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Title:
PERMANENT MAGNET SYNCHRONOUS MOTOR AND ENCLOSED COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102439
Kind Code:
A1
Abstract:
A high efficiency, low vibration and low noise permanent magnet synchronous motor. The stator (30) comprises a stator core (1) having a magnetic pole tooth (2) formed between adjoining slots (3), and a stator winding (4) arranged in the slot (3) of the stator core (1), and the rotor (40) comprises a rotor core (5), a plurality of magnet insertion holes (8), permanent magnets (7) being inserted into the magnet insertion holes (8), and a plurality of slits (6) formed in the rotor core (5) on the outer circumferential side of the magnet insertion holes (8). A plurality of slits (6) in the vicinity of the magnetic pole center of the stator core (1) out of the slits (6) are arranged such that the magnetic flux generated from the permanent magnets (7) is directed in a direction to converge on the outside of the stator core (1), and the slits (6) in the vicinity of the interpole portion of the rotor core (5) are arranged to be directed in a direction different from that of the plurality of slits (6) in the vicinity of the magnetic pole center of the rotor core (5).

Inventors:
YOSHINO HAYATO (JP)
TAKITA YOSHIO (JP)
YABE KOJI (JP)
ISHIGAKI TAKASHI (JP)
MASUMOTO KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/053141
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
YOSHINO HAYATO (JP)
TAKITA YOSHIO (JP)
YABE KOJI (JP)
ISHIGAKI TAKASHI (JP)
MASUMOTO KOJI (JP)
International Classes:
H02K21/16; H02K1/27
Foreign References:
JP2006014450A2006-01-12
JP2001178036A2001-06-29
JP2005168097A2005-06-23
JP2005210793A2005-08-04
Other References:
See also references of EP 2113993A4
Attorney, Agent or Firm:
MIZOI, Shoji (Ofuna Building 3rd floor17-10, Ofuna 2-chome,Kamakura-sh, Kanagawa 56, JP)
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Claims:
 固定子と、回転子とを備え、
 前記固定子は、
 複数枚の電磁鋼板を積層して形成され、隣接するスロット間に形成された磁極歯部を備えた固定子鉄心と、
 前記固定子鉄心の前記スロットに配置される固定子巻線とを有し、
 前記回転子は、
 前記固定子の前記磁極歯部の内側に空隙を介して設けられ、
 複数枚の電磁鋼板を積層して形成される回転子鉄心と、
 前記回転子鉄心内部の外周部近傍に設けられた複数の磁石挿入孔と、
 前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、
 前記磁石挿入孔の外周側の前記回転子鉄心に形成され、前記永久磁石付近から前記回転子鉄心の外周表面付近に延びる複数のスリットとを有し、
 前記スリットの内、前記回転子鉄心の磁極中心付近の複数のスリットは、前記永久磁石から発する磁束が前記回転子鉄心の外側で収束する方向に向くように配置されると共に、前記回転子鉄心の極間部付近のスリットは、前記回転子鉄心の磁極中心付近の複数のスリットと異なる方向に向くように配置されることを特徴とする永久磁石同期電動機。
 前記固定子は、前記磁極歯部に前記固定子巻線が直接巻装された集中巻線方式であることを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機。
 前記回転子鉄心の磁極中心付近の複数のスリットは、前記磁極歯部の前記回転子鉄心に対向する空隙側の幅内に設けられることを特徴とする請求項2記載の永久磁石同期電動機。
 前記固定子鉄心は、前記磁極歯部毎に分割されていることを特徴とする請求項2記載の永久磁石同期電動機。
 前記回転子極間部付近のスリットで、前記回転子極間部に近く、前記磁石挿入孔の周方向両端部に位置するスリットの前記磁石挿入孔側で、かつ、前記回転子極間部側の両端間の距離を、前記空隙に面する前記磁極歯部の幅よりも大きくしたことを特徴とする請求項2記載の永久磁石同期電動機。
 前記回転子極間部付近の前記磁石挿入孔の外周側の鉄心部である極間外周薄肉部の径方向寸法を、前記極間部付近の前記スリットの外周側の鉄心部である外周薄肉部の径方向寸法より大きくしたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機。
 前記外周薄肉部の径方向寸法と、前記極間部付近の前記スリットと前記磁石挿入孔との間の鉄心部である内周薄肉部の径方向寸法との和を、前記極間外周薄肉部の径方向寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項6記載の永久磁石同期電動機。
 請求項1記載の永久磁石同期電動機を備えたことを特徴とする密閉型圧縮機。
Description:
永久磁石同期電動機及び密閉型 縮機

