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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF RECOVERING RESIN DECOMPOSITION PRODUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108461
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of recovering resin decomposition products, including cooling any gaseous decomposition products yielded by pyrolysis of a resin in a cracking vessel and recovering the same as liquid decomposition products, which method satisfies the following requirements (1) to (4). (1) A fluidizing gas, heated solid particles and a resin are individually continuously fed into the cracking vessel so that the solid particles and resin are fluidized by the fluidizing gas. (2) The resin is continuously fed into the cracking vessel from a position of 1/2 or less of the height of solid particle layer in stationary form within the cracking vessel. (3) The solid particles are continuously discharged from a position inferior to the height of resin supply position. (4) The discharged solid particles are heated in a heating furnace and thereafter fed into the cracking vessel.

Inventors:
SASAKI AKINOBU (JP)
KIKUYA NOBUYUKI (JP)
OOKUBO TAKASHI (JP)
HAYASHIDA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054153
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI RAYON CO (JP)
SASAKI AKINOBU (JP)
KIKUYA NOBUYUKI (JP)
OOKUBO TAKASHI (JP)
HAYASHIDA MASAHIRO (JP)
International Classes:
C07C67/333; C07C67/52; C07C69/54; C08J11/12
Foreign References:
JPS59111815A1984-06-28
JP2002526466A2002-08-20
JPH0789900A1995-04-04
JPS5142374A1976-04-09
JPH09235563A1997-09-09
JPH06228569A1994-08-16
JPS5483002A1979-07-02
JPS59111815A1984-06-28
JP2002526466A2002-08-20
Other References:
See also references of EP 2157075A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 分解槽内で樹脂を熱分解して生じる気体状の分解生成物を冷却し液体の分解生成物として回収する方法であって、下記条件(1)~(4)を満たす樹脂の分解生成物の回収方法。
(1)分解槽内に流動化ガス、加熱した固体粒子及び樹脂をそれぞれ連続的に供給し、前記流動化ガスにより前記固体粒子及び前記樹脂を流動化させる。
(2)樹脂を、静置した状態での前記分解槽内の固体粒子層高さの1/2以下の位置から分解槽内に連続的に供給する。
(3)固体粒子を樹脂の供給位置の高さよりも下部の位置から連続的に排出する。
(4)排出した固体粒子を加熱炉内において加熱した後、前記固体粒子を分解槽内に供給する。
 分解槽内の固体粒子及び樹脂が撹拌機で攪拌されている請求項1に記載の方法。
 流動化ガスの供給速度A(kg/hr)と樹脂の供給速度C(kg/hr)との比A/Cを0.4~3.0とする請求項1に記載の方法。
 分解槽に供給する固体粒子の温度を(T+50)~(T+250)℃とし、分解槽に供給する流動化ガスの温度を0~500℃とし、分解槽に供給する樹脂の温度を0~(Tg-50)℃または0~(Tm-50)℃とする請求項1に記載の方法。但し、Tは分解槽内の温度、Tgは樹脂のガラス転移温度、Tmは樹脂の融点を表す。
 流動化ガスが、窒素ガスを含むガスである請求項1に記載の方法。
 固体粒子が砂である請求項1に記載の方法。
 樹脂が(メタ)アクリル樹脂であって、回収する分解生成物がメタクリル酸メチルである請求項1に記載の方法。
 分解槽内で樹脂を熱分解して生じる気体状の分解生成物を冷却装置で冷却することにより、液体の分解生成物として回収する方法であって、下記条件(1)~(7)を満たす樹脂の分解生成物の回収方法。
(1)分解槽内に加熱した固体粒子、流動化ガス及び樹脂をそれぞれ連続的に供給する。但し、前記流動化ガスは分解槽の下部から供給する。
(2)分解槽内の温度Tを350~500℃とする。
(3)分解槽内に配設された攪拌機及び流動化ガスにより固体粒子及び樹脂を流動化させる。
(4)流動化ガスの供給速度A(kg/hr)と固体粒子の供給速度B(kg/hr)との比A/Bを0.04~0.3とする。
(5)固体粒子を、分解槽内の平均滞在時間を0.5~1.5hrの範囲内として分解槽から連続的に排出する。
(6)固体粒子の顕熱により熱分解した樹脂から生じる気体状の分解生成物と流動化ガスとの混合ガスを分解槽から排出し、該混合ガスを冷却装置において冷却して分解生成物を液化する。
(7)冷却された前記混合ガスから流動化ガスを分離し、その流動化ガスを再度分解槽に供給する。
 流動化ガスの供給速度A(kg/hr)と樹脂の供給速度C(kg/hr)との比A/Cを0.4~3.0とする請求項8に記載の方法。
 分解槽から排出した固体粒子を加熱装置に導入して、加熱した後に再度分解槽に供給する請求項8に記載の方法。
 分解槽に供給する固体粒子の温度を(T+50)~(T+250)℃とし、分解槽に供給する流動化ガスの温度を0~500℃とし、分解槽に供給する樹脂の温度を0~(Tg-50)℃または0~(Tm-50)℃とする請求項8に記載の方法。但し、Tは分解槽内の温度、Tgは樹脂のガラス転移温度、Tmは樹脂の融点を表す。
 流動化ガスが、窒素ガスを含むガスである請求項8に記載の方法。
 固体粒子が砂である請求項8に記載の方法。
 樹脂が(メタ)アクリル樹脂であって、回収する分解生成物がメタクリル酸メチルである請求項8に記載の方法。
Description:
樹脂の分解生成物の回収方法

 本発明は、樹脂を分解することにより、そ 分解生成物を回収する方法に関する。特に 分解槽に樹脂、固体粒子、及び流動化ガス 連続的に供給する方法において、分解生成 を回収する方法に関する。
 本願は2007年3月7日に日本国特許庁に出願さ た特願2007-057742号及び2007年3月7日に日本国 許庁に出願された特願2007-057773号に基づき優 先権を主張し、その内容をここに援用する。

 樹脂を分解する方法として、分解槽に樹 と共に高温の固体粒子を供給し、これらを 動化ガスで流動化させながら樹脂を分解す 方法が知られている。また、樹脂を窒素等 不活性ガス雰囲気下で熱分解する方法が知 れている。この方法では、樹脂の分解に必 な熱量が高温の固体粒子により供給される で、工業的に有利である。

 上記のような樹脂の分解方法として、以 に示す方法が知られている。

 特許文献1は、樹脂の供給装置において、 スクリュー軸とスクリュー外塔間に冷却ガス を流して直接固体廃棄物と接触させることに より、固体廃棄物を冷却して含有する熱溶融 物による付着を防止し、かつ冷却ガスを流動 層内へその接線方向に流すことにより流動媒 体に回転運動力を与えて、固体廃棄物が作る ブリッジを破壊し円滑な流動を図る、固形廃 棄物の高温流動層への供給方法を開示してい る。

 しかしながら、特許文献1の方法では、冷 却ガスを流さなければならないというコスト 的な問題や、冷却ガスを流すことで流動層の 温度が低下するという問題があった。

 特許文献2は、廃プラスチックを、機械的 撹拌手段により高温の砂と混合し、直接加熱 して廃プラスチックを分解し、分解生成物を 回収する方法を開示している。

 この方法では、廃プラスチックを分解す ための分解槽を撹拌機で流動化しているた 、撹拌機だけでは流動が不十分であり、長 安定運転が困難であるという問題があった 温度条件や廃プラスチックの条件によって 、分解槽内の流動が完全に止まってしまう 題があった。また、この方法では、廃プラ チックの分解生成物の分解槽系外への排出 円滑でなく、回収した分解生成物の品質低 の問題があった。また、装置を大型化した 合、分解槽内の混合状態を良好に保つには 多大な撹拌トルクを必要とし、その結果、 置コスト及び運転コストが高くなる問題が った。

 上記方法における廃プラスチックの供給 置について、熱分解装置が縦型(特許文献2 図3)の場合には、廃プラスチックは装置の上 部から供給している。また、熱分解装置が横 型(特許文献2の図5)の場合には、廃プラスチ クは装置の最も上流側の上部から供給して る。

 これら供給位置によると、廃プラスチッ と高温の砂を上部から下部へ、または上流 ら下流へ移動させながら廃プラスチックを 解するが、この方法において流動化ガスを 給する場合には、廃プラスチックと高温砂 混合が悪化し、廃プラスチックから効率的 分解生成物を回収できないという点で問題 あった。

