WATANABE YASUHISA (JP)
ITOU KAZUAKI (JP)
HONDA AKIHISA (JP)
WATANABE YASUHISA (JP)
ITOU KAZUAKI (JP)
JP2001311807A | 2001-11-09 | |||
JPH0498201A | 1992-03-30 |
第一の重合体からなる(a)コア粒子と、 前記(a)コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆し、その厚みが0.1~2.0μmの範囲である、第二の重合体からなる(b)シェル層と、を備え、 その平均粒子径が、0.8~10μmであるアンチグレアフィルム用粒子。 |
前記第一の重合体の屈折率が、前記第二の重合体の屈折率と異なる請求項1に記載のアンチグレアフィルム用粒子。 |
前記第一の重合体に含まれる単量体単位の少なくとも一種が、前記第二の重合体に含まれる単量体単位と異なる請求項1または2に記載のアンチグレアフィルム用粒子。 |
前記第一の重合体が、 (a1)芳香族ビニル系単量体単位を20~98質量%、 (a2)極性官能基含有単量体単位を0~40質量%、 (a3)多官能単量体単位を0~40質量%、及び (a4)その他の単量体単位を0~10質量% (但し、(a1)+(a2)+(a3)+(a4)=100質量%)含む請求項1~3のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子。 |
前記第二の重合体が、 (b1)芳香族ビニル系単量体単位を0~90質量%、 (b2)(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を10~100質量%、 (b3)多官能単量体単位を0~40質量%、及び (b4)その他の単量体単位を0~10質量% (但し、(b1)+(b2)+(b3)+(b4)=100質量%)を含む請求項1~4のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子。 |
前記(a)コア粒子をシードポリマー粒子とし、前記(b)シェル層をシード重合により形成した請求項1~5のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子。 |
(A)請求項1~6のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子と、 (B)バインダー成分と、 を含むアンチグレアフィルム用粒子組成物。 |
請求項1~6のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子を含有するエマルジョンから溶媒を除去して、乾燥状態の前記アンチグレアフィルム用粒子を得る工程と、 得られた前記アンチグレアフィルム用粒子とバインダー成分を混合する工程と、 を有するアンチグレアフィルム用粒子組成物の製造方法。 |
樹脂成分と、 請求項1~6のいずれか一項に記載のアンチグレアフィルム用粒子と、 を含む樹脂材料からなる光学材料成形品。 |
防眩フィルム、光拡散フィルム、光拡散板、偏光板、または導光板である請求項9に記載の光学材料成形品。 |
基材層と、 前記基材層の少なくとも一方の面上に形成された、請求項7に記載のアンチグレアフィルム用粒子組成物からなる防眩層と、を備えたアンチグレアフィルム。 |
本発明は、アンチグレアフィルム用粒子 及びアンチグレアフィルム用粒子組成に関 、更に詳しくは、光学材料成形品に含有さ ることによって優れた防眩性を有するとと に、防眩性と白濁感(透過性)のバランスが 常に優れた光学材料成形品を得ることが可 なアンチグレアフィルム用粒子、及び前記 ンチグレアフィルム用粒子を含有するアン グレアフィルム用粒子組成物に関する。
現在、テレビ、パーソナルコンピュータ の表示装置として、液晶表示装置が使用さ ている。この液晶表示装置は、透過光や反 光がその表面で適切に拡散されない場合に 、正面から見たときに非常に眩しく見えた 、蛍光灯などの周囲環境からの光がそのま 反射することによって像が映り込んでしま こと(いわゆる、「ぎらつき」)などの問題 あった。上記のような問題を防ぐことを目 にして、通常、液晶表示装置の表面には、 眩フィルム(アンチグレアフィルム)が設けら れている。
この防眩フィルムとしては、合成樹脂か なる粒子を含有するフィルムなどが開示さ ている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1 に記載のフィルムは、バインダー層の厚さを 、上記フィルムに含有する粒子の数平均粒子 径に対して、所定の割合にすることにより、 透過性が低減されることなく防眩性を発揮す るものである。
また、コア部とシェル部とよりなるコア- シェル構造を有する複合粒子を用い、複数の 複合粒子のシェル部をそれぞれ結合させてフ ィルム状にした光学フィルムが報告されてい る(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された防 眩フィルムであっても、その防眩性について は未だ改良の余地があり、また、防眩性と白 濁感(透過性)のバランスが非常に優れた光学 料成形品(防眩フィルム)、及びそのような 学材料成形品(防眩フィルム)を製造し得る材 料の開発が望まれている。
また、特許文献2の光学フィルムは、コア 部が高密度で分散した状態にあるという利点 があるが、防眩性については未だ改良の余地 があり、また、防眩性と白濁感(透過性)のバ ンスの面においても未だ改良の余地があっ 。
本発明は、このような従来技術の有する 題に鑑みてなされたものであり、光学材料 形品に含有させることによって優れた防眩 を有するとともに、防眩性と白濁感(透過性 )のバランスが非常に優れた光学材料成形品 得ることが可能なアンチグレアフィルム用 子、及び前記アンチグレアフィルム用粒子 含有するアンチグレアフィルム用粒子組成 を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、所定の厚さを有するシ ル層を備える粒子、上記粒子を含有する組 物とすることによって、上記課題を解決す ことが可能であることを見出し、本発明を 成するに至った。
具体的には、本発明により、以下のアン グレアフィルム用粒子、及びアンチグレア ィルム用粒子組成物が提供される。
[1] 第一の重合体からなる(a)コア粒子と、 記(a)コア粒子の表面の少なくとも一部を被 し、その厚みが0.1~2.0μmの範囲である、第二 の重合体からなる(b)シェル層と、を備え、そ の平均粒子径が、0.8~10μmであるアンチグレア フィルム用粒子。
[2] 前記第一の重合体の屈折率が、前記第 の重合体の屈折率と異なる前記[1]に記載の ンチグレアフィルム用粒子。
[3] 前記第一の重合体に含まれる単量体単 の少なくとも一種が、前記第二の重合体に まれる単量体単位と異なる前記[1]または[2] 記載のアンチグレアフィルム用粒子。
[4] 前記第一の重合体が、(a1)芳香族ビニル 系単量体単位を20~98質量%、(a2)極性官能基含 単量体単位を0~40質量%、(a3)多官能単量体単 を0~40質量%、及び(a4)その他の単量体単位を0~ 10質量%(但し、(a1)+(a2)+(a3)+(a4)=100質量%)含む前 [1]~[3]のいずれかに記載のアンチグレアフィ ルム用粒子。
