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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC EL ELEMENT AND METHOD FOR MANUFACTURING THE ORGANIC EL ELEMENT AND ORGANIC EL ELEMENT EVALUATING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096840
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are an organic EL element having improved conductivity of an anode compared with conventional organic EL elements, and a method for manufacturing such organic EL element. The organic EL element is provided with a layer-like optical element (40), which at least contains a liquid crystal material and a dye, has a diffractive-index distribution based on orientation of liquid crystal molecules constituting the liquid crystal material, and has the diffractive-index distribution fixed; a substrate(11) which can transmit visible light; a light emitting layer (60) composed of an organic EL material; a cathode(70); and an node (50). Each of the anode (70) and the cathode (60) is formed layer-like. The organic EL element is further provided with an orientation film (12), and the orientation film (12) and the optical element (40) are in contact with each other.

Inventors:
IKEDA TOMIKI (JP)
KINOSHITA MOTOI (JP)
KOBAYASHI TOMOHIRO (JP)
YAMAMOTO KYOKO (JP)
TANAKA SHIN-YA (JP)
SAKANO FUMIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052095
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
IKEDA TOMIKI (JP)
KINOSHITA MOTOI (JP)
KOBAYASHI TOMOHIRO (JP)
YAMAMOTO KYOKO (JP)
TANAKA SHIN-YA (JP)
SAKANO FUMIHIRO (JP)
International Classes:
H05B33/02; G02B3/00; G02F1/137; H01L51/50; H05B33/10
Foreign References:
JP2006023683A2006-01-26
JP2003161810A2003-06-06
JP2005055481A2005-03-03
JP2005063926A2005-03-10
JP2007240628A2007-09-20
JP2006023683A2006-01-26
Other References:
YAEGASHI M. ET AL.: "Oligothiophene-Doped Ekisho no Hikari Yuki Saihaiko o Riyo shita Microlens no Sakusei", 2005 NEN JAPANES LIQUID CRYSTAL SOCIETY TORONKAI KOEN YOKOSHU, 5 September 2005 (2005-09-05), pages 211 - 212
ISHIKAWA M. ET AL.: "UV-Curable Ekisho o Mochiita Niso Kozo Ekisho Microlens no Kogaku Tokusei", 1998 NEN JAPANESE LIQUID CRYSTAL SOCIETY TORONKAI KOEN YOKOSHU, 12 October 1998 (1998-10-12), pages 78 - 79, XP008133898
MASUDA S. ET AL.: "Optical Properties of a Polymer-Stabilized Liquid Crystal Microlens", JPN. J. APPL. PHYS., vol. 37, no. 10B, PART 2, 15 October 1998 (1998-10-15), pages L1251 - L1253, XP008116206
"Handbook of Liquid Crystal Editorial Board", 2000, MARUZEN, article "Handbook of Liquid Crystal", pages: 1 - 448
S. TOKITOU; C. ADACHI; H. MURATA: "Ohm Ltd.", 2004, LST PRINTING, article "Organic EL Displays"
T. OHNISHI; A. KOYAMA: "Kyoritsu Pub. Co.", 2004, LST PRINTING, article "Polymeric EL Materials"
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA, Kiyoshi et al. (New Ohtemachi Bldg. 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 少なくとも液晶材料と色素とを含み、該液晶材料を構成する液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、該屈折率分布が固定化されてなる層状の光学素子と、可視光を透過することのできる基板と、有機EL材料からなる発光層と、陰極と、陽極と、を有する有機EL素子。
 陰極および陽極のそれぞれが層状である請求項1記載の有機EL素子。
 さらに配向膜を有し、該配向膜と光学素子とが接している請求項2記載の有機EL素子。
 層状の陽極と光学素子とが接している請求項3記載の有機EL素子。
 以下の(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の工程をこの順で含む有機EL素子の製造方法。
(A1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少なくとも1個の基板は、可視光を透過することのできる基板である。)、それぞれの配向膜が対向するように配置させ、2つの配向膜間に、液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化層(光学素子)を得る工程。
(A2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子および配向膜付き基板(ただし、該基板は、可視光を透過することのできる基板である。)を得る工程。
(A3)該光学素子および配向膜付き基板において、光学素子側の面に、層状の陽極を形成させる工程。
(A4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる発光層、層状の陰極を、この順に形成させる工程。
 層状の陽極と可視光を透過することのできる基板とが接している請求項3記載の有機EL素子。
 以下の(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の工程をこの順で含む有機EL素子の製造方法。
(B1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少なくとも1つの基板は、可視光を透過することのできる基板である。)、それぞれの配向膜が対向するように配置させ、2つの配向膜間に、液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化層(光学素子)を得る工程。
(B2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子および配向膜付き基板(ただし、該基板は、可視光を透過することのできる基板である。)を得る工程。
(B3)該光学素子および配向膜付き基板において、基板側の面に、層状の陽極を形成させる工程。
(B4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる発光層、層状の陰極を、この順に形成させる工程。
 請求項1、2、3、4または6に記載の有機EL素子の構造を設計するに際して、光学追跡シミュレーションを用いる有機EL素子の評価方法。
Description:
有機EL素子およびその製造方法 ならびに有機EL素子の評価方法

