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Title:
ORGANIC MATERIAL CONTAINING OLIGOPHENYLENE SKELETON AND LIGHT-EMITTING DEVICE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081873
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a material having a wide bandgap, which is capable of forming a stable amorphous thin film. Also disclosed is an organic electroluminescent device having high luminous efficiency, which uses the compound. Specifically disclosed is a novel oligophenylene derivative represented by Formula (I), which is applicable to an organic electronic material. The oligophenylene derivative can be efficiently synthesized by utilizing a coupling reaction. (I) Also specifically disclosed is a highly efficient blue phosphorescent light-emitting device using the oligophenylene derivative.

Inventors:
YAMAGUCHI SHIGEHIRO
WAKAMIYA ATSUSHI
ADACHI CHIHAYA
YAHIRO MASAYUKI
ENDO AYATAKA
IDE TOSHIHISA
SHINMEN MASUTAKA
Application Number:
PCT/JP2008/073222
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV NAGOYA NAT UNIV CORP (JP)
UNIV KYUSHU NAT UNIV CORP (JP)
CENTRAL GLASS CO LTD (JP)
YAMAGUCHI SHIGEHIRO
WAKAMIYA ATSUSHI
ADACHI CHIHAYA
YAHIRO MASAYUKI
ENDO AYATAKA
IDE TOSHIHISA
SHINMEN MASUTAKA
International Classes:
C07C15/14; C07D213/06; C09K11/06; H01L51/50
Foreign References:
JP2003105332A2003-04-09
JPH07157473A1995-06-20
JP2002212181A2002-07-31
JP2005129310A2005-05-19
JPH11283746A1999-10-15
Other References:
DIERSCHKE, F. ET AL.: "Blue Emission of a Soluble Poly(p-phenylene) with a Cross-Conjugated Bisimidazole-Based Chromophore", MACROMOLECULAR CHEMISTRY AND PHYSICS, vol. 208, no. 1, 2 January 2007 (2007-01-02), pages 37 - 43, XP008138417
DIERSCHKE, F. ET AL.: "New electron-rich conjugated polymers", POLYMER PREPRINTS, vol. 45, no. 1, 2004, pages 170 - 171, XP008138418
FENG, X. ET AL.: "Hexa-peri-hexabenzocoronenes by Efficient Oxidative Cyclodehydrogenation: The Role of the Oligophenylene Precursors", ORGANIC LETTERS, vol. 8, no. 6, 2006, pages 1145 - 1148, XP008138416
WU, J. ET AL.: "From Branched Polyphenylenes to Graphite Ribbons", MACROMOLECULES, vol. 36, no. 19, 2003, pages 7082 - 7089, XP008138409
FENG, X. ET AL.: "From Helical to Staggered Stacking of Zigzag Nanographenes", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 129, no. 46, 26 October 2007 (2007-10-26), pages 14116 - 14117, XP008138420
BOHME, T. ET AL.: "Current-voltage characteristics of a homologous series of polycyclic aromatic hydrocarbons", CHEMISTRY - A EUROPIAN JOURNAL, vol. 13, no. 26, 27 September 2007 (2007-09-27), pages 7349 - 7357, XP008138410
J. APPL. PHYS., vol. 90, 2001, pages 5048
APPL. PHYS. LETT., vol. 79, 2001, pages 156
APPL. PHYS. LETT., vol. 79, 2001, pages 2082
APPL. PHYS. LETT., vol. 82, 2003, pages 2422
APPL. PHYS. LETT., vol. 83, 2003, pages 569
J. ORG. CHEM., vol. 50, 1985, pages 3104
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (Ekisaikai Bldg.1-29, Akashi-cho, Chuo-ku, Tokyo 44, JP)
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Claims:
一般式(1)で表されるオリゴフェニレン誘導体
[式中、Ar 1 はそれぞれ独立に、次の式(1a)で表されるオリゴフェニル基
(式(1a)において、Ar ' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2乃至6価の芳香環を、Ar '' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基を表す(これらAr’、Ar’’は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる基を置換基として有してもよい。またAr’、Ar’’のそれぞれは、芳香環を形成するヘテロ原子として、1~4個の窒素原子を有していてもよい)。bは1~4の整数を、cは1~5の整数を表す。Ar’どうし、あるいはAr’とAr’’どうしは、それぞれ環を形成する炭素原子によるC-C単結合を介して結合している。また、Ar”はAr’に対して直鎖状または分岐状にc個結合していても、Ar’に直接c個結合していてもよい)
であり、nは0または1である。R 1 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、またはハロゲン原子であり、aはそれぞれ独立に0~5の整数である。]
Ar 1 が次式(1b)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’、bの意味は式(1a)と同じ。]
であることを特徴とする、請求項1に記載のオリゴフェニレン誘導体。
Ar 1 が次式(1c)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’の意味は式(1a)と同じ。A’’’の意味はAr’’と同じ。b’の意味はbと同じ。]
であることを特徴とする、請求項1に記載のオリゴフェニレン誘導体。
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のオリゴフェニレン誘導体であって、一般式(2)
[式中、Ar 1 、R 1 は一般式(1)と同じ]
で表されるターフェニル誘導体。
請求項4に記載のターフェニル誘導体であって、一般式(3)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。R 2 、R 3 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン原子であり、Ar 2 は置換基を有していてもよいフェニル基を表す(Ar 2 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、ハロゲン原子より選ばれる基を置換基として有してもよい。また、Ar 2 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個の窒素原子を有していてもよい)。]
で表されるターフェニル誘導体。
請求項4に記載のターフェニル誘導体であって、一般式(4)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。R 2 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン原子であり、Ar 2 およびAr 3 は置換基を有していてもよいフェニル基を表す(Ar 2 およびAr 3 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる基を置換基として有してもよい。また、Ar 2 およびAr 3 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個の窒素原子を有していてもよい)。]
で表されるターフェニル誘導体。
請求項4に記載のターフェニル誘導体であって、一般式(5)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。Ar 2 は一般式(3)と同じ。R 6 、R 7 、R 8 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン原子である]で表されるターフェニル誘導体。
請求項4に記載のターフェニル誘導体であって、一般式(6)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。Ar 2 、Ar 3 は一般式(5)と同じ。R 12 、R 13 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン原子である]で表されるターフェニル誘導体。
一対の電極間に、少なくとも一層の有機発光層を有する有機電界発光素子であって、該有機発光層が、一般式(1)で表されるオリゴフェニレン誘導体
[式中、Ar 1 、R 1 、aおよび、nの意味は、前記の式(1)に同じ。]
を含有することを特徴とする、有機電界発光素子。
Ar 1 が次式(1b)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’、bの意味は前記の式(1a)と同じ。]
であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光素子。
Ar 1 が次式(1c)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’の意味は式(1a)と同じ。A’’’の意味はAr’’と同じ。b’の意味はbと同じ。]
であることを特徴とする、請求項9に記載の有機電界発光素子。
請求項9乃至請求項11の何れかにおいて、前記有機発光層にはホスト材料および青色燐光ドーパント材料を含み、該ホスト材料が、請求項9乃至請求項11の何れかに記載のオリゴフェニレン誘導体である、青色燐光発光を用いた有機電界発光素子。
前記有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層を含む、請求項12に記載の有機電界発光素子。
前記オリゴフェニレン誘導体が、一般式(2)
[式中、Ar 1 、R 1 及びaの意味は、前記の式(2)に同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを特徴とする、請求項9乃至請求項13の何れかに記載の有機電界素子。
前記ターフェニル誘導体が、下記式(3)
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、Ar 2 、aの意味は、前記式(3)と同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
前記ターフェニル誘導体が、一般式(4)
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、a、Ar 2 、Ar 3 の意味は、前記式(4)と同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
前記ターフェニル誘導体が、一般式(5)
[式中、R 1 、a、Ar 2 、R 6 、R 7 、R 8 の意味は、前記式(4)と同じである。]で表されるターフェニル誘導体であることを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
前記ターフェニル誘導体が、一般式(6)
[式中、R 1 、R 12 、R 13 、Ar 2 、Ar 3 、aは前記式(6)と同じ]で表されるターフェニル誘導体であることを特徴とする、請求項14に記載の有機電界発光素子。
一対の電極間に、少なくとも一層の有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(3)で表される化合物
[式中、R 1 、a、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びAr 3 は前記の式(3)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表されるFIrpic
である、青色燐光発光を用いた、請求項14に記載の有機電界発光素子。
一対の電極間に、少なくとも一層の有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(4)で表される化合物
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、a、Ar 2 、Ar 3 の意味は、前記式(4)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表されるFIrpic
である、青色燐光発光を用いた請求項14に記載の有機電界発光素子。
一対の電極間に、少なくとも一層の有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(5)で表される化合物
[式中、R 1 、a、Ar 3 、R 6 、R 7 、及びR 8 は前記の式(5)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表されるFIrpic
である、青色燐光発光を用いた請求項14に記載の有機電界発光素子。
一対の電極間に、少なくとも一層の有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(6)で表される化合物
[式中、R 1 、a、Ar 3 、R 6 、R 7 、及びR 8 は前記の式(4)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表されるFIrpic
である、青色燐光発光を用いた請求項14に記載の有機電界発光素子。
Description:
オリゴフェニレン骨格を含む有 材料及びそれを用いた発光素子