[5] 前記第二の重合体が、(b1)芳香族ビニル 系単量体単位を0~90質量%、(b2)(メタ)アクリル エステル単量体単位を10~100質量%、(b3)多官 単量体単位を0~40質量%、及び(b4)その他の単 体単位を0~10質量%(但し、(b1)+(b2)+(b3)+(b4)=100質 量%)含む前記[1]~[4]のいずれかに記載のアンチ グレアフィルム用粒子。
[6] 前記(a)コア粒子をシードポリマー粒子 し、前記(b)シェル層をシード重合により形 した前記[1]~[5]のいずれかに記載のアンチグ レアフィルム用粒子。
[7] (A)前記[1]~[6]のいずれかに記載のアンチ グレアフィルム用粒子と、(B)バインダー成分 と、を含むアンチグレアフィルム用粒子組成 物。
[8] 前記[1]~[6]のいずれかに記載のアンチグ レアフィルム用粒子を含有するエマルジョン から溶媒を除去して、乾燥状態の前記アンチ グレアフィルム用粒子を得る工程と、得られ た前記アンチグレアフィルム用粒子とバイン ダー成分を混合する工程と、を有するアンチ グレアフィルム用粒子組成物の製造方法。
[9] 樹脂成分と、前記[1]~[6]のいずれかに記 載のアンチグレアフィルム用粒子と、を含む 樹脂材料からなる光学材料成形品。
[10] 防眩フィルム、光拡散フィルム、光拡 散板、偏光板、または導光板である前記[9]に 記載の光学材料成形品。
[11] 基材層と、前記基材層の少なくとも一 方の面上に形成された、前記[7]に記載のアン チグレアフィルム用粒子組成物からなる防眩 層と、を備えたアンチグレアフィルム。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は 光学材料成形品に含有されることによって れた防眩性を有するとともに、防眩性と白 感(透過性)のバランスが非常に優れた光学 料成形品を得ることができるという効果を するものである。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組 物は、優れた防眩性を有するとともに、防 性と白濁感(透過性)のバランスが非常に優 た光学材料成形品を得ることが可能である いう効果を奏するものである。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組 物の製造方法によれば、優れた防眩性を有 るとともに、防眩性と白濁感(透過性)のバ ンスが非常に優れた光学材料成形品を得る とが可能なアンチグレアフィルム用粒子組 物を製造することができるという効果を奏 る。
本発明の光学材料成形品及び本発明のア チグレアフィルムは、優れた防眩性を有す とともに、防眩性と白濁感(透過性)のバラ スが非常に優れているという効果を奏する のである。
11:シェル層、12:コア粒子、d:シェル層の厚 、N:入射光、H-1,H-2:反射光。
以下、本発明を実施するための最良の形 について説明するが、本発明は以下の実施 形態に限定されるものではない。即ち、本 明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通 の知識に基づいて、以下の実施の形態に対 適宜変更、改良等が加えられたものも本発 の範囲に属することが理解されるべきであ 。
[1]アンチグレアフィルム用粒子:
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は、
一の重合体からなる(a)コア粒子と、(a)コア
子の表面の少なくとも一部を被覆し、その
みが0.1~2.0μmの範囲である、第二の重合体か
らなる(b)シェル層と、を備え、その平均粒子
径が、0.8~10μmであるものである。このような
粒子を含有させることにより、優れた防眩性
を有するとともに、防眩性と白濁感(透過性)
バランスが非常に優れた光学材料成形品を
ることができる。以下、その詳細について
明する。
[1-1](a)コア粒子:
本発明のアンチグレアフィルム用粒子を構
する(a)コア粒子は、第一の重合体からなる
のである。具体的には、スチレン系重合体
スチレン-ブタジエン共重合体等のスチレン
系重合体や、アクリルエステル系重合体等を
挙げることができる。
第一の重合体は、その重量平均分子量が 10万以上であることが好ましく、20万以上で あることが更に好ましく、50万以上であるこ が特に好ましい。上記重量平均分子量が10 未満であると、第二の重合体を重合する際 、この第二の重合体が第一の重合体内部に で含浸してしまうため、明確なコアシェル 造にならないおそれがある。ここで、本明 書において「重量平均分子量」は、ゲルパ ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法にて ポリスチレンを標準物質として測定される値 である。
(a)コア粒子は、その平均粒子径が、0.3~4.0 μmであることが好ましく、0.5~2.0μmであるこ が更に好ましく、0.8~1.5μmであることが特に ましい。上記平均粒子径が、0.3μm未満であ と、十分な光拡散性が得られないおそれが る。一方、4.0μm以上であると、重合安定性 悪化するおそれがある。
なお、(a)コア粒子の平均粒子径は、本発 のアンチグレアフィルム用粒子についてSEM 真の画像解析を行うことにより測定した値 いうものとする。具体的には、少なくとも1 0個のアンチグレアフィルム用粒子のSEM写真 ついて、(a)コア粒子の最も長い径((a)コア粒 最長径)をそれぞれ計測し、この(a)コア粒子 最長径の平均値を「(a)コア粒子の平均粒子径 」とする。
第一の重合体は、(a1)芳香族ビニル系単量 体単位(以下、「構成単位(a1)」と記す場合が る)、(a2)極性官能基含有単量体単位(以下、 構成単位(a2)」と記す場合がある)、(a3)多官 単量体単位(以下、「構成単位(a3)」と記す 合がある)、及び(a4)その他の単量体単位(以 、「構成単位(a4)」と記す場合がある)を所定 の割合で含むものであることが好ましい。
[1-1-1](a1)芳香族ビニル系単量体単位:
構成単位(a1)を構成するために用いられる芳
香族ビニル系単量体としては、スチレン、α-
メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メチル
チレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレ
ン、4-メチルスチレン、4-エチルスチレン、4-
tert-ブチルスチレン、3,4-ジメチルスチレン、
4-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン、2-
クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロ
スチレン、2,4-ジクロロスチレン、2,6-ジクロ
ロスチレン、4-クロロ-3-メチルスチレン、1-
ニルナフタレン、2-ビニルピリジン、4-ビニ
ピリジン等を挙げることができる。これら
中でも、スチレン、α-メチルスチレンが好
しい。これらの芳香族ビニル系単量体は、
種単独でまたは二種以上を組み合わせて用
ることができる。
上記構成単位(a1)の割合は、構成単位(a1) 構成単位(a2)、構成単位(a3)、及び構成単位(a4 )の合計を100質量%とした場合に、20~98質量%で ることが好ましく、25~95質量%であることが に好ましく、40~90質量%であることが特に好 しい。第一の重合体に含まれる構成単位(a1) の割合が20質量%未満であると、コア粒子とシ ェル層との屈折率の差が小さくなり、そのよ うなコアシェル構造の粒子を含有する光学材 料成形品において良好な防眩機能が発現しな いおそれがある。一方、98質量%超であると、 重合安定性が悪化するおそれがある。