 本発明は、有機EL素子およびその製造方 、ならびに有機EL素子の評価方法に関する。

 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下 、有機EL素子ということがある。)は、発光素 子である。有機EL素子において、その構造は 基板/陽極/発光層/陰極(ここで、/は各層が 接していることを示す。)で表すことができ 。有機EL素子においては、その発光効率を めることが求められており、前記構造の発 層において発光した光を、効率よく、有機EL 素子の外部に取り出す試み、すなわち、光取 り出し効率を上げるための試みがなされ、そ の試みがなされた有機EL素子として、例えば 基板と陽極の界面に、半球状のマイクロレ ズを配置させた有機EL素子が、特許文献1に 示されている。

特開2006-23683号公報

 しかしながら、上記有機EL素子において 、半球状のマイクロレンズに隣接した陽極 厚みが均一になり得ないことから、その陽 における導電性において十分でなく、有機EL 素子の発光効率が十分とまではいえない。本 発明の目的は、従来の有機EL素子に比し、発 効率を高くすることのできる有機EL素子お びその製造方法を提供することにある。

 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭 研究を重ね、本発明に至った。
 すなわち、本発明は下記の<1>~<8>の 発明を提供する。
<1>少なくとも液晶材料と色素とを含み、 該液晶材料を構成する液晶分子の配向に基づ く屈折率分布を有し、該屈折率分布が固定化 されてなる層状の光学素子と、可視光を透過 することのできる基板と、有機EL材料からな 発光層と、陰極と、陽極と、を有する有機E L素子。
<2>陰極および陽極のそれぞれが層状であ る前記の有機EL素子。
<3>さらに配向膜を有し、該配向膜と光学 素子とが接している前記の有機EL素子。
<4>層状の陽極と光学素子とが接している 前記<3>記載の有機EL素子。
<5>以下の(A1)、(A2)、(A3)および(A4)の工程 この順で含む有機EL素子の製造方法。
(A1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少な くとも1個の基板は、可視光を透過すること できる基板である。)、それぞれの配向膜が 向するように配置させ、2つの配向膜間に、 液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持 させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材 料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組 成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化 層(光学素子)を得る工程。
(A2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子 よび配向膜付き基板(ただし、該基板は、可 視光を透過することのできる基板である。) 得る工程。
(A3)該光学素子および配向膜付き基板におい 、光学素子側の面に、層状の陽極を形成さ る工程。
(A4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる 発光層、層状の陰極を、この順に形成させる 工程。
<6>層状の陽極と可視光を透過することの できる基板とが接している前記<3>記載の 有機EL素子。
<7>以下の(B1)、(B2)、(B3)および(B4)の工程 この順で含む有機EL素子の製造方法。
(B1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少な くとも1つの基板は、可視光を透過すること できる基板である。)、それぞれの配向膜が 向するように配置させ、2つの配向膜間に、 液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持 させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材 料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組 成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化 層(光学素子)を得る工程。
(B2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子 よび配向膜付き基板(ただし、該基板は、可 視光を透過することのできる基板である。) 得る工程。
(B3)該光学素子および配向膜付き基板におい 、基板側の面に、層状の陽極を形成させる 程。
(B4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる 発光層、層状の陰極を、この順に形成させる 工程。
<8>前記<1>、<2>、<3>、<4> または<6>に記載の有機EL素子の構造を設 するに際して、光学追跡シミュレーション 用いる有機EL素子の評価方法。

 本発明によれば、従来の有機EL素子に比 、陽極における導電性を高めることのでき 有機EL素子を提供することができ、当該有機 EL素子は、その発光効率を高め、本発明は工 的に極めて有用である。

 本発明の有機EL素子は、少なくとも液晶 料と色素とを含み、該液晶材料を構成する 晶分子の配向に基づく屈折率分布を有し、 屈折率分布が固定化されてなる層状の光学 子と、可視光を透過することのできる基板 、有機EL材料からなる発光層と、陰極と、陽 極と、を有することを特徴とする。

 本発明において、陰極および陽極は、そ ぞれ層状であることが、通常の実施形態で る。陰極および陽極は、発光層に電流を流 役割を担い、この役割を担うのであれば、 状でなくてもよい。

 また、本発明の有機EL素子は、さらに配 膜を有し、該配向膜と光学素子とが接して ることが、製造面で好ましい。ここで、配 膜は、液晶分子の配向を誘起することがで る膜のことを意味する。

 次に、本発明の有機EL素子を構成する光 素子について、具体的に説明する。尚、以 の記載において量比を表す「部」および「% は、特に断らない限り質量基準とする。

(光学素子)
 本発明において、光学素子は、少なくとも 晶材料と色素とを含み、該液晶材料を構成 る液晶分子の配向に基づく屈折率分布を有 、該屈折率分布が固定化されてなる。また 該光学素子は、レンズの光屈折、集光など 光学機能を有し、その両側面は平面であり 層状である。

