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Patent Searching and Data


Title:
NOISE SUPPRESSION DEVICE AND AUDIO DECODING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/046954
Kind Code:
A1
Abstract:
A processed component calculation unit (14) acquires a deformed noise suppression spectrum (18a) according to a ratio of a noise-suppressed spectrum (18) against an estimated noise spectrum (17). Furthermore, a phase disturbing unit (15) disturbs a phase so as to obtain a processed spectrum (19) as a smoothing component which makes a degrading component contained in the noise-suppressed spectrum (18) to be subjectively nothing. A signal addition unit (11) adds a processed spectrum (19) to a frequency component of the noise suppressed spectrum (18) which has been degraded by the noise suppression process by a noise suppression unit (3), thereby suppressing the degraded component.

Inventors:
FURUTA SATORU (JP)
TASAKI HIROHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003021
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
FURUTA SATORU (JP)
TASAKI HIROHISA (JP)
International Classes:
G10L21/0208; G10L19/26; G10L21/0232
Foreign References:
JP2004272292A2004-09-30
JP2003101445A2003-04-04
JP2008076975A2008-04-03
JP2005258158A2005-09-22
JP2001134287A2001-05-18
JP2004272292A2004-09-30
JP3454190B22003-10-06
Other References:
ATSUYOSHI YANO ET AL: "Shuhasu Ryoiki Shori ni yoru Zanryu Echo Yokuatsu Hoho no Kento", THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 2004 NEN SOGO TAIKAI KOEN RONBUNSHU KISO. KYOKAI, vol. A-4-45, 8 March 2004 (2004-03-08), pages 136, XP008146761
HIROHISA TASAKI ET AL: "Post Noise Smoother ni yoru Tei-rate CELP no Zatsuon Kukan Hinshitsu no Kaizen", THE ACOUSTICAL SOCIETY OF JAPAN HEISEI 10 NENDO SHUNKI KENKYU HAPPYOKAI KOEN RONBUNSHU -I, vol. 2-7-2, 17 March 1998 (1998-03-17), pages 237 - 238, XP008146760
SATORU FURUTA ET AL: "Shuhasu Omomizuke Spectrum Subtraction-ho ni yoru Zatsuon Yokuatsu", THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 2000 NEN SOGO TAIKAI KOEN RONBUNSHU JOHO. SYSTEM 1, vol. D-14-14, 7 March 2000 (2000-03-07), pages 183, XP008146763
SATORU FURUTA ET AL: "Shuhasu Ryoiki Shori ni yoru Haikei Zatsuon Seiseiho no Ichikento", THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 2002 NEN SOGO TAIKAI KOEN RONBUNSHU KISO. KYOKAI, vol. A-10-1, 7 March 2002 (2002-03-07), pages 236, XP008146762
See also references of EP 2346032A4
STEVEN F. BOLL: "Suppression of Acoustic noise in speech usingspectralsubtraction", IEEE TRANS. ASSP, vol. ASSP-27, no. 2, April 1979 (1979-04-01)
Attorney, Agent or Firm:
TAZAWA, Hideaki et al. (JP)
Hideaki Tazawa (JP)
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Claims:
 入力信号を周波数成分である入力信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記入力信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記推定雑音スペクトルに基づいて前記入力信号スペクトルの雑音抑圧を行い、雑音抑圧スペクトルを生成する雑音スペクトル抑圧部と、
 前記雑音抑圧スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じて前記雑音抑圧スペクトルを変形すると共に平滑化した加工スペクトルを生成する信号変形部と、
 前記雑音抑圧スペクトルに前記加工スペクトルを加算して、当該雑音抑圧スペクトルに含まれる劣化成分を抑圧する信号加算部とを備える雑音抑圧装置。
 信号変形部は、周波数軸方向の重み付けをした加工スペクトルを生成することを特徴とする請求項1記載の雑音抑圧装置。
 入力信号を周波数成分である入力信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記入力信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記推定雑音スペクトルに基づいて前記入力信号スペクトルの雑音抑圧を行い、雑音抑圧スペクトルを生成する雑音スペクトル抑圧部と、
 前記雑音抑圧スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じて前記雑音抑圧スペクトルを変形した変形雑音抑圧スペクトルを生成すると共に、当該変形雑音抑圧スペクトルを平滑化した加工スペクトルを生成する信号変形部と、
 前記雑音抑圧スペクトルから前記変形雑音抑圧スペクトルを減算する信号減算部と、
 前記信号減算部により前記変形雑音抑圧スペクトルが減算された前記雑音抑圧スペクトルに前記加工スペクトルを加算して、当該雑音抑圧スペクトルに含まれる劣化成分を抑圧する信号加算部とを備える雑音抑圧装置。
 信号変形部は、周波数軸方向の重み付けをした加工スペクトルを生成することを特徴とする請求項3記載の雑音抑圧装置。
 入力信号を周波数成分である入力信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記入力信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記推定雑音スペクトルに基づいて前記入力信号スペクトルの雑音抑圧を行い、雑音抑圧スペクトルを生成する雑音スペクトル抑圧部と、
 前記雑音抑圧スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じた度合いで、前記雑音抑圧スペクトルの位相を擾乱する位相擾乱部とを備える雑音抑圧装置。
 位相擾乱部は、周波数軸方向の重み付けをした位相擾乱の度合いを求めることを特徴とする請求項5記載の雑音抑圧装置。
 所定の符号データを復号化して復号信号を生成する音声復号部と、
 前記復号信号を周波数成分である復号信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記復号信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記復号信号スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じて前記復号信号スペクトルを変形すると共に平滑化した加工スペクトルを生成する信号変形部と、
 前記復号信号スペクトルに前記加工スペクトルを加算して、当該復号信号スペクトルに含まれる劣化成分を抑圧する信号加算部とを備える音声復号化装置。
 信号変形部は、周波数軸方向の重み付けをした加工スペクトルを生成することを特徴とする請求項7記載の音声復号化装置。
 所定の符号データを復号化して復号信号を生成する音声復号部と、
 前記復号信号を周波数成分である復号信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記復号信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記復号信号スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じて前記復号信号スペクトルを変形した変形復号信号スペクトルを生成すると共に、当該変形復号信号スペクトルを平滑化した加工スペクトルを生成する信号変形部と、
 前記復号信号スペクトルから前記変形復号信号スペクトルを減算する信号減算部と、
 前記信号減算部により前記変形復号信号スペクトルが減算された前記復号信号スペクトルに前記加工スペクトルを加算して、当該復号信号スペクトルに含まれる劣化成分を抑圧する信号加算部とを備える音声復号化装置。
 信号変形部は、周波数軸方向の重み付けをした加工スペクトルを生成することを特徴とする請求項9記載の音声復号化装置。
 所定の符号データを復号化して復号信号を生成する音声復号部と、
 前記復号信号を周波数成分である復号信号スペクトルに変換する時間・周波数変換部と、
 前記復号信号から推定雑音スペクトルを推定する雑音スペクトル推定部と、
 前記復号信号スペクトルと前記推定雑音スペクトルに基づく比に応じた度合いで、前記復号信号スペクトルの位相を擾乱する位相擾乱部とを備える音声復号化装置。
 位相擾乱部は、周波数軸方向の重み付けをした位相擾乱の度合いを求めることを特徴とする請求項11記載の音声復号化装置。
Description:
雑音抑圧装置および音声復号化 置

 この発明は、音声・音響信号に混入した 音を抑圧する雑音抑圧装置および雑音抑圧 置を備えた音声復号化装置に関するもので る。

 雑音が混入した入力信号から目的外信号 ある雑音を抑圧することで、目的信号であ 音声信号などを強調する雑音抑圧処理の代 的な手法として、例えば、SS(Spectral Subtracti on)法がある。SS法は、振幅スペクトルから別 推定した平均的な雑音スペクトルを減算す ことにより雑音抑圧を行うものである(例え ば、非特許文献1参照)。

 SS法などの雑音抑圧処理を行った場合、 音スペクトルの推定誤差が雑音抑圧処理後 信号に歪として残留し、これが処理前の信 と大きく異なる特性を持つ上、耳障りな雑 (人工的な雑音、ミュージカルトーンとも呼 れる)として出現するので、出力信号の主観 品質を大きく劣化させることがあった。

 また、音声および楽音などの音声音響符 化方式の圧縮率を高めていくと、符号化時 量子化雑音および符号モデル化に伴うスペ トル歪が次第に増大し、出力信号の主観品 が大きく劣化してしまった。とりわけ、音 音響信号に騒音が混入する場合および入力 号に騒音だけが存在する場合には、符号化 式が利用している音声モデルと、背景騒音 モデルが大きく異なるために、その劣化は 著なものとなっていた。なお、背景騒音区 でのこれらの劣化感は「シュルシュル」と った水流音のようであり、ウォーターフロ ノイズ(Water Flow Noise)と称される場合があ 。

 上記のような主観的な劣化感を抑制する従 の方法としては、例えば、特許文献1に開示 されているものがある。
 特許文献1の音信号加工方法は、雑音抑圧処 理や、低ビットレート音声符号化処理によっ て発生する歪感を聴感的に軽減することを目 的としており、入力信号と、入力信号を平滑 化した加工信号を、音声・雑音状態判別手段 によって求められた信号中の雑音比率の推定 値に基づいて重み付け加算を行うことで、背 景騒音など劣化成分が多く含まれる区間を中 心に主観品質を改善するようにしたものであ る。