[1-1-2](a2)極性官能基含有単量体単位:
構成単位(a2)を構成するために用いられる極
性官能基含有単量体は、その分子中に極性官
能基を有する単量体である。この極性官能基
としては、カルボキシル基、シアノ基、水酸
基、グリシジル基、エステル基等を好適例と
して挙げることができる。これらの中でも、
重合安定性に寄与するという観点から、カル
ボキシル基または水酸基を有する単量体が好
ましい。なお、以下に例示する単量体は、一
種単独でまたは二種以上を組み合わせて用い
ることができる。
カルボキシル基を有する単量体としては 例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、 イ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フ ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレ ン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、 タコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ 、へキサヒドロフタル酸モノ-2-(メタ)アクリ ロイルオキシエチル等のカルボキシル基含有 不飽和単量体、及びその無水物類などを挙げ ることができる。これらの中でも、(メタ)ア リル酸が好ましい。
シアノ基を有する単量体としては、例え 、(メタ)アクリロニトリル、クロトンニト ル、ケイ皮酸ニトリル等のシアン化ビニル 単量体;2-シアノエチル(メタ)アクリレート、 2-シアノプロピル(メタ)アクリレート、3-シア ノプロピル(メタ)アクリレートなどを挙げる とができる。これらの中でも、(メタ)アク ロニトリルが好ましい。
水酸基を有する単量体としては、例えば ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒ ドロキシエチル(メタ)アクリレート、6-ヒド キシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロ シシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネ ペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート 等のヒドロキシ(シクロ)アルキルモノ(メタ) クリレート類;3-クロロ-2-ヒドロキシプロピ (メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート等の置換ヒドロ シ(シクロ)アルキルモノ(メタ)アクリレート などを挙げることができる。これらの中で 、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレートが ましい。
グリシジル基を有する単量体としては、 えば、アリルグリシジルエーテル、グリシ ル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル チルアクリレート、エポキシ化シクロヘキ ル(メタ)アクリレートなどを挙げることがで きる。これらの中でも、グリシジル(メタ)ア リレートが好ましい。
エステル基を有する単量体としては、例 ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ )アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー 、n-へキシル(メタ)アクリレート、2-エチル キシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ (メタ)アクリレート等の(シクロ)アルキル(メ タ)アクリレート類;2-メトキシエチル(メタ)ア クリレート、p-メトキシシクロヘキシル(メタ )アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキ ル(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロ パントリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ) クリレート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ ル、バーサチック酸ビニル等のビニルエス ル類などを挙げることができる。これらの でも、メチル(メタ)アクリレートが好まし 。
上記構成単位(a2)の割合は、構成単位(a1) 構成単位(a2)、構成単位(a3)、及び構成単位(a4 )の合計を100質量%とした場合に、0~40質量%で ることが好ましく、2~40質量%であることが更 に好ましく、4~35質量%であることが特に好ま く、8~30質量%であることが最も好ましい。 一の重合体に含まれる構成単位(a2)の割合が2 質量%未満であると、重合安定性が悪化する それがある。一方、40質量%超であると、重 安定性が悪化するおそれがある。
[1-1-3](a3)多官能単量体単位:
構成単位(a3)を構成するために用いられる多
官能単量体は、例えば、ジビニルベンゼンに
代表される非共役ビニル化合物、あるいはト
リメチロールプロパントリメタクリレート(TM
PMA)に代表される多価アクリレート化合物等
、少なくとも2個以上の共重合性二重結合を
するモノマーを好適例として挙げることが
きる。
また、前記多価アクリレート化合物とし は、例えば、ポリエチレングリコールジア リレート、1,3-ブチレングリコールジアクリ レート、1,6-ヘキサングリコールジアクリレ ト、ポリプロピレングリコールジアクリレ トなどのジアクリレート化合物、トリメチ ールプロパントリアクリレート、テトラメ ロールメタントリアクリレートなどのトリ クリレート類、エチレングリコールジメタ リレート、ジエチレングリコールジメタク レート、トリエチレングリコールジメタク レート、ポリエチレングリコールジメタク レート、1,3-ブチレングリコールジメタクリ ート、1,4ブチレングリコールジメタクリレ ト、1,6-ヘキサングリコールジメタクリレー ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレー トなどのジメタクリレート類、トリメチロー ルプロパントリメタクリレート、トリメチロ ールエタントリメタクリレートなどのトリメ タクリレート類などが挙げられる。
以上の多官能単量体のうち、特にジビニ ベンゼン、エチレングリコールジメタクリ ート、トリメチロールプロパントリメタク レート等を好適例として挙げることができ 。更に、これらの中でも、重合安定性の観 から、ジビニルベンゼン、トリメチロール ロパントリメタクリレートが好ましい。な 、これらの単量体は、一種単独でまたは二 以上を組み合わせて用いることができる。
上記構成単位(a3)の割合は、構成単位(a1) 構成単位(a2)、構成単位(a3)、及び構成単位(a4 )の合計を100質量%とした場合に、0~40質量%で ることが好ましく、5~35質量%であることが更 に好ましく、10~20質量%であることが特に好ま しい。第一の重合体に含まれる構成単位(a3) 割合が40質量%超であると、重合安定性が悪 するおそれがある。
[1-1-4](a4)その他の単量体単位:
第一の重合体は、上述した各種単量体と共
合可能なその他の単量体からなる単量体単
を含有していてもよい。この構成単位(a4)を
構成するその他の単量体としては、例えば、
N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメ
ロール(メタ)アクリルアミド等のN-メチロー
ル化不飽和カルボン酸アミド類;2-ジメチルア
ミノエチルアクリルアミド等のアミノアルキ
ル基含有アクリルアミド類;(メタ)アクリルア
ミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
、N,N-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、
レイン酸アミド、マレイミド等の不飽和カ
ボン酸のアミド類またはイミド類;N-メチル
クリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド
のN-モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N
-ジアルキルアクリルアミド類;2-ジメチルア
ノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアル
キル基含有(メタ)アクリレート類;2-(ジメチル
アミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等
のアミノアルコキシアルキル基含有(メタ)ア
リレート類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
脂肪酸ビニルエステル等のハロゲン化ビニル
化合物類;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジ
エン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-
1,3-ブタジエン等の共役ジエン化合物類など
挙げることができる。なお、これらの単量
は、一種単独でまたは二種以上を組み合わ
て用いることができる。
[1-2](b)シェル層:
本発明のアンチグレアフィルム用粒子を構
する(b)シェル層は、上述した(a)コア粒子の
面の少なくとも一部を被覆し、その厚みが0
.1~2.0μmの範囲である、第二の重合体からなる
ものである。このように(b)シェル層を構成す
ることにより、本発明のアンチグレアフィル
ム用粒子を含有するアンチグレアフィルムな
どの光学材料成形品に入射した光は、(b)シェ
ル層や(a)コア粒子の表面で反射され、反射光
になり、(b)シェル層で反射される反射光、及
び(b)シェル層を透過して(a)コア粒子の表面で
反射される反射光においては位相差が生じて
いる。従って、所定の波長を有する反射光が
互いに打ち消しあって減衰するため、即ち、
(a)コア粒子の表面で反射した反射光が(b)シェ
ル層の表面で反射した反射光を干渉するため
、本発明のアンチグレアフィルム用粒子を含
有する光学材料成形品は、優れた防眩性を有
するという利点がある。また、防眩性と白濁
感(透過性)のバランスが非常に優れるという
点がある。
具体的には、図1に示すように、(b)シェル 層の厚さdが、式:d={(1/4)×λ}+{(1/2)n×λ}(但し、n は整数である)を満たすとき、波長λの入射光 Nは、その反射光Hが互いに打ち消しあうこと なる。より具体的には、波長600nmの入射光N 対しては、(b)シェル層の厚さdを0.15μm(150nm) すれば(上記式において、n=0)、(b)シェル層11 で反射される反射光H-1と(b)シェル層11を透過 て(a)コア粒子12の表面で反射される反射光H- 2には(1/2)λの位相差が生じる。従って、アン グレアフィルム用粒子によって、波長600nm 入射光Nを減衰させることができる。
(b)シェル層は、その厚みが0.1~2.0μmの範囲 であり、0.2~1.5μmの範囲であることが好まし 、0.2~1.0μmの範囲であることが更に好ましい 上記厚みが0.1μm未満であると、シェル層が すぎるため部分的にシェル層が形成されな 箇所が生じやすくなるおそれがある。一方 2.0μm超であると、光がコアシェル界面に達 る前に減衰し、コアシェル界面からの反射 よる干渉効果が得られないおそれがある。 お、(b)シェル層の厚みは、本発明のアンチ レアフィルム用粒子についてSEM写真の画像 析を行うことにより測定した値をいうもの する。
具体的には、アンチグレアフィルム用粒 のSEM写真において、後述する方法により、 の粒子の最も長い径(全体粒子最長径)を計 する。この全体粒子最長径の値から、第一 重合体(コア粒子)の最も長い径(コア粒子最 径)の値を差し引いた値をシェル層の厚みと て算出し、少なくとも10個のアンチグレア ィルム用粒子について算出してそれらの平 値を「(b)シェル層の厚み」とする。
第二の重合体は、その重量平均分子量が 5万以上であることが好ましく、10万以上で ることが更に好ましく、20万以上であるこ が特に好ましい。上記重量平均分子量が10万 未満であると、製造する光学材料成形品の耐 熱性、耐溶剤性が不十分になるおそれがある 。
第二の重合体は、(b1)芳香族ビニル系単量 体単位(以下、「構成単位(b1)」と記す場合が る)、(b2)(メタ)アクリル酸エステル単量体単 位(以下、「構成単位(b2)」と記す場合がある) 、(b3)多官能単量体単位(以下、「構成単位(b3) 」と記す場合がある)、及び(b4)その他の単量 単位(以下、「構成単位(b4)」と記す場合が る)を所定の割合で含むものであることが好 しい。
(b1)芳香族ビニル系単量体単位は、上述し た(a1)芳香族ビニル系単量体単位と同様のも を好適に用いることができる。構成単位(b1) 割合は、構成単位(b1)、構成単位(b2)、構成 位(b3)、及び構成単位(b4)の合計を100質量%と た場合に、0~90質量%であることが好ましく、 0~80質量%であることが更に好ましく、0~70質量 %であることが特に好ましい。第二の重合体 含まれる構成単位(b1)の割合が、90質量%超で ると、コア粒子とシェル層との屈折率の差 小さくなり、そのようなコアシェル構造の 子を含有する光学材料成形品において良好 防眩機能が発現しないおそれがある。
構成単位(b2)を構成するために用いられる (メタ)アクリル酸エステル単量体は、例えば メチルメタクリレート(MMA)、エチル(メタ)ア クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n -へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキ ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ )アクリレート等の(シクロ)アルキル(メタ) クリレート類;2-メトキシエチル(メタ)アクリ レート、p-メトキシシクロヘキシル(メタ)ア リレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル( タ)アクリレート類;トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アク レート類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル バーサチック酸ビニル等のビニルエステル などを挙げることができる。これらの中で 、メチルメタクリレートが好ましい。