本発明は、オリゴフェニレン骨格をもつ有 機π電子系材料、及びそれを用いた発光素子 関する。

発明の背景

有機発光素子、特に電界発光機能を備えた 有機電界発光素子は、次世代平面ディスプレ イとして注目されている。この有機電界発光 素子を用いることにより、例えば、低消費電 力、広視野角、自発光、高速応答性などの特 徴を有するフルカラー高解像度ディスプレイ の実現が可能である。

従来の有機電界発光素子の発光は、主に蛍 光を利用したものであった。すなわち、発光 層を挟んで電極を設け、両電極から電子及び 正孔を注入すると、それらが対電極に向かい 、発光層においてある割合で再結合して励起 子を生成し、その励起子の励起状態が基底状 態に戻るときに発光が生じる。この励起状態 には、電子スピンの向きが反平行である一重 項励起状態と、電子スピンの向きが平行であ る三重項励起状態とがある。蛍光はこの一重 項励起状態のみが関与する発光形態である。 単純な量子力学的推論から、一重項励起状態 と三重項励起状態の生成比率は1:3であるので 、蛍光を利用した有機電界発光素子の場合に は、内部量子効率の最大値は25%となる。つま り、励起状態の75%は発光に使用されないこと になる。

さらに、有機電界発光素子に用いられる有機 材料の屈折率(n)は約1.6~1.7であり、また、外 への取り出し効率(η ext )は、古典光学における反射と屈折の法則か η ext =1/(2n 2 )≒0.2、つまり20%程度である。そのため、蛍 を利用した有機電界発光素子においては、 の外部量子効率は、内部量子効率(25%)×取り し効率(20%)となり、最大5%程度と見積もられ る。

このため、外部量子効率をさらに向上させ るためには、励起状態のうち75%を占める三重 項励起状態からの発光、すなわち燐光も利用 する必要がある。燐光の利用が可能となれば 、外部量子効率を最大20%程度まで向上させる ことができる。

そこで、最近では、燐光型有機電界発光素 子の開発が進められており、燐光型発光材料 を用いることで従来の蛍光素子の外部量子効 率における理論限界の5%を超え、緑色では外 量子効率が19%にも達する高効率素子が報告 れている(非特許文献1~2)。

燐光発光を利用した燐光型発光材料の開発は 、高効率発光の観点から活発に研究がされて いる。緑色、赤色燐光発光材料については、 高い色純度を実現する材料が報告されている 。また、青色燐光発光材料についても、これ を用いた有機電界発光素子が、例えば、非特 許文献3~5に報告されている。
J. Appl. Phys.,第90巻,(2001年)、第5048頁 Appl. Phys. Lett.,第79巻(2001年)、第156頁 Appl.Phys.Lett.,第79巻(2001年),第2082頁 Appl.Phys.Lett.,第82巻(2003年),第2422頁 Appl.Phys.Lett.,第83巻(2003年),第569頁

特開平7-157473公報

特開2002-212181公報

特開2005-129310公報

特開平11-283746公報

発明の概要

 有機電界発光素子としては、前記の通り これまでに種々のものが開発されている。 かし、燐光発光型の素子として、広いバン ギャップの励起を要する青色の発光に成功 たものは、限られた例しか知られていない

 例えば、上述の特許文献1~4は、蛍光発光 の素子であり、燐光を対象としたものでは かった。非特許文献1,2は燐光を利用して、 いエネルギー効率を達成した例であるが、 ンドギャップが中程度の緑色の発光を対象 したものであり、青色の発光は達成されて ない。

一方、非特許文献3~5では、燐光ドーパントの ホスト材料として、4,4’-ビスカルバゾリル フェニル(以下CBPと表記)という、カルバゾー ル系の誘導体(下式)
が採用され、青色燐光の発光が観測されてい る。ただし、CBPをホスト材料とした有機電界 発光素子は、エネルギー効率が高いとは言え ず、非特許文献3からも明らかなように、EL素 子の量子効率は5.7%程度であり、エネルギー 率が高いとはいえない。また、CBPは高い結 性を有する化合物であるので、安定した膜 得ることが難しい場合があった。

このような状況に鑑み、有機電界素子、特 に青色燐光発光用に供する、高効率で耐久性 の高いホスト材料、及びそれを用いた素子が 求められていた。

 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検 した。その結果、一対の電極間に、少なく も一層の有機発光層を有する有機電界発光 子であって、該有機発光層が、一般式(1)で されるオリゴフェニレン誘導体
[式中、Ar 1 はそれぞれ独立に、次の式(1a)で表されるオ ゴフェニル基
(式(1a)において、Ar ' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ い2乃至6価の芳香環を、Ar '' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ いフェニル基を表す(これらAr’、Ar’’は、 香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、 素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロ ルキル基、ハロゲン原子からなる群より選 れる基を置換基として有してもよい。またA r’、Ar’’のそれぞれは、芳香環を形成する ヘテロ原子として、1~4個の窒素原子を有して いてもよい)。bは1~4の整数を、cは1~5整数を表 す。Ar’どうし、あるいはAr’とAr’’どうし は、それぞれ環を形成する炭素原子によるC-C 単結合を介して結合している。また、Ar”はA r’に対して直鎖または分岐状にc個結合して ても、Ar’に直接c個結合していてもよい)
であり、nは0または1である。R 1 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、またはハロ ゲン原子であり、aはそれぞれ独立に0~5の整 である]
を含有することを特徴とする、新規の有機電 界発光素子を見出した。このオリゴフェニレ ン誘導体は、その基本骨格は炭素原子及び水 素原子のみからなり、当該基本骨格に、さら に窒素原子、ハロゲン原子が加わることもあ る、新規の化合物であり、公知の化合物を原 料とし、カップリング反応等の手法を組み合 わせて、効率的に合成できることを見出した 。

 このオリゴフェニレン誘導体は、有機電 発光素子において、従来品よりも素子特性 優れたホスト材料として機能することが判 た。特に、青色燐光発光する有機電界発光 子用のホスト材料として好適に機能し、従 品であるCBPをホスト材料に用いた場合に比 、高いエネルギー効率を有する、青色燐光 光用の有機電界発光素子が得られた。

 本発明に係るオリゴフェニレン誘導体は ベンゼン環やピリジン環から形成され、オ ゴフェニレンのベンゼン環骨格からみて、 ルト位の位置にもう1種のベンゼン環または ピリジン環を有した構造をしており、分子全 体として全てのアリール基が少しずつねじれ た形で置換しているため、π電子の共鳴構造( π共役)の広がりが弱くなっている。この結果 、最高被占軌道(HOMO)と最低空軌道(LUMO)の間の バンドギャップが十分大きくなるため、青色 燐光用のホストとして有効に機能することに なったと考えられる。

一般に、バンドギャップが広くなると、励起 状態の形成は困難になることが多い。ところ が、本発明のオリゴフェニレン化合物をホス トとして用いた場合、従来のCBP系に比べ有意 に大きいエネルギー効率を示した。このよう な良好な物性は、
(a)ねじれた分子構造による分子の柔軟性(ア ルファス性)が向上し、それにより発光層全 の耐久性が向上したこと
(b)分子構造の非平面性により、π共役が弱く り、それにより効果的にバンドギャップが がったこと
等の効果が、複合した結果と考えられる。

 本発明者らはさらに、上記、式(1)で表さ るオリゴフェニレン誘導体の中でも、特に ましい誘導体に想到した。また、特定の態 、特定の条件で、本発明のオリゴフェニレ 誘導体を使用することが、特に好ましいこ を見出し、発明の完成に到達した。

 すなわち、本発明は、次の発明1~発明22を 含み、オリゴフェニレン骨格を含む有機材料 及びそれを用いた発光素子を提供する。

 [発明1]一般式(1)で表されるオリゴフェニレ 誘導体
[式中、Ar 1 はそれぞれ独立に、次の式(1a)で表されるオ ゴフェニル基
(式(1a)において、Ar ' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ い2乃至6価の芳香環を、Ar '' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ いフェニル基を表す(これらAr’、Ar’’は、 香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、 素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロ ルキル基、ハロゲン原子からなる群より選 れる基を置換基として有してもよい。またA r’、Ar’’のそれぞれは、芳香環を形成する ヘテロ原子として、1~4個の窒素原子を有して いてもよい)。bは1~4の整数を、cは1~5の整数を 表す。Ar’どうし、あるいはAr’とAr’’どう しは、それぞれ環を形成する炭素原子による C-C単結合を介して結合している。また、Ar” Ar’に対して直鎖状または分岐状にc個結合 ていても、Ar’に直接c個結合していてもよ )
であり、nは0または1である。R 1 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、またはハロ ゲン原子であり、aはそれぞれ独立に0~5の整 である。]

