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Title:
PROBE FOR DETECTION OF MUTATION IN abl GENE AND USE THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102760
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a detection probe which can detect a sequence of interest having a single nucleotide mutation even when both of the sequence of interest having the single nucleotide mutation and a sequence having no mutation are present together. At least one oligonucleotide selected from the group consisting of oligonucleotides depicted in SEQ ID NOs: 2 to 16 is used as a probe. The probe can be used in a Tm analysis or the like to detect the mutation even in a sample containing both of an abl gene having the mutation and an abl gene without the mutation.

Inventors:
HIRAI MITSUHARU
MAJIMA SATOSHI
MAEKAWA TAIRA
KIMURA SHINYA
Application Number:
PCT/JP2008/052732
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ARKRAY INC (JP)
HIRAI MITSUHARU
MAJIMA SATOSHI
MAEKAWA TAIRA
KIMURA SHINYA
International Classes:
C12Q1/68; C12N15/09; G01N21/78
Domestic Patent References:
WO2007055244A12007-05-18
WO2008018305A12008-02-14
Foreign References:
JP2004097209A2004-04-02
JP2003528626A2003-09-30
JP2004537992A2004-12-24
Other References:
HEINRICH M. ET AL.: "A novel, high-throughput assay for detection of ABL T315I mutations", BLOOD (ASH ANNUAL MEETING ABSTRACTS), vol. 108, no. 11, 2006, pages ABSTR. NO. 2334, XP002464826, Retrieved from the Internet
STEENSMA D.: "JAK2 V617F in myeloid disorders: Molecular diagnostic techniques and their clinical utility", JOURNAL OF MOLECULAR DIAGNOSTICS, vol. 8, no. 4, 2006, pages 397 - 411, XP008110066
SOVERINI S. ET AL.: "Denaturing-HPLC-based assay for detection of ABL mutations in chronic myeloid leukemiae patients resistant to imatinib", CLINICAL CHEMISTRY, vol. 50, no. 7, 2004, pages 1205 - 1213, XP002420123
See also references of EP 2025764A4
Attorney, Agent or Firm:
TSUJIMARU, Koichiro et al. (Kyoto Research Park134, Chudoji Minami-machi,Shimogyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 13, JP)
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Claims:
 abl遺伝子の変異を検出するためのプローブであって、下記(A1)~(I1)からなる群から選択された少なくとも一つのオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
(A1)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(A2)配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(B1)配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(B2)配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(C1)配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(C2)配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(D1)配列番号8の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(D2)配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(E1)配列番号10の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(F1)配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(G1)配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(G2)配列番号13の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(H1)配列番号14の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(H2)配列番号15の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(I1)配列番号16の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
 前記(A1)および(A2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における730番目の塩基Aの変異(A→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(B1)および(B2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における749番目の塩基Gの変異(G→A)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(C1)および(C2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における943番目の塩基Aの変異(A→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(D1)および(D2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における944番目の塩基Cの変異(C→T)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(E1)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における951番目の塩基Cの変異(C→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(F1)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における1052番目の塩基Tの変異(T→C)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(G1)および(G2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における1064番目の塩基Aの変異(A→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(H1)および(H2)のオリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基配列における1075番目の塩基Tの変異(T→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記(I1)オリゴヌクレオチドからなるプローブが、配列番号1の塩基における1187番目の塩基Aの変異(A→G)を検出するためのプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記プローブが標識化プローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 前記標識化プローブが、単独でシグナルを示し且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識化プローブ、または、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識化プローブである、請求の範囲11記載のプローブ。
 前記標識化プローブが、蛍光色素で標識されたプローブであり、単独で蛍光を示し且つハイブリッド形成により蛍光が減少するプローブである、請求の範囲11記載のプローブ。
 前記プローブにおいて、5’末端または3’末端の塩基がCであり、前記末端塩基Cが標識化されている、請求の範囲13記載のプローブ。
 前記プローブが、Tm解析用のプローブである、請求の範囲1記載のプローブ。
 abl遺伝子における変異の検出方法であって、
 下記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする変異の検出方法。
(1)DNAを含有する試料と請求の範囲1記載のプローブとを含む反応液を調製する工程
(2)前記反応液の温度を変化させ、前記DNAと前記プローブとのハイブリッド形成体の融解状態を示すシグナル値を測定する工程
(3)温度変化に伴う前記シグナル値の変動から、変異の有無を決定する工程
 前記試料が、血液試料である、請求の範囲16記載の変異の検出方法。
 白血病の診断方法であって、
 請求の範囲16記載の変異の検出方法により、abl遺伝子における変異を検出する工程を含むことを特徴とする白血病診断方法。
 白血病治療薬に対する耐性をabl遺伝子の変異によって判断する、請求の範囲18記載の白血病診断方法。
 前記白血病治療薬が、イマチニブである、請求の範囲19記載の白血病診断方法。
Description:
abl遺伝子変異の検出用プローブ よびその用途

 本発明は、白血病に関連するabl遺伝子の 異を検出するためのプローブおよびその用 に関する。

 あらゆる疾患の原因や、個体間の疾患易 患性(疾患のかかり易さ)、個体間における 効の違い等を遺伝子レベルで解析する方法 して、点突然変異、いわゆる一塩基多型(SNP) の検出が広く行われている。

 点突然変異の一般的な検出方法としては (1)試料の標的DNAについて、検出対象配列に 当する領域を増幅させ、その全遺伝子配列 解析するDirect Sequencing法や(2)Pyrosequencing法 (3)検出対象配列に相当する領域を増幅させ 温度勾配カラム中でHPLCを行い、溶出される 間によって変異の有無を検出するDenaturing H PLC法、(4)目的の変異を含む領域に蛍光プロー ブが結合すると蛍光を発することを利用し、 前記蛍光の検出により変異を検出するInvadar 、(5)3’末端領域に目的の変異が位置するプ イマーを用いてPCRを行い、増幅の有無によ て変異を判断するASP-PCR法等があげられる。

 しかしながら、前記(1)、(2)および(4)の方 は、それぞれ、約20%、約5%、約5%程度と感度 が低く、操作に多大な手間と時間がかかる。 また、前記(3)の方法は、感度が約10%と低く、 また、変異の有無が確認できるのみで、どの 部位にどのような変異が生じているのかを解 析できない。このため、特異性にかけるとい う問題がある。また、前記(5)の方法は、感度 は高いものの特異性が低く、偽陽性が生じ易 いという問題がある。なお、感度は、数値(%) が小さい程、相対的に高感度である。

 このような問題から、近年、点突然変異 検出方法として、標的核酸とプローブとか 形成される二本鎖核酸の融解温度(Tm:melting  temperature)を解析する方法が利用されている。 このような方法は、例えば、Tm解析、または 前記二本鎖の融解曲線の解析により行われ ことから、融解曲線解析と呼ばれている。 れは、以下のような方法である。すなわち まず、検出目的の点突然変異を含む検出対 配列に相補的なプローブを用いて、検出試 の標的一本鎖DNAと前記プローブとのハイブ ッド(二本鎖DNA)を形成させる。続いて、こ ハイブリッド形成体に加熱処理を施し、温 上昇に伴うハイブリッドの解離(融解)を、吸 光度等のシグナルの変動によって検出する。 そして、この検出結果に基づいてTm値を決定 ることにより、点突然変異の有無を判断す 方法である。Tm値は、ハイブリッド形成体 相同性が高い程高く、相同性が低い程低く る。このため、点突然変異を含む検出対象 列とそれに相補的なプローブとのハイブリ ド形成体について予めTm値(評価基準値)を求 ておき、検出試料の標的一本鎖DNAと前記プ ーブとのTm値(測定値)を測定し、測定値が評 価基準値と同じであれば、マッチ、すなわち 標的DNAに点突然変異が存在すると判断でき、 測定値が評価基準値より低ければ、ミスマッ チ、すなわち標的DNAに点突然変異が存在しな いと判断できる。

