Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC EL ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063859
Kind Code:
A1
Abstract:
An organic EL element is provided with an anode, a cathode (Al layer (15)), and an organic layer (20) which is arranged between the anode and the cathode by including a light emitting layer (14). At least the side of an organic layer (20) of the anode is composed of a transparent oxide semiconductor layer (ITO layer (12)). A molybdenum oxide layer is arranged between the oxide semiconductor layer and the organic layer (20). The thickness of the molybdenum oxide layer, on the assumption that the thickness of the molybdenum oxide layer is uniform, is less than 2nm.

Inventors:
MURATA HIDEYUKI (JP)
MATSUSHIMA TOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070497
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
JAPAN ADV INST SCIENCE & TECH (JP)
MURATA HIDEYUKI (JP)
MATSUSHIMA TOSHINORI (JP)
International Classes:
H01L51/50; H05B33/28
Foreign References:
JP2006344774A2006-12-21
JP2007533104A2007-11-15
JP2005032618A2005-02-03
JP2005032618A2005-02-03
JP2006344774A2006-12-21
Other References:
J. PHYS. D: APPL. PHYS., vol. 29, 1996, pages 2750
JPN. J. APPL. PHYS., vol. 44, 2005, pages 3682
APPL. PHYS. LETT., vol. 87, 2005, pages 241121
JPN. J. APPL. PHYS., vol. 45, 2006, pages 1829
J. APPL. PHYS., vol. 101, 2007, pages 026105
See also references of EP 2214222A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi et al. (UMEDA PLAZA BLDG. ANNEX4-3-25, Nishitenma,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
Download PDF:
Claims:
 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、
 前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、
 前記酸化物半導体層と前記有機層との間に酸化モリブデン層が配置されており、
 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが2nm未満である、有機EL素子。
 前記酸化物半導体層がITO層である、請求項1に記載の有機EL素子。
 前記有機層に含まれる層のうち前記陽極に最も近い層が、α-NPD、TPD、2-TNATA、α-6T、およびCuPcから選ばれるいずれか1つからなる、請求項1に記載の有機EL素子。
 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上2nm未満である、請求項1に記載の有機EL素子。
 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上1nm以下である、請求項1に記載の有機EL素子。
 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置され発光層を含む有機層とを備える有機EL素子であって、
 前記陽極のうち少なくとも前記有機層側が、透明な酸化物半導体層からなり、
 前記酸化物半導体層と前記有機層との界面に、前記酸化物半導体層と前記有機層とが部分的に接触するように不均一に形成された酸化モリブデン層が配置されている、有機EL素子。
 前記酸化物半導体層がITO層である、請求項6に記載の有機EL素子。
 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが2nm未満である、請求項6に記載の有機EL素子。
 前記酸化モリブデン層を厚さが均一な層であると仮定したときの前記酸化モリブデン層の厚さが0.25nm以上1nm以下である、請求項6に記載の有機EL素子。
 前記有機層に含まれる層のうち前記陽極に最も近い層が、α-NPD、TPD、2-TNATA、α-6T、およびCuPcから選ばれるいずれか1つからなる、請求項6に記載の有機EL素子。
Description:
有機EL素子

 本発明は、有機EL素子に関する。

 有機EL素子は、柔軟、薄い、軽量という 点を持つディスプレイや光源が作製できる から大きな注目を集めている。しかし、有 EL素子にはまだ課題が多く、その利用を発展 させるためには、さらなる特性向上が求めら れている。

 有機EL素子の特性を向上させる1つの方法と て、陽極とホール輸送層との界面に、ホー 注入層を挿入する方法が知られている。そ て、ホール注入層としてMoO 3 層を用いることによって、特性を向上できる ことが報告されている。そのような報告は、 特開2005-32618号公報および特開2006-344774号公報 に見られる。また、Tokitoら(S. Tokito et al.)も 、そのような報告をしている(J. Phys. D: Appl.  Phys. 29, 2750 (1996年))。また、Miyashitaら(T. M iyashita et al.)も、そのような報告をしている (Jpn. J. Appl. Phys. 44, 3682 (2005年))。また、Ch enら(C.-W. Chen et al.)も、そのような報告をし ている(Appl. Phys. Lett. 87, 241121 (2005年))。ま た、Satohら(R. Satoh et al.)も、そのような報 をしている(Jpn. J. Appl. Phys. 45, 1829 (2006年 ))。また、Youら(H. You et al.)も、そのような 告をしている(J. Appl. Phys. 101, 026105 (2007 ))。しかし、従来から一般的に用いられてき たMoO 3 層は、膜厚が2~50nmの範囲であった。

