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Patent Searching and Data


Title:
NOVEL THIAZOLE DERIVATIVE, MATRIX HAVING THIAZOLE DERIVATIVE IMMOBILIZED THEREON, METHOD FOR PRODUCTION OF THE THIAZOLE DERIVATIVE, AND METHOD FOR PRODUCTION OF THE MATRIX
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113637
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a low-molecular-weight compound for use in the analysis or purification of a protein; and a matrix having the low-molecular-weight compound immobilized thereon. Specifically disclosed are: a thiazole derivative which is useful for the analysis or purification of a protein and is represented by general formula (1) [wherein R1 and R2 independently represent a hydrogen atom or an optionally substituted alkyl group having 1 to 6 carbon atoms; R3 represents a phthalimide group, an amino group or an ammonium salt; Ar represents an optionally substituted aromatic group; and n represents an integer of 1 to 12]; and a matrix having a thiazole derivative immobilized thereon, which is produced by using the above-mentioned thiazole derivative and is represented by general formula (6) [wherein R1 and R2 independently represent a hydrogen atom or an optionally substituted alkyl group having 1 to 6 carbon atoms; Ar represents an optionally substituted aromatic group; n represents an integer of 1 to 12; and M represents a matrix].

Inventors:
ONO RYUTA (JP)
KAKIDANI HITOSHI (JP)
TOYOSHIMA TOSHINOBU (JP)
ITO HIROYUKI (JP)
YAGAME HARUTAKA (JP)
KAWANO MAHO (JP)
ORIKASA TOMOKO (JP)
OKISAKI FUMIO (JP)
AKIYAMA EI-ICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054805
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOSOH CORP (JP)
SAGAMI CHEM RES (JP)
ONO RYUTA (JP)
KAKIDANI HITOSHI (JP)
TOYOSHIMA TOSHINOBU (JP)
ITO HIROYUKI (JP)
YAGAME HARUTAKA (JP)
KAWANO MAHO (JP)
ORIKASA TOMOKO (JP)
OKISAKI FUMIO (JP)
AKIYAMA EI-ICHI (JP)
International Classes:
C07D277/20; A61K39/395; C07D277/46; C07D417/06; C07K1/22; C07K16/00
Domestic Patent References:
WO2004081001A12004-09-23
Foreign References:
JP2008506714A2008-03-06
JPS6253669A1987-03-09
JPH06508058A1994-09-14
Other References:
ERIKS, J. CH.: "Histamine H2-Receptor Agonists. Synthesis, in Vitro Pharmacology, and Qualitative Structure-Activity Relationships of Substituted 4- and 5-(2-Aminoethyl)thiazoles", JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 35, no. 17, 1992, pages 3239 - 3246
DAS, J.: "Discovery and SAR of 2-amino-5- (thioaryl)thiazoles as potent and selective Itk inhibitors", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS, vol. 16, no. 14, 2006, pages 3706 - 3712
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (JP)
Spring name Kenji (JP)
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Claims:
  一般式(1)
(式中、R 1 及びR 2 は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表し、R 3 はフタルイミド基、アミノ基又はアンモニウム塩であることを表し、Arは置換されていてもよい芳香族基を表し、nは1から12の整数を表す。)で表されるチアゾール誘導体。
 Arの置換基が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から8のシクロアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアシルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルフィニル基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルホニル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、水酸基又はシアノ基である請求項1に記載のチアゾール誘導体。
 Arが、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から8のシクロアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアシルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルフィニル基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルホニル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、水酸基及びシアノ基からなる群より選ばれた1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である請求項1に記載のチアゾール誘導体。
 一般式(2)
(式中、R 1 及びnは前記と同じ意味を表し、Yは脱離基を表す。)で表されるフタルイミド誘導体と、一般式(3)
(式中、R 2 及びArは前記と同じ意味を表す。)で表されるアシルチオウレア誘導体を反応させることを特徴とする、一般式(1a)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で示されるチアゾール誘導体の製造方法。
  一般式(4)
(式中、R 1 、R 2 及びnは前記と同じ意味を表す。)で表されるチアゾール誘導体と一般式(5)
(式中、Arは前記と同じ意味を表し、Wはハロゲン原子を表す。)で示される酸ハロゲン化物を塩基存在下にて反応させることを特徴とする、一般式(1a)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で示されるチアゾール誘導体の製造方法。
  一般式(1a)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で表されるチアゾール誘導体を塩基によって処理し、一般式(1a’)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)を得た後、酸によって処理することを特徴とする、一般式(1a’’)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、Z - は共役塩基を表す。)で示されるチアゾール誘導体の製造方法。
一般式(6) 
(式中、R 1 及びR 2 は水素原子又は置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表し、Arは置換されていてもよい芳香族基を表し、nは1から12の整数を表し、Mはマトリックスを表す。)で表されるチアゾール誘導体固定化マトリックス。
 Arの置換基が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から8のシクロアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアシルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルフィニル基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルホニル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、水酸基、又はシアノ基である請求項7に記載のチアゾール誘導体固定化マトリックス。
 Arが、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から8のシクロアルコキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアシルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルフィニル基、置換されていてもよい炭素数1から6のアルキルスルホニル基、置換されていてもよい炭素数1から12のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、置換されていてもよいアミノ基、水酸基及びシアノ基からなる群より選ばれた1つ以上の置換基で置換されていてもよい芳香族基である請求項7に記載のチアゾール誘導体固定化マトリックス。
 Mのマトリックスが、ビニルポリマー、アガロース、キトサン、デキストラン、セルロース、シリカ、ポリスチレンのいずれかであることを特徴とする、請求項7~9のいずれかに記載のチアゾール誘導体固定化マトリックス。
 一般式(1’)
(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、R 3a はアミノ基又はアンモニウム塩を表す。)で示されるチアゾール誘導体と、活性化基含有マトリックスとを反応させることを特徴とする、一般式(6)
(式中、R 1 、R 2 、Ar、n及びMは前記と同じ意味を表す。)で示されるチアゾール誘導体固定化マトリックスの製造方法。
 活性化基含有マトリックスの活性化基が、スクシンイミドオキシカルボニル基、エポキシ基、ホルミル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基、カルボキシル基のいずれかであることを特徴とする請求項11に記載のチアゾール誘導体固定化マトリックスの製造方法。
一般式(6)
(式中、R 1 、R 2 、Ar、n及びMは前記と同じ意味を表す。)で示されるチアゾール誘導体固定化マトリックスを使用し、タンパク質の分析または精製を行なう方法。
 タンパク質が免疫グロブリン、またはこれらの類縁体、フラグメント、融合体であることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
 免疫グロブリンが免疫グロブリンG(IgG)であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
Description:
新規なチアゾール誘導体、チア ール誘導体固定化マトリックス、及びそれ の製造方法

 本発明は、タンパク質、特に免疫グロブ ンの分析または精製に使用可能な新規なチ ゾール誘導体、チアゾール誘導体固定化マ リックス、及びそれらの製造方法に関する

 近年、医療用タンパク質の需要は拡大し つあり、その簡便で大規模に実施できる工 的精製技術の確立が切望されている。一般 タンパク質の精製技術には、ゲル透過クロ トグラフィー、イオン交換クロマトグラフ ー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、 相クロマトグラフィー、およびアフィニテ ークロマトグラフィーなどのクロマトグラ ィー分離技術があるが、医療用タンパク質 精製を工業的に実施する場合には、実験室 用いられるような分離剤や装置を使用した では経済性に乏しく、実用的とは言い難い また、医療用タンパク質を工業的に製造す 過程では多種類のタンパク質が混在してい ため、上記の中の一つの精製技術を用いて 的とするタンパク質を純粋に得ることは極 て困難である。そのため通常はいくつかの 術を複合させた精製プロセスが採用されて る(特許文献1)。

 近年、医療用タンパク質の一つである免 グロブリンを精製するための低分子化合物 それらが結合したマトリックスが数多く報 されており、スルホン誘導体(特許文献2)、 リアジン誘導体(特許文献3)、メルカプト複 環式化合物(特許文献4)、4-ピリジルエチル オアルキル誘導体(非特許文献1)などの低分 化合物が結合したマトリックスが知られて る。しかしながら、本発明のマトリックス 製造に用いるチアゾール誘導体(1)が免疫グ ブリンを精製するための低分子化合物とし 有用であるとの報告はない。また、特許文 5や非特許文献2に本発明のマトリックスの製 造に用いる、上記のチアゾール誘導体(1)に類 似の化学構造を有するチアゾール誘導体が報 告されているものの、これらの文献に記載の チアゾール誘導体の化学構造は、チアゾール 環の2位がアミノ基あるいはアルキル基に限 されており、上記のチアゾール誘導体(1)の うに2位にベンゾイルアミノ基が置換した化 物についての記載はない。とりわけ非特許 献2に記載の化合物は、上記チアゾール誘導 体(1)に類似のチアゾール誘導体ではあるもの の、それらの用途はヒスタミンH2レセプター ゴニストとしての用途に限定されており、 疫グロブリンを精製するための用途につい の記載はない。

 なお、特許文献6にはチアゾール環の2位 ベンゾイルアミノ基が置換したチアゾール 導体が記載されているが、これらの化合物 チアゾール環の4位の置換基はカルボニル、5 位は無置換にそれぞれ限定されており、それ らの用途としては消化管運動改善作用を有す る医薬の有効成分として言及されているのみ である。更には特許文献6の化合物はマトリ クスに固定化されたものではなく、免疫グ ブリンを精製するための用途についての記 もない。

WO2004/087761号

米国特許4696980号

米国特許6117996号

特許第3844496号

WO1991/10656号

WO1998/17654号

WO1989/10360号 Bioseparation,9(4),211-221,2000 Journal of Medicinal Chemistry,35(17),3239-3246,199 2 はじめてのリガンドカップリングハンド ブック、アマシャムバイオサイエンス株式会 社刊、2005

 本発明の課題は、タンパク質、特に免疫 ロブリンの分析または精製に有用なチアゾ ル誘導体及びそれらの製造方法、並びに、 ンパク質、特に免疫グロブリンの分析また 精製に有用な該チアゾール誘導体を固定化 たマトリックス及びその製造方法を提供す ことにある。

 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意 討を重ねた結果、下記一般式(1)で示される 発明のチアゾール誘導体が免疫グロブリン 選択的に相互作用することを見出すと共に 一般式(1)で示される本発明のチアゾール誘 体をマトリックスに固定した一般式(6)で示 れる本発明のチアゾール固定化マトリック が、タンパク質、特に免疫グロブリンの簡 な分析または精製を可能にすることを見出 、本発明を完成するに至った。

 本発明は、一般式(1)

(式中、R 1 及びR 2 は水素原子又は置換されていてもよい炭素数 1から6のアルキル基を表し、R 3 はフタルイミド基、アミノ基又はアンモニウ ム塩であることを表し、Arは置換されていて よい芳香族基を表し、nは1から12の整数を表 す。)で表されるチアゾール誘導体に関する のである。
また本発明は、一般式(2)

(式中、R 1 及びnは前記と同じ意味を表し、Yは脱離基を す。)で表されるフタルイミド誘導体と、一 般式(3)

(式中、R 2 及びArは前記と同じ意味を表す。)で表される アシルチオウレア誘導体を反応させることを 特徴とする、一般式(1a)

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で示さ るチアゾール誘導体の製造方法に関するも である。
また本発明は、一般式(4)

(式中、R 1 、R 2 及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される アゾール誘導体と一般式(5)

(式中、Arは前記と同じ意味を表し、Wはハロ ン原子を表す。)で示される酸ハロゲン化物 塩基存在下にて反応させることを特徴とす 、一般式(1a)

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で示さ るチアゾール誘導体の製造方法に関するも である。
また本発明は、一般式(1a)

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)で表さ るチアゾール誘導体を塩基によって処理し 一般式(1a’)

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)を得た 、酸によって処理することを特徴とする、 般式(1a’’)

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、Z - は共役塩基を表す。)で示されるチアゾール 導体の製造方法に関するものである。
また本発明は、一般式(6)

(式中、R 1 及びR 2 は水素原子又は置換されていてもよい炭素数 1から6のアルキル基を表し、Arは置換されて てもよい芳香族基を表し、nは1から12の整数 表し、Mはマトリックスを表す。)で表され チアゾール誘導体固定化マトリックスに関 るものである。

 また本発明は、一般式(6)

(式中、R 1 、R 2 、Ar、n及びMは前記と同じ意味を表す。)にお てMのマトリックスがビニルポリマー、アガ ロース、キトサン、デキストラン、セルロー ス、シリカ、ポリスチレンのいずれかである ことを特徴とする、チアゾール誘導体固定化 マトリックスに関するものである。
また本発明は、一般式(1’)

 (式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、R 3a はアミノ基又はアンモニウム塩を表す。)で されるチアゾール誘導体と、活性化基含有 トリックスとを反応させることを特徴とす 、一般式(6)

(式中、R 1 、R 2 、Ar、n及びMは前記と同じ意味を表す。)で示 れるチアゾール誘導体固定化マトリックス 製造方法に関するものである。
また本発明は、一般式(6)

(式中、R 1 、R 2 、Ar、n及びMは前記と同じ意味を表す。)で示 れるチアゾール誘導体固定化マトリックス 使用し、タンパク質の分析または精製を行 う方法に関するものである。

 本発明のチアゾール誘導体はタンパク質 特に免疫グロブリンの分析および精製用低 子リガンドとして有用であり、また上記チ ゾール誘導体をマトリックスに結合させた 発明のチアゾール誘導体固定化マトリック は、タンパク質、特に免疫グロブリンの分 および精製に有用かつ耐久性に富む選択的 吸脱着剤となることから医療用タンパク質 特に免疫グロブリンの工業的な精製におい 極めて有用である。

チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物286の結果)。 チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物304の結果)。 チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物320の結果)。 チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物329の結果)。 チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物384の結果)。 チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いた免疫グロブリンのクロマトグラフィー 果(化合物423の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ー結果(化合物286の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ー結果(化合物304の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ー結果(化合物320の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを 用いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ィー結果(化合物329の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを 用いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ィー結果(化合物384の結果) チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムを 用いたウシ血清アルブミンのクロマトグラフ ィー結果(化合物423の結果) 化合物286固定化HiTrapカラムを用いたリ ボヌクレア-ゼA、リゾチ-ム、αキモトリプシ -ゲンAの混合液のクロマトグラフィー結果 化合物286固定化HiTrapカラムを用いたヒ ト-マウスキメラ抗体のパパイン消化物のク マトグラフィー結果 図14の画分I、II、III、IVのSDS-PAGE分析の 結果 化合物286固定化エポキシトヨパールゲ ルを用いた免疫グロブリンのクロマトグラフ ィー結果 化合物286固定化エポキシトヨパールゲ ルを用いたヒト化モノクローナル抗体のクロ マトグラフィー結果 化合物286固定化エポキシトヨパールゲ ルを用いたウシ血清アルブミンのクロマトグ ラフィー結果 化合物329固定化エポキシトヨパールゲ ルを用いたヒト化モノクローナル抗体のクロ マトグラフィー結果 化合物329固定化エポキシトヨパールゲ ルを用いたウシ血清アルブミンのクロマトグ ラフィー結果 化合物286固定化ホルミルトヨパールゲ ルを用いたヒト化モノクローナル抗体のクロ マトグラフィー結果 化合物286固定化ホルミルトヨパールゲ ルを用いたウシ血清アルブミンのクロマトグ ラフィー結果 化合物286固定化BIACOREセンサーチップCM 5に各種抗体をアナライトとして流したBIACORE ンサーグラム(A:マウスIgM、B:マウスIgG、C:ニ ワトリIgY、D:ウシ血清アルブミン)

 以下、本発明をさらに詳細に説明する。
 本発明のチアゾール誘導体(1)又は(1’)、及 チアゾール誘導体固定化マトリックス(6)に ける、R 1 、R 2 、Arで表される置換基、R 3 及びR 3a で表されるアンモニウム塩(Z - H 3 + N)、並びにチアゾール誘導体(1a)の合成原料で あるフタルイミド誘導体(2)におけるYで表さ る置換基の定義について以下に示す。

 R 1 及びR 2 で表される炭素数1から6のアルキル基として 、直鎖状もしくは分枝状のいずれであって よく、メチル基、エチル基、プロピル基、 ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s ec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イ アミル基、ネオペンチル基、2-ペンチル基 3-ペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基 イソヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル 基を例示することができる。また、これらの 炭素数1から6のアルキル基はハロゲン原子等 置換されていてもよく、さらに具体的には フルオロメチル基、トリフルオロメチル基 2,2,2-トリフルオロエチル基、パーフルオロ チル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシ チル基、4-モルホリノカルボニルメチル基 を例示することができる。特に本発明の固 化マトリックスの製造に用いるチアゾール 導体としては、免疫グロブリンの分析また 精製において良好な性能を示す点で、R 1 はメチル基が好ましく、R 2 は水素原子が好ましい。