 しかしながら、このようなTm解析を用いた 出方法についても、感度が低いという問題 ある。これは、特に、白血病患者の血液細 由来DNAについて点突然変異を検出する際、 題となっている(特許文献1)。白血病は、骨 中の造血幹細胞がガン化することによって こる疾患である。中でも慢性骨髄性白血病(c hronic myeloid leukemia:CML)は、9番目の染色体と22 番目の染色体との転座により形成されるbcr-ab l融合遺伝子が発症原因として知られており その治療には、ABLキナーゼ阻害剤であるイ チニブ等が広く使用されている。しかしな ら、このabl遺伝子(前記融合遺伝子におけるa bl遺伝子を含む)に点突然変異が存在すると、 イマチニブに対して耐性を発現するという問 題があり、その場合、治療において、イマチ ニブ投与量の増加、他の治療薬への変更、骨 髄移植等への切り替え等が必要になる。した がって、白血病、特にCMLの治療においては、 abl遺伝子における点突然変異の有無を検出す ることが非常に重要となっている。しかしな がら、一人のCML患者の血液であっても、その 血液細胞にはabl遺伝子に点突然変異が発生し ているもの(変異遺伝子)と発生していないも (正常遺伝子)とが含まれる場合があり、両 の違いは、点突然変異すなわち一塩基の配 にすぎない。そうすると、点突然変異を検 するためのプローブは、点突然変異を含む 異配列(検出対象配列)にハイブリダイズ(パ フェクトマッチ)するが、さらに、点突然変 を含まない正常配列(非検出対象配列)にも イブリダイズ(ミスマッチ)するという現象が 起こってしまう。このような場合に、Tm解析 よってシグナルの強度と温度との関係を示 融解曲線を作成すると、パーフェクトマッ している変異配列に対する高温側のピーク 、ミスマッチである正常配列に対する低温 のピークの存在によって検出し難くなると う問題がある。つまり、従来のプローブで 、変異を含む変異配列が存在する場合であ ても、変異を含まない正常配列の存在によ て、その検出が困難となり、検出感度の低 が生じてしまう。

特公表2004-537992号

 そこで、本発明は、一塩基のみが異なる 変異を含む検出対象配列と変異を含まない 検出対象配列とが共存する場合でも、前記 異を含む検出対象配列を検出可能な検出用 ローブおよびその用途の提供を目的とする

 前記目的を達成するために、本発明のプロ ブは、abl遺伝子の変異を検出するためのプ ーブであって、下記(A1)~(I1)からなる群から 択された少なくとも一つのオリゴヌクレオ ドからなることを特徴とする。
(A1)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(A2)配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(B1)配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(B2)配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(C1)配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(C2)配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(D1)配列番号8の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(D2)配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌク オチド
(E1)配列番号10の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(F1)配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(G1)配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(G2)配列番号13の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(H1)配列番号14の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(H2)配列番号15の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド
(I1)配列番号16の塩基配列からなるオリゴヌク レオチド

 本発明の変異の検出方法は、abl遺伝子にお る変異の検出方法であって、下記記工程(1)~ (3)を含むことを特徴とする。
(1)DNAを含有する試料と本発明のプローブとを 含む反応液を調製する工程
(2)前記反応液の温度を変化させ、前記DNAと前 記プローブとのハイブリッド形成体の融解状 態を示すシグナル値を測定する工程
(3)温度変化に伴う前記シグナル値の変動から 、変異の有無を決定する工程

 本発明のプローブによれば、検出目的の 異が発生しているabl遺伝子(変異遺伝子)と 異が発生していないabl遺伝子(正常遺伝子)と が共存している場合でも、前記目的の変異が 発生した検出対象配列を検出できる。例えば 、前記Tm解析では、従来のプローブであると 前記プローブが、一塩基のみ異なる変異遺 子と正常遺伝子との双方にハイブリダイズ るため、前記融解曲線において、両者のシ ナル挙動(例えば、シグナルピーク)が重な 、変異遺伝子の存在を検出することが非常 困難であった。これに対して、本発明のプ ーブによれば、仮に変異遺伝子と正常遺伝 の双方にハイブリダイズしても、融解曲線 おいて、両者のシグナルピークを十分に分 できる。このため、本発明によれば、従来 りも優れた感度で、変異遺伝子を検出する とができる。なお、本発明において、abl遺 子とは、bcr-abl融合遺伝子におけるabl遺伝子 含む(以下、同様)。

図1は、本発明の実施例におけるTm解析 結果を示すグラフである。 図2は、本発明の他の実施例におけるTm 析の結果を示すグラフである。 図3は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図4は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図5は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図6は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図7は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図8は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。 図9は、本発明のさらにその他の実施例 におけるTm解析の結果を示すグラフである。

 本発明において、以下、検出目的の変異 発生しているabl遺伝子を「変異遺伝子また 検出対象遺伝子」、検出目的の変異が発生 ている配列であって、プローブによる検出 象の配列を「変異配列または検出対象配列 、検出目的の変異が発生していないabl遺伝 を「正常遺伝子または非検出対象遺伝子」 検出目的の変異が発生していない配列を「 常配列または非検出対象配列」、変異の有 を検出する試料中のDNAを「標的DNA」ともい 。本発明において検出する変異としては、 えば、一塩基多型(SNP)等があげられる。

 <プローブ>
 本発明のプローブは、前述のように、abl遺 子の変異を検出するためのプローブであっ 、前記(A1)~(I1)からなる群から選択された少 くとも一つのオリゴヌクレオチドからなる とを特徴とする。abl遺伝子のcDNA配列(mRNA配 )を、配列番号1に示す。なお、この配列は NCBIアクセッションNo.NM_005157に登録されてい 。以下に、これらのプローブについて説明 る。

 下記(A1)および(A2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における730番目の塩基Aの変異(A→G)を 出するためのプローブである。下記配列番 2または配列番号3のオリゴヌクレオチドによ れば、順鎖における変異を確認でき、これら の相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆鎖 における変異を確認できる。
(A1)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
(A2)配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
  5’-tgtgcttcaCggtgatgtcc-3’   (配列番号2)
  5’-gtgcttcaCggtgatgtccgtgcgttcc-3’   (配列番 3)

 下記(B1)および(B2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における749番目の塩基Gの変異(G→A)を 出するためのプローブである。下記配列番 4または配列番号5のオリゴヌクレオチドによ れば、順鎖における変異を確認でき、これら の相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆鎖 における変異を確認できる。
(B1)配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
(B2)配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
  5’-caagctgggcgAgggcc-3’   (配列番号4)
  5’-cacaagctgggcgAggg-3’   (配列番号5)

