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Title:
METHOD OF RECYCLING SCRAP WAFER AND PROCESS FOR PRODUCING SILICON SUBSTRATE FOR SOLAR CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099717
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of recycling scrap silicon wafers in which a waste of resources in recycling is diminished and silicon wafers can be formed into a regenerated ingot without being dissolved. The regenerated ingot enables the silicon to be reused in a state akin to the single-crystal state. Also provided is a process for producing a silicon substrate for solar cells. The method of scrap wafer recycling comprises in the following order: a film removal step (S3) in which films formed on scrap wafers (W) are removed; a mirror polishing step (S5) in which the front and back sides of each scrap wafer from which the films have been removed are mirror-polished; an arrangement step (S8) in which the scrap wafers which have been mirror-polished are superposed so as to be uniform in crystallographic direction and are cylindrically arranged; and a heating step (S9) in which the scrap wafers arranged cylindrically are placed in a heating oven and heated at a temperature in the range of 400-1,350°C to thereby bond the scrap wafers to each other by diffusion to thereby produce a regenerated ingot (IG).

Inventors:
SUZUKI TETSUO
HIRANO TAKAYUKI
MIYAZAKI JUN
ONISHI YOSHIHIKO
INOUE HIDETOSHI
Application Number:
PCT/JP2008/051877
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
SUZUKI TETSUO
HIRANO TAKAYUKI
MIYAZAKI JUN
ONISHI YOSHIHIKO
INOUE HIDETOSHI
International Classes:
H01L31/04; C01B33/037
Foreign References:
JP2000174295A2000-06-23
JP2005343781A2005-12-15
JPH05270814A1993-10-19
JP2005123541A2005-05-12
Attorney, Agent or Firm:
ISONO, Michizo (Sabo Kaikan Annex 7-4, Hirakawa-cho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 93, JP)
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Claims:
 正規製品であるシリコンウエハとして利用できないスクラップウエハについて、円柱状の再生インゴットにして再利用するスクラップウエハ再利用方法において、
 前記スクラップウエハに形成された膜を除去する膜除去工程と、
 前記スクラップウエハの膜を除去した表裏面を鏡面に研磨する鏡面研磨工程と、
 前記鏡面に研磨されたスクラップウエハの結晶方位を揃えて重ね合わせ、円柱状に整列させる整列工程と、
 前記円柱状に整列させた前記スクラップウエハを加熱炉に入れて400℃~1350℃の範囲で加熱することで前記スクラップウエハ同士を拡散接合させ再生インゴットを製造する加熱工程と、
 を含むことを特徴とするスクラップウエハ再利用方法。
 前記整列工程と前記加熱工程との間、または、前記加熱工程において、前記スクラップウエハの重ね合わせ方向に圧力をかけることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記鏡面研磨工程と前記整列工程との間に、前記スクラップウエハの表面を洗浄すると共に、その表面に酸化膜を形成または親水性を付与する表面調整工程を行うことを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記膜除去工程の前に、前記スクラップウエハのサイズを測定してサイズ別に分類すると共に、前記スクラップウエハに膜が形成されているか否かを判別して分類する形状分類工程を行うことを特徴とする請求の範囲第1項または請求の範囲第2項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記膜除去工程と前記鏡面研磨工程の間に、前記膜を除去したスクラップウエハおよび前記形状分類工程で膜が無いと分類された前記スクラップウエハの表裏面において鏡面の有無を検出してその鏡面の有無により分類する鏡面分類工程を行い、前記鏡面研磨工程が前記鏡面分類工程で鏡面が無いと分類された前記スクラップウエハの表裏面を鏡面に研磨することを特徴とする請求の範囲第4項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記鏡面研磨工程と整列工程との間に、前記鏡面研磨工程で鏡面に研磨されたスクラップウエハおよび前記鏡面分類工程ですでに鏡面に研磨されていた前記スクラップウエハをP型であるかN型であるかにより分類し、かつ、比抵抗を検出して予め設定された比抵抗範囲ごとに分類する性能分類工程を行い、前記性能分類工程により分類された前記スクラップウエハ毎に、前記整列工程により円柱状に整列させることを特徴とする請求の範囲第4項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記性能分類工程と前記整列工程との間に、前記スクラップウエハの表面を洗浄すると共に、その表面に酸化膜を形成または親水性を付与する表面調整工程を行うことを特徴とする請求の範囲第5項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記加熱工程の後に前記再生インゴットから板状の板状ウエハを切り出す切出工程と、
 この切出工程により切り出した板状ウエハを平坦化すると共に、前記板状ウエハの加工変質層を取り除く変質層除去工程と、を行うことを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第7項のいずれか一項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 前記再生インゴットを切り出す切出工程において、前記再生インゴットの軸線方向に平行な方向に板状ウエハを切り出すことを特徴とする請求の範囲第8項に記載のスクラップウエハ再利用方法。
 製品であるシリコンウエハとして利用できないスクラップウエハについて、円柱状の再生インゴットを製造し、その再生インゴットから切り出して太陽電池用シリコン基板を製造する太陽電池用シリコン基板の製造方法において、
 前記スクラップウエハに形成された膜を除去する膜除去工程と、
 前記スクラップウエハの膜を除去した表裏面を鏡面に研磨する鏡面研磨工程と、
 前記鏡面に研磨されたスクラップウエハの結晶方位を揃えて重ね合わせ、円柱状に整列させる整列工程と、
 前記円柱状に整列させた前記スクラップウエハを加熱炉に入れて400℃~1350℃の範囲で加熱することで前記スクラップウエハ同士を拡散接合させ再生インゴットを製造する加熱工程と、
 前記再生インゴットから太陽電池用シリコン基板の厚みに対応して板状の板状ウエハを切り出す切出工程と、
 前記板状ウエハを平坦化すると共に、前記板状ウエハの加工変質層を取除く変質層除去工程と、
 を含むことを特徴とする太陽電池用シリコン基板の製造方法。
Description:
スクラップウエハ再利用方法お び太陽電池用シリコン基板の製造方法

