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Patent Searching and Data


Title:
MOISTURE-CURING HOT-MELT ADHESIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145316
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a moisture-curing hot-melt adhesive which has an excellent solidifying performance with a lowering in temperature, shows a small shrinkage at solidification, sustains the surface uniformity of a thus obtained laminate after the completion of the solidification, and causes no damage on the cutting properties of the laminate.  A moisture-curing hot-melt adhesive which is a moisture-curing hot-melt adhesive containing a urethane polymer having a terminal isocyanate group, wherein the urethane polymer has a bisphenol structure and a chemical structure derived from an aliphatic dicarboxylic acid having 10 to 18 carbon atoms.  A laminate can be appropriately produced by bonding a decorative material to a base material with the use of the moisture-curing hot-melt adhesive as described above.  The laminate thus obtained can be preferably usable as an IC card and so on.

Inventors:
MATSUKI YUICHI (JP)
YAMAUCHI MASARU (JP)
YOSHIDA YOSHIO (JP)
HAYAKAWA TADASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059895
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HENKEL TECHNOLOGIES JAPAN LTD (JP)
MATSUKI YUICHI (JP)
YAMAUCHI MASARU (JP)
YOSHIDA YOSHIO (JP)
HAYAKAWA TADASHI (JP)
International Classes:
C09J175/06
Domestic Patent References:
WO2008065921A12008-06-05
WO2009011177A12009-01-22
WO2005097933A12005-10-20
WO2008026513A12008-03-06
Foreign References:
JP2007063510A2007-03-15
JP2001262112A2001-09-26
JP2007091996A2007-04-12
JP2007161991A2007-06-28
JPH0551573A1993-03-02
JP2004534132A2004-11-11
JPH10511716A1998-11-10
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (JP)
Mitsuo Tanaka (JP)
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Claims:
 イソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤であって、
 ウレタンプレポリマーは、ビスフェノール構造、及び炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造を有する、湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 ビスフェノール構造は、(A)ビスフェノール系ポリオールに由来し、
 炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造は、(B)炭素数が10~18の脂肪族ジカルボン酸とジオールとの反応で得られるポリエステルポリオールに基づく、請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 請求項1又は2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤で化粧材と基材とを貼り合わせることで得られる積層品。
Description:
湿気硬化型ホットメルト接着剤

 本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着 及びその湿気硬化型ホットメルト接着剤を 布することで得られる積層品に関するもの ある。

 例えば、合板、パーティクルボード、プ スチック等の基材に化粧材を貼り付けて積 品を製造する場合、種々の接着剤、例えば 溶剤系接着剤、ポリエステル系ホットメル 接着剤、湿気硬化ホットメルト接着剤が利 されてきた。

 年々、重視される環境衛生面を考慮する 、溶剤系接着剤を利用するのは好ましくな 。また、ポリエステル系ホットメルト接着 は、軟化点が高いので、高温(約180℃)で化 材に塗布しなければならない。

 積層品の一形態として、例えば、ICチッ が実装された基材に化粧材を貼り付けたカ ド状の積層品、いわゆるICカードがある。IC ップは、年々小型化されており、その分、 に対する抵抗性も乏しくなっている。従来 ICカードを製造する場合、ポリエステル系 ットメルト接着剤が利用されてきたが、ポ エステル系ホットメルト接着剤は、上述し ように高温で塗布されるので、ICチップが熱 で損傷する恐れがある。従って、近年では、 ポリエステル系ホットメルト接着剤の代替と して、接着可能時間が長く、低温での接着加 工性に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤 が注目されつつある(特許文献1~3)。湿気硬化 ホットメルト接着剤は、加熱溶融した接着 が、温度低下によって物理的に固化した後 湿気によって化学的に硬化するという特徴 有する。

 ICカードは、磁気カードに比べて記憶容 が大きくセキュリティ性も高いので、例え 、身分証明カード、キャッシュカード、ク ジットカード等として、更に利用されてい ことが予想される。従って、湿気硬化型ホ トメルト接着剤には、ICカードの品質を維持 させ、ICカードの生産性を低下させないこと 望まれている。

 通常、ICカードを製造するためには、ICチ ップが埋め込まれた成形樹脂や樹脂フィルム 等を基材として準備し、樹脂(ポリエチレン レフタレート等)フィルム等の化粧材に湿気 化型ホットメルト接着剤を加熱溶融して塗 して、上述の基材に上記化粧材を貼り付け 。湿気硬化型ホットメルト接着剤を、温度 下によって固化後、得られた積層体を適当 大きさに切断する等の加工をする。切断し 得られたICカードは、一定期間、複数が重 合わさった状態で保管される。

 しかし、上記工程に湿気硬化型ホットメ ト接着剤を用いてICカードを製造すると、 気硬化型ホットメルト接着剤の温度低下に る固化後のタック消失が遅い(即ち、タック リータイムが長い)ので、重ね合わされたIC ードが、それらの切断箇所同士で接着し、 産効率上好ましくない。更に、温度低下に る湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱収縮 (「固化収縮率」ともいう)が大き過ぎるた 、カードが収縮し、表面が均一にならない とがある。即ち、カード表面に凹凸が発生 、ICチップ実装部分が盛り上がったICカード 生産されることになる。

 湿気硬化型ホットメルト接着剤は低温での 布が可能であるが、上述したようにICカー を適当な大きさに裁断したり、打ち抜いて 工することを考慮すると、必ずしも湿気硬 型ホットメルト接着剤は好適ではなく、ICカ ードの裁断性が低下することがある。
 特許文献3では、ICカードの裁断性を高める めに、ある程度、硬化が進んだ接着剤を利 する。しかし、裁断性を向上させるのに、 化が進んだ接着剤を使うということは、接 剤を硬化させる時間を要する等、ICカード 生産性が低下する。また、ICカードの生産性 を向上させるために接着剤の硬化が進んでな い状態で裁断すると、ICカードを上手に打ち けないことがある。

特開2006-18364号公報

特開2003-67694号公報

特開2006-133901号公報

 本発明は、かかる課題を解決するために されたもので、本発明の目的は、温度低下 よる優れた固化性能を有し、熱収縮率(又は 固化収縮率)が小さく、得られる積層品表面 均一性が固化後も保たれ、積層品の裁断性 低下させない湿気硬化型ホットメルト接着 を提供することである。更に、その湿気硬 型ホットメルト接着剤が塗布されて得られ 積層品、特にICカードを提供することである 。