 下記(C1)および(C2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における943番目の塩基Aの変異(A→G)を 出するためのプローブである。下記配列番 6または配列番号7のオリゴヌクレオチドによ れば、順鎖における変異を確認でき、これら の相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆鎖 における変異を確認できる。
(C1)配列番号6の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
(C2)配列番号7の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
  5’-ctcagCgatgatatagaacgg-3’   (配列番号6)
  5’-cagCgatgatatagaacggg-3’   (配列番号7)

 下記(D1)および(D2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における944番目の塩基Cの変異(C→T)を 出するためのプローブである。下記配列番 8または配列番号9のオリゴヌクレオチドによ れば、順鎖における変異を確認でき、これら の相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆鎖 における変異を確認できる。
(D1)配列番号8の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
(D2)配列番号9の塩基配列からなるオリゴヌク オチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ
  5’-ctcaAtgatgatatagaacg-3’   (配列番号8)
  5’-actcaAtgatgatatagaac-3’   (配列番号9)

 下記(E1)のオリゴヌクレオチドからなるプロ ーブは、それぞれ、配列番号1の塩基配列に ける951番目の塩基Cの変異(C→G)を検出するた めのプローブである。下記配列番号10のオリ ヌクレオチドによれば、逆鎖における変異 確認でき、これらの相補的オリゴヌクレオ ドによれば、順鎖における変異を確認でき 。
(E1)配列番号10の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
  5’-ttcccgtaggtcatCaac-3’   (配列番号10)

 下記(F1)のオリゴヌクレオチドからなるプロ ーブは、それぞれ、配列番号1の塩基配列に ける1052番目の塩基Tの変異(T→C)を検出する めのプローブである。下記配列番号11のオリ ゴヌクレオチドによれば、順鎖における変異 を確認でき、これらの相補的オリゴヌクレオ チドによれば、逆鎖における変異を確認でき る。
(F1)配列番号11の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
  5’-gtcagccaCggagtacc-3’   (配列番号11)

 下記(G1)および(G2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における1064番目の塩基Aの変異(A→G)を 出するためのプローブである。下記配列番 12または配列番号13のオリゴヌクレオチドに よれば、順鎖における変異を確認でき、これ らの相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆 鎖における変異を確認できる。
(G1)配列番号12の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
(G2)配列番号13の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
  5’-gtttttcttcCccaggtactc-3’   (配列番号12)
  5’-gtttttcttcCccaggtactcc-3’   (配列番号13)

 下記(H1)および(H2)のオリゴヌクレオチドか なるプローブは、それぞれ、配列番号1の塩 配列における1075番目の塩基Tの変異(T→G)を 出するためのプローブである。下記配列番 14または配列番号15のオリゴヌクレオチドに よれば、順鎖における変異を確認でき、これ らの相補的オリゴヌクレオチドによれば、逆 鎖における変異を確認できる。
(H1)配列番号14の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
(H2)配列番号15の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
  5’-gatgaCgtttttcttctcc-3’   (配列番号14)
  5’-tgtggatgaCgtttttcttc-3’   (配列番号15)

 下記(I1)のオリゴヌクレオチドからなるプロ ーブは、配列番号1の塩基配列における1187番 の塩基Aの変異(A→G)を検出するためのプロ ブである。下記配列番号16のオリゴヌクレオ チドによれば、順鎖における変異を確認でき 、これらの相補的オリゴヌクレオチドによれ ば、逆鎖における変異を確認できる。
(I1)配列番号16の塩基配列からなるオリゴヌク レオチドまたはその相補的オリゴヌクレオチ ド
  5’-ccagcaCgggctgtgtaggtgtcc-3’   (配列番号16)

 本発明のプローブは、標識物質で標識化 れたプローブであることが好ましい。前記 識物質は、制限されないが、蛍光色素(蛍光 団)があげられる。前記標識化プローブの具 例として、例えば、前記蛍光色素で標識さ た、単独で蛍光を示し且つハイブリッド形 により蛍光が減少(例えば、消光)するプロー ブが好ましい。このような蛍光消光現象(Quenc hing phenomenon)を利用したプローブは、蛍光消 プローブと呼ばれる。中でも、前記プロー としては、オリゴヌクレオチドの3’末端も しくは5’末端が蛍光色素で標識化されてい ことが好ましく、標識化される前記末端の 基は、Cであることが好ましい。この場合、 記標識化プローブがハイブリダイズする検 対象配列において、前記標識化プローブの 端塩基Cと対をなす塩基もしくは前記対をな す塩基から1~3塩基離れた塩基がGとなるよう 、前記標識化プローブの塩基配列を設計す ことが好ましい。このようなプローブは、 般的にグアニン消光プローブと呼ばれ、い ゆるQProbe(登録商標)として知られている。こ のようなグアニン消光プローブが検出対象配 列にハイブリダイズすると、蛍光色素で標識 化された末端のCが、前記検出対象DNAにおけ Gに近づくことによって、前記蛍光色素の発 が弱くなる(蛍光強度が減少する)という現 を示す。このようなプローブを使用すれば シグナルの変動により、ハイブリダイズと 離とを容易に確認することができる。

 前記蛍光色素は、制限されないが、例え 、フルオレセイン、リン光体、ローダミン ポリメチン色素誘導体等があげられ、市販 蛍光色素としては、例えば、BODIPY FL(商標 、モレキュラー・プローブ社製)、FluorePrime( 品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluore dite(商品名、ミリポア社製)、FAM(ABI社製)、Cy3 よびCy5(アマシャムファルマシア社製)、TAMRA (モレキュラープローブ社製)等があげられる プローブの検出条件は、特に制限されず、 用する蛍光色素により適宜決定できるが、 えば、Pacific Blueは、検出波長450~480nm、TAMRA 、検出波長585~700nm)、BODIPY FLは、検出波長51 5~555nmで検出できる。このようなプローブを 用すれば、シグナルの変動により、ハイブ ダイズと解離とを容易に確認することがで る。また、同一反応液中で、二種類の変異 検出する際には、各変異に応じたプローブ 二種類以上併用することができる。この場 、各プローブを異なる検出波長の蛍光色素 標識化することで、同一反応液を用いて二 類以上の変異を検出することも可能である

 また、本発明のプローブは、例えば、3’ 末端にリン酸基が付加されてもよい。後述す るように、変異の有無を検出するDNA(標的DNA) 、PCR等の遺伝子増幅法によって調製するこ ができ、この際、本発明のプローブを遺伝 増幅反応の反応液中に共存させることがで る。このような場合、プローブの3’末端に リン酸基を付加させておけば、プローブ自体 が遺伝子増幅反応によって伸長することを十 分に防止できる。また、3’末端に前述のよ な標識化物質を付加することによっても、 様の効果が得られる。

 本発明のプローブは、前述のように、abl 伝子の変異の検出に使用することができる 検出方法は、何ら制限されず、検出対象配 とプローブとのハイブリダイズを利用する 法であればよい。本発明のプローブを適用 る方法の一例として、Tm解析を利用した変 の検出方法について、以下に説明する。

