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Patent Searching and Data


Title:
MOLDING FOR POWDER SINTERED COMPACT, POWDER SINTERED COMPACT AND PROCESS FOR PRODUCING THEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136224
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing a molding for powder sintered compact, comprising carrying out centrifugal forming of a slurry containing a raw material powder, a binder resin and a dispersion medium in a shaping mold to thereby obtain a molding composed of the raw material powder and the binder resin; a process for producing a powder sintered compact, comprising sintering the molding; a molding for powder sintered compact comprising a raw material powder and, interposed between particles thereof, a binder resin capable of binding the raw material powder particles together; and a powder sintered compact obtained by sintering the molding. By this process for producing a molding for powder sintered compact, there can be obtained a molding for powder sintered compact that even when the configuration is highly complex, inhibits cracking or breakage, etc, and there can be obtained a molding for powder sintered compact that can be formed into a highly complex internal structure and configuration by machining. By this process for producing a powder sintered compact, there can be obtained a powder sintered compact with highly complex internal structure and configuration, such as a fuel injection nozzle for diesel engine, etc.

Inventors:
SUZUKI HIROYUKI (JP)
SHIMOITANI YOSHINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055896
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV HIROSHIMA (JP)
ALLOY IND CO LTD (JP)
SUZUKI HIROYUKI (JP)
SHIMOITANI YOSHINOBU (JP)
International Classes:
B22F3/06; B22F1/107; B22F3/02; B22F3/10; F02M61/18
Foreign References:
JP2005248217A2005-09-15
JPH0565504A1993-03-19
JP2000144207A2000-05-26
Attorney, Agent or Firm:
SUZUKI, Shunichiro (Gotanda Yamazaki Bldg. 6F13-6, Nishigotanda 7-chome, Shinagawa-ku, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 原料粉末と結合剤樹脂と分散媒とを含む泥漿を成形金型内で遠心成形して、原料粉末と結合剤樹脂とからなる成形体を製造することを特徴とする粉末焼結体用成形体の製造方法。
 結合剤樹脂は、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはエチルセルロースである請求項1に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 原料粉末が冷間成形用型鋼であり、結合剤樹脂がエポキシアクリレート樹脂であり、分散媒がスチレンである請求項1に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 成形金型の中に中子が装着されている請求項1~3に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体が、複雑な内部構造と形状の形成用である請求項4に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体が、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル形成用である請求項4または5に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体中の中子は、棒状の幹部と、該幹部の先端部から放射状に延びて粉末焼結体に噴射孔を形成する枝部と、これら枝部を成形金型内で安定して支持すべく、枝部の先端を一体に連結するリング状に形成された支持部とを有して成る請求項6に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 枝部の数が4~20個である請求項7に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法。
 請求項1~8のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法により製造された粉末焼結体用成形体を焼結して焼結体を製造する粉末焼結体の製造方法。
 請求項4~8のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体の製造方法により製造された中子をくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体中の中子を除去する中子除去工程を経た後、前記粉末焼結体用成形体を焼結して焼結体を製造する粉末焼結体の製造方法。
 中子除去工程は、中子を、前記粉末焼結体用成形体とともに溶解性溶剤に浸して溶解除去する工程である請求項10に記載の粉末焼結体の製造方法。
 中子除去工程は、中子を、前記粉末焼結体用成形体とともに加熱して熱分解除去する工程である請求項10に記載の粉末焼結体の製造方法。
 粉末焼結体用成形体に機械的加工を加える機械的加工工程を含む請求項9~12のいずれか1項に記載の粉末焼結体の製造方法。
 粉末焼結体用成形体中の結合剤樹脂を熱分解して除去する熱脱脂工程を含む請求項9~13のいずれか1項に記載の粉末焼結体の製造方法。
 原料粉末と、該原料粉末の間に介在し、該原料粉末同士を結合する結合剤樹脂とを有して成ることを特徴とする粉末焼結体用成形体。
 結合剤樹脂は、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはエチルセルロースである請求項15に記載の粉末焼結体用成形体。
 原料粉末が冷間成形用型鋼であり、結合剤樹脂がエポキシアクリレート樹脂である請求項15に記載の粉末焼結体用成形体。
 原料粉末と結合剤樹脂と分散媒とを含む泥漿を成形金型内で遠心成形して製造された請求項15~17のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体が複雑な内部構造と形状の形成用である請求項15~18のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体がディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル形成用である請求項15~19のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体。
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成形体中の中子は、棒状の幹部と、該幹部の先端部から放射状に延びて粉末焼結体に噴射孔を形成する枝部と、これら枝部を成形金型内で安定して支持すべく、枝部の先端を一体に連結するリング状に形成された支持部とを有して成る請求項20に記載の粉末焼結体用成形体。
 枝部の数が4~20個である請求項21に記載の粉末焼結体用成形体。
 請求項15~22のいずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体を焼結して製造された粉末焼結体。
 請求項15~22いずれか1項に記載の粉末焼結体用成形体に機械的加工を加えて生成した成形体を焼結して製造された粉末焼結体。
複雑な内部構造と形状を有する請求項23または24に記載の粉末焼結体。
 ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルである請求項23~25のいずれか1項に記載の粉末焼結体。
Description:
粉末焼結体用成形体および粉末 結体並びにこれらの製造方法