 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、湿気 化型ホットメルト接着剤に特定の二種類の 学構造を導入することで、驚くべきことに 記課題を解決できることを見出し、本発明 完成させるに至ったものである。
 即ち、本発明は、一の要旨として、イソシ ネート基を末端に有するウレタンプレポリ ーを含む湿気硬化型ホットメルト接着剤で って、ウレタンプレポリマーは、ビスフェ ール構造、及び炭素数10~18の脂肪族ジカル ン酸に由来する化学構造を有する、湿気硬 型ホットメルト接着剤を提供する。

 本発明の一態様として、ビスフェノール 造は、「(A)ビスフェノール系ポリオール」 由来し、炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸 由来する化学構造は、(B)炭素数が10~18の脂肪 族ジカルボン酸とジオールとの反応で得られ るポリエステルポリオール(以下、「(B)ポリ ステルポリオール」という)に基づく、上記 気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。

 本発明では、(A)ビスフェノール系ポリオ ルは、ビスフェノールA又はその変性物であ り、(B)ポリエステルポリオールは、ドデカン 二酸とジオールとの反応で得られる、上記湿 気硬化型ホットメルト接着剤が好ましい。

 本発明の別の態様として、ウレタンプレ リマーは、炭素数10未満のジカルボン酸に 来する化学構造を有する、上記湿気硬化型 ットメルト接着剤を提供する。

 本発明では、炭素数10未満の脂肪族ジカ ボン酸に由来する化学構造は、(C)炭素数が10 未満のジカルボン酸とジオールとの反応で得 られるポリエステルポリオール(以下、「(C) リエステルポリオール)という)に基づく、上 記湿気硬化型ホットメルト接着剤が好ましい 。

 本発明の好ましい態様として、ウレタン レポリマーは、(A)ビスフェノール系ポリオ ル、(B)炭素数が10~18の脂肪族ジカルボン酸 ジオールとの反応で得られるポリエステル リオール、(C)炭素数が10未満のジカルボン酸 とジオールとの反応で得られるポリエステル ポリオール及び(D)イソシアネート化合物を反 応させることによって得られる、上記湿気硬 化型ホットメルト接着剤を提供する。

 本発明は、(A)~(C)の総量100重量部に対し、 (A)が20~40重量部、(B)が8~40重量部である、上記 湿気硬化型ホットメルト接着剤が好ましい。

 本発明の他の態様として、成分(B)は、60 より高く、120℃より低い融点を有する、ポ エステルポリオールであり、成分(C)は、40~60 ℃の融点を有するポリエステルポリオールで ある、上記湿気硬化型ホットメルト接着剤を 提供する。

 本発明の第二の要旨として、上記湿気硬化 ホットメルト接着剤で基材と化粧材とを貼 合わせることで得られる積層品を提供する
 本発明の好ましい態様として、上記基材と 粧材とを100~130℃に熱した状態で貼り合わせ 、放冷した後、60~90℃で基材と化粧材とを再 加熱することで得られる積層品を提供する

 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接 剤は、イソシアネート基を末端に有するウ タンプレポリマーを含み、ウレタンプレポ マーは、ビスフェノール構造、及び炭素数1 0~18の脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構 を有するので、温度低下による優れた固化 能を有し(即ち、タックフリータイムが短く) 、熱収縮率(又は固化収縮率)が小さく、得ら る積層品表面の均一性を保持し、積層品の 断性を低下させない、総合的な性能に優れ 積層品、特にICカードを効率良く生産する とが可能となる。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、 スフェノール構造は、(A)ビスフェノール系 リオールに由来し、炭素数10~18の脂肪族ジ ルボン酸に由来する化学構造は、(B)炭素数 10~18の脂肪族ジカルボン酸とジオールとの反 応で得られるポリエステルポリオールに基づ くので、より優れた固化性能を有し、固化収 縮率がより小さく、積層品表面の均一性を保 持し、積層品の裁断性を低下させない。従っ て、より総合的に優れた積層品(特にICカード )を、更に効率良く生産することが可能とな 。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、( A)ビスフェノール系ポリオールは、ビスフェ ールA又はその変性物であり、(B)ポリエステ ルポリオールは、ドデカン二酸とジオールと の反応で得られるので、より優れた固化性能 を有し、固化収縮率がより小さく、積層品表 面の均一性を保持し、積層品の裁断性をより 低下させない。従って、より総合的に優れた 積層品(特にICカード)を、更に効率良く生産 ることが可能となる。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、 レタンプレポリマーは、炭素数10未満のジ ルボン酸に由来する化学構造を有するので (A)成分と(B)成分との相溶性がより一層向上 、固化性能が向上し、固化収縮率が更に小 くなり、積層品の表面がより均一になり、 層品の裁断性がより低下しない。従って、 り総合的に優れた積層品(特にICカード)を、 に効率良く生産することが可能となる。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、 素数10未満のジカルボン酸に由来する化学 造は、(C)炭素数が10未満のジカルボン酸とジ オールとの反応で得られるポリエステルポリ オールに基づくので、(A)成分と(B)成分との相 溶性がより一層向上し、固化性能が向上し、 固化収縮率が更に小さくなり、積層品の表面 がより均一になり、積層品の裁断性がより低 下しない。従って、より総合的に優れた積層 品(特にICカード)を、更に効率良く生産する とが可能となる。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、 レタンプレポリマーは、(A)ビスフェノール ポリオール、(B)炭素数が10~18の脂肪族ジカ ボン酸とジオールとの反応で得られるポリ ステルポリオール、(C)炭素数が10未満のジカ ルボン酸とジオールとの反応で得られるポリ エステルポリオール及び(D)イソシアネート化 合物を反応させることによって得られるので 、(C)成分が添加されることで、(A)成分と(B)成 分との相溶性がより一層向上し、固化性能が 更に向上し、固化収縮率が更に小さくなり、 得られる積層品表面の均一性をより保持し、 積層品の裁断性をより低下させない。従って 、より総合的に優れた積層品(特にICカード) 、更に効率良く生産することが可能となる

