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Title:
MULTI PRIMARY COLOR DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090845
Kind Code:
A1
Abstract:
A multi primary color display device (100) includes a plurality of pixels (P). Each of the pixels (P) has a first subset (110) contains a red sub pixel (R), a green sub pixel (G), and a cyan sub pixel (C) and a second subset (120) containing a blue sub pixel (B) and a yellow sub pixel (Ye). In each of the pixels (P), the sub pixels belonging to the first subset (110) are arranged continuously in the same direction while the sub pixels belong to the second subset (120) are arranged continuously in the same direction as the arrangement of the sub pixels of the first subset (110).

Inventors:
YOSHIDA YUICHI
TOMIZAWA KAZUNARI
MIYAZAKI AKIKO
Application Number:
PCT/JP2008/050715
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
YOSHIDA YUICHI
TOMIZAWA KAZUNARI
MIYAZAKI AKIKO
International Classes:
G02F1/13; G09F9/30; G02F1/133; G02F1/1335; G02F1/1343; G09G3/20; G09G3/36; G09G5/02
Domestic Patent References:
WO2005122122A12005-12-22
WO2006018926A12006-02-23
Foreign References:
JPH10307205A1998-11-17
JP2006519410A2006-08-24
JP2004529396A2004-09-24
JP2005274510A2005-10-06
JP2004062146A2004-02-26
JP2004078157A2004-03-11
JP2007015281A2007-01-25
Other References:
See also references of EP 2109091A4
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Seiji (10th FloorOsaka Securities Exchange Bldg.,8-16, Kitahama 1-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 41, JP)
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Claims:
 複数の画素を備える多原色表示装置であって、
 前記複数の画素のそれぞれは、赤、緑、シアンサブ画素を含む第1サブセットと、黄および青サブ画素を含む第2サブセットとを有し、
 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記第1サブセットに属するサブ画素は同一方向に連続的に配列されており、前記第2サブセットに属するサブ画素は前記第1サブセットのサブ画素の配列されている方向と同一方向に連続的に配列されている、多原色表示装置。
 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記第1サブセットのサブ画素および前記第2サブセットのサブ画素は同一直線状に配列されている、請求項1に記載の多原色表示装置。
 前記第1サブセットの表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、前記第2サブセットの表示し得る無彩色を第2無彩色とよぶとすると、前記第1無彩色および前記第2無彩色の最大輝度の和に対する前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の輝度差の割合は15%以下であり、前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の色度差δu’v’は0.100以下である、請求項1または2に記載の多原色表示装置。
 前記複数の画素のサブ画素はマトリクス状に配列されており、
 前記第1サブセットおよび前記第2サブセットのうちの一方のサブセットだけでなく前記一方のサブセットに隣接するサブ画素を利用して表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、他方のサブセットの表示し得る無彩色を第2無彩色とよぶとすると、前記第1無彩色および前記第2無彩色の最大輝度の和に対する前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の輝度差の割合は15%以下であり、前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の色度差δu’v’は0.100以下である、請求項1または2に記載の多原色表示装置。
 前記複数の画素のサブ画素はマトリクス状に配列されており、
 前記第1サブセットおよび前記第2サブセットのうちの一方のサブセットだけでなく前記一方のサブセットに隣接するサブ画素を利用して表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、他方のサブセットだけでなく前記他方サブセットに隣接するサブ画素を利用して表示し得る無彩色を第2無彩色とよぶとすると、前記第1無彩色および前記第2無彩色の最大輝度の和に対する前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の輝度差の割合は15%以下であり、前記第1無彩色と前記第2無彩色との間の色度差δu’v’は0.100以下である、請求項1または2に記載の多原色表示装置。
 前記第1サブセットにおいて、前記緑サブ画素は、前記赤サブ画素および前記シアンサブ画素の間に位置している、請求項1から5のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記第1サブセットおよび前記第2サブセットに属するサブ画素は、前記赤、緑、シアン、黄および青サブ画素の順番に同一直線状に配列されている、請求項1から6のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記第2サブセットは、前記第1サブセットの赤サブ画素とは別の赤サブ画素をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記第1サブセットのサブ画素のそれぞれは、前記第2サブセットのサブ画素のそれぞれと隣接して配列されている、請求項8に記載の多原色表示装置。
 前記第2サブセットの別の赤サブ画素は、前記第1サブセットの赤サブ画素と隣接する、請求項8または9に記載の多原色表示装置。
 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記第1サブセットに属するサブ画素は、前記赤、緑、シアンサブ画素の順番に配列されており、前記第2サブセットに属するサブ画素は、前記別の赤サブ画素、黄サブ画素、青サブ画素の順番に配列されている、請求項8から10のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記第1サブセットおよび前記第2サブセットのうちの少なくとも一方のサブセットのサブ画素の輝度は、映像信号に示された2つの画素の色を示す値に基づいて決定される、請求項1から11のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記画素が無彩色を表示するとき、前記第1サブセットおよび前記第2サブセットに属するサブ画素のうち少なくとも1つのサブ画素の輝度の上限を最大階調値に対応する輝度よりも低い輝度に制限する、請求項1から12のいずれかに記載の多原色表示装置。
 前記多原色表示装置は、
 前記複数の画素を有する多原色表示パネルと、
 映像信号における赤、緑および青の輝度を示す値を、前記第1サブセットおよび前記第2サブセットに属するサブ画素に対応する原色の輝度を示す値に変換する多原色変換装置と
を備える、請求項1から13のいずれかに記載の多原色表示装置。
Description:
多原色表示装置

 本発明は、多原色表示装置に関する。

 カラーテレビ、カラーモニター等のカラ 表示装置は、通常、RGB原色(すなわち、赤、 緑および青)を加法混色することにより、色 現を行っている。一般に、カラー表示装置 各画素は、RGB原色に対応する赤、緑および サブ画素を有している。このような3原色表 装置には、RGB信号に変換可能なYCrCb(YCC)信号 が入力され、YCrCb信号に基づいて赤、緑およ 青サブの輝度(階調値)を変化させることに り、多様な色が表現される。

 各サブ画素の輝度は、各サブ画素の最小 調値(例えば、階調値0)から最大階調値(例え ば、階調値255)までの範囲内で変化する。す てのサブ画素、すなわち、赤、緑および青 ブ画素の階調値が最小階調値であるとき、 素によって表示される色は黒である。反対 、すべてのサブ画素の階調値が最大階調値 あるとき、画素によって表示される色は白 ある。但し、最近のTVセットでは、ユーザー でも色温度を調整できるようになっているこ とが多く、その際、各サブ画素の輝度を微調 整することによって色温度調整を行っている 。この場合、所望の色温度調整後のサブ画素 の輝度となる階調値が最大階調値となる。

 これまで、このような3原色表示装置が一 般に用いられてきたが、3原色表示装置では 人間の知覚する多くの色を十分に再現する とができない。そこで、近年では表示装置 色再現範囲を拡大するために4つ以上の原色 用いて表示を行う多原色表示装置が提案さ ている。

 しかしながら、多原色表示装置の画素を3 原色表示装置と同じ解像度で作製するために は、垂直方向および水平方向の少なくとも一 方においてより多くのサブ画素を作製するこ とが必要となり、コストの増加につながる。 また、現行の3原色表示装置におけるサブ画 の構成を変更することなくカラーフィルタ みを変更することにより、多原色表示装置 作製すると、解像度が3原色表示装置に比べ 低下してしまい、高精細な表示を行うこと できない。そこで、多原色表示装置におい 、白黒表示時の解像度の向上を図ることが 討されている(例えば、特許文献1参照)。

 特許文献1には、図15に示すように、1次元 に配列された5原色のサブ画素RGBYeCを有する 原色表示装置が開示されている。この多原 表示装置では、行方向に隣接する3つのサブ 素、すなわち、RGB、GBYe、BYeC、YeCRおよびCRG それぞれが、白色光に可能な限り近い光を 成可能であり、これにより、解像度の向上 図っている。

 特許文献1には、また、図16に示すように2次 元に配列された6原色のサブ画素RGBCMYeを有す 多原色表示装置が開示されている。この多 色表示装置の画素Pには、行方向に光の3原 に対応するサブ画素RGBのサブセットT1ととも に、このサブセットT1に平行に色の3原色に対 応するサブ画素CMYeのサブセットT2が設けられ ており、これらのサブセットT1、T2のそれぞ により、実質的な白色光が生成される。ま 、この配列では、行方向にRC、GM、BYeのサブ 素対が存在しており、これらの組み合わせ 補色関係にあるため、各サブ画素対によっ 実質的な白色光が生成される。このように て、図16に示したサブ画素配列を有する多 色表示装置では、水平方向に約3倍および垂 方向に約2倍分実質的な解像度の向上を図っ ている。

特表2005-523465号公報

 図15および図16に示したサブ画素配列を有 する多原色表示装置では、隣接する複数のサ ブ画素(サブ画素群)によって表示される色の 度がほぼ一致するようにサブ画素が配列さ ているが、サブ画素群によって表示される の輝度はそれぞれ異なる。したがって、サ 画素群ごとに輝度がばらつき、結果として 多原色表示装置の実質的な解像度を向上さ ることができない。また、白を含む無彩色 表示する際に、最大輝度の高いサブ画素群 おいて使用する輝度範囲の上限を他のサブ 素群の低い最大輝度と一致させると、サブ 素群の間の輝度のばらつきを抑制すること できるが、この場合、高輝度の無彩色を表 することができない。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたも であり、高輝度の無彩色を実質的に高解像 で表示可能な多原色表示装置を提供する。

 本発明の多原色表示装置は、複数の画素 備える多原色表示装置であって、前記複数 画素のそれぞれは、赤、緑、シアンサブ画 を含む第1サブセットと、黄および青サブ画 素を含む第2サブセットとを有し、前記複数 画素のそれぞれにおいて、前記第1サブセッ に属するサブ画素は同一方向に連続的に配 されており、前記第2サブセットに属するサ ブ画素は前記第1サブセットのサブ画素の配 されている方向と同一方向に連続的に配列 れている。

 ある実施形態では、前記複数の画素のそ ぞれにおいて、前記第1サブセットのサブ画 素および前記第2サブセットのサブ画素は同 直線状に配列されている。

 ある実施形態において、前記第1サブセッ トの表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、 記第2サブセットの表示し得る無彩色を第2無 彩色とよぶとすると、前記第1無彩色および 記第2無彩色の最大輝度の和に対する前記第1 無彩色と前記第2無彩色との間の輝度差の割 は15%以下であり、前記第1無彩色と前記第2無 彩色との間の色度差δu’v’は0.100以下である 。

 ある実施形態において、前記複数の画素 サブ画素はマトリクス状に配列されており 前記第1サブセットおよび前記第2サブセッ のうちの一方のサブセットだけでなく前記 方のサブセットに隣接するサブ画素を利用 て表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、他 のサブセットの表示し得る無彩色を第2無彩 色とよぶとすると、前記第1無彩色および前 第2無彩色の最大輝度の和に対する前記第1無 彩色と前記第2無彩色との間の輝度差の割合 15%以下であり、前記第1無彩色と前記第2無彩 色との間の色度差δu’v’は0.100以下である。

