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Title:
MULTI-FUEL INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102633
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a multi-fuel internal combustion engine. The multi-fuel internal combustion engine is operated by leading a single low-boiling point component fuel and at least one fuel different from the single low-boiling point component fuel in properties either each solely or together to a combustion chamber (CC). The multi-fuel internal combustion engine comprises lubricating oil temperature detecting means (temperature sensor (91)) for detecting the temperature of a lubricating oil or lubricating oil temperature estimating means for estimating the temperature of the lubricating oil, and purge control means (electronic control unit (1)) which, when the temperature of the detected or estimated lubricating oil is around the boiling temperature of the single low-boiling point component fuel, prohibits purge control by an evaporation gas purge apparatus (comprising an evaporation gas passage (42), a check valve (43), a canister (44), and an opening/closing valve (45)), or reduces the purge flow rate of the evaporation gas in the purge control.

Inventors:
TSUNOOKA TAKASHI (JP)
WATANABE TAKASHI (JP)
HOSOKAWA YOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051742
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
TSUNOOKA TAKASHI (JP)
WATANABE TAKASHI (JP)
HOSOKAWA YOHEI (JP)
International Classes:
F02M25/08; F02D19/06; F02D19/08; F02D45/00
Foreign References:
JP2004197591A2004-07-15
JP2003322052A2003-11-14
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 単一低沸点成分燃料と当該単一低沸点成分燃料とは性状の異なる少なくとも1種類の燃料とを各々単独で又は一緒に燃焼室へと導いて運転される多種燃料内燃機関において、
 潤滑油の温度を検出する潤滑油温度検出手段又は当該温度を推定する潤滑油温度推定手段と、
 該検出又は推定された潤滑油の温度が前記単一低沸点成分燃料の沸点温度近傍であるときにエバポレーションガスパージ装置によるパージ制御を禁止させる又は当該パージ制御におけるエバポレーションガスのパージ流量を減少させるパージ制御手段と、
 を設けたことを特徴とする多種燃料内燃機関。
 前記潤滑油の前記単一低沸点成分燃料による潤滑油希釈率を検出する潤滑油希釈率検出手段又は当該潤滑油希釈率を推定する潤滑油希釈率推定手段を更に設け、
 前記パージ制御手段は、前記検出又は推定された潤滑油希釈率に応じて前記パージ制御を禁止させる又は当該潤滑油希釈率に応じて前記パージ制御におけるエバポレーションガスのパージ流量の減少度合いを変更させるように構成したことを特徴とする請求項1記載の多種燃料内燃機関。
 前記パージ制御手段は、前記潤滑油希釈率が高いほど前記パージ制御を禁止させる又は当該潤滑油希釈率が高いほど前記パージ制御におけるエバポレーションガスのパージ流量の減少度合いを大きくさせるように構成したことを特徴とする請求項2記載の多種燃料内燃機関。
Description:
多種燃料内燃機関

 本発明は、アルコール燃料に代表される 一低沸点成分燃料と当該単一低沸点成分燃 とは性状の異なる少なくとも1種類の燃料と を用いて運転される多種燃料内燃機関に関す る。

 通常、燃料タンク内においては、貯留さ ている燃料の蒸発によって燃料蒸発ガス(エ バポレーションガス)が生成される。この燃 タンクは、一般に密閉されており、そのエ ポレーションガスの増加に伴って内圧が上 するので、その圧力を外部に逃がさなけれ 破損等を引き起こす虞がある。しかしなが 、そのエバポレーションガスは、例えばガ リン燃料が蒸発したものの場合であれば有 な炭化水素(HC)成分を含んでいるので、環境 能の観点からすれば大気開放させるべきで ない。そこで、従来、内燃機関においては そのエバポレーションガスをキャニスタの の活性炭に吸着させ、機関の吸気負圧によ て新気と共に吸気系へと導入させる(パージ 制御させる)エバポレーションガスパージ装 を用意している。例えば、下記の特許文献1 ら4には、そのエバポレーションガスパージ 装置に対するパージ制御について種々の形態 が開示されている。

 先ず、その特許文献1には、エバポレーシ ョンガスの多くなる軽質燃料の場合にエバポ レーションガスのパージ流量を絞り、エバポ レーションガスの少なくなる重質燃料の場合 にエバポレーションガスを積極的にパージさ せるパージ制御について記載されている。一 方、特許文献2には、燃料が重質であるほど バポレーションガスのパージ流量を抑える ージ制御について記載されている。

 ここで、アルコール混合燃料の場合には 燃料タンク内のアルコール濃度(アルコール 燃料の混合割合)に応じて蒸発度合いが変化 るので、パージ制御時に燃焼室内の空燃比 目標空燃比に対してずれてしまい、機関出 性能や排気エミッション性能等の低下を招 てしまう。従って、アルコール混合燃料の 合には、特許文献3,4に記載されているよう 、燃料タンク内のアルコール濃度に応じて バポレーションガスのパージ流量を調節す ことが好ましい。尚、特許文献3の技術は、 料タンク内のアルコール濃度とアルコール 合燃料の蒸発度合いとに基づいてパージ制 を行うべく構成されている。

特開平4-136469号公報

特開平6-81730号公報

特開平1-106971号公報

特開平5-99083号公報

 ところで、燃焼室に送り込まれたアルコ ル混合燃料の一部は、シリンダボア壁面に 着し、潤滑油と共にピストンリングで掻き げられてオイルパンに溜められる。つまり オイルパン内の潤滑油は、アルコール混合 料によって希釈されている。そして、一般 、アルコール燃料等の単一低沸点成分燃料 、沸点が低く、また、その沸点に達した時 で一気に蒸発する。従って、その潤滑油の 温が単一低沸点成分燃料の沸点を超えるこ は十分にあり得るので、その潤滑油に希釈 れている単一低沸点成分(アルコール成分等 )は、一度に蒸発してシリンダボア壁面とピ トンリングの隙間から燃焼室へと流れ込ん しまう。これが為、たとえ上記特許文献3,4 ように燃料タンク内のアルコール濃度に応 てパージ制御を実行しても、その流入した 一低沸点成分によって燃焼室内の実際の空 比が目標空燃比よりも過濃(リッチ)側になっ てしまう場合があるので、この場合には、エ ミッション性能やドライバビリティの悪化を 招く虞がある。

 ここで、その燃焼室内への単一低沸点成 の流入量に合わせて燃料噴射弁の噴射量を えればよい、との観点に立つこともできる 、その噴射量の低下にも限度があり、噴射 を燃料噴射弁の最小噴射量にまで絞ったと ても、その低下量よりも多くの単一低沸点 分が燃焼室内に流入した場合には、燃焼室 の実際の空燃比が目標空燃比よりも過濃(リ ッチ)側になってしまい、エミッション性能 の悪化を抑えることができないという事態 十分に考えられる。