(色素)
 通常、液晶材料を構成する液晶分子の配向 おいては、用いる配向膜の種類により、液 分子は、配向膜に対し、水平方向(ホモジニ アス配向)あるいは垂直方向(ホメオトロピッ 配向)に配向するが、本発明において、光学 素子には、液晶材料の他に色素が含まれる。 当該色素における色素分子はレーザー光(偏 )などの光の照射により配向するが、その照 光の強度に依存して、色素分子はその配向 向が変化する。その色素分子の配向の変化 基づいて、該色素分子周囲の液晶分子が配 するため、その液晶分子の配向に基づき光 素子は屈折率分布を有することになる。ま 、通常、照射光の強度は連続的に変化する とから、上記の屈折率分布も連続的に変化 る屈折率分布となる。例えば、液晶材料お び色素を含む系において、液晶材料を構成 る液晶分子の配向がホメオトロピック配向 ある場合には、レーザー光(偏光)を照射す ことにより、色素分子がその光照射に応じ 配向方向が変化し、その色素分子の配向の 化に基づいて、該色素分子周囲の液晶分子 配向する。具体的には、照射された光が比 的に強い部分においては、液晶分子は、ホ オトロピック配向からホモジニアス配向に 化するのに対し、照射された光が比較的に い部分においては、その変化は少ない。こ 結果、上記の光照射により、屈折率分布に づく光学素子となる。また、上記の光照射 よる色素分子の配向が可能である限り、色 の種類は特に制限されないが、例えば、以 のものを挙げることができる。

(好適な色素の例)
 ターチオフェン系液晶性共役色素。当該色 における色素分子としては、例えば下記式 示すものが挙げられる。


R=-C n H n+1 (n=4,5,6)
 =-COOC 4 H 9
 =-CH 2 COOC 3 H 7


R 1 ,R 2 =-C 4 H 9
     =-OC 4 H 9
     =-COOC 4 H 9
     =-N(C 4 H 9 ) 2
     =-CN
     =-NO 2

(液晶材料)
 上記の光照射による色素分子の配向に基づ 、該色素分子周囲の液晶分子が配向可能で る限り、液晶材料の種類は特に制限されな が、例えば、以下のものを挙げることがで る(液晶材料を構成する液晶分子について例 示する)。

(好適な液晶分子の例)

(屈折率分布の固定化)
 上記の光学素子において、その屈折率分布 固定化されている。この固定化は、重合に ればよい。この場合、固定化前の系におい 、重合性を有することが必要となるが、色 分子および/または液晶分子が重合性を有し ていてもよいし、それ以外にも、後述のよう な重合性材料を有することによってもよい。 また、前記重合としては、光重合、熱重合が 挙げられるが、意図した液晶分子の配向を保 ちつつ固定化する観点では、光重合が好まし い。熱重合であると、加熱時に液晶相が変化 し、意図した配向性が得られない場合がある 。光重合の場合には、固定化前の系に、光を 照射し、配向させた液晶分子を固定化する。 固定化前の系に、光を照射した際には、液晶 分子の配向に基づく屈折率分布が形成される 速度の方が、系が固定化する速度よりも大き いのが通常である。光重合時の照射光の光源 としては、可視光及び/または近赤外光を発 るものを用いることができる。具体的には メタルハライドランプ、白熱灯、ハロゲン ンプ、キセノンランプ、高圧水銀灯等を挙 ることができる。

(重合性材料)
 前述の重合性材料の種類については、特に 限されない。重合性材料は、重合性基を有 ることが必須であり、固定化前の系におい 、液晶性を有しているものであることが好 しい。重合性材料としては、ビニル基を有 る化合物を挙げることができ、例えば、下 のものを挙げることができる。

(好適な重合性材料の例)

(重合性組成物)
 本発明において、重合性組成物は、前記の 定化前(すなわち光照射前)の系を意味する 本発明において、重合性組成物としては、 記のような量比が好適である。
 液晶材料:100部(基準)
 色素:0.0001~10部(更に好ましくは0.001~1部)
 重合性材料(使用する場合):1~100部(更に好ま くは5~30部)

(添加剤)
 上記以外に、必要に応じて、種々の添加剤 、重合性組成物に添加されていても良い。 加剤としては、重合開始剤などが挙げられ 。重合開始剤としては、光重合開始剤を挙 ることができ、該開始剤は、紫外線等の光 射によって、上記の重合反応を進行させる のであればよく、例えば、アセトフェノン 合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾイン 合物、ベンゾインエーテル化合物、アシル スフィンオキシド化合物、チオキサントン 合物等が挙げられる。これらの化合物のう 市販されているものとしては、例えば、「I RGACURE 184」、「IRGACURE 369」、「IRGACURE 651」 「IRGACURE 907」、「IRGACURE 819」、「IRGACURE 2 959」、「DAROCURE 1173」(いずれもチバ・スペシ ャリティー・ケミカルズ社製)、「KAYACURE BP 、「KAYACURE DETX-S」(いずれも日本化薬社製) 「ESACURE KIP 150」(Lamberti社製)、「S-121」(シ コー技研社製)、「セイクオールBEE」(精工化 学社製)、「ソルバスロンBIPE」、「ソルバス ンBIBE」(いずれも黒金化成社製)等を挙げる とができる。これらの光重合開始剤は、単 で用いられてもよく、2種以上が併用されて もよい。

(好適な重合性組成物)
 本発明における重合性組成物は、例えば、 下のような性質を有していることが好まし 。本発明において、重合性組成物は、光照 時に、ネマチック液晶相などの液晶性を示 ことが必須である。液晶温度範囲は広けれ 広いほど好ましい。取扱いの容易性の点か は室温(20℃)近くで液晶相を発現するものが 好ましい(液晶相の種類は特に制限されない) より具体的には例えば-50~50℃程度(更には-20 ~40℃程度)で液晶相を発現するものが好まし 。液晶および相の同定に関しては、「液晶 覧」、第1~448頁、液晶便覧編集委員会編(丸 、2000)を必要に応じて参考にすればよい。