 特開2006-344774号公報に記載の発明は、有 EL素子の高輝度化および省電力化を目的とし ている。特開2006-344774号公報には、基板とは 対側に光を発するトップエミッション型の 機EL素子が開示されている。この有機EL素子 では、アルミニウムからなる陽極と、有機層 と、ITOからなる陰極とが、この順に基板上に 形成されている。有機層で生じた光は、陰極 を通って外部に発せられる。陽極と有機層と の間には、Mo酸化物層(厚さがたとえば3.5~1000 ングストローム)が配置されている。上記ト ップエミッション型の有機EL素子の陽極がITO どの透明電極を含むと、発光層から陽極側 向かった光は外部に発せられるまでに透明 極を2回透過する。そのため、特開2006-344774 公報には、上記トップエミッション型の有 EL素子の陽極がITOなどの透明電極を含むと 透明電極による光吸収が問題となることが 載されている(特開2006-344774号公報の[0004]段 )。また、特開2006-344774号公報には、陽極にIT Oを用いると電流密度が低下するという問題 生じることが記載されている(特開2006-344774 公報の[0005]段落)。

 現在、有機EL素子では、素子の長寿命化 課題となっている。このような状況におい 、本発明は、素子寿命が長い有機EL素子を提 供することを目的の1つとする。

 本件発明者らは、透明な酸化物半導体層( 陽極)と有機層との間に非常に薄い酸化モリ デン層を配置することによって、酸化モリ デン層の効果として従来から知られている 果とは全く異なる優れた効果が得られるこ を見出した。本発明は、この新たな知見に づくものである。

 上記目的を達成するために、本発明の第1 の有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極 前記陰極との間に配置され発光層を含む有 層とを備える有機EL素子であって、前記陽 のうち少なくとも前記有機層側が、透明な 化物半導体層からなり、前記酸化物半導体 と前記有機層との間に酸化モリブデン層が 置されており、前記酸化モリブデン層を厚 が均一な層であると仮定したときの前記酸 モリブデン層の厚さが2nm未満である。

 また、本発明の第2の有機EL素子は、陽極 、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配 され発光層を含む有機層とを備える有機EL 子であって、前記陽極のうち少なくとも前 有機層側が、透明な酸化物半導体層からな 、前記酸化物半導体層と前記有機層との界 に、前記酸化物半導体層と前記有機層とが 分的に接触するように不均一に形成された 化モリブデン層が配置されている。

 本発明によれば、素子寿命が長い有機EL 子が得られる。

図1A~図1Eは、実施例1~5で用いた化合物 構造を示す図である。 図2は、ITOとホール輸送層との間に酸化 モリブデン層を配置したときのホール注入特 性を示すグラフである。 図3は、実施例1で作製した有機EL素子の 構造を模式的に示す図である。 図4は、実施例1で作製した有機EL素子に ついて、駆動電圧と電流密度との関係を示す グラフである。 図5は、実施例1で作製した有機EL素子につい 、MoO 3 層の厚さと、駆動電圧との関係を示すグラフ である。 図6は、実施例1で作製した有機EL素子に ついて、駆動時間と輝度の変化との関係を示 すグラフである。 図7は、実施例1で作製した有機EL素子につい 、MoO 3 層の厚さと、輝度が初期の90%に低下するまで の駆動時間との関係を示すグラフである。 図8は、実施例2で作製した有機EL素子に ついて、駆動時間と輝度の変化との関係を示 すグラフである。 図9は、実施例3で作製した有機EL素子に ついて、駆動時間と輝度の変化との関係を示 すグラフである。 図10は、実施例4で作製した有機EL素子 ついて、駆動時間と輝度の変化との関係を すグラフである。 図11Aは、ITO層の表面のAFM像を示す。 図11Bは、ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:0.75nm)の表面のAFM像を示す。 図11Cは、ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:1.0nm)の表面のAFM像を示す。 図11Dは、ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:3.0nm)の表面のAFM像を示す。

 以下、本発明の実施形態について説明す 。なお、本発明は、以下の実施形態および 施例に限定されない。以下の説明では、特 の数値や特定の材料を例示する場合がある 、本発明の効果が得られる限り、他の数値 他の材料を適用してもよい。