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、( A)~(C)の総量100重量部に対し、(A)が20~40重量部 (B)が8~40重量部であるので、より優れた固化 性能を有し、固化収縮率がより小さくなり、 積層品表面の均一性をより保持し、裁断性を 低下させない。特に、固化性能に優れ、積層 品の裁断性を低下させない湿気硬化型ホット メルト接着剤が得られる。従って、総合的に 優れた性能の積層品、特に裁断性に優れた積 層品(特にICカード)を極めて効率良く生産す ことが可能となる。

 上記湿気硬化型ホットメルト接着剤は、 分(B)は、60℃より高く、120℃より低い融点 有する、ポリエステルポリオールであり、 分(C)は、40~60℃の融点を有するポリエステル ポリオールであるので、より優れた固化性能 を有し、積層品の裁断性をより低下させない 。特に耐熱性に優れ、かつ、約120℃に加熱後 放冷し、湿気硬化が完了する前に、60~90℃に 加熱すると、再び流動する湿気硬化型ホッ メルト接着剤が得られる。従って、総合的 優れた積層品、特に耐熱性に優れ、均一な 面を有する積層品(特にICカード)を効率良く 生産することが可能となる。

 本発明に係る積層品は、上記湿気硬化型 ットメルト接着剤で化粧材と基材とを貼り わせることで得られるので、均一な表面を し、裁断性に優れる。優れる固化性能を有 る湿気硬化型ホットメルト接着剤を塗布し 得られる積層品なので、裁断後、重ね合わ て放置することが可能である。

 上記積層品においては、化粧材と基材と 100~130℃に熱した状態で貼り合わせ、放冷し た後、60~90℃に、化粧材及び基材を再度加熱 ることで得られるので、均一な表面を有し 裁断性に優れる。特に、表面の均一性に優 る積層品が得られる。

 本発明において、「イソシアネート基を 端に有するウレタンプレポリマー」とは、 般にイソシアネート基を末端に有するウレ ンプレポリマーとされるものであって、目 とする湿気硬化型ホットメルト接着剤を得 ことができる限り、特に制限されるもので ない。このようなウレタンプレポリマーは ポリオールとイソシアネート化合物とを従 知られた方法にしたがつて反応させること 得ることができる。尚、本明細書では、「 ソシアネート基を末端に有するウレタンプ ポリマー」を、単に、「ウレタンプレポリ ー」とも記載する。

 本発明において、「ビスフェノール構造 とは、下記化学式(I)に示す化学構造を意味 る。このビスフェノール構造は、目的とす 湿気硬化型ホットメルト接着剤を得ること できる限り、ウレタンプレポリマー中に、 かなる形で組み込まれていても良く、ビス ェノール構造の任意の位置が任意の置換基 置換されて良いが、置換されていなくても い。

 [R 1 及びR 2 は、水素又はアルキル基であり、同一でも異 なっても良い。]

 本発明において、ビスフェノール構造は、( A)ビスフェノール系ポリオールに由来するこ が好ましい。「(A)ビスフェノール系ポリオ ル」として、ビスフェノールA(R 1 及びR 2 は、メチル基である)、ビスフェノールF(R 1 及びR 2 は、水素である)及びビスフェノールAD(R 1 は、水素であり、R 2 は、メチル基である)及びこれらの変性物を 示することができる。特に、ビスフェノー A及びその変性物が好ましい。ビスフェノー 構造は、単独で又は組み合わせて使用する とができ、同様に(A)ビスフェノール系ポリ ールも単独で又は組み合わせて使用するこ ができる。

 本発明における、「炭素数10~18の脂肪族 カルボン酸に由来する化学構造」とは、下 化学式(II)に示す化学構造を意味する。従っ 、「炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸」と 、鎖状構造のアルキレン基の両末端に二つ カルボキシル基を有し、その間に、一列に 状につながった炭素鎖(即ち、直鎖アルキレ 基)の炭素原子数が8~16であるジカルボン酸 意味する。この炭素数10~18の脂肪族ジカルボ ン酸に由来する化学構造は、目的とする湿気 硬化型ホットメルト接着剤を得ることができ る限り、ウレタンプレポリマー中に、いかな る形で組み込まれていても良く、炭素数10~18 脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造の 意の位置が任意の置換基で置換されていて 良いが、置換されていなくても良い。尚、 素数10~18の脂肪族ジカルボン酸に由来する 学構造の任意の位置が任意の置換基で置換 れており、その置換基に炭素原子が含まれ としても、その炭素原子数は、炭素数10~18の 脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造の炭 素原子数として考慮しない。

 [nは、8~16の自然数である。]

 本発明において「炭素数10~18の脂肪族ジ ルボン酸に由来する化学構造」は、得られ 湿気硬化型ホットメルト接着剤の物理的固 し易さを考慮すると、(B)ポリエステルポリ ールに屈曲構造を生じにくいものが好まし 。従って、上記化学式(II)のnは、偶数である こと、即ち、n=8、10、12、14及び16から選択さ る少なくとも一種であること(デカン二酸、 ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデ カン二酸及びオクタデカン二酸から選択され る少なくとも一種に由来すること)が好まし 。特にn=10であることが好ましい。炭素数10~1 8の脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造 単独で又は組み合わせて使用することがで 、同様に炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸も 単独で組み合わせて使用することができる。

 更に、炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸に 来する化学構造は、上述の(B)炭素数が10~18の 脂肪族ジカルボン酸とジオールとの反応で得 られるポリエステルポリオール(以下、「(B) リエステルポリオール」ともいう)に基づく とが好ましい。
 そのような「(B)ポリエステルポリオール」 して、下記化学式(III)に示す構造を有する リエステルポリオールが好ましい。

 [nは、8~16の自然数である。R 3 は、鎖状及び環状のアルキレン基であって、 その任意の位置が任意の置換基で置換されて いてもよい。]

