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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF REGENERATING LOWER HYDROCARBON AROMATIZING CATALYST
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149591
Kind Code:
A1
Abstract:
Regeneration of a lower hydrocarbon aromatizing catalyst for enhancing of the stability of catalytic performance is carried out.The method of regenerating an aromatizing catalyst comprises the steps of reacting a lower hydrocarbon aromatizing catalyst having been used in an aromatizing reaction of lower hydrocarbon with hydrogen gas; feeding an inert gas or reducing gas into an atmosphere containing the hydrogen gas having been employed in the reaction with the aromatizing catalyst to thereby lower the temperature of the atmosphere; reacting the aromatizing catalyst having been brought into the reaction with the inert gas with an oxidizing gas; and reacting the aromatizing catalyst having been brought into the reaction with the oxidizing gas with a reducing gas. The step of reacting the aromatizing catalyst with hydrogen gas is carried out within the same temperature region as in the aromatizing reaction. In the temperature lowering step, the inert gas is fed so that the temperature of the aromatizing catalyst is in the range of 400° to 550°C. In the step of reacting the aromatizing catalyst with the oxidizing gas, the temperature of the atmosphere for the reaction of the aromatizing catalyst with the oxidizing gas is set to 450° to 500°C.

Inventors:
MA HONGTAO
OGAWA YUJI
Application Number:
PCT/JP2008/054883
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
March 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MEIDENSHA ELECTRIC MFG CO LTD (JP)
MA HONGTAO
OGAWA YUJI
International Classes:
B01J29/90; B01J29/48; B01J38/10; B01J38/12; C10G35/04
Domestic Patent References:
WO2005028105A12005-03-31
WO2006011568A12006-02-02
Foreign References:
JP2003026613A2003-01-29
JP2005230644A2005-09-02
JPH07258658A1995-10-09
JPH10272336A1998-10-13
JPH1160514A1999-03-02
JP2005254122A2005-09-22
JP2005254121A2005-09-22
JP2006263682A2006-10-05
JP2005254120A2005-09-22
JP2006263683A2006-10-05
JP2007014894A2007-01-25
JP2005255605A2005-09-22
Other References:
JOURNAL OF CATALYSIS, vol. 165, 1997, pages 150 - 161
See also references of EP 2140939A4
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (Ekisaikai Bldg. 1-29, Akashi-cho, Chuo-k, Tokyo 44, JP)
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Claims:
 低級炭化水素の芳香族化反応に供した低級炭化水素の芳香族化触媒を水素ガスと反応させる工程と、
 前記芳香族化触媒と反応させた水素ガスを含む雰囲気に不活性ガスまたは還元性ガスを供して前記雰囲気の温度を降下させる工程と、
 前記温度が降下された雰囲気内の前記芳香族化触媒を酸化性ガスと反応させる工程と、
 この酸化性ガスと反応させた前記芳香族化触媒を還元性ガスと反応させる工程と
を有すること
を特徴とする低級炭化水素の芳香族化触媒の再生方法。
 前記芳香族化触媒を水素ガスと反応させる工程は前記低級炭化水素の芳香族化反応の温度と同じ温度領域で行うことを特徴とする請求項1に記載の低級炭化水素の芳香族化触媒の再生方法。
 前記芳香族化触媒の温度が400℃~550℃となるように前記水素ガスを含む雰囲気に前記不活性ガスまたは還元性ガスを供することを特徴とする請求項2に記載の低級炭化水素の芳香族化触媒の再生方法。
 前記芳香族化触媒を前記酸化性ガスと反応させる雰囲気の温度は450℃~500℃であることを特徴とする請求項3に記載の低級炭化水素の芳香族化触媒の再生方法。
 前記酸化性ガスは酸素濃度が2%となるように酸素ガスが不活性ガスによって希釈されたものであることを特徴とする請求項4に記載の低級炭化水素の芳香族化触媒の再生方法。
Description:
低級炭化水素の芳香族化触媒の 生方法

 本発明は天然ガス、バイオガス、コーク オーブンガス等のメタンを含有するガスか 化学工業原料で使用されるベンゼン類を主 分とする芳香族化合物と燃料電池の燃料と て使用される水素とを効率的に生成する技 に関する。