 [発明2]Ar 1 が次式(1b)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’、bの意味は式(1a)と同じ ]
であることを特徴とする、発明1に記載のオ ゴフェニレン誘導体。

 [発明3]Ar 1 が次式(1c)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’の意味は式(1a)と同じ。A ’’の意味はAr’’と同じ。b’の意味はbと じ。]
であることを特徴とする、発明1に記載のオ ゴフェニレン誘導体。

 [発明4]発明1乃至発明3の何れかに記載のオ ゴフェニレン誘導体であって、一般式(2)
[式中、Ar 1 、R 1 は一般式(1)と同じ]
で表されるターフェニル誘導体。

[発明5]発明4に記載のターフェニル誘導体で って、一般式(3)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。R 2 、R 3 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲ ン原子であり、Ar 2 は置換基を有していてもよいフェニル基を表 す(Ar 2 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立 に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフル オロアルキル基、ハロゲン原子より選ばれる 基を置換基として有してもよい。また、Ar 2 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個 の窒素原子を有していてもよい)。]
で表されるターフェニル誘導体。

[発明6]発明4に記載のターフェニル誘導体で って、一般式(4)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。R 2 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲ ン原子であり、Ar 2 およびAr 3 は置換基を有していてもよいフェニル基を表 す(Ar 2 およびAr 3 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立 に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフル オロアルキル基、ハロゲン原子からなる群よ り選ばれる基を置換基として有してもよい。 また、Ar 2 およびAr 3 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個 の窒素原子を有していてもよい)。]
で表されるターフェニル誘導体。

 [発明7]発明4に記載のターフェニル誘導体で あって、一般式(5)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。Ar 2 は一般式(3)と同じ。R 6 、R 7 、R 8 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭 素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン 原子である]で表されるターフェニル誘導体

 [発明8]発明4に記載のターフェニル誘導体で あって、一般式(6)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。Ar 2 、Ar 3 は一般式(5)と同じ。R 12 、R 13 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭 素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン 原子である]で表されるターフェニル誘導体

 [発明9]一対の電極間に、少なくとも一層の 機発光層を有する有機電界発光素子であっ 、該有機発光層が、一般式(1)で表されるオ ゴフェニレン誘導体
[式中、Ar 1 、R 1 、aおよび、nの意味は、前記の式(1)に同じ。]
を含有することを特徴とする、有機電界発光 素子。

 [発明10]Ar 1 が次式(1b)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’、bの意味は前記の式(1a) 同じ。]
であることを特徴とする、発明9に記載の有 電界発光素子。

 [発明11]Ar 1 が次式(1c)で表されるオリゴフェニル基
[式中、Ar’、Ar’’の意味は式(1a)と同じ。A ’’の意味はAr’’と同じ。b’の意味はbと じ。]
であることを特徴とする、発明9に記載の有 電界発光素子。

 [発明12]発明9乃至発明11の何れかにおいて 、前記有機発光層にはホスト材料および青色 燐光ドーパント材料を含み、該ホスト材料が 、発明9乃至発明11の何れかに記載のオリゴフ ェニレン誘導体である、青色燐光発光を用い た有機電界発光素子。

 [発明13]前記有機電界発光素子が、さらに 正孔輸送層、励起子ブロック層、電子輸送層 を含む、発明12に記載の有機電界発光素子。

 [発明14]前記オリゴフェニレン誘導体が、一 般式(2)
[式中、Ar 1 、R 1 及びaの意味は、前記の式(2)に同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを 特徴とする、発明9乃至発明13の何れかに記載 の有機電界素子。

 [発明15]前記ターフェニル誘導体が、下記式 (3)
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、Ar 2 、aの意味は、前記式(3)と同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを 特徴とする、発明14に記載の有機電界発光素 。

 [発明16]前記ターフェニル誘導体が、一般式 (4)
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、a、Ar 2 、Ar 3 の意味は、前記式(4)と同じ。]
で表されるターフェニル誘導体であることを 特徴とする、発明14に記載の有機電界発光素 。

 [発明17]前記ターフェニル誘導体が、一般式 (5)
[式中、R 1 、a、Ar 2 、R 6 、R 7 、R 8 の意味は、前記式(4)と同じである。]で表さ るターフェニル誘導体であることを特徴と る、発明14に記載の有機電界発光素子。

 [発明18]前記ターフェニル誘導体が、一般式 (6)
[式中、R 1 、R 12 、R 13 、Ar 2 、Ar 3 、aは前記式(6)と同じ]で表されるターフェニ 誘導体であることを特徴とする、発明14に 載の有機電界発光素子。

 [発明19]一対の電極間に、少なくとも一層の 有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた 有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励 起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロ ック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐 光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(3)で表される化合物
[式中、R 1 、a、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びAr 3 は前記の式(3)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表される FIrpic
である、青色燐光発光を用いた、発明14に記 の有機電界発光素子。

 [発明20]一対の電極間に、少なくとも一層の 有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた 有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励 起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロ ック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐 光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(4)で表される化合物
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、a、Ar 2 、Ar 3 の意味は、前記式(4)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表される FIrpic
である、青色燐光発光を用いた発明14に記載 有機電界発光素子。

 [発明21]一対の電極間に、少なくとも一層の 有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた 有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励 起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロ ック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐 光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(5)で表される化合物
[式中、R 1 、a、Ar 3 、R 6 、R 7 、及びR 8 は前記の式(5)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表される FIrpic
である、青色燐光発光を用いた発明14に記載 有機電界発光素子。

 [発明22]一対の電極間に、少なくとも一層の 有機発光層を有する、青色燐光発光を用いた 有機電界発光素子であって、
有機電界発光素子が、さらに正孔輸送層、励 起子ブロック層、電子輸送層および正孔ブロ ック層を含み、
前記有機発光層にはホスト材料および青色燐 光ドーパント材料を含み、
該ホスト材料が、下記式(6)で表される化合物
[式中、R 1 、a、Ar 3 、R 6 、R 7 、及びR 8 は前記の式(4)と同じ]
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表される FIrpic
である、青色燐光発光を用いた発明14に記載 有機電界発光素子。

本発明の実施形態2に係る有機電界発光 素子の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係るもう1つの有 電界発光素子の概略構成を示す図である。

詳細な説明

本発明は有機電界発光素子に適用可能な、 オリゴフェニレン骨格を有する新規な誘導体 を提供する。当該オリゴフェニレン誘導体は 、ねじれた骨格を有するため、安定なアモル ファス膜を形成し、かつ広いバンドギャップ を持つ。特に、この化合物を有機電界発光素 子の材料に用いることにより、発光効率の高 い有機電界発光素子等を実現することが可能 となる。とりわけ、当該化合物は、青色燐光 用の、有機電界素子のホスト材料に用いるこ とが有用であり、発光効率が高い有機電界素 子が実現する。

本発明のオリゴフェニレン誘導体は、炭素 原子及び水素原子のみからなる、又は、炭素 原子及び水素原子及び窒素原子のみからなる 。このため、合成上の利点として公知化合物 を原料として、安価に合成することができる 。また材料物性として、耐熱性に優れた化合 物を提供することができる。

 すなわち、本発明の有機電界発光素子は一 の電極間に、少なくとも一層の有機発光層 有する有機電界発光素子であって、該有機 光層が、一般式(1)で表されるオリゴフェニ ン誘導体
[式中、Ar 1 ,n、R 1 の意味は前記に同じ。]
を含有することを特徴とするものである。
 ここで、式中のAr 1 はそれぞれ独立に、式(1a)で表されるオリゴ ェニル基
を意味し、Ar ' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ い2乃至6価の芳香環を、Ar '' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ いフェニル基を表す。これらAr’どうし、あ いはAr’とAr’’どうしは、それぞれ環を形 成する炭素原子によるC-C単結合を介して結合 している。複数のAr’,Ar’’はお互いに直鎖 に連結していてもよいし、分岐構造を有し いてもよい。またAr’は2価から6価の値をと りうる。すなわちひとつのAr’に1乃至5個のAr ”が置換していてもよい。何れの場合もAr 1 全体としては、「6員環の芳香環が複数個連 した1価の基(オリゴフェニル基)」となる。

 これらAr’、Ar’’は、芳香環上の任意の 位置に、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルキ ル基、炭素数1~6のフルオロアルキル基、ハロ ゲン原子からなる群より選ばれる基を置換基 として有してもよい。またAr’、Ar’’は、 れぞれ独立に、芳香環を形成するヘテロ原 として、1~4個の窒素原子を有し、複素環を 成してもよい。