 特許文献3は、蓄熱熱媒体と廃プラスチッ クとを混合し、熱分解により廃プラスチック からガスや油を回収する方法を開示している 。

 この方法は、反応器の内部に蓄熱熱媒体 らなる移動床を形成する工程、前記反応器 廃プラスチックを導入し、前記移動床とと に同伴移動させながら、前記蓄熱熱媒体の により前記廃プラスチックを分解する工程 前記廃プラスチックの揮発性分解物を前記 応器の上部に取り出して回収する工程、前 反応器の前記移動床の下層部に高温水蒸気 導入し、前記廃プラスチックの分解物の系 排出用のキャリアーガスとして作用させ、 つ、高温水蒸気の熱エネルギーによって、 り軽質化のために再分解する工程、前記反 器の下部から、分解生成物、不揮発性未分 物および蓄熱熱媒体を排出する工程を有す 。

 しかしながら、このような分解槽内に熱 体が積層されている方法を実施すると、分 槽内の流動が不十分であり、また、分解槽 の温度分布や廃プラスチックの分布が不均 である。そのため、装置内容積を効率的に 用することができない。

 また、供給された廃プラスチックが塊に りやすいため、廃プラスチックに分解熱が 率的に伝わらず、処理量の低下を招く問題 生じる。廃プラスチックの塊がさらに大き なった場合、装置内を閉塞させてしまうた 、安定な運転が困難になる。

 特許文献4は、固形廃棄物と固体熱媒体の 混合物層を分解炉において攪拌機により流動 させて分解する方法を開示している。しかし ながら、この方法では、固形廃棄物と熱媒体 の混合物を撹拌機のみで流動化しているため 、流動が不十分であり、長期安定運転ができ ない問題があった。

 特許文献5は、熱可塑性プラスチックを加 熱された固体粒子の流動層に接触させて熱分 解する方法を開示している。この方法では、 熱分解工程での流動化ガスとして水蒸気を用 いているが、水蒸気だけでは流動が不十分で あり、長期安定運転ができない問題があった 。また、例えば、メタクリル酸メチル単位を 含むメタクリル樹脂を分解するような場合に は、メタクリル酸メチルと水の沸点がほぼ同 じ(100℃)であるので、メタクリル酸メチルだ を液体状にし、水蒸気をガス状のままにす ことは実質的に不可能である。水蒸気を循 して使用するには、メタクリル酸メチルと 蒸気の両方を液体にした後、メタクリル酸 チルと水を分離した後、水を加熱すること より水蒸気を発生させなければならず、工 が複雑になる問題があった。また、水の沸 よりも高い沸点を有する樹脂を用いる場合 は、適用できないという問題があった。

 特許文献6は、メタクリル樹脂を、機械的に 流動化された高温の熱媒体と接触させて、分 解させる方法を開示している。この方法では 、気体を使用せず撹拌機だけで分解槽内を流 動させているので、分解槽中の流動が不十分 であり、長時間の安定運転ができない問題が あった。温度条件や樹脂の条件によっては、 分解槽内の流動が完全に止まってしまう問題 があった。また、この方法では、樹脂の分解 生成物の分解槽系外への排出が円滑でなく、 回収した分解生成物の品質低下の問題があっ た。

特開昭51-42374号公報

特開平9-235563号公報

特開平6-228569号公報

特開昭54-83002号公報

特開昭59-111815号公報

特表2002-526466号公報

 本発明の課題は、分解槽において流動化 スが下部から供給され、樹脂の分解に必要 熱量を与えるための加熱された固体粒子が 続的に供給される方法において、工業的規 で長期連続運転が可能な方法を提供するこ である。特に、分解槽における適切な樹脂 供給位置、固体粒子の排出位置を提供する

 本発明の第1の態様は、分解槽内で樹脂を熱 分解して生じる気体状の分解生成物を冷却し 液体の分解生成物として回収する方法であっ て、下記条件(1)~(4)を満たす樹脂の分解生成 の回収方法である。
(1)分解槽内に流動化ガス、加熱した固体粒子 及び樹脂をそれぞれ連続的に供給し、前記流 動化ガスにより前記固体粒子及び前記樹脂を 流動化させる、
(2)樹脂を、静置した状態での前記分解槽内の 固体粒子層高さの1/2以下の位置から分解槽内 に連続的に供給する、
(3)固体粒子を樹脂の供給位置の高さよりも下 部の位置から連続的に排出する、
(4)排出した固体粒子を加熱炉内において加熱 した後、前記固体粒子を分解槽内に供給する 。

 本発明の第2の態様は、分解槽内で樹脂を熱 分解して生じる気体状の分解生成物を冷却装 置で冷却することにより、液体の分解生成物 として回収する方法であって、下記条件(1)~(7 )を満たす樹脂の分解生成物の回収方法であ 。
(1)分解槽内に加熱した固体粒子、流動化ガス 及び樹脂をそれぞれ連続的に供給する(但し 流動化ガスは分解槽の下部から供給する)、
(2)分解槽内の温度Tを350~500℃とする、
(3)分解槽内に配設された攪拌機及び流動化ガ スにより固体粒子及び樹脂を流動化させる、
(4)流動化ガスの供給速度A(kg/hr)と固体粒子の 給速度B(kg/hr)との比A/Bを0.04~0.3とする、
(5)固体粒子を、分解槽内の平均滞在時間を0.5 ~1.5hrの範囲内として分解槽から連続的に排出 する、
(6)固体粒子の顕熱により熱分解した樹脂から 生じる気体状の分解生成物と流動化ガスとの 混合ガスを分解槽から排出し、該混合ガスを 冷却装置において冷却して分解生成物を液化 する、
(7)冷却された前記混合ガスから流動化ガスを 分離し、その流動化ガスを再度分解槽に供給 する。

 本発明の方法によれば、工業的規模で長 にわたり安定に樹脂の分解を連続的に実施 き、効率的に樹脂の分解生成物を得ること できる。

本発明で使用した分解槽の第一例であ 。 比較例1で使用した分解槽である。 比較例2で使用した分解槽である。 比較例3で使用した分解槽である。 本発明で使用した分解槽の第二例であ 。 本発明を実施するための装置の全体図 ある。 固体粒子層高さ、空間部の長さ、分解 の全高の第一例である。 固体粒子層高さ、空間部の長さ、分解 の全高の第二例である。

符号の説明

A  流動化ガス
B  固体粒子(砂)
C  樹脂
D  流動化ガスと分解生成物の混合物
1  樹脂ホッパー
2  樹脂の供給装置
3  分解槽
4  撹拌機
5  分散板
6  固体粒子供給装置
7  固体粒子排出装置
8  加熱炉
9  冷却装置
10 回収器
11 ミスト回収装置
12 回収器
13 循環用ブロワー
14 ガス供給用ブロワー
15 流量制御装置
16 流動化ガス温度制御装置
17、20 固体粒子層高さ
18、21 空間部の長さ
19,22 分解槽の全高

 本発明の第1の態様を以下に示す。
 第1の態様を実施するための設備は、一例と して図6に示すように、樹脂Cを分解するため 分解槽3、固体粒子Bを加熱するための加熱 8、分解生成物を回収するための冷却装置9か らなる。

 分解槽3には加熱炉8で加熱された固体粒 Bが連続的に供給される。また、分解槽3の下 部からは、固体粒子Bと樹脂Cを混合しながら 動化させるための流動化ガスAが連続的に供 給される。

 分解槽3内の温度は、樹脂Cの供給速度、 の供給温度、樹脂Cの分解に要する熱量、固 粒子Bの供給速度、その供給温度、流動化ガ スAの供給速度、その供給温度、分解槽から 放熱量、等の熱収支によって決まる。分解 3内の温度は、350~500℃が好ましい。分解槽3 の温度を、350℃以上とすることにより樹脂C 分解速度を大きくすることができ、また、5 00℃以下とすることで樹脂Cの分解により回収 される液の品質が向上する。

 分解槽3には樹脂Cを連続的に供給する。 脂Cの供給口は分解槽3の外側面に、静置した 状態の分解槽3内の固体粒子層高さの1/2以下 位置に設ける。

 「静置した状態」とは、樹脂Cを供給する 前に状態において、分解槽3内の流動化ガスA 樹脂Cの供給を停止し、固体粒子Bの排出と 給を停止した状態をいう。攪拌機4を使用す 場合の「静置した状態」とは、前記状態で らに該攪拌機4を停止した状態をいう。