 ある実施形態において、前記複数の画素 サブ画素はマトリクス状に配列されており 前記第1サブセットおよび前記第2サブセッ のうちの一方のサブセットだけでなく前記 方のサブセットに隣接するサブ画素を利用 て表示し得る無彩色を第1無彩色とよび、他 のサブセットだけでなく前記他方サブセッ に隣接するサブ画素を利用して表示し得る 彩色を第2無彩色とよぶとすると、前記第1 彩色および前記第2無彩色の最大輝度の和に する前記第1無彩色と前記第2無彩色との間 輝度差の割合は15%以下であり、前記第1無彩 と前記第2無彩色との間の色度差δu’v’は0. 100以下である。

 ある実施形態では、前記第1サブセットに おいて、前記緑サブ画素は、前記赤サブ画素 および前記シアンサブ画素の間に位置してい る。

 ある実施形態において、前記第1サブセッ トおよび前記第2サブセットに属するサブ画 は、前記赤、緑、シアン、黄および青サブ 素の順番に同一直線状に配列されている。

 ある実施形態において、前記第2サブセッ トは、前記第1サブセットの赤サブ画素とは の赤サブ画素をさらに含む。

 ある実施形態では、前記複数の画素のそ ぞれにおいて、前記第1サブセットのサブ画 素のそれぞれは、前記第2サブセットのサブ 素のそれぞれと隣接して配列されている。

 ある実施形態において、前記第2サブセッ トの別の赤サブ画素は、前記第1サブセット 赤サブ画素と隣接する。

 ある実施形態では、前記複数の画素のそ ぞれにおいて、前記第1サブセットに属する サブ画素は、前記赤、緑、シアンサブ画素の 順番に配列されており、前記第2サブセット 属するサブ画素は、前記別の赤サブ画素、 サブ画素、青サブ画素の順番に配列されて る。

 ある実施形態において、前記第1サブセッ トおよび前記第2サブセットのうちの少なく も一方のサブセットのサブ画素の輝度は、 像信号に示された2つの画素の色を示す値に づいて決定される。

 ある実施形態において、前記画素が無彩 を表示するとき、前記第1サブセットおよび 前記第2サブセットに属するサブ画素のうち なくとも1つのサブ画素の輝度の上限を最大 調値に対応する輝度よりも低い輝度に制限 る。

 ある実施形態において、前記多原色表示 置は、前記複数の画素を有する多原色表示 ネルと、映像信号における赤、緑および青 輝度を示す値を、前記第1サブセットおよび 前記第2サブセットに属するサブ画素に対応 る原色の輝度を示す値に変換する多原色変 装置とを備える。

 本発明によれば、高輝度の無彩色を実質 に高解像度で表示可能な多原色表示装置を 供することができる。

本発明による多原色表示装置の第1実施 形態におけるサブ画素配列を示す模式図であ る。 第1実施形態の多原色表示装置の構成を 示すブロック図である。 本発明による多原色表示装置の第2実施 形態の多原色表示装置の構成を示すブロック 図である。 本発明による多原色表示装置の第3実施 形態におけるサブ画素配列を示す模式図であ る。 比較例3の多原色表示装置におけるサブ 画素配列を示す模式図である。 本発明による多原色表示装置の第3実施 形態の変形例におけるサブ画素配列を示す模 式図である。 本発明による多原色表示装置の第3実施 形態の変形例におけるサブ画素配列を示す模 式図である。 本発明による多原色表示装置の第3実施 形態の変形例におけるサブ画素配列を示す模 式図である。 第5実施形態の多原色表示装置の構成を 示すブロック図である。 本発明による多原色表示装置の第5実 形態を説明するための模式図であり、(a)は 5実施形態の多原色表示装置における1つの行 のサブ画素を示す模式図であり、(b)は、映像 信号に示された値を多原色変換することによ って得られた値を示す模式図である。 第5実施形態の多原色表示装置におけ レンダリング部の構成を示すブロック図で る。 (a)~(c)は、それぞれ、第5実施形態の多 色表示装置におけるサブセットに対応する 素の映像信号を多原色変換することによっ 得られた値を無彩色成分および有彩色成分 分離することを説明するための模式図であ 。 本発明による多原色表示装置の第6実 形態におけるレンダリング部の構成を示す ロック図である。 第6実施形態の多原色表示装置におけ 無彩色を表示するための各サブ画素の輝度 示す模式図であり、(a)は第1無彩色を表示す ためのサブ画素の輝度を示す模式図であり (b)は第2無彩色を表示するためのサブ画素の 輝度を示す模式図である。 従来の多原色表示装置におけるサブ画 素配列を示す模式図である。 別の従来の多原色表示装置におけるサ ブ画素配列を示す模式図である。

符号の説明

 100 多原色表示装置
 110 第1サブセット
 120 第2サブセット
 200 多原色表示パネル
 300 多原色変換装置
 400 調整部
 500 レンダリング部

 以下、図面を参照しながら、本発明によ 多原色表示装置の実施形態を説明する。

 (実施形態1)
 以下、本発明による多原色表示装置の第1実 施形態を説明する。

 図1に、本実施形態の多原色表示装置100の 模式図を示す。図1には、4つの画素Pを示して おり、画素Pは、赤サブ画素R、緑サブ画素Gお よびシアンサブ画素Cを含むサブセット110と 黄サブ画素Yeおよび青サブ画素Bを含むサブ ット120とを有している。画素Pにおいて、第1 サブセット110に属する赤サブ画素R、緑サブ 素Gおよびシアンサブ画素Cは行方向(x方向)に 連続的に配列されており、また、第2サブセ ト120に属する黄サブ画素Yeおよび青サブ画素 Bは第1サブセット110のサブ画素の配列方向と 一直線状に連続的に配列されている。この め、サブセット110の赤、緑およびシアンサ 画素RGCは画素Pの一方の領域に、また、サブ セット120の黄および青サブ画素YeBは画素Pの 方の領域に配置され、画素Pのサブ画素は、 、緑、シアン、黄および青サブ画素の順番 配列されている。本明細書の以下の説明に いて、サブセット110を第1サブセットともよ び、サブセット120を第2サブセットともよぶ なお、ここでは、多原色表示装置100は液晶 示装置である。

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1サブセット110は赤サブ画素、緑サブ画素 およびシアンサブ画素から構成されており、 また、第2サブセット120は黄サブ画素および サブ画素から構成されている。このように 多原色表示装置100におけるサブ画素の配列 、図15に示した従来の多原色表示装置におけ るシアンサブ画素と青サブ画素の配置を交換 した配列となっている。

 5種類のサブ画素、すなわち、赤サブ画素 R、緑サブ画素G、青サブ画素B、黄サブ画素Ye よびシアンサブ画素Cは、例えば、カラーフ ィルタ層(図示せず)においてマトリクス状に ブ画素領域を形成し、各サブ画素領域に対 するカラーフィルタを形成することによっ 実現される。また、サブ画素はサブ画素電 (図示せず)によって規定されており、サブ 素電極は、液晶層(図示せず)を介して対向電 極(図示せず)と対向するように配置されてい 。図1には示していないが、同一列のサブ画 素は同一の信号線に接続されており、また、 同一行のサブ画素は同一の走査線に接続され ている。走査線が選択されているとき、信号 線に供給される表示信号電圧がサブ画素電極 に印加され、それにより、サブ画素の輝度が 制御される。

 表1に、本実施形態の多原色表示装置100に おける各サブ画素の色度x、yおよび輝度Y(%)を 示す。色度x、yおよび輝度Yは、そのサブ画素 のみを最大階調値(例えば、階調値255)にした きに表示される色の色度x、yおよび輝度Yに 応している。また、輝度Yの欄の括弧内には 、画素Pの最大輝度に対する各サブ画素の輝 Yの割合を示している。なお、輝度Yは任意単 位である。

 なお、表1に示した値は、色度x、yでは小 点第5位以下を四捨五入し、輝度Yでは小数 第3位以下を四捨五入し、輝度Yの割合では小 数点第2位以下を四捨五入している。

 以下、比較例1の多原色表示装置と比較し て、本実施形態の多原色表示装置100の利点を 説明する。まず、比較例1の多原色表示装置 説明する。比較例1の多原色表示装置の画素 おいてサブ画素は図15に示したように配列 れている。比較例1の多原色表示装置は、表1 に示した多原色表示装置100と等しい色度およ び輝度のサブ画素を有しているが、第1サブ ットのシアンサブ画素と第2サブセットの青 ブ画素とが置換されている点で多原色表示 置100とは異なる。すなわち、比較例1の多原 色表示装置の画素は、光の3原色に対応する ブ画素RGBから構成されたサブセットと、色 3原色の一部に対応するサブ画素YeCから構成 れたサブセットとを有している。以下の説 では、比較例1の多原色表示装置において、 サブ画素RGBから構成されたサブセットを第1 ブセットとよび、サブ画素YeCから構成され サブセットを第2サブセットとよぶ。

 表2に、比較例1の多原色表示装置におい 、各サブ画素を最大階調値(例えば、階調値2 55)にしたときのサブセットの最大輝度Ys(%)、 素の最大輝度Yp、サブセット間の最大輝度 差(サブセット間の輝度差)δYs(%)、サブセッ の色度座標(x,y)、色温度、および、サブセッ ト間の色度差δu’v’を示す。ここで、最大 度Ysの割合は、画素の最大輝度に対する各サ ブセットの最大輝度の割合であり、また、δY sの割合は、すべてのサブ画素を最大階調値 したときの第1サブセットの輝度をY1、第2サ セットの輝度をY2とすると、δYs=|Y1-Y2|/(Y1+Y2) ×100(%)と表したものである。なお、比較例1の 多原色表示装置における画素は、本実施形態 の多原色表示装置100と等しい色度および輝度 のサブ画素を有しているため、比較例1の多 色表示装置における画素の最大輝度Ypおよび 色温度は本実施形態の多原色表示装置100と等 しい。

 表2に示すように、比較例1の多原色表示 置において、第1サブセットの色度座標は(0.2 708,0.2458)であり、この色温度は16710Kである。 た、第2サブセットの色度座標は(0.3520,0.4256) であり、この色温度は4968Kである。

 表2に示すように、比較例1の多原色表示 置のサブセット間の輝度差δYsの割合は26.4% あり、色度差は0.109である。一般的に、2つ サブセットにおいて輝度差δYsの割合が15%よ 大きく、色度差が0.100よりも大きいと、2つ サブセットが異なる色を表示していると視 されることになる。比較例1の多原色表示装 置では、輝度差δYsの割合および色度差はい れもこれらの値よりも大きいため、画素が を表示するために各サブ画素を最大階調値 すると、サブセットごとに異なる色が視認 れることになり、実質的に高解像度の表示 行うことができない。

 また、最大輝度Ysのより高い第2サブセッ (YeC)において、輝度を最大輝度6.99まで利用 ず、利用範囲の上限を第1サブセット(RGB)の 大輝度4.07と等しい値に制限すると、2つの ブセットの輝度を一致させて表示を行うこ ができる。しかしながら、この場合、無彩 を表示するときの画素の輝度の上限は9.14(=4. 07×2)と低く、画素は高輝度の無彩色を表示で きない。