 この発明は、主に密閉型圧縮機等に搭載 れる永久磁石同期電動機に関するものであ 。

 電流位相制御困難な永久磁石埋め込みロ タにおいて、トルクリップルを低減するた に、略円筒形ロータコア内部に、長手方向 永久磁石を埋設してなる永久磁石埋め込み ロータであって、各極の永久磁石のロータ ア外周側付近からロータ表面付近に伸びる 複数のスリットを有する永久磁石埋め込み ロータが提案されている(例えば、特許文献 1参照)。

 また、電機子反作用磁束を軽減すると共に 外周部鉄心の磁束分布を改善することによ 、騒音や振動の少ない高効率な永久磁石電 機を提供するために、回転子鉄心中にその 心を中心とする略正多角形の各辺に対応す 部位に形成された永久磁石収容孔と、この 石収容孔にそれぞれ挿入された永久磁石と 永久磁石収容孔の外周鉄心に形成され、径 向に細長く、かつ、永久磁石収容孔に沿っ 離隔配置された4個以上のスリット孔とを備 え、スリット孔の径方向外側端のピッチを略 等しくし、径方向内側端のピッチを永久磁石 の中央部を大きくし、中央部から端部に離れ るに従って小さくした永久磁石電動機が提案 されている(例えば、特許文献2参照)。

特開平11-187597号公報

特開2005-94968号公報

 しかしながら、前記特許文献1の永久磁石 埋め込み型ロータでは、固定子巻線に誘起さ れる電圧は高調波を多く含んだ波形となり、 振動・騒音の増大を招くと共に、鉄損の増加 による効率低下をもたらす課題があった。

 また、前記特許文献2の永久磁石電動機で は、固定子巻線に誘起される電圧の高調波は 低減しているが、スリット孔の形状が複雑と なり加工費が増加する。また永久磁石端部の 磁束を効果的に利用することができず、効率 低下を招くという課題があった。

 この発明は、上記のような課題を解決す ためになされたもので、高効率で、低振動 低騒音な永久磁石同期電動機及び密閉型圧 機を提供することを目的とする。

 この発明に係る永久磁石同期電動機は、固 子と、回転子とを備え、
 固定子は、複数枚の電磁鋼板を積層して形 され、隣接するスロット間に形成された磁 歯部を備えた固定子鉄心と、固定子鉄心の ロットに配置される固定子巻線とを有し、
 回転子は、固定子の磁極歯部の内側に空隙 介して設けられ、複数枚の電磁鋼板を積層 て形成される回転子鉄心と、回転子鉄心内 の外周部近傍に設けられた複数の磁石挿入 と、磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、 石挿入孔の外周側の回転子鉄心に形成され 永久磁石付近から回転子鉄心の外周表面付 に延びる複数のスリットとを有し、
 スリットの内、回転子鉄心の磁極中心付近 複数のスリットは、永久磁石から発する磁 が回転子鉄心の外側で収束する方向に向く うに配置されると共に、回転子鉄心の極間 付近のスリットは、回転子鉄心の磁極中心 近の複数のスリットと異なる方向に向くよ に配置されることを特徴とする。

