YAMAGUCHI MINORU (JP)
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JP2004300204A | 2004-10-28 | |||
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JPH09227665A | 1997-09-02 | |||
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JP2005097068A | 2005-04-14 |
単量体成分として、(a)N置換マレイミド単量体及び/又は下記一般式(1)で表される単量体、(b)ビニルトルエン、及び、(c)酸基を有する単量体を必須成分として重合してなることを特徴とする重合体。 |
更に、側鎖に重合性二重結合を有することを特徴とする請求項1記載の重合体。 |
N置換マレイミド単量体が、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、及び、N-ベンジルマレイミドからなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2記載の重合体。 |
(c)酸基を有する単量体が、アクリル酸であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の重合体。 |
本発明は、耐熱性に優れた新規な重合体に 関する。
従来から、耐熱性に優れた光重合性を有す る重合体として、例えば、マレイミドを含む 単量体成分を重合してなる重合体(例えば、 許文献1参照。)や、2-(ヒドロキシアルキル) クリル酸エステルのエーテルダイマーであ 特定構造の化合物を重合してなる重合体(例 ば、特許文献2参照。)等が提案されている
しかし、これらの重合体は、膜やフィルムの
形成工程における加熱時に熱分解し、分解ガ
スが発生することが明らかとなっている。例
えば、液晶ディスプレイやプリント配線基板
作成用の感光性樹脂としてこれらの重合体を
用いた場合、製造工程での加熱時に発生した
分解物が、加熱炉を汚染したり、分解物が液
晶や基板を汚染して電気絶縁性が低下するこ
と等があった。
また、マレイミド、スチレン、及び、酸基を
有する重合体(例えば、特許文献3参照。)等が
提案されている。しかしながら、このような
重合体は、有機溶媒やアルカリに対する溶解
速度が遅いという課題があった。したがって
、耐熱性を向上するとともに、樹脂組成物の
調製を容易にし、また、感光性樹脂として用
いる場合の現像性を向上することができる重
合体が求められるところであった。
そこで、本発明は、耐熱性に優れて加熱時 に発生するガスを低減でき、有機溶媒やアル カリに対する溶解速度が速く、しかもアルカ リ現像性に優れた重合体を提供することを目 的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく、鋭 意検討を行った。その結果、N-置換マレイミ 及び/又は2-(ヒドロキシアルキル)アクリル エステルのエーテルダイマーである特定構 の化合物、ビニルトルエン、及び、酸基を する単量体を必須成分として共重合してな ポリマーが課題を一挙に解決しうることを 出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、N-置換マレイミド及 /又は下記一般式(1)で示される化合物、ビニ ルトルエン、及び、酸基を有する単量体を必 須成分として共重合してなるポリマーである 、ことを特徴とする。
(式(1)中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基 を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基 表す。)
本発明の重合体は、耐熱性が高く加熱時の 分解ガスが少ないものであり、また、極めて 優れた塗膜を形成することができ、有機溶媒 やアルカリに対する溶解速度も速いことから 、例えば、感光性樹脂組成物、各種コーティ ング剤、塗料等の用途において好適に用いる ことができる。
本発明の重合体は、N-置換マレイミド及び/ 又は下記一般式(1)で示される化合物(以下「 ーテルダイマー」と称することもある。)、 ニルトルエン、及び、酸基を有する単量体 必須成分として共重合してなる重合体であ 。
(式(1)中、R 1
及びR 2
は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基
を有していてもよい炭素数1~25の炭化水素基
表す。)
これにより、本発明の重合体を用いた感光性
樹脂組成物は、耐熱性とともに透明性にも極
めて優れたものとなる。これは、N-置換マレ
ミドや前記エーテルダイマーを重合するこ
による主鎖の環構造、及び、ビニルトルエ
構造によって、非常に耐熱性が高まり熱分
が抑制される(耐熱分解性が向上する)ため
あると推測される。
なお、本発明者は、感光性樹脂における耐 熱性に関し、重合体中にエステル結合がある と熱分解しやすいということも見いだした。 したがって、本発明の重合体においては、構 造的にエステル結合を実質的に有さないこと が好ましい。このような重合体としては、環 構造を有する単量体及び酸基を有する単量体 に加えて、スチレンやビニルトルエン等のエ ステル結合を有さない単量体を共重合したも のが考えられる。この中で、特に、上記課題 を解決するうえで、ビニルトルエンを用いる ことが本技術分野において予期せぬ効果を奏 し、際立って優れたものとなることも見いだ した。すなわち、ビニルトルエンを用いるこ とで、有機溶媒やアルカリに対する溶解速度 が高まり、樹脂組成物の調製が容易になり、 感光性樹脂として用いる場合のアルカリ現像 性に優れた硬化塗膜を形成し得るものとなる 。
以下、前記重合体について説明する。
前記N-置換マレイミドとしては、N-メチルマ
イミド、N-イソプロピルマレイミド、N-シク
ヘキシルマレイミド等のアルキル置換マレ
ミド、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマ
レイミド等の芳香族基を有するマレイミドが
挙げられる。これらの中で、N-フェニルマレ
ミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベン
ジルマレイミドが、溶媒への溶解性、耐熱分
解性、工業的入手のし易さの点等から好まし
い。これらの中でもN-ベンジルマレイミドが
溶媒への溶解性や、加熱での着色の少なさ
点から、最も好ましい。
前記エーテルダイマーを示す前記一般式(1)中 、R 1 及びR 2 で表される置換基を有していてもよい炭素数 1~25の炭化水素基としては、特に制限はない 、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イ ソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチ 、t-アミル、ステアリル、ラウリル、2-エチ ヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル ;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル t-ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジ エニル、トリシクロデカニル、イソボルニル 、アダマンチル、2-メチル-2-アダマンチル等 脂環式基;1-メトキシエチル、1-エトキシエ ル等のアルコキシで置換されたアルキル基; ンジル等のアリール基で置換されたアルキ 基;等が挙げられる。これらの中で炭素数は 8以下が好ましく、さらに、メチル、エチル シクロヘキシル、ベンジル、2-エチルヘキシ ル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2 炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。な 、R 1 及びR 2 は、同種の置換基であってもよいし、異なる 置換基であってもよい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、 例えば、ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレ )]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オ キシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、 ジ(n-プロピル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)] ス-2-プロペノエート、ジ(イソプロピル)-2,2 -[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエー ト、ジ(n-ブチル)-2,2’-[オキシビス(メチレン) ]ビス-2-プロペノエート、ジ(イソブチル)-2,2 -[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエー ト、ジ(t-ブチル)-2,2’-[オキシビス(メチレン) ]ビス-2-プロペノエート、ジ(t-アミル)-2,2’-[ キシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート ジ(ステアリル)-2,2’-[オキシビス(メチレン) ]ビス-2-プロペノエート、ジ(ラウリル)-2,2’-[ オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート 、ジ(2-エチルヘキシル)-2,2’-[オキシビス(メ レン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(1-メトキ エチル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2- ロペノエート、ジ(1-エトキシエチル)-2,2’-[ オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート 、ジベンジル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビ ス-2-プロペノエート、ジフェニル-2,2’-[オキ シビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ シクロヘキシル-2,2’-[オキシビス(メチレン)] ビス-2-プロペノエート、ジ(t-ブチルシクロヘ キシル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2- ロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル) -2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノ エート、ジ(トリシクロデカニル)-2,2’-[オキ ビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ( イソボルニル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)] ス-2-プロペノエート、ジアダマンチル-2,2’- [オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエー 、ジ(2-メチル-2-アダマンチル)-2,2’-[オキシ ス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート等が挙 られる。これらの中でも特に、ジメチル-2,2 ’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエ ト、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)] ス-2-プロペノエート、ジシクロヘキシル-2,2 ’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエ ト、ジベンジル-2,2’-[オキシビス(メチレン )]ビス-2-プロペノエート、ジ(2―エチルヘキ ル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロ ノエートが好ましい。これらエーテルダイ ーは、1種のみであってもよいし、2種以上 あってもよい。