 「固体粒子層」とは、固体粒子からなる を示す。

 「固体粒子層高さ」とは、分解槽3の最下 面が平板上の場合には、分解槽3の最下面か 固体粒子層の最上面までの距離17を示す(図7) 。分解槽3の最下面が円錐状の場合には、該 錐状の頂点相当位置(以下、「円錐の頂点」 いう。)から固体粒子層の最上面までの距離 20を示す(図8)。

 静置状態の固体粒子層高さ17または20に制 限は無いが、静置状態の固体粒子層高さ17ま は20/分解槽3の代表長さの比を0.5~3.5とする とが好ましい。分解槽3の代表長さは、分解 3の断面形状が円の場合にはその円の直径と し、分解槽3の水平断面形状が正方形の場合 はその一辺の長さとし、分解槽3の水平断面 状が長方形の場合には短辺と長辺の和の2分 の1とする。それ以外の断面形状の場合には ず断面積を算出し、その断面積と同じ面積 有する円の直径とする。

 静置状態の固体粒子層高さ17または20/分 槽3の代表長さの比を0.5以上とすることによ 固体粒子Bの流動のムラが小さくなる。また 。静置状態の固体粒子層高さ17または20/分解 3の代表長さの比を3.5以下とすることにより 、固体粒子層の圧力損失が小さくなり、流動 化ガスAの供給に必要な動力を小さくするこ ができる。

 「分解槽の代表長さ」とは、分解槽の水 断面の代表長さを示す。

 固体粒子層の上部には、空間部を設ける とが好ましい。ここで「空間部」とは、固 粒子層最上面から分解槽3の最上面までの空 間をいう。静置状態での空間部の長さ18また 21は、静置状態での空間部の長さ18または21/ 分解槽3の代表長さの比を0.5~5.0とすることが ましい。分解槽3の代表長さは、分解槽3の 面形状が円の場合にはその円の直径とし、 解槽3の水平断面形状が正方形の場合にはそ 一辺の長さとし、分解槽3の水平断面形状が 長方形の場合には短辺と長辺の和の2分の1と る。それ以外の断面形状の場合にはまず断 積を算出し、その断面積と同じ面積を有す 円の直径とする。

 静置状態での空間部の長さ18または21/分 槽3の代表長さの比を0.5以上とすることによ 、分解槽3から冷却装置9に行く流動化ガスA 樹脂Cの分解生成物の混合物に同伴する固体 粒子Bの量を減少することができる。また。 置状態での空間部の長さ18または21/分解槽3 代表長さの比を5以下とすることにより、分 槽3の全高を低くすることができるので、分 解槽3の設備コストを安くできる。

 分解槽3の全高は、分解槽の全高19または2 2/分解槽3の代表長さの比を1~8.5とすることが ましい。分解槽の全高19または22は、分解槽 3の最下面が円錐状の場合には、円錐の頂点 ら分解槽3の最上面までの距離とし、分解槽3 の最下面が平面状の場合には、分解槽3の最 面から分解槽3の最上面までの距離とする。 解槽の全高19または22/分解槽3の代表長さの を1以上とすることにより、固体粒子Bの流 のムラを小さくでき、また空間部を確保す ことができる。分解槽の全高19または22/分解 槽3の代表長さの比を8.5以下とすることによ 、固体粒子層の圧力損失を小さくでき、ま 分解槽の全高19または22が低くなるため分解 3の設備コストを安くできる。

 分解槽3内に流動化ガスAが供給される際 樹脂Cの比重が固体粒子Bの比重よりも小さい ため、樹脂Cは分解槽3内において上方へ移動 る。分解槽3の外側面かつ静置した状態の分 解槽3内の固体粒子層高さの1/2以下の位置か 樹脂Cを供給することにより、樹脂Cは分解槽 3内を上部へ移動しながら、固体粒子B中に分 する。その結果、樹脂Cと固体粒子Bの良好 分散状態が達成され、分解槽3における樹脂C の安定な分解が進行する。もし、静置した状 態での固体粒子層高さ17または20の1/2より上 位置から分解槽3内に樹脂Cを供給すると、樹 脂Cは分解槽3の上部のみに存在することにな 。その結果、上部の流動が悪くなるため温 が低下し、樹脂Cが分解しないまま分解槽3 に長時間滞在することになる。

 樹脂はペレット状(固体の粒子状)で供給 ることが好ましい。樹脂をペレット状で供 することにより、分解槽内の樹脂の分散が 好であるので好ましい。樹脂ペレットの大 さは、特に限定されないが、取り扱い性、 給安定性、分解槽内で分散性の観点から、 均粒径が1~20mmとするのが好ましい。平均粒 を1mm以上とすることにより、樹脂同士の付 や融着を防ぐことができ、20mm以下とするこ により、樹脂ペレットの固体粒子への分散 が良好となる。特に、樹脂の大きさを平均 径が3~10mmとするのが好ましい。

 分解槽内に供給する樹脂の温度は、樹脂 ペレット状であれば、特に制限はないが、0 ~(Tg-50)℃、或いは0~(Tm-50)℃とすることが好ま い。但し、Tgは樹脂のガラス転移温度を、Tm は樹脂の融点を表す。分解槽内の温度低下の 防止や分解槽内の流動性保持の観点から、0 以上とすることが好ましい。また、樹脂同 の融着を防ぎ、固体粒子への樹脂の分散性 良好となる観点から、(Tg-50)℃以下、或いは (Tm-50)℃以下とすることが好ましい。

 第1の態様では、分解槽内の固体粒子を樹 脂の供給位置の高さよりも下部の位置から連 続的に排出する。樹脂の供給位置の高さより も下部から排出される固体粒子に樹脂は殆ど 混入していない。このような排出により、固 体粒子の流動性が確保でき、回収される分解 生成物の量が増える。もし、固体粒子を樹脂 の供給位置と同じ高さ、あるいはそれよりも 上部から排出した場合、固体粒子に多量の樹 脂が混入するので、固体粒子の流動性及び排 出性が低下し、回収される分解生成物の量が 低減する。

 分解槽内へ連続的に供給される固体粒子 供給場所は、特に制限されない。分解槽内 流動化ガスにより流動化されているので、 体粒子はどこから供給しても分解槽内では 一に流動化し易い。

 分解槽に撹拌機を備えると、樹脂と固体 子の流動状態がさらに向上するので好まし 。撹拌機は、撹拌するための回転体、軸、 拌翼からなる。撹拌翼の形状は特に限定さ ず、パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘ カル翼、プロペラ翼、タービン翼、等が例 される。

 分解槽内は高温に保たれており、分解槽 に供給された樹脂は熱分解する。樹脂は熱 解して気体状の分解生成物となり、気体状 分解生成物は流動化ガスにより冷却装置に かれる。未分解物は、固体粒子と共に加熱 に導入される。気体状の分解生成物とは、 解槽内の温度において気体状態にあるもの 言う。この気体状の分解生成物を冷却装置 送り冷却することで、液体として回収する とができる。気体状の分解生成物の一部は 冷却しても液体とならないため回収できな 場合がある。その例として二酸化炭素が例 される。

 「未分解物」とは、樹脂そのもの、低分 量化した樹脂、或いは炭化物である。未分 物は、固体粒子の表面に付着している状態 あるいは固体粒子と混合した状態で分解槽 に存在する。固体粒子と樹脂の未分解物と 混合物は加熱炉に送られ、加熱されて、未 解物のみ分解あるいは燃焼することにより 去される。また、固体粒子の温度は加熱炉 で上昇するため、再度、分解槽に供給され 用される。

 加熱炉で使用する燃料に特に制限はない 、例えば、重油、軽油、灯油、または樹脂 分解して回収した液、等が例示される。特 、前記回収液を使用する場合、新たに燃料 購入する必要がないので、環境的、コスト な観点から好ましい。また、前記回収液を 用することは、樹脂分解に必要な熱量をそ 回収液で賄うことになるので、クローズド ステムとなり、環境負荷の小さいプロセス なる。

 固体粒子としては特に制限はないが、例 ば、砂、セラミクス粒子、金属粒子、金属 化物粒子、金属水酸化物粒子、金属ハロゲ 化物粒子、等が例示される。固体粒子は1種 類であっても良いし、2種類以上の物を混合 て使用してもよい。固体粒子は、樹脂の分 に不活性なものであってもよいし、樹脂の 解を促進するような触媒であってもよいし 樹脂から生成する有害な物質を吸収するよ なものであってもよい。例えば、ポリ塩化 ニル樹脂などのように、分子中に塩素原子 含む樹脂を加熱分解すると塩素、塩化水素 塩素含有物質等の有害物質が生成する。固 粒子として酸化カルシウム、水酸化カルシ ム、炭酸カルシウム等を利用して、生成し 塩素、塩化水素、塩素含有物質等を中和、 いは吸収するのが好ましい。