 [有機EL素子]
 以下、本発明の第1および第2の有機EL素子に 共通する事項について説明する。本発明の有 機EL素子は、陽極と、陰極と、有機層とを備 る。有機層は、陽極と陰極との間に配置さ ており、発光層を含む。陽極のうち少なく も有機層側は、透明な酸化物半導体層(透光 性の酸化物半導体層)からなる。そして、酸 物半導体層と有機層との間には、酸化モリ デン層が配置されている。すなわち、本発 の有機EL素子は、酸化物半導体層/酸化モリ デン層/有機層という積層構造を有する。な 、典型的な一例では、酸化モリブデン層が 均一に形成されており、酸化物半導体層と 機層との界面において、酸化物半導体層と 機層とが部分的に接触している。

 酸化物半導体の好ましい例としては、ITO( Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、アルミニ ムを添加した酸化亜鉛(AZO)、およびインジ ムを添加した酸化亜鉛(IZO)が挙げられる。こ れらの材料で形成された膜は、透明導電膜と 呼ばれることもある。これらの中でもITOは、 良好な特性が得られるため好ましい。

 陽極は、ホールを注入するための電極で る。陽極は、酸化物半導体層のみで形成さ てもよい。陽極の典型的な一例は、ITOや、 ルミニウムを添加した酸化亜鉛(AZO)や、イ ジウムを添加した酸化亜鉛(IZO)のみで形成さ れている。ただし、陽極は多層膜で形成され てもよい。たとえば、アルミニウムなどの金 属層と、その上に形成された酸化物半導体層 (AZO層、IZO層またはITO層)とを含む陽極を用い もよい。

 有機層は、実質的に有機化合物で構成さ る層である。ただし、有機層には、無機化 物(ドーパントなど)が添加されていてもよ 。

 有機層は、発光層に加えて他の層を含ん もよい。たとえば、有機層は、ホール輸送 、電子輸送層および電子注入層から選ばれ 少なくとも1つの層を含んでもよい。また、 酸化モリブデン層はホール注入層として機能 すると考えられるが、本発明の効果が得られ る限り、本発明の有機EL素子は、酸化モリブ ン層に加えて他のホール注入層を含んでも い。それらの層は、陽極/ホール注入層/ホ ル輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰 の順に積層される。なお、陽極(酸化物半導 体層を含む)、陰極および発光層以外の層は 況によって省略可能である。これらは、基 (たとえば透明基板であり、たとえばガラス 板)の上に、陽極側から順に積層されてもよ いし、陰極側から順に積層されてもよい。本 発明の効果が得られる限り、これらの層の材 料には特に限定がなく、たとえば公知の有機 材料を用いることができる。

 発光層で生じた光が基板側から出射され 場合には、基板として、透明な材料(透光性 の材料)からなる基板が用いられる。たとえ 、ガラス基板や、ポリイミド基板などの樹 基板を用いることができる。発光層で生じ 光が基板側とは反対側から出射される場合 は、基板は透明であってもよいし、透明で くてもよい。

 ホール輸送層の材料としては、芳香族アミ 誘導体を用いることができる。たとえば、 リフェニルアミン誘導体(TPD、α-NPD、β-NPD、 MeO-TPD、TAPC)、フェニルアミン4量体(TPTE)、ス ーバースト型トリフェニルアミン誘導体(m-MT DADA、NATA、1-TNATA、2-TNATA)、スピロ型トリフェ ルアミン誘導体(Spiro-TPD、Spiro-NPD、Spiro-TAD) ルブレン、ペンタセン、銅フタロシアニン(C uPc)、チタニウムオキサイドフタロシアニン(T iOPc)、アルファ-セキシチオフェン(α-6T)を用 ることができる。発光層の材料としては、 とえば、アルミノキノリノール錯体(Alq 3 )、カルバゾール誘導体(MCP、CBP、TCTA)、トリ ェニルシリル誘導体(UGH2、UGH3)、イリジウム 体(Ir(ppy) 3 、Ir(ppy) 2 (acac)、FIrPic、Fir6、Ir(piq) 3 、Ir(btp) 2 (acac))、ルブレン、クマリン誘導体(Coumarin6、C 545T)、キナクリドン誘導体(DMQA)、ピラン誘導 (DCJTB)、ユーロピウム錯体(Eu(dbm) 3 (phen))が挙げられる。電子輸送層の材料とし は、たとえば、キノリノール錯体(Alq 3 、BAlq、Liq)、オキサジアゾール誘導体(OXD-7、P BD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナントロ ン誘導体(BCP、BPhen)、リンオキサイド誘導体 (POPy 2 )が挙げられる。有機化合物からなる電子注 層の材料としては、たとえば、リチウムフ ナンスリジオネート(Liph)が挙げられる。こ らの材料は、それぞれの特性を考慮して選 され組み合わされる。なお、1つの化合物が 異なる構成を有する素子において異なる機 を奏する層の材料となる場合がある。たと ば、Alq 3 は、発光層の材料となることもあるし、電子 輸送層の材料となることもあるし、発光層と 電子輸送層とを兼ねる層の材料となることも ある。