 固定子は、磁極歯部に固定子巻線が直接 装された集中巻線方式であることを特徴と る。

 回転子鉄心の磁極中心付近の複数のスリ トは、磁極歯部の回転子鉄心に対向する空 側の幅内に設けられることを特徴とする。

 固定子鉄心は、磁極歯部毎に分割されて ることを特徴とする。

 回転子極間部付近のスリットで、回転子 間部に近く、磁石挿入孔の周方向両端部に 置するスリットの磁石挿入孔側で、かつ、 転子極間部側の両端間の距離を、空隙に面 る磁極歯部の幅よりも大きくしたことを特 とする。

 回転子極間部付近の磁石挿入孔の外周側 鉄心部である極間外周薄肉部の径方向寸法 、極間部付近のスリットの外周側の鉄心部 ある外周薄肉部の径方向寸法より大きくし ことを特徴とする。

 外周薄肉部の径方向寸法と、極間部付近 スリットと磁石挿入孔との間の鉄心部であ 内周薄肉部の径方向寸法との和を、極間外 薄肉部の径方向寸法よりも大きくしたこと 特徴とする。

 永久磁石同期電動機を備えたことを特徴 する。

 この発明に係る永久磁石同期電動機は、 記構成により、永久磁石の磁束を有効利用 ることで、高効率な永久磁石同期電動機が られると共に、電動機の発生する振動・騒 を抑制した低振動・低騒音な永久磁石同期 動機が得られる。

 実施の形態1.
 図1乃至図3は実施の形態1を示す図で、図1は 永久磁石同期電動機100の横断面図、図2は永 磁石同期電動機100の回転子40の一部を示す図 、図3は永久磁石同期電動機100の固定子30およ び回転子40の一部を示す図である。

 図1において、永久磁石同期電動機100は、 固定子30と、回転子40とを備える。固定子30は 、固定子鉄心1と、固定子巻線4とを有する。 定子鉄心1には、内周面付近に軸方向へ延び る9個のスロット3が設けられる。固定子鉄心1 は、板厚0.1~1mm程度の電磁鋼板を複数枚積層 ることで構成されている。隣接するスロッ 3の間には、9個の磁極歯部2が形成されてい 。磁極歯部2は外周側から内周側にかけて略 行の形状を有しており、外周側および内周 共、周方向(円弧状)に広がるような構造と っている。

 固定子鉄心1は、磁極歯部2毎に分割され おり、9個の分割された磁極歯部2から構成さ れている。

 固定子巻線4は、分割された磁極歯部2に 定の巻数を直接巻き付けてなる集中巻線方 で巻線されている。固定子巻線4は、例えば 線やアルミ線で構成されている。固定子巻 4の巻数や銅線の線径などは、永久磁石同期 電動機100として要求される所望のトルク、回 転数、電動機に印加される電圧およびスロッ ト3の断面積などに応じて決定される。

 固定子巻線4を分割された磁極歯部2に施 た後、分割された磁極歯部2を溶接や圧入な の加工を行うことで円形の固定子30が形成 れる。分割された磁極歯部2を圧入加工する は、隣り合う磁極歯部2の接合部を凹凸形状 に構成する必要がある。

 固定子30の内周側には、0.1~2mm程度の空隙 介して回転子40が設けられる。回転子40は、 回転子鉄心5と、永久磁石7とを備える。回転 鉄心5も、固定子鉄心1と同様に板厚0.1~1mm程 の電磁鋼板を複数枚積層することで構成さ ている。

 回転子鉄心5には、その軸心を中心とする 略正六角形の各辺に対応する部位に、6個の 石挿入孔8が設けられている。そして、N極と S極とが周方向に交互に配置されるように、6 の永久磁石7が磁石挿入孔8に挿入されてい 。永久磁石7は平板形状構造であり、ネオジ ム、鉄、ボロンを主成分とする希土類磁石 ある。

