハロゲン アルキル基、フェニル基、又は置換フェニ 基であり、複数の場合、それぞれ同一であ か又は異なる。eは、0から3までの整数であ 。

 上記一般式(II)中、Qは置換基であり、fは の置換数を表す。Qは、例えば、水素、ハロ ゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ 基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ 基、アリール基、置換アリール基、アルキル エステル基、及び置換アルキルエステル基か らなる群から選択される原子又は基であって 、Qが複数の場合、それぞれ同一であるか又 異なる。fは、0から4までの整数であり、g及 hは、それぞれ1から3までの整数である。

 上記イミド系樹脂は、例えば、テトラカ ボン酸二無水物と、ジアミンとの反応によ て得ることができる。上記一般式(I)の繰り し単位は、例えば、2,2’-ビス(トリフルオ メチル)-4,4’-ジアミノビフェニル(これは、 アミンである)と、芳香環を少なくとも2つ するテトラカルボン酸二無水物と、を反応 せて得ることができる。上記一般式(II)の繰 返し単位は、例えば、2,2-ビス(3,4-ジカルボ シフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無 水物(これは、テトラカルボン酸二無水物で る)と、芳香環を少なくとも2つ有するジアミ ンと、を反応させて得ることができる。上記 反応は、例えば、2段階で進行する化学イミ 化であってもよいし、1段階で進行する熱イ ド化であってもよい。

 上記テトラカルボン酸二無水物は、任意 適切なものが選択され得る。テトラカルボ 酸二無水物としては、例えば、2,2-ビス(3,4- カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ ン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテ ラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ベンゾフ ノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’- ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、 2,2’-ジブロモ-4,4’,5,5’-ビフェニルテトラ ルボン酸二無水物、2,2’-ビス(トリフルオロ メチル)-4,4’,5,5’-ビフェニルテトラカルボ 酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカ ルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキ シフェニル)エーテル二無水物、4,4’-オキシ フタル酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボ シフェニル)スルホン酸二無水物、ビス(2,3- カルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビ ス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン 酸二無水物等が挙げられる。

 上記ジアミンは、任意の適切なものが選 され得る。ジアミンとしては、例えば、2,2 -ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノ フェニル、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’- ジアミノフェニルメタン、4,4’-(9-フルオレ リデン)-ジアニリン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジ アミノジフェニルメタン、2,2’-ジクロロ-4,4 -ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフ ニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエ テル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、 4,4’-ジアミノジフェニルチオエーテル等が げられる。

 上記イミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は 、好ましくは20,000~180,000である。前記重量平 分子量は、ジメチルホルムアミド溶液(10mM 臭化リチウムと10mMのリン酸を加えメスアッ して1Lのジメチルホルムアミド溶液とした の)を展開溶媒とするポリエチレンオキサイ 標準で求められる。イミド化率は、好まし は95%以上である。イミド化率は、ポリイミ の前駆体であるポリアミック酸由来のプロ ンピークと、ポリイミド由来のプロトンピ クとの積分強度比から求めることができる

 上記のような複屈折材料から形成される複 折膜は、好ましくは、透明で、着色が無い 又は少ない。上記複屈折膜のδn xz [590]は、0.02以上であり、好ましくは0.02~0.08で り、さらに好ましくは0.03~0.07である。
 上記複屈折膜のRth[590]は、10nm以上であり、 ましくは100nm以上であり、さらに好ましく 100nm~800nmである。このような材料であれば、 一般的な、液晶セルを光学的に補償し得るRth [590]を有し、且つ、厚みを薄い複屈折膜とす ことができる。

 上記複屈折膜の厚み(d C )は、好ましくは0.1μm~10μmであり、さらに好 しくは0.5μm~5μmである。上記複屈折膜の厚み (d C )と長尺基材の総厚み(d S )との比率(d C /d S )は、好ましくは0.2以下であり、さらに好ま くは0.01~0.15である。長尺基材の総厚み(d S )における、複屈折膜の厚み(d C )の比率を小さし、且つ、長尺基材として、 弾性係数の絶対値の小さい材料を採用する とによって、全体として高い位相差値を有 且つ光学的なムラの生じ難い、長尺シート(A )を得ることができる。

 本発明に用いられる溶媒は、上記複屈折 料と混合して塗布液を構成する。前記溶媒 、前記塗布液を長尺基材の表面に、均一に 開するために用いられる。塗布液は、溶媒 に、上記複屈折材料が分散した分散液であ てもよいし、一部又は全部が溶解した溶液 あってもよい。塗布液の濃度は、塗布液100 量部に対して、複屈折材料を5質量部~50質量 部含むことが好ましい。

 上記塗布液は、任意の適切な添加剤をさ に含有し得る。前記添加剤は、例えば、界 活性剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑 、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色 、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、増粘剤 が挙げられる。前記添加剤の添加量は、好 しくは、塗布液100質量部に対して、0を超え 10質量部以下である。

 上記溶媒としては、任意の適切なものが 用され得る。溶媒は、水などの無機溶剤で ってもよい。また、溶媒は、アルコール類 ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪 および芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化 素類、アミド類、セロソルブ類などの有機 剤であってもよい。有機溶媒の具体例は、2 -ブタノール、イソプロピルアルコール、グ セリン、エチレングリコール、アセトン、 チルエチルケトン、メチルイソブチルケト 、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン、ジオキサン、アニソー 、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キ レン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、 メチルホルムアミド、メチルセロソルブな が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、 は2種類以上を混合して用いることができる

 上記塗布液を上記長尺基材に流延する方 は、適宜、適切なコータを用いた塗工方式 採用され得る。上記コータとしては、例え 、スロットダイコータ、リバースロールコ タ、正回転ロールコータ、グラビアコータ ロッドコータ、スロットオリフィスコータ カーテンコータ、及びファウンテンコータ る。このようなコータを用いた塗工方式で れば、厚みバラツキの小さい複屈折膜を得 ことができる。