 なお、本発明の有機EL素子は、無機物から る無機層を含んでもよい。その無機層は、 機層を構成する各層の層間に配置されてい もよいし、有機層と電極(陽極および/または 陰極)との間に配置されていてもよい。たと ば、電子注入層は、無機物からなる層であ てもよい。電子注入層に用いることができ 無機材料としては、たとえば、リチウム、 シウム、バリウム、カルシウム、ナトリウ 、マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化 シウム、酸化リチウムおよびセシウムカー ネート(Cs 2 CO 3 )が挙げられる。

 陰極は、電子を注入するための電極であ 。陰極の材料としては、導電性を有する材 を用いることができ、たとえば、アルミニ ム、銀、ネオジウム-アルミニウム合金、金 -アルミニウム合金、マグネシウム-銀合金と った金属が挙げられる。陰極は、多層膜で 成されてもよい。

 本発明の典型的な一例では、発光層で生 た光が陽極側から出射される。ただし、本 明の効果が得られる限り、発光層で生じた が陰極側から出射されてもよい。その場合 は、陰極は、透明な導電性材料(たとえば上 述した酸化物半導体)で形成される。

 本発明の有機EL素子の一例では、有機層 うち陽極に隣接する層(陽極に最も近い層)は ホール輸送層である。その場合には、酸化モ リブデン層は、陽極とホール輸送層との間に 配置される。本発明の有機EL素子の他の一例 は、有機層のうち陽極に隣接する層は発光 である。その場合には、酸化モリブデン層 、陽極と発光層との間に配置される。本発 の有機EL素子の一例では、有機層が、陽極 隣接するホール輸送層を含み、そのホール 送層がα-NPDからなる。すなわち、その一例 は、有機層に含まれる層のうち陽極に最も い層がα-NPDからなる。また、有機層に含ま る層のうち陽極に最も近い層は、α-NPD、TPD 2-TNATA、α-6T、およびCuPcからなる群より選ば るいずれか1つからなるものであってもよく 、それらからなる群より選ばれる少なくとも 1つからなるものであってもよい。

 酸化モリブデン層は、三酸化モリブデン(MoO 3 )からなる層であってもよい。また、酸化モ ブデン層は、組成式がMoO x で表される酸化モリブデンからなる層であっ てもよい。一例では、xは、2.1≦x≦3.0(たとえ ば2.5≦x≦3.0)を満たす。xは、2.6以上または2.7 以上であってもよく、3未満であってもよい この明細書では、xの値を四捨五入すれば3と なる場合のMoO x 層を、三酸化モリブデン層という場合がある 。

 三酸化モリブデン層は、たとえば、MoO 3 を蒸着源とする真空蒸着法や、スパッタリン グ法などの気相成膜法で形成できる。なお、 MoO 3 を蒸着源とする真空蒸着法で三酸化モリブデ ン層を形成した場合、形成される酸化モリブ デン層の酸素濃度が蒸着源(MoO 3 )の酸素濃度よりも減少し、上記MoO x で表される酸化モリブデン層が形成される場 合がある。

 [有機EL素子の製造方法]
 本発明の有機EL素子の製造方法に限定はな 、たとえば公知の方法によって製造しても い。有機層および無機層は、真空蒸着法や パッタリング法といった気相成膜法で形成 てもよい。また、有機層は、有機材料を含 溶液を塗布することによって形成してもよ 。

 [第1の有機EL素子における酸化モリブデン層 ]
 本発明の第1の有機EL素子は、酸化モリブデ 層を厚さが均一な層であると仮定したとき 酸化モリブデン層の厚さが2nm未満であるこ を特徴とする。以下、酸化モリブデン層を さが均一な層であると仮定したときの酸化 リブデン層の厚さを、「仮想厚さ」という 合がある。仮想厚さは、0.25nm以上や0.5nm以 であってもよく、また、1.5nm以下や1nm以下で あってもよい。たとえば、仮想厚さは、0.25nm 以上2nm未満であってもよい。好ましい一例で は、仮想厚さは0.25nm以上1nm以下である。