 本発明は、半導体デバイスを生産すると に試験用として使用されたものや、あるい 、不良品となり製品として使用できないス ラップウエハを再利用するスクラップウエ 再利用方法、および、スクラップウエハを 生して太陽電池用シリコン基板とする太陽 池用シリコン基板の製造方法に関するもの ある。

 一般に、シリコンウエハは、一枚の有効 リアの中に複数の電子回路が形成され、電 回路ごとに切り出されてIC,LSI等の半導体デ イスとして、家電製品や機械の制御機構等 搭載されて使用されている。このIC,LSI等の 望の半導体デバイスの製造過程では、使用 みテストウエハや、不良ウエハ等の使用で ないスクラップウエハが発生する。

 そのため、従来、発生したスクラップウ ハは、膜除去、研磨、洗浄等の各工程を経 、テストウエハとして再利用されたり、ま 、スクラップウエハの膜除去後に溶解され 多結晶太陽電池用原料、あるいは、セラミ ク原料等に再利用されたりしている。なお 製品として使用できない太陽電池用のシリ ンウエハの再利用方法の一例(例えば、特許 文献1、2参照)を以下に説明する。

 シリコンウエハの再利用方法は、半導体 バイス製造過程において発生し、廃棄され ことになった規格外のシリコンウエハを、 別工程により選別して、化学処理工程で表 を削ることと、物理処理工程により表面を ることを行っている。そして、化学的活性 工程により、シリコンウエハの表面を活性 して、その後、マイクロ波乾燥工程により 燥させることで、規格外のシリコンウエハ 太陽電池用シリコン基板として再利用して る(特開2003-101056号公報)。

 また、別例のシリコンウエハの再利用方 は、特性不良を示す太陽電池セルを含むシ コンウエハを、シリコンウエハの表面層に 成された不純物層と、不純物層上に形成さ た表面銀電極膜及び反射防止膜と、シリコ ウエハの裏面に形成された裏面銀電極膜と ルミニウム電極層とからなる太陽電池セル おいて、フッ酸処理にて反射防止膜と表裏 の銀電極膜を除去する工程および塩酸処理 てアルミニウム電極層を除去する工程をこ 順又は逆順で行った後、硝酸とフッ酸の混 液処理または水酸化ナトリウム処理にて不 物層を除去する工程を行う。

 そして、表面の不純物層を除去したシリ ンウエハは、再び前記した太陽電池セルが 成されて再利用されるか、あるいは、溶解 て多結晶インゴットとして再生して再び太 電池用シリコン基板として再利用されてい (特開2005-166814号公報)。

 しかし、従来のシリコンウエハの再利用方 では、以下に示すような問題点が存在して た。
 一枚ごとに表面を除去して使用するシリコ ウエハの再利用方法では、例えば、700μmの みから再利用する場合には、必要となる再 ウエハの厚みが300μmであると、400μmを削っ 使用することになり、無駄が多く発生して た。

 また、インゴットに再生して使用するシ コンウエハの再利用方法では、各膜等を除 した後に溶解して多結晶インゴットを作成 て再利用しているため、単結晶のままの再 用ができなかった。

 本発明は前記の問題に鑑み創案されたも であり、再利用する際に資源の無駄を少な し、シリコンウエハを溶解することなく再 インゴットにすることで、単結晶に近い状 で再利用できるスクラップウエハ再利用方 および太陽電池用シリコン基板の製造方法 提供することを課題とする。

 本発明は、前記課題を解決するために、 ぎのようなスクラップウエハ再利用方法と た。すなわち、スクラップウエハ再利用方 は、正規製品であるシリコンウエハとして 用できないスクラップウエハについて、円 状の再生インゴットにして再利用するスク ップウエハ再利用方法において、前記スク ップウエハに形成された膜を除去する膜除 工程と、前記スクラップウエハの膜を除去 た表裏面を鏡面に研磨する鏡面研磨工程と 前記鏡面に研磨されたスクラップウエハの 晶方位を揃えて重ね合わせ、円柱状に整列 せる整列工程と、前記円柱状に整列させた 記スクラップウエハを加熱炉に入れて400℃~ 1350℃の範囲で加熱することで前記スクラッ ウエハ同士を拡散接合させ再生インゴット 製造する加熱工程と、を含む手順とした。

 このような手順により、スクラップウエ 再利用方法では、予め設定された基準によ 分類されたスクラップウエハに、膜除去工 によりスクラップウエハの膜が機械的ある は化学的な処理により除去される。そして スクラップウエハ再利用方法では、鏡面研 工程によりスクラップウエハの表裏面を鏡 に形成し、さらに、整列工程により結晶方 ごとに揃えて円柱状に重ね合わせて整列さ る。次いで、スクラップウエハ再利用方法 は、加熱工程により、整列させたスクラッ ウエハを加熱炉に入れ、400℃~1350℃の範囲 加熱することで重ね合わせた各スクラップ エハの当接面同士を拡散接合させて再生イ ゴットを形成し、単結晶に近い状態の類似 結晶インゴットとする。