本発明の重合体を得る際の単量体成分中に おけるN-置換マレイミド及び/又は前記エーテ ルダイマーの割合は、特に制限されないが、 全単量体成分中2~60質量%、好ましくは5~50質量 %、さらに好ましくは5~40質量%であるのがよい 。N-置換マレイミド及び/又はエーテルダイマ ーの量が多すぎると、溶媒やアルカリへの溶 解性が低下したり、重合の際、析出又はゲル 化し易くなったりする恐れがあり、一方、少 なすぎると、耐熱性が不充分となる恐れがあ る。
前記ビニルトルエンは、o-ビニルトルエン、p
-ビニルトルエン、m-ビニルトルエンがある。
これらの中でも、工業的に入手しやすい、m-
ニルトルエン、p-ビニルトルエン、及び、m-
ビニルトルエンとp-ビニルトルエンとの混合
が好ましく、特に工業的に入手しやすい、m
-ビニルトルエンとp-ビニルトルエンとの混合
物が好適である。
前記重合体の単量体成分中におけるビニルト
ルエンの割合は、特に制限されないが、全単
量体成分中5~80質量%、好ましくは10~70質量%、
らに好ましくは15~60質量%であるのがよい。
ニルトルエンの量が多すぎると、アルカリ
対する溶解性が低下する恐れがある。また
少なすぎると、熱安定性が低下し加熱時の
解ガスの発生が多くなる恐れがある。
前記酸基を有する単量体(酸基含有単量体)の
としては、酸基と重合性二重結合を有する
量体であれば特に制限はないが、アクリル
、メタクリル酸が好ましい。特に、本発明
重合体は、ビニルトルエン単位を必須成分
して含むため疎水性が強い。その為、充分
ルカリ可溶性を発揮させるには、より親水
が強いアクリル酸が最も好ましい。
前記重合体の単量体成分中における酸基含有
単量体の割合は特に制限されないが、実質的
に、全単量体成分中5~40質量%が好ましく、8~30
質量%が更に好ましく、8~20質量%が最も好まし
い。酸基含有単量体の量が少なすぎると、ア
ルカリ可溶性が充分でなくなる恐れがある。
また、多すぎると、耐熱分解性が低下したり
、溶媒に対する溶解性が低下する恐れがある
。ここで、酸基含有単量体の実質的な割合と
は、後述する側鎖に反応性二重結合を導入す
るために、(メタ)アクリル酸グリシジル等を
応させることにより消費される量を除いた
合である。本発明においては、後述のよう
、側鎖に反応性二重結合を導入するために(
メタ)アクリル酸グリシジル等を反応させる
合がある。このような場合には、消費され
酸基含有単量体の量を予め上記の量に上乗
する必要があり、上乗せした後の酸基含有
量体の総量としては、15~60質量%が好ましく
20~55質量%が更に好ましく、20~50質量%が最も
ましい。
本発明の重合体は、上記必須の単量体単位以
外の単量体単位を有していても有していなく
てもよいが、重合体に占める上記必須の単量
体単位の合計質量割合としては、例えば、50
量%以上であることが好ましい。より好まし
くは、70質量%以上であり、更に好ましくは、
90質量%以上であり、実質的に全ての成分が必
須の単量体単位であることが最も好ましい。
本発明の重合体における単量体単位の配列形
態は、例えば、ランダム共重合体、交互共重
合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
本発明の重合体は、更に側鎖に重合性二重 結合を含むことが好ましい。側鎖に重合性二 重結合を持たせることにより、熱や光で硬化 させることができる。その為、より耐熱分解 性が向上するほか、感光性樹脂組成物とした ときの光に対する感度が向上し、より少ない 光で硬化し、かつ硬化後の機械強度も高くな る。側鎖に重合性二重結合を導入する方法と しては、前記重合体の酸基の一部に、二重結 合及び酸基と反応する官能基を持った単量体 を反応させる方法が好ましい。二重結合及び 酸基と反応する官能基を持った単量体として は、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)ア リル酸-3,4-エポキシシクロヘキシル、イソプ ロペニルオキサゾリン等が好ましく、メタク リル酸グリシジルが工業的入手性や反応性の 点から最も好ましい。なお、本明細書中、「 (メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とア リル酸の両方を表現した表記である。
側鎖に二重結合を導入する場合、二重結合の
含有量としては、二重結合当量は400~10万が好
ましく、400~1万が更に好ましく、500~3000が最
好ましい。二重結合当量が高すぎる場合、
に対する感度が低くなる恐れがあり、また
二重結合当量が低すぎる場合、保存安定性
悪くなったり、溶媒に対する溶解性が低下
る恐れがある。
重合体中の酸基の一部に(メタ)アクリル酸グ
シジル等の二重結合及び酸基と反応する官
基を持った単量体を付加する方法は、公知
方法を採用すればよく、特に制限はないが
反応温度は60℃~140℃が好ましく、また、ト
エチルアミンやジメチルベンジルアミン等
アミン化合物、塩化テトラエチルアンモニ
ム等のアンモニウム塩、臭化テトラフェニ
ホスホニウム等のホスホニウム塩、ジメチ
ホルムアミド等のアミド化合物等の公知の
媒を使用することが好ましい。
前記重合体は、上記のように実質的に全ての
成分が必須の単量体単位であることが好まし
いが、必要に応じて、他の共重合可能なモノ
マーを含んでいてもよい。
前記他の共重合可能なモノマーとしては、例
えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物;(メ
)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アク
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
リル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチル
キシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル
2-ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エ
テル類;ブタジエン、イソプレン等のブタジ
エン又は置換ブタジエン化合物;エチレン、
ロピレン、塩化ビニル、アクリロニトリル
のエチレン又は置換エチレン化合物;酢酸ビ
ル等のビニルエステル類;等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(
メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸ベンジルが、好ましい。これら共重合
可能な他のモノマーは、1種のみ用いても2種
上を併用してもよい。なお、本明細書中、
(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸と
クリル酸の両方を表現した表記である。
前記重合体を得る際の単量体成分が前記共 重合可能な他のモノマーをも含む場合、その 含有割合は特に制限されないが、重合体中50 量%以下が好ましく、30質量%以下であるのが より好ましく、10質量%以下がさらに好ましい 。特に、(メタ)アクリル酸エステル類は、耐 安定性に劣るため、加熱時にエステル構造 らのアルコール脱離が発生しやすい。その 、(メタ)アクリル酸エステルの場合は20質量 %以下が好ましく、10質量%以下が更に好まし 、実質的に含まれないことが最も好ましい 但し、(メタ)アクリル酸単位に(メタ)アクリ 酸グリシジル等を付加した単位は、加熱時 架橋するため、熱安定性の低下は少ない。 発明に限り、(メタ)アクリル酸単位に(メタ) アクリル酸グリシジルを付加した単位は、( タ)アクリル酸エステルに含まれないことと る。
前記単量体成分の重合反応の方法としては 、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法 を採用することができるが、特に、溶液重合 法によることが好ましい。なお、重合温度や 重合濃度(重合濃度(%)=[単量体成分の全重量/( 量体成分の全重量+溶媒重量)]×100とする)は 使用する単量体成分の種類や比率、目標と るポリマーの分子量によって異なるが、好 しくは、重合温度40~150℃、重合濃度20~50%と るのがよく、さらに好ましくは、重合温度6 0~130℃、重合濃度30~45%とするのがよい。
前記単量体成分の重合において溶媒を用い る場合には、溶媒として通常のラジカル重合 反応で使用される溶媒を用いるようにすれば よい。具体的には、例えば、テトラヒドロフ ラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ チルエーテル、ジエチレングリコールジメチ ルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチ エチルケトン、メチルイソブチルケトン、 クロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、 酸ブチル、プロピレングリコールモノメチ エーテルアセテート、3-メトキシブチルア テート等のエステル類;メタノール、エタノ ル、イソプロパノール、n-ブタノール、エ レングリコールモノメチルエーテル、プロ レングリコールモノメチルエーテル等のア コール類;トルエン、キシレン、エチルベン ン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム;ジ チルスルホキシド;等が挙げられる。これら 媒は、1種のみを用いても2種以上を併用し もよい。また、特に、酸基含有単量体の含 量が30質量%を越える場合には、重量体の析 を防止するために、プロピレングリコール ノメチルエーテルアセテート等のエステル 溶媒と、プロピレングリコールモノメチル ーテルやイソプロパノール等のアルコール 溶媒との混合溶媒が好ましい。なお、ここ の酸基含有単量体の含有量とは、側鎖に反 性二重結合を導入するために消費される量 上乗せしたものである。
前記単量体成分を重合する際には、必要に 応じて、通常用いられる重合開始剤を添加し てもよい。重合開始剤としては特に限定され ないが、例えば、クメンハイドロパーオキサ イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー オキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラ ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ キサイド、t-ブチルパーオキシイソプロピル ーボネート、t-アミルパーオキシ-2-エチル キサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチル ヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’-アゾ ス(イソブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シ クロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビ (2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2 -アゾビス(2-メチルプロピオネート)等のア 化合物;が挙げられる。これら重合開始剤は 1種のみを用いても2種以上を併用してもよ 。なお、開始剤の使用量は、用いる単量体 組み合わせや、反応条件、目標とするポリ ーの分子量等に応じて適宜設定すればよく 特に限定されないが、ゲル化することなく 量平均分子量が数千~数万のポリマーを得る とができる点で、全単量体成分に対して0.1~ 15質量%、より好ましくは0.5~10質量%とするの よい。