 なお、b(2乃至6価の芳香環の個数)は1~4の整 を、c(フェニル基の個数)は1~5の整数を表す 、これらは、Ar 1 の鎖の長さ、および分岐の程度に依存して変 わる。

 また、nは0または1をとることができるが 0がより好ましい。

 なお、Ar 1 の中でも、c=1の場合に対応する、式(1b)で表 れるオリゴフェニル基
または、c=2の場合に対応する式(1c)で表され オリゴフェニル基
は特に好ましい。この式(1b)で表されるオリ フェニル基は、枝分かれのない直鎖状の基 ある。また、式(1c)で表されるオリゴフェニ 基はひとつのAr’にAr”とAr’’’を有する 分かれ状の基である。この場合、bまたはb の値は上記と同じであるが、中でもb=1~2は特 に好ましい(この場合、Ar 1 全体としては、6員環が2つ乃至4つのオリゴフ ェニル基となる)。

 本発明のオリゴフェニレン誘導体の中でも nの値が0であり、かつ、この場合2つ存在す ことになるAr 1 基がどちらも式(1b)または(1c)で表される直鎖 または分岐状のオリゴフェニル基であって かつb=1であるような誘導体は、その電界発 素子の性能が優れていることから好ましい さらに、Ar’が式(1c)で表される分岐状のオ ゴフェニル基であって、かつb=1であるよう 誘導体は、その電界発光素子の性能が優れ 安定性も高いことから、特に好ましい。

 上記式(1)におけるAr 1 としては、例えばビフェニル基、ターフェニ ル基、テトラフェニル基、ペンタフェニル基 、ビピリジル基、ターピリジル基、テトラピ リジル基、ペンタピリジル基、ピリジルフェ ニル基、ビピリジルフェニル基、ピリジルビ フェニル基、ビピリジルビフェニル基、ビフ ェニルビピリジル基、トリフェニルフェニル 基、トリフェニルピリジル基、トリピリジル フェニル基、ジフェニルフェニル基、ジピリ ジルフェニル基、ビス(ビフェニル)フェニル 、ビス(ビピリジル)フェニル基、ビス(ビフ ニル)ピリジル基、ビス(ビピリジル)ピリジ 基、等を示す。中でもビフェニル基、ビピ ジル基、ピリジルフェニル基、フェニルピ ジル基、ジフェニルフェニル基、ジピリジ フェニル基が好ましく、さらにビフェニル 、ピリジルフェニル基、ジフェニルフェニ 基、ジピリジルフェニル基が特に好ましい またAr 1 に置換してもよい置換基としては、メチル基 、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n- ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル 基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1~6の アルキル基や、トリフルオロメチル基、ペン タフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピ ル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフル オロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル 基等の炭素数1~6のフルオロアルキル基や、フ ッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子 、からなる群より選ばれる基を置換基として 有してもよい。中でもメチル基、エチル基、 i-プロピル基、t-ブチル基、トリフルオロメ ル基、ペンタフルオロエチル基、フッ素、 素、臭素、ヨウ素等が好ましく、さらにメ ル基、トリフルオロメチル基、フッ素が特 好ましい。

また、R 1 はメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プ ピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル 、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の 炭素数1~6のアルキル基や、トリフルオロメチ ル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフル オロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウ ンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオ ロヘキシル基等の炭素数1~6のフルオロアルキ ル基や、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハ ロゲン原子で置換されていてもよい。中でも メチル基、エチル基、i-プロピル基、t-ブチ 基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオ エチル基が好ましく、さらにメチル基、ト フルオロメチル基が特に好ましい。

式(1)で表される化合物としては例えば式(3)
[式中、R 1 は一般式(1)と同じ。R 2 、R 3 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲ ン原子であり、Ar 2 は置換基を有していてもよいフェニル基を表 す(Ar 2 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立 に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフル オロアルキル基、ハロゲン原子からなる群よ り選ばれる基を置換基として有してもよい。 また、Ar 2 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個 の窒素原子を有していてもよい)。aはそれぞ 独立に0~5の整数である]
で表される、ターフェニル誘導体や、式(4)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。R 2 、R 4 、R 5 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲ ン原子であり、Ar 2 およびAr 3 は置換基を有していてもよいフェニル基を表 す(Ar 2 およびAr 3 は、芳香環上の任意の位置に、それぞれ独立 に、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフル オロアルキル基、ハロゲン原子からなる群よ り選ばれる基を置換基として有してもよい。 また、Ar 2 およびAr 3 は、芳香環を形成するヘテロ原子として1~4個 の窒素原子を有していてもよい)。]
で表されるターフェニル誘導体や、式(5)
[式中、R 1 は一般式(1)と同じ。Ar 2 は一般式(3)と同じ。R 6 、R 7 、R 8 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭 素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン 原子である]
で表されるターフェニル誘導体や、式(6)
[式中、R 1 、aは一般式(1)と同じ。Ar 2 、Ar 3 は一般式(4)と同じ。R 12 、R 13 はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基、炭 素数1~6のフルオロアルキル基、又はハロゲン 原子である]で表されるターフェニル誘導体 が挙げられる。

上記式(3)乃至(6)で表されるAr 2 およびAr 3 としては、例えばフェニル基、ビフェニル基 、ターフェニル基、テトラフェニル基、ピリ ジル基、ビピリジル基、ターピリジル基、テ トラピリジル基、フェニルピリジル基、ピリ ジルフェニル基、ビピリジルフェニル基、ビ フェニルピリジル基等が挙げられ、中でもフ ェニル基、ピリジル基が好ましい。またAr 2 およびAr 3 は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i- ロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチ 基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等 の炭素数1~6のアルキル基や、トリフルオロメ チル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフ ルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、 ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフル フルオロヘキシル基等の炭素数1~6のフルオロ アルキル基や、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素 等のハロゲン原子、からなる群より選ばれる 基を置換基として有してもよい。中でもメチ ル基、エチル基、i-プロピル基、t-ブチル基 トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエ ル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が好 しく、さらにメチル基、トリフルオロメチ 基、フッ素が特に好ましい。

また、R 2 ~R 8 はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n- ロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基 、i- チル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル 、ヘキシル基等の炭素数1~6のアルキル基や トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエ ル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフ オロブチル基、ウンデカフルオロペンチル 、トリデカフルオロヘキシル基等の炭素数1 ~6のフルオロアルキル基や、フッ素、塩素、 素、ヨウ素等のハロゲン原子を有していて よい。中でもメチル基、エチル基、i-プロ ル基、t-ブチル基、トリフルオロメチル基、 ペンタフルオロエチル基が好ましく、さらに メチル基、トリフルオロメチル基が特に好ま しい。

 以下に具体的な化合物例を示すが、本発 はこれらに限定されない。

以上の化合物において、特に好ましい化合物 は(1)、(2)、(4)、(6)、(21)、(22)、(71)、(72)、(77) (78)、(79)であり、いずれも330nm以下の短波長 に吸収端を示し、光学バンドギャップは3.8eV 上であった。これは、青色燐光ドーパント( バンドギャップ3eV程度)のホスト材料として いた場合、ドーパントの励起エネルギーを じこめるのに十分効果的であることを示し いる。これは、本発明のホスト材料の、
(a)ねじれた分子構造による分子の柔軟性(ア ルファス性)が向上し、それにより発光層全 の耐久性が向上したこと
(b)分子構造の非平面性により、π共役が弱く り、それにより効果的にバンドギャップが がったこと、
の各効果が相乗した結果である。

[実施形態1:オリゴフェニレン誘導体の合成]
 次に、本発明のオリゴフェニレン誘導体の 成について説明する。まず、公知の手法で ることができる1,4-ジブロモ-2,5-ジヨードベ ゼンとフェニル金属試薬との反応などを用 ることにより下記一般式(5)に示すオリゴフ ニレン誘導体を得ることができる。

[式中、nは0または1である。R 1 はそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基、 炭素数1~6のフルオロアルキル基、またはハロ ゲン原子であり、Xは塩素、臭素またはよう 原子であり、M’は金属基を示す。aはそれぞ れ独立に0~5の整数である。]

 また、J.Org.Chem.1985,50,3104.に記載のアリー グリニア試薬を用いる方法により式(5)の化 物を合成することも可能である。

続いて一般式(6)
[式中、Ar 1 はそれぞれ独立に、次の式(1a)で表されるオ ゴフェニル基
(式(1a)において、Ar ' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ い2乃至6価の芳香環を、Ar '' はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよ いフェニル基を表す(これらAr’、Ar’’は、 香環上の任意の位置に、それぞれ独立に、 素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のフルオロ ルキル基、ハロゲン原子からなる群より選 れる基を置換基として有してもよい。またA r’、Ar’’のそれぞれは、芳香環を形成する ヘテロ原子として、1~4個の窒素原子を有して いてもよい)。bは1~4の整数を、cは1~5整数を表 す。Ar’どうし、あるいはAr’とAr’’どうし は、それぞれ環を形成する炭素原子によるC-C 単結合を介して結合している。また、Ar”はA r’に対して直鎖状または分岐状にc個結合し いても、Ar’に直接c個結合していてもよい)
であり、M’’は金属基、またはハロゲン原 を示す]
を反応させ、Ar 1 基を導入することができる。このためには、 次の各種の方法のうち、何れを採用してもよ い。