 酸化モリブデン層は、たとえば、蒸着法 スパッタリング法といった気相成膜法で形 してもよい。酸化モリブデン層を、その厚 を測定しながら形成することは難しい場合 ある。そのため、気相成膜法で酸化モリブ ン層を形成する場合には、予め成膜速度を 定しておき、その成膜速度から成膜すべき 間を算出し、その時間だけ成膜することに って酸化モリブデン層の厚さを制御しても い。実施例では、この方法で見積もられた 化モリブデン層の厚さを「仮想厚さ」とし いる。

 本発明の第1の有機EL素子では、酸化物半 体層と有機層との界面に酸化モリブデン層 形成されている。この酸化モリブデン層は 酸化物半導体層と有機層とが部分的に接触 るように、酸化物半導体層と有機層との界 に不均一に形成されていてもよい。酸化モ ブデン層が不均一に形成されている状態の については、第2の有機EL素子の説明におい 述べる。

 [第2の有機EL素子における酸化モリブデン層 ]
 本発明の第2の有機EL素子は、酸化物半導体 と有機層との界面に、酸化物半導体層と有 層とが部分的に接触するように不均一に形 された酸化モリブデン層が配置されている とを特徴とする。

 第2の有機EL素子では、酸化物半導体層と 機層との界面には、酸化モリブデン層が不 一に形成されている。すなわち、第2の有機 EL素子では、酸化モリブデン層は、酸化物半 体層と有機層との界面の全体に形成されて るのではなく、その界面の一部のみに形成 れている。酸化モリブデン層は、酸化物半 体層と有機層との界面(酸化物半導体層の表 面)において、島状に形成されていてもよい また、酸化モリブデン層が形成されている 分と酸化モリブデン層が形成されていない 分とが、まだらになるように形成されてい もよい。

 第2の有機EL素子では、酸化モリブデン層 形成されている部分が均一に分散している とが好ましい。たとえば、酸化物半導体層 有機層との界面において、任意に10μm角(好 しくは0.5μm角)の領域を選択したときに、酸 化モリブデン層が形成されている領域と酸化 モリブデン層が形成されていない領域とが必 ず含まれるように、それらの領域が均一に分 散していることが好ましい。

 酸化モリブデン層は不均一に形成されて るため、その厚さは一定ではない。しかし 不均一な厚さの酸化モリブデン層をならし 均一な厚さの層にしたと仮定したときの酸 モリブデン層の厚さ(上記「仮想厚さ」)は2n m未満である。仮想厚さは、0.25nm以上や0.5nm以 上であってもよく、また、1.5nm以下や1nm以下 あってもよい。たとえば、仮想厚さは、0.25 nm以上2nm未満であってもよい。好ましい一例 は、仮想厚さは0.25nm以上1nm以下である。

 第2の有機EL素子では、酸化モリブデン層 陽極の全面に形成されていないことが重要 ある。現在のところ詳細は明らかではない 、酸化モリブデン層が陽極の表面に点在す ことによって、予想外の効果が得られると えられる。そのため、酸化モリブデン層が 一な膜とならないように、酸化モリブデン をごく薄く形成することが重要であると考 られる。

 第2の有機EL素子の製造において、酸化モ ブデン層を不均一に形成できる限り、酸化 リブデン層の形成方法に特に限定はない。 化モリブデン層は、たとえば、蒸着法やス ッタリング法といった気相成膜法で形成し もよい。真空蒸着法で薄い層(たとえば厚さ 1nm以下)を形成すると、不均一な層が形成さ ると考えられる。

 以下、実施例を用いて本発明をさらに詳 に説明する。実施例では、ITO層/酸化モリブ デン層に隣接する有機層の材料として、α-NPD 、TPD、2-TNATA、α-6T、およびCuPcを用いた。α-NP Dの構造を図1Aに示す。TPDの構造を図1Bに示す 2-TNATAの構造を図1Cに示す。α-6Tの構造を図1D に示す。CuPcの構造を図1Eに示す。

 [実施例1]
 実施例1では、ITO層/酸化モリブデン層に隣 する層の材料として、α-NPDを用いた。まず ITO層とα-NPD層との間に酸化モリブデン層(MoO 3 層)を配置したときのホール注入特性を評価 た。