 本発明の長尺光学積層体の製造方法は、上 工程1の後に、次の工程4をさらに含んでい もよい。該工程4は、必要に応じて、工程1に 付随的に行われる。
 工程4:工程1で得られた長尺シート(A)を、複 折膜の屈折率楕円体がnx>ny≧nzを満足する ように、幅方向に延伸する工程。
 上記長尺シート(A)を幅方向に延伸すること よって、長尺シート(A)に面内の位相差を付 できる。かかる長尺基材(A)を有する長尺光 積層体を液晶表示装置に用いることにより 液晶表示装置の斜め方向のコントラスト比 より一層高くすることができる。また、幅 向に延伸することによって、上記長尺シー (A)の幅が広くなるため、大型の液晶表示装 に適した光学積層体を得ることができる。

 上記複屈折膜の屈折率楕円体がnx>ny≧nzを 満足する場合、本発明の長尺光学積層体は、 好ましくは、複屈折膜の遅相軸方向と長尺偏 光子(B)の吸収軸方向とが、実質的に直交する ように配置される。なお、複屈折膜の「nx」 、面内の屈折率が最大となる方向(すなわち 、遅相軸方向)の屈折率を表し、「ny」は、面 内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相 方向)の屈折率を表し、「nz」は、厚み方向 屈折率を表す。上記nx>ny≧nzは、nx>ny>n z又はnx>ny=nzを意味する。この「ny=nz」とは nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、 実質的に同一である場合も含まれる。nyとnz 実質的に同一である場合とは、例えば、Re(59 0)-Rth(590)が-10nm~10nmであり、好ましくは-5nm~5nm あり、より好ましくは-3nm~3nmである。
 なお、本明細書において、面内の位相差値( Re[λ])は、23℃、波長λにおいて、式;Re=(nx-ny)× dから算出される値である。

 上記長尺シート(A)を延伸する方法として 、例えば、横一軸延伸法、縦横同時二軸延 法、又は縦横逐次二軸延伸法等が挙げられ 。上記長尺シート(A)を延伸する温度(延伸温 度)は、好ましくは120℃~200℃である。また、 記長尺シート(A)を延伸する倍率(延伸倍率) 、好ましくは1を超え3倍以下である。

[C.工程2]
 本発明の製造方法における工程2は、二色性 物質を含有する親水性ポリマーの長尺フィル ムを、元長に対する延伸倍率が3倍~5倍、且つ 、ネックイン比が55%以下となるように、延伸 して、長尺偏光子(B)を作製する工程である。

 上記工程2を含む製法により作製された偏光 子は、従来の偏光子に比べて、黒表示におけ る斜め方向の光漏れを効果的に防ぐことがで きる。このため、該偏光子を用いた液晶表示 装置は、斜め方向で高いコントラスト比を有 する。これは、発明者等の推定によれば、当 該製法により作製された偏光子は、斜め方向 に配向した二色性物質(ヨウ素が用いられて る場合には、ヨウ素錯体)を有し、この二色 物質が、斜め方向の光を吸収するためであ と考えられる。従来の偏光子を用いた液晶 示装置は、黒画像を表示した場合、斜め方 の光を透過させ、光漏れが発生するので、 の黒色を表示することができなかった。こ 点、本発明の製法によって得られた偏光子 、斜め方向の光漏れを有効に防止でき、コ トラスト比の高い液晶表示装置を構成でき 。
 本発明の製法によれば、幅広の長尺偏光子( B)を得ることができる。このため、これを積 することによって得られる長尺光学積層体 幅は、好ましくは1500mm以上、さらに好まし は1700mm以上に形成することができる。

 上記工程2の具体例について、図2を参照し 説明する。図2は、長尺偏光子(B)の代表的な 造工程の概念を示す模式図である。
 図2に於いて、ロール状に巻かれた長尺フィ ルム20は、繰り出し部21から繰り出される。 り出された長尺フィルム20は、純水を含む膨 潤浴31、及びヨウ素等を含む染色浴32に浸漬 れ、回転速度の異なるロール311、312、321、32 2でフィルム長手方向に張力を付与されなが 、膨潤処理及び染色処理が施される。次に 膨潤処理及び染色処理された長尺フィルム20 は、ヨウ化カリウム等を含む第1の架橋浴33及 び第2の架橋浴34に浸漬され、回転速度の異な るロール331、332、341、342でフィルムの長手方 向に張力を付与されながら、架橋処理及び最 終的な延伸処理が施される。架橋処理された 長尺フィルム20は、ロール351、352によって、 水を含む水洗浴35中に浸漬され、水洗処理 施される。水洗処理されたフィルム20は、乾 燥手段36で乾燥されることにより、水分率が えば10%~30%に調整された後、巻き取り部22に 巻き取られる。

(長尺フィルム)
 上記長尺フィルムは、親水性ポリマーを含 樹脂組成物を製膜したフィルムが用いられ 。該フィルムとしては、例えば、ポリビニ アルコール(以下、PVAという)系フィルム、 分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレ テレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共 合体系フィルム、及びこれらの部分ケン化 ィルム等が挙げられる。また、これらの他 も、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱 酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使 できる。これらの中でも、二色性物質によ 染色性に優れていることから、PVA系ポリマ を主成分とするPVA系フィルムが好ましい。PV Aは、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニル ケン化して得られたポリマーであり、該ポ マーに、不飽和カルボン酸、オレフィン類 ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩な のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を 重合されているPVAでもよい。また、PVA系ポ マーとしては、アセトアセチル基、スルホ 酸基、カルボキシル基などを含む変性PVAの 、ポリビニルフルマールやポリビニルアセ ールなどの変性PVAなども用いることができ 。
 上記長尺フィルムの厚みは、好ましくは30μ m~100μmである。