 メタンからベンゼン等の芳香族化合物と 素とを一段階で芳香族化する触媒としては えば「JOURNAL OF CATALYSIS」(1997年,pp.165、pp.150 ~161)、特開平10-272336号公報及び特開平11-60514 公報に示されている触媒が有効とされてい 。

 しかしながら、これらの触媒を使用した 合でも、炭素析出が多く、炭素析出により 時間に触媒性能が劣化する。また、メタン 換率(芳香族化合物と水素の生成と利用され るメタンの利用率)が低いという問題がある

 そこで、特許文献1~9に示されたようなメ ロシリケート担体にモリブデンまたは少な とも1種にモリブデンを含有する2種以上の 属成分を担持した低級炭化水素の芳香族化 媒の製造方法及びメタンから芳香族化合物 製造方法がある。これらの製造方法による 、水素や二酸化炭素、一酸化炭素を添加し 反応させることで反応中副次的に生成する ーキング(炭素析出またはメタン分解反応)を 抑制し、活性を長時間維持できるようになっ ている。特に、特許文献6の触媒の製造方法 おいてはメタロシリケート担体にシリカ表 処理をすることで触媒の活性が安定するこ が見出されている。

 しかしながら、芳香族化合物及び水素の製 効率をさらに高めるためになお一層優れた 媒の開発が望まれている。先に述べた先行 術においても芳香族炭化水素(例えばベンゼ ン)の生成速度は長時間経過すると徐々に発 する炭素析出を完全に抑制するまでに至ら 、芳香族炭化水素特にベンゼンの生成が低 していくのが現状である。

特開2005-254122

特開2005-254121

特開2006-263682

特開2005-254120

特開2006-263683

特開2007-014894

特開2005-255605

WO05/028105

WO06/011568

 本発明は以上の事情に鑑みなされたもの 、その目的は低級炭化水素から芳香族炭化 素の生成反応においてわずかずつ蓄積する 出炭素を一定時間ごとに除去し触媒性能の 定性を向上させることができる低級炭化水 の芳香族化触媒の再生方法の提供にある。

 本発明に係る低級炭化水素の芳香族化触 の再生方法は、低級炭化水素の芳香族化反 に供した低級炭化水素の芳香族化触媒を水 ガスと反応させる工程と、前記芳香族化触 と反応させた水素ガスを含む雰囲気に不活 ガスまたは還元性ガスを供して前記雰囲気 温度を降下させる工程と、前記温度が降下 れた雰囲気内の前記芳香族化触媒を酸化性 スと反応させる工程と、この酸化性ガスと 応させた前記芳香族化触媒を還元性ガスと 応させる工程とを有する。本発明によれば 香族炭化水素の生成反応において蓄積する 出炭素を一定時間ごとに除去できる。

 前記芳香族化触媒を水素ガスと反応させ 工程においては前記低級炭化水素の芳香族 反応の温度と同じ温度領域で行うとよい。

 前記水素ガスを含む雰囲気の温度を降下 せる工程においては前記芳香族化触媒の温 が400℃~550℃となるように前記水素ガスを含 む雰囲気に不活性ガスまたは還元性ガスを供 するとよい。

 前記芳香族化触媒を酸化性ガスと反応さ る工程においては前記芳香族化触媒を前記 化性ガスと反応させる雰囲気の温度は450℃~ 500℃に設定するとよい。メタン転化率の安定 性及びベンゼン生成速度ともに低下させるこ となく芳香族化触媒を再生できる。

 前記酸化性ガスとしては酸素濃度が2%と るように酸素ガスが不活性ガスによって希 されたものが挙げられる。前記不活性ガス してはヘリウムガス、アルゴンガス、窒素 スが例示される。

 前記雰囲気の温度を降下させる工程に供 れる還元性ガスは例えば水素ガスが挙げら る。一方、前記芳香族化触媒と還元性ガス 反応させる工程に供される還元性ガスはメ ン若しくは水素またはメタンと水素の混合 スが例示される。