 本発明に係るスクラップウエハ再利用方 は、スクラップウエハの膜を除去し、かつ 鏡面にして、整列して加熱することで、単 晶に近い状態の再生インゴットを作成する とができるため、例えば、太陽電池素材(太 陽電池用シリコン基板)に無駄を少なくして 率よく再利用することが可能となる。

 スクラップウエハ再利用方法は、再生イ ゴットから所定厚みに切り出した単結晶に い状態のシリコンウエハとして再度利用で るため、応用範囲が広く、切り出し方向に っては、大面積のウエハ素材として効率良 再利用することが可能となる。

 また、前記スクラップウエハ再利用方法に いて、前記整列工程と加熱工程との間ある は加熱工程中に、前記スクラップウエハの ね合わせ方向に圧力をかける手順とした。
 このような手順により、接合後の再生イン ットの結晶欠陥を低減して、より単結晶に い状態の類似単結晶インゴットとすること できる。

 また、前記スクラップウエハ再利用方法 おいて、前記鏡面研磨工程と整列工程との に、前記スクラップウエハの表面を洗浄す と共に、その表面への酸化膜の形成または 水性を付与する表面調整工程を行う手順と た。

 表面への親水性の付与は、例えば、表面 水酸基を導入することで行われるが、表面 水酸基同士が水素結合により、シリコン表 をより接近させるため、過熱時のシリコン 散接合が効果的に行え、接合強度が増大す 効果がある。接合強度が増大すると、拡散 合後は接合界面の欠陥の少ない純粋な単結 により近い状態となる。また、表面に熱酸 等の方法で酸化膜を形成すると、表面の酸 シリコン同士の拡散接合がシリコンの拡散 合よりも低温で始まるため、接合強度が増 すると考えられる。更に、不純物を酸化膜 吸収してシリコン中の不純物濃度を低減す 効果も期待できる。

 親水性を付与する方法としては、例えば、S Cl洗浄を行うことで達成される。ここでいう 水性とは、スクラップウエハWの表面に代表 的には水酸基のような極性を有する官能基が 導入された状態をいう。
 熱酸化膜形成は、スクラップウエハから膜 除去した表面に、所定の温度で過熱して熱 化膜を形成する工程である。例えば、850~100 0℃の温度の雰囲気中に所定時間スクラップ エハWを曝すことで、50nm~200nm(好ましくは70nm~ 150nm、さらに好ましくは85nm~125nm)の厚みの熱 化膜をスクラップウエハの表面(表裏面)に形 成することができる。更に、熱酸化膜を形成 した後、その熱酸化膜の表面に親水性を付与 することもできる。

 スクラップウエハ再利用方法は、表面調 工程をさらに行うことで、再生インゴット 製造時に単結晶により近い状態となり、例 ば、単結晶により類似した効率の良い太陽 池用素材として使用することが可能となる また、スクラップウエハ再利用方法は、形 分類工程、鏡面分類工程、あるいは、性能 類工程の少なくとも一つを行うことで、ス ラップウエハの状態の多様性に対応できる さらに、スクラップウエハ再利用方法は、 熱工程の前または加熱工程中にスクラップ エハの重ね合わせ方向に圧力をかけること 、接合後の再生インゴットの結晶欠陥を低 して、より単結晶に近い状態の類似単結晶 ンゴットとすることができる。

 さらに、前記スクラップウエハ再利用方法 おいて、前記膜除去工程の前に、前記スク ップウエハのサイズを測定してサイズ別に 類すると共に、前記スクラップウエハに膜 形成されているか否かを判別して分類する 状分類工程を行う手順とした。ここでサイ とはスクラップウエハの径のことを指す。
 このような手順により、スクラップウエハ 利用方法では、はじめに形状分類工程によ スクラップウエハのサイズ別および膜の有 により分類するため、スクラップウエハの 態の多様性に対応できる。

 そして、前記スクラップウエハ再利用方法 おいて、前記膜除去工程と鏡面研磨工程の に、前記膜を除去したスクラップウエハお び前記形状分類工程で膜が無いと分類され 前記スクラップウエハの表裏面において鏡 の有無を検出してその鏡面の有無により分 する鏡面分類工程を行い、前記鏡面研磨工 が前記鏡面分類工程で鏡面が無いと分類さ た前記スクラップウエハの表裏面を鏡面に 磨する手順とした。
 このような手順により、スクラップウエハ 利用方法では、鏡面分類工程により鏡面の 無によりスクラップウエハを分類すること 、スクラップウエハの状態の多様性に対応 きる。

 また、前記スクラップウエハ再利用方法に いて、前記鏡面研磨工程と整列工程との間 、前記鏡面研磨工程で鏡面に研磨されたス ラップウエハおよび前記鏡面分類工程です に鏡面に研磨されていた前記スクラップウ ハをP型であるかN型であるかにより分類し かつ、比抵抗を検出して予め設定された比 抗範囲ごとに分類する性能分類工程を行い 前記性能分類工程により分類された前記ス ラップウエハ毎に、前記整列工程により円 状に整列させる手順とした。
 このような手順により、スクラップウエハ 利用方法では、性能分類工程によりスクラ プウエハがP型であるかN型であるか、およ 、比抵抗を検出して分類することで、スク ップウエハの状態の多様性に対応できる。