 ホール注入特性の評価のために、ガラス/ITO 層(厚さ150nm)/MoO 3 ホール注入層/α-NPDホール輸送層(厚さ100nm)/MoO 3 電子ブロッキング層(厚さ10nm)/Al層(厚さ100nm) いう積層構造を有する素子を作製した。素 作製後はグローブボックス中で乾燥剤と共 封止し、一度も大気に暴露せずに素子特性 評価を行った。なお、ホール輸送層とAl層と の間に配置したMoO 3 層はAl層からの電子の流入を防止するための であり、陽極と有機層との間に配置される 化モリブデン層とは無関係である。

 有機層は圧力1×10 -4 ~4×10 -4 Paにおいて真空蒸着法で形成した。無機層(MoO 3 層を含む)は、圧力1×10 -3 ~3×10 -3 Paにおいて真空蒸着法で形成した。MoO 3 層は、MoO 3 の粉末を材料とする真空蒸着法によって形成 した。なお、MoO 3 を材料とする真空蒸着法で形成された酸化モ リブデン層の酸素の組成比は、MoO 3 よりも低い場合がある。しかし、MoO 3 を材料とする気相成膜法(たとえば真空蒸着 )で形成された層は一般的にMoO 3 層(三酸化モリブデン層)と呼ばれることが多 ため、実施例においてもMoO 3 層と表示する。

 MoO 3 層の蒸着速度は0.05nm/秒とした。α-NPD層の蒸 速度は0.1nm/秒とした。Al層の蒸着速度は0.3nm/ 秒とした。これらの蒸着速度は、予め、蒸着 速度測定用の厚い膜を形成して求めておいた 。

 MoO 3 ホール注入層の厚さは、0nm~20nmの範囲で変化 せた。なお、ここでいう「MoO 3 ホール注入層の厚さ」とは、前述の「仮想厚 さ」であり、MoO 3 ホール注入層を、厚さが均一で凹凸がない層 にならしたと仮定したときの厚さである。た とえば、仮想厚さが0.25nmのMoO 3 ホール注入層は、MoO 3 が5秒間だけITO層上に堆積するように蒸着装 のシャッターを操作して形成した。MoO 3 の蒸着速度が0.05nm/秒であったため、厚さが 一で凹凸がない層が形成されたと仮定する 、その厚さは0.25nmとなる。実際には均一な さの層は形成されず、ITO層上にはMoO 3 層が形成されている領域とMoO 3 層が形成されていない領域とが存在するが、 それらを均一にならしたと仮定すると厚さは 0.25nmである。ただし、MoO 3 ホール注入層は、ある程度以上の厚さになる とほぼ均一に隙間なく形成される。

 作製した素子に電流を流しても、エレクト ルミネッセンスは観測されなかった。この とから、素子にはホールのみが注入されて ることが確認された。作製した素子につい 、電流密度-電圧特性(J-V特性)を測定した。 定結果を図2に示す。図2中の「MoO 3 層単独」は、MoO 3 層単体の特性を示すデータであり、ガラス/IT O層(厚さ150nm)/MoO 3 層(厚さ100nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構造の 性を示す。

 図2に示すように、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さを0nmから0.75nmに増加 させるに従って電流密度が増加したが、仮想 厚さを0.75nmよりも大きくすると、逆に電流密 度が減少した。MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが0.75nmのときに電流 密度は極大となり、電流密度は電圧の2乗に 例していた。このことは、J-V特性が空間電 制限電流に支配されていることを示唆して る。このことは、ITO層からα-NPD層へのホー 注入に関して、両者の間に注入障壁の無い 合界面が形成されていることを実証するも である。

 次に、有機EL素子を作製して評価した。作 した有機EL素子10の構造を、図3に模式的に示 す。有機EL素子10は、ガラス基板11、ITO層12(厚 さ150nm)、MoO 3 ホール注入層(図示せず)、α-NPDからなるホー 輸送層13(厚さ60nm)、発光層14(厚さ65nm)、LiFか らなる電子注入層(厚さ0.5nm、図示せず)およ Al層15(100nm)を含む。ホール輸送層13および発 層14は、有機層20を構成する。MoO 3 ホール注入層は、ITO層12(陽極)とホール輸送 13との間に配置されている。電子注入層は、 発光層14とAl層15(陰極)との間に配置されてい 。発光層14の材料には、Alq 3 (アルミノキノリノール錯体)を用いた。発光 14で生じた光は、ITO層12およびガラス基板11 通って素子の外部に出射された。

 有機層および無機層は、ホール注入層の特 評価に用いた素子と同様の条件で作製した なお、Alq 3 の蒸着速度は0.1nm/秒とし、LiFの蒸着速度は0.0 1nm/秒とした。