 (B)ポリエステルポリオールは、得られる湿 硬化型ホットメルト接着剤の物理的固化し さを考慮すると、屈曲構造を生じにくいも が好ましい。従って、上記化学式(III)のnも 数であることが、即ち、n=8、10、12、14及び1 6から選択される少なくとも一種であること 好ましい。R 3 についても、得られる湿気硬化型ホットメル ト接着剤の物理的固化し易さを考慮すると、 (B)ポリエステルポリオールに屈曲構造を生じ にくいアルキレン基が好ましく、R 3 は、より具体的には、
 化学式(IV):-(CH 2 ) m -
[m=2~16]で示されるものが好ましい。ここで、m は、偶数であることがより好ましく、m=2、4 6、8及び10から選択される少なくとも一種が に好ましい。化学式(IV)のアルキレン基は、 任意の位置に任意の置換基を有してよいが、 有さなくても良い。

 本発明に係る(B)ポリエステルポリオール 得るために用いられるジオールとして、例 ば、エチレングリコール、1-メチルエチレ グリコール、1-エチルエチレングリコール、 プロピレングリコール、ブタンジオール、ペ ンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタ ンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ ール、デカンジオール、ネオペンチルグリコ ール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、シク ヘキサンジメタノール、2,4-ジメチル-1,5-ペ タンジオール等を例示できる。エチレング コール、ブタンジオール、ヘキサンジオー 、オクタンジオール及びデカンジオールか 選択される少なくとも一種が好ましい。(B) リエステルポリオールを得るために用いら るジオールは単独で又は組み合わせて使用 ることができる。

 本発明に係る「(B)ポリエステルポリオー 」は、デカン二酸、ドデカン二酸、テトラ カン二酸、ヘキサデカン二酸及びオクタデ ン二酸から選択される少なくとも一種と上 ジオールとの反応で得られたものが好まし 、ドデカン二酸と、ヘキサンジオール及び チレングリコールから選択される少なくと 一種との反応で得られたものがより好まし 、ドデカン二酸とヘキサンジオールとの反 で得られたものが特に好ましい。(B)ポリエ テルポリオールは、結晶性であることが好 しく、その融点は、60℃より高く、120℃よ 低いことが好ましく、融点は、特に70~90℃で あることが好ましい。(B)ポリエステルポリオ ールは、単独で又は組み合わせて用いること ができる。

 本発明における、「炭素数10未満のジカ ボン酸に由来する化学構造」とは、下記化 式(V)に示す化学構造を意味する。従って、 炭素数10未満のジカルボン酸」とは、脂肪族 ジカルボン酸であっても、脂環式ジカルボン 酸であっても、芳香族ジカルボン酸であって もよい。この炭素数10未満のジカルボン酸に 来する化学構造は、目的とする湿気硬化型 ットメルト接着剤を得ることができる限り ウレタンプレポリマー中に、いかなる形で み込まれていても良く、炭素数10未満のジ ルボン酸に由来する化学構造の任意の位置 任意の置換基で置換されていても良いが、 換されていなくても良い。

 [R 4 は、炭素数8未満のアルキレン基、炭素数8未 のシクロアルキレン基、炭素数8未満のフェ ニレン基を意味し、任意の位置が任意の置換 基で置換されていても良い。尚、R 4 の任意の位置が置換基で置換されており、そ の置換基に炭素原子が含まれる場合、その炭 素原子の数も、R 4 の有する炭素原子数として考慮する。例えば 、R 4 が1,4-ブチレン基の場合、2の位置がメチル基 置換されていてもよく、この場合のR 4 の合計の炭素原子数は、5である。]
 化学式(V)中の、R 4 として、具体的には、例えば、C1~C7のアルキ ン基、C3~C7のシクロアルキレン基、1,4-フェ レン基等を例示することができる。

 本発明において「炭素数10未満のジカルボ 酸に由来する化学構造」は、得られる湿気 化型ホットメルト接着剤の物理的固化し易 を考慮すると、(C)ポリエステルポリオール 屈曲構造を生じにくいものが好ましい。従 て、上記化学式(V)のR 4 は、炭素数が偶数の直鎖アルキレン基、シク ロアルキレン基、及びp-フェニレン基から選 される少なくとも一種であること(具体的に は、例えば、1,2-エチレン基、1,4-ブチレン基 1,6-ヘキシレン基、トランス-1,4-シクロヘキ レン基、1,4-フェニレン基)(即ち、コハク酸 アジピン酸、スベリン酸、シクロヘキサン- トランス-1,4-ジカルボン酸及びテレフタル酸 ら選択される少なくとも一種に由来するこ )が好ましい。特に、1,4-ブチレン基(アジピ 酸に由来する)であることが好ましい。炭素 数10未満のジカルボン酸に由来する化学構造 単独で又は組み合わせて使用することがで 、同様に炭素数10未満のジカルボン酸も単 で組み合わせて使用することができる。

 更に、炭素数10未満のジカルボン酸に由来 る化学構造は、上述の(C)炭素数が10未満のジ カルボン酸とジオールとの反応で得られるポ リエステルポリオール(以下、「(C)ポリエス ルポリオール」ともいう)に基づくことが好 しい。
 そのような「(C)ポリエステルポリオール」 して、下記化学式(VI)に示す構造を有するポ リエステルポリオールが好ましい。

 [R 4 は、炭素数8未満のアルキレン基、炭素数8未 のシクロアルキレン基、炭素数8未満のフェ ニレン基を意味し、任意の位置が任意の置換 基で置換されていても良い。
 R 5 は、鎖状及び環状のアルキレン基であって、 その任意の位置が任意の置換基で置換されて いてもよいが、置換されていなくてもよい。 ]

 (C)ポリエステルポリオールは、得られる湿 硬化型ホットメルト接着剤の物理的な固化 し易さを考慮すると、屈曲構造を生じにく ものが好ましい。従って、上記化学式(VI)の R 4 は、上述したように、炭素数が偶数の直鎖ア ルキレン基、シクロアルキレン基、及びp-フ ニレン基から選択される少なくとも一種で ること(例えば、コハク酸、アジピン酸、ス ベリン酸、シクロヘキサン-トランス-1,4-ジカ ルボン酸及びテレフタル酸から選択される少 なくとも一種に由来すること)が好ましい。