 表面への親水性の付与は、例えば、表面 水酸基を導入することで行われるが、表面 水酸基同士が水素結合により、シリコン表 をより接近させるため、過熱時のシリコン 散接合が効果的に行え、接合強度が増大す 効果がある。接合強度が増大すると、拡散 合後は接合界面の欠陥の少ない純粋な単結 により近い状態となる。また、表面に熱酸 等の方法で酸化膜を形成すると、表面の酸 シリコン同士の拡散接合がシリコンの拡散 合よりも低温で始まるため、接合強度が増 すると考えられる。更に、不純物を酸化膜 吸収してシリコン中の不純物濃度を低減す 効果も期待できる。

 親水性を付与する方法としては、例えば、S Cl洗浄を行うことで達成される。ここでいう 水性とは、スクラップウエハWの表面に代表 的には水酸基のような極性を有する官能基が 導入された状態をいう。
 熱酸化膜形成は、スクラップウエハから膜 除去した表面に、所定の温度で過熱して熱 化膜を形成する工程である。例えば、850~100 0℃の温度の雰囲気中に所定時間スクラップ エハWを曝すことで、50nm~200nm(好ましくは70nm~ 150nm、さらに好ましくは85nm~125nm)の厚みの熱 化膜をスクラップウエハの表面(表裏面)に形 成することができる。更に、熱酸化膜を形成 した後、その熱酸化膜の表面に親水性を付与 することもできる。

 そして、前記スクラップウエハ再利用方法 おいて、前記加熱工程の後に前記再生イン ットから板状の板状ウエハを切り出す切出 程と、この切出工程により切り出した板状 エハを平坦化すると共に、前記板状ウエハ 加工変質層を取除く変質層除去工程と、を う手順とした。
 このような手順により、スクラップウエハ 利用方法では、切出工程により再生インゴ トから板状ウエハを切り出して使用できる め、スクラップウエハを単体で再利用する 合と比較して無駄になる素材が少なくて済 。

 なお、前記スクラップウエハ再利用方法で って、前記再生インゴットを切り出す切出 程において、前記再生インゴットの軸線方 に平行な方向に板状ウエハを切り出す手順 してもよい。
 このような手順によれば、板状ウエハ表面 垂直方向に電流が流れる電子素子に再利用 る場合は、結晶界面や酸化膜が生成されや い接合界面が板状ウエハの表裏面間に平行 挟まれて半導体デバイスの特性が劣化する とを防止できる。

 また、太陽電池用シリコン基板の製造方 としては、製品であるシリコンウエハとし 利用できないスクラップウエハについて、 柱状の再生インゴットを製造し、その再生 ンゴットから切り出して太陽電池用シリコ 基板を製造する太陽電池用シリコン基板の 造方法において、前記スクラップウエハに 成された膜を除去する膜除去工程と、前記 クラップウエハの膜を除去した表裏面を鏡 に研磨する鏡面研磨工程と、前記鏡面に研 されたスクラップウエハの結晶方位を揃え 重ね合わせ、円柱状に整列させる整列工程 、前記円柱状に整列させた前記スクラップ エハを加熱炉に入れて400℃~1350℃の範囲で 熱することで前記スクラップウエハ同士を 散接合させ再生インゴットを製造する加熱 程と、前記再生インゴットから太陽電池用 リコン基板の厚みに対応して板状の板状ウ ハを切り出す切出工程と、前記板状ウエハ 平坦化すると共に、前記板状ウエハの加工 質層を取除く変質層除去工程と、を含む手 とした。

 このような手順により、太陽電池用シリ ン基板の製造方法では、スクラップウエハ ら膜を除去して鏡面に研磨し、結晶方位を えて円柱状に整列して加熱することで、単 晶に近い類似単結晶の再生インゴットを製 し、その再生インゴットから板状ウエハを り出して平坦化および変質層の除去を行う とで太陽電池用シリコン基板を効率よく製 している。

 太陽電池用シリコン基板の製造方法は、 生インゴットを製造するため、その再生イ ゴットを切断するときの切代に相当する以 は、有効に再利用することができるため、 利用効率が高くなる。また、ほぼ単結晶と て再利用できるため、効率の良い太陽電池 シリコン基板を提供することができる。

本発明に係るスクラップウエハ再利用 法を示すフローチャートである。 本発明に係るスクラップウエハ再利用 法を示す模式図である。

 以下、本発明を実施するための最良の形態 ついて図面を参照して説明する。
 図1は、スクラップウエハ再利用方法の手順 を示すフローチャート、図2は、スクラップ エハ再利用方法の手順を示す模式図である

 図1および図2に示すように、スクラップ エハ再利用方法Sにより使用されるスクラッ ウエハWは、製造工程において発生する不良 なシリコンウエハや、製品として扱う前のテ ストで使用されるテスト用シリコンウエハ等 、正規製品として使用できないシリコンウエ ハである。