 以上の発明によれば触媒性能の安定性を向 させる低級炭化水素の芳香族化触媒を再生 きる。

低級炭化水素の芳香族化反応に用いた 定床流通式反応装置の概略図。 触媒の炭化前処理工程、反応工程及び 生工程のタイムチャート。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化。比較例1の再生工程 よって再生させた触媒を用いて2回目のメタ の芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 400℃) メタン転化率の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化。比較例1の再生 程によって再生させた触媒を用いて2回目の タンの芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm, 100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 400℃) ベンゼン生成速度の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化。比較例2の再生工程 よって再生させた触媒を用いて2回目のメタ の芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 550℃) メタン転化率の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化。比較例2の再生 程によって再生させた触媒を用いて2回目の タンの芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm, 100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 550℃) ベンゼン生成速度の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化。実施例1の再生工程 よって再生させた触媒を用いて2回目のメタ の芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 500℃) メタン転化率の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化。実施例1の再生 程によって再生させた触媒を用いて2回目の タンの芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm, 100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 500℃) ベンゼン生成速度の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化。実施例2の再生工程 よって再生させた触媒を用いて2回目のメタ の芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 450℃) メタン転化率の経時的変化。 1回目のメタンの芳香族化反応を行った場合(7 80℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化。実施例2の再生 程によって再生させた触媒を用いて2回目の タンの芳香族化反応を行った場合(780℃,3atm, 100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 450℃) ベンゼン生成速度の経時的変化。

 以下に発明に係る低級炭化水素の芳香族 触媒の製造方法と再生方法について説明す 。

 1.触媒担体の調製
 先ず、市販のアンモニウム型ZSM-5(SiO 2 /Al 2 O 3 =25~60)の粉末を空気中で700℃にて焼成してH型Z SM-5の粉末を生成した。次いで、このH型ZSM-5 表面酸点を抑制するためにエタノールに溶 したH型ZSM-5ゼオライトに対してSiO 2 換算で0.25重量%となるようにアミノプロピル リエトキシシラン化合物(以下、APTES)を秤量 し、適量のエタノールに溶かして浸漬溶液を 調製した。そして、この浸漬溶液にH型ZSM-5粉 末を添加して室温で攪拌して前記浸漬溶液を H型ZSM-5に十分に含浸させた。次いで、噴霧乾 燥により溶媒のエタノール成分を除去した後 に550℃で6時間焼成して0.25重量%Si担持HZSM-5(以 下、0.25%Si/HZSM-5)粉末を得た。

 2.触媒担体への金属成分の担持
 次に、0.25%Si/HZSM-5粉末に対する金属成分の 持量としてMoの担持量が6重量%となるように7 モリブデン酸6アンモニウム水和物化合物を 量し、適量の蒸留水に溶かした含浸溶液を 製した。そして、この含浸溶液に0.25%Si/HZSM-5 粉末を添加して室温で攪拌しながら前記浸漬 溶液を0.25%Si/HZSM-5に含浸させた。十分に含浸 せてから乾燥噴霧により溶媒の水分を除去 燥させた後に550℃で5時間焼成して6重量%Mo 持0.25重量%Si担持HZSM-5(以下、6%Mo/0.25%Si/HZSM-5) 末を得た。

 3.成型
 成型は以下のように行い平均直径2.4mm、長 5mmの円柱状成型体触媒を得た。

 (1)配合
 無機成分のみの配合:ZSM-5(82.5%)、粘土(12.5%) ガラス繊維(5%)
 全体配合:無機成分(76.5%)、有機バインダー(1 7.3%)、水分(24.3%)
 (2)成型
 前記配合の無機成分、有機バインダー、水 を配合し、ニーダなどを用いて混合、混錬 た。次にこの混合体を真空押し出し真空押 成型機を使用して円柱状(平均直径2.4mm,長さ 5mm)に成型した。この成型時の押し出し圧力 2~8MPaに設定した。

