UMETSU KIYONORI (JP)
IKEDA SHINYA (JP)
YOSHIMURA TSUTOMU (JP)
UMETSU KIYONORI (JP)
IKEDA SHINYA (JP)
WO2006090734A1 | 2006-08-31 |
JP2008138048A | 2008-06-19 | |||
JP2004018822A | 2004-01-22 | |||
JPH06340774A | 1994-12-13 | |||
JPS63241046A | 1988-10-06 | |||
JP2001114940A | 2001-04-24 | |||
US6548604B1 | 2003-04-15 |
It can exceed and is a patent business corporation. (JP)
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と、共役ジエン単量体単位(b)とを有し、前記共役ジエン単量体単位(b)の少なくとも一部を水素化してなるニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであって、 前記α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合が37~45重量%、前記α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と前記共役ジエン単量体単位(b)との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下であり、 架橋物とした場合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピークの半値幅が5~20℃の範囲にあることを特徴とするニトリル基含有高飽和共重合体ゴム。 |
前記共役ジエン単量体単位(b)の含有割合が48~63重量%である請求項1に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴム。 |
請求項1または2に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムと、架橋剤とを含有してなる架橋性ゴム組成物。 |
前記架橋剤が有機過酸化物である請求項3に記載の架橋性ゴム組成物。 |
請求項3または4に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。 |
油に接触して使用する部品である請求項5に記載のゴム架橋物。 |
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムを製造するに際して、 共重合に用いる単量体の全量を100重量%とした場合に、単量体の全量のうち90~99重量%を用いて共重合を開始し、次いで、重合転化率が40~90%となった時点で、共重合に用いる単量体の全量のうちの残部を追加添加して共重合体を得た後、 該共重合体に対して、選択的に水素添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のニトリル基含有高飽和共重合体ゴムの製造方法。 |
本発明は、ニトリル基含有高飽和共重合 ゴムに係り、さらに詳しくは、常態物性お び耐熱性が良好で、優れた耐油性を有する 橋物を与えることのできるニトリル基含有 飽和共重合体ゴムに関する。
水素化アクリロニトリル-ブタジエン共重 合体ゴムに代表されるニトリル基含有高飽和 共重合体ゴムは、アクリロニトリル-ブタジ ン共重合体ゴムなどの、主鎖構造に炭素-炭 間不飽和結合の多い、一般的なニトリル基 有共重合ゴムに比べて、耐熱性、耐油性、 オゾン性などに優れている。
しかし、ニトリル基含有高飽和共重合体 ムのニトリル基含有量や炭素-炭素間結合中 の不飽和結合の割合などによっては、ニトリ ル基含有共重合体ゴムに比べて耐寒性が劣る 場合があった。また、最近では、耐油性につ いてもより一層の改善が求められてきている 。
これに対して、ニトリル基含有高飽和共 合体ゴムの耐寒性を向上させるために、た えば、特許文献1では、α,β-エチレン性不飽 和ニトリル系単量体単位、α,β-エチレン性不 飽和カルボン酸エステル系単量体単位、共役 ジエン系単量体単位、および飽和化共役ジエ ン系単量体単位を所定割合で有し、示差走査 熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Ti g)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が10 ℃以下であるニトリル基含有高飽和共重合体 ゴムが提案されている。
しかしながら、この特許文献1記載のニト リル基含有高飽和共重合体ゴムは、耐寒性に 優れるものの、油に接触して用いられるベル ト(たとえば、自動車部品用としてのベルト) として使用した場合に、最近の厳しい要求 準に対しては耐油性が必ずしも十分でなく そのため、更なる耐油性の向上が望まれて た。
本発明は、常態物性および耐熱性が良好 あり、かつ、耐油性に優れた架橋物を与え ことのできるニトリル基含有高飽和共重合 ゴムを提供することを目的とする。また、 発明は、このようなニトリル基含有高飽和 重合体ゴムに架橋剤を添加してなる架橋性 ム組成物、およびこの架橋性ゴム組成物を 橋してなるゴム架橋物を提供することも目 とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭 研究した結果、α,β-エチレン性不飽和ニト ル単量体単位(a)と共役ジエン単量体単位(b) を所定割合で含有し、かつ、架橋物とした 合の、粘弾性特性における損失正接tanδの ークの半値幅が5~20℃の範囲にあるニトリル 含有高飽和共重合体ゴムにより、上記目的 達成できることを見出し、本発明を完成さ るに至った。
すなわち、本発明によれば、α,β-エチレン
不飽和ニトリル単量体単位(a)と、共役ジエ
単量体単位(b)とを有し、前記共役ジエン単
体単位(b)の少なくとも一部を水素化してな
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムであっ
、前記α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量
単位(a)の含有割合が37~45重量%、前記α,β-エ
レン性不飽和ニトリル単量体単位(a)と前記
役ジエン単量体単位(b)との合計が93重量%以
、ヨウ素価が9以下であり、架橋物とした場
合の、粘弾性特性における損失正接tanδのピ
クの半値幅が5~20℃の範囲にあることを特徴
とするニトリル基含有高飽和共重合体ゴムが
提供される。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
においては、前記共役ジエン単量体単位(b)
含有割合が48~63重量%であることが好ましい
また、本発明によれば、上記ニトリル基含
高飽和共重合体ゴムと、架橋剤とを含有し
なる架橋性ゴム組成物が提供される。
本発明の架橋性ゴム組成物においては、前
架橋剤が有機過酸化物であることが好まし
。
さらに、本発明によれば、上記架橋性ゴ 組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供さ る。本発明のゴム架橋物は、油に接触して 用する部品として好適に用いられる。
本発明によれば、ニトリル基含有高飽和共
合体ゴムを製造するに際して、
共重合に用いる単量体の全量を100重量%とし
た場合に、単量体の全量のうち90~99重量%を用
いて共重合を開始し、次いで、重合転化率が
40~90%となった時点で、共重合に用いる単量体
の全量のうちの残部を追加添加して共重合体
を得た後、
該共重合体に対して、選択的に水素添加す
ことを特徴とする上記に記載のニトリル基
有高飽和共重合体ゴムの製造方法が提供さ
る。
本発明によれば、常態物性および耐熱性 良好であり、かつ、耐油性に優れた架橋物 与えることのできるニトリル基含有高飽和 重合体ゴム、およびこれを架橋して得られ 常態物性および耐熱性が良好であり、かつ 耐油性に優れたゴム架橋物を提供すること できる。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ム
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
は、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体
位(a)と、共役ジエン単量体単位(b)とを有し
前記共役ジエン単量体単位(b)の少なくとも
部を水素化してなり、α,β-エチレン性不飽
ニトリル単量体単位(a)の含有割合が37~45重
%、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単
(a)と共役ジエン単量体単位(b)との合計が93
量%以上、ヨウ素価が9以下であり、架橋物と
した場合の、粘弾性特性における損失正接tan
δのピークの半値幅が5~20℃の範囲にあるもの
である。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単 (a)を形成する単量体としては、ニトリル基 有するα,β-エチレン性不飽和化合物であれ 限定されず、アクリロニトリル;α-クロロア クリロニトリル、α-ブロモアクリロニトリル などのα-ハロゲノアクリロニトリル;メタク ロニトリル、エタクリロニトリルなどのα- ルキルアクリロニトリル;などが挙げられる これらのなかでも、アクリロニトリルおよ メタクリロニトリルが好ましい。α,β-エチ ン性不飽和ニトリル単量体として、これら 複数種を併用してもよい。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中に ける、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量 単位(a)の含有割合は、全単量体単位中、37~4 5重量%であり、好ましくは38~42重量%であり、 に好ましくは39~41重量%である。α,β-エチレ 性不飽和ニトリル単量体単位(a)の含有割合 上記範囲にあることで、耐油性および耐寒 に優れ、損失正接tanδのピークの半値幅が5~ 20℃の範囲にある架橋物が得られやすくなる
共役ジエン単量体単位(b)を形成する共役 エン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソ プレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペ タジエンなどが挙げられる。これらのなか も、1,3-ブタジエンが好ましい。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム中に ける、共役ジエン単量体単位(b)の含有割合 、全単量体単位中、好ましくは48~63重量%で り、より好ましくは51~62重量%、特に好まし は59~61重量%である。なお、共役ジエン単量 単位(b)は、ニトリル基含有高飽和共重合体 ム中において、少なくとも一部、好ましく 共役ジエン単量体単位(b)全量に対して97~99.8 重量%は、水素化された状態で含有され、上 含有割合は、水素化された状態で含有され 共役ジエン単量体単位(b)をも含む割合であ 。共役ジエン単量体単位(b)の含有割合が少 すぎると、得られるゴム架橋物の弾性が低 するおそれがある。一方、多すぎると、得 れるゴム架橋物の耐油性、耐熱老化性、耐 学的安定性などが損なわれる可能性がある
また、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴ 中における、α,β-エチレン性不飽和ニトリ 単量体単位(a)と共役ジエン単量体単位(b)と 合計の含有割合は、全単量体単位中、93重 %以上であり、好ましくは95重量%以上、より ましくは98~100重量%である。これらの含有割 合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の耐 油性が低下する場合がある。なお、これら合 計の含有割合は、水素化された状態で含有さ れる共役ジエン単量体単位(b)をも含む割合で ある。