 スクラップウエハ再利用方法Sは、スクラ ップウエハWを用いて予め設定された基準に り分類する形状分類工程SA(サイズ別分類工 S1、膜の有無分類工程S2)と、膜除去工程S3と 鏡面分類工程S4と、鏡面研磨工程S5と、性能 分類工程S6と、表面調整工程S7と、整列工程S8 と、加熱工程S9と、により類似単結晶インゴ ト(再生インゴット)を製造している。そし 、スクラップウエハ再利用方法Sでは、さら 、製造した類似単結晶インゴットを切出工 S10と、変質層除去工程SB(ラッピング工程[= 坦化工程]S11、エッチング工程S12)とを行い、 スクラップウエハWを再利用するものである 以下、各工程について説明する。

 図1および図2に示すように、形状分類工 SAは、スクラップウエハWの外形を測定して イズ別に分類するサイズ別分類工程S1と共に 、スクラップウエハWの表面に形成された膜( 化膜、表面電極膜等)の有無により分類する 膜の有無分類工程S2とを行う工程である。な 、スクラップウエハWに形成されている膜は 、より具体的には、Al、W、Ti、Cu等の金属膜 シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリシ コン膜等である。

 この形状分類工程SAは、スクラップウエ Wのサイズ別に分類するサイズ別分類工程S1 、スクラップウエハWの表面に形成された膜 有無により分類する膜の有無分類工程S2と 、どちらを先に行っても構わない。

 形状分類工程SAにおいてサイズ別分類工 S1によりサイズ別にスクラップウエハWを分 する場合には、例えば、スクラップウエハW サイズとしては、直径300mm、200mmである場合 がほとんどで、その他、150mm、125mm、100mmの直 径のものもあるが、数としては少ない。その ため、サイズ別分類工程S1は、搬送径路中あ いは測定位置において、測定手段1を使用し て行う。測定手段1は、例えば、スクラップ エハWの側面に接触する複数の触針1aにより イズを測定して判別するものである。

 また、サイズ別分類工程S1では、スクラ プウエハWの外形サイズ(直径)が測定されて 類できる手段であればよく、例えば、スク ップウエハWの映像からサイズを測定して判 することや、さらに、スクラップウエハWに 光(レーザ光)を走査して外径を計測すること サイズ別に分類すること等であっても構わ い。なお、サイズ別分類工程S1では、サイ の測定(計測)を、スクラップウエハWの搬送 路中であっても、搬送先の測定箇所におい 行っても構わない。

 形状分類工程SAにおいて膜の有無により クラップウエハWを分類する膜の有無分類工 S2は、スクラップウエハWの表面または裏面 膜が有るか無いかによりスクラップウエハW を分類する工程である。この膜の有無分類工 程は、検出手段2により膜の有無を検出して 類している。検出手段2は、例えば、搬送径 中あるいは検出位置にスクラップウエハWの 載置面に接触できる窓部2aがあり、その窓部2 aからと、その窓部に対向する上方からスク ップウエハWの表裏面に探針(図示せず)を接 させることで表面抵抗を測定して判定して る。すなわち、スクラップウエハWの表面側 抵抗と、スクラップウエハWの裏面側の抵抗 とが一致する場合には、膜が無いと判定し、 また、一致しない場合には、膜が有ると判定 することで、スクラップウエハWの表裏面に ける膜の有無を判定している。なお、スク ップウエハWの表面および裏面に光を当てて その当てた光の反射状態により、膜の有無 判定するようにしても構わない。また、膜 有無分類工程S2では、スクラップウエハWの 面の表面抵抗を測定し、次に、反転させて 面の表面抵抗を測定するようにしても構わ い。

 膜除去工程S3は、スクラップウエハWに形 されている膜を除去する工程である。この 除去工程S3は、機械的手段あるいは化学的 段である膜除去手段3により、スクラップウ ハWの膜を除去している。膜除去手段3は、 えば、機械的手段であるグラインディング ラッピング(平坦面研磨)、ブラストにより表 面の膜を除去することや、あるいは、化学的 手段である化学エッチングを行うことで表面 の膜を除去する。なお、膜除去工程S3は、膜 去手段3である機械的手段および化学的手段 の両方を用いて行っても構わない。

 また、化学エッチングによる膜の除去は、 えば、フッ酸、希フッ酸(例えば、HF:H 2 O=1:100)、フッ酸と硝酸の混合物、硝酸、硫酸 過酸化水素の混合物、塩酸、フッ酸と塩酸 混合物などの無機酸類、水酸化カリウム(ナ トリウム)水溶液、水酸化四級アルキルアン ニウム水溶液などのアルカリ溶液類が主に 用される。また、スクラップウエハWの膜が ジストなど有機皮膜であった場合には、ア カノールアミンに代表される有機アミン類 使用される。膜の除去を行う場合、これら 薬液に、スクラップウエハWを浸漬させ各種 膜を溶解あるいは剥離させる。なお、レジス トが有機皮膜であるか否かの判断は、目視に よる外観観察、有機溶剤への溶解試験、膜の 一部を採取して赤外分光分析を実施するなど で判断している。

