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Patent Searching and Data


Title:
ORGANIC ELECTROLUMINESCENCE ELEMENT AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087876
Kind Code:
A1
Abstract:
An organic electroluminescence element is provided with a substrate (111); a first electrode layer (121) arranged on a surface of the substrate; an organic base layer (141) which is arranged to cover at least a part of the first electrode layer and composed of a water-insoluble material; a bank (131B) which is arranged to cover a part of the organic base layer whereupon a plurality of pixel regions (132B) are arranged; an organic light emitting layer (142) arranged in the pixel region; and a second electrode layer (122) arranged on the organic light emitting layer.

Inventors:
ROKUHARA KOUICHI (JP)
AMAMIYA SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072983
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
December 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
ROKUHARA KOUICHI (JP)
AMAMIYA SATOSHI (JP)
International Classes:
H01L51/50; H05B33/10; H05B33/12; H05B33/22
Foreign References:
JP2007242272A2007-09-20
JP2007177225A2007-07-12
JPH11329744A1999-11-30
JP2004234901A2004-08-19
JP2007533104A2007-11-15
JP2004235128A2004-08-19
Other References:
See also references of EP 2234186A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building 2-5, Kasumigaseki 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 基板と、
 前記基板の面の少なくとも一部の領域上に設けられた第1電極層と、
 前記第1電極層の面の少なくとも一部の領域上に設けられており、水に不溶性の有機材料からなる有機下地層と、
 前記有機下地層上に設けられ、前記有機下地層がその上に複数の画素領域を有するように配置されたバンクと、
 前記有機下地層上であって前記画素領域内に設けられた有機発光層と、
 前記有機発光層上に設けられた第2電極層と
を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記有機下地層が正孔注入層である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記有機下地層として、第1の有機下地層及びその上に積層された第2の有機下地層を有し、前記第1の有機下地層が正孔注入層であり、前記第2の有機下地層がインターレイヤーである請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記有機下地層の抵抗率が1×10 10 ωcm以上である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記水に不溶性の有機材料が架橋高分子化合物である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
 基板を準備し、
 前記基板の面の少なくとも一部の領域上に第1電極層を設け、
 前記第1電極層の少なくとも一部の領域上に有機下地層を設け、
 前記有機下地層上にバンクを設け、
 前記バンクによって規定された画素領域内に有機発光層を設け、及び
 前記有機発光層の上に第2電極層を設ける、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
Description:
有機エレクトロルミネッセンス 子及びその製造方法

 本発明は、有機エレクトロルミネッセン 素子(以下、「有機EL素子」ということがあ 。)及びその製造方法に関する。

 従来、画素として多数の有機EL素子を有 る表示装置の製造において、基板上にポリ(3 ,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレ スルホネートを含む溶液をスピンコーティ グし、正孔注入層としての有機下地層を設 た後、該有機下地層上にバンクを設けた有 エレクトロルミネッセンス素子が開示され いる(特許文献1)。

特開2004-235128号公報

 しかしながら、フォトリソグラフィ法で ンクを形成する場合、即ちフォトレジスト を設けた後その層を露光、現像して層の一 を除去する工程において、有機EL素子の正 注入層の厚さが不均一になり、発光特性、 いては表示品質が損なわれるという課題が る。

 本発明の目的は、発光特性が良好であり ひいては表示品質を良好とすることができ 有機EL素子及び当該有機EL素子を容易に形成 できる製造方法を提供することにある。

 上記課題を解決するため本願発明者は鋭 検討したところ、特定の有機下地層を用い ば、有機下地層の上にバンク(画素領域を区 画する格子状の隔壁)を設けても有機下地層 損なわれず、その結果として、発光強度の らつきの少ない良好な発光特性、ひいては 示品質を得ることができる有機EL素子を容易 に形成しうることを見出し、本発明を完成す るに至った。

 即ち、本発明によれば、下記のものが提供 れる:
〔1〕 基板と、前記基板の面の少なくとも一 部の領域上に設けられた第1電極層と、前記 1電極層の面の少なくとも一部の領域上に設 られており、水に不溶性の有機材料からな 有機下地層と、前記有機下地層上に設けら 、前記有機下地層がその上に複数の画素領 を有するように配置されたバンクと、前記 機下地層上であって前記画素領域内に設け れた有機発光層と、前記有機発光層上に設 られた第2電極層とを備える、有機エレクト ロルミネッセンス素子。
〔2〕 前記有機下地層が正孔注入層である、 〔1〕に記載の有機エレクトロルミネッセン 素子。
〔3〕 前記有機下地層として、第1の有機下 層及びその上に積層された第2の有機下地層 有し、前記第1の有機下地層が正孔注入層で あり、前記第2の有機下地層がインターレイ ーである、〔1〕に記載の有機エレクトロル ネッセンス素子。
〔4〕 前記有機下地層の抵抗率が1×10 10 ωcm以上である、〔1〕から〔3〕のいずれか1 に記載の有機エレクトロルミネッセンス素 。
〔5〕 前記水に不溶性の有機材料が架橋高分 子化合物である、〔1〕から〔4〕のいずれか1 つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素 子。
〔6〕 〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方 法であって、基板を準備し、前記基板の面の 少なくとも一部の領域上に第1電極層を設け 前記第1電極層の少なくとも一部の領域上に 機下地層を設け、前記有機下地層上にバン を設け、前記バンクによって規定された画 領域内に有機発光層を設け、及び前記有機 光層の上に第2電極層を設ける、有機エレク トロルミネッセンス素子の製造方法。

 本発明の有機EL素子は、バンクの下に発 素子の積層構造の一部として有機下地層を する。さらに当該有機下地層として水に不 性の有機材料を用いる。したがって、有機EL 素子の発光特性、ひいては表示品質をより良 好にすることができる。また本発明の有機EL 子の製造方法によれば、前述した構成を有 る本発明の有機EL素子を容易に製造するこ ができる。

図1は、本発明の有機EL素子の製造方法 一例における製造工程を示す断面図である 図2は、図1に示す製造工程に続く製造 程を示す断面図である。 図3は、本発明の有機EL素子の一例の一 分の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の有機EL素子の別の一例 一部分の構成を示す断面図である。 図5は、本発明の有機EL素子の一例にお る基板及び電極の位置関係を示す斜視図で る。 図6は、本発明の有機EL素子の別の一例 一部分の構成を示す断面図である。

符号の説明

 111 基板
 121 第1電極層
 122 第2電極層
 131A フォトレジスト層
 131B バンク
 132R 画素領域
 141、641A、641B 有機下地層
 142 発光層