また、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴ は、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体 位(a)や共役ジエン単量体単位(b)を形成する 量体と共重合可能なその他の単量体の単位 含有していても良い。共重合可能なその他 単量体単位を形成する単量体としては、た えば、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エ テル単量体、α,β-エチレン性不飽和カルボ 酸単量体、α,β-エチレン性不飽和多価カル ン酸無水物単量体、芳香族ビニル単量体、 ッ素含有ビニル単量体、共重合性老化防止 などが挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステ 単量体としては、たとえば、アクリル酸メ ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n-ドデ ル、メタクリル酸メチルなどのアクリル酸 ルキルエステルおよびメタクリル酸アルキ エステルであって、アルキル基の炭素数が1~ 18のもの;アクリル酸メトキシメチル、メタク リル酸メトキシエチルなどのアクリル酸アル コキシアルキルエステルおよびメタクリル酸 アルコキシアルキルエステルであって、アル コキシアルキル基の炭素数が2~12のもの;アク ル酸α-シアノエチル、メタクリル酸シアノ チルなどのアクリル酸シアノアルキルエス ルおよびメタクリル酸シアノアルキルエス ルであって、シアノアルキル基の炭素数が2 ~12のもの;アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メ タクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのアクリ 酸ヒドロキシアルキルエステルおよびメタ リル酸ヒドロキシアルキルエステルであっ 、ヒドロキシアルキル基の炭素数が1~12のも の;アクリル酸フルオロベンジル、メタクリ 酸フルオロベンジルなどのフッ素置換ベン ル基含有アクリル酸エステルおよびフッ素 換ベンジル基含有メタクリル酸エステル;ア リル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸 トラフルオロプロピルなどのフルオロアル ル基含有アクリル酸エステルおよびフルオ アルキル基含有メタクリル酸エステル;マレ イン酸ジメチル、フマル酸ジメチルなどの不 飽和多価カルボン酸ポリアルキルエステル; クリル酸ジメチルアミノメチルなどのアミ 基含有α,β-エチレン性不飽和カルボン酸エ テル;などが挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和カルボン酸単量体 しては、たとえば、アクリル酸、メタクリ 酸などのα,β-エチレン性不飽和モノカルボ 酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など のα,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸;マ イン酸モノメチル、マレイン酸モノn-ブチル などのマレイン酸モノアルキルエステル、マ レイン酸モノシクロヘキシルなどのマレイン 酸モノシクロアルキルエステル、マレイン酸 モノメチルシクロペンチルなどのマレイン酸 モノアルキルシクロアルキルエステル、フマ ル酸モノメチル、フマル酸モノn-ブチルなど フマル酸モノアルキルエステル、フマル酸 ノシクロペンチルなどのフマル酸モノシク アルキルエステル、フマル酸モノエチルシ ロヘキシルなどのフマル酸モノアルキルシ ロアルキルエステル、シトラコン酸モノn- チルなどのシトラコン酸モノアルキルエス ル、シトラコン酸モノシクロヘキシルなど シトラコン酸モノシクロアルキルエステル シトラコン酸モノメチルシクロペンチルな のシトラコン酸モノアルキルシクロアルキ エステル、イタコン酸モノメチル、イタコ 酸モノn-ブチルなどのイタコン酸モノアルキ ルエステル、イタコン酸モノシクロペンチル などのイタコン酸モノシクロアルキルエステ ル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシルな どのイタコン酸モノアルキルシクロアルキル エステル、などのα,β-エチレン性不飽和多価 カルボン酸の部分エステル;などが挙げられ 。
α,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸無 物単量体としては、たとえば、無水マレイ 酸などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン α-メチルスチレン、ビニルピリジンなどが げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、フル ロエチルビニルエーテル、o-トリフルオロ チルスチレンなどが挙げられる。
共重合性老化防止剤としては、N-(4-アニ ノフェニル)アクリルアミド、N-(4-アニリノ ェニル)メタクリルアミド、N-(4-アニリノフ ニル)シンナムアミド、N-(4-アニリノフェニ )クロトンアミド、N-フェニル-4-(3-ビニルベ ジルオキシ)アニリン、N-フェニル-4-(4-ビニ ベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる
これらの共重合可能なその他の単量体と て、複数種類を併用してもよい。これらの 重合可能なその他の単量体の単位を含有す 場合における、ニトリル基含有高飽和共重 体ゴム中の含有割合は、全単量体単位中、 ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量% 以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