 前記固体粒子の大きさは特に制限はない 、その取り扱い性、樹脂との混和性、樹脂 の混合物の流動性、等の観点から、平均粒 は0.01mm~1mmが好ましく、0.05mm~0.8mmがより好ま しい。

 分解槽に供給する固体粒子の温度は、分 槽内の温度+50℃以上、分解槽内の温度+250℃ 以下とするのが好ましい。分解槽に供給する 固体粒子の温度を、分解槽内の温度+50℃以上 とすることにより、樹脂の分解速度を大きく することができる。分解槽に供給する固体粒 子の温度を、分解槽内の温度+250℃以下とす ことにより、樹脂の分解により回収される 解生成物の品質を向上することができる。

 固体粒子により分解槽内に供給される熱 は、固体粒子の温度が高いほど、また固体 子の供給速度が大きいほど増加する。樹脂 安定に分解するためには、固体粒子の供給 度(kg/hr)/樹脂の供給速度(kg/hr)で表される比 、1~20とすることが好ましい。固体粒子の供 給速度(kg/hr)/樹脂の供給速度(kg/hr)で表される 比が低すぎる場合には、固体粒子の供給速度 を低くできるため、それに関わる設備費が抑 えられるが、固体粒子の供給温度を極端に高 くしなければならず、運転コストの観点で不 利である。また、前記比が高すぎる場合には 、固体粒子の供給温度を極端に高くする必要 はないが、固体粒子の供給速度を大きくする 必要があり、それに関わる設備費の観点で不 利である。

 第1の態様において、分解槽内の固体粒子 及び樹脂を流動化させるために使用する流動 化ガスは、樹脂分解の安定性確保や分解生成 物の収率の観点から酸素を実質的に含まない ガスとすることが好ましい。流動化ガスとし て使用できるガスの種類は、窒素、二酸化炭 素、水蒸気、樹脂の分解による生成物の内、 冷却装置で液体にならなかったガス等が例示 される。流動化ガスは1種類のガスであって 良いし、2種類以上のガスの混合ガスであっ もよい。流動化ガス中の酸素濃度は、樹脂 解の安定性確保や回収する液量の増加、そ 液の品質向上の観点から、3体積%以下とす ことが好ましく、1体積%以下とするのが特に 好ましい。

 分解槽に供給する流動化ガスの温度は、0 ℃以上、500℃以下とすることが好ましい。流 動化ガスの温度を、0℃以上とすることで分 槽内の過度な温度低下を防止できるので好 しく、500℃以下とすることで、樹脂の分解 より回収される液の品質を向上できるので ましい。

 分解槽における流動化ガスの供給場所と て、分解槽の下部とすることが好ましい。 解槽の下部とは、分解槽の最下端から樹脂 供給位置の間を意味する。分解槽の最下端 は、分解槽の最下面が円錐状の場合には該 錐の頂点相当位置であり、分解槽の最下面 平板状の場合には分解槽の最下面の位置で る。

 流動化ガスを分解槽の最下部から樹脂の 給位置の間に供給することにより、固体粒 や樹脂を円滑に流動化させ、両者を均一に 散させることができる。分解槽内の流動性 観点から、流動化ガスは、ガス分散器を使 して、分散させながら分解槽内に供給する とが好ましい。ガス分散器として、多孔板 スリット板、メッシュ板、焼結フィルター ノズル、キャップ付きノズル等が例示され 。

 流動化ガスの供給速度(kg/hr)/樹脂の供給 度(kg/hr)で表される比を、0.4~3.0とすることが 好ましい。流動化ガスの供給速度(kg/hr)/樹脂 供給速度(kg/hr)で表される比を、0.4以上とす ることにより、分解槽内の流動性を保つこと ができ、3.0以下とすることにより冷却装置の 負荷を低減することができる。

 第1の態様で使用する樹脂として、ポリエ チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、 ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ ート、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂等 例示され、これらは単一の樹脂であっても いし、2種類以上の混合物であってもよい。 ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリル びメタクリル、又は、アクリルまたはメタ リルのことをいう。

 分解生成物の主成分として、ポリエチレ やポリプロピレンからはパラフィンやワッ スが、ポリエチレンテレフタレートからは レフタル酸が、ポリカーボネートからはフ ノール類が、ポリスチレンからはスチレン ノマーが、(メタ)アクリル樹脂からは(メタ) アクリルモノマーが例示される。

 第1の態様で使用する樹脂としては、分解 生成物のモノマーの収率の観点から(メタ)ア リル樹脂が好ましい。従って、本発明の方 を(メタ)アクリル樹脂に適用することは、 業的に価値が非常に高い。

 (メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー しては、アクリル酸、メタクリル酸、およ それらのエステルである。アクリル酸エス ルとしては、アクリル酸メチル、アクリル エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる メタクリル酸エステルとしては、メタクリ 酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ 酸ブチル等が挙げられる。

 樹脂は、上記以外の他のモノマーを共重 成分として含んでいてもよい。他のモノマ としては、無水マレイン酸、スチレン、α- チルスチレン、アクリロニトリル等が挙げ れる。

 (メタ)アクリル樹脂は架橋した樹脂であ てもよい。架橋した(メタ)アクリル樹脂とは 多官能性モノマー単位および前記(メタ)アク ル樹脂を構成するモノマー単位を含むもの ある。多官能モノマーとして、多官能(メタ )アクリル酸エステルが例示される。多官能( タ)アクリル酸エステルとして、エチレング リコールジアクリレート、プロピレングリコ ールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジ クリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリ ート、ネオペンチルグリコールジアクリレ ト、エチレングリコールジメタクリレート プロピレングリコールジメタクリレート、1 ,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘ サンジオールジメタクリレート、ネオペン ルグリコールジメタクリレート、が例示さ る。

 (メタ)アクリル樹脂には、モノマーを高 率で回収する観点から、(メタ)アクリル樹脂 を構成する全モノマー100質量%中、メタクリ 酸メチルを50質量%以上、構成単位として含 でいることが好ましく、メタクリル酸メチ を70質量%以上、構成単位として含んでいる とがより好ましい。

 第1の態様で使用する樹脂は、他のポリマ ーと混合されていてもよい。また、第1の態 で使用する樹脂は、充填剤を含む複合体で ってもよい。充填剤としては、水酸化アル ニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス 維、タルク、クレイ等が挙げられる。

 また、第1の態様で使用する樹脂は、充填 剤以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添 加剤としては、顔料、染料、補強剤、酸化防 止剤、各種安定剤等が挙げられる。

 樹脂の熱分解により生じる気体状の分解 成物は流動化ガスと一緒に分解槽から取り され、冷却装置に送られる。分解槽におけ 流動化ガスと気体状の分解生成物の混合物 取り出し場所は、分解槽の空間部が好まし 。該空間部から前記混合物を取り出すこと より、流動化ガスと樹脂の気体状生成物の 合気体に含まれる固体粒子の量を低減でき ので好ましい。

 使用する冷却装置に特に制限はないが、 えば、管式熱交換器、プレート式熱交換器 スクラバー、スプレー塔、等が例示される

 冷却装置により液化した一部が流動化ガ 中にミストとして存在することがあるため 冷却装置の後にミスト回収装置を設置する が好ましい。

 冷却装置やミスト回収装置には、回収器 設置され、そこに樹脂の熱分解により生じ 分解生成物を液体として回収する。ミスト 収装置からは流動化ガスと液体にならなか た樹脂の分解生成物の混合気体が排出され 。この混合気体は、除害処理後系外に排気 ても良いし、分解槽に再度供給してもよい ミスト回収装置から出てくる混合気体を分 槽に再度供給するときには、別の工程から 給されるガスを混合しても良い。供給され ガスの種類は、回収する液の収率の向上、 質の向上の観点から、窒素、二酸化炭素、 蒸気が好ましい。

 前記ミスト回収装置から排出される混合 体に対する別の工程から供給されるガスの 量比は、0~5とするのが好ましい。この比が0 とは、樹脂の分解生成物の内、冷却装置で液 化しなかったガスを分解槽の流動化ガスとし て使用することである。また、この比を5以 とすることにより別の工程から供給するガ の量を低減することができるので、ガスの 用に伴う費用を削減できるので好ましい。 のように混合されたガスは、流量制御装置 コントロールバルブ等により、分解槽へ行 ガスと、除害処理後系外に排気するガスに けられる。

