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Title:
NOZZLE FOR CONTINUOUS CASTING AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/047936
Kind Code:
A1
Abstract:
A nozzle for continuous casting in which durability is enhanced by arranging a refractory layer of high performance, e.g. high corrosion resistance or high adhesion preventive properties, on the inner hole side. A method for manufacturing a nozzle for continuous casting in which push breaking of the outer circumferential side layer due to the difference in thermal expansion between the inner hole side layer and the outer circumferential side layer of body material is prevented, and exfoliation of the inner hole side layer in the way of casting is prevented, is also provided. The nozzle for continuous casting has such an integral structure as the boundary portion of the inner hole side layer (2) and an intermediate layer (4) touches the boundary portion of the intermediate layer (4) and the outer circumferential side layer (3) directly wherein the bonding strength of the intermediate layer and the inner hole side layer and the outer circumferential side layer adjoining the intermediate layer is 0.01-1.5 Mpa in a 1000°C non-oxidizing atmosphere, and a compression rate K(%) of the intermediate layer in the 1000°C non-oxidizing atmosphere under the pressure of 2.5 Mpa is 10%-80%.

Inventors:
MORIKAWA KATSUMI (JP)
SASAKI AKINARI (JP)
HAREN KOICHI (JP)
YOSHITOMI JOKI (JP)
HIRAIWA YOSHITAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061928
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
July 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KROSAKIHARIMA CORP (JP)
MORIKAWA KATSUMI (JP)
SASAKI AKINARI (JP)
HAREN KOICHI (JP)
YOSHITOMI JOKI (JP)
HIRAIWA YOSHITAKA (JP)
International Classes:
B22D11/10; B22D41/50
Foreign References:
JP2006130555A2006-05-25
JP2001286995A2001-10-16
JPH10305357A1998-11-17
EP1493516A12005-01-05
JP2007229798A2007-09-13
JPS63157747A1988-06-30
Other References:
R. EMADI, A. MONSHI: "Cold Isostatic Pressing of Alumina-Graphite Castables, a New Technology to Manufacture Special Refractories", ISIJ INTERNATIONAL, vol. 44, no. 10, 2004, pages 1679 - 1685
Attorney, Agent or Firm:
KOHORI, Susumu et al. (1-1 Hakataekimae 1-chom, Hakata-ku Fukuoka-shi Fukuoka 11, JP)
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Claims:
 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状の耐火物構造体からなり、この管状の耐火物構造体の一部又は全部の領域で、内孔側層の耐火物の熱膨脹がその半径方向外側の外周側層の耐火物の熱膨脹よりも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、
 内孔側層と外周側層との間に、可縮性を有する中間層とが、成形時に同時に一体化された複数層構造として存在しており、
 中間層とこの中間層に隣接した内孔側層及び外周側層との1000℃非酸化雰囲気中における接着強度が0.01MPa以上1.5MPa以下であり、
 かつ、
 2.5MPaの加圧下、1000℃非酸化雰囲気における中間層の可縮率K(%)が、次の式1を満足することを特徴とする連続鋳造用ノズル。
 K ≧ [(Di×αi-Do×αo)/(2×Tm)] … 式1
  Di:内孔側層の外径(mm)
  Do:外周側層の内径(mm)
  Tm:中間層の室温における初期厚み(mm)
  αi:内孔側層の耐火物の室温から1500℃までの範囲における最大の熱膨脹率(%)
  αo:外周側層の耐火物の通鋼開始時の温度における熱膨脹率(%)
 前記中間層が600℃以上の非酸化雰囲気下での熱処理後において、膨脹した膨脹性黒鉛粒子(以下「膨脹した膨脹性黒鉛粒子」を「膨脹化黒鉛粒子」という)を含むことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用ノズル。
 前記中間層が1000℃の非酸化雰囲気下での熱処理後において、炭素成分(他の成分との化合物を除く)を合計で16質量%以上(100質量%を含む)含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造用ノズル。
 前記中間層が1000℃の非酸化雰囲気下での熱処理後において、炭素成分(他の成分との化合物を除く)を合計で16質量%以上含み、前記炭素成分以外の残部が、酸化物、炭化物、窒化物、金属うちの1種以上の成分からなる耐火性原料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造用ノズル。
 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状の耐火物構造体からなり、その一部又は全部の領域が、内孔面から半径方向外側に向かって順に、内孔側、中間層及び外周側層を備える連続鋳造ノズルの製造方法であって、
 中間層用のはい土として、未膨脹の膨脹性黒鉛粒子を5質量%以上45質量%以下と、可燃性粒子を55質量%以上95質量%以下含み、かつ、有機質結合材を、前記中間層用の耐火物を1000℃非酸化雰囲気中で熱処理した後の、前記有機質結合材のみの炭素成分(他の成分との化合物を除く)の前記中間層用の耐火物全体に占める割合が2.5質量%以上15質量%以下になるように、前記未膨脹の膨脹性黒鉛粒子及び可燃性粒子の合計に対して外掛けで添加したはい土を準備し、
 この中間層用のはい土を、内孔側層用のはい土及び外周側層用のはい土と共に、CIP装置により同時一体的に加圧して成形し、
 得られた成形体を600℃以上1300℃以下で熱処理することにより、前記中間層用のはい土の成形体中の可燃物を消失させて空間を形成し、その後、前記中間層用のはい土の成形体中の未膨脹の膨脹性黒鉛を膨脹させて前記空間を膨脹した膨脹化黒鉛で充填する段階を含む連続鋳造用ノズルの製造方法。
 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状の耐火物構造体からなり、その一部又は全部の領域が、内孔面から半径方向外側に向かって順に、内孔側、中間層及び外周側層を備える連続鋳造ノズルの製造方法であって、
 中間層用のはい土として、未膨脹の膨脹性黒鉛粒子を5質量%以上45質量%以下、可燃性粒子を55質量%以上95質量%以下、及び酸化物、炭化物、窒化物、金属うちの1種以上の成分からなる耐火性原料を合計で40質量%以下含み、かつ、有機質結合材を、前記中間層用の耐火物を1000℃非酸化雰囲気中で熱処理した後の、前記有機質結合材のみの炭素成分(他の成分との化合物を除く)の前記中間層用の耐火物全体に占める割合が2.5質量%以上15質量%以下になるように、前記未膨脹の膨脹性黒鉛粒子、可燃性粒子、及び酸化物、炭化物、窒化物、金属うちの1種以上の成分からなる耐火性原料の合計に対して外掛けで添加したはい土を準備し、
 この中間層用のはい土を、内孔側層用のはい土及び外周側層用のはい土と共に、CIP装置により同時一体的に加圧して成形し、
 得られた成形体を600℃以上1300℃以下で熱処理することにより、前記中間層用のはい土の成形体中の可燃物を消失させて空間を形成し、その後、前記中間層用のはい土の成形体中の未膨脹の膨脹性黒鉛を膨脹させて前記空間を膨脹した膨脹化黒鉛で充填する段階を含む連続鋳造用ノズルの製造方法。
Description:
連続鋳造用ノズル及びその製造 法

 本発明は、溶融金属の連続鋳造用ノズル とくに、溶融金属が通過する内孔を軸方向 有する管状の耐火物構造体からなり、この 状の耐火物構造体の一部又は全部の領域が 内孔側層、中間層及び外周側層を備える連 鋳造用ノズルに関する。

 なお、本発明において「管状」とは、内 を軸方向に有するすべての形状を指し、そ 軸方向と直交する方向の断面形状は問わな ものとする。即ち、軸方向と直交する方向 断面形状は円形に限らず、楕円形状、矩形 多角形等であってもよい。

 また、本発明において「内孔側層」とは 連続鋳造用ノズルの溶鋼通過方向(垂直方向 )を全長とするいずれかの位置の水平方向断 において、中間層よりも内孔側に存在する 火物層を総称するものとし、内孔側層が複 の層からなる場合も含み、その場合の熱膨 率は、その内孔側層の中のいずれかの層の 大の値とする。

 さらに、本発明において「外周側層」と 、前記断面において、中間層よりも外周側 存在する耐火物層を総称するものとし、外 側層が複数の層からなる場合(例えば、AG質 外にZG質が存在する2層構造等)も含み、その 場合の熱膨脹率は、その外周側層の中のいず れかの層の最小の値とする。

 取鍋からタンディッシュに溶鋼を排出す ロングノズルやタンディッシュから連続鋳 用モールドに溶鋼を注入する浸漬ノズルな の連続鋳造用ノズルは、その軸方向中央付 に溶鋼等の溶融金属が通過する内孔を有す 管状の耐火物構造体から構成されており、 鋼が内孔を通過する際には内孔側と外周側 温度勾配が生じる。とくに溶鋼の排出・通 開始時には、内孔側が急激に昇温されるの 、その現象は顕著になる。

 このような温度勾配は、耐火物構造体を 成する耐火物が単層であるか複数層である にかかわらず耐火物の内部に応力の歪みを じさせ、とくに外周側層に割れ等の破壊を じさせる原因の一つになっている。そして この温度勾配が大きいほど、また内孔側層 熱膨脹率が外周側層の熱膨脹率よりも大き ほど、熱応力が大きくなって外周側層の破 の危険性が高くなる。

 一方、連続鋳造用ノズルの内孔面には溶 流が激しく衝突しながら通過するので、と に内孔面近傍は、溶鋼や溶鋼中の非金属介 物等による摩耗、溶鋼中の酸化性成分等に る組織の脆弱化と流失、FeOその他の溶鋼中 分との反応溶損等による損傷が大きい。ま 近年は、鋼の高級化等に伴うアルミナ等の 鋼中の非金属介在物の増加等もあって、連 鋳造用ノズルの内孔面におけるアルミナを 心とする介在物の付着ないし内孔の閉塞等 、連続鋳造用ノズルの寿命を決定する大き 要素の一つとなっている。