 以下において、図を参照して、本発明の 施形態につき詳細に説明する。なお、各図 、発明が理解できる程度に、構成要素の形 、大きさ及び配置が概略的に示されている 過ぎない。本発明は以下の記述によって限 されるものではなく、各構成要素は本発明 要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可 である。また以下の説明に用いる各図にお て、同様の構成要素については同一の符号 付して示し、重複する説明を省略する場合 ある。

 本発明の有機EL素子は、基板と、前記基 の面の少なくとも一部の領域上に設けられ 第1電極層と、前記第1電極層の面の少なくと も一部の領域上に設けられた有機下地層と、 前記有機下地層上に設けられ、前記有機下地 層がその上に複数の画素領域を有するように 配置されたバンクと、前記有機下地層上であ って前記画素領域内に設けられた有機発光層 と、前記有機発光層上に設けられた第2電極 とを備える。

1.基板
 本発明に用いる基板としては、有機EL素子 用いられる各種の基板を採用することがで る。有機EL素子の層の構成に関する記載にお いては、特に断らない限り「上」「下」及び 「水平」方向は、基板を水平に置き、その上 方に発光層及び他の層を設けた場合の位置関 係を示す。

2.電極層
 本発明の有機EL素子は、電極として、基板 に設けられる第1電極層、及び有機下地層及 発光層の上に設けられる第2電極層を含む。 これらの一方を陽極、他方を陰極とする。第 1電極層を陽極とすることが多いがこれに限 れず第2電極層を陽極とすることもできる。

 電極層の具体的な形状は、特に限定され 、セグメント表示素子、ドットマトリック 表示素子などに適した各種の形状とするこ ができる。好ましくは、アクティブマトリ クス表示素子又はパッシブマトリックス表 素子などのドットマトリックス表示素子を 成する形状とすることができる。第1電極層 は、基板の面の全面に設けられていてもよい が、通常、多数の画素を構成するためのパタ ーンに従い、基板の面上の一部の領域上に設 けられる。

 パッシブマトリクスを構成する電極層の 状の一例の概略を、図5に示す。図5は、本 の有機EL素子の一例における基板及びパッシ ブマトリクス型電極の位置関係を示す斜視図 である。この例においては、基板111の面上に 、第1電極層121を互いに平行な線状に設け、 れに交差する態様で、第2電極層122を設けて る。各電極に接続して、電圧を印加して表 装置を駆動するための回路(不図示)を設け ことができる。第1電極層121及び第2電極層122 の交点のそれぞれにおいて、後述するバンク により規定される画素領域(図5において不図 )を設けることができる。

3.有機下地層
 本発明の有機EL素子において、有機下地層 、前記第1電極層の面の少なくとも一部の領 上に設けられる。
 有機下地層が第1電極層の「少なくとも一部 の領域上」に設けられるとは、第1電極層の 側の面上の少なくとも一部の領域に有機下 層が存在している領域があることをいう。 って、第1電極層の上面の全てを有機下地層 覆っていてもよく、第1電極層の上面の一部 のみを有機下地層が覆っていてもよい。ただ し、通常、第1電極層のうち、後述する画素 域に属する部分は、その全面を有機下地層 覆うよう構成される。また、基板の面上の 前記第1電極層で覆われていない部分につい は、有機下地層で覆われていてもよく、覆 れていなくてもよい。

 有機下地層は、1枚の基板の面上の一部又 は全部の領域を、1つの領域からなる有機下 層のみが占めている状態でもよく、また1枚 基板の面が複数の領域に区分され、それぞ の区分された領域を、有機下地層の複数の えば島状の部分領域が占める、即ち有機下 層が互いに分離された複数の部分領域を含 で設けられている状態でもよいことをいう

 本発明の好ましい態様においては、有機 地層は、基板上の複数の画素領域を包含す 領域全面を覆うよう、より好ましくは基板 の全ての画素領域を包含する領域全面を覆 よう設けられる。このような態様で有機下 層を設けることにより、均一な有機下地層 、スピンコート法などの簡便な方法で形成 ることができる。

 このような有機下地層の構造を、再び図5 を参照して説明すると、有機下地層(不図示) 、電極121及び122の交点で示される画素領域 てを含む領域111Cにおいて、基板111の表面上 の第1電極層121、及び基板111の表面上の第1電 層が形成されていない部分の両方にわたっ 、一体となった層として設けられることが ましい。

 さらに、このような有機下地層の構造を 図3を参照して説明する。図3は、図5と同様 パッシブマトリクス型の電極を有する本発 の有機EL素子の一例の一部の構成を示す断 図である。この例において、基板111上の上 は複数の第1電極層121が設けられ、第1電極層 121、及びその間隙の第1電極層121で覆われて ない基板111表面の両方にわたり、有機下地 141が一体となった層として連続的に形成さ ている。このような構成とすることにより 第1電極層の上に、第1電極層上において均一 な厚さを有し、且つ画素領域間における厚さ のばらつきの少ない有機下地層を、スピンコ ート法などの簡便な手法で容易に設けること ができる。

 図3に示す通り、本発明の有機EL素子は、積 構造を有しない1層の有機下地層のみからな ってもよい。
 しかしながら、図6に示す通り、積層構造を 有する2層以上の有機下地層を有していても く、さらに3層以上の有機下地層を有してい もよい。図6は、本発明の有機EL素子の別の 例の一部分の構成を示す断面図である。
 図6に示す例においては、有機EL素子は、基 111及び第1電極層121の両方を覆う第1の有機 地層641A及びその上に積層された第2の有機下 地層641Bの2層を有している。有機下地層は、3 層以上の層として設けると、電極とバンクと の間隔が大きくなり、隣接する画素領域との クロストークを招くおそれがあるので、好ま しくは1層又は2層とすることができる。
 上で述べたように、基板の面が複数の領域 区分され、それぞれの領域をそれぞれ別の 機下地層(部分領域)が占め、複数の部分領 を含む有機下地層が設けられている場合は その区分された部分領域のそれぞれにおい 、1層の有機下地層又は2層以上の積層された 有機下地層を有することができる。