 PVA系ポリマーを用いる場合、該PVA系ポリ ーは、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエ テル系モノマーを重合して得られるビニル ステル系重合体をケン化することによって ることができる。このケン化度や重合度は 耐熱性などが良好であるという点から、高 ン化度で高重合度のPVAを用いることが好ま い。PVA系ポリマーのケン化度は、特に限定 れないが、例えば、90モル%~100モル%が好ま く、特に、95.0モル%~99.9モル%のケン化度のも のがより好ましい。該ケン化度は、JIS K 6726 -1994に準じて求めることができる。PVA系ポリ ーの平均重合度についても特に限定されな が、例えば1,000~8,000が好ましく、更に、1,200 ~3,600がより好ましく、特に1,500~5,000のものが り好ましい。該平均重合度は、JIS K 6726-199 4に準じて求めることができる。

 PVA系フィルムは、PVA系ポリマーを含む樹脂 成物を、水又は/及びDMSOなどの適当な有機 媒に溶解し、該樹脂溶液を成膜するキャス 法によって得ることができる。また、PVA系 ィルムは、キャスト法の他、押出法などの 知の製膜法で成膜できる。
 さらに、上記PVA系フィルムを得る方法とし は、例えば、日本国特許出願公開2001-315144 公報[実施例1]に記載の方法でもよい。

 上記PVA系ポリマーを含む樹脂組成物には、 塑剤や界面活性剤が配合されていてもよい また、上記PVA系ポリマーを含む樹脂組成物 は、上記[B.工程1]の欄に於いて例示した添 剤が配合されていてもよい。可塑剤として 、例えば、エチレングリコール、グリセリ などの多価アルコールが挙げられる。界面 性剤としては、例えば、非イオン界面活性 が挙げられる。これら可塑剤や界面活性剤 添加することにより、染色性及び延伸性に れたPVA系フィルムを得ることができる。可 剤及び界面活性剤の添加量は、PVA系ポリマ 100質量部に対し、それぞれ1質量部を超え10 量部程度である。
 上記PVA系フィルムは、市販のフィルムをそ まま用いることもできる。市販のPVA系フィ ムとしては、例えば、(株)クラレ製 商品名 「クラレビニロンフィルム」、東セロ(株)製 商品名「トーセロビニロンフィルム」、日 合成化学工業(株)製 商品名「日合ビニロン ィルム」等が挙げられる。

 (膨潤処理)
 膨潤処理は、未延伸の親水性ポリマーフィ ムを膨潤させる工程である。以下、PVA系フ ルムを用いた製法を中心に説明する。ただ 、本発明の長尺偏光子(B)は、PVA系フィルム 用いて製造されたものに限られず、他の親 性ポリマーフィルムにも同様に適用できる

 膨潤処理は、PVA系フィルムの表面の汚れを 去すると共に、PVA系フィルムを水で膨潤さ 、後述する二色性物質の導入ムラを防止す ための工程である。
 膨潤浴には、水が満たされている。膨潤浴 溶液は、本発明の効果を損なわない範囲で 他の物質が添加されていてもよい。膨潤浴 液温は、概ね20~50℃程度、更には30~40℃程度 に加温されていることが好ましい。膨潤浴に PVA系フィルムを浸漬する時間は、概ね1~7分間 程度である。膨潤浴及び後述する染色浴など の各浴に於いて使用する水は、純水が好まし い。

(染色処理)
 染色処理は、膨潤後のPVA系フィルムに二色 物質を含浸(吸着又は接触などとも言われる )させる工程である。
 染色浴には、二色性物質を水に溶解させた 色溶液が満たされている。なお、染色溶液 は、水と相溶性のある有機溶媒が少し添加 れていてもよい。
 本発明に用いられる二色性物質は、ヨウ素 、ニ色性染料等が挙げられる。該二色性染 としては、例えば、レッドBR、レッドLR、レ ッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、ス イブルーLG、レモンエロー、ブルーBR、ブル 2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットL B、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、 ラックGSP、エロー3G、エローR、オレンジLR、 オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKG L、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレ トBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプ ラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダ レクトファーストオレンジSおよびファース トブラック等が挙げられる。これらの二色性 物質は、1種類でも良いし、2種類以上を併用 ても良い。また、二色性物質は、水溶性の のが好ましい。このため、例えば、スルホ 酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換 を導入した有機染料等を、遊離酸及びその ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類 塩の状態で用いることが好ましい。
 中でも、二色性物質は、ヨウ素を用いるこ が好ましい。ヨウ素を用いることで、可視 のほぼ全域に於いて、二色性吸収能を示す 光子を簡易に得ることができる。

 上記染色工程において、好適な長尺偏光 (B)を得るための、染色浴の二色性物質(例え ばヨウ素)の添加量は、水100質量部に対して 好ましくは0.01質量部~0.15質量部であり、さ に好ましくは0.01質量部~0.05質量部である。 記長尺偏光子(B)の単体透過率は、二色性物 の添加量を調整することにより、適宜、増 ないし減少させることが可能である。例え 、上記長尺偏光子(B)の単体透過率は、二色 物質の添加量を増加させることにより、低 することができる。他方、染色浴における 色性物質の添加量を減少させると、上記単 透過率を高くすることができる。

 さらに、染色浴にヨウ化物を添加しても い。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カ ウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化 、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カル ウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げら る。中でも、ヨウ化物は、ヨウ化カリウム 特に好ましい。ヨウ化物の添加量は、水100 量部に対して、好ましくは0.05質量部~0.5質 部であり、さらに好ましくは0.1質量部~0.3質 部である。ヨウ化カリウムの添加量を上記 囲とすることによって、好ましい範囲の透 率を有し、且つ、偏光度が高い偏光子を得 ことができる。