前記単量体成分を重合する際には、分子量 調整のために、必要に応じて、通常用いられ る連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤 としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン メルカプトプロピオン酸、メルカプト酢酸 メルカプト酢酸メチル等のメルカプタン系 鎖移動剤、α-メチルスチレンダイマー等が げられるが、好ましくは、連鎖移動効果が く、残存モノマーを低減でき、入手も容易 、n-ドデシルメルカプタン、メルカプトプ ピオン酸がよい。連鎖移動剤を使用する場 、その使用量は、用いる単量体の組み合わ や、反応条件、目標とするポリマーの分子 等に応じて適宜設定すればよく、特に限定 れないが、ゲル化することなく重量平均分 量が数千~数万のポリマーを得ることができ 点で、全単量体成分に対して0.1~15質量%、よ り好ましくは0.5~10質量%とするのが好ましい
本発明の重合体の重量平均分子量は、特に 制限されないが、好ましくは2000~200000、より ましくは5000~100000である。重量平均分子量 200000を超える場合、高粘度となりすぎて塗 を形成しにくくなり、一方、2000未満である 充分な耐熱性を発現しにくくなる傾向があ 。なお、重量平均分子量の測定方法は、下 実施例において示す。
前記重合体は、酸価が30~300mgKOH/gであるの 好ましく、より好ましくは50~200mgKOH/gである がよい。酸価が30mgKOH/g未満の場合、アルカ 現像に適用することが難しくなり、300mgKOH/g を超える場合、高粘度となりすぎて塗膜を形 成しにくくなる傾向がある。また、溶媒に対 する溶解性が低くなり、合成中に析出して、 攪拌が不可能となる恐れがある。
本発明の重合体は、特に熱硬化性樹脂組成 物や感光性樹脂組成物のバインダーポリマー として好適に用いられるが、特に感光性樹脂 組成物のバインダーとして用いることが好ま しい。感光性樹脂組成物のバインダーとして 用いる場合、前記重合体の他に、ラジカル重 合性化合物、光重合開始剤、溶剤の他、必要 に応じて、増感剤、顔料、顔料分散剤、界面 活性剤等を配合することが好ましい。
光重合開始剤としては、2-クロロチオキサン
ン等のチオキサントン類;アセトフェノンジ
メチルケタール、ベンジルジメチルケタール
等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾ
ェノン類;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル
]-2-モルホリノ-プロパン-1-オンや2-ベンジル-2
-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブ
タノン-1;アシルホスフィンオキサイド類及び
キサントン類等が挙げられ、これらは単独で
用いても2種類以上用いてもよい。
またその含有割合は、前記重合体に対して、
好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは0.5~30
量%である。
本発明の重合体は、必要に応じて、希釈剤と
しての溶媒を含有するものであってもよい。
前記溶媒としては、重合体を均一に溶解し、
かつ反応しないものであれば、特に制限はな
い。具体的には、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類;アセトン、メチル
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
ロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢
ブチル、プロピレングリコールモノメチル
ーテルアセテート、3-メトキシブチルアセ
ート等のエステル類;メタノール、エタノー
、イソプロパノール、n-ブタノール、エチ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピ
ングリコールモノメチルエーテル等のアル
ール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼ
等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメ
チルスルホキシド;等が挙げられる。なお、
媒の含有量は、使用する際の最適粘度に応
て適宜設定すればよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明す るが、本発明の範囲はこれらの実施例によっ て限定されるものではない。なお、特に断り のない限り、「部」は「重量部」を意味する ものとする。
以下の実施例において、各種物性等は以下の
ように測定した。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、THF(テトラヒ
ロフラン)を溶離液としてHLC-8220GPC(東ソー社
)により重量平均分子量を測定した。
<酸価>
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン70g/水30g混合溶
媒に溶解し、チモールブルーを指示薬として
0.1N KOH水溶液で滴定し、固形分の濃度から固
形分1g当たりの酸価を求めた。
実施例1
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラス
コに、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート(PGMEA)100重量部を仕込み、窒
置換した後、90℃に昇温した。他方、滴下槽
1にジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレンビス)
]-2-プロペノエート 20.0部、アクリル酸 25.0
、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー
ト 2.0部、PGMEA 80部を混合した。また、滴下
2に、ビニルトルエン(m-及びp- 60対40混合物)
55部、n-ドデシルメルカプタン 2.0部を混合し
た。反応温度を90℃に保ちながら、滴下槽1及
び2から、反応槽に4.0時間かけて等速で滴下
行った。滴下終了後、30分、90℃を保った後
t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー
0.5部を投入し、更に90℃で30分、反応を継
した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.