 本発明は、粉末焼結体用成形体および粉 焼結体並びにこれらの製造方法に関し、さ に詳しくは、結合剤樹脂を含有する粉末焼 体用成形体および粉末焼結体、並びにこれ の製造方法に関する。

 粉末冶金法は、通常金属粉末等を型に入 て加圧成形することにより粉末焼結体用成 体を作成し、これを全体が融解するよりや 低い温度で焼結して粉末焼結体である製品 製造する技術である。この技術は、同一形 の製品を大量にかつ安価に製造することが きるので、自動車用部品、機械部品、磁性 料、切削工具等の製造に広く利用されてい 。

 しかし、従来の粉末冶金法では複雑な形 を有する製品の製造は困難であった。これ 、従来の粉末焼結体用成形体の製造方法で 、成形体中に空隙が生じやすい等の理由か 、成形体の機械的強度が小さく、複雑形状 成形体は破損を生じやすかったからである また単純な形状の成形体に機械的加工を加 て複雑形状の成形体を作ることも、同様に 形体の機械的強度が小さいことから困難で った。

 このような従来法の他、近年成形体の製 方法として高速遠心成形法の研究が進めら ている。高速遠心成形法は、溶媒中に原料 末を均一に分散させて泥漿を作成し、この 漿を成形金型に注入してこれに遠心機にて 心力を加えることにより、原料粉末を成形 型底部に沈降させて成形金型の形状に成形 、成形体を作成する方法である。成形体の 造方法として高速遠心成形法を採用すると 微細な原料粉末を使用して高密度で均質な 填が可能になり、成形体中の空隙の発生を 止することができる。このため高速遠心成 法を用いれば、機械的強度の大きい成形体 得られるので、ある程度複雑な形状の成形 の製造も可能になる。たとえば特開2005-48230 号公報(特許文献1)に示されたように、成形体 に所定の形状を付与する中子を成形金型の中 に挿入して原料粉末を成形することにより、 ある程度複雑な形状の成形体の製造を容易に 行うことができる。これは、遠心力により原 料粉末が降り積もるように進行する一方、成 形金型内に挿入した中子に対してはほぼ等方 的な静水圧力のみがかかるので、複雑な形状 を有する中子を挿入しても成形体が崩壊せず 、くるみ成形が可能になるからである。

 しかし、この高速遠心成形法によっても成 体の形状が高度に複雑化すると、成形体の 凸の激しい部分に亀裂等が生じやすい。上 特開2005-48230号公報に示される方法によって も、亀裂等の発生を回避することはできなか った。また、高速遠心法によって作成した成 形体に機械的加工を施すことにより、高度に 複雑な形状の成形体を作ろうとしても、破損 を起こしやすい。このため、たとえばディー ゼルエンジン用燃料噴射ノズルを製造するた めの成形体のような高度に複雑な形状を有す る成形体の製造は、高速遠心成形法によって も困難であった。この結果、高度に複雑な形 状を有する粉末焼結体を粉末冶金法で製造す ることも困難であった。

特開2005-48230号公報

 本発明は、上記のような従来の粉末焼結 用成形体および粉末焼結体用成形体の製造 法が有する問題を解決することを目的とす 。すなわち本発明の課題は、機械的加工を すことにより複雑な形状にすることのでき 強度の大きい粉末焼結体用成形体、または 械的加工を施すことなく複雑な形状を有す 粉末焼結体用成形体を提供すること、およ 複雑な形状を有する粉末焼結体を提供する と、並びにそのような成形体および粉末焼 体の製造方法を提供することである。

 上記課題を解決するための本発明は、原 粉末と結合剤樹脂と分散媒とを含む泥漿を 形金型内で遠心成形して、原料粉末と結合 樹脂とからなる成形体を製造する粉末焼結 用成形体の製造方法である。