 本発明の有機EL素子における有機下地層は 有機EL素子を構成するために必要な層であっ て第1電極層以外のいずれかの層の機能を有 ることができる。通常は、有機EL素子におい て電極と発光層との間に形成される層の一部 の層又は全ての層とすることができる。
 例えば、第1電極層が陽極である場合、有機 下地層は、正孔注入層、インターレイヤー及 び正孔輸送層のうちの1層以上とすることが きる。より好ましい態様において、本発明 有機EL素子は、有機下地層として正孔注入層 である1層のみを有するか、又は第1の有機下 層及びその上に積層された第2の有機下地層 を有し、第1の有機下地層を正孔注入層とし 2の有機下地層をインターレイヤーとするこ ができる。
 一方、第1電極層が陰極である場合、有機下 地層は、電子注入層、インターレイヤー及び 電子輸送層のうちの1層以上とすることがで る。より好ましい態様において、本発明の 機EL素子は、有機下地層として電子注入層で ある1層のみを有するか、又は第1の有機下地 及びその上に積層された第2の有機下地層を 有し、第1の有機下地層を電子注入層とし第2 有機下地層をインターレイヤーとすること できる。

 本発明において、有機下地層の抵抗率は、 ましくは1×10 10 ωcm以上である。
ここで、有機下地層の抵抗率は、抵抗率計( えばダイアインスツルメンツ社製 ロレスタ GP MCP-T610型)により測定することができる。

 本発明において、有機下地層は、水に不 性の有機材料からなる。有機下地層が複数 層からなる場合、少なくとも最上のバンク 接する層が、好ましくは全ての層が、水に 溶性の有機材料からなる。本発明に用いら る有機下地層は、水に不溶性の有機材料か なるため、有機下地層上に水を含む溶液を 布した場合でも、当該層の膜厚が実質的に 少しない。水に不溶性の有機材料としては 水1gに溶解する量が0.1mg以下であることが好 ましく、0.01mg以下であることがより好ましく 、0.001mg以下であることがさらに好ましい。

 本発明においては、素子を構成する層の1 層以上を有機下地層としてバンクの下に設け ることにより、スピンコート法などの簡易な 成膜方法で形成しうるという利点を享受する と共に、有機下地層として水に不溶性の材料 を採用することにより、この後のバンクの形 成の工程においても有機下地層が損なわれず 、その結果として、良好な発光特性、ひいて は高品質な表示性能を得ることができる。

4.バンク
 本発明において、バンクは、有機下地層上 設けられ、有機下地層が複数の部分領域に 画されている場合には、有機下地層のそれ れの上に複数の画素領域を規定する。ここ 、有機下地層の「それぞれの上に複数の」 素領域を規定するとは、基板上に設けられ 有機下地層が、互いに分離された複数の部 領域を有する場合は、それぞれの部分領域 に複数の画素領域が規定されることを意味 る。基板上に有機下地層が1つの領域のみと して存在する場合は、勿論その上に全ての画 素領域が規定される。このような構成とする ことにより、本発明の有機EL素子においては 隣接する複数の画素における有機下地層が 体に形成されることとなる。即ち、基板表 上の隣接する複数の画素、好ましくは基板 面上の全ての画素の存在する一領域におい 、有機下地層が別個の部分領域を有するの はなく連続して一体となった層となる。

 上記構成を、再び図3の例を参照して説明 すると、バンク131Bは、電極121及び121が上下 存在する矩形の領域132R内に画素領域が規定 れるよう、その周囲を囲んで、有機下地層1 41上に設けられる。即ち、バンクに周囲を囲 れ、バンクが存在しない領域132Rが画素領域 となり、有機下地層141の互いに分離された複 数の部分領域のうちの1つの上に、複数の画 領域132Rが規定される。

5.有機発光層
 本発明において、有機発光層は、バンクに って規定された画素領域内に設けられる。 して、このように設けられた有機発光層の にさらに、上に述べた第2電極層を形成する ことにより有機EL素子を構成することができ 。図3の例を参照して説明すると、有機発光 層142は、バンク131Bで規定された画素領域132R に充填される形で設けられ、第1電極層121の 上に、有機下地層141を介して積層されている 。この上に、第1電極層121と直交するように 2電極層122を設けることにより、第1電極層及 び第2電極層の間に有機下地層及び発光層が 層された有機EL素子を構成することができる 。

6.封止部材
 図5に示す通り、本発明の有機EL素子はさら 、前記各層を挟んで基板と反対側に、封止 ための部材を有することができる。図5は、 本発明の有機EL素子の一例における基板及び 極の位置関係を示す斜視図である。
 封止部材は、例えば、画素領域を含む領域1 11Cの周辺の領域111Sに設けられた接着層を介 て、基板111と貼り合わせることにより、素 を構成する各層を封止することができる。

7.その他の構成要素
 図4に示す通り、本発明の有機EL素子は、上 構成要素に加えて、さらに他の構成要素を することができる。図4は、本発明の有機EL 子の別の一例の一部分の構成を示す断面図 ある。
 具体的には例えば、バンクにより規定され 画素領域内に、有機発光層に加えてさらに1 層以上の他の層を有していてもよい。本発明 の有機EL素子は、例えば第1電極層121と第2電 層122との間の積層構造140を、有機下地層141 び有機発光層142に加えて、さらに他の層143 設けた3層で構成している。

 上記必須の構成要素及び任意の構成要素 よる本発明の有機EL素子の層の構成につい 、以下により具体的に説明する。

 一般に、有機EL素子は、少なくとも1対の 極(陽極及び陰極)を有し、その間に少なく も有機発光層を有する。陽極と有機発光層 の間には任意に正孔注入層を有することが き、さらに、有機発光層と正孔注入層(正孔 入層が存在する場合)又は陽極(正孔注入層 存在しない場合)との間に任意にインターレ ヤー、正孔輸送層のうちの1層以上を有する ことができる。一方、陰極と有機発光層との 間には任意に電子注入層を有することができ 、さらに、有機発光層と電子注入層(電子注 層が存在する場合)又は陰極(電子注入層が存 在しない場合)との間に任意にインターレイ ー、電子輸送層のうちの1層以上を有するこ ができる。即ち有機EL素子は下記の層構成a) を有することができ、又は、層構成a)から正 注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、 子輸送層、電子注入層の1層以上を省略した 層構成を有することもできる。

 a)陽極-正孔注入層-(正孔輸送層及び/又は ンターレイヤー)-発光層-(電子輸送層及び/ はインターレイヤー)-電子注入層-陰極

 ここで、符号「-」は各層が隣接して積層 されていることを示す。「(正孔輸送層及び/ はインターレイヤー)」は、正孔輸送層のみ からなる層、インターレイヤーのみからなる 層、正孔輸送層-インターレイヤーの層構成 インターレイヤー-正孔輸送層の層構成、又 その他の、正孔輸送層及びインターレイヤ をそれぞれ一層以上含む任意の層構成を示 。「(電子輸送層及び/又はインターレイヤ )」は、電子輸送層のみからなる層、インタ レイヤーのみからなる層、電子輸送層-イン ターレイヤーの層構成、インターレイヤー- 子輸送層の層構成、又はその他の、電子輸 層及びインターレイヤーをそれぞれ一層以 含む任意の層構成を示す。以下の層構成の 明においても同様である。