 次いで、本実施形態の多原色表示装置100 説明する。表3に、多原色表示装置100の各サ ブ画素を最大階調値(例えば、階調値255)にし ときのサブセットの最大輝度Ys(%)、画素の 大輝度Yp、サブセット間の輝度差δYs(%)、サ セットの色度座標(x,y)、色温度、および、サ ブセット間の色度差δu’v’を示す。なお、 3には、参考のために、表2に示した比較例1 多原色表示装置の値を示している。

 多原色表示装置100において、第1サブセッ ト110の色度座標は(0.3070,0.3966)であり、この色 温度は6381Kである。また、第2サブセット120の 色度座標は(0.3141,0.2946)であり、この色温度は 6743Kである。

 表3から理解されるように、比較例1の多 色表示装置ではサブセット間の輝度差δYsの 合は26.4%であり、色度差δu’v’は0.109であ のに対して、本実施形態の多原色表示装置10 0ではサブセット間の輝度差δYsの割合は5.4%で あり、色度差δu’v’は0.065である。また、本 実施形態の多原色表示装置100におけるサブセ ットの色温度は、比較例1の多原色表示装置 りも基準となる6500Kに近くなっている。した がって、多原色表示装置100と比較例1の多原 表示装置とを比較すると、多原色表示装置10 0の輝度差δYsの割合および色度差δu’v’はそ れぞれ比較例1の多原色表示装置よりも小さ 。

 比較例1の多原色表示装置では、第1サブ ットは、輝度Y(透過率)の小さい、光の3原色 みに対応するサブ画素のみから構成されて り、第2サブセットは、輝度Yの大きい、色 3原色のみに対応するサブ画素のみから構成 れているのに対して、本実施形態の多原色 示装置100では、第1、第2サブセット110、120 、いずれも、光の3原色に対応するサブ画素 よび色の3原色に対応するサブ画素の両方か ら構成されている。また、本実施形態の多原 色表示装置100では、第2サブセット120は、光 3原色に対応するサブ画素のうち輝度Yのより 低い青サブ画素および色の3原色に対応する ブ画素のうち輝度Yのより高い黄サブ画素か 構成されており、サブセット間の輝度差δYs が減少している。また、本実施形態の多原色 表示装置100および比較例1の多原色表示装置 は、1つの画素の最大輝度が等しいため、サ セット間の輝度差δYsの減少により、サブセ ット間の輝度差δYsの割合も減少し、第1、第2 サブセット110、120の最大輝度Ysの割合は50%に くなる。このため、本実施形態の多原色表 装置100では、比較例1の多原色表示装置より も小さい輝度差δYsの割合を実現することが きる。

 また、本実施形態の多原色表示装置100を3 原色表示装置と比較すると、赤サブ画素R、 サブ画素Gおよび青サブ画素Bに、黄サブ画素 Yeおよびシアンサブ画素Cが追加されている。 多原色表示装置の画素の色温度が3原色表示 置とほぼ等しい場合、追加された黄サブ画 Yeおよびシアンサブ画素Cによっても緑を表 し得るため、多原色表示装置における緑サ 画素Gの色度は3原色表示装置よりも無彩色に 近く、緑サブ画素Gの輝度は3原色表示装置よ も低い。このため、比較例1の多原色表示装 置のように、赤、緑および青サブ画素(RGB)の ブセットで無彩色を表示すると、全サブ画 による無彩色(所望の無彩色)の色度よりも 成分が少ない色が表示されることになる。 れに対して、本実施形態の多原色表示装置10 0のように、青サブ画素Bに代えて緑成分を有 るシアンサブ画素Cを用いた、赤、緑および シアンサブ画素(RGC)のサブセットは、所望の 彩色に近い無彩色を表示することができる したがって、本実施形態の多原色表示装置1 00では、比較例1の多原色表示装置よりも小さ い色度差δu’v’を実現することができる。

 このように、本実施形態の多原色表示装 100では、第1サブセット110と第2サブセット12 0との間の輝度差δYsの割合および色度差δu’v ’を小さくすることができる。また、上述し たように、2つのサブセットが異なる色を表 していると視認されることを抑制するには サブセット間の輝度差δYsの割合を15%以下、 度差δu’v’を0.100以下にすることが好まし が、本実施形態の多原色表示装置100ではサ セット間の輝度差δYsの割合を15%以下にして 、また、色度差δu’v’を0.100以下とすること ができる。このように、白を表示するために サブ画素を最大階調値にするときのサブセッ ト間の輝度差の割合および色度のばらつきを 抑制することができるため、各サブセットを 無彩色の表示単位として用いて、実質的に高 解像度で無彩色を表示することができる。な お、本明細書の以下の説明において、サブセ ット間の輝度差δYsの割合を15%以下にするこ をサブセットの輝度Ysをほぼ一致させるとい い、サブセット間の色度差を0.100以下にする とをサブセットの色度をほぼ一致させると う。

 また、多原色表示装置100では、各サブセ トの最大輝度Ysのうちより低い最大輝度Ysは 5.23であり、これは、比較例1の多原色表示装 よりも高い。このため、2つのサブセットの 輝度を一致させて無彩色表示を行っても、画 素の輝度の上限を10.46(=5.23×2)と比較的高くす ることができ、これにより、高輝度の無彩色 を表示することができる。

 このように、本実施形態の多原色表示装 100では、画素Pは、赤、緑およびシアンサブ 画素RGCから構成された第1サブセット110と、 および青サブ画素YeBから構成された第2サブ ット120とを有しており、これにより、無彩 を表示するときのサブセット110、120間の輝 差δYsの割合および色度差δu’v’を比較例1 多原色表示装置よりも容易に低下させるこ ができる。また、多原色表示装置100では、 較例1の多原色表示装置と比べて、画素の最 大輝度の低下を抑制してサブセット間の輝度 のばらつきを抑制した良好な表示を行うこと ができる。さらに、多原色表示装置100は、サ ブ画素の色を規定するカラーフィルタの配列 を変更する点を除いて、従来の多原色表示装 置と同様に作製することができる。

 なお、上述した説明では、画素Pに属する サブ画素は、赤、緑、シアン、黄および青サ ブ画素の順番に配列されていたが、本発明は これに限定されない。第1サブセットが赤、 およびシアンサブ画素から構成され、第2サ セットが黄および青サブ画素から構成され いれば、各サブ画素は他の順番に配列され いてもよい。ただし、第1サブセットを構成 する赤、緑、シアンサブ画素において、輝度 の最も高い緑サブ画素が中央に配置されてい ることが好ましい。

 また、多原色表示装置100は、RGBの3原色の 輝度(輝度レベル)を示す映像信号に基づいて 原色表示を行ってもよい。図2に示すように 、多原色表示装置100は、図1に示した画素Pを する多原色表示パネル200と、映像信号に示 れた赤、緑および青の輝度に基づいて多原 表示パネル200の画素Pに含まれる各サブ画素 に対応する原色の輝度を決定する多原色変換 装置300とを備えている。多原色変換装置300は 、各サブ画素に対応する原色の輝度を示す多 原色信号を生成し、多原色表示パネル200の各 サブ画素はこの多原色信号に示された原色の 輝度を呈する。なお、ここでは、多原色表示 パネル200は液晶表示パネルである。

 なお、赤サブ画素Rの主波長はそれぞれ605 nm以上635nm以下、緑サブ画素Gの主波長は520nm 上550nm以下、青サブ画素Bの主波長は470nm以下 であることが好ましい。また、黄サブ画素Ye 主波長は565nm以上580nm以下、シアンサブ画素 Cの主波長は475nm以上500nm以下であることが好 しい。

 (実施形態2)
 以下、本発明による表示装置の第2実施形態 を説明する。

 図3に示すように、本実施形態の多原色表 示装置100は、多原色表示パネル200と、多原色 変換装置300と、調整部400とを備えている。本 実施形態の多原色表示装置100は、調整部400を さらに備えている点を除いて、図2を参照し 説明した実施形態1の多原色表示装置と同様 構成を有している。したがって、冗長さを けるために、実施形態1と重複する説明を省 略する。

 本実施形態の多原色表示装置100では、調 部400は、無彩色を表示するときに、少なく も1つのサブ画素に対応する原色についての 輝度の上限を最大階調値に対応する輝度より も低くなるように制限しており、多原色表示 パネル200の少なくとも1つのサブ画素は、調 部400によって調整された原色の輝度を呈す 。具体的には、調整部400によるサブ画素の 度の調整は階調値の制御によって行われ、 れにより、サブセット間の輝度差δYsの割合 よびサブセット間の色度差δu’v’の少なく とも一方を低下させることができる。

 以下、比較例2の多原色表示装置と比較し て、本実施形態の多原色表示装置の利点を説 明する。まず、比較例2の多原色表示装置を 明する。比較例2の多原色表示装置は、画素 図15に示したサブ画素配列を有している点 除いて、図3に示した多原色表示装置と同様 構成を有している。すなわち、比較例2の多 原色表示装置における画素は、赤、緑および 青サブ画素から構成された第1サブセットと 黄およびシアンサブ画素から構成された第2 ブセットとを有しており、無彩色表示にサ 画素の輝度の調整が行われる。なお、比較 2の多原色表示装置では、サブ画素の輝度の 調整は、無彩色を表示するときのサブセット 間の輝度差δYsの割合および色度差δu’v’が さくなるように行われている。

 表4に、比較例2の多原色表示装置におい 無彩色を表示するときのサブセットの最大 度Ys(%)、各サブ画素の輝度比、階調値、画素 の最大輝度Yp、サブセット間の輝度差δYs(%)、 サブセットの色度座標(x,y)、および、サブセ ト間の色度差δu’v’を示す。ここで、階調 は256であり、輝度比0は階調値0に対応する輝 を示し、輝度比1は階調値255に対応する輝度 を示している。

 比較例2の多原色表示装置における第1サ セットの色度座標は(0.2708,0.2458)であり、第2 ブセットの色度座標は(0.3291,0.4074)である。 お、ここでは、比較例2の多原色表示装置の 第2サブセットの黄サブ画素の輝度を調整し いるのに対して、第1サブセットのサブ画素 輝度を調整していない。

 比較例2の多原色表示装置では、黄サブ画 素の輝度を調整した結果、比較例1の多原色 示装置よりも小さなサブセット間の輝度差δ Ysの割合および色度差δu’v’を実現している 一方で、比較例2の多原色表示装置では、各 ブ画素を最大階調値にする比較例1の多原色 示装置とは異なり、黄サブ画素の輝度の上 を最大階調値に対応する輝度よりも低い輝 に調整しているため、各サブセットの最大 度Ysは比較例1の多原色表示装置よりも低下 ている。比較例2の多原色表示装置の最大輝 度Ysを比較例1の多原色表示装置と比較すると 、輝度比は88%(=9.67/11.05)である。