 その好ましい態様として、結合剤樹脂は、 ポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリ ート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂 不飽和ポリエステル樹脂またはエチルセル ースであり、
 原料粉末が冷間成形用型鋼粉末であり、結 剤樹脂がエポキシアクリレート樹脂であり 分散媒がスチレンであり、
 成形金型の中に中子が装着されており、
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用 形体が、複雑な内部構造と形状の形成用で り、
中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用成 形体が、ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズ ル形成用であり、
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用 形体中の中子は、棒状の幹部と、該幹部の 端部から放射状に延びて粉末焼結体に噴射 を形成する枝部と、これら枝部を成形金型 で安定して支持すべく、枝部の先端を一体 連結するリング状に形成された支持部とを して成り、
 枝部の数が4~100個である。

 また、本発明は、前記粉末焼結体用成形 の製造方法により製造された粉末焼結体用 形体を焼結して焼結体を製造する粉末焼結 の製造方法である。

 その好ましい態様として、前記中子をくる 装着成型された粉末焼結体用成形体の製造 法により製造された粉末焼結体用成形体中 中子を除去する中子除去工程を経た後、前 粉末焼結体用成形体を焼結して焼結体を製 する粉末焼結体の製造方法であり、
 前記中子除去工程は、中子を、前記粉末焼 体用成形体とともに溶解性溶剤に浸して溶 除去する工程であり、
 前記中子除去工程は、中子を、前記粉末焼 体用成形体とともに加熱して熱分解除去す 工程であり、
 前記粉末焼結体の製造方法は、粉末焼結体 成形体に機械的加工を加える機械的加工工 を含み、
 前記粉末焼結体の製造方法は、粉末焼結体 成形体中の結合剤樹脂を熱分解して除去す 熱脱脂工程を含む。

 また、本発明は、原料粉末と、該原料粉 の間に介在し、該原料粉末同士を結合する 合剤樹脂とを有して成る粉末焼結体用成形 である。

 その好ましい態様として、結合剤樹脂は、 ポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリ ート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂 不飽和ポリエステル樹脂またはエチルセル ースであり、
 原料粉末が冷間成形用型鋼であり、結合剤 脂がエポキシアクリレート樹脂であり、
 前記粉末焼結体用成形体は、原料粉末と結 剤樹脂と分散媒とを含む泥漿を成形金型内 遠心成形して製造され、
 前記中子がくるみ装着成型された粉末焼結 用成形体が複雑な内部構造と形状の形成用 あり、
前記中子がくるみ装着成型された粉末焼結体 用成形体は、ディーゼルエンジン用燃料噴射 ノズル形成用であり、
 中子がくるみ装着成型された粉末焼結体用 形体中の中子は、棒状の幹部と、該幹部の 端部から放射状に延びて粉末焼結体に噴射 を形成する枝部と、これら枝部を成形金型 で安定して支持すべく、枝部の先端を一体 連結するリング状に形成された支持部とを して成り、
枝部の数が4~100個である。

 また、本発明は、前記粉末焼結体用成形 を焼結して製造された粉末焼結体であり、 記粉末焼結体用成形体に機械的加工を加え 生成した成形体を焼結して製造された粉末 結体である。

 その好適な態様として、前記粉末焼結体 、複雑な内部構造と形状の成型体であり、 らにはディーゼルエンジン用燃料噴射ノズ である。

 本発明の粉末焼結体用成形体は、機械的 度が大きいので、高度に複雑な形状であっ も、亀裂または破損等が生じにくく、また 械的加工により高度に複雑な形状にするこ ができる。本発明の粉末焼結体用成形体は 機械的強度が大きいので、離型が容易であ 。

 本発明の粉末焼結体は、高度に複雑な内 構造と形状にすることができ、しかも強度 大きいので、機械部品等様々な工業部品に 用することができる。

 本発明の粉末焼結体用成形体の製造法方 によれば、機械的強度が大きく、高度に複 な内部構造や形状を有していても亀裂また 破損等が生じにくい粉末焼結体用成形体を 造することができ、また機械的加工により 度に複雑な内部構造や形状にすることので る粉末焼結体用成形体を製造することがで る。 

 本発明の粉末焼結体の製造方法は、高度 複雑な内部構造と形状を有する、強度の大 い粉末焼結体を製造することができる。こ ため、多数の微細な噴射孔を有するディー ルエンジン用燃料噴射ノズル等は、従来法 はコスト等の理由から製造が困難であった 、本発明では、安価に、簡易に、かつ精度 く製造することができる。

