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Title:
NOVEL PYRIMIDINE COMPOUND HAVING BENZYL(HETEROCYCLICMETHYL)AMINE STRUCTURE AND PHARMACEUTICAL PRODUCT CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111604
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound represented by the general formula (I) below, which exhibits a strong cholesterol ester transfer protein (CETP) inhibitory activity. (In the formula below, R1, R2, R3, R4 and R5 represent a hydrogen atom, a halogen atom, a lower alkyl group or the like; R6 represents an alkyl group, a cycloalkyl group or the like; R7 and R8 represent a hydrogen atom, a lower alkyl group, a lower cycloalkyl-lower alkyl group or the like; R9 represents a hydrogen atom, a halogen atom, a lower alkoxy group or the like; R10 and R11 representa hydrogen atom, a lower alkyl group, a lower alkoxy group, a halogenated lower alkyl group or the like; and A represents a heterocyclic ring composed of 6-10 atoms.)

Inventors:
OHGIYA TADAAKI (JP)
MIURA TORU (JP)
OKUDA AYUMU (JP)
ARAI TOSHIHARU (JP)
YAMAZAKI KOICHI (JP)
AOKI TARO (JP)
MIYOSAWA KATSUTOSHI (JP)
SHIBATA HARUKI (JP)
SHIBUYA KIMIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054459
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOWA CO (JP)
International Classes:
C07D401/12; A61K31/506; A61P3/06; A61P9/10; A61P9/12; A61P43/00; C07D403/12; C07D471/04
Domestic Patent References:
WO2006073973A22006-07-13
WO2008018529A12008-02-14
WO2007073934A12007-07-05
WO2007041494A22007-04-12
WO2006098394A12006-09-21
WO2000017164A12000-03-30
WO2000017165A12000-03-30
WO2000017166A12000-03-30
WO2003063868A12003-08-07
WO2005095395A22005-10-13
WO2004020393A12004-03-11
WO2006056854A12006-06-01
WO2006073973A22006-07-13
WO1997019078A11997-05-29
Foreign References:
JPH1149743A1999-02-23
JP2003221376A2003-08-05
USPP89453407P2007-03-13
Other References:
CIRCULATION, vol. 105, no. 18, 2002, pages 2159 - 2165
PROGRESS IN MEDICINE, vol. 5, 1985, pages 2157 - 2161
HIROKAWA SHOTEN: "Development of Drugs", MOLECULAR DESIGNS, vol. 7, 1990, pages 163 - 198
"Protective Groups in Organic Synthesis", JOHN WILEY & SONS, INC.
ORGANIC & BIOMOLECULAR CHEMISTRY, vol. 1, no. 16, 2003, pages 2865 - 2876
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-Nisshoku Bldg. 8-7, Kyobashi1-chome, Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
下記の一般式(I):
(式中、
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ハロ低級アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、又は低級アルコキシカルボニル基を示し、
R 6 は、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロアルキル基、又は低級シクロアルキル低級アルキル基を示し、
R 7 、及びR 8 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、置換基を有してもよい低級シクロアルキル低級アルキル基、アリール基、置換基を有してもよいアリール低級アルキル基、若しくは低級シクロアルキル基を示すか、又はR 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともに置換基を有してもよい含窒素飽和複素環を形成してもよく、
R 9 は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ低級アルコキシ基、低級アルキルスルフィニル低級アルコキシ基、低級アルキルスルホニル低級アルコキシ基、置換基を有してもよいアリール低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ基、低級ジアルキルアミノ基、低級アルキルチオ低級アルキルアミノ基、低級アルキルスルフィニル低級アルキルアミノ基、低級アルキルスルホニル低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、環構成原子にヘテロ原子を有してもよい環状アミノ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキルアミノ基、アシルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシカルボニル低級アルコキシ基、アミノ低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ低級アルコキシ基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコキシ基を示し、
R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級シクロアルキル低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ハロ低級アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、又は低級アルコキシカルボニル基を示し、
は、環構成原子が6~10個であり、環構成原子の少なくとも一つが窒素原子である単環性又は二環性の複素環を示し、
さらに一般式(I)は個々の鏡像異性体、及びその混合物の両方を示す。)
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 1 -C 6 アルコキシ基、ハロC 1 -C 6 アルコキシ基、又はシアノ基であり、
R 6 が、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 3 -C 8 シクロアルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であり、
R 7 、及びR 8 が、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、シクロアルキル環上に置換基としてヒドロキシカルボニルC 1 -C 6 アルキル基を有してもよいC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基、若しくはアリール環上に置換基としてC 1 -C 6 アルコキシ基を有してもよいC 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルキル基を示すか、又はR 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともにピロリジニル基を形成するものであり、
R 9 が、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基(当該C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基のアリール環上に置換基としてハロゲン原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基を有してもよい)、モルホリニル基、又はピペリジニル基であり、
R 10 、及びR 11 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であり、
が、
である請求項1に記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基であり、
R 6 が、C 1 -C 6 アルキル基であり、
R 7 、及びR 8 が、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であり、
R 9 が、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、又はC 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基であり、
R 10 、及びR 11 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であり、
である請求項1に記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
一般式(I)で表される化合物が、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルフィニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-アミン、
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン、
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル}メチル){5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル}メチル){5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン、又は
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン
である、請求項1に記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含む医薬。
高脂血症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、異常脂血症、高LDL血症、低HDL血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心臓血管障害、狭心症、虚血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、再灌流障害、血管形成性再狭窄、又は高血圧の疾患の治療及び/又は予防剤である請求項5に記載の医薬。
請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含むCETP阻害剤。
請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含むHDL上昇剤。
請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物、及び製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする、高脂血症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、異常脂血症、高LDL血症、低HDL血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心臓血管障害、狭心症、虚血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、再灌流障害、血管形成性再狭窄、又は高血圧の疾患の治療及び/又は予防方法。
高脂血症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、異常脂血症、高LDL血症、低HDL血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心臓血管障害、狭心症、虚血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、再灌流障害、血管形成性再狭窄、又は高血圧の治療及び/又は予防のための医薬を製造するための、請求項1~4のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の使用。
Description:
新規なベンジル(ヘテロサイクリ ックメチル)アミン構造を有するピリミジン 合物及びこれを含有する医薬

 本発明は、コレステロールエステル転送 ンパク(CETP)阻害活性を有する新規なベンジ (ヘテロサイクリックメチル)アミン構造を するピリミジン化合物及びこれを含有する 薬に関する。

 近年、生活水準の向上に伴う高カロリー 高コレステロール型食への変化、肥満、運 不足、高齢化等により高脂血症およびこれ 起因する動脈硬化性疾患が急増している。 比重リポタンパク質(LDL)コレステロール値 よびトリグリセリド値が心疾患の発症率に 相関することから、これまでの高脂血症お び動脈硬化症の薬物治療は血中脂質を低下 せることに重点が置かれてきた。一方、血 中の高比重リポタンパク質(HDL)コレステロー ル値と虚血性心疾患の発症は逆相関すること が、これまでの数多くの研究によって明らか にされており、低HDL血症は動脈硬化の危険因 子の一つとして考えられている。しかしなが らHDL値を選択的かつ顕著に上昇させる薬剤は 現時点において存在せず、その開発が期待さ れている。

 コレステロールエステル転送タンパク(CET P)は、コレステロールエステルをHDLコレステ ールからLDLコレステロールや超低比重リポ ンパク質(VLDL)コレステロール等に転送する めて疎水性の高いタンパクであり、CETPによ る転送を阻害することによりHDLコレステロー ルを増加させることが可能である。

 ナイアシンも有意にHDLコレステロールを 加させるが、ほてり、めまい、動悸などコ プライアンスを減少させる重大な耐性問題 有する。フィブラートやHMG-CoA還元酵素阻害 剤はHDLコレステロール値を僅かだけ上昇させ る(10~12%)が、血漿HDLコレステロール濃度を大 く高め、アテローム性動脈硬化の進行を遅 せるという医学的要求に十分に対処されて ない。これに対しCETP阻害剤によるHDLコレス テロール値の上昇は強力であり、フィブラー トやHMG-CoA還元酵素阻害剤では凌駕できない 脈硬化病巣の退縮が期待でき、従来にはな 動脈硬化もしくは高脂血症の予防または治 剤の供給が可能と考えられる。また、CETP阻 剤はHMG-CoA還元酵素阻害剤とは異なる機序で HDLコレステロールの増加とLDLコレステロール やVLDLコレステロール値の低下をもたらすこ から、CETP阻害剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤の併 用による相乗効果も期待される。

 CETPはヒトでは主に肝臓および小腸で産生 され、小腸に発現しているCETPが脂質吸収に 与していることが考えられる。小腸のCETPを 害することによる脂質吸収抑制効果を目的 した報告もなされている(特許文献1)。

 これまでに、CETP活性の阻害を目的とした 化合物の報告が幾つかなされている。例えば 、CETPのシステイン残基との反応によりジス フィド結合を形成しCETP活性を阻害するチオ ル誘導体が開示されている(特許文献2、非 許文献1)。しかしながら、チオール誘導体は 作用発現のためには大量投与が必要であり、 他のタンパクとのジスルフィド結合形成によ る副作用も懸念される。また、本発明の化合 物を示唆する記載も無い。

 チオール誘導体とは作用機作の異なるCETP 阻害剤としてテトラヒドロキノリン誘導体が 開示されている(特許文献3~5)。しかしながら これらは高脂溶性化合物であり、その水溶 の低さによる経口吸収性の低さから、薬効 現に十分な血中濃度を得るには製剤的工夫 必要としている(特許文献6)。また、本発明 化合物を示唆する記載も無い。

 他にもCETP阻害活性を示す化合物としてテ トラヒドロナフチリジン誘導体、ジベンジル アミン誘導体等も開示されている(特許文献7~ 9)。しかしながら、上記テトラヒドロキノリ 誘導体と同様に非常に高脂溶性化合物であ 。また、本発明の化合物を示唆する記載も い。

 さらに、ベンジル(ヘテロサイクリックメチ ル)アミン構造を有する化合物も開示されて る(特許文献10)。しかしながら、本発明のベ ジル(ヘテロサイクリックメチル)アミン構 を有するピリミジン化合物と異なりベンジ 位の炭素原子に低級アルキル基等の置換基 有するものでなく、また、本発明の化合物 示唆する記載も無い。さらに、後述する試 例に具体的に示されている通り、十分なCETP 害活性が得られるものではなかった。

国際公開第2006/098394号パンフレット

日本国公開特許公報平11-49743号公報

国際公開第2000/17164号パンフレット

国際公開第2000/17165号パンフレット

国際公開第2000/17166号パンフレット

国際公開第2003/63868号パンフレット

国際公開第2005/095395号パンフレット

国際公開第2004/020393号パンフレット

国際公開第2006/056854号パンフレット

国際公開第 2006/073973号パンフレット Circulation 105(18), 2159-2165 (2002)

 従って、本発明の課題は、CETPに対し強い 阻害活性を示す新規な化合物の創製にある。

 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭 研究を続けた結果、一般式(I):
(式中、
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級ア ルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アル コキシ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、低 級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニ ル基、低級アルキルスルホニル基、低級アル キルスルホニルアミノ基、ハロ低級アルキル スルホニルアミノ基、アリールスルホニルア ミノ基、置換基を有してもよいアミノ基、カ ルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、 又は低級アルコキシカルボニル基を示し、
R 6 は、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、 低級シクロアルキル基、又は低級シクロアル キル低級アルキル基を示し、
R 7 、及びR 8 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 低級アルキル基、置換基を有してもよい低級 シクロアルキル低級アルキル基、アリール基 、置換基を有してもよいアリール低級アルキ ル基、若しくは低級シクロアルキル基を示す か、又はR 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともに置 換基を有してもよい含窒素飽和複素環を形成 してもよく、
R 9 は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキ シ基、低級アルキルチオ低級アルコキシ基、 低級アルキルスルフィニル低級アルコキシ基 、低級アルキルスルホニル低級アルコキシ基 、置換基を有してもよいアリール低級アルコ キシ基、低級アルキルアミノ基、低級ジアル キルアミノ基、低級アルキルチオ低級アルキ ルアミノ基、低級アルキルスルフィニル低級 アルキルアミノ基、低級アルキルスルホニル 低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、 環構成原子にヘテロ原子を有してもよい環状 アミノ基、低級アルコキシ低級アルコキシ基 、低級アルコキシ低級アルキルアミノ基、ヒ ドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級 アルキルアミノ基、アシルアミノ基、低級ア ルキルスルホニルアミノ基、ヒドロキシカル ボニル低級アルコキシ基、アミノ低級アルコ キシ基、低級アルキルアミノ低級アルコキシ 基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコキ シ基を示し、
R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 ハロゲン原子、低級アルキル基、低級シクロ アルキル基、低級シクロアルキル低級アルキ ル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ 基、ハロ低級アルコキシ基、低級アルコキシ 低級アルコキシ基、水酸基、シアノ基、ニト ロ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルス ルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、 低級アルキルスルホニルアミノ基、ハロ低級 アルキルスルホニルアミノ基、アリールスル ホニルアミノ基、置換基を有してもよいアミ ノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボ ニル基、又は低級アルコキシカルボニル基を 示し、
は、環構成原子が6~10個であり、環構成原子 少なくとも一つが窒素原子である単環性又 二環性の複素環を示し、
さらに一般式(I)は個々の鏡像異性体、及びそ の混合物の両方を示す。)
で表される化合物、若しくはその塩、又はそ れらの溶媒和物が優れたCETP阻害活性を有す ことを見出し、本発明を完成した。

 すなわち本発明は、前記一般式(I)で表され 化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶 和物を提供するものである。
 また本発明は、前記一般式(I)で表される化 物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和 を有効成分として含む医薬、好適には高脂 症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症 末梢血管疾患、異常脂血症、高LDL血症、低H DL血症、高コレステロール血症、高トリグリ リド血症、家族性高コレステロール血症、 臓血管障害、狭心症、虚血、心虚血、血栓 、心筋梗塞、再灌流障害、血管形成性再狭 、又は高血圧等の疾患の治療及び/又は予防 のための医薬を提供するものである。

 さらに、本発明は、前記一般式(I)で表され 化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶 和物を有効成分として含むCETP阻害剤、及び HDL上昇剤を提供するものである。
 さらに、本発明は、前記一般式(I)で表され 化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶 和物、及び製薬上許容される担体を含む医 組成物を提供するものである。

 さらに、本発明は、高脂血症、動脈硬化 、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患 異常脂血症、高LDL血症、低HDL血症、高コレ テロール血症、高トリグリセリド血症、家 性高コレステロール血症、心臓血管障害、 心症、虚血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、 灌流障害、血管形成性再狭窄、又は高血圧 の疾患の治療及び/又は予防方法であって、 前記一般式(I)で表される化合物、若しくはそ の塩、又はそれらの溶媒和物の有効量をヒト を含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法 を提供するものである。また、本発明は、ヒ トを含む哺乳類動物の生体内においてCETPを 害する方法であって、前記一般式(I)で表さ る化合物、若しくはその塩、又はそれらの 媒和物の有効量をヒトを含む哺乳類動物に 与する工程を含む方法を提供するものであ 。また、本発明は、ヒトを含む哺乳類動物 生体内において血中HDLコレステロール値を 昇する方法であって、前記一般式(I)で表さ る化合物、若しくはその塩、又はそれらの 媒和物の有効量をヒトを含む哺乳類動物に 与する工程を含む方法を提供するものであ 。

 さらに、本発明は、高脂血症、動脈硬化 、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患 異常脂血症、高LDL血症、低HDL血症、高コレ テロール血症、高トリグリセリド血症、家 性高コレステロール血症、心臓血管障害、 心症、虚血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、 灌流障害、血管形成性再狭窄、又は高血圧 の疾患の治療及び/又は予防のための製剤を 製造するための、前記一般式(I)で表される化 合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和 物の使用を提供するものである。

 さらに、本発明は、(a)前記一般式(I)で表 れる化合物、若しくはその塩、又はそれら 溶媒和物、及び(b)HMG-CoA還元酵素阻害薬の組 み合わせを含む医薬、より好適には、高脂血 症、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、 末梢血管疾患、異常脂血症、高LDL血症、低HDL 血症、高コレステロール血症、高トリグリセ リド血症、家族性高コレステロール血症、心 臓血管障害、狭心症、虚血、心虚血、血栓症 、心筋梗塞、再灌流障害、血管形成性再狭窄 、又は高血圧等の疾患の治療及び/又は予防 ための医薬を提供するものである。

 さらに、本発明は、(a)前記一般式(I)で表 れる化合物、若しくはその塩、又はそれら 溶媒和物、及び(b)HMG-CoA還元酵素阻害薬を含 有する組合せ医薬組成物を提供するものであ る。

 本発明の前記一般式(I)で表される化合物 若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物は 後述する試験例に具体的に開示されている り、CETPに対し強い阻害活性を示し、CETP阻 剤の有効成分として、さらにはHDL上昇剤の 効成分として好適に使用できる。さらに、CE TP阻害活性により、医薬の有効成分として、 り具体的には高脂血症、動脈硬化症、アテ ーム性動脈硬化症、末梢血管疾患、異常脂 症、高LDL血症、低HDL血症、高コレステロー 血症、高トリグリセリド血症、家族性高コ ステロール血症、心臓血管障害、狭心症、 血、心虚血、血栓症、心筋梗塞、再灌流障 、血管形成性再狭窄、又は高血圧等の疾患 治療及び/又は予防のための医薬の有効成分 として好適に使用できる。さらに、CYP阻害作 用の低い上記医薬の有効成分としても好適に 使用できる。

 本発明における低級アルキル基、ハロ低級 ルキル基、低級シクロアルキル低級アルキ 基、アリール低級アルキル基、ヒドロキシ ルボニル低級アルキル基、低級アルコキシ ルボニル低級アルキル基における低級アル ル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~6 もの(C 1 -C 6 アルキルと表記する)、例えば、メチル基、 チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n- チル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペン チル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロ ピル基等が挙げられる。

 本発明における低級アルコキシ基、ハロ低 アルコキシ基、低級アルキルチオ低級アル キシ基、低級アルキルスルフィニル低級ア コキシ基、低級アルキルスルホニル低級ア コキシ基、アリール低級アルコキシ基、低 アルコキシ低級アルコキシ基、低級アルコ シ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級 ルコキシ基、ヒドロキシカルボニル低級ア コキシ基、アミノ低級アルコキシ基、低級 ルキルアミノ低級アルコキシ基、低級ジア キルアミノ低級アルコキシ基における低級 ルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖の炭 数1~6のもの(C 1 -C 6 アルコキシと表記する)、例えば、メトキシ 、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ キシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t- トキシ基、n-ペンチルオキシ基、2-メチルブ キシ基、2,2-ジメチルプロポキシ基等が挙げ られる。

 本発明における低級アルキルチオ基、低級 ルキルチオ低級アルコキシ基、低級アルキ チオ低級アルキルアミノ基における低級ア キルチオ基としては、直鎖又は分岐鎖の炭 数1~6のもの(C 1 -C 6 アルキルチオと表記する)、例えば、メチル オ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イ ソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブ ルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ 基、2-メチルブチルチオ基、2,2-ジメチルプロ ピルチオ基等が挙げられる。