 このような状況の中、内孔面の耐食性や 摩耗性の向上、内孔面への非金属介在物等 付着ないし閉塞の低減による連続鋳造用ノ ルの高耐用化や安全性(安定鋳造)の要求は すます高まっている。

 これらの要求に応じるため、耐熱衝撃性 優れた材質の耐火物を連続鋳造用ノズルの 体部分即ち外周側層に適用して連続鋳造用 ズルの基本的な骨格となる部分を構成し、 鋼流と接触するノズル内孔面を有する側の 即ち内孔側層には耐摩耗性や耐食性等に優 た材質、又はアルミナ等の介在物が付着し い材質からなる耐火物を内孔面の一部又は 面に配置する等により連続鋳造用ノズルの 命延長が図られてきた。

 とくに内孔側層に関しては多様な高機能化 進められており、最近では、溶損性骨材で る黒鉛やシリカ量を減じた材質あるいは、 れらを全く含まない材質系でAl 2 O 3 、ZrO 2 、MgO等の耐食性成分を多く含む材質系にする ことで高耐食性を図ったり、溶鋼中からのAl 2 O 3 等の介在物成分の内孔面への付着等を低減な いし防止するために、Al 2 O 3 成分との反応性の高いCaO成分を含有する塩基 性材質の耐火物層を内装した浸漬ノズルなど の適用が進められてきている。

 このような高機能の耐火物を得るための 記各成分を含む耐火骨材は高い熱膨脹性を し、かつ、高機能の耐火物はこれらの耐火 材を多量に含有するので、内孔側層は高膨 化する傾向にある。また炭素含有量の低減 伴う、内孔側層の外周側層に対する相対的 熱伝導率の低下による熱勾配の増大等の要 も加わって、内孔側層と外周側層の熱膨脹 の差及びそれによる熱応力はますます増大 る傾向にあり、連続鋳造用ノズルのとくに 周側層の押し割りによる破壊の危険性はい そう増大している。

 連続鋳造用ノズルの温度勾配(熱応力)等 起因する破壊の一般的な対策としては、例 ば、連続鋳造用ノズルを構成する耐火物に 鉛を多量に含有させる、熱膨脹率の小さい 融シリカなどを添加ないし増量するなどの 高熱伝導率化、低膨脹化、低弾性率化等に る熱応力の低減がある。しかし、黒鉛や溶 シリカの増量は一方で耐酸化性の低下や他 耐火物成分や溶鋼中成分等との反応性の増 等による耐摩耗性や耐食性等の耐用性の低 を招く弊害があり、内孔側層への適用には 界があり、現実的な解決策とはならない。

 そこで、連続鋳造用ノズルの破壊の危険 回避するために、例えば内孔側層となる成 体を外周側層の内孔側に設置する際に、一 的な酸化物等の耐火原料を主体とする微粉 ら構成され、溶媒を多く含む珪酸塩等の無 系結合材等からなる泥状のモルタルを使用 、しかもそのモルタルの気孔率を大きくし 強度にすることで、そのモルタル層自体を 壊させて内孔側層の熱膨脹に伴う応力を緩 する試み、即ち溶媒を多く含むことで、接 力が比較的低いものの高気孔率を示すモル ルの適用によりノズルの割れを回避する手 が採られている。しかしながらこのモルタ による割れ回避対策は次のような問題があ 。

(1)溶媒過多なモルタルはノズル材質との接 触によりモルタル中の溶媒が他の層の材質中 へ吸収される性質を有していることから、と くに、連続鋳造用ノズルなどで数mmと薄いモ タル層とした場合はモルタル層の気孔率は 質界面側程低く緻密となる傾向となるため セット後のモルタル層自体の応力緩和機能 低下ないし消失する。

(2)見掛け気孔率の制御が実質的にできない 。即ち所定の応力以下で座屈することが可能 な気孔分布の制御ができないことから、溶媒 を過多にせざるを得ず接着性との両立が不可 能である。

(3)モルタル層による応力緩和が、気孔を形 成するモルタル層中の骨格の不可逆的な破壊 により内孔側層の変形代を形成し応力を緩和 するものであることから、一旦破壊した組織 は、接着力が無いために脱落の虞が強く、ま た、ノズルの温度変化によりモルタルが崩壊 した後の空間の拡大を伴うため溶鋼やスラグ などの侵入を容易に許し、侵入した溶鋼等に よる割れ、侵食等が生じて、他の層ないし連 続鋳造用ノズルの損傷を引き起こすことが多 い。

 このような高耐食性等を指向しつつ熱応 による破壊等を防止するための他の試みと て、例えば特許文献1には、内孔側にのみカ ーボンを含まない高熱膨脹性、高耐食性の耐 火物層を設置し、それ以外の外周側にはカー ボン含有の耐スポーリング性に優れる耐火物 層を設置して2層構造とし、この2層構造の耐 物層間の接触面の少なくとも80%以上を、ポ プロピレン、ナイロン等の可燃物を成形時 セットしそれを消失させて形成される分離 によって分離した鋳造用ノズルが開示され いる。

 しかし、この特許文献1の鋳造用ノズルで は、耐火物層間の接触面の20%未満が接着され ている。仮に僅かな接着部であっても、この 接着部分を介して内孔側層から外周側層へと 押し割り応力の伝達が行われるため割れ現象 の起点となってしまう。また、接着部分が0% 場合は、内孔側層を構造体として保持でき くなる基本的な問題が生じる。さらに、分 層には溶鋼が容易に浸入し、温度変化を受 た際に溶鋼の凝固収縮や加熱時の鋼の膨脹 より耐火物に亀裂が発生したり、内孔側層 外周側層と接着していないために剥落する いった問題が発生する。

 一方、特許文献2には、介在物の付着抑制 を目的にCaOを70wt%以上含有し見掛け気孔率が5 0%以下のCaOノズルを浸漬ノズルに内装し、こ CaOノズルと母材ノズルとの間にCaOノズルの 膨脹量に応じた間隙を設けることが開示さ ている。また、必要に応じて、CaOノズルの 部と母材ノズルとの間に薄いセラミックフ イバーもしくは少量のモルタルを詰め込ん CaOノズルを固定することも開示されている

 しかしながら、このように内孔側のCaOノ ル(内孔側層)と外周側の母材ノズル(外周側 )との間にCaOノズルの熱膨脹代に相当した間 隙を設けた構造では、高膨脹なCaOノズルによ る外周側の母材ノズルの押し割り現象は抑制 できるものの、特許文献2の段落0022に予熱時 CaOノズル外径の3%以上の間隙を設けること 好ましいと記述されているように、内孔側 CaOノズルと外周側の母材ノズルとは熱間で 密着していないと考えられる(CaO系の材料の 膨脹率は、約1500℃でほぼCaOのみにより成る 熱膨脹率が最高レベルの材質でも約2%以下で る。)。熱間即ちノズル使用時にCaOノズルと 母材ノズルとが密着していないと、CaOノズル が、使用時に受ける圧縮応力により、ずれた り、脱落したりする危険がある。また、CaOノ ズルとノズル母材との間隙に溶鋼が容易に浸 入するため、温度変化を受けた場合、溶鋼の 凝固収縮や鋼の熱膨脹によりCaOノズルや外周 側のノズル母材を破損する危険性を伴う。さ らに、CaOなどの鋼中脱酸生成物と低融化合物 を生成する材質は基本的に溶損することを前 提にした材質であり、溶損して薄くなり、か つ背後に支持基盤がない内孔側層の脱落や破 壊の危険性を伴う。

 このように、特許文献1の分離層や特許文 献2の間隙といった、内孔側層と外周側層と 間の目地部の設計が広すぎる場合には、目 部への溶鋼浸入による内孔側層の剥落や損 、外周側層の損傷に繋がる危険性がある。 た狭すぎる場合には、内孔側層の熱膨脹に り外周側層で円周方向に働く引張り応力に り管状の耐火物構造体の軸方向に縦割れが 生したり、横方向の割れ損傷(軸方向に対し 度を有する方向の割れ、いわゆる折れ等)が 発生しやすくなる。

 したがって、高膨脹な内孔側層を内装し 連続鋳造用ノズルの場合には、内孔側層か の熱膨脹による応力の影響を緩和する機能 加え、溶融金属が浸透ないし通過し難い組 構造とし、さらに鋳造途中に内孔側層が外 側層に接着する機能が重要と考えられるが 従来、これら3つの機能ないし構造を付与す るための対策は殆ど検討されていない。

 また、前記特許文献1、2等で示されるよう 、従来の内装方式では、連続鋳造用ノズル 本体部でもある外周側層と内孔側層とを別 の工程で製造しておき、最終工程近くでそ らをモルタル等を設置するなどして組み合 せる工程が必要となって、生産性の低下、 造コストの上昇等を招いている。さらにこ ような個別の部品とした各耐火物層を組み わせる場合は、それら層間は平滑な面での 触となっており、前述の問題点を解決する に十分な相互の接着強度や固定力を得るこ は困難であり、別途接着剤等による接着強 の強化手段を必要とする。

特開昭60-152362号公報

特開平7-232249号公報

 本発明が解決しようとする課題は、内孔 に高耐食性、高い付着防止性等の高機能の 火物層を配置して耐用性を高めた連続鋳造 ノズルにおいて、その内孔側層と本体材質 ある外周側層との熱膨脹差に起因する外周 層の押し割れを防止すると共に、鋳造途中 内孔側層のずれや剥落等を防止することが きる連続鋳造用ノズルを提供することにあ 、またそのような連続鋳造用ノズルを安定 かつ容易に製造する方法を提供することに る。