 そこで、本発明は、単一低沸点成分燃料 使用されても燃焼室内の空燃比を適切な値 制御して良好な運転を実現させることので る多種燃料内燃機関を提供することを、そ 目的とする。

 上記目的を達成する為、請求項1記載の発 明では、単一低沸点成分燃料と当該単一低沸 点成分燃料とは性状の異なる少なくとも1種 の燃料とを各々単独で又は一緒に燃焼室へ 導いて運転される多種燃料内燃機関におい 、潤滑油の温度を検出する潤滑油温度検出 段又は当該温度を推定する潤滑油温度推定 段と、その検出又は推定された潤滑油の温 が単一低沸点成分燃料の沸点温度近傍であ ときにエバポレーションガスパージ装置に るパージ制御を禁止させる又は当該パージ 御におけるエバポレーションガスのパージ 量を減少させるパージ制御手段と、を設け いる。

 この請求項1記載の多種燃料内燃機関にお いては、潤滑油の中から蒸発した単一低沸点 成分燃料が燃焼室内に供給されてしまうとき にパージ制御の禁止又はパージ流量の減少を 図るので、その蒸発した単一低沸点成分燃料 によって過濃(リッチ)側になる虞のある燃焼 内の実際の空燃比を目標空燃比に合わせ込 ことができる。

 また、上記目的を達成する為、請求項2記 載の発明では、上記請求項1記載の多種燃料 燃機関において、潤滑油の単一低沸点成分 料による潤滑油希釈率を検出する潤滑油希 率検出手段又は当該潤滑油希釈率を推定す 潤滑油希釈率推定手段を更に設け、前記パ ジ制御手段は、その検出又は推定された潤 油希釈率に応じてパージ制御を禁止させる は当該潤滑油希釈率に応じてパージ制御に けるエバポレーションガスのパージ流量の 少度合いを変更させるように構成している

 具体的に、そのパージ制御手段は、例え 請求項3記載の発明の如く、その請求項2記 の多種燃料内燃機関において、潤滑油希釈 が高いほどパージ制御を禁止させる又は当 潤滑油希釈率が高いほどパージ制御におけ エバポレーションガスのパージ流量の減少 合いを大きくさせるように構成する。

 従って、これら請求項2又は3に記載の多 燃料内燃機関においては、オイルパン内の 滑油に混入している単一低沸点成分燃料の が少量であるならば、従来と同様にパージ 御を実行してパージ流量の確保を図ること できる。そして、これにより、このときの 種燃料内燃機関においては、パージ制御の 止やパージ流量の減少によって希薄(リーン) 側になる虞のある燃焼室内の実際の空燃比を 目標空燃比に合わせ込むことができる。一方 、この多種燃料内燃機関においては、オイル パン内の潤滑油に混入している単一低沸点成 分燃料の量が多く、更に、その潤滑油の中か ら蒸発した単一低沸点成分燃料が燃焼室内に 供給されてしまうときに、パージ制御の禁止 又はパージ流量の減少を図る。そして、これ により、このときの多種燃料内燃機関におい ては、その蒸発した単一低沸点成分燃料によ って過濃(リッチ)側になる虞のある燃焼室内 実際の空燃比を目標空燃比に合わせ込むこ ができる。

 本発明に係る多種燃料内燃機関は、オイ パン内の潤滑油の中から蒸発した単一低沸 成分燃料が燃焼室内に供給されたとしても その燃焼室内の実際の空燃比を運転条件に じた目標空燃比へと制御することができる 従って、この多種燃料内燃機関によれば、 の蒸発した単一低沸点成分燃料に影響され ことなく排気エミッション性能やドライバ リティの悪化を抑制して、運転条件に応じ 良好な運転を行うことができる。

図1は、本発明に係る多種燃料内燃機関 の構成の一例について示す図である。 図2は、潤滑油に混入しているガソリン 燃料及びアルコール燃料の温度とそのガソリ ン燃料及びアルコール燃料の潤滑油からの蒸 留割合との関係を表した図である。 図3は、実施例1の多種燃料内燃機関の ージ制御禁止動作について説明するフロー ャートである。 図4は、実施例2の多種燃料内燃機関の ージ制御禁止動作について説明するフロー ャートである。 図5は、実施例3の温度域補正値設定マ プデータの一例について示す図である。 図6は、実施例3の多種燃料内燃機関の ージ制御禁止動作について説明するフロー ャートである。

符号の説明

 1 電子制御装置
 11b 吸気ポート
 17 オイルパン
 41 燃料タンク
 42 エバポレーションガス通路
 43 逆止弁
 44 キャニスタ
 45 開閉弁
 50 燃料供給装置
 55 燃料噴射弁
 81 ブローバイガス通路
 82 ブローバイガス制御弁
 91 温度センサ(潤滑油温度検出手段)
 92 水温センサ
 93 アルコール濃度センサ(潤滑油希釈率検 手段)
 94 排気センサ
 CC 燃焼室
 Ra 所定値
 Ro 潤滑油希釈率
 Tav 潤滑油の沸点温度
 To 潤滑油の温度
 α,β 温度域補正値

 以下に、本発明に係る多種燃料内燃機関 実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 、この実施例によりこの発明が限定される のではない。

 本発明に係る多種燃料内燃機関の実施例1 を図1から図3に基づいて説明する。本実施例1 の多種燃料内燃機関とは、単一低沸点成分燃 料と当該単一低沸点成分燃料とは性状の異な る少なくとも1種類の燃料との混合燃料を1つ 燃料タンク内に貯留させ、その混合燃料を いて運転される内燃機関であり、図1に示す 電子制御装置(ECU)1によって燃焼制御等の各種 制御動作が実行されるものである。その電子 制御装置1は、図示しないCPU(中央演算処理装 ),所定の制御プログラム等を予め記憶して るROM(Read Only Memory),そのCPUの演算結果を一 記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意され 情報等を記憶するバックアップRAM等で構成 れている。尚、その単一低沸点成分燃料と 、単一成分の燃料で且つ沸点の比較的低い 料のことを指す。例えば、この単一低沸点 分燃料としては、エタノールやメタノール のような単一成分で構成された沸点の低い ルコール燃料が代表的なものとして考えら る。

 最初に、ここで例示する多種燃料内燃機 の構成について図1に基づき説明を行う。尚 、その図1においては1気筒のみを図示してい が、本発明は、これに限らず、多気筒の多 燃料内燃機関にも適用可能である。本実施 1においては、複数の気筒を具備しているも のとして説明する。