 染色浴へのPVA系フィルムの浸漬時間は、特 限定されないが、20秒~1,800秒程度が好まし 。また、染色浴の液温は、20℃~60℃程度が好 ましく、更に、30℃~50℃程度がより好ましい 染色浴の温度が高すぎると、フィルムが溶 する虞があり、低すぎると染色性が低下す からである。なお、染色工程は、2浴以上の 染色浴に分けて行っても良い。
 また、この染色浴中でフィルムを延伸して よく、このときの延伸倍率は、元長に対し 、1.5~3.0倍程度である。

(架橋処理)
 架橋処理は、二色性物質を含浸させたPVA系 ィルムに、ホウ酸などの架橋剤を含浸させ 工程である。架橋浴は、1浴でもよいし、2 以上でもよい。
 架橋浴には、架橋剤を水に溶解した架橋溶 が満たされている。架橋剤としては、例え 、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物等が挙 られる。架橋剤は、1種類でも良いし、2種 以上を併用しても良いが、少なくともホウ を含むことが好ましい。
 架橋浴に於ける架橋剤の添加量は、特に限 されないが、水100質量部に対して、好まし は0.5質量部~10質量部であり、より好ましく 1質量部~7質量部である。
 さらに、架橋浴にヨウ化物(例えば、ヨウ化 カリウム等)が添加されていてもよく、ヨウ 物の添加量は、水100質量部に対して、好ま くは0.5質量部~10質量部であり、さらに好ま くは1質量部~7質量部である。ホウ素化合物 ヨウ化物などの添加量を上記範囲とするこ によって、好ましい範囲の透過率を有し、 つ、偏光度が高い偏光子を得ることができ 。

 架橋浴の液温は、特に限定されないが、20~7 0℃の範囲が好ましい。フィルムの浸漬時間 、特に限定されないが、60秒~1,200秒程度が好 ましく、更に、200秒~400秒程度がより好まし 。
 また、この架橋浴でフィルムを延伸しても く、このときの延伸倍率は、元長に対して2 ~4倍程度である。

(延伸処理)
 延伸処理は、PVA系フィルムを長手方向に一 延伸する工程である。
 延伸処理は、膨潤処理から架橋処理の間の れかの工程に於いて、又は膨潤処理から洗 処理から選ばれる2以上の工程に於いて行う ことが好ましい。中でも、染色処理及び洗浄 処理に於いて、少なくとも染色処理及び架橋 処理と共に延伸処理を施すことが好ましい。
 また、膨潤処理から架橋処理の間に、延伸 理を主目的とする工程を別途設けてもよい あるいは、架橋処理の後、延伸処理を主目 とする工程を別途設けてもよい。

 延伸処理は、未延伸のPVA系フィルム(膨潤 処理前のPVA系フィルム)の元長に対して3倍~5 程度(なお、2以上の工程に於いて延伸処理が 施される場合には、それらを合算した総延伸 倍率。以下同じ)に延伸され、好ましくは4倍~ 5倍であり、より好ましくは4.2倍~4.8倍に延伸 れる。かかる延伸倍率で得られる偏光子は 液晶パネルの斜め方向の光漏れを効果的に ぐことができる。

 延伸処理に於いて、ネックイン比(NR)は、55% 以下であり、好ましくは50%以下であり、さら に好ましくは35%~50%である。
 本明細書において、ネックイン比(NR)は、未 延伸フィルムの幅をW O とし、延伸後の偏光子の幅をWとしたとき、 式;NR=(W O -W)/W O により算出される。上記ネックイン比は、延 伸倍率、及びロール法延伸が採用される場合 は、ロール間距離により、適宜、増加ないし 減少させることが可能である。例えば、延伸 倍率及び/又はロール間距離を小さくすると ネックイン比は小さくなり、延伸倍率及び/ はロール間距離を大きくすると、ネックイ 比は大きくなる。

(洗浄処理)
 洗浄処理は、上記各工程を経たPVA系フィル に付着しているホウ素などの不要残存物を い流す工程である。
 上記架橋されたPVA系フィルムは、架橋浴か 引き出された後、洗浄浴に導かれる。
 洗浄浴は、一般的には水が用いられ、必要 応じて、適宜な添加剤を添加してもよい。
 洗浄浴の液温は、10℃~60℃程度が好ましく 更に、15℃~40℃程度がより好ましい。また、 洗浄処理の回数は特に限定されることなく複 数回実施してもよい。

(乾燥処理)
 乾燥処理は、洗浄後のPVA系フィルムを乾燥 る工程である。
 上記洗浄されたPVA系フィルムは、洗浄浴か 引き出された後、乾燥される。
 乾燥方法は、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等 適宜な方法を採用できる。通常は、加熱乾 が好ましく用いられる。加熱乾燥に於いて 、例えば、加熱温度は20~80℃程度であり、 燥時間は1~10分間程度であることが好ましい

 上記工程2により得られる長尺偏光子(B)は 、二色性物質を含有する長尺フィルムを延伸 して得られる。該長尺偏光子(B)は、好ましく は、入射する光を直交する2つの偏光成分に 離し、一方の偏光成分を透過し、他方の偏 成分を、吸収する機能を少なくとも有する 該長尺偏光子(B)の総厚みは、好ましくは10μm ~50μmであり、さらに好ましくは10μm~30μmであ 。

 本発明に用いられる長尺偏光子(B)の単体 過率は、従来の偏光子の透過率(約43%)より 若干低いことが好ましい。上記長尺偏光子(B )の単体透過率(T)は、好ましくは35%~42%であり より好ましくは、39%~41%である。なお、上記 単体透過率(T)は、JlS Z 8701-1982の2度視野(C光 )により、視感度補正を行ったY値である。