 さらに、有機EL素子は、一つの積層構造 に2層の発光層を有することができる。この 合、有機EL素子は下記の層構成b)を有するこ とができ、又は、層構成b)から正孔注入層、 孔輸送層、インターレイヤー、電子輸送層 電子注入層の1層以上を省略した層構成を有 することもできる。

 b)陽極-正孔注入層-(正孔輸送層及び/又は ンターレイヤー)-発光層-(電子輸送層及び/ はインターレイヤー)-電子注入層-電極-正孔 入層-(正孔輸送層及び/又はインターレイヤ )-発光層-(電子輸送層及び/又はインターレ ヤー)-電子注入層-陰極

 さらに、有機EL素子は、一つの積層構造 に3層以上の発光層を有することができる。 の場合、有機EL素子は下記の層構成c)を有す ることができ、又は、層構成c)から正孔注入 、正孔輸送層、インターレイヤー、電子輸 層、電子注入層の1層以上を省略した層構成 を有することもできる。

 c)陽極-正孔注入層-(正孔輸送層及び/又はイ ターレイヤー)-発光層-(電子輸送層及び/又 インターレイヤー)-電子注入層-繰返し単位A- 繰返し単位A・・・-陰極
 ここで「繰返し単位A」は、電極-正孔注入 -(正孔輸送層及び/又はインターレイヤー)-発 光層-(電子輸送層及び/又はインターレイヤー )-電子注入層の層構成の単位を示す。

 本発明の有機EL素子も、上記の一般的な 機EL素子がとりうるものと同様の層構成とす ることができる。そして、第1電極層を陽極 した場合は、陽極に近い側の1層以上、好ま くは1層又は2層を、有機下地層とすること でき、それよりも陽極から遠い層を、バン により規定された画素領域内に設けること できる。一方、第1電極層を陰極とした場合 陰極に近い側の1層以上、好ましくは1層又 2層を、有機下地層とすることができる。

 本発明の有機EL素子の層構成の好ましい 体的としては、下記のものが挙げられる。 記において、記号< >で囲まれた要素は 機下地層として設けられる層を示し、その のもので且つ電極以外のものはバンクによ 規定された画素領域内に設けられる層を示 。

 d)陽極-<正孔注入層>-有機発光層-陰極
 e)陽極-<正孔輸送層>-有機発光層-陰極
 f)陽極-<インターレイヤー>-有機発光層- 陰極
 g)陽極-<正孔注入層-正孔輸送層>-有機発 光層-陰極
 h)陽極-<正孔注入層-インターレイヤー>- 有機発光層-陰極
 i)陽極-<正孔注入層>-正孔輸送層-インタ ーレイヤー-有機発光層-陰極
 j)陽極-<正孔輸送層>-インターレイヤー- 有機発光層-陰極
 k)陽極-<正孔注入層-正孔輸送層>-インタ ーレイヤー-有機発光層-陰極
 d 2 )~k 2 ) 上記d)~k)において、有機発光層と陰極との に、さらに電子注入層を有するもの。
 d 3 )~k 3 ) 上記d)~k)において、有機発光層と陰極との に、さらにインターレイヤー-電子輸送層を 有するもの。
 d 4 )~k 4 ) 上記d 2 )~k 2 )において、有機発光層と電子注入層との間 、さらにインターレイヤー-電子輸送層を有 るもの。
 なお、上記の例示に示されるとおり、イン ーレイヤーが存在する場合は、インターレ ヤーは発光層に隣接することが好ましい。

 本発明の有機EL素子は、さらに電極との密 性向上や電極からの電荷(即ち正孔又は電子) の注入の改善のために、電極に隣接して膜厚 2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面 の密着性向上や混合の防止などのために電荷 輸送層(即ち正孔輸送層又は電子輸送層)又は 機発光層の界面に薄いバッファー層を挿入 てもよい。
 積層する層の順番や数、及び各層の厚さに いては、発光効率や素子寿命を勘案して適 用いることができる。

 本発明の有機EL素子を、基板側から出光 るボトムエミッション型の表示装置用の素 として構成する場合、少なくとも有機発光 よりも基板側の全ての層を、透明又は半透 とすることができる。一方、基板と反対の 側から出光するトップエミッション型の表 装置用の素子として構成する場合は、少な とも有機発光層よりも第2電極層側の全ての を、透明又は半透明とすることができる。

 例えば図3に示す有機EL素子がボトムエミ ション型の表示装置用の素子である場合、 機発光層142よりも基板側の全ての層、即ち 機下地層141、第1電極層121及び基板111の全て が透明又は半透明となるよう素子を構成しう る。一方、図3に示す有機EL素子がトップエミ ッション型の表示装置用の素子である場合、 有機発光層142よりも第2電極層側の全ての層 即ち第2電極層122及び封止部材(不図示)の全 が透明又は半透明となるよう素子を構成し る。ここで透明又は半透明とは、発光層か 光を放出する層までの可視光透過率が40%以 であることが好ましい。紫外領域又は赤外 域の発光が求められる素子の場合は、当該 域において40%以上の透過率を有することが ましい。

 本発明の有機EL素子は、さらに必要に応 て、カラーフィルター又は蛍光変換フィル ーなどのフィルター、画素の駆動に必要な 線などの、表示素子を構成するための任意 構成要素を有することができる。

8.各層を構成する材料
 次に、本発明の有機EL素子を構成する各層 材料及び形成方法について、より具体的に 明する。

<基板>
 本発明の有機EL素子を構成する基板は、電 を形成し、有機物の層を形成する際に変化 ないものであればよく、例えばガラス、プ スチック、高分子フィルム、シリコン基板 これらを積層したものなどが用いられる。 記基板としては、市販のものが入手可能で り、又は公知の方法により製造することが きる。

<陽極>
 本発明の有機EL素子の陽極としては、透明 は半透明の電極を用いることが、陽極を通 て発光する素子を構成しうるため好ましい かかる透明電極又は半透明電極としては、 気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や 属の薄膜を用いることができ、透過率が高 ものが好適に利用でき、用いる有機層によ 適宜、選択して用いる。具体的には、酸化 ンジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれ の複合体であるインジウム・スズ酸化物(ITO) 、インジウム・亜鉛酸化物などからなる導電 性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、 金、白金、銀、銅などが用いられ、ITO、イン ジウム・亜鉛酸化物、酸化スズが好ましい。 作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリ ング法、イオンプレーティング法、メッキ法 などが挙げられる。また、該陽極として、ポ リアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン 又はその誘導体などの有機の透明導電膜を用 いてもよい。
 陽極には、光を反射させる材料を用いても く、該材料としては、仕事関数3.0eV以上の 属、金属酸化物、金属硫化物が好ましい。

 陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度 を考慮して、適宜選択することができるが 例えば10nm~10μmであり、好ましくは20nm~1μmで あり、さらに好ましくは50nm~500nmである。

<正孔注入層>
 正孔注入層は、陽極と正孔輸送層との間、 は陽極と発光層との間に設けることができ 。
 本発明の有機EL素子において、正孔注入層 形成する材料としては、フェニルアミン系 スターバースト型アミン系、フタロシアニ 系、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化 ングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニ ム、酸化アルミニウムなどの酸化物、アモ ファスカーボン、ポリアニリン又はその誘 体、ポリフルオレン又はその誘導体、ポリ リールアミン又はその誘導体、ポリチオフ ン又はその誘導体などが挙げられる。

 正孔注入層の膜厚は、用いる材料によっ 最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適 な値となるように選択すればよいが、少な ともピンホールが非発生となる厚さが必要 あり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高 なってしまうおそれがある。従って、該正 注入層の膜厚としては、例えば1nmから1μmで あり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好ま しくは5nm~200nmである。

 正孔注入層の成膜の方法に制限はないが 低分子正孔注入材料では、高分子バインダ との混合溶液からの成膜による方法が例示 れる。また、高分子正孔注入材料では、溶 からの成膜による方法が例示される。

 溶液からの成膜に用いる溶媒としては、 孔注入材料を溶解させるものであれば特に 限はない。該溶媒として、クロロホルム、 化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系 媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系 媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化 素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン どのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチ 、エチルセルソルブアセテートなどのエス ル系溶媒が例示される。

 溶液からの成膜方法としては、溶液から スピンコート法、キャスティング法、マイ ログラビアコート法、グラビアコート法、 ーコート法、ロールコート法、ワイアーバ コート法、ディップコート法、スリットコ ト法、キヤピラリーコート法、スプレーコ ト法、ノズルコート法などのコート法、グ ビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ 刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、イ クジェットプリント法などの印刷法といっ 塗布法を用いることができる。パターン形 が容易であるという点で、グラビア印刷法 スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフ ット印刷法、反転印刷法、インクジェット リント法などの印刷法が好ましい。

 混合する高分子バインダーとしては、電 輸送を極度に阻害しないものが好ましく、 た可視光に対する吸収が強くないものが好 に用いられる。該高分子バインダーとして ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ メチルアクリレート、ポリメチルメタクリ ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ シロキサンなどが例示される。

 本発明において、正孔注入層を水に不溶 の有機下地層として設ける場合、ポリアニ ン又はその誘導体、ポリフルオレン又はそ 誘導体、ポリアリールアミン又はその誘導 、ポリチオフェン又はその誘導体からなる から連ばれる高分子化合物であって親水基 有さない高分子化合物を正孔注入層の材料 して用いることが好ましい。特に好ましい 孔注入層の材料としては、下記式(1)で表さ る繰り返し単位を有する高分子化合物、下 式(2)で表される繰り返し単位を有する高分 化合物、下記式(1)で表される繰り返し単位 び下記式(2)で表される繰り返し単位を有す 高分子化合物があげられる。

[式(1)及び(2)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基 又はアリール基を表す。R 1 とR 2 とは互いに結合して環を形成していてもよい 。R 3 ~R 7 から選ばれる任意の2個の置換基が互いに結 して環を形成していてもよい。]

 前記アルキル基は、炭素数が通常1~20であ り、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアル キル基でもよい。アルキル基の具体例として は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i- ロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチ 基、s-ブチル基、3-メチルブチル基、n-ペン ル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n -ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n- シル基、n一ラウリル基などが挙げられる。

 前記アリール基は、炭素数が通常6~60であり 、置換基を有していてもよい。アリール基が 有している置換基としては、炭素数1~20の直 状、分岐状のアルキル基又は炭素数1~20のシ ロアルキル基があげられる。アリール基の 体例としては、フェニル基、C 1 ~C 12 アルキルフェニル基(C 1 ~C 12 は、炭素数1~12であることを示
す。以下も同様である。)、1-ナフチル基、2- フチル基などが挙げられ、炭素数6~20のアリ ール基が好ましく、C 1 ~C 12 アルキルフェニル基がより好ましい。

 R 1 とR 2 とは互いに結合して環を形成していてもよく 、R 3 ~R 7 から選ばれる任意の
2個の置換基が互いに結合して環を形成して てもよい。当該環としては、シクロブタン 、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、 クロヘプタン環、シクロオクタン環、シク ノナン環、シクロデカン環、シクロヘキセ 環、シクロヘキサジエン環、シクロオクタ リエン環などが挙げられる。

<正孔輸送層>
 正孔輸送層を構成する材料としては、ポリ ニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポ シラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは 鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン 導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン 導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジ ミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘 体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、 リアリールアミン若しくはその誘導体、ポ フルオレン若しくはその誘導体、ポリピロ ル若しくはその誘導体、ポリ(p-フェニレン ニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5- エニレンビニレン)若しくはその誘導体など が例示される。

 正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが 低分子正孔輸送材料では、高分子バインダ との混合溶液からの成膜による方法が例示 れる。また、高分子正孔輸送材料では、溶 からの成膜による方法が例示される。溶液 らの成膜に用いる溶媒は前述の正孔注入層 成膜に用いる溶媒と同様の溶媒が挙げられ 。溶液からの成膜方法としては、前述の正 注入層を溶液から成膜する方法と同様の成 方法が挙げられる。

 正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料 よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効 が適度な値となるように選択すればよいが 少なくともピンホールが発生しないような さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆 電圧が高くなるおそれがある。従って、該 孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μm であり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好 ましくは5nm~200nmである。