図1は、本発明の成形体の製造方法およ び粉末焼結体の製造方法を説明する説明図で ある。 図2(a)は、中子3の平面図であり、図2(b) 、中子3の側面図である。 図3は、実施例2における高速遠心成形 後の成形体の側面概略図である。 図4は、実施例2におけるドリル処理後 成形体の縦断面概略図である。 図5(A)は、実施例2で得られた焼結体の 面の写真であり、図5(B)は、実施例2で得られ た焼結体の側面の写真である。 図6は、燃料噴射試験における噴射の状 態を示す写真である。

符号の説明

1・・・泥漿
2・・・成形金型
3・・・中子
7・・・成形体
8・・・上澄み
9・・・加工成形体
10・・・熱脱脂済加工成形体
11・・・粉末焼結体

 本発明の粉末焼結体用成形体の製造方法 よび本発明の粉末焼結体の製造方法を、図1 を例にして説明する。図1は、粉末焼結体で るディーゼルエンジン用燃料噴射ノズル、 よびこのノズルを作るための成形体の製造 程を示している。図1(a)~(d)が本発明の粉末焼 結体用成形体の製造方法に該当し、図1(a)~(h) 本発明の粉末焼結体の製造方法に該当する

 図1(a)に示すように、円筒状の成形金型2 中子3をセットする。中子3は、成形体内部お よび粉末焼結体内部に複雑な内部構造と形状 を付与するために挿入される冶具である。図 2(a)に中子3の平面図、図2(b)に中子3の側面図 示した。中子3は、棒状の幹部4と、該幹部4 先端部から放射状に延びて噴射孔を形成す 枝部5と、これら枝部5を成形金型2内で安定 て支持すべく、枝部5の先端を一体に連結す リング状に形成された支持部6とを有してい る。中子3には、枝部5が6本設けられている。 後述のように、高速遠心成形法においては中 子にはほぼ等方的な静水圧力のみがかかる。 つまり、高速遠心成形法においては、成形し ている間、中子に強い機械的力や熱等が加わ ることがないので、成形中に中子に破損や亀 裂等が生じる可能性は小さい。したがって、 高速遠心成形法にいては、複雑で微細な構造 を有する中子を使用することができ、中子の 材料についても、特に強度の大きさを要求さ れることはない。この中子3は、たとえばア リル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂などのス レン系樹脂またはポリカーボネート等の合 樹脂製である。

 泥漿1を調整する。泥漿は、通常溶媒に原 料粉末を均一に分散させて調整される。本発 明は、この泥漿が結合剤樹脂を含有している ことに特徴を有する。

 原料粉末は、目的とする粉末焼結体に応 て適宜選択され、たとえばオーステナイト ステンレス鋼粉末、冷間成形用型鋼の高水 アトマイズ粉末、超硬合金、サーメット、 よびその他の焼結金属製造用粉末、並びに 純度アルミナ粉末、アルミナにマグネシア シリカ、チタニア等を添加した混合粉末、 リリア、およびマグネシア磁器等の磁性体 品製造用粉末等である。

 分散媒は、原料粉末等に応じて適宜選択 れ、たとえば水、メタノール、エタノール ヘプタン、2-エトキシエタノール、スチレ 、α-メチルスチレン、トルエン、ベンゼン である。

 前記結合剤樹脂は、原料粉末が成形され 形体になったときに、原料粉末間に介在し 原料粉末間の結合を強化することにより、 形体の機械的強度を増大する機能を有する このために、結合剤樹脂を含有する泥漿を いて遠心成形法により成形体を製造すると 高度に複雑な内部構造と形状にしても、亀 または破損等を生じにくい成形体を製造す ことができ、また機械的加工により高度に 雑な形状にすることのできる成形体を製造 ることができる。結合剤樹脂は、原料粉末 よび分散媒等に応じて適宜選択され、たと ばエポキシアクリレート樹脂、ウレタンア リレート樹脂、ポリエステルアクリレート 脂、不飽和ポリエステル樹脂、エチルセル ース等である。

 前記泥漿には、必要に応じて分散剤およ 硬化剤等を添加することができる。分散剤 しては、たとえばポリオキシエチレンジス ホン化フェニルエーテル、ポリオキシエチ ンソルビタンモノオレエート、ラウリルグ コシド、ジスルホン化フェニルエーテル、 リオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナ リウム、およびソルビタンモノオレエート を挙げることができる。硬化剤としては、 とえばパーキュアVLおよびメチルエチルケ ンパーオキサイド等を挙げることができる

 泥漿は、たとえば次のように調整するこ ができる。原料粉末に分散媒および結合剤 脂を加えて攪拌する。泥漿に分散剤または 化剤を添加する場合には、原料粉末、分散 および結合剤樹脂の混合液に分散剤または 化剤を添加して攪拌する。分散剤および硬 剤の両方を添加する場合には、分散剤、硬 剤の順番に添加して攪拌することが好まし 。