 以下、本実施形態の多原色表示装置100を 明する。表5に、本実施形態の多原色表示装 置100において無彩色を表示するときのサブセ ットの最大輝度Ys(%)、各サブ画素の輝度比、 調値、画素の最大輝度Yp、サブセット間の 度差δYs(%)、サブセットの色度座標(x,y)、お び、サブセット間の色度差δu’v’を示す。 実施形態の多原色表示装置100の調整部400は サブセット間の輝度差δYsの割合を小さくす るように無彩色表示時のサブ画素の輝度を調 整している。なお、参考のために、表5には 表4に示した比較例2の多原色表示装置の値を 示している。

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1サブセット110の色度座標は(0.3070,0.3966)で あり、第2サブセット120の色度座標は(0.3056,0.2 823)である。なお、ここでは、本実施形態の 原色表示装置も第2サブセットの黄サブ画素 輝度を調整しているのに対して、第1サブセ ットのサブ画素の輝度を調整していない。

 本実施形態の多原色表示装置100では、サ 画素の輝度の調整を行ったときでも、画素 最大輝度Ypは10.52と高く、表3に示した実施 態1の多原色表示装置に対する輝度比は95%(=10 .52/11.05)である。上述したように、図15に示し たサブ画素配列を有する比較例1の多原色表 装置に対して調整を行った比較例2の多原色 示装置では、輝度比は88%にまで低下してい が、本実施形態の多原色表示装置100では、 整を行っても、輝度比は95%となり、輝度比 低下が抑制されている。また、本実施形態 多原色表示装置100では、調整を行わなくて サブセット間の輝度差δYsの割合が小さいの で、比較例2の多原色表示装置と比べて黄サ 画素の輝度をわずかに調整しただけで、サ セット間の輝度差δYsの割合をきわめて小さ することができる。

 以上のように、本実施形態の多原色表示 置100は、比較例2の多原色表示装置における 第1サブセットのシアンサブ画素と第2サブセ トの青サブ画素が置換されているため、わ かな調整を行うだけで、サブセットによっ 表示される色の違いをさらに小さくするこ ができる。

 また、表5に示した比較例2の多原色表示 置と本実施形態の多原色表示装置100との比 から理解されるように、本実施形態の多原 表示装置100において、各サブセットの最大 度Ysのうちのより低い最大輝度Ysは5.23であり 、これは、比較例2の多原色表示装置よりも い。したがって、多原色表示装置100では、 ブセットの輝度を一致させて表示を行うと でも、画素の輝度の上限を高くすることが きる。

 (実施形態3)
 上述した説明では、1つの画素は5つのサブ 素から構成されていたが、本発明はこれに 定されない。1つの画素は6つのサブ画素から 構成されていてもよい。

 以下、本発明による多原色表示装置の第3 実施形態を説明する。本実施形態の多原色表 示装置は、1つの画素が6つのサブ画素から構 されている点を除いて、図2を参照して説明 した実施形態1の多原色表示装置と同様の構 を有している。したがって、冗長さを避け ために、実施形態1と重複する説明を省略す 。

 図4に示したように、本実施形態の多原色 表示装置100において、画素Pは、赤サブ画素Ra 、緑サブ画素Gおよびシアンサブ画素Cから構 された第1サブセット110と、赤サブ画素Rb、 サブ画素Yeおよび青サブ画素Bから構成され 第2サブセット120とを有している。このよう に画素Pは、6種類のサブ画素、すなわち、赤 ブ画素Ra、緑サブ画素G、シアンサブ画素C、 赤サブ画素Rb、黄サブ画素Yeおよび、青サブ 素Bから構成されている。また、ここでも、 素Pにおいて、第1サブセット110に属する赤 ブ画素Ra、緑サブ画素Gおよびシアンサブ画 Cはx方向に連続的に配列され、また、第2サ セット120に属する赤サブ画素Rb、黄サブ画素 Yeおよび青サブ画素Bは第1サブセット110のサ 画素の配列された方向と同一直線状に連続 に配列されており、画素Pの第1サブセット110 および第2サブセット120はx方向に隣接してい 。また、列方向(y方向)に隣接する2つの画素 Pでは同一のサブセットが列方向に隣接して る。なお、本明細書の以下の説明において 第1サブセット110に属する赤サブ画素Raを第1 サブ画素と称し、第2サブセット120に属する 赤サブ画素Rbを第2赤サブ画素と称する。

 第2赤サブ画素Rbは第1赤サブ画素Raと同じ 査線(図示せず)、異なる信号線(図示せず)に 接続されており、第2赤サブ画素Rbは第1赤サ 画素Raとは独立に制御される。ただし、第2 サブ画素Rbは、第1赤サブ画素Raと同様に作製 されており、第1赤サブ画素Raおよび第2赤サ 画素Rbのサブ画素電極(図示せず)に等しい電 を与えると、第1赤サブ画素Raおよび第2赤サ ブ画素Rbは等しい色度および輝度を呈する。 って、多原色表示装置100において用いられ 原色の数は5といえる。したがって、以下の 説明において、第1赤サブ画素Raおよび第2赤 ブ画素Rbを総称して、単に赤サブ画素Rと示 ことがある。

 表6に、本実施形態の多原色表示装置100の 各サブ画素を最大階調値(例えば、階調値255) したときの色度x、yおよび輝度Y(割合)を示 。

 表6において、Rについての色度x、yは、第 1赤サブ画素Raおよび第2赤サブ画素Rbのそれぞ れの色度であり、Rについての輝度Yは、第1赤 サブ画素Raおよび第2赤サブ画素Rbの輝度の和 示している。したがって、各サブ画素を最 階調値にしたときに第1赤サブ画素Raおよび 2赤サブ画素Rbのそれぞれの呈する輝度(%)は0 .73(7.9)である。

 ここで、図4に示した本実施形態の多原色 表示装置100と図16に示した従来の多原色表示 置とを比較する。図16に示した従来の多原 表示装置では、画素は、光の3原色に対応す 赤、緑および青サブ画素から構成されたサ セットと、色の3原色に対応するシアン、黄 およびマゼンタサブ画素から構成されたサブ セットとを有している。これに対して、多原 色表示装置100の画素Pは、図16に示した従来の 多原色表示装置のマゼンタサブ画素に代えて 第2赤サブ画素Rbを有しており、1つの画素Pは 2つの赤サブ画素を有している。以下に、1 の画素Pがマゼンタサブ画素に代えて赤サブ 素を有している利点を説明する(特願2005-2745 10参照)。

 表示に用いる原色の数を増やすと、1画素 あたりのサブ画素の数が増えるので、各サブ 画素の面積は必然的に小さくなり、各サブ画 素が表示する色の明度(XYZ表色系におけるY値 相当)が低くなる。例えば、表示に用いる原 色の数を3つから6つに増やすと、各サブ画素 面積は約半分となり、各サブ画素の明度(Y )も約半分となる。「明度」は、「色相」や 彩度」とともに色を規定する3つの要素のう ちの1つであり、原色の数を増やすことによ てxy色度図上における色再現範囲(つまり再 可能な「色相」および「彩度」の範囲)が広 るものの、「明度」が低下すると実際の色 現範囲(「明度」も含めた色再現範囲)を十 に広くすることはできない。特に、赤サブ 素の面積を減らすと、赤のY値が小さくなる め、図16に示した多原色表示装置では、暗 赤しか表示することができず、物体色の赤 十分に表現することができない。

 これに対して、本実施形態の多原色表示 置100では、6種類のうち、2種類のサブ画素( 1赤サブ画素Raおよび第2赤サブ画素Rb)が赤を 表示するので、赤についてもPointer’s Colorを カバーして、図16の多原色表示装置よりも赤 明度(Y値)を向上することができ、明るい赤 表示することができる。したがって、xy色 図上に表される色相および彩度だけでなく 明度も含めた色再現範囲を広くすることが きる。なお、多原色表示装置100の画素はマ ンタサブ画素を有していないが、物体色の ゼンタは、第1、第2赤サブ画素Ra、Rbと青サ 画素Bとを用いた加法混色によって十分に再 することができる。以上のように、画素Pが マゼンタサブ画素に代えて第2赤サブ画素を していることにより、物体色の赤を十分に 現することができる。

 次いで、比較例3の多原色表示装置と比較 して、本実施形態の多原色表示装置100の利点 を説明する。まず、比較例3の多原色表示装 を説明する。図5に、比較例3の多原色表示装 置700の模式図を示す。比較例3の多原色表示 置700における画素は、赤、緑および青サブ 素RaGBから構成された第1サブセット710と、赤 、黄およびシアンサブ画素RbYeCから構成され 第2サブセット720とを有している。比較例3 多原色表示装置700は、本実施形態の多原色 示装置100と等しい色度および輝度のサブ画 を有しているが、第1サブセットのシアンサ 画素と第2サブセットの青サブ画素が置換さ れている点で本実施形態の多原色表示装置100 とは異なる。

 表7に、比較例3の多原色表示装置700にお る各サブ画素を最大階調値にしたときのサ セットの最大輝度Ys(%)、画素の最大輝度Yp、 ブセット間の輝度差δYs(%)、サブセットの色 度座標(x,y)、色温度、および、サブセット間 色度差δu’v’を示す。なお、比較例3の多 色表示装置700における画素は、本実施形態 多原色表示装置100と等しい色度および輝度 サブ画素を有しているため、比較例3の多原 表示装置700における画素の最大輝度Ypおよ 色温度は本実施形態の多原色表示装置100と しい。

 比較例3の多原色表示装置700において、第 1サブセット710の色度座標は(0.2483,0.2179)であ 、この色温度は55652Kである。また、第2サブ ット720の色度座標は(0.3783,0.3920)であり、こ 色温度は4151Kである。表7に示すように、比 例3の多原色表示装置700では、サブセット間 の輝度差δYsの割合およびサブセット間の色 差δu’v’はいずれも比較的大きい。したが て、画素が白を表示すると、サブセット710 720ごとに異なる色が視認されることになり 比較例3の多原色表示装置700では、実質的に 高解像度の表示を行うことができない。また 、第2サブセット720の輝度を最大輝度Ys6.06ま 利用せず、利用範囲の上限を第1サブセット7 10の最大輝度Ys3.15までに制限すると、2つのサ ブセット710、720の輝度を一致させて表示を行 うことができるが、この場合、無彩色を表示 するときの画素の輝度の上限は6.30(=3.15×2)と くなってしまい、画素は無彩色を高輝度で 示することができない。

 以下、本実施形態の多原色表示装置100を 明する。表8に、多原色表示装置100の各サブ 画素を最大階調値にしたときのサブセットの 最大輝度Ys(%)、画素の最大輝度Yp、サブセッ 間の輝度差δYs(%)、サブセットの色度座標(x,y )、色温度、および、サブセット間の色度差δ u’v’を示す。なお、参考のために、表8には 、表7に示した比較例3の多原色表示装置の値 示している。