 より具体的には、溶融金属が通過する内 を軸方向に有する管状の耐火物構造体から り、この管状の耐火物構造体の一部又は全 の領域で、内孔側層の耐火物の熱膨脹がそ 半径方向外側の外周側層の耐火物の熱膨脹 りも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、(1) 周側層の破壊を防止し、(2)内孔側層の鋳造 中の安定性を高め、(3)さらに中間層を含む 間への溶鋼等の侵入を防止する、ことにあ 、言い換えれば、これら機能を満足する構 を備えた連続鋳造用ノズルを提供し、また の連続鋳造用ノズルを安定的に得ることが きる、最適かつ省力化が可能な製造方法を 供することにある。

 本発明は、
(1)溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する 管状の耐火物構造体からなり、この管状の耐 火物構造体の一部又は全部の領域で、内孔側 層の耐火物の熱膨脹がその半径方向外側の外 周側層の耐火物の熱膨脹よりも大きい連続鋳 造用ノズルにおいて、
 内孔側層と外周側層との間に、可縮性を有 る中間層とが、成形時に同時に一体化され 複数層構造として存在しており、
 中間層とこの中間層に隣接した内孔側層及 外周側層との1000℃非酸化雰囲気中における 接着強度が0.01MPa以上1.5MPa以下であり、
 かつ、
 2.5MPaの加圧下、1000℃非酸化雰囲気における 中間層の可縮率K(%)が、次の式1を満足するこ を特徴とする連続鋳造用ノズル(請求項1)、
 K ≧ [(Di×αi-Do×αo)/(2×Tm)] … 式1
  Di:内孔側層の外径(mm)
  Do:外周側層の内径(mm)
  Tm:中間層の室温における初期厚み(mm)
  αi:内孔側層の耐火物の室温から1500℃まで の範囲における最大の熱膨脹率(%)
  αo:外周側層の耐火物の通鋼開始時の温度 おける熱膨脹率(%)
(2)前記中間層が600℃以上の非酸化雰囲気下で の熱処理後において、膨脹した膨脹性黒鉛粒 子(以下「膨脹した膨脹性黒鉛粒子」を「膨 化黒鉛粒子」という)を含むことを特徴とす 請求項1に記載の連続鋳造用ノズル(請求項2) 、
(3)前記中間層が1000℃の非酸化雰囲気下での 処理後において、炭素成分(他の成分との化 物を除く)を合計で16質量%以上(100質量%を含 )含むことを特徴とする請求項1又は請求項2 記載の連続鋳造用ノズル(請求項3)、
(4)前記中間層が1000℃の非酸化雰囲気下での 処理後において、炭素成分(他の成分との化 物を除く)を合計で16質量%以上含み、前記炭 素成分以外の残部が、酸化物、炭化物、窒化 物、金属うちの1種以上の成分からなる耐火 原料であることを特徴とする請求項1又は請 項2に記載の連続鋳造用ノズル(請求項4)、
(5)溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する 管状の耐火物構造体からなり、その一部又は 全部の領域が、内孔面から半径方向外側に向 かって順に、内孔側、中間層及び外周側層を 備える連続鋳造ノズルの製造方法であって、
 中間層用のはい土として、未膨脹の膨脹性 鉛粒子を5質量%以上45質量%以下と、可燃性 子を55質量%以上95質量%以下含み、かつ、有 質結合材を、前記中間層用の耐火物を1000℃ 酸化雰囲気中で熱処理した後の、前記有機 結合材のみの炭素成分(他の成分との化合物 を除く)の前記中間層用の耐火物全体に占め 割合が2.5質量%以上15質量%以下になるように 前記未膨脹の膨脹性黒鉛粒子及び可燃性粒 の合計に対して外掛けで添加したはい土を 備し、
 この中間層用のはい土を、内孔側層用のは 土及び外周側層用のはい土と共に、CIP装置 より同時一体的に加圧して成形し、
 得られた成形体を600℃以上1300℃以下で熱処 理することにより、前記中間層用のはい土の 成形体中の可燃物を消失させて空間を形成し 、その後、前記中間層用のはい土の成形体中 の未膨脹の膨脹性黒鉛を膨脹させて前記空間 を膨脹した膨脹化黒鉛で充填する段階を含む 連続鋳造用ノズルの製造方法(請求項5)、
(6)溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する 管状の耐火物構造体からなり、その一部又は 全部の領域が、内孔面から半径方向外側に向 かって順に、内孔側、中間層及び外周側層を 備える連続鋳造ノズルの製造方法であって、
 中間層用のはい土として、未膨脹の膨脹性 鉛粒子を5質量%以上45質量%以下、可燃性粒 を55質量%以上95質量%以下、及び酸化物、炭 物、窒化物、金属うちの1種以上の成分から る耐火性原料を合計で40質量%以下含み、か 、有機質結合材を、前記中間層用の耐火物 1000℃非酸化雰囲気中で熱処理した後の、前 記有機質結合材のみの炭素成分(他の成分と 化合物を除く)の前記中間層用の耐火物全体 占める割合が2.5質量%以上15質量%以下になる ように、前記未膨脹の膨脹性黒鉛粒子、可燃 性粒子、及び酸化物、炭化物、窒化物、金属 うちの1種以上の成分からなる耐火性原料の 計に対して外掛けで添加したはい土を準備 、
 この中間層用のはい土を、内孔側層用のは 土及び外周側層用のはい土と共に、CIP装置 より同時一体的に加圧して成形し、
 得られた成形体を600℃以上1300℃以下で熱処 理することにより、前記中間層用のはい土の 成形体中の可燃物を消失させて空間を形成し 、その後、前記中間層用のはい土の成形体中 の未膨脹の膨脹性黒鉛を膨脹させて前記空間 を膨脹した膨脹化黒鉛で充填する段階を含む 連続鋳造用ノズルの製造方法(請求項6)
である。

 前記課題の解決のために、本発明では連続 造用ノズルの構造において、
(1)内孔側層と外周側層との間に応力を緩和す る機能を有する中間層を設置すること、
(2)前記中間層の層としての形態を維持するこ と、層に破壊に伴う崩壊等を発生させないこ と、即ち、層の安定性を高めること、
(3)前記中間層と内孔側層及び外周側層との間 を成形時に同時に一体化された複数層構造と して、接着させ、固定させること、
の3点を基本的な具備条件とした。

(以下、前記(1)を「可縮性の条件」、前記(2) 「安定性の条件」、前記(3)を「接着性の条 」という。)
 以下、前記の各条件について詳述する。

(1)可縮性の条件について
 内孔側層には、前述のとおり、耐食性や耐 耗性の向上、溶鋼への耐火物からの炭素成 の溶出の制限、アルミナ等の非金属介在物 主とする介在物の内孔面への付着ないしノ ル閉塞の防止等の目的から、耐食性、耐摩 性等に優れるAl 2 O 3 、MgO、ZrO 2 、CaO等の含有量を高めた耐火物を使用する傾 向にある。

 一方、多くの場合、主に耐熱衝撃性を重視 る外周側層(本体部分の一部としての外周側 層も含む)のAl 2 O 3 、MgO、ZrO 2 、CaO等の含有量は内孔側層よりも低い。この ため内孔側層の耐火物の熱膨脹率は、外周側 層の耐火物よりも必然的に大きくなる。

 内孔側層による外周側層の押し割りや亀 に起因する連続鋳造用ノズルの破壊は、内 側に外周側層よりも熱膨脹率の大きい前記 ような耐火物を使用することにより顕著に じる。また前記破壊は、内孔側層及び外周 層の各層が同一又は熱膨脹特性が同程度の 火物から構成されていても、内孔側からの 熱、急激な昇温や通鋼等に伴い内孔側が外 側よりも相対的に高温度になって両者の間 大きな熱勾配が生じる場合にも発生する。

 即ち本発明において内孔側層の熱膨脹が 周側層の熱膨脹よりも大きい場合とは、内 側層の耐火物の1500℃(実質的に鋳造温度域 近)以下の最大の熱膨脹率が外周側層の耐火 の1500℃以下の最大の熱膨脹率よりも大きい 場合を含むことはもちろん、前記の最大の熱 膨脹率、又は熱膨脹挙動が同じである(例え 同一組成、同一構造の材質等)が、受鋼又は 孔からの予熱等に伴う内孔側層と外周側層 温度差(温度勾配)に起因する前記加熱時の 孔側層の熱膨脹の程度が、外周側層の熱膨 の程度よりも大きい場合をも含む。

 内孔側層と外周側層との間に応力を緩和 る機能が無いか極めて小さい場合、内孔側 による応力は、水平方向の断面上の半径方 の圧縮応力として、また長尺側軸方向の端 側にも外周側層を有する構造の場合にはそ 軸方向の圧縮応力として外周側層に作用す 。そしてそれらの圧縮応力は外周側層内に 、半径方向の圧縮応力は円周方向の、軸方 の圧縮応力は同じ軸方向の引張り応力に転 し、外周側層の耐火物の引張り応力を超え ところで、前者の場合は軸(=縦)方向の、後 の場合は水平(=横)方向の亀裂を生じて、外 側層を損傷させる。

 このような関係にある内孔側層と外周側 との間に、応力を緩和する機能を付与する 段として、本発明ではノズルの予熱過程や1 500℃(実質的に鋳造温度域付近)までの過程で 縮性及び接着性を有する中間層を設置する