 本発明における、低級アルキルスルフィニ 基、低級アルキルスルフィニル低級アルコ シ基、低級アルキルスルフィニル低級アル ルアミノ基における低級アルキルスルフィ ル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~6 もの(C 1 -C 6 アルキルスルフィニルと表記する)、例えば メチルスルフィニル基、エチルスルフィニ 基、n-プロピルスルフィニル基、イソプロピ ルスルフィニル基、n-ブチルスルフィニル基 イソブチルスルフィニル基、t-ブチルスル ィニル基、n-ペンチルスルフィニル基、2-メ ルブチルスルフィニル基、2,2-ジメチルプロ ピルスルフィニル基等が挙げられる。

 本発明における、低級アルキルスルホニル 、低級アルキルスルホニル低級アルコキシ 、低級アルキルスルホニル低級アルキルア ノ基における低級アルキルスルホニル基と ては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~6のもの(C 1 -C 6 アルキルスルホニルと表記する)、例えば、 チルスルホニル基、エチルスルホニル基、n- プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホ ニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチル ルホニル基、t-ブチルスルホニル基、n-ペン チルスルホニル基、2-メチルブチルスルホニ 基、2,2-ジメチルプロピルスルホニル基等が 挙げられる。

 本発明における、低級アルキルカルボニル としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数2~6のも (C 2 -C 6 アルキルカルボニルと表記する)、例えば、 チルカルボニル基、エチルカルボニル基、n- プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボ ニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチル ルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペン チルカルボニル基、2-メチルブチルカルボニ 基、2,2-ジメチルプロピルカルボニル基等が 挙げられる。

 本発明における、低級アルコキシカルボニ 基、低級アルコキシカルボニル低級アルキ 基における低級アルコキシカルボニル基と ては、直鎖又は分岐鎖の炭素数2~6のもの(C 2 -C 6 アルコキシカルボニルと表記する)、例えば メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ 基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポ キシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基 イソブトキシカルボニル基、t-ブトキシカ ボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、 2-メチルブトキシカルボニル基、2,2-ジメチル プロポキシカルボニル基等が挙げられる。

 本発明における、アシルアミノ基としては 直鎖又は分岐鎖の炭素数2~6のもの(C 2 -C 6 アシルアミノと表記する)、例えば、アセチ アミノ基、n-プロピオニルアミノ基、イソプ ロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イ ソブチリルアミノ基、t-ブチリルアミノ基、n -ペンタノイルアミノ基、2-メチルブチリルア ミノ基、2,2-ジメチルプロピオニルアミノ基 が挙げられる。

 本発明における、低級アルキルアミノ基、 級アルキルチオ低級アルキルアミノ基、低 アルキルスルフィニル低級アルキルアミノ 、低級アルキルスルホニル低級アルキルア ノ基、低級アルコキシ低級アルキルアミノ 、ヒドロキシ低級アルキルアミノ基、低級 ルキルアミノ低級アルコキシ基における低 アルキルアミノ基としては、直鎖又は分岐 の炭素数1~6のもの(C 1 -C 6 アルキルアミノと表記する)、例えば、メチ アミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミ ノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミ 基、イソブチルアミノ基、t-ブチルアミノ 、n-ペンチルアミノ基、2-メチルブチルアミ 基、2,2-ジメチルプロピルアミノ基等が挙げ られる。

 本発明における、低級ジアルキルアミノ基 低級ジアルキルアミノ低級アルコキシ基に ける低級ジアルキルアミノ基としては、そ ぞれ同一又は異なる直鎖又は分岐鎖の炭素 1~6のアルキル基が2個置換したアミノ基(ジC 1 -C 6 アルキルアミノと表記する)、例えば、(メチ )(エチル)アミノ基、(n-プロピル)(イソプロ ル)アミノ基、(n-ブチル)(イソブチル)アミノ 、(t-ブチル)(n-ペンチル)アミノ基、(2-メチ ブチル)(2,2-ジメチルプロピル)アミノ基等が げられる。

 本発明における、低級アルキルスルホニル ミノ基、ハロ低級アルキルスルホニルアミ 基における低級アルキルスルホニルアミノ としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1~6のも (C 1 -C 6 アルキルスルホニルアミノと表記する)、例 ば、メチルスルホニルアミノ基、エチルス ホニルアミノ基、n-プロピルスルホニルアミ ノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n- チルスルホニルアミノ基、イソブチルスル ニルアミノ基、t-ブチルスルホニルアミノ 、n-ペンチルスルホニルアミノ基、2-メチル チルスルホニルアミノ基、2,2-ジメチルプロ ピルスルホニルアミノ基等が挙げられる。

 本発明における、低級シクロアルキル基、 級シクロアルキル低級アルキル基における 級シクロアルキル基としては、環状の炭素 3~8のもの(C 3 -C 8 シクロアルキルと表記する)、例えば、シク プロピル基、シクロブチル基、シクロペン ル基、シクロへキシル基等が挙げられる。

 本発明における、アリール基、アリール低 アルキル基、アリール低級アルコキシ基、 リールアミノ基、アリールスルホニルアミ 基におけるアリール基としては、炭素数6~10 のもの(C 6 -C 10 アリールと表記する)、例えば、フェニル基 ナフチル基等が挙げられる。
 本発明における、ハロゲン原子、ハロ低級 ルキル基、ハロ低級アルコキシ基における ロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原 、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。

 一般式(I)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 におけるハロ低級アルキル基としては例えば 、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロ エチル基、ペンタフルオロエチル基等のハロ ゲン原子が1~5個置換した低級アルキル基等が 挙げられ、トリフルオロメチル基が好ましい 。また、ハロ低級アルコキシ基としては、例 えば、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフ ルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ 基等のハロゲン原子が1~5個置換した低級アル コキシ基が挙げられる。

 一般式(I)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 における、置換基を有してもよいアミノ基に おける置換基としては例えば、低級アルキル 基、ハロ低級アルキル基、アリール基等が挙 げられる。これらの置換基を1~2個有していて もよい。

 一般式(I)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 としては、それぞれ同一又は異なって、水素 原子、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 1 -C 6 アルコキシ基、ハロC 1 -C 6 アルコキシ基、又はシアノ基であることが好 ましく、水素原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基であることがより 好ましく、R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、R 2 、及びR 4 が、それぞれ同一又は異なって、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基であることが特に 好ましい。

 一般式(I)中、R 6 における低級アルキル基としては例えば、メ チル基、エチル基等が挙げられる。R 6 における低級アルキル基としては、直鎖又は 分岐鎖の炭素数1~4のアルキル基がより好まし く、メチル基、又はエチル基がさらに好まし く、メチル基が特に好ましい。

 一般式(I)中、R 6 におけるハロ低級アルキル基としては例えば 、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル 基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオ ロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のハ ロゲン原子が1~5個置換した低級アルキル基等 が挙げられる。
 一般式(I)中、R 6 における低級シクロアルキル基としては例え ば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シ クロペンチル基等が挙げられる。

 一般式(I)中、R 6 における低級シクロアルキル低級アルキル基 としては例えば、シクロプロピルメチル基、 シクロペンチルメチル基等が挙げられる。
 一般式(I)中、R 6 としては、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 3 -C 8 シクロアルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であることが好ましく、C 1 -C 6 アルキル基であることがより好ましく、メチ ル基、又はエチル基であるのがさらに好まし く、メチル基であることが特に好ましい。

 一般式(I)中、R 7 、及びR 8 における低級アルキル基としては例えば、エ チル基、n-プロピル基等が挙げられ、エチル が好ましい。
 一般式(I)中、R 7 、及びR 8 における低級シクロアルキル低級アルキル基 としては例えば、シクロプロピルメチル基、 シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチ ル基、シクロへキシルメチル基、シクロプロ ピルエチル基、シクロブチルエチル基、シク ロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル 基等のC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基等が挙げられ、シクロプロピルメ チル基、シクロペンチルメチル基、シクロへ キシルメチル基が好ましい。

  一般式(I)中、R 7 、及びR 8 における、置換基を有してもよい低級シクロ アルキル低級アルキル基における置換基とし ては例えば、低級アルキル基、ハロ低級アル キル基、ヒドロキシカルボニル基、低級アル コキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル 低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル 低級アルキル基等が挙げられる。また、これ らの置換基の置換位置は特に限定されないが 、本発明においては、低級シクロアルキル低 級アルキル基の低級アルキル基上に置換する のが好ましい。このような基としては、シク ロアルキル基上に置換基としてヒドロキシカ ルボニルC 1 -C 6 アルキル基を有しても良いC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基、例えば4-ヒドロキシカルボニル チルシクロヘキシルメチル基等が挙げられ 。

 一般式(I)中、R 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともに形 成する含窒素飽和複素環としては例えば、ピ ロリジノ基、ピペリジノ基、ホモピペリジノ 基、モルホリノ基、N-低級アルキルピペラジ 基等が挙げられる。R 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともに形 成する含窒素飽和複素環は置換基を有してい てもよく、置換基としては例えば、低級アル キル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロア ルキル基等が挙げられる。

 一般式(I)中、R 7 、及びR 8 における、置換基を有してもよいアリール低 級アルキル基における置換基としては例えば 、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級 アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ低級ア ルコキシ基、又はシアノ基等が挙げられる。 また、これらの置換基の置換位置は特に限定 されないが、本発明においては、アリール低 級アルキル基のアリール環上に置換すること が好ましい。このような基としては、フェニ ル基上に置換基としてC 1 -C 6 アルコキシ基を有してもよいフェニルC 1 -C 6 アルキル基、例えば、4-メトキシベンジル基 が挙げられる。

 一般式(I)中R 7 、及びR 8 としては、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、シクロアルキル基上に置換基と してヒドロキシカルボニルC 1 -C 6 アルキル基を有してもよいC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基、若しくはアリール環上に置換基 としてC 1 -C 6 アルコキシ基を有してもよいC 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルキル基であるか、又はR 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともにピ ロリジノ基を形成するものであることが好ま しく、C 1 -C 6 アルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であることがより好ましく、エチ ル基、又はシクロペンチルメチル基であるこ とが特に好ましい。

 一般式(I)中、R 9 における低級アルキルチオ低級アルコキシ基 としては例えば、メチルチオメトキシ基、2- チルチオエトキシ基、3-メチルチオプロポ シ基等のC 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基等が挙げられ、2-メチルチオエ キシ基が好ましい。

 一般式(I)中、R 9 における低級アルキルスルフィニル低級アル コキシ基としては例えば、メチルスルフィニ ルメトキシ基、2-メチルスルフィニルエトキ 基、3-メチルスルフィニルプロポキシ基等 C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基等が挙げられ、2-メチルスルフ ニルエトキシ基が好ましい。

 一般式(I)中、R 9 における低級アルキルスルホニル低級アルコ キシ基としては例えば、メチルスルホニルメ トキシ基、2-メチルスルホニルエトキシ基、3 -メチルスルホニルプロポキシ基等のC 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基等が挙げられ、2-メチルスルホ ルエトキシ基が好ましい。

 一般式(I)中、R 9 における構成原子にヘテロ原子を有してもよ い環状アミノ基としては例えば、ピロリジニ ル基、モルホリニル基、ピペリジニル基等が 挙げられ、モルホリノ基、ピペリジノ基が好 ましい。

 一般式(I)中、R 9 における置換基を有してもよいアリール低級 アルコキシ基における置換基としては例えば 、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級 アルキル基、シアノ基等が挙げられる。また 、これらの置換基の置換位置は特に限定され ないが、本発明においては、アリール低級ア ルコキシ基のアリール環上に置換することが 好ましい。このような基としては、フェニル 基上に置換基としてハロゲン原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基を有してもよいフ ェニルC 1 -C 6 アルコキシ基、例えば、3,5-ビス(トリフルオ メチル)ベンジル基、3-シアノ-5-トリフルオ メチルベンジルオキシ基、2,3-ジフルオロベ ンジルオキシ基等が挙げられる。

 一般式(I)中、R 9 としては、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基(当該C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基のアリール環上に置換基として ハロゲン原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基を有してもよい) モルホリニル基、又はピペリジニル基であ ことが好ましく、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、又はC 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基であることがより好ましく、2- チルチオエトキシ基、2-メチルスルフィニ エトキシ基、又は2-メチルスルホニルエトキ シ基であることが特に好ましい。

 一般式(I)中、R 10 、及びR 11 における低級アルキル基としては例えば、メ チル基、エチル基等が挙げられる。
 一般式(I)中、R 10 、及びR 11 におけるハロ低級アルキル基としては例えば 、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
 一般式(I)中、R 10 、及びR 11 における低級アルコキシ基としては例えば、 メトキシ基等が挙げられる。

 一般式(I)中R 10 、及びR 11 における置換基を有してもよいアミノ基にお ける置換基としては例えば、低級アルキル基 、ハロ低級アルキル基、アリール基等が挙げ られる。
 一般式(I)中、R 10 、及びR 11 としては、それぞれ同一又は異なって、水素 原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、ハロゲン原子、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であることが好ましく、水素原 子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であることがより好ましく、水 素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロ メチル基、又はメトキシ基であることが特に 好ましい。

 一般式(I)中、
で表される、環構成原子が6~10個であり、環 成原子の少なくとも一つが窒素原子である 環性の複素環は、少なくとも1つの不飽和結 を有していればよく、芳香族性を有する単 性の複素環も芳香族性を有しない単環性の 素環も含まれるが、芳香族性を有する単環 の複素環が好ましい。また、環構成原子と ては、少なくとも一つ窒素原子を有してい ばよく、さらに他に窒素原子、酸素原子、 黄原子等のヘテロ原子を複数有していても い。こうした単環性の複素環としては例え 、
等が挙げられる。

 一般式(I)中、
で表される、環構成原子が6~10個であり、環 成原子の少なくとも一つが窒素原子である 環性の複素環は、少なくとも1つの不飽和結 を有していればよく、芳香族性を有する二 性の複素環も芳香族性を有しない二環性の 素環も含まれるが、縮合する二個の環のう 少なくとも一方が芳香族性を有する環であ のが好ましい。また、環構成原子としては 少なくとも一つ窒素原子を有していればよ 、さらに他に窒素原子、酸素原子、硫黄原 等のヘテロ原子を複数有していてもよい。 うした二環性の複素環としては例えば、
等が挙げられる。

 上記一般式(I)中、
としては、
が好ましく、
がより好ましい。

 一般式(I)中、R 10 、及びR 11
上の結合位置は、特に限定されるものではな いが、例えば
(この場合において、R 10 、及びR 11 は上記と同様であるが、R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 又はC 1 -C 6 アルキル基であることが好ましく、R 10 は、水素原子、又はC 1 -C 6 アルキル基であり、R 11 は、C 1 -C 6 アルキル基であるのがより好ましい。)、
(この場合において、R 10 、及びR 11 は上記と同様であるが、R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 又はC 1 -C 6 アルコキシ基であることが好ましく、R 10 は、C 1 -C 6 アルコキシ基であり、R 11 は、水素原子であるのがより好ましい。)、
(この場合において、R 10 、及びR 11 は上記と同様であるが、R 10 、及びR 11 は、水素原子であるのが好ましい。)、
(この場合において、R 10 、及びR 11 は上記と同様であるが、R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であることが好ましく、R 10 は、水素原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であり、R 11 は、水素原子であるのがより好ましい。)、
(この場合において、R 10 、及びR 11 は上記と同様であるが、R 10 、及びR 11 は、C 1 -C 6 アルキル基であるのが好ましい。)等が挙げ れる。

 上記一般式(I)における、置換基の好ましい 合せとしては、
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 1 -C 6 アルコキシ基、ハロC 1 -C 6 アルコキシ基、又はシアノ基であり、
R 6 が、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、C 3 -C 8 シクロアルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であり、
R 7 、及びR 8 が、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、シクロアルキル基上に置換基と してヒドロキシカルボニルC 1 -C 6 アルキル基を有してもよいC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基、アリール環上に置換基としてC 1 -C 6 アルコキシ基を有してもよいC 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルキル基を示すか、又はR 7 、及びR 8 が一緒になって隣接する窒素原子とともにピ ロリジノ基を形成するものであり、
R 9 が、ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基、C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基(当該C 6 -C 10 アリールC 1 -C 6 アルコキシ基のアリール環上に置換基として ハロゲン原子、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基を有してもよい) モルホリニル基、又はピペリジニル基であ 、
R 10 、及びR 11 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 ハロゲン原子、C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であり、

であることが好ましく、
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及びR 5 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基であり、
R 6 が、C 1 -C 6 アルキル基であり、
R 7 、及びR 8 が、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であり、
R 9 が、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、又はC 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基であり、
R 10 、及びR 11 が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基であり、

であることがより好ましく、
R 1 、R 3 、及びR 5 が水素原子であり、
R 2 、及びR 4 が、それぞれ同一又は異なって、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はシアノ基であり、
R 6 が、C 1 -C 6 アルキル基であり、
R 7 、及びR 8 が、それぞれ同一又は異なって、C 1 -C 6 アルキル基、又はC 3 -C 8 シクロアルキルC 1 -C 6 アルキル基であり、
R 9 が、C 1 -C 6 アルキルチオC 1 -C 6 アルコキシ基、C 1 -C 6 アルキルスルフィニルC 1 -C 6 アルコキシ基、又はC 1 -C 6 アルキルスルホニルC 1 -C 6 アルコキシ基であり、
R 10 、R 11 、及び

(R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 又はC 1 -C 6 アルキル基である。)、
(R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 又はC 1 -C 6 アルコキシ基である。)、
(R 10 、及びR 11 は、水素原子である。)、
(R 10 、及びR 11 は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、 C 1 -C 6 アルキル基、ハロC 1 -C 6 アルキル基、又はC 1 -C 6 アルコキシ基である。)、又は
(R 10 、及びR 11 は、C 1 -C 6 アルキル基である。)
であることが特に好ましい。

 本発明における好ましい化合物、若しくは の塩、又はそれらの溶媒和物としては、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[ 2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン( 実施例1)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[ 2-(メチルスルフィニル)エトキシ]ピリミジン- 2-アミン(実施例2)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[ 2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2- ミン(実施例3)、
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b] リジン-6-アミン(実施例4)、
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ [3,4-b]ピリジン-6-アミン(実施例5)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチルキノリン-2-アミン(実施例6)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン(実施 7)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-アミン( 施例8)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-ア ミン(実施例9)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキノリン -2-アミン(実施例10)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキ ノリン-2-アミン(実施例11)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミン(実 例12)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミ ン(実施例13)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(実 施例14)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-ア ン(実施例15)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(実 施例16)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-ア ン(実施例17)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ (実施例18)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5 -[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2 -アミン(実施例19)、
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] プロピル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミ ン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチル チル)-N-エチルキノリン-2-アミン(実施例20)
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] プロピル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ] リミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペ チルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミン(実 例21)、
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5- ル}メチル){5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリ ジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフルオロ チル)ベンゾニトリル(実施例22)、
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5- ル}メチル){5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ ]ピリミジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフ オロメチル)ベンゾニトリル(実施例23)、
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチ オ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(実施例24)、 若しくは
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルス ルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(実施 例25)、
若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物が挙 げられる。