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1サブセットの色度座標は(0.2841,0.3713)であ り、この色温度は7534Kである。また、第2サブ セットの色度座標は(0.3328,0.2702)であり、この 色温度は5450Kである。また、表8に示すように 、比較例3の多原色表示装置700ではサブセッ 間の輝度差δYsの割合は31.6%であり、色度差δ u’v’は0.127であるのに対して、本実施形態 多原色表示装置100ではサブセット間の輝度 δYsの割合は12.2%であり、色度差δu’v’は0.08 8である。また、本実施形態の多原色表示装 100におけるサブセットの色温度は、比較例3 多原色表示装置よりも基準となる6500Kに近 なっている。したがって、各サブ画素を最 階調値にしたときの多原色表示装置100と比 例3の多原色表示装置700とを比較すると、多 色表示装置100におけるサブセット間の輝度 δYsの割合および色度差δu’v’はいずれも 較例3の多原色表示装置よりも小さい。した って、本実施形態の多原色表示装置100では サブセット間の色度のばらつきを抑制する ともに輝度のばらつきを抑制することがで る。

 また、多原色表示装置100において、各サ セットの最大輝度Ysのうちより低い最大輝 Ysは4.04であり、これは、比較例3の多原色表 装置700よりも高い。このため、2つのサブセ ットの輝度を一致させて無彩色表示を行って も、画素の輝度の上限を8.08(=4.04×2)と比較的 くすることができ、これにより、高輝度の 彩色を表示することができる。

 このように、本実施形態の多原色表示装 100は、比較例3の多原色表示装置700における 2つのサブセット710、720のうちの青サブ画素 よびシアンサブ画素が交換されたサブ画素 列を有しており、これにより、各サブ画素 階調値を最大階調値にして無彩色を表示す ときのサブセット間の輝度差δYsの割合およ 色度差δu’v’を小さくすることができ、結 果として、高輝度を維持したまま無彩色を表 示するときの実質的な解像度を向上させるこ とができる。

 なお、上述した説明では、列方向(y方向) 隣接する2つの画素では列方向に同じサブセ ットが隣接していたが、本発明はこれに限定 されない。図6に示すように、列方向に隣接 る2つの画素において列方向に異なるサブセ トが隣接してもよい。この場合、RGCおよびR YeBのサブセットは格子状(市松状)に配列され 。

 また、上述した説明では、同一画素を構 する第1サブセット110および第2サブセット12 0が1次元的にストライプ配列されていたが、 発明はこれに限定されない。図7に示すよう に、画素Pにおいて、第2サブセット120に属す 赤サブ画素Rb、黄サブ画素Yeおよび青サブ画 素Bは第1サブセット110のサブ画素の配列され 方向と平行に連続的に配列されていてもよ 。この場合、同一の画素を構成する第1サブ セット110および第2サブセット120が列方向に 接して2次元的に配列され、第2サブセット120 に属する各サブ画素のそれぞれは、第1サブ ットに属するサブ画素とそれぞれ隣接して る。なお、グラフィック表示を行う際には 図7に示すように、同一画素に属する黄およ 緑サブ画素は同一直線状に配列することが ましい。

 あるいは、図8に示すように、同一の画素 Pを構成する第1サブセット110および第2サブセ ット120が列方向(y方向)に隣接して2次元的に 列されているとともに、行方向(x方向)に隣 する2つの画素において行方向に異なるサブ ットが隣接していてもよい。この場合、第1 サブセット110および第2サブセット120は市松 に配列される。また、図8に示したサブ画素 列でも、同一画素Pに属する黄および緑サブ 画素を同一直線状に配列することができる。

 なお、図4および図6に示すように、同一 素Pに属するサブ画素が1行に配列されている と、列方向(y方向)の解像度の低下を抑制する ことができる。また、図7および図8に示すよ に、同一画素Pに属するサブ画素の行方向(x 向)のサブ画素数を少なくしておくと、1つ サブ画素によって単色(例えば、緑)を表示す るとき、1つの行において点灯しているサブ 素の間隔を狭くすることができ、単色表示 の行方向の解像度の低下を抑制することが きる。また、輝度の高い黄サブ画素Yeや緑サ ブ画素Gが異なる行または列に配置されてい と、黄や緑などの単色の一本の線を表示す 際に千鳥状に表示された線が視認されるこ になるが、図4および図6に示すように、黄サ ブ画素Yeや緑サブ画素Gが列方向(y方向)または 行方向(x方向)の同一直線上に配列されている と、黄や緑などの単色の一本の線を適切に表 示することができ、グラフィック表示に適し ている。

 また、図4、図6、図7および図8に示された サブ画素配列では、いずれの第1サブセット11 0においても、行方向(x方向)に赤、緑および アンサブ画素の順番に配列されており、ま 、いずれの第2サブセット120においても、行 向(x方向)に赤、黄および青サブ画素の順番 配列されている。しかしながら、本発明は れに限定されず、第1サブセット110に属する サブ画素および第2サブセット120に属するサ 画素は別の順番で配列されていてもよい。

 なお、上述した説明では、第1サブセット 110に属するサブ画素および第2サブセット120 属するサブ画素はいずれも行方向(x方向)に 続的に配列されていたが、本発明はこれに 定されない。第1サブセット110に属するサブ 素および第2サブセット120に属するサブ画素 は列方向(y方向)に連続的に配列されていても よい。

 また、上述した説明では、第1、第2赤サ 画素Ra、Rbの特性が等しいことから、映像信 における同一の画素に起因する第1赤サブ画 素Raと第2赤サブ画素Rbの輝度は等しい値を有 ていたが、本発明はこれに限定されない。 赤サブ画素Ra、Rbの輝度の値を独立に制御し て、表示面を正面方向から観察したときのγ 性と斜め方向から観察したときのγ特性と 異なるというγ特性の視角依存性を低減する ことができる。

 γ特性の視角依存性を低減する手法とし は、特開2004-62146号公報や特開2004-78157号公報 にマルチ画素駆動と呼ばれる手法が提案され ている。この手法では、1つのサブ画素を2つ 領域に分割し、それぞれの領域に異なる電 を印加することによってγ特性の視角依存 を低減している。第1赤サブ画素Raと第2赤サ 画素Rbとが互いに独立に制御する構成を用 ると、当然ながら、第1赤サブ画素Raの液晶 と第2赤サブ画素Rbの液晶層とに互いに異な 電圧を印加することができる。そのため、 記特開2004-62146号公報や特開2004-78157号公報に 開示されているマルチ画素駆動と同様に、γ 性の視角依存性を低減するという効果が得 れる。

 なお、上述した説明では、第1赤サブ画素 Raおよび第2赤サブ画素Rbは等しい特性を有し いたが、本発明はこれに限定されない。第1 赤サブ画素Raと第2赤サブ画素Rbの特性は異な ていてもよい。

 また、上述した説明では、第2赤サブ画素 Rbは、第1赤サブ画素Raとは同じ走査線(図示せ ず)に接続されていたが、本発明はこれに限 されない。第2赤サブ画素Rbは、第1赤サブ画 Raと異なる走査線に接続されていてもよい

 また、上述した説明では、第2サブセット 120は第2赤サブ画素Rbを有していたが、本発明 はこれに限定されない。第2サブセット120は 第2赤サブ画素Rbの代わりにマゼンタサブ画 を有していてもよい。

 (実施形態4)
 以下、本発明による多原色表示装置の第4実 施形態を説明する。本実施形態の多原色表示 装置は、1つの画素が6つのサブ画素から構成 れている点を除いて、図3を参照して説明し た実施形態2の多原色表示装置と同様の構成 有している。また、本実施形態の多原色表 装置は、図3に示した調整部400をさらに備え いる点を除いて、実施形態3の多原色表示装 置と同様の構成を有している。したがって、 冗長さを避けるために、実施形態2および3と 複する説明を省略する。

 以下、比較例4の多原色表示装置と比較し て、本実施形態の多原色表示装置100の利点を 説明する。比較例4の多原色表示装置は、図5 示したのと同様のサブ画素配列を有してお 、また、サブ画素の輝度の調整により、無 色を表示するときのサブセット間の輝度差 Ysの割合および色度差δu’v’を小さくして る。

 表9に、比較例4の多原色表示装置におい 無彩色を表示するときのサブセットの最大 度Ys(%)、各サブ画素の輝度比、階調値、画素 の最大輝度Yp、サブセット間の輝度差δYs(%)、 サブセットの色度座標(x,y)、および、サブセ ト間の色度差δu’v’を示す。

 比較例4の多原色表示装置において、第1 ブセットの色度座標は(0.2628,0.2415)であり、 2サブセットの色度座標は(0.3591,0.3618)である なお、ここでは、比較例4の多原色表示装置 において、第1サブセットの青サブ画素の輝 を調整しており、また、第2サブセットの黄 ブ画素の輝度を調整している。

 比較例4の多原色表示装置では、比較例3 多原色表示装置と比べて、サブセット間の 度差δYsの割合(20.0%)が低下しているものの、 各サブセットの最大輝度Ysのうちより低い最 輝度Ys(3.05)も低下している。また、比較例4 多原色表示装置を比較例3の多原色表示装置 と比較すると、画素の最大輝度Ypについての 度比は83%(=7.62/9.21)であり、大きく低下して る。

 次いで、本実施形態の多原色表示装置100 説明する。表10に、多原色表示装置100にお て無彩色を表示するときのサブセットの最 輝度Ys(%)、各サブ画素の輝度比、階調値、画 素の最大輝度Yp、サブセット間の輝度差δYs(%) 、サブセットの色度座標(x,y)、および、サブ ット間の色度差δu’v’を示す。また、多原 色表示装置100でも、サブ画素の輝度の調整は 、サブセット間の輝度差δYsの割合が小さく るように行われている。参考のために、表10 に、表9に示した比較例4の多原色表示装置の を示している。

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1サブセットの色度座標は(0.2841,0.3713)であ り、第2サブセットの色度座標は(0.3168,0.2677) ある。なお、ここでは、本実施形態の多原 表示装置100において、第2サブセットの赤、 および青サブ画素の輝度を調整しているの 対して、第1サブセットのサブ画素の輝度を 調整しておらず、これにより、サブセット間 の輝度差を0としている。

 比較例4の多原色表示装置では、青サブ画 素および黄サブ画素の輝度を調整すると、画 素の最大輝度Ypは7.62と低く、輝度比は83%にま で低下するのに対して、本実施形態の多原色 表示装置100では、赤サブ画素、黄サブ画素お よび青サブ画素の輝度を調整しても、画素の 最大輝度Ypは8.09と高く、また、実施形態3の 原色表示装置に対する本実施形態の多原色 示装置における画素の輝度比は88%(=8.09/9.21) 高い。

 このように、本実施形態の多原色表示装 100では、一方のサブセットに属するサブ画 の輝度を調整することにより、サブセット の輝度差の割合δYsをさらに小さくすること ができる。また、本実施形態の多原色表示装 置100では、調整を行ったときでも、画素の最 大輝度Ypを高く維持し、調整を行わない場合 比べて画素の輝度比の低下を抑制すること できる。したがって、多原色表示装置100は 実質的に高解像度で高輝度の無彩色を表示 ることができる。

 (実施形態5)
 上述した説明では、無彩色を表示する際の 質的な解像度の向上について説明したが、 彩色以外の色を表示する際にも実質的な解 度を向上させることができる。