 中間層を設置することで内孔側層の熱膨 は外周側層に直接作用することなく中間層 の圧縮応力として作用する。この際、中間 自体が圧縮応力に応じて半径方向の厚み、 方向端部の場合は軸方向の厚みを小さくす 。言い換えるとその体積を縮小することで 内孔側層の膨脹による応力を緩和させるこ が可能となる。本発明において、このよう 厚みや体積を縮小することができる性質を 縮性という。

 浸漬ノズルの一般的な外周側層の材質であ Al 2 O 3 -C質を主とする材料系の管状耐火物の場合、 般的には外周側層の内壁面に数MPaの圧力を えると破断する。例えば、実用上ほぼ最小 径方向の構造を有する外周側層の耐火物(内 径φ80mm、外径φ135mm)で最大引張り強度が6MPaの Al 2 O 3 -黒鉛材質の耐火物の場合、管内壁面から圧 を負荷していくと、肉圧円筒の式から計算 より内壁面に約2.5MPaの圧力を負荷すると破 に至ることになる。

 予熱や鋳造開始ないし途中で、この外周 層の内孔側に中間層と内孔側層とを配した 合で内孔側層の熱膨脹に伴う外周側層にか る応力を緩和するためには、中間層自体が 形挙動を示す必要がある。即ち内孔側層か 外周側層にかかる応力は、中間層の変形(縮 小)によって2.5MPa以下に止める必要があると うことになる。

 以上のことから、内孔側層の加熱ないし 鋼過程で、外周側層内に発生する引張り応 を2.5MPa以下、安全性をより高めるためには らにできるだけ小さい引張り応力に抑制す ことが好ましく、このような引張り応力値 なるような圧縮応力値の下で、中間層自体 変形挙動を示す必要がある。

 そして2.5MPaの加圧力下における中間層に 要な可縮性は、次式の可縮率K(%)で表すこと ができる。

 K ≧ [(Di×αi-Do×αo)/(2×Tm)] … 式1
  Di:内孔側層の外径(mm)
  Do:外周側層の内径(mm)
  Tm:中間層の室温における初期厚み(mm)
  αi:内孔側層の耐火物の室温から1500℃まで の範囲における最大の熱膨脹率(%)
  αo:外周側層の耐火物の通鋼開始時の温度 おける熱膨脹率(%)
 Di及びDoは、軸方向の全域において対象とな る部分の、軸方向に水平な方向の断面上の内 孔側層及び外周側層の平面形状につき、それ ぞれ内孔側層の外周側面の位置、外周側層の 内孔側面の位置の直径を意味する。またこれ らの平面形状が円形ではない場合は、当該平 面上の内孔側層の平面形状の中心から放射状 に延びる同一直線上において、内孔側層の外 周側面の位置をDi、外周側層の内孔側面の位 をDoとして、当該形状全体につき、前記式1 満たせばよい。

 なお、軸方向端部における可縮性は、軸 向(垂直な方向)の軸の中心を通過する断面 の内孔側層及び外周側層の平面形状につき 上記式1において、Diを内孔側層の軸方向外 面位置を一端部とする他の端部までの軸方 の長さ、Doを外周側層の軸方向内孔側面位置 を一端部とする他の端部までの外周側層の軸 方向の長さに置き換えればよい。

 ここでαiは内孔側層の耐火物の室温から1 500℃までの範囲における最大の熱膨脹率(%)で あるということは、実質的に溶鋼温度までに おける内孔側層の耐火物の最大の熱膨脹率を 意味し、αoは外周側層の耐火物の通鋼開始時 の温度における熱膨脹率(%)であるということ は、予熱条件等の操業条件に応じて溶鋼の通 鋼開始時に外周側層が曝される温度であって 、その条件は各現場ごとに個別に決定するべ きものである。

 連続鋳造用ノズルを予熱無しで使用する 合には、外周側層は室温(周囲の環境の温度 )と同じであって、このときαoは熱膨脹率測 の基準点である室温における膨脹率、即ち ぼ「ゼロ」とみなすことができ、前記の式1 式2となる。

 K ≧ [Di×αi/(2×Tm)] … 式2
 この式2を満足する可縮率Kは最も厳しい条 、即ち内孔側層と外周側層との間の熱膨脹 が最大になる場合を考慮した可縮率となり この式2を満足する可縮率以上であれば外周 層が破壊することはないが、より破壊しに い安全性を確保するためには、全ての操業 件においてこの式2を満足する可縮率Kとす ことが好ましい。

 なお、この式1及び式2のKは、いずれも還 性ガスや不活性ガス雰囲気内の非酸化雰囲 又は表面に酸化防止材を塗布して空気等の 化性のガス雰囲気内等の、対象の耐火物が 化しない条件での値とする。実際の連続鋳 用ノズルの使用時の中間層は非酸化雰囲気 ある。また、前記Kの測定において対象の試 料が酸化すると正確な性状を把握することが できない。

 本発明において、前述の中間層の耐火物 可縮率は、10%以上80%以下を基準とすること 好ましい。

 中間層の可縮率に応じてその中間層厚さ 調整することにより、内孔側層の膨脹代を 和することができるが、10%未満であると内 側層と外周側層の熱膨脹率差から中間層の さを厚くせざるを得ず、連続鋳造用ノズル 肉厚に制限があるため、結果として本体材 の肉厚が薄くなり構造体としての強度に問 が生じる。また、80%より大きいと中間層の さは薄く設計できるため前述したような問 は生じにくいが、薄い中間層を形成する上 の製造上の問題や内孔側層と外周側層との 着の強度低下問題が生じ易くなる。例えば 一般的に使用されている連続鋳造用ノズル 最小サイズ付近である外周側層の内径が約 80mm、内孔側層の熱膨張率が2.0%、外周側層の 熱膨張率が0.8%の条件を想定した場合、中間 の厚みが約4mmで中間層の耐火物に必要な可 率は10%となり、最大サイズ付近である外周 層の内径が約φ150mm、内孔側層の熱膨張率が2 .0%、外周側層の熱膨張率が0.8%の条件を想定 た場合、中間層の厚みが約1.2mmで中間層の耐 火物に必要な可縮率は約78%となる。

 前記の可縮率は、次のような方法により 定することができ、この測定値を前記の可 率と同視することができる。

 予め、成形圧力と同じ圧力で成形され熱 理後に可縮性を示す特性をもつ混合物から る円柱状耐火物(φ20×5mmt)を、円柱状耐火物 同じ形状のカーボン質の拘束空間内に入れ 、非酸化雰囲気下で所定の昇温パターンで 処理を加え可燃性成分を消失させ円柱状サ プル(約φ20×約5mmt)を得る。この熱処理後の 柱状サンプルをφ20×40mmLの形状をもつ2本の 火物製治具の端面間に配置する。さらに、 み込まれた円柱状サンプルを長手方向から 圧する際に、その側面からのサンプルの剥 を防止するために、内径φ20mm/外径φ50mm高さ 78mmの耐火物製で円筒状のサンプル用ガイド 当該サンプルに外挿して測定用サンプルと る。

 この測定用サンプルを温度、雰囲気、加圧 度が制御できる材料試験機の炉内に設置し 、非酸化雰囲気で所定の温度まで昇温して 温度が均一になるまで保持した後、加圧を 始して測定を行う。まず、無加圧の状態で 円筒状サンプルの初期厚みt 0 (mm)を測定する。次に、測定用サンプルを所 の温度に保持した後に、クロスヘッド移動 度0.001~0.01mm/secの範囲で円筒状サンプルを上 方向から圧縮して、2.5MPaまで加圧した後、 の変位量h 1 (mm)を測定する。また円筒状サンプルを挟み む耐火物製治具の同荷重、同温度でのブラ ク値を測定するために、円筒状サンプルを まない状態で、同条件で加圧し変位量h 2 を測定する。これらの測定値を次式にて計算 することで各温度での可縮率K(%)を得ること できる。

 K = (h 1 -h 2 )/t 0  ×100 (%) … 式3
 また、内孔側層が中間層により外周側層に 形時に一体化され連続した構造の実際の鋳 用ノズルからも測定することが可能である 外周側層より耐火物中心軸に対して直角に 心軸に向かってφ20mmのコアボーリングを行 、内孔側層、中間層及び外周側層を含む一 化した約φ20mmの、内孔及び外周側面に曲率 もったコアサンプルを得る。中間層の可縮 は、均一に加圧できるようにコアサンプル 上下面を水平に加工し耐火物製治具に接着 るか、コアサンプル上下面と同じ曲率をも た耐火物製治具に接着するなどして、内孔 層、中間層及び外周側層を含む所定のφ20×8 0~100mmLの測定用サンプルに加工する。(測定用 サンプルが前記大きさより小さい場合は、単 位面積、単位長さ等の条件を計算により前記 と同程度にして測定し、換算することも可能 である。)上述した方法と同じく、無加圧の 態での中間層の初期厚みt 0 (mm)を正確に計測し、また、所定の温度で非 化雰囲気中で中間層の変位量h 1 を測定すると共に中間層の無い状態でのブラ ンク値での変位量h 2 を計測し可縮率Kを算出する。実際のノズル らサンプリングすることにより、中間層の 縮性を正確に測定することが可能となる。

(2)安定性の条件及び接着性の条件について
 中間層は前述の可縮性を満たした上で、連 鋳造用ノズルの製造後から使用時まで、内 側層及び外周側層と十分な安定性と接着性 保つ必要がある。

 先に背景技術で述べたように、とくに従 の高液量で低強度のモルタル、高気孔率の 織を座屈させる即ち崩壊によって可縮性を る方法では、その座屈や崩壊後の組織は単 る粉体となって、層間の接着力はもとより 間層自体を維持することができない。この うな状態になった中間層により内孔側層と 周側層との間に空間が存在すると、即ち層 が相互に固定されずに剥離したような状態 なっていると中間層自体が偏った応力を受 る等によって局部的に破壊してさらに空間 拡大したり、中間層が消失した状態になっ いると、内孔側層が可動状態になって脱落 破壊を生じたり、内孔側層の局部的な外周 層との接触による応力集中と破壊等を生じ すくなる。また、そのような空間には溶鋼 が侵入して層の破壊や層間の剥離等をさら 促進する虞がある。

