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Patent Searching and Data


Title:
OVERHEAD LINE TENSION BALANCER, AND DEVICE ADAPTED TO PREVENT LUBRICATING OIL FROM SCATTERING AND USED FOR THE OVERHEAD LINE TENSION BALANCER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147995
Kind Code:
A1
Abstract:
An overhead line tension balancer has a water drain structure and can prevent lubricating oil in the tension balancer from scattering to the outside. An overhead line tension balancer (100) for supporting a spanned overhead line while applying tension thereto, wherein rainwater collecting inside the overhead line tension balancer is collected from a collecting pipe connecting section (209) into a collecting tank (211) through a collecting pipe (207).  The oil content of grease applied to the inside of the overhead line tension balancer (100) is prevented from scattering to the outside even if the oil content is fluidized together with the rainwater.

Inventors:
KIMURA TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059811
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
May 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NHK SPRING CO LTD (JP)
KIMURA TORU (JP)
International Classes:
B60M1/26
Foreign References:
JPH1148834A1999-02-23
JP2006226086A2006-08-31
Attorney, Agent or Firm:
SUENARI, Mikio (JP)
End 成 Mikio (JP)
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Claims:
 同軸状に配置された複数の筒部材と、
 前記複数の筒部材間における相対的な軸方向の伸長に対して弾性力を与えるコイルばねと、
 前記コイルばねに塗布された潤滑剤と、
 前記複数の筒部材間の隙間に溜まる雨水を外部に抜く水抜き手段と、
 前記水抜き手段から流出する流体を収集する流体収集手段と
 を備えることを特徴とする架空線用テンションバランサ装置。
 前記水抜き手段は、孔または隙間であり、
 前記流体収集手段は、前記孔または隙間に接続されたパイプであることを特徴とする請求項1に記載の架空線用テンションバランサ装置。
 水抜き用の孔または隙間を備えた架空線用テンションバランサに取り付ける潤滑油飛散防止装置であって、
 前記水抜き用の孔または隙間に接続される収集用接続部材と、
 前記収集用接続部材に接続されるパイプと、
 前記収集用接続部材と前記パイプとを前記架空線用テンションバランサに取り付ける取り付け部材と
 を備えることを特徴とする潤滑油飛散防止装置。
Description:
架空線用テンションバランサ装 およびその潤滑油飛散防止装置

 本発明は、架空線用テンションバランサ 置およびそれに適用可能な技術に関する。

 鉄道の架空線(架線)に適切なテンション( 力)を与える装置として、コイルばねを用い た架空線用テンションバランサが知られてい る(例えば特許文献1を参照)。架空線用テンシ ョンバランサは、同軸配置された複数の円筒 を有し、外側の円筒に対して内側の円筒を引 き出そうとした場合に、ばねの弾性により張 力が働く構造とされている。このため、外側 の円筒と内側の円筒とが相対的に可動する構 造でなければならない。そのため、外側円筒 と内側円筒との隙間からの雨水の侵入があり 、その雨水を排出するための水抜き孔や隙間 等の水抜き構造が設けられている。

 一方、架空線用テンションバランサ内に 、架空線にテンションを与えるためのコイ ばねが収められているが、このコイルばね 、上述した円筒の可動において、円筒内面 るいはより内側の円筒外面と擦れる。この め、潤滑剤としてグリースがコイルばねと 筒との接触部分に塗布されている。

特開平11-48834号

 上述した構造の架空線用テンションバラ サにおいて、水抜き孔からグリースの油分 外部に飛散し、架空線用テンションバラン を支える支柱や線路面を汚すことがある。 発明者らは、この現象を解析した結果、以 の知見を得た。まず、グリース自体は粘性 高いが、時間が経過すると、油分が分離し それが流動成分となる傾向がある。この傾 は、水抜き孔から侵入した雨水がグリース 触れた場合に顕著になる。また、架空線用 ンションバランサは、設置状況に応じて、 線方向に傾けて配置される場合があるが、 の配置の傾きが上記雨水の浸入および所定 方向への飛散を助長する場合がある。