 <変異検出方法>
 本発明の変異検出方法は、前述のように、a bl遺伝子における変異の検出方法であって、 記工程(1)~(3)を含むことを特徴とする。なお 、本発明の変異検出方法は、本発明のプロー ブを使用することが特徴であって、その他の 構成や条件等は、以下の記載に制限されない 。
(1)DNAを含有する試料と本発明のプローブとを 含む反応液を調製する工程
(2)前記反応液の温度を変化させ、前記DNAと前 記プローブとのハイブリッド形成体の融解状 態を示すシグナル値を測定する工程
(3)温度変化に伴う前記シグナル値の変動から 、変異の有無を決定する工程

 本発明において、試料中のDNAは、一本鎖D NAでもよいし二本鎖DNAであってもよい。前記D NAが二本鎖DNAの場合は、例えば、前記(2)工程 先立って、加熱により前記二本鎖DNAを解離 せる工程を含むことが好ましい。二本鎖DNA 一本鎖DNAに解離することによって、本発明 プローブとのハイブリダイズが可能となる

 本発明において、試料に含まれるDNAは、 えば、生体試料に元来含まれるDNAでもよい 、検出精度を向上できることから、生体試 に元来含まれている核酸を鋳型としてPCR等 より増幅させた増幅産物であることが好ま い。増幅産物の長さは、特に制限されない 、例えば、50~1000merであり、好ましくは80~200 merである。また、前記核酸としては、例えば 、DNA、RNA(トータルRNA,mRNA等)等でもよいし、 記RNAからRT-PCR(Reverse Transcription PCR)により合 成したcDNA等であってもよい。

 本発明の変異検出方法を適用する試料は 特に制限されず、abl遺伝子が存在する試料 あげられる。具体例としては、白血球細胞 の血球試料、全血試料等があげられる。な 、本発明において、試料の採取方法、DNAの 製方法等は、制限されず、従来公知の方法 採用できる。

 本発明において、前記試料中のDNAに対す 、本発明のプローブの添加割合(モル比)は 制限されないが、例えば、検出シグナルを 分に確保できることから、1倍以下が好まし 、より好ましくは、0.1倍以下である。この 、試料中のDNAとは、例えば、検出目的の変 が発生している検出対象DNAと前記変異が発 していない非検出対象DNAとの合計でもよい 、検出目的の変異が発生している検出対象 列を含む増幅産物と前記変異が発生してい い非検出対象配列を含む増幅産物との合計 もよい。なお、試料中のDNAにおける前記検 対象DNAの割合は、通常、不明であるが、結 的に、前記プローブの添加割合(モル比)が 検出対象DNA(検出対象配列を含む増幅産物)に 対して10倍以下となることが好ましく、より ましくは5倍以下、さらに、好ましくは3倍 下である。また、その下限は特に制限され いが、例えば、0.001倍以上であり、好ましく は0.01倍以上であり、より好ましくは0.1倍以 である。

 前記DNAに対する本発明のプローブの添加 合は、例えば、二本鎖DNAに対するモル比で よいし、一本鎖DNAに対するモル比でもよい

 Tm値について説明する。二本鎖DNAを含む 液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が 上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間 の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNA に解離(DNAの融解)することが原因である。そ て、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAに ると、その吸光度は加熱開始時の吸光度(二 本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、 れによって融解が完了したと判断できる。 の現象に基づき、融解温度Tmとは、一般に、 吸光度が、吸光度全上昇分の50%に達した時の 温度と定義される。

 本発明の前記(2)工程において、前記DNAと 記プローブとのハイブリッド形成体の融解 態を示すシグナル値の測定は、前述のよう 原理から、260nmの吸光度測定でもよいが、 発明のプローブに付加した標識物質のシグ ル測定であることが好ましい。このため、 発明のプローブとして、前述の標識化プロ ブを使用することが好ましい。前記標識化 ローブとしては、例えば、単独でシグナル 示し且つハイブリッド形成によりシグナル 示さない標識化プローブ、または、単独で グナルを示さず且つハイブリッド形成によ シグナルを示す標識化プローブがあげられ 。前者のようなプローブであれば、検出対 配列とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成してい る際にはシグナルを示さず、加熱によりプロ ーブが遊離するとシグナルを示す。また、後 者のプローブであれば、検出対象配列とハイ ブリッド(二本鎖DNA)を形成することによって グナルを示し、加熱によりプローブが遊離 るとシグナルが減少(消失)する。したがっ 、この標識物質によるシグナルをシグナル 有の条件(吸光度等)で検出することによって 、前記260nmの吸光度測定と同様に、融解の進 ならびにTm値の決定を行うことができる。 識化プローブにおける標識化物質は、例え 、前述のとおりである。

 次に、本発明の変異検出方法について、 発明のプローブとして、蛍光色素で標識化 れた標識化プローブを使用する例をあげて 明する。なお、本発明の変異検出方法は、 発明のプローブを使用すること自体が特徴 あり、その他の工程や条件については何ら 限されない。

 まず、全血からゲノムDNAを単離する。全 からのゲノムDNAの単離は、従来公知の方法 よって行うことができ、例えば、市販のゲ ムDNA単離キット(商品名GFX Genomic Blood DNA P urification kit;GEヘルスケアバイオサイエンス 製)等が使用できる。

 次に、単離したゲノムDNAを含む試料に本 明の標識化プローブを添加する。前記標識 プローブとしては、例えば、前述のようなQ Probeが好ましい。このQProbeとは、一般に、プ ーブ末端のシトシン塩基を蛍光色素で標識 したプローブであり、これが検出対象配列 ハイブリッドすることで前記蛍光色素と検 対象配列のグアニン塩基とが相互作用し、 の結果、蛍光が減少(または消光)するもの ある。標識化プローブの配列は、前述の通 であって、検出目的の変異に応じて、適宜 択すればよい。

 前記検出用プローブの添加のタイミング 、特に制限されず、例えば、後述する遺伝 増幅処理の後、増幅産物に対して添加して よいし、遺伝子増幅処理前に添加してもよ 。このようにPCR等による増幅処理前に前記 出用プローブを添加する場合は、例えば、 述のように、その3’末端に、蛍光色素を付 加したり、リン酸基を付加することが好まし い。

 前記検出用プローブは、単離したゲノムDNA 含む液体試料に添加してもよいし、溶媒中 ゲノムDNAと混合してもよい。前記溶媒とし は、特に制限されず、例えば、Tris-HCl等の 衝液、KCl、MgCl 2 、MgSO 4 、グリセロール等を含む溶媒、遺伝子増幅反 応液等、従来公知のものがあげられる。

 続いて、単離したゲノムDNAを鋳型として PCR等の遺伝子増幅法によって検出目的の点 然変異を生じる部位を含む配列(検出対象配 列および非検出対象配列)を増幅させる。前 遺伝子増幅法は、制限されず、例えば、PCR(P olymerase Chain Reaction)法、NASBA(Nucleic acid sequen ce based amplification)法、TMA(Transcription-mediated a mplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification) 等があげられ、中でもPCR法が好ましい。な 、以下、PCR法を例にあげて、本発明を説明 るが、これには制限されない。また、PCRの 件は、特に制限されず、従来公知の方法に り行うことができる。

 PCRのプライマーの配列は、目的の検出対 配列を増幅できるものであれば特に制限さ ず、目的の配列に応じて、従来公知の方法 より適宜設計できる。プライマーの長さは 特に制限されず、一般的な長さ、例えば、1 0~30merに設定できる。以下に、前記(A1)~(I1)の ローブを使用する際の、検出対象配列の増 に使用できるプライマーセットの一例を示 。なお、これらは例示であって、本発明を 限するものではない。