 以下、本発明による多原色表示装置の第5 実施形態を説明する。

 図9に示すように、本実施形態の多原色表 示装置100は、多原色表示パネル200と、多原色 変換装置300と、レンダリング部500とを備えて いる。本実施形態の多原色表示装置100は、レ ンダリング部500をさらに備えている点を除い て、図2に示した多原色表示装置と同様の構 を有しており、冗長さを避けるために、上 した説明と重複する説明を省略する。ここ 、映像信号の水平解像度は多原色表示パネ 200の行方向の画素数(すなわち、多原色表示 ネル200の水平解像度)よりも大きく、多原色 表示パネル200の水平解像度がNであるとする 、映像信号の水平解像度は2×Nである。なお 各サブ画素は、表6に示したのと同様の色度 x、yおよび輝度Yを有している。

 多原色変換装置300は、映像信号に示され 赤、緑および青の輝度を示す値を多原色変 することによって各サブ画素に対応する原 の輝度を示す多原色信号を生成する。レン リング部500は、多原色信号に示された各サ 画素に対応する原色の輝度を示す値に対し レンダリング処理を行う。なお、ここでは 映像信号はプログレッシブ駆動方式にした った信号とする。

 図9に示すように、本実施形態の多原色表 示装置100において、多原色変換装置300は、映 像信号における画素(例えば奇数列の画素)の 、緑および青の輝度を示す値に基づいて偶 データ(odd data)を生成し、映像信号におけ 隣接する画素(例えば偶数列の画素)の赤、緑 および青の輝度を示す値に基づいて奇数デー タ(even data)を生成する。次いで、レンダリン グ部500は、偶数データおよび奇数データに基 づいて多原色信号の示す各原色の輝度に対し てレンダリング処理を行う。その結果、多原 色表示パネル200の画素における各サブ画素は 、レンダリング処理された原色の輝度を呈す る。ここでは、レンダリング部500は、各サブ セットに対応する映像信号の画素の色の無彩 色成分をベースにして、隣接する画素の有彩 色成分を考慮してレンダリング処理を行う。

 次いで、図10を参照して、偶数データお び奇数データを多原色変換した値と多原色 示パネル200におけるサブセットとの関係を 明する。図10(a)に、多原色表示パネル200にお けるサブ画素配列の模式図を示し、図10(b)に 偶数データおよび奇数データを多原色変換 ることによって得られた、各サブ画素に対 する原色の輝度を表す値を示している。

 図10(a)に示すように、多原色表示パネル200 おける画素において、サブ画素は、図4に示 たのと同様に、行方向に沿って赤サブ画素R 、緑サブ画素G、シアンサブ画素C、赤サブ画 R、黄サブ画素Yeおよび青サブ画素Bの順番に 周期的に配列されている。図10(a)では、赤サ 画素R 2n-1 、緑サブ画素G 2n-1 およびシアンサブ画素C 2n-1 から構成されたn-1番目のサブセット、赤サブ 画素R 2n 、黄サブ画素Ye 2n および青サブ画素B 2n から構成されたn番目のサブセット、ならび 、サブ画素R 2n+1 、緑サブ画素G 2n+1 およびシアンサブ画素C 2n+1 から構成されたn+1番目のサブセットをそれぞ れ、サブセットS 2n-1 、S 2n 、S 2n+1 と示している。サブセットS 2n-1 、S 2n は画素P1を構成する第1サブセット110、第2サ セット120に相当し、サブセットS 2n+1 は画素P1に隣接する画素P2の第1サブセット110 相当する。

 上述したように、ここでは、映像信号の水 解像度は2×Nであるのに対して、多原色表示 パネル200の水平解像度がNであり、映像信号 水平解像度2×Nは多原色表示パネル200の水平 向のサブセットの数に対応している。本明 書の以下の説明において、サブセットS 2n-1 、S 2n 、S 2n+1 に対応する映像信号における画素をそれぞれ 、p 2n-1 、p 2n 、p 2n+1 とよぶ。画素p 2n-1 、p 2n 、p 2n+1 は、映像における同一行の隣接する画素であ る。

 図10(b)において、r * 2n-1 、g * 2n-1 、b * 2n-1 、ye * 2n-1 、c * 2n-1 は映像信号における画素p 2n-1 の色を示す値を多原色変換することによって 得られた各サブ画素に対応する原色の輝度を 示す値であり、同様に、r * 2n 、g * 2n 、b * 2n 、ye * 2n 、c * 2n および、r * 2n+1 、g * 2n+1 、b * 2n+1 、ye * 2n+1 、c * 2n+1 は、それぞれ、映像信号における画素p 2n 、p 2n+1 の色に対応する値である。

 ここで、多原色表示装置がレンダリング部5 00を備えていないと仮定する。その場合、サ セットS 2n-1 を構成する赤、緑およびシアンサブ画素R 2n-1 、G 2n-1 、C 2n-1 の輝度はr * 2n-1 、g * 2n-1 、b * 2n-1 、ye * 2n-1 、c * 2n-1 に基づいて決定される。例えば、赤、緑およ びシアンサブ画素R 2n-1 、G 2n-1 、C 2n-1 の輝度は、それぞれ、r * 2n-1 、g * 2n-1 、c * 2n-1 となる。また、同様に、サブセットS 2n を構成するR 2n 、Ye 2n 、B 2n およびサブセットS 2n+1 を構成する赤、緑およびシアンサブ画素R 2n+1 、G 2n+1 、C 2n+1 の輝度は、それぞれ、r * 2n 、ye * 2n 、b * 2n 、r * 2n+1 、g * 2n+1 、c * 2n+1 となる。このように多原色表示装置がレンダ リング部500を備えていないと、多原色変換に よって得られた値のうちの半分は多原色表示 パネル200における各サブ画素の輝度に反映さ れない。したがって、多原色表示パネル200の 実質的な水平解像度は名目的な解像度と等し く、映像信号の水平解像度の半分となる。

 これに対して、本実施形態の多原色表示 置100はレンダリング部500を備えており、レ ダリング部500は、多原色表示パネル200にお る各サブ画素に対応する原色の値を、映像 号の対応する画素だけでなく隣接する画素 色を示す値に基づいて決定する。

 図11に、本実施形態の多原色表示装置100 おけるレンダリング部500のブロック図を示 。レンダリング部500は、ラッチ回路505と、 成分分離部510、520と、無彩色輝度調整部530 540と、レンダリング処理部550と、ラッチ回 560a~560fと、加算器570a~570fとを有している。 明細書の以下の説明において、色成分分離 510を第1色成分分離部とよび、色成分分離部5 20を第2色成分分離部とよぶ。また、無彩色輝 度調整部530を第1無彩色輝度調整部ともよび 無彩色輝度調整部540を第2無彩色輝度調整部 もよぶ。

 多原色変換によって生成された偶数デー はラッチ回路505によってラッチされた後、 1色成分分離部510は、偶数データに示された 画素の色を無彩色成分および有彩色成分に分 離する。また、同様に、第2色成分分離部520 、奇数データに示された画素の色を無彩色 分および有彩色成分に分離する。

 ここで、図12を参照して、第1、第2色成分分 離部510、520における無彩色成分および有彩色 成分の分離を説明する。図12(a)から図12(c)の れぞれには、映像信号における画素p 2n-1 からp 2n+1 の色を示す値を多原色変換することによって 得られた値を棒状に示している。なお、図11 は、映像信号における画素p 2n-1 およびp 2n の色を示す値の変換を示しているのに対して 、図12では、映像信号における画素p 2n-1 からp 2n+1 の色を示す値の変換を示している。

 第1色成分分離部510は、映像信号に示された 画素p 2n-1 の色を表す値を多原色変換することによって 得られた値r * 2n-1 、g * 2n-1 、b * 2n-1 、ye * 2n-1 、c * 2n-1 のうちの最小値を検出する。図12(a)に示すよ に、c * 2n-1 が最小値である場合、この最小値c * 2n-1 を無彩色成分w 2n-1 とする。また、第1色成分分離部510は、r * 2n-1 、g * 2n-1 、b * 2n-1 、ye * 2n-1 、c * 2n-1 から無彩色成分w 2n-1 を減算した値、すなわち、r 2n-1 (=r * 2n-1 -w 2n-1 )、g 2n-1 (=g * 2n-1 -w 2n-1 )、b 2n-1 (=b * 2n-1 -w 2n-1 )、ye 2n-1 (=ye * 2n-1 -w 2n-1 )、c 2n-1 (=c * 2n-1 -w 2n-1 )を有彩色成分とする。

 同様に、第2色成分分離部520は、映像信号に 示された画素p 2n の色を表す値を多原色変換することによって 得られた値r * 2n 、g * 2n 、b * 2n 、ye * 2n 、c * 2n のうちから最小値を検出する。図12(b)に示す うに、c * 2n が最小値である場合、この最小値c * 2n を無彩色成分w 2n とする。また、第2色成分分離部520は、r * 2n 、g * 2n 、b * 2n 、ye * 2n 、c * 2n から無彩色成分w 2n を減算した値を有彩色成分とする。

 また、同様に、第1色成分分離部510は、映像 信号に示された画素p 2n+1 の色を表す値を多原色変換することによって 得られた値r * 2n+1 、g * 2n+1 、b * 2n+1 、ye * 2n+1 、c * 2n+1 のうちから最小値を検出する。図12(c)に示す うに、c * 2n+1 が最小値である場合、この最小値c * 2n+1 を無彩色成分w 2n+1 とする。また、第1色成分分離部510は、r * 2n+1 、g * 2n+1 、b * 2n+1 、ye * 2n+1 、c * 2n+1 から無彩色成分w 2n+1 を減算した値を有彩色成分とする。

 再び図11を参照する。ここでは、第1無彩色 度調整部530は、第1色成分分離部510にて分離 された無彩色成分w 2n-1 に対応する値w R2n-1 、w G2n-1 、w C2n-1 を決定する。これにより、無彩色成分w 2n-1 は、サブセットS 2n-1 を構成する赤、緑およびシアンサブ画素R 2n-1 、G 2n-1 、C 2n-1 の輝度に反映される。また、第2無彩色輝度 整部540は、第2色成分分離部520にて分離され 無彩色成分w 2n に対応する値w R2n 、w Ye2n 、w B2n を決定する。これにより、無彩色成分w 2n は、サブセットS 2n を構成する赤、黄および青サブ画素R 2n 、Ye 2n 、B 2n の輝度に反映される。

 レンダリング処理部550は、画素p 2n-1 に対応する有彩色成分r 2n-1 、g 2n-1 、b 2n-1 、ye 2n-1 、c 2n-1 、および、画素p 2n に対応する有彩色成分r 2n 、g 2n 、b 2n 、ye 2n 、c 2n に基づいて、サブセットS 2n-1 を構成する赤、緑およびシアンサブ画素R 2n-1 、G 2n-1 、C 2n-1 、および、サブセットS 2n を構成する赤、黄および青サブ画素R 2n 、Ye 2n 、B 2n における有彩色成分に対応する値を決定する 。例えば、レンダリング処理部550は、サブセ ットS 2n-1 を構成する赤、緑およびシアンサブ画素R 2n-1 、G 2n-1 、C 2n-1 における有彩色成分に対応する値r’ 2n-1 、g’ 2n-1 、c’ 2n-1 を、それぞれ、r’ 2n-1 =r 2n-1 、g’ 2n-1 =(g 2n-1 +g  2n )/2、c’ 2n-1 =(c 2n-1 +c 2n )/2と決定する。また、レンダリング処理部550 は、サブセットS 2n を構成する赤、黄および青サブ画素R 2n 、Ye 2n 、B 2n における有彩色成分に対応する値r’ 2n 、ye’ 2n 、b’ 2n を、それぞれ、r’ 2n =r 2n 、ye’ 2n =(ye 2n-1 +ye 2n )/2、b’ 2n-1 =(b 2n-1 +b 2n )/2と決定する。