 上記長尺偏光子(B)の偏光度(P)は、高けれ 高いほど好ましい。具体的には、偏光度(P) 、98%以上であり、好ましくは99%以上である

 従来、偏光子は、単体透過率と偏光度が に高いものが好ましいと言われてきた。し し、本発明者らは、偏光子を液晶表示装置( 特に、ノーマリーブラック方式)に用いる場 、該装置の斜め方向のコントラスト比を高 するためには、単体透過率を特定の範囲に 御し、且つ、偏光度を高めた偏光子を用い ことが好ましいことを見出した。このよう 事項は、本発明者等によって初めて見出さ た知見であり、予期せぬ優れた効果である

 なお、上記の長尺偏光子(B)の単体透過率(T) び偏光度(P)は、例えば分光光度計[村上色彩 技術研究所(株)製、製品名「DOT-3」]を用いて 定することができる。偏光度の具体的な測 方法としては、偏光子の平行透過率(H 0 )および直交透過率(H 90 )を測定し、式:偏光度(%)={(H 0 -H 90 )/(H 0 +H 90 )} 1/2 ×100より求めることができる。上記平行透過 (H 0 )は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行と るように重ね合わせて作製した平行型積層 光子の透過率の値である。上記直交透過率( H 90 )は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交す ように重ね合わせて作製した直交型積層偏 子の透過率の値である。これらの透過率は JlS Z 8701-1982の2度視野(C光源)により、視感 補正を行ったY値である。

 上記長尺偏光子(B)の二色比(DR)は、好まし くは40~100であり、さらに好ましくは45~95であ 、特に好ましくは50~70である。このような 囲の二色比を示す偏光子は、液晶表示装置 用いた際に、斜め方向のコントラスト比を 段に高くすることができる。なお、本明細 において「二色比(DR)」とは、DR=A(⊥)/A(∥)で 求められる。A(⊥)は、同一の偏光子2枚を互 の吸収軸が直交するように重ね合わせて作 された直交型積層偏光子の吸光度を表し、A( ∥)は、同一の偏光子2枚を互いの吸収軸が平 となるように重ね合わせて作製された平行 積層偏光子の吸光度を表す。

 上記二色比は、延伸倍率や偏光子の透過 によって、所望の範囲に調整することがで る。例えば、長尺偏光子(B)の製造工程にお て、延伸倍率を高くすれば、二色比の高い 光子を得ることができる。他方、延伸倍率 低くすれば、二色比の低い偏光子を得るこ ができる。また、長尺偏光子(B)の製造工程 おいて、染色浴の二色性物質の濃度(例えば 、ヨウ素濃度)を低くすることによって偏光 の透過率を高くすれば、二色比の高い偏光 を得ることができる。他方、同二色性物質 濃度を高くすることによって偏光子の透過 を低くすれば、二色比の低い偏光子を得る とができる。なお、延伸倍率と二色性物質 濃度の両方を制御しても、上記二色比を調 できる。

 上記長尺偏光子(B)の波長1000nmにおける面内 複屈折率(δn xy [1000])は、好ましくは0.015~0.030であり、さらに 好ましくは0.015~0.025である。δn xy [1000]を上記範囲とする長尺偏光子(B)を液晶表 示装置に用いることによって、この装置の斜 め方向のコントラスト比を格段に高くするこ とができる。なお、本明細書において、「面 内の複屈折率(δn xy [λ])」とは、式;δn xy =nx-nyから算出される値である。前記「nx」は 面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、 遅相軸方向)の屈折率を表し、「ny」は、面内 で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸 向)の屈折率を表す。

 上記長尺偏光子(B)の波長1000nmにおける面内 位相差値は、好ましくは400nm~850nmであり、 らに好ましくは500nm~800nmである。なお、長尺 偏光子(B)の面内の位相差値は、この偏光子の 面内の複屈折率(δn xy [1000])とこの偏光子の厚み(nm)の積から求めら る。面内の位相差値を上記範囲とする長尺 光子(B)を液晶表示装置に用いることによっ 、この装置の斜め方向のコントラスト比を 段に高くすることができる。

 上記長尺偏光子(B)がヨウ素で染色されて る場合、長尺偏光子(B)のヨウ素含有量は、 ましくは、2.7質量%~6.0質量%であり、さらに ましくは、2.9質量%~5.5質量%であり、特に好 しくは、3.2質量%~5.0質量%である。ヨウ素含 量を上記範囲とすることによって、好まし 範囲の透過率と偏光度を有する、長尺偏光 (B)を得ることができる。

 さらに、上記長尺偏光子(B)は、好ましく カリウムを含有する。この場合、長尺偏光 (B)のカリウム含有量は、好ましくは0.2質量% ~1.2質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%~1. 2質量%である。カリウム含有量を上記範囲と ることによって、好ましい範囲の透過率と 光度を有する、長尺偏光子(B)を得ることが きる。

 また、上記長尺偏光子(B)は、好ましくは ホウ素を含有する。この場合、長尺偏光子( B)のホウ素含有量は、好ましくは0.5質量%~3.0 量%であり、さらに好ましくは1.0質量%~2.8質 %である。ホウ素含有量を上記範囲とするこ によって、好ましい範囲の透過率と偏光度 有する、長尺偏光子(B)を得ることができる

[D.工程3]
 本発明の製造方法における工程3は、上記工 程2で得られた長尺偏光子(B)の一方の側に、 記工程1で得られた長尺シート(A)を積層して 長尺光学積層体を作製する工程である。

 1つの実施形態においては、上記工程3に いて、上記長尺シート(A)は、その基材側が 上記長尺偏光子(B)と隣接するように積層さ る。このようにして得られる長尺光学積層 は、図1(a)に示すように、長尺偏光子(B)/長尺 基材(2)/複屈折膜(3)をこの順に備える。この うな形態によれば、上記基材が、偏光子の 護層を兼ねることになり、耐熱性や機械的 度に優れる光学積層体が得られ得る。