Steven F.Boll“Suppression of Acoustic noise in speech using spectral subtraction”,IEEE Trans.ASSP,Vo l.ASSP-27,No.2,April 1979

特開2004-272292号公報(第14頁~第16頁、図4)

 従来の雑音抑圧装置は以上のように構成 れているので、入力信号と加工信号の重み け加算制御が音声・雑音状態判別手段に依 しており、音声区間検出に失敗して音声を む区間で加工を行うと、エコー感(反響感) 雑音感が発生して著しく品質劣化する課題 あった。

 なお従来の雑音抑圧装置では、区間判定 りの影響を軽減するために、連続量の区間 定評価値を用いる改良策も挙げられている 、評価値自体は時間領域における分析結果 基づくものであって、周波数領域に対して 一定値である。そのため、例えば、低域に 音パワーが集中するような自動車走行騒音 混入した音声信号では、低域の騒音の劣化 を抑制するように評価値の閾値を調整する 、相対的に騒音信号よりパワーが大きい高 の音声信号を誤って加工してしまって品質 化し、逆に、高域の音声信号の歪が発現し いような調整をすると、改善効果がほとん 得られない課題があった。

 また、従来の雑音抑圧装置では、重み付 加算をスペクトル領域で周波数成分毎に制 しているものの、制御要因が入力信号の振 スペクトル成分の大きさだけであって、周 数成分毎に音声か雑音かどうか判定してお ず、結局のところ、入力信号が音声(あるい は楽音)かどうかは時間領域における区間判 評価値に大きく依存しており、その区間判 を誤れば品質劣化する状況は変わらない。

 この発明は、かかる課題を解決するため なされたもので、聴感上好ましい雑音抑圧 可能かつ高雑音下でも品質劣化の少ない雑 抑圧装置およびこの雑音抑圧装置を備えた 品質な音声復号化装置を提供することを目 とする。

 この発明に係る雑音抑圧装置は、入力信 を周波数成分である入力信号スペクトルに 換する時間・周波数変換部と、入力信号か 推定雑音スペクトルを推定する雑音スペク ル推定部と、推定雑音スペクトルに基づい 入力信号スペクトルの雑音抑圧を行い、雑 抑圧スペクトルを生成する雑音スペクトル 圧部と、雑音抑圧スペクトルと推定雑音ス クトルに基づく比に応じて雑音抑圧スペク ルを変形すると共に平滑化した加工スペク ルを生成する信号変形部と、雑音抑圧スペ トルに加工スペクトルを加算して、当該雑 抑圧スペクトルに含まれる劣化成分を抑圧 る信号加算部とを備えるようにしたもので る。

 このことによって、区間判定誤りによる コー感および雑音感の発生がなく、スペク ル成分毎に主観品質を改善できる効果があ 。

 また、この発明に係る音声復号化装置は 所定の符号データを復号化して復号信号を 成する音声復号部と、復号信号を周波数成 である復号信号スペクトルに変換する時間 周波数変換部と、復号信号から推定雑音ス クトルを推定する雑音スペクトル推定部と 復号信号スペクトルと推定雑音スペクトル 基づく比に応じて復号信号スペクトルを変 すると共に平滑化した加工スペクトルを生 する信号変形部と、復号信号スペクトルに 工スペクトルを加算して、当該復号信号ス クトルに含まれる劣化成分を抑圧する信号 算部とを備えるようにしたものである。

 このことによって、区間判定誤りによる コー感および雑音感の発生がなく、スペク ル成分毎に主観品質を改善できる効果があ 。

この発明の実施の形態1に係る雑音抑圧 装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態1に記載の信号加 工部における一連の処理内容を示す動作説明 図であり、ある周波数の振幅スペクトルと位 相スペクトルをベクトル化して表現したもの である。 この発明の実施の形態1に記載の信号加 工部における一連の処理を説明するグラフで あり、典型的な場合のスペクトルを示す。 この発明の実施の形態1に記載の信号 加工部における一連の処理内容を示す動作説 明図であり、図3の領域Bの周波数の振幅スペ トルと位相スペクトルをベクトル化して表 したものを示す。 この発明の実施の形態1に記載の信号 加工部における一連の処理内容を示す動作説 明図であり、図3の領域Cの周波数の振幅スペ トルと位相スペクトルをベクトル化して表 したものを示す。 この発明の実施の形態2に係る雑音抑圧 装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態2に記載の信号加 工部における一連の処理内容を示す動作説明 図であり、ある周波数の振幅スペクトルと位 相スペクトルをベクトル化して表現したもの である。 この発明の実施の形態4に係る雑音抑圧 装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態5に係る音声復号 化装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態6に係る音声復号 化装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態8に係る雑音抑 装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態9に係る音声復 化装置の全体構成図である。 この発明の実施の形態10に係る音声復 化装置の全体構成図である。

 以下、この発明をより詳細に説明するため 、この発明を実施するための最良の形態に いて、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
 図1は本実施の形態による雑音抑圧装置100の 全体構成を示したものである。
 図1に示す雑音抑圧装置100は、時間・周波数 変換部2、雑音抑圧部3、信号加工部4、周波数 ・時間変換部5で構成されている。雑音抑圧 3は、雑音スペクトル抑圧部7と、音声・雑音 判定部9および雑音スペクトル更新部10からな る雑音スペクトル推定部8とで構成されてい 。信号加工部4は、信号加算部11と、振幅平 部12と、加工成分算出部14および位相擾乱部1 5からなる信号変形部13とで構成されている。

 以下、図1に基づいて雑音抑圧装置100の動作 原理について説明する。
 まず、所定のサンプリング周波数(例えば、 8kHz)でサンプリングされ、所定のフレーム周 (例えば、20msec)にフレーム分割された入力 号1が、雑音抑圧装置100内の時間・周波数変 部2と、後述説明する雑音スペクトル推定部 8内部の音声・雑音判定部9に入力される。

 時間・周波数変換部2は、上記のフレーム 周期に分割された入力信号1に対して、窓掛 処理を行い、窓掛け後の信号に対して、例 ば256ポイントのFFT(Fast Fourier Transform:高速フ ーリエ変換)を用いて、周波数毎のスペクト 成分である入力信号スペクトル16に変換する 。時間・周波数変換部2はこの入力信号スペ トル16を雑音抑圧部3内部の雑音スペクトル 圧部7と雑音スペクトル推定部8、信号加工部 4内部の振幅平滑部12へそれぞれ出力する。窓 掛け処理には、例えばハニング窓、台形窓な ど公知の手法を用いることができる。また、 FFTは周知の手法であるので説明は省略する。

 雑音抑圧部3では、雑音スペクトル抑圧部 7が、時間・周波数変換部2より入力された入 信号スペクトル16に対して、後述説明する 音スペクトル推定部8より入力された推定雑 スペクトル17を用いて雑音抑圧処理し、得 れた結果を雑音抑圧スペクトル18として、信 号加工部4内部の信号加算部11と加工成分算出 部14に出力する。

 ここで、雑音スペクトル抑圧部7における 雑音抑圧処理の手法としては、例えば非特許 文献1に記載されているようなスペクトル減 に基づくもの、および入力信号スペクトル16 と推定雑音スペクトル17の周波数毎の信号対 音比(SN比)に基づいて、スペクトル成分毎に 減衰量を与えるスペクトル振幅抑圧などの公 知の方法の他、スペクトル減算とスペクトル 振幅抑圧を組み合わせた手法(例えば、特許 3454190号「雑音抑圧装置および方法」に記載 方法)などを用いることが可能である。

 信号加工部4は、雑音抑圧後の入力信号ス ペクトルである雑音抑圧スペクトル18と推定 音スペクトル17の様態に応じ、聴感的に好 しいように雑音抑圧スペクトル18中の劣化成 分の加工処理を行う。具体的には、雑音スペ クトル抑圧部7が出力する雑音抑圧スペクト 18と、雑音スペクトル推定部8が出力する推 雑音スペクトル17とを用いて、信号変形部13 加工スペクトル19を生成し、信号加算部11が 雑音スペクトル18に加工スペクトル19を加算 て加算スペクトル20とする。そして、振幅平 滑部12が加算スペクトル20を時間方向および 波数方向に平滑化し、聴感的に好ましいよ に平滑化加工された平滑化雑音抑圧スペク ル21として周波数・時間変換部5に出力する 信号加工部4の処理については後ほど詳述す 。

 周波数・時間変換部5は、信号加工部4か 入力された平滑化雑音抑圧スペクトル21に対 して逆FFT処理を行うことで時間領域信号に戻 し、前後フレームとの滑らかな接続のための 窓掛け処理を行いつつ連接を行い、得られた 信号を出力信号6として出力する。

 雑音スペクトル推定部8は、入力信号1中 平均的な雑音スペクトルの推定を行う。ま 、音声・雑音判定部9が、入力信号1と、時間 ・周波数変換部2が出力する入力信号スペク ル16と、過去のフレームから推定した推定雑 音スペクトル17とを用いて音声らしさ信号VAD 算出を行う。音声らしさ信号VADは、現フレ ムの入力信号1が、音声あるいは雑音である かどうかの度合いを表すものであり、例えば 、音声の可能性が高い場合には大きな評価値 を取り、音声の可能性が低い場合には小さな 評価値を取る信号である。