 この多種燃料内燃機関には、燃焼室CCを 成するシリンダヘッド11,シリンダブロック12 及びピストン13が備えられている。ここで、 のシリンダヘッド11とシリンダブロック12は 図1に示すヘッドガスケット14を介してボルト 等で締結されており、これにより形成される シリンダヘッド11の下面の凹部11aとシリンダ ロック12のシリンダボア12aとの空間内にピ トン13が往復移動可能に配置される。そして 、上述した燃焼室CCは、そのシリンダヘッド1 1の凹部11aの壁面とシリンダボア12aの壁面と ストン13の頂面13aとで囲まれた空間によって 構成される。

 本実施例1の多種燃料内燃機関は、機関回 転数や機関負荷等の運転条件に従って空気と 混合燃料を燃焼室CCに送り込み、その運転条 に応じた燃焼制御を実行する。その空気に いては、図1に示す吸気通路21とシリンダヘ ド11の吸気ポート11bを介して外部から吸入 れる。一方、その混合燃料については、図1 示す燃料供給装置50を用いて供給される。

 先ず、空気の供給経路について説明する 本実施例1の吸気通路21上には、外部から導 した空気に含まれる塵埃等の異物を除去す エアクリーナ22と、外部からの吸入空気量 検出するエアフロメータ23と、が設けられて いる。この多種燃料内燃機関においては、そ のエアフロメータ23の検出信号が電子制御装 1へと送られ、その検出信号に基づいて電子 制御装置1が吸入空気量や機関負荷等を算出 る。

 また、その吸気通路21上におけるエアフ メータ23よりも下流側には、燃焼室CC内への 入空気量を調節するスロットルバルブ24と このスロットルバルブ24を開閉駆動するスロ ットルバルブアクチュエータ25と、が設けら ている。本実施例1の電子制御装置1の吸入 気制御手段は、そのスロットルバルブアク ュエータ25を運転条件に従って駆動制御し、 その運転条件に応じた弁開度(換言すれば、 入空気量)となるようにスロットルバルブ24 開弁角度を調節させる。例えば、そのスロ トルバルブ24は、運転条件に応じた空燃比を 成す為に必要な吸入空気量の空気が燃焼室CC 吸入されるよう調節される。この多種燃料 燃機関においては、そのスロットルバルブ2 4の弁開度を検出し、その検出信号を電子制 装置1に送信するスロットル開度センサ26が けられている。

 更に、吸気ポート11bはその一端が燃焼室C Cに開口しており、その開口部分に当該開口 開閉させる吸気バルブ31が配設されている。 その開口の数量は1つでも複数でもよく、そ 開口毎に吸気バルブ31が配備される。従って 、この多種燃料内燃機関においては、その吸 気バルブ31を開弁させることによって吸気ポ ト11bから燃焼室CC内に空気が吸入される一 、その吸気バルブ31を閉弁させることによっ て燃焼室CC内への空気の流入が遮断される。

 ここで、その吸気バルブ31としては、例 ば、図示しない吸気側カムシャフトの回転 弾性部材(弦巻バネ)の弾発力に伴って開閉駆 動されるものがある。この種の吸気バルブ31 おいては、その吸気側カムシャフトとクラ クシャフト15の間にチェーンやスプロケッ 等からなる動力伝達機構を介在させること よってその吸気側カムシャフトをクランク ャフト15の回転に連動させ、予め設定された 開閉時期に開閉駆動させる。本実施例1の多 燃料内燃機関においては、このようなクラ クシャフト15の回転に同期して開閉駆動され る吸気バルブ31を適用する。

 但し、この多種燃料内燃機関は、その吸 バルブ31の開閉時期やリフト量を変更可能 所謂可変バルブタイミング&リフト機構等 の可変バルブ機構を具備してもよく、これに より、その吸気バルブ31の開閉時期やリフト を運転条件に応じた好適なものへと可変さ ることができるようになる。更にまた、こ 多種燃料内燃機関においては、かかる可変 ルブ機構と同様の作用効果を得るべく、電 力を利用して吸気バルブ31を開閉駆動させ 所謂電磁駆動弁を利用してもよい。

 続いて、燃料供給装置50について説明す 。この燃料供給装置50は、性状の異なる複数 種類の燃料を燃焼室CCへと導くものであり、 の供給対象の各燃料の1つとして少なくとも 単一低沸点成分燃料を含んでいる。本実施例 1にあっては、1つの燃料タンク41に混合され 状態で貯留させた複数種類の燃料(混合燃料) をポート噴射し、これを吸入空気と共に燃焼 室CCへと送り込む形態の燃料供給装置50につ て例示する。ここで、本実施例1の燃料タン 41には、ガソリン燃料と単一低沸点成分燃 としてのアルコール燃料とを混ぜ合わせた 態で貯留しておく。つまり、ここで例示し いる多種燃料内燃機関は、燃料タンク41内の ガソリン燃料とアルコール燃料の混合燃料( 下、「アルコール混合燃料」という。)を用 て運転させる。

 本実施例1の燃料供給装置50は、具体的に 燃料タンク41から第1燃料通路51を介して吸 上げたアルコール混合燃料を第2燃料通路52 送出させるフィードポンプ53と、その第2燃 通路52のアルコール混合燃料を夫々の気筒に 分配させるデリバリ通路54と、このデリバリ 路54から供給されたアルコール混合燃料を 気ポート11bに噴射させる各気筒の燃料噴射 55と、を備える。そして、この燃料供給装置 50は、そのフィードポンプ53及び燃料噴射弁55 を運転条件に従って電子制御装置1の燃料噴 制御手段に駆動制御させ、これにより、そ 運転条件に対応させた燃料噴射量,燃料噴射 期及び燃料噴射期間等の燃料噴射条件でア コール混合燃料の噴射が行われるように構 する。

 この燃料供給装置50の燃料噴射弁55から噴 射されたアルコール混合燃料は、吸気ポート 11b内の新気(吸入空気)と混ざり合いながら燃 室CCに混合気として供給される。そして、 子制御装置1の点火時期制御手段は、運転条 に応じた点火時期になると図1に示す点火プ ラグ61に対して点火指示を行い、その混合気 対して点火動作を行って燃焼させる。その 焼された後の筒内ガス(燃焼ガス)は、燃焼 CCから図1に示す排気ポート11cへと排出され 。

 ここで、この排気ポート11cには、燃焼室C Cとの間の開口を開閉させる排気バルブ71が配 設されている。その開口の数量は1つでも複 でもよく、その開口毎に上述した排気バル 71が配備される。従って、この多種燃料内燃 機関においては、その排気バルブ71を開弁さ ることによって燃焼室CC内から排気ポート11 cに燃焼ガスが排出され、その排気バルブ71を 閉弁させることによって燃焼ガスの排気ポー ト11cへの排出が遮断される。例えば、その排 気バルブ71としては、上述した吸気バルブ31 同様に、動力伝達機構を介在させたもの、 謂可変バルブタイミング&リフト機構等の 可変バルブ機構を具備したものや所謂電磁駆 動弁を適用することができる。