 別の実施形態においては、上記工程3にお いて、上記長尺シート(A)は、その複屈折膜側 が、上記偏光子と隣接するように積層される 。このようにして得られる長尺光学積層体は 、図1(b)に示すように、長尺偏光子(B)/複屈折 3/長尺基材2をこの順に備える。このような 態によれば、上記複屈折膜が、長尺偏光子( B)と長尺基材に挟持されるため、位相差変化 小さい長尺光学積層体が得られ得る。

 好ましくは、上記長尺偏光子(B)と、上記 尺シート(A)は、接着層を介して積層される 本明細書において「接着層」とは、隣り合 部材との面と面とを接合し、実用上十分な 着力と接着時間で一体化させるものをいう 上記接着層を形成する材料としては、例え 、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤が挙 られる。上記接着層は、被着体の表面にア カーコート剤が形成され、その上に接着剤 又は粘着剤層が形成されたような多層構造 あってもよい。また、肉眼的に認知できな ような薄い層(ヘアーラインともいう)であ てもよい。

[E.他の工程]
 本発明の製造方法は、上記工程3の後に、次 の工程5をさらに含んでいてもよい。該工程5 、必要に応じて、工程3に付随的に行われる 。
 工程5:工程3で得られた長尺光学積層体を、7 0インチ以上の長方形状に打ち抜いて、長方 状の光学積層体(長方形状光学積層体という) を作製する工程。
 長方形状光学積層体とは、長尺光学積層体 長方形状に打ち抜いた(切断した)ものを意 する。

 具体的には、上記長尺光学積層体は、上 工程5を経て、画面サイズ(代表的には、長 形状)に合わせた形状に成形される。上記打 抜き加工には、通常、トムソン刃が用いら る。上記長方形状光学積層体の対角線の長 は、好ましくは70インチ以上であり、さら 好ましくは80インチ以上であり、特に好まし くは100インチ以上である。

 好ましくは、上記長方形状光学積層体は その長辺方向が、偏光子の吸収軸方向と実 的に平行となるように、又は実質的に直交 るように加工される。特に好ましくは、上 長方形状光学積層体の長辺方向と、上記長 形状光学積層体の偏光子の吸収軸方向とは 実質的に直交である。このような長方形状 学積層体は、好ましくは、液晶セルのバッ ライト側に配置される。なお、本明細書に いて「実質的に平行」とは、上記長辺方向 上記吸収軸方向とのなす角度が、0°±2°で る場合を包含し、好ましくは0°±1°である。 「実質的に直交」とは、上記長辺方向と上記 吸収軸方向とのなす角度が、90°±2°である場 合を包含し、好ましくは90°±1°である。

[F.長尺光学積層体の用途]
 本発明の製造方法によって得られる長尺光 積層体は、所望の形状に成形され、任意の 切な用途に使用される。長尺光学積層体を 方形状に成形した長方形状光学積層体は、 ましくは、液晶パネルの構成部材として使 できる。本発明の長方形状光学積層体を有 る液晶パネルは、液晶表示装置の構成部材 して組み込まれる。
 前記液晶表示装置の用途は、例えば、パソ ンモニター,ノートパソコン,コピー機など OA機器;携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯 報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器;ビ オカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用 気機器;バックモニター,カーナビゲーション システム用モニター,カーオーディオなどの 載用機器;商業店舗用インフォメーション用 ニターなどの展示機器;監視用モニターなど の警備機器;介護用モニター,医療用モニター どの介護・医療機器等である。

 本発明の長方形状光学積層体を有する上 液晶表示装置の好ましい用途は、テレビで る。このテレビの画面サイズ(長方形状画面 の対角線の長さ)は、好ましくは70インチ以上 であり、さらに好ましくは80インチ以上であ 、特に好ましくは100インチ以上である。

 以下、実施例及び比較例を示して本発明 さらに説明する。なお、本発明は、これら 実施例のみに限定されるものではない。実 例及び比較例で用いた各分析方法は、以下 通りである。