1)一般式(6)で表される化合物と、一般式(5)で されるオリゴフェニレン誘導体とを、遷移 属触媒存在下、クロスカップリング反応さ る方法。
2)一般式(5)で示されるオリゴフェニレン誘導 をアルキルリチウムによるリチオ化や遷移 属触媒によるカップリング反応等を用いて アルキルグリニヤール試薬、アルキルマグ シウムアミド、などの有機マグネシウム試 、あるいは亜鉛試薬、すず試薬、ほう酸エ テル等の金属交換試薬へと変換したのち、 いでパラジウムなどの遷移金属触媒の存在 で、一般式(6)の化合物をクロスカップリン 反応させる方法。

上記2)の方法において、アルキルリチウム してはn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウ 、tert-ブチルリチウムなどが挙げられるが tert-ブチルリチウムを用いると反応が高収率 で進行するため、tert-ブチルリチウムが特に ましい。

また上記2)の方法における金属交換試薬と ては塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ニ ケル、ホウ酸エステル、塩化アルキルシリ 、塩化アルキルスタンニルなどが挙げられ が、塩化亜鉛、ホウ酸エステルが好ましい

上記1)または2)の方法におけるクロスカッ リング反応用の触媒としては、鉄系触媒、 触媒、コバルト触媒、ニッケル触媒やパラ ウム触媒、ルテニウム触媒、ロジウム触媒 どの遷移金属触媒が挙げられるが、ニッケ 触媒、パラジウム触媒、銅触媒が好ましく パラジウム触媒がさらに好ましい。

パラジウム触媒としては、例えばパラジウム ブロマイド、パラジウムクロライド、パラジ ウムヨージド、パラジウムシアニド、パラジ ウムアセテート、パラジウムトリフルオロア セテート、パラジウムアセチルアセトナト[Pd (acac) 2 ]、ジアセテートビス(トリフェニルホスフィ )パラジウム[Pd(OAc) 2 (PPh 3 ) 2 ]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ ジウム[Pd(PPh 3 ) 4 ]、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム [Pd(CH 3 CN) 2 Cl 2 ]、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム [Pd(PhCN) 2 Cl 2 ]、ジクロロ[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ) タン]パラジウム[Pd(dppe)Cl 2 ]、ジクロロ[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ) ェロセン]パラジウム[Pd(dppf)Cl 2 ]、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフ ン)パラジウム〔Pd[P(C 6 H 11 ) 3 ] 2 Cl 2 〕、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン) ラジウム[Pd(PPh 3 ) 2 Cl 2 ]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジ ウム[Pd 2 (dba) 3 ]、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム [Pd(dba) 2 ]、等が挙げられるが、テトラキス(トリフェ ルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh 3 ) 4 ]、ジクロロ[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ) タン]パラジウム[Pd(dppe)Cl 2 ]、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パ ラジウム[Pd(PPh 3 ) 2 Cl 2 ]等のホスフィン系触媒が好ましい。

 上記の他にパラジウム触媒として、反応 中においてパラジウム錯体と配位子の反応 より合成されるパラジウム触媒を用いるこ ができる。配位子としては、トリフェニル スフィン、トリメチルホスフィン、トリエ ルホスフィン、トリス(n-ブチル)ホスフィン 、トリス(tert-ブチル)ホスフィン、ビス(tert- チル)メチルホスフィン、トリス(i-プロピル) ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン 、トリス(o-トリル)ホスフィン、トリス(2-フ ル)ホスフィン、2-ジシクロヘキシルホスフ ノビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフィ ノ-2’-メチルビフェニル、2-ジシクロヘキシ ホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1, 1’-ビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフ ノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル、2- シクロヘキシルホスフィノ-2’-(N,N’-ジメチ ルアミノ)ビフェニル、2-ジフェニルホスフィ ノ-2’-(N,N’-ジメチルアミノ)ビフェニル、2-( ジ-tert-ブチル)ホスフィノ-2’-(N,N’-ジメチル アミノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチル)ホスフ ノビフェニル、2-(ジ-tert-ブチル)ホスフィノ -2’-メチルビフェニル、ジフェニルホスフィ ノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、 ジフェニルホスフィノブタン、ジフェニルホ スフィノエチレン、ジフェニルホスフィノフ ェロセン、エチレンジアミン、N,N’,N’’,N ’’-テトラメチルエチレンジアミン、2,2’- ビピリジル、1,3-ジフェニルジヒドロイミダ リリデン、1,3-ジメチルジヒドロイミダゾリ デン、ジエチルジヒドロイミダゾリリデン 1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)ジヒドロ ミダゾリリデン、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)ジヒドロイミダゾリリデンが挙げ られ、これらの配位子のいずれかが配位した パラジウム触媒をクロスカップリング触媒と して用いることができる。

カップリング反応の反応溶媒としては、反 応に影響を及ぼさない限り特に限定されない が、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香 族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢 酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル 、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメト キシエタン、ジイソプロピルエーテル等のエ ーテル類、トリエチルアミン、ジエチルアミ ン等のアミン類、塩化メチル、クロロホルム 、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジブロ モエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセト ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメ チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等 のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類 、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる 。これらの溶媒は単独で用いても、二種以上 適宜組み合わせて用いてもよい。またこれら の溶媒はあらかじめ乾燥、脱気処理を行うこ とが望ましい。

 [実施形態2:有機電界発光素子]
次に、本発明の実施形態1に係るオリゴフェ レン誘導体を使用した有機電界発光素子の 施形態について説明する。

図1は、有機電界発光素子の概略断面構造 一例を示す。ガラス、プラスチック等の透 基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等を用いて透明 電極が形成される。透明電極は、ここでは陽 極として機能する。透明電極上には少なくと も1層の有機層が形成されている。

有機層は、少なくとも発光層を備え、当該 発光層中に、本発明のオリゴフェニレン誘導 体が、少なくとも含まれる。

本発明の有機電界発光素子は、用いる有機 化合物の機能等によって異なる層構造のもの を採用することができる。発光層の単層構造 の他、正孔輸送層/発光層、発光層/電子輸送 、正孔輸送層/発光層/電子輸送層、等の多 構造を採用することが可能である。本実施 態では、透明電極側から順に、正孔輸送層/ 起子ブロック層/発光層/電子輸送層が積層 れている。

有機層上には、金属電極が形成されている 。金属電極は、ここでは陰極として機能する 。この金属電極は、例えば、図1に示すよう Mg-Ag合金とAg等(保護層)の積層体、図2に示す うにLiF層(電子注入層)とAl電極等との積層体 により構成することができる。また、図示は しないが、これらの他にもAl電極の単独層ま はAlとLiやCsなどのアルカリ金属との合金に り金属電極を構成することもできる。また 図示しないが、透明電極と正孔輸送層との には銅フタロシアニン(CuPc)、スターバース アミン、酸化バナジウム、酸化モリブデン を用いて正孔注入層を形成してもよい。

また、正孔輸送層と発光層との間には、mCP 等を用いて励起子ブロック層を形成してもよ い。

本実施形態2では、以上のような構成の有 電界発光素子において、上記実施形態1で説 したオリゴフェニレン誘導体を用いる。こ オリゴフェニレン誘導体は、正孔注入層、 孔輸送層、励起子ブロック層、発光層、正 ブロック層、電子輸送層、電子注入層等の 機薄膜用の材料として用いることができる 、特に発光層の材料として用いることが好 しい。前記オリゴフェニレン誘導体は、単 で発光層の材料として用いることもできる 、発光効率、駆動電力の低減、発光色の色 度向上等の観点より、ホスト材料として用 て、ドーパント材料(蛍光発光物質または燐 光発光物質)を所定量ドープして発光層とす ことが好ましい。特に、本願発明のオリゴ ェニレン誘導体は、青色燐光材料に対する スト材料として、特に優れた機能を発揮す ため、青色燐光発光型有機電界発光素子の 光層の材料として用いると、高効率で耐久 の高い素子を実現することができる。

すなわち、図面にも現されるように、青色 燐光材料をドープ剤とし、それに対するホス ト材料として本願発明のオリゴフェニレン誘 導体を使用して発光層とし、この発光層を、 [陽極/正孔輸送層/励起子ブロック層/発光層/ 子輸送層/陰極]の順序で構成された有機電 素子の中で用いることは特に好ましい態様 1つである。

なお、本発明において「青色燐光」とは、 いわゆる純青色の燐光発光や、水色の燐光発 光など、概ね400nm~480nmにピーク波長をもつ、 光ドーパントに基づく発光を指す。