 ところで、本実施例1の燃料タンク41内に いては、アルコール混合燃料の蒸発によっ ガソリン成分とアルコール成分のエバポレ ションガスが生成される。従って、本実施 1の多種燃料内燃機関においても、従来と同 様にエバポレーションガスパージ装置が用意 されている。この本実施例1のエバポレーシ ンガスパージ装置は、図1に示す如く、燃料 ンク41内と吸気通路21内とを連通させるエバ ポレーションガス通路42と、燃料タンク41内 らエバポレーションガス通路42に流入したエ バポレーションガスの逆流を防ぐ逆止弁43と この逆止弁43を経たエバポレーションガス 吸着させるキャニスタ44と、そのエバポレー ションガス通路42と吸気通路21内とを連通又 遮断させてキャニスタ44に吸着されたエバポ レーションガスの流動を制御する開閉弁45と を備えて構成する。

 ここで、その逆止弁43としては、燃料タ ク41内の圧力が所定圧力を超えたときに開弁 状態となる一方、その圧力が所定圧力よりも 低いときに閉弁状態となるように構成された ものを利用する。また、その開閉弁45として 、電子制御装置1の指示に従って開閉動作が 行われるものであり、パージ制御(エバポレ ションガスの吸気通路21への供給制御)の実 時に開弁させる一方、それ以外のときに閉 させるように構成されたものを利用する。 の開閉弁45は、パージ制御の制御条件となっ たときに全開にまで弁体を動かす形態のもの であってもよく、弁体の開弁角度を無段階又 は段階的にパージ制御の制御条件に応じて変 化させる形態のものであってもよい。

 従って、このエバポレーションガスパー 装置においては、エバポレーションガスの 成に伴って燃料タンク41内の圧力が上昇し その圧力が所定圧力を超えたときに逆止弁43 が開弁して燃料タンク41内のエバポレーショ ガスがキャニスタ44へと導かれる。そして そのエバポレーションガスはキャニスタ44の 中の活性炭に吸着されるので、このエバポレ ーションガスパージ装置は、電子制御装置1 パージ制御手段がパージ制御の制御条件に じて(ここでは、所定の運転条件に合わせて) 閉弁状態にある開閉弁45を開弁させ、そのキ ニスタ44に吸着されたエバポレーションガ を吸気通路21に供給する。

 このようにしてパージ制御が為された場 、そのエバポレーションガスは、吸気通路2 1内の新気(吸入空気)と混ざり合いながら、更 に燃料噴射弁55から噴射されたアルコール混 燃料とも混ざり合いながら燃焼室CCに供給 れる。つまり、この場合の燃焼室CC内におい ては、そのエバポレーションガスの分だけ空 燃比が目標空燃比(運転条件に応じて燃焼制 時に設定される空燃比)に対して過濃(リッチ )側になっている。これが為、通常、電子制 装置1の燃料噴射制御手段は、そのエバポレ ションガスの分だけ燃料噴射弁55からの燃 噴射量を減らし、燃焼室CC内の空燃比が目標 空燃比となるように制御している。

 更に、一般に、内燃機関においては、ピ トン13(厳密にはピストンリング16a~16c)とシ ンダボア12aの壁面との隙間を通って燃焼室CC 内のガスがクランクケース内に漏れ出る。そ の漏れ出たガスは、未燃焼混合気や燃焼後生 成物であり、通常ブローバイガスと呼ばれる 。ここで、そのブローバイガスは、その一部 がオイルパン17内の潤滑油に混入する一方、 の残りがクランクケース内に留まる。そし 、そのクランクケース内のブローバイガス 、多量に留まっているとピストン13の動き 阻害するので好ましくない。そこで、通常 内燃機関には、そのクランクケース内のブ ーバイガスを外部に排出して吸気経路に再 環させるブローバイガス還元装置が用意さ ている。

 例えば、本実施例1の多種燃料内燃機関に おいては、アルコール混合燃料の未燃焼混合 気、HCやCO等の燃焼後生成物がブローバイガ としてクランクケース(ここでは、シリンダ ロック12の下部とオイルパン17の上部とで形 成されている)内に存在している。本実施例1 おいては、そのクランクケース内に連通さ たシリンダブロック12及びシリンダヘッド11 の通路(図示略)と、このシリンダヘッド11の 路と吸気通路21を連通させるブローバイガス 通路81と、このブローバイガス通路81と吸気 路21の間に配設したブローバイガス制御弁82 、でブローバイガス還元装置を構成してい 。そのブローバイガス制御弁82は、例えば 吸気負圧に応じて吸気通路21へのブローバイ ガスの流入量が調節される形態のものが考え られる。

 このブローバイガス還元装置によって供 されたブローバイガスは、吸気通路21内の 気(吸入空気)と混ざり合い、更に燃料噴射弁 55から噴射されたアルコール混合燃料とも混 り合いながら、そして、パージ制御実行時 はエバポレーションガスとも混ざり合いな ら燃焼室CCに供給される。従って、その際 燃焼室CC内においては、そのブローバイガス によって空燃比が目標空燃比に対して過濃( ッチ)側になっている。特に、パージ制御ま も実行されているときには、より過濃側へ 空燃比が変わる。これが為、電子制御装置1 の燃料噴射制御手段には、燃焼室CC内の空燃 が目標空燃比となるように燃料噴射弁55か の燃料噴射量を減少させる。

 ここで、上述したように、クランクケー 内のブローバイガスの一部は、オイルパン1 7内の潤滑油に混入する。更に、シリンダボ 12aの壁面には潤滑油のみならずアルコール 合燃料が付着することもあり、その壁面の 滑油は、その壁面のアルコール混合燃料と にピストンリング16a~16cによって掻き下げら てオイルパン17内の潤滑油に戻される。つ り、オイルパン17内の潤滑油は、主としてア ルコール混合燃料によって希釈されている。