 このような背景において、本発明は、水 き構造を採用しつつ、内部の潤滑剤に起因 る油分の外部への飛散を抑えることができ 架空線用テンションバランサを提供するこ を目的とする。また、本発明は、水抜き構 を有する既存の架空線用テンションバラン において、内部の潤滑剤に起因する油分の 部への飛散を抑えることができる技術を提 することを目的とする。

 請求項1に記載の発明は、同軸状に配置さ れた複数の筒部材と、前記複数の筒部材間に おける相対的な軸方向の伸長に対して弾性力 を与えるコイルばねと、前記コイルばねに塗 布された潤滑剤と、前記複数の筒部材間の隙 間に溜まる雨水を外部に抜く水抜き手段と、 前記水抜き手段から流出する流体を収集する 流体収集手段とを備えることを特徴とする架 空線用テンションバランサ装置である。

 筒部材の数は、2以上であればよく、その 数は限定されない。またコイルばねの数も限 定されない。潤滑剤は、コイルばねと筒部材 との摺動部分に塗布あるいは充填される潤滑 性のある塗布剤であり、例えば潤滑用に市販 されているグリースが利用される。

 請求項1に記載の発明によれば、水抜き手 段から潤滑剤の油分が外部に流出しても、そ れが流体収集手段により収集される。このた め、油分の飛散を抑えることができる。また 、水抜き手段の機能は維持されるので、架空 線用テンションバランサの内部に侵入した雨 水を架空線用テンションバランサから外部に 排出する機能は損なわれない。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 発明において、水抜き手段は、孔または隙 であり、流体収集手段は、前記孔または隙 に接続されたパイプであることを特徴とす 。請求項2に記載の発明によれば、油分や雨 が、孔または隙間からパイプによって架空 用テンションバランサの外部に飛散しない 態で収集される。

 請求項3に記載の発明は、水抜き用の孔ま たは隙間を備えた架空線用テンションバラン サに取り付ける潤滑油飛散防止装置であって 、前記水抜き用の孔または隙間に接続される 収集用接続部材と、前記収集用接続部材に接 続されるパイプと、前記収集用接続部材と前 記パイプとを前記架空線用テンションバラン サに取り付ける取り付け部材とを備えること を特徴とする潤滑油飛散防止装置である。

 請求項3に記載の発明によれば、水抜き手 段を備えた既存の架空線用テンションバラン サに取り付けることで、水抜き手段からの油 分および雨水を飛散させずにパイプによって 架空線用テンションバランサの外部で収集す ることができる。

 以上説明した発明を利用した架空線用テ ションバランサが用いられる架空線は、鉄 用に限定されず、架設され張力を与える必 のある各種電力線や電気信号線であっても い。また、架空線は、電線等を支持するワ ヤや荷物運搬用のワイヤ等であってもよい

 本発明によれば、水抜き構造を採用しつ 、内部の潤滑油に起因する油分の外部への 散を抑えることができる架空線用テンショ バランサが提供される。また本発明によれ 、水抜き構造を有する既存の架空線用テン ョンバランサにおいて、内部の潤滑油に起 する油分の外部への飛散を抑えることがで る技術が提供される。

発明が適用される架空線用テンション ランサの概要を示す断面図である。 発明を利用した架空線用テンションバ ンサの設置状態を示す側面図である。 図1の一部を拡大した拡大側面図(A)と、 それを90°異なる方向から見た背面図(B)であ 。 発明が適用される架空線用テンション ランサの概要を示す断面図である。 発明を利用した架空線用テンションバ ンサの設置状態を示す側面図である。 図5の一部を拡大した拡大図である。 発明が適用される架空線用テンション ランサの概要を示す断面図である。 発明を利用した架空線用テンションバ ンサの設置状態を示す側面図である。 図8の一部を拡大した拡大図である。 図2に示す構成に防水カバーを取り付 た状態を示す側面図(A)と正面図(B)である。