 R 3 及びR 3a で表されるアンモニウム塩はZ - H 3 + N(Z - は共役塩基を表す。)で表される。具体的に Cl - H 3 + N、Br - H 3 + N、F - H 3 + N、I - H 3 + N、NO 3 - H 3 + N、1/2(SO 4 2- )H 3 + N、1/3(PO 4 3- )H 3 + N、CH 3 SO 3 - H 3 + N、4-CH 3 C 6 H 4 SO 3 - H 3 + N、CH 3 COO - H 3 + N、CF 3 COO - H 3 + N等を例示することができる。R 3 及びR 3a は、チアゾール誘導体(1)及びチアゾール誘導 体(1’)を合成する上での反応の操作性や単離 が簡便な点及びマトリックスへの固定化の反 応性や操作性に優れている点で、Cl - H 3 + N又はBr - H 3 + Nが好ましい。

 Arで表される置換されていてもよい芳香 基としては、特に制限はないが、フラン-2- ル基、フリル基、チエニル基、チオフェン-3 -イル基、ピロール-2-イル基、ピロール-3-イ 基、ピラゾール-3-イル基、ピラゾール-4-イ 基、イソチアゾール-3-イル基、イソチアゾ ル-4-イル基、イソキサゾール-3-イル基、イ キサゾール-4-イル基、イミダゾール-2-イル 、イミダゾール-4-イル基、イミダゾール-5- ル基、オキサゾール-2-イル基、オキサゾー -4-イル基、オキサゾール-5-イル基、チアゾ ル-2-イル基、チアゾール-4-イル基、チアゾ ル-5-イル基、1,2,4-トリアゾール-3-イル基、 ェニル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4- リジル基、2-ピリミジル基、4-ピリミジル基 5-ピリミジル基、1,2,4-トリアジン-3-イル基 1,2,4-トリアジン-5-イル基、1,2,4-トリアジン-6 -イル基、ベンゾジオキソラン-3-イル基、ベ ゾフラン-2-イル基、ベンゾフラン-3-イル基 ベンゾフラン-4-イル基、ベンゾフラン-5-イ 基、ベンゾフラン-6-イル基、ベンゾフラン-7 -イル基、ベンゾチオフェン-2-イル基、ベン チオフェン-3-イル基、ベンゾチオフェン-4- ル基、ベンゾチオフェン-5-イル基、ベンゾ オフェン-6-イル基、ベンゾチオフェン-7-イ 基、インドール-2-イル基、インドール-3-イ 基、インドール-4-イル基、インドール-5-イ 基、インドール-6-イル基、インドール-7-イ 基、ベンゾチアゾール-2-イル基、ベンゾチ ゾール-4-イル基、ベンゾチアゾール-5-イル 、ベンゾチアゾール-6-イル基、ベンゾチア ール-7-イル基、インダゾール-3-イル基、イ ダゾール-4-イル基、インダゾール-5-イル基 インダゾール-6-イル基、インダゾール-7-イ 基、ベンズイソキサゾール-3-イル基、ベン イソキサゾール-4-イル基、ベンズイソキサ ール-5-イル基、ベンズイソキサゾール-6-イ 基、ベンズイソキサゾール-7-イル基、ナフ レン-1-イル基、ナフタレン-2-イル基、キノ ン-2-イル基、キノリン-3-イル基、キノリン-4 -イル基、キノリン-5-イル基、キノリン-6-イ 基、キノリン-7-イル基、キノリン-8-イル基 キノキサリニル基、キノキサリン-5-イル基 キノキサリン-6-イル基、キナゾリニル基、 ナゾリン-4-イル基、キナゾリン-5-イル基、 ナゾリン-6-イル基、キナゾリン-7-イル基、 ナゾリン-8-イル基、ベンゾオキサジン-5-イ 基、ベンゾオキサジン-6-イル基、ベンゾオ サジン-7-イル基、ベンゾオキサジン-8-イル 、ベンゾチアジン-5-イル基、ベンゾチアジ -6-イル基、ベンゾチアジン-7-イル基、ベン チアジン-8-イル基、1,3-ベンゾジオキソール- 4-イル基、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル基、 1,3-ベンゾジオキソール-6-イル基、1,3-ベンゾ オキソール-7-イル基、アントラセン-1-イル を例示できる。特に、免疫グロブリンの分 または精製において良好な性能を示す点で 芳香族基としては、フェニル基、2-ピリジ 基、3-ピリジル基あるいは4-ピリジル基が好 しい。

 Arで表される置換されていてもよい芳香 基の置換基としては、特に制限はないが、 ロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1 ら6のアルキル基、置換されていてもよい炭 素数1から12のアルコキシ基、置換されていて もよい炭素数3から8のシクロアルコキシ基、 換されていてもよい炭素数3から6のアルケ ルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3 ら6のアルキニルオキシ基、置換されていて もよい炭素数1から6のアシルオキシ基、置換 れていてもよい炭素数1から6のアルキルチ 基、置換されていてもよい炭素数1から6のア ルキルスルフィニル基、置換されていてもよ い炭素数1から6のアルキルスルホニル基、置 されていてもよい炭素数1から12のアルコキ カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基 置換されていてもよいアミノ基、水酸基又 シアノ基が好ましい。

 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩 原子、臭素原子あるいはヨウ素原子を例示 ることができる。

 置換されていてもよい炭素数1から6のア キル基としては、直鎖状、分枝状もしくは 状のいずれであってもよく、メチル基、エ ル基、シクロプロピル基、プロピル基、イ プロピル基、シクロプロピル基、ブチル基 イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基 ペンチル基、イソアミル基、ネオペンチル 、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチルブ ル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、イソヘ キシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基を例 することができる。また、これらの炭素数1 ら6のアルキル基はハロゲン原子、炭素数3 ら8のシクロアルキル基、炭素数1から6のア コキシ基、炭素数1から6のアルコキシカルボ ニル基、カルボキシ基、アシル基、置換され ていてもよい芳香族基で1個以上置換されて てもよく、さらに具体的には2-クロロエチル 基、3-クロロプロピル基、ジフルオロメチル 、3-フルオロプロピル基、メトキシメチル 、2-エトキシエチル基、シクロプロピルメチ ル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキ シルメチル基、2-メチルチオエチル基、2-エ ルチオエチル基、2-アリルチオエチル基、2- ロパルギルチオエチル基、2-ベンジルチオ チル基、2-(2-クロロベンジル)チオエチル基 2-(2,4-ジクロロベンジル)チオエチル基、2-メ ルスルフィニルエチル基、2-メチルスルホ ルエチル基、エトキシメチル基、2-メトキシ エチル基、2-クロロエトキシメチル基、メト シカルボニルメチル基、エトキシカルボニ メチル基、1-メトキシカルボニルエチル基 1-エトキシカルボニルエチル基、2-エトキシ ルボニルエチル基、カルボキシメチル基、 セトニル基、1-アセチルエチル基、3-アセチ ルプロピル基、フェナシル基、4-クロロフェ シル基、2,4-ジフルオロフェナシル基、4-メ ルフェナシル基、4-イソプロピルフェナシ 基、4-イソブチルフェナシル基、4-シクロヘ シルフェナシル基、4-シアノフェナシル基 4-ニトロフェナシル基、チエニル基、2-(チオ フェン-2-イル)エチル基、2-(チオフェン-3-イ )エチル基、フルフリル基、(5-メチルフラン- 2-イル)メチル基、(5-エチルフラン-2-イル)メ ル基、(5-クロロフラン-2-イル)メチル基、2-(5 -フルオロフラン-2-イル)エチル基、テトラヒ ロフルフリル基、2-ピリジルメチル基、3-ピ リジルメチル基、4-ピリジルメチル基、2-(ピ ジン-2-イル)エチル基、2-(ピリジン-3-イル) チル基、2-(ピリジン-4-イル)エチル基、3-(ピ ジン-2-イル)プロピル基、3-(ピリジン-3-イル )プロピル基、3-(ピリジン-4-イル)プロピル基 例示することができる。

 置換されていてもよい炭素数1から12のア コキシ基としては、直鎖状もしくは分枝状 いずれであってもよく、メトキシ基、エト シ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオ シ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、s ec-ブチルオキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチ オキシ基、イソアミルオキシ基、ネオペン ルオキシ基、2-ペンチルオキシ基、3-ペンチ ルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ヘキシ オキシ基、イソヘキシルオキシ基、2-ヘキ ルオキシ基、3-ヘキシルオキシ基、デセニル オキシ基を例示することができる。また、こ れらのアルコキシ基はハロゲン原子、炭素数 3から8のシクロアルキル基、炭素数1から6の ルコキシ基、炭素数1から6のアルコキシカル ボニル基、カルボキシ基、アシル基、置換さ れていてもよい芳香族基等で1個以上置換さ ていてもよく、さらに具体的には2-クロロエ トキシ基、3-クロロプロピルオキシ基、ジフ オロメトキシ基、4-トリフルオロメトキシ 、3-フルオロプロピルオキシ基、シクロプロ ピルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基 、シクロヘキシルメトキシ基、2-メチルチオ トキシ基、2-エチルチオエトキシ基、2-アリ ルチオエトキシ基、2-プロパルギルチオエト シ基、2-ベンジルチオエトキシ基、2-(2-クロ ロベンジル)チオエトキシ基、2-(2,4-ジクロロ ンジル)チオエトキシ基、2-メチルスルフィ ルエトキシ基、2-メチルスルホニルエトキ 基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキ 基、2-メトキシエトキシ基、2-クロロエトキ メトキシ基、メトキシカルボニルメトキシ 、エトキシカルボニルメトキシ基、1-メト シカルボニルエトキシ基、1-エトキシカルボ ニルエトキシ基、2-エトキシカルボニルエト シ基、カルボキシメトキシ基、1-アセチル トキシ基、3-アセチルプロポキシ基、2-ピリ ルメトキシ基、3-ピリジルメトキシ基、4-ピ リジルメトキシ基、2-(ピリジン-2-イル)エト シ基、2-(ピリジン-3-イル)エトキシ基、2-(ピ ジン-4-イル)エトキシ基、3-(ピリジン-2-イル )プロポキシ基、3-(ピリジン-3-イル)プロポキ 基、ベンジルオキシ基を例示することがで る。

 置換されていてもよい炭素数3から8のシク アルコキシ基としては、シクロプロピルオ シ基、シクロブチルオキシ基、シクロペン ルオキシ基、2-メチルシクロブチルオキシ基 、シクロヘキシルオキシ基、2-メチルシクロ ンチルオキシ基、3-メチルシクロペンチル キシ基、4-メチルシクロペンチルオキシ基、 シクロオクチルオキシ基を例示することがで きる。
 置換されていてもよい炭素数3から6のアル ニルオキシ基としては、アリルオキシ基、2- メチル-2-プロペニルオキシ基、2-ブテニルオ シ基、1-ブテン-3-イルオキシ基、3-ブテニル オキシ基、4-ペンテニルオキシ基、5-ヘキセ ルオキシ基を例示することができる。また これらの炭素数3から6のアルケニルオキシ基 はハロゲン原子等で置換されていてもよく、 3,3-ジフルオロアリルオキシ基、3,3-ジクロロ リルオキシ基、3,3-ジブロモアリルオキシ基 を例示することができる。

 置換されていてもよい炭素数3から6のア キニルオキシ基としては、プロパルギルオ シ基、1-ブチン-3-イルオキシ基、2-ブチニル キシ基、3-ブチニルオキシ基、2-ペンチニル オキシ基、3-ペンチニルオキシ基、4-ペンチ ルオキシ基、2-ヘキシニルオキシ基、3-ヘキ ニルオキシ基、4-ヘキシニルオキシ基、5-ヘ キシニルオキシ基を例示することができる。 また、これらの置換されていてもよい炭素数 3から6のアルキニルオキシ基はハロゲン原子 で置換されていてもよく、4,4,4-トリフルオ ブチン-2-イル基等を例示することができる

 置換されていてもよい炭素数1から6のア ルオキシ基としては、アセトキシ基、プロ オニルオキシ基を例示することができる。 た、これらの置換されていてもよいアシル キシ基はハロゲン原子等で置換されていて よく、トリフルオロアセトキシ基や2,2,2-ト フルオロプロピオニルオキシ基等を例示す ことができる。

 置換されていてもよい炭素数1から6のア キルチオ基としては、メチルチオ基、エチ チオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチ 基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec- チルチオ基、ペンチルチオ基、イソアミル オ基、ネオペンチルチオ基、2-ペンチルチ 基、3-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ 、ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、3 -メチルペンチルチオ基、2-メチルペンチルチ オ基を例示することができる。また、これら のアルキルチオ基はハロゲン原子、炭素数3 ら8のシクロアルキル基等で一個以上置換さ ていてもよく、さらに具体的には2-クロロ チルチオ基、3-クロロプロピルチオ基、ジフ ルオロメチルチオ基、3-フルオロプロピルチ 基、シクロプロピルメチルチオ基、シクロ ンチルメチルチオ基、シクロヘキシルメチ チオ基を例示することができる。

 置換されていてもよい炭素数1から6のア キルスルフィニル基としては、メチルスル ィニル基、エチルスルフィニル基、プロピ スルフィニル基、イソプロピルスルフィニ 基、ブチルスルフィニル基、イソブチルス フィニル基、sec-ブチルスルフィニル基、ペ チルスルフィニル基、イソアミルスルフィ ル基、ネオペンチルスルフィニル基、2-ペ チルスルフィニル基、3-ペンチルスルフィニ ル基、2-メチルブチルスルフィニル基、ヘキ ルスルフィニル基、イソヘキシルスルフィ ル基、3-メチルペンチルスルフィニル基、2- メチルペンチルスルフィニル基を例示するこ とができる。また、これらのアルキルスルフ ィニル基はハロゲン原子、炭素数3から8のシ ロアルキル基等で一個以上置換されていて よく、さらに具体的には2-クロロエチルス フィニル基、3-クロロプロピルスルフィニル 基、ジフルオロメチルスルフィニル基、3-フ オロプロピルスルフィニル基、シクロプロ ルメチルスルフィニル基、シクロペンチル チルスルフィニル基、シクロヘキシルメチ スルフィニル基を例示することができる。

 置換されていてもよい炭素数1から6のア キルスルホニル基としては、メチルスルホ ル基、エチルスルホニル基、プロピルスル ニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチ スルホニル基、イソブチルスルホニル基、se c-ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル 、イソアミルスルホニル基、ネオペンチル ルホニル基、2-ペンチルスルホニル基、3-ペ ンチルスルホニル基、2-メチルブチルスルホ ル基、ヘキシルスルホニル基、イソヘキシ スルホニル基、3-メチルペンチルスルホニ 基、2-メチルペンチルスルホニル基を例示す ることができる。また、これらのアルキルス ルホニル基はハロゲン原子、炭素数3から8の クロアルキル基で一個以上置換されていて よく、さらに具体的には2-クロロエチルス ホニル基、3-クロロプロピルスルホニル基、 ジフルオロメチルスルホニル基、3-フルオロ ロピルスルホニル基、シクロプロピルメチ スルホニル基、シクロペンチルメチルスル ニル基、シクロヘキシルメチルスルホニル を例示することができる。

 置換されていてもよい炭素数1から12のア コキシカルボニル基としては、メトキシカ ボニル基、エトキシカルボニル基、プロポ シカルボニル基、ブトキシカルボニル基、 キシルオキシカルボニル基、ドデシルオキ カルボニル基、ベンジルオキシカルボニル 、tert-ブトキシカルボニル基を例示するこ ができる。また、これらのアルコキシカル ニル基はハロゲン原子等で一個以上置換さ ていてもよく、さらに具体的にはトリフル ロメトキシカルボニル基、2,2,2-トリフルオ エトキシカルボニル基等を例示することが きる。