(1)偏光子の単体透過率の測定方法:
 分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製、製 名「DOT-3」]を用いて測定した。単体透過率 、JIS Z 8701-1995の2度視野に基づく、三刺激 のY値である。
(2)偏光子の偏光度の測定方法:
 分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製、製 名「DOT-3」]を用いて、平行透過率(H 0 )と直交透過率(H 90 )を測定し、式:偏光度(%)={(H 0 -H 90 )/(H 0 +H 90 )} 1/2 ×100より算出した。平行透過率(H 0 )は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行と るように重ね合わせて作製した平行型積層 光子の透過率の値である。直交透過率(H 90 )は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交す ように重ね合わせて作製した直交型積層偏 子の透過率の値である。上記透過率は、JIS Z 8701-1995の2度視野に基づく、三刺激値のY値 である。
(3)偏光子の二色比(DR)の測定方法:
 分光光度計[村上色彩技術研究所(株)製、製 名「DOT-3」]を用いて、偏光子のTave及びPを 定し、下記式から算出した。
 DR=A(⊥)/A(∥)=log{(T ave /100)×(1-P/100)}/log{(T ave /100)×(1+P/100)}
 なお、T ave は、測定に用いた2枚の偏光子の単体透過率 平均値であり、Pは上記偏光度である。
(4)各元素(I、K)含有量の測定方法:
 直径10mmの円形サンプルを蛍光X線分析で下 条件により測定したX線強度から、あらかじ 標準試料を用いて作成した検量線により各 素含量を求めた。
 ・分析装置:理学電機工業製 蛍光X線分析装 置(XRF) 製品名「ZSX100e」
 ・対陰極:ロジウム
 ・分光結晶:フッ化リチウム
 ・励起光エネルギー:40kV-90mA
 ・ヨウ素測定線:I-LA
 ・カリウム測定線:K-KA
 ・定量法:FP法
 ・2θ角ピーク:103.078deg(ヨウ素)、136.847deg(カ ウム)
 ・測定時間:40秒
(5)偏光子の位相差値など(δn xy [λ]、Re[λ])の測定方法:
 王子計測機器(株)製の近赤外位相差測定装 、商品名「KOBRA-31X100/IR」を用いて、波長1000n m、23℃で測定した。
(6)複屈折膜及び長尺シートの位相差値(Re[λ] Rth[λ])の測定方法:
 王子計測機器(株)製、商品名「KOBRA21-ADH」を 用いて、波長590nm、23℃で測定した。なお、 均屈折率は、アッベ屈折率計[アタゴ(株)製 製品名「DR-M4」]を用いて測定した値を用い 。
(7)厚みの測定方法:
 厚みが10μm未満の場合、薄膜用分光光度計[ 塚電子(株)製、製品名「瞬間マルチ測光シ テム MCPD-2000」]を用いて測定した。厚みが10 μm以上の場合、アンリツ製デジタルマイクロ メーター「KC-351C型」を用いて測定した。
(8)ポリイミド系樹脂の分子量の測定方法:
 ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ( GPC)法よりポリエチレンオキサイドを標準試 として算出した。装置、器具及び測定条件 下記の通りである。
 ・サンプル:試料を溶離液に溶解して0.1質量 %の溶液を調製した。
 ・前処理:8時間静置した後、0.45μmのメンブ ンフィルターでろ過した。
 ・分析装置:東ソー製「HLC-8020GPC」
 ・カラム:東ソー製 GMHXL+GMHXL+G2500HXL 
 ・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm(計90cm)
 ・溶離液:ジメチルホルムアミド(10mMの臭化 チウムと10mMのリン酸を加えメスアップして 1Lのジメチルホルムアミド溶液としたもの)
 ・流量:0.8ml/min. 
 ・検出器:RI(示差屈折計)
 ・カラム温度: 40℃
 ・注入量:100μl  
(9)液晶表示装置のコントラスト比の測定方法 :
 23℃の暗室でバックライトを点灯させてか 30分経過した後、ELDIM社製、製品名「EZ Contra st160D」を用いて、表示画面の方位角0°~360°、 極角60°における、白画像および黒画像を表 した場合のXYZ表示系のY値を測定した。白画 におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)と から、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を 出した。なお、液晶パネルの長辺を方位角0 °とし、法線方向を極角0°とした。

[合成例1]
 機械式攪拌装置、ディーンスターク装置、 素導入管、温度計及び冷却管を取り付けた 応容器(500mL)内に2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシ フェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水 [クラリアントジャパン(株)製]17.77g(40mmol)及 2,2-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノ ビフェニル[和歌山精化工業(株)製]12.81g(40mmol) を加えた。続いて、イソキノリン2.58g(20mmol) m-クレゾール275.21gに溶解させた溶液を加え 23℃で1時間攪拌して(600rpm)均一な溶液を得た 。次に、反応容器を、オイルバスを用いて反 応容器内の温度が180±3℃になるように加温し 、温度を保ちながら5時間攪拌して黄色溶液 得た。さらに3時間攪拌を行ったのち、加熱 び攪拌を停止し、放冷して室温に戻すと、 リマーがゲル状となって析出した。

 上記反応容器内の黄色溶液にアセトンを えて上記ゲルを完全に溶解させ、希釈溶液( 7質量%)を作製した。この希釈溶液を、2Lのイ プロピルアルコール中に攪拌を続けながら しずつ加えると、白色粉末が析出した。こ 粉末を濾取し、1.5Lのイソプロピルアルコー ル中に投入して洗浄した。さらにもう一度同 様の操作を繰り返して洗浄した後、前記粉末 を再び濾取した。これを60℃の空気循環式恒 オーブンで48時間乾燥した後、150℃で7時間 燥して、下記構造式(III)のポリイミドの粉 を、収率85%で得た。上記ポリイミドの重合 均分子量(Mw)は124,000、イミド化率は99.9%であ た。

[実施例]
(長尺シートの作製例)
 上記構造式(III)のポリイミド粉末をメチル ソブチルケトンに溶解し、15質量%のポリイ ド溶液を調製した。このポリイミド溶液を 厚み80μmの長尺トリアセチルセルロースフィ ルムの表面に、スロットダイコーターにてシ ート状に均一に流延した。次に、該フィルム を多室型の空気循環式乾燥オーブン内へ投入 し、80℃で2分間、135℃で5分間、150℃で10分間 と低温から徐々に昇温しながら溶剤を蒸発さ せた。次に、該フィルムを、テンター延伸機 を用いて、固定端横一軸延伸法により、147℃ で1.15倍に延伸した。
 以上のようにして、長尺トリアセチルセル ースフィルム(これを長尺基材(a1)とする)に 厚み3.3μmのポリイミド膜(これを複屈折膜(a1 )とする)が積層された、長尺シート(a1)を得た 。上記複屈折膜(a1)は、屈折率楕円体がnx>ny >nzの関係を示し、δn xz [590]=0.056であった。上記長尺シート(a1)は、単 体透過率T[590]=90%、Re[590]=55nm、Rth[590]=245nmであ った。

(長尺偏光子の作製例)
 厚み75μmのポリビニルアルコール系樹脂を 成分とする長尺フィルム(クラレ(株)製、商 名「VF-PS#7500」)を下記(1)~(5)条件の5浴に、フ ルムの長手方向に張力を付与しながら浸漬 、最終的な延伸倍率がフィルム元長に対し 4.5倍、ネックイン比が50%となるように延伸 た。この延伸フィルムを60℃の空気循環式 燥オーブン内で1分間乾燥させて、厚み40μm 長尺偏光子(b1)を作製した。このように作製 た長尺偏光子(b1)の諸特性は、表1の通りで る。