 音声・雑音判定部9は音声らしさ信号VADの算 出方法として、例えば、入力信号1の自己相 分析の最大値、および入力信号1のパワーと 定雑音スペクトル17のパワーの比から算出 きるフレームSN比を、それぞれ単独あるいは 組み合わせて用いることが可能である。ここ で、入力信号1の自己相関分析結果の最大値AC F max は式(1)、フレームSN比SNR fr については式(2)でそれぞれ算出できる。

 ここで、x(t)は時間tにおけるフレーム分 された入力信号1、Nは自己相関分析区間長、 S(k)は入力信号スペクトル16の第k番目の成分 N(k)は推定雑音スペクトル17の第k番目の成分 MはFFTポイント数である。

 上記式(1)で求められた自己相関分析の最大 ACF max と、式(2)で求められたフレームSN比SNR fr から、音声らしさ信号VADは例えば次式(3)によ って算出できる。
  VAD=w ACF ・ACF max +w SNR ・SNR fr ・SNR norm    (3)

 ここで、SNR norm はSNR fr の値を0~1の範囲内に正規化するための所定の 値、w ACF およびw SNR は重み付けのための所定の値であり、それぞ れ騒音の種類または騒音のパワーに応じて、 音声らしさ信号VADが好適に判定できるように 予め調整すればよい。なおACF max は、上記式(1)の性質から、0~1の範囲の値を取 る。音声・雑音判定部9は、以上示した処理 よって算出した、雑音スペクトル推定のた の音声らしさ信号VADを雑音スペクトル更新 10へ出力する。

 また、上記式(3)において、w ACF あるいはw SNR の値のどちらかを0に設定することにより、0 外に設定した方のパラメータ単独で音声ら さ信号VADを算出することも可能である。具 的には、w SNR を0にした場合には、自己相関分析の最大値AC F max のみで音声らしさ信号VADを求めることとなる 。

 また一方、音声らしさ信号VADの算出にお て、上記式(3)に示した指標・値以外の分析 ラメータを追加することも可能である。例 ば、音声・雑音判定部9が入力信号スペクト ル16と推定雑音スペクトル17とを用いて、周 数毎のスペクトル成分のSN比を算出し、その 周波数毎のスペクトル成分のSN比の総和を取 た値(総和が大きいほど、音声の可能性が高 い)、または周波数毎のスペクトル成分のSN比 の分散(分散が大きいほど、音声の調波構造 現れていることとなり、音声の可能性が高 )を利用するなど、様々な改良、変更を加え ことが可能である。

 雑音スペクトル更新部10は、音声・雑音判 部9の出力である音声らしさ信号VADを参照し 現フレームの入力信号1の様態が雑音の可能 性が高い場合、現フレームの入力信号スペク トル16を用いて、内部メモリ等に格納してあ 過去のフレームから推定された推定雑音ス クトル17の更新を行う。雑音スペクトル更 部10は、例えば次式(4)に従って入力信号スペ クトル16を推定雑音スペクトル17に反映する とで更新を行う。

 ここで、nはフレーム番号、N(n-1,k)は更新前 推定雑音スペクトル17、S noise (n,k)は雑音の可能性が高いと判断された現フ ームの入力信号スペクトル16、Nチルダ(n,k)( 子出願の関係上、~記号の付いたアルファベ ット文字をアルファベットチルダと表記する )は更新後の推定雑音スペクトル17である。ま た、α(k)は0~1の値を取る所定の更新速度係数 あり、比較的0に近い値を設定すると良い。 また、α(k)は高域になるに従って係数値をや 大きくした方が良い場合があり、雑音の種 などに応じて調整することも可能である。

 以上、雑音スペクトル更新部10は式(4)の 辺を計算し、左辺のNチルダ(n,k)を新しい推 雑音スペクトル17とすることで更新を行う。 雑音スペクトル更新部10は得られた推定雑音 ペクトル17を、前述の雑音スペクトル抑圧 7、音声・雑音判定部9、加工成分算出部14お び振幅平滑部12にそれぞれ出力する。ここ 、音声・雑音判定部9に出力された推定雑音 ペクトル17は、次フレームの音声らしさ評 において適用されることとなる。

 なお、この推定雑音スペクトル17の更新 法については、更に推定精度や推定追従性 向上させるために、例えば、音声らしさ信 VADの値に応じて複数の更新速度係数を適用 たり、フレーム間での入力信号パワーや推 雑音パワーの変動性を参照し、これらの変 が大きい場合には更新速度を速めるような 新速度係数を適用したり、ある一定時間に いて、最もパワーが小さい、あるいは音声 しさ信号VADが最も小さいフレームの入力信 スペクトル16で推定雑音スペクトル17を置き える(リセットする)など、様々な変形、改 が可能である。また、音声らしさ信号VADの が十分大きい場合、すなわち、現フレーム 入力信号1が確率的に音声の可能性が高い場 には、雑音スペクトル更新部10は推定雑音 ペクトル17の更新を行わなくても良い。

 続いて、信号加工部4について説明する。
 信号変形部13は、雑音スペクトル抑圧部7が 力する雑音抑圧スペクトル18と、雑音スペ トル推定部8が出力する推定雑音スペクトル1 7とを用いて、加工スペクトル19を生成する。 まず、加工成分算出部14は、推定雑音スペク ル17の周波数成分毎に、その振幅値に所定 を乗算した値(後述する変形推定雑音スペク ル)を得て、その得られた値と同じ振幅値を 持つように雑音抑圧スペクトル18を変形し、 形雑音抑圧スペクトル18aとして位相擾乱部1 5へ出力する。なお、推定雑音スペクトル17に 乗算する所定値としては、例えば雑音抑圧処 理における最大抑圧量近傍の値が好適である 。例えば、最大抑圧量が-12dBであれば、所定 は0.25~0.2程度で設定すればよく、雑音の種 、雑音抑圧方法、劣化の度合い、または使 者の好みに合わせて予め調整すれば良い。 た、複数の値をメモリ等に保持しておき、 工成分算出部14が雑音の種類および雑音パワ ーなどに応じて好適な値に切り替えることな ども可能である。

 位相擾乱部15は、平滑化の一種としての 相擾乱を行う。位相擾乱部15は加工成分算出 部14で算出された変形雑音抑圧スペクトル18a 対し、周波数毎にその位相成分に擾乱を与 、擾乱後のスペクトルを加工スペクトル19 して信号加算部11に出力する。各位相成分に 擾乱を与える方法としては、乱数を用いて所 定範囲の位相角を生成し、それを元々の位相 角に加算すれば良い。位相角生成の範囲の制 限を設けない場合には、位相擾乱部15は、各 相成分を乱数で生成した値に置換すれば良 。

 なお、位相角生成範囲の制限について、 えば騒音パワーが非常に大きく雑音抑圧ス クトル18の劣化が大きい場合には範囲の制 を設けないこととする、あるいは騒音パワ の大きさまたは周波数毎のスペクトルのSN比 に応じて例えば騒音パワーまたはSN比が低く る場合には範囲を大きくするなど、位相擾 部15は位相角生成範囲を適応的に制御する とが可能である。また、位相擾乱部15は、擾 乱の範囲の制限を、高域になるに従って擾乱 の範囲を大きくしたり、低域は位相擾乱を止 めたりするなど、周波数軸方向に重み付けし ても良い。

 信号加算部11は、加工スペクトル19を雑音 抑圧スペクトル18に加算して雑音抑圧スペク ル18に含まれる劣化成分を抑圧し、得られ 加算スペクトル20を振幅平滑部12へ出力する

 図2は、信号変形部13と信号加算部11におけ 一連の処理内容を示す動作説明図であり、 る周波数の振幅スペクトルと位相スペクト をベクトル化して表現したものである。
 図2(a)は雑音抑圧スペクトル18と推定雑音ス クトル17との関係の一例を図示したもので り、雑音抑圧スペクトル18のベクトル101、推 定雑音スペクトル17のベクトル102、推定雑音 ペクトル17の振幅に所定値を乗算したスカ 値103、スカラ値103と同じ振幅値となるよう ベクトル101を変形した、変形雑音抑圧スペ トル18aのベクトル104により表現される。
 また、図2(b)は雑音抑圧スペクトル18、加工 ペクトル19および加算スペクトル20の関係の 一例を図示したものであり、雑音抑圧スペク トル18のベクトル101、変形雑音抑圧スペクト 18aのベクトル104、変形雑音抑圧スペクトル1 8aを位相擾乱して得た加工スペクトル19のベ トル105、加算スペクトル20のベクトル106によ り表現される。またθはベクトル104を位相擾 するための位相角である。位相擾乱の範囲( 加工スペクトル19の存在範囲)Aを点線円で示 。

 また、図3は、より具体的な例を挙げて信 号変形部13と信号加算部11の一連の処理を説 するグラフであり、典型的な場合のスペク ルを示す。図3において、縦軸は振幅スペク ルのパワー、横軸は周波数である。点線は 定雑音スペクトル17、および推定雑音スペ トル17に1より小さい所定の正値を乗算して 形した変形推定雑音スペクトル17aを表し、 線は雑音抑圧スペクトル18および平滑化雑音 抑圧スペクトル21を表す。また、一点鎖線の 域Bは、雑音抑圧スペクトル18の振幅値に対 て変形推定雑音スペクトル17aの振幅値が近 場合の一例を図示したものであり、領域Cは 、雑音抑圧スペクトル18の振幅値に対して変 推定雑音スペクトル17aの振幅値が小さい場 の一例を図示したものである。なお、図3の 変形推定雑音スペクトル17aは、図2の推定雑 スペクトル17の振幅に所定値を乗算したスカ ラ値103に相当する。