 100…架空線用テンションバランサ、101… 側筒状構造体、102…中側筒状構造体、103… 側筒状構造体、104…コイルばね、105…コイ ばね、106…架空線取り付け部材、108…U棒、 110…切り欠き、200…支柱、201…取り付けバン ド、202…取り付け部材、203…ボルト、204…吊 り部材、205…支持部材、206…目盛板、207…収 集パイプ、208…固定部材、209…収集パイプ接 続部、210…取り付けバンド、211…回収タンク 、210a…締め付け部、210b…締め付け部、212… ジャスタ、213…ボルト、214…支持板、215… ダプタ、216…ドレイン管。

(1)第1の実施形態
(架空線用テンションバランサの構造)
 まず、本発明が適用される架空線用テンシ ンバランサの基本構造の一例について説明 る。図1には、架空線用テンションバランサ 100の断面構造が示されている。架空線用テン ションバランサ100は、外側筒状構造体101と中 側筒状構造体102と内側筒状構造体103とを備え ている。

 外側筒状構造体101と中側筒状構造体102と 隙間には、圧縮された状態にあるコイルば 104が収められている。図1に示す状態におい て、コイルばね104の左端は、中側筒状構造体 102の外側フランジ部102aに接触し、コイルば 104の右端は、外側筒状構造体101の内側フラ ジ部101aに接触している。

 中側筒状構造体102と内側筒状構造体103と 隙間には、圧縮された状態にあるコイルば 105が収納されている。図1に示す状態におい て、コイルばね105の左端は、内側筒状構造体 103の外側フランジ部103aに接触し、コイルば 105の右端は、中側筒状構造体102の内側フラ ジ部102aに接触している。コイルばね104と105 、筒状構造体と接触する部分には、両者間 相対的な滑りを阻害しないように潤滑用の リースが塗布あるいは充填されている。

 図1における内側筒状構造体103の右端端面 には、架空線取り付け部材106が固定されてい る。架空線106は、ボルト孔106aを備え、この ルト孔106aを利用して図示省略した架空線が 空線取り付け部材106に取り付けられる。

 また、架空線用テンションバランサ100は 支持部材107によって図示省略した支柱に支 される。より詳細にいうと、支持部材107の ランジ部107aが固定部材であるU棒108によっ 押さえられ、支持部材107が外側筒状構造体10 1に対して相対的に図の左方向に動かないよ にされている。なおU棒108は、外側筒状構造 101に形成された取り付け孔に図の上方から し込まれることで、外側筒状構造体101に取 付けられている。支持部材107には、ボルト 107bが設けられており、このボルト孔107bを 用して、架空線用テンションバランサ100が 図1では図示省略された支柱に取り付けられ 。

 支部部材107のフランジ部107aの下端部分に は、半円形の切り欠き110が形成されている。 この切り欠き110は、架空線用テンションバラ ンサ100の内部に侵入した雨水を外部に排出す る水抜き手段として機能する水抜き孔である 。

 図1に示す架空線用テンションバランサ100 は、図の左下がりに傾いた状態で用いられる 。この状態は、例えば、図の左下がりに傾斜 した斜面において架空線を架設する場合や架 空線を図の左下がりに傾斜させたい場合に相 当する。傾斜の角度は、設置状況による。こ のような図の左下がりに傾斜した状態で架空 線用テンションバランサ100を用いた場合、図 の右側における外側筒状構造体101と中側筒状 構造体102との間の隙間、さらに中側筒状構造 体102と内側筒状構造体103との間の隙間から雨 水が内部に侵入し易くなる。

 架空線用テンションバランサ100は、その 能故に、外側筒状構造体101と中側筒状構造 102とは、相対的に軸方向に摺動可能とされ さらに中側筒状構造体102と内側筒状構造体1 03とは、相対的に軸方向に摺動可能とされて る。したがって、上述した隙間からの雨水 浸入は、特殊な防水構造を採用しない限り け難い。この内部に侵入した雨水を外部に 出するために、切り欠き110が設けられてい 。