(好適な光学素子の特性)
 本発明における光学素子は、以下の(1)~(3)の 物性を有する場合が好ましい。
(1)全光線透過率
 光学素子における全光線透過率が70%以上で ることが好ましく、さらに好ましくは80%以 である。
(2)表面の平坦性
 本発明において、光学素子の両側面は平面 あるが、その表面の中心線平均粗さ(Ra)は、 100nm以下であることが好ましく、さらに好ま くは50nm以下である。
(3)厚み
 光学素子の厚みは5mm以下が好ましく、より ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下 ある。

 次に、本発明の有機EL素子を構成する発 層について、具体的に説明する。本発明に いて、発光層としては、以下の構造のもの 挙げることができる。

(発光層の例示)
a)有機発光層
b)正孔輸送層/有機発光層
c)有機発光層/電子輸送層
d)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
e)電荷注入層/有機発光層
f)有機発光層/電荷注入層
g)電荷注入層/有機発光層/電荷注入層
h)電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層
i)正孔輸送層/有機発光層/電荷注入層
j)電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電荷注 層
k)電荷注入層/有機発光層/電荷輸送層
l)有機発光層/電子輸送層/電荷注入層
m)電荷注入層/有機発光層/電子輸送層/電荷注 層
n)電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電荷輸 層
o)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注 層
p)電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸 層/電荷注入層
上記の/は各層が隣接していることを示す。 た、本発明において、有機EL材料とは、上記 の各層を構成する材料であり、それぞれにつ き公知の材料を使用することができる。これ らの材料については、「有機ELディスプレイ (時任静夫、安達千波矢、村田英幸 共著  式会社オーム社 平成16年刊 第1版第1刷発行 )、「高分子EL材料」(大西敏博、小山珠美 共 著 共立出版 2004年刊 初版版第1刷発行)等を 必要に応じて参考にすればよい。また、上記 各層の厚みについては、適宜設定されるが、 1nm~300nmが一般的であり、好ましくは5~100nm程 である。

(有機発光層の例示)
 特に、上記において、必須である有機発光 を構成する材料としては、低分子化合物で 高分子化合物でもよい。低分子化合物では ナフタレン誘導体、アントラセンもしくは の誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、 リメチン系、キサンテン系、クマリン系、 アニン系などの色素類、8-ヒドロキシキノ ンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族 ミン、テトラフェニルシクロペンタジエン しくはその誘導体、またはテトラフェニル タジエンもしくはその誘導体などが例示さ る。高分子化合物では、ポリフルオレン、 の誘導体および共重合体、ポリアリーレン その誘導体および共重合体、ポリアリーレ ビニレン、その誘導体および共重合体、芳 族アミンおよびその誘導体の(共)重合体が例 示される。また、イリジウムを中心金属とす るIr(ppy) 3 、Btp 2 Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロ ウムを中心金属とするEu(TTA) 3 phen等、三重項発光を示すことのできる材料 使用してもよい。

(陽極/発光層/陰極の構造)
 本発明において、陽極および陰極が層状で る場合には、陽極/発光層/陰極の構造は、 体的には、以下のようになる。
a)陽極/有機発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/有機発光層/陰極
c)陽極/有機発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰 極
e)陽極/電荷注入層/有機発光層/陰極
f)陽極/有機発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/有機発光層/電荷注入層/陰 極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/陰 極
i)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電荷注入層/陰 極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電 荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/有機発光層/電荷輸送層/陰 極
l)陽極/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰 極
m)陽極/電荷注入層/有機発光層/電子輸送層/電 荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電 荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電 荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電 子輸送層/電荷注入層/陰極
上記の/は各層が隣接していることを示す。 極および陰極を構成する材料としては、そ ぞれ公知の材料を使用することができる。 た、電荷注入層を使用する場合において、 荷注入をより容易にする目的で、陽極/電荷 入層あるいは電荷注入層/陰極の界面に、金 属フッ化物、金属酸化物または有機絶縁材料 等からなる10nm以下程度の絶縁層を配置する とがあるが、本発明において、該絶縁層は 荷注入層の一部とみなす。

 また、上記のa)~p)の中で、発光効率をよ 高める観点で、好ましい構造は、g)、j)、m) p)の構造である。

(陽極)
 本発明において、層状の陽極は透明又は半 明であることが必要である。該陽極の材料 しては、導電性の金属酸化物膜、半透明の 属薄膜等を挙げることができる。材料とし より具体的には、酸化インジウム、酸化亜 、酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイ (ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド、金 白金、銀、銅等が例示され、ITO、インジウ ・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい また、層状の陽極として、ポリアニリン若 くはその誘導体、ポリチオフェン若しくは の誘導体などの有機の透明導電膜を用いて よい。層状の陽極の厚みは、光透過性と導 性とを考慮して、適宜設定することができ が、10nm~10μm程度が一般的であり、好ましく 20nm~1μm、さらに好ましくは50nm~500nmである。 陽極の形成方法としては、真空蒸着法、スパ ッタリング法、イオンプレーティング法、メ ッキ法等が挙げられる。