 分解槽に再度供給される流動化ガスの温 を、0℃以上、500℃以下とすることが好まし い。混合気体の温度を、供給される樹脂の温 度以上とすることで分解槽内の過度な温度低 下を防止できるので好ましく、500℃以下とす ることで、樹脂の分解により回収される液の 品質を向上できるので好ましい。

 本発明の第2の態様を以下に示す。第1の態 と同様の用語や条件については説明を省略 ることがある。
 第2の態様を実施するための設備として、一 例として、第1の態様と同様、図6を参照する

 分解槽には、加熱した固体粒子、流動化 ス、樹脂をそれぞれ連続的に供給する。流 化ガスを使用することにより、樹脂から効 よく分解生成物を回収できる。流動化ガス 、上述のように酸素を実質的に含まず、冷 装置で液体にならないガスが使用可能であ が、一例として、窒素供給用ブロワー等に り供給される窒素に、樹脂の分解生成物の 、冷却装置で液化せず気体状のままである の混合物が挙げられる。例えば、樹脂とし メタクリル酸メチル単位を有するメタクリ 樹脂を用いた場合、分解生成物であってメ クリル酸メチルの沸点と融点の間で液化せ 気体状の物として、二酸化炭素が例示され 。流動化ガスの供給速度A(kg/hr)/固体粒子の 給速度B(kg/hr)で表される比は、0.04~0.3とする 。この比を0.04以上とすることにより、分解 の流動を良好にすることができる。また、 の比を0.3以下とすることにより、使用する 動化ガスの量を低減でき、また、分解生成 と流動化ガスの混合ガスに含まれる固体粒 の量を低減することができる。

 流動化ガスの供給速度A(kg/hr)/樹脂の供給 度C(kg/hr)で表される比は、0.4~3.0とすること 好ましい。この比を0.4以上にすることによ 分解生成物を速やかに冷却装置を含む回収 程に送ることができる。この比を3.0以下に ることにより、使用する流動化ガスの量を 減でき、また、分解生成物と流動化ガスの 合ガスに含まれる固体粒子の量を低減する とができる。

 第2の態様では、撹拌機と流動化ガスの両 方で固体粒子および樹脂を流動化させる。分 解槽に撹拌機を備えることにより、分解槽内 における固体粒子や樹脂の水平方向、及び鉛 直方向の流動が良好になる。撹拌機の撹拌軸 の数に制限はなく、1本であっても良いし、2 以上であっても良い。本態様では、撹拌機 流動化ガスの両方で固体粒子および樹脂を 動化させるので、撹拌機の回転軸の数は1本 の場合でも、分解槽内の流動は良好である。 撹拌軸の本数が2本以上の場合、分解槽内の 平方向、及び鉛直方向の流動がさらに向上 る。

 撹拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘリカ 翼、プロペラ翼、タービン翼、等が例示さ る。

 固体粒子の分解槽における平均滞在時間は 0.5~1.5hrとする。ここで固体粒子の「平均滞 時間」は以下のように定義される。
 
 平均滞在時間(hr)=分解槽内の固体粒子の滞 量(kg)/固体粒子の供給速度(kg/hr)
 
通常、分解槽内の固体粒子の滞在量が一定に なるように運転されるので、固体粒子の分解 槽からの排出速度(kg/hr)は、固体粒子の分解 への供給速度(kg/hr)と同じである。

 固体粒子の滞在時間が0.5hr未満では、供 される樹脂を分解槽内で充分に分解できず 固体粒子と一緒に排出される樹脂の量が増 し、分解生成物の回収量を増加させること できない。固体粒子の滞在時間が1.5hrを超え ると、分解槽を大きくして固体粒子の滞在量 を増大させるか、固体粒子の供給速度を減ら さなければならない。分解槽を大きくすると 設備コストの点で不利であり、固体粒子の供 給速度を減らすと樹脂分解に必要な熱量を十 分に与えることができず、分解生成物の回収 の効率の点で不利である。

 第2の態様で使用する固体粒子の種類は特 に制限はないが、第1の態様で例示した粒子 使用可能である。中でも砂が好ましく、川 、山砂、海砂が使用できる。その中でも流 性の良い川砂が特に好ましい。

 第2の態様で使用する固体粒子の大きさは 特に制限はないが、その取り扱い性の観点か ら、平均粒径が0.01mm~1mmが好ましく、0.05mm~0.8m mがより好ましい。

 第2の態様で使用する樹脂として、第1の 様で例示した樹脂が挙げられるが、(メタ)ア クリル樹脂が好ましい。(メタ)アクリル樹脂 構成するメタクリル酸メチル以外のモノマ 単位は、アクリル酸、メタクリル酸、およ それらのエステルの各単位である。アクリ 酸エステルとしては、アクリル酸メチル、 クリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙 られる。メタクリル酸エステルとしては、 タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等 挙げられる。

 (メタ)アクリル樹脂の中でも、特に、メ クリル酸メチル単位を含む(メタ)アクリル樹 脂が好ましい。メタクリル酸メチル単位を含 む(メタ)アクリル樹脂は、モノマーを高収率 回収する観点から、(メタ)アクリル樹脂を 成する全モノマー単位100質量%中、メタクリ 酸メチル単位を50質量%以上含んでいること 好ましく、メタクリル酸メチル単位を70質 %以上含んでいることがより好ましい。

 前記(メタ)アクリル樹脂は、上記以外の のモノマー単位を共重合成分として含んで てもよい。他のモノマー単位としては、無 マレイン酸、スチレン、α-メチルスチレン アクリロニトリル等の各単位が挙げられる

 (メタ)アクリル樹脂は架橋した樹脂であ てもよい。架橋した(メタ)アクリル樹脂とは 多官能性モノマー単位および前記(メタ)アク ル樹脂を構成するモノマー単位を含むもの ある。多官能モノマーとして、多官能(メタ )アクリル酸エステルが例示される。多官能( タ)アクリル酸エステルとして、エチレング リコールジアクリレート、プロピレングリコ ールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジ クリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリ ート、ネオペンチルグリコールジアクリレ ト、エチレングリコールジメタクリレート プロピレングリコールジメタクリレート、1 ,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘ サンジオールジメタクリレート、ネオペン ルグリコールジメタクリレート、が例示さ る。

 第2の態様で使用する樹脂は、他のポリマ ーと混合されていてもよい。また、第2の態 で使用する樹脂は、充填剤を含む複合体で ってもよい。充填剤としては、水酸化アル ニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス 維、タルク、クレイ等が挙げられる。

 また、第2の態様で使用する樹脂は、充填 剤以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添 加剤としては、顔料、染料、補強剤、酸化防 止剤、各種安定剤等が挙げられる。

 樹脂を分解槽に供給する際、該分解槽に ける樹脂の供給場所に特に制限はないが、 置した状態での分解槽内の固体粒子層高さ 1/2以下の位置から分解槽内に連続的に樹脂 供給するのが好ましい。

 静置状態の固体粒子層高さに制限は無い 、静置状態の固体粒子層高さ/分解槽の代表 長さの比を0.5~3.5とすることが好ましい。そ 理由は、第1の態様で述べたとおりである。

 固体粒子層の上部には、空間部を設ける とが好ましい。静置状態での空間部の長さ 、静置状態での空間部の長さ/分解槽の代表 長さの比を0.5~5.0とすることが好ましい。そ 理由は、第1の態様で述べたとおりである。

 分解槽の全高は、分解槽の全高/分解槽の 代表長さの比を1~8.5とすることが好ましい。 の理由は、第1の態様で述べたとおりである 。

 樹脂の大きさは、特に限定されないが、 り扱い性、供給安定性、分解槽内で分散性 観点から、平均粒径が1~20mmとするのが好ま く、3~10mmとするのがより好ましい。平均粒 を1mm以上とすることにより、樹脂同士の付 や融着を防ぐことができ、20mm以下とするこ とにより、樹脂の固体粒子への分散性が良好 となる。

 分解槽への樹脂の供給方法として、一軸 クリュー、二軸スクリュー等の装置を用い 行うことが、定量供給の観点から好ましい 樹脂の供給速度の計測は、樹脂ホッパーに り付けたロードセル等の質量計測機を用い ことにより行うことができる。また、供給 度の制御は供給スクリューの回転数制御に り行う。