  A1プローブおよびA2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号17
5’-gacaagtgggagatggaacgc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号18
5’-cacggccaccgtcagg-3’
  B1プローブおよびB2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号19
5’-gacaagtgggagatggaacgc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号20
5’-cacggccaccgtcagg-3’
  C1プローブおよびC2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号21
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号22
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
  D1プローブおよびD2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号23
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号24
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
  E1プローブ用のプライマーセット
センスプライマー 配列番号25
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号26
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
  F1プローブ用のプライマーセット
センスプライマー 配列番号27
5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号28
5’-cacgccctgtgactccatg-3’
  G1プローブおよびG2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号29
5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号30
5’-cacgccctgtgactccatg-3’
  H1プローブおよびH2プローブ用の ライマーセット
センスプライマー 配列番号31
5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号32
5’-cacgccctgtgactccatg-3’
  I1プローブ用のプライマーセット
センスプライマー 配列番号33
5’-acctacctacctagatcttgctgcccgaaactg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号34
5’-acctacctacctcttgttgtaggccaggctctc-3’

 次に、得られたPCR増幅産物の解離、およ 、解離により得られた一本鎖DNAと前記標識 プローブとのハイブリダイズを行う。これ 、例えば、反応液の温度変化によって行う とができる。

 前記解離工程における加熱温度は、前記 幅産物が解離できる温度であれば特に制限 れず、例えば、85~95℃である。加熱時間も に制限されず、通常、1秒~10分であり、好ま くは1秒~5分である。

 解離した一本鎖DNAと前記標識化プローブ のハイブリダイズは、例えば、前記解離工 の後、前記解離工程における加熱温度を降 させることによって行うことができる。温 条件としては、例えば、40~50℃である。

 前記反応液における各組成の体積や濃度 、特に制限されない。具体例としては、前 反応液におけるDNAの濃度は、例えば、0.01~1 Mであり、好ましくは0.1~0.5μM、前記標識化プ ローブの濃度は、例えば、前記DNAに対する添 加割合を満たす範囲が好ましく、例えば、0.0 01~10μMであり、好ましくは0.001~1μMである。

 そして、前記反応液の温度をさらに変化 せ、前記増幅産物と前記標識化プローブと ハイブリッド形成体の融解状態を示すシグ ル値を測定する。具体的には、例えば、前 一本鎖DNAと前記標識化プローブとのハイブ ッド形成体を含む前記反応液を加熱し、温 上昇に伴うシグナル値の変動を測定する。 述のように、例えば、末端のC塩基が標識化 されたプローブ(グアニン消光プローブ)を使 した場合、一本鎖DNAとのハイブリダイズし 状態では、蛍光が減少(または消光)し、解 した状態では、蛍光を発する。したがって 例えば、蛍光が減少(または消光)しているハ イブリッド形成体を徐々に加熱し、温度上昇 に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。

 蛍光強度の変動を測定する際の温度範囲 、特に制限されないが、例えば、開始温度 室温~85℃であり、好ましくは25~70℃であり 終了温度は、例えば、40~105℃である。また 温度の上昇速度は、特に制限されないが、 えば、0.1~20℃/秒であり、好ましくは0.3~5℃/ である。

 本発明においては、例えば、異なる2箇所 以上の変異を同じ反応液を用いて検出するこ ともできる。この場合、各変異に対応するプ ローブとして、前述のように、異なる標識物 質を付加した標識化プローブを使用すること が好ましい。そして、この測定工程において は、各標識物質に応じた検出波長で、それぞ れの標識物質のシグナル蛍光強度の測定を行 うことが好ましい。

 次に、前記シグナルの変動を解析してTm を決定する。具体的には、得られた蛍光強 から各温度における単位時間当たりの蛍光 度変化量(-d蛍光強度増加量/dt)を算出し、最 低い値を示す温度をTm値として決定できる また、単位時間当たりの蛍光強度変化量(d蛍 光強度増加量/t)が最も高い点をTm値として決 することもできる。なお、標識化プローブ して、消光プローブではなく、単独でシグ ルを示さず且つハイブリッド形成によりシ ナルを示すプローブを使用した場合には、 対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい

 そして、これらのTm値から、検出対象配 における遺伝子型を決定する。Tm解析におい て、完全に相補であるハイブリッド(パーフ クトマッチ)は、一塩基が異なるハイブリッ (ミスマッチ)よりも、解離を示すTm値が高く なるという結果が得られる。したがって、予 め、前記プローブについて、完全に相補であ るハイブリッドのTm値と、一塩基が異なるハ ブリッドのTm値とを決定しておくことによ 、各検出対象部位における遺伝子型を決定 ることができる。例えば、検出対象部位の 基を変異型(例えば、配列番号1における730番 目の塩基がG)と仮定し、それを含む検出対象 列に相補的なプローブ(配列番号2または3)を 使用した場合、形成したハイブリッドのTm値 、完全に相補なハイブリッドのTm値と同じ あれば、前記増幅産物の多型は、変異型と 断できる。また、形成したハイブリッドのTm 値が、一塩基異なるミスマッチのハイブリッ ドのTm値と同じ(完全に相補なハイブリッドの Tm値より低い値)であれば、前記増幅産物の多 型は、野生型(例えば、配列番号1における730 目の塩基がA)と判断できる。さらに、完全 相補なハイブリッドのTm値のみが検出された 場合は、変異型のホモ接合性、ミスマッチの ハイブリッドのTm値のみが検出された場合は 野生型のホモ接合性であると判断できる。 方、両方のTm値が検出された場合には、ヘ ロ接合体と決定できる。このようにして、 標識化プローブに対する2つのTm値から、遺 子型を判断することができる。

 本発明においては、予め、各プローブに いて、パーフェクトマッチのハイブリッド 成体のTm値、および、ミスマッチのハイブ ッド形成体のTm値を決定しておくことが好ま しい。このように予め決定した評価基準とな るTm値と、実際に検出対象配列とハイブリッ を形成させた際のTm値とを比較することで 容易に変異の有無や接合体の型を決定でき 。前記評価基準となるTm値は、例えば、従来 公知のMELTCALCソフトウエア(http://www.meltcalc.com/ )や隣接法(Nearest Neighbor Method)によって決定 きる。また、実際に、本発明のプローブと 出対象配列とのハイブリッドを形成させ、Tm 解析を行うことによって決定することもでき る。

 また、本発明においては、前述のように ハイブリッド形成体を含む反応液の温度を 昇させて(加熱して)、温度上昇に伴うシグ ル変動を測定する方法に代えて、例えば、 イブリッド形成時におけるシグナル変動の 定を行ってもよい。すなわち、前記プロー を含む反応液の温度を降下させてハイブリ ド形成体を形成する際に、前記温度降下に うシグナル変動を測定してもよい。