 アルコール燃料は、一般に他の燃料(ガソ リン燃料等)よりも沸点が低くて蒸発性が高 単一低沸点成分燃料である。これが為、オ ルパン17内の潤滑油に混入しているアルコー ル混合燃料のアルコール成分は、図2に示す うに、その潤滑油が温度上昇してアルコー 燃料の沸点に達した時点で一気に蒸発し、 ランクケース内に出ていく。一方、その潤 油においては、混入しているアルコール混 燃料のガソリン成分が図2に示す如く温度上 に応じて徐々に蒸発していき重質成分のみ 残る。つまり、潤滑油に混入しているアル ール混合燃料は、ガソリン燃料に比べれば ルコール燃料の方が潤滑油の温度上昇によ 蒸発が起こりやすい。尚、その図2は、潤滑 油に混入しているガソリン燃料及びアルコー ル燃料の温度とそのガソリン燃料及びアルコ ール燃料の潤滑油からの蒸留割合(潤滑油か 蒸発してくる割合)との関係を表した図であ 。そして、その一気に蒸発したアルコール 料(以下、「蒸発アルコール燃料」ともいう 。)は、その多くがブローバイガスと共に吸 通路21へと供給されてから燃焼室CCに送られ また、その内の一部がピストン13とシリン ボア12aの壁面との隙間を通って燃焼室CCに送 られる。従って、電子制御装置1の燃料噴射 御手段には、オイルパン17内の潤滑油の温度 を監視させながら、その温度がアルコール燃 料の蒸発を招く所定の温度域(アルコール燃 の沸点近傍)になったときに燃焼室CC内の空 比が目標空燃比となるよう燃料噴射弁55から の燃料噴射量を更に減少させなければならな い。

 しかしながら、燃焼室CC内の空燃比を大 く過濃(リッチ)側にしてしまう場合(オイル ン17内の潤滑油へのアルコール燃料の混入量 が多いときにアルコール燃料の蒸発が起こっ た場合、エバポレーションガスとブローバイ ガスが吸気通路21に供給されているときにア コール燃料の蒸発が起こった場合等)には、 燃料噴射弁55の最小燃料噴射量にまで燃料噴 量を減らしたとしても燃焼室CC内の空燃比 目標空燃比にすることができない可能性が る。つまり、かかる場合には、燃焼室CC内の 空燃比を目標空燃比にする為に要求された燃 料噴射量が燃料噴射弁55の最小燃料噴射量よ も少なくなっていることがあり得るので、 際の燃焼室CC内の空燃比が目標空燃比に対 て過濃(リッチ)側になり、排気エミッション 性能の悪化やドライバビリティの悪化を招い てしまう虞がある。

 そこで、本実施例1の多種燃料内燃機関に おいては、オイルパン17内の潤滑油の温度To 所定のパージ制御禁止温度域(Tav-α≦To<Tav+ β)に入ったときにパージ制御を禁止させるよ うに電子制御装置1のパージ制御手段を構成 る。ここで、その「Tav」は、アルコール混 燃料を成すアルコール燃料の沸点温度であ 。また、その「α」と「β」は、潤滑油の中 らアルコール燃料が蒸発していく可能性の る沸点温度Tav近傍の温度域を表す為のもの あり、理論上の沸点温度Tavに対する実際の ルコール燃料の沸点温度の誤差を考慮に入 る為の温度域補正値である。これら温度域 正値α,βは、各々に異なる値でもよければ じ値であってもよく、予め実験やシミュレ ションを行って求めておく。

 ここで、潤滑油の温度Toが沸点温度Tavに して十分に高くなっている場合には、一般 異常燃焼等によって燃焼室CC内の燃焼温度が 極端に高くなっているときと推定することが できるので、濃い目の混合気によって燃焼室 CC内の温度を低下させることができる。これ 為、ここでは、上記の所定のパージ制御禁 温度域に上限「Tav+β」を設けている。

 更に、本実施例1の多種燃料内燃機関にお いては、そのオイルパン17内の潤滑油の温度T oを検出する潤滑油温度検出手段が設けられ いる。ここでは、その潤滑油の温度Toを直接 検出する図1に示す油温センサ91が潤滑油温度 検出手段として用意されている。

 以下に、この本実施例1の多種燃料内燃機 関の動作の一例を図3のフローチャートに基 き説明する。

 先ず、本実施例1の電子制御装置1には、 イルパン17内の潤滑油の温度Toが入力される( ステップST5)。この温度Toは、上述した潤滑油 温度検出手段(油温センサ91)の検出信号に基 いて検出されたものである。

 そして、この電子制御装置1のパージ制御 手段は、そのオイルパン17内の潤滑油の温度T oが所定のパージ制御禁止温度域(Tav-α≦To<T av+β)に入っているのか否かについて判断する (ステップST10)。

 このパージ制御手段は、その潤滑油の温 Toが所定のパージ制御禁止温度域から外れ いれば本処理を一旦終了させる。これによ 、このときの多種燃料内燃機関においては パージ制御の実行が必要とされる制御条件 になったときに、パージ制御手段によりエ ポレーションガスパージ装置に対してパー 制御の実行が指示される。従って、そのと のパージ制御手段は、従前と同様に、エバ レーションガスパージ装置の開閉弁45の弁体 を全開状態に保たせる又は既に閉弁状態にあ れば全開させて、キャニスタ44に吸着された バポレーションガスを吸気通路21に供給さ る。

 一方、このパージ制御手段は、その潤滑 の温度Toが所定のパージ制御禁止温度域に っていればパージ制御禁止フラグを立てる してパージ制御を禁止させる(ステップST15) これにより、このときの多種燃料内燃機関 おいては、パージ制御の実行が必要とされ 制御条件になったときでもパージ制御手段 よるパージ制御指示が実行されない。つま 、そのときのパージ制御手段は、エバポレ ションガスパージ装置の開閉弁45の弁体を全 閉状態に保たせる又は既に開弁状態にあれば 全閉させて、キャニスタ44に吸着されたエバ レーションガスを吸気通路21に供給させな ようにする。従って、そのときの電子制御 置1の燃料噴射制御手段は、燃焼室CCに送ら るブローバイガスと蒸発アルコール燃料の 分のみを考慮して燃料噴射弁55からの燃料噴 射量を減少させればよい。そして、これによ り燃焼室CC内の実際の空燃比を目標空燃比に ることができるので、本実施例1の多種燃料 内燃機関は、そのときの運転条件に応じた良 好な運転を行うことができる。例えば、従来 と比すれば、この多種燃料内燃機関は、パー ジ制御を禁止することによって燃焼室CC内の 際の空燃比が目標空燃比に対して過濃(リッ チ)側にならずとも済むので、排気エミッシ ン性能やドライバビリティの悪化を抑制し 良好な運転が行われる。

 ところで、パージ制御が禁止されたから いって燃料タンク41内においてエバポレー ョンガスの生成が止まるわけではない。従 て、エバポレーションガスパージ装置にお ては、生成されたエバポレーションガスが ージ制御の禁止時であってもキャニスタ44の 中の活性炭に吸着されている。しかしながら 、キャニスタ44のエバポレーションガスの吸 量にも限度があり、無制限にエバポレーシ ンガスを吸着し続けることができるわけで ない。そこで、本実施例1のエバポレーショ ンガスパージ装置は、キャニスタ44が飽和状 (これ以上エバポレーションガスを活性炭に 吸着させることができない状態)になったと にショートトリップ等を繰り返し、余剰分 エバポレーションガスを大気開放させるよ に構成している。