なお、本発明のニトリル基含有高飽和共 合体ゴムを、油に接触して用いられるゴム 品(たとえば、自動車部品用としてのベルト 等)とする場合には、得られるゴム架橋物の 油性を良くするために、カルボン酸エステ 基またはカルボキシル基を有する単量体を 重合単量体として用いない方が好ましいが このようなカルボン酸エステル基またはカ ボキシル基を有する単量体(たとえば、α,β- チレン性不飽和カルボン酸エステル単量体 α,β-エチレン性不飽和カルボン酸単量体、 ,β-エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物 量体)の単位を含有させる場合には、その含 有割合を、全単量体単位中、5重量%以下とす ことが望ましい。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体 ムは、ヨウ素価が9以下である。ヨウ素価が 高すぎると、得られるゴム架橋物の耐熱老化 性や耐オゾン性が低下するおそれがある。
また、本発明のニトリル基含有高飽和共 合体ゴムは、架橋物とした場合の、粘弾性 性における損失正接tanδのピークの半値幅 、5~20℃の範囲であり、好ましくは10~17℃の 囲、より好ましくは12~15℃の範囲である。架 橋物とした場合の、粘弾性特性における損失 正接tanδのピークの半値幅を上記範囲とする とにより、得られるゴム架橋物を、常態物 および耐熱性を良好なものとしながら、耐 性の向上が可能となる。
架橋物とした場合の、粘弾性特性におけ 損失正接tanδのピークの半値幅は、たとえ 、次の条件により測定することができる。 なわち、粘弾性測定装置を用いて、測定周 数10Hz、静的歪0.5%、動的歪0.2%、昇温速度3℃/ 分の条件で測定することができる。なお、架 橋物とした場合の粘弾性特性を測定する際に は、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴムに、 後述の架橋性ゴム組成物を調製する際に用い られる架橋剤や配合剤を適宜配合した状態で 架橋物とし、得られた架橋物について粘弾性 特性の測定を行ってもよい。
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ のムーニー粘度〔ML 1+4 (100℃)〕は、好ましくは10~120、より好ましく 30~110、特に好ましくは40~80である。ムーニ 粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の 械的特性が低下するおそれがある。一方、 すぎると、架橋剤を添加し、架橋性ゴム組 物とした場合における加工性が低下する可 性がある。
ニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
ムの製造方法
本発明のニトリル基含有高飽和共重合体ゴ
の製造方法は、特に限定されないが、乳化
を用いた乳化重合により上述の単量体を共
合してニトリル基含有共重合体ゴムのラテ
クスを調製し、これを水素化することによ
製造することが好ましい。乳化重合に際し
は、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等
通常用いられる重合副資材を使用すること
できる。
乳化剤としては、特に限定されないが、た
えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
ル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキ
エステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸
等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン
酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アル
キルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤
;α,β-不飽和カルボン酸のスルホエステル、α
,β-不飽和カルボン酸のサルフェートエステ
、スルホアルキルアリールエーテル等の共
合性乳化剤;などが挙げられる。
乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対
て、好ましくは0.1~10重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であ
ば特に限定されないが、過硫酸カリウム、
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過
ン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化
;t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロ
ーオキサイド、 パラ
メンタンハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチ
ルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキ
イド、アセチルパーオキサイド、イソブチ
ルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ
イド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、t-
チルパーオキシイソブチレート等の有機過
化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシ
ロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ
酸メチル等のアゾ化合物等を挙げることが
きる。これらの重合開始剤は、単独でまた
2種類以上を組み合わせて使用することがで
る。重合開始剤としては、無機または有機
過酸化物が好ましい。
重合開始剤として過酸化物を用いる場合に
、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還
剤と組み合わせて、レドックス系重合開始
として使用することもできる。
重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部
対して、好ましくは0.01~2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されない