 また、一般式(I)は個々の鏡像異性体、及び の混合物の両方を示す。すなわち、本発明 一般式(I)で表される化合物において、R 6 の結合する炭素原子は、不斉炭素であるが、 本発明は該不斉炭素に基づくいずれの立体配 置からなる異性体をも包含し、例えば、ラセ ミ体やいずれか一方の鏡像異性体を包含する 。さらに、本発明は、生じることのある他の 立体異性体を全て包含する。

 一般式(I)で表される化合物の塩としては、 えば塩酸付加塩等が挙げられ、薬学上許容 れる塩であれば特に制限されない。例えば 塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、 酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸 加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エ タンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、 p-トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フ ル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等 有機酸の酸付加塩が挙げられるが、これに 定されるものではない。
 一般式(I)で表される化合物、又はその塩の 媒和物としては、例えば水和物等が挙げら るが、これに限定されるものではない。

 なお、本発明の上記一般式(I)で表される 合物には、生体内において代謝されて本発 の上記一般式(I)で表される化合物に変換さ る化合物、いわゆるプロドラッグもすべて 含される。本発明化合物のプロドラッグを 成する基としては、「プログレス・イン・ ディシン(Progress in Medicine)」、ライフサイ ンス・メディカ社、1985年、5巻、2157-2161ペ ジに記載されている基や、廣川書店1990年刊 医薬品の開発」第7巻 分子設計163-198ページ に記載されている基が挙げられる。

 上記一般式(I)で表される化合物、若しく その塩、又はそれらの溶媒和物は種々の公 の方法で製造することができ、特に制限さ るものではなく、例えば、次の反応工程に い製造することができるが、その製造方法 これに限定されるものではない。また、下 反応を行う際において、反応部位以外の官 基については必要に応じてあらかじめ保護 ておき、適当な段階においてこれを脱保護 てもよい。さらに、各工程において、反応 通常行われる方法で行えばよく、単離精製 結晶化、再結晶化、クロマトグラフィー等 慣用される方法を適宜選択し、または組み わせて行えばよい。

一般式(I)で表される化合物、若しくはその塩 、又はそれらの溶媒和物の製造方法
 本発明の一般式(I)で表される化合物は、下 の方法により製造することができる。すな ち、下記反応経路図1に記載の通り、一般式 (II)で表されるアルデヒド誘導体に一般式(IV) 表される2-アミノピリミジン誘導体を還元 アミノ化の手法を用いて反応させるか、一 式(III)で表される脱離基W 1 を有する化合物に一般式(IV)で表される2-アミ ノピリミジン誘導体を塩基で反応させると、 一般式(V)で表されるアミン化合物が得られる 。一般式(V)で表されるアミン化合物に一般式 (VI)で表される脱離基W 2 を有する化合物を塩基で反応させると、本発 明の一般式(I)で表される化合物を製造するこ とができる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図1
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、及び
は、前記の一般式(I)におけるものと同じもの を示し、W 1  及びW は、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキ シ基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又は アリールスルホニルオキシ基を示す。)

 アルデヒド誘導体(II)と2-アミノピリミジ 誘導体(IV)との反応は、溶媒中、酸の存在下 又は非存在下にて還元試薬を用いて行うこと ができる。その際、Dean-Stark装置等を用いて 水操作を行ってもよい。溶媒としては特に 限はないが、例えば、1,2-ジクロロエタン、 ロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル 酢酸イソプロピル、トルエン、ベンゼン、 トラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニ リル、プロピオニトリル、メタノール、エ ノール、イソプロパノール、酢酸、トリフ オロ酢酸等を単独又は組み合わせて使用す ことができる。酸としては特に制限はない 、例えば、プロピオン酸、安息香酸等のプ トン酸、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、 化第二スズ等のルイス酸を使用することが きる。還元試薬としては特に制限はないが 例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナト ウム、トリアセトキシ水素化ホウ素テトラ チルアンモニウム、シアノ水素化ホウ素ナ リウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化 ウ素リチウム、トリメトキシ水素化ホウ素 トリウム、トリエチル水素化ホウ素リチウ 等の水素化ホウ素系試薬、水素化アルミニ ムリチウム、ジイソプロピル水素化アルミ ウム、ビス(2-メトキシエトキシ)水素化アル ミニウムナトリウム等の水素化アルミニウム 試薬、金属触媒及び水素源を用いた接触還元 を使用することができる。接触還元の水素源 としては、例えば、水素、シクロヘキサジエ ン、ギ酸、ギ酸アンモニウム等を使用するこ とができ、金属触媒としては例えば、パラジ ウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム 、ラネーニッケル、二酸化白金、白金黒等を 使用することができる。

 脱離基W 1 を有する化合物(III)と2-アミノピリミジン誘 体(IV)との反応は、溶媒中、塩基の存在下に り行うことができる。溶媒としては、特に 限は無いが、例えばN,N-ジメチルホルムアミ ド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキ ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ア トニトリル、プロピオニトリル等を単独又 組み合わせて使用することができ、塩基と ては、特に制限は無いが、例えば、水素化 チウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ 等の水素化アルカリ金属類、金属リチウム 金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカ 金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属 、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ ウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属 、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリ ムジイソプロピルアミド、カリウムジイソ ロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシ ジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド カリウムヘキサメチルジシラジド、t-ブト シナトリウム、t-ブトキシカリウム、n-ブチ リチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチ ウム等を使用することができる。

 上記方法で得られたアミン化合物(V)と脱離 W 2 を有する化合物(VI)との反応は溶媒中、塩基 存在下により行うことができる。溶媒とし は特に制限は無いが、例えばN,N-ジメチルホ ムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル ルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフ ン、アセトニトリル、プロピオニトリル等 単独又は組み合わせて使用することができ 塩基としては特に制限は無いが、例えば、 素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化 リウム等の水素化アルカリ金属類、金属リ ウム、金属ナトリウム、金属カリウム等の ルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナ リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカ 金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、 酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカ 金属類、リチウムジイソプロピルアミド、 トリウムジイソプロピルアミド、カリウム イソプロピルアミド、リチウムヘキサメチ ジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシ ジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、t- ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウム、n -ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチ リチウム等を使用することができる。

 また、上記した方法とは別に、本発明の一 式(I)で表される化合物は、下記の方法によ ても製造することができる。すなわち、下 反応経路図2に記載の通り、一般式(IV)で表 れる2-アミノピリミジン誘導体に一般式(VI) 表される脱離基W 2 を有する化合物を塩基で反応させるか、一般 式(IV)で表される2-アミノピリミジン誘導体に 一般式(VII)で表されるケトン誘導体を還元的 ミノ化の手法を用いて反応させることによ 、一般式(VIII)で表されるアミン化合物が得 れる。一般式(VIII)で表されるアミン化合物 一般式(III)で表わされる脱離基W 1 を有する化合物を塩基で反応させると、本発 明の一般式(I)で表される化合物を製造するこ とができる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図2
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、及び
は、前記の一般式(I)におけるものと同じもの を示し、W 1  及びW はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示す。)

 2-アミノピリミジン誘導体(IV)と脱離基W 2 を有する化合物(VI)との反応は溶媒中、塩基 存在下により行うことができる。溶媒とし は、特に制限は無いが、例えば、N,N-ジメチ ホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメ ルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒド フラン、アセトニトリル、プロピオニトリ 等を単独又は組み合わせて使用することが き、塩基としては、特に制限は無いが、例 ば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水 化カリウム等の水素化アルカリ金属類、金 リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム のアルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸 ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化ア カリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸ア カリ金属類、リチウムジイソプロピルアミ 、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリ ムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサ チルジシラジド、ナトリウムヘキサメチル シラジド、カリウムヘキサメチルジシラジ 、t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウ 、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t- チルリチウム等を使用することができる。

 2-アミノピリミジン誘導体(IV)とケトン誘 体(VII)との反応は、溶媒中、酸の存在下又 非存在下にて還元試薬を用いて行うことが きる。その際、Dean-Stark装置等を用いて脱水 作を行ってもよい。溶媒としては特に制限 ないが、例えば、1,2-ジクロロエタン、クロ ロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢 酸イソプロピル、トルエン、ベンゼン、テト ラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリ ル、プロピオニトリル、メタノール、エタノ ール、イソプロパノール、酢酸、トリフルオ ロ酢酸等を単独又は組み合わせて使用するこ とができる。酸としては特に制限はないが、 例えば、プロピオン酸、安息香酸等のプロト ン酸、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、塩化 第二スズ等のルイス酸を使用することができ る。還元試薬としては特に制限はないが、例 えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ ム、トリアセトキシ水素化ホウ素テトラメチ ルアンモニウム、シアノ水素化ホウ素ナトリ ウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ 素リチウム、トリメトキシ水素化ホウ素ナト リウム、トリエチル水素化ホウ素リチウム等 の水素化ホウ素系試薬、水素化アルミニウム リチウム、ジイソプロピル水素化アルミニウ ム、ビス(2-メトキシエトキシ)水素化アルミ ウムナトリウム等の水素化アルミニウム試 、金属触媒及び水素源を用いた接触還元を 用することができる。接触還元の水素源と ては、例えば、水素、シクロヘキサジエン ギ酸、ギ酸アンモニウム等を使用すること でき、金属触媒としては例えば、パラジウ 炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、 ネーニッケル、二酸化白金、白金黒等を使 することができる。

 アミン化合物(VIII)と脱離基W 1 を有する化合物(III)との反応は溶媒中、塩基 存在下により行うことができる。溶媒とし は特に制限は無いが、例えばN,N-ジメチルホ ルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル ルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフ ン、アセトニトリル、プロピオニトリル等 単独又は組み合わせて使用することができ 塩基としては特に制限は無いが、例えば、 素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化 リウム等の水素化アルカリ金属類、金属リ ウム、金属ナトリウム、金属カリウム等の ルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナ リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカ 金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、 酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカ 金属類、リチウムジイソプロピルアミド、 トリウムジイソプロピルアミド、カリウム イソプロピルアミド、リチウムヘキサメチ ジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシ ジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、t -ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウム、 n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチ ルリチウム等を使用することができる。

 次に、上記反応で用いるアルデヒド誘導体( II)、脱離基W 1 を有する化合物(III)、2-アミノピリミジン誘 体(IV)、脱離基W 2 を有する化合物(VI)の製造方法の例を示す。
1 一般式(II)で表されるアルデヒド誘導体、 び一般式(III)で表される脱離基W 1 を有する化合物の製造方法
 上記アルデヒド誘導体(II)及び脱離基W 1 を有する化合物(III)は、入手可能なものをそ まま使用するか、あるいは、公知の方法に り適宜製造でき、例えば以下の方法により 造することが可能であるが、これに限定さ るものではない。

 下記反応経路図3に記載の通り、一般式(IX) 表されるアルコール誘導体の水酸基を保護 R 12 で保護すると、一般式(X)で表されるエーテル 化合物が得られる。一般式(X)中の保護基R 12 は、一般に水酸基の保護基として用いられる 保護基であり、特に制限はないが、メトキシ メチル基、ベンジルオキシメチル基、4-メト シベンジルオキシメチル基、メトキシエト シメチル基、エトキシエチル基、t-ブチル メチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブ チルジフェニルシリル基、トリイソプロピル シリル基、トリフェニルシリル基、4-メトキ ベンジル基、ベンジル基、3,4-ジメトキシベ ンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、トリ チル基等が好ましい。一般式(X)で表されるエ ーテル化合物と一般式(XI)で表されるアミン を反応させると、一般式(XII)で表わされるア ミン誘導体が得られる。得られた一般式(XII) 表されるアミン誘導体は、一般式(XIII)で表 れる脱離基W 4 を有する化合物を反応させるか、あるいは一 般式(XIV)で表されるアルデヒド誘導体との反 により得られるイミン体を還元反応に処す 元的アミノ化の手法を用いると、一般式(XV) で表されるアミン誘導体が得られる。得られ た一般式(XV)で表されるアミン誘導体の保護 R 12 を脱保護して一般式(XVI)で表されるアルコー 化合物を得、次いで生じた水酸基を酸化し 一般式(II)で表されるアルデヒド誘導体が得 られる。また、一般式(XVI)で表されるアルコ ル化合物のアルコール部分を脱離基W 1 へと変換して一般式(III)で表される脱離基W 1 を有する化合物が得られる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図3
(式中、R 7 、R 8 、R 10 、R 11 、及び
は、前記の一般式(I)におけるものと同じもの を示し、W 1 、W 、W 4 はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示し、R 12 は保護基を示す。R’ 8 はR 8 よりも窒素原子との結合位置の炭素数が一つ 少ない低級アルキル基、低級シクロアルキル 低級アルキル基又は低級シクロアルキル基を 示す。)

 アルコール誘導体(IX)への保護基R 12 の導入は特に制限はないが、当該保護基の保 護条件として一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wile y & Sons, Inc.)を参考にして行うことがで る。

 得られたエーテル化合物(X)とアミン類(XI) との反応は、塩基の存在下又は非存在下、金 属触媒存在下又は非存在下にて行われるアリ ールハライドとアミン類との反応手法を適用 することができる。この反応は、例えば、ア ミン類(XI)を溶媒としエーテル化合物(X)と反 させることによって目的物であるアミン誘 体(XII)が得られる。その際、塩基存在下にて 行ってもよく、またマイクロウェーブ照射を 行ってもよい。また、塩基の存在下溶媒中に て両化合物を反応させることにより目的物で あるアミン誘導体(XII)が得られる。その際、 属触媒存在下にて行ってもよく、またマイ ロウェーブ照射を行ってもよい。溶媒とし は特に制限はないが、例えば、テトラヒド フラン、トルエン、ジオキサン、N,N-ジメチ ルホルムアミド、N-メチルピロリドン、水等 単独又は組み合わせて使用することができ 。塩基は特に制限はないが、例えば、水素 リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリ ム等の水素化アルカリ金属類、金属リチウ 、金属ナトリウム、金属カリウム等のアル リ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金 類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸 リウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金 類、リチウムジイソプロピルアミド、ナト ウムジイソプロピルアミド、カリウムジイ プロピルアミド、リチウムヘキサメチルジ ラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジ 、カリウムヘキサメチルジシラジド、t-ブ キシナトリウム、t-ブトキシカリウム、n-ブ ルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリ チウム等を使用することができる。金属触媒 としては、例えば、トリス(ジベンジリデン セトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリ デンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(0) 、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ ン]ジクロロパラジウム(II)、テトラキス(ト フェニルホスフィン)パラジウムなどを単独 用いてもよいが、(2-ビフェニル)ジ-t-ブチル ホスフィンや(2-ビフェニル)ジシクロヘキシ ホスフィン等の配位子を組み合わせて使用 ることもできる。反応条件は、使用する原 によって異なるが、一般に0~180℃、好ましく は80~160℃にて5分~72時間、好ましくは10分~24時 間反応させることによって目的物が得られる 。またマイクロウェーブを照射する場合にお いては0~180℃、好ましくはマイクロウェーブ 射下室温より反応を開始し、80~150℃まで昇 し、昇温時間を含めて1分~20時間、好ましく は1分~3時間反応させることによって目的物が 得られる。

 上記反応で得られたアミン誘導体(XII)と脱 基W 4 を有する化合物(XIII)との反応は、溶媒中、塩 基の存在下により行うことができる。溶媒と しては特に制限はないが、例えば、N,N-ジメ ルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメ チルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒド ロフラン、アセトニトリル、プロピオニトリ ル等を単独又は組み合わせて使用することが でき、塩基としては特に制限はないが、例え ば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水 素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、金 属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム 等のアルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸 化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化ア ルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ ム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸ア ルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミ ド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリ ウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサ メチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチル ジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジ ド、t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリ ム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t -ブチルリチウム等を使用することができる

 アミン誘導体(XII)とアルデヒド誘導体(XIV) との反応は、溶媒中、酸の存在下又は非存在 下にて還元試薬を用いて行うことができる。 その際、Dean-Stark装置等を用いて脱水操作を ってもよい。溶媒としては特に制限はない 、例えば、1,2-ジクロロエタン、クロロホル 、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソ ロピル、トルエン、ベンゼン、テトラヒド フラン、ジオキサン、アセトニトリル、プ ピオニトリル、メタノール、エタノール、 ソプロパノール、酢酸、トリフルオロ酢酸 を単独又は組み合わせて使用することがで る。酸としては特に制限はないが、例えば プロピオン酸、安息香酸等のプロトン酸、 塩化チタン、三フッ化ホウ素、塩化第二ス 等のルイス酸を使用することができる。還 試薬としては特に制限はないが、例えば、 リアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ト アセトキシ水素化ホウ素テトラメチルアン ニウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、 素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチ ム、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム トリエチル水素化ホウ素リチウム等の水素 ホウ素系試薬、水素化アルミニウムリチウ 、ジイソプロピル水素化アルミニウム、ビ (2-メトキシエトキシ)水素化アルミニウムナ トリウム等の水素化アルミニウム試薬、金属 触媒及び水素源を用いた接触還元を使用する ことができる。接触還元の水素源としては、 例えば、水素、シクロヘキサジエン、ギ酸、 ギ酸アンモニウム等を使用することができ、 金属触媒としては例えば、パラジウム炭素、 パラジウム黒、水酸化パラジウム、ラネーニ ッケル、二酸化白金、白金黒等を使用するこ とができる。

 上記の方法で得られたアミン誘導体(XV)の保 護基R 12 の脱保護は特に制限はないが、当該保護基の 脱保護条件として一般に用いられる方法(Prote ctive Groups in Organic Synthesis Third Edition, John  Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うこと できる。

 アルコール化合物(XVI)からアルデヒド誘 体(II)への酸化反応は、水酸基をアルデヒド 酸化する通常の方法を適用することができ 例えば、Swern酸化、Moffatt酸化、Dess-Martin酸 等の酸化条件や、ピリジニウムクロロクロ ート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)、 酸化マンガン、テトラプロピルアンモニウ ペルルテナート(TPAP)などを使用することが きる。溶媒としては特に制限はないが、例 ば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、N,N-ジ チルホルムアミド等が挙げられる。