 R 5 についても、得られる湿気硬化型ホットメル ト接着剤の物理的な固化のし易さを考慮する と、(C)ポリエステルポリオールに屈曲構造を 生じにくいアルキレン基が好ましい。
 R 5 は、具体的には、化学式(VII):HO-(CH 2 ) m -OH[m=2~10]で示されるものが好ましい。ここで mは、偶数であることが特に好ましい。具体 的には、(B)ポリエステルポリオールのために 例示したジオールを同様に使用することがで きる。ジオールも、得られる湿気硬化型ホッ トメルト接着剤の物理的な固化のし易さを考 慮すると、(C)ポリエステルポリオールに屈曲 構造を生じにくいアルキレン基が好ましい。 エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキ サンジオール、オクタンジオール及びデカン ジオールが好ましい。(C)ポリエステルポリオ ールを得るために用いられるジオールは単独 で又は組み合わせて使用することができる。
 (C)ポリエステルポリオールは、結晶性を有 ることが好ましく、その融点は、40℃~60℃ あることが好ましく、特に50~60℃であること がより好ましい。(C)ポリエステルポリオール は、単独で又は組み合わせて用いることがで きる。

 本発明では、(D)イソシアネート化合物は 特に限定されるものではなく、通常のポリ レタン製造に使用されるものを用いること でき、単独でもしくは組み合わせて用いる とができる。具体的には、例えば、エチレ ジイソシアネート、エチリデン-ジイソシア ネート、プロピレンジイソシアネート、ブチ レン-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-ジ ソシアネート、トルエン-ジイソシアネート 、シクロペンチレン-1,3-ジイソシアネート、 クロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート,シク ヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、4,4’-ジ ェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフ ェニルプロパン-4,4’-ジイソシアネート、p- ェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジ イソシアネート、キシリレンジイソシアネー ト、1,4-ナフチレンジイソシアネート、1,5-ナ チレンジイソシアネート、ジフェニル-4,4’ -ジイソシアネート、アゾベンゼン-4,4’-ジイ ソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4’-ジ ソシアネート、ジクロロヘキサメチレンジ ソシアネート、フルフリデンジイソシアネ ト、1-クロロベンゼン-2,4-ジイソシアネート 等を例示でき、単独でもしくは組み合わせて 用いられる。

 本発明に係るウレタンプレポリマーは、 リオール成分である(A)~(C)と、(D)イソシアネ ート化合物との反応によって得られる。(A)~(D )を同時に混合しても良いし、(D)イソシアネ ト化合物を(A)~(C)の夫々に反応させ、その後 3種類の反応物((A)と(B)との反応物、(A)と(C) の反応物、(A)と(D)との反応物)を混合しても い。得られたウレタンプレポリマーは、末 にイソシアネート基を有する。

 本発明に係るウレタンプレポリマーを得る めに反応させる成分(A)~(C)の割合に関して、 (A)~(C)の合計を100重量部(基準)として、(A)は20~ 40重量部であり、(B)は8~40重量部であることが 好ましく、(A)は20~35重量部であり、(B)は8~15重 量部であることが特に好ましい。
 (A)~(C)の合計を100重量部(基準)として、(A)が2 0重量部未満の場合、湿気硬化型ホットメル 接着剤メルトの破断伸びが長くなり得、積 品の裁断性が低下し得る。(A)が40重量部を超 えると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のタ ックフリータイムが長くなり得る。
 (A)~(C)の合計を100重量部(基準)として、(B)が8 重量部未満の場合、湿気硬化型ホットメルト 接着剤のタックフリータイムが長くなり得る 。(B)が40重量部を超える場合、湿気硬化型ホ トメルト接着剤メルトの破断伸びが長くな 得、積層品の裁断性が低下し得る。

 尚、本発明に係る湿気硬化型ホットメル 接着剤は、目的とする湿気硬化型ホットメ ト接着剤を得られる限り、例えば、(B)成分 び(C)成分以外のポリエステルポリオール及 ポリエステルポリオール等の、その他のポ オールを含んでよい。

 本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物 、必要に応じて他の添加剤を含んで成って く、かかる添加剤として、例えば、粘着付 樹脂、可塑剤、酸化防止剤、顔料、光安定 、難燃剤及び触媒、ワックスを例示するこ ができる。
 粘着付与樹脂としては、スチレン系樹脂、 ルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石 樹脂、ロジンエステル等が挙げられる。
 可塑剤として、例えばジオクチルフタレー 、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペ ト、ミネラルスピリット等を例示できる。

 酸化防止剤として、例えばフェノール系酸 防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオ ーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤 を例示できる。
 顔料として、例えば酸化チタン、カーボン ラック等を例示できる。
 光安定剤として、例えばベンゾトリアゾー 、ヒンダードアミン、ベンゾエート、ベン トリアゾール等を例示できる。
 難燃剤として、例えばハロゲン系難燃剤、 ン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、金属水 化物系難燃剤等を例示できる。

 触媒として、金属触媒、例えば錫触媒(トリ メチルチンラウレート、トリメチルチンヒド ロキサイド、ジブチルチンジラウレート、ジ ブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイ 酸鉛、ナフテン酸鉛、オクテン酸鉛等)、そ のほかの金属触媒(ナフテン酸コバルト等の フテン酸金属塩等)、及びアミン系触媒、例 ばトリエチレンジアミン、テトラメチルエ レンジアミン、テトラメチルへキシレンジ ミン、ジアザビシクロアルケン類、ジアル ルアミノアルキルアミン類等を例示できる
 ワックスとしてはパラフィンワックスやマ クロクリスタリンワックス等のワックスが ましい。

 このようにして得られる本発明の湿気硬 型ホットメルト接着剤は、反応性ホットメ ト型接着剤であり、室温では固体であり、 応性ホットメルト型接着剤に常套の方法を いて使用することができる。一般的に加熱 融して使用する。

 本発明に係る積層品は、上記湿気硬化型 ットメルト接着剤を使用して得られたもの ある。積層品は、本発明に係る湿気硬化型 ットメルト接着剤を用いて、「基材」の表 に「化粧材」をラミネートすることで製造 れる。積層品を製造する際、湿気硬化型ホ トメルト接着剤は、基材側に塗布しても良 し、化粧材側に塗布しても良い。