 このようなことから、可縮性を有する中 層には圧縮後にも中間層として存在し、か 層間との一定(後述)の接着性を維持する必 がある。

 このような中間層が内孔側層、外周側層 の一定の接着性を有するということは、接 の前提として中間層の耐火物自体が層とし の前記接着性を発現するに必要な一定以上 強度を備えていて健全な層状態を維持して ることが前提となり、また当然の理でもあ 。

 そこで本発明では、中間層自体の安定性 びに中間層と内孔側層及び外周側層との間 固定性を強化するために、これら層間の接 性を強化する。

 接着性、即ち接合又は固定性は、接着強 として評価することができる(前述のとおり 、接着性の評価を行う前提として、その接着 強度を示すに必要な程度以上の安定性がある ものとみなす)。この接着強度の最適な範囲 、1000℃非酸化雰囲気中における熱間での測 値が0.01MPa以上1.5MPa以下であることを本発明 者らは見出した。

 この接着強度の最小値0.01MPaは実験を繰り 返した結果得た値であって、内孔側層や外周 側層が所定の設置場所を維持することができ る程度の最小の各層間での摩擦抵抗を得るた めの値である。接着強度が0.01MPa未満の場合 通鋼開始前に内孔側層が落下しない場合で っても内孔側層の保持能力が低いため、通 開始時の衝撃や溶鋼流速の変化に伴う振動 どにより、また、内孔側層に局所的な溶損 が発生した場合に剥落する虞がある。また 続鋳造用ノズルの搬送や連続鋳造装置への 置の際、予熱の際、通鋼の際の各々の段階 おいて、それらの各々の外力によっても内 側層が所定の位置からずれたり、剥離や脱 等を生じる危険性が大きくなる。さらには そのような現象と相俟って必要な可縮性を たさない部分も生じることから、内孔側層 は外周側層の破壊を惹き起こす危険性も大 くなる。

 接着強度が1.5MPaを超える場合、このよう 接着強度であることは中間層の耐火物自体 強度もこれに応じて強化していることを意 する。中間層内部組織においても接着強度 同レベルの高強度の状態となっていて中間 の可縮性を損なうことになり、内孔側層の 膨脹が緩和されることなく外周側層に伝播 れ易くなって、連続鋳造用ノズルの破壊を じる危険性が大きくなる。

 この接着強度の測定は、図3に示すように 、連続鋳造用ノズルの水平(長尺軸方向に直 な)の断面の中間層を有する部位をその断面 平行な100mm程度の厚みを有する円筒状(スラ ス状)に切り出した試料10につき、所定の温 に保った炉内で、内孔側層外径とほぼ同じ 径の加圧体11(下端が平面の耐火性材質でで た円柱状のプッシャー)にて内孔層2のみを し下げ、全荷重を接着面積で除することに って行うことができる。測定時の温度は1000 とし、雰囲気は非酸化性雰囲気とする。

 なお、前述の可縮性及び接着強度の測定 件を1000℃非酸化雰囲気中とした理由、及び 中間層の耐火物の成分の特定において1000℃ 酸化雰囲気中での熱処理を経た状態とする は、1000℃が、有機質結合材成分中の揮発質 分が十分に飛散し炭素質結合組織が完成し 安定した可縮性及び接着状態を示す温度で るためである。

 本発明の中間層は、耐火物構造体の一部 は全部の領域で内孔側層及び外周側層と成 時に同時成形をした一体的な複数層構造と っていることを特徴とする。一体的な複数 構造とは、各層の間に空間がなく、各層の 界付近のマトリクス組織が相互に第3の接着 材等の層を介することなく直接接して結合し ている状態をいう。

 本発明の中間層は、後述のように内孔側 及び外周側層と、各層用のはい土を同時にC IP(Cold Isostatic Pressing)成形することで一体的 連続構造としている。

 各層を別々に成形して珪酸塩系の接着剤 を介して成形体を接着する等の従来の接着 やモルタル(「接着剤やモルタル」を以下単 に「モルタル等」という。)の施工技術を主 する方法では、次のような問題点がある。

(1)薄い間隙にモルタル等を充填する際に、 未充填部分や大きな気泡が混入したり、未接 着部分などが生じモルタル等部位の品質が安 定しない。

(2)作業性を確保するために多量の液体を含 有することから、液体が接着対象の層に吸収 されてモルタル等の収縮が生じ、モルタル等 自体の収縮亀裂や接着面に空間(剥離)が生じ すい。

(3)層間の境界部で急な組織の変化があるの で、境界部分に応力が集中し易く、接着部分 の破壊、接着部分の剥離等を生じやすい。

(4)通鋼中等の高温度域では接着剤等の成分 と層の成分とが反応して軟化ないしは溶融状 態となり、接着強度が低下して、又は層自体 の収縮や変形等を来たし、層の固定力を弱め 、内孔側層等の脱落、剥離、又は外周側層等 の破壊を生じる危険性が大きくなる。

 このような従来技術に対し、本発明の一 的な構造であれば、各層の構成成分の機械 な絡み合い等を基礎にした接着形態である で、以下の効果を奏し得る。

(1)はい土製造時に可燃性粒子の所定量をは い土全体に均一に分散することが可能であり 、熱処理に伴う可燃性粒子の消失部分の体積 を、微細な空間を有した膨脹化黒鉛粒子で置 換充填することから、均一で安定した可縮量 の制御が可能である。

(2)中間層中の炭素質などの結合材成分を介 した接着も熱処理過程で発現し、均質で安定 化する。

(3)膨脹化黒鉛による微細空間が成形後の熱 処理過程で組織全体に微細に分散することに より、アコーディオンが伸縮するように中間 層中の微細な層状空間を有する膨脹後の黒鉛 粒子部分が伸縮することで、中間層として大 きな組織破壊を伴わずに接着力を維持するこ とが可能で、内孔側層の膨脹を均一に吸収で きる。

 このようなことから、内孔側層等の脱落 剥離、又は外周側層等の破壊を生じる危険 が小さく、強固な層間の固定性、ないしは 層の安定性を得ることができる。

 またこのような同時一体成形をすること 、従来技術のモルタル等の施工を行う場合 比較して、前述の特徴を備えた連続鋳造用 ズルを中間層の耐火物の組織や厚み等のば つきが少ない高精度の状態で安定的に得る とができる(膨脹性黒鉛が膨脹する過程で、 中間層の内部に前記膨脹に伴う圧力が発生し て、中間層の膨張化黒鉛を主体とする構成物 が可燃物が消失した空間に内部圧力を平均化 するように自己充填・分散する等の理由によ り、均一化する)と共に、製造工程の簡素化 省力化、製造所要期間の短縮、コスト削減 実現することが可能となる。

 前述の可縮性並びに接着性及び安定性を 保するために、本発明の中間層は、厚さが1 μm以下の炭素からなる薄片状の単位層が空間 を介して層状をなす構造(「厚さが1μm以下の 素からなる薄片状の単位層が空間を介して 状」を以下、単に「薄片層状」という。)を 含む。この構造部分は、膨脹性を有する黒鉛 (本発明では「膨脹性黒鉛」という。)が膨脹 た状態(本発明では「膨脹化黒鉛」という。 )の粒子を主体とする。

 本発明の中間層の可縮性は主として、こ 薄片層状をなす構造を有する膨脹化黒鉛粒 が外力に対しその層間の空間を圧縮するこ 、及び薄片層状の層自体が柔軟に変形する とによってもたらされる。炭素の薄片層の みが1μm以下であれば、炭素の薄片層自体の 形態を維持しつつ外力により柔軟に変形する 性質が強まり、さらに炭素の薄片層間の10μm 上200μm以下程度の空間が、この炭素の薄片 の変形や移動に必要な空間となり得る。そ て、このような炭素の薄片層と空間が、3次 元に複雑に絡み合って存在することで、あら ゆる方向に応力を分散することが可能となっ て、可縮性即ち応力緩和効果を高めることが できる。

 本発明においては、未膨脹の膨脹性黒鉛 子を5質量%以上45質量%以下、可燃性粒子を55 質量%以上95質量%以下含み、1000℃非酸化雰囲 中熱処理後における炭素成分換算として中 層用の耐火物全体に占める割合が2.5質量%以 上15質量%以下となるように有機質結合材を外 掛けで添加した中間層用のはい土を使用する ことで、亀裂や剥離が無く、所望の可縮率と 接着力を兼ね備えた中間層を600℃以上1300℃ 下の非酸化雰囲気での熱処理後に形成する とが可能となる。

 また本発明においては、未膨脹の膨脹性 鉛粒子を5質量%以上45質量%以下、可燃性粒 を55質量%以上95質量%以下、及び残部として 化物、炭化物、窒化物、金属の1種以上の成 からなる耐火性材料を40質量%含み、1000℃非 酸化雰囲気中熱処理後における炭素成分換算 として中間層用の耐火物全体に占める割合が 2.5質量%以上15質量%以下となるように有機質 合材を外掛けで添加した中間層用のはい土 使用することで、亀裂や剥離が無く、所望 可縮率と接着力を兼ね備えた中間層を600℃ 上1300℃以下の非酸化雰囲気での熱処理後に 成することが可能となる。