 すなわち、上述した図の右側の隙間から 空線用テンションバランサ100の内部に侵入 た雨水は、内部の下面に集まり、さらに左 がりの傾斜により、図の左方向に流れ、切 欠き110の部分に至る。なお、水抜きの構造 、切り欠き110のような孔構造に限定される のではなく、意図的に形成された隙間であ てもよい。

(架空線用テンションバランサの機能)
 図1に示す架空線用テンションバランサ100は 、テンションが加わっていない状態である。 図1に示す架空線用テンションバランサ100の 持部材107を図示省略した支柱に取り付け、 らに架空線取り付け部材106に架空線を取り け、架空線を架設する。この際、架空線の みおよび架空線を図の右方向に引く力によ 、架空線取り付け部材106が図の右方向に相 的に引かれる。

 一方、コイルばね104および105は圧縮状態 あるので、内側筒状構造体103を中側筒状構 体102から引き出し、さらに中側筒状構造体1 02を外側筒状構造体101から引き出すには、コ ルばね104および105の弾性力に打ち勝つ力が 要となる。この力の反力が、架空線取り付 部材106に取り付けられた架空線に作用する 力となる。こうして、図1の右方向に向かっ て張り渡される図示省略した架空線を図の左 方向に引っ張る張力が働く。この架空線への 張力の付与が、架空線用テンションバランサ の機能である。

(架空線用テンションバランサの使用状態)
 図2は、図1に示す基本構造を有する架空線 テンションバランサ100の使用状態を示す側 図である。図2には、架空線用テンションバ ンサ100が示されている。図2において、架空 線用テンションバランサ100の一端(左端)は、 柱200に支持されている。すなわち、支柱200 は、取り付けバンド201によって、取り付け 材202が固定されている。そして、取り付け 材202に支持部材107がボルト203によって固定 れている。外側筒状構造体101の上部には、 り部材204の一端が取り付けられ、吊り部材2 04の図示省略した他端は、支柱200の図示省略 た上部に固定されている。図2では、省略さ れているが、架空線取り付け部材106には、図 の右方向に延在して架設される架空線の一端 が取り付けられる。

 また、図2に示す例では、内側筒状構造体 103の右端の端面に、支持部材205を介して、目 盛板206が取り付けられている。目盛板206は、 架空線用テンションバランサ100の設置状態に おいて、外側筒状構造体101に対する内側筒状 構造体103の変位量を確認するために利用され る。なお、図2からは明かでないが、図示す 状況は、左下がりの傾斜地であり、架空線 テンションバランサ100は、僅かに(水平から 度)左下がりに傾斜した状態で配置されてい る。

 図2に示す架空線用テンションバランサ100 の左端には、流体収集手段の一例である収集 パイプ207が取り付けられている。収集パイプ 207は樹脂製であり、固定部材208によって支柱 200に固定されている。収集パイプ207の下端は 、回収タンク211に接続されている。回収タン ク211は、図示省略する支柱200の根本部分に配 置されている。

(収集パイプの接続構造)
 図2に示すように収集パイプ207は、収集パイ プ接続部209において、架空線用テンションバ ランサ100に接続されている。以下、この接続 構造の詳細を説明する。図3は、図2に示す架 線用テンションバランサ100の左端の部分を 大した側面図(A)とそれを左方向から見た背 図(B)である。

 外側筒状構造体101の外周には、取り付け ンド210が取り付けられている。取り付けバ ド210は、締め付け部210aと210bにおいて、ボ トによって締め付けられ、外側筒状構造体10 1に固定されている。取り付けバンド210の下 には、アジャスタ212が配置され、このアジ スタ212にボルト213によって支持板214が固定 れている。支持板214には、ナット21および22 よって円筒形状のアダプタ215が固定されて る。アダプタ215の下端には、収集パイプ207 接続され、アダプタ215の上端は、略L字型の パイプ構造を有するドレイン管216が接続され ている。なお、符号217は、アダプタ215と収集 パイプ207を接続するコネクタである。

 ドレイン管216の右端は、排水用の孔であ 略半円形の切り欠き110(図1参照)に合う形状 され、そこに突き当てられている。この構 によれば、切り欠き110から流出した雨水や 分は、ドレイン管216内を図の左方向に流れ さらに下方向に流路が変更されて、アダプ 215を経て、収集パイプ207に至る。