 本発明において、正孔輸送層を水に不溶 の有機下地層として設ける場合、ポリビニ カルバゾール若しくはその誘導体、ポリシ ン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖 芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導 、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリ ルオレン若しくはその誘導体、ポリアリー アミン若しくはその誘導体、ポリチオフェ 若しくはその誘導体、ポリピロール若しく その誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)若 しくはその誘導体、又はポリ(2,5-チエニレン ニレン)若しくはその誘導体からなる群から 選ばれる高分子化合物であって親水基を有さ ない高分子化合物を正孔輸送層の材料として 用いることが好ましい。特に好ましい正孔輸 送層の材料としては、前記式(1)で表される繰 り返し単位を有する高分子化合物、前記式(2) で表される繰り返し単位を有する高分子化合 物、前記式(1)で表される繰り返し単位及び前 記式(2)で表される繰り返し単位を有する高分 子化合物があげられる。

<インターレイヤー>
 インターレイヤーを構成する材料としては ポリアリールアミン又はその誘導体、ポリ ルオレン又はその誘導体などが例示される

 インターレイヤーの成膜の方法に制限は いが、溶液からの成膜による方法が例示さ る。溶液からの成膜に用いる溶媒は前述の 孔注入層の成膜に用いる溶媒と同様の溶媒 挙げられる。溶液からの成膜方法としては 前述の正孔注入層を溶液から成膜する方法 同様の成膜方法が挙げられる。

 インターレイヤーの膜厚としては、用い 材料によって最適値が異なり、駆動電圧と 光効率が適度な値となるように選択すれば いが、少なくともピンホールが発生しない うな厚さが必要であり、あまり厚いと、素 の駆動電圧が高くなるおそれがある。従っ 、該インターレイヤーの膜厚としては、例 ば1nmから1μmであり、好ましくは2nm~500nmであ り、さらに好ましくは5nm~20nmである。

 本発明において、インターレイヤーを水 不溶性の有機下地層として設ける場合、ポ フルオレン又はその誘導体、ポリアリール ミン又はその誘導体からなる群から選ばれ 高分子化合物であって親水基を有さない高 子化合物をインターレイヤーの材料として いることが好ましい。特に好ましい正孔輸 層の材料としては、前記式(1)で表される繰 返し単位を有する高分子化合物、前記式(2) 表される繰り返し単位を有する高分子化合 、前記式(1)で表される繰り返し単位及び前 式(2)で表される繰り返し単位を有する高分 化合物があげられる。

 本発明に用いられる有機下地層は、水に 溶性の架橋高分子化合物からなることが好 しい。該架橋高分子化合物は、架橋基を有 る高分子化合物を硬化させて製造してもよ 、高分子化合物と架橋剤との混合物を硬化 せて製造してもよい。

<バンク>
 バンクは、例えば感光性ポリイミドを材料 して用いて形成することができる。バンク 、下部電極を実質的に包囲するように形成 れる。バンクの厚みとしては、0.1~5μm程度 よい。バンクの材料としては、加熱による 化が少ない、即ち耐熱性に優れた有機材料 用いるのが望ましく、ポリイミドの他に、 クリル系(メタクリル系)やノボラック系の樹 脂材料を用いてもよい。これらの樹脂材料に は、パターニングを容易にするため、感光性 が付加されていることが望ましい。感光性を 有する有機材料を用いると、材料の塗布、プ リベーク、露光、現像、ポストベークという 一連のプロセスで、バンクを形成できる。露 光光としてはUV光のg、h、i線の混合光であっ もよく、g、h、i線の単波長であってもよい 現像液としては、有機、無機アルカリの水 液を使用できる。

<発光層>
 発光層は、本発明においては有機発光層で ることが好ましく、通常、主として蛍光又 りん光を発光する有機物(低分子化合物及び 高分子化合物)を有する。なお、さらにドー ント材料を含んでいてもよい。本発明にお て用いることができる発光層を形成する材 としては、例えば以下のものが挙げられる

色素系材料
 色素系材料としては、例えば、シクロペン ミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘 体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オ サジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘 体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリ アリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオ ェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノ 誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェ 誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキ ジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー どが挙げられる。

金属錯体系材料
 金属錯体系材料としては、例えば、イリジ ム錯体、白金錯体などの三重項励起状態か の発光を有する金属錯体、アルミキノリノ ル錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯 、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチ ゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポ フィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など 中心金属に、Al、Zn、Beなど、又はTb、Eu、Dy どの希土類金属を有し、配位子にオキサジ ゾール、チアジアゾール、フェニルピリジ 、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン 造などを有する金属錯体などを挙げること できる。

高分子系材料
 高分子系材料としては、ポリパラフェニレ ビニレン又はその誘導体、ポリチオフェン はその誘導体、ポリパラフェニレン又はそ 誘導体、ポリシラン又はその誘導体、ポリ セチレン又はその誘導体、ポリフルオレン はその誘導体、ポリビニルカルバゾール又 その誘導体、上記色素系材料や金属錯体系 料を高分子化したものなどが挙げられる。
 上記発光性材料のうち、青色に発光する材 としては、ジスチリルアリーレン又はその 導体、オキサジアゾール又はその誘導体、 びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾー 又はその誘導体、ポリパラフェニレン又は の誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体 どを挙げることができる。なかでも高分子 料のポリビニルカルバゾール又はその誘導 、ポリパラフェニレン又はその誘導体やポ フルオレン又はその誘導体などが好ましい
 また、緑色に発光する材料としては、キナ リドン又はその誘導体、クマリン又はその 導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェ レンビニレン又はその誘導体、ポリフルオ ン又はその誘導体などを挙げることができ 。なかでも高分子材料のポリパラフェニレ ビニレン又はその誘導体、ポリフルオレン はその誘導体などが好ましい。
 また、赤色に発光する材料としては、クマ ン又はその誘導体、チオフェン環化合物、 びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビ レン又はその誘導体、ポリチオフェン又は の誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体 どを挙げることができる。なかでも高分子 料のポリパラフェニレンビニレン又はその 導体、ポリチオフェン又はその誘導体、ポ フルオレン又はその誘導体などが好ましい

ドーパント材料
 発光層中に発光効率の向上や発光波長を変 させるなどの目的で、ドーパントを添加す ことができる。このようなドーパントとし は、例えば、ペリレン又はその誘導体、ク リン又はその誘導体、ルブレン又はその誘 体、キナクリドン又はその誘導体、スクア ウム又はその誘導体、ポルフィリン又はそ 誘導体、スチリル系色素、テトラセン又は の誘導体、ピラゾロン又はその誘導体、デ シクレン、フェノキサゾンなどを挙げるこ ができる。なお、このような発光層の厚さ 、通常約20~2000Å(2~200nm)である。