5時間反応を継続した。一旦室温まで冷却し
後、メタクリル酸グリシジル 19.7部、6-t-ブ
ル-2,4-キシレノール 0.10部、トリエチルア
ン 0.30部を投入し、酸素濃度7%に調整した窒
素・空気混合ガスをバブリングしながら110℃
に昇温し、2時間反応を行った。その後、115
に昇温し5時間反応させ、反応を完結させ、
温まで冷却し、重合体溶液1を得た。
得られた重合体溶液1について各種物性を測
したところ、ポリスチレンを標準物質とす
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて測定し
た重量平均分子量は16000、真空下160℃にて乾
させて得られた固形分濃度は38.1%、滴定法
より求めた固形分当たりの酸価は100mgKOH/gで
った。
重合体溶液1 100重量部、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート 30重量部、光重合
始剤としてイルガキュア907(チバガイギ社製)
3重量部、PGMEA 500重量部を混合したのち、
ラス基板上にスピンコートし、90℃で3分間
燥し、膜厚3μmの塗膜1を形成した。
塗膜1を、20℃でPGMEAに漬けて、膜が完全に溶
するまでの時間を目視にて観察したところ
膜が溶解するまでの時間は、15秒であった
塗膜1を、高圧水銀灯にて300mJ/cm 2
のUV露光を行い、更に200℃にて30分間加熱し
硬化を完結させた。得られた硬化膜を削り
り、TG-DTA法(熱重量-示差熱分析法)により230
で30分保持させた時の重量減少率は、1.1%で
った。
得られた測定結果等を表1に示す。下記表1 、実施例1~3、比較例1~3について、重合体成 の組成と、重合体溶液、塗膜、及び、硬化 の物性とを示すものである。
実施例2
表1に示すように、ジメチル-2,2‘-[オキシビ
(メチレンビス)]-2-プロペノエートの代わり
、N-ベンジルマレイミドを用いた以外は、実
施例1と同様の操作を行って塗膜及び硬化膜
作成し、物性等を測定した。
塗膜のPGMEAへの溶解時間は、14秒であった。
また、硬化膜の230℃、30分での重量減少率は
0.6%であった。
実施例3
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラス
コに、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート(PGMEA)100重量部、プロピレン
リコールモノメチルエーテル(PGME)50部を仕込
み、窒素置換した後、90℃に昇温した。他方
滴下槽1にN-ベンジルマレイミド 15.0部、ア
リル酸 37.2部、t-ブチルパーオキシ-2-エチ
ヘキサノエート 2.0部、PGMEA 56部、PGME 24部
混合した。また、滴下槽2に、ビニルトルエ
ン(m-及びp- 60対40混合物)47.8部、n-ドデシルメ
ルカプタン 3.0部を混合した。反応温度を90
に保ちながら、滴下槽1及び2から、反応槽に
4.0時間かけて等速で滴下を行った。滴下終了
後、30分90℃を保った後、t-ブチルパーオキシ
-2-エチルヘキサノエート 0.5部を投入し、更
90℃で30分、反応を継続した。その後、反応
温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続した
。一旦室温まで冷却した後、メタクリル酸グ
リシジル 50.0部、6-t-ブチル-2,4-キシレノール
0.10部、トリエチルアミン 0.30部を投入し、
酸素濃度7%に調整した窒素・空気混合ガスを
ブリングしながら110℃に昇温し、16時間反
を行い、実施例1と同様にして反応を完結さ
、室温まで冷却して、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液の重量平均分子量は13000
固形分濃度は36.1%、固形分当たりの酸価は80
mgKOH/gであった。
実施例1と同様の配合を行い、塗膜を形成し