(油分の飛散防止作用)
 以下、図2を主に参照して、本実施形態にお ける油分の飛散防止作用を説明する。まず、 前提として、図2に示す架空線用テンション ランサ100が、やや図の左下がりの傾斜状態 もって配置されているとする。そして、図 しない架空線が架空線取り付け部材106に取 付けられ、支柱200に対して、架空線用テン ョンバランサ100が、図の右方向に引っ張ら 、架空線にテンションを与えつつ、筒状構 体間の変位が発生しているものとする。

 この状態で、時間が経過すると、架空線 テンションバランサ100の右側に存在する円 部材間の隙間から雨水が架空線用テンショ バランサ100の内部に侵入する。この雨水は 架空線用テンションバランサ100の下部に集 り、また架空線用テンションバランサ100の きにより、収集パイプ接続部209に向かって 動する。

 一方、時間経過に伴い、太陽熱や経時変 に起因して、グリースの油分の分離が見ら るが、この分離した油分が、上述した雨水 洗い流されて、雨水と共に収集パイプ接続 209に移動する。そして、この雨水および油 が、収集パイプ接続部209から収集パイプ207 流れ、回収タンク211に収集される。

 以上の作用によれば、架空線用テンショ バランサ100から雨水およびグリースの油分 飛散せず、回収タンク211に収集される。こ ため、油分の飛散の問題を解決することが きる。

(既存の架空線用テンションバランサへの取 付け例)
 図2および3に示す油分の飛散を防止する構 は、既に設置されているテンションバラン に取り付けることもできる。以下、この場 の取り付け方法の一例を説明する。

 まず、図2および3に示す収集パイプ接続 209および収集パイプ207が取り付けられてい い架空線用テンションバランサ100が既に設 され、また支柱200には、収集パイプ207およ 回収タンク211が配置されていない状態を仮 する。

 この状態において、まず図3に示すように 、アジャスタ212を備えた取り付けバンド210を 外側筒状構造体101に取り付ける。次ぎに、ド レイン管216にアダプタ215を取り付け、さらに アダプタ215に支持板214を取り付けたものを用 意する。そして、ドレイン管216の入り口を切 り欠き110に合わせ、その状態でナット21およ 22を回して、支持板214の高さをアジャスタ21 2の下面に合うように調整する。

 そして支持板214の高さをアジャスタ212の 面に合わせた状態でボルト213を締め、支持 214をアジャスタ212に固定する。次ぎにアダ タ215にコネクタ217を取り付け、さらにアダ タ215の下端に収集パイプ207を接続する。ま 、図2に示すように、支柱200の下部に排水タ ンク211を設置し、収集パイプ207を支柱200に沿 って引き下ろし、その先端を回収タンク211に 接続する。こうして、図2および3に示す状態 得る。

 この態様によれば、既存の雨水を単に外 に排出する構造を有した架空線用テンショ バランサが使用されている状態において、 存の設備に上述した付加設備を追加するこ で、グリースの油分の飛散を防止する構造 できる。この付加構造は、少ない部品で構 され、またその取り付け工程も上述したよ に簡単である。このため、上記の態様は、 コストで実施することができる。

(まとめ)
 以上述べたように、本実施形態では、同軸 に配置された複数の筒部材の一例である外 筒状構造体101、中側筒状構造体102および内 筒状構造体103が示されている。また本実施 態では、上記複数の筒部材間における相対 な軸方向の伸長に対して弾性力を与えるコ ルばね104と105が示されている。また本実施 態では、コイルばね104と105に潤滑剤として リースが塗布されている。また本実施形態 は、上記複数の筒部材間の隙間に溜まる雨 を外部に抜く水抜き手段の一例として水抜 孔として機能する切り欠き110が示されてい 。また本実施形態では、上記水抜き手段(切 り欠き110)から流出する流体を収集する流体 集手段の一例として、収集パイプ207が示さ ている。