 本発明の中間層の可縮性は、層中の可燃 粒子及び有機質結合材のうちの炭素結合を 成しない成分が加熱途中に消失する過程で その体積部分の一部または全部が、膨脹化 鉛と置換することによりもたらされる。膨 性黒鉛としては、有機質成分が加熱消失を 始する温度とほほ同じ温度域で膨脹を開始 るものが好ましく、可燃性粒子の消失開始 度に合わせて適宜膨脹開始温度の異なる膨 性黒鉛の中から選択されるが、一般的には1 30℃~350℃までの膨脹開始温度域から適宜選択 される。膨脹性黒鉛の粒子径は好ましくは50~ 800μm、さらに好ましくは100~600μmのものを用 る。50μm未満であると微細な空間を埋める能 力に優れるが、加熱途中の膨脹性に劣り所望 の可縮性が得難い。また800μmより大きいと膨 脹性に優れるため可縮性は優れるが、黒鉛粒 子の3次元的な絡み合いが少なく接着強度が 下する傾向がある。

 1000℃非酸化雰囲気中における熱処理後の 中間層の耐火物の構成物としては、膨脹化黒 鉛以外の残部は、酸化物、炭化物、窒化物、 金属の1種又は複数種の耐火性材料を含むこ ができる。

 これらのうちとくに炭素成分以外の残部 構成物としての他の耐火材料粒子は、主と て中間層の耐食性を確保する機能を担う。 体的には、中間層の損傷が生じた場合に、 食性に劣る外周側層に溶鋼等が直接接触す ことを抑制ないしは防止する他、中間層自 の耐食性、耐摩耗性をも確保する。また、 間層の耐火物としての強度維持のための骨 的機能をも果たす。

 連続鋳造用ノズルには、内孔側層自体の 傷部分、内孔側層とノズル本体との境界部 、ガス吹き込み用ガスプール部分や層間接 部分等の脆弱な部分の局部的な損傷部分の 、例えば浸漬ノズルの吐出孔部分のように 連続鋳造用ノズルの製品としての状態で既 溶鋼に直接曝される部分が存在する。この うな溶鋼に直接曝される部分の耐食性、耐 耗性等が弱い場合、その部分の選択的な消 等により、内孔側層と外周側層との間に溶 が侵入する等の、連続鋳造の操業上致命的 連続鋳造用ノズルの破壊等を惹き起こすこ となる。

 このような溶鋼に直接曝される中間層の耐 物部分に適用する耐火材料としては、Al 2 O 3 、SiO 2 、MgO、CaO、ZrO 2 の群から選択する1種以上の成分からなる耐 性骨材、具体的にはアルミナ-シリカ系(コラ ンダム、ムライト、シリマナイト、カイヤナ イト、カオリナイトが、また溶鋼に対する耐 食性を得る観点からはほぼ前記の順に選択す ることが好ましい。)、アルミナ-マグネシア のスピネル、ジルコニア、ジルコン、アル リ土類金属酸化物系等を、個別の操業等の 件下で必要とする耐食性の程度等に応じて 択して使用することができる。なお、シリ 単体からなる耐火材料、アルカリ金属成分 含むガラス質耐火材料は還元雰囲気中での 化や金属成分、炭素成分の酸化、他の耐火 料との低融物の生成等を惹き起こす問題が り、使用しないことが好ましい。

 またさらに炭化珪素、炭化チタンなどの 化物、BNや窒化珪素などの窒化物等も、中 層の耐火物の酸化を抑制するため等の目的 含ませることが可能である。

 前記の残部の耐火性材料は必要不可欠な 素ではないので、個別の操業条件と連続鋳 用ノズルの損傷状況等に照らして、耐食性 が残部の耐火性材料に依存する必要がなけ ば含まなくても構わない。

 なお本発明の中間層の耐火物は、酸化物 の焼結や低融化等の反応が始まり又は増大 る約1000℃以上の温度でも、高温度域での安 定性の高い炭素を主体とすることから、中間 層自体の安定性が高いことはもちろん、膨脹 化黒鉛が他の耐火材料粒子を被覆するように 分散しているので、他の酸化物等の耐火性骨 材等の相互の反応によって焼結や収縮、低融 化等を生じることが殆どなく、構成耐火材料 の焼結や軟化に伴う空間の発生等がないこと も、膨脹化黒鉛を主体とする本発明の利点で ある。

 これら中間層の耐火物を構成する耐火材 粒子は、結合材によって相互に結合される この結合材としては、600℃以上の熱処理後 おいては、熱硬化性樹脂、タール、ピッチ を出発原料とする炭素質の結合組織である とが、中間層の耐火物の可縮性を維持し、 た軟化若しくは溶融を防止して高温度でも 合機能を維持するために好ましい。

 このために本発明では、有機質結合材を 当該結合材の炭素成分を1000℃の非酸化雰囲 気中熱処理後に換算した含有量が、1000℃の 酸化雰囲気中熱処理後における中間層の耐 物全体の成分(当該結合材の炭素成分以外の 素成分を含む)に対して、2.5質量%以上15質量 %以下となるように添加する。2.5質量%未満で ると膨脹性黒鉛の膨脹、中間層の可縮性に 有利になる反面、内孔側層と外周側層の十 な接着強度が得られない。また、15質量%よ 多いと、接着強度には有利になる反面、熱 理過程での膨脹性黒鉛の膨脹が阻害される め中間層として必要な可縮性が確保しにく なる。

 さらに、中間層に必要な可縮性と健全な 織を確保するには、膨脹化黒鉛粒子をその 素成分として13.5質量%以上含有する必要が る。13.5質量%未満であると、中間層の組織が 脆弱な部分が発生する可能性が高まり、中間 層自体の収縮亀裂の発生や内孔側層、外周側 層との接着性が低下する可能性が高まる。

 即ち、本発明の中間層は、1000℃非酸化雰囲 気中における熱処理を経た後で、膨脹化黒鉛 粒子と有機質結合材成分を含み、膨張化黒鉛 粒子と有機質結合材成分の合計で炭素成分( えばSiC、B 4 C、AlC等の他の成分との化合物を除く)として1 6質量%以上(100質量%を含む)含むことを特徴と る。つまり、この炭素成分の合計の下限値 ある16質量%は、膨脹化黒鉛粒子の最低含有 13.5質量%と有機質結合材成分の最低含有量2. 5質量%との合計量を示し、16質量%を超える部 については有機質結合材成分(最高含有量15 量%)と膨脹化黒鉛粒子のみで構成されてい もよいし、前記の膨脹化黒鉛粒子及び有機 結合材成分以外の、一般的な鱗状黒鉛やカ ボンブラック等の炭素質成分で構成されて てもよい。

 また前記の炭素成分の合計16質量%以上100 量%未満の場合の残部には、酸化物、炭化物 、窒化物、金属の1種以上の成分からなる耐 性原料を合計で84質量%以下含むことができ 。

 なお、接着強度は、この結合材の含有量 はい土内の可燃性粒子の含有量とのバラン によっても変化する。

 アルカリ金属を多量に含有する珪酸塩や ン酸塩等の結合材は、酸化物の軟化、溶融 又は炭素成分の気化等を生じて中間層又は 接する他の層の組織劣化を生じる可能性が るので、使用しないことが好ましい。また とくに低温度域(例えば600℃以下)での組織 度を維持するためには、炭素を残留しない 機質の樹脂等を使用することも可能である

 次に本発明の中間層の耐火物、及びその 間層の耐火物を備えた連続鋳造用ノズルを るための製造方法について述べる。

 本発明の可縮性の中間層を有する連続鋳 用ノズルは、内孔側層、中間層及び外周側 の各層ごとに専用はい土を作製する工程と 成形用鋳型に、内孔側層、中間層及び外周 層を形成するための、所定の大きさに仕切 れた複数の空間を設ける工程と、成形用鋳 内の各空間にそれぞれ専用に作製したはい を充填し、その空間の仕切りを除去する等 よって隣接するはい土を直接接触させる工 と、これらの直接接触させたはい土を、CIP 置により加圧して成形する工程と、得られ 成形体を、非酸化雰囲気中又は表面に酸化 止処理を施した状態での酸化雰囲気中で、6 00℃以上1300℃以下での熱処理をする工程とを 含む製造方法により得ることができる。なお 、前記の熱処理をする工程に先立って、前記 温度より低い温度で、揮発分の除去や樹脂の 硬化等を目的とする独立した熱処理工程を含 んでもよい。

 前記の各工程の基本的な操作・作業方法 使用する装置等は、一般的な連続鋳造用ノ ルの製造方法と同様であるが、本発明の連 鋳造用ノズルの製造方法は次の第1から第3 示す特徴を有する。

 第1の特徴は、中間層用の耐火物のはい土 の構成にある。この中間層用のはい土は、揮 発分を除く粉体部分として、(1)未膨脹の膨脹 性黒鉛粒子を5質量%以上45質量%以下と、(2)可 性粒子を55質量%以上95質量%以下、(3)必要に じて残部に酸化物、炭化物、窒化物、金属 1種以上の成分からなる耐火性原料を40質量% 以下(ゼロを含む)とを含み、かつ、前記粉体 分の合計に対して、有機質結合材を、中間 用の耐火物を1000℃非酸化雰囲気中で熱処理 した後の、前記有機質結合材のみの炭素成分 (他の成分との化合物を除く)の中間層用の耐 物全体に占める割合が2.5質量%以上15質量%以 下になるように、外掛けで添加してなる。

 第2の特徴は、各層を、境界部に継ぎ目な く同時に一体としてCIP成形することにある。

 第3の特徴は、一体化した成形体を600℃以 上1300℃以下で熱処理をする工程において、 間層用のはい土の成形体中の可燃物を除去 て空間を形成し、次いで未膨脹の膨脹性黒 を膨脹させることにある。