(陰極)
 本発明において、層状の陰極の材料として 、例えば、バリウム、カルシウム、金、マ ネシウム又はマグネシウム/銀合金等の金属 又はそれらの酸化物および、それらの金属に さらにアルミニウム、銀、クロム等を形成し た多層構造をとってもよい。また、このよう な層状の陰極の厚みは、適宜設定することが できるが、3~50nm程度であることが好ましい。

(基板)
 本発明において、基板としては、可視光を 過することのできるものが必須であり、例 ばガラス、プラスチック、高分子フィルム シリコン基体(基板)などが例示される。基 の厚みは、得られる有機EL素子の用途(ディ プレイ、照明、フレキシブルディスプレイ )により異なり得るが、通常、50μm~2mm程度で る。

 次に、本発明の有機EL素子の製造方法と て、配向膜を有し、該配向膜と光学素子と 接しており、層状の陽極と光学素子とが接 ている場合の有機EL素子の製造方法の例を以 下に説明する。

 前記有機EL素子は、以下の(A1)、(A2)、(A3)お び(A4)の工程をこの順で含むことにより、製 することができる。
(A1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少な くとも1個の基板は、可視光を透過すること できる基板である。)、それぞれの配向膜が 向するように配置させ、2つの配向膜間に、 液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持 させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材 料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組 成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化 層(光学素子)を得る工程。
(A2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子 よび配向膜付き基板(ただし、該基板は、可 視光を透過することのできる基板である。) 得る工程。
(A3)該光学素子および配向膜付き基板におい 、光学素子側の面に、層状の陽極を形成さ る工程。
(A4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる 発光層、層状の陰極を、この順に形成させる 工程。

 工程(A1)の配向膜付き基板において、配向 膜は液晶分子の配向を誘起することができる 膜のことを意味し、基板に載置されている。 この配向膜付き基板を2個用いるが、少なく も1個の基板は、可視光を透過することので る基板である。また、本発明において、配 膜としては、2個とも、液晶分子のホメオト ロピック配向(配向膜に対して液晶分子が垂 方向に配向する配向)を誘起することができ 配向膜(以下、ホメオトロピック配向膜とい うことがある。)を用い、可視光を透過する とができる配向膜を選択する。

 工程(A1)においては、上記の配向膜付き基板 を2個用いて、それぞれの配向膜が対向する うに配置させ、2つの配向膜間に、液晶材料 色素とを含む上述の重合性組成物を挟持さ る。この挟持させる手法の例としては、以 の手法(I)、(II)を挙げることができる。
(I)配向膜付き基板を2個用いて、配向膜が対 するようにして、粒径の制御されたビーズ のスペーサーを介して、貼り合わせて、セ を組み立て(図1中の(i))、このセル内に重合 組成物を常圧あるいは真空下で注入する(図1 中の(ii))方法。このとき、スペーサーは、シ ル剤に含有されているものを用いてもよい また、スペーサーは、配向膜上で枠状に配 されていてもよい。このときの模式図を図1 に示す。
(II)一方の配向膜付き基板における配向膜の 面に重合性組成物を塗布し、塗布された重 性組成物の表面に、他方の配向膜付き基板 おける配向膜を貼り合わせる方法。このと 、得られる液晶分子固定化層(光学素子)の層 厚を均一に制御する観点から、貼り合わせ時 や重合性組成物の塗布時に、粒径の制御され たビーズ等をスペーサーとして用いてもよい 。スペーサーは、一方の配向膜に重合性組成 物の塗布前に散布したり、重合性組成物と混 合したりして用いればよい。
 上記手法(I)、(II)において、スペーサーとし ては、ガラスファイバー、シリカ粒子、スチ レン系粒子などの各種粒子を用いればよい。 通常、スペーサーは、1~10μm程度の粒子を100~2 00個/mm 2 の割合で用いる。

 上記のようにして、2つの配向膜間に、液 晶材料と色素とを含む上述の重合性組成物を 挟持させ、重合性組成物における液晶分子を ホメオトロピック配向に配向させる。該重合 性組成物に、レーザー光(偏光)などの光を照 して、重合性組成物に屈折率分布を持たせ さらに、重合性組成物を重合して固定化さ 、液晶分子固定化層(光学素子)を得る。重 性組成物を重合して固定化する際には、メ ルハライドランプ、白熱灯、ハロゲンラン 、キセノンランプ、高圧水銀灯等の光を照 すればよい。

 工程(A2)においては、1つの配向膜付き基 を分離し、光学素子および配向膜付き基板( だし、該基板は、可視光を透過することの きる基板である。)を得る。このときの模式 図を図2に示す。また、本発明の有機EL素子に おいて、配向膜を使用しない場合には、まず 光学素子のみを得て、これを、例えば可視光 を透過することのできる基板に載置させるな どして用いる。

 工程(A3)においては、上記光学素子および 配向膜付き基板において、光学素子側の面に 、層状の陽極を形成させる。このときの模式 図を図3に示す。本発明において、光学素子 、その両側が平面であり、光学素子側の面 、層状の陽極を形成させる際には、陽極の みが均一となり、陽極の導電性を高めるこ ができる。また、陽極材料として、ITOを用 る際には、通常、スパッタリングにより層 の陽極を形成する。