 通常炭化水素を改質するために使用する 媒担体は数μmから数百μmの粒径の粒子を用 て流動床触媒として使用している。この場 の触媒担体の製造方法は触媒の担体材料と 機バインダー、無機バインダー(通常は粘土 を使用)と水を混合しスラリー状としてスプ ードライヤーで造粒成型(成型圧力はない)し た後に焼成する。この場合、成型圧力がない ため、焼成速度を確保するために焼成助材と して加える粘土の添加量が40~60重量%程度であ った。ここでは触媒の成型を真空押出成型機 を用いて高圧成型することにより焼成助材と して加える粘土等の添加材の添加量を15~25重 %に低減することができる。そのため触媒活 性も向上させることができる。

 (3)乾燥及び焼成
 乾燥は成型時に添加した水分を除去するた に70℃で12時間乾燥した後に90℃で約36時間 燥した。焼成は昇温速度及び降温速度とも 90~100℃/時とした。成型時に添加した有機バ ンダーが瞬時に燃焼しないように250~500℃の 温度範囲の中に2~6時間程度の温度保持を2回 施し、バインダーを除去するようにした。 温速度、降温速度がこれ以上のスピードで り、バインダーを除去するキープ時間を確 しない場合にはバインダーが瞬時に燃焼し 焼成体の強度が低下するためである。焼成 度は550~800℃の範囲とした。550℃以下では担 の強度低下、800℃以上では特性の低下が起 るためである。

 4.触媒の活性化前処理
 次いで前記焼成体をメタン/水素=1/4の比率 メタンガスを用いて700℃で炭化させた。こ によりモリブデン成分が炭化モリブデンと ることで触媒が活性化され芳香族化反応を わせることができる。また、炭化をする直 において触媒を空気中で焼成することでよ 高活性な炭化処理を行うことができる。

 5.低級炭化水素の芳香族化反応
 前記炭化処理した触媒(平均直径2.4mm,長さ5mm )を図1に示したように固定床流通式反応装置1 のインコネル800H接ガス部カロライジング処 製反応管(内径18mm)に充填し、表1に示した条 で反応させた。

 以下に発明に係る触媒の炭化前処理工程 反応工程及び再生工程について説明する。

 (1)触媒の炭化前処理工程及び反応工程
 図2に示された触媒の前処理工程、反応工程 のタイムチャートに準じて触媒の再生と芳香 族化の反応を繰り返し実行した。前処理工程 ではCH 4 +4H 2 の雰囲気で2時間かけて700℃まで昇温させた この温度を6時間保温させた。この過程で炭 されたモリブデン成分は活性種となる。反 工程では低級炭化水素としてメタンを用い 反応の安定化のために3%の二酸化炭素を添 し芳香族化反応を行った。反応した生成物 状況はガスクロマトによって行い、分析の 部基準校正として反応に関与しない希ガス アルゴンガスを反応ガスのメタン100に対し 10の割合で混合している。反応は1回の反応 つき15時間反応させ、その後再生処理を施し た後に2回目の反応を繰り返しの反応特性を 価した。

 (2)触媒の再生工程
 触媒の再生は図2に示されたタイムチャート のように4段階で行った。

 第1段階(S1)では反応条件と同じ温度にて 素ガスで2時間再生を行う。これは炭化水素 分の多い除去しやすいコーキングを除くた である。

 第2段階(S2)では温度を400℃から550℃の領 までに降下させる。第2段階に係るガスに酸 、空気その他の酸化性ガスが用いられると 激な炭素の燃焼が起こる。これにより触媒 異常加熱し、ゼオライトが破壊する。さら は、炭化モリブデンが瞬時に酸化モリブデ に酸化され昇華して飛散する。そこで、第2 段階に係るガスには不活性ガスまたは還元性 ガスが用いられる。実施例及び比較例では不 活性ガスとしてヘリウムガスが用いられたが アルゴンガス、窒素ガスでも同様の効果があ る。前記還元性ガスとしては例えば水素ガス が挙げられる。還元性ガスにメタンガスが用 いられるとコーキングが発生する可能性があ るからである。