 スクラップウエハWから膜の溶解あるいは 剥離を行う際、液の攪拌、循環、スクラップ ウエハWを浸漬させた容器、あるいは、スク ップウエハWを載置している載置面を振動さ る動作を併用しても構わない。また、複数 類の薬液を組み合わせて膜の除去を行うこ もあり、例えば、水酸化ナトリウム水溶液 処理した後、フッ酸に浸漬させることで、 クラップウエハWの膜を除去している。なお 、ここでは通常は化学的手段により膜除去を 試み、それだけでは膜を除去できない場合に 機械的手段を採用している。ウエハ表面にパ ターンの跡が存在する場合には機械的手段が 必須となる。また、化学的性質が極端に異な る複数の膜が積層されている場合、単一の薬 液では全ての膜を除去できないので、例えば 、有機溶剤に浸漬して、レジスト膜を除去し た後にフッ酸に浸漬して残りの金属膜や誘電 体膜を除去する。あるいは、銅や銀のような 貴な金属膜が存在する場合、硝酸に浸漬して それらを除去した後にフッ酸に浸漬して誘電 体膜を除去している。

 鏡面分類工程S4は、スクラップウエハWの 裏面に鏡面が形成されているか否かにより クラップウエハWを分類する工程である。こ の鏡面分類工程S4は、鏡面検出手段4により鏡 面の検出を行い分類している。鏡面検出手段 4は、例えば、スクラップウエハWに光を照射 て反射した光の光量により鏡面の有無を判 し分類している。なお、スクラップウエハW の表裏面について鏡面の有無を判定している ため、鏡面検出手段4では、スクラップウエ Wを反転させるか、あるいは、表裏面に光を 射できるように設けた窓部分から光を照射 るように構成されている。

 鏡面研磨工程S5は、スクラップウエハWの 裏面を鏡面に研磨する工程である。この鏡 研磨工程S5では、研磨手段5によりスクラッ ウエハWの研磨されていない表面および裏面 が研磨される。研磨手段5は、例えば、ラッ ング装置によりラッピングされ、研磨装置( 石研磨、バフ研磨等)により鏡面に研磨して いる(シリコンウエハの研磨と同じ手段)。な 、研磨されたスクラップウエハWは洗浄され て研磨粉等が除去される。

 性能分類工程S6は、スクラップウエハWの 能に応じて分類する工程である。この性能 類工程S6では、P型であるかN型であるかの判 定と、比抵抗の値を検出して予め設定された 値の範囲内であるかにより分類している。P およびN型の判定は、シリコンウエハにホウ 、アルミニウム、リン、砒素等がドープさ ているため、例えば、熱起電力法が用いら 、ASTM F42(米国材料試験協会;American Society f or Testing and Materials)に従って熱の伝わり方 測定されて行われる。そして、測定された によりN型とP型に分類される。

 また、比抵抗の測定は、ASTM F84で規定さ た四探針法あるいはASTM F673に規定された渦 電流法を用いて測定される。この比抵抗の範 囲は、再利用の用途に応じて適切な値に均一 とみなせる範囲に区切られことになる。例え ば、太陽電池用シリコン基板に再利用される 場合には、P型で比抵抗が0.3~30ω・cm程度の範 であることが望ましい。

 表面調整工程S7は、スクラップウエハWの 面(表裏面)に付着している微粒子や金属不 物を除去するため、また、シリコンの接合 度を増大させるために行われる工程である この表面調整工程S7は、例えば、RCA Standard  Clean(RCA洗浄)によりスクラップウエハWを洗浄 ている。RCA洗浄が行われたスクラップウエ Wの表面には、親水性基が形成され、スクラ ップウエハWを拡散接合させるために好まし 状態となる。また、表面調整工程S7において 、酸化膜の形成を行ってもよい。スクラップ ウエハWは、所定温度に加熱した状態を所定 間保つことで、表面に酸化膜を形成するこ ができる。さらに、ここで酸化膜が形成さ た場合、その表面をRCA洗浄することで表面 親水性を付与してもよい。

 整列工程S8は、スクラップウエハWに形成 れているオリエンテーションフラットW0(あ いはノッチ)に合わせて揃えることで、結晶 方位を合わせて円柱状に整列させる工程であ る。この整列工程S8は、予め決まった円柱長 になるまでスクラップウエハWが重ね合わせ て整列される。整列工程S8では、例えば、整 手段としてロボットハンドでオリエンテー ョンフラットW0が揃った状態に積み重ねる とで整列させている。なお、スクラップウ ハWは、オリエンテーションフラットW0ある はノッチが形成されていないものであると に、X線を照射して回折光を検出することで 晶方位を検出し、その検出した結晶方位の 向に合わせて整列させられる。

 加熱工程S9は、円筒状に整列したスクラ プウエハWを所定の温度により所定時間で加 する工程である。この加熱工程S9は、例え 、雰囲気調整炉を使用して400~1350℃(適正範 は500~1100℃)の範囲で、1時間~10時間において 熱している。なお、加熱工程S9では、加熱 ながら加圧するようにしても構わない。加 する場合には、スクラップウエハW上に錘を せた状態で加圧しながら加熱する方法やホ トプレス装置等を用いて行う。また、加熱 程S9を行う直前にスクラップウエハWを重ね わせ方向に予め加圧するようにしても構わ い。

 加熱工程S9では、加熱温度と接合強度と 関係から、加熱温度の範囲を400~1350℃の範囲 において行われる。スクラップウエハWは、 然酸化膜で界面が覆われている場合、400℃ 満ではウエハ界面が自然酸化膜表面の水酸 同士の水素結合による接着にとどまってお 、十分な接合強度を得ることができない。 た、シリコンの融点が1414℃であるため、加 温度が1350℃を超えると、温度制御が困難に なる。