 工程(A4)においては、上記層状の陽極の面 に、有機EL材料からなる発光層、層状の陰極 、この順に形成させる。このときの模式図 図4に示す。該発光層としては、上述の各層 を用い、これら各層を構成する材料を、真空 蒸着、クラスター蒸着、分子線蒸着、コーテ ィング、印刷法などの形成方法により形成さ せる。また、層状の陰極としては、上述の材 料を、真空蒸着法、スパッタリング法、また 金属薄膜を熱圧着するラミネート法により形 成させる。発光層、層状の陰極の形成におい ては、材料の性質をふまえて、形成方法を適 宜選択すればよい。

 また、本発明の有機EL素子の製造方法と て、配向膜を有し、該配向膜と光学素子と 接しており、層状の陽極と可視光を透過す ことのできる基板とが接している場合の有 EL素子の製造方法の例を以下に説明する。

 前記有機EL素子は、以下の(B1)、(B2)、(B3)お び(B4)の工程をこの順で含むことにより、製 することができる。
(B1)配向膜付き基板を2個用いて(ここで、少な くとも1つの基板は、可視光を透過すること できる基板である。)、それぞれの配向膜が 向するように配置させ、2つの配向膜間に、 液晶材料と色素とを含む重合性組成物を挟持 させ、該重合性組成物に光を照射し、液晶材 料中の液晶分子を配向させ、さらに重合性組 成物を重合して固定化させ、液晶分子固定化 層(光学素子)を得る工程。
(B2)1つの配向膜付き基板を分離し、光学素子 よび配向膜付き基板(ただし、該基板は、可 視光を透過することのできる基板である。) 得る工程。
(B3)該光学素子および配向膜付き基板におい 、基板側の面に、層状の陽極を形成させる 程。
(B4)該層状の陽極の面に、有機EL材料からなる 発光層、層状の陰極を、この順に形成させる 工程。

 工程(B1)、工程(B2)はそれぞれ、工程(A1)、 程(A2)と同様である。工程(B3)においては、(B 2)における光学素子および配向膜付き基板に いて、基板側の面に、層状の陽極を形成さ る。このときの模式図を図5に示す。陽極材 料として、ITOを用いる際には、通常、スパッ タリングにより層状の陽極を形成する。

 工程(B4)においては、該層状の陽極の面に 、有機EL材料からなる発光層、層状の陰極を この順に形成させる。このときの模式図を 6に示す。他は、工程(A4)と同様である。

 また、工程(B1)において、配向膜付き基板 のうち、可視光を透過することのできる基板 の配向膜が付いている面の反対側の面に、ITO 等の陽極材料が形成されている場合には、工 程(B3)は省略可能である。

 工程(A4)、工程(B4)において、陰極を形成 た後は、通常、封止材を用いて封止して、 機EL素子を得る。封止の際には、陽極、陰極 それぞれの一部は、外部電源と電気的に接続 できるようにしておく必要があり、外部電源 と、陽極、陰極それぞれとを電気的に接続す ることにより、有機EL素子は発光する。

 また、本発明の有機EL素子の構造を、よ 具体的に設計し評価する方法として、光学 跡シミュレーションは非常に有用である。 学追跡シミュレーションとは、幾何光学に づくモンテカルロ的確率シミュレーション あり、シミュレーション対象となるモデル 各構成部材の形状、屈折率、界面の反射特 を設定し、確率的に十分多数発生される光 について各々の透過及び反射を追跡し、結 が十分に収束するまでこれを繰り返すもの ある。本発明の有機EL素子の構造を設計する に際して、光学追跡シミュレーションを用い ることにより、本発明の有機EL素子における 学素子、基板、陽極などの構成層の厚み、 学素子における屈折率分布を、より好適に 、光取り出し効率をより高め、発光効率を り高めることのできる有機EL素子の設計、 価が可能となる。この本発明の評価方法に づいて得られる結果を用いることにより、 成層の厚み、照射するレーザー光(偏光)の照 射の強度、レーザー照射スポットの径、レー ザー照射場所などの製造条件を適宜設計しな がら、発光効率をより高めることのできる有 機EL素子を製造することができる。

 以下、実施例により本発明を更に具体的 説明する。

製造例1
(光学素子の作製)
 液晶分子としてはアクリレート基を有する 晶分子が好ましいが、そのうち、A0PC3およ A0T5を用いて、それぞれのモル比が0.54:0.46で る液晶材料1モルを調製し、色素として好ま しい液晶性オリゴチオフェン誘導体(上記[化1 ]の式において、R=-C n H n+1 で、n=5で表される化合物を用いた。)を上記 液晶材料に対して0.1モル%、光重合開始剤イ ガキュア(IRGACURE 184)を上記の液晶材料に対 て1モル%添加して、重合性組成物を得た。 向膜としてレシチン(ホメオトロピック配向 誘起する配向膜)を用いて、図1のようにし セルを組み立てて(基板は、二つとも可視光 透過することのできるガラス基板である。) 、当該重合性組成物を等方相温度(重合性組 物は液体状態である。)で封入して、その後 室温までゆっくりと冷却して液晶分子をホ オトロピック配向させたサンプルを調製し 。そのサンプルに波長364nmのArイオンレーザ ーを2.1W/cm 2 で照射し、屈折率分布を誘起した(このとき レーザー照射箇所における重合性組成物の 定化も進行した)。レーザー照射スポットを フトしながら、前記屈折率分布の誘起の操 を繰り返して、最後に、一面に高圧水銀灯 366nmの輝線を用いて光強度5W/cm 2 で10min照射して、光重合により全体を固定化 て、光学素子1を得た。その後、1つの配向 付基板を分離し、光学素子1および配向膜付 基板を得た(図2参照)。光学素子1の表面は平 坦であった。

