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Patent Searching and Data


Title:
PET SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084565
Kind Code:
A1
Abstract:
A pet sheet (1) comprises a surface sheet (2), a back sheet (3), an absorbable core (41) provided between the both sheets, and a compression-molded material (5) provided between the surface sheet (2) and the absorbable core (41) and comprising a grinding product of a plant-derived material which can swell and disintegrate upon absorbing water. Preferably, the compression-molded material (5) swells and disintegrates upon absorbing water to form, between the surface sheet (2) and the absorbable core (41), a blocking layer which comprises a bulky, water-absorbing disintegration product of the compression-molded material (5) and can prevent the occurrence of wet-back. Preferably, the compression-molded material (5) further comprises an inorganic powder. The inorganic powder is preferably zeolite.

Inventors:
OTSUJI KAZUYA (JP)
TSUTSUMI YASUKI (JP)
YAMAMOTO JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/062881
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
June 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
OTSUJI KAZUYA (JP)
TSUTSUMI YASUKI (JP)
YAMAMOTO JUN (JP)
International Classes:
A01K23/00; A01K1/015
Domestic Patent References:
WO2006080514A12006-08-03
Foreign References:
JPH11332413A1999-12-07
JP2005198598A2005-07-28
JP3094895U2003-07-04
JPH09308403A1997-12-02
Attorney, Agent or Firm:
HATORI, Osamu et al. (8-6 Akasaka 1-chome, Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在する吸収性コアを有し、表面シートと吸収性コアとの間に、吸水によって膨潤崩壊する植物由来の素材の粉砕物の圧縮成形物を配したペット用シート。
 前記圧縮成形物は、吸水によって膨潤崩壊し、それによって前記表面シートと前記吸収性コアとの間に、空気を含有した該圧縮成形物の嵩高な含水崩壊物からなりウエットバックを阻止する遮断層を形成するものである請求の範囲第1項記載のペット用シート。
 前記吸収性コアが被覆シートで被覆されて吸収体を構成しており、該吸収性コアの上面と該被覆シートとの間に前記圧縮成形物が配されている請求の範囲第1項又は第2項記載のペット用シート。
 前記圧縮成形物が、無機粉体を更に含有するものである請求の範囲第1項ないし第3項の何れかに記載のペット用シート。
 前記無機粉体がゼオライトである請求の範囲第4項記載のペット用シート。
 トイレ本体を簀の子により上下に区画して、上層部分を排泄物処理材敷設可能部とするペット用トイレにおける下層部分に敷設して使用するものである請求の範囲第1項ないし第5項の何れかに記載のペット用シート。
 トイレ本体を簀の子により上下に区画して、上層部分を排泄物処理材敷設可能部とするペット用トイレであって、該ペット用トイレの下層部分に請求の範囲第1項ないし第5項の何れかに記載のペット用シートが敷設されるペット用トイレ。
Description:
ペット用シート

 本発明は、犬や猫等のペットが排泄した 等の排泄物を吸収するためのペット用シー に関する。

 従来、犬や猫等のペットを住居内で飼育 る際に、ペットが排泄した尿等の排泄物を 収するために、ペット用シートが使用され いる(例えば、下記特許文献1参照)。特許文 1記載のペット用シートは、液透過性の表面 シート、液不透過性の裏面シート及び両シー ト間に介在する例えば吸水ポリマーのような 液保持性の吸収体を備えており、このような ペット用シートは、一般的には床に載置して 用いられ、ペットがその上で排尿をすると、 吸収体の吸収性によって、排泄物を吸収する ことができる。しかし、排泄物を吸収した状 態の吸収体上をペットが歩行すると、その体 圧によって排泄物が吸収体から表面シート側 へ逆戻りする現象、いわゆるウエットバック が起こってしまう。