 置換されていてもよいアミノ基としては メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチ アミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、ジ チルアミノ基、N-メチル-N-プロピルアミノ基 、N-エチル-N-プロピルアミノ基、2,2,2-トリフ オロエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基 イソプロピルアミノ基、N-メチル-N-イソプ ピルアミノ基、ブチルアミノ基、N-ブチル-N- メチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec- チルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソア ルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、2-ペン チルアミノ基、3-ペンチルアミノ基、2-メチ ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、イソ キシルアミノ基、4-メチルペンチルアミノ基 、ベンゼンスルホニルアミノ基、N-ベンゼン ルホニル-N-メチルアミノ基、p-トルエンス ホニルアミノ基、4-クロロベンゼンスルホニ ルアミノ基、4-ニトロベンゼンスルホニルア ノ基、メチルスルホニルアミノ基、クロロ チルスルホニルアミノ基、トリフルオロメ ルスルホニルアミノ基、N-メチルスルホニ -N-メチルアミノ基、N-メチルスルホニル-N-エ チルアミノ基、N-メチルスルホニル-N-プロピ アミノ基、エチルスルホニルアミノ基、N- チルスルホニル-N-メチルアミノ基、N-エチル スルホニル-N-エチルアミノ基、メトキシカル ボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ 基を例示することができる。

 Arで表される、置換されていてもよい芳香 基のうち置換基を有する芳香族基としては 特に制限はないが、5-ブロモフラン-2-イル基 、5-メチルフラン-2-イル基、5-クロロチエニ 基、5-ブロモチエニル基、5-メチルチエニル 、5-メトキシチエニル基、5-エトキシチエニ ル基、5-メチルチオフェン-3-イル基、5-メト シチオフェン-3-イル基、5-エトキシチオフェ ン-3-イル基、1-メチルピロール-2-イル基、1- チルピロール-3-イル基、1-エチルピラゾール -3-イル基、3-エトキシ-1-メチルピラゾール-2- ル基、1-エチル-4-メトキシピラゾール-3-イ 基、5-メトキシイソチアゾール-3-イル基、1- チルイミダゾール-2-イル基、1-メチルイミ ゾール-4-イル基、1-メチルイミダゾール-5-イ ル基、3-メトキシチアゾール-2-イル基、4-メ キシチアゾール-2-イル基、2-フルオロフェニ ル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフ ニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフ ルオロフェニル基、3,4,5-トリフルオロフェニ ル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル基、3- フルオロ-4-メチルフェニル基、4-トリフルオ メトキシフェニル基、2-クロロフェニル基 3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、4 -クロロ-3-メチルフェニル基、4-クロロ-3-エチ ルフェニル基、4-クロロ-3-メトキシフェニル 、4-クロロ-3-エトキシフェニル基、2,3-ジク ロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、3,4 ,5-トリクロロフェニル基、3-トリフルオロメ ルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェ ル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニ 基、4-ブロモ-3-メチルフェニル基、4-ブロモ -3-エチルフェニル基、4-ブロモ-3-メトキシフ ニル基、4-ブロモ-3-エトキシフェニル基、3, 5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル基、3-ヨー フェニル基、4-ヨードフェニル基、4-ヨード- 3-メチルフェニル基、4-ヨード-3-エチルフェ ル基、4-ヨード-3-メトキシフェニル基、4-ヨ ド-3-エトキシフェニル基、2-メチルフェニ 基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル 、3,4-ジメチルフェニル基、3,4,5-トリメチル フェニル基、3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル 、2-トリフルオロフェニルメチルフェニル 、3-トリフルオロフェニルメチルフェニル基 、4-トリフルオロフェニルメチルフェニル基 4-メトキシメチルフェニル基、3,4-ジエトキ フェニル基、3-エチル-4-メチルフェニル基 4-エチル-3-メチルフェニル基、4-エチルフェ ル基、3,4-ジエチルフェニル基、4-プロピル ェニル基、4-イソプロピルフェニル基、3-ブ チルフェニル基、4-ブチルフェニル基、4-イ ブチルフェニル基、4-(sec-ブチル)フェニル基 、4-(tert-ブチル)フェニル基、4-ペンチルフェ ル基、4-イソアミルフェニル基、4-ネオペン チルフェニル基、4-(2-ペンチル)フェニル基、 4-(3-ペンチル)フェニル基、4-(2-メチルブチル) フェニル基、4-(tert-ペンチル)フェニル基、4- キシルフェニル基、4-イソヘキシルフェニ 基、4-(2-クロロエチル)フェニル基、4-(3-クロ ロプロピル)フェニル基、4-(ジフルオロメチ )フェニル基、4-(3-フルオロプロピル)フェニ 基、4-メトキシメチルフェニル基、4-エトキ シメチルフェニル基、4-シクロプロピルメチ フェニル基、4-シクロペンチルメチルフェ ル基、シクロヘキシルメチルフェニル基、4- (2-メチルチオエチル)フェニル基、4-(2-エチル チオエチル)フェニル基、4-(2-アリルチオエチ ル)フェニル基、4-(2-プロパルギルチオエチル )フェニル基、4-(2-ベンジルチオエチル)フェ ル基、3-メトキシフェニル基、3-メトキシ-4- チルフェニル基、4-エチル-3-メトキシフェ ル基、3-メトキシ-4-プロピルフェニル基、4- トキシフェニル基、4-メトキシ-3-メトキシ ェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、3-エ キシ-4-メトキシフェニル基、4-エトキシ-3-メ トキシフェニル基、4-イソプロピルオキシ-3- トキシフェニル基、3-イソプロピルオキシ-4 -メトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基 、4-エトキシフェニル基、4-エトキシ-3-メチ フェニル基、4-エトキシ-3-エチルフェニル基 、4-エトキシ-3-プロピルフェニル基、4-エト シ-3-イソプロピルフェニル基、4-プロピルオ キシフェニル基、4-イソプロピルオキシフェ ル基、4-ブトキシフェニル基、4-イソブチル オキシフェニル基、4-(sec-ブチルオキシ)フェ ル基、3-(2-クロロエトキシ)フェニル基、3-(2 -クロロエトキシ)フェニル基、4-(2-クロロエ キシ)フェニル基、3-(3-クロロプロピルオキ )フェニル基、4-(3-クロロプロピルオキシ)フ ニル基、3-ジフルオロメトキシフェニル基 4-ジフルオロメトキシフェニル基、4-(3-フル ロプロピルオキシ)フェニル基、4-シクロプ ピルメトキシフェニル基、4-シクロペンチ メトキシ基、4-シクロヘキシルメトキシ基、 3-シクロプロピルオキシフェニル基、4-シク プロピルオキシフェニル基、4-シクロプロピ ルオキシ-3-メトキシフェニル基、4-シクロプ ピルオキシ-3-メチルフェニル基、4-シクロ チルオキシフェニル基、4-シクロペンチルオ キシフェニル基、4-(2-メチルシクロブチルオ シ)フェニル基、4-シクロヘキシルオキシフ ニル基、4-アリルオキシフェニル基、4-(3,3- クロロアリルオキシ)フェニル基、4-プロパ ギルオキシフェニル基、3-メチル-4-プロパ ギルオキシフェニル基、3-エチル-4-プロパル ギルオキシフェニル基、3-メトキシ-4-プロパ ギルオキシフェニル基、3-エトキシ-4-プロ ルギルオキシフェニル基、3-プロポキシ-4-プ ロパルギルオキシフェニル基、4-(1-ブチン-3- ルオキシ)フェニル基、4-(2-ブチニルオキシ) フェニル基、3-メチルチオフェニル基、4-メ ルチオフェニル基、4-メチル-3-メチルチオフ ェニル基、3-メチル-4-メチルチオフェニル基 4-メトキシ-3-メチルチオフェニル基、3-エト キシ-4-メチルチオフェニル基、4-エトキシ-3- チルチオフェニル基、3-プロポキシ-4-メチ チオフェニル基、4-エチルチオフェニル基、 3-プロピルチオフェニル基、4-イソプロピル オフェニル基、4-ブチルチオフェニル基、4- ソブチルチオフェニル基、2-(sec-ブチルチオ )フェニル基、2-ペンチルチオフェニル基、2- ソアミルチオフェニル基、4-ネオペンチル オフェニル基、4-(2-クロロエチルチオ)フェ ル基、3-(3-クロロプロピルチオ)フェニル基 ジフルオロメチルチオフェニル基、3-アセト キシフェニル基、4-アセトキシフェニル基、3 -メチルスルフィニルフェニル基、4-メチルス ルフィニルフェニル基、4-メトキシ-3-メチル ルフィニルフェニル基、3-メトキシ-4-メチ スルフィニルフェニル基、4-エトキシ-3-メチ ルスルフィニルフェニル基、3-エトキシ-4-メ ルスルフィニルフェニル基、4-メチル-3-メ ルスルフィニルフェニル基、3-エチル-4-メチ ルスルフィニルフェニル基、4-(2-クロロエチ スルフィニル)フェニル基、4-(3-クロロプロ ルスルフィニル)フェニル基、4-(ジフルオロ メチルスルフィニル)フェニル基、3-メチルス ルホニルフェニル基、4-メチルスルホニルフ ニル基、4-メチル-3-メチルスルホニルフェ ル基、4-エチル-3-メチルスルホニルフェニル 基、4-メトキシ-3-メチルスルホニルフェニル 、4-エトキシ-3-メチルスルホニルフェニル 、3-メトキシ-4-メチルスルホニルフェニル基 、3-エトキシ-4-メチルスルホニルフェニル基 エチルスルホニルフェニル基、プロピルス ホニルフェニル基、イソプロピルスルホニ フェニル基、ブチルスルホニルフェニル基 2-クロロエチルスルホニルフェニル基、3-ク ロロプロピルスルホニルフェニル基、ジフル オロメチルスルホニルフェニル基、4-カルボ シフェニル基、4-メトキシカルボニルフェ ル基、4-エトキシカルボニルフェニル基、3- チルアミノフェニル基、4-メチルアミノフ ニル基、4-メトキシ-3-メチルアミノフェニル 基、3-メトキシ-4-メチルアミノフェニル基、4 -エトキシ-3-メチルアミノフェニル基、3-エト キシ-4-メチルアミノフェニル基、4-メチル-3- チルアミノフェニル基、3-メチル-4-メチル ミノフェニル基、4-エチル-3-メチルアミノフ ェニル基、3-ジメチルアミノフェニル基、4- メチルアミノフェニル基、4-メトキシ-3-ジメ チルアミノフェニル基、3-メトキシ-4-ジメチ アミノフェニル基、4-エトキシ-3-ジメチル ミノフェニル基、3-エトキシ-4-ジメチルアミ ノフェニル基、4-メチル-3-ジメチルアミノフ ニル基、3-メチル-4-ジメチルアミノフェニ 基、4-エチル-3-ジメチルアミノフェニル基、 3-メチル-4-ジメチルアミノフェニル基、3-(N- チル-N-メチルアミノ)フェニル基、4-(N-エチ -N-メチルアミノ)フェニル基、4-メトキシ-3-(N -エチル-N-メチルアミノ)フェニル基、3-メト シ-4-(N-エチル-N-メチルアミノ)フェニル基、4 -エトキシ-3-(N-エチル-N-メチルアミノ)フェニ 基、3-エトキシ-4-(N-エチル-N-メチルアミノ) ェニル基、4-メチル-3-(N-エチル-N-メチルア ノ)フェニル基、3-メチル-4-(N-エチル-N-メチ アミノ)フェニル基、4-エチル-3-(N-エチル-N- チルアミノ)フェニル基、3-メチル-4-(N-エチ -N-メチルアミノ)フェニル基、3-ジエチルア ノフェニル基、4-ジエチルアミノフェニル基 、4-メトキシ-3-ジエチルアミノフェニル基、3 -メトキシ-4-ジエチルアミノフェニル基、4-エ トキシ-3-ジエチルアミノフェニル基、3-エト シ-4-ジエチルアミノフェニル基、4-メチル-3 -ジエチルアミノフェニル基、3-メチル-4-ジエ チルアミノフェニル基、4-エチル-3-ジエチル ミノフェニル基、4-メチルスルホニルアミ フェニル基、4-トリフルオロメチルスルホニ ルアミノフェニル基、4-アセチルアミノフェ ル基、2-ヒドロキシフェニル基、3-ヒドロキ シフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、3- ドロキシ-4-メチルフェニル基、3-ヒドロキシ -4-エチルフェニル基、3-ヒドロキシ-4-メトキ フェニル基、4-ヒドロキシ-3-メチルフェニ 基、4-ヒドロキシ-3-エチルフェニル基、4-ヒ ロキシ-3-メトキシフェニル基、2-シアノフ ニル基、3-シアノフェニル基、4-シアノフェ ル基、2-ニトロフェニル基、3-ニトロフェニ ル基、3-ニトロ-4-メチルフェニル基、4-ニト フェニル基、5-クロロピリジン-2-イル基、5- チルピリジン-2-イル基、5-エチルピリジン-2 -イル基、5-メトキシピリジン-2-イル基、5-エ キシピリジン-2-イル基、2,3-ジメチルピリジ ン-6-イル基、2,3-ジメトキシピリジン-6-イル 、2-クロロピリジン-5-イル基、2-メチルピリ ン-5-イル基、2-エチルピリジン-5-イル基、2- メトキシピリジン-5-イル基、2-エトキシピリ ン-5-イル基、2,3-ジメチルピリジン-5-イル基 、2-メチルピリジン-4-イル基、2-エチルピリ ン-4-イル基、2-メトキシピリジン-4-イル基、 2-エトキシピリジン-4-イル基、5-メチルピリ ジン-2-イル基、5-エチルピリミジン-2-イル基 、2-エトキシピリジン-5-イル基、
2,3-ジメチルピリジン-5-イル基、2-メチルピリ ジン-4-イル基、2-エチルピリジン-4-イル基、2 -メトキシピリジン-4-イル基、2-エトキシピリ ジン-4-イル基、5-クロロピリミジン-2-イル基 5-ブロモピリミジン-2-イル基、5-メトキシピ リミジン-2-イル基、1-メチルインドール-2-イ 基、等を例示することができる。

 特に免疫グロブリンの分析または精製に いて良好な性能を示す点で、Arとしては4-メ チルフェニル基、4-エチルフェニル基、3,4-ジ メチルフェニル基、3-エチル-4-メチルフェニ 基、4-エチル-3-メチルフェニル基、4-メトキ シフェニル基、4-エトキシフェニル基、3,4-ジ メトキシフェニル基、3,4-ジエトキシフェニ 基、3-エトキシ-4-メトキシフェニル基、4-エ キシ-3-メトキシフェニル基、4-メトキシ-3- チルフェニル基、4-メチル-3-エトキシフェニ ル基、4-ジメチルアミノフェニル基、2-メト シピリジン-5-イル基、2-エトキシピリジン-5- イル基、2,3-ジメチルピリジン-5-イル基、4-ピ リジル基、2-メチルピリジン-4-イル基、2-エ ルピリジン-4-イル基、2-メトキシピリジン-4- イル基、2-エトキシピリジン-4-イル基、2-ク ロピリジン-5-イル基、3-メトキシ-4-メチルフ ェニル基、3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル基 4-メチルチオフェニル基のいずれかが好ま い。

 Yで表される脱離基としては、塩素原子、 臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオ キシ基、トシル基等を挙げることができる。 目的物の収率が良い点で、臭素原子が好まし い。

 Mで表されるマトリックスの材質としては 特に限定はなく、例えば、架橋結合アルブミ ンなどのポリペプチドまたはタンパク質、ア ガロース、アルギネート、カラゲナン、キチ ン、セルロース、デキストリン、デキストラ ン、澱粉などの多糖、ポリアクリルアミド、 ポリスチレン、ポリアクロレイン、ポリビニ ルアルコール、ポリメタクリレート、ポリ(2- ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリウ タンなどの合成高分子、シリカ、ガラス、 孔質珪藻土、アルミナ、ジルコニア、酸化 または他の金属酸化物などの無機化合物、 記物質を2つまたはそれ以上任意に組み合わ て構成される共重合体などのマトリックス あげることができる。さらにそれらは、液 分配で使用されるデキストラン、ポリエチ ングリコール、ポリビニルアルコールまた 加水分解澱粉などの水溶性の高分子を包含 るマトリックス、またはエマルジョンを形 するのに使用されるペルフルオロデカリン どの化合物を包含するマトリックスも含ま る。特に、本発明のチアゾール誘導体固定 マトリックス製造におけるマトリックスの 質としては、トヨパール(商品名)(東ソー社 )などのビニルポリマー、アガロース、キト サン、デキストラン、セルロース、シリカ、 ポリスチレンが好ましい。