 一方、アルコール化合物(XVI)から脱離基W 1 を有する化合物(III)を合成する反応は、下記 通り脱離基の種類によって選択できる。
 脱離基W 1 を有する化合物(III)のW 1 がアルキルスルホニルオキシ基、ハロアルキ ルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニ ルオキシ基の場合、化合物(III)は溶媒中、塩 の存在下又は非存在下、アルコール化合物( XVI)とアルキルスルホン酸エステル化剤、ハ アルキルスルホン酸エステル化剤又はアリ ルスルホン酸エステル化剤との反応により ることができる。アルキルスルホン酸エス ル化剤としては特に制限はないが、例えば 塩化メタンスルホニル、メタンスルホン酸 水物、塩化エタンスルホニル、塩化ベンジ スルホニル、塩化アリルスルホニル等を使 することができる。ハロアルキルスルホン エステル化剤としては特に制限はないが、 えば、塩化トリフルオロメタンスルホニル トリフルオロメタンスルホン酸無水物、塩 クロロメタンスルホニル等を使用すること できる。アリールスルホン酸エステル化剤 しては特に制限はないが、例えば、塩化ベ ゼンスルホニル、塩化p-トルエンスルホニル 、塩化o-ニトロベンゼンスルホニル、塩化p- トロベンゼンスルホニル等を使用すること できる。溶媒としては特に制限はないが、 えば、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、 クロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロ ル、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフ ン、ジオキサン、アセトニトリル、プロピ ニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド等を単 独又は組み合わせて使用することができる。 塩基としては特に制限はないが、例えば、ピ リジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、コ ジン、ルチジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0] ンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0] ナ-5-エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オク テン(DABCO)、トリエチルアミン、N,N-ジイソプ ピルエチルアミン、ジイソプロピルペンチ アミン、トリメチルアミン等の有機塩基、 素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化 リウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化 チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ 等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシ ム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナト ウム、炭酸水素カリウム等の重炭酸塩等を 用することができる。

 脱離基W 1 を有する化合物(III)のW がハロゲン原子の場合、化合物(III)は溶媒中 は無溶媒下、塩基の存在下又は非存在下、 ルコール化合物(XVI)とハロゲン化剤との反 により得ることができる。ハロゲン化剤と ては特に制限はないが、オキシ塩化リン、 塩化リン、二塩化トリフェニルホスフィン 二臭化トリフェニルホスフィン、二塩化ト フェニルホスファイト、二臭化トリフェニ ホスファイト、三臭化リン、塩化チオニル トリフェニルホスフィンと四塩化炭素、ト フェニルホスフィンと四臭化炭素、塩化メ ンスルホニルとDMAP等の塩素化剤又は臭素化 が挙げられる。溶媒としては特に制限はな が、例えば、1,2-ジクロロエタン、クロロホ ルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、 酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、 ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン 、アセトニトリル、プロピオニトリル等を単 独又は組み合わせて使用することができる。 塩基としては特に制限はないが、例えば、ピ リジン、DMAP、コリジン、ルチジン、DBU、DBN DABCO、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピ エチルアミン、ジイソプロピルペンチルア ン、トリメチルアミン等の有機塩基、炭酸 チウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、 酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸 素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の重炭 塩等を使用することができる。

 なお、W 1 はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基、アリ ールスルホニルオキシ基を示し、これらに該 当するものであれば特に制限はないが、塩素 原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホ ニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、 ベンジルスルホニルオキシ基、アリルスルホ ニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニ ルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、 p-トルエンスルホニルオキシ基、o-ニトロベ ゼンスルホニルオキシ基、p-ニトロベンゼン スルホニルオキシ基などが好ましい。

 また、アルデヒド誘導体(II)は、以下の方 法により製造することも可能である。すなわ ち、下記反応経路図4に記載の通り、一般式(X VII)で表されるアルデヒド誘導体と一般式(XVII I)で表されるアミン類を反応させることによ 、一般式(II)で表されるアルデヒド誘導体が 得られる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次のと りである。
反応経路図4
(式中、R 7 、R 8 、R 10 、R 11 、及び
は、前記の一般式(I)におけるものと同じもの を示し、W はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示す。)

 アルデヒド誘導体(XVII)とアミン類(XVIII)と の反応は、塩基の存在下又は非存在下、金属 触媒存在下又は非存在下にて行われるアリー ルハライドとアミン類との反応手法を適用す ることができる。この反応は、例えば、アミ ン類(XVIII)を溶媒としアルデヒド誘導体(XVII) 反応させることによって目的物であるアル ヒド誘導体(II)が得られる。その際、塩基存 下にて行ってもよく、またマイクロウェー 照射を行ってもよい。また、塩基の存在下 媒中にて両化合物を反応させることにより 的物が得られる。その際、金属触媒存在下 て行ってもよく、またマイクロウェーブ照 を行ってもよい。溶媒としては特に制限は いが、例えば、テトラヒドロフラン、トル ン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド 、N-メチルピロリドン、水等を単独又は組み わせて使用することができる。塩基は特に 限はないが、例えば、水素化リチウム、水 化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化 ルカリ金属類、金属リチウム、金属ナトリ ム、金属カリウム等のアルカリ金属類、水 化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ ウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチ ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 シウム等の炭酸アルカリ金属類、リチウム イソプロピルアミド、ナトリウムジイソプ ピルアミド、カリウムジイソプロピルアミ 、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナト ウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘ サメチルジシラジド、t-ブトキシナトリウ 、t-ブトキシカリウム、n-ブチルリチウム、s -ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等を使用 することができる。金属触媒としては、例え ば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ ウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)( ロロホルム)ジパラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジ フェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパ ジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホス ィン)パラジウムなどを単独で用いてもよい 、(2-ビフェニル)ジ-t-ブチルホスフィンや(2- ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン等 配位子を組み合わせて使用することもでき 。反応条件は、使用する原料によって異な が、一般に0~180℃、好ましくは80~160℃にて5 ~72時間、好ましくは10分~24時間反応させるこ とによって目的物が得られる。またマイクロ ウェーブを照射する場合においては0~180℃、 ましくはマイクロウェーブ照射下室温より 応を開始し、80~150℃まで昇温し、昇温時間 含めて1分~20時間、好ましくは1分~10時間反 させることによって目的物が得られる。

 なお、上記反応で用いるアルデヒド誘導 (XVII)は、入手可能なものをそのまま使用す か、あるいは、公知の方法により適宜製造 き、例えば、以下の方法により製造するこ が可能であるが、これに限定されるもので ない。すなわち、下記反応経路図5に記載の 通り、一般式(XIX)で表されるカルボン酸誘導 と一般式(XX)で表されるアルコール誘導体を 縮合して一般式(XXI)で表されるエステル誘導 を得、次いで一般式(XXI)で表されるエステ 誘導体のエステル残基を部分還元して一般 (XVII)で表されるアルデヒド誘導体が得られ 。なお、一般式(XXI)で表されるエステル誘導 体は、一般式(XIX)で表されるカルボン酸誘導 より一般式(XXII)で表される酸ハライド又は 無水物等の活性カルボニル誘導体を得、次 で一般式(XX)で表されるアルコール誘導体と 反応させても得られる。また、一般式(XXII)で 表される活性カルボニル誘導体の部分還元に より一般式(XVII)で表されるアルデヒド誘導体 が得られる。さらに、一般式(XIX)で表される ルボン酸誘導体と一般式(XXIII)で表されるア ミン誘導体を縮合して一般式(XXIV)で表される アミド誘導体を得、次いで一般式(XXIV)で表さ れるアミド誘導体のアミド残基を部分還元し て一般式(XVII)で表されるアルデヒド誘導体が 得られる。なお、一般式(XXIV)で表されるアミ ド誘導体は、一般式(XXII)で表される活性カル ボニル誘導体と一般式(XXIII)で表されるアミ 誘導体との反応によっても得られる。さら 、一般式(XXV)で表されるニトリル誘導体の還 元反応によっても一般式(XVII)で表されるアル デヒド誘導体が得られる。

 この反応経路を化学反応式で示すと以下の りである。
反応経路図5
(式中、R 10 、R 11 、及び
は、前記の一般式(I)におけるものと同じもの を示し、R 13 は低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低 級シクロアルキル基又は低級シクロアルキル 低級アルキル基を示し、R 14 、及びR 15 は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキ ル基、低級アルコキシ基、ハロ低級アルキル 基、低級シクロアルキル基又は低級シクロア ルキル低級アルキル基を示すか、又はR 14 とR 15 が一緒になって隣接する窒素原子と飽和複素 環を形成してもよく、W はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示し、W 6 はハロゲン原子、低級アルキルカルボニルオ キシ基、ハロ低級アルキルカルボニルオキシ 基又はアリールカルボニルオキシ基を示す。 )

 カルボン酸誘導体(XIX)とアルコール誘導 (XX)の縮合反応は、溶媒中、塩基の存在下又 非存在下、活性化剤の存在下又は非存在下 おいて縮合剤を用いて行うことができる。 媒としては特に制限はないが、例えば、1,2- ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメ タン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トル エン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオ キサン、アセトニトリル、プロピオニトリル 等を単独又は組み合わせて使用することがで きる。塩基としては特に制限はないが、例え ば、ピリジン、DMAP、コリジン、ルチジン、DB U、DBN、DABCO、トリエチルアミン、N,N-ジイソ ロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピルペ チルアミン、トリメチルアミン等の有機塩 、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水 化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水 化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ ウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチ ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 シウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素 トリウム、炭酸水素カリウム等の重炭酸塩 を使用することができる。活性化剤として 特に制限はないが、DMAP、1-ヒドロキシ-7-ア ベンゾトリアゾール(HOAt)、1-ヒドロキシベ ゾトリアゾール(HOBt)、3-ヒドロキシ-3,4-ジヒ ロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアゾール(HODhbt) N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキ シイミド(HONB)、ペンタフルオロフェノール(HO Pfp)、N-ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、N-ヒド ロキシコハク酸イミド(HOSu)等を使用すること ができる。縮合剤としては特に制限はないが 、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、N,N’-ジシク へキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’-ジイソ ロピルカルボジイミド(DIPCI)、1-エチル-3-(3- メチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSCI) 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル ジイミド塩酸塩(WSC・HCl)等を使用すること できる。

 一般式(XXI)で表されるエステル誘導体の 分還元は、溶媒中、還元試薬を用いて行う とができる。溶媒としては特に制限はない 、例えば、1,2-ジクロロエタン、クロロホル 、ジクロロメタン、トルエン、ベンゼン、 トラヒドロフラン、ジオキサン等を単独又 組み合わせて使用することができる。還元 薬としては特に制限はないが、例えば、水 化ホウ素リチウム、トリエチル水素化ホウ リチウム等の水素化ホウ素系試薬、水素化 ルミニウムリチウム、ジイソプロピル水素 アルミニウム、ビス(2-メトキシエトキシ)水 素化アルミニウムナトリウム等の水素化アル ミニウム試薬等を使用することができる。

 カルボン酸誘導体(XIX)から活性カルボニル 導体(XXII)を合成する反応は、下記の通りW 6 によって選択できる。
 活性カルボニル誘導体(XXII)が、酸ハライド 場合(すなわち、W 6 がハロゲン原子の場合)、溶媒中又は無溶媒 て塩基の存在下又は非存在下、活性化剤の 在下又は非存在下、ハロゲン化剤を用いて うことができる。溶媒としては特に制限は いが、例えば、1,2-ジクロロエタン、クロロ ルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸 ソプロピル、トルエン、ベンゼン、テトラ ドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル プロピオニトリル等を単独又は組み合わせ 使用することができる。塩基としては特に 限はないが、例えば、ピリジン、DMAP、コリ ジン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO、トリエチル ミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N -ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチ アミン等を使用することができる。活性化 としては特に制限はないが、N,N-ジメチルホ ムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-ホ ミルピペリジン、N-ホルミルピロリジン、N- ホルミルモルホリン等を使用することができ る。ハロゲン化剤としては特に制限はないが 、塩化オキザリル、塩化チオニル等を使用す ることができる。

 活性カルボニル誘導体(XXII)が、酸無水物の 合(すなわち、W 6 が低級アルキルカルボニルオキシ基、ハロ低 級アルキルカルボニルオキシ基又はアリール カルボニルオキシ基の場合)、溶媒中又は無 媒にて塩基の存在下又は非存在下、アシル 剤を用いて行うことができる。溶媒として 特に制限はないが、例えば、1,2-ジクロロエ ン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸 チル、酢酸イソプロピル、トルエン、ベン ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ア トニトリル、プロピオニトリル等を単独又 組み合わせて使用することができる。塩基 しては特に制限はないが、例えば、ピリジ 、DMAP、コリジン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチ ルアミン、N,N-ジイソプロピルペンチルアミ 、トリメチルアミン等を使用することがで る。アシル化剤としては特に制限はないが 無水酢酸、プロピオン酸無水物、安息香酸 水物、トリフルオロ酢酸無水物等の酸無水 、又は塩化アセチル、塩化プロピオニル、 化ベンゾイル、塩化2,4,6-トリクロロベンゾ ル等の酸ハライドを使用することができる

 活性カルボニル誘導体(XXII)とアルコール 導体(XX)との反応は、溶媒中又は無溶媒にて 塩基の存在下又は非存在下にて行うことがで きる。溶媒としては特に制限はないが、例え ば、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジ ロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピ 、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラ 、ジオキサン、アセトニトリル、プロピオ トリル等を単独又は組み合わせて使用する とができる。塩基としては特に制限はない 、例えば、ピリジン、DMAP、コリジン、ルチ ン、DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、N,N- イソプロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロ ピルペンチルアミン、トリメチルアミン等を 使用することができる。

 活性カルボニル誘導体(XXII)とアミン誘導 (XXIII)との反応は、溶媒中又は無溶媒にて塩 基の存在下又は非存在下にて行うことができ る。溶媒としては特に制限はないが、例えば 、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジク ロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニ リル等を単独又は組み合わせて使用するこ ができる。塩基としては特に制限はないが 例えば、ピリジン、DMAP、コリジン、ルチジ 、DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、N,N-ジ ソプロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピ ルペンチルアミン、トリメチルアミン等を使 用することができる。

 活性カルボニル誘導体(XXII)の部分還元は 溶媒中、還元試薬を用いて行うことができ 。溶媒としては特に制限はないが、例えば 1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロ ロメタン、トルエン、ベンゼン、テトラヒド ロフラン、ジオキサン等を単独又は組み合わ せて使用することができる。還元試薬として は特に制限はないが、例えば、水素化ホウ素 リチウム、トリエチル水素化ホウ素リチウム 等の水素化ホウ素系試薬、水素化アルミニウ ムリチウム、ジイソプロピル水素化アルミニ ウム、ビス(2-メトキシエトキシ)水素化アル ニウムナトリウム等の水素化アルミニウム 薬、金属触媒及び水素源を用いた接触還元 使用することができる。接触還元の水素源 しては、例えば、水素、シクロヘキサジエ 、ギ酸等を使用することができ、金属触媒 しては例えば、パラジウム炭素、パラジウ 黒、水酸化パラジウム、ラネーニッケル、 酸化白金、白金黒等を使用することができ 。

 カルボン酸誘導体(XIX)とアミン誘導体(XXII I)の縮合反応は、溶媒中、塩基の存在下又は 存在下、活性化剤の存在下又は非存在下に いて縮合剤を用いて行うことができる。溶 としては特に制限はないが、例えば、1,2-ジ クロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタ ン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエ ン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキ サン、アセトニトリル、プロピオニトリル等 を単独又は組み合わせて使用することができ る。塩基としては特に制限はないが、例えば 、ピリジン、DMAP、コリジン、ルチジン、DBU DBN、DABCO、トリエチルアミン、N,N-ジイソプ ピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピルペン ルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基 水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素 カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸 リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ ム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウ 、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セ ウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナ リウム、炭酸水素カリウム等の重炭酸塩等 使用することができる。活性化剤としては に制限はないが、DMAP、HOAt、HOBt、HODhbt、HON) 、HOPfp、HOPht、HOSu等を使用することができる 縮合剤としては特に制限はないが、DEPC、DCC 、DIPCI、WSCI、WSC・HCl等を使用することができ る。

 アミド誘導体(XXIV)の部分還元は、溶媒中 還元試薬を用いて行うことができる。溶媒 しては特に制限はないが、例えば、1,2-ジク ロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン 、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン 、ジオキサン等を単独又は組み合わせて使用 することができる。還元試薬としては特に制 限はないが、例えば、水素化ホウ素リチウム 、トリエチル水素化ホウ素リチウム等の水素 化ホウ素系試薬、水素化アルミニウムリチウ ム、ジイソプロピル水素化アルミニウム、ビ ス(2-メトキシエトキシ)水素化アルミニウム トリウム等の水素化アルミニウム試薬等を 用することができる。

 ニトリル誘導体(XXV)の還元反応は、溶媒 、還元試薬を用いて行うことができる。溶 としては特に制限はないが、例えば、1,2-ジ ロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタ 、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラ 、ジオキサン等を単独又は組み合わせて使 することができる。還元試薬としては特に 限はないが、例えば、水素化ホウ素リチウ 、トリエチル水素化ホウ素リチウム等の水 化ホウ素系試薬、水素化アルミニウムリチ ム、ジイソプロピル水素化アルミニウム、 ス(2-メトキシエトキシ)水素化アルミニウム ナトリウム等の水素化アルミニウム試薬等を 使用することができる。

2 2-アミノピリミジン誘導体(IV)の製造方法
 上記2-アミノピリミジン誘導体(IV)は、入手 能なものをそのまま使用するか、あるいは 公知の方法により適宜製造でき、例えば、2 -アミノピリミジン誘導体(IV)の5位に置換した R 9 の種類に応じて、以下の方法により製造する ことが可能であるが、これに限定されるもの ではない。

2-1 R 9 が低級ジアルキルアミノ基、又は環構成原子 にヘテロ原子を有してもよい環状アミノ基で ある2-アミノピリミジン誘導体(IV’)の製造方 法
 下記反応経路図6に記載の通り、2-アミノ-5- ロモピリミジン(XXVI)と一般式(XXVII)で表され る低級ジアルキルアミン又は環構成原子にヘ テロ原子を有してもよい環状アミンとの反応 により、一般式(IV’)で表される、R 9 が低級ジアルキルアミノ基、又は環構成原子 にヘテロ原子を有してもよい環状アミノ基で ある2-アミノピリミジン誘導体が得られる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図6
(式中、R 16 及びR 17 は、それぞれ同一または異なって、低級アル キル基であるか、又はR 16 及びR 17 が一緒になって隣接する窒素原子とともに環 構成原子にヘテロ原子を有してもよい環状ア ミンを形成する。)

 2-アミノ-5-ブロモピリミジン(XXVI)と一般 (XXVII)で表される低級ジアルキルアミン又は 構成原子にヘテロ原子を有してもよい環状 ミンとの反応は、溶媒中又は無溶媒にて、 基の存在下又は非存在下、金属触媒存在下 て行われるアリールハライドとアミン類と 反応手法を適用することができる。この反 は、例えば、金属触媒の存在下に両化合物 溶媒中で反応させることによって行うこと できる。その際、マイクロウェーブ照射を ってもよい。金属触媒としては、例えば、 リス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウ (0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロ ホルム)ジパラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジフェ ルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジ ム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン )パラジウム等のパラジウム錯体、又はヨウ 第一銅、臭化第一銅、青酸第一銅等の一価 試薬を単独として用いてもよいが、(2-ビフ ニル)ジ-t-ブチルホスフィンや(2-ビフェニル) ジシクロヘキシルホスフィン、テトラメチル エチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレン アミン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、N -メチルグリシン等の配位子を組み合わせて 用することもできる。溶媒としては特に制 はないが、例えば、テトラヒドロフラン、 ルエン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムア ド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホ シド、水等を単独又は組み合わせて使用す ことができる。塩基は特に制限はないが、 えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム 水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類 金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリ ム等のアルカリ金属類、水酸化リチウム、 酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸 アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナト ウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭 アルカリ金属類、リチウムジイソプロピル ミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、 リウムジイソプロピルアミド、リチウムヘ サメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメ ルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシ ジド、t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカ ウム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム 、t-ブチルリチウム等を使用することができ 。反応条件は、0~180℃、好ましくは80~150℃ て1分~5日間、好ましくは1時間~3日間反応さ ることによって目的物が得られる。