第一の重合体の屈折率は、第二の重合体 屈折率と異なることが好ましい。ここで、 記構成単位(b2)を含有すると、(b)シェル層( 二の重合体)は、(a)コア粒子(第一の重合体) 比べて屈折率が低下する。このように(a)コ 粒子に比べて(b)シェル層の屈折率を低下さ ると、コア粒子とシェル層との界面に光を 射する異組成界面が生じ、この異組成界面 おける反射光とシェル層外殻における反射 とが干渉し、反射光強度が低減するという 点がある。即ち、得られる光学材料成形品 おいて良好な防眩機能が発現する。
なお、(a)コア粒子及び(b)シェル層の屈折 は、以下のように測定した値である。まず 第一の重合体及び第二の重合体にそれぞれ 有される各単量体単位によって構成される 重合体を合成し、合成した各重合体をそれ れ基材上に塗工し、70℃にて2分間乾燥させ 、厚さ10μmのフィルムをそれぞれ形成する その後、形成したフィルムの屈折率をアッ 屈折率計にて測定する。測定される上記各 合体の屈折率(フィルムの屈折率)を用い、各 単量体単位を構成する各単量体の、第一の重 合体及び第二の重合体中のそれぞれの混合比 率から算出する。
例えば、第一の重合体((a)コア粒子)の屈折
は、以下のように測定することができる。
ず(a1)芳香族ビニル系単量体を単独で重合さ
て得られる重合体(以下、「(a1)重合体」と
す場合がある)、(a2)極性官能基含有単量体を
単独で重合させて得られる重合体(以下、「(a
2)重合体」と記す場合がある)、及び(a3)多官
単量体を単独で重合させて得られる重合体(
下、「(a3)重合体」と記す場合がある)を製
(合成)する。その後、これら(a1)~(a3)重合体を
それぞれ基材上に塗工して70℃にて2分間乾燥
させて、厚さ10μmの(a1)~(a3)重合体からなる(a1)
~(a3)フィルムをそれぞれ作製する。作製した
(a1)~(a3)フィルムについて、アッベ屈折率計
てそれぞれの屈折率X,Y,Zを測定する。そし
、それぞれの屈折率X,Y,Zと、第一の重合体の
製造に用いる(a1)~(a3)の各単量体の混合比率x,y
,zと、によって下記式に従って算出する。
式:{X×(x/100)}+{Y×(y/100)}+{Z×(z/100)}
(b3)多官能単量体単位、及び(b4)その他の 量体単位は、それぞれ、上述した、(a3)多官 単量体単位、及び(a4)その他の単量体単位と 同様のものを同様の割合で好適に用いること ができる。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は その平均粒子径が、0.8~10μmであり、1.0~8.0μm であることが好ましく、2.0~5.0μmであること 更に好ましい。上記平均粒子径が、0.8μm未 であると、十分な光散乱が得られず、防眩 の発現が不十分になるおそれがある。一方 10μm以上であると、得られるアンチグレアフ ィルム用粒子が大き過ぎるため、光学材料成 形品(特に、フィルム)に上記粒子を内包でき くなるおそれがある。
なお、アンチグレアフィルム用粒子の平 粒子径は、そのSEM写真の画像解析を行うこ により測定した値をいうものとする。具体 には、少なくとも10個のアンチグレアフィ ム用粒子のSEM写真について、アンチグレア ィルム用粒子の最も長い径(全体粒子最長径) をそれぞれ計測し、この全体粒子最長径の平 均値を「アンチグレアフィルム用粒子の平均 粒子径」とする。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は 第一の重合体の組成と第二の重合体の組成 、同一であっても異なっていてもよいが、 一の重合体に含まれる単量体単位の少なく も一種が、第二の重合体に含まれる単量体 位と異なっていることも好ましい。即ち、 の場合には、アンチグレアフィルム用粒子 構成する単量体単位のうち少なくとも一種 、第一の重合体と第二の重合体のいずれか 方の重合体にのみ含まれていることになる このようにすることにより、その内部で屈 率差を有する粒子が得られる。即ち、粒子 部に異組成界面を形成することができる。
[1-3]アンチグレアフィルム用粒子の製造方法:
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は、
えば、(a)コア粒子をシードポリマー粒子と
、(b)シェル層をシード重合により形成する
とができる。具体的には、以下に示す方法
従って製造することができる。
まず、(a)コア粒子は、水性媒体を用いた 常の乳化重合法により得ることができる。 の「水性媒体」とは、水を主成分とする媒 を意味する。具体的には、この水性媒体中 おける水の含有率は、40質量%以上であるこ が好ましく、50質量%以上であることが更に ましい。水と併用することのできる他の媒 としては、エステル類、ケトン類、フェノ ル類、アルコール類等の化合物を挙げるこ ができる。
乳化重合の条件は、公知の方法に準ずれ よい。例えば、使用する単量体の全量を100 量部とした場合に、通常、100~500質量部の水 を使用し、重合温度-10~100℃(好ましくは-5~100 、より好ましくは0~90℃)、重合時間0.1~30時 (好ましくは2~25時間)の条件で行うことがで る。乳化重合の方式としては、単量体を一 して仕込むバッチ方式、単量体を分割若し は連続して供給する方式、単量体のプレエ ルジョンを分割若しくは連続して添加する 式、またはこれらの方式を段階的に組み合 せた方式等を採用することができる。また 通常の乳化重合に用いられる分子量調節剤 キレート化剤、無機電解質等を、必要に応 て一種または二種以上使用することができ 。
乳化重合に際して開始剤を使用する場合 は、この開始剤として、過硫酸カリウム、 硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ベンゾイル パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド 、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエ ト等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニ トリル、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレ ト、2-カルバモイルアザイソブチロニトリ 等のアゾ化合物;過酸化基を有するラジカル 化性化合物を含有するラジカル乳化剤、亜 酸水素ナトリウム、及び硫酸第一鉄等の還 剤を組み合わせたレドックス系等を用いる とができる。また、乳化剤を用いる場合に 、この乳化剤として、公知のアニオン性乳 剤、ノニオン性乳化剤、及び両性乳化剤か なる群より選択される一種以上を使用する とができる。なお、分子内に不飽和二重結 を有する反応性乳化剤等を用いてもよい。