 ここで、この本実施例1においては潤滑油 温度検出手段(油温センサ91)によってオイル ン17内の潤滑油の温度Toを検出させているが その温度Toは、必ずしも潤滑油温度検出手 で直接検出させなくてもよい。例えば、水 センサ92によって検出された冷却水の温度を 利用して潤滑油の温度Toの推定を行うように てもよい。この場合には、電子制御装置1に 潤滑油温度推定手段を設け、例えば、冷却水 の温度と潤滑油の温度Toとの対応関係のマッ データを用いて潤滑油の温度Toを推定させ ばよい。このように潤滑油の温度Toを推定さ せたとしても、この場合の多種燃料内燃機関 は、上述したような良好な運転を行うことが できる。

 次に、本発明に係る多種燃料内燃機関の 施例2を図1及び図4に基づいて説明する。

 前述した実施例1の多種燃料内燃機関にお いては、オイルパン17内の潤滑油の温度Toが 定のパージ制御禁止温度域(Tav-α≦To<Tav+β) に入っているならば、他の要件に関係なくパ ージ制御を禁止させている。

 しかしながら、オイルパン17内の潤滑油 は常に同量のアルコール燃料(単一低沸点成 燃料)が混入しているとは限らず、潤滑油の 温度Toのみを以て一律にパージ制御を禁止さ ることは好ましくない。つまり、その潤滑 に混入しているアルコール燃料が少量の場 にはその潤滑油の中から蒸発するアルコー 燃料の量も少ないので、多くのパージ流量 必要とされる運転条件のときには、パージ 御を行ってエバポレーションガスを燃焼室C Cに供給しなければ、その燃焼室CC内の実際の 空燃比が目標空燃比に対して大きく希薄(リ ン)側に乖離してしまい、例えば燃焼不良を き起こしてノッキングを発生させてしまう 、運転条件に応じた良好な運転ができなく る可能性がある。前述した実施例1の多種燃 料内燃機関においては、そのような状況下で 燃料噴射弁55からの燃料噴射量を増加させる とによって目標空燃比を達成することがで るが、その反面燃費性能を悪化させてしま 。

 そこで、本実施例2においては、オイルパ ン17内の潤滑油への単一低沸点成分燃料(アル コール燃料)の混入量についても考慮に入れ 上でパージ制御を禁止するのか否か判断さ る。具体的に、本実施例2の多種燃料内燃機 は、前述した実施例1の多種燃料内燃機関に おいて、その潤滑油の単一低沸点成分燃料( ルコール燃料)による希釈率(以下、「潤滑油 希釈率」という。)Roの検出を行う潤滑油希釈 率検出手段を用意し、その潤滑油希釈率Roが 定値(所定の希釈率)Raを超えないときにはパ ージ制御が禁止されないように電子制御手段 1のパージ制御手段を構成する。

 ここで、本実施例2の潤滑油希釈率検出手 段としては、例えば、オイルパン17内の潤滑 におけるアルコール濃度を検出する図1に示 すアルコール濃度センサ93が利用可能である また、上記の所定値(所定の希釈率)Raとして は、例えば、その潤滑油の中から蒸発したア ルコール燃料が燃焼室CCに供給されたとして 空燃比を大きく変化させない(つまり、機関 出力や排気エミッション性能等の機関性能を 悪化させない)程度の潤滑油希釈率を設定す ばよい。この所定値Raは、予め実験やシミュ レーションを行って求めておく。

 以下に、この本実施例2の多種燃料内燃機 関の動作の一例を図4のフローチャートに基 き説明する。

 先ず、本実施例2の電子制御装置1には、 イルパン17内の潤滑油の潤滑油希釈率Roが入 される(ステップST1)。この潤滑油希釈率Roは 、上述した潤滑油希釈率検出手段(アルコー 濃度センサ93)の検出信号に基づいて検出さ たものである。

 そして、この電子制御装置1のパージ制御 手段は、その潤滑油希釈率Roが所定値Ra以上 あるのか否かについて、つまり、オイルパ 17内の潤滑油に混入しているアルコール燃料 の量がパージ制御を禁止すべき程のものか否 か判断する(ステップST2)。

 ここで、このパージ制御手段は、潤滑油 釈率Roが所定値Raよりも小さいのでパージ制 御を禁止する必要がないと判断したときに、 本処理を一端終える。これにより、この判断 が為されたときの多種燃料内燃機関において は、パージ制御の実行が必要とされる制御条 件になったときに仮にオイルパン17内の潤滑 の温度Toが所定のパージ制御禁止温度域(Tav- α≦To<Tav+β)に入っていたとしても、パージ 制御手段によってパージ制御が実行されるよ うになる。これが為、このときの多種燃料内 燃機関においては、燃料噴射弁55からの燃料 射量を大きく増加させずとも目標空燃比を 成することができる。つまり、このときの 種燃料内燃機関は、運転条件に応じた目標 燃比を満たすだけの十分なパージ流量を必 なときに必要なだけ確保することができる で、燃料噴射弁55からの燃料噴射量の増加 頼らずとも実際の空燃比を目標空燃比に合 せ込むことが可能になる。そして、これに り、このときの多種燃料内燃機関は、目標 燃比よりも希薄(リーン)側での運転を回避す ることができるようになるので、燃焼不良を 防ぎ、ノッキングの発生等を抑えることがで きる。従って、このときの多種燃料内燃機関 においては、燃費性能を悪化させることのな い運転条件に応じた良好な運転が可能になる 。

 一方、このパージ制御手段によって潤滑 希釈率Roが所定値Ra以上と判断されたときに 、本実施例2の電子制御装置1には、前述した 施例1のときと同様にして検出又は推定され たオイルパン17内の潤滑油の温度Toが入力さ る(ステップST5)。

 そして、本実施例2のパージ制御手段は、 実施例1と同様に、そのオイルパン17内の潤滑 油の温度Toが所定のパージ制御禁止温度域(Tav -α≦To<Tav+β)に入っているのか否かについ 判断し(ステップST10)、ここで否定判定され ば本処理を一旦終了させる一方、肯定判定 れればパージ制御を禁止させる(ステップST15 )。

 つまり、本実施例2の多種燃料内燃機関に おいては、オイルパン17内の潤滑油の潤滑油 釈率Roが所定値Ra以上あり、更にその潤滑油 の温度Toが所定のパージ制御禁止温度域(Tav-α ≦To<Tav+β)に入っていたときに初めてパー 制御を禁止させる。このときの多種燃料内 機関においては、実施例1のときと同様に、 焼室CCに送られるブローバイガスと蒸発ア コール燃料の増分のみを考慮して燃料噴射 55からの燃料噴射量を減少させることによっ て、燃焼室CC内の実際の空燃比を目標空燃比 して運転条件に応じた良好な運転を行うこ ができる。従って、このときの多種燃料内 機関においては、目標空燃比よりも過濃(リ ッチ)側での運転を回避できるので、排気エ ッション性能やドライバビリティの悪化を 制した良好な運転を行うことができる。