2-2 R 9 が低級アルコキシ基、低級アルキルチオ低級 アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキ シ基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコ キシ基である2-アミノピリミジン誘導体(IV’ )の製造方法-1
 下記反応経路図7に記載の通り、5-ブロモ-2- ロロピリミジン(XXVIII)と脱保護可能な官能 R 18 で置換された一般式(XXIX)で表されるアミンと の反応により一般式(XXX)で表されるアミノピ ミジン化合物が得られる。この得られた一 式(XXX)で表されるアミノピリミジン化合物 一般式(XXXI)で表される低級アルキルアルコ ル、低級アルキルチオ低級アルキルアルコ ル、低級アルコキシ低級アルキルアルコー 、又は低級ジアルキルアミノ低級アルキル ルコールとの反応により一般式(XXXII)で表さ るエーテル化合物を得、一般式(XXXII)で表さ れるエーテル化合物のR 18 の脱保護を行い、一般式(IV’’)で表わされ 、R 9 が低級アルコキシ基、低級アルキルチオ低級 アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキ シ基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコ キシ基である2-アミノピリミジン誘導体が得 れる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図7
(式中、R 18 は保護基を示し、R 19 は低級アルキル基、低級アルキルチオ低級ア ルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基又 は低級ジアルキルアミノ低級アルキル基を示 す。)

 5-ブロモ-2-クロロピリミジン(XXVIII)とアミ ン(XXIX)との反応は、溶媒中又は無溶媒にて反 応させることによって目的物が得られる。そ の際、マイクロウェーブ照射を行ってもよい 。溶媒としては特に制限はないが、例えば、 テトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン 、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリ ドン、ジメチルスルホキシド、水等を単独又 は組み合わせて使用することができる。反応 条件は、使用する一般式(XXIX)で表されるアミ ンの種類によって異なるが、一般に-20~180℃ 好ましくは0~150℃にて1分~24時間、好ましく 5分~10時間反応させることによって目的物が られる。

 得られたアミノピリミジン化合物(XXX)と ルコール(XXXI)との反応は、溶媒中又は無溶 にて、塩基の存在下又は非存在下、金属触 存在下にて行われるアリールハライドとア コール類との反応手法を適用することがで る。この反応は、例えば、金属触媒の存在 に両化合物を溶媒中で反応させることによ て目的物であるエーテル化合物(XXXII)が得ら る。その際、マイクロウェーブ照射を行っ もよい。金属触媒としては、例えば、トリ (ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホ ム)ジパラジウム(0)、[1,1’-ビス(ジフェニル スフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(I I)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ ジウム等のパラジウム錯体、又はヨウ化第 銅、臭化第一銅、青酸第一銅等の一価銅試 を単独として用いてもよいが、(2-ビフェニ )ジ-t-ブチルホスフィンや(2-ビフェニル)ジシ クロヘキシルホスフィン、テトラメチルエチ レンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジア ン、グリシン、N,N-ジメチルグリシン、N-メ ルグリシン等の配位子を組み合わせて使用 ることもできる。溶媒としては特に制限は いが、例えば、テトラヒドロフラン、トル ン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシ 、水等を単独又は組み合わせて使用するこ ができる。塩基は特に制限はないが、例え 、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水 化カリウム等の水素化アルカリ金属類、金 リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム のアルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸 ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化ア カリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸ア カリ金属類、リチウムジイソプロピルアミ 、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリ ムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサ チルジシラジド、ナトリウムヘキサメチル シラジド、カリウムヘキサメチルジシラジ 、t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウ 、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t- チルリチウム等を使用することができる。 応条件は、0~180℃、好ましくは80~150℃にて1 ~5日間、好ましくは1時間~3日間反応させる とによって目的物が得られる。

 上記の方法で得られたエーテル化合物(XXXII) の保護基R 18 の脱保護は特に制限はないが、当該保護基の 脱保護条件として一般に用いられる方法(Prote ctive Groups in Organic Synthesis Third Edition, John  Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うこと できる。

2-3 R 9 が低級アルコキシ基、低級アルキルチオ低級 アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキ シ基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコ キシ基である2-アミノピリミジン化合物(IV’ )の製造方法-2
 下記反応経路図8に記載の通り、一般式(XXXII I)で表されるアセタール誘導体をVilsmeier反応 付し、一般式(XXXIV)で表されるアミノアクロ レイン誘導体が得られる。一般式(XXXIII)中のR 20 及びR 21 は、低級アルキル基又は一般に水酸基の保護 基として用いられる保護基であり、特に制限 はないが、同一又は異なってメチル基、エチ ル基、プロピル基、ベンジル基、p-メトキシ ンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基など 好ましい。一般式(XXXIV)中のR 22 及びR 23 は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキ ル基又は置換基を有してもよいアリールアル キル基を示すか、又は一緒になって隣接する 窒素原子とともに含窒素飽和複素環を形成し てもよく、特に制限はないが、同一又は異な ってメチル基、エチル基、プロピル基、ベン ジル基、p-メトキシベンジル基、2,4,6-トリメ ルベンジル基などが好ましく、一緒になっ 隣接する窒素原子とともに形成する含窒素 和複素環としてはピペリジン、ピロリジン モルホリンなどが好ましい。この得られた 般式(XXXIV)で表されるアミノアクロレイン誘 導体とグアニジン塩(XXXV)との反応により一般 式(XXXVI)で表されるアミノピリミジン誘導体 得られる。一般式(XXXV)中のHAはグアニジンと 塩を形成する酸を示す。ここで用いるグアニ ジン塩を形成する酸は、特に制限はないが、 塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、酢酸、臭化水素酸 、ヨウ化水素酸などが好ましい。アミノピリ ミジン誘導体(XXXVI)のアミノ基を保護基R 24 で保護し、一般式(XXXVII)で表される化合物が られる。一般式(XXXVII)中の保護基R 24 は、一般にアミノ基の保護基として用いられ る保護基であり、特に制限はないが、ホルミ ル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ ル基、ヘキサノイル基、トリフルオロアセチ ル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボ ニル基、ベンジルオキシカルボニル基、2,2,2- トリクロロエチルカルボニル基、t-ブトキシ ルボニル基、4-メトキシベンジル基、ベン ル基、3,4-ジメトキシベンジル基、2,4,6-トリ チルベンジル基、トリフルオロメタンスル ニル基などが好ましい。この得られた一般 (XXXVII)で表される化合物のR 20 の脱保護により一般式(XXXVIII)で表されるヒド ロキシピリミジン誘導体が得られる。このヒ ドロキシピリミジン誘導体(XXXVIII)と一般式(XX XI)で表される低級アルキルアルコール、低級 アルキルチオ低級アルキルアルコール、低級 アルコキシ低級アルキルアルコール、又は低 級ジアルキルアミノ低級アルキルアルコール との光延反応、又は脱離基W 7 を有する化合物(XXXIX)との反応により一般式(X XXX)で表されるエーテル化合物を得、一般式(X XXX)で表されるエーテル化合物のR 24 の脱保護を行い、一般式(IV’’)で表される R 9 が低級アルコキシ基、低級アルキルチオ低級 アルコキシ基、低級アルコキシ低級アルコキ シ基、又は低級ジアルキルアミノ低級アルコ キシ基である2-アミノピリミジン誘導体が得 れる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図8
(式中、R 19 は低級アルキル基、低級アルキルチオ低級ア ルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、 又は低級ジアルキルアミノ低級アルキル基を 示し、R 20 及びR 21 は低級アルキル基又は保護基を示し、R 22 及びR 23 は、それぞれ同一又は異なって、低級アルキ ル基又は置換基を有してもよいアリール低級 アルキル基を示すか、又は一緒になって隣接 する窒素原子とともに形成する含窒素飽和複 素環を示し、R 24 は保護基を示し、W 7 はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示し、HAはグア ジンと塩を形成する酸を示す。)

 アセタール誘導体(XXXIII)のVilsmeier反応は 溶媒中又は無溶媒にてVilsmeier試薬と反応さ ることによって目的物が得られる。Vilsmeier 薬としては特に制限はないが、用いるホル アミドとしては、例えば、N,N-ジメチルホル アミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-ホル ルピペリジン、N-ホルミルピロリジン、N-ホ ルミルモルホリン等を使用することができ、 用いるリン試薬としては、例えば、オキシ塩 化リン、オキシ臭化リン等のオキシハロゲン 化リン、又は五塩化リン、五臭化リン等のハ ロゲン化リンを使用することができる。溶媒 としては特に制限はないが、例えば、テトラ ヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジオキ サン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2- クロロエタン等を単独又は組み合わせて使 することができる。反応条件は、使用する 般式(XXXIII)で表されるアセタール誘導体によ って異なるが、一般に-20~150℃、好ましくは0~ 100℃にて5分~1週間、好ましくは30分~100時間反 応させることによって目的物が得られる。

 得られたアミノアクロレイン誘導体(XXXIV) とグアニジン塩(XXXV)との反応は溶媒中、塩基 の存在下にて反応させることによって目的物 であるアミノピリミジン誘導体(XXXVI)が得ら る。塩基としては特に制限はないが、水素 リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリ ム等の水素化アルカリ金属類、金属リチウ 、金属ナトリウム、金属カリウム等のアル リ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金 類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸 リウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金 類、リチウムジイソプロピルアミド、ナト ウムジイソプロピルアミド、カリウムジイ プロピルアミド、リチウムヘキサメチルジ ラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジ 、カリウムヘキサメチルジシラジド、メト シナトリウム、メトキシカリウム、エトキ ナトリウム、エトキシカリウム、t-ブトキシ ナトリウム、t-ブトキシカリウム、n-ブチル チウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウ 等を使用することができる。溶媒としては に制限はないが、メタノール、エタノール イソプロパノール、N,N-ジメチルホルムアミ ド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキ ド、テトラヒドロフラン、トルエン、ベン ン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロ タン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル 、ニトロメタン、水等を単独又は組み合わせ て使用することができる。反応条件は、使用 するアミノアクロレイン誘導体(XXXIV)によっ 異なるが、一般に-20~150℃、好ましくは0~100 にて30分~1週間、好ましくは30分~5日間反応さ せることによって目的物が得られる。

 アミノピリミジン誘導体(XXXVI)のアミノ基へ の保護基R 24 の導入は、当該保護基の保護条件として一般 に用いられる方法(Protective Groups in Organic Sy nthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.) 参考にして行うことができる。

 一般式(XXXVII)で表される化合物のR 20 の脱保護は特に制限はないが、溶媒中、ルイ ス酸又はプロトン酸を用いて行うことができ る。ルイス酸としては特に制限はないが、三 臭化ホウ素、三塩化ホウ素、塩化アルミニウ ム、ヨウ化トリメチルシリル、トリフルオロ メタンスルホン酸トリメチルシリル、エチル 二塩化アルミニウム、ジエチル塩化アルミニ ウム等を使用することができる。プロトン酸 としては特に制限はないが、臭化水素酸、ヨ ウ化水素酸等を使用することができる。溶媒 としては特に制限はないが、トルエン、ベン ゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2- クロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベ ゼン、アセトニトリル、ニトロメタン、酢 等を単独又は組み合わせて使用することが きる。反応条件は、使用する一般式(XXXVII)で 表される化合物によって異なるが、一般に-20 ~150℃、好ましくは0~120℃にて10分~3日間、好 しくは10分~30時間反応させることによって目 的物が得られる。R 20 がベンジル基、p-メトキシベンジル基、2,4,6- リメチルベンジル基等のアリールメチル基 場合は、上記以外に水素添加の手法にて脱 護を行うことができる。水素添加の水素源 しては特に制限はないが、水素、ギ酸、ギ アンモニウム、シクロヘキサジエン等を使 することができる。水素添加触媒としては に制限はないが、パラジウム炭素、パラジ ム黒、白金黒、二酸化白金、ラネーニッケ 、水酸化パラジウム等を使用することがで る。溶媒としては特に制限はないが、メタ ール、エタノール、イソプロパノール、酢 エチル、酢酸イソプロピル、N,N-ジメチルホ ルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサ ン、アセトニトリル、酢酸、水等を単独又は 組み合わせて使用することができる。反応条 件は、使用する一般式(XXXVII)で表される化合 によって異なるが、一般に0~150℃、好まし は0~100℃にて30分~3日間、好ましくは30分~50時 間反応させることによって目的物が得られる 。

 ヒドロキシピリミジン誘導体(XXXVIII)とアル ール(XXXI)の光延反応、又は脱離基W 7 を有する化合物(XXXIX)との反応によりエーテ 化合物(XXXX)が得られる。ヒドロキシピリミ ン誘導体(XXXVIII)とアルコール化合物(XXXI)と 光延反応は溶媒中、ホスフィン試薬とアゾ 試薬又はエチレンジカルボン酸試薬を使用 るか、又はホスホニウムイリド試薬を使用 行うことができる。ホスフィン試薬として 特に制限はないが、トリアルキルホスフィ 又はトリアリールホスフィン、具体的には リメチルホスフィン、トリエチルホスフィ 、トリプロピルホスフィン、トリイソプロ ルホスフィン、トリブチルホスフィン、ト イソブチルホスフィン、トリシクロヘキシ ホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジ ェニルホスフィノポリスチレン等を使用す ことができる。アゾ系試薬としては特に制 はないが、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD) アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’-(ア ゾジカルボニル)ピペリジン(ADDP)、1,1’-アゾ ス(N,N’-ジイソプロピルホルムアミド)(TIPA) 1,6-ジメチル-1,5,7-ヘキサヒドロ-1,4,6,7-テト ゾシン-2,5-ジオン(DHTD)等を使用することがで きる。エチレンジカルボン酸試薬としては特 に制限はないが、マレイン酸ジメチル、マレ イン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル 酸ジエチル等を使用することができる。溶媒 としては特に制限はないが、N,N’-ジメチル ルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキ ン、アセトニトリル、プロピオニトリル、 トロメタン、アセトン、酢酸エチル、酢酸 ソプロピル、ベンゼン、トルエン、クロロ ンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、1, 2-ジクロロエタン等を単独又は組み合わせて 用することができる。反応条件は、使用す 一般式(XXXVIII)で示されるヒドロキシピリミ ン誘導体によって異なるが、一般に0~120℃ 好ましくは0~100℃にて30分~3日間、好ましく 30分~50時間反応させることによって目的物が 得られる。

 ヒドロキシピリミジン誘導体(XXXVIII)と脱離 W 7 を有する化合物(XXXIX)との反応は溶媒中、塩 の存在下にて行うことができる。溶媒とし は、特に制限は無いが、例えばN,N-ジメチル ルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチ スルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロ ラン、アセトニトリル、プロピオニトリル を単独又は組み合わせて使用することがで 、塩基としては、特に制限は無いが、例え 水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素 カリウム等の水素化アルカリ金属類、金属 チウム、金属ナトリウム、金属カリウム等 アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化 トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アル リ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム 炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アル リ金属類、リチウムジイソプロピルアミド ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウ ジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメ ルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジ ラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド t-ブトキシナトリウム、t-ブトキシカリウム n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブ ルリチウム等を使用することができる。

 上記の方法で得られたエーテル化合物(XXXX) 保護基R 24 の脱保護は特に制限はないが、当該保護基の 脱保護条件として一般に用いられる方法(Prote ctive Groups in Organic Synthesis Third Edition, John  Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うこと できる。

 なお、上記製造方法で用いるヒドロキシピ ミジン誘導体(XXXVIII)は、上述の方法のほか 下記方法によっても製造できる。すなわち 下記反応経路図9に記載の通り、5-ヒドロキ ピリミジン-2-アミン(XXXXI)のアミノ基及び水 酸基を保護基R 24 で保護し、一般式(XXXXII)で表される化合物を 、酸素官能基の保護基R 24 を選択的に脱保護し製造することができる。 一般式(XXXXII)中の保護基R 24 は、一般に水酸基及びアミノ基の両方に導入 可能な保護基であり、特に制限はないが、ホ ルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブ チリル基、ヘキサノイル基、トリメチルアセ チル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイ ル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンジ ルオキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエチ ルカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、4 -メトキシベンジル基、ベンジル基、3,4-ジメ キシベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル 、トリフルオロメタンスルホニル基などが ましい。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図9
(式中、R 24 は保護基を示す。)

 5-ヒドロキシピリミジン-2-アミン(XXXXI)のア ノ基及び水酸基への保護基R 24 の導入は特に制限はないが、当該保護基の保 護条件として一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wile y & Sons, Inc.)を参考にして行うことがで る。

 上記の方法で得られた化合物(XXXXII)の酸素 能基に導入した保護基R 24 の脱保護は特に制限はないが、当該保護基の 脱保護条件として一般に用いられる方法(Prote ctive Groups in Organic Synthesis Third Edition, John  Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うこと できる。

3 脱離基W 2 を有する化合物(VI)の製造方法
 上記脱離基W 2 を有する化合物(VI)は、入手可能なものをそ まま使用するか、あるいは、公知の方法に り適宜製造でき、例えば以下の方法により 造することが可能であるが、これに限定さ るものではない。

 下記反応経路図10に記載の通り、一般式(VII) で表されるケトン誘導体を還元し、一般式(XX XXV)で表されるアルコール誘導体が得られる また一般式(XXXXIII)で表されるアルデヒド誘 体に一般式(XXXXIV)で表されるアルキル金属試 薬を反応させると一般式(XXXXV)で表されるア コール誘導体が得られる。一般式(XXXXIV)中の 金属Mはリチウム、ナトリウム、カリウム等 アルカリ金属、あるいはマグネシウム塩化 、マグネシウム臭化物、マグネシウムヨウ 物等のGrignard試薬を形成するマグネシウムハ ロゲン化物が好ましい。一般式(XXXXV)で表さ るアルコール誘導体のアルコール部分を脱 基W 2 へと変換し、一般式(VI)で表される脱離基W 2 を有する化合物が得られる。

 この反応経路を化学反応式で示すと次の通 である。
反応経路図10
(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びR 6 は前記の一般式(I)におけるものと同じものを 示し、W はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ 基、ハロアルキルスルホニルオキシ基又はア リールスルホニルオキシ基を示す。)

 ケトン誘導体(VII)の還元反応は、溶媒中 元試薬を用いて行うことができる。溶媒と ては特に制限はないが、例えば、1,2-ジクロ エタン、クロロホルム、ジクロロメタン、 酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、 ンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン アセトニトリル、プロピオニトリル、メタ ール、エタノール、イソプロパノール、酢 、トリフルオロ酢酸等を単独又は組み合わ て使用することができる。還元試薬として 特に制限はないが、例えば、トリアセトキ 水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ 素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、シ ノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素 トリウム、水素化ホウ素リチウム、トリメ キシ水素化ホウ素ナトリウム、トリエチル 素化ホウ素リチウム等の水素化ホウ素系試 、水素化アルミニウムリチウム、ジイソプ ピル水素化アルミニウム、ビス(2-メトキシ トキシ)水素化アルミニウムナトリウム等の 水素化アルミニウム試薬を使用することがで きる。