 分解槽に供給する樹脂の温度は、分解槽 の温度低下の防止や分解槽内の流動性保持 観点から、0℃以上とすることが好ましい。 また樹脂を固体のまま供給でき、樹脂同士の 融着を防ぎ、固体粒子と樹脂の混和性が良好 となる観点から、(Tg-50)℃以下、あるいは(Tm-5 0)℃以下とすることが好ましい。但し、Tgは 脂のガラス転移温度を、Tmは融点を表す。樹 脂の温度は、その樹脂が貯蔵されているホッ パーを加熱、あるいは冷却することにより制 御することができる。

 分解槽内に、加熱装置により加熱された 体粒子を供給する。分解槽における固体粒 の供給場所には特に制限はない。分解槽内 流動化ガス、及び撹拌機により流動化され いるので、固体粒子はどこから供給しても 解槽内では均一に流動し易い。

 加熱された固体粒子の分解槽への供給方 として、固体粒子の自重落下による方法や 一軸スクリューや二軸スクリュー等の装置 用いて行う方法が例示される。固体粒子の 重落下による方法は簡便な方法であり、設 費が安いという利点がある。また、スクリ ーによる方法は定量供給の観点で有利であ 。固体粒子の供給速度の計測は、固体粒子 ッパーに取り付けたロードセル等の質量計 機を用いることにより行うことができる。 た、供給速度の制御は、固体粒子ホッパー 取り付けるロータリーバルブ等の回転数制 や、供給スクリューの回転数制御により行 ことができる。

 分解槽に供給する固体粒子の温度を、(T+5 0)~(T+250)℃とすることが好ましい。但し、Tは 解槽内の温度(℃)である。

 固体粒子の温度は、後述する加熱装置に 置された固体粒子温度の制御装置により制 する。具体的には後述する加熱装置の固体 子が存在するところに熱電対が設置され、 の温度が所定の温度になるように燃料の供 量を制御する。

 通常、分解槽内の固体粒子の滞在量が一 となるように、分解槽に供給される固体粒 の供給速度と、分解槽から排出される固体 子の排出速度を同じにして運転される。

 固体粒子の排出場所は、樹脂の供給位置 高さよりも下部の位置が好ましい。樹脂の 給位置の高さよりも下部から排出される固 粒子に樹脂は殆ど混入せず、固体粒子の流 性が確保でき、また、回収する分解生成物 量が増える。一方、固体粒子を樹脂の供給 置と同じ高さ、あるいはそれよりも上部か 排出すると、固体粒子に樹脂が多く混合す ので、その流動性が悪く、固体粒子の排出 に問題があり、また、回収される分解生成 の量が低減する。

 分解槽からの固体粒子の排出方法として 一軸スクリュー、二軸スクリュー等の装置 用いて行うことが、定量供給の観点から好 しい。固体粒子の排出速度の計測は、固体 子ホッパーに取り付けたロードセル等の質 計測機を用いることにより行うことができ 。また、排出速度の制御は固体粒子排出ス リューの回転数制御により行うことができ 。

 分解槽における流動化ガスの供給場所と ては、固体粒子及び樹脂の流動化、均一分 の観点から、分解槽の下部とすることが好 しい。

 また、分解槽内の良好な流動性の観点か 、流動化ガスは、分散器を使用して、分散 せながら供給することが好ましい。分散器 して、多孔板、スリット板、メッシュ板、 結フィルター、ノズル、キャップ付きノズ 等が例示される。

 分解槽内への流動化ガスの供給方法とし 、ブロワー等を使用して供給することが、 量供給の観点から好ましい。流動化ガスの 給速度の計測、及び制御は、渦式流量計等 ガス用流量制御計により行うことができる

 流動化ガスの温度は、分解槽に供給する 前に設置する温度制御装置により制御する とができる。具体的には、電気ヒーター、 交換器が例示される。

 分解槽内に供給する流動化ガスの温度は 分解槽内の温度低下の防止や分解槽内の流 性保持の観点から0℃以上とすることが好ま しい。また分解生成物の効率的な回収の観点 から500℃以下とすることが好ましい。

 分解槽における気体状の分解生成物と流 化ガスの混合ガスの取り出し場所は、分解 内の固体粒子層上方に位置する空間部が好 しい。該空間部から取り出すことにより、 体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガス 固体粒子が混在することを防ぐことができ 。取り出した気体状の分解生成物と流動化 スの混合ガスは、回収工程に送られる。

 回収工程の手前に、固体粒子を捕集する めの装置を設置しても良い。その例として イクロンが例示される。

 回収工程は、前記分解生成物中の気体状 分解生成物を冷却、回収する工程であり、 却装置と容器を具備する。前記冷却装置と ては、特に制限はないが、例えば、管式熱 換器、プレート式熱交換器、スクラバー、 プレー塔、等が例示される。

 前記分解生成物と流動化ガスの混合ガス 、回収工程の冷却装置に導かれ冷却される 冷却する温度は回収しようとする分解生成 の凝固点(℃)~沸点(℃)とする。(メタ)アクリ ル樹脂からメタクリル酸メチルを回収する場 合には、前記混合ガスを-48~100℃に冷却する 、分解生成物(メタクリル酸メチル)は液体に なり、一方流動化ガスは気体のままであるの で、両者の分離が可能となる。冷却により液 化した物の大部分は冷却装置の下に設置され た容器に回収される。容器は液体状の分解生 成物を貯めるためのものであり、該容器の大 きさ、形状には制限はない。

 冷却装置の後にミスト回収装置を設置す のが好ましい。前記ミスト回収装置として 、サイクロン式ミスト回収装置、メッシュ ミスト回収装置、等が例示される。ミスト 収装置の下には容器が設置され、液体状の 解生成物が回収される。容器の大きさ、形 には制限はない。

 冷却装置で回収しきれなかった気体状あ いはミスト状の分解生成物と流動化ガスの 合ガスは、ミスト回収装置に導かれ、ミス の大部分はミスト回収装置の下に設置され 容器に回収される。ミスト回収装置からは 流動化ガスが排出され、分解槽に供給され 。尚、前記ミスト回収装置から排出された 動化ガス中には、前記ミスト回収装置でも 収できなかった前記気体状あるいはミスト の分解生成物を含んでいる。この混合ガス 、再度分解槽に供給することにより、分解 成物の回収量を増加させることができる。

 ミスト回収装置から出てくる混合ガスを 解槽に再度供給する際には、別の工程から 給される窒素ガスを混合しても良い。ミス 回収装置から出てくる混合ガスに対する供 される窒素ガスの質量比は、0.01~5とするの 好ましい。この比を0.01以上とすることによ り分解槽内の窒素濃度を高めることができる ので好ましい。また、この比を5以下とする とにより供給する窒素ガスの量を低減する とができるので、窒素ガスの使用に伴う費 を削減できるので好ましい。このように混 されたガスは、流量制御装置やコントロー バルブ等により、分解槽へ行くガスと、除 処理後系外に排気するガスに分けられる。

 ミスト回収装置から排出される混合ガス 窒素ガスを混合し、その混合ガスの一部を 量制御装置から除害処理後、系外に排出す ことにより、分解槽に供給する流動化ガス 含まれる酸素濃度を低減することができる 分解槽に供給されるガス中の酸素濃度は、 脂分解の安定性確保や回収する液量の増加 その液の品質向上の観点から、3体積%以下 することが好ましく、1体積%以下とするのが 特に好ましい。

 分解槽から排出した固体粒子を加熱装置 導入し、加熱して再度分解槽に供給するこ が好ましい。分解槽から連続的に排出され 固体粒子と一緒に、樹脂の未分解物が連続 に排出されることがある。

 前記加熱装置として、流動層やロータリ ルンが例示される。流動層では、空気、燃 の燃焼ガス、或いはその混合物により砂を 動化させながら、固体粒子の温度を上昇し 樹脂の未分解物を分解または燃焼する装置 ある。ロータリキルンでは、空気、燃料の 焼ガス、或いはその混合物を供給しながら 装置自体が回転し、その内部の固体粒子を 動させながら、固体粒子の温度を上昇し、 分解物を分解または燃焼する装置である。

 分解槽内の温度T(℃)は、樹脂、特に(メタ )アクリル樹脂の分解速度の観点から350℃以 が好ましい。また、分解生成物、特にメタ リル酸メチルの回収効率の観点から分解槽 の温度は500℃以下とする。

 分解槽内の温度は槽内に設置した熱電対 より測定することができる。

 分解槽内の温度は、供給された樹脂、加 された固体粒子、流動化ガスの供給速度や の温度等により制御することができる。分 槽の外部や内部にジャケットや加熱装置や 却装置を設置して、分解槽内の温度を制御 ても良い。