 また本実施形態では、水抜き用の孔また 隙間を備えた架空線用テンションバランサ1 00に取り付ける潤滑油飛散防止装置が示され いる。この潤滑油飛散防止装置は、水抜き の孔または隙間に接続される収集用接続部 の一例である収集パイプ接続部209と、この 集用接続部材に接続される収集パイプ207と 収集パイプ接続部209および収集パイプ207を 空線用テンションバランサ100に取り付ける り付け部材214とを有している。

(変形例)
 回収タンク211を用いずに、収集パイプの先 (排出側)を側溝等に位置させ、油分や雨水 そこに導くようにしてもよい。なお、側溝 に集められた油分や雨水は、廃水処理設備 に集められるようにすることが望ましい。

 ここでは、架空線用テンションバランサ して、円筒構造体が3層あり、2段階に引き される構造の例を示したが、円筒構造体は3 に限定されず、2層あるいは4層以上であっ もよい。円筒構造体の断面形状は、円形に 定されず、四角や六角等の多角形状であっ もよい。

 流体収集手段として、架空線用テンショ バランサ内部の雨水や油分が、収集パイプ 介さずに直接回収タンクに収集される構成 してもよい。この場合、架空線用テンショ バランサに回収タンクが直接接続される構 となる。また収集パイプの材質は、樹脂に 定されず、金属であってもよい。

(2)第2の実施形態
(架空線用テンションバランサの構成)
 次ぎに、図1~3に示す構造とは、異なる位置 ら水抜きを行う架空線用テンションバラン に関して説明する。図4は、架空線用テンシ ョンバランサの他の一例を示す断面図である 。図4には、架空線用テンションバランサ300 示されている。架空線用テンションバラン 300は、図の右下がりに傾斜した状態で用い れる。

 架空線用テンションバランサ300が図1に示 す架空線用テンションバランサ100と異なるの は、水抜き手段の位置である。図4に示す架 線用テンションバランサ300では、水抜き手 として、水抜き孔301を備えている。この水 き孔301は、架空線用テンションバランサ300 軸方向における架空線側の端面、より詳し 言うと外側筒状構造体101の内側フランジ部10 1aの中央下端部に設けられている。架空線用 ンションバランサ300の水抜き手段以外の構 は、図1に示す架空線用テンションバランサ 100と同じである。

(雨水収集構造)
 図5は、図4に示す架空線用テンションバラ サ300の使用状態を示す側面図である。図5に いて、図2と同じ符号の部分は、図2に関連 て説明ものと同じである。また特に説明し い部分で図2と同じ部分も、図2に関連して説 明ものと同じである。図5に示す例では、外 筒状構造体101の内側フランジ部101a(図4参照) 水抜き孔が設けられ、そこに収集パイプ接 部302が取り付けられている。収集パイプ接 部302には、収集パイプ303が接続され、収集 イプ303は、図の左方向に左下がりになるよ に外側筒状構造体101の下に支持され、さら 支柱200に沿って下方に引き回されている。 集パイプ303の下端は、回収タンク211に接続 れている。

 図6は、収集パイプ接続部302の詳細を示す 側面図である。図6に示すように、収集パイ 接続部302は、図4にも示す水抜き孔301に差し まれた収集ノズル304と、ドレイン管306とを えている。収集ノズル304は、ドレイン管306 コネクタ305によって接続されている。ドレ ン管306は、非対称な略U字型の形状を有し、 収集ノズル304が接続された端部の反対側の端 部に、収集パイプ303がコネクタ307によって接 続されている。

 ドレイン管306は、支持板308に固定され、 持板308は、アジャスタ309にボルト310によっ 固定されている。アジャスタ309は、外側筒 構造体101に巻かれて固定された取り付けバ ド311に固定されている。