 MoO 3 ホール注入層の厚さは、0nm~20nmの範囲で変化 せた。上述したように、「MoO 3 ホール注入層の厚さ」とは、MoO 3 ホール注入層を均一な厚さの層にならしたと 仮定したときの仮想厚さである。

 作製した有機EL素子について、J-V特性を測 した。J-V特性を図4に示す。所定の電流密度 対する駆動電圧は、MoO 3 ホール注入層の厚さが0.75nmのときに最も低く なった。厚さが0.75nmのMoO 3 ホール注入層を用いることによって、MoO 3 ホール注入層がない場合に比べ、駆動電圧を 約30%低減できた。

 電流密度が100mA/cm 2 となるときの駆動電圧と、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さとの関係を図5に示 。図5に示すように、駆動電圧は、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが0.25nm以上2nm未満の 範囲で低く、仮想厚さが0.25nm~1nmの範囲でよ 低く、仮想厚さが0.5nm~1nmの範囲で特に低か た。

 作製した有機EL素子を50mA/cm 2 の定電流で駆動し、寿命特性を評価した。評 価結果を図6に示す。図6の横軸は、駆動時間 示している。また、縦軸は、初期の輝度に する輝度の維持率を示している。

 輝度が初期の輝度の90%になるまでの駆動時 T 90 と、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さとの関係を図7に示 。図7に示すように、駆動時間T 90 は、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが0.25nm以上2nm未満の 範囲で長くなり、仮想厚さが0.25nm~1nmの範囲 特に長くなった。MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが0.25nm~1nmの範囲に る場合、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが2nm以上である場合 に比べて、駆動時間T 90 を2倍程度にすることができた。評価した条 では、MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが0.75nmのときに寿命 が最も長くなった。

 MoO 3 ホール注入層の仮想厚さが2nmよりも厚くなる と有機EL素子の特性(駆動電圧および寿命)が 化した。

 [実施例2]
 実施例2では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO 3 層/TPD層(40nm)/α-NPD層(厚さ50nm)/Alq 3 層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構 造を有する素子を作製した。有機層は圧力1× 10 -4 ~4×10 -4 Paにおいて真空蒸着法で形成した。無機層は 圧力1×10 -4 ~3×10 -3 Paにおいて真空蒸着法で形成した。MoO 3 層は、実施例1と同様の方法で作製した。MoO 3 層の仮想厚さは、0nm、0.5nmまたは10nmとした。 作製した素子の評価結果を、表1に示す。

 表1中の、駆動電圧、輝度および外部量子効 率は、電流密度が50mA/cm 2 であるときの値である。駆動時間T 92 は、50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときに、輝度 が初期の輝度の92%になるまでの駆動時間を示 している。50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときの駆動時 間と輝度の維持率との関係を、図8に示す。

 表1に示すように、MoO 3 層の仮想厚さが0.5nmの素子は駆動電圧が低か た。また、MoO 3 層の仮想厚さが0.5nmの素子の駆動時間T 92 は、MoO 3 層がない素子の100倍以上であり、MoO 3 層の仮想厚さが10nmである素子の2倍以上であ た。なお、寿命特性についてさらに実験を けたところ、輝度が初期の輝度の87%になる での駆動時間T 87 は、MoO 3 層の仮想厚さが0nmの素子で9.5時間、仮想厚さ が0.5nmの素子で348時間、仮想厚さが10nmの素子 で172時間であった。

 [実施例3]
 実施例3では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO 3 層/2-TNATA層(40nm)/α-NPD層(厚さ50nm)/Alq 3 層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構 造を有する素子を作製した。各層は、実施例 2と同様の方法で作製した。MoO 3 層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした 作製した素子の評価結果を、表2に示す。

 表2中の、駆動電圧、輝度および外部量子効 率は、電流密度が50mA/cm 2 であるときの値である。駆動時間T 73 は、50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときに、輝度 が初期の輝度の73%になるまでの駆動時間を示 している。50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときの駆動時 間と輝度の維持率との関係を、図9に示す。

 表2に示すように、MoO 3 層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T 73 は、MoO 3 層がない素子の約4倍、MoO 3 層の厚さが10nmである素子の1.8倍であった。 お、寿命特性についてさらに実験を続けた ころ、輝度が初期の輝度の66%になるまでの 動時間T 66 は、MoO 3 層の仮想厚さが0nmの素子で198時間、仮想厚さ が0.75nmの素子で516時間、仮想厚さが10nmの素 で334時間であった。