 図4は、図3の領域B,Cに対する信号変形部13 と信号加算部11の一連の処理内容を示す動作 明図であり、図4(a)に図3の領域Bの周波数の 幅スペクトルと位相スペクトルをベクトル して表現し、図4(b)に図3の領域Cの周波数の 幅スペクトルと位相スペクトルをベクトル して表現している。なお図4において図2と 一の構成要素に関しては同一符号を付与し いる。

 図4(a)のように、雑音抑圧スペクトル18の 幅値(ベクトル101に相当する)に対して変形 定雑音スペクトル17aの振幅値(スカラ値103に 当する)が近い場合には、推定雑音スペクト ル17に乗算する所定値が最大抑圧量近傍に設 されているので、雑音抑圧スペクトル18の ペクトル成分は最大抑圧量に近い抑圧量で 音抑圧されていると見なすことができる。 言すれば、このスペクトル成分は雑音であ ことを表している。またこの場合は、図3の 域Bに示すように、雑音抑圧スペクトル18に 雑音抑圧処理において抑圧し切れなかった 音が残留する可能性が高くなり(とりわけ、 高域に成る程、即ち周波数が高くなる程)、 音抑圧スペクトル18中の劣化成分である残留 雑音Dは、加工スペクトル19により大きな信号 加工を受けることとなる。

 一方、図4(b)のように、雑音抑圧スペクト ル18の振幅値に対して、変形推定雑音スペク ル17aの振幅値が小さい場合には、雑音抑圧 ペクトル18のスペクトル成分は音声である 能性が高いが、図3の領域Cに示すように、雑 音抑圧スペクトル18が優勢的であるために、 工スペクトル19による信号加工を受けても 響は小さく、聴感的な影響はほとんど無い

 再び雑音抑圧装置100の動作原理に説明を戻 。図1に示す振幅平滑部12は、信号加算部11 ら入力された加算スペクトル20に対して、周 波数毎のスペクトルの振幅成分の平滑化処理 を行い、平滑化後のスペクトルを平滑化雑音 抑圧スペクトル21として、周波数・時間変換 5に出力する。ここで、平滑化処理には周波 数軸方向、時間軸方向(フレーム間平滑)のい れか、あるいは両方を組み合わせて用いる とが可能である。本実施の形態における好 な例として、振幅平滑部12は、例えば次式(5 )および(6)に示すような周波数軸および時間 両方の平滑化処理を行うことができる。
  X(n,0)=S ADD (n,0)
  X(n,k)=(1-β(k))・S ADD (n,k-1)
          +β(k)・S ADD (n,k)
 ただし、k=1,...,M                    (5)
  Y(n,k)=(1-γ(k))・Y(n-1,k)+γ(k)・X(n,k)
 ただし、k=0,...,M                    (6)

 ここで、上記式(5)は周波数軸方向の平滑化 理、式(6)は時間軸方向の平滑化を示し、nは フレーム番号、kはスペクトル成分番号、S ADD (n,k)は加算スペクトル20、X(n,k)は周波数軸方 の平滑化後の加算スペクトル、Y(n,k)は周波 軸・時間軸両方の平滑化後の加算スペクト 、すなわち、平滑化雑音抑圧スペクトル21で ある。また、β(k)およびγ(k)は、それぞれ周 数軸方向、時間軸方向の平滑化係数であり 0~1の値を持つ所定値である。平滑化係数β(k) およびγ(k)は、フレーム長や解消したい劣化 の程度によって最適値は異なるが、本実施 形態の構成においては、それぞれ0.95程度、 0.2~0.4程度の値が好適である。また、雑音の 類によっては、平滑化係数の周波数方向の み付けを行った方がよく、例えば、低域に ワーが偏在する自動車走行騒音などでは、 域部の平滑化を強めるような調整をすれば いし、風切り音やタービンノイズなど「キ ン」というような中~高域に局在する雑音に しては、その帯域の周波数方向の平滑化を め、逆にその帯域の時間軸方向の平滑化は めるような調整も可能であり、騒音種類に 化して平滑化の効果を高めることができる

 更に、振幅平滑部12は上記の振幅平滑化 理において、入力信号スペクトル16と推定雑 音スペクトル17に応じて、例えば、平滑化処 方法を変更または制御したり、平滑化係数 変更したりすることが可能である。本実施 形態では、振幅平滑部12が入力信号スペク ル16と推定雑音スペクトル17の周波数毎のSN (入力信号スペクトル16をS、推定雑音スペク ル17をNとしたスペクトルSN比)を用いて、例 ば、スペクトルSN比が0.75dB未満の場合には 周波数軸方向と時間軸方向両方の平滑化を い、スペクトルSN比が0.75dB以上、1.5dB未満の 合には、時間軸方向だけの平滑化を行い、 ペクトルSN比が1.5dB以上の場合は平滑化処理 を止める、とした場合に出力音声6の品質が かった。また、振幅平滑部12は、入力信号ス ペクトル16の代わりに、雑音抑圧スペクトル1 8を用いてもよい。雑音抑圧スペクトル18と推 定雑音スペクトル17の比は、図3の説明にて前 述しているように残留雑音の良い指標となり 得るので、振幅平滑部12が平滑化処理をより 率的に動作させることができ、更なる主観 質改善を奏効することができる。

 また、振幅平滑部12は、平滑化処理後の ペクトル成分に対し、音声信号に影響が無 程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hothス クトル特性を持ったノイズ、ブラウンノイ 、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑音 ペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与した 雑音などの擬似雑音を重畳しても良い。

 この実施の形態1によれば、雑音抑圧装置100 は、入力信号1を周波数成分である入力信号 ペクトル16に変換する時間・周波数変換部2 、入力信号1から推定雑音スペクトル17を推 する雑音スペクトル推定部8と、推定雑音ス クトル17に基づいて入力信号スペクトル16の 雑音抑圧を行い、雑音抑圧スペクトル18を生 する雑音スペクトル抑圧部7と、雑音抑圧ス ペクトル18と推定雑音スペクトル17に基づく に応じて雑音抑圧スペクトル18を変形すると 共に平滑化(位相擾乱)した加工スペクトル19 生成する信号変形部13と、雑音抑圧スペクト ル18に加工スペクトル19を加算して、雑音抑 スペクトル18に含まれる劣化成分を抑圧する 信号加算部11とを備えるように構成した。
 そのため、雑音抑圧処理等によって劣化し 雑音抑圧スペクトル18に対して信号加工部4 所定の加工処理を行うにあたり、雑音抑圧 ペクトル18の周波数成分の値と、推定雑音 ペクトル17の周波数成分の値に基づいて、雑 音抑圧スペクトル18に含まれる劣化成分を主 的に気にならないようにした平滑化成分で る加工スペクトル19を求めて、雑音抑圧ス クトル18の周波数成分に加算し、劣化成分を 抑圧することができる。この結果、従来の方 法では必要であった音声・雑音区間判定が要 らなくなり、この結果、区間判定誤りによる エコー感や雑音感の発生無しに主観品質を改 善できる効果がある。

 また、信号加工部4が周波数領域にてスペ クトル成分毎に、きめ細やかな加工成分の生 成および加工処理を行うようにした。そのた め、例えば、低域に雑音パワーが集中するよ うな自動車走行騒音が混入した音声信号でも 、低域の騒音の劣化感を主観的に改善しつつ 、高域の音声成分は加工しないような劣化成 分の加工処理が行えるので、更に主観品質を 改善できる効果がある。

 また、信号加工部4が、入力信号である雑 音抑圧スペクトル18と、推定雑音スペクトル1 7の両者に基づいてスペクトル成分毎に加工 分を生成するようにした。そのため、各ス クトル成分に応じた加工制御が可能となり 例えば、ある帯域に局所的に劣化成分が生 ている信号などに対しても、主観品質を改 できる効果がある。

 また、信号加工部4の加工処理として、振 幅スペクトル成分の平滑化と、位相スペクト ル成分の擾乱を行うようにした。そのため、 劣化成分が持つ人工的な振幅成分および位相 成分に対して、それら成分の不安定な挙動を 良好に抑圧したり、擾乱を与えたりすること ができ、更に主観品質を改善できる効果があ る。

 なお、上記実施の形態1では、雑音抑圧ス ペクトル18に対して実施する処理を、位相擾 部15と振幅平滑部12の両者で行う構成とした が、例えば、雑音抑圧装置100が位相擾乱部15 みを備えて位相擾乱処理のみ実施するなど どちらか一方の処理だけ実施する構成でも わない。

 また、上記実施の形態1では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、雑音ス クトルを得る手段としては、この構成に限 たものではなく、例えば、雑音スペクトル 更新速度を非常にゆっくりとすることで音 ・雑音判定部9を省略したり、推定雑音スペ クトル17の推定を入力信号1から行わずに、雑 音のみが入力される雑音推定用の入力信号か ら別途分析・推定したりする方法を取っても 良い。

実施の形態2.
 図5は、本実施の形態による雑音抑圧装置100 の全体構成を示したものであり、上記実施の 形態1の雑音抑圧装置100に信号減算部22を追加 した構成である。以下の実施の形態の説明に おいて、先立って説明した実施の形態1(図1) 構成要素と同一または相当するものには同 の符号を付し、説明を省略する。