 「基材」は、特に限定されるものではない 、例えば、以下のものを例示できる:
 ラワン合板等の合板、中繊維板(MDF)、パー ィクルボード、無垢材、木質繊維板等の木 系材料;並びに
 セメントボード、石膏ボード、軽量気泡コ クリート(ALC)等の無機系材料。
 ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ ート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ ロピレン等のプラスチック材料;
 「基材」の形態についても、特に限定され 、成形樹脂状、フィルム状、シート状であ ても差し支えない。

 「化粧材」は、無色であっても着色され いても、透明であっても不透明であっても いが、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ ステル樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレ 樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。ポリ レフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポ プロピレンを例示でき、ポリエステル樹脂 して、例えば、ポリエチレンテレフタレー を例示できる。

 本発明の積層品は、具体的に、例えば、建 材料、電子材料及び自動車分野等、種々の 途に利用可能であるが、特にICモジュール 基材に実装されたカード状の積層品、いわ るICカードとして好適に利用することができ る。
 積層品の製造方法の一例を記載するが、本 明は以下の記載例に限定されるものではな 。積層品の製造には、特別な装置を使う必 はなく、搬送機、コーター、プレス機、ヒ ター、裁断機からなる一般的に知られた製 ラインで差し支えない。

 基材及び化粧材を搬送機で流しながら、 発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤をコ ターで基材若しくは化粧材に塗布する。塗 時の温度は、ヒーターで100~130℃に制御する ことが好ましい。化粧材をプレス機で基材に 軽く押し付け、湿気硬化型ホットメルト接着 剤を介して、化粧材と基材とを貼り合わせる 。その後、貼りあわされた化粧材と基材を放 冷し、そのまま搬送機で流して、一旦固化さ せる。その後、湿気硬化型ホットメルト接着 剤を、湿気による未硬化の状態で、化粧材と 基材を60~90℃に再加熱し、湿気硬化型ホット ルト接着剤を再流動させる。そのまま搬送 で化粧材と基材とを流し、湿気硬化型ホッ メルト接着剤の湿気硬化が完了した頃、化 材が貼られた基材を裁断機で適当な大きさ 切断する。切断された積層品は、積み重ね 状態で放置される。

 本発明は上述したような優れた効果を奏す ものであるが、それは、下記のような理由 よるものと考えられる。
 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は 「ビスフェノール構造」、及び「炭素数10~1 8の脂肪族ジカルボン酸に由来する化学構造 という特定の二種類の化学構造を有するウ タンプレポリマーを含む。「炭素数10~18の脂 肪族ジカルボン酸に由来する化学構造」は、 両末端に比較的大きな永久双極子モーメント を有するので、物理的な固化に寄与すると考 えられる。固化によって熱収縮を生じ得るの で、発明者は、その固化をある程度妨げる構 造を導入することが有意義であると考えた。 「ビスフェノール構造」は、ビスフェノール 系ポリオールが室温で液状であることからも 、固化しにくい化学構造であると考えられる 。ビスフェノール構造は、中央の炭素で二つ のフェニル基が結合するが、その二つのフェ ニル基が、中央炭素と結合する方向は、互い に大きくずれているので、得られるウレタン プレポリマーに、全体として屈曲した構造を 与える。その結果、ビスフェノール構造は、 ウレタンプレポリマーに部分的な結晶性の低 下をもたらし、固化による熱収縮及び積層品 表面の不均一化を防止し、積層品の裁断性低 下を防止すると考えられる。

 本発明に係る湿気硬化型ホットメルト接着 の固化性能と、固化による熱収縮及び積層 表面の不均一化防止は、「炭素数10~18の脂 族ジカルボン酸に由来する化学構造」によ 物理的な固化の強さと、「ビスフェノール 造」による固化の妨害との全体的なバラン があると考えられる。「炭素数10~18の脂肪族 ジカルボン酸に由来する化学構造」は、炭素 数が偶数である場合、構造全体として直線状 となり、より結晶性が高くなり、その結果、 より固化性能が高くなると考えられる。その ため、より全体的な性能の調整が可能となり 、総合的に優れた湿気硬化型ホットメルト接 着剤を得ることができると考えられる。
 本発明は、上述のような理由から、優れた 果を奏すると考えられるが、このような理 によって、本発明は何ら制限を受けるもの はない。

 本発明の主な態様を以下に示す。
 1.イソシアネート基を末端に有するウレタ プレポリマーを含む湿気硬化型ホットメル 接着剤であって、
 ウレタンプレポリマーは、ビスフェノール 造、及び炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸 由来する化学構造を有する、湿気硬化型ホ トメルト接着剤。
 2.ビスフェノール構造は、(A)ビスフェノー 系ポリオールに由来し、
 炭素数10~18の脂肪族ジカルボン酸に由来す 化学構造は、(B)炭素数が10~18の脂肪族ジカル ボン酸とジオールとの反応で得られるポリエ ステルポリオールに基づく、上記1に記載の 気硬化型ホットメルト接着剤。
 3.(A)ビスフェノール系ポリオールは、ビス ェノールA及び/又はその変性物であり、
 (B)ポリエステルポリオールは、ドデカン二 とジオールとの反応で得られる、上記1又は 2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
 4.ウレタンプレポリマーは、炭素数10未満の ジカルボン酸に由来する化学構造を有する、 上記1~3のいずれかに記載の湿気硬化型ホット メルト接着剤。
 5.炭素数10未満のジカルボン酸に由来する化 学構造は、(C)炭素数が10未満のジカルボン酸 ジオールとの反応で得られるポリエステル リオールに基づく、上記4に記載の湿気硬化 型ホットメルト接着剤。
 6.ウレタンプレポリマーは、(A)~(D)成分を反 させることによって得られる、上記1~5のい れかに記載の湿気硬化型ホットメルト接着 。
 (A)ビスフェノール系ポリオール
 (B)炭素数が10~18の脂肪族ジカルボン酸とジ ールとの反応で得られるポリエステルポリ ール
 (C)炭素数が10未満のジカルボン酸とジオー との反応で得られるポリエステルポリオー
 (D)イソシアネート化合物
 7.(A)~(C)の総量100重量部に対し、(A)が20~40重 部、(B)が8~40重量部である、上記6に記載の湿 気硬化型ホットメルト接着剤。
 8.成分(B)は、60℃より高く、120℃より低い融 点を有する、ポリエステルポリオールであり 、
 成分(C)は、40~60℃の融点を有するポリエス ルポリオールである、上記6又は7に記載の湿 気硬化型ホットメルト接着剤。
 9.上記1~8のいずれかに記載の湿気硬化型ホ トメルト接着剤で化粧材と基材とを貼り合 せることで得られる積層品。
 10.上記化粧材と基材とを100~130℃に熱した状 態で貼り合わせ、放冷した後、60~90℃に化粧 及び基材を再度加熱することで得られる上 9に記載の積層品。