 かかるシートとは別に、いわゆる猫砂と ばれる敷材を用いて排泄物を吸収すること 知られている。例えば、天然針葉樹のおが からなる挽素材を加熱圧縮してペレット状 し、水分の吸収によって自己崩壊するよう した猫のトイレ砂が提案されている(特許文 献2参照)。このトイレ砂を篩状の簀の子の上 に猫用のトイレとして適当厚さとなるよう 敷き詰めて用いると、トイレ砂が尿を吸収 自己崩壊して簀の子の下方に落下するので 尿のかかった部分のみを廃棄し得る。しか 、この猫のトイレ砂を猫用トイレに敷き詰 て用いる場合、尿の大部分はトイレ砂に吸 されるものの、猫の排尿が多量であると、 収しきれなかった尿が簀の子の下方に流出 てしまうことがある。そのため、このトイ 砂は、猫用トイレに用いる場合常に多量に き詰めておかなくてはならない。更に同文 には、このトイレ砂を上述のペット用シー に含有させるという考え方は存在していな 。

特開2003-92940号公報

特開平9-308403号公報

 本発明は、表面シート、裏面シート及び シート間に介在する吸収性コアを有し、表 シートと吸収性コアとの間に、吸水によっ 膨潤し崩壊する植物由来の素材の粉砕物の 縮成形物を配したペット用シートを提供す ものである。

 また本発明は、トイレ本体を簀の子によ 上下に区画して、上層部分を排泄物処理材 設可能部とするペット用トイレであって、 ペット用トイレの下層部分に前記のペット シートが敷設されるペット用トイレを提供 るものである。

本発明のペット用シートの一実施形態 示す一部破断斜視図である。 図1におけるII-II線断面図である。 図1における吸収体の分解斜視図である 。 本発明のペット用シートの別の実施形 を示す断面図(図2相当図)である。 DW法を実施する装置(Demand Wettability Test er)の概略図である。 本発明のペット用シートを用いたペッ 用トイレを示す斜視図である。

発明の詳細な説明

 以下本発明を、その好ましい実施形態に づき図面を参照しながら説明する。本実施 態のペット用シート1は、図1に示すように 長方形の平面視形状を有している。図1及び 2に示すように、ペット用シート1は、液透 性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の 面シート3、及び両シート2,3間に介在配置さ れた液保持性の吸収性コア41を備えている。 お、吸収性コア41は、図3に示すように、吸 性コア41の上面を被覆する上面被覆シート42 と、吸収性コア41の下面を被覆する下面被覆 ート43とで被覆されて吸収体4を構成してい 。なお、本明細書において、「上面」とは 各部材の表裏面のうち、使用時にペット側 配される面である。また、「下面」とは上 の反対面である。また、特に明記のない限 、「長手方向」とは、ペット用シートの長 方向に沿う方向であり、「幅方向」とは、 ット用シートの幅方向に沿う方向である。

 表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は 何れも長方形の平面視形状を有している。 面シート2及び裏面シート3の長さ及び幅は ペット用シート1全体の長さ及び幅と同じで る。ペット用シート1の寸法は、飼育するペ ットの種類に応じて適宜調整可能である。例 えば犬や猫を飼育する場合には、長さ40~90cm 度、幅30~60cm程度に設定することができる。 収体4の長さ及び幅は、表面シート2及び裏 シート3の長さ及び幅よりも、それぞれ短く っている。表面シート2は、吸収体4の上面 域を被覆している。表面シート2の長手方向 端部は、吸収体4の長手方向両端部それぞれ から長手方向に延出している。表面シート2 幅方向両端部は、吸収体4の幅方向両端部そ ぞれから幅方向に延出している。

 裏面シート3は、吸収体4の下面全域を被 している。裏面シート3の長手方向両端部は 吸収体4の長手方向両端部それぞれから長手 方向に延出している。裏面シート3の幅方向 端部は、吸収体4の幅方向両端部それぞれか 幅方向に延出している。表面シート2と裏面 シート3とは、吸収体4よりも延出した領域に いて接合されている。その接合には、例え 、ホットメルト型接着剤、ヒートシール、 音波シールが用いられる。