 また図6に示す構成では、内側筒状構造体 103の端面に延長支持部材312が取り付けられ、 この延長支持部材312に目盛板206が取り付けら れている。

 図5に戻り、収集パイプ接続部302に接続さ れた収集パイプ303は、架空線用テンションバ ランサ300の下方において、図の左方向に向か って架設されている。この例では、支持部材 313と支持部材315によって、収集パイプ接続部 302から左方向に延びる収集パイプ303が、架空 線用テンションバランサ300に上方から支持さ れている。支持部材313と315は、それぞれ取り 付けバンド312と314とによって外側筒状構造体 101に固定されている。

 支持部材313と315は、収集パイプ303が左下 りに傾斜するように、架空線用テンション ランサ300から支持部分までの離間距離が調 されている。他の構成は、図2に示す第1の 施形態の場合と同じであるので、説明は省 する。

 この例では、外側筒状構造体101の内側に まった雨水およびグリースの油分は、収集 イプ接続部302から収集パイプ303に流れ、回 タンク211に収集される。

(3)第3の実施形態
(架空線用テンションバランサの構成)
 図7は、架空線用テンションバランサの他の 一例を示す断面図である。図7には、架空線 テンションバランサ400が示されている。架 線用テンションバランサ400は、図の右下が に傾斜した状態で用いられる。

 架空線用テンションバランサ400が図1に示 す架空線用テンションバランサ100と異なるの は、水抜き手段の位置である。図7に示す架 線用テンションバランサ400では、水抜き手 として、水抜き孔401を備えている。この水 き孔401は、架空線用テンションバランサ400 架空線が接続される側の下側、より詳しく うと、外側筒状構造体101の外側筒状構造体10 1の端部近くの下側に設けられている。架空 用テンションバランサ400の水抜き手段以外 構成は、図1に示す架空線用テンションバラ サ100と同じである。

(雨水収集構造)
 図8は、図7に示す架空線用テンションバラ サ400の使用状態を示す側面図である。図8に いて、図2と同じ符号の部分は、図2に関連 て説明ものと同じである。また特に説明し い部分で、図2と同じ構成の部分も図2に関連 して説明したのと同じである。図8に示す例 は、外側筒状構造体101の下側に水抜き孔が けられ、そこに収集パイプ接続部402が取り けられている。収集パイプ接続部402には、 集パイプ403が接続され、収集パイプ403は、 の左方向に左下がりになるように外側筒状 造体101の下側に支持され、さらに支柱200に って下方に引き回されている。収集パイプ40 3の下端は、回収タンク211に接続されている

 図9は、収集パイプ接続部402の詳細を示す 側面図である。図9に示す収集パイプ接続部40 2は、図7にも示す水抜き孔401に、下方からド イン管406を差し込んだ構造を有している。 レイン管406は、略L字型の形状を有し、一端 が架空線用テンションバランサ400に接続され 、他端に収集パイプ403がコネクタ404によって 接続されている。ドレイン管406は、ケース409 に収められ、ケース409は、外側筒状構造体101 に巻かれて固定された取り付けバンド411に固 定されている。つまり、ドレイン管406は、取 り付けバンド411によって、外側筒状構造体101 に固定されている。また図9に示す構成では 内側筒状構造体103の外周に固定された取り け部材411によって、目盛板206が取り付けら ている。

 図8に戻り、収集パイプ接続部402に接続さ れた収集パイプ403は、架空線用テンションバ ランサ400の下方において、図の左方向に向か って架設されている。この例では、支持部材 413と支持部材415によって、収集パイプ接続部 402から左方向に延びる収集パイプ403が、架空 線用テンションバランサ400に上方から支持さ れている。支持部材413と415は、それぞれ取り 付けバンド412と414とによって外側筒状構造体 101に固定されている。

 支持部材413と415は、収集パイプ403が左下 りに傾斜するように架空線用テンションバ ンサ400から支持部分までの離間距離が調整 れている。他の構成は、第1の実施形態の場 合と同じであるので、説明は省略する。