 第3段階(S3)では不活性ガスで2%の低濃度に 希釈した酸素ガスにて6時間ゆっくりと燃焼 せる。これにより炭素質が多く炭化水素成 が少ない燃焼しにくいコーキングが酸化除 される。尚、空気(酸素濃度20.9%)のような高 度の酸素を含んだ雰囲気では、急激な炭素 燃焼が起こり、触媒が異常加熱してゼオラ トが破壊し、さらには炭化モリブデンが瞬 に酸化モリブデンに酸化され昇華して飛散 るので、望ましくない。

 この第3段階(S3)においては、前処理工程 よって炭化されたモリブデン活性種が再び 化されて酸化モリブデンに戻ってしまう可 性がある。

 そこで、第4段階(S4)では触媒をCH 4 +4H 2 の雰囲気で700℃の温度に昇温させ、さらにそ の後、この温度を保持して炭化処理を行う。 これは酸化モリブデンに戻ってしまった可能 性のあるモリブデン成分を再び炭化し、活性 種である炭化されたモリブデンとするためで ある。本段階では初回の炭化前処理工程のよ うに室温から700℃へ昇温する必要はなく、第 3段階(S3)の再生温度(400℃から550℃)からの昇 でかまわない。これはモリブデンの炭化がCH 4 +4H 2 の雰囲気で700℃の温度を一定時間保持するこ とでなされるからである。再炭化された触媒 は再び2回目の芳香族化反応に供される。

 発明に係る低級炭化水素の芳香族化触媒 再生方法の実施例及び比較例を以下に示す

 (比較例1)
 前述の活性化前処理に基づく炭化処理によ て得られた触媒を図1に示した固定床流通式 反応装置1の反応管に充填して表1の反応条件 基づく1回目のメタンの芳香族化反応を行い 、メタン転化率及びベンゼン生成速度を経時 的に調べた。

 次いで、前記芳香族化反応に供した触媒 前述の再生工程によって再生させた。但し 第3段階の酸素雰囲気での再生工程は温度400 ℃のもとで行った。そして、この再生工程に よって再生させた触媒を図1に示された固定 流通式反応装置1の反応管に充填して表1の反 応条件に基づく2回目のメタンの芳香族化反 を行い、メタン転化率及びベンゼン生成速 を経時的に調べた。尚、メタン転化率及び ンゼン生成速度は以下の通りに定義される( 較例2、実施例1及び実施例2の説明において 同じ)。

 「メタン転化率(%)」=[(「原料メタン流速」- 「未反応のメタン流速」)/「原料メタン流速 ]×100
 「ベンゼン生成速度」=「触媒1gあたり、1秒 間に生成したベンゼンのnmol数」。

 (比較例2)
 前述の活性化前処理に基づく炭化処理によ て得られた触媒を図1に示した固定床流通式 反応装置1の反応管に充填して表1の反応条件 基づく1回目のメタンの芳香族化反応を行い 、メタン転化率及びベンゼン生成速度を経時 的に調べた。

 次いで、前記芳香族化反応に供した触媒 前述の再生工程によって再生させた。但し 第3段階の酸素雰囲気での再生工程は温度550 ℃のもとで行った。そして、この再生工程に よって再生させた触媒を図1に示された固定 流通式反応装置1の反応管に充填して表1の反 応条件に基づく2回目のメタンの芳香族化反 を行い、メタン転化率及びベンゼン生成速 を経時的に調べた。

 (実施例1)
 前述の活性化前処理に基づく炭化処理によ て得られた触媒を図1に示した固定床流通式 反応装置1の反応管に充填して表1の反応条件 基づく1回目のメタンの芳香族化反応を行い 、メタン転化率及びベンゼン生成速度を経時 的に調べた。

 次いで、前記芳香族化反応に供した触媒 前述の再生工程によって再生させた。但し 第3段階の酸素雰囲気での再生工程は温度500 ℃のもとで行った。そして、この再生工程に よって再生させた触媒を図1に示された固定 流通式反応装置1の反応管に充填して表1の反 応条件に基づく2回目のメタンの芳香族化反 を行い、メタン転化率及びベンゼン生成速 を経時的に調べた。