 ここでいうビニルポリマーとは、ビニル基 どを持ったモノマーをビニル重合して得ら たものを指し、モノマーとしてはメタクリ 酸メチル、2-ヒドロキシエチルメタクリレ ト、アクリルアミド、ビニルエステルなど 含まれる。さらに、ここでいうビニルポリ ーとしては前記モノマーを2種類以上用いた 重合体や、架橋したものなどが含まれる。
 また、マトリックスは、粒状物または非粒 物、水性溶媒に対して可溶性または不溶性 多孔性または非多孔性、いずれであっても い。

 nについては、1から12の整数から適宜選択 することができるが、特に本発明のチアゾー ル誘導体固定化マトリックスの製造に用いる チアゾール誘導体としては、nが3,4又は5が好 しい。

 次に、本発明のチアゾール誘導体固定化 トリックスの製造に用いる本発明のチアゾ ル誘導体の製造方法を詳細に説明する。

 [製造方法1]

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、R 3a はアミノ基又はそのアンモニウム塩を表し、 Yは脱離基を表す。)
 工程1はフタルイミド誘導体(2)をアシルチオ ウレア誘導体(3)と反応させ、チアゾール誘導 体(1a)を合成する方法である。フタルイミド 導体(2)は非特許文献2や特許文献7等を参考に 合成することができる。

 工程1の反応では、反応は溶媒中で行なう ことが好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒 であれば使用することができる。溶媒として は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒド ロフラン(以下THF)、1,2-ジメトキシエタン(以 DME)、1,4-ジオキサンなどのエーテル系溶媒、 アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン 系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエス テル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニト リルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン 、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭 化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド(以 DMF)、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒 メタノール、エタノール等のアルコール系 媒、ジメチルスルホキシド(以下DMSO)、水あ いはこれらの混合溶媒を用いることができ 。収率が良い点でDMFを用いるのが好ましい 反応温度については特に制限はないが、0℃ から150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応 させることにより目的物を得ることができ、 収率が良い点で60℃から150℃の範囲で反応さ るのが好ましい。本工程では、塩基存在下 行なうこともでき、塩基としては、水素化 トリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリ ム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド ナトリウムエトキシド、カリウム-tert-ブト シド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム どのアルカリ金属塩基、トリエチルアミン トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、 リジン、ジメチルアニリンなどの有機アミ 類を用いることができる。塩基の使用量は に制限はないが、反応基質に対して等量以 用いて反応を実施することにより、収率良 目的物を得ることができる。反応終了後は 通常の後処理操作により目的物を得ること できるが、必要であればカラムクロマトグ フィーあるいは再結晶などの方法により精 することもできる。

 工程2はチアゾール誘導体(1a)を塩基で処 し、チアゾール誘導体(1’)を製造する方法 ある。塩基としては、水素化ナトリウム、 トリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カ ウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウム トキシド、カリウム-tert-ブトキシド、水酸 ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ 金属塩基、メチルアミン、エチルアミン、 メチルアミンなどの有機アミン類、ヒドラ ン類を用いることができる。収率が良い点 ヒドラジンあるいはメチルアミンが好まし 。塩基の使用量は反応基質に対して好まし は2等量以上用いて反応を実施することによ 、収率良く目的物を得ることができる。本 応では、反応は溶媒中で行なうことが好ま く、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使 することができる。溶媒としては、例えば ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサンな のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチ ケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、 酸ブチルなどのエステル系溶媒、アセトニ リル、プロピオニトリルなどのニトリル類 ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベ ゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、DMF、N- チルピロリドンなどのアミド系溶媒、メタ ール、エタノール、イソプロピルアルコー などのアルコール系溶媒、DMSO、水あるいは れらの混合溶媒を用いることができる。収 が良い点や後処理が簡便である点でメタノ ルやエタノールなどのアルコール系溶媒を いることが好ましい。反応温度については に制限はないが、0℃から150℃の範囲から適 宜選ばれた温度で反応させることにより目的 物を得ることができる。反応終了後は、通常 の後処理操作により目的物を得ることができ るが、必要であればカラムクロマトグラフィ ーあるいは再結晶などの方法により精製する こともできる。また、反応終了後、酸で処理 しアンモニウム塩として単離することもでき る。反応に害を及ぼさない酸であれば使用す ることができ、例えば、塩酸、臭化水素酸、 フッ酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、 メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ト リフルオロ酢酸などの有機酸を用いることが できるが、目的物の単離が容易であることか ら塩酸を用いるのが好ましい。

 [製造方法2]

(式中、R 1 、R 2 、Ar及びnは前記と同じ意味を表し、Wはハロ ン原子を表す。)
 製造方法2は、2-置換アミノチアゾール誘導 (4)と酸ハロゲン化物(5)を反応させ、チアゾ ル誘導体(1a)を製造する方法である。当該方 法の反応では、反応は溶媒中で行なうことが 好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒であれ ば使用することができる。溶媒としては、例 えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2- クロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチ エーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテ 系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等 ケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等 エステル系溶媒、アセトニトリル、プロピ ニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トル ン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族 化水素系溶媒、DMF、N-メチルピロリドン等の アミド系溶媒、DMSO、水あるいはこれらの混 溶媒を用いることができる。収率が良い点 ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロ エタン等のハロゲン系溶媒を用いるのが好 しい。反応温度については特に制限はない 、0℃から150℃の範囲から適宜選ばれた温度 で反応させることにより目的物を得ることが でき、収率が良い点で0℃から100℃の範囲で 応させるのが好ましい。本工程では、塩基 在下に行なうこともでき、塩基としては、 素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸 トリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメト シド、ナトリウムエトキシド、カリウム-tert -ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カ ウム等のアルカリ金属塩基、トリエチルア ン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン 、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機アミ ン類を用いることができる。塩基の使用量は 特に制限はないが、反応基質に対して等量以 上用いて反応を実施することにより、収率良 く目的物を得ることができる。反応終了後は 、通常の後処理操作により目的物を得ること ができるが、必要であればカラムクロマトグ ラフィーあるいは再結晶等により精製するこ ともできる。当該方法で合成されたチアゾー ル誘導体(1a)は、製造方法1の工程2を経由する ことによって、チアゾール誘導体(1’)へと導 くことができる。

 次に、本発明のチアゾール誘導体固定化 トリックスの製造方法を詳細に説明する。

 [製造方法3]

(式中、R 1 、R 2 、R 3a 、M、Ar及びnは前記と同じ意味を表す。)
 製造方法3は上記工程にて製造される新規な チアゾール誘導体(1’)と活性化基(活性化基 は、アミノ基あるいはアンモニウム塩と容 に反応できる官能基のことである。例えば スクシンイミドオキシカルボニル基、ホル ル基、カルボキシル基、2,2,2-トリフルオロ チルスルホニル基(トレシル基)、塩化スルホ ニル基、トシル基、ビニルスルホニル基、及 びエポキシ基を挙げることができる。)含有 トリックスとを反応させてチアゾール誘導 固定化マトリックス(6)を製造する方法であ 。なお、当該方法で用いる活性化基含有マ リックスの活性化基としては、スクシンイ ドオキシカルボニル基、ホルミル基、2,2,2- リフルオロエチルスルホニル基(トレシル基) 、エポキシ基、又はカルボキシル基が特に好 ましい。また、当該方法で用いる活性化基含 有マトリックスは、活性化基を有しないマト リックスから周知の方法で活性化基を付加す ることで調製しても良い。また、HiTrap NHS-act ivated HP(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエン ス社製)、エポキシトヨパール(商品名)、ホル ミルトヨパール(商品名)、トレシルトヨパー (商品名)、カルボキシトヨパール(商品名)( 上東ソー社製)、活性化キトパールK-66(商品 )ゲル(富士紡ホールディングス社製)、BIOACT  EPO(商品名)ゲル(昭和電工社製)、POROS-EP(商品 )ゲル(アプライドバイオシステムズ社製)、 ルファインホルミル(商品名)ゲル(チッソ社 )、Profinity Epoxide(商品名)ゲル(バイオラッド 製)、M.S.GEL Epoxy-D-50-1000AW(商品名、AGCエスア イテック社製)などのリガンド固定化用担体 して市販されているものをそのまま用いて 良い。

 本反応では、中性あるいは塩基性条件下 て反応させることにより容易に目的物を得 ことができる。特に塩基性条件下にて反応 行なうことにより、チアゾール誘導体の固 化率の高いマトリックスを得ることができ 。塩基としては、水素化ナトリウム、ナト ウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ 、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト シド、カリウム-tert-ブトキシド、水酸化ナ リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金 塩基、トリエチルアミン、トリブチルアミ 、N-メチルモルホリン、ピリジン、ジメチ アニリンなどの有機アミン類を用いること できる。塩基の使用量は特に制限はないが 反応基質に対して等モル以上用いて反応を 施することにより、目的とするチアゾール 導体の固定化比率の高いマトリックスを得 ことができる。また、溶液のpHを保つために 緩衝液を加えて反応を行なうこともできる。 反応は溶媒中で行なうことが好ましく、反応 に害を及ぼさない溶媒であれば使用すること ができる。溶媒としては、例えば、ジエチル エーテル、THF、DME、ジオキサンなどのエーテ ル系溶媒、アセトン、エチルメチルケトンな どのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル などのエステル系溶媒、アセトニトリル、プ ロピオニトリルなどのニトリル類、ベンゼン 、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなど の芳香族炭化水素系溶媒、DMF、N-メチルピロ ドンなどのアミド系溶媒、DMSO、水あるいは これらの混合溶媒を用いることができる。反 応温度については特に制限はないが、0℃か 150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応さ ることにより、目的とするチアゾール誘導 固定化マトリックスを得ることができる。 トリックス上のチアゾール誘導体の固定化 は、吸光度分析、高速液体クロマトグラフ ー、元素分析などの分析法を単独あるいは み合わせて用いることにより測定できる。

 次に、本発明のチアゾール誘導体固定化マ リックスを用いてタンパク質を分析、分離 または単離、精製する方法について説明す 。
 製造方法3によって得られたチアゾール誘導 体固定化マトリックスをカラム管に充填し、 溶離液として緩衝液、金属塩の水溶液、アミ ノ酸溶液、アルコール溶液などの溶液を通液 し、タンパク質を分析や分離、及び単離や精 製を行なうことができる。この方法で分析、 分離、または単離、精製することができるタ ンパク質としては、血漿タンパク質成分や乳 タンパク質成分をあげることができ、天然に 存在するものでは血漿中の免疫グロブリン、 血清アルブミン、血液凝固因子、ラクトアル ブミン、ラクトフェリンを例示できる。また 遺伝子組換えタンパク質では前記に加えて、 天然には微量しか存在しない、あるいは人工 的に設計されたペプチドホルモン、インター フェロン、インターロイキン、成長因子、成 長抑制因子、ワクチンを例示できる。特に本 発明のチアゾール誘導体固定化マトリックス は、免疫グロブリンの精製に好適である。通 液する緩衝液としては、リン酸緩衝液、クエ ン酸緩衝液、Tris、PIPES、ACES、Cholamine、BES、MO PS、TES、HEPESを例示でき、金属塩としては硫 ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム 硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、ク ン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化 トリウム、塩化カリウムを例示でき、アミ 酸としてはグリシン、アルギニン、ベータ ラニン、ガンマアミノ酪酸を例示でき、ア コールとしてはエタノール、イソプロピル ルコール、グリセロール、エチレングリコ ルを例示でき、これらを混合溶媒として用 ることもできる。pHは3から11の範囲内で目的 とするタンパク質を分離、単離または精製す ることができるが、pHは5から9の範囲内で精 することが好ましい。また、AKTAprime plus(商 名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)な のクロマトグラフィー装置を使用して、タ パク質を分析、分離、または単離、精製す こともできる。製造方法3によって得られた アゾール誘導体固定化マトリックスを用い 免疫グロブリン、またはこれらの類縁体、 ラグメント、融合体を分析または精製する 合は、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウム 含むリン酸緩衝液を通液し、pHは5から9の範 囲で、疎水性相互作用を利用したクロマトグ ラフィーを実施することが好ましい。ここで いう免疫グロブリンの類縁体とは免疫グロブ リンの構造や機能が少なくとも部分的に保持 された天然あるいは人工的に作られたタンパ ク質あるいはタンパク質コンジュゲートを指 し、免疫グロブリンのフラグメントとは酵素 的な処理あるいは遺伝子工学的な設計によっ て作製された免疫グロブリンの部分構造を持 ったタンパク質を指し、免疫グロブリンの融 合体とは各種サイトカインあるいはサイトカ イン受容体などの生物活性をもったタンパク 質の機能部分を免疫グロブリンの全部または 一部と遺伝子工学的に融合させて作製したも のを指す。

 製造方法3によって得られたチアゾール誘 導体固定化マトリックスは、水酸化ナトリウ ム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアル カリ性水溶液、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝 酸水溶液、リン酸水溶液などの酸性水溶液、 塩酸グアニジン水溶液、尿素水溶液などのタ ンパク変性剤水溶液、アルギニンやヒスチジ ンなどのアミノ酸を含んだ水溶液、SDS、Tween どの界面活性剤水溶液、メタノール、エタ ール、イソプロパノール、グリセロール、 チレングリコールなどのアルコール溶液、 るいは、これらを含んだ混合水溶液を用い 洗浄することによって、初期状態に復帰さ ることができ、繰り返し使用することがで る。

 以下、実施例により本発明をさらに詳細 説明するが、本発明の解釈がこれらに限定 れるものではない。

 [実施例1] チアゾール誘導体の合成
 (合成例1)

 6-フタルイミド-1-ヘキサナール(4.95g,20.2mmol) 四塩化炭素(100mL)に溶解し臭素(1.03mL,20.2mmol) 四塩化炭素溶液(100mL)を滴下し2時間反応し 。反応液を水(100mL)、次いで飽和食塩水(100mL) で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後 、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去し油状物を 得た。得られた油状物をDMF(100mL)に溶解し、4- メチルベンゾイルチオウレア(5.87g,26.3mmol)を え、10時間加熱還流した。反応終了後、反応 混合物に1M塩酸(300mL)を加え、酢酸エチル(300mL )で二回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩 (300mL)で二回洗浄した。有機層を無水硫酸マ ネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、 媒を減圧留去した。得られた混合物をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ 酸エチル=2/1)で精製することによって、4-メ ル-N-[5-{4-(フタルイミド)ブチル}チアゾール- 2-イル]ベンズアミドの白色固体(0.424g,5%)を得 。m.p.203から205℃; 1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS,ppm):δ 1.58から1.82(m,4H),2.44(s,3H),2.82(t,J=7.5Hz ,2H),3.72(t,J=7.5Hz,2H),6.97(s,1H),7.32(d,J=7.5Hz,2H),7.69 ら7.86(m,4H),7.91(d,J=7.5Hz,2H)。アミドのプロトン は帰属できなかった。

 (合成例2)

 2-アミノ-4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチル }チアゾール(0.50g,1.66mmol)のクロロホルム(10mL) 液に、4-メチルベンゾイルクロリド(0.31g,1.99 mmol)とトリエチルアミン(1mL)を加え、2日間撹 した。反応終了後、反応液を水(10mL)で洗浄 、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し 後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した 得られた混合物をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)で精製 し、4-メチル-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド) チル}チアゾール-2-イル]ベンズアミドの白色 固体(0.40g,56%)を得た。m.p.178から180℃; 1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS,ppm):δ 1.58から1.66(m,4H),2.21(s,3H), 2.41(s,3H),2 .73(t,J=7.4Hz,2H),3.72(t,J=7.5Hz,2H),7.26(d,J=7.5Hz,2H),7.76 から7.86(m,6H)。アミドのプロトンは帰属でき かった。

 (合成例3)

 N-(5-ブロモ-6-オキソヘプチル)フタルイミド( 1.30g,3.85mmol)のDMF(20mL)溶液に、N-(3-アセトキシ- 4-メチルベンゾイル)チオウレアを加え、80℃ 7時間反応させた。反応終了後、反応混合物 に1M塩酸(30mL)を加え、次いで酢酸エチル(50mL) 二回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水( 30mL)で二回洗浄した。有機層を無水硫酸マグ シウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶 を減圧留去した。得られた混合物を自動設 中圧カラムクロマトグラフィーシステム(山 善社製;Rf=0.32:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製 し、得られた褐色固体を酢酸エチル/ヘキサ の混合溶媒で洗浄することによって、白色 体の3-アセトキシ-4-メチル-N-[4-メチル-5-{4-( タルイミド)ブチル}チアゾール-2-イル]ベン アミド(0.823g,49%)を得た。:m.p.170から172℃; 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.60から1.66(m,4H),2.20(s,3H),2.21(s,3H),2. 35(s,3H),2.72から2.74(m,2H),3.53から3.64(m,2H),7.45(d,J= 7.5Hz,1H),7.79から7.93(m,6H),12.4(br s,1H)。