 加工成分算出部14は、推定雑音スペクト 17の周波数成分毎に、その振幅値に所定値を 乗算した値(変形推定雑音スペクトル)を求め その値と同じ振幅値を持つように、雑音抑 スペクトル18を周波数成分毎に変形して変 雑音抑圧スペクトル18aとして位相擾乱部15へ 出力するとともに、信号減算部22へも出力す 、なお、推定雑音スペクトル17に乗算する 定値としては、実施の形態1と同様に、雑音 種類、雑音抑圧方法、劣化音の程度、また 使用者の好みに合わせて予め調整すればよ 。

 信号減算部22は、雑音スペクトル抑圧部7 出力する雑音抑圧スペクトル18から変形雑 抑圧スペクトル18aを減算する減算処理を行 、得られたスペクトル成分を信号加算部11へ 出力する。

 図6は、信号変形部13と信号減算部22と信号 算部11における一連の処理内容を示す動作説 明図であり、ある周波数の振幅スペクトルと 位相スペクトルをベクトル化して表現したも のである。図6において図2と同一または相当 部分については同一の符号を付し説明を省 する。
 図6(a)は、図2(a)と同様に、雑音抑圧スペク ル18と推定雑音スペクトル17との関係の一例 図示したものであり、雑音抑圧スペクトル1 8のベクトル101、推定雑音スペクトル17のベク トル102、推定雑音スペクトル17の振幅に所定 を乗算したスカラ値103、変形雑音抑圧スペ トル18aのベクトル104、雑音抑圧スペクトル1 8から変形雑音抑圧スペクトル18aを減算した ペクトルの成分ベクトル107により表現され 。
 また、図6(b)は、図2(b)と同様に、雑音抑圧 ペクトルと、図6(a)にて得られた加工スペク ル、および加算スペクトルとの関係の一例 図示したものであり、雑音抑圧スペクトル1 8のベクトル101、変形雑音抑圧スペクトル18a ベクトル104、加工スペクトル19のベクトル105 、雑音抑圧スペクトル18から変形雑音抑圧ス クトル18aを減算したスペクトルの成分ベク ル107、加算スペクトル20のベクトル108によ 表現される。

 図6において、図2と異なる点は、加工ス クトル19のベクトル105を雑音抑圧スペクトル 18のベクトル101に加算処理する前に、変形雑 抑圧スペクトル18aのベクトル104を減算する である。このことから、信号加算部11にお て劣化成分抑圧のために加工スペクトル19を 加算する処理を行っても雑音抑圧スペクトル 18の振幅が増加しないという利点がある。

 振幅平滑部12は、上記実施の形態1と同様 、加算スペクトル20に対して振幅平滑化処 を行う。振幅平滑部12はまた、平滑化処理後 のスペクトル成分に対し、音声信号に影響が 無い程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hoth スペクトル特性を持ったノイズ、ブラウンノ イズ、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑 音スペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与 た雑音などの擬似雑音を重畳しても良い。

 この実施の形態2によれば、雑音抑圧装置100 において、雑音抑圧スペクトル18と推定雑音 ペクトル17に基づく比に応じて雑音抑圧ス クトル18を変形した変形雑音抑圧スペクトル 18aを生成すると共に、変形雑音抑圧スペクト ル18aを平滑化(位相擾乱)した加工スペクトル1 9を生成する信号変形部13と、雑音抑圧スペク トル18から変形雑音抑圧スペクトル18aを減算 る信号減算部22と、信号減算部22により変形 雑音抑圧スペクトル18aが減算された雑音抑圧 スペクトル18に加工スペクトル19を加算して 雑音抑圧スペクトル18に含まれる劣化成分を 抑圧する信号加算部11を備えるように構成し 。
 信号加工部4が雑音抑圧スペクトル18に対し 変形雑音抑圧スペクトル18aを減算すると共 加工スペクトル19を加算するようにしたの 、上記実施の形態1にて述べた効果に加えて 出力信号6の雑音感の増加を抑制しつつ、更 に主観品質を改善できる効果がある。

 なお、上記実施の形態2では、図5に示す うに、信号減算部22の減算処理を行った後、 信号加算部11の加算処理を行っているが、こ 順番を逆、即ち、雑音抑圧スペクトル18に 工スペクトル19を加算してから、変形雑音抑 圧スペクトル18aを減算しても同じ効果が得ら れるのは言うまでもない。

 また、上記実施の形態2では、雑音抑圧装 置100が振幅平滑部12を備える構成としたが、 幅平滑部12を備えず振幅平滑化処理を省略 る構成であっても構わない。

 また、上記実施の形態2では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、上記実 の形態1と同様に雑音スペクトルを得る手段 はこの構成に限ったものではなく、例えば、 雑音スペクトルの更新速度を非常にゆっくり とすることで音声・雑音判定部9を省略した 、推定雑音スペクトル17の推定を入力信号1 ら行わずに、雑音のみが入力される雑音推 用の入力信号から別途分析・推定したりす 方法を取っても良い。

実施の形態3.
 上記実施の形態1および2では、信号変形部13 内部の加工成分算出部14の処理において、推 雑音スペクトル17の周波数毎に乗算する所 値として、雑音抑圧処理における最大抑圧 近傍の値を用いる構成であった。本実施の 態では、推定雑音スペクトル17の周波数毎に 乗算する所定値に、例えば低周波数では大き い値、高周波数では小さい値というような、 周波数軸方向の重み付けを行う構成とする。 本実施の形態の雑音抑圧装置の構成は、図1 示す上記実施の形態1または図5に示す実施の 形態2の雑音抑圧装置100の構成と図面上では 様であり、加工成分算出部14の処理のみが異 なる。

 なお、加工成分算出部14は、周波数重み けに用いる重み付け係数を、例えば、1つ以 複数のテーブル(プログラムにて記載する場 合には定数配列となる)から、雑音の種類ま は使用者の好みに合わせて選択しても良い 、雑音パワーまたは推定雑音スペクトル17の 低域成分パワーと高域成分パワーとの比から 算出できるスペクトル傾斜量等を入力として 、重み付け係数を生成出力する関数を予め定 義しておき、フレーム毎にその関数から生成 して逐次適用しても良い。

 この実施の形態3によれば、加工成分算出 部14が、推定雑音スペクトル17の周波数毎に 算するための所定値に周波数方向の重み付 を行うようにした。そのため、上記実施の 態1および2にて述べた効果に加えて、周波数 方向に劣化の度合いが異なるような信号に対 しても、主観品質を改善できる効果がある。

実施の形態4.
 上記実施の形態1では、雑音抑圧処理を周波 数領域(またはスペクトル領域と言う)にて実 していたが、必ずしもこの構成である必要 無く、時間領域に実施しても構わない。図7 は、本実施の形態による雑音抑圧装置100の全 体構成を示したものであり、上記実施の形態 1の雑音スペクトル抑圧部7に代えて雑音抑圧 ィルタ部23と時間・周波数変換部24とを備え る構成である。以下の実施の形態の説明にお いて、先立って説明した実施の形態1(図1)の 成要素と同一または相当するものには同一 符号を付し、説明を省略する。

 図7に示す雑音抑圧フィルタ部23は、入力 号1を入力して時間領域での雑音抑圧処理を 行う。具体的には、雑音抑圧フィルタ部23は 入力信号1に対して例えばカルマンフィルタ などの時間軸処理に対応する雑音抑圧処理を 行い、雑音抑圧信号として時間・周波数変換 部24へ出力する。

 時間・周波数変換部24は雑音抑圧フィル 部23が出力する雑音抑圧信号を周波数領域の 信号に変換する。具体的には、時間・周波数 変換部24は、雑音抑圧信号のFFTを行い、得ら たスペクトル成分を雑音抑圧スペクトル18 して、信号加算部11と加工成分算出部14に出 する。なお、時間・周波数変換部24のFFTポ ント数と、既に説明した時間・周波数変換 2のFFTポイント数は同一であることが望まし 、時間・周波数変換部24が雑音抑圧スペク ル18を出力する際に、時間・周波数変換部2 FFTポイント数が同一になるようにすれば良 。すなわち時間・周波数変換部24は、時間・ 周波数変換部2のFFTポイント数と比較して自 のFFTポイント数の方が大きい場合には例え スペクトル成分を間引きあるいは平均化し 出力し、小さい場合には例えばスペクトル 分を補間して出力すれば良い。ただし、時 ・周波数変換部2,24のFFTポイント数は必ずし 同じである必要は無い。

 この実施の形態4によれば、雑音抑圧処理 の手法として周波数領域、時間領域を問わず 、処理対象の信号の主観品質を改善できる効 果がある。

 なお、上記実施の形態4の構成は、上記実 施の形態2および3に対しても容易に適応可能 あり、その構成の場合にも、雑音抑圧処理 手法として周波数領域、時間領域を問わず 処理対象の信号の主観品質を改善できる効 がある。

実施の形態5.
 実施の形態1の雑音抑圧装置100を変形して、 本実施の形態に示す音声復号化装置200を構成 してもよい。図8は、本実施の形態による音 復号化装置200の全体構成を示すものである 音声復号化装置200は、入力信号に代えて符 データ25が入力されるものとし、符号データ 25を復号化処理する音声復号部26を新たに備 る。図8において図1と同一または相当の部分 については同一の符号を付す。

 まず、符号データ25が、例えば不図示の 線もしくは無線通信路、またはメモリなど 記憶手段などを介して音声復号化装置200内 音声復号部26に入力される。なお、符号デー タ25は、別途、不図示の音声符号化部が音声 響信号を符号化した結果である。