、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメル
カプタン、オクチルメルカプタン等のメルカ
プタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化
チレン等のハロゲン化炭化水素;α-メチルス
レンダイマー;テトラエチルチウラムダイサ
ルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲン
ダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げ
られる。これらは単独で、または2種類以上
組み合わせて使用することができる。なか
も、メルカプタン類が好ましく、t-ドデシル
メルカプタンがより好ましい。
分子量調整剤の使用量は、全単量体100重量
に対して、好ましくは0.1~0.8重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用さ る。水の量は、全単量体100重量部に対して 好ましくは80~500重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、 粒子径調整剤等の重合副資材を用いることが できる。これらを用いる場合においては、そ の種類、使用量とも特に限定されない。
本発明においては、ニトリル基含有高飽 共重合体ゴムを製造するに際して、共重合 用いる単量体の全量を100重量%とした場合に 、まず、単量体の全量のうち90~99重量%を用い て共重合を開始し、次いで、重合転化率が40~ 90%となった時点で、共重合に用いる単量体の うちの残部(すなわち、1~10重量量%)を追加添 して共重合体を得ることが好ましい。また 単量体の全量を100重量%とした場合に、α,β- チレン性不飽和ニトリル単量体単位(a)を形 する単量体を37~53重量%使用することが好ま い。このような方法を採用することにより 粘弾性特性における損失正接tanδのピーク 半値幅を上記範囲に制御することができる
なお、共重合開始時に用いる単量体の比 は、単量体の全量のうち90~99重量%であり、 ましくは92~98重量%である。すなわち、共重 の途中で添加する単量体の比率は、単量体 全量のうち1~10重量%であり、好ましくは2~8 量%である。共重合開始時に用いる単量体お び共重合の途中で添加する単量体の比率を 御することにより、粘弾性特性における損 正接tanδのピークの半値幅を所定の範囲に 御することができる。
また、共重合の途中で追加添加する単量 の添加時期としては、重合転化率が40~90%と った時点であり、好ましくは50~80%となった 点、より好ましくは55~75%となった時点であ 。また、単量体を共重合の途中で追加添加 る際には、複数回に分けて添加してもよい たとえば、2回に分けて添加する場合には、 重合転化率が好ましくは20~50%となった時点で 1回目の添加を行い、重合転化率が好ましく 50~70%となった時点で2回目の添加を行うこと 好ましい。
そして、得られた共重合体に対して、選 的に水素添加することにより、本発明のニ リル基含有高飽和共重合体ゴムを製造する とができる。なお、水素添加に用いる水素 加触媒の種類と量、水素添加温度などは、 知の方法に準じて決めればよい。
架橋性ゴム組成物
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記ニトリ
基含有高飽和共重合体ゴムと、架橋剤と、
含有してなるものである。
本発明で使用される架橋剤は、本発明の トリル基含有高飽和共重合ゴムを架橋でき ものであれば良く、特に限定されないが、 ましくは硫黄架橋剤または有機過酸化物架 剤などが挙げられる。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫 などの硫黄;4,4’-ジチオモルホリンやテト メチルチウラムジスルフィド、テトラエチ チウラムジスルフィド、高分子多硫化物な の有機硫黄化合物;などが挙げられる。硫黄 橋剤の使用量は、ニトリル基含有高飽和共 合ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1~5 量部であり、より好ましくは0.2~4.5重量部、 らに好ましくは0.3~4重量部である。硫黄架 剤を使用する場合において、その使用量が なすぎると、架橋密度が低下し、得られる 橋物の圧縮永久ひずみが大きくなる傾向に る。一方、多すぎると、得られる架橋物の 屈曲疲労性が不十分となったり、動的発熱 が高くなる場合がある。
有機過酸化物架橋剤としては、ゴム工業分
で架橋剤として使用されているものであれ
良く、特に限定されないが、ジアルキルパ
オキサイド類、ジアシルパーオキサイド類
パーオキシエステル類などが挙げられ、好
しくはジアルキルパーオキサイド類などが
示される。
ジアルキルパーオキサイド類としては、た
えば、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチ
パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチ
パーオキシ)-3-ヘキシン、2,5-ジメチル-2,5-ジ
(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが
挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、たと
ば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチ
ルパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシエステル類としては、たとえば
2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ
)ヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネートなど)などが挙げられる。