 この例では、外側筒状構造体101の内側に まった雨水およびグリースの油分は、収集 イプ接続部402から収集パイプ403に流れ、回 タンク211に収集される。

(4)第4の実施形態
 次ぎに第1の実施形態において、さらに防水 カバーを取り付けた例を説明する。図2に示 た例は、雨水が架空線用テンションバラン 内に侵入してもそれを飛散させずに収集し 外部に排出する。この構成に加えて、雨水 架空線用テンションバランサ内に侵入し難 なるようにすることで、雨水の侵入に起因 る不具合(例えば構成部材の腐食、グリース 変質、流れ出しによるグリースの有効成分 減少等)の発生を抑えることができる。

(構成)
 図10は、図2に示す構成に防水カバーを取り けた状態を示す側面図(A)と、(A)に示す構成 図の右方向から見た正面図(B)である。なお 図10では、架空線用テンションバランサ100 最大に伸長した状態が示され、また架空線 図示省略されている。

 図10には、防水カバー500が示されている 防水カバー500は、カバー部材501と底板部材50 2を備えている。カバー部材501は、上部が半 形に湾曲した屋根構造を有し、架空線用テ ションバランサ100の軸方向に延在した長手 状を有している。屋根構造の下側は、開放 造とされ、そこに底板部材502がビス503によ て取り付けられている。また、底板部材502 下部に目盛板206が位置し、防水カバー500を り付けた状態において、架空線取り付け部 106の外側筒状構造体101からの引き出し長を 認できるようにされている。

 カバー部材501の上部内側の支柱側(図の左 端近く)には、緩衝部材505が取り付けられて る。緩衝部材505は、ゴムあるいは樹脂製で 外側筒状構造体101の上面に摺動が可能な状 で接触する。緩衝部材505の外側筒状構造体10 1に接触する部分は、相対的な摺動をスムー に行えるように凹凸の少ない表面とされて る。

 カバー部材501の軸方向の端部は、架空線 (図の右側)が、カバー部材501と一体となっ 端面板504によって塞がれ、支柱側(図の左側) が開放された構造とされている。端面板504に は、上下に延在するスリット506が形成され、 そこから架空線取り付け部材106が外(図の右 向)に突出可能な構造とされている。なお、 10(B)では、架空線取り付け部材106の記載は 略され、架空線取り付け部材106の架空線用 ンションバランサ100側の軸106aの断面が記載 れている。

(取り付け方法)
 以下、図10に示す防水カバー500を架空線用 ンションバランサ100に取り付ける作業手順 一例を説明する。ここでは、架空線用テン ョンバランサ100が実際に利用されている状 (架空線を支持している状態)において、防水 カバー500を取り付ける場合を説明する。

 まず、架空線用テンションバランサ100か 、支持部材205を目盛板206と共に取り外す。 ぎに底板部材502を外したカバー部材501を、 方から架空線用テンションバランサ100の上 ら被せて載せ、緩衝部材505を外側筒状構造 101の上面に接触させる。この際、スリット5 06を架空線取り付け部材106の軸106aに合わせ、 スリット506から軸106aが図の右方向に突出す ように位置を調整する。

 次ぎに端面板504と内側筒状構造体103との に少し隙間を作り、そこに目盛板206と一体 なった支持部材205を差し込み、位置を調整 る。この際、端面板504の位置も同時に調整 、支持部材205と端面板504とを内側筒状構造 103の端面にボルト507によって共締めし、固 する。端面板504は、カバー部材501と一体構 とされているので、上記の固定により、カ ー部材501が、架空線用テンションバランサ1 00に固定される。

 次ぎに底板部材502を、目盛板206と外側筒 構造体101の下部との間の隙間に、図10の左 向から差し込み、位置を合わせる。そして 底板部材502をカバー部材501の内側にビス503 よって固定する。こうして、図10に示す状態 を得る。

(優位性)
 図10に示す構成とすることで、防水カバー50 0によって、図の右側から架空線用テンショ バランサ100の内部に雨水が浸入し難い構造 することができる。また、図10に示す防水構 造は、既存の架空線用テンションバランサ100 が設置されている状態において取り付けるこ とができる。このように既存の状態を利用す ることで、部品コストや作業コストを抑える ことができる。

 本発明は、鉄道等の架空線(架線)にテン ョンを与えつつそれを支持する架空線用テ ションバランサに利用することができる。