 音声復号部26は、符号データ25に対して前 記音声符号化部の符号化処理に対応する所定 の復号化処理を行い、復号信号27を時間・周 数変換部2および音声・雑音判定部9に出力 る。

 時間・周波数変換部2は、入力信号1の代 りに復号信号27に対して、上記実施の形態1 同様にフレーム分割および窓掛け処理を行 、窓掛け後の信号に対して例えばFFTを行う そして、時間・周波数変換部2は、周波数毎 スペクトル成分である復号信号スペクトル2 8を信号加工部4および雑音スペクトル推定部8 へ出力する。

 雑音スペクトル推定部8では、まず、音声 ・雑音判定部9が、入力された復号信号27と復 号信号スペクトル28とを用いて、現フレーム 音声らしさ信号を算出する。続いて、雑音 ペクトル更新部10が、復号信号スペクトル28 中の平均的な雑音スペクトルを推定し、推定 雑音スペクトル17として出力する。なお、こ 雑音スペクトル推定部8内の構成と各処理に ついては、上記実施の形態1と同様なものを いることが可能である。

 信号加工部4内の信号変形部13は、復号信 スペクトル28と、雑音スペクトル推定部8が 力する推定雑音スペクトル17とを用いて、 工スペクトル19を生成する。まず、加工成分 算出部14では、推定雑音スペクトル17の周波 成分毎に、その振幅値に所定値を乗算した を得て、その得られた値と同じ振幅値を持 ように、復号信号スペクトル28を周波数成分 毎に変形し、変形復号信号スペクトル28aとし て位相擾乱部15へ出力する。なお、実施の形 1とは異なり本実施の形態では雑音抑圧処理 は行わないので、推定雑音スペクトル17に乗 する所定値は、最大抑圧量近傍の値ではな 、例えば、1もしくは1よりやや小さい値に 定したもの、または音声符号化方法、復号 号27の劣化度合いもしくは使用者の好みに合 わせて予め調整したものを用いれば良い。ま た、複数の値をメモリ等に保持しておき、加 工成分算出部14が音声符号化方法の種類など 応じて好適な値に切り替えることも可能で る。

 位相擾乱部15は、加工成分算出部14で算出 された変形復号信号スペクトル28aに対し、周 波数毎にその位相成分に擾乱を与え、擾乱後 のスペクトルを加工スペクトル19として信号 算部11に出力する。各位相成分に擾乱を与 る方法および位相擾乱範囲の制御方法は、 施の形態1と同様なものを用いることが可能 ある。

 信号加算部11は、復号信号スペクトル28に 加工スペクトル19を加算し、得られた加算ス クトル20を振幅平滑部12へ出力する。

 振幅平滑部12は、信号加算部11から入力さ れた加算スペクトル20に対して、周波数毎の ペクトルの振幅成分の平滑化処理を行い、 滑化後のスペクトルを平滑化復号信号スペ トル29として、周波数・時間変換部5に出力 る。なお、この振幅平滑部12の構成、処理 よび平滑化制御方法などについては、実施 形態1と同様のものを用いることができ、各 ラメータ等については、例えば、音声符号 方法または復号信号27の劣化度合いに合わ て予め調整すれば良い。

 また、振幅平滑部12は、平滑化処理後の ペクトル成分に対し、音声信号に影響が無 程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hothス クトル特性を持ったノイズ、ブラウンノイ 、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑音 ペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与した 雑音など、人工的に生成した擬似雑音を重畳 しても良い。

 周波数・時間変換部5は、信号加工部4か 入力された平滑化復号信号スペクトル29に対 して、逆FFT処理を行うことで時間領域信号に 戻し、前後フレームとの滑らかな接続のため の窓掛け処理を行いつつ連接を行い、得られ た信号を出力信号6として出力する。

 この実施の形態5によれば、音声復号化装置 200は、所定の符号データ25を復号化して復号 号27を生成する音声復号部26と、復号信号27 周波数成分である復号信号スペクトル28に 換する時間・周波数変換部2と、復号信号27 ら推定雑音スペクトル17を推定する雑音スペ クトル推定部8と、復号信号スペクトル28と推 定雑音スペクトル17に基づく比に応じて復号 号スペクトル28を変形すると共に平滑化(位 擾乱)した加工スペクトル19を生成する信号 形部13と、復号信号スペクトル28に加工スペ クトル19を加算して、復号信号スペクトル28 含まれる劣化成分を抑圧する信号加算部11と を備えるように構成した。
 そのため、音声符号化処理によって劣化し 復号信号スペクトル28に対して信号加工部4 所定の加工処理を行うにあたり、復号信号 ペクトル28の周波数成分の値と、推定雑音 ペクトル17の周波数成分の値に基づいて、復 号信号スペクトル28に含まれる劣化成分を主 的に気にならないようにした平滑化成分で る加工スペクトル19を求めて、復号信号ス クトル28の周波数成分に加算し、劣化成分を 抑圧することができる。この結果、従来の方 法では必要であった音声・雑音区間判定が要 らなくなり、この結果、区間判定誤りによる エコー感や雑音感の発生無しに主観品質を改 善できる効果がある。

 また、信号加工部4が周波数領域にてスペ クトル成分毎に、きめ細やかな加工成分の生 成および加工処理を行うようにした。そのた め、例えば、低域に雑音パワーが集中するよ うな自動車走行騒音が混入した音声信号でも 、低域の騒音の劣化感を主観的に改善しつつ 、高域の音声成分は加工しないような劣化成 分の抑圧処理が行えるので、更に主観品質を 改善できる効果がある。

 また、信号加工部4が、入力信号である復 号信号スペクトル28と、推定雑音スペクトル1 7の両者に基づいてスペクトル成分毎に加工 分を生成するようにした。そのため、各ス クトル成分に応じた加工制御が可能となり 例えば、ある帯域に局所的に劣化成分が生 ている信号などに対しても、主観品質を改 できる効果がある。

 また、信号加工部4の加工処理として、振 幅スペクトル成分の平滑化と、位相スペクト ル成分の擾乱を行うようにした。そのため、 劣化成分が持つ人工的な振幅成分および位相 成分に対して、それら成分の不安定な挙動を 良好に抑圧したり、擾乱を与えたりすること ができ、更に主観品質を改善できる効果があ る。

 なお、上記実施の形態5では、復号信号ス ペクトル28に対して実施する処理を、位相擾 部15と振幅平滑部12の両者で行う構成とした が、例えば、音声復号化装置200が位相擾乱部 15のみを備えて位相擾乱処理のみ実施するな 、どちらか一方の処理だけ実施する構成で 構わない。

 また、上記実施の形態5では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、上記実 の形態1と同様に雑音スペクトルを得る手段 はこの構成に限ったものではなく、例えば、 雑音スペクトルの更新速度を非常にゆっくり とすることで音声・雑音判定部9を省略した 、推定雑音スペクトル17の推定を復号信号27 ら行わずに、雑音のみが入力される雑音推 用の入力信号から別途分析・推定したりす 方法を取っても良い。

実施の形態6.
 上記実施の形態5と同様に、上記実施の形態 2の雑音抑圧装置100を変形して、本実施の形 に示すような音声復号化装置200を構成して よい。図9は、本実施の形態による音声復号 装置200の全体構成を示すものである。図9に おいて図5または図8と同一または相当の部分 ついては同一の符号を付し説明を省略する

 加工成分算出部14は、推定雑音スペクト 17の周波数成分毎に、その振幅値に所定値を 乗算した値を得て、その得られた値と同じ振 幅値を持つように、復号信号スペクトル28を 波数成分毎に変形し、変形復号信号スペク ル28aとして位相擾乱部15へ出力するととも 、信号減算部22へも出力する。なお、推定雑 音スペクトル17に乗算する所定値は、上記実 の形態5と同様に、例えば、1もしくは1より や小さい値に設定したもの、または音声符 化方法、復号信号27の劣化度合いもしくは 用者の好みに合わせて予め調整したものを いれば良い。また、複数の値をメモリ等に 持しておき、加工成分算出部14が音声符号化 方法の種類などに応じて好適な値に切り替え ることも可能である。

 信号減算部22は、時間・周波数変換部2が 力する復号信号スペクトル28から、変形復 信号スペクトル28aを減算する減算処理を行 、得られたスペクトル成分を信号加算部11へ 出力する。

 振幅平滑部12は、上記実施の形態5と同様 、加算スペクトル20に対して振幅平滑化処 を行う。振幅平滑部12はまた、平滑化処理後 のスペクトル成分に対し、音声信号に影響が 無い程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hoth スペクトル特性を持ったノイズ、ブラウンノ イズ、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑 音スペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与 た雑音など、人工的に生成した擬似雑音を 畳しても良い。

 この実施の形態6によれば、音声復号化装置 200は、復号信号スペクトル28と推定雑音スペ トル17に基づく比に応じて復号信号スペク ル28を変形した変形復号信号スペクトル28aを 生成すると共に、変形復号信号スペクトル28a を平滑化(位相擾乱)した加工スペクトル19を 成する信号変形部13と、復号信号スペクトル 28から変形復号信号スペクトル28aを減算する 号減算部22と、信号減算部22により変形復号 信号スペクトル28aが減算された復号信号スペ クトル28に加工スペクトル19を加算して、復 信号スペクトル28に含まれる劣化成分を抑圧 する信号加算部11とを備えるように構成した
 信号加工部4が復号信号スペクトル28に対し 変形復号信号スペクトル28aを減算すると共 加工スペクトル19を加算するようにしたの 、上記実施の形態5にて述べた効果に加えて 出力信号6の雑音感の増加を抑制しつつ、更 に主観品質を改善できる効果がある。