 具体例として、単独でシグナルを示し且 ハイブリッド形成によりシグナルを示さな 標識化プローブ(例えば、グアニン消光プロ ーブ)を使用した場合、一本鎖DNAとプローブ が解離している状態では蛍光を発している 、温度の降下によりハイブリッドを形成す と、前記蛍光が減少(または消光)する。した がって、例えば、前記反応液の温度を徐々に 降下して、温度下降に伴う蛍光強度の減少を 測定すればよい。他方、単独でシグナルを示 さず且つハイブリッド形成によりシグナルを 示す標識化プローブを使用した場合、一本鎖 DNAとプローブとが解離している状態では蛍光 を発していないが、温度の降下によりハイブ リッドを形成すると、蛍光を発するようにな る。したがって、例えば、前記反応液の温度 を徐々に降下して、温度下降に伴う蛍光強度 の増加を測定すればよい。

 <プローブキット>
 本発明のプローブキットは、abl遺伝子の変 の検出に使用するプローブキットであり、 発明のプローブを含むことを特徴とする。 発明のプローブキットにおいて、本発明の ローブは、一種類でもよいし二種類以上で ってもよい。後者の場合、二種類以上のプ ーブは、混合された状態で含まれてもよい 、別個の試薬として含まれていてもよい。 た、二種類以上の本発明のプローブが混合 れた状態で本発明のプローブキットに含ま る場合や、別個の試薬として含まれている 、例えば、使用時に同じ反応系で、各プロ ブと各検出対象配列とのTm解析を行う場合 各プローブは、別個の標識化物質で標識化 れていることが好ましい。このように標識 物質の種類を変えることで、同じ反応系で っても、それぞれのプローブについての検 が可能になる。前記標識化物質としては、 えば、検出波長が異なる物質であることが ましい。

 前述のように、abl遺伝子には、白血病に 連する複数の変異が知られており、本発明 プローブによれば、前述した各種変異(9種 )を検出することが可能である。他方、白血 に関与するabl遺伝子は、例えば、いずれか 箇所の変異のみが検出される場合もあるが 複数個所の変異が検出される場合もある。 発明において検出目的としている複数の変 は、白血病やその薬剤(例えば、イマチニブ )と関係を示す変異であるが、変異ごとに特 の特徴を示すと考えられる。このため、例 ば、複数の変異を検出し、それらの結果を 合的に判断することで、より良い診断や治 が可能になる。したがって、本発明のプロ ブキットにおいて、本発明のプローブを2種 以上含有させることによって、診断や治療 のための変異の検出をより簡便に行うこと できる。

 <診断方法>
 本発明の診断方法は、白血病の診断方法で って、本発明の変異検出方法によって、abl 伝子の変異を検出する工程を含むことを特 とする。本発明においては、abl遺伝子の変 を、前述の本発明のプローブを用いて検出 ることが特徴であり、その他の工程や条件 何ら制限されない。

 本発明によれば、abl遺伝子の特定の部位 おける変異の有無によって、白血病治療薬 対する耐性を判断することができる。前記 血病治療薬としては、例えば、イマチニブ メシル酸イマニチブがあげられる。

 つぎに、本発明について、実施例をあげ 説明する。ただし、本発明は下記の実施例 より制限されない。

  abl遺伝子の730番目塩基の点突然変 異(A→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける730番目塩基の点突然変異(A→G)について のTm解析を行った。

 配列番号1に示す730番目の塩基Aに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)、および、前記730番 の塩基AがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロ ンキナーゼA730G、アミノ酸情報M244V)を挿入 たプラスミド(以下、「mtDNA」という)を調製 た。そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:9 7)に調製し、10 4 copy/test(1μL)を下記PCR反応液49μLに添加してPCR 応を行った。前記PCR反応液における検出用 ローブの終濃度は50nMとした。前記PCR反応は 、サーマルサイクラーにより、95℃で60秒処 した後、95℃1秒および58℃30秒を1サイクルと して50サイクル繰り返し、さらに95℃で1秒、4 0℃で60秒処理した。そして、続けて温度の上 昇速度を1℃/3秒として、前記PCR反応液を40℃ ら95℃に加熱していき、経時的な蛍光強度 変化を測定した(波長585~700nm)。

センスプライマー 配列番号17
  5’-gacaagtgggagatggaacgc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号18
  5’-cacggccaccgtcagg-3’
(実施例1-1)
検出用プローブA1 配列番号2 
  5’-tgtgcttcaCggtgatgtcc-(TAMRA)-3’
(実施例1-2)
検出用プローブA2 配列番号3
  5’-gtgcttcaCggtgatgtccgtgcgttcc-(TAMRA)-3’
(比較例1)
検出用プローブ 配列番号35
  5’-(TAMRA)-caccGtgaagcacaag-P-3’

 これらの結果を図1に示す。図1は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化(微分値=(-d蛍光強度 増加量/dt)、以下同様)を示すTm解析のグラフ( 解曲線)である。図1において、(A)は、実施 1-1、(B)は、実施例1-2、(C)は、比較例1の結果 ある。なお、同じ条件で、各プローブとwtDN A(100%)とのハイブリッド形成、および、各プ ーブとmtDNA(100%)とのハイブリッド形成を行っ た場合、それぞれのピークは以下の通りであ り、これを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例1-1 よび実施例1-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)に示すように、比較例1のプローブ 使用した場合、mtDNAのピークは確認できな った。この結果から、本発明のプローブに れば、mtDNAとwtDNAとが共存する場合でも、mtDN Aの検出感度を向上できることがわかった。

  abl遺伝子の749番目塩基の点突然変 異(G→A)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける749番目塩基の点突然変異(G→A)について のTm解析を行った。

 配列番号1に示す749番目の塩基Gに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記749番目の塩 GがAに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ーゼG749A(アミノ酸情報G250E))を挿入したプラ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 製し、10 4 copy/test(1μL)を下記PCR反応液49μLに添加してPCR 応を行った。PCR反応ならびに蛍光強度の検 は、前記実施例1と同様にして行った。

センスプライマー 配列番号19
  5’-gacaagtgggagatggaacgc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号20
  5’-cacggccaccgtcagg-3’
(実施例2-1)
検出用プローブB1 配列番号4 
  5’-(TAMRA)-caagctgggcgAgggcc-P-3’
(実施例2-2)
検出用プローブB2 配列番号5
  5’-(TAMRA)-cacaagctgggcgAggg-P-3’
(比較例2)
検出用プローブ 配列番号36
  5’-(TAMRA)-cccTcgcccagctt-P-3’

 これらの結果を図2に示す。図2は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図2において、(A)は、実施例2-1、(B )は、実施例2-2、(C)は、比較例2の結果である なお、同じ条件で、各プローブとwtDNA(100%) のハイブリッド形成、および、各プローブ mtDNA(100%)とのハイブリッド形成を行った場合 、それぞれのピークは以下の通りであり、こ れを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例2-1 よび実施例2-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)に示すように、比較例2のプローブ 使用した場合、mtDNAのピークは確認できな った。この結果から、本発明のプローブに れば、mtDNAとwtDNAとが共存する場合でも、mtDN Aの検出感度を向上できることがわかった。

  abl遺伝子の943番目塩基の点突然変 異(A→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける943番目塩基の点突然変異(A→G)について のTm解析を行った。

 配列番号1に示す943番目の塩基Aに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記943番目の塩 AがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ーゼA943G(アミノ酸情報T315A))を挿入したプラ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 製し、10 4 copy/test(1μL)を下記PCR反応液49μLに添加してPCR 応を行った。PCR反応ならびに蛍光強度の検 は、前記実施例1と同様にして行った。