 これらの特徴を以下に詳細に説明する。

 本発明の膨脹化黒鉛を主な構成要素とす 中間層の耐火物は、前述の製品の状態で必 な程度の可縮性(前記の式1を満足する可縮 と同義。以下単に「製品可縮性」という。) 既に有する耐火物又はそのはい土を使用し 、連続鋳造用ノズルの成形工程中に同時一 的な構造を有しつつ設置することは困難で る。即ち、一般的な連続鋳造用ノズルの製 方法に準じた装置、基本的な操作・作業方 等により製造することを前提としたCIP成形( 通常の成形圧力は2.5MPaをはるかに超える高圧 力である)では、可縮性を有する耐火物は成 工程によって圧縮されてしまい、成形後の 火物は可縮性を喪失してしまう。そのため 既に製品可縮性と同程度の可縮性を有する 火物又はそのはい土を使用して連続鋳造用 ズルを製造することと、製品可縮性を備え しかも一体的な構造を有する連続鋳造用ノ ルを得ることの両立は困難である。

 したがって、少なくとも高圧でしかも一 化するために同時に成形する工程では、成 用のはい土には、通常の連続鋳造用ノズル の耐火物の粉体のCIP成形時の充填に伴う体 収縮程度の可縮性(以下、前述の可縮性と区 別するために単に「締まり代」という。)を き、製品可縮性と同程度の可縮性はほとん あってはならない。

 本発明の製造方法は、中間層の耐火物が 品可縮性を有し、かつ一体的な構造を有す 連続鋳造用ノズルを得ることを可能にする のである。

 前記の第1の特徴に示す構成のはい土によ れば、製品状態での可縮性を担う主たる構成 物である膨脹後の膨脹化黒鉛は、未膨脹の状 態では、特別な可縮性を殆ど有さずに存在す るので、このはい土がCIP成形によって高圧に 曝されても、各構成物は殆どその体積を減ず ることがないので、このはい土の体積収縮は 前記の締まり代の程度に止めることができる 。これにより、中間層として必要な肉厚、軸 方向の寸法等の、所定の体積を確保すること できる。

 このようなCIP成形にも耐え得るはい土に り、中間層用の耐火物のはい土以外の、内 側層用及び外周側層用の各耐火物のはい土 同時に一体として成形することが可能とな 。

 前記中間層用のはい土の中の未膨脹の膨 性黒鉛粒子は、5質量%以上45質量%以下が好 しい。5質量%未満であると熱処理後の耐火物 層の可縮性が過小となって、前述の可縮性に 関する式1を満足するためには中間層の厚み 過度に大きくすることが必要となり、耐火 肉厚での設計上の制約を受けたり、また層 の部位ごとの可縮性のバラツキも生じ易く り好ましくない。一方、未膨脹の膨脹性黒 粒子が45質量%を超えると可燃性粒子の消失 より生じた空間の容積を過度に超えて膨脹 黒鉛が膨脹するので、中間層としての膨脹 よる中間層の耐火物内の圧力が大きくなり ぎ、外周側層の破壊を来たし製造歩留まり 低下を招く問題がある。

 前記中間層用のはい土の中の可燃性粒子 55質量%以上95質量%以下が好ましい。55質量% 満であると、その製造プロセス中の熱処理 過程で可燃性粒子の加熱により消失した空 容積が過小となり、膨脹性黒鉛の膨脹に伴 空間の充填後に、膨脹化黒鉛の層間の空間 十分に確保することができずに、可縮性の 下を来すおそれが大きくなる。95質量%を超 るとその消失後の空間容積が過大となり、 脹性黒鉛の膨脹に伴う空間の充填後にも、 脹化黒鉛の層間の空間を含む空間が過剰と って、層自体の強度や接着性の低下を来す それが大きくなる。可燃性粒子の含有量は 膨脹性黒鉛の含有量に対して等量以上にす ことが好ましい。可燃性粒子としては、ポ エチレン粒子、ポリエステル粉、穀物粉等 使用できる。この可燃性粒子は粒径45μm以 程度のできるだけ小さいサイズであること 、均一な空間形成及び均一な膨脹化黒鉛の 織を得るためには好ましい。

 前記中間層用のはい土の中の未膨脹の膨 性黒鉛粒子及び可燃性粒子の量は、前述の 縮性に関する式1を満足するように相対的に 調整して決定すればよい。

 前記中間層用のはい土の中の40質量%以下 残部(未膨脹の膨脹性黒鉛粒子の最小量は5 量%、可燃性粒子の最小量は55%であるから、 部の最大値は100-5-55=40となり、最小値はゼ となる。)は、酸化物、炭化物、窒化物、金 の1種又は複数種以上の成分からなる耐火性 材料から構成することができるが、これらの 成分は必須ではなく、含まれていなくてもよ い。これらの耐火性材料は、個別の操業、設 備等の構造や形状の条件に応じて、即ち中間 層に具備すべき耐食性の程度に応じて、また 可縮性の程度に応じた膨脹性黒鉛と可燃性粒 子の量に応じて(この場合はその残部として) さらには内孔側層又は外周側層の材質との 応性等を制御する観点等からその種類、構 、量等を選択し、決定すればよい。

 したがって、本発明の連続鋳造用ノズル 中間層の耐火物の600℃以上の熱処理後の炭 成分は、結合材を除いた部分又は結合材に 素系のみを使用した場合の結合材を含む全 に対して、最大100質量%とすることもできる 。

 次に、これら中間層用のはい土用の未膨 の膨脹性黒鉛粒子、可燃性粒子、その他残 に他の耐火材料粒子を含む場合はそれら耐 材料粒子(総称して「原料粒子粉体」という 。)を均一に混和する。そして、均一に混和 た前記の原料粒子粉体に、流動性、湿潤性 び保形、結合機能等を付与するための結合 (溶剤を使用することもでき、その場合は溶 も)を添加しながら均一に混練する。

 はい土には、成形時及びその後の工程に ける保形性、並びに熱処理後の耐火物の強 を確保する必要がある。そのために本発明 は、各種タール、ピッチ、フェノール樹脂 フラン樹脂等の一種以上の有機質結合材を 1000℃非酸化雰囲気中熱処理後における炭素 成分換算として中間層用の耐火物全体に占め る割合が2.5質量%以上15質量%以下となるよう 添加する。より具体的な有機質結合材の添 量は、前記の膨脹性黒鉛、可燃性粒子、残 の耐火材料からなる粉体部分の合計100質量 に対して、固形分の質量の合計(1000℃非酸化 雰囲気中熱処理後における炭素成分量と、100 0℃非酸化雰囲気中熱処理後において炭素成 を残留しない他の有機質結合材の、室温に ける溶剤を除く固形分に換算した合計値)で 外掛けで5質量部以上30質量部以下とするこ が好ましい。有機質結合材の固形分の添加 が5質量部未満あるいは30質量部を超えると はい土の成形時の流動性や圧縮性、成形後 強度等が低下するからである。

 なお、成形後の保形性を主目的とする等 、常温から300℃以下程度の低温度域での強 を確保するために、約600℃以上で炭素成分( 炭素結合)を残留しない有機質結合材を併用 ることもできる。

 炭素成分(炭素結合)を残留しない有機質 合材としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル 樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリルニ リル樹脂等の有機質接着材・樹脂等を併用 ることもできる。

 このような炭素成分(炭素結合)を残留し い有機質結合材を併用する場合は、溶剤を く固形分(常温)としての量と、前記の有機質 結合材の1000℃非酸化雰囲気中での熱処理後 炭素成分量との合量が外掛けで5質量部以上3 0質量部以下になるように添加すればよい。

 本発明の連続鋳造用ノズルの製造におけ 熱処理後の強度を向上させるためには、ピ チ類の使用割合を大きくすることが好まし 。この強度は、各層の耐火物自体の強度が の接着強度以上であることを前提としてお 、前記炭素結合を生じる結合材は、中間層 体の強度の付与にも寄与する。

 なお、従来技術で多く使用されるような 常の酸化物を主体として例えば珪酸塩等の 機系の結合材を使用するモルタル等で接着 る(又は中間層に相当する層を構成する)場 は、とくに熱間1000℃以上1500℃以下の温度域 では酸化物成分等とアルカリ金属酸化物等と の間で反応してそれらが軟化を生じて、接着 強度が漸減しまたは1200℃以上で溶融を生じ 、接着強度が大幅に低下し、各層の収縮な しは溶融や崩壊等を惹き起こし、さらに層 に空間を生じる等で、連続鋳造用ノズルの 全な構造を損なうことが多い。

 このような従来技術に対し、本発明の接 構造によると、炭素質結合を主とする組織 あるので焼結促進又は低融化等を伴う成分 含むことがなく、しかも高温度においても 化することが殆ど無いので、そのような問 を解消することができる。

 前述の中間層用のはい土とは別に、内孔 層及び外周側層の各層ごとに専用のはい土 作製しておく。

 この内孔側層及び外周側層のはい土は、 別の連続鋳造の条件や目的に適合するよう 適宜任意に決定することができる。但し、C IPにて同時成形が可能な、例えば充填性、保 性、強度発現性等の諸特性を有することを 提とする。

 次にCIP用の成形用鋳型に内孔側層、中間 及び外周側層を形成するための、所定の大 さに仕切られた複数の空間を設け、それぞ 所定の空間に所定のはい土を充填する。

 その後、これら隣接するはい土相互を分 することなく直接接触させた状態にする。 の工程では、それぞれの層となるはい土を 填するための個別の空間を予め仕切り板等 分離しておいて、それぞれの層用の空間内 それぞれのはい土を充填し、その後仕切り を除去して中間層用のはい土とそれと隣接 る各層用のはい土を境界なく直接接触させ 方法を採ることができる。又は中間層用、 孔側層用及び外周側層用のいずれか1又は2 はい土を仮に成形しておき(仮成形体を製作 る)、これをCIP成形用鋳型内に設置してその 仮成形体に隣接する層用のはい土を所定の空 間に充填する方法をとることもできる。さら には、同一型枠内で各はい土の充填ごとに段 階的に複数回加圧して最終的に同時加圧して 一体化することもできる。