 本発明の泥漿は、このように少なくとも3 種類の物質の混合物であり、5種類以上の物 の混合物になることもある。このため本発 の泥漿では、各物質間の相互作用を考慮し 、好適な成形体が得られるように、各物質 選択およびその配合量の決定を行う。

 たとえば原料粉末が冷間成形用型鋼であ 場合には、次のような物質が選択される。 合剤樹脂として、常温硬化系のエポキシア リレート樹脂が好ましい。これは、樹脂と ては粘度が低く成形時の粒子充填性に優れ いるほか,熱分解除去も容易であるからであ る。このとき硬化剤として有機過酸化物系の 架橋剤(たとえばパーキュアVL(日本油脂(株)製 ))を添加することが好ましい。分散媒として 、スチレンモノマーが好ましい。これは、 合剤樹脂との適合性が良いことに加え、結 剤樹脂の固化時にスチレンモノマーが結合 樹脂と架橋しながら取り込まれていくので 固化収縮を抑制することができるからであ 。分散剤としては、ポリオキシエチレンジ チレンまたはフェニルエーテルが好ましい これは、その親水基(ポリオキシエチレン基 )が原料粉末に吸着し、さらにその芳香族系 親油基が分散媒および結合剤樹脂によくな むからである。

 なお、泥漿の用いる分散媒と中子との組 合わせによっては、成形中に中子が分散媒 溶解することがある。したがって、成形中 中子の溶解が起こるような分散媒と中子と 組み合わせは避けることが好ましい。たと ば、中子の材料をアクリル樹脂、分散媒を チレンとすると、成形中にたとえば前記中 の枝部が溶解して細くなり、その結果、最 的に得られるディーゼルエンジン用燃料噴 ノズルの噴射孔が細くなって、効率的な噴 を行うことが困難になる場合がある。もっ も、前記組み合わせにおいても、成形時の 度を約-20℃に維持すると、中子の溶解を防 することができ、ディーゼルエンジン用燃 噴射ノズルの噴射孔が細くなるのを防ぐこ ができる。

 上記のような原料粉末、結合剤樹脂、硬 剤、分散媒および分散剤を採用した場合の 合割合としては、原料粉末の径が1~10μmであ るときには、前記分散媒に対して結合剤樹脂 が50~70質量%、原料粉末の径が0.1~1μmであると には、前記分散媒に対して結合剤樹脂が1~5 量%であることが好ましい。また原料粉末の 配合割合は、分散媒と結合剤樹脂との合計量 を1としたとき、約2であることが好ましい。 のような配合割合であると、成形体を複雑 状にしても破損や亀裂の発生が抑制され、 らに成形体の成形金型からの離型も容易に る。

 このような泥漿1を成形金型2内に注入す 。泥漿1が成形金型2内に注入された状態を図 1(b)に示した。

 次に高速遠心成形を行う。高速遠心成形 公知の方法により行うことができる(特開200 5-48230号公報参照)。結合剤樹脂を使用する本 明においては、10~20℃、5,000~13,000rpm、1.8~7.2k sという条件で行うことが、強度の高い成形 が得られる点で好ましい。

 この高速遠心成形において、くるみ成形が われる。「くるみ成形」とは、原料粉末が 中子が存在している部分を除いて堆積し、 子をくるむようにして成形される成形法を う。この高速遠心成形法におけるくるみ成 においては、成形金型2内の中子3に対して ほぼ等方的な静水圧力のみがかかる。この うにして、中子がくるみ装着されて成型さ た成形体7が得られる。高速遠心成形を行っ 後の状態を図1(c)に示した。成形金型2の底 に成形体7が形成され、その上部に上澄み8が 形成される。この上澄み8は、分散媒と結合 樹脂等とからなる。成形体7中に内在する分 媒と結合剤樹脂、および上澄み8中の分散媒 と結合剤樹脂とは、重合が起こって固化する 。
このようにして製造された成形体7は、原料 末と、この原料粉末の間に介在し、この原 粉末同士を結合する結合剤樹脂とを有して る。すなわち、成形体7は、本願発明に係る 末焼結体用成形体である。上記固化により 形体7の機械的強度は大きくなる。このため 、図2に示したような中子3を使用して複雑で 細な内部構造の成形体を作成しても、成形 の破損や亀裂が生じにくい。つまりこの成 体の製造方法は、機械的加工を施さなくて 、高度に複雑な内部構造と形状を有する成 体を製造することができる。また、成形金 2から成形体を取り出すときにも、成形体の 破損が生じにくい。