センスプライマー 配列番号21
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号22
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
(実施例3-1)
検出用プローブC1 配列番号6 
 5’-(Pacific Blue)-ctcagCgatgatatagaacgg-P-3’
(実施例3-2)
検出用プローブC2 配列番号7
 5’-(TAMRA)-cagCgatgatatagaacggg-P-3’
(比較例3-1)
検出用プローブ 配列番号37
 5’-(TAMRA)-catgaactcaGcgatgatatag-P-3’
(比較例3-2)
検出用プローブ 配列番号38
 5’-(TAMRA)-cccgttctatatcatcgCtg-P-3’

 これらの結果を図3に示す。図3は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図3において、(A)は、実施例3-1、(B )は、実施例3-2、(C)は、比較例3-1、(D)は、比 例3-2の結果である。なお、同じ条件で、各 ローブとwtDNA(100%)とのハイブリッド形成、お よび、各プローブとmtDNA(100%)とのハイブリッ 形成を行った場合、それぞれのピークは以 の通りであり、これを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例3-1 よび実施例3-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)および(D)に示すように、比較例3-1 よび比較例3-2のプローブを使用した場合、mt DNAのピークは確認できなかった。この結果か ら、本発明のプローブによれば、mtDNAとwtDNA が共存する場合でも、mtDNAの検出感度を向上 できることがわかった。

  abl遺伝子の944番目塩基の点突然変 異(C→T)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける944番目塩基の点突然変異(C→T)について のTm解析を行った。

 配列番号1に示す944番目の塩基Cに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記944番目の塩 CがTに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ーゼC944T(アミノ酸情報T315I))を挿入したプラ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 製し、10 4 copy/test(1μL)を前記表3に示すPCR反応液49μLに添 加してPCR反応を行った。PCR反応ならびに蛍光 強度の検出は、前記実施例1と同様にして行 た。

センスプライマー 配列番号23
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号24
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
(実施例4-1)
検出用プローブD1 配列番号8 
 5’-(BODIPY FL)-ctcaAtgatgatatagaacg-P-3’
(実施例4-2)
検出用プローブD2 配列番号9
 5’-actcaAtgatgatatagaac-(TAMRA)-3’
(比較例4-1)
検出用プローブ 配列番号39
 5’-(TAMRA)-cccgttctatatcatcaTtgag-P-3’
(比較例4-2)
検出用プローブ 配列番号40
 5’-(TAMRA)-ccgttctatatcatcaTtg-P-3’

 これらの結果を図4に示す。図4は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図4において、(A)は、実施例4-1、(B )は、実施例4-2、(C)は、比較例4-1、(D)は、比 例4-2の結果である。なお、同じ条件で、各 ローブとwtDNA(100%)とのハイブリッド形成、お よび、各プローブとmtDNA(100%)とのハイブリッ 形成を行った場合、それぞれのピークは以 の通りであり、これを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例4-1 よび実施例4-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)および(D)に示すように、比較例4-1 よび比較例4-2のプローブを使用した場合、mt DNAのピークは確認できなかった。この結果か ら、本発明のプローブによれば、mtDNAとwtDNA が共存する場合でも、mtDNAの検出感度を向上 できることがわかった。

  abl遺伝子の951番目塩基の点突然変 異(C→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける951番目塩基の点突然変異(C→G)について のTm解析を行った。

 配列番号1に示す951番目の塩基Cに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記951番目の塩 CがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ーゼC951G(アミノ酸情報F317L))を挿入したプラ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 製し、10 4 copy/test(1μL)を前記表3に示すPCR反応液49μLに添 加してPCR反応を行った。PCR反応ならびに蛍光 強度の検出は、前記実施例1と同様にして行 た。

センスプライマー 配列番号25
5’-ggacggacggaccgtcctcgttgtcttgttggc-3’
アンチセンスプライマー 配列番号26
5’-ggacggacggaccgcactccctcaggtagtccag-3’
(実施例5)
検出用プローブE1 配列番号10 
 5’-ttcccgtaggtcatCaac-(TAMRA)-3’
(比較例5-1)
検出用プローブ 配列番号41
 5’-ttGatgacctacgggaacc-(TAMRA)-3’
(比較例5-2)
検出用プローブ 配列番号42
 5’-ttGatgacctacgggaac-(TAMRA)-3’
(比較例5-3)
検出用プローブ 配列番号43
 5’-(TAMRA)-cccgtaggtcatCaactc-P-3’

 これらの結果を図5に示す。図5は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図5において、(A)は、実施例5、(B) 、比較例5-1、(C)は、比較例5-2、(D)は、比較 5-3の結果である。なお、同じ条件で、各プ ーブとwtDNA(100%)とのハイブリッド形成、お び、各プローブとmtDNA(100%)とのハイブリッド 形成を行った場合、それぞれのピークは以下 の通りであり、これを評価基準とした。

 同図(A)に示すように、実施例5のプローブ を使用した結果、前記評価基準と同等のwtDNA ピーク(℃)およびmtDNAのピーク(℃)が検出さ た。これに対して、同図(B)および(C)に示す うに、比較例5-1および比較例5-2のプローブ 使用した場合、mtDNAのピークは確認できな った。また、図(D)に示すように、比較例5-3 プローブを使用した場合、多数のピークが 在し、判別ができなかった。この結果から 本発明のプローブによれば、mtDNAとwtDNAとが 存する場合でも、mtDNAの検出感度を向上で ることがわかった。

  abl遺伝子の1052番目塩基の点突然 異(T→C)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける1052番目塩基の点突然変異(T→C)につい のTm解析を行った。

 配列番号1に示す1052番目の塩基Tに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記1052番目の 基TがCに変異した変異abl遺伝子(ablチロシン ナーゼT1052C(アミノ酸情報M351T))を挿入したプ ラスミド(以下、「mtDNA」という)とを調製し 。そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97) 調製し、10 4 copy/test(1μL)を前記表1に示すPCR反応液49μLに添 加してPCR反応を行った。PCR反応ならびに蛍光 強度の検出は、前記実施例1と同様にして行 た。

センスプライマー 配列番号27
  5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号28
  5’-cacgccctgtgactccatg-3’
(実施例6)
検出用プローブF1 配列番号11 
  5’-gtcagccaCggagtacc-(BODIPY FL)-3’
(比較例6-1)
検出用プローブ 配列番号44
  5’-ccactcagatctcgtcagccaCggagtacc-(TAMRA)-3’
(比較例6-2)
検出用プローブ 配列番号45
  5’-(TAMRA)-ccaTggagtacctagCgaag-P-3’

 これらの結果を図6に示す。図6は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図6において、(A)は、実施例6、(B) 、比較例6-1、(C)は、比較例6-2の結果である なお、同じ条件で、各プローブとwtDNA(100%) のハイブリッド形成、および、各プローブ mtDNA(100%)とのハイブリッド形成を行った場合 、それぞれのピークは以下の通りであり、こ れを評価基準とした。

 同図(A)に示すように、実施例6のプローブ を使用した結果、前記評価基準と同等のwtDNA ピーク(℃)およびmtDNAのピーク(℃)が検出さ た。これに対して、同図(B)および(C)に示す うに、比較例6-1および比較例6-2のプローブ 使用した場合、mtDNAのピークは確認できな った。この結果から、本発明のプローブに れば、mtDNAとwtDNAとが共存する場合でも、mtDN Aの検出感度を向上できることがわかった。

  abl遺伝子の1064番目塩基の点突然 異(A→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける1064番目塩基の点突然変異(A→G)につい のTm解析を行った。