 以上示した如く、本実施例2の多種燃料内 燃機関によれば、オイルパン17内の潤滑油に 入している単一低沸点成分燃料(アルコール 燃料)が少量のときには、潤滑油の温度Toが上 昇しても蒸発アルコール燃料の量が少ないの で、パージ制御が必要であるならば潤滑油の 温度Toに拘わらずパージ制御を実行させてパ ジ流量の確保を図る。一方、その潤滑油に 入している単一低沸点成分燃料(アルコール 燃料)の量が多いときには、潤滑油の温度Toの 上昇によって蒸発アルコール燃料の量が一気 に増えるので、パージ制御が必要であっても パージ制御を実行させない。従って、本実施 例2の多種燃料内燃機関によれば、その潤滑 への単一低沸点成分燃料(アルコール燃料)の 混入量に左右されることなく、運転条件に応 じた良好な運転を行うことができるようにな る。

 ところで、この本実施例2においては潤滑 油希釈率検出手段(アルコール濃度センサ93) よってオイルパン17内の潤滑油希釈率Roを検 させているが、その潤滑油希釈率Roは、必 しも潤滑油希釈率検出手段で直接検出させ くてもよく、運転履歴から推定させてもよ 。この場合には、電子制御装置1に潤滑油希 率推定手段を設け、この潤滑油希釈率推定 段に以下の如くして潤滑油希釈率Roを推定 せる。そして、このように潤滑油希釈率Roを 推定させたとしても、この場合の多種燃料内 燃機関は、上述したような良好な運転を行う ことができる。

 例えば、機関冷間時には、燃料噴射弁55 ら噴射されたアルコール混合燃料において 焼されなかったアルコール成分が潤滑油の に混入する。ここでいう機関冷間時とは、 滑油の温度Toが上述したパージ制御禁止温度 域の下限「Tav-α」よりも低いときを表す。こ れが為、潤滑油希釈率推定手段には、機関冷 間時の燃料噴射弁55からの燃料噴射量の積算 に基づいてオイルパン17内の潤滑油へのア コール燃料の混入量を推定させ、その混入 から潤滑油希釈率Roを推定させることができ る。ここでは、機関冷間時における燃料噴射 量の積算値と潤滑油希釈率Roとの対応関係を したマップデータを用いて潤滑油希釈率Ro 推定させればよい。

 一方、機関温間時には、その潤滑油に混入 ているアルコール燃料が一気に蒸発する。 こでいう機関冷間時とは、潤滑油の温度To 上述したパージ制御禁止温度域の下限「Tav- 」以上になっているときを表す。ここで、 の蒸発アルコール燃料が燃焼室CCに供給され ると実際の空燃比が目標空燃比に対してずれ るので、目標空燃比と実際の空燃比との差を 観れば蒸発アルコール燃料の量が分かる。そ の実際の空燃比は、例えば、図1に示すO 2 センサやA/Fセンサ等の排気センサ94の検出信 を利用して求めることができる。そして、 イルパン17内の潤滑油に対してのアルコー 燃料の混入量とその潤滑油からのアルコー 燃料の蒸発量との間には相関関係があるの 、推定された蒸発アルコール燃料の量から ルコール燃料の混入量が分かる。従って、 滑油希釈率推定手段には、目標空燃比と実 の空燃比との差を観ながら蒸発アルコール 料の量を推定させ、その蒸発アルコール燃 の量から潤滑油希釈率Roを推定させることが できる。ここでは、機関温間時における目標 空燃比と実際の空燃比との差に対する潤滑油 希釈率Roを示したマップデータを用いて潤滑 希釈率Roを推定させればよい。尚、その推 時における目標空燃比を満たす為の総燃料 給量については、蒸発アルコール燃料の燃 室CCへの供給量を除いた燃料供給量(燃料噴 弁55からの燃料噴射量並びに必要とあらばエ バポレーションガスの供給量及びブローバイ ガスの供給量)を用いる。

 また、潤滑油希釈率推定手段には、例え 定速運転等の所定の同一条件下における機 冷間時と機関温間時の夫々の空燃比補正量 比較し、これらの差に基づいて潤滑油希釈 Roを推定させることができる。つまり、実 の空燃比に対して目標空燃比のずれがあっ としても、その実際の空燃比は、機関冷間 であれば蒸発アルコール燃料の影響を受け い。一方、機関温間時においては、蒸発ア コール燃料の影響を受けて実際の空燃比が 標空燃比に対してずれる。従って、ここで 、同一条件の下で機関冷間時と機関温間時 夫々の空燃比補正量の差を観ることによっ 、燃焼室CCに供給される蒸発アルコール燃料 の量を推定することができるので、その差か ら潤滑油希釈率Roの推定が可能になる。ここ は、その差と潤滑油希釈率Roとの対応関係 表したマップデータを用いて潤滑油希釈率Ro を推定させればよい。

 また、潤滑油希釈率推定手段には、機関 間時における所定の同一条件の下で低燃料 射量領域と高燃料噴射量領域の夫々の空燃 補正量を比較し、これらの差に基づいて潤 油希釈率Roを推定させることができる。そ 低燃料噴射量領域とは、燃料噴射弁55からの 燃料噴射量を高燃料噴射量領域に対して減ら さなければ目標空燃比を達成することができ ない領域を表す。一方、その高燃料噴射量領 域とは、蒸発アルコール燃料が発生しない( ち、潤滑油の中にアルコール燃料が混入さ ていない)ときの領域を表す。尚、その差は 潤滑油の温度Toが同じときの夫々の空燃比 正量から求めさせる。つまり、同一温度で れば潤滑油からのアルコール燃料の蒸発量 一定になるので、ここでは、その低燃料噴 量領域と高燃料噴射量領域の夫々の空燃比 正量の差を観ることによって、低燃料噴射 領域で燃焼室CCに供給される蒸発アルコール 燃料の量を推定することができる。従って、 ここでは、その夫々の空燃比補正量の差から 潤滑油希釈率Roの推定が可能になる。ここで 、その差と潤滑油希釈率Roとの対応関係を したマップデータを用いて潤滑油希釈率Roを 推定させればよい。

 次に、本発明に係る多種燃料内燃機関の 施例3を図1,図5及び図6に基づいて説明する

 本実施例3の多種燃料内燃機関は、前述し た実施例2の多種燃料内燃機関の変形例であ 、オイルパン17内の潤滑油への単一低沸点成 分燃料(アルコール燃料)の混入量についても 慮に入れた上でパージ制御を禁止するのか か判断させるものである。