乳化重合に使用する分子量調節剤には、 に制限はない。分子量調節剤の具体例とし は、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメ ルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ド シルメルカプタン、n-ヘキサデシルメルカプ タン、n-テトラデシルメルカプタン、t-テト デシルメルカプタン、チオグリコール酸等 メルカプタン類;ジメチルキサントゲンジス フィド、ジエチルキサントゲンジスルフィ 、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ 等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメ チルチウラムジスルフィド、テトラエチルチ ウラムジスルフィド、テトラブチルチウラム ジスルフィド等のチウラムジスルフィド類; ロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭 エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタ ェニルエタン、α-メチルスチレンダイマー の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイ ン、アリルアルコール、2-エチルヘキシルチ グリコレート、ターピノーレン、α-テルネ ン、γ-テルネピン、ジペンテン、1,1-ジフェ ニルエチレン等を挙げることができる。なお 、これらの分子量調節剤は、一種単独でまた は二種以上を組み合わせて用いることができ る。これらの中でも、メルカプタン類、キサ ントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフ ィド類、1,1-ジフェニルエチレン、α-メチル チレンダイマーがより好適に使用されるも である。
乳化重合終了時における単量体の重合転 率は、80質量%以上であることが好ましく、9 0質量%以上であることが更に好ましく、95質 %以上であることが特に好ましい。第一の重 体の重合添加率が80質量%未満の状態で、第 の重合体を構成するための単量体を投入す と、重合安定性が悪化するおそれがあり、 たは新たな微粒子が生成して品質が不均一 なるおそれがある。
次に、以上のようにして得られた(a)コア 子の存在下において、第二の重合体を構成 るための単量体を重合させる。即ち、得ら た(a)コア粒子をシードポリマー粒子として 用した状態で第二の重合体を構成するため 単量体をシード重合させることによって、( a)コア粒子の表面に(b)シェル層を形成するこ ができる。例えば、(a)コア粒子が分散した 性媒体中に、第二の重合体を構成するため 単量体若しくはそのプレエマルジョンを一 、分割、または連続して滴下すればよい。 のとき、使用する(a)コア粒子の量は、目的 するコア粒子の径及びシェル層の厚みに応 て適宜変量されるものであるが、第二の重 体を構成するための単量体100質量部に対し 、1~1000質量部とすることが好ましい。なお 重合に際して開始剤や乳化剤を用いる場合 は、(a)コア粒子の製造時に使用することが きるものと同様のものを使用することがで る。また、重合時間等の条件についても、( a)コア粒子の製造時の条件と同様の条件とす ことができる。
(a)コア粒子の表面に形成する(b)シェル層 厚さの調整は、単量体の重さに対するコア 子の重さを調整することにより行うことが きる。具体的には、平均粒子径が2.0μmの(a) ア粒子の表面に、厚さ0.6μmの(b)シェル層を 成するためには、単量体100質量部に対して (a)コア粒子を120質量部用いて重合を行えば い。
[2]アンチグレアフィルム用粒子組成物:
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組成
は、上述した(A)アンチグレアフィルム用粒
(以下、「(A)粒子」と記す場合がある)と、(B
)バインダー成分(以下、「(B)成分」と記す場
がある)と、を含むものである。このような
アンチグレアフィルム用粒子組成物を用いる
と、防眩性に優れた光学材料成形品を得るこ
とができる。以下、その詳細について説明す
る。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組 物に含有される(B)成分は、透明であるとと に、例えば、樹脂製のシート等の表面上に 述した(A)アンチグレアフィルム用粒子を分 一体化させることができるものであれば、 の種類は特に限定されない。(B)成分は、例 ば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー 、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ニトロセ ロース等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、 ラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ ン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂な を挙げることができる。これらの(B)成分は 一種単独でまたは二種以上を組み合わせて いることができる。
(B)成分は、その全光線透過率が、80%以上 あることが好ましく、90%以上であることが に好ましい。上記全光線透過率が80%以上で ると、より光透過性に優れた光学材料成形 を製造することができるという利点がある なお、本明細書にいう「全光線透過率」は JIS K7105に準拠して測定される値である。
(B)成分の割合は、(A)粒子100質量部に対し 、1~10000質量部であることが好ましく、2~5000 質量部であることが更に好ましく、3~1000質量 部であることが特に好ましい。(B)成分の割合 が1質量部未満であると、例えば、脂製のシ ト等の表面上に(A)粒子を分散一体化させる とが困難となるおそれがある。一方、(B)成 の割合が10000質量部超であると、得られる光 学材料成形品(特にフィルム)内の粒子の含量 少なすぎるため、光散乱能が発現しないお れがある。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組 物には、(A)粒子、及び(B)成分以外にも、必 に応じて、硬化剤、分散剤、染料等のその の成分を含有させることができる。
その他の成分の割合は、(A)粒子、及び(B) 分の総量100質量部に対して、0~10質量部であ ることが好ましく、0~5質量部であることが更 に好ましく、0~3質量部であることが特に好ま しい。上記割合が10質量部超であると、全光 透過率が減少するおそれがある。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子組 物は、例えば、以下のように製造すること できる。まず、上述したアンチグレアフィ ム用粒子の製造方法よって得られたアンチ レアフィルム用粒子を含有するエマルジョ から溶媒を除去し、乾燥状態のアンチグレ フィルム用粒子を得る(第一の工程)。この 一の工程において、エマルジョンから溶媒 除去する方法については特に限定されない 、簡便に乾燥状態とすることが可能である いう観点から、フリーズドライ方法、スプ ードライ方法が好ましい。
なお、第一の工程において、溶媒の割合 5.0質量%以下となるまで乾燥することが好ま しく、3.0質量%以下となるまで乾燥すること 更に好ましい。溶媒の割合が5.0質量%超であ と、有機溶剤への再分散性が悪化すること 起因して上記組成物中で凝集体が生成する め、品質が安定しなくなるおそれがある。
次に、得られたアンチグレアフィルム用 子と(B)成分を混合する工程(第二の工程)を う。この第二の工程において、アンチグレ フィルム用粒子、(B)成分、及び必要に応じ 添加されるその他の成分を均一に混合する とにより、本発明のアンチグレアフィルム 粒子組成物を得ることができる。なお、そ 他の成分は、アンチグレアフィルム用粒子 (B)成分を混合した後に添加し、混合しても い。混合方法については特に限定されない 、例えば、各種混練機、ビーズミル、高圧 モジナイザー等を用いることができる。