 表面シート2及び裏面シート3としてはそ ぞれ、ペット用シートにおいて従来から用 られている各種材料を特に制限なく用いる とができる。表面シート2としては、液体を 収体4へ透過させることができるものであれ ば制限はない。例えば、合成繊維又は天然繊 維からなる織布や不織布、多孔性シート等が 挙げられる。表面シート2の一例として、ス ンボンド不織布が挙げられる。他の例とし 、芯成分にポリプロピレンやポリエステル 鞘成分にポリエチレンを用いた、芯鞘型又 サイドバイサイド型の複合繊維をカーディ グによりウエブ化した後、エアスルー法に って不織布としたものが挙げられる。不織 には、所定箇所に開孔処理を施しても良い 透液性の高さの点(ドライ感)から、低密度ポ リエチレン等のポリオレフィンからなるフィ ルムを穿孔して多数の小開孔を形成したもの も好ましく用いることができる。

 裏面シート3としては、液不透過性又は撥 水性のものであれば制限はない。例えばポリ エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテ レフタレートなどの高分子化合物製のフィル ム等が挙げられる。また、スパンボンド不織 布(S)とメルトブロー不織布(M)が特定の層順で 積層されて複合化されたシート(例えばSM、SMS 、SMMSなど)を用いることも柔軟性等の点から ましい。

 吸収体4は、図3に示すように、吸収性コ 41と、吸収性コア41の上面を被覆する上面被 シート42と、吸収性コア41の下面を被覆する 下面被覆シート43とからなる。吸収性コア41 、長方形の平面視形状を有している。上面 覆シート42は、長方形の平面視形状を有して おり、その長さ及び幅は、吸収性コア41の長 及び幅とほぼ同じである。下面被覆シート4 3は、長方形の平面視形状を有しており、そ 長さは、吸収性コア41の長さとほぼ同じであ るが、その幅は、吸収性コア41の幅よりも長 なっている。

 吸収性コア41は、下面被覆シート43の上面 に、吸収性コア41の長手方向両端部を下面被 シート43の長手方向両端部とほぼ一致させ 且つ吸収性コア41の幅方向両端部を、下面被 覆シート43の幅方向両端部よりもそれぞれ幅 向内方に後退させた状態で配設されている そして、吸収性コア41の幅方向両端部それ れから幅方向に延出した下面被覆シート43は 、上面被覆シート42と吸収性コア41との積層 の上面側に折り返され、上面被覆シート42の 上面に接合されている。

 吸収性コア41は、液を吸収し保持し得る 料から構成されている。例えばパルプ繊維 の親水性繊維の集合体や、パルプ繊維等の 水性繊維と吸収性ポリマーとの混合物を用 ることができる。或いはスポンジ等の吸水 多孔質体を用いることもできる。上面被覆 ート42及び下面被覆シート43としては、紙(台 紙)、不織布、ティッシュペーパー又はこれ の積層複合体等からなるシート等の吸収紙 用いることができる。

 図1及び図2に示すように、表面シート2と 収性コア41との間には、円筒形のペレット の圧縮成形物5が敷き詰められている。それ よって表面シート2と吸収性コア41との間に 、圧縮成形物5の層が形成されている。この 圧縮成形物5は、植物由来の素材の粉砕物(以 、単に植物粉砕物ともいう)を含むものであ る。しかも圧縮成形物5は、植物粉砕物を押 固めて形成されたものなので、水分と接触 ると直ちに吸水を開始する。その結果、植 粉砕物間の結合が弱められ圧縮状態から解 され元の植物粉砕物の状態にまで膨潤し、 の形をとどめない程度にまで膨潤崩壊する それによってウエットバックを阻止する遮 層が、尿がかかった部分に形成される。こ ような特徴を有する圧縮成形物5の層を表面 ート2と吸収性コア41の間に配することで、 実施形態のペット用シート1によれば極めて 効果的な高速吸収能とウエットバック阻止能 と表面ドライ性とが達成される。その理由は 次のとおりであると考えられる。