 (合成例4)

 モノテレフタル酸メチルクロリド(1.41g,7.10mm ol)のクロロホルム(30mL)溶液に、氷冷下にて2- ミノ-4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチル}チ ゾール(1.56g,4.74mmol)とトリエチルアミン(1.20m L,7.98mmol)のクロロホルム(10mL)溶液を加え、一 反応させた。反応終了後、反応混合物を水( 20mL)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄し、有機層 無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥 を濾別し溶媒を減圧留去した。得られた混 物を自動設定中圧カラムクロマトグラフィ システム(山善社製;Rf=0.16:ヘキサン/酢酸エ ル=2/1)で精製し、4-メトキシカルボニル-N-[4- チル-5-{4-(フタルイミド)ブチル}チアゾール- 2-イル]ベンズアミドの白色固体(0.815g,33%)を得 た。:m.p.173から174℃; 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.60から1.67(m,4H),2.22(s,3H),2.72(t,J=7.5H z,2H),3.62(t,J=7.5Hz,2H),3.90(d,3H),7.80から7.90(m,4H),8.0 6から8.20(m,4H),12.7(br s,1H)。

 (合成例5)

 2-アミノ-4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチル }チアゾール(1.0g,3.17mmol)のクロロホルム(10mL) 液に、3-シアノベンゾイルクロリド(0.79g,4.75m mol)を氷冷下にて加えた。次いでトリエチル ミン(0.72mL,4.79mmol)のクロロホルム(10mL)溶液を 滴下し、一晩反応させた。反応終了後、反応 混合物を水(20mL)、飽和食塩水(20mL)で順次洗浄 し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し た後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した 。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2)で精 し、3-シアノ-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド) チル}チアゾール-2-イル]ベンズアミドの白 固体(0.57g,40%)を得た。m.p.170から172℃; 1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS,ppm):δ 1.69から1.70(m,4H),1.97(s,3H),2.74(t,J=6.5,2 H),3.73(t,J=6.8,2H),7.56(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H),7.71から 7.86(m,5H),8.05(m,1H),8.16(s,1H)。アミドのプロトン 帰属できなかった。

 (参考例1)
 アルゴン雰囲気下、4-メチル-N-{5-(4-フタル ミドブチル)チアゾール-2-イル}ベンズアミド (0.105g,0.25mmol)とフェロセン(0.023g,0.125mmol)に、D MSO(1.5mL)、3M-ヨウ化トリフルオロメチル/DMSO溶 液(0.25mL,0.75mmol)、及び1M-硫酸/DMSO溶液(0.25mL,0.2 5mmol)を加えて撹拌した。この溶液に、室温下 で31%過酸化水素水(75μL,0.75mmol)を滴下した。 応終了後、反応溶液を水(200mL)にあけ、しば く撹拌した。クロロホルムで抽出し、得ら た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後 乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残 をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで 製することにより、4-メチル-N-{4-トリフル ロメチル-5-(4-フタルイミドブチル)チアゾー -2-イル}ベンズアミドの白色固体(0.023g,19%)を 得た。 1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS,ppm):δ 1.79から1.82(m,4H),2.47(s,3H),3.01(t,J=7.5Hz ,2H),3.76(t,J=7.5Hz,2H),7.34(d,J=7.5Hz,1H),7.72から7.90(m, 6H),9.37(s,1H); 19 F-NMR(CDCl 3 ,TMS,ppm):-60.87。

 (合成例6から81)
 合成例1または2の方法に準じて、表1から12 記載したチアゾール誘導体を得た。

 (合成例82)

 4-メチル-N-{5-(4-フタルイミドブチル)チアゾ ル-2-イル}ベンズアミド(0.60g,1.43mmol)のエタ ール(10mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.35mL 7.12mmol)を室温にて加え、一晩撹拌した。反 終了後、反応溶液を減圧留去し、1M 塩酸(6m L)を加えた。析出した固体を濾別し、濾液を 酸エチルで洗浄し、水層を減圧留去した。 られた固体にエタノールとトルエンを加え 沸し十分に乾燥し、固体を瀘取した。得ら た固体を酢酸エチルにて洗浄することによ て、4-{2-(4-メチルベンゾイル)アミノチアゾ ル-5-イル}ブチルアミン塩酸塩の白色固体(0. 44g,収率:95%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.64から1.67(m,4H),2.40(s,3H),2.77から2.8 0(m,4H),7.32(s,1H),7.35(d,J=7.5Hz,2H),8.01(d,J=7.5Hz,2H),8.0 7(br s,3H)。アミドのプロトンは帰属できなか た。

 (合成例83)

 2-クロロ-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチ ル}チアゾール-2-イル]ベンズアミド(0.22g,0.48mm ol)のエタノール(5mL)溶液に、0.05Mのヒドラジ エタノール溶液(34mL)を室温にて加え、一晩 拌した。反応終了後、反応溶液を減圧留去 、1M 塩酸(3mL)を加えた。析出した固体を濾 し、濾液を減圧留去した。得られた固体を タノール並びに酢酸エチルを用いて洗浄す ことにより、4-{2-(2-クロロベンゾイルアミノ )-4-メチルチアゾール-5-イル}ブチルアミン塩 塩の褐色固体(0.050g,収率:21%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.42から1.77(m,4H),2.21(s,3H),2.63から2.9 2(m,4H),7.33から7.67(m,4H),7.68から8.16(m,3H)。アミ のプロトンは帰属できなかった。

 (合成例84)

 3,4-ジクロロ-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド) チル}チアゾール-2-イル]ベンズアミド(0.25g,0 .51mmol)のエタノール(5mL)溶液に、ヒドラジン 水和物(0.07mL,1.53mmol)を室温にて加え、一晩撹 拌した。反応終了後、反応溶液を留去し、1M 塩酸(3mL)を加え、室温で一晩撹拌した。析出 した固体を濾別し、濾液を減圧留去した。得 られた固体をエタノール並びに酢酸エチルを 用いて洗浄することにより、4-{2-(3,4-ジクロ ベンゾイルアミノ)-4-メチルチアゾール-5-イ }ブチルアミン塩酸塩の白色固体(0.10g, 収率 :50%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.46から1.74(m,4H),2.24(s,3H), 2.62から2 .91(m,4H),7.82(d,J=8.4Hz,1H),7.85から7.99(m,3H),8.03から 8.13(m,1H),8.04(dd,J=2.0 and 8.4Hz,1H),8.33(d,J=2.0Hz,1H)

 (合成例85)

 4-メチル-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチ ル}チアゾール-2-イル]ベンズアミド(0.23g,0.53mm ol)のエタノール(5mL)溶液に、ヒドラジン一水 物(0.23mL,5.30mmol)を加え3時間還流した。反応 了後、反応溶液を留去し、残渣に1M 塩酸(5m L)を加え、撹拌した。析出した固体を濾別し 濾液を減圧留去した。得られた固体をエタ ール並びに酢酸エチルを用いて洗浄するこ により、4-{4-メチル-2-(4-メチルベンゾイル ミノ)チアゾール-5-イル}ブチルアミン塩酸塩 の白色固体(0.043g,収率:24%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.55から1.80(m,4H),2.24(s,3H),2.39(s,3H),2. 64から2.92(m,4H),7.34(d,J=8.2Hz,2H),7.78から8.05(m,3H),7 .99(d,J=8.2Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属でき かった。

 (合成例86)

 4-トリフルオロメチル-N-[4-メチル-5-{4-(フタ イミド)ブチル}チアゾール-2-イル]ベンズア ド(0.30g,0.62mmol)のエタノール(5mL)溶液に、0.05 M ヒドラジンエタノール溶液(30mL)を室温にて 加え、2時間還流した。反応終了後、反応溶 を留去し、1M 塩酸(3mL)を加え、室温で2時間 拌した。析出した固体を濾別し、濾液を減 留去した。得られた固体をエタノール並び 酢酸エチルを用いて洗浄することにより、4 -{4-メチル-2-(4-トリフルオロメチルベンゾイ アミノ)チアゾール-5-イル}ブチルアミン塩酸 塩の白色固体(0.10g,収率:41.7%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.49から1.73(m,4H),2.24(s,3H),2.60から2.9 0(m,4H),7.91(d,J=8.1Hz,2H),7.97から8.19(m,3H),8.26(d,J=8.1 Hz,2H)。アミドのプロトンは帰属できなかった 。

 (合成例87)

 4-メトキシカルボニル-N-[4-メチル-5-{4-(フタ イミド)ブチル}チアゾール-2-イル]-ベンズア ミド(0.535g,1.12mmol)に0.5Mヒドラジンエタノール 溶液(13.5mL)を加え常温で一晩反応させた。反 終了後、反応溶液を減圧留去した。残渣に1 M塩酸を加え超音波で懸濁し、セライトを敷 たガラスフィルターで固体を濾別した。濾 を減圧留去し、固体を再度析出させ、少量 熱エタノールを加え洗浄することによって 4-[2-{4-(メトキシカルボニル)ベンゾイルアミ }-4-メチルチアゾール-5-イル]ブチルアミン 酸塩の白色固体(0.36g,収率:84%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.60から1.70(m,4H),2.42(s,3H),2.72から2.8 0(m,4H),3.90(s,3H),7.97(br s,3H),8.07から8.21(m,4H)。ア ミドのプロトンは帰属できなかった。

 (合成例88)

 3-アセトキシ-4-メチル-N-[4-メチル-5-{4-(フタ イミド)ブチル}チアゾール-2-イル]ベンズア ド(0.80g,1.62mmol)に0.5Mヒドラジンエタノール 液(10mL)を加え常温で一晩反応させた。反応 了後、反応溶液を減圧留去した後、残渣に1M 塩酸を加え超音波で懸濁し、セライトを敷い たガラスフィルターで固体を濾別した。濾液 を減圧留去し、固体を再度析出させ、少量の 熱エタノールを加え洗浄することによって、 4-{2-(3-ヒドロキシ4-メチルベンゾイルアミノ)- 4-メチルチアゾール-5-イル}ブチルアミン塩酸 塩の白色固体(0.48g,収率:75%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.60から1.70(m,4H),2.19(s,3H),2.23(s,3H),2. 72から2.81(m,4H),7.20(d,J=7.5Hz,1H),7.44から7.50(m,2H),7 .94(br s,3H)9.80(br s,1H)。アミドのプロトンは帰 属できなかった。

 (合成例89)

 3-シアノ-N-[4-メチル-5-{4-(フタルイミド)ブチ ル}チアゾール-2-イル]ベンズアミドに0.5Mヒド ラジンエタノール溶液(7mL)を加え常温で一晩 応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し 残渣に1M塩酸を加え超音波で懸濁し、セラ トを敷いたガラスフィルターで濾過した。 媒を減圧留去し、少量のエタノールを加え 解した後、酢酸エチルで再沈殿させて精製 、4-{2-(3-シアノベンゾイルアミノ)-4-メチル アゾール-5-イル}ブチルアミン塩酸塩の白色 体(0.25g,収率:46%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.62から1.65(m,4H),2.24(s,3H),3.43から3.4 6(m,4H),7.56(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H),8.05(d,J=8.0Hz,1H),8.1 0から8.22(m,4H),8.49(s,1H)。アミドのプロトンは 属できなかった。

 (合成例90から179)
 合成例89の方法に準じて、表13から26に記載 たチアゾール誘導体を得た。

 合成例1から81に例示した方法によって合 した本発明に関わるチアゾール誘導体(1a)を 表27から32にまとめて例示した。

 また、合成例82から179に例示した方法に って合成した本発明に関わるチアゾール誘 体(1’)を表33から41にまとめて例示した。

 (参考例2)

 化合物276(2.50g,8.64mmol)のクロロホルム(50mL)溶 液にトリエチルアミン(2.50mL,18mmol)を添加した 。次に氷冷下でメタクリル酸クロリド(0.93mL,9 .5mmol)を滴下した後、氷冷下で30分反応させた 。反応終了後、反応混合物にクロロホルム(50 mL)を添加し、水(100mL)、飽和炭酸ナトリウム 溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で順次洗浄した 。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した 後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。 得られた混合物をシリカゲルクロマトグラフ ィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/2(v/v))で精製する ことで、淡黄色粘性液体の4-メチル-N-[4-メチ -5-{3-(2-プロペニルカルボニルアミノ)プロピ ル}チアゾール-2-イル]ベンズアミド(1.07g,3.0mmo l,収率:35%)を得た。 1 H-NMR(DMSO-d 6 ,DMSO,ppm):δ 1.70から1.82(m,2H),1.87(s,3H),2.21(s,3H),2. 39(s,3H),2.68(t,J=7.5Hz,2H),3.10から3.25(m,2H),5.32(s,1H), 5.64(s,1H),7.34(d,J=8.5Hz,2H),7.90(s,1H),7.98(d,J=8.5Hz,2H)

 [実施例2] チアゾール誘導体のアガロース ルへの固定化(その1)
 チアゾール誘導体を40μmol/mLになるようDMSO 溶解し、これに等量の0.5M 塩化ナトリウム 含む0.2M 炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.3)を加え 濃度20μmol/mLのチアゾール誘導体溶液を調製 した。N-ヒドロキシスクシニミド(NHS)にて活 化されたアガロースゲルであるHiTrap NHS-activ ated HP 1mL(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエ ンス社製;以下HiTrapカラムと略記する)に、非 許文献3に記載された方法に従って前記チア ゾール誘導体溶液を2mL通液することによって 固定化を行なった。未反応のスクシンイミド オキシカルボニル基のブロッキングは、非特 許文献3に記載された方法に従って行なった 固定化量は非特許文献3に記載された方法の ち「B.酸性条件法」に従って、HiTrapカラム 液前後のリガンド(チアゾール誘導体)溶液の 紫外吸収極大波長(300nm付近)における吸光度 U-2900スペクトロフォトメーター(日立製作所 )で測定することにより算出した。当該方法 で固定化した各化合物の固定化リガンド密度 を表42に示す。なお、本実施例以降で記載の 合物番号は表33から41記載の化合物番号に対 応する。

 [実施例3] チアゾール誘導体のアガロース ルへの固定化(その2)
 チアゾール誘導体を20μmol/mL及びトリエチル アミンを40μmol/mL含むDMSO溶液を調製した。HiTr apカラムをDMSOで置換後、これに前記チアゾー ル誘導体-トリエチルアミンのDMSO溶液を2mL通 した。一時間放置した後、HiTrapカラムに3mL DMSOを通液して、さらに5mLの0.5M 塩化ナトリ ウムを含む0.2M 炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.3) 通液した。未反応のスクシンイミドオキシ ルボニル基のブロッキングは、非特許文献3 記載された方法に従って行なった。固定化 は非特許文献3に記載された方法のうち「B. 性条件法」に従って、HiTrapカラム通液前後 リガンド(チアゾール誘導体)溶液の紫外吸 極大波長(300nm付近)における吸光度をU-2900ス クトロフォトメーター(日立製作所製)で測 することにより算出した。当該方法で固定 した化合物304の固定化リガンド密度を表43に 示す。

 [実施例4] チアゾール誘導体固定化アガロ スゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その1)
 実施例2あるいは3に記載の方法にて調製し チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムをAKTAprim e plus(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス 社製クロマトグラフィー装置)に取り付け、0. 7M 硫酸ナトリウムを含む10mM リン酸ナトリ ム-10mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)(以 、平衡化緩衝液と呼ぶ)を20mL通液し平衡化し た。AKTAprime plusを流速1mL/minで自動運転し、 衡化緩衝液を10mL通液後、同緩衝液に溶解し ヒト血漿由来免疫グロブリン製剤(化血研製 、本製剤の免疫グロブリンは免疫グロブリン Gである)0.5mg(OD 280 =0.7)を添加してカラムに通液した。さらに平 化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10m M リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウ 緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直 濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。 疫グロブリンのカラムからの溶出は280nmに ける吸光度をモニターして検出した。溶出 は1mLずつ分画し、各フラクションの280nmにお ける吸光度をU-2900スペクトロフォトメーター (日立製作所製)で測定し回収率を算出した。 アゾール誘導体を固定化したHiTrapカラムを いて行なったクロマトグラフィーの結果を 1から図6に示し、これらのクロマトグラフ ーにおける免疫グロブリンの回収率を表44に 示す。いずれのチアゾール誘導体を用いたと きも免疫グロブリンは50%以上の回収率で回収 され、チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムに よる免疫グロブリンの吸脱着が確認された。 特に化合物286、304、329を用いた場合の回収率 は90%以上と極めて高かった。