もっとも、本発明のオリゴフェニレン誘導 体の用途はこれに限られず、緑色、或いは赤 色の燐光発光用の有機電界素子としても有効 に機能する。また、青色、緑色、或いは赤色 の蛍光発光用の有機電界素子としても有効に 機能する。

次に、実施形態1に係るオリゴフェニレン誘 体と共に有機電界発光素子の有機層に使用 能な材料の例を説明する。まず、発光層の スト材料として、例えば一般式(1)のオリゴ ェニレン誘導体を用いる場合に、ドーパン 材料としては、例えば下記式(12)に示すFIrpic ような化合物、下記式(13)に示すFIr6のよう 化合物が挙げられる。緑色燐光用としては えば下記式(14)に示すIr(ppy) 3 (tris(2-phenylpyridine) iridium(III))が挙げられる。 色燐光用としては例えば下記式(15)に示すIr( piq) 3 (tris(2-phenylisoquinoline) iridium (III))が挙げられ 。

また、正孔輸送層に用いる材料としては、正 孔輸送機能を備えていれば特に限定されない が、例えば、トリフェニルアミンの多量体を 使用することができ、一例としては下記式(16 )に示すα-NPD、下記式(17)に示すTPTE(triphenylamine  tetramer)等を使用することができる。

電子輸送層に用いる材料としては、電子輸送 機能を備えていれば特に限定されないが、例 えば、下記式(18)に示すアルミキノリノール 体(Alq 3 : Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminum(III)))、下記式(19) に示すバソクプロイン(BCP)、下記式(20)に示す 4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BPhen)等 使用することができる。

発光層から正孔輸送層に励起子が流れ出てし まうことを防止するために発光層と正孔輸送 層との間に励起子ブロック層を形成すること が好適である。励起子ブロック層に用いる材 料としては、下記式(22)に示すmCPを使用する とができる。

次に、実施形態1に係るオリゴフェニレン 導体を燐光発光のためのホスト材料として いた、本実施形態2に係る有機電界発光素子 発光原理について説明する。

陽極として機能する透明電極と、陰極とし て機能する金属電極から、正孔及び電子を有 機層に注入すると、正孔は正孔輸送層を介し て、電子は電子輸送層及び正孔ブロック層を 介して輸送され、発光層に到達し、正孔と電 子は再結合する。この正孔と電子の再結合に より、まず発光層中のホスト材料である前記 オリゴフェニレン誘導体が励起状態となる。 前述したように、この励起状態は、一重項励 起状態が25%、三重項励起状態が75%となってい ると考えられる。このような割合のホスト材 料の励起エネルギーは、ドーパント材料に移 動し、ドーパント材料は、それぞれ一重項励 起状態及び三重項励起状態となる。ドーパン ト材料の一重項励起状態は、さらに三重項励 起状態に移動し、最終的に三重項励起状態か らの燐光発光が主となる。これによって、発 生した励起状態のエネルギーのほぼ全てが発 光エネルギーとして使用されることになる。 もしくは、ホスト中のドーパント材料で直接 的に電子と正孔が再結合し、100%の効率で三 項励起子が生成されると考えられる。

本実施形態においては、前記オリゴフェニ レン誘導体をホスト材料として使用すると、 併用する燐光発光用ドーパント材料に応じて 、青色、緑色、赤色の各燐光発光を高色純度 、高効率で得ることができる。また、前記オ リゴフェニレン誘導体の骨格上の置換基を変 更することによって、オリゴフェニレン誘導 体のバンドギャップの幅(吸収端の値)を調整 ることができ、青色、緑色、赤色の各燐光 光用ドーパント材料に最適化したホスト材 を設計することができる。特に、一般式(1) オリゴフェニレン誘導体はFIrpicやFIr6といっ た青色燐光発光用ドーパントのホスト材料と して使用することができ、それが本発明のホ スト材料の有する優れた特性を活かすことが できる、特に好ましい態様の1つである。

 本発明の中でも、一対の電極間に、少なく も一層の有機発光層を有する、青色燐光発 を用いた有機電界発光素子であって、有機 界発光素子が、さらに正孔輸送層、電子ブ ック層または励起子ブロック層および電子 送層を含み、前記有機発光層にはホスト材 および青色燐光ドーパント材料を含み、該 スト材料が、下記式で表される1,4-ビス(2’, 4’,6’-トリメチル-3’-(3’’-ピリジル)フェ ル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP-PyMS)
または、1,4-ビス(2’,4’,6’-トリメチル-3’- ェニルフェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP -PMS)
または、1,4-ビス(2’-ピリジル-3’-(2”,6”-ジ メチルフェニル))-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP- DMPPy)
または、1,4-ビス((2’,4’,5’,6’-テトラフル ロ-3’-(3’’-ピリジル))フェニル)-2,5-ジフ ニルベンゼン(PTP-Py4FP)
または、1,4-ビス((6’-メチル-3’-(2’’-メチ )フェニル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼ (PTP-MPMP)
または、1,4-ビス((6’-メチル-3’-(6’’-メチ )-3’’-ピリジル)フェニル)-2,5-ジフェニル ンゼン(PTP-MPyMP)
または、1,4-ビス((6’-メチル-3’-(2’’-メチ )フェニル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチルフ ニル)ベンゼン
または、1,4-ビス((6’-メチル-3’-(6’’-メチ )-3’’-ピリジル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メ ルフェニル)ベンゼン(CH3-PTP-MPyMP)
または、1,4-ビス(2’,4’,6’-トリメチル-3’-( 2’’-ピリジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベン ゼン(PTP-2PyMS)
または、1,4-ビス(3’,5’-ビス((2’’-メチル)- フェニル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(P TP-BMPP)
または、1,4-ビス(3’,5’-ビス((2’’-メチル)- フェニル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチルフェ ル)ベンゼン(CH3-PTP-BMPP)
または、1,4-ビス(3’,5’-ビス((6’’-メチル)- 3’’-ピリジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベン ゼン(PTP-BMPyP)
または、1,4-ビス(3’,5’-ビス((6’’-メチル)- 3’’-ピリジル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチル フェニル)ベンゼン(CH3-PTP-BMPyP)
であり、
該青色燐光ドーパントが、下記式で表される FIrpic
である、青色燐光発光を用いた有機電界発光 素子は、本発明のオリゴフェニレン誘導体の 特性を発揮することのできる、特に好ましい 実施形態として挙げられる。

 また、ホスト材料として、PTP-PyMS、PTP-PMS PTP-MPyMP、CH3-PTP-MPyMP、PTP-2PyMS、PTP-BMPP、CH3-PRP -BMPP、PTP-BMPyPまたはCH3-PTP-BMPyPであることが、 さらに好ましい。

また、本実施形態1に係るオリゴフェニレ 誘導体は、有機電界発光素子に限らず、表 素子,コンピュータ,テレビ,携帯電話,デジタ カメラ,PDA,カーナビゲーション等のディス レイやバックライト;照明、インテリア、標 、交通信号機、看板など;CD,DVD等の記録光源 、読み取り光源;複写機、スキャナ等の光源;C D-R,DVD-R等の記録用光ディスクの記録層用色素 ;レーザー色素;増感色素;医療診断用蛍光薬剤 ;等の幅広い分野に好適に使用することがで る。

また、本実施形態2に係る有機電界発光素 は、表示素子,コンピュータ,テレビ,携帯電 ,デジタルカメラ,PDA,カーナビゲーション等 ディスプレイ;バックライト等の光源;照明; ンテリア;標識;交通信号機;看板などに好適 使用することができる。

[実施例]
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明を より具体的に詳細に説明するが、本発明は以 下の実施例に限定されるものではない。
<オリゴフェニレン誘導体の合成>

1,4-ビス(2’,4’,6’-トリメチル-3’-(3’’- リジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PT P-PyMS)の合成

PyMS-Br(1.09 g, 3.95 mmol)、PTP-B(pin)(785 mg, 1.63 m mol)、Pd 2 (dba) 3 ・CHCl 3 (45.1 mg, 0.044 mmol)、S-PHOS(69.5 mg, 0.169 mmol)、 K 3 PO 4 (701 mg, 3.30 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(10 mL)、H 2 O(5 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 クロロメタンで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をシリカゲルに通した。溶媒 を減圧留去し、PTP-PyMSの粗体を得た。粗体をG PC(溶媒:クロロホルム)で分取し、目的化合物 ある白色固体(712 mg, 70%)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CDCl 3 ): ≡ 8.56(s, 2H), 8.44(s, 1H), 8.12(s, 1H), 7.51(d , J HH  = , 7.6 Hz, 1H), 7.38-7.30(m, 4H), 7.22-7.10(m, 11 H), 6.99(s, 2H), 2.09(s, 6H), 1.98(s, 6H), 1.64(s, 6 H). EI MS m/z 620.0(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は110℃、励起三重項エネルギーは2.7eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(2’,4’,6’-トリメチル-3’-フェニ フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP-PMS)の 成