 アルデヒド誘導体(XXXXIII)と一般式(XXXXIV) 表されるアルキル金属試薬との反応は無水 媒中にて両化合物を反応させることにより うことができる。溶媒としては特に制限は いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエ 、ジオキサン、ヘキサン等を単独又は組み わせて使用することができる。反応条件は 用する原料によって異なるが、一般に-100~100 ℃、好ましくは-78~50℃にて5分~72時間、好ま くは10分~24時間反応させることによって目的 物であるアルコール化合物(XXXXV)が得られる

 アルコール化合物(XXXXV)から脱離基W 2 を有する化合物(VI)を合成する反応は、下記 通り脱離基W 2 の種類によって選択できる。
 脱離基W 2 を有する化合物(VI)のW がスルホニルオキシ基の場合、化合物(VI)は 媒中、塩基の存在下又は非存在下、アルコ ル化合物(XXXXV)とスルホン酸エステル化剤と 反応により得ることができる。スルホン酸 ステル化剤としては特に制限はないが、例 ば、塩化メタンスルホニル、メタンスルホ 酸無水物、塩化エタンスルホニル、塩化ベ ジルスルホニル、塩化アリルスルホニル、 化トリフルオロメタンスルホニル、トリフ オロメタンスルホン酸無水物、塩化クロロ タンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル 塩化p-トルエンスルホニル、塩化o-ニトロベ ンゼンスルホニル、塩化p-ニトロベンゼンス ホニルを使用することができる。溶媒とし は特に制限はないが、例えば、1,2-ジクロロ エタン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢 酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、ベ ンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、 アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N-ジ チルホルムアミド等を単独又は組み合わせ 使用することができる。塩基としては特に 限はないが、例えば、ピリジン、DMAP、コリ ン、ルチジン、DBU、DBN、DABCO、トリエチル ミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N- ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチル アミン等の有機塩基、水素化リチウム、水素 化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化ア ルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナト リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ 金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭 酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ 金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ ウム等の重炭酸塩等を使用することができる 。

 脱離基W 2 を有する化合物(VI)のW がハロゲン原子の場合、化合物(VI)は溶媒中 は無溶媒下、塩基の存在下又は非存在下、 ルコール化合物(XXXXV)とハロゲン化剤との反 により得ることができる。ハロゲン化剤と ては特に制限はないが、オキシ塩化リン、 塩化リン、二塩化トリフェニルホスフィン 二臭化トリフェニルホスフィン、二塩化ト フェニルホスファイト、二臭化トリフェニ ホスファイト、三臭化リン、塩化チオニル トリフェニルホスフィンと四塩化炭素、ト フェニルホスフィンと四臭化炭素、塩化メ ンスルホニルとDMAP等の塩素化剤又は臭素化 剤が挙げられる。例えば、1,2-ジクロロエタ 、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチ エーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン ジオキサン、アセトニトリル、プロピオニ リル等を単独又は組み合わせて使用するこ ができる。塩基としては特に制限はないが 例えば、ピリジン、DMAP、コリジン、ルチジ 、DBU、DBN、DABCO、トリエチルアミン、N,N-ジ ソプロピルエチルアミン、N,N-ジイソプロピ ルペンチルアミン、トリメチルアミン等の有 機塩基、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭 酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ 金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ ウム等の重炭酸塩等を使用することができる 。

R 9 が低級アルキルスルフィニル低級アルコキシ 基、又は低級アルキルスルホニル低級アルコ キシ基である、一般式(I)で表される化合物、 若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の製 造方法
 R 9 が低級アルキルスルフィニル低級アルコキシ 基あるいは低級アルキルスルホニル低級アル コキシ基である、一般式(I)で表される化合物 は、上述した方法によるほか、次の反応工程 によっても製造することができる。すなわち 、R 9 が低級アルキルチオ低級アルコキシ基である 2-アミノピリミジン誘導体(IV’’)を用いて製 造した、R 9 が低級アルキルチオ低級アルコキシ基である 、一般式(I)で表される化合物の硫黄原子を酸 化することによっても得ることができる。

 酸化方法としては硫黄原子をスルフィニ 基あるいはスルホニル基へと変換する通常 方法を適用することができ、例えば、触媒 のタングステン酸ナトリウム、二塩化二酸 モリブデンあるいは五塩化タンタルを用い 過酸化水素水による酸化反応や、過ヨウ素 ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、メタク ロ過安息香酸(mCPBA)、PCC、PDC、N-クロロコハ 酸イミド(NCS)、N-ブロモコハク酸イミド(NBS) N-ヨードコハク酸イミド(NIS)、ヨウ素、臭素 等を使用することができる。溶媒としては特 に制限はないが、例えば、水、メタノール、 エタノール、イソプロパノール、アセトニト リル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジク ロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエ ン、四塩化炭素、N,N-ジメチルホルムアミド 酢酸等を単独又は組み合わせて使用するこ ができる。

 また、R 9 が低級アルキルスルホニル低級アルコキシ基 である、一般式(I)で表される化合物は、上記 方法にて得られたR 9 が低級アルキルスルフィニル低級アルコキシ 基である、一般式(I)で表される化合物より同 様の酸化反応条件を用いて製造することもで きる。

 前記の各反応で得られた中間体及び目的 は、有機合成化学で常用されている精製法 例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、 結晶、各種クロマトグラフィー等に付して 要に応じて単離、精製することができる。 た、中間体においては、特に精製すること く次反応に供することもできる。

 さらに、各種の異性体は異性体間の物理化 的性質の差を利用した常法を適用して単離 きる。たとえばラセミ混合物は、例えば酒 酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレ マー塩に導き光学分割する方法又は光学活 カラムクロマトグラフィーを用いた方法等 一般的ラセミ分割法により、光学的に純粋 異性体に導くことができる。また、ジアス レオマー混合物は、例えば分別結晶化また 各種クロマトグラフィー等により分割でき 。また、光学活性な化合物は適当な光学活 な原料を用いることにより製造することも きる。
 得られた化合物(I)は通常の方法で酸付加塩 することができる。また、反応溶媒、再結 溶媒等の溶媒の溶媒和物や水和物とするこ もできる。

 本発明の化合物、若しくはその塩、又は れらの溶媒和物を有効成分として含む医薬 投与形態としては、例えば、錠剤、カプセ 剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる 口投与又は静脈内注射剤、筋肉注射剤、坐 、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤な による非経口投与が挙げられる。また、こ ような種々の剤型の医薬製剤を調製するに 、この有効成分を単独で、又は他の製薬上 容される担体、すなわち、賦形剤、結合剤 増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分 剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜 、希釈剤等を適宜組み合わせて医薬組成物 して調製できる。

 本発明の医薬用組合せ組成物に用いられ HMG-CoA還元酵素阻害薬とは、HMG-CoA還元酵素 よって触媒されるヒドロキシメチルグルタ ル-補酵素Aのメバロン酸への生物学的変換を 阻害する化合物であり、ロバスタチン、シン バスタチン、フルバスタチン、プラバスタチ ン、ピタバスタチン、アトルバスタチン、ロ スバスタチン等が挙げられる。

 本発明の医薬、CETP阻害剤、HDL上昇剤の投 与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等に よって異なるが、通常成人の場合、一般式(I) で表わされる化合物として、1日0.1~500mg、特 1~300mgを、一回又は数回に分けて経口投与又 非経口投与し得る。

 次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明 るが、本発明はこれら実施例に限定される のではない。なお、下記実施例中で用いら ている略号は下記の意味を示す。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:クアルテット(quartet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CDCl 3 :重クロロホルム
d 6 -DMSO:重ジメチルスルホキシド
1 H-NMR:プロトン核磁気共鳴
IR:赤外線吸収スペクトル

実施例1
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[ 2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン 製造:
工程1:5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2 -アミンの製造
 5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンを、下記a)記載の方法により製造した。ま た、別途下記b)記載の方法によっても製造し 。この際、下記b)記載の方法における製造 間体であるN-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル )へキサンアミドについては、b)記載の方法の 他、別途下記c)、d)記載の方法によっても製 した。

a)5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンの製造-1
 5-ブロモ-2-クロロピリミジン(300 mg, 1.55 mmo l)を4-メトキシベンジルアミン(2.1 g, 15.4 mmol )に120℃にて加熱溶解し、同温にて2時間攪拌 た。反応液を直接シリカゲルカラムクロマ グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 30:1 →  5:1)にて精製し、5-ブロモ-N-(4-メトキシベン ル)ピリミジン-2-アミン(445.4 mg, 98%)を無色 晶質固体にて得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 3.80 (3H, s), 4.52 (2H, d, J = 5.4 Hz), 5. 45 (1H, br), 6.87 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.24 (2H, d, J = 8.4Hz), 8.28 (2H, s).

 5-ブロモ-N-(4-メトキシベンジル)ピリミジン- 2-アミン(300 mg, 1.02 mmol)をトルエン(20 mL)に 濁し、ヨウ化第一銅(200 mg, 1.05 mmol)、2-メ ルチオエタノール(1.06 g, 11.5 mmol)、N,N’- メチルエチレンジアミン(0.83 g, 9.42 mmol)、 よび炭酸セシウム(400 mg, 1.22 mmol)を加え、 アルゴン雰囲気下110℃にて66時間攪拌した。 応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (酢酸エチル)にて分離した後、シリカゲル 取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ チル = 1:1)にて精製し、N-(4-メトキシベンジ )-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-ア ミン(172.4 mg)を無色非晶質固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.20 (3H, s), 2.85 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3. 80 (3H, s), 4.10 (2H, t, J = 6.8 Hz), 4.51 (2H,  d, J = 5.9 Hz), 5.31 (1H, br), 6.86 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.28 (2H, d, J = 8.6 Hz), 8.05 (2H, s).

 N-(4-メトキシベンジル)-5-[2-(メチルチオ)エ キシ]ピリミジン-2-アミン(172.4 mg)をトリフ オロ酢酸(3 mL)に室温にて溶解し、60℃にて2. 5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得ら た残渣をシリカゲル分取薄層クロマトグラ ィー(クロロホルム:メタノール = 15:1)にて 製し、5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン -2-アミン(34 mg, 2段階18%)を無色非晶質固体に て得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.21 (3H, s), 2.85 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4. 13 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.93 (2H, br), 8.06 (2H, s).

b)5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンの製造-2
 5-メトキシピリミジン-2-アミン(12.3 g, 98.3  mmol)をピリジン(123 mL)に溶解し、氷浴中にて キサン酸クロリド(14.5 g, 108 mmol)を加え、 温にて30分間攪拌した。反応液に0℃で1Mグ シン水溶液(98.3 mL)を加え1時間撹拌した後、 クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩 水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後 、減圧濃縮し得られた残渣をトルエン共沸し た。得られた残渣をクロロホルム-ヘキサン て再結晶し、N-(5-メトキシピリミジン-2-イル )ヘキサンアミド(18.4 g, 84%)を無色固体とし 得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.91 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.30-1.40 (4H, m) , 1.70-1.78 (2H, m), 2.50-2.70 (2H, m), 3.89 (3H, s ), 8.10 (1H, br), 8.28 (2H, s).

 N-(5-メトキシピリミジン-2-イル)ヘキサンア ド(17.26 g, 77 mmol)を1,2-ジクロロエタン(170  mL)に懸濁し、三臭化ホウ素(20.5 mL, 216 mmol) 加え、30分間加熱還流した。反応液を氷冷下 メタノール(170 mL)で失活し、減圧濃縮して得 られた残渣に氷冷下にて飽和アンモニアメタ ノール(85 mL)を加えて均一とした。減圧濃縮 得られた残渣に水を加えクロロホルムで抽 した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水 酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮して得 れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ ィー(ヘキサン:アセトン = 2:1)にて分離精 し、N-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)ヘキ ンアミド(9.36g, 59%)を淡黄色固体として得た
1 H-NMR (d 6 -DMSO) δ: 0.86 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.24-1.31 (4H , m), 1.51-1.58 (2H, m), 2.35 (2H, t, J = 7.3 Hz) , 8.20 (2H, s), 10.09 (1H, br s), 10.21(1H, s).

 N-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)ヘキサン ミド(8.18 g, 39 mmol)およびトリフェニルホ フィン(20.5 g, 78 mmol)を混合し、減圧乾燥の 後、アルゴン雰囲気置換した。これらを無水 N,N-ジメチルホルムアミド(80 mL)に加熱溶解し 、室温まで冷却した後、2-メチルチオエタノ ル(5.4 g, 58.6 mmol)を加えた。氷浴中にてDEAD (2.2 M トルエン溶液, 26.6 mL, 58.6 mmol)を加 、室温にて2時間攪拌した。反応液に水(300 m L)を加えて15分間攪拌の後、クロロホルムに 抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し 無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮 得られた残渣を飽和アンモニアメタノール(6 0 mL)に溶解し、室温にて1時間放置した。反 液を減圧濃縮し得られた残渣をシリカゲル ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ ル = 3:1 → ヘキサン:アセトン = 2:1)にて 製し、濃縮残渣を過熱下、クロロホルムに 解した。氷冷して得られた結晶を除去し、 液を減圧濃縮した。残渣をクロロホルム-ヘ サンで再結晶し、N-{5-[2-(メチルチオ)エトキ シ]ピリミジン-2-イル}ヘキサンアミド(6.8 g,  61%)を淡茶褐色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.91 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.26-1.41 (4H, m) , 1.70-1.78 (2H, m), 2.22 (3H, s), 2.52-2.68 (2H, m ), 2.90 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.22 (2H, t, J = 6 .6 Hz), 8.21 (1H, br), 8.30 (2H, s).

 N-{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2 -イル}ヘキサンアミド(6.8 g, 24 mmol)をメタノ ール(68 mL)に懸濁し、ナトリウムメトキシド( 1 M メタノール溶液, 120 mL, 120 mmol)を加え 60℃油浴にて溶解し、同温にて2時間攪拌し 。反応液を減圧濃縮し得られた残渣をクロ ホルム-水より抽出し、有機層を飽和食塩水 にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後 、減圧濃縮した。得られた残渣をエーテル- キサンにて洗浄ろ取し、5-[2-(メチルチオ)エ キシ]ピリミジン-2-アミン(2.93 g, 59%)を淡黄 色固体として得た。

c)N-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)ヘキサン ミドの製造-2
 5-ヒドロキシキシピリミジン-2-アミン(40 g, 360 mmol)をピリジン(200 mL)に溶解し、ヘキサ 酸クロリド(121 g, 899 mmol)を加え、室温に 0.5時間攪拌した。反応液にメタノール(100 mL )を加え、減圧濃縮し、得られた残渣を水で 釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽 食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾 後、減圧濃縮して得られた残渣をメタノー (200 mL)に溶解し、氷冷攪拌下、飽和アンモ ア-メタノール溶液(250 mL)を加え室温にて一 攪拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ キサン:アセトン = 2:1)で精製し、N-(5-ヒドロ キシピリミジン-2-イル)ヘキサンアミド(39.5 g , 52 %)を無色固体として得た。

d)N-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)ヘキサン ミドの製造-3
 [(2,2-ジエトキシエトキシ)メチル]ベンゼン(8 .30 g, 37.0 mmol)を氷冷下攪拌する中に五塩化 ン(8.09 g, 38.8 mmol)を15分間かけて加えた。 温にて15分間攪拌の後、75℃油浴にて75分間 熱攪拌した。室温にて20分間攪拌し、冷却 た後、同温にて無水N,N-ジメチルホルムアミ (8.6 mL, 111 mmol)を加え、室温にて3日間攪拌 した。氷浴中にてpH 8以上になるまで8M水酸 ナトリウム水溶液を加えた後、水で希釈し エーテルにて抽出した。有機層を水および 和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリ ムにて乾燥後、減圧濃縮し得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ :アセトン = 4:1 → 2:1)にて精製し、2-(ベ ジルオキシ)-3-(ジメチルアミノ)アクリルア デヒド(4.05 g, 53%)を褐色油状物として得た
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 3.04 (6H, s), 4.96 (2H, s), 6.17 (1H, s), 7 .28-7.43 (5H, m), 8.64 (1H, s).

 2-(ベンジルオキシ)-3-(ジメチルアミノ)アク ルアルデヒド(10.95 g, 53.3 mmol)をN-メチルピ ロリドン(85 mL)に溶解し、グアニジン塩酸塩( 15.3 g, 160 mmol)を加えた後、氷浴中にて攪拌 つつ水素化ナトリウム(50% in oil, 15.3 g, 32 0 mmol)を加え、80℃油浴にて1時間攪拌した。 浴中にて水を加え、過剰の水素化ナトリウ を分解した後、エーテル-水より抽出し、有 機層を水および飽和食塩水にて順次洗浄し、 無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー(ヘキサン:アセトン = 10:1 →  4:1 → 2:1 → 1:1)にて精製し、濃縮残渣をエ ーテル-ヘキサンにて洗浄ろ取し、5-(ベンジ オキシ)ピリミジン-2-アミン(6.99 g, 65%)を淡 色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 4.76 (2H, br s), 5.03 (2H, s), 7.28-7.43 (5H , m), 8.08 (2H, s).

 5-(ベンジルオキシ)ピリミジン-2-アミン(60.0 g, 0.30 mmol)のジクロロメタン(400 mL)溶液に リジン(30 mL, 0.37 mmol)を加え氷浴中にて攪 しつつヘキサン酸クロリド(46 g, 0.34 mmol)の ジクロロメタン(100 mL)溶液を滴下し、同温に て1時間攪拌した。1M塩酸(500 mL)を加えクロロ ホルムにて抽出し、有機層を水、飽和食塩水 で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥 後、減圧濃縮した。得られた残渣をクロロホ ルム-ヘキサンより再結晶し、N-[5-(ベンジル キシ)ピリミジン-2-イル]ヘキサンアミド(87.1g , 98%)を無色針状晶として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.90 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.34-1.39 (4H, m) , 1.69-1.75 (2H, m), 2.55-2.61 (2H, m), 5.12 (2H, s ), 7.34-7.44 (5H, m), 7.96 (1H, br), 8.32 (2H, s).

 N-[5-(ベンジルオキシ)ピリミジン-2-イル] キサンアミド(87.1 g, 0.29 mmol)をメタノール( 2.4 L)に溶解し、10%パラジウム炭素(20 g)を加 水素雰囲気下室温にて3時間攪拌した。反応 液をろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( ロロホルム:メタノール = 30:1)にて精製し、 N-(5-ヒドロキシピリミジン-2-イル)ヘキサンア ミド(28.0 g, 46%)を淡黄色固体として得た。

工程2:1-ブロモ-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチ )フェニル]エタンの製造
 3,5-ビストリフルオロメチルアセトフェノン (2.00 g, 7.81 mmol)のメタノール溶液(20mL)に氷 中にて攪拌しつつ水素化ホウ素ナトリウム(5 91 mg, 15.6 mmol)を加え、同温度にて 30 分間 拌した。反応液に氷浴中にて1M塩酸を加え (pH <7)後、反応液を減圧濃縮し得られた残 渣に水(20 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出し 。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫 ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮し、1-[3,5- ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エタノー ル(2.00 g, 99%)を無色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.55 (3H, d, J = 6.6 Hz), 2.00 (1H, br s),  5.05 (1H, q, J = 6.6 Hz), 7.79 (1H, s), 7.85 (2 H, s).