 なお、上記実施の形態6では、図9に示す うに、信号減算部22の減算処理を行った後、 信号加算部11の加算処理を行っているが、こ 順番を逆、即ち、復号信号スペクトル28に 工スペクトル19を加算してから、変形復号信 号スペクトル28aを減算しても同じ効果が得ら れるのは言うまでもない。

 また、上記実施の形態6では、音声復号化 装置200が振幅平滑部12を備える構成としたが 振幅平滑部12を備えず振幅平滑化処理を省 する構成であっても構わない。

 また、上記実施の形態6では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、上記実 の形態1と同様に雑音スペクトルを得る手段 はこの構成に限ったものではなく、例えば、 雑音スペクトルの更新速度を非常にゆっくり とすることで音声・雑音判定部9を省略した 、推定雑音スペクトル17の推定を復号信号27 ら行わずに、雑音のみが入力される雑音推 用の入力信号から別途分析・推定したりす 方法を取っても良い。

実施の形態7.
 上記実施の形態5および6では、信号変形部13 内部の加工成分算出部14の処理において、推 雑音スペクトル17の周波数毎に乗算する所 値として、周波数軸方向に一定の値を用い 構成であった。本実施の形態では、推定雑 スペクトル17の周波数毎に乗算する所定値に 、例えば低周波数では大きな値、高周波数で は小さい値というような、周波数軸方向の重 み付けを行う構成とする。本実施の形態の音 声復号化装置200の構成は、図8に示す実施の 態5または図9に示す実施の形態6の音声復号 装置200の構成と図面上では同様であり、加 成分算出部14の処理のみが異なる。

 なお、加工成分算出部14は、周波数重み けに用いる重み付け係数を、例えば、1つ以 複数のテーブル(プログラムにて記載する場 合には定数配列となる)から、音声符号化方 の種類または使用者の好みに合わせて選択 ても良いし、雑音パワーまたは推定雑音ス クトル17の低域成分パワーと高域成分パワー との比から算出できるスペクトル傾斜量等を 入力として、重み付け係数を生成出力する関 数を予め定義しておき、フレーム毎に重み付 け係数を生成して逐次適用しても良い。

 この実施の形態7によれば、加工成分算出 部14が、推定雑音スペクトル17の周波数毎に 算するための所定値に周波数方向の重み付 を行うようにした。そのため、上記実施の 態5および6にて述べた効果に加えて、周波数 方向に劣化の度合いが異なるような信号に対 しても、主観品質を改善できる効果がある。

実施の形態8.
 上記実施の形態1では、信号加工部4が推定 音スペクトル17と雑音抑圧スペクトル18に基 く比に応じて加工スペクトル19を生成する 成であったが、本実施の形態では推定雑音 ペクトル17と雑音抑圧スペクトル18に基づく に応じて雑音抑圧スペクトル18の位相擾乱 幅を制御する構成とする。

 図10は、本実施の形態による雑音抑圧装 100の全体構成を示すものである。図10に示す 雑音抑圧装置100の信号加工部4は、図1に示す 記実施の形態1の信号加工部4とは異なり、 相擾乱部30、位相制御部31および振幅平滑部1 2から構成されている。なお、図10において図 1と同一または相当の部分については同一の 号を付し説明を省略する。

 位相制御部31は、雑音抑圧スペクトル18と 推定雑音スペクトル17が入力されると、例え 、雑音抑圧スペクトル18と推定雑音スペク ル17との周波数毎のSN比(雑音抑圧スペクトル 18をS、推定雑音スペクトル17をNとしたスペク トルSN比)を算出する。続いて位相制御部31は 算出したスペクトルSN比に応じて位相擾乱 幅を制御するための位相制御信号32を算出し 、位相擾乱部30に出力する。

 位相擾乱の範囲の制御方法としては、例 ば、スペクトルSN比が小さい場合には位相 乱の範囲が大きくなるように、逆にスペク ルSN比が大きい場合にはその範囲が小さくな るように制御する方法がある。位相擾乱の範 囲を指示する位相制御信号32の設定方法とし は、例えば、スペクトルSN比に対応する所 値をテーブル等に複数記憶させておき、位 制御部31が、算出したスペクトルSN比に最も いテーブル上のスペクトルSN比に対応する 定値を位相制御信号32として出力する方法が ある。または、スペクトルSN比を入力とし位 制御信号32を出力する所定の関数を予め定 しておき、位相制御部31がその関数を用いて 位相制御信号32を算出しても良い。いずれの 法を用いる場合でも、雑音の種類、雑音抑 方法、劣化の度合いまたは使用者の好みに わせて予め調整すれば良い。

 また、位相擾乱の範囲の制御において、 相制御部31は例えば、高域になるに従って 乱の範囲を大きくし、低域は位相擾乱を止 るなど、周波数軸方向に重み付けしても良 。位相制御部31は、周波数重み付けに用いる 重み付け係数を、例えば、1つ以上複数のテ ブル(プログラムにて記載する場合には定数 列となる)から、雑音抑圧方法の種類または 使用者の好みに合わせて選択しても良いし、 雑音パワーまたは推定雑音スペクトル17の低 成分パワーと高域成分パワーとの比から算 できるスペクトル傾斜量等を入力として、 み付け係数を生成出力する関数を予め定義 ておき、フレーム毎に重み付け係数を生成 て逐次適用しても良い。

 なお、上記位相擾乱の範囲の制御要因と て、説明を簡単にするためにスペクトルSN を例示して用いているが、この構成に限る 要は無く、例えば、雑音抑圧スペクトル18の 全帯域パワーと推定雑音スペクトル17の全帯 パワーの比、および推定雑音スペクトル17 低域成分パワーと高域成分パワーとの比か 算出できるスペクトル傾斜量等を制御要因 して組み合わせて用いても良い。これら制 要因を追加することで、位相制御部31は更に 精度良く位相擾乱の範囲を制御することが可 能となり、更に主観品質を改善できる。

 位相擾乱部30は、位相制御部31が出力する 位相擾乱の幅を制御するための位相制御信号 32に従って雑音抑圧スペクトル18の位相擾乱 行い、位相擾乱スペクトル33として出力する 。なお、位相擾乱部30の代わりに、図1に示す 上記実施の形態1に記載の位相擾乱部15の構成 を用いても同様の効果を奏する。

 振幅平滑部12は、位相擾乱部30から入力さ れた位相擾乱スペクトル33に対して、周波数 のスペクトルの振幅成分の平滑化処理を行 、平滑化後のスペクトルを平滑化雑音抑圧 ペクトル21として、周波数・時間変換部5に 力する。なお、この振幅平滑部12の構成、 理および平滑化制御方法などについては、 施の形態1と同様のものを用いることができ 各パラメータ等については、例えば、雑音 圧方法の種類または信号の劣化度合いに合 せて予め調整すれば良い。

 また、振幅平滑部12は、平滑化処理後の ペクトル成分に対し、音声信号に影響が無 程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hothス クトル特性を持ったノイズ、ブラウンノイ 、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑音 ペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与した 雑音など、人工的に生成した擬似雑音を重畳 しても良い。

 この実施の形態8によれば、雑音抑圧装置 100は、雑音抑圧処理等によって劣化した雑音 抑圧スペクトル18に対して信号加工部4が所定 の加工処理を行うにあたり、入力信号である 雑音抑圧スペクトル18の周波数成分の値と、 定雑音スペクトル17の周波数成分の値に基 いて、雑音抑圧スペクトル18に含まれる劣化 成分を主観的に気にならないように位相擾乱 するようにした。そのため、従来の方法では 必要であった音声・雑音区間判定が要らなく なり、この結果、区間判定誤りによるエコー 感や雑音感の発生無しに主観品質を改善でき る効果がある。

 また、信号加工部4が周波数領域にてスペ クトル成分毎に、きめ細やかな加工処理を行 うようにした。そのため、例えば、低域に雑 音パワーが集中するような自動車走行騒音が 混入した音声信号でも、低域の騒音の劣化感 を主観的に改善しつつ、高域の音声成分は加 工しないような劣化成分の加工処理が行える ので、更に主観品質を改善できる効果がある 。

 また、信号加工部4が、入力信号である雑 音抑圧スペクトル18と、推定雑音スペクトル1 7の両者に基づいてスペクトル成分毎に加工 理を行うようにした。そのため、各スペク ル成分に応じた加工制御が可能となり、例 ば、ある帯域に局所的に劣化成分が生じて る信号などに対しても、主観品質を改善で る効果がある。

 また、信号加工部4の加工処理として、振 幅スペクトル成分の平滑化と、位相スペクト ル成分の擾乱を行うようにした。そのため、 劣化成分が持つ人工的な振幅成分および位相 成分に対して、それら成分の不安定な挙動を 良好に抑圧したり、擾乱を与えたりすること ができ、更に主観品質を改善できる効果があ る。

 なお、上記実施の形態8では、雑音抑圧装 置100が振幅平滑部12を備える構成としたが、 幅平滑部12を備えず振幅平滑化処理を省略 る構成であっても構わない。

 また、上記実施の形態8では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、上記実 の形態1と同様に雑音スペクトルを得る手段 はこの構成に限ったものではなく、例えば、 雑音スペクトルの更新速度を非常にゆっくり とすることで音声・雑音判定部9を省略した 、推定雑音スペクトル17の推定を入力信号1 ら行わずに、雑音のみが入力される雑音推 用の入力信号から別途分析・推定したりす 方法を取っても良い。