ところ、PGMEAに膜が溶解するまでの時間は、
16秒であった。
また、硬化膜の、TG-DTA法により230℃で30分保
させた時の重量減少率は0.6%であった。
また、塗膜を、UV露光装置(Topcon社製 TME-150RNS
)にて、ライン幅15μmのラインアンドスペース
のフォトマスクを介し、50mJ/cm 2
のUV光を露光し、90℃で3分間乾燥した後、ス
ン現像機(アクテス社製 ADE-3000S)で、0.01%のK
OH水溶液で20秒間現像を行った。図1は、露光
の塗膜をアルカリ現像した後のガラス基板
状態を示す。図1において、上部にある格子
状部分(矩形パターン)がフォトマスクを介し
露光された露光部であり、その周囲がフォ
マスクによって保護された未露光部である
図1に示す通り、露光部には塗膜が硬化する
ことにより完全なパターンが形成され、未露
光部では、塗膜が溶解しており、溶け残りの
残渣は認められなかった。
また、上記と同様の工程を現像時間を30秒に
て行っても、パターンの欠損はなかった。
比較例1
表1に示すように、ビニルトルエンの代わり
、メタクリル酸ベンジルを用いた以外は、
施例1と同様の操作を行った。塗膜の溶解時
は10秒であったが、230℃,30分での重量減少
は、3.5%であった。
比較例2
表1に示すように、ビニルトルエンの代わり
、スチレンを用いた以外は、実施例1と同様
操作を行った。塗膜の溶解時間は、24秒と
実施例1よりも遅くなった。また、230℃,30分
熱での重量減少率は、1.4%であった。
比較例3
表1に示すように、ビニルトルエンの代わり
スチレンを使用した以外は実施例3と同様の
作を行った。塗膜のPGMEAへの溶解時間は30秒
と、実施例3よりも長くなった。
硬化膜の230℃30分保持での重量減少率は1.1%で
あった。
実施例3と同様の条件でアルカリ現像を行っ
。図2は、露光後の塗膜をアルカリ現像した
のガラス基板の状態を示し、図1と同様に露
光部と未露光部とが形成されている。図2に
す通り、露光部にはパターンが形成されて
るものの、未露光部では、塗膜が溶解しき
ておらず、溶け残りの現像残渣が認められ
。
また、上記と同様の工程で現像時間を30秒に
ると、未露光部の残渣はなくなったが、パ
ーンの一部に欠損が見られた。このことか
、スチレンはビニルトルエンと比較して、
像時間の許容幅、すなわち現像マージンが
常に狭く、アルカリ現像性に劣ることがわ
る。
上述した実施例及び比較例から、本発明の重
合体は、重量減少率が小さく耐熱分解性に優
れ、溶媒溶解性やアルカリ現像性にも優れる
ことがわかる。
本発明の重合体においては、それを形成する
単量体成分として、重合体中において環構造
を有することになる単量体及び酸基を有する
単量体に加えて、ビニルトルエンを用いると
ころに本質的な技術的特徴がある。
N置換マレイミド単量体及び/又は上記一般式(
1)で表されるエーテルダイマー系単量体が環
造を形成し、そのような構造によって重合
の耐熱性が発現することが本発明の一つの
徴である。上記実施例において用いられた
量体は上記単量体群の一例であり、N置換マ
レイミド単量体及び/又はエーテルダイマー
単量体と呼ばれる範疇の単量体であれば本
明の効果が発現することは、上記したよう
それらの化学構造から明らかである。
また重合体を形成する単量体成分として上記
3成分を用いることにより構造的にエステル
合を実質的に有さないようにすることがで
、それによって耐熱性が向上することにな
。本発明においては、スチレンやビニルト
エン等のエステル結合を有さない単量体の
でも、ビニルトルエンを用いるところに本
的特徴があり、このことは上記実施例・比
例によって立証されている。
なお、上記実施例においては、上記3成分の
合について、本明細書中に記載された好ま
い範囲内において本発明が有利な効果を奏
ることも立証されている。
液晶ディスプレイ、プリント配線基板等の 感光性樹脂組成物のバインダーポリマー、熱 硬化性樹脂、各種コーティング材料として有 用である。