 配列番号1に示す1064番目の塩基Aに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記943番目の塩 基AがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ナーゼA1064G(アミノ酸情報E355G))を挿入したプ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した 。そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 調製し、10 4 copy/test(1μL)を下記PCR反応液49μLに添加してPCR 応を行った。PCR反応ならびに蛍光強度の検 は、前記実施例1と同様にして行った。

センスプライマー 配列番号29
  5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号30
  5’-cacgccctgtgactccatg-3’
(実施例7-1)
検出用プローブG1 配列番号12 
  5’-gtttttcttcCccaggtactc-(TAMRA)-3’
(実施例7-2)
検出用プローブG2 配列番号13
  5’-gtttttcttcCccaggtactcc-(TAMRA)-3’
(比較例7)
検出用プローブ 配列番号46
  5’-(TAMRA)-cttcCccaggtactcc-P-3’

 これらの結果を図7に示す。図7は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図7において、(A)は、実施例7-1、(B )は、実施例7-2、(C)は、比較例7の結果である なお、同じ条件で、各プローブとwtDNA(100%) のハイブリッド形成、および、各プローブ mtDNA(100%)とのハイブリッド形成を行った場合 、それぞれのピークは以下の通りであり、こ れを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例7-1 よび実施例7-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)に示すように、比較例7のプローブ 使用した場合、mtDNAのピークは確認できな った。この結果から、本発明のプローブに れば、mtDNAとwtDNAとが共存する場合でも、mtDN Aの検出感度を向上できることがわかった。

  abl遺伝子の1075番目塩基の点突然 異(T→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける1075番目塩基の点突然変異(T→G)につい のTm解析を行った。

 配列番号1に示す1075番目の塩基Tに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記1075番目の 基TがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロシン ナーゼT1075G(アミノ酸情報F359V))を挿入したプ ラスミド(以下、「mtDNA」という)とを調製し 。そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97) 調製し、10 4 copy/test(1μL)を前記表4のPCR反応液49μLに添加し てPCR反応を行った。PCR反応ならびに蛍光強度 の検出は、前記実施例1と同様にして行った

センスプライマー 配列番号31
  5’-ggccggccccgtggtgctgctgtacatg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号32
  5’-cacgccctgtgactccatg-3’
(実施例8-1)
検出用プローブH1 配列番号14 
  5’-gatgaCgtttttcttctcc-(TAMRA)-3’
(実施例8-2)
検出用プローブH2 配列番号15
  5’-tgtggatgaCgtttttcttc-(TAMRA)-3’
(比較例8-1)
検出用プローブ 配列番号47
  5’-(TAMRA)-ctgtggatgaCgtttttc-P-3’
(比較例8-2)
検出用プローブ 配列番号48
  5’-(TAMRA)-cctgtggatgaCgtttttc-P-3’

 これらの結果を図8に示す。図8は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図8において、(A)は、実施例8-1、(B )は、実施例8-2、(C)は、比較例8-1、(D)は、比 例8-2の結果である。なお、同じ条件で、各 ローブとwtDNA(100%)とのハイブリッド形成、お よび、各プローブとmtDNA(100%)とのハイブリッ 形成を行った場合、それぞれのピークは以 の通りであり、これを評価基準とした。

 同図(A)および(B)に示すように、実施例8-1 よび実施例8-2のプローブを使用した結果、 記評価基準と同等のwtDNAのピーク(℃)および mtDNAのピーク(℃)が検出された。これに対し 、同図(C)および(D)に示すように、比較例8-1 よび比較例8-2のプローブを使用した場合、 数のピークが現れ、mtDNAのピークを判別でき なかった。この結果から、本発明のプローブ によれば、mtDNAとwtDNAとが共存する場合でも mtDNAの検出感度を向上できることがわかった 。

  abl遺伝子の1187番目塩基の点突然 異(A→G)
 本発明のプローブを使用して、abl遺伝子に ける1187番目塩基の点突然変異(A→G)につい のTm解析を行った。

 配列番号1に示す1187番目の塩基Aに変異を有 ない正常abl遺伝子配列を挿入したプラスミ (以下、「wtDNA」という)と、前記187番目の塩 基AがGに変異した変異abl遺伝子(ablチロシンキ ナーゼA1187G(アミノ酸情報H396R))を挿入したプ スミド(以下、「mtDNA」という)とを調製した 。そして、両者を所定の割合(mtDNA:wtDNA=3:97)に 調製し、10 4 copy/test(1μL)を下記PCR反応液49μLに添加してPCR 応を行った。PCR反応ならびに蛍光強度の検 は、前記実施例1と同様にして行った。

センスプライマー 配列番号33
 5’-acctacctacctagatcttgctgcccgaaactg-3’
アンチセンスプライマー 配列番号34
 5’-acctacctacctcttgttgtaggccaggctctc-3’
(実施例9)
検出用プローブI1 配列番号16 
 5’-ccagcaCgggctgtgtaggtgtcc-(TAMRA)-3’
(比較例9-1)
検出用プローブ 配列番号49
 5’-gctccagcaCgggctgtgtaggtgtcc-(TAMRA)-3’
(比較例9-2)
検出用プローブ 配列番号50
 5’-(TAMRA)-ccagcaCgggctgtgtag-P-3’

 これらの結果を図9に示す。図9は、温度 昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラ フである。図9において、(A)は、実施例9、(B) 、比較例9-1、(C)は、比較例9-2の結果である なお、同じ条件で、各プローブとwtDNA(100%) のハイブリッド形成、および、各プローブ mtDNA(100%)とのハイブリッド形成を行った場合 、それぞれのピークは以下の通りであり、こ れを評価基準とした。

 同図(A)に示すように、実施例9-1のプロー を使用した結果、前記評価基準と同等のwtDN Aのピーク(℃)およびmtDNAのピーク(℃)が検出 れた。これに対して、同図(B)および(C)に示 ように、比較例9-1および比較例9-2のプロー を使用した場合、多数のピークが現れ、mtDNA のピークを判別できなかった。この結果から 、本発明のプローブによれば、mtDNAとwtDNAと 共存する場合でも、mtDNAの検出感度を向上で きることがわかった。

 以上のように、本発明のプローブによれ 、検出目的の変異が発生しているabl遺伝子( 変異遺伝子)と変異が発生していないabl遺伝 (正常遺伝子)とが共存している場合でも、前 記検出対象である変異遺伝子を検出できる。 例えば、前記Tm解析においては、従来のプロ ブであると、前述のようにプローブが一塩 のみ異なる変異遺伝子と正常遺伝子の双方 ハイブリダイズするため、前記融解曲線に いて、両者のシグナルが重なり、変異遺伝 の存在を検出することが非常に困難であっ 。これに対して、本発明のプローブによれ 、変異遺伝子と正常遺伝子の双方にハイブ ダイズするものの、融解曲線において、両 のシグナルを分離できる。このため、本発 によれば、例えば、Tm解析によっても、変 遺伝子の検出が可能である。




 
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