PMS-Br(1.16 g, 4.20 mmol)、PTP-B(pin)(844 mg, 1.75 mm ol)、Pd 2 (dba) 3 ・CHCl 3 (45.5 mg, 0.044 mmol)、S-PHOS(71.8 mg, 0.175 mmol)、 K 3 PO 4 (743 mg, 3.50 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(10 mL)、H 2 O(5 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 ロロホルムで分液し、MgSO 4 で乾燥し、溶液をシリカゲルに通した。溶媒 を減圧留去し、PTP-PMSの粗体を得た。粗体をGP C(溶媒:クロロホルム)で分取し、目的化合物 ある白色固体(720 mg, 67%)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CDCl 3 ): ≡ 8.58-8.54(m, 2H), 8.44(s, 1H), 8.11(d, J HH  = 2.0 Hz, 1H), 7.51(d, J HH  = 7.2 Hz, 1H), 7.38-7.32(m, 4H), 7.21-7.13(m, 11H),  6.99(s, 2H), 2.10-2.09(m, 6H), 1.98(s, 6H), 1.64-1.6 3(m, 2H). EI MS m/z 618.6(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は100℃、励起三重項エネルギーは2.7eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(2’-ピリジル-3’-(2”,6”-ジメチル フェニル))-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP-DMPPy)の 合成

DMPPy-Br(1.18 g, 4.50 mmol)、PTP-B(pin)(908 mg, 1.88  mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (220 mg, 0.190 mmol)、K 2 CO 3 (634 mg, 4.59 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(10 mL)、H 2 O(5 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 クロロメタンで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-DMPPyの粗体を得た。粗体にト ルエンを加え、不要成分を採取することで、 目的化合物である白色固体(1.03 g, 93%)を得た 。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 7.72(s, 2H), 7.54(t, J HH  = 7.8Hz, 2H), 7.30-7.23(m,10H), 7.19-7.15(m,2H), 7.08 (d, J HH  = 8.0Hz, 4H), 7.65(d, J HH  = 8.0 Hz, 2H), 7.01(d, J HH  = , 7.8 Hz, 2H), 2.00(s, 12H). EI MS m/z 592.5(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は95℃であり、比較例1に示したCBPの結 よりも有意に優れた物性値を示した。

1,4-ビス((2’,4’,5’,6’-テトラフルオロ-3 -(3’’-ピリジル))フェニル)-2,5-ジフェニル ンゼン(PTP-Py4FP)の合成

Py4FP-Br(1.20 g, 3.92 mmol)、PTP-B(pin)(793 mg, 1.64  mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (386 mg, 0.334 mmol)、K 2 CO 3 (571 mg, 4.13 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(10 mL)、H 2 O(5 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後THF 留去、7%H 2 O 2 を加え、クロロホルムで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-Py4FPの粗体を得た。粗体をGPC により分取、さらにトルエンで洗浄すること で、目的化合物である白色固体(890 g, 79%)を た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 8.62-8.59(m, 2H), 8.45(s, 2H), 7.61(s, 2H), 7 .60-7.55(m,2H), 7.40-7.26(m,12H).  19 F NMR(376.1 MHz, CDCl3): ≡ -118.4(t, J FF  = 9.4Hz, 2F), -133.2(d, J FF  = 22.5Hz, 2F), -136.9(d, J FF  = 22.5Hz, 2F), -163.9(qui, J FF  = 22.5Hz, 9.4Hz, 2H), EI MS m/z 680.4(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は80℃、励起三重項エネルギーは2.7eVで あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス((6’-メチル-3’-(2’’-メチル)フェ ニル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP-MPM P)の合成

MPMP-Br(1.99 g, 7.65 mmol)、PTP-B(pin)(1.57 g, 3.26 m mol)、Pd(PPh 3 ) 4 (380.5 mg, 0.33 mmol)、K 2 CO 3 (1.06 mg, 7.67 mmol)をナス型フラスコに入れ、T HF(12 mL)、H 2 O(6 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、T HFを留去、ジクロロメタンで分液し、MgSO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-MPMPの粗体を得た。粗体をシ カゲルでろ過し、GPCにより分取することで 目的化合物である白色固体(1.36 g, 71%)を得 。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 7.45(s, 2H), 7.24-7.16(m, 20H), 7.12(d, J HH  = 8.0 Hz, 2H), 2.15(s, 3H) , 2.13(s, 3H) , 2.05( s, 6H). EI MS m/z 590.5(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は85℃、励起三重項エネルギーは2.8eVで あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス((6’-メチル-3’-(6’’-メチル)-3’ -ピリジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼ (PTP-MPyMP)の合成

MPyMP-Br(1.89 g, 7.20 mmol)、PTP-B(pin)(1.45 g, 3.00  mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (346.7 mg, 0.30 mmol)、K 2 CO 3 (829.3 mg, 6.00 mmol)をナス型フラスコに入れ、 THF(20 mL)、H 2 O(10 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 トルエンで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-MPyMPの粗体を得た。粗体にヘ キサンを加え、不溶成分を採取することで、 目的化合物である白色固体(1.69 g, 95%)を得た 。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 8.37(d, J HH  = 5.6 Hz, 2H), 8.27(s, 2H), 7.47(s,2H), 7.26-7.24(m ,2H), 7.20(m,10H), 7.12-7.04 (m,6H), 2.23(s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.00(s, 3H), 1.99(s, 3H). EI MS m/z 592.6( M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は90℃、励起三重項エネルギーは2.8eVで あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス((6’-メチル-3’-(6’’-メチル-3’ -ピリジル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチルフェ ニル)ベンゼン(CH3-PTP-MPyMP)の合成

MPyMP-Br(1.89 g, 7.20 mmol)、CH 3 -PTP-B(pin)(1.45 g, 3.00 mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (346 mg, 0.30 mmol)、K 2 CO 3 (829 mg, 6.00 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(20 mL)、H 2 O(10 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 クロロホルムで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、CH 3 -PTP-MPyMPの粗体を得た。粗体に酢酸エチルを え、不溶成分を採取することで、目的化合 である白色固体(1.45 g, 78%)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 8.37(d, J HH  = 4.8 Hz, 2H), 8.10(m, 2H), 7.36(s, 2H), 7.28-7.26 (m, 4H), 7.24-6.81(m,12H), 2.36-1.89 (m, 18H). EI MS m/z 620.4(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は95℃、励起三重項エネルギーは2.8eVで あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(2’,4’,6’-トリメチル-3’-(2’’- リジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PT P-2PyMS)の合成

2PyMS-Br(2.49 g, 9.00 mmol)、PTP-B(pin)(1.45 g, 3.00  mmol)、Pd 2 (dba) 3 ・CHCl 3 (77.6 mg, 0.075 mmol)、S-PHOS(123 mg, 0.30 mmol)、K 3 PO 4 (1.27 g, 6.00 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(30 mL)、H 2 O(15 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 トルエンで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-2PyMSの粗体を得た。その後粗 体を昇華精製し、目的化合物である白色固体 (380 mg, 20%)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CDCl 3 ): ≡ 8.71(m, 2H), 7.71(m, 2H), 7.33(s, 2H), 7.23-7 .19(m,12H), 7.00-6.90(m,12H), 1.98-1.72 (m, 18H). EI M S m/z 620.0(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は113℃、励起三重項エネルギーは2.7eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(3’,5’-ビス((2’’-メチル)-フェニ ル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PTP-BMPP) 合成

BMPP-Br(2.53 g, 7.50 mmol)、PTP-B(pin)(1.21 g, 2.51 m mol)、Pd(PPh 3 ) 4 (300 mg, 0.26 mmol)、K 2 CO 3 (1.05 g, 7.60 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(10 mL)、H 2 O(5 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、T HFを留去、クロロホルムで分液し、MgSO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-BMPPの粗体を得た。粗体にジ チルエーテルを加え、不溶成分を採取する とで、目的化合物である白色固体(1.52 g, 82 %)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 7.61(s, 2H), 7.34-7.26(m, 10H), 7.21-7.11(m, 1 8H), 7.10(d, J HH  = 7.2 Hz, 4H), 2.14(s, 12H). EI MS m/z 742.7(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は110℃、励起三重項エネルギーは2.8eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス((3’,5’-ビス((2’’-メチル)-フェ ル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチルフェニル)ベ ンゼン(CH3-PTP-BMPP)の合成