 以下、本発明を実施例及び比較例により 体的かつ詳細に説明するが、これらの実施 は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれ の例によって何ら限定されるものではない

 実施例及び比較例の湿気硬化型ホットメル 接着剤組成物の調製に用いた、成分(A)~(E)を 以下に示す。
 成分(A)ビスフェノール系液状ポリオールと て、下記を用いた。
  (A-1):(ニューポールBPE-100、三洋化成社製)( 成:ビスフェノールAエチレンオキサイド変 物、液状)
 成分(B)結晶性ポリエステルポリオールとし 、下記を用いた。
  (B-1):(エテルナコール3010、宇部興産社製)( デカン二酸とヘキサンジオールからなる結 性ポリエステルポリオール、融点72℃)
  (B-2):(ダイナコール7330、エボニックデグサ 社製)(ドデカン二酸とエチレングリコールか なる結晶性ポリエステルポリオール、融点8 5℃)

 成分(C)結晶性ポリエステルポリオールとし 、下記を用いた。
  (C-1):(HS 2H-351A、豊国製油社製)(アジピン酸 とヘキサンジオールからなる結晶性ポリエス テルポリオール、融点55℃)
  (C-2):(HS 2H-458T、豊国製油社製)(アジピン酸 及びテレフタル酸とヘキサンジオールからな る結晶性ポリエステルポリオール、融点60℃)
  (C-3):(ダイナコール7390、エボニックデグサ 社製)(コハク酸とブタンジオールからなる結 性ポリエステルポリオール、融点115℃)
 成分(D)イソシアネート化合物として、下記 用いた。
  (D-1):(コスモネートpH、三井化学ポリウレ ン社製)(組成:4,4’-ジフェニルメタンジイソ アネート(MDI))
  添加剤(E)として、下記を用いた。
  (E-1):(サゾールワックスC80、サゾールワッ ス社製)(パラフィンワックス、融点80℃)を いた。

<実施例1~9、比較例1~6の湿気硬化型ホット ルト接着剤の製造及び評価>
 表1及び表2に示される重量部にて、成分(A)~( C)、(E)をセパラブルフラスコに入れ、125℃で9 0分間減圧撹拌して脱水し、温度を105℃に下 た後、成分(D)をフラスコに投入し、ウレタ プレポリマーを調製した。ウレタンプレポ マーをそのまま2時間減圧攪拌して、ガラス に取り出して密閉し、湿気硬化型ホットメ ト接着剤とした。いずれも120℃で塗工可能 粘度を有するものであった。得られた湿気 化型ホットメルト接着剤について、下記評 試験を行い、その結果を表1及び表2に示し 。

<評価方法>
 (1)固化性能(タックフリータイム(T.F.T.))
 密閉容器内で120℃に加温され溶融状態にあ 湿気硬化型ホットメルト接着剤を開封し、 ちに室温(20~25℃)下のガラス板上に200μmの厚 さに塗工した。指触により表面タックが消失 するまでの時間(T.F.T.)を測定した。
 評価基準は、下記のとおりである。
 ◎:タックフリータイムが8秒未満のもの。
 ○:タックフリータイムが8~15秒のもの。
 △:タックフリータイムが15~30秒のもの。
 ×:タックフリータイムが30秒を超えるもの

 (2)固化収縮率
 120℃に加温した溶融状態にある湿気硬化型 ットメルト接着剤を、容積が100cm 3 の円柱状のPP製カップの中に100cm 3 流し込み、そのまま室温(20~25℃)下で4時間放 した。
 湿気硬化型ホットメルト接着剤は収縮する で、その表面に注意して目視で観察すると わずかに凹部を生じた。その凹部がなくな まで、密度0.860g/cm 3 (20℃)のオイル(SK Phasol 36、 SKコーポレーシ ン社製)を凹部に流し込んだ。流し込んだオ イルの重量を測定し、下記の式より固化収縮 率を算定した。

 固化収縮率(%)= 
 {{(凹部に流し込まれたオイルの重量(g))/ オ イルの密度(0.860g/cm 3 )}/(カップの体積(100cm 3 ))}×100
 評価基準は、下記のとおりである。
 ◎:固化収縮率が2%以内のもの。
 ○:固化収縮率が2%より高く、3%以内のもの
 △:固化収縮率が3%より高く、4%以内のもの
 ×:固化収縮率が4%より高いもの。

 (3)熱再活性特性(湿気による未硬化時70℃せ 断弾性率(G’))
 動的粘弾性測定装置AR-G2 (TAインスルメント ジャパン社製)を用い、未硬化時の湿気硬化 ホットメルト接着剤の70℃のせん断弾性率(G )を求めた。2枚のプレートを湿気硬化型ホ トメルト接着剤で貼り合わせ、せん断弾性 (G’)を測定した。
 具体的には、検出器に25mm径のアルミニウム 製のパラレルプレートを用い、別のパラレル プレートを120℃に加温し、加温されたプレー ト上に、密閉容器内で120℃に加温されて溶融 状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を垂ら した。湿気硬化型ホットメルト接着剤を介し て検出器のプレートと加熱されたプレートと を挟み込み、プレート間の距離が1500μmにな ように調整した。2枚のプレートを一旦室温( 20~25℃)まで冷却し、昇温速度5℃/分 周波数1H zにて70℃のせん断弾性率(G’)を測定した。
 評価基準は、下記のとおりである。
 ○:せん断弾性率(G’)が0.1~10万Paのもの。
 ×:せん断弾性率(G’)が10万Paを超えるもの。