<発光層の成膜方法>
 有機物を含む発光層(有機発光層)の成膜方 としては、発光材料を含む溶液を基体の上 は上方に塗布する方法、真空蒸着法、転写 などを用いることができる。溶液からの成 に用いる溶媒の具体例としては、前述の溶 から正孔輸送層を成膜する際に正孔輸送材 を溶解させる溶媒と同様の溶媒があげられ 。
 発光材料を含む溶液を基体の上又は上方に 布する方法としては、スピンコート法、キ スティング法、マイクログラビアコート法 グラビアコート法、バーコート法、ロール ート法、ワイアーバーコート法、ディップ ート法、スリットコート法、キャピラリー ート法、スプレーコート法、ノズルコート などのコート法、グラビア印刷法、スクリ ン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印 法、反転印刷法、インクジェットプリント といった印刷法などの塗布法を用いること できる。パターン形成や多色の色分けが容 であるという点で、グラビア印刷法、スク ーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット 刷法、反転印刷法、インクジェットプリン 法などの印刷法が好ましい。また、昇華性 低分子化合物の場合は、真空蒸着法を用い ことができる。さらには、レーザーによる 写や熱転写により、所望の領域のみに発光 を形成する方法も用いることができる。

<電子輸送層>
 電子輸送層を構成する材料としては、公知 ものが使用でき、オキサジアゾール誘導体 アントラキノジメタン若しくはその誘導体 ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフト ノン若しくはその誘導体、アントラキノン しくはその誘導体、テトラシアノアンスラ ノジメタン若しくはその誘導体、フルオレ ン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若 くはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、 は8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導 の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘 体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体 ポリフルオレン若しくはその誘導体などが 示される。

 これらのうち、オキサジアゾール若しく その誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘 体、アントラキノン若しくはその誘導体、 は8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導 の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘 体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体 ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ま く、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル )-1,3,4-オキサジアゾール、ベンゾキノン、ア トラキノン、トリス(8-キノリノール)アルミ ニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。

 電子輸送層の成膜法としては特に制限は いが、低分子電子輸送材料では、粉末から 真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態か の成膜による方法が、高分子電子輸送材料 は溶液又は溶融状態からの成膜による方法 それぞれ例示される。溶液又は溶融状態か の成膜時には、高分子バインダーを併用し もよい。溶液から電子輸送層を成膜する方 としては、前述の溶液から正孔輸送層を成 する方法と同様の成膜法があげられる。

 電子輸送層の膜厚としては、用いる材料 よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効 が適度な値となるように選択すればよいが 少なくともピンホールが発生しないような さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆 電圧が高くなるおそれがある。従って、該 子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μm であり、好ましくは2nm~500nmであり、さらに好 ましくは5nm~200nmである。

<電子注入層>
 電子注入層は、電子輸送層と陰極との間、 は発光層と陰極との間に設けられる。電子 入層としては、発光層の種類に応じて、ア カリ金属やアルカリ土類金属、又は前記金 を1種類以上含む合金、又は前記金属の酸化 物、ハロゲン化物及び炭酸化物、又は前記物 質の混合物などが挙げられる。アルカリ金属 又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の 例としては、リチウム、ナトリウム、カリウ ム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、 フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナ トリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、 酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セ シウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなど が挙げられる。また、アルカリ土類金属又は その酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例と しては、マグネシウム、カルシウム、バリウ ム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フ ッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化 カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム 、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウ ム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。電 子注入層は、2層以上を積層したものであっ もよい。具体的には、LiF/Caなどが挙げられ 。電子注入層は、蒸着法、スパッタリング 、印刷法などにより形成される。電子注入 の膜厚としては、1nm~1μm程度が好ましい。

<陰極材料>
 本発明の有機EL素子で用いる陰極の材料と ては、仕事関数の小さく発光層への電子注 が容易な材料かつ/もしくは電気伝導度が高 材料かつ/もしくは可視光反射率の高い材料 が好ましい。金属では、アルカリ金属やアル カリ土類金属、遷移金属や第13族金属を用い ことができる。例えば、リチウム、ナトリ ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベ リウム、マグネシウム、カルシウム、スト ンチウム、バリウム、アルミニウム、スカ ジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム インジウム、セリウム、サマリウム、ユー ピウム、テルビウム、イッテルビウムなど 金属、又は上記金属のうち2つ以上の合金、 又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金 銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケ 、タングステン、錫のうち1つ以上との合金 又はグラファイト若しくはグラファイト層 化合物などが用いられる。合金の例として 、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-イ ジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合 、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニ ム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチ ム-インジウム合金、カルシウム-アルミニ ム合金などが挙げられる。また、陰極とし 透明導電性電極を用いることができ、例え 導電性金属酸化物や導電性有機物などを用 ることができる。具体的には、導電性金属 化物として酸化インジウム、酸化亜鉛、酸 スズ、及びそれらの複合体であるインジウ ・スズ酸化物(ITO)やインジウム・亜鉛酸化物 (IZO)、導電性有機物としてポリアニリン又は の誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体 どの有機の透明導電膜を用いてもよい。な 、陰極を2層以上の積層構造としてもよい。 なお、電子注入層が陰極として用いられる場 合もある。

 陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考 して、適宜選択することができるが、例え 10nmから10μmであり、好ましくは20nm~1μmであ 、さらに好ましくは50nm~500nmである。

 陰極の作製方法としては、真空蒸着法、 パッタリング法、金属薄膜を圧着するラミ ート法などが用いられる。

<絶縁層>
 本発明の有機EL素子が任意に有しうる、膜 2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機 を有するものである。上記絶縁層の材料と ては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶 材料などが挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁 を設けた有機EL素子としては、陰極に隣接し て膜厚2nm以下の絶縁層を設けたもの、陽極に 隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたものが 挙げられる。

 本発明の有機EL素子は面状光源、セグメ ト表示装置、ドットマトリックス表示装置 液晶表示装置のバックライトとして用いる とができる。

9.製造方法
 次に、本発明の有機EL素子の好ましい製造 法の例を、図1~図3を参照して説明する。図1 、本発明の有機EL素子の製造方法の一例に ける製造工程を示す断面図である。図2は、 1に示す製造工程に続く製造工程を示す断面 図である。図3は、本発明の有機EL素子の一例 の一部分の構成を示す断面図である。
 まず、図1に示す通り、基板111を準備して、 基板111の面上に第1電極層121を設ける。第1電 層121は、所望のパターンに従って設けるこ ができる。
 次に、第1電極層121の少なくとも一部、好ま しくは全部を覆うように有機下地層141を設け る。図1に示す例においては、有機下地層は1 のみからなるが、2層以上の有機下地層を設 ける場合は、ここで2層以上の積層を行なう とができる。有機下地層141は、所望のパタ ンに従って形成することも可能であるが、 ピンコートなどの方法で基板111及び第1電極 121の上に、有機下地層材料の組成物の塗膜 連続した一枚の塗膜として設け、その後必 に応じて有機下地層を設けない部分(例えば 図5に示す周辺領域111S)の層を除去し、さらに 必要に応じて塗膜を硬化させることにより、 容易に設けることができる。