 具体的に、本実施例3においては、実施例 2のように検出又は推定された潤滑油希釈率Ro を所定値(所定の希釈率)Raと比較させずに、 の潤滑油希釈率Roに応じてパージ制御禁止要 否の判断閾値たるパージ制御禁止温度域(Tav- ≦To<Tav+β)を制御させるように構成する。

 ここでは、潤滑油希釈率Roに応じた最適 温度域補正値α,βが選択されるように電子制 御装置1のパージ制御手段を構成する。この ージ制御手段は、図5に示す温度域補正値設 マップデータを用いて温度域補正値α,βの 択を行う。この図5の温度域補正値設定マッ データは、潤滑油希釈率Roが低いほどに温 域補正値α,βを小さくし、潤滑油希釈率Roが いほどに温度域補正値α,βを大きくするも である。つまり、潤滑油希釈率Roが低い場合 には、潤滑油が沸点温度Tavに達したとしても その潤滑油の中からのアルコール燃料の蒸発 量が少ないので、必要以上にパージ制御が禁 止されて実際の空燃比が目標空燃比から外れ ないように、パージ制御禁止温度域(Tav-α≦To <Tav+β)を狭くする。一方、潤滑油希釈率Ro 高い場合には、潤滑油が沸点温度Tavに達し ときにその潤滑油の中からのアルコール燃 の蒸発量が多くなるので、そのときにパー 制御が実行されて実際の空燃比が目標空燃 から外れないように、パージ制御禁止温度 (Tav-α≦To<Tav+β)を広くする。

 以下に、この本実施例3の多種燃料内燃機 関の動作の一例を図6のフローチャートに基 き説明する。

 先ず、本実施例3の電子制御装置1には、 施例2と同様にして検出又は推定されたオイ パン17内の潤滑油の潤滑油希釈率Roが入力さ れる(ステップST1)。これが為、この電子制御 置1のパージ制御手段は、その潤滑油希釈率 Roを図5の温度域補正値設定マップデータに当 て嵌めて、その潤滑油希釈率Roに該当する温 域補正値α,βを求める(ステップST3)。

 更に、本実施例3の電子制御装置1には、 述した実施例1,2のときと同様にして検出又 推定されたオイルパン17内の潤滑油の温度To 入力される(ステップST5)。

 そして、本実施例3のパージ制御手段は、 上記ステップST3で求めた温度域補正値α,βを ージ制御禁止温度域(Tav-α≦To<Tav+β)に代 してパージ制御禁止温度域の潤滑油希釈率Ro に応じた適正化を図り、そのパージ制御禁止 温度域に上記ステップST5の潤滑油の温度Toが っているのか否か判断する(ステップST10)。 のパージ制御手段は、実施例1,2と同様に、 のステップST10で否定判定されれば本処理を 一旦終了させる一方、肯定判定されればパー ジ制御を禁止させる(ステップST15)。

 従って、本実施例3の多種燃料内燃機関は 、潤滑油希釈率Roが低ければ、パージ制御禁 温度域(Tav-α≦To<Tav+β)を狭くして必要以 に広い範囲でパージ制御が禁止されないよ になるので、パージ流量不足による空燃比 希薄化を防ぐことができ、運転条件に応じ 良好な運転が可能になる。一方、この多種 料内燃機関は、潤滑油希釈率Roが高ければ、 パージ制御禁止温度域(Tav-α≦To<Tav+β)を広 して広い範囲でパージ制御を禁止させるよ にするので、燃料量過多による空燃比の過 化を防ぐことができ、運転条件に応じた良 な運転が可能になる。つまり、本実施例3の 多種燃料内燃機関によれば、実施例2の多種 料内燃機関と同じく、オイルパン17内の潤滑 油への単一低沸点成分燃料(アルコール燃料) 混入量に左右されることなく、運転条件に じた良好な運転を行うことができるように る。

 ところで、上述した各実施例1~3において 、全開又は全閉の何れかの状態へと動作す エバポレーションガスパージ装置の開閉弁4 5を例示したので、パージ制御の禁止が要求 れた際には開閉弁45を全閉させている。しか しながら、その開閉弁45の説明において示し ように、開閉弁45が弁体の開弁角度を無段 又は段階的に変化させる形態のものである 合には、パージ制御の禁止要求に替えてパ ジ流量の減少要求が為されるようにパージ 御手段を構成してもよい。例えば、この場 のパージ制御手段には、潤滑油の温度Toと潤 滑油希釈率Roの内の何れか一方又は双方に応 て開閉弁45の弁体の開弁角度(換言すれば、 ージ流量の減少度合い)を演算させ、その開 弁角度となるように開閉弁45を駆動制御させ 。例えば、このパージ制御手段は、潤滑油 釈率Roが高いほど開閉弁45の弁体の開弁角度 を大きく(つまり、パージ流量の減少度合い 大きく)する。そして、このように構成する とによって、多種燃料内燃機関は、上述し 各実施例1~3のときよりも細かなパージ流量 制御が可能になるので、より適切に運転条 に応じた良好な運転を行うことができる。

 また、上述した各実施例1~3においては予 生成されているアルコール混合燃料を吸気 ート11bに噴射させる所謂ポート噴射式多種 料内燃機関について例示したが、これら各 施例1~3で説明したパージ制御要否の判断手 については、これとは別の多種燃料内燃機 に適用してもよく、その各実施例1~3と同様 効果を得ることができる。例えば、その判 手法は、アルコール混合燃料を燃焼室CC内 直接噴射させる所謂筒内直接噴射式多種燃 内燃機関に対して適用してもよい。また、 の判断手法は、アルコール混合燃料を運転 件に応じて吸気ポート11bと燃焼室CCの何れか 又は双方に噴射させる多種燃料内燃機関に対 して適用してもよい。更に、その判断手法は 、単一低沸点成分燃料(アルコール燃料)とこ 以外の性状の異なる少なくとも1種類の燃料 を別々の燃料タンクに貯留し、これらを燃料 供給経路の途中で所望の混合比率に混ぜ合わ せてから燃焼室CCへと導く多種燃料内燃機関 対して適用してもよい。また更に、その判 手法は、個別に貯留された単一低沸点成分 料(アルコール燃料)とこれ以外の性状の異 る少なくとも1種類の燃料を各々の専用の燃 噴射弁から噴射し、夫々に燃焼室CCへと導 れる多種燃料内燃機関に対して適用しても い。

 以上のように、本発明に係る多種燃料内 機関は、オイルパン17内の潤滑油の中に単 低沸点成分燃料が混入されていても良好な 転を実現させる技術に有用である。