 以下、実施例を示すが、本発明は実施例に り限定されるものではない。
 なお、樹脂、固体粒子、流動化ガス、分解 成物、未分解物の定量は質量(kg)ベースとし た。

(樹脂)
 樹脂として、メタクリル酸メチル(以下、「 MMA」と略記する)を用いた(100質量%からなる樹 脂;質量平均分子量40万;平均粒径が5mm;ペレッ 状(目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mm 篩いを通過しない);ガラス転移温度(Tg)は100 )。

(固体粒子)
 固体粒子として、天然川砂(株式会社昌栄マ テリアル、商品名:エバラロズナ、平均粒子 (直径)0.3mm、かさ密度は1600kg/m 3 )を用いた。

(固体粒子と樹脂の未分解物の混合物中の、 脂の未分解物の比率の測定)
 未分解物と固体粒子の混合物(質量W1)を、800 ℃の熱風炉中(空気雰囲気)に1時間置き、未分 解物を完全に分解する。完全分解後の質量W2 測定し、以下の式から未分解物の比率を算 する。
    [未分解物の比率(%)]=(W1-W2)/W1×100

(供給する樹脂の内、未分解物として分解槽 ら加熱炉に送られる比率の算出方法)
 [供給する樹脂の内、未分解物として分解槽 から加熱炉に送られる比率(%)]
=[分解槽から排出する未分解物と固体粒子の 合物の排出速度(kg/hr)]×[未分解物の比率(%)]/ [樹脂の供給速度(kg/hr)]

(供給する樹脂の内、気体状の分解生成物と て分解槽から冷却装置に送られる比率の算 方法)
 [供給する樹脂の内、気体状の分解生成物と して分解槽から冷却装置に送られる比率(%)]
=100-[供給する樹脂の内、未分解物として分解 槽から加熱炉に送られる比率(%)]

(樹脂の分解生成物の評価)
(1)回収液の収率(%)
 [回収液の収率(%)]=[液の回収速度(kg/hr)]/[樹 の供給速度(kg/hr)]×100

(2)回収液中のMMA濃度(質量%)
 ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製 GC-17A)で測定した。溶媒にはN,N-ジメチルホ ムアミドを使用した。予め検量線を作成し おき、回収した液のガスクロマトグラフィ のピーク比の結果から、液中のMMA濃度を算 した。

実施例1
 図6に示す装置を用いて実施した。使用した 分解槽3は図1に示すものである。分解槽3は上 部が円柱状であり、下部が円錐状で、その直 径は350mmで、円錐の頂点から分解槽3の最上面 までの高さは1400mmである。撹拌翼は二枚の傾 斜パドル翼を5段にしたものである。パドル 枚の直径は310mm、幅20mm、傾斜角度45度、パド ル間のピッチは140mmとした。上下の段のパド 翼は直交するようにした。撹拌速度は毎分2 5回転(25rpm)とした。

 分解槽3の下部には、気体を分散させるた めに焼結金属フィルター(富士フィルター工 株式会社)からなる分散器(厚さ1.6mm、ステン ス製)を円錐状に配置した。円錐の底面の直 径は350mm、円錐高さは100mmとした。前記分散 の円錐状のフィルター中央(円錐の頂点)に、 固体粒子の排出用の配管を設置した。

 まず、分解槽3内に、天然川砂を100kg入れ 分解槽3の側面の電気ヒーターにより約420℃ に予熱をしておいた。砂の静置状態での高さ は、円錐の頂点から720mmであった。

 樹脂を10.0kg/hrで分解槽に、円錐の頂点か 200mm上の位置に連続的に供給した。樹脂の 給装置2として一軸スクリューを使用した。 の供給温度は20℃とした。分解槽3の円錐の 点から樹脂の未分解物と砂の混合物を100kg/h rで一軸スクリュー2により連続的に排出し、 熱炉8に送り、未分解物を燃焼させると共に 砂の温度を上げた。使用した加熱炉8は、熱 で砂を流動化させる流動層を使用した。流 層下部から供給される熱風の温度を制御す ことにより加熱炉8から排出直後の砂の温度 610℃とした。分解槽3に供給される直前の砂 の温度は600℃であった。加熱炉8から分解槽3 の砂の供給速度は100kg/hrとした。分解槽3へ 加熱砂の供給位置は分解槽3の円錐頂点から 850mm上とし、一軸スクリュー6により供給した 。樹脂の供給を開始した時点で分解槽3の側 の電気ヒーターは停止した。

 分解槽3の流動化ガスとしてミスト回収装 置11から出てくるガスと、流動化ガス供給ブ ワー14から供給される窒素ガスを混合した スを使用した。

 ミスト回収装置11からガス約20kg/hrを排出 た。このガスには樹脂の分解生成物の内、 化しなかったガスが含まれるので、排出量 分解槽3に供給する流動化ガス20kg/hrよりや 多い。ミスト回収装置11から排出されるガス に、ガス供給用ブロワー14から供給される窒 ガス2kg/hrを混合した後、流量制御装置15(渦 流量計とコントロールバルブからなる)によ り、約22kg/hrの内、約2kg/hrを除害処理後系外 排出し、20kg/hrを分解槽へ供給した。ミスト 収装置11から排出されたガス中の酸素濃度 磁気式酸素濃度計で測定したところ、0.0体 %であった。

 流動化ガスの供給速度(kg/hr)と樹脂の供給 速度(kg/hr)の比は、20.0/10.0=2.0である。また窒 ガスを主成分とする流動化ガスの分解槽3へ の供給温度は30℃とした。定常状態での分解 3内の温度は400℃であった。

 分解槽3から排出される未分解物と砂の混 合物を一部サンプリングして、未分解物の比 率を測定したところ0.08%であった。従って、 出した100.0kg/hrの内、未分解物は0.08kg/hrと計 算される。また、供給した樹脂の内、加熱炉 8に行った比率は0.08/10.0×100=0.8%となる。この 算結果から、供給した樹脂の内、冷却装置9 に行った比率は100-0.8=99.2%と計算される。

 冷却装置9に送られてきた気体状の分解生 成物を冷却して液体として回収した。冷却装 置9は多管式コンデンサーであり、そのジャ ットに-10℃の冷媒を流した。多管式コンデ サーから出てくる流体の温度は3℃であり、 れをミスト回収装置11に送った。ミスト回 装置11はサイクロン式であり、窒素中に含ま れる液体ミストを回収した。ミスト回収装置 11にはジャケットがついており、0℃の冷媒を 流した。冷却装置9の下、及び、ミスト回収 置11の下にそれぞれ液体を回収するための回 収器10、12を設置した。

 この操作を樹脂の供給開始から24時間連 して行った結果、運転は安定していた。冷 装置9の下に設置した回収器10、ミスト回収 置11の下に設置した回収器12に回収した液の 計は、227.5kgであった。平均すると液を9.48kg /hrで回収できた。回収液の収率は9.48/10.0×100= 94.8%と計算される。回収した液中のMMA濃度は9 6.2%であった。

実施例2
 樹脂の供給位置を、円錐の頂点から300mm上 した以外は実施例1と同様な操作を実施した この操作を樹脂の供給開始から24時間連続 て行った結果、運転は安定していた。回収 の収率は94.2%であった。回収した液中のMMA濃 度は96.6%であった。

比較例1
 実施例1で使用した図1の分解槽3を図2の分解 槽に替え、樹脂の供給位置を、円錐の頂点か ら400mm上とした以外は実施例1と同様な操作を 実施した。樹脂を供給開始してから3時間の 点までは運転ができたが、その後は、徐々 撹拌翼の回転が不安定になった。運転を停 して分解槽3内部を確認したところ、分解槽3 の上部に砂と樹脂が塊状になっていた。

比較例2
 実施例1で使用した図1の分解槽3を図3の分解 槽3に替え、樹脂を分解槽3の円錐の頂点から8 50mm上から供給した以外は実施例1と同様な操 を実施した。樹脂を供給開始してから1時間 の時点までは運転ができたが、その後は、徐 々に撹拌翼の回転が不安定になった。運転を 停止して分解槽3内部を確認したところ、分 槽3の上部に砂と樹脂が塊状になっていた。

比較例3
 実施例1で使用した図1の分解槽3を図4の分解 槽3に替えた以外は実施例1と同様な操作を実 した。分解槽3下部に配設したガス分散板5 平板状の物を使用した。分散板5から分解槽3 の最上面までの高さは1400mmであった。砂を100 kg充填し、静置した状態での砂の高さは650mm あった。樹脂を分散板5から200mm上の所に供 し、加熱砂を分散板5から300mmの所に供給し 砂を砂層の最上面から排出した。分解槽3か の砂の排出にはスクリューを使用せず、自 による落下方式とした。