 続いて、有機下地層141の上に、バンクを形 するためのフォトレジスト層131Aを設ける。
 次に、図2に示す通り、フォトレジスト層131 Aのうちの画素領域を形成する領域の部分を フォトリソグラフィなどにより取り除き、 素領域132Rを規定するバンク131Bを形成する。

 さらに、図3に示す通り、バンク131Bによ 規定された画素領域132R内に、有機発光層142 設ける。有機発光層142は、有機発光層の材 組成物の塗膜を画素領域内に設け、必要に じて硬化させることで形成することができ 。材料組成物の塗膜を画素領域内に設ける 法としては、インクジェット法を好ましく げることができる。また、単色表示の表示 子を構成する場合は、有機発光層の材料組 物をスピンコート法などで一面に設けるこ もできる。

 有機発光層142を設けた後、その上に、所 のパターンに従って第2電極層122を設けるこ とで、基板-第1電極層-有機下地層-有機発光 -第2電極層を有する積層物が得られる。これ にさらに必要に応じて封止部材及び画素の駆 動に必要な配線などの任意の構成要素を加え ることにより、有機EL素子を得ることができ 。

 以下において、本発明を実施例及び比較 を参照してより詳細に説明するが、本発明 これらに限定されない。

 <実施例1>
 (1-1:有機下地層の形成)
 正孔注入材料である水に不溶性の高分子材 、架橋剤であるジペンタエリスリトールヘ サアクリレート、重合開始剤であるイルガ ュアー360(チバガイギー社製)を重量比で1:0.2 5:0.01の割合で混合し、混合物を得た。有機溶 剤に、前記混合物を1質量%の割合で溶解し、 機下地層形成用インクを得た。
 陽極としてのITOパターンを有する平板状の ラス基板の、当該パターンを有する側の面 面に、前記有機下地層形成用インクをスピ コートし、約60nmの厚さの塗膜を作製した。 その後、基板周辺部の封止エリア及び取り出 し電極部分などの表示素子を作製しない領域 の塗膜を拭き取り、ホットプレート上で200℃ 、10分間熱処理し、乾燥して不溶化し、正孔 入層として機能する有機下地層を得た。本 機下地層は、水に不溶性の架橋高分子化合 からなる。有機下地層の抵抗率は2×10 14 ωcm以上であった。

 (1-2:バンクの形成)
 1-1で得た有機下地層の上に、フォトレジス (東京応化製TELR-P003)を、回転数1000rpmでスピ コートし、フォトレジスト層を得た。この に、所望のパターンが形成されているフォ マスクを介して、露光機(大日本スクリーン 製、MA-1200)を用いて露光処理を施し、続いてK OH 1質量%水溶液で現像することで、所望のパ ターンを得た。得られた膜を230℃×20分間オ ブンで乾燥し、バンクを得た。得られたバ クは、厚さが1.5μmであった。また、バンク 上面から観察すると、有機下地層が露出し いる素子領域の開口が、70×210μmの矩形であ 、隣接する素子領域との距離が20μmであっ 。

 (1-3:発光層の形成)
 1-2で得た陽極、有機下地層及びバンクを有 る基板の上に、赤色発光有機EL材料(Lumation  RP158(Sumation社製))のキシレン溶液(1質量%)を、 ピンコートし、その後、キシレンを浸した で基板周辺部、及びバンク頂部上などの不 部分を拭き取った後、減圧下80℃で1時間乾 し、厚さ80nmの発光層をバンク内の画素領域 に得た。

 (1-4:陰極の形成)
 (1-3)で得た陽極、有機下地層、バンク及び 光層を有する基板の上に、厚さ約5nmのバリ ムと、その上の厚さ約100nmのアルミニウムの 2層からなる陰極を、蒸着法により形成した 陰極の形状は、シャドーマスクを用いて規 し、ITO陽極と、発光層上で直交する形状と 、陽極と陰極とでパッシブマトリクスを構 した。

 (1-5:封止)
 封止用ガラス基板の一面の周辺部に、UV硬 性封止材(ナガセケムテックス社製XNR5516Z)を ディスペンサーを用いて塗布した。この塗 面を下側として、(1-4)で得た積層構造を有 る基板と位置合わせして、減圧下(-25KPa)で貼 り合わせた。その後大気圧に戻し、UV光を照 して封止材を硬化することにより(1-1)~(1-4) 得た層を封止し、有機EL素子を得た。

 (1-6:評価)
 (1-5)で得られた素子の電極に電源を接続し 動させたところ、単色(赤色)の画像が表示さ れることが確認された。画素中の発光は均一 であった。

 <実施例2>
 発光層ポリマー(Lumation G1302(Sumation社製))を 有機下地層用インクと同じ有機溶媒に0.8質 %の割合で溶解し、粘度8cPのインクを調製し た。

 実施例1の工程(1-1)~(1-2)と同様にして得た陽 、有機下地層及びバンクを有する基板の上 、上記インクを塗布し、発光層を作製した
 インクの塗布は、Litrex社製インクジェット 置120Lを用い、バンクにより規定された画素 領域のそれぞれに7滴ずつ吐出した。

 インク塗布後、真空中で約100℃、60分間 熱処理し、続いて実施例1の工程(1-4)~(1-5)と 様に操作し、有機EL表示素子を得た。

 得られた素子の電極に電源を接続し駆動さ たところ、クロストークの無い明瞭な動画 が表示されることを確認した。一画素のリ ク電流は、-10Vにおいて0.1μA以下であった。 また、有機下地層の抵抗率は2×10 14 ωcmであった。

 <比較例1>
 (1-1:有機下地層の形成)
 有機下地層形成用インクとして、水溶性で る(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ リスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS、バイ ル社製、商品名;Baytron P CH 8000)を含む水溶 液を用いた他は、実施例1の工程(1-1)と同様に して、ITO陽極及び有機下地層を有する基板を 得た。
 得られた有機下地層上に、実施例1の工程(1- 2)と同様にバンクを形成しようとしたところ バンク形成のためのフォトリソグラフィの 程で有機下地層の厚さが不均一となった。

 以上のように、本発明にかかる有機EL素 は、例えば照明装置の光源、表示装置の表 素子として有用である。