 成形体7および上澄み8を成形金型2から取 出す。成形金型2から取り出した成形体7お び固化した上澄み8を図1(d)に示した。

 上澄み8を除去した後、成形体7にドリル による穴あけや切削、旋盤加工等の機械的 工を施し、成形体7を目的形状に整形する。 形体7に機械的加工を施して得られる加工成 形体9を図1(e)に示した。前述のように成形体7 の機械的強度は大きいので、このような機械 的加工を施しても成形体7の破損や亀裂が生 にくい。したがって、中子を使用して複雑 内部構造と形状にするのではなく、機械的 工を施すことにより複雑な形状にすること できる。つまり、この成形体の製造方法は 機械的加工を施すことにより複雑な内部構 と形状にすることのできる強度の大きい成 体を製造することができる。また、この機 的加工においては、成形体を中子とともに 工し、成形体を所定形状に成形することも きる。

 中子3がくるみ装着成型されている加工成 形体9から中子3を除去する。中子3を除去した 後の加工成形体9を図1(f)に示した。この中子3 を除去する操作においても、上述の通り、加 工成形体9が強固であるので、加工成形体9の 損や亀裂が生じにくい。中子3を除去する方 法としては、加工成形体9とともに中子3を溶 に浸して中子3を溶解除去する方法、および 加工成形体9とともに中子3を加熱して中子3を 熱分解除去する方法等を挙げることができる 。成形体が複雑形状を有する場合には、成形 体にクラックが生じにくい等の理由により、 中子3を溶解除去する方法が好適である。し し、中子の溶解除去の際、浸漬温度が高い ど、また泥漿中の結合剤の割合が低いほど 形体にクラックが生じやすくなるので、こ ような場合には、熱分解除去する方法が適 ている。

 溶解除去に使用する溶剤としては、中子3 は溶解するが結合剤樹脂は溶解しない溶剤が 好ましい。このような溶剤を使用すれば、中 子の溶解除去中にも成形体の強度が維持され るので、溶解除去中成形体にクラック等が生 じにくくなり、また中子の溶解除去後にも成 形体の強度が維持されるので、中子の溶解除 去後にも成形体の機械的加工が可能になる。 このような溶剤としては、中子3がアクリル 脂製である場合には、ジクロロエタン等を げることができる。

 加工成形体9を加熱し、加工成形体9中に 在する結合剤樹脂を熱分解して除去する(熱 脂)。熱脱脂済加工成形体10を図1(g)に示した 。この熱脱脂操作においても、上述の通り、 加工成形体9が強固であるので、熱脱脂済加 成形体10の破損や亀裂が生じにくい。熱脱脂 をするときの温度は、結合剤樹脂を熱分解す ることが可能な温度であり、結合剤樹脂ごと に決定される。たとえば結合剤樹脂にエポキ シアクリレート樹脂を使用したときには、熱 脱脂温度としては300~350℃が好ましい。また 形体のクラック発生を防止するためには、 脱脂温度まで一気に昇温するのではなく、25 ~100℃/hで昇温することが好ましい。熱脱脂時 間としては、結合剤樹脂にエポキシアクリレ ート樹脂を使用したときには、熱脱脂温度に 達した後4~200時間であることが好ましい。熱 脂は、真空、アルゴン-水素、アルゴン、空 気等の雰囲気下で行うことができる。

 また、前記の中子の熱分解除去を、結合 樹脂の熱脱脂と同一の操作で行うことも可 である。結合剤樹脂の熱脱脂と同一の操作 行う場合、たとえば中子の材料がアクリル 脂であるときには、真空雰囲気において、2 5~100℃/hで昇温していき、280~300℃の範囲では5 ℃/h程度でゆっくり昇温して先に中子を熱分 除去し、その後約315℃で60時間保持して、 合剤樹脂を分解除去することができる。

 熱脱脂済加工成形体10を焼結する。この 結によって得られるディーゼルエンジン用 料噴射ノズルである粉末焼結体11を図1(h)に した。焼結温度および焼結時間は、原料粉 、成形体の大きさおよびその形状等に応じ 適宜決定される。たとえば1,200~1,250℃で、0.5 ~3時間である。たとえば、原料粉末に冷間成 用型鋼を使用し、通常のディーゼルエンジ 用燃料噴射ノズルを製造する場合、電子顕 鏡観察によると、焼結温度が高くなるに従 焼結体の組織中の気泡の形状が丸くなり、 も減少し、組織の緻密化が進行する。1150~11 80℃では気泡の数の減少は著しく、焼結体の 対密度は93%程度に上昇する。約1260℃以上に なると、組織、密度の変化は小さくなり、135 0℃で4時間保持すると、相対密度は97%程度ま 上昇する。