 また、上記実施の形態8では、雑音抑圧処理 を周波数領域にて実施していたが、必ずしも この構成である必要は無く、上記実施の形態 8と上記実施の形態4の構成を組み合わせるこ で、時間領域の雑音抑圧処理についても実 可能である。具体的には、実施の形態4の信 号加工部4を、実施の形態8の信号加工部4に置 き換える。
 この構成の場合には、雑音抑圧処理の手法 して周波数領域および時間領域を問わず、 の主観品質を改善できる効果がある。

実施の形態9.
 上記実施の形態8と同様に、上記実施の形態 5の音声復号化装置200を変形して、信号加工 4が復号信号スペクトル28と推定雑音スペク ル17に基づく比に応じて加工スペクトル19を 成する代わりに、復号信号スペクトル28と 定雑音スペクトル17に基づく比に応じて復号 信号スペクトル28の位相擾乱の幅を制御して よい。

 図11は、本実施の形態による音声復号化 置200の全体構成を示すものである。図11に示 す音声復号化装置200の信号加工部4は、図8に す上記実施の形態5の信号加工部4とは異な 、位相擾乱部30、位相制御部31および振幅平 部12から構成されている。図11において図5 たは図8と同一または相当の部分については 一の符号を付し説明を省略する。

 位相制御部31は、復号信号スペクトル28と 推定雑音スペクトル17が入力されると、例え 、復号信号スペクトル28と推定雑音スペク ル17との周波数毎のSN比(復号信号スペクトル 28をS、推定雑音スペクトル17をNとしたスペク トルSN比)を算出する。続いて位相制御部31は 算出したスペクトルSN比に応じて位相擾乱 幅を制御するための位相制御信号32を算出し 、位相擾乱部30に出力する。

 位相擾乱の範囲の制御方法としては、例 ば、スペクトルSN比が小さい場合には位相 乱の範囲が大きくなるように、逆にスペク ルSN比が大きい場合にはその範囲が小さくな るように制御する方法がある。位相擾乱の範 囲を指示する位相制御信号32の設定方法、擾 の範囲の制御、および制御要因としては、 施の形態8での処理と同様な手法を用いるこ とが可能であり、音声符号化方法の種類、劣 化の度合いまたは使用者の好みに合わせて予 め調整すれば良い。

 位相擾乱部30は、位相制御部31が出力する 位相制御信号32に従って復号信号スペクトル2 8の位相擾乱を行い、位相擾乱スペクトル33と して出力する。なお、位相擾乱部30の代わり 、図1に示す上記実施の形態1に記載の位相 乱部15の構成を用いても同様の効果を奏する 。

 振幅平滑部12は、位相擾乱部30から入力さ れた位相擾乱スペクトル33に対して、周波数 のスペクトルの振幅成分の平滑化処理を行 、平滑化後のスペクトルを平滑化復号信号 ペクトル29として、周波数・時間変換部5に 力する。なお、この振幅平滑部12の構成、 理および平滑化制御方法などについては、 記実施の形態5と同様のものを用いることが き、各パラメータ等については、例えば、 声符号化方法の種類または信号の劣化度合 に合わせて予め調整すれば良い。

 また、振幅平滑部12は、平滑化処理後の ペクトル成分に対し、音声信号に影響が無 程度(例えば、1dBの振幅)で、例えば、Hothス クトル特性を持ったノイズ、ブラウンノイ 、あるいは白色ノイズに入力信号中の雑音 ペクトルの周波数特性(傾斜など)を付与した 雑音など、人工的に生成した擬似雑音を重畳 しても良い。

 この実施の形態9によれば、音声復号化装 置200は、音声符号化処理によって劣化した復 号信号スペクトル28に対して信号加工部4が所 定の加工処理を行うにあたり、入力信号であ る復号信号スペクトル28の周波数成分の値と 推定雑音スペクトル17の周波数成分の値に づいて、復号信号スペクトル28に含まれる劣 化成分を主観的に気にならないように位相擾 乱するようにした。そのため、従来の方法で は必要であった音声・雑音区間判定が要らな くなり、この結果、区間判定誤りによるエコ ー感や雑音感の発生無しに主観品質を改善で きる効果がある。

 また、信号加工部4が周波数領域にてスペ クトル成分毎に、きめ細やかな加工処理を行 うようにした。そのため、例えば、低域に雑 音パワーが集中するような自動車走行騒音が 混入した音声信号でも、低域の騒音の劣化感 を主観的に改善しつつ、高域の音声成分は加 工しないような劣化成分の加工処理が行える ので、更に主観品質を改善できる効果がある 。

 また、信号加工部4が、入力信号である復 号信号スペクトル28と、推定雑音スペクトル1 7の両者に基づいてスペクトル成分毎に加工 理を行うようにした。そのため、各スペク ル成分に応じた加工制御が可能となり、例 ば、ある帯域に局所的に劣化成分が生じて る信号などに対しても、主観品質を改善で る効果がある。

 また、信号加工部4の加工処理として、振 幅スペクトル成分の平滑化と、位相スペクト ル成分の擾乱を行うようにした。そのため、 劣化成分が持つ人工的な振幅成分および位相 成分に対して、それら成分の不安定な挙動を 良好に抑圧したり、擾乱を与えたりすること ができ、更に主観品質を改善できる効果があ る。

 なお、上記実施の形態9では、音声復号化 装置200が振幅平滑部12を備える構成としたが 振幅平滑部12を備えず振幅平滑化処理を省 する構成であっても構わない。

 また、上記実施の形態9では、推定雑音ス ペクトル17の推定に、音声・雑音判定部9、雑 音スペクトル更新部10を使用したが、上記実 の形態1と同様に雑音スペクトルを得る手段 はこの構成に限ったものではなく、例えば、 雑音スペクトルの更新速度を非常にゆっくり とすることで音声・雑音判定部9を省略した 、推定雑音スペクトル17の推定を復号信号27 ら行わずに、雑音のみが入力される雑音推 用の入力信号から別途分析・推定したりす 方法を取っても良い。

実施の形態10.
 上記実施の形態5~7および9では、信号加工部 4は復号信号スペクトル28を加工対象にして加 工処理を実施する構成としたが、図12に示す うに、雑音スペクトル抑圧部7が復号信号27 雑音抑圧処理を行った後で信号加工部4が信 号加工を行う構成であっても良い。図12は本 施の形態による音声復号化装置200の全体構 を示したものである。図12では、雑音抑圧 理を行うために雑音スペクトル抑圧部7を備 る構成を示すが、雑音スペクトル抑圧部7に 代えて雑音抑圧フィルタ部23および時間・周 数変換部24(図7)を備える構成にしてもよい なお、図12において図1~11と同一または相当 部分については同一の符号を付し説明を省 する。

 本実施の形態の雑音抑圧処理としては、 記実施の形態1にて述べたような雑音スペク トル抑圧部7による周波数領域での雑音抑圧 法、または上記実施の形態4にて述べたよう 雑音抑圧フィルタ部23による時間領域での 音抑圧方法を用いることができる。このと 、復号信号スペクトル28には、音声符号化処 理に伴う劣化に加えて、雑音抑圧処理に伴う 劣化が新たに加わるが、劣化度合いに応じて 、信号加工部4内の不図示の信号変形部13、振 幅平滑部12、位相制御部31の制御方法および 種パラメータを適宜調整すれば良い。

 さらに、音声復号部26の後段に接続する 理として、雑音抑圧処理を例示して説明し が、例えば、フォルマント強調や聴覚マス ング処理などのポストフィルタ処理、振幅 イナミックレンジ圧縮処理など、他の信号 工処理に置き換えることも可能である。

 この実施の形態10によれば、音声符号化 理起因以外の劣化成分を含む信号に対して 、主観的に好ましい信号に加工することが き、主観品質を改善できる効果がある。

実施の形態11.
 上記実施の形態1~10では、時間・周波数変換 部2がFFTによってスペクトル成分を算出し、 波数・時間変換部5が加工処理の実施された ペクトル成分を逆FFT処理によって時間領域 信号に戻す構成としているが、FFTの代わり バンドパスフィルタ群の各出力に対して、 工処理を実施し、帯域別信号の加算によっ 出力信号を得る構成も可能であるし、ウェ ブレット(Wavelet)変換等の変換関数を用いる とも可能である。

 この実施の形態11によれば、フーリエ変 を使用しない構成でも、実施の形態1~10にて べたのと同様の効果が得られる。

 なお、上記実施の形態1~11において、位相 擾乱部15の構成の代わりに位相擾乱部30(およ 位相制御部31)の構成を用いてもよく、また 位相擾乱部30(および位相制御部31)の構成の わりに位相擾乱部15の構成を用いてもよい

 以上のように、この発明に係る雑音抑圧 置および音声復号化装置は、音声・音響信 などの目的信号以外の雑音を抑圧すること 、音質の改善および音声認識率などの向上 行うことのできる雑音抑圧装置および音声 号化装置としたので、種々の雑音環境下で いられる、携帯電話およびインターフォン どの音声通信システム、ハンズフリー通話 ステム、テレビ会議システム、監視システ 、音声蓄積システム、音声認識システムな に用いるのに適している。