 (4)接着剤を養生する前(湿気硬化前)の積層 の打ち抜き性(目視)
 易接着処理を施した100μm厚のPETフィルム(O30 0EW36、三菱化学ポリエステル社製)上に、120℃ で溶融状態にある湿気硬化型ホットメルト接 着剤を厚みが700μmになるように塗工した。そ のまま30分間放冷し、塗工層上に同じ易接着 理PETフィルムをかぶせ、70℃に加温された 転速度1.5m/分の二つの金属ロールの間を圧締 圧力が0.1MPaとなるよう通過させた。接着剤層 表面が熱的に再活性され、積層品が得られた 。積層品を23℃、55%RH環境下で30分間放置した 。その後、硬度計(アスカー C)による硬度値 70である15mm厚のシリコンゴム基板の上に、 層品を置き、JIS K6251ダンベル試験に参照さ れる3号ダンベルの刃枠を用いて積層品を打 抜いた。この時、目視で観察して、破断面 バリがなく、きれいに打ち抜けたものを○ 破断面にバリがでたものを×とした。積層品 を得られなかったものを、-とした。

 (5)硬化皮膜(湿気硬化後)の破断時伸び率
 離型処理を施した25μm厚のPETフィルム(PET25× 2CBD フジモリ産業社製)上に120℃で溶融状態 ある湿気硬化型ホットメルト接着剤を垂ら た。更に接着剤の上から同離型処理PETフィ ムをかぶせ、接着剤層の厚みが200μmになる うにナイフコーターで調整した。そのまま23 ℃、55%RH環境下で1週間養生し、湿気硬化型ホ ットメルト接着剤皮膜を作製した。養生後、 得られた皮膜を硬度計(アスカー JA)による硬 度値が98である15mm厚のPP基板の上に置き、JIS K6251のダンベル試験に参照される3号ダンベ の刃枠を用いて皮膜を打ち抜いて試験片と た。試験片をJIS K6251に準拠し、引っ張り速 100mm/分で破断に至るまでの標線間距離を測 した。以下の式より破断時の伸び率(%)を算 した。

 破断時の伸び率(%)
  =(破断時の標線間距離(mm)-初期の標線間距 (20mm))×100/(初期の標線間距離(20mm))
 評価基準は、下記のとおりである。
 ◎:破断伸び率が400%以内のもの。
 ○:破断伸び率が400%より高く、600%以内のも 。
 ×:破断伸び率が600%より高いもの。

 (6)硬化物(湿気硬化後)の60℃引っ張り弾性率 (MPa)
 動的粘弾性測定装置Rhogel-E4000 (UBM社製)を用 い、以下の手順で硬化後の湿気硬化型ホット メルト接着剤の60℃引っ張り弾性率(E’)を求 た。
 離型フィル上に120℃で溶融状態にある湿気 化型ホットメルト接着剤を垂らし、接着剤 が1mmになるように調整し、その後、23℃、55 %RH環境下で1週間養生した。養生後、フィル を幅5mm、長さ40mmに切り出し、試験片とした 室温下で試験片をセットし、昇温速度3℃/  周波数1.6Hzにて、60℃における引っ張り弾 率(E’)を測定した。
 評価基準は、下記のとおりである。
 ◎:引っ張り弾性率が100MPaより大きいもの。
 ○:引っ張り弾性率が10~100MPaのもの。
 ×:引っ張り弾性率が10MPa未満のもの。

 (7)接着剤を養生した後(湿気硬化後)の積層 の打ち抜き性(目視)
 易接着処理を施した100μm厚のPETフィルム(O30 0EW36、三菱化学ポリエステル社製)上に、120℃ で溶融状態にある湿気硬化型ホットメルト接 着剤を厚みが700μmになるように塗工した。そ のまま30分間放冷し、塗工層上に同じ易接着 理PETフィルムをかぶせ、70℃に加温された 転速度1.5m/分の二つの金属ロールの間を圧締 圧力が0.1MPaとなるよう通過させた。接着剤層 表面が熱的に再活性され、積層品が得られた 。積層品を23℃、55%RH環境下で2週間養生させ 後、硬度計(アスカー C)による硬度値が70で ある15mm厚のシリコンゴム基板の上に、積層 を置き、JIS K6251ダンベル試験に参照される3 号ダンベルの刃枠を用いて積層品を打ち抜い た。この時、破断面にバリがなく、きれいに 打ち抜けたものを○、破断面にバリがでたも のを×とした。積層品を得られなかったもの 、-とした。

 表1に示すように、実施例1~9の湿気硬化型ホ ットメルト接着剤は、(A)、(B)の両成分を有す るので、固化性能(タックフリータイム)が良 、固化収縮率が小さく、得られた積層品の 断性(打ち抜き性、破断伸び、熱再活特性( 硬化時のせん断弾性率))に優れる。
 表2に示す比較例1~6の湿気硬化型ホットメル ト接着剤は、(A)、(B)の両成分のいずれかを有 さないので、実施例1~9の湿気硬化型ホットメ ルト接着剤と比較して、性能が劣る。

 比較例1は、(A)成分を有さないので、固化収 縮率が上昇し、硬化物の破断時に伸びて高伸 張化する。従って、積層品(接着剤養生後)の ち抜き性が悪くなっている。
 比較例2は、(A)成分のみを有し、(B)及び(C)を 含まないので、タックフリータイムが高く、 固化性能に劣る。積層品の打ち抜き性(接着 養生前)も低下する。
 比較例3は、(B)成分を有さないので、タック フリータイムが短縮できない。積層品(接着 養生前)の打ち抜き性も、比較例2と同様、劣 る。
 比較例4は、(A)成分がないので、固化収縮量 が大きい。(A)成分がないので、硬化物の破断 時に伸びて、高伸張化する。従って、積層品 (接着剤養生後)の打ち抜き性が低い。
 比較例5は、(B)成分を有さないので、タック フリータイムが短縮できない。
 比較例6は、(A)成分を有さないので、固化収 縮率が上昇する。未硬化時の接着剤組成物が 脆くなり、積層品の打ち抜き性(接着剤養生 )が低下する。
 [関連出願]
 尚、本出願は、2008年5月30日に日本国でされ た出願番号2008-142538を基礎出願とするパリ条 に基づく優先権を主張する。この基礎出願 内容は、参照することによって、本明細書 組み込まれる。