 この粉末焼結体11は、本願発明に係る粉 焼結体である。粉末焼結体11は、図2に示し ような複雑で微細な構造を有する中子3を使 して作成した成形体7から作られているので 、粉末焼結体11も複雑で微細な構造を有する すなわちこの粉末焼結体の製造方法は、高 に複雑な形状を有する粉末焼結体を製造す ことができる。中子3には、枝部5が6本設け れていたので、粉末焼結体11には、6本の枝 5に対応して6個の噴射孔が形成されている

 上述の通り、本発明においては、複雑で 細な構造を有する焼結体を得ることができ ので、中子3において枝部の数を増やし、焼 結体に設けられる噴射孔の数を7個以上にす こともできる。したがって、本発明によれ 、実用上十分な数の噴射孔を有するディー ルエンジン用燃料噴射ノズル、たとえば4~100 個、好ましくは10~50個の噴射孔を有するディ ゼルエンジン用燃料噴射ノズルを製造する とができる。4~100個の噴射孔を有するディ ゼルエンジン用燃料噴射ノズルの製造は、 子3において枝部を4~100本にすることにより 成される。

 また、本発明によれば噴射孔の内径を小 くすることができ、実用上十分な内径の噴 孔を有するディーゼルエンジン用燃料噴射 ズル、たとえば内径30~100μm、好ましくは50~8 0μmの噴射孔を有するディーゼルエンジン用 料噴射ノズルを製造することができる。こ ようなディーゼルエンジン用燃料噴射ノズ の製造は、中子3において枝部の径を噴射孔 内径に対応して決定することにより達成さ る。

 また粉末焼結体11を作成した後、これに 械的加工を施して所望の形状の製品を作る とも可能である。

 本発明である粉末焼結体用成形体および 末焼結体、並びにこれらの製造方法は、上 一形態の構成のみには限定されない。

 たとえば粉末焼結体としては、ディーゼ エンジン用燃料噴射ノズル以外のノズルで ってもよく、小型化や精密化、省エネ化な 様々な要求の高い電子機器や通信機械機器 どを始めとする各方面の製品であってもよ 。この場合、図2に示した中子以外の中子を 使用することができる。

 上記例では、中子を使用して成形体およ 粉末焼結体に複雑な形状を付与しているが 本発明の粉末焼結体用成形体および粉末焼 体の製造方法では、中子を用いず、成形金 により成形体に複雑な形状を付与すること 可能である。また上述のように、遠心成形 単純な形状の成形体を作った後、これに機 的加工を行って成形体に複雑な形状を付与 ることもできる。

 上記例では、成形体の機械加工を行った に中子の除去を行っているが、本発明の粉 焼結体の製造方法では、中子除去の後に成 体の機械加工を行ってもよく、また中子除 の前後で成形体の機械加工を行ってもよい

 上記例では、成形体に機械的加工を加え 上で粉末焼結体を製造しているが、本発明 粉末焼結体の製造方法では、成形体に機械 加工を加えることなく、成形体を焼結して 末焼結体を製造することができる。

 以下、本発明を実施例により説明するが、 発明は、この実施例により何ら限定される のではない。
[実施例1]
 以下のようにしてディーゼルエンジン用燃 噴射ノズルおよびこれを製造するための成 体を作成した。

 組み合わされると、内径8mmの円筒状の成 型を形成するアルミニウム製の2つの割型を 用意し、それらの間に、図2の中子3と同様の 状を有するアクリル樹脂製中子を挟んで、 の2つの割型を組み合わせた。中子の枝部は 、直径0.2mmであった。

 スチレンモノマー5gに常温硬化系のエポ シアクリレート樹脂5gを混合し、この混合液 に粉径が4μmである冷間成形用型鋼SKD11(エプ ンアトミック(株)製)を20g加えて混合した。 の混合液に、ポリオキシエチレンジスチレ を0.8g、パーキュアVLを0.3g添加して、よく攪 し、泥漿を調整した。

 この泥漿を成形型内に注入した。この成 型をロータ半径98mmの高速冷却遠心機(日立 式会社製、CR-22G型)にセットし、これを作動 せて、7000rpmで10.8ks間泥漿に遠心力を加え、 成形体を作成した。2つの割型を引き離して 成形型から中子とともに成形体を取り出し 上澄みを除去した。このとき成形体に破損 よび亀裂は生じなかった。