 (実施例2)
 前述の活性化前処理に基づく炭化処理によ て得られた触媒を図1に示した固定床流通式 反応装置1の反応管に充填して表1の反応条件 基づく1回目のメタンの芳香族化反応を行い 、メタン転化率及びベンゼン生成速度を経時 的に調べた。

 次いで、前記芳香族化反応に供した触媒 前述の再生工程によって再生させた。但し 第3段階の酸素雰囲気での再生工程は温度450 ℃のもとで行った。そして、この再生工程に よって再生させた触媒を図1に示された固定 流通式反応装置1の反応管に充填して表1の反 応条件に基づく2回目のメタンの芳香族化反 を行い、メタン転化率及びベンゼン生成速 を経時的に調べた。

 図3は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化を示す。また、比較例 1の再生工程によって再生させた触媒を用い 2回目のメタンの芳香族化反応を行った場合( 780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 400℃) メタン転化率の経時的変化を示す。

 図4は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化を示す。また、比 較例1の再生工程によって再生させた触媒を いて2回目のメタンの芳香族化反応を行った 合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 400℃) ベンゼン生成速度の経時的変化を示す。

 図3を参照しながら1回目の芳香族化反応 比較例1の400℃で再生処理した場合の2回目の 芳香族化反応とを比較するとメタン転化率の 安定性は保たれている。これは第1段階(S1)の 素雰囲気での処理による効果であるものと えられる。一方、図3及び図4の特性図を参 すると、再生後の2回目の芳香族化反応のほ がメタン転化率及びベンゼン生成速度とも 1回目の芳香族化反応よりも低下している。 これは再生工程の第1段階(S1)における水素雰 気での処理の効果であるが、第3段階(S3)の 素雰囲気での再生工程に係る温度では低く 十分であることを示唆している。

 図5は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化を示す。また、比較例 2の再生工程によって再生させた触媒を用い 2回目のメタンの芳香族化反応を行った場合( 780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 550℃) メタン転化率の経時的変化を示す。

 図6は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化を示す。また、比 較例2の再生工程によって再生させた触媒を いて2回目のメタンの芳香族化反応を行った 合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 550℃) ベンゼン生成速度の経時的変化を示す。

 図5及び図6を参照しながら1回目の芳香族 反応と比較例1に係る第3段階において酸素 囲気のもと550℃で再生処理した場合の2回目 芳香族化反応とを比較すると、第1段階(S1) おける水素雰囲気での処理の効果があり、 タン転化率の安定性は保たれている。しか ながら、メタン転化率、ベンゼン生成速度 もに比較例1と同様に低下、特にベンゼン生 速度が著しく低下している。このことから5 50℃の再生温度では高すぎることが示唆され 。

 一方、図7は1回目のメタンの芳香族化反応 行った場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化を示す。また、実施例 1の再生工程によって再生させた触媒を用い 2回目のメタンの芳香族化反応を行った場合( 780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 500℃) メタン転化率の経時的変化を示す。

 図8は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化を示す。また、実 施例1の再生工程によって再生させた触媒を いて2回目のメタンの芳香族化反応を行った 合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 500℃) ベンゼン生成速度の経時的変化を示す。

 図9は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のメタ ン転化率の経時的変化を示す。また、実施例 2の再生工程によって再生させた触媒を用い 2回目のメタンの芳香族化反応を行った場合( 780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 450℃) メタン転化率の経時的変化を示す。

 図10は1回目のメタンの芳香族化反応を行っ 場合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,fresh catalyst)のベン ゼン生成速度の経時的変化を示す。また、実 施例2の再生工程によって再生させた触媒を いて2回目のメタンの芳香族化反応を行った 合(780℃,3atm,100CH 4 +3CO 2 の供給ガス,空間速度SV3000,regenerated at 450℃) ベンゼン生成速度の経時的変化を示す。

 図7~図10の特性図から明らかなように触媒 の再生工程の第3段階における再生温度が450 、500℃である場合、メタン転化率の安定性 びベンゼン生成速度ともに低下させること く芳香族化触媒を効果的に再生できる。ま 、再生工程の第3段階に係る雰囲気の酸素濃 は2%の低濃度であっても十分に効果が得ら ることも確認された。