 磁石挿入孔8の外側の回転子鉄心5に、径 向に細長く延びる複数個のスリット6が、磁 挿入孔8に沿って離隔配置される。図1の例 は、1極の永久磁石7(1個の磁石挿入孔8)に対 て7本のスリット6が設けられている。

 磁石挿入孔8(永久磁石7)の中心を、回転子 磁極中心とする。また、隣接する磁石挿入孔 8(永久磁石7)の間を、回転子極間部とする。

 図2は永久磁石同期電動機100の回転子40の 極分を示す。図2において、一極分のスリッ ト6は、7本のスリット61、スリット62、スリッ ト63、スリット64(回転子磁極中心上に配置さ る)、スリット65、スリット66、スリット67で 構成される。

 7本のスリット61、スリット62、スリット63 、スリット64(回転子磁極中心上に配置される )、スリット65、スリット66、スリット67が回 子磁極中心に対して対称に、磁石挿入孔8に って、この順に磁石挿入孔8の端から離隔配 置される。

 7本のスリット61、スリット62、スリット63 、スリット64、スリット65、スリット66、スリ ット67の内、回転子磁極中心側の5本のスリッ ト62、スリット63、スリット64、スリット65、 リット66は、永久磁石7が発する磁束が回転 磁極中心に集中するように、回転子40の外 で略収束する方向に配置されている。図2に す回転子40の外側のX点に、5本のスリット62 スリット63、スリット64、スリット65、スリ ト66の中心線が収束するのが、最も好まし 。但し、X点に、これらの中心線が略収束す ば同等の特性が得られる。X点は、固定子鉄 心1の外周より内側にあるのが好ましい。

 また、回転子極間部に近い2本のスリット 61およびスリット67は、回転子磁極中心の5本 スリット62、スリット63、スリット64、スリ ト65、スリット66とは異なる方向に向けて配 置されている。例えば、回転子極間部に近い 2本のスリット61およびスリット67は、永久磁 7(磁石挿入孔8)に対して直角方向に配置され ている。

 固定子鉄心1の磁極数(スロット数)が9個で あるのに対して、回転子の極数が6極である そのため、固定子30の磁極歯部2の磁極幅に して、永久磁石7の幅が大きくなっている。 かし、回転子磁極中心に近い5本のスリット 62、スリット63、スリット64、スリット65、ス ット66の配置(向き)を永久磁石7の磁束が回 子40の外側で略収束するように設けられてい る。そのため、集中巻線方式の固定子30に対 て、永久磁石7の磁束を効果的に利用するこ とができる。

 更に回転子極間部に近いスリット61およ スリット67は、永久磁石7に対して直角方向 配置されている。回転子極間部のスリット61 およびスリット67も、回転子磁極中心側のス ット62、スリット63、スリット64、スリット6 5、スリット66と同様に磁束が収束する方向に 配置することで、磁束を有効利用することは 可能である。しかし、回転子極間部において は、永久磁石7の磁束の向きに対して、スリ ト61およびスリット67の傾きが大きくなるた 、永久磁石7の端部の磁束を遮断してしまう 場合がある。回転子極間部のスリット61およ スリット67の向きを、他の回転子磁極中心 のスリット62、スリット63、スリット64、ス ット65、スリット66の向きと異なるようにす ことで(例えば、永久磁石7に対して直角方 に配置)、永久磁石7の中心部の磁束のみなら ず永久磁石7の端部の磁束を効果的に利用す ことができる。

 永久磁石7の磁束を有効利用することによ り、固定子巻線4に流す電流を一定にした場 は、永久磁石同期電動機100の発生するトル が大きくなる。またトルク一定の場合は、 定子巻線4に流す電流を小さくすることがで る。そのため、銅損を低減させた高効率な 久磁石同期電動機100を得ることができる。