有機過酸化物架橋剤の使用量は、ニトリ 基含有高飽和共重合体ゴム100重量部に対し 、好ましくは1~16重量部、より好ましくは1~1 4重量部、さらに好ましくは1~12重量部である 有機過酸化物架橋剤を使用する場合におい 、その使用量が少なすぎると、架橋密度が 下し、得られる架橋物の圧縮永久ひずみが きくなる傾向にある。一方、有機過酸化物 橋剤の使用量が多すぎると、得られる架橋 のゴム弾性が不十分となる場合がある。
架橋剤として硫黄架橋剤を使用する場合は
架橋助剤として、亜鉛華、グアニジン系架
促進剤、チアゾール系架橋促進剤、チウラ
系架橋促進剤、ジチオカルバミン酸塩系架
促進剤などを併用することが好ましい。
また、架橋剤として有機過酸化物架橋剤を
用する場合は、架橋助剤として、トリアリ
シアヌレート、トリメチロールプロパント
メタクリレート、N,N’-m-フェニレンビスマ
イミドなどを併用しても良い。
架橋助剤は、単独で使用してもよいし、 た、複数種を併用してもよく、クレイ、炭 カルシウム、シリカなどに分散させ、ゴム 成物の加工性を改良したものを使用しても い。架橋助剤の使用量は特に限定されず、 橋物の用途、要求性能、架橋剤の種類、架 助剤の種類などに応じて決めればよい。
また、本発明の架橋性ゴム組成物には、 トリル基含有高飽和共重合体ゴムおよび架 剤、必要に応じて添加される架橋助剤、架 促進剤以外に、ゴム分野において通常使用 れる配合剤、たとえば、カーボンブラック シリカなどの補強性充填材、炭酸カルシウ やクレイなどの非補強性充填材、加工助剤 可塑剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、 色剤などを配合することができる。これら 配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を 害しない範囲であれば特に限定されず、配 目的に応じた量を配合することができる。
本発明の架橋性ゴム組成物には、上述し 本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴム 外のゴムを配合してもよい。このような配 可能なゴムとしては、特に限定されないが たとえば、一般的なアクリロニトリル-ブタ ジエン共重合ゴムのような不飽和度の高いニ トリル基含有共重合ゴムを配合する場合は、 本発明のニトリル基含有高飽和共重合ゴム100 重量部に対して、30重量部以下、好ましくは2 0重量部以下、より好ましくは10重量部以下で ある。不飽和度の高いニトリル基含有共重合 ゴムを配合する場合に、その配合量が多すぎ ると、得られる架橋物の耐空気加熱老化性、 耐屈曲疲労性、伸び、および耐圧縮永久ひず み性が低下する傾向にある。なお、本発明の ニトリル基含有高飽和共重合ゴム以外のゴム を配合する場合は、それらのゴムを架橋でき る架橋剤を必要量加えてもよい。
本発明の架橋性ゴム組成物は、他のゴム 成物と同様に一般的なゴム組成物の調製方 で調製すればよく、密閉式混合機やオープ ロールなどを用いて混練すればよい。架橋 や架橋助剤を配合する際に、架橋剤や架橋 剤の配合以降は、混練中に架橋しないよう 、架橋開始温度以下になるように温度調整 するのも一般的な架橋性ゴム組成物の調製 法と同様であり、通常は、架橋剤、架橋助 などを含有しないゴム組成物を調製した後 これらの架橋に関わる成分をそれらに応じ 架橋開始温度未満で配合し、混合すればよ 。
ゴム架橋物
本発明のゴム架橋物は、上述した本発明の
橋性ゴム組成物を架橋することにより得ら
るものである。
架橋性ゴム組成物を架橋する方法は、特 限定されないが、架橋時の温度は、100~200℃ とすることが好ましく、より好ましくは130~18 0℃である。架橋時の温度が低すぎると、架 時間が長時間必要となったり、得られるゴ 架橋物の架橋密度が低くなったりする場合 ある。架橋時の温度が高すぎると、成形不 となる場合がある。
また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度 架橋物の形状などにより異なるが、得られ 架橋物の架橋密度や生産効率の面より、1分 以上、5時間以下の範囲が好ましい。架橋の めの加熱方法としては、プレス加熱、蒸気 熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの 橋に用いられる方法から適宜選択すればよ 。
このようにして得られる本発明のゴム架 物は、上述した本発明のニトリル基含有高 和共重合体ゴムを用いて得られるものであ ため、粘弾性特性における損失正接tanδの ークの半値幅が5~20℃の範囲にあり、かつ、 態物性および耐熱性を良好に保ちながら、 れた耐油性を有するものである。
そして、このような本発明のゴム架橋物は
その特性を活かして、油に接触して使用す
部品、たとえば、タイミングベルトなどの
中ベルトとして好適に用いることができる
あるいは、本発明の架橋物は、油中ベルト
外にも、O-リング、パッキン、ダイアフラ
、オイルシール、シャフトシール、ベアリ
グシール、メカニカルシール、ウェルヘッ
シール、電気・電子機器用シール、空気圧
器用シール、エアコンディショナの冷却装
や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用
れるフロン若しくはフルオロ炭化水素また
二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗
媒体に使用される超臨界二酸化炭素または
臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(
がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車
ウォーターポンプ、リニアガイド装置およ
ボールねじ等)用のシール、バルブおよびバ
ルブシート、BOP(Blow Out Preventar)、プラター
どの各種シール用ゴム部材;および、インテ
クマニホールドとシリンダヘッドとの連接
に装着されるインテークマニホールドガス
ット、シリンダブロックとシリンダヘッド
の連接部に装着されるシリンダヘッドガス
ット、ロッカーカバーとシリンダヘッドと
連接部に装着されるロッカーカバーガスケ
ト、オイルパンとシリンダブロックあるい
トランスミッションケースとの連接部に装
されるオイルパンガスケット、正極、電解
板および負極を備えた単位セルを挟み込む