 それぞれの吸脱着操作後には100mM 水酸化ナ トリウム水溶液を10mL通液してカラムの再生 行なった。前記のチアゾール誘導体固定化Hi Trapカラムはいずれもこの再生処理によって 期状態に復帰させることができ、繰り返し 用によってもその特性は変化しなかった。

 [実施例5] チアゾール誘導体固定化アガロ スゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その2)
 実施例2あるいは3に記載の方法にて調製し チアゾール誘導体固定化HiTrapカラムをAKTAprim e plus(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス 社製クロマトグラフィー装置)に取り付け、 記平衡化緩衝液を20mL通液し平衡化した。AKTA prime plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩 衝液を10mL通液後、同緩衝液に溶解したウシ 清アルブミン(SIGMA社製)0.5mg(OD 280 =0.3)を添加してカラムに通液した。さらに平 化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10m M リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウ 緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直 濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。 シ血清アルブミンのカラムからの溶出は280n mにおける吸光度をモニターして検出した。 出液は1mLずつ分画し、各フラクションの280nm における吸光度をU-2900スペクトロフォトメー ター(日立製作所製)で測定し回収率を算出し 。各種チアゾール誘導体を固定化したHiTrap ラムを用いて行なったクロマトグラフィー 結果を図7から12に示す。また、これらのク マトグラフィーにおけるウシ血清アルブミ の回収率を表45に示す。いずれのチアゾー 誘導体を用いたときもウシ血清アルブミン 10番目の画分までに溶出しており、カラムへ の吸着はほとんど見られなかった。また、図 1から6に示した免疫グロブリンを通液したと の結果とは大きく異なっていた。よって、 発明のチアゾール誘導体固定化マトリック を用いることで、試料中の免疫グロブリン ウシ血清アルブミンとの分離が可能である とが示された。

 それぞれの吸脱着操作後には100mM 水酸化ナ トリウム水溶液を10mL通液してカラムの再生 行なった。前記のチアゾール誘導体を固定 HiTrapカラムはいずれもこの再生処理によっ 初期状態に復帰させることができ、繰り返 使用によってもその特性は変化しなかった

 [実施例6] チアゾール誘導体固定化アガロ スゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その3)
 実施例2に記載の方法にて調製した化合物286 を固定化したHiTrapカラムをAKTAprime plus(商品 )(GEヘルスケアバイオサイエンス社製クロマ グラフィー装置)に取り付け、前記平衡化緩 衝液を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plusを 速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を10mL通 液後、同緩衝液に溶解したリボヌクレア-ゼA リゾチ-ム、αキモトリプシノ-ゲンAの混合 (リボヌクレア-ゼA 0.15mg、リゾチ-ム 0.03mg、 αキモトリプシノ-ゲンA 0.04mg)(OD 280 =0.24)を添加してカラムに通液した。さらに平 衡化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10 mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウ 緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直 線濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。 タンパク質のカラムからの溶出は280nmにおけ 吸光度の吸光度をモニターして検出した。 出液は1mLずつ分画し、各フラクションの280n mにおける吸光度をU-2900スペクトロフォトメ ター(日立製作所製)で測定し回収率を算出し た。化合物286を固定化したHiTrapカラムを用い て行なったクロマトグラフィーの結果を図13 示し、このクロマトグラフィーにおけるタ パク質の回収率を表46に示す。いずれのタ パク質も10番目の画分以内に溶出しており、 免疫グロブリン(25番目から45番目までの画分 溶出、図1参照)とは異なる画分となった。 のことから、本発明のチアゾール誘導体固 化マトリックスを用いることで、試料中の 疫グロブリンとリボヌクレア-ゼA、リゾチ- 、αキモトリプシノ-ゲンAとの分離が可能で ることが示された。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウム水 溶液を10mL通液してカラムの再生を行なった 前記のチアゾール誘導体固定化HiTrapカラム この再生処理によって初期状態に復帰させ ことができ、繰り返し使用によってもその 性は変化しなかった。

 [実施例7] チアゾール誘導体固定化アガロ スゲルを用いたタンパク質の吸脱着(その4)
 ヒト-マウスキメラ抗体であるリツキサン( 品名)(中外製薬社製、10mg/mL)を固定化パパイ (Immobilized Papain、PIERCE社製)を用い、同説明 記載の方法で37℃、10時間処理することによ って、限定加水分解物を得た。

 実施例2に記載の方法にて調製した化合物286 を固定化したHiTrapカラムをAKTAprime plus(商品 )(GEヘルスケアバイオサイエンス社製クロマ グラフィー装置)に取り付け、前記平衡化緩 衝液を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plusを 速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を10mL通 液後、上記パパイン処理抗体を1.2mg(OD 280 =1.7)添加してカラムに通液した。さらに平衡 緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10mM  リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム 衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直線 度勾配クロマトグラフィーを行なった。タ パク質のカラムからの溶出は280nmにおける 光度のモニターにより検出し、溶出液は1mL つ分画した。このクロマトグラフィーの結 を図14に示す。またこのうち7、29、39、43番 の画分(それぞれI、II、III、IVと表記)につい それぞれ5μLを還元条件下で15%アクリルアミ ドを含むSDS-PAGEにかけ、銀染色試薬(銀染色「 第一」(商品名)、第一化学薬品社製)を用いて 染色した(図15)。これにより、IはFab(H鎖に由 する27kDaタンパク質とL鎖である27kDaタンパク 質より構成される)、IIはFc(H鎖に由来する30kDa タンパク質のダイマーで構成される)、IIIは 分消化抗体(H鎖である60kDaタンパク質とH鎖に 由来する30kDaタンパク質とL鎖である27kDaタン ク質で構成される)、IVは未消化抗体(H鎖で る60kDaタンパク質のダイマーとL鎖である27kDa タンパク質のダイマーで構成される)と同定 れ、抗体に由来する各フラグメントの分離 可能であることが示された。

 [実施例8] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その1)
 遠沈管に化合物286(102mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;8mL)、トリエチルアミン(90μL 0.6mmol)を添加して化合物286が溶解したこと 確認した後、0.3gのエポキシトヨパール(商品 名)ゲル(東ソー社製、エポキシ基含量:804μmol/ g(gel))を添加した。上記操作によって得られ 混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定した 卓上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌振 した。反応終了後、遠沈管にアセトニトリ (5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨパ ルゲルと反応溶液を分離した。次にグラス ィルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組成: CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物286を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物286が127μmol/mL (gel)固定化されていることを確認した。更に 上記の操作によって得られたトヨパールゲ 中の未反応のエポキシ基をブロックするた 、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入れ ロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノール ミン、0.5M 塩化ナトリウム、pH8.3(溶媒は水); 5mL)を添加した。反応溶液が入った遠沈管を 内温40℃に設定した卓上振盪機にセットし、 165rpmで16時間攪拌振盪することによりゲル中 残存エポキシ基をモノエタノールアミンで ロックした。反応終了後、遠沈管にアセト トリル(5mL)を添加し、グラスフィルターに トヨパールゲルとブロッキング溶液を分離 た。次いで、ゲルをエタノール(5mL)、水(5mL) それぞれ2回ずつ洗浄し、化合物286が固定化 されたエポキシトヨパールゲルを得た。また 、ブロッキング溶液と洗浄液を合わせた溶液 中に残存する化合物286を高速液体クロマトグ ラフィーで測定したところ、ブロッキング溶 液と洗浄液を合わせた溶液中に化合物286は残 存していないことが確認された。

 [実施例9] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その2)
 遠沈管に化合物329(107mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、0.5M 水酸化ナトリウム 水溶液(2.4mL)、水(5.6mL)を添加して化合物329が 解したことを確認したのち、0.3gのエポキシ トヨパール(商品名)ゲル(東ソー社製、エポキ シ基含量:804μmol/g(gel))を添加した。上記操作 よって得られた混合物の入った遠沈管を内 40℃に設定した卓上振盪機にセットし、165rp mで24時間攪拌振盪した。反応終了後、遠沈管 にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターでトヨパールゲルと反応溶液を分離し 。次にグラスフィルター上のトヨパールゲ を洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物329を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物329が81μmol/mL( gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノール アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3(溶 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った遠 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ トし、165rpmで20時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィル ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶液 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物329 固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ た溶液中に残存する化合物329を高速液体ク マトグラフィーで測定したところ、ブロッ ング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 329は残存していないことが確認された。

 [実施例10] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その3)
 遠沈管に化合物286(30mg、88μmol)を計り取り、 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.1mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(2.4mL)、緩衝液(組成:0.1M Na 2 HPO 4 -NaH 2 PO 4 、pH7.0;2.5mL)、トリエチルアミン(30μL、0.2mmol) 添加して化合物286が溶解したことを確認し のち、3mLのホルミルトヨパール(商品名)ゲ (東ソー社製、ホルミル基含量:65μmol/g(gel))を 添加した。上記操作によって得られた混合物 の入った遠沈管を内温25℃に設定した卓上振 機にセットし、165rpmで攪拌振盪した。攪拌 盪を開始してから30分後、遠沈管にボラン- リジン複合体(250μL、2.5mmol)を添加し、さら 165rpmで2.5時間攪拌振盪した。反応終了後、 沈管にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラ フィルターでトヨパールゲルと反応溶液を 離した。次にグラスフィルター上のトヨパ ルゲルを洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物286を定量することによっ 、化合物286が19μmol/mL(gel)固定化されたホル ルトヨパールゲルを得た。

 [実施例11] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その4)
 遠沈管に化合物320(111mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、0.5M 水酸化ナトリウム 水溶液(0.6mL)、水(7.4mL)を添加して化合物320が 解したことを確認したのち、0.3gのエポキシ トヨパール(商品名)ゲル(東ソー社製、エポキ シ基含量:804μmol/g(gel))を添加した。上記操作 よって得られた混合物の入った遠沈管を内 40℃に設定した卓上振盪機にセットし、165rp mで24時間攪拌振盪した。反応終了後、遠沈管 にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターでトヨパールゲルと反応溶液を分離し 。次にグラスフィルター上のトヨパールゲ を洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV254nm)に 残存する化合物320を定量することによって エポキシトヨパールに化合物320が176μmol/mL(g el)固定化されていることが確認された。更に 、上記の操作によって得られたトヨパールゲ ル中の未反応のエポキシ基をブロックするた め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入れ ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノール ミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液(溶媒は水 )、pH8.3;5mL)を添加した。反応溶液が入った遠 管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ トし、165rpmで20時間攪拌振盪することにより ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノールア ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管に アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィル ーにてトヨパールゲルとブロッキング溶液 分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物320 固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ た溶液中に残存する化合物320を高速液体ク マトグラフィーで測定したところ、ブロッ ング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 320は残存していないことが確認された。

 [実施例12] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その5)
 遠沈管に化合物384(112mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、0.5M 水酸化ナトリウム 水溶液(0.9mL)、水(7.1mL)を添加して化合物384が 解したことを確認したのち、0.3gのエポキシ トヨパール(商品名)ゲル(東ソー社製、エポキ シ基含量:804μmol/g(gel))を添加した。上記操作 よって得られた混合物の入った遠沈管を内 40℃に設定した卓上振盪機にセットし、165rp mで24時間攪拌振盪した。反応終了後、遠沈管 にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターでトヨパールゲルと反応溶液を分離し 。次にグラスフィルター上のトヨパールゲ を洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物384を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物384が126μmol/mL (gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノー アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3( 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ ットし、165rpmで20時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 、水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物384 が固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 た。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に残存する化合物384を高速液体ク ロマトグラフィーで測定したところ、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 物384は残存していないことが確認された。

 [実施例13] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その6)
 遠沈管に化合物423(111mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、0.5M 水酸化ナトリウム 水溶液(0.9mL)、水(7.1mL)を添加して化合物423が 解したことを確認したのち、0.3gのエポキシ トヨパール(商品名)ゲル(東ソー社製、エポキ シ基含量:804μmol/g(gel))を添加した。上記操作 よって得られた混合物の入った遠沈管を内 40℃に設定した卓上振盪機にセットし、165rp mで24時間攪拌振盪した。反応終了後、遠沈管 にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターでトヨパールゲルと反応溶液を分離し 。次にグラスフィルター上のトヨパールゲ を洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物423を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物423が114μmol/mL (gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノー アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3( 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ ットし、165rpmで20時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 、水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物423 が固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 た。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に残存する化合物423を高速液体ク ロマトグラフィーで測定したところ、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 物423は残存していないことが確認された。

 [実施例14] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その7)
 遠沈管に化合物283(94mg、0.3mmol)を計り取り、 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;8mL)、トリエチルアミン(90μL 0.6mmol)を添加して化合物283が溶解したこと 確認したのち、0.3gのエポキシトヨパール(商 品名)ゲル(東ソー社製、、エポキシ基含量:804 μmol/g(gel))を添加した。上記操作によって得 れた混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定 した卓上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪 振盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニ リル(5mL)を添加し、グラスフィルターでト パールゲルと反応溶液を分離した。次にグ スフィルター上のトヨパールゲルを洗浄液( 成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物283を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物283が102μmol/mL (gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノー アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3( 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ ットし、165rpmで16時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 、水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物283 が固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 た。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に残存する化合物283を高速液体ク ロマトグラフィーで測定したところ、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 物283は残存していないことが確認された。

 [実施例15] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その8)
 遠沈管に化合物284(98mg、0.3mmol)を計り取り、 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;8mL)、トリエチルアミン(90μL 0.6mmol)を添加して化合物284が溶解したこと 確認したのち、0.3gのエポキシトヨパール(商 品名)ゲル(東ソー社製、エポキシ基含量:804μm ol/g(gel))を添加した。上記操作によって得ら た混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定し た卓上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌 盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニト ル(5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨ ールゲルと反応溶液を分離した。次にグラ フィルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組 :CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物284を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物284が117μmol/mL (gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノー アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3( 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ ットし、165rpmで16時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 、水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物284 が固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 た。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に残存する化合物284を高速液体ク ロマトグラフィーで測定したところ、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 物284は残存していないことが確認された。

 [実施例16] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その9)
 遠沈管に化合物292(191mg、0.5mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.5mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.5mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;4mL)、トリエチルアミン(140μL 、1.0mmol)を添加して化合物292が溶解したこと 確認したのち、0.3gのエポキシトヨパール( 品名)ゲル(東ソー社製、エポキシ基含量:804μ mol/g(gel))を添加した。上記操作によって得ら た混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定 た卓上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌 振盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニト リル(5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨ ールゲルと反応溶液を分離した。次にグラ フィルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組 成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物292を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物292が56μmol/mL( gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノール アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3(溶 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った遠 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ トし、165rpmで16時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィル ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶液 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物292 固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ た溶液中に残存する化合物292を高速液体ク マトグラフィーで測定したところ、ブロッ ング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 292は残存していないことが確認された。

 [実施例17] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その10)
 遠沈管に化合物364(193mg、0.5mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.5mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.5mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;8mL)、トリエチルアミン(140μL 、1.0mmol)を添加して化合物364が溶解したこと 確認したのち、0.3gのエポキシトヨパール( 品名)ゲル(東ソー社製、エポキシ基含量:804μ mol/g(gel))を添加した。上記操作によって得ら た混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定 た卓上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌 振盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニト リル(5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨ ールゲルと反応溶液を分離した。次にグラ フィルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組 成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物364を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物364が257μmol/mL (gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のエポキシ基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M モノエタノー アミン、0.5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3( 媒は水);5mL)を添加した。反応溶液が入った 沈管を、内温40℃に設定した卓上振盪機にセ ットし、165rpmで16時間攪拌振盪することによ ゲル中の残存エポキシ基をモノエタノール ミンでブロックした。反応終了後、遠沈管 アセトニトリル(5mL)を添加し、グラスフィ ターにてトヨパールゲルとブロッキング溶 を分離した。次いで、ゲルをエタノール(5mL) 、水(5mL)でそれぞれ2回ずつ洗浄し、化合物364 が固定化されたエポキシトヨパールゲルを得 た。また、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に残存する化合物364を高速液体ク ロマトグラフィーで測定したところ、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に化合 物364は残存していないことが確認された。