 中子とともに成形体をジクロロエタンに して中子を溶解除去した。このとき成形体 は、中子の枝部が存在していた部位に孔が 成されていた。

 この成形体を、50℃/hで昇温して、300℃に て60時間加熱することにより、熱脱脂を行っ 。

 この熱脱脂済の成形体を電気炉に入れ、9.0 10 -3 Pa以下で、1723Kにて5.4ks間加熱して、焼結した 。このようにして焼結体が得られた。この焼 結体には破損および亀裂は生じておらず、歪 みもなかった。またこの焼結体には、中子の 枝部が存在していた部位にノズル孔が形成さ れていた。この焼結体は、ディーゼルエンジ ン用燃料噴射ノズルとして使用可能であると 認められた。
[比較例1]
 泥漿中に結合剤樹脂を添加しない以外は、 記実施例と同様にしてディーゼルエンジン 燃料噴射ノズルおよび成形体の製造を試み 。

 成形金型から取り出された成形体には、 子が存在する部分の周辺に亀裂が生じてい 。溶媒により中子を溶解除去すると、中子 枝部が存在していた部位に孔は形成されて るが、この孔から数本の亀裂が走っていた

 この成形体を焼結して得られた焼結体には その中央部に大きな亀裂が生じており、焼 体が大きく歪んでいた。またこの焼結体に 、中子の枝部が存在していた部位には空隙 存在していたが、その空隙から亀裂が走っ いるので、ノズル孔としては機能しえない のであった。この焼結体は、ディーゼルエ ジン用燃料噴射ノズルとしては使用できな と認められた。
[実施例2]
 以下の方法により、ディーゼルエンジン用 料噴射ノズルを作製し、燃料噴射試験を行 た。
(焼結体の作製)
 組み合わされると、内径 18 mmの円筒状の 形型を形成するアルミニウム製の2つの割型 用意し、それらの間に、図2の中子3と同様 形状を有するアクリル樹脂製中子を挟んで この2つの割型を組み合わせた。中子の枝部 、直径100μmであった。

 スチレンモノマー5gに常温硬化系のエポ シアクリレート樹脂5gを混合し、この混合液 に粉径が4μmである冷間成形用型鋼SKD11(エプ ンアトミック(株)製)を20g加えて混合した。 の混合液に、ポリオキシエチレンジスチレ を0.8g、パーキュアVLを0.15g添加して、よく攪 拌し、泥漿を調整した。

 この泥漿を成形型内に注入した。この成 型をロータ半径98mmの高速冷却遠心機(日立 式会社製、CR-22G型)にセットし、これを作動 せて、7000rpmで10.8ks間泥漿に遠心力を加え、 成形体を作成した。2つの割型を引き離して 成形型から、固化した上澄み部および中子 ともに成形体を取り出した。このときの成 体の側面概略図を図3に示した。

 この段階で成形体に機械的加工を施し、 ィーゼルエンジン用燃料噴射ノズルとなる き外部形状を形成させた。このとき、成形 に付着している中子も一緒に加工した。

 成形体に付着していた上澄み部を除去し 成形体をドリルにて穴あけ処理して、ディ ゼルエンジン用燃料噴射ノズルとなるべき 部形状を形成させた。このドリル処理後の 形体の縦断面概略図を図4に示した。

 中子が付着したこの成形体を、1.13×10 -3 Pa以下の真空雰囲気において加熱した。雰囲 温度が280℃までは200℃/hで昇温し、280~350℃ 範囲では2℃/hで昇温した。この操作により 中子を熱分解除去し、さらに結合剤樹脂を 解除去した。

 この熱脱脂済の成形体を電気炉に入れ、9.0 10 -3 Pa以下で、200℃/hで昇温し、1150℃にて1時間保 持して、焼結した。このようにして焼結体が 得られた。この焼結体の写真を図5に示した 図5(A)は、この焼結体の上面の写真であり、 5(B)は、この焼結体の側面の写真である。
(燃料噴射試験)
 この焼結体を、実際のディーゼルエンジン おいてディーゼルエンジン用燃料噴射ノズ が置かれている条件と同条件下に置き、燃 噴射試験を行った。燃焼室の圧力を1000MPa、 シリンダー内圧力を1.5MPa、噴射時間を0.7msと た。噴射孔から噴射された燃料は自然着火 、燃焼した。そのときの状態を高速度カメ で撮影した。

 図6にこのときに撮影された4枚の写真を示 た。図6から、焼結体に設けられた6つの噴射 孔から燃料がほぼ均等に噴射されていること がわかる。図6から、焼結体に設けられた6つ 噴射孔はすべて十分に実用できるように形 されており、さらにこの焼結体は、実際の 料噴射に耐えうる強度を有していることが かった。