 [実施例4]
 実施例4では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO 3 層/α-6T層(40nm)/α-NPD層(厚さ50nm)/Alq 3 層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構 造を有する素子を作製した。各層は、実施例 2と同様の方法で作製した。MoO 3 層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした 作製した素子の評価結果を、表3に示す。

 表3中の、駆動電圧、輝度および外部量子効 率は、電流密度が50mA/cm 2 であるときの値である。駆動時間T 85 は、50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときに、輝度 が初期の輝度の85%になるまでの駆動時間を示 している。50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときの駆動時 間と輝度の維持率との関係を、図10に示す。

 表3に示すように、MoO 3 層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T 85 は、MoO 3 層がない素子の約2倍であった。なお、寿命 性についてさらに実験を続けたところ、輝 が初期の輝度の75%になるまでの駆動時間T 75 は、MoO 3 層の仮想厚さが0nmの素子で304時間、仮想厚さ が0.75nmの素子で630時間、仮想厚さが10nmの素 で500時間であった。

 [実施例5]
 実施例5では、ガラス/ITO層(厚さ150nm)/MoO 3 層/CuPc層(40nm)/α-NPD層(厚さ50nm)/Alq 3 層(70nm)/LiF層(0.5nm)/Al層(厚さ100nm)という積層構 造を有する素子を作製した。各層は、実施例 2と同様の方法で作製した。MoO 3 層の仮想厚さは、0nm、0.75nmまたは10nmとした 作製した素子の評価結果を表4に示す。

 表4中の、駆動電圧、輝度および外部量子効 率は、電流密度が50mA/cm 2 であるときの値である。駆動時間T 76 は、50mA/cm 2 の電流密度で素子を発光させたときに、輝度 が初期の輝度の76%になるまでの駆動時間を示 している。

 表4に示すように、MoO 3 層の仮想厚さが0.75nmの素子の駆動時間T 76 は、MoO 3 層がない素子の約1.6倍であった。

 以上の実施例に示したように、本発明に れば、有機EL素子の長寿命化を図ることが きる。また、本発明によれば、有機EL素子の 駆動電圧を下げることが可能である。

 [ITO層上のMoO 3 層の観察]
 ITO層上にMoO 3 層を形成し、その表面モルフォロジーを原子 間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)によって 察した。また、表面の平均粗さを測定した MoO 3 層の仮想厚さは、0.75nm、1.0nm、または3.0nmと た。

 MoO 3 層が形成されていないITO層の表面のAFM像を、 図11Aに示す。MoO 3 層が形成されていない場合には、表面の凹凸 が大きく、平均表面粗さは3.68nmであった。

 ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:0.75nm)の表面のAFM像を、図11Bに示 す。仮想厚さが0.75nmのMoO 3 層が形成されることによって、表面の凹凸が 少なくなっているが、ITO層に由来すると考え られる凹凸が依然として表面に見られた。そ のため、MoO 3 層は不均一に形成されていると考えられる。 平均表面粗さは2.99nmであった。

 ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:1.0nm)の表面のAFM像を、図11Cに示 。仮想厚さが1.0nmのMoO 3 層が形成されることによって、表面の凹凸が 図11Bよりも少なくなっている。しかし、ITO層 に由来すると考えられる凹凸が依然として表 面に見られるため、MoO 3 層は不均一に形成されていると考えられる。 平均表面粗さは1.67nmであった。

 ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:3.0nm)の表面のAFM像を、図11Dに示 。仮想厚さが3.0nmのMoO 3 層が形成されることによって、表面の凹凸が より少なくなり、AFM像にはITO層に由来すると 考えられる凹凸がほとんど見られなかった。 そのため、MoO 3 層は、ITO層の表面全体を覆うように形成され ていると考えられる。ITO層/MoO 3 層(仮想厚さ:3.0nm)の平均表面粗さは1.17nmであ た。

 本発明は、その意図および本質的な特徴 ら逸脱しない限り、他の実施形態に適用し る。この明細書に開示されている実施形態 、あらゆる点で説明的なものであってこれ 限定されない。本発明の範囲は、請求項に って示されており、請求項と均等な意味お び範囲にあるすべての変更はそれに含まれ 。

 本発明は、有機EL素子に適用できる。本 明の有機EL素子は従来の有機EL素子に比べて 寿命が格段に長いという特性を有する。有 EL素子の長寿命化は有機EL素子の長年の課題 であり、有機EL素子を利用する産業に本発明 与える影響は非常に大きい。本発明は、た えば、有機EL素子を用いたディスプレイパ ルなどに好ましく用いられる。