 ここで、赤サブ画素以外のサブ画素につ ては、映像信号における隣接する2つの画素 の有彩色成分の和を平均化した値(以下、レ ダリング値ともいう。)を得ているのに対し 、赤サブ画素については平均化をしていな 。これは、画素Pは特性の等しい2つの赤サ 画素Rを有しており、多原色表示パネル200に 行方向に沿って2N個の赤サブ画素が設けら ているため、各赤サブ画素については、有 色成分の和の平均化を行わなくても、映像 号と同様の水平解像度で表示を行うことが きるからである。

 次いで、加算器570a~570fは、それぞれ、対応 るラッチ回路560a~560fによってラッチされた 彩色成分に対応する値と有彩色成分に対応 る値とを加算して、対応するサブ画素の輝 を示す値を得る。具体的には、加算器570aに より、赤サブ画素R 2n-1 の輝度を表す値として、無彩色成分に対応す る値w R2n-1 と有彩色成分に対応する値r’ 2n-1 とを加算した結果を得る。また、加算器570b 570cにより、緑サブ画素G 2n-1 およびシアンサブ画素C 2n-1 の輝度を表す値が得られる。下記に、加算器 570a~570cにおける演算式を示す。
 R 2n-1 =w R2n-1 +r’ 2n-1 =w R2n-1 +r 2n-1
 G 2n-1 =w G2n-1 +g’ 2n-1 =w G2n-1 +(g 2n-1 +g 2n )/2
 C 2n-1 =w C2n-1 +c’ 2n-1 =w C2n-1 +(c 2n-1 +c 2n )/2

 このように、加算器570b、570cは、映像信号 おける画素p 2n-1 の色のうちの無彩色成分w 2n-1 の各サブ画素に対応する成分w G2n-1 、w C2n-1 と、対応する有彩色成分のレンダリング値g 2n-1 、c’ 2n-1 とを加算して、サブ画素の輝度を示す値を生 成する。また、加算器570aは、映像信号にお る画素p 2n-1 の色のうちの無彩色成分w 2n-1 に対応する成分w R2n-1 と、対応する有彩色成分r’ 2n-1 とを加算して、赤サブ画素の輝度を示す値を 生成する。

 同様に、加算器570d~570fは、下記に示す所定 演算式に従って、サブセットS 2n を構成する赤、黄および青サブ画素R 2n 、Ye 2n 、B 2n の輝度を得る。
 R 2n  =w R2n +r’ 2n =w R2n +r 2n
 Ye 2n =w Ye2n +ye’ 2n =w Ye2n +(ye 2n-1 +ye 2n )/2
 B 2n =w B2n +b’ 2n =w B2n +(b 2n-1 +b 2n )/2

 このように、加算器570e、570fは、映像信号 おける画素p 2n の色のうちの無彩色成分w 2n の各サブ画素に対応する成分w Ye2n 、w B2n と、対応する有彩色成分のレンダリング値ye 2n 、b’ 2n とを加算して、サブ画素の輝度を示す値を生 成する。また、加算器570dは、映像信号にお る画素p 2n の色のうちの無彩色成分w 2n に対応する成分w R2n と、対応する有彩色成分r’ 2n とを加算して、赤サブ画素の輝度を示す値を 生成する。

 本実施形態の多原色表示装置100では、サ セットに属するサブ画素の輝度は、映像信 における対応する画素の色のうちの無彩色 分、映像信号における対応する画素の色の ちの有彩色成分、および、映像信号におけ 対応する画素に隣接する画素の色のうち有 色成分に基づいて決定しており、無彩色成 を含む有彩色を表示するときの実質的な解 度を向上させて、多原色表示における実質 な解像度の低減を抑制することができる。 えば、黄色を表示する際、黄色を含むサブ ット(具体的にはRYeB)では黄色のサブ画素を 用し、黄色を含まないサブセット(具体的に はRGC)ではRとGを用いて黄色を表示することに より、黄色の解像度低減を抑制することがで きる。

 なお、上述した説明では、同一の画素に属 る2つのサブセット(具体的には、図10(a)に示 したサブセットS 2n-1 とS 2n )に対応する映像信号の画素p 2n-1 、p 2n の色に基づいて2つのサブセットに属するサ 画素の値を決定したが、本発明はこれに限 されない。例えば、常に右側に隣接するサ セットに対応する映像信号の画素の色に基 いて各サブ画素の値を決定してもよい。

 具体的には、サブセットS 2n の赤、黄および青サブ画素R 2n 、Ye 2n 、B 2n の輝度についての加算器570d~570fにおける演算 結果が下記に示す所定の演算式に従うように 、レンダリング処理が行われてもよい。
 R 2n  =w R2n +r’ 2n =w R2n +r 2n
 Ye 2n =w Ye2n +ye’ 2n =w Ye2n +(ye 2n +ye 2n+1 )/2
 B 2n =w B2n +b’ 2n =w B2n +(b 2n +b 2n+1 )/2

 このようにサブ画素の輝度R 2n 、Ye 2n 、B 2n を、映像信号における画素p 2n の色のうちの無彩色成分w 2n に対応するサブ画素の値w R2n 、w Ye2n 、w B2n 、映像信号における画素p 2n の色のうちの有彩色成分r 2n 、ye 2n 、b 2n 、および、映像信号における画素p 2n+1 の色のうちの有彩色成分r 2n+1 、ye 2n+1 、b 2n+1 に基づいて決定してもよい。

 また、上述した演算式は、1つの例示にす ぎず、別の演算式にしたがって各サブ画素の 輝度を得てもよい。

 また、上述した説明では、1つの画素Pに する2つの赤サブ画素Rは同様に作製されてお り、2つの赤サブ画素Rの輝度は同様の値を示 たが、本発明はこれに限定されない。2つの 赤サブ画素Rの輝度は別の値を示してもよい

 また、上述した説明では、画素Pは6つの ブ画素から構成されていたが、本発明はこ に限定されない。画素Pは、図1に示したよう に5つのサブ画素から構成されていてもよい

 (実施形態6)
 上述した説明では、各サブセットが無彩色 表示したが、本発明はこれに限定されない サブセットとサブセットに隣接するサブ画 とを利用して無彩色を表示してもよい。

 以下、本発明による多原色表示装置の第6 実施形態を説明する。

 本実施形態の多原色表示装置100は、レン リング部500による一部の処理を除いて、図1 1を参照して説明した実施形態5の多原色表示 置と同様の構成を有している。したがって 冗長さを避けるために、実施形態5と重複す る説明を省略する。なお、以下の説明におい て、第1サブセット110に対応する無彩色を第1 彩色とよび、第2サブセット120に対応する無 彩色を第2無彩色とよぶ。

 図13に、本実施形態の多原色表示装置100 おけるレンダリング部500のブロック図を示 。レンダリング部500は、ラッチ回路505と、 1、第2色成分分離部510、520と、第1、第2無彩 輝度調整部530、540と、レンダリング処理部5 50と、ラッチ回路560a~560fと、加算器570a~570fと 有している。

 ここで、図14を参照して、多原色表示装 100における無彩色を表示するための各サブ 素の輝度を説明する。図14(a)は第1無彩色を 示するためのサブ画素の輝度を示す模式図 あり、図14(b)は第2無彩色を表示するための ブ画素の輝度を示す模式図である。

 図14(a)に示すように、第1サブセットS 2n-1 を構成する赤サブ画素R 2n-1 、緑サブ画素G 2n-1 、シアンサブ画素C 2n-1 だけでなく、第1サブセットS 2n-1 に隣接する青サブ画素B 2n-2 および赤サブ画素R 2n の輝度を、それぞれ、w R2n-1 、w G2n-1 、w C2n-1 、w’ B2n-2 、w’ R2n にすることにより、第1無彩色を表示する。 れに対して、図14(b)に示すように、第2サブ ットS 2n を構成する赤サブ画素R 2n 、黄サブ画素Ye 2n 、青サブ画素B 2n の輝度を、それぞれ、w R2n 、w Ye2n 、w B2n にすることにより、第2無彩色を表示する。

 再び、図13を参照する。図13に示すように、 本実施形態の多原色表示装置100のレンダリン グ部500において、第1無彩色輝度調整部530は 映像信号における画素p 2n-1 の色の無彩色成分を示す値w 2n-1 に対応する値として値w R2n-1 、w G2n-1 、w C2n-1 だけでなく値w’ B2n-2 、w’ R2n を決定する。これにより、映像信号における 画素p 2n-1 の色の無彩色成分は、サブセットS 2n-1 だけでなくサブセットS 2n-1 に隣接する青サブ画素B 2n-2 、赤サブ画素R 2n に反映される。また、第2無彩色輝度調整部54 0は、映像信号における画素p 2n-1 の色の無彩色成分を示す無彩色成分w 2n に対応する値として値w R2n 、w Ye2n 、w B2n を決定しており、映像信号における画素p 2n の色の無彩色成分は、サブセットS 2n のみに反映される。

 本実施形態の多原色表示装置100では、映 信号における画素の色の無彩色成分は対応 るサブセットだけでなく隣接するサブ画素 も反映される。これにより、1つのサブセッ トに属するサブ画素の輝度を調整しても適切 な無彩色を表示できない場合に、他のサブ画 素を利用することにより、高輝度の無彩色表 示を実現するとともに無彩色間の輝度差の割 合および色度差を抑制することができる。な お、第1、第2無彩色輝度調整部530、540は、図3 に示した調整部400と同様に機能し得る。

 以下、比較例5の多原色表示装置と比較し て、本実施形態の多原色表示装置100の利点を 説明する。まず、比較例5の多原色表示装置 説明する。比較例5の多原色表示装置の画素 おいてサブ画素は図5に示したように配列さ れている。比較例5の多原色表示装置でも、 ブセットに隣接するサブ画素を利用して無 色を表示している。なお、ここでも、第1サ セットおよびそれに隣接するサブ画素によ て表示される無彩色を第1無彩色とよび、第 2サブセットおよびそれに隣接するサブ画素 よって表示される無彩色を第2無彩色とよぶ

 表11に、比較例5の多原色表示装置におけ 第1、第2無彩色の最大輝度Ys(%)、各サブ画素 の輝度比、階調値、第1、第2無彩色の最大輝 の和Yp、第1、第2無彩色間の輝度差δYs(%)、 1、第2無彩色の色度座標(x,y)、および、第1、 第2無彩色間の色度差δu’v’を示す。