対のハウジング間に装着される燃料電池セ
レーター用ガスケット、ハードディスクド
イブのトップカバー用ガスケットなどの各
ガスケット;印刷用ロール、製鉄用ロール、
製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロー
ルなどの各種ロール;燃料ホース、ターボエ
ーホース、オイルホース、ラジェターホー
、ヒーターホース、ウォーターホース、バ
ュームブレーキホース、コントロールホー
、エアコンホース、ブレーキホース、パワ
ステアリングホース、エアーホース、マリ
ホース、ライザー、フローラインなどの各
ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ
等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニ
ンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、
ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空
気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;ダス
カバー、自動車内装部材、タイヤ、被覆ケ
ブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブ
プリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電
セパレーターの他、化粧品、および医薬品
分野、食品と接触する分野、エレクトロニ
ス分野など幅広い用途に使用することもで
る。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に づき説明するが、本発明は、これら実施例 限定されない。なお、以下において、「部 は、特に断りのない限り重量基準である。 た、試験、評価は下記によった。
粘弾性試験(Tanδのピークの半値幅
)
下記方法にて調製した粘弾性試験用のゴム
成物を、金型を用いて、加圧しながら170℃
20分間プレス成形して、幅10mm、長さ50mm、厚
さ2.15mmの粘弾性試験用の架橋物を得た。そし
て、得られた粘弾性試験用の架橋物について
、粘弾性測定装置(Explexor 500N、GABO QUALIMETER
Testanlagen GmbH社製)を用いて、測定周波数:10Hz
静的歪:0.5%、動的歪:0.2%、測定温度範囲:-50~1
00℃、昇温速度:3℃/分、チャック間距離:30mm
測定モード:テンションモード、の各条件で
った。
次に、粘弾性の温度-Tanδチャートを作成し
そのチャートのTanδのピーク値に対して半
の強度となる低温側の温度を開始点の温度
し、高温側の温度を終了点の温度とし、(終
点の温度―開始点の温度)の絶対値を半値幅
とした。なお開始点と終了点とでTanδ値がず
た場合はベースラインを引いて行う。
ヨウ素価
JIS K 6235に準じて測定した。
ムーニー粘度(ポリマームーニー)
JIS K6300-1に従って測定した。単位は(ML 1+4
、100℃)。
耐油性試験
下記方法にて調製した架橋性ゴム組成物を
金型を用いて、加圧しながら170℃で20分間
レス成形して、縦20mm、横10mm、厚さ2mmのシー
ト状の架橋物を得た。そして、JIS K6258に従
、150℃のエンジンオイル(トヨタ社の純正キ
ッスルオイルSM/GF-40W-20)中に、得られた架橋
物を168時間浸漬し、浸漬前後の体積を測定し
、体積変化率δV(単位:%)を測定した。
耐熱性
上記耐油性試験の評価に用いたシート状の
橋物と同様のものをJIS3号形ダンベルで打ち
抜き、試験片を作製した。得られた試験片を
用いて、JIS K6257「加硫ゴムの老化試験方法
の4項「空気加熱老化試験(ノーマルオーブン
法)」の規定に準拠して、150℃、504時間の条
で空気加熱老化処理を行い、空気加熱老化
理前後における破断伸びを測定し、空気加
老化処理による破断伸びの変化率(単位:%)を
出した。
常態物性(引張強さ、100%引張応力)
上記耐油性試験の評価に用いたシート状の
ム架橋物と同様のものをJIS3号形ダンベルで
打ち抜き、試験片を作製した。そして、得ら
れた試験片を用いてJIS K6251に従い、ゴム架
橋物の引張強さ、および100%引張応力を、そ
ぞれ測定した。
実施例1
ニトリル共重合体ゴムのラテック
スの製造
反応器に、乳化剤としてのオレイン酸カリ
ム2部、安定剤としてのリン酸カリウム0.1部
、および水150部を仕込み、ここに、アクリロ
ニトリル52部、1,3-ブタジエン48部、および分
量調整剤としてのt-ドデシルメルカプタン0.
45部を加えた。そして、活性剤としての硫酸
一鉄0.015部および重合開始剤としてのパラ
ンタンハイドロパーオキサイド0.05部を添加
、これらの存在下、10℃の条件下で乳化重
を開始した。重合開始後、重合転化率が65%
なった時点で、1,3-ブタジエン2部を追加添加
した。次いで、重合転化率が80%になった時点
で、単量体100部あたり0.2部のヒドロキシルア
ミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。そ
して、重合停止に続いて、加温し、減圧下、
70℃で、水蒸気蒸留により、未反応単量体を
収した後、老化防止剤としてアルキル化フ
ノールを2部添加することにより、ニトリル
共重合体ゴムのラテックスを得た。
そして、凝固剤としての塩化カルシウム3 部を溶解した凝固水3000部を準備し、50℃に保 持し、この凝固水の中に、上記にて得られた ニトリル共重合体ゴムのラテックスを滴下し て、ニトリル共重合体ゴムを凝固させてクラ ムとした。次いで、得られたクラムを、水洗 後、50℃、減圧下で乾燥することにより、ニ リル共重合体ゴムを調製した。
次いで、得られたニトリル共重合体ゴムを
メチルイソブチルケトンに溶解し、パラジ
ム/シリカ触媒を用いて耐圧容器中で、水素
圧5MPa、50℃で6時間水素添加反応を行うこと
より、ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム
調製した。