 更にトルク一定および電流一定の場合で 、永久磁石7の体積を小さくすることが可能 である。それにより、安価な永久磁石同期電 動機100を得ることもできる。

 また、図3は永久磁石同期電動機の固定子 鉄心1の9個の磁極歯部2の中の1個分と、6極の 転子鉄心5の1極分を示した断面図である。 3において、磁極歯部2の回転子鉄心5に対向 る空隙側の幅寸法をAとする。また、磁束が 束する方向に向いたスリット62、スリット63 、スリット64、スリット65、スリット66の中、 最も回転子磁極中心から離れたスリット62お びスリット66間の磁石挿入孔8側の距離をBと する(スリット62およびスリット66の回転子極 部側の端部を基準)。そして、A>Bの関係を 満たすように構成されている。

 A>Bにすることで、永久磁石7の磁束をよ り効果的に磁極歯部2に集中させることがで る。それにより、高効率な永久磁石同期電 機を得ることができる。

 また、回転子極間部に近いスリット61お びスリット67の磁石挿入孔8側で、かつ、回 子極間部側の両端間の距離をCとする。そし 、C>A>Bにすることで、永久磁石7の端部 磁束を有効利用できる。また、固定子巻線4 に誘起される電圧(以下、誘起電圧と称する) 正弦波状に近づけることができる。

 誘起電圧の波形は、固定子鉄心1、永久磁 石7、磁石挿入孔8及びスリット6の形状・配置 によりほぼ決まる。特に、回転子極間部近傍 のスリット61およびスリット67の形状は、誘 電圧の波形に大きく寄与している。

 誘起電圧が正弦波に近づくこと、すなわ 誘起電圧の高調波成分が少なくなることに り、永久磁石同期電動機100を運転させたと の振動・騒音を抑制することができる。ま 、鉄損増加による効率低下を防止すること できる。C>Aにすることで、回転子極間部 磁束の変化が滑らかになる。それにより、 起電圧の波形を正弦波に近づけることがで る。結果、低振動・低騒音な永久磁石同期 動機100を得ることができる。更に永久磁石7 の横幅よりもC寸法を小さくすることで、よ 一層の効果を得ることができる。

 本実施の形態では、固定子30の磁極歯部2 数が9個、回転子40の磁極数が6極の場合につ いて述べた。別の組合せ、例えば、固定子30 磁極歯部2の数が12個と回転子40の磁極数が8 との組合せであっても同様の効果を得るこ ができる。さらに、固定子30の磁極歯部2の が18個と回転子40の磁極数が12極との組合せ あっても同様の効果を得ることができる。

 また、スリット6の本数を7本の場合につ て述べたが、4本以上であれば効果を得るこ ができる。

 実施の形態2.
 図4は実施の形態2を示す図で、永久磁石同 電動機100の回転子鉄心5の一部を示す図であ 。

 図4において、極間部に近いスリット67の 周側の鉄心部を外周薄肉部9とする。スリッ ト67と磁石挿入孔8との間の鉄心部を内周薄肉 部11とする。極間部付近の磁石挿入孔8の外周 側の鉄心部を極間外周薄肉部10とする。

 本実施の形態では、外周薄肉部9の幅寸法 (径方向寸法)をD1、極間外周薄肉部10の幅寸法 (径方向寸法)をD2とした場合、D1<D2となるよ うに構成されている。実施の形態1では、誘 電圧を正弦波に近づけるために、回転子極 部近傍のスリット67の形状が大きく寄与する ことについて述べた。スリット67の形状と同 に、極間外周薄肉部10の形状・寸法も、誘 電圧を正弦波に近づけるために大きく寄与 る。

 D2≦D1であると、誘起電圧の電圧値として は大きくなる。しかし、誘起電圧波形は高調 波成分を含む、歪んだ波形になる傾向がある 。D2>D1とすることで、誘起電圧を正弦波に づけることが可能となる。但し、D2寸法を きくしすぎると、永久磁石7の磁束が隣り合 極間外周薄肉部10に漏れてしまうため、誘 電圧の電圧値が低くなり、永久磁石同期電 機の効率を悪化させてしまう。そのため、D2 寸法は、D1の1.2~3倍程度に設定することがよ 望ましい。また、D1寸法は回転子鉄心5を構 する電磁鋼板の1枚の板厚(0.1~1mm程度)の1~2倍 度が望ましい。