<条件>
(1)膨潤浴:30℃の純水。
(2)染色浴:水100質量部に対し、0.038質量部のヨ ウ素と、水100質量部に対し、0.2質量部のヨウ 化カリウムとを含む、30℃の水溶液。
(3)第1の架橋浴:水100質量に対し、3質量部のヨ ウ化カリウムと、水100質量に対し、3質量部 ホウ酸とを含む、40℃の水溶液。
(4)第2の架橋浴:水100質量部に対し、5質量部の ヨウ化カリウムと、水100質量に対し、4質量 のホウ酸とを含む、60℃の水溶液。
(5)水洗浴:水100質量部に対し、3質量部のヨウ カリウムを含む、25℃の水溶液。

(長尺シートと長尺偏光子の積層例)
 上記長尺偏光子(b1)の一方の側に、上記長尺 シート(a1)を、上記複屈折膜(a1)側が長尺偏光 (b1)と対向し、且つ、該複屈折膜(a1)の遅相 方向が、該長尺偏光子(b1)の吸収軸方向と実 的に直交するように、ポリビニルアルコー 系樹脂(日本合成化学工業(株)製 商品名「 ーセファイマーZ200」)を主成分とする水溶性 接着剤を介して、積層した。上記長尺偏光子 (b1)の他方の側には、厚み80μmのトリアセチル セルロースフィルムを、同水溶性接着剤を介 して積層し、幅1700mmの長尺光学積層体(x1)を 製した。この長尺光学積層体(x1)を、トムソ 刃にて、画面サイズ40インチの長方形状に ち抜き、長方形状光学積層体(x1)を得た。こ 光学積層体は、一般的には、偏光板とも呼 れる。
 なお、本実施例では、表示特性評価のため 40インチの液晶パネルを用いたが、本発明 製造方法によって得られる光学積層体は、70 インチ以上の大型の液晶パネルにも適用可能 である。

(他の偏光板の作製例1)
 上記長尺偏光子(b1)の両側に、厚み80μmの長 トリアセチルセルロースフィルムを、同水 性接着剤を介して積層して、幅1700mmの長尺 光板(x2)を作製した。この長尺偏光板(x2)を トムソン刃にて、40インチの長方形状に打ち 抜き、長方形状偏光板(x2)を得た。

(液晶セルの準備)
 VAモードの液晶セルを含む、市販の液晶表 装置[ソニー製 40インチ液晶テレビ 商品名 BRAVIA KDL-40X1000」]から液晶パネルを取り出 、液晶セルの上下に配置されていた偏光板 の光学フィルムを全て取り除いた。この液 セルのガラス板の表裏面を洗浄し、液晶セ を得た。

(液晶表示装置の作製例1)
 上記準備した液晶セルの視認側に、上記長 形状光学積層体(x1)を、偏光子の吸収軸方向 が、上記液晶セルの長辺方向と実質的に平行 となるように、且つ、複屈折膜側が液晶セル 側になるように、アクリル系粘着剤(厚み20μm )を介して、貼着した。次に、上記液晶セル バックライト側に、上記長方形状偏光板(x2) 、偏光子の吸収軸方向が、上記液晶セルの 辺方向と実質的に直交するように、アクリ 系粘着剤(厚み20μm)を介して、貼着した。こ のようにして得られた液晶パネルは、上記長 方形状光学積層体(x1)の偏光子の吸収軸方向 、上記長方形状偏光板(x2)の偏光子の吸収軸 向とが、実質的に直交である。また、上記 屈折膜(a1)の遅相軸方向と、上記長尺偏光子 (b1)の吸収軸方向とが、実質的に直交である かかる液晶パネルを、上記で取り出した元 液晶表示装置のバックライトユニットと結 し、実施例の液晶表示装置とした。実施例 液晶表示装置の表示特性を図3及び図5に示す 。

[比較例]
 染色浴において、ヨウ素の添加量を、水100 量部に対し、0.025質量部としたこと、及び 最終的な延伸倍率がフィルムの元長に対し 6.0倍、ネックイン比が65%となるように延伸 たこと以外は、実施例の長尺偏光子の作製 と同様にして、比較例に係る長尺偏光子(b2) 作製した。この長尺偏光子(b2)は、幅1300mmで あった。
 この長尺偏光子(b2)の一方の側に、実施例と 同じ長尺シート(a1)を、他方の側に、厚み80μm の長尺トリアセチルセルロースフィルムを、 同様の水溶性接着剤を介してそれぞれ積層し 、幅1300mmの長尺光学積層体(y1)を作製した。 の長尺光学積層体(y1)を、トムソン刃にて、 面サイズ40インチの長方形状に打ち抜き、 方形状光学積層体(y1)を得た。比較例に係る 尺偏光子(b2)の諸特性は、表1の通りである

(他の偏光板の作製例2)
 上記長尺偏光子(b2)の両側に、厚み80μmの長 トリアセチルセルロースフィルムを、同様 水溶性接着剤を介して積層して、長尺偏光 (y2)を作製した。この長尺偏光板(y2)を、ト ソン刃にて、40インチの長方形状に打ち抜き 、長方形状偏光板(y2)を得た。

(液晶表示装置の作製例2)
 上記長方形状光学積層体(x1)に代えて、上記 長方形状光学積層体(y1)を用いこと、及び、 記長方形状偏光板(x2)に代えて、上記長方形 偏光板(y2)を用いたこと以外は、実施例と同 様の方法で、液晶パネル及び液晶表示装置を 作製した。比較例の液晶表示装置の表示特性 を図4及び図5に示す。

[評価]
 実施例及び比較例から明らかなように、実 例の長尺光学積層体(x1)は、幅1500mm以上であ り、大型の液晶表示装置に適用可能である。 さらに、実施例の長方形状光学積層体(x1)を み込んだ液晶表示装置は、図3~図5から明ら なとおり、比較例の液晶表示装置に比べて 斜め方向のコントラスト比が格段に高くな た。