 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ タノール(500 mg, 1.94 mmol)のトルエン(5 mL)溶 に三臭化リン(550.0 mg, 2.03 mmol)を加え、室 にて一晩攪拌した。反応液を水で希釈し酢 エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で 浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減 濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 10: 1)で精製し、1-ブロモ-1-[3,5-ビス(トリフルオ メチル)フェニル]エタン(257.9 mg, 41%)を無色 状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.08 (3H, d, J = 7.1 Hz), 5.21 (1H, q, J  = 7.1 Hz), 7.81 (1H, s), 7.87 (2H, s).

工程3:3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの製造
 Organic & Biomolecular Chemistry 1 (16) 2865-287 6 (2003) に記載の方法により合成した(3-ブロ -6-メトキシピリジン-2-イル)メタノール(10.6 g, 48.6 mmol)のジクロロメタン(150 mL)溶液に 冷下で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(31. 4 g, 243 mmol)及びクロロメチルメチルエーテ (13.3 g, 165 mmol)を順次滴下した。室温に昇 し16時間攪拌後、メタノール(30 mL)を加え30 間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (ヘキサン:酢酸エチル = 30:1 → 20:1)を用 て精製し、3-ブロモ-6-メトキシ-2-[(メトキシ トキシ)メチル]ピリジン(12.1g, 95%)を淡黄色 状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 3.46 (3H, s), 3.93 (3H, s), 4.73 (2H, s), 4 .81 (2H, s), 6.59 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.7 Hz).

 3-ブロモ-6-メトキシ-2-[(メトキシメトキシ) チル]ピリジン(1.50 g, 5.72 mmol)、トリス(ジ ンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラ ウム(0)(592 mg, 0.572 mmol)、(2-ビフェニル)ジ-t -ブチルホスフィン(680 mg, 2.28 mmol)、t-ブト シナトリウム(1.65 g, 17.2 mmol)及びエチルア ン(2.0M テトラヒドロフラン溶液, 15 mL, 30 mmol)のテトラヒドロフラン(15 mL)溶液をマイ ロウェーブ照射条件(500W)にて3分間かけて135 ℃まで昇温した。反応液を冷却後、セライト ろ過し、酢酸エチルで洗浄した。反応液を減 圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)を用いて精製し、N-エチル-6-メトキシ-2-[( メトキシメトキシ)メチル]ピリジン-3-アミン( 954 mg, 74%)を黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.27 (3H, t, J = 7.1 Hz), 3.12 (2H, q, J  = 7.1 Hz), 3.43 (3H, s), 3.86 (3H, s), 4.23 (1H b r s), 4.68 (2H, s), 4.71 (2H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.03 (1H, d, J = 8.8 Hz).

 N-エチル-6-メトキシ-2-[(メトキシメトキシ) チル]ピリジン-3-アミン(7.20 g, 31.8 mmol)及び シクロペンタンカルボアルデヒド(3.75 g, 38.2  mmol)の1,2-ジクロロエタン(240 mL)溶液にトリ セトキシ水素化ホウ素ナトリウム(8.75 g, 41 .3 mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応 に水を加えクロロホルムで抽出した。有機 を併せ、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水 酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮し 。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)を いて精製し、N-(シクロペンチルメチル)-N-エ ル-6-メトキシ-2-[(メトキシメトキシ)メチル] ピリジン-3-アミン(8.39 g, 86%)を淡黄色油状物 として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.94 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.05-1.23 (2H, m) , 1.34-1.70 (6H, m), 1.82 (1H, m), 2.78 (2H, d, J = 7.5 Hz), 2.90 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.47 (3H,  s), 3.93 (3H, s), 4.76 (2H, s), 4.85 (2H, s), 6.67  (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.8 Hz).

 N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-メトキ シ-2-[(メトキシメトキシ)メチル]ピリジン-3- ミン(8.39 g, 27.2 mmol)のジオキサン(400 mL)-水 (100 mL)混合溶液に濃塩酸(20 mL)を滴下し、50 で19時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウ ム水溶液を加え塩基性とし、酢酸エチルで抽 出した。有機層を併せ、水及び飽和食塩水で 洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し 、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ ル = 15:1)を用いて精製し、{3-[(シクロペン ルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジ ン-2-イル}メタノール(6.72 g, 94%)を淡黄色油 物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.96 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.05-1.23 (2H, m) , 1.33-1.77 (6H, m), 1.87 (1H, m), 2.77 (2H, d, J = 7.5 Hz), 2.86 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.94 (3H,  s), 4.79 (2H, s), 5.04 (1H, br s), 6.64 (1H, d, J  = 8.7 Hz), 7.49 (1H, d, J = 8.7 Hz).

 {3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]- 6-メトキシピリジン-2-イル}メタノール(2.0 g, 7.57 mmol)のクロロホルム(200 mL)溶液に二酸化 マンガン(20 g, 230 mmol)を加え、55℃で16時間 拌した。反応液をセライトろ過し、クロロ ルムで洗浄後、ろ液を減圧濃縮した。得ら た残渣にクロロホルム(200 mL)及び二酸化マ ガン(20 g, 230 mmol)を加え、55℃で6時間攪拌 した。反応液をセライトろ過し、クロロホル ムで洗浄後、ろ液を減圧濃縮して3-[(シクロ ンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピ リンアルデヒド(1.68 g, 85%)を淡黄色油状物 して得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.02 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.05-1.23 (2H, m) , 1.36-1.73 (6H, m), 1.95 (1H, m), 2.99 (2H, d, J = 7.6 Hz), 3.13 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.99 (3H,  s), 6.93 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.59 (1H, d, J =  9.0 Hz), 10.4 (1H, s).

工程4:N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェ ル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エ チル)アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチ ル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2- ミンの製造
 工程1で得られた5-[2-(メチルチオ)エトキシ] リミジン-2-アミン(1.03 g, 5.55 mmol)及び工程 3で得られた3-[(シクロペンチルメチル)(エチ )アミノ]-6-メトキシピコリンアルデヒド(1.60 g, 6.10 mmol)の1,2-ジクロロエタン(60 mL)溶液 室温で10分間攪拌した後、トリアセトキシ水 素化ホウ素ナトリウム(1.24 g, 5.83 mmol)を加 、室温で12時間攪拌した。反応液に水を加え クロロホルムで抽出した。有機層を併せ、水 及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ ムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 5:1)を用いて精製し N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メ ルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(1.60 g , 67%)を淡黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.08-1.25 (2H, m) , 1.34-1.70 (6H, m), 1.84 (1H, m), 2.21 (3H, s), 2 .81 (2H, d, J = 7.5 Hz), 2.85 (2H, t, J = 6.7 H z), 2.91 (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.94 (3H, s), 4.12 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.70 (2H, d, J = 4.6 Hz), 6.33 (1H, t, J = 4.6 Hz), 6.64 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.47 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.12 (2H, s).

 N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)ア ノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(168 mg, 0.39 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL )溶液を氷冷下攪拌する中に水素化ナトリウ (50% in oil, 24 mg, 1.4 mmol)を加え、50℃にて3 0分間攪拌した。反応液を-78℃に冷却し、工 2で得られた1-ブロモ-1-[3,5-ビス(トリフルオ メチル)フェニル]エタン(250 mg, 0.78 mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド(0.5 mL)溶液を加え室 まで昇温しつつ12時間攪拌した。反応液に を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和 塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて 燥後、減圧濃縮し得られた残渣をシリカゲ カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ チル = 3:1)を用いて精製し、目的化合物であ るN-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル ]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチ )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)- 5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ (88.1 mg, 34%)を淡黄色油状物として得た。

実施例2および実施例3
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[ 2-(メチルスルフィニル)エトキシ]ピリミジン- 2-アミン及びN-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチ )フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメ ル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イ }メチル)-5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ] リミジン-2-アミンの製造:
 実施例1で得られたN-{1-[3,5-ビス(トリフルオ メチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペン ルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピリジ ン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ] リミジン-2-アミン(82 mg, 0.12 mmol)のアセト トリル(3 mL)溶液に二塩化二酸化モリブデン (3.6 mg, 0.018 mmol)及び30%過酸化水素水(55 mg,  0.49 mmol)を加え、室温で23時間攪拌した。反 液に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、 ロロホルムで抽出した後、飽和食塩水で洗 し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、 圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル分 薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:アセトン  = 3:2)を用いて精製し、N-{1-[3,5-ビス(トリフ オロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロ ンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メトキシピ リジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルフィニ ル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン(実施例2化 物: 8.4 mg, 10%)を黄色油状物として、N-{1-[3,5 -ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}- N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ] -6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチ ルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミン( 実施例3化合物: 59.5 mg, 69%)を淡黄色油状物 して得た。

実施例4
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b] リジン-6-アミンの製造:
工程1:6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5- ルボアルデヒドの製造
 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒド(3.90 g, 18.6 mmol)、及 び国際公開第2006/073973号パンフレットに記載 方法により合成したN-(シクロペンチルメチ )-N-エチルアミン(11.70g, 92.0 mmol)を混合し、 アルゴン雰囲気下100℃にて8時間攪拌した。 応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 エチル = 10:1 → 5:1)を用いて精製し、6-[(シ クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメ チル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボアル ヒド(9.96g, 99%)を黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.09-1.18 (2H, m), 1.21 (3H, t, J = 7.1 Hz) , 1.46-1.60 (4H, m), 1.61-1.71 (2H, m), 2.30 (1H, m ), 2.49 (3H, s), 3.45 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.52  (2H, q, J = 7.1 Hz), 3.93 (3H, s), 8.33 (1H, s), 10.01 (1H, s).

工程2:5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フ ニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[ 3,4-b]ピリジン-6-アミンの製造
 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6 -メトキシピコリンアルデヒドの代わりに6-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジ チル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボア デヒドを用いて実施例1の工程4と同様に反応 ・処理し、目的化合物である5-[({1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メ ルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ) メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-1, 3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-アミ を淡褐色油状物として得た。

実施例5
5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ [3,4-b]ピリジン-6-アミンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例4で得られた5-[({1-[3,5-ビス( トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミ )メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル- 1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-アミ ンを用いて実施例3と同様に反応・処理し、 的化合物である5-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロ チル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニ ル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチ ]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-1,3-ジメ チル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-アミンを無 油状物として得た。

実施例6
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチルキノリン-2-アミンの製造:
 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒドの代わりに2-クロロ ノリン-3-カルボアルデヒドを用いて実施例4 工程1と同様に反応・処理し、2-[(シクロペ チルメチル)(エチル)アミノ]キノリン-3-カル アルデヒドを黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.10-1.25 (5H, m), 1.41-1.62 (4H, m), 1.63-1.7 5 (2H, m), 2.34 (1H, m), 3.48 (2H, d, J = 7.6 Hz ), 3.53 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.32 (1H, ddd, J = 1.2, 7.1, 8.1 Hz), 7.65 (1H, ddd, J = 1.2, 7.1,  8.1 Hz), 7.76 (1H, dd, J = 1.2, 8.1 Hz), 7.79 (1H , dd, J = 1.2, 8.1 Hz), 8.45 (1H, s), 10.15 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]キノ リン-3-カルボアルデヒドを用いて実施例1の 程4と同様に反応・処理し、目的化合物であ 3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニ ]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ ン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチル チル)-N-エチルキノリン-2-アミンを黄色油状 として得た。

実施例7
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミンの製造 :
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例6で得られた3-[({1-[3,5-ビス( トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミ )メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル ノリン-2-アミンを用いて実施例3と同様に反 応・処理し、目的化合物である3-[({1-[3,5-ビス (トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イ }アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N- エチルキノリン-2-アミンを淡黄色油状物とし て得た。

実施例8
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-アミンの 製造:
 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒドの代わりに2-クロロ-6 -メトキシキノリン-3-カルボアルデヒドを用 て実施例4の工程1と同様に反応・処理し、2-[ (シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メ キシキノリン-3-カルボアルデヒドを黄色油 物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.08-1.20 (5H, m), 1.43-1.72 (6H, m), 2.30 (1 H, m), 3.42 (2H, d, J = 7.6 Hz), 3.47 (2H, q, J = 7.0 Hz), 3.89 (3H, s), 7.05 (1H, s), 7.34 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.74 (1H, d, J = 9.2 Hz), 8.38 (1H, s), 10.19 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メ トキシキノリン-3-カルボアルデヒドを用いて 実施例1の工程4と同様に反応・処理し、目的 合物である3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチ ル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキ ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シク ペンチルメチル)-N-エチル-6-メトキシキノリ -2-アミンを淡黄色油状物として得た。

実施例9
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-ア ミンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例8で得られた3-[({1-[3,5-ビス( トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミ )メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル- 6-メトキシキノリン-2-アミンを用いて実施例3 と同様に反応・処理し、目的化合物である3-[ ({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ チル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリ ジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチ メチル)-N-エチル-6-メトキシキノリン-2-アミ ンを淡黄色油状物として得た。

実施例10
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキノリン -2-アミンの製造:
 4-トリフルオロメチルアニリン(3.00 g, 18.6  mmol)をピリジン(1.62 g, 20.5 mmol)に溶解し、氷 浴中にて攪拌しつつ無水酢酸(2.38 g, 23.3 mmol )を加え、室温にて30分間攪拌した。反応液を 減圧濃縮の後、トルエン共沸して得られた残 渣をヘキサンに懸濁し、ろ取した。ヘキサン にて洗浄した後、減圧乾燥し、4-トリフルオ メチルアセトアニリド(3.76 g, 99%)を無色固 として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.09 (3H, s), 7.66 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7. 78 (2H, d, J = 8.6 Hz), 10.30 (1H, br).

 N,N-ジメチルホルムアミド(3.38 g, 46.2 mmol) 氷浴中にて攪拌する中にオキシ塩化リン(20  g, 130 mmol)及び4-トリフルオロメチルアセト ニリド(3.76 g, 18.5 mmol)を順次加え、65℃に 22時間攪拌した。反応液を氷中に注ぎ、酢酸 エチル-水より抽出した。有機層を飽和食塩 で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用い 乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢 酸エチル = 20:1)を用いて精製し、2-クロロ-6- トリフルオロメチルキノリン-3-カルボアルデ ヒド(33 mg, 0.7%)を無色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 8.05 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.21 (1H, d, J  = 8.6 Hz), 8.31 (1H, s), 8.84 (1H, s), 10.58 (1H, s).

 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒドの代わりに2-クロロ-6 -トリフルオロメチルキノリン-3-カルボアル ヒドを用いて実施例4の工程1と同様に反応・ 処理し、2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-トリフルオロメチルキノリン-3-カル アルデヒドを黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.14-1.27 (5H, m), 1.50-1.71 (6H, m), 2.35 (1 H, m), 3.53 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.59 (2H, q, J = 6.9 Hz), 7.76-7.84 (2H, m), 8.03 (1H, s), 8.46  (1H, s), 10.10 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-ト リフルオロメチルキノリン-3-カルボアルデヒ ドを用いて実施例1の工程4と同様に反応・処 し、目的化合物である3-[({1-[3,5-ビス(トリフ ルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-(メチル オ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチ ]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル-6-トリ ルオロメチルキノリン-2-アミンを淡褐色油 物として得た。

実施例11
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-トリフルオロメチルキ ノリン-2-アミンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例10で得られた3-[({1-[3,5-ビス (トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミ )メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル -6-トリフルオロメチルキノリン-2-アミンを用 いて実施例3と同様に反応・処理し、目的化 物である3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル) フェニル]エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エ キシ]ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シ クロペンチルメチル)-N-エチル-6-トリフルオ メチルキノリン-2-アミンを淡黄色油状物と て得た。

実施例12
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメ ル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミンの製 造:
 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒドの代わりに2-クロロ-6 -メチルキノリン-3-カルボアルデヒドを用い 実施例4の工程1と同様に反応・処理し、2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メチ キノリン-3-カルボアルデヒドを黄色油状物 して得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.10-1.21 (5H, m), 1.41-1.72 (6H, m), 2.32 (1 H, m), 2.47 (3H, s), 3.45 (2H, d, J = 7.6 Hz), 3 .50 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.48-7.52 (2H, m), 7.71  (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.37 (1H, s), 10.15 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メ チルキノリン-3-カルボアルデヒドを用いて実 施例1の工程4と同様に反応・処理し、目的化 物である3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル )フェニル]エチル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ] ピリミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロ ンチルメチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2- ミンを黄色油状物として得た。

実施例13
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピ ミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペン ルメチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミ ンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例12で得られた3-[({1-[3,5-ビス (トリフルオロメチル)フェニル]エチル}{5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミ )メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチル -6-メチルキノリン-2-アミンを用いて実施例3 同様に反応・処理し、目的化合物である3-[({ 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ ル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミ ン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチル メチル)-N-エチル-6-メチルキノリン-2-アミン 淡黄色油状物として得た。

実施例14
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミンの 造:
 2-クロロ-6-メチルニコチン酸(1.00 g, 5.83 mmo l)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液に氷浴中 てN,O-ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(910 m g, 9.33 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミ (3.00 g, 23.2 mmol)及びDEPC(1.43 g, 8.77 mmol)を 次加え、室温にて30分間攪拌した。反応液を 水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層 を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム を用いて乾燥し、減圧濃縮して得られた残渣 をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ サン:酢酸エチル = 1:1)を用いて精製し、2- ロロ-N-メトキシ-N,6-ジメチルピリジン-3-カル ボキシアミドを無色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.58 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.49 (3H, s), 7 .14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.58 (1H, d, J = 7.8 H z).

 2-クロロ-N-メトキシ-N,6-ジメチルピリジン-3- カルボキシアミド(1.30 g, 5.83 mmol)をジクロ メタン(15 mL)の溶液に-78℃にてジイソブチル 水素化アルミニウム(0.99 M トルエン溶液, 12  mL, 11.66 mmol)を加え、同温にて30分間攪拌し た。反応液に2 M水酸化ナトリウム水溶液を え室温にて30分間攪拌した後、酢酸エチルで 抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後 、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧 濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムク ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3: 1)を用いて精製し、2-クロロ-6-メチルニコチ アルデヒド(828 mg, 91%)を淡黄色油状物とし 得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.63 (3H, s), 7.25 (1H, d, J = 6.9 Hz), 8. 13 (1H, d, J = 6.9 Hz), 10.40 (1H, s).