そして、上記にて得られたニトリル基含有
飽和共重合体ゴムについて、 1
H-NMRによる各単量体単位の含有割合の測定、
よびヨウ素価の測定を行った。
そして、得られたニトリル基含有高飽和共
合体ゴムを用いて、下記により、粘弾性試
用のゴム組成物を得た。
すなわち、得られたニトリル基含有高飽和
重合体ゴム100部に、亜鉛華5部、置換ジフェ
ニルアミン(老化防止剤、ユニロイヤル社製
ナウガード445)1.5部、2-メルカプトベンゾイ
ダゾール亜鉛塩(老化防止剤、大内新興化学
業社製、ノクラック MBZ)1.5部および1,3-ビス
(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(
機過酸化物)40%品(ハーキュレス社製、バル
ップ40KE)7部を配合し、混練することにより
粘弾性試験用のゴム組成物を得た。
また、上記とは別に、得られたニトリル基
有高飽和共重合体ゴムを用いて、下記によ
、架橋性ゴム組成物を得た。
すなわち、ニトリル基含有高飽和共重合体
ム100部に、亜鉛華5部、ステアリン酸1部、SR
Fカーボンブラック(旭カーボン社製、旭#50)70
、可塑剤(アデカサイザーC-8、ADEKA社製)5部
置換ジフェニルアミン(老化防止剤、ユニロ
ヤル社製、ナウガード445)1.5部、2-メルカプ
ベンゾイミダゾール亜鉛塩(老化防止剤、大
内新興化学工業社製、ノクラック MBZ)1.5部お
よび1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピ
)ベンゼン(有機過酸化物)40%品(ハーキュレス
製、バルカップ40KE)7部を配合し、混練する
とにより、架橋性ゴム組成物を得た。
上記にて得られた粘弾性試験用のゴム組 物を用いて粘弾性測定を行うとともに、架 性ゴム組成物を用いて、耐油性試験、耐熱 試験、常態物性(引張強さ、100%引張応力)の 評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル40部および1,3-ブタジエ
60部を用い、中途添加する単量体を、1,3-ブ
ジエン2部から1,3-ブタジエン3部とし、中途
加のタイミングを重合転化率67%に変更した
外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含
高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に示す。
実施例3
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル45部および1,3-ブタジエ
55部を用い、中途添加する単量体を、1,3-ブ
ジエン2部から1,3-ブタジエン5部とし、中途
加のタイミングを重合転化率67%に変更した
外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含
高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に示す。
比較例1
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル63部および1,3-ブタジエ
37部を用い、中途添加する単量体を、1,3-ブ
ジエン2部から1,3-ブタジエン4部に変更した
外は、実施例1と同様にして、ニトリル基含
高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成
を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
結果を表1に示す。
比較例2
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル25部および1,3-ブタジエ
75部を用い、中途添加する単量体を、1,3-ブ
ジエン2部からアクリロニトリル4部に変更し
た以外は、実施例1と同様にして、ニトリル
含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム
成物を作製し、実施例1と同様に評価を行っ
。結果を表1に示す。
比較例3
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル44部および1,3-ブタジエ
56部を用い、単量体の中途添加を行わなかっ
た以外は、実施例1と同様にして、ニトリル
含有高飽和共重合体ゴムおよび架橋性ゴム
成物を作製し、実施例1と同様に評価を行っ
。結果を表1に示す。
比較例4
予め重合させる単量体として、アクリロニ
リル52部および1,3-ブタジエン48部の代わり
、アクリロニトリル9部、1,3-ブタジエン47部
よびブチルアクリレート13部を用い、中途
加する単量体を、1,3-ブタジエン2部から、ア
クリロニトリル10部、1,3-ブタジエン10部およ
ブチルアクリレート10部に変更した以外は
実施例1と同様にして、ニトリル基含有高飽
共重合体ゴムおよび架橋性ゴム組成物を作
し、実施例1と同様に評価を行った。結果を
表1に示す。
表1より、アクリロニトリル単位37~45重量% 、アクリロニトリル単位と1,3-ブタジエン単 との合計が93重量%以上、ヨウ素価が9以下で り、粘弾性特性における損失正接tanδのピ クの半値幅が5~20℃の範囲にある場合には、 態物性(引張強さ、100%引張応力)および耐熱 を良好なものとしながら、優れた耐油性を 現できることが確認できる(実施例1~3)。
一方、アクリロニトリル単位の比率が高 ぎる場合には、耐熱性に劣る結果となり(比 較例1)、アクリロニトリル単位の比率が低す る場合には、耐油性に劣る結果となった(比 較例2)。また、粘弾性特性における損失正接t anδのピークの半値幅が20℃を超えると、耐熱 性に劣る結果となった(比較例3)。さらに、ブ チルアクリレート単位の割合が20重量%であり 、アクリロニトリル単位と1,3-ブタジエン単 との合計が93重量%未満とした場合には、耐 性に劣る結果となった(比較例4)。
Next Patent: CLOSED LOOP TRANSMISSION POWER CONTROL METHOD, BASE STATION DEVICE, AND TERMINAL DEVICE