 したがって、加熱工程S9における加熱温 の最適範囲は、ウエハ表面の酸化膜の構造 厚みにもよるが400℃以上であり、ここでは 用的な範囲の下限値を500℃以上としている また、加熱工程S9での加熱温度の上限値は、 1350℃以下において、ここでは、加熱時のス ーサに通常用いる石英ガラス材の耐熱性か 1100℃以下としている。さらに、加熱時間は 使用する炉の種類や大きさ、接合させるウ ハ厚みや、直径により異なるが、実用的に 、1時間~10時間である。なお、炉内雰囲気は 、塵埃の付着等が問題にならない清浄なもの であれば、特に限定されるものではない。こ の加熱工程S9によりスクラップウエハWが円柱 状の再生インゴットIGとして製造される。

 加熱工程S9により製造された再生インゴ トIGは、スクラップウエハWの接合面に結晶 面や酸化膜が生成される可能性があるが、 の部分はすべて単結晶のままの構成である したがって、再生インゴットIGは、結晶界面 の酸化膜の厚みは数μm以下であるから、単結 晶の状態で使用できる割合が大きく、完全な 多結晶のウエハに比較して、単結晶として使 用できる状態にかなり近いため、例えば、太 陽電池用シリコン基板として再利用する場合 に優れている。

 切出工程S10は、製造された再生インゴッ IGを板状の板状ウエハWsに切り出す工程であ る。この切出工程S10では、切断手段として、 例えば、ワイヤヤスリ(ワイヤソー)あるいは イヤモンドカッタ(内周切断機)により、再 インゴットIGから所定の厚みの板状ウエハに 切り出される。なお、切出工程S10では、例え ば、太陽電池用シリコン基板として再生した スクラップウエハWを再利用するのであれば 一例として、300μmの厚みに切断されること なる。

 また、切断方向は、再生インゴットIGと る円柱の軸線方向に直交する方向、あるい 、円柱の軸線方向に平行な方向であっても わない。円柱の軸線方向に平行な方向に切 出されることで、板状ウエハWsは、長方形( 示せず)に形成され、あるいは、さらに切断 ることで、所定の四角形(図示せず)に形成 ることができる。また、太陽電池などの板 ウエハ表面に垂直方向に電流が流れる電子 子に再利用する場合は、円柱状インゴット 軸線方向に平行な方向に切り出されること (図示せず)、結晶界面や酸化層が生成されや すい接合界面が板状ウエハの表裏面間に平行 に挟まれてデバイスの特性が劣化することを 防止できる。

 変質層除去工程SBは、切り出された板状 エハWsの表面を平坦化するためにラッピング 工程S11と、このラッピング工程S11の後に薬品 洗浄を行うエッチング工程S12とを行う工程で ある。このラッピング工程S11は、板状ウエハ Wsを研磨(ラッピング)して切断加工歪層を小 くし、厚みのばらつきやムラを小さくして る。

 エッチング工程S12は、ラッピングした板状 エハWsの表面を化学薬品洗浄(エッチング)す る工程である。このエッチング工程S12は、板 状ウエハWsの切断加工歪層を薬品洗浄(エッチ ング)により完全に除去すると同時に、ウエ 表面に付着した研磨剤、ワックス、金属不 物、パーティクル(付着ごみ)を除去している 。
 この変質層除去工程SBを経ることで、板状 エハWsは、単結晶に近い類似単結晶基板とし て使用することができるものとなる。

 そして、板状ウエハWsを太陽電池用シリ ン基板として使用する場合には、変質層除 工程SBの後で、反射防止膜が形成される反射 防止膜形成工程が行われ、さらに電極形成工 程が行われる。なお、反射防止膜としては、 p-CVD法によりSiN膜が形成される。その後、受 面電極としてAgペーストを形成し、また、 面電極としてAlペーストを印刷し、乾燥し、 焼成して電極を形成され、さらに、特性およ び外観などの検査を行ないモジュール製造工 程が行われる。

 以上、説明した各工程は、ここでは、スク ップウエハWのサイズ別等の分類を予め行っ ておくことで、膜除去工程S3と、鏡面研磨工 S5と、整列工程S8と、加熱工程S9を行うこと 、再生インゴットIGを製造することができ 。
 そして、鏡面研磨工程S5と整列工程S8の間に 表面調整工程S7を行うことで、加熱工程S9に り製造される再生インゴットIGを、より単結 晶に近い状態にすることができる。

 さらに、膜除去工程S3の前に形状分類工 SA、膜除去工程S3と鏡面研磨工程S5の間に鏡 分類工程S4、あるいは、鏡面研磨工程S5と整 工程S8との間に性能分類工程S6をそれぞれ単 独であるいは併せて行うことで、スクラップ ウエハWの種類が多様となっても対応するこ ができるようになる。

 また、再生インゴットIGを製造した後に 出工程S10と、変質層除去工程SB(S11、S12)を行 ことで、類似単結晶基板として、太陽電池 シリコン基板に使用することができる。

 説明した各工程は、特に連続して行う必 はなく、各工程を単独の処理として行い、 の工程には、搬送機構(図示せず)により搬 して順次処理することとしてもよい。また 各工程は、それぞれの工程で処理されたス ラップウエハWあるいは再生インゴットIGを ンドラ等の移動手段あるいはコンベヤ等の 送手段を介して、連続して行うように搬送 インを形成して行っても構わない。