 [実施例18] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その11)
 遠沈管に化合物286(102mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;4mL)、トリエチルアミン(90μL 0.6mmol)を添加して化合物286が溶解したこと 確認したのち、0.3gのトレシルトヨパール(商 品名)ゲル(東ソー社製、トレシル基含量:非公 開)を添加した。上記操作によって得られた 合物の入った遠沈管を内温40℃に設定した卓 上振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌振盪 た。反応終了後、遠沈管にアセトニトリル( 5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨパー ゲルと反応溶液を分離した。次にグラスフ ルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物286を定量することによっ 、トレシルトヨパールに化合物286が94μmol/mL( gel)固定化されていることが確認された。更 、上記の操作によって得られたトヨパール ル中の未反応のトレシル基をブロックする め、得られたトヨパールゲルを遠沈管に入 ブロッキング溶液(組成:0.5M トリスヒドロキ シメチルアミノメタン塩酸塩、0.5M 塩化ナト リウム水溶液、pH8.3;5mL)を添加した。反応溶 が入った遠沈管を、内温40℃に設定した卓上 振盪機にセットし、165rpmで16時間攪拌振盪す ことによりゲル中の残存トレシル基をトリ ヒドロキシメチルアミノメタンでブロック た。反応終了後、遠沈管にアセトニトリル( 5mL)を添加し、グラスフィルターにてトヨパ ルゲルとブロッキング溶液を分離した。次 で、ゲルをエタノール(5mL)、水(5mL)でそれぞ 2回ずつ洗浄し、化合物286が固定化されたト レシルトヨパールゲルを得た。また、ブロッ キング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に残存 する化合物286を高速液体クロマトグラフィー で測定したところ、ブロッキング溶液と洗浄 液を合わせた溶液中に化合物286は残存してい ないことが確認された。

 [実施例19] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その12)
 遠沈管に化合物329(30mg、84μmol)を計り取り、 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.1mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(2.4mL)、緩衝液(組成:0.1M Na 2 HPO 4 -NaH 2 PO 4 、pH7.0;2.5mL)、トリエチルアミン(30μL、0.2mmol) 添加して化合物329が溶解したことを確認し のち、3mLのホルミルトヨパール(商品名)ゲ (東ソー社製、ホルミル基含量:65μmol/mL(gel)) 添加した。上記操作によって得られた混合 の入った遠沈管を内温25℃に設定した卓上振 盪機にセットし、165rpmで攪拌振盪した。攪拌 振盪を開始してから30分後、遠沈管にボラン- ピリジン複合体(250μL、2.5mmol)を添加し、さら に165rpmで2.5時間攪拌振盪した。反応終了後、 遠沈管にアセトニトリル(5mL)を添加し、グラ フィルターでトヨパールゲルと反応溶液を 離した。次にグラスフィルター上のトヨパ ルゲルを洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物329を定量し、化合物329が14 μmol/mL(gel)固定化されたホルミルトヨパール ルを得た。

 [実施例20] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その13)
 遠沈管に化合物286(170mg、0.5mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.5mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.5mL)、緩衝液(組成:0.2M NaHCO 3 、0.5M NaCl、pH8.3;8mL)、トリエチルアミン(140μL 、1.0mmol)を添加して化合物286が溶解したこと 確認したのち、0.3gのエポキシトヨパール( 品名)ゲル(東ソー社製、エポキシ基含量:804μ mol/g(gel))を添加した。上記操作によって得ら た混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定 た卓上振盪機にセットし、165rpmで63時間攪拌 振盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニト リル(5mL)を添加し、グラスフィルターでトヨ ールゲルと反応溶液を分離した。次にグラ フィルター上のトヨパールゲルを洗浄液(組 成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;10mL)で2回洗浄した。反応溶液と洗浄液 合わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラ :東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物286を定量することによっ 、エポキシトヨパールに化合物286が167μmol/mL (gel)固定化されたことを確認した。この化合 286固定化エポキシトヨパールゲル中の窒素 子含有量及び硫黄原子含有量を測定したと ろ、窒素原子が1.2重量%、硫黄原子が0.89重 %含まれることを確認した。

 [実施例21] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その14)
 遠沈管に化合物358(134mg、0.4mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.4mL添加した。次いで、遠沈管に1 ,4-ジオキサン(10mL)、トリエチルアミン(120μL 0.9mmol)を添加して化合物358が溶解したことを 確認したのち、2.5mLのトヨパールCM-650S(商品 )ゲル(東ソー社製;イオン交換容量:0.1mol/L(gel) )と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カ ボジイミド塩酸塩(154mg、0.8mmol)を添加した。 上記操作によって得られた混合物の入った遠 沈管を内温25℃に設定した卓上振盪機にセッ し、165rpmで14時間攪拌振盪した。反応終了 、グラスフィルターでトヨパールゲルと反 溶液を分離した。次にグラスフィルター上 トヨパールゲルを1,4-ジオキサン(10mL)で2回洗 浄したのち、洗浄液(組成:0.05%トリフルオロ 酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=45/55;10mL)で2回 洗浄した。反応溶液と洗浄液を合わせ、高速 液体クロマトグラフィー(カラム:東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:0.05%トリ フルオロ酢酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液、流速:1mL/min 温度:25℃、検出:UV254nm)にて残存する化合物35 8を定量し、化合物358が16μmol/mL(gel)固定化さ たトヨパールCM-650Sゲルを得た。

 [実施例22] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の1)
 実施例8に記載の方法にて調製した化合物286 固定化エポキシトヨパールゲル1mLをTRICORNカ ム(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社 製)に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケ アバイオサイエンス社製クロマトグラフィー 装置)に取り付け、前記平衡化緩衝液を20mL通 し平衡化した。AKTAprime plusを流速1mL/minで自 動運転し、平衡化緩衝液を10mL通液後、同緩 液に溶解したヒト血漿由来免疫グロブリン 剤(化血研製)0.5mg(OD 280 =0.7)を添加してカラムに通液した。さらに平 化緩衝液を10mL通液後、平衡化緩衝液から10m M リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウ 緩衝液(pH7.5)への硫酸ナトリウムに関する直 濃度勾配クロマトグラフィーを行なった。 疫グロブリンのカラムからの溶出は280nmに ける吸光度をモニターして検出した。溶出 は1mLずつ分画し、各フラクションの280nmにお ける吸光度をU-2900スペクトロフォトメーター (日立製作所製)で測定し回収率を算出した。 合物286固定化エポキシトヨパールゲルを用 て行なったクロマトグラフィーの結果を図1 6に示し、このクロマトグラフィーにおける 疫グロブリンの回収率を表47に示す。免疫グ ロブリンはHiTrapカラムを用いたとき(図1参照) よりもいくぶん幅広く20番目から50番目まで 画分に溶出していた。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 286固定化エポキシトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例23] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の2)
 実施例8に記載の方法にて調製した化合物286 固定化エポキシトヨパールゲル1mLをTRICORNカ ム(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社 製)に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケ アバイオサイエンス社製クロマトグラフィー 装置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム 衝液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime  plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液 10mL通液後、同緩衝液に溶解したヒト化モノ クローナル抗体0.5mg(OD 280 =0.7)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ヒト化モノクローナル抗体のカラムからの 出は280nmにおける吸光度のモニターにより 出した。溶出液は1mLずつ分画し、各フラク ョンの280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロ フォトメーター(日立製作所製)で測定し回収 を算出した。化合物286固定化エポキシトヨ ールゲルを用いて行なったクロマトグラフ ーの結果を図17に示し、このクロマトグラ ィーにおけるヒト化モノクローナル抗体の 収率を表48に示す。ヒト化モノクローナル抗 体は30番目から45番目までの画分に溶出し、 疫グロブリン(図16参照)と比べていくぶん後 の位置で溶出していた。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 286固定化エポキシトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例24] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の3)
 実施例8に記載の方法にて調製した化合物286 固定化エポキシトヨパールゲル1mLをTRICORNカ ム(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社 製)に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケ アバイオサイエンス社製クロマトグラフィー 装置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム 衝液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime  plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液 10mL通液後、同緩衝液に溶解したウシ血清ア ルブミン0.5mg(OD 280 =0.3)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ウシ血清アルブミンのカラムからの溶出は2 80nmにおける吸光度のモニターにより検出し 。溶出液は1mLずつ分画し、各フラクション 280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロフォト メーター(日立製作所製)で測定し回収率を算 した。化合物286固定化エポキシトヨパール ルを用いて行なったクロマトグラフィーの 果を図18に示し、このクロマトグラフィー おけるウシ血清アルブミンの回収率を表49に 示す。ウシ血清アルブミンは10番目の画分ま に溶出し、これは免疫グロブリン(図16参照) とは異なる画分であり、HiTrapカラムを用いた とき(図1及び図7参照)と同様な結果になった このことから、チアゾール誘導体と固定化 るマトリックスをアガロースからトヨパー に変更しても同様な免疫グロブリンの分離 能を有していることが示された。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 286固定化エポキシトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例25] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の4)
 実施例9に記載の方法にて調製した化合物329 固定化エポキシトヨパールゲルをTRICORNカラ (商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製 )に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケア バイオサイエンス社製クロマトグラフィー装 置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10mM  ン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム緩 液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plu sを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を1 0mL通液後、同緩衝液に溶解したヒト化モノク ローナル抗体0.5mg(OD 280 =0.7)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ヒト化モノクローナル抗体のカラムからの 出は280nmにおける吸光度のモニターにより 出した。溶出液は1mLずつ分画し、各フラク ョンの280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロ フォトメーター(日立製作所製)で測定し回収 を算出した。化合物329固定化エポキシトヨ ールゲルを用いて行なったクロマトグラフ ーの結果を図19に示し、このクロマトグラ ィーのヒト化モノクローナル抗体の回収率 表50に示す。ヒト化モノクローナル抗体は30 目から45番目までの画分に溶出と、化合物28 6をチアゾール誘導体として用いたとき(図17 照)と同じ画分の位置で溶出していた。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 329固定化エポキシトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例26] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の5)
 実施例9に記載の方法にて調製した化合物329 固定化エポキシトヨパールゲルをTRICORNカラ (商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製 )に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケア バイオサイエンス社製クロマトグラフィー装 置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10mM  ン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム緩 液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime plu sを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を1 0mL通液後、同緩衝液に溶解したウシ血清アル ブミン0.5mg(OD 280 =0.3)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ウシ血清アルブミンのカラムからの溶出は2 80nmにおける吸光度のモニターにより検出し 。溶出液は1mLずつ分画し、各フラクション 280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロフォト メーター(日立製作所製)で測定し回収率を算 した。化合物329固定化エポキシトヨパール ルを用いて行なったクロマトグラフィーの 果を図20に示し、このクロマトグラフィー ウシ血清アルブミンの回収率を表51に示す。 ウシ血清アルブミンは10番目の画分までに溶 し、これはヒト化モノクローナル抗体(図19 照)とは異なる画分であり、化合物286をチア ゾール誘導体として用いたとき(図18参照)と 様な結果になった。このことから、チアゾ ル誘導体を化合物286から化合物329に変更し も同様なタンパク質の分離性能を有してい ことが示された。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 329固定化エポキシトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例27] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の6)
 実施例10に記載の方法にて調製した化合物28 6固定化ホルミルトヨパールゲルを1mL TRICORN ラム(商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス 社製)に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルス ケアバイオサイエンス社製クロマトグラフィ ー装置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10 mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウ 緩衝液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprim e plusを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝 を10mL通液後、同緩衝液に溶解したヒト化モ ノクローナル抗体0.5mg(OD 280 =0.8)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ヒト化モノクローナル抗体のカラムからの 出は280nmにおける吸光度のモニターにより 出した。溶出液は1mLずつ分画し、各フラク ョンの280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロ フォトメーター(日立製作所製)で測定し回収 を算出した。化合物286固定化ホルミルトヨ ールゲルを用いて行なったクロマトグラフ ーの結果を図21に示し、このクロマトグラ ィーのヒト化モノクローナル抗体の回収率 表52に示す。ヒト化モノクローナル抗体は30 目から45番目までの画分に溶出と、エポキ トヨパールをチアゾール誘導体の固定化に いたとき(図17参照)と同じ画分の位置で溶出 ていた。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 286固定化ホルミルトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例28] チアゾール誘導体固定化ビニル リマーゲルを用いたタンパク質の吸脱着(そ の7)
 実施例10に記載の方法にて調製した化合物28 6固定化ホルミルトヨパールゲルをTRICORNカラ (商品名)(GEヘルスケアバイオサイエンス社 )に充填し、AKTAprime plus(商品名)(GEヘルスケ バイオサイエンス社製クロマトグラフィー 置)に取り付け、0.7M 硫酸ナトリウム、10mM  ン酸ナトリウム-10mM クエン酸ナトリウム緩 衝液(pH7.5)を20mL通液し平衡化した。AKTAprime pl usを流速1mL/minで自動運転し、平衡化緩衝液を 10mL通液後、同緩衝液に溶解したウシ血清ア ブミン0.5mg(OD 280 =0.3)を添加した。さらに平衡化緩衝液を10mL通 液後、10mM リン酸ナトリウム-10mM クエン酸 トリウム緩衝液(pH7.5)を用いた硫酸ナトリウ の濃度勾配クロマトグラフィーを行なった ウシ血清アルブミンのカラムからの溶出は2 80nmにおける吸光度のモニターにより検出し 。溶出液は1mLずつ分画し、各フラクション 280nmにおける吸光度をU-2900スペクトロフォト メーター(日立製作所製)で測定し回収率を算 した。化合物286固定化ホルミルトヨパール ルを用いて行なったクロマトグラフィーの 果を図22に示し、このクロマトグラフィー ウシ血清アルブミンの回収率を表53に示す。 ウシ血清アルブミンは10番目の画分までに溶 し、これはヒト化モノクローナル抗体(図21 照)とは異なる画分であり、エポキシトヨパ ールをチアゾール誘導体の固定化に用いたと き(図18参照)と同様な結果になった。このこ から、チアゾール誘導体の固定化に用いる トリックスの有する活性化基をエポキシ基 らホルミル基に変更しても同様なタンパク の分離性能を有していることが示された。

 吸脱着操作後には100mM 水酸化ナトリウムを 10mL通液してカラムの再生を行なった。化合 286固定化ホルミルトヨパールゲルはこの再 処理によって初期状態に復帰させることが き、繰り返し使用によってもその特性は変 しなかった。

 [実施例29] チアゾール誘導体のキトサンゲ への固定化
 水で洗浄した5mLの活性化キトパールK-66(商 名)ゲル(富士紡ホールディングス社製;スク ンイミドオキシカルボニル基含量:15μmol/mL(ge l))を遠沈管に計り取り、これにDMSOを10mL添加 た。次に化合物286のDMSO溶液(0.25M)を900μL、1M の1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル 液を225μL、トリエチルアミンを68μL、順次添 加した。上記操作によって得られた混合物の 入った遠沈管を内温40℃に設定した卓上振盪 にセットし、165rpmで3時間攪拌振盪した。反 応終了後、グラスフィルターでキトパールゲ ルと反応溶液を分離し、グラスフィルター上 のキトパールゲルをジメチルスルホキシド(5m L)、洗浄液(組成:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5;15mL)で洗浄した。反応溶液と洗浄液を合 わせ、高速液体クロマトグラフィー(カラム: ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (商品名)(内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:CH 3 CN/MeOH/50mM NH 4 H 2 PO 4 =4/1/5、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm) て残存する化合物286を定量し、化合物286が5. 0μmol/mL(gel)固定化されているキトパールゲル 得た。

 [実施例30] チアゾール誘導体のビニルポリ ーゲルへの固定化(その15)
 遠沈管に化合物286(102mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、1M 水酸化ナトリウム 溶液(1.2mL)、水(6.8mL)を添加して化合物286が溶 解したことを確認したのち、0.5gのBIOACT-EPO(商 品名)ゲル(昭和電工社製、エポキシ基含量:200 μmol/g(gel))を添加した。上記操作によって得 れた混合物の入った遠沈管を内温40℃に設定 した卓上振盪機にセットし、165rpmで43時間攪 振盪した。反応終了後、遠沈管にアセトニ リル(5mL)を添加し、グラスフィルターでBIOAC T-EPOゲルと反応溶液を分離した。次にグラス ィルター上のBIOACT-EPOゲルを洗浄液(組成:0.05 %トリフルオロ酢酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=1/1;10mL)で2回 浄した。反応溶液と洗浄液を合わせ、高速 体クロマトグラフィー(カラム:東ソー社製 T SK-gel ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:0.05%トリフルオ 酢酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=1/1、流速:1mL/m in、温度:25℃、検出:UV 254nm)にて残存する化 物286を定量することによって、BIOACT-EPOゲル 化合物286が46μmol/mL(gel)固定化されているこ が確認された。更に、上記の操作によって られたBIOACT-EPOゲル中の未反応のエポキシ基 をブロックするため、得られたBIOACT-EPOゲル 遠沈管に入れブロッキング溶液(組成:アセト ニトリル;2mL、0.5M モノエタノールアミン、0. 5M 塩化ナトリウム水溶液、pH8.3(溶媒は水);4mL )を添加した。反応溶液が入った遠沈管を、 温40℃に設定した卓上振盪機にセットし、165 rpmで23時間攪拌振盪することによりゲル中の 存エポキシ基をモノエタノールアミンでブ ックした。反応終了後、遠沈管にアセトニ リル(5mL)を添加し、グラスフィルターにてBI OACT-EPOゲルとブロッキング溶液を分離した。 いで、ゲルをエタノール(5mL)、水(5mL)でそれ ぞれ2回ずつ洗浄することで、化合物286が固 化されたBIOACT-EPOゲルを得た。また、ブロッ ング溶液と洗浄液を合わせた溶液中に残存 る化合物286を高速液体クロマトグラフィー 測定したところ、ブロッキング溶液と洗浄 を合わせた溶液中に化合物286は残存してい いことが確認された。