実施例1
 製造例1で得られた光学素子1および配向膜 き基板の光学素子1側の面に、スパッタリン 法によりITO材料を成膜して得られる陽極(透 明電極)は、導電性の高い層状の陽極となり 陽極の面に、さらに、発光層、層状の陰極 形成させる(図4参照)ことで、光取り出し効 が高く、発光効率の高い有機EL素子を得るこ とができる。

実施例2
 製造例1で得られた光学素子1および配向膜 き基板のガラス基板側の面に、スパッタリ グ法によりITO材料を成膜して得られる陽極( 明電極)は、導電性の高い層状の陽極となり 、陽極の面に、さらに、発光層、層状の陰極 を形成させる(図6参照)ことで、光取り出し効 率が高く、発光効率の高い有機EL素子を得る とができる。

実施例3
(光学素子の作製)
 液晶分子としてはアクリレート基を有する 晶分子が好ましいが、そのうち、A0PC3、A0T5 よびPCH-5を用いて、それぞれのモル比が0.43: 0.37:0.20である液晶材料1モルを調製し、色素 して好ましい液晶性オリゴチオフェン誘導 (上記[化3]の式において、R 3 =-C n H n+1 、R 4 =-C n H n+1 で、n=4で表される化合物を用いた。)を上記 液晶材料に対して0.1モル%、光重合開始剤イ ガキュア(IRGACURE 184)を上記の液晶材料に対 て0.5モル%添加して、重合性組成物を得た。 配向膜としてレシチン(ホメオトロピック配 を誘起する配向膜)を用いて、図1のようにし てセルを組み立てて(基板は、二つとも可視 を透過することのできるガラス基板である )、当該重合性組成物を等方相温度(重合性組 成物は液体状態である。)で封入して、その 、室温までゆっくりと冷却して液晶分子を メオトロピック配向させたサンプルを調製 た。そのサンプルに波長364nmのArイオンレー ーを4W/cm 2 で照射し、屈折率分布を誘起した(このとき レーザー照射箇所における重合性組成物の 定化も進行した)。このレーザーを照射しな ら、照射スポットをシフトした後、最後に 一面に高圧水銀灯の366nmの輝線を用いて光 度5W/cm 2 で10min照射して、光重合することにより全体 固定化して、光学素子2を得た。その後、1 の配向膜付基板を分離し、光学素子2および 向膜付き基板を得た(図2参照)。光学素子2の 表面は平坦であった。

(発光素子の作製)
 上記光学素子2を用い、図7に示すような発 素子2を作製して、フォトルミネッセンス評 (以下、PL評価ということがある。)を行った 。PL評価における発光層としてはルブレン含 ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた(PMM Aに対し、ルブレンは5モル%含有される)。図8 模式的に示される発光評価装置(以下、PL評 装置ということがある。)を用いて、発光素 子2の発光層に、488nmのArイオンレーザーを照 して、発光強度(発光波長550nmにおける強度) を測定したところ、後述の比較例1の発光素 4における発光強度に対し、発光強度が大き なることを確認することができた(図9)。こ ことから、光学素子2を用いて、ルブレン含 有ポリメチルメタクリレート(PMMA)の代わりに 有機EL材料からなる発光層を用いて、図4のよ うにして、有機EL素子を製造することにより 光取り出し効率が高く、発光効率の高い有 EL素子を得ることができることがわかる。

実施例4
(光学素子の作製)
 実施例3において、液晶分子をホメオトロピ ック配向させたサンプルに波長364nmのArイオ レーザーを8W/cm 2 で照射した以外は、実施例3と同様にして、 学素子3を得た。その後、1つの配向膜付基板 を分離し、光学素子3および配向膜付き基板 得た(図2参照)。光学素子3の表面は平坦であ た。

(発光素子の作製)
 上記光学素子3を用い、図7に示すような発 素子3を作製して、PL評価を行った。PL評価に おける発光層としてはルブレン含有ポリメチ ルメタクリレート(PMMA)を用いた(PMMAに対し、 ブレンは5モル%含有される)。図8に模式的に 示されるPL評価装置を用いて、発光素子3の発 光層に、488nmのArイオンレーザーを照射して 発光強度(発光波長550nmにおける強度)を測定 たところ、後述の比較例1の発光素子4にお る発光強度に対し、発光強度が大きくなる とを確認することができた(図9)。このこと ら、光学素子3を用いて、ルブレン含有ポリ チルメタクリレート(PMMA)の代わりに有機EL 料からなる発光層を用いて、図4のようにし 、有機EL素子を製造することにより、光取 出し効率が高く、発光効率の高い有機EL素子 を得ることができることがわかる。
 尚、図8において、NDはNeutral density filter(中 性フィルター)を、WPはHalf-wavelength plate(半波 板)を、DEQは、Depolarizer(減極剤)を示し、Arイ オンレーザー(Ar + laser)は、λ=488nm,23mW/cm 2 とした。

比較例1
(光学素子の作製)
 実施例3において、液晶分子をホメオトロピ ック配向させたサンプルに、Arイオンレーザ を照射することなしに、一面に高圧水銀灯 366nmの輝線を用いて光強度5W/cm 2 で10min照射した以外は、実施例3と同様にして 、光学素子4を得た。その後、1つの配向膜付 板を分離し、光学素子4および配向膜付き基 板を得た(図2参照)。光学素子4の表面は平坦 あった。