 また、この永久磁石同期電動機100が毎分7 000回転(rpm)以上の高速で運転される場合、D2 法を小さくしすぎると高速回転時の遠心力 より極間外周薄肉部10に応力が集中し、最悪 の場合、極間外周薄肉部10が破断・破壊する 能性がある。

 本実施の形態では、D2をD1より大きくする ことで遠心力に対する強度が増加する。その ため、信頼性の高い永久磁石同期電動機100を 得ることができる。また、誘起電圧の高調波 成分を少なくした低振動・低騒音な永久磁石 同期電動機100を得ることができる。

 また、内周薄肉部11の幅寸法をD3とする。 そして、D2<D1+D3となるように構成されてい 。永久磁石7の磁束は、固定子30の磁極歯部2 に流れ、トルクに寄与する分と、隣り合う永 久磁石7の方向に流れる漏れ磁束の分がある 漏れ磁束は、極間外周薄肉部10を通るため、 D2寸法が大きく寄与する。

 また、スリット67に対して回転子磁極中 に近い部分の永久磁石7の磁束は、外周薄肉 9(幅寸法D1)及び内周薄肉部11(幅寸法D3)を通 、極間外周薄肉部10(幅寸法D2)から磁束が隣 する永久磁石7へ漏れる。

 ここでは、D2<D1+D3としているため、D1及 びD3からの永久磁石7の漏れ磁束を、D2で抑制 ることができる。そのため、永久磁石7の磁 束を効果的に利用することができる。結果、 高効率な永久磁石同期電動機100を得ることが できる。

 実施の形態3.
 図5は実施の形態3を示す図で、回転式圧縮 20(密閉型圧縮機の一例)の縦断面図である。 5において、回転式圧縮機20の密閉容器22の 部には、電動要素21と圧縮要素23とが収容さ ている。電動要素21には、実施の形態1また 実施の形態2に示した永久磁石同期電動機100 を使用する。

 吸入管24は冷凍サイクルの蒸発器(図示せ )と接続され、冷媒を圧縮要素23に導く。吐 管25は冷凍サイクルの凝縮器と接続され、 閉容器22内の高圧冷媒を冷凍サイクルに送り 出す。

 実施の形態1または実施の形態2に示した 久磁石同期電動機100を、回転式圧縮機20に搭 載した場合、搭載される永久磁石同期電動機 100が高効率であるため、高効率な回転式圧縮 機20を得ることができる。その回転式圧縮機2 0を空気調和機や冷凍冷蔵庫に用いれば省エ 化を実現することができる。

実施の形態1を示す図で、永久磁石同期 電動機100の横断面図。 実施の形態1を示す図で、永久磁石同期 電動機100の回転子40の一部を示す図。 実施の形態1を示す図で、永久磁石同期 電動機100の固定子30および回転子40の一部を す図。 実施の形態2を示す図で、永久磁石同期 電動機100の回転子鉄心5の一部を示す図であ 。 実施の形態3を示す図で、回転式圧縮機 20の縦断面図である。

符号の説明

 1 固定子鉄心、2 磁極歯部、3 スロット 4 固定子巻線、5 回転子鉄心、6 スリット 7 永久磁石、8 磁石挿入孔、9 外周薄肉部 10 極間外周薄肉部、11 内周薄肉部、20 回 式圧縮機、21 電動要素、22 密閉容器、23  縮要素、24 吸入管、25 吐出管、30 固定子 40 回転子、61 スリット、62 スリット、63  スリット、64 スリット、65 スリット、66 ス リット、67 スリット、100 永久磁石同期電動 機。