 樹脂を供給開始してから1時間の時点で、 分解槽3から砂が排出されなくなった。排出 を確認したところ、樹脂と砂が混在した物 排出口を塞いでいた。

実施例3
 実施例1で使用した図1の分解槽3を図5の分解 槽3に替えた以外は、実施例1と同様な操作を った。樹脂の供給位置は円錐の頂点から200m m上の所であり、砂の供給位置は円錐の頂点 ら400mm上の所である。

 樹脂の供給開始後24時間、安定に運転す ことができた。回収液の収率は、94.5%、回収 した液中のMMA濃度は96.4%であった。

 上記実施例1~3、比較例1~3の結果を表1に示 す。

実施例4
 実施例1と同様に、図6に示す装置を用いて 施した。

 まず、分解槽3内に、天然川砂を70kg入れ 。静置状態での砂層の高さは520mmであった。 その後、分解槽3内を窒素置換した。

 分解槽3から砂を120kg/hrで連続的に排出し 加熱炉8に送った。その排出装置7として一 スクリューを使用した。その排出速度は、 解槽3とスクリュー7の間に設置した固体粒子 ホッパー(図示せず)のロードセルにより計測 た。排出速度の制御は、一軸スクリュー7の 回転数により行った。使用した加熱炉8は、 風で砂を流動化させる流動層を使用し、加 炉8内には砂を60kg入れておいた。加熱炉8で 、熱風の温度を制御することにより砂の温 が所定の温度になるようにした。

 まず、加熱炉8の設定温度を400℃として、 加熱された砂を120kg/hrで連続的に分解槽3へ供 給した。その供給位置は分散板5の円錐の頂 から850mm上とした。固体粒子供給装置7とし 一軸スクリューを使用した。その供給速度 、加熱炉8と分解槽3の間に設置した固体粒子 ホッパー(図示せず)のロードセルにより計測 た。供給速度の制御は、一軸スクリュー7の 回転数により行った。分解槽3における砂の 均滞在時間は70/120=0.58hrと計算された。

 分散板5から窒素ガスを20kg/hrで供給し、 スト回収装置11から排出される窒素ガスに、 ガス供給用ブロワー14から窒素ガス2kg/hrを混 させた。渦式流量計とコントロールバルブ らなる流量制御装置に15より、合計22kg/hrの 、2kg/hrを系外に排出し、20kg/hrを分解槽3に 給した。

 分解槽3内の温度が約400℃で安定した時点 で、加熱炉8における固体粒子の加熱の設定 度を変えることにより加熱炉8から分解槽3へ 供給される温度を600℃にすると共に、分解槽 3への樹脂の供給を開始した。その供給速度 12kg/hr、温度は20℃とした。その供給位置は 散板の円錐の頂点から200mm上とした。樹脂の 供給装置2として一軸スクリューを使用した その供給速度は、樹脂供給スクリュー2の上 設置した樹脂ホッパー1のロードセルにより 計測した。供給速度の制御は、一軸スクリュ ー2の回転数により行った。

 窒素ガスを含むガスの供給速度(kg/hr)と樹 脂の供給速度(kg/hr)の比は、20/12=1.67である。

 樹脂の供給開始後30分で分解槽3内の温度 定常状態になり、その温度は405℃であった

 一方、分解槽3から出てくる樹脂の分解生 成物と窒素ガスを含むガスの混合ガスを回収 工程へ送った。冷却装置9に送られてきた気 状の分解生成物を冷却して液体として回収 た。冷却装置9は多管式コンデンサーであり そのジャケットに-10℃の冷媒を流した。多 式コンデンサー9から出てくるガスの温度は 3℃であり、それをミスト回収装置11に送った 。ミスト回収装置11はサイクロン式であり、 素ガスを含むガス中に含まれる液体ミスト 回収した。ミスト回収装置11にはジャケッ がついており、0℃の冷媒を流した。冷却装 9の下、及び、ミスト回収装置11の下にそれ れ液体を回収するための回収器10、12を設置 した。

 ミスト回収装置11から窒素ガスを含むガ 約20kg/hrが排出される。このガスには樹脂の 解生成物の内、液化しなかったガスが含ま るので、排出量は分解槽3に供給する混合ガ ス20kg/hrよりやや多い。ミスト回収装置11から 排出されるガスに、ガス供給用ブロワー14か 供給される窒素ガス2kg/hrを混合した後、渦 流量計とコントロールバルブからなる流量 御装置により、約22kg/hrの内、約2kg/hrを除害 処理後系外に排出し、20kg/hrを分解槽3へ供給 た。その後に設置されたガス加熱装置16(温 による熱交換器)により、窒素ガスを含むガ スの温度を50℃とした。分解槽3への窒素ガス を含むガスの供給速度(kg/hr)と砂の供給速度(k g/hr)の比は、20/120=0.167である。

 樹脂の供給を開始してから24時間連続し 運転を行った結果、問題なく運転すること できた。冷却装置9の下に設置した回収器10 びミスト回収装置11の下に設置した回収器12 回収した液の合計は、271.0kgであった。平均 すると液を11.29kg/hrで回収できた。液収率は11 .29/12.0×100=94.1%と計算される。回収した液中 MMA濃度は96.5%であった。

実施例5~7
 分解槽3内の砂の滞在量を100kg、150kg、170kgと した以外は実施例4と同様な操作を実施した 但し、実施例6,7においては、パドル間のピ チは200mmとした。それぞれの、静置状態での 砂層の高さは720mm、1040mm、1170mmであった。

比較例4
 砂の滞在量を55kgとした以外は実施例4と同 な操作を実施した。静置状態での砂層の高 は420mmであった。樹脂の供給開始から3時間 では運転できたが、それ以降は、分解槽3か の砂の排出不良が発生した。その砂をサン リングして観察したところ、砂と樹脂が一 になった固まり状の物があった。

実施例8
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約30kg/hrとガス供給用ブロワー14か 供給される窒素ガス3kg/hrを混合した後、流 制御装置に15より、約33kg/hrの内、30kg/hrを分 槽3へ供給した以外は、実施例5と同様な操 を実施した。

実施例9
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約15kg/hrとガス供給用ブロワー14か 供給される窒素ガス1.5kg/hrを混合した後、流 量制御装置15により、約16.5kg/hrの内、15kg/hrを 分解槽3へ供給した以外は、実施例5と同様な 作を実施した。

実施例10
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約10kg/hrとガス供給用ブロワー14か 供給される窒素ガス1kg/hrを混合した後、流 制御装置15により、約11kg/hrの内、10kg/hrを分 槽3へ供給した以外は、実施例5と同様な操 を実施した。

実施例11
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約7kg/hrとガス供給用ブロワー14から 供給される窒素ガス0.7kg/hrを混合した後、流 制御装置15により、約7.7kg/hrの内、7kg/hrを分 解槽3へ供給し、撹拌翼の一番下とその次の ドル翼の替わりにリボン翼を使用した以外 、実施例5と同様な操作を実施した。

比較例5
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約3kg/hrとガス供給用ブロワー14から 供給される窒素ガス0.3kg/hrを混合した後、流 制御装置15により、約3.3kg/hrの内、3kg/hrを分 解槽3へ供給した以外は、実施例11と同様な操 作を実施した。樹脂の供給開始から3時間ま は運転できたが、それ以降は、撹拌機4の回 不良が生じ、また、分解槽3からの砂の排出 不良が発生した。運転を停止し分解槽3の内 を観察したところ、撹拌翼の周りに砂と樹 が一体になった固まり状の物があった。

比較例6
 ミスト回収装置11から排出される窒素ガス 含むガス約40kg/hrとガス供給用ブロワー14か 供給される窒素ガス4kg/hrを混合した後、流 制御装置15により、約44kg/hrの内、40kg/hrを分 槽3へ供給した以外は、実施例5と同様な操 を実施した。分解槽3からは砂を120kg/hrで排 しつつ、120kg/hrで供給しているのにもかかわ らず、分解槽3内の砂の量が徐々に減ってい のが確認された。分解槽3内の砂の滞在量は 解槽3の下部と上部の圧力損失から把握した 。運転を停止し、コンデンサやミスト回収装 置11を観察したところ、砂の堆積が観察され 。

 上記実施例4~11、比較例4~6の結果を表2,3に 示す。

 本発明は、メタクリル樹脂を熱分解して 効率よくメタクリル酸メチルを回収する方 として、広く適用できる。