 比較例5の多原色表示装置において、第1 彩色は、第1サブセットに属する赤、緑およ 青サブ画素(RGB)と、第1サブセットの赤サブ 素に隣接するシアンサブ画素(C)および第1サ ブセットの青サブ画素に隣接する赤サブ画素 (R)とによって表示される。同様に、第2無彩 は、第2サブセットに属する赤、黄およびシ ンサブ画素(RYeC)と、第2サブセットの赤サブ 画素に隣接する青サブ画素(B)および第2サブ ットのシアンサブ画素に隣接する赤サブ画 (R)とによって表示される。

 比較例5の多原色表示装置において、第1 彩色の色度座標は(0.2612,0.2387)であり、第2無 色の色度座標は(0.3555,0.3580)である。なお、 較例5の多原色表示装置では、第1無彩色を 示するときに青サブ画素の輝度を制限し、 2無彩色を表示するときに制限された輝度の 部を使用している。ただし、比較例5の多原 色表示装置では、無彩色を表示するときに、 青サブ画素の輝度比0.05に対応する輝度は使 されない。

 このように、比較例5の多原色表示装置で は、隣接するサブ画素を利用して無彩色を表 示しているため、表11に示した第1、第2無彩 の最大輝度Yp(=9.18)は、表9に示した比較例4の 多原色表示装置における画素の最大輝度Yp(7.6 2)よりも高い。したがって、比較例5の多原色 表示装置は比較例4の多原色表示装置よりも 輝度の表示を行うことができる。なお、比 例5の多原色表示装置では、第1、第2無彩色 輝度差δYsの割合は33.4%であり、これは、表9 示した比較例4の多原色表示装置と比べて大 きい。

 次いで、本実施形態の多原色表示装置100 説明する。多原色表示装置100の画素におい サブ画素は図4に示すように配列されている 。表12に、多原色表示装置100における第1、第 2無彩色の最大輝度Ys(%)、各サブ画素の輝度比 、階調値、第1、第2無彩色の最大輝度の和Yp 第1、第2無彩色間の輝度差δYs(%)、第1、第2無 彩色の色度座標(x,y)、および、第1、第2無彩 間の色度差δu’v’を示す。本実施形態の多 色表示装置100でも、隣接するサブ画素の輝 を利用して第1、第2無彩色間の輝度差δYsの 合および色度差δu’v’を小さくしている。 なお、参考のために、表12には、表11に示し 比較例5の多原色表示装置の値を示している

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1無彩色は、第1サブセットに属する赤、 およびシアンサブ画素(RGC)と、第1サブセッ の赤サブ画素に隣接する青サブ画素(B)およ 第1サブセットのシアンサブ画素に隣接する サブ画素(R)とによって表示される。同様に 第2無彩色は、第2サブセットに属する赤、 および青サブ画素(RYeB)と、第2サブセットの サブ画素に隣接するシアンサブ画素(C)およ 第2サブセットの青サブ画素に隣接する赤サ ブ画素(R)とによって表示される。

 したがって、第1サブセット110は、同一画 素Pに属する第2サブセット120と、当該第1サブ セット110に対して当該第2サブセット120の反 に位置する別の画素に属する第2サブセット1 20の輝度を利用する。また、同様に、第2サブ セット120は、同一画素Pに属する第1サブセッ 110と、当該第2サブセット120に対して当該第 1サブセット110の反対に位置する別の画素に する第1サブセット110の輝度を利用する。な 、ここでは、第1サブセット110に属するサブ 画素のうち中心に位置する緑サブ画素、およ び、第2サブセット120に属するサブ画素のう 中心に位置する黄サブ画素の輝度は、他の ブ画素と比べて大きいため、他のサブセッ のために利用されていない。

 本実施形態の多原色表示装置100において 第1無彩色の色度座標は(0.3080,0.3298)であり、 第2無彩色の色度座標は(0.3213,0.2871)である。 お、第1無彩色の最大輝度Ysのうち第1サブセ ト110による輝度は4.04であり、また、第2無 色の最大輝度Ysはすべて第2サブセット120に る輝度である。

 なお、上述したように比較例5の多原色表 示装置では、無彩色を表示するときに、青サ ブ画素の輝度比0.05に対応する輝度は使用さ ない。これに対して、本実施形態の多原色 示装置100では、無彩色を表示するときに、 サブ画素の輝度をすべて利用しており、こ により、第1、第2無彩色の輝度の和Ypを高く ることができる。なお、本実施形態の多原 表示装置100では、ある画素が無彩色を表示 る時に、隣接する画素から利用しているサ 画素の輝度が隣接する画素に利用させてい サブ画素の輝度と等しいため、実質的に6個 のサブ画素が2つの無彩色の表示単位となっ いる。

 表12と表8との比較から理解されるように 本実施形態の多原色表示装置100における無 色の最大輝度の和は実施形態3における画素 の最大輝度の和に等しい。以上から、本実施 形態の多原色表示装置100では、第2無彩色は 第2サブセットを構成する赤、黄および青サ 画素の輝度を制限して表示されており、第2 無彩色を表示する際に第2サブセットのサブ 素の輝度のうちの制限された部分が、第1無 色を表示するときに利用されている。具体 には、本実施形態の多原色表示装置100にお て、第2無彩色に対応する第2サブセット120 属する赤および青サブ画素の輝度の上限を 大階調値に対応する輝度よりも低い輝度に 限し、また、第1サブセット110に隣接する第2 サブセット120の赤サブ画素および青サブ画素 を第1サブセット110とともに利用して第1無彩 を表示することにより、第1、第2無彩色の の輝度差の割合および色度差を抑制してい 。

 また、表12と表10との比較から理解される ように、多原色表示装置100では、第1、第2無 色の最大輝度の和Yp(=9.21)は表10に示した実 形態4の多原色表示装置における画素の最大 度Yp(=8.09)よりも高い。これにより、本実施 態の多原色表示装置100は高輝度の無彩色を 示することができる。

 また、上述したように、比較例5の多原色 表示装置でも隣接するサブ画素を利用してい ることにより、比較例4の多原色表示装置よ も高い輝度の無彩色を表示しているが、本 施形態の多原色表示装置は、第1サブセット シアンサブ画素と第2サブセットの青サブ画 素とが置換されていることにより、比較例5 多原色表示装置よりも無彩色間の輝度差δYs 割合を抑制することができる。

 以上のように、本実施形態の多原色表示 置100では、例えば、サブセット間の輝度差 割合および色度差が大きいときでも隣接す サブ画素を利用して表示を行うことにより 無彩色間の輝度差の割合および色度差を抑 することができる。

 また、上述した説明では、多原色表示装 100の画素におけるサブ画素は、図4に示すよ うに配列されており、すなわち、赤、緑、シ アン、赤、黄および青サブ画素の順番に配列 されていたが、本発明はこれに限定されない 。サブ画素の配列は別の配列であってもよい 。ただし、図4および図6に示したように、同 画素Pに属するサブ画素が1つの行に配列さ ていると、隣接するサブセットに属するサ 画素の輝度を利用する構成を容易に設計す ことができる。また、第1サブセットを構成 る赤、緑およびシアンサブ画素のうち、緑 ブ画素を中央に配置し、赤およびシアンサ 画素を端に配置することが好ましい。

 また、上述した説明では、第2サブセット 120のみが第2無彩色を表示していたが、本発 はこれに限定されない。第2サブセット120と もに隣接するサブ画素を利用して第2無彩色 を表示してもよい。

 また、上述した実施形態4の多原色表示装 置では、例えば、第1サブセットに対応する 1無彩色を赤側にシフトさせるためには、緑 よびシアンサブ画素の輝度を減少させるこ が必要となるが、本実施形態の多原色表示 置100では、第1サブセットに属するサブ画素 の輝度を変更することなく、隣接する赤サブ 画素の輝度を増加させることにより、第1無 色を赤側にシフトさせることができる。し がって、本実施形態の多原色表示装置では 実施形態4の多原色表示装置よりも高輝度の 彩色を表示することができる。

 また、上述した説明では、映像信号はプ グレッシブ駆動方式にしたがった信号であ たが、本発明はこれに限定されない。映像 号はインターレース駆動方式にしたがった 号であってもよい。

 また、上述した説明では、対象のサブセ トに対して行方向に隣接するサブ画素を利 したが、本発明はこれに限定されない。対 のサブセットに列方向に隣接するサブ画素 利用して無彩色を表示してもよい。

 また、上述した説明では、無彩色を表示 る際に隣接するサブ画素を利用することを 明したが、本発明はこれに限定されない。 施形態5において説明したように、無彩色成 分に対応する輝度の決定を上述したように決 定した上で、有彩色成分に対応する輝度を決 定して、多原色表示パネル200における各サブ 画素は、両者を加算したものを呈することに より、無彩色以外の色を表示するときにも適 用することができる。

 また、上述した実施形態1~6の多原色表示 置100における多原色変換装置300、調整部400 レンダリング部500は、ハードウェアによっ 実現できるほか、これらの一部または全部 ソフトウェアによって実現することもでき 。これらの構成要素をソフトウェアによっ 実現する場合、コンピュータを用いて構成 てもよく、このコンピュータは、各種プロ ラムを実行するためのCPU(central processing uni t)や、それらのプログラムを実行するための ークエリアとして機能するRAM(random access me mory)などを備えるものである。そして各構成 素の機能を実現するためのプログラムをコ ピュータにおいて実行し、このコンピュー を各構成要素として動作させる。

 また、プログラムは、記録媒体からコン ュータに供給されてもよく、あるいは、通 ネットワークを介してコンピュータに供給 れてもよい。記録媒体は、コンピュータと 離可能に構成されてもよく、コンピュータ 組み込むようになっていてもよい。この記 媒体は、記録したプログラムコードをコン ュータが直接読み取ることができるように ンピュータに装着されるものであっても、 部記憶装置としてコンピュータに接続され プログラム読取装置を介して読み取ること できるように装着されるものであってもよ 。記録媒体としては、例えば、磁気テープ カセットテープなどのテープ:フレキシブル ディスク/ハードディスク等の磁気ディスク MO、MD等の光磁気ディスク、CD-ROM、DVD、CD―R の光ディスクを含むディスク:ICカード(メモ リカードを含む)、光カード等のカード:ある は、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read O nly Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable  Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メ リなどを用いることができる。また、通信 ットワークを介してプログラムを供給する 合、プログラムは、そのプログラムコード 電子的な伝送で具現化された搬送波あるい データ信号の形態をとってもよい。

 また、上述した説明では、多原色表示装 の具体例として液晶表示装置を説明したが 本発明はこれに限定されない。本発明によ 多原色表示装置は、ブラウン管(Cathode Ray T ube:CRT)、プラズマ表示装置、有機EL(Electrolumine scence)表示装置、SED(Surface-conduction Electron-emitt er Display)を含むFED(Field Emission Display)、液晶 ロジェクタなどの多原色表示が可能な任意 多原色表示装置であってもよい。

 なお、参考のために、本願の基礎出願で る特願2007-15281号の開示内容を本明細書に援 用する。

 本発明による多原色表示装置は、例えば パソコンのモニター、テレビ、プロジェク 、携帯電話の表示部などに好適に用いるこ ができる。