(発光素子の作製)
 上記光学素子4を用い、図7に示すような発 素子4を作製して、PL評価を行った。PL評価に おける発光層としてはルブレン含有ポリメチ ルメタクリレート(PMMA)を用いた(PMMAに対し、 ブレンは5モル%含有される)。図8に模式的に 示されるPL評価装置を用いて、発光素子4の発 光層に、488nmのArイオンレーザーを照射して 発光強度(発光波長550nmにおける強度)を測定 たところ、上記の発光素子2、3における発 強度に対し、発光強度が小さかった(図9)。 のことから、光学素子4を用いて、ルブレン 有ポリメチルメタクリレート(PMMA)の代わり 有機EL材料からなる発光層を用いて、図4の うにして、有機EL素子を製造しても、光取 出し効率は低く、発光効率も低い有機EL素子 となることがわかる。

比較例2
 有機EL素子として、図10の直方体のモデルを 設定して、これについて、光線追跡シミュレ ーションを行った。この光線追跡シミュレー ションに、用いたソフトは、Lamda Research社の TrecePro(商品名)である。図10のモデルにおいて 、発光層60で発した光は、陽極50、基板11を通 過して、光出射面80から、有機EL素子の外部 出射する。発光層60が発する光は出射方向へ のランバーシアン分布を持つ(ランベルトの 弦則を満たす)ものとした。陽極50から基板11 に入る光線数を20万本とし、有機EL素子内部 おいては、光出射面80を除き、完全反射面と し、1000回反射した後においても有機EL素子内 部に残っている光は、消失したものとみなし た。また、基板11の厚みsを1800μm、素子の幅c よび奥行きcを600μm、陽極の厚みbを200μmに 定した。また、基板の屈折率を1.5、陽極の 折率を2.0に設定した。このシミュレーショ により、光出射面から出射した光のエネル ーの光出射角依存性を調べた結果を図13に示 した。

実施例5
 有機EL素子として、比較例2における図10の デルの代わりに、図11の直方体のモデルを設 定して、比較例2と同様にして、光線追跡シ ュレーションを行った。図11の有機EL素子に いては、陽極50と基板11の間に、光学素子40 備えている。光学素子40の上方投影図を図12 に示しており、光学素子40の内部には、円柱 の屈折率分布部がある。この図12の光学素 40の屈折率分布部において、屈折率分布は中 心から端に向かって2次曲線で変化するよう し、中心の屈折率を1.7とし、屈折率分布部 端の屈折率を1.5とした。また、光学素子40に おける屈折率分布部以外の部分の屈折率を1.5 とし、屈折率分布部の直径を100μm、光学素子 40における屈折率分布部と屈折率分布部間の 間の最短の長さを20μm、光学素子側面と屈 率分布部間の隙間の最短の長さを10μmとした 。また、基板11の厚みsを1700μm、光学素子の みaを100μm、素子の幅cおよび奥行きcを600μm 陽極の厚みbを200μmに設定した。また、基板 屈折率を1.5、陽極の屈折率を2.0に設定した このシミュレーションにより、光出射面か 出射した光のエネルギーの光出射角依存性 調べた結果を図13に示した。

実施例6
 実施例5と同様にして、有機EL素子として、 11の直方体のモデルを用いて、光線追跡シ ュレーションを行った。実施例5と実施例6と の相違点は、実施例6では、光学素子40におけ る屈折率分布部の中心の屈折率を2.0とした点 である。このシミュレーションにより、光出 射面から出射した光のエネルギーの光出射角 依存性を調べた結果を図13に示した。

 図13によれば、出射角が-90°~90°の範囲の 射光のエネルギーの積分値は、比較例2の場 合を1としたとき、実施例5の場合では1.7、実 例6の場合では3.5と大きく、屈折率分布部を 有する光学素子を有する有機EL素子は、該光 素子がない場合に比して、大きな量の光の ネルギーを出射することがわかった。また この光線追跡シミュレーションは、本発明 有機EL素子の構造をより具体的に設計し評 する方法として、非常に有用であることが かった。

2つの配向膜間に重合性組成物を挟持さ せる方法の1例を示す図。 本発明における工程(A2)に係る模式図。 本発明における工程(A3)に係る模式図。 本発明における工程(A4)に係る模式図。 本発明における工程(B3)に係る模式図。 本発明における工程(B4)に係る模式図。 発光素子の模式図。 発光素子の発光評価装置を示す模式図 発光素子の発光評価結果を示す図。 光学追跡シミュレーションにおける有 機EL素子の模式図(比較例2)。 光学追跡シミュレーションにおける有 機EL素子の模式図(実施例5、6)。 実施例5、6における光学素子の模式図( 上方投影図)。 出射光のエネルギーの光出射角依存性 の結果を示す図。

符号の説明

 10・・・配向膜付き基板1
 11・・・基板1(可視光を透過することのでき る基板)
 12・・・配向膜
 20・・・配向膜付き基板2
 21・・・基板2
 22・・・配向膜
 30・・・枠状に配置されているスペーサー( ール剤)
 40・・・液晶分子固定化層(光学素子)
 50・・・陽極
 60・・・発光層
 70・・・陰極
 80・・・光出射面
 90・・・屈折率分布部