BMPP-Br(3.06 g, 9.07 mmol)、CH3-PTP-B(pin)(1.56 g, 3.0 6 mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (354 mg, 0.306 mmol)、K 2 CO 3 (1.26 g, 9.12 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(12 mL)、H 2 O(6 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、T HFを留去、ジクロロメタンで分液し、MgSO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、CH3-PTP-BMPPの粗体を得た。粗体に ジエチルエーテルを加え、不溶成分を採取す ることで、目的化合物である白色固体(1.82g,  77%)を得た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 7.48(d, J HH  = 4.0 Hz, 2H), 7.32(d, J HH  = 7.2 Hz, 2H), 7.23-7.14(m, 22H), 7.08(s, 2H), 6.9 9(d, J HH  = 7.2 Hz, 4H), 2.11(s, 12H) , 2.04(s, 6H). EI MS  m/z 770.8(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は110℃、励起三重項エネルギーは2.9eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(3’,5’-ビス((6’’-メチル)-3’’- リジル)フェニル)-2,5-ジフェニルベンゼン(PT P-BMPyP)の合成

BMPyP-Br(2.04 g, 6.00 mmol)、PTP-B(pin)(1.21 g, 2.50  mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (289 mg, 0.25 mmol)、K 2 CO 3 (691 mg, 5.00 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(20 mL)、H 2 O(10 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 クロロホルムで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-BMPyPの粗体を得た。粗体にア セトニトリルを加え、不溶成分を採取するこ とで、目的化合物である白色固体(1.63 g, 87%) を得た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 8.43(d, J HH  = 5.6 Hz, 4H), 8.28(s, 4H), 7.61(s, 2H), 7.31(m,10 H), 7.24(d, J HH  = 8.0 Hz, 2H), 7.15-7.14(m, 6H), 2.15(s, 12H). EI MS m/z 746.0(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は125℃、励起三重項エネルギーは2.8eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。

1,4-ビス(3’,5’-ビス((6’’-メチル)-3’’- リジル)フェニル)-2,5-ビス(2’-メチルフェニ ル)ベンゼン(CH3-PTP-BMPyP)の合成

 BMPyP-Br(2.04 g, 6.00 mmol)、CH 3 -PTP-B(pin)(1.28 g, 2.50 mmol)、Pd(PPh 3 ) 4 (289 mg, 0.25 mmol)、K 2 CO 3 (691 mg, 5.00 mmol)をナス型フラスコに入れ、TH F(20 mL)、H 2 O(10 mL)を加え、加熱還流した。反応終了後、 クロロホルムで分液し、Na 2 SO 4 で乾燥し、溶液をセライトろ過した。溶媒を 減圧留去し、PTP-BMPyPの粗体を得た。粗体にア セトニトリルを加え、不溶成分を採取するこ とで、目的化合物である白色固体(1.87 g, 95%) を得た。 1 H NMR(400 MHz, CD 2 Cl 2 ): ≡ 7.72(s, 2H), 7.54(t, J HH  = 7.8Hz, 2H), 7.30-7.23(m,10H), 7.19-7.15(m,2H), 7.08 (d, J HH  = 8.0Hz, 4H), 7.65(d, J HH  = 8.0 Hz, 2H), 7.01(d, J HH  = , 7.8 Hz, 2H), 2.00(s, 12H). EI MS m/z 775.0(M + ).合成した化合物の物性測定の結果、ガラス 移点は120℃、励起三重項エネルギーは2.8eV あり、比較例1に示したCBPの結果よりも有意 優れた物性値を示した。
[比較例1]
公知材料であるCBPはガラス転移点をもたず、 薄膜状態の安定性に乏しく結晶化しやすい性 質であることを示した。また、励起三重項エ ネルギーは2.6eVであった。

<青色燐光発光有機電界発光素子の評価&g t;

ガラス基板上にITOの透明電極を110nmの膜厚 形成し、洗剤による超音波洗浄、純水によ 超音波洗浄、アセトンによる超音波洗浄を2 回、イソプロピルアルコール洗浄を行い、最 後にイソプロピルアルコールによる煮沸洗浄 を行った後、乾燥した。続いてUVオゾン処理 行った。その基板を直ちに真空チャンバへ 入した。

真空蒸着(真空度10 -4 Pa)により、α-NPDを40nm堆積して、正孔輸送層 形成した。その後、励起子ブロック層とし mCPを10nm堆積した。次に、発光層のホスト材 として実施例1で合成したPTP-PyMSを用い、ド パント材料としてイリジウム錯体(FIrpic)が スト材料に対し6重量%の割合となるように同 時蒸着して、発光層を20nmの厚さに形成した さらに、正孔ブロック層兼電子輸送層とし BPhenを40nm堆積した。さらにこの後、金属電 としてMgとAgを10:1の重量比となるように100nm 時蒸着し、さらに保護層としてAgを10nm蒸着 た。以上により素子部を得た。

このようにして得られた有機電界発光素子 に直流電流を印加し、連続駆動させてその発 光効率及び発光スペクトルの測定を行った。 青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピーク波 長:470nm)が確認された。この素子の外部量子 率は10%であった。この効率は、全く同一条 でCBPをホスト材料とした比較例2(下記)の結 よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をPTP-PMSに代えた以外は、実施 例13と同様にして有機電界発光素子を構成し 。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピー 波長:470nm)が確認された。この素子の外部量 子効率は7.3%であった。この効率は、全く同 条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下記) 結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をPTP-MPyMPに代えた以外は、実 例13と同様にして有機電界発光素子を構成 た。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピ ク波長:470nm)が確認された。この素子の外部 子効率は8.4%であった。この効率は、全く同 一条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下記) の結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をCH3-PTP-MPyMPに代えた以外は、 実施例13と同様にして有機電界発光素子を構 した。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光( ーク波長:470nm)が確認された。この素子の外 部量子効率は7.0%であった。この効率は、全 同一条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下 記)の結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をPTP-2PyMSに代えた以外は、実 例13と同様にして有機電界発光素子を構成 た。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピ ク波長:470nm)が確認された。この素子の外部 子効率は6.9%であった。この効率は、全く同 一条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下記) の結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をPTP-BMPPに代えた以外は、実 例13と同様にして有機電界発光素子を構成し た。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピー ク波長:470nm)が確認された。この素子の外部 子効率は7.3%であった。この効率は、全く同 条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下記) 結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をCH3-PTP-BMPPに代えた以外は、 施例13と同様にして有機電界発光素子を構 した。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光( ーク波長:470nm)が確認された。この素子の外 量子効率は9.6%であった。この効率は、全く 同一条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下 )の結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をPTP-BMPyPに代えた以外は、実 例13と同様にして有機電界発光素子を構成 た。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光(ピ ク波長:470nm)が確認された。この素子の外部 子効率は10%であった。この効率は、全く同 条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下記) 結果よりも、有意に高い値であった。

 ホスト材料をCH3-PTP-BMPyPに代えた以外は、 実施例13と同様にして有機電界発光素子を構 した。青色燐光材料(FIrpic)からの青色発光( ーク波長:470nm)が確認された。この素子の外 部量子効率は9.1%であった。この効率は、全 同一条件でCBPをホスト材料とした比較例2(下 記)の結果よりも、有意に高い値であった。

[比較例2]
ホスト材料をCBPに代えた以外は、実施例13と 様にして有機電界発光素子を構成した。  の素子の外部量子効率は5.7%であり、実施例1 3乃至21より劣るものであった。

実施例14の有機電界発光素子に100mA/cm 2 の負荷をかけて駆動させたところ、外部量子 効率は3.8%となった。これはCBPをホスト材料 した比較例3の結果よりも有意に高い値で、 スト材料の耐久性が高いことが示された。

実施例18の有機電界発光素子に100mA/cm 2 の負荷をかけて駆動させたところ、外部量子 効率は3.8%となった。これはCBPをホスト材料 した比較例3の結果よりも有意に高い値で、 スト材料の耐久性が高いことが示された。

実施例19の有機電界発光素子に100mA/cm 2 の負荷をかけて駆動させたところ、外部量子 効率は4.9%となった。これはCBPをホスト材料 した比較例3の結果よりも有意に高い値で、 スト材料の耐久性が高いことが示された。

[比較例3]
比較例2の有機電界発光素子に100mA/cm 2 の負荷をかけて駆動させたところ、外部量子 効率は3.0%となり、実施例22乃至24よりも劣る のであった。

以上のように、本発明のオリゴフェニレン系 材料は、青色燐光発光用のホスト材料として 有効に機能し、しかも従来知られていた青色 燐光発光用のホスト材料であるCBP(カルバゾ ル基によりなるホスト材料)や先に発明した ンゾアゾール系化合物に比べて、EL素子効 が有意に優れることが判った。これは、本 明のホスト材料の、
(a)ねじれた分子構造による分子の柔軟性(ア ルファス性)が向上し、それにより発光層全 の耐久性が向上したこと
(b)分子構造の非平面性により、π共役が弱く り、それにより効果的にバンドギャップが がったこと、
の各効果が相乗した結果、青色燐光発光用に も十分なバンドギャップを持ち、なおかつ、 エネルギー遷移が効率的に起こる発光素子が 得られたことを示している。