 [実施例31] チアゾール誘導体のスチレン-ジ ビニルベンゼン共重合体ゲルへの固定化
 遠沈管に化合物286(102mg、0.3mmol)を計り取り 1,2-ジメトキシベンゼンのアセトニトリル溶 (1mmol/mL)を0.3mL添加した。次いで、遠沈管に セトニトリル(1.7mL)、1M 水酸化ナトリウム 溶液(1.2mL)、水(6.8mL)を添加して化合物286が溶 解したことを確認したのち、0.3gのPOROS-EP(商 名)ゲル(アプライドバイオシステムズジャパ ン社製、エポキシ基含量:非開示)を添加した 上記操作によって得られた混合物の入った 沈管を内温40℃に設定した卓上振盪機にセ トし、165rpmで36時間攪拌振盪した。反応終了 後、遠沈管にアセトニトリル(5mL)を添加し、 ラスフィルターでPOROS-EPゲルと反応溶液を 離した。次にグラスフィルター上のPOROS-EPゲ ルを洗浄液(組成:0.05%トリフルオロ酢酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=1/1;10mL)で2回 浄した。反応溶液と洗浄液を合わせ、高速 体クロマトグラフィー(カラム:東ソー社製 T SK-gel ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:0.05%トリフルオ 酢酸含有CH 3 CN/0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=1/1、流速:1mL/m in、温度:25℃、検出:UV 254nm)にて残存する化 物286を定量することによって、POROS-EPゲルに 化合物286が91μmol/mL(gel)固定化されていること が確認された。更に、上記の操作によって得 られたPOROS-EPゲル中の未反応のエポキシ基を ロックするため、得られたPOROS-EPゲルを遠 管に入れブロッキング溶液(組成:アセトニト リル;2mL、0.5M モノエタノールアミン、0.5M  化ナトリウム水溶液、pH8.3(溶媒は水);4mL)を 加した。反応溶液が入った遠沈管を、内温40 ℃に設定した卓上振盪機にセットし、165rpmで 6時間攪拌振盪することによりゲル中の残存 ポキシ基をモノエタノールアミンでブロッ した。反応終了後、遠沈管にアセトニトリ (5mL)を添加し、グラスフィルターにてPOROS-EP ルとブロッキング溶液を分離した。次いで ゲルをエタノール(5mL)、水(5mL)でそれぞれ2 ずつ洗浄することで、化合物286が固定化さ たPOROS-EPゲルを得た。また、ブロッキング溶 液と洗浄液を合わせた溶液中に残存する化合 物286を高速液体クロマトグラフィーで測定し たところ、ブロッキング溶液と洗浄液を合わ せた溶液中に化合物286は残存していないこと が確認された。

 [実施例32] チアゾール誘導体のセンサーチ プへの固定化
 化合物286を4mg/mLになるようにDMSOに溶解し、 これを10mMホウ酸-1M NaCl緩衝液(pH8.5)で8倍に希 釈して0.5mg/mL濃度の化合物溶液を調製した。B IACOREセンサーチップCM5(商品名、GEヘルスケア バイオサイエンス社製)をBIACORE2000(商品名、GE ヘルスケアバイオサイエンス社製)に装着し BIACOREアミンカップリングキット(商品名、GE ルスケアバイオサイエンス社製)を用いてセ ンサーチップCM5上のカルボキシメチルデキス トランをN-ヒドロキシスクシニミド(NHS)で活 化した。これに前記0.5mg/mL濃度の化合物286溶 液を25℃で5分間接触させることにより固定化 を行なった。その後1M モノエタノールアミ 水溶液を用いて未反応のスクシンイミドオ シカルボニル基のブロッキングを行なった 一連の固定化過程はセンサーチップCM5表面 SPR共鳴単位(RU)の増加によってモニタリング た。

 [実施例33] BIACORE(商品名)を用いた親和性解
 実施例32によって調製したリガンド-マトリ クス複合体(化合物286を固定化したセンサー チップCM5)に対して、HBS-EP緩衝液(組成:10mM HEP ES(pH7.4),0.15M NaCl,3mM EDTA,0.005% SP20)で希釈した マウスIgM(10μg/mL、試料A)、マウスIgG(320μg/mL、 試料B)、ニワトリIgY(400μg/mL、試料C)、ウシ血 アルブミン(320μg/mL、試料D)をそれぞれ120秒 通液(結合相)し、その後280秒間HBS-EP緩衝液 置換(解離相)して親和性を解析した。またそ れぞれの分析終了ごとに10mM水酸化ナトリウ を80秒間通液してセンサーチップCM5の再生を 行った。化合物286を固定化したセンサーチッ プCM5のセンサーグラムを図23に示す。また解 時間240秒後の残存RUを表54に示す。

 図23及び表54より、マウスIgM(試料A)が他の試 料(試料B、C、D)と比較し、化合物286を固定化 たセンサーチップCM5に対する親和性が高い とが示された。よって、化合物286を固定化 たデキストランゲルが、マウスIgMを特異的 吸着することが判明した。

 [実施例34] チアゾール誘導体のセルロース ルへの固定化
 0.1M N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスル ン酸緩衝液(pH9.0)/アセトニトリル=1/1の混合 を調製し、これを溶媒として、化合物486と 酸化ナトリウムとをそれぞれ41mMとなるよう 加えた。遠沈管に3.0mLのセルファインホル ル(商品名)ゲル(チッソ社製、ホルミル基を10 から15μmol/mL含有)をとり、そこに前記の化合 486を含んだ溶液を5mL加え、卓上振盪機を用 て、30分間、25℃、160rpmで振盪した後、ボラ ン-ピリジン複合体(0.17mL、1.7mmol)を添加し、 じ条件で16時間振盪した。反応混合物をグラ スフィルターで濾過し、アセトニトリル5mLで 1回、次いで、洗浄液(アセトニトリル/水/ト フルオロ酢酸=45/55/0.05)で5mLずつ4回洗浄した これらのろ液と洗浄液をあわせ、高速液体 ロマトグラフィー(カラム:東ソー社製 TSK-ge l ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:洗浄液と同じ組 、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm)にて 残存する化合物486を定量することによって、 セルファインホルミルゲルに化合物486が5μmol /mL(gel)固定化されたことを確認した。

 [実施例35] チアゾール誘導体のアクリルア ド-ビニル共重合体ゲルへの固定化
 0.1M N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスル ン酸緩衝液(pH9.0)/アセトニトリル=1/1の混合 媒に、化合物486と水酸化ナトリウムとをそ ぞれ41mMとなるように加えた。遠沈管に0.3gの Profinity Epoxide(商品名)ゲル(バイオラッド社製 、エポキシ基を50から132μmol/g含有)をとり、 こに前記の化合物486を含んだ溶液を5mL加え 卓上振盪機を用いて、15時間、40℃、160rpmで 盪した。反応混合物をグラスフィルターで 過し、アセトニトリル5mLで1回、次いで、洗 浄液(アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=45 /55/0.05)で5mLずつ4回洗浄した。これらのろ液 洗浄液をあわせ、高速液体クロマトグラフ ー(カラム:東ソー社製 TSK-gel ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:洗浄液と同じ組 、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm)にて 残存する化合物486を定量することによって、 Profinity Epoxideゲルに化合物486が4μmol/mL(gel)固 化されたことを確認した。

 [実施例36] チアゾール誘導体のシリカゲル の固定化
 2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピ ラジニル]プロパンスルホン酸緩衝液(0.1M、p H8.0)/アセトニトリル=1/1の混合溶媒に、化合 486と水酸化ナトリウムとをそれぞれ41mMとな ように加えた。遠沈管に1.3gのM.S.GEL Epoxy-D-5 0-1000AW(商品名、AGCエスアイテック社製、エポ キシ基を73μmol/g含有)をとり、そこに、6.1mLの 前記の溶液を加え、卓上振盪機を用いて、4 間、40℃、160rpmで振盪した。反応混合物をグ ラスフィルターで濾過し、アセトニトリル5mL で1回、次いで、洗浄液(アセトニトリル/水/ リフルオロ酢酸=45/55/0.05)で5mLずつ4回洗浄し 。これらのろ液と洗浄液をあわせ、高速液 クロマトグラフィー(カラム:東ソー社製 TSK -gel ODS-80T M (内径4.6mm×長さ15cm)、溶離液:洗浄液と同じ組 、流速:1mL/min、温度:25℃、検出:UV 254nm)にて 残存する化合物486を定量することによって、 M.S.GEL Epoxy-D-50-1000AWに化合物486が22μmol/mL(gel) 定化されたことを確認した。

 [実施例37] 4-メチル-N-[4-メチル-5-{3-(2-プロ ニルカルボニルアミノ)プロピル}チアゾール -2-イル]ベンズアミドのポリスチレンビーズ の固定化(その1)
 200mLのナス型フラスコに塩化銅(I)(159mg,1.61mmo l)、ペンタメチルジエチレントリアミン(419mg, 2.42mmol)、メタノール(19.5mL)、及び2-ヒドロキ エチルメタクリレート(19.5mL,161mmol)を順次添 し、室温で撹拌して反応混合物が均一に溶 したことを確認した。次に反応溶液に1.4gの クロロメチル化ポリスチレンビーズ(渡辺化 工業社製、クロロメチル基含量:1.15meq/g)を添 加し、凍結脱気により反応溶液中の溶存酸素 を除去したのち、反応容器を40℃で12時間撹 した。反応終了後、ポリスチレンビーズと 応溶液を分離し、ポリスチレンビーズをメ ノール(200mL)で2回洗浄した後、エタノール/5% アンモニア水=9/1(v/v)(1L)で3回洗浄した。洗浄 了後、ポリスチレンビーズと洗浄液を分離 た後、真空乾燥することで淡青色をしたポ (2-ヒドロキシエチルメタクリレート)修飾ポ リスチレンビーズ(18.4g、グラフト率:1200%)を た。なおここでグラフト率は、
グラフト率=(反応後のポリスチレンビーズ重 -反応前のポリスチレンビーズ重量)/(反応前 のポリスチレンビーズ重量)
と定義する。

 次に50mLのナス型フラスコに塩化銅(I)(22mg,0.2 2mmol)、1,4,8,11-テトラメチル-1,4,8,11-テトラア テトラデカン(56mg,0.22mmol)、参考例2で合成し 4-メチル-N-[4-メチル-5-{3-(2-プロペニルカル ニルアミノ)プロピル}チアゾール-2-イル]ベ ズアミド(525mg,1.47mmol)、及び2-ブタノン/2-プ パノール=7/3(v/v)の混合溶媒(3mL)を順次添加し 、室温で撹拌して反応混合物が均一に溶解し たことを確認した。次に反応溶液に2.5gのポ (2-ヒドロキシエチルメタクリレート)修飾ポ スチレンビーズを添加し、凍結脱気により 応溶液中の溶存酸素を除去したのち、反応 器を60℃で63時間撹拌した。反応終了後、ポ リスチレンビーズと反応溶液を分離し、エタ ノール(300mL)で2回、エタノール/5%アンモニア =9/1(v/v)(300mL)で2回、DMF(200mL)で1回洗浄した。 洗浄終了後、ポリスチレンビーズと洗浄液を 分離した後、真空乾燥することでチアゾール 誘導体が結合した薄茶色のポリ(2-ヒドロキシ エチルメタクリレート)修飾ポリスチレンビ ズ(2.61g)を得た。得られたポリスチレンビー の重量増加分から計算した結果、グラフト 末端にチアゾール誘導体が平均2分子結合し ており、その当量は0.12meq/gであると見積られ た。FT-IR,ν(cm -1 ,reflect):3440(br,O-H),2949(w),1720(s,C=O),1637(w,C=O),1450( m),1243(m),1149(s),1074(s)。

 [実施例38] 4-メチル-N-[4-メチル-5-{3-(2-プロ ニルカルボニルアミノ)プロピル}チアゾール -2-イル]ベンズアミドのポリスチレンビーズ の固定化(その2)
 200mLのナス型フラスコに塩化銅(I)(500mg,5.0mmol )、ペンタメチルジエチレントリアミン(1.30g,7 .5mmol)、2-プロパノール(22mL)、及びアクリルア ミド水溶液(組成:17.8g/22mL;250mmol)を順次添加し 、室温で撹拌して反応混合物が均一に溶解し たことを確認した。次に反応溶液に5.0gのク ロメチル化ポリスチレンビーズ(ペプチド研 所製、クロロメチル基含量:0.97meq/g)を添加 、凍結脱気により反応溶液中の溶存酸素を 去したのち、反応容器を80℃で18時間撹拌し 。反応終了後、ポリスチレンビーズと反応 液を分離し、ポリスチレンビーズをエタノ ル(150mL)で洗浄した後、エタノール/5%アンモ ニア水=9/1(v/v)(200mL)で2回洗浄した。洗浄終了 、ポリスチレンビーズと洗浄液を分離した 、真空乾燥することで淡青色をしたポリア リルアミド修飾ポリスチレンビーズ(12.3g、 ラフト率:146%)を得た。なおここでグラフト は
グラフト率=(反応後のポリスチレンビーズ重 -反応前のポリスチレンビーズ重量)/(反応前 のポリスチレンビーズ重量)
と定義する。

 次に50mLのナス型フラスコに塩化銅(I)(60mg,0.6 0mmol)、トリス(2-(ジメチルアミノ)エチル)アミ ン(208mg,0.9mmol)、参考例2で合成した4-メチル-N- [4-メチル-5-{3-(2-プロペニルカルボニルアミノ )プロピル}チアゾール-2-イル]ベンズアミド(1. 07g,3.0mmol)、及び2-プロパノール/水=2/1(v/v)の混 合溶媒(3mL)を順次添加し、室温で撹拌して反 混合物が均一に溶解したことを確認した。 に反応溶液に1.5gのポリアクリルアミド修飾 ポリスチレンビーズを添加し、凍結脱気によ り反応溶液中の溶存酸素を除去したのち、反 応容器を80℃で87時間撹拌した。反応終了後 反応溶液にエタノール(30mL)及び5%アンモニア 水(5mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。次に ポリスチレンビーズと反応溶液を分離し、エ タノール/5%アンモニア水=9/1(v/v)(50mL)で2回、DM F(250mL)で1回洗浄した。洗浄終了後、ポリスチ レンビーズと洗浄液を分離した後、真空乾燥 することでチアゾール誘導体が結合した薄緑 色のポリアクリルアミド修飾ポリスチレンビ ーズ(1.84g)を得た。得られたポリスチレンビ ズの重量増加分から計算した結果、グラフ 鎖末端にチアゾール誘導体が平均2分子結合 ており、その当量は0.52meq/gであると見積ら た。FT-IR,ν(cm -1 ,reflect):3336(br),2922(m),1654(s,C=O),1600(m),1492(m),1450( m),1028(w),756(m),698(s)。

 本発明のチアゾール誘導体はタンパク質、 に免疫グロブリンの分析および精製用低分 リガンドとして有用であり、また、上記チ ゾール誘導体をマトリックスに結合させた 発明のチアゾール誘導体固定化マトリック は、医療用タンパク質、特に免疫グロブリ の工業的な精製において極めて有用であり 産業上の利用可能性は極めて高い。

 なお、2008年3月12日に出願された日本特許出 願2008-063364号、2008年3月13日に出願された日本 特許出願2008-064269号、2008年12月11日に出願さ た日本特許出願2008-316210号、2009年1月15日に 願された日本特許出願2009-007093号及び2009年1 15日に出願された日本特許出願2009-007094号の 明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の 全内容をここに引用し、本発明の明細書の開 示として、取り入れるものである。