 つぎに、図1を参照してスクラップウエハ再 利用方法Sにより太陽電池用シリコン基板を 成する手順を説明する。
 図1に示すように、はじめに、スクラップウ エハWは、形状分類工程SAによりウエハサイズ による分類が行われ、各サイズ後に、膜の有 無による分類が行われる。そして、膜の有無 分類工程で膜が形成されていると分類された スクラップウエハWは、膜除去工程S3により膜 の除去が機械的手段あるいは化学的手段によ り行われる。膜が除去されたスクラップウエ ハWあるいは膜が無いと分類されたスクラッ ウエハWは、鏡面の有無により分類される。 面が無いと分類されたスクラップウエハWは 、鏡面研磨工程S5により鏡面研磨され次工程 送られる。

 なお、鏡面研磨工程S5では、研磨された に洗浄されることが望ましい。鏡面に研磨 れ、あるいは、予め鏡面が形成されていた クラップウエハWは、性能分類工程S6によりP あるいはN型に分類され、また、比抵抗を測 定して予め設定した範囲であるか否かにより 分類される。そして、スクラップウエハWは 分類された毎に、表面調整工程S7によりスク ラップウエハWの表面洗浄あるいは表面調整 行われ、整列工程S8によりオリエンテーショ ンフラットW0またはノッチに合わせて重ね円 状に整列させられる。ついで、加熱工程S9 より加熱炉に入れられて500~1100℃の範囲で、 1時間から10時間の範囲で、加圧しながら加熱 される。そして、この加熱工程S9により再生 ンゴットIGが製造される。

 再生インゴットIGは、切出工程S10により所 厚みの板状ウエハWsに切り出され、ラッピン グ工程S11およびエッチング工程S12により平坦 化され、かつ、変質層が除去され太陽電池用 シリコン基板が製造される。そして、太陽電 池用シリコン基板は、反射防止膜形成工程に より反射防止膜が形成され、さらに電極形成 工程により太陽電池として使用されるときに 必要な電極が形成されることになる。さらに 、特性および外観などの検査を行ないモジュ ール製造工程が行われ太陽電池として使用さ れる。
 なお、再生インゴットIGを製造するときに スクラップウエハWの重ね合わせ方向に加圧 る加圧工程を行う場合は、整列工程S8と加 工程S9の間に行う場合であっても構わず、そ の場合は、ホットプレス装置により所定圧力 をかけて行う。

 つぎに、本発明の実施例について説明する なお、本発明はこの実施例に限定されるも ではない。
 実験内容の説明
 はじめに、両面を鏡面研磨したシリコンウ ハに対して、つぎの3種類の表面調整を行っ た。

 (1)ウエハを希フッ酸(HF:H 2 O=1:100)に浸漬して表面の自然酸化膜を取り除 た(第1ウエハ)。
 (2)前記した自然酸化膜を取り除く処理後、S Cl洗浄(H 2 O 2 :NH 4 OH:H 2 O=1:1:5)し表面を親水性に変えた(第2ウエハ)。
 (3)前記した自然酸化膜を取り除く処理後、 面に厚さ約100nmの熱酸化膜を形成させ、さ に、SCl洗浄(H 2 O 2 :NH 4 OH:H 2 O=1:1:5)し表面を親水性に変える前記(2)と同様 SCl洗浄を行った(第3ウエハ)。

 つぎに、(1)~(3)の処理を行った第1ウエハ、 2ウエハ、第3ウエハを、それぞれ重ねて、結 晶方位を合わせた後、12kgf/cm 2 (1.18MPa)および60kgf/cm 2 (5.88MPa)の加圧下で300℃、450℃、600℃、900℃、 1100℃、1300℃に真空炉中で加熱して2時間保持 する加熱処理を行った。
 熱処理後、第1ウエハを重ね合わせた第1ウ ハインゴット、第2ウエハを重ねた第2ウエハ インゴット、第3ウエハを重ね合わせた第3ウ ハインゴットを取り出し、ワイヤソーにて 合面に垂直に切断し、接合面の状態を光学 微鏡およびSEMで調べた。
 その結果をつぎの表1にまとめた。

評価結果
 表1に示すように、切断状態、光学顕微鏡観 察、SEM観察をつぎの基準により「×」「○」 ◎」として判定した。

 <切断>
×:ウエハが剥離し板状に切断できず
○:板状に切断可能であり全体的な剥離が認 られない(部分的な剥離あり)
◎:板状に切断でき目視では全く剥離が認め れない
 <光顕(光学顕微鏡観察)>
×:全ての貼合わせ面で剥離が認められる
○:全体的な剥離は認められない(部分的な剥 あり)
◎:全く剥離は認められない

 <SEM(SEM観察)>
×:全ての貼合わせ面で剥離が認められる
○:全体的な剥離は認められない(部分的な剥 あり)
◎:全く剥離は認められない

 表1に示すとおり、400~1350℃の範囲で熱処 されたウエハインゴットは、切断時の剥離 少なく良好である。更に表面を親水性に変 た第2ウエハインゴットをこの処理を行って いない第1ウエハインゴットよりも剥離が少 く良好である。更に表面に酸化膜を形成し 親水化処理を施した第3インゴットは、第2イ ンゴットよりも剥離が少なく良好である。