 次にCIP装置により加圧して成形を行う。 形時の圧力、加圧時間等の条件は、一般的 連続鋳造用ノズルの成形と同様(150MPa程度) よい。

 これら工程により、各層用の耐火物が複 構造となった一体的な成形体を得ることが きる。

 得られた成形体は、数百℃以下程度の乾 等を経てもよいが、非酸化雰囲気中又は表 に酸化防止処理を施した状態の酸化雰囲気 で、600℃以上1300℃以下での熱処理を行う。 この熱処理工程で、前記中間層用のはい土の 成形体中の可燃物(可燃性粒子、溶剤等)を消 させて空間を形成し、その後、未膨脹の膨 性黒鉛を膨脹させて前記の可燃物を除去し 後に形成した空間を膨脹した黒鉛(膨脹化黒 鉛)が充填する。

 つまり、はい土の中の可燃性粒子が占め いた体積部分は、膨脹性黒鉛の膨脹後の炭 質の層及び空間との多層構造粒子等によっ 置換されることになり、微細で均一な空間 積をもち、可縮性を備えた耐火物層を得る とができる。

 前記の可燃物の消失及び未膨脹の膨脹性 鉛の膨脹現象は数百℃程度から進行するが これらの変化を確実に完了させるためには6 00℃以上の温度で処理することが好ましい。 方、熱処理温度が1300℃を超えると、連続鋳 造用ノズルの本体その他の本発明の中間層の 耐火物以外の耐火物部分の物性が耐熱衝撃性 等に関して好ましくない変化を来す可能性が 高まるので、最高温度は1300℃以下であるこ が好ましい。

 その後、必要に応じた切削、研磨、酸化 止処理等の諸加工を行うことができる。こ ような各工程を経て、本発明の連続鋳造用 ズルを得ることができる。

 本発明の特徴を有する製造方法によると 可縮性、接着性等に優れた連続鋳造用ノズ を得ることができるだけでなく、従来技術 よる連続鋳造用ノズル、即ち各層ごとの個 の部品を作製し、それらを組み合わせて接 材やモルタル等で接合し、さらに乾燥等を う、といった工程による製造方法と比較し 、大幅な工程数及びコストの削減を実現す ことができ、生産性の向上と共に、連続鋳 用ノズルの寸法等の精度の向上をも実現す こともできる。

 本発明の連続鋳造用ノズルにより、内孔 に高耐食性、高い介在物付着防止性等の高 能、即ち内孔側層の熱膨脹率が外周側層よ も大きい耐火物の層を配置して耐用性を高 た連続鋳造用ノズルをはじめとして、内孔 層と外周側層とが同程度の熱膨脹特性を有 ていても急熱等での熱勾配の大きい場合等 、内孔側層と外周側層との熱膨脹差に起因 る外周側層の押し割れを防止することがで る。

 また、各層が相互に一体化した構造であ ため、特別な接着剤等を必要とせずにしか 接着材やモルタル等による接合方法よりも れた各層間の接着力及び固定力を得ること できる。

 これらにより、連続鋳造用ノズルの耐熱 撃性、安定性等を大幅に向上することがで 、また多層化による連続鋳造用ノズルの高 能化、高耐用化等の実現を促進することが きる。

 さらに本発明の製造方法により、同時か 一体成形が可能となり、前述のような優れ 特徴を有する連続鋳造用ノズルを高精度、 品質で安定的に得ることができると共に、 造工程の簡素化、省力化、製造所要期間の 縮、コスト削減を実現することが可能とな 。

 本発明の最良の実施形態を実施例に基づ 説明する。

 連続鋳造プロセスの鍋とタンディッシュ の溶鋼移送に用いられるロングノズルと呼 れる管状の耐火物構造体に本発明を適用し 。

 図1に示すようにロングノズル1(内孔径:φ140m m、直胴部外径:φ226mm、長さ1500mm)への配材構 は、内孔側層2として1500℃までの最大熱膨脹 率が1.8%のMgO-C材質(MgO=77質量%、C=19質量%)を10mm 厚さで内孔面全体に配材し、外周側層3とし 、溶鋼浴に浸漬しない部分(未浸漬部側)に150 0℃までの最大熱膨脹率が0.5%のAl 2 O 3 -SiO 2 -C材質(Al 2 O 3 =50質量%、SiO 2 =25質量%、C=25質量%)を30mmの厚さで配材し、内 側層2の熱膨脹を緩和するための中間層4は3. 0mmの厚さとした。

 中間層4用のはい土には、膨脹剤として未 膨脹の膨脹性黒鉛粒子と、可燃性粒子として ポリエチレン粒子と、耐火性骨材としてアル ミナ、マグネシア微粒子を配合すると共に、 有機質結合材としてピッチ粉とアクリル樹脂 を外掛けで添加し、ハイスピードミキサー中 で造粒処理を行った後、流動乾燥炉により残 留揮発分の調整を行い成形時の可塑性を調整 した。その後乾燥して得られた造粒後のはい 土を1mm以下に整粒処理を行い中間層用の配合 とした。

 詳細を表1に示す。表1中の中間層の可縮 及び熱間接着強度(圧縮剪断強度)は、先に説 明した方法により測定した。なお、本実施例 のロングノズル1において、式1による中間層 必要な可縮率は34%以上である。

 なお、比較のために一般的な泥状のモルタ を用いて内孔側層2を外周側層3に内挿し比 例1を作製した。この比較例1では、実形状よ り測定した中間層の可縮性が得られず、1回 の注湯試験で外周側層に亀裂と内孔側層の 離が発生した。

 比較例2は膨脹性黒鉛を50質量%含み残部を 可燃性粒子50質量%とし、ピッチを外掛けで5 量部添加した場合であるが、製造時の熱処 過程で外周側層を押し割り亀裂が発生した これは膨脹性黒鉛が50質量%と上限値である45 質量%を超えており、熱処理過程で膨張性黒 の膨張力により外周側層を押し割ったため ある。

 実施例1~3、及び比較例3、4は、膨脹性黒 を45質量%一定にして、有機質結合材として 1000℃非酸化雰囲気中における炭素成分量に 算したピッチ粉の炭素成分(以下、「ピッチ 炭成分」という。)を2.0~16質量%まで変えて評 した結果である。

 ピッチ炭成分の増量に伴い、接着強度の 昇が観られる。

 実施例1~3、及び比較例3では膨脹性黒鉛が 十分に熱処理過程で膨脹しポリエチレン粒子 の占めていた空間を埋め尽くし、大きな可縮 率を得ることができた。しかしピッチ炭成分 を2質量%まで減じた場合である比較例3では、 十分な接着強度が得られず、注湯テストによ り内孔体が剥落した。またピッチ炭成分を16 量%まで増加させた場合である比較例4では 接着強度が強くなりすぎ、また、十分な可 性が得られず、注湯試験1回目で亀裂が発生 た。

 実施例1~3は実形状の歩留まり、注湯試験 り返しも問題は発生せず良好な結果を得た

 比較例5は膨脹性黒鉛を使用しない場合で あるが、可縮性、接着強度とも必要なレベル を得られず注湯試験でも剥落現象が発生した 。

 実施例4~実施例6は可燃性粒子を更に増加 せた場合であるが可縮性、接着強度とも十 に得られており良好な結果を得た。

 比較例6はさらに可燃性粒子を増加させた 場合である。可縮性は十分であるが、接着強 度が得られず注湯試験により脱落現象が発生 した。

 実施例7及び実施例8は可燃性粒子の一部 耐火性粒子に置換した場合である。可縮性 び接着性が十分得られており、良好な結果 得ることができた。比較例7では、実施例7よ り耐火性粒子を更に増加させた場合であるが 、十分な可縮性が得られず、中間層に収縮亀 裂が見られ十分な接着強度が得られなかった 。その結果、注湯試験でも2回目で内孔側層 剥落現象が発生した。

 以上の実施例は、本発明を図1に示すロン グノズルに適用したものであるが、これに限 定されず、例えば図2に示すような管状の耐 物構造体にも適用可能である。

 図2(a)、(b)の例は図1の例と同じロングノ ルに適用したものであるが、図2(a)の例は外 側層3の耐火物をロングノズル1の下端部に 配置し、内孔側層2の下端部と外周側層3との 間にも中間層4を配置したものである。また 図2(b)の例は外周側層3の耐火物をロングノズ ル1の上端部及び下端部にも配置し、内孔側 2の上端部及び下端部と外周側層3との間にも 中間層4を配置したものである。

 図2(c)の例は浸漬ノズルに適用したもので ある。図2(c)に示す浸漬ノズル1’では、外周 層3をAG材質3aとZG材質3bとから構成し、有底 造として側面に吐出孔5を設けている。内孔 側層2も有底構造とし、中間層4は、内孔側層2 と外周側層3との間の全体に配置している。

本発明を適用したロングノズルを示す 面図である。 本発明の他の適用例を示す断面図であ 。 中間層の熱間接着強度の測定方法を示 説明図である。

符号の説明

 1 ロングノズル
 1’浸漬ノズル
 2 内孔側層
 3 外周側層
 3a AG材質
 3b ZG材質
 4 中間層
 5 吐出孔
 10 試料
 11 加圧体