 6-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリ ン-5-カルボアルデヒドの代わりに2-クロロ-6 -メチルニコチンアルデヒドを用いて実施例4 工程1と同様に反応・処理し、2-[(シクロペ チルメチル)(エチル)アミノ]-6-メチルニコチ アルデヒドを黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.07-1.21 (5H, m), 1.45-1.85 (6H, m), 2.11 (1 H, m), 2.44 (3H, s), 3.44 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3 .50 (2H, q, J = 7.1 Hz), 6.65 (1H, d, J = 7.8 H z), 7.86 (1H, d, J = 7.8 Hz), 9.94 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メ チルニコチンアルデヒドを用いて実施例1の 程4と同様に反応・処理し、目的化合物であ N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2 -(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミン 淡黄色油状物として得た。

実施例15
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例14で得られたN-{1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-メチ ルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ) トキシ]ピリミジン-2-アミンを用いて実施例3 と同様に反応・処理し、目的化合物であるN-{ 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ ル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)ア ノ]-6-メチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メ チルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミ を淡黄色油状物として得た。

実施例16
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミンの 造:
工程1:2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-6-エチルニコチンアルデヒドの製造
 国際公開第 1997/19078号パンフレットに記載 方法により合成した2-クロロ-6-エチルピリ ン-3-カルボニトリル(500 mg, 3.00 mmol)及びN-( クロペンチルメチル)-N-エチルアミン(1.50 g,  11.8 mmol)を混合し、アルゴン雰囲気下100℃ て8時間攪拌した。N-(シクロペンチルメチル) -N-エチルアミン(0.19 g, 1.49 mmol)を追加し、10 0℃にて8時間攪拌した後、反応液をトルエン 沸して得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 50: 1)を用いて精製し、2-[(シクロペンチルメチル )(エチル)アミノ]-6-エチルピリジン-3-カルボ トリル(484 mg, 63%)を淡黄色油状物として得 。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.22-1.27 (8H, m), 1.49-1.81 (6H, m), 2.33 (1 H, m), 2.65 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.64 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.77 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.42 (1H,  d, J = 7.8 Hz), 7.57 (1H, d, J = 7.8 Hz).

 2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6 -エチルピリジン-3-カルボニトリル(484 mg, 1.8 7 mmol)のジクロロメタン(5 mL)溶液に-78℃にて ジイソブチル水素化アルミニウム(0.99 M ト エン溶液, 1.99 mL, 1.97 mmol)を加え、同温に 4時間攪拌した。同温にてジイソブチル水素 化アルミニウム(0.99 M トルエン溶液, 0.2 mL,  0.198 mmol)を追加し、同温にて45分間攪拌し 後、2 M水酸化ナトリウム水溶液を加え室温 て30分間攪拌し、クロロホルムで抽出した 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫 ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮して られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィー(ヘキサン:酢酸エチル = 50:1)を用い 精製し、2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルニコチンアルデヒド(233 mg, 4 8%)を黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.13-1.28 (8H, m), 1.48-1.78 (6H, m), 2.29 (1 H, m), 2.71 (2H, q, J = 7.6 Hz), 3.45 (2H, d, J = 7.3 Hz), 3.51 (2H, q, J = 7.0 Hz), 6.65 (1H,  d, J = 7.8 Hz), 7.88 (1H, d, J = 7.8 Hz), 9.94  (1H, s).

工程2:N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェ ル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エ チル)アミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル )-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンの製造
 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6 -メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-エチ ルニコチンアルデヒドを用いて実施例1の工 4と同様に反応・処理し、目的化合物であるN -{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( チルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミンを 黄色油状物として得た。

実施例17
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-( メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-ア ンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例16で得られたN-{1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6-エチ ルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ) トキシ]ピリミジン-2-アミンを用いて実施例3 と同様に反応・処理し、目的化合物であるN-{ 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ ル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)ア ノ]-6-エチルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メ チルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミ を淡黄色油状物として得た。

実施例18
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の製造:
 2-クロロ-6-エチルピリジン-3-カルボニトリ の代わりに、国際公開第2006/073973号パンフレ ットに記載の方法により合成した2-クロロ-5,6 -ジメチルピリジン-3-カルボニトリルを用い 実施例16の工程1と同様に反応・処理し、2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-5,6-ジ チルニコチンアルデヒドを淡黄色油状物と て得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.09-1.29 (5H, m), 1.44-1.75 (6H, m), 2.25 (3 H, s), 2.27 (1H, m), 2.41 (3H, s), 3.39 (2H, d, J  = 7.6 Hz), 3.44 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.69 (1H, s), 9.99 (1H, s).

 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに2- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-5,6- メチルニコチンアルデヒドを用いて実施例1 の工程4と同様に反応・処理し、目的化合物 あるN-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェ ル]エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エ ル)アミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メ ル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2- ミンを淡黄色油状物として得た。

実施例19
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル)-5 -[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2 -アミンの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例18で得られたN-{1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({2-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-5,6-ジ チルピリジン-3-イル}メチル)-5-[2-(メチルチ )エトキシ]ピリミジン-2-アミンを用いて実 例3と同様に反応・処理し、目的化合物であ N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({2-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-5,6-ジメチルピリジン-3-イル}メチル) -5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン -2-アミンを淡黄色油状物として得た。

実施例20
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] プロピル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミ ン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチル チル)-N-エチルキノリン-2-アミンの製造:
 3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデ ド(300 mg, 1.24 mmol)の無水テトラヒドロフラ ン(3 mL)溶液に氷浴中にて攪拌しつつ臭化エ ルマグネシウム(1.00 M 無水テトラヒドロフ ン溶液, 1.86 mL, 1.86 mmol)を加え、同温にて  30 分間攪拌した。反応液に氷浴中にて1 M  塩酸を加えた後(pH <7)、反応液を酢酸エチ で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し 無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮 て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 10:1)を いて精製し、1-[3,5-ビス(トリフルオロメチ )フェニル]-1-プロパノール(165 mg, 49%)を無色 固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.77-1.84 (2H, m) , 2.01 (1H, d, J = 3.6 Hz), 4.79 (1H, m), 7.79 ( 1H, s), 7.82 (2H, s).

 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エ タノールの代わりに1-[3,5-ビス(トリフルオロ チル)フェニル]-1-プロパノールを用いて実 例1の工程2と同様に反応・処理し、1-ブロモ- 1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]プ パンを淡黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 1.05 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.14-2.34 (2H, m) , 4.90 (1H, m), 7.80 (1H, s), 7.83 (2H, s).

 1-ブロモ-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル) ェニル]エタンの代わりに1-ブロモ-1-[3,5-ビ (トリフルオロメチル)フェニル]プロパンを い、3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに 2-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]キ リン-3-カルボアルデヒドを用いて実施例1の 工程4と同様に反応・処理し、目的化合物で る3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニ ル]プロピル}{5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリ ジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペンチ ルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミンを黄色 状物として得た。

実施例21
3-[({1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] プロピル}{5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ] リミジン-2-イル}アミノ)メチル]-N-(シクロペ チルメチル)-N-エチルキノリン-2-アミンの製 造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例20で得た3-[({1-[3,5-ビス(ト フルオロメチル)フェニル]プロピル}{5-[2-(メ ルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル}アミノ) メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N-エチルキ ノリン-2-アミンを用いて実施例3と同様に反 ・処理し、目的化合物である3-[({1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]プロピル}{5-[2-( メチルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イ }アミノ)メチル]-N-(シクロペンチルメチル)-N -エチルキノリン-2-アミンを無色アモルファ として得た。

実施例22
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5- ル}メチル){5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリ ジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフルオロ チル)ベンゾニトリルの製造:
 日本国公開特許公報2003-221376号公報に記載 方法により合成した3-(ヒドロキシメチル)-5-( トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(2.70 g,  13.4 mmol)をアセトン(30 mL)に溶解し、2 M-ジョ ーンズ試薬(26.8 mL, 53.6 mmol)を加え、12時間 拌した。反応液に水(15 mL)を加えて希釈した 後、エーテルで抽出した。有機層を合わせ、 2 M水酸化ナトリウム水溶液で逆抽出した後 水層に1 M塩酸を加えて中和し、クロロホル で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し 後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧 縮して3-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息 香酸(2.44 g, 85%)を無色固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 8.18 (1H, s), 8.60 (2H, s).

 3-シアノ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(20 0 mg, 0.93 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶 に氷浴中にて攪拌しつつN,O-ジメチルヒドロ キシアミン塩酸塩(145 mg, 1.49 mmol)及びN,N-ジ ソプロピルエチルアミン(470 mg, 3.64 mmol)、 DEPC(227 mg, 1.39 mmol)を加え、室温にて1 時間 拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残 に1 M塩酸(0.5 mL)を加え、酢酸エチルで抽出 した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無 水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮して 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3:1)で精製 、3-シアノ-N-メトキシ-N-メチル-5-(トリフル ロメチル)ベンズアミド(196 mg, 82%)を淡黄色 固体として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 3.42 (3H, s), 3.56 (3H, s), 8.00 (1H, s), 8 .22 (2H, s).

 3-シアノ-N-メトキシ-N-メチル-5-(トリフルオ メチル)ベンズアミド(196 mg, 0.76 mmol)の無 テトラヒドロフラン(2 mL)溶液に氷浴中にて 拌しつつ臭化メチルマグネシウム(0.96 M エ ーテル溶液, 0.95 mL, 0.91 mmol)を加え、室温 て15分間攪拌した。反応液に1 M塩酸を加え 酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和食 水にて洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて 燥した後、減圧濃縮し、3-アセチル-5-(トリ ルオロメチル)ベンゾニトリル(167.4 mg, 100%) 淡黄色油状物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.70 (3H, s), 8.10 (1H, s), 8.41 (2H, s).

 3,5-ビス(トリフルオロメチル)アセトフェノ の代わりに3-アセチル-5-(トリフルオロメチ )ベンゾニトリルを用いて実施例1の工程2と 様に反応・処理し、3-(1-ブロモエチル)-5-(ト リフルオロメチル)ベンゾニトリルを無色油 物として得た。
1 H-NMR (CDCl 3 ) δ: 2.07 (3H, d, J = 7.1 Hz), 5.57 (1H, m), 7. 90 (1H, s), 7.92 (2H, s).

 1-ブロモ-1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル) ェニル]エタンの代わりに3-(1-ブロモエチル) -5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを用 、3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ ]-6-メトキシピコリンアルデヒドの代わりに6- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3- メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボ ルデヒドを用いて実施例1の工程4と同様に反 応・処理し、目的化合物である3-{1-[({6-[(シク ロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメチ ル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル}メチル){5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル} ミノ]エチル}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾ ニトリルを淡黄色油状物として得た。

実施例23
3-{1-[({6-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミ ノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5- ル}メチル){5-[2-(メチルスルホニル)エトキシ ]ピリミジン-2-イル}アミノ]エチル}-5-(トリフ オロメチル)ベンゾニトリルの製造:
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例22で得られた3-{1-[({6-[(シク ロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメチ ル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル}メチル){5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-イル} ミノ]エチル}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾ ニトリルを用いて実施例3と同様に反応・処 し、目的化合物である3-{1-[({6-[(シクロペン ルメチル)(エチル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピ ゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル}メチル){5-[2-(メチ ルスルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-イル}ア ミノ]エチル}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾ トリルを淡黄色油状物として得た。

実施例24
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチ オ)エトキシ]ピリミジン-2-アミンの製造:
 3-[(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]-6 -メトキシピコリンアルデヒドの代わりに国 公開第 2006/073973 号パンフレットに記載の 法により合成した3-[(シクロペンチルメチル) (エチル)アミノ]ピラジン-2-カルボアルデヒド を用いて実施例1の工程4と同様に反応・処理 、目的化合物であるN-{1-[3,5-ビス(トリフル ロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[(シクロペ チルメチル)(エチル)アミノ]ピラジン-2-イル} メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジ -2-アミンを黄色油状物として得た。

実施例25
N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] チル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル) ミノ]ピラジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルス ルホニル)エトキシ]ピリミジン-2-アミンの製 :
 N-{1-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル] エチル}-N-({3-[(シクロペンチルメチル)(エチル )アミノ]-6-メトキシピリジン-2-イル}メチル)-5 -[2-(メチルチオ)エトキシ]ピリミジン-2-アミ の代わりに実施例24で得られたN-{1-[3,5-ビス( リフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3-[( クロペンチルメチル)(エチル)アミノ]ピラジ ン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルチオ)エトキシ] リミジン-2-アミンを用いて実施例3と同様に 反応・処理し、目的化合物であるN-{1-[3,5-ビ (トリフルオロメチル)フェニル]エチル}-N-({3- [(シクロペンチルメチル)(エチル)アミノ]ピラ ジン-2-イル}メチル)-5-[2-(メチルスルホニル) トキシ]ピリミジン-2-アミンを淡黄色油状物 して得た。

 上記実施例によって得られた化合物を表1に 示す。

試験例1:ヒト血漿中CETP阻害作用の測定
 実施例化合物、又は比較化合物をPolyethyleneg lycol/N-methyl-2-pyrrolidone (vol/vol=1/1) に溶解した 化合物溶液をヒト血漿に加え、37℃の恒温槽 4時間インキュベートした。この血漿中のCET P活性をCholesteryl Ester Transfer Protein Activity k it (Roar Biomedical、カタログ番号:RB-CETP) で測 した。すなわち、96穴プレートに緩衝液95  L (10 mM tris, 150 mM NaCl, 2 mM EDTA, pH 7.4)  、Donor particle 2 μLおよびAcceptor particle 2 μ Lを入れ、インキュベートを終えたヒト血漿 1 μL加え、37℃の恒温槽で2時間インキュベ トした。インキュベート終了後、蛍光プレ トリーダーにて蛍光強度(Fluorescence intensity; FLU) を測定した(励起波長465 nm、蛍光波長535  nm)。下記式1より各実施例化合物について複 数の濃度におけるCETP活性(% of control)を求め 。

CETP活性(% of control)=(Sample FLU-Blank FLU)×100/(Co ntrol FLU-Blank FLU) (式1)
式中、
BlankFLU:血漿非添加サンプルの蛍光強度
ControlFLU:化合物溶液非添加血漿の蛍光強度
SampleFLU:化合物溶液添加血漿の蛍光強度
をそれぞれ示す。
 100からCETP活性の値を差し引いた値を実施例 化合物のCETP阻害率とし、各実施例化合物に いて、複数の濃度でのCETP阻害率の値よりCETP 活性を50%阻害する濃度(IC 50 )を算出した。結果を表2に示した。なお、比 化合物として、特許文献10(国際公開第2006/07 3973号パンフレット)のExample66に記載のベンジ (ヘテロサイクリックメチル)アミン構造を するピリミジン化合物である下記化合物を いた。

 以上の試験結果により、特許文献10に記 の、ベンジル位の炭素原子に低級アルキル 等の置換基を有しない比較化合物1と比較し も、本発明の化合物、若しくはその塩、又 それらの溶媒和物は、優れたCETP阻害作用を 有するものであった。

試験例2:ハムスター血中CETP阻害活性の測定( 回経口投与)
1:ドナーリポ蛋白(HDL 3 分画)の 3 H-cholesterolによる標識及びアクセプターリポ 白(LDL分画)の調製
 ドナーリポ蛋白の調製は、健常人血漿(50mL) KBrを加え、比重(d)=1.125に調製し、100,000rpm、  4℃、 2.5時間遠心分離し(Optima Max-E TLA-100.2 ロータ:Beckman)、下層(HDL 3 分画:d>1.125)を採取することにより行なった 。得られた分画を、PBS(10mM Na 2 HPO 4 , 10mM NaH 2 PO 4 , 0.15M NaCl, 1mM EDTA-2Na pH7.4)で透析した。次 で、9.25MBq 1,2- 3 H (N) cholesterol(NEN TM :Life Science Products, USA)の95%エタノール溶液 攪拌しながら加え、37℃, 18時間インキュベ トした。インキュベート後、KBrを加えてd=1. 210に調製し、上記同条件にて遠心分離後、上 層( 3 H標識HDL 3 分画:1.125<d<1.210)を得た。 3 H標識HDL 3 はPBSにて透析し、CETP活性の測定に供した。
 アクセプターリポ蛋白は、健常人血漿(30mL) 上記同条件にて遠心分離後、上層(カイロミ クロン及びVLDL分画:d<1.006)を除去した。下 にKBrを加えてd=1.063に調製し、同条件にて遠 分離し上層(LDL分画:1.006<d<1.063)を得た。 LDL分画はPBSにて透析し、CETP活性の測定に供 た。

2:CETP阻害活性の測定
 実施例5に記載の化合物、又は比較化合物を olive oilに溶解後、単回経口投与を行い、投 2時間後にペントバルビタール麻酔下で腹部 静脈より採血を行った。また、コントロー として化合物を溶解しないolive oilを同様に 投与し採血を行った(各n=3)。
 ハムスター血漿10 μLに 3 H標識HDL 3  5 μL及びLDL 20 μLを添加し、TBS溶液(10 mM T ris, 0.15M NaCl, pH7.4)で終量を600 μLとした。37 ℃、18時間インキュベートした後、0.15M MgCl 2 、0.3%デキストラン硫酸を含むTBS溶液400 μLを 添加し、 VORTEX-2(Scientific Industries Inc.)にて 拌(10sec×2)、氷上で30分間放置し、8,000rpm、4 、10分間遠心分離した(MX-301:TOMY)。得られた 心上清( 3 H標識HDL 3 分画)300 μLをバイアルに採取し、シンチレー ター(Aquazol-2:Packard)3.6mLを加えて攪拌後、 3 H放射能を液体シンチレーションカウンター(T RI-CARB 2700TR:Packard)にて測定した。下記式2よ CETP活性(%)を求めた。結果を表3に示す。

CETP活性(%)=(Blank dpm-Sample dpm)×100/(Blank dpm)(式 2)
式中、
Blank dpm:血漿非添加サンプルの 3 H放射能の値
Sample dpm:各化合物サンプル、又はコントロー ルサンプルの 3 H放射能の値
をそれぞれ示す。

  以上の試験結果により、特許文献10に記 載の、ベンジル位の炭素原子に低級アルキル 基等の置換基を有しない比較化合物1と比較 ても、本発明の化合物、若しくはその塩、 はそれらの溶媒和物は生体内においても優 たCETP阻害活性を有していることが明らかと った。

 本発明の化合物、若しくはその塩、又は れらの溶媒和物は、試験例に具体的に開示 れている通り、CETPに対し強い阻害活性を示 し、さらに、強い血中HDLコレステロール増加 作用を有しておりCETP阻害剤の有効成分とし 、更にはHDL上昇剤の有効成分として好適に 用できる。さらに、CETP阻害活性、血中HDLコ ステロール増加作用により、医薬の有効成 として、より具体的には高脂血症、動脈硬 症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾 、高LDL血症、低HDL血症、高コレステロール 症、高トリグリセリド血症、家族性高コレ テロール血症、心臓血管障害、狭心症、虚 、心虚血、血栓症、心筋梗塞、再灌流障害 血管形成性再狭窄、又は高血圧等の疾患の 療、又は予防のための医薬の有効成分とし 好適に使用できる。

 本出願は、2007年3月13日に提出された米国 仮出願60/894,534の利益を享受し、その内容は 明細書に全て包含される。