なお、本発明のアンチグレアフィルム用 子組成物は、(b)シェル層の厚さ(図1に示す ェル層の厚みd)が異なる複数のアンチグレア フィルム用粒子を含有させることができる。 このようにシェル層の厚さが異なる複数のア ンチグレアフィルム用粒子を含有させると、 複数の波長の入射光について位相差を生じさ せることができるため、更に優れた防眩性を 有する光学材料成形品を得ることができる。
[3]光学材料成形品:
本発明の光学材料成形品は、樹脂成分と、
述したアンチグレアフィルム用粒子と、を
む樹脂材料からなるものである。この光学
料成形品は、優れた防眩性を有するもので
るため、例えば、防眩フィルム(アンチグレ
アフィルム)、光拡散フィルム、光拡散板、
光板、または導光板などに好適に用いるこ
ができる。これらの中でも、アンチグレア
ィルムが好ましい。以下、それぞれの詳細
ついて説明する。
樹脂成分は、特に限定されないが、可視 線に対して高い透過性を有する透明なもの 好ましい。なお、本明細書において、透明 は、無色透明の他に、有色透明、半透明が 念的に含まれるものである。
樹脂成分は、得られる光学材料成形品の 透過性を更に優れたものとすることが可能 あるという観点から、厚さ200μmのシート状 した場合に、波長550nmの光線透過率が80%以 のものであることが好ましく、85%以上のも であることが更に好ましく、90%以上のもの あることが特に好ましい。また、実用化で る程度に耐熱性を有することが必要である いう観点から、樹脂成分のガラス転移温度 、100℃以上であることが好ましく、120℃以 であることが更に好ましく、150℃以上であ ことが特に好ましい。
樹脂成分としては、例えば、ポリエチレ テレフタレート、ポリメチル(メタ)アクリ ート、ポリカーボネート、シクロオレフィ ポリマー、ポリアリレート、ポリエーテル ルホン、ポリスチレン、メチル(メタ)アクリ レート-スチレン共重合体、スチレン-アクリ ニトリル共重合体等の熱可塑性樹脂;エポキ シ樹脂、ビニルエーテル樹脂、2つ以上の(メ )アクリル基を有する(メタ)アクリレート、 キセタン樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱 たは活性エネルギー線で硬化可能な硬化性 脂を挙げることができる。これらの中でも ガラス繊維やガラス繊維布との複合化が容 であるとともに、熱的に安定であるという 点から、熱または活性エネルギー線で硬化 能な硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂 2つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ) クリレートが更に好ましい。
樹脂成分の割合は、樹脂材料100質量%に対 して、1~99質量%であることが好ましく、10~95 量%であることが更に好ましく、30~90質量%で ることが特に好ましい。樹脂成分の割合が1 質量%未満であると、アンチグレアフィルム 粒子を光学材料成形品(特にフィルム)中に固 定化できないおそれがある。一方、99質量%超 であると、アンチグレアフィルム用粒子によ る光散乱能が発現しなくなるおそれがある。
一方、アンチグレアフィルム用粒子の割 は、樹脂材料100質量%に対して、1~99質量%で ることが好ましく、5~90質量%であることが に好ましく、10~70質量%であることが特に好 しい。アンチグレアフィルム用粒子の割合 1質量%未満であると、アンチグレアフィルム 用粒子による光散乱能が発現しなくなるおそ れがある。一方、99質量%超であると、アンチ グレアフィルム用粒子を光学材料成形品(特 フィルム)中に固定化できないおそれがある
本発明の光学材料成形品は、例えば、樹 成分とアンチグレアフィルム用粒子を押出 に供給して押し出したものをマスターバッ 化した後、このマスターバッチを押出機に 給し、キャビティ内に射出して成形加工す 方法等より得ることができる。
[4]アンチグレアフィルム:
本発明のアンチグレアフィルムは、基材層
少なくとも一方の面上に形成された、上述
たアンチグレアフィルム用粒子組成物から
る防眩層と、を備えたものである。
[4-1]基材層:
基材層は、透明(無色透明、有色透明、又は
半透明)な樹脂からなる層であることが好ま
い。上記樹脂としては、例えば、上述した
脂材料に含有される樹脂成分と同様のもの
好適に用いることができる。基材層の厚さ
特に限定されないが、0.03~0.3mmであることが
ましく、0.05~0.2mmであることが更に好ましい
。
[4-2]防眩層:
防眩層は、上記基材層の少なくとも一方の
上に形成された、上述したアンチグレアフ
ルム用粒子組成物からなる層状のものであ
限りその厚さなどは特に制限はないが、そ
厚さは0.005~0.1mmであることが好ましく、0.008
~0.08mmであることが更に好ましい。防眩層の
さが0.005mm未満であると、十分な防眩性が得
れないおそれがある。一方、0.1mm超である
、全光線透過率が低下するおそれがある。
本発明のアンチグレアフィルムは、例え 、上述したアンチグレアフィルム用粒子組 物を有機溶媒に溶解してスラリー状とした ラリーを得、このスラリーを公知のコータ によって上記所望の厚さとなるように基材 の面上に塗工した後、乾燥させることによ て製造することができる。
上記有機溶媒としては、例えば、水、ト エン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチ ケトン(MEK)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等を げることができる。なお、これらは、一種 独でまたは二種以上を組み合わせて用いる とができる。
有機溶媒の割合は、アンチグレアフィル 用粒子組成物の固形分100質量部に対して、1 0~2000質量部であることが好ましく、20~1000質 部であることが更に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。なお、実施例、比較 中の「部」及び「%」は、特に断らない限り 質量基準である。また、各種物性値の測定方 法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[平均粒子径]:
平均粒子径は、日本電子社製の走査型電子
微鏡(商品名「JSM-6030LA」)を使用して、撮影
率5000倍または10000倍にてアンチグレアフィ
ム用粒子の観察を行い、任意の10個の上記
子について画像解析することにより測定し
。
[正反射光強度]:
アンチグレアフィルム用粒子組成物を基材
上に塗工し、乾燥させて、厚さ10μmのフィ
ム状の光学材料成形品(以下「フィルム」と
す場合がある)を作製し、このフィルムにつ
いて、村上色彩社製の変角光度計を用いて、
入射角20°における正反射光強度を測定した
測定値は、標準板の正反射光強度を100とし
換算し、評価は換算値により行った。
[防眩性の目視評価]:
上記[正反射光強度]の評価と同様にしてフ
ルム状の光学材料成形品を作製した。この
ィルムについて、蛍光灯の光の映り込み(ぎ
つき)具合を評価した。この評価は目視にて
確認を行った。評価基準は、以下のように行
った。
◎:ぎらつきがほとんどない
○:ぎらつきが少ない
△:ぎらつきがある
×:ぎらつきが大きい
[ヘイズ(%)]:
上記[正反射光強度]の評価と同様にしてフ
ルム状の光学材料成形品を作製した。この
ィルム(光学材料成形品)について、スガ試験
機社製のヘーズメーターを用いて、JIS K7105
準じて、ヘイズ(%)を測定した。
[白濁感の目視評価]:
上記[正反射光強度]の評価と同様にしてフ
ルム状の光学材料成形品を作製した。この
ィルム(光学材料成形品)について、フィルム
を通して蛍光灯を見たときの蛍光灯の輪郭の
鮮明さによって白濁感を目視評価した。評価
基準は、以下のように行った。
◎:輪郭が鮮明である
○:輪郭がやや鮮明である
△:輪郭がややぼやけている
×:輪郭がぼやけている
[全光線透過率]:
上記[正反射光強度]の評価と同様にしてフ
ルム状の光学材料成形品を作製した。この
ィルム(光学材料成形品)について、スガ試験
機社製のヘーズメーターを用いて、JIS K7105
準じ、試料をセットしない状態(即ち、空気
全光線透過率)を100%として測定した。
(実施例1)
[アンチグレアフィルム用粒子の合成]:
まず、単分散粒子を乳化重合によって製造
る。具体的には、スチレン90部、メタクリ
酸10部を水溶性開始剤として過硫酸カリウム
を用いて乳化重合することにより、スチレン
に由来する構造単位(表1中、「ST構造単位」
示す)とメタクリル酸に由来する構造単位(表
1中、「メタクリル酸構造単位」と示す)との
成比(質量比)が90:10である、平均粒子径1.0μm
の単分散粒子を製造した。
次に、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパー キシサイド(商品名「パーロイル355」、日本 油脂社製、水溶解度:0.01%)2部、ラウリル硫酸 トリウム0.1部、及び水20部を撹拌して乳化 、超音波ホモジナイザー(みずほ工業社製)で 更に微粒子化し、水性分散体を得た。得られ た水性分散体に、上記単分散粒子を15部添加 、16時間撹拌した。撹拌後、スチレン(ST)95 、ジビニルベンゼン(DVB)5部を加え、40℃で3 間ゆっくり撹拌して、スチレン及びジビニ ベンゼンを単分散粒子に吸収させた。その 、75℃に昇温して、3時間重合反応を行うこ により、第一の重合体からなる(a)コア粒子 含有するエマルジョンを得た。なお、(a)コ 粒子の平均粒子径は2.0μmであり、凝固物は とんど発生しなかった。また、第一の重合 は、(a1)芳香族ビニル系単量体単位としてス レンに由来する構造単位を94.3質量%、(a2)極 官能基含有単量体単位としてメタクリル酸 由来する構造単位を1.4質量%、及び(a3)多官 単量体単位としてジビニルベンゼンに由来 る構造単位を4.3質量%含むものであり、(a4)そ の他の単量体単位は0質量%、即ち、(a4)その他 の単量体単位は含んでいないものである。
次に、前述の水性分散体と同一の水性分 体22.1部、及び上述の(a)コア粒子(シードポ マー粒子)を含有するエマルジョン40部(但し 固形分として)を混合し、16時間撹拌した。 拌後、メチルメタクリレート(MMA)8部、トリ チロールプロパントリメタクリレート(TMPMA) 2部を加え、40℃で1時間ゆっくり撹拌して、 チルメタクリレート及びトリメチロールプ パントリメタクリレートを(a)コア粒子に吸 させた。その後、75℃に昇温して、3時間重 反応を行うことにより、(a)コア粒子の表面 被覆した、第二の重合体からなる(b)シェル を形成した。このようにして、(a)コア粒子 (b)シェル層とからなるアンチグレアフィル 用粒子(以下、「粒子(A)」と記す場合がある) を含有するエマルジョンを得た。エマルジョ ン中の粒子(A)はコアシェル構造であり、その 平均粒子径は約2.2μmであり、凝固物はほとん ど発生しなかった。なお、(b)シェル層の厚さ は、粒子(A)の平均粒子径と(a)コア粒子の平均 粒子径との差として算出し、0.2μmであった。 また、第二の重合体は、(b2)(メタ)アクリル酸 エステル単量体単位としてメチルメタクリレ ートに由来する構造単位を80質量%、及び(b3) 官能単量体単位としてトリメチロールプロ ントリメタクリレートに由来する構造単位 20質量%含むものであり、(b1)芳香族ビニル系 量体単位、及び(b4)その他の構造単位は0質 %、即ち、(b1)芳香族ビニル系単量体単位、及 び(a4)その他の単量体単位は含んでいないも である。
(実施例2~4、比較例1~4)
表1に示す配合処方とすること以外は、実施
例1と同様にして、アンチグレアフィルム用
子(粒子(B)~(H))を含有するエマルジョンを得
。各種物性値を表1に示す。なお、比較例1~3
第一の重合体を使用せずに合成を行った。
(実施例5)
[アンチグレアフィルム用粒子組成物の調製
及び光学材料成形品の作製]:
まず、実施例1で得られた粒子(A)を含有する
エマルジョンを、スプレードライヤー(型番
B-290型」、日本ビュッヒ社製)を使用して乾
させ、粉末状の粒子(A)を得た。その後、ジ
ンタエリストールペンタ及びジペンタエリ
リトールヘキサアクリレートの混合物(表2中
、「DPHA」と示す、(商品名「アロニックスM402
」、東亜合成社製)100部、及び有機溶媒(トル
ン/シクロヘキサノン=9/1)100部を混合して混
液を得た。得られた混合液に対して、上記
末状の粒子(A)を10部添加して分散させて、
ンチグレアフィルム用粒子組成物を調製し
。
次に、得られたアンチグレアフィルム用粒 組成物を、厚さ0.2mmのポリエチレンテレフ レート(PET)製の基材(基材層)上にメイヤーバ にて塗工した。このとき、アンチグレアフ ルム用粒子組成物の塗工量は、塗工層(防眩 層)の乾燥後の厚みが10μm(0.01mm)となるように 整した。乾燥後、高圧水銀灯にて紫外線を5 00mJ/cm 2 で照射して塗工層を硬化させることにより、 光学材料成型品(アンチグレアフィルム)を作 した。
作製した光学材料成型品(アンチグレアフ ィルム)は、上述した各種評価を行った。評 結果は、正反射光強度が78であり、防眩性の 目視評価が○であり、ヘイズが3.5%であり、 濁感の目視評価が◎であり、全光線透過率 93.3%であった。なお、上記PET製の基材は、ヘ イズが2.8%であり、全光線透過率が87.3%であっ た。
(実施例6~8、比較例5~8)
表2に示す配合処方とすること以外は、実施
例5と同様にして、アンチグレアフィルム用
子組成物を調製した。その後、調製したア
チグレアフィルム用粒子組成物を使用し、
施例5と同様にして、光学材料成型品(アンチ
グレアフィルム)を作製し、上述した各種評
を行った。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1~4のアンチグレ アフィルム用粒子を用いて作製した実施例5~8 の光学材料成型品(アンチグレアフィルム)は 比較例1~4のアンチグレアフィルム用粒子を いて作製した比較例5~8の光学材料成型品(ア ンチグレアフィルム)と比べて、防眩性と白 感(透過性)のバランスが非常に優れたもので あることが確認できた。これは(a)コア粒子で の反射光が(b)シェル層での反射光を干渉する ためであると考察する。
本発明のアンチグレアフィルム用粒子は 光学材料成形品に含有させることによって れた防眩性を有するとともに、防眩性と白 感(透過性)のバランスが非常に優れた光学 料成形品を得ることが可能であるため、具 的には、防眩フィルム(アンチグレアフィル )、光拡散フィルム、光拡散板、偏光板、ま たは導光板に含有されるものとして、特に、 アンチグレアフィルムに含有されるものとし て好適である。