 先ず排尿直後においては、表面シート2を 透過してきた尿は、その全部又は一部が圧縮 成形物5の層に迅速に吸収される。その結果 尿のかかった部分の圧縮成形物5は尿を吸収 ることで、それを構成する植物粉砕物間の 合が弱められ圧縮状態から解放される。圧 状態の解放によって圧縮成形物5は膨潤する 。膨潤に伴い植物粉砕物間の距離が次第に大 きくなり圧縮成形物5は最後には元の形をと めない程度にまで崩壊する。それまでの膨 及び崩壊過程で、植物粉砕物間に空隙が生 るのみならず、植物粉砕物が膨潤崩壊によ 圧縮前の本来の形状に戻ることで、粉砕物 部に本来存在していた空隙も復元される。 れらの結果、表面シート2と吸収性コア41と 間に圧縮成形物5の含水崩壊物からなる嵩高 層が、尿のかかった部分に生じる。この層 、含水状態となった植物粉砕物からなり、 つ空気を含有している嵩高な層である。す わち、この嵩高の含水崩壊物の層は植物由 の素材本来の多孔性の性質を有するため、 物粉砕物間のみならずその植物粉砕物内に 尿を保持し得ることで、高含水率を達成す 。一方、圧縮成形物5の層を通過する間に吸 収されきれなかった尿は即座に吸収体4の吸 性コア41へ到達する。なお、吸収性コア41へ 達した尿は吸収性コア41によって即座に吸 されて吸収性コア41の平面方向へ拡散するが 、所定時間を経過すると、一旦吸収性コア41 吸収された尿が徐々に圧縮成形物5へ移行し 、それによって、その部分の圧縮成形物5の 潤崩壊も引き起こされる。

 このようにして生じた圧縮成形物5の含水 崩壊物からなる嵩高の含水崩壊物の層は、ウ エットバックを阻止する遮断層としての働き を有する。この理由は、尿を吸収した状態の ペット用シート上をペットが歩行しても、尿 のかかった部分や吸収性コア41中で尿が平面 向へ拡散した部分は膨潤崩壊物でカバーさ ているからである。含水膨潤崩壊物がペッ の体圧によって押圧されても尿が滲み出る とはほとんどないため、尿はペットの体圧 よって表面シート側へ逆戻りする(ウエット バック)ことがない。これは、該植物粉砕物 には多数の空隙が存在し、その空隙が該植 粉砕物間を隔てているので、滲み出た尿が 面シート側に移行することが阻止されるか である。これは水溜りに充分量のおが屑を くことで、その上を歩いてもぬかるまない とと同じ原理である。

 以上のとおりの機序によって本実施形態の ット用シート1は、ウエットバックの発生が 効果的に防止されたものとなる。すなわち、 従来の吸収コア、例えば、100g/m 2 の綿状パルプと、65g/m 2 の吸水性ポリマー(ポリアクリル酸系)を混合 て得られた吸収性コアを用いたペット用シ トでは、一旦吸収性コアに吸収された尿は 吸収された尿の100倍重量の錘による押圧に って50%以上表面シート側へ逆戻りしてしま 。すなわち、ウエットバック現象が起きて まう。これに対し、本発明のペット用シー では同条件にてウエットバック量は10%未満 ある。しかも、圧縮成形物5の膨潤崩壊物は 空気を含有した嵩高な層であるため、その上 部に存在する表面シート2は尿が排泄されて らその後長時間にわたってドライな状態が 持される。つまり本実施形態のペット用シ ト1は表面ドライ性、高速吸収性及び低ウエ トバック性を有するものである。更に、圧 成形物5を構成する植物粉砕物はそれ自身が 本来的に消臭効果を有しているので、本実施 形態のペット用シートを用いることで尿臭の 発生を防止できるという効果も奏される。

 図1及び図2に示すように、圧縮成形物5は 吸収性コア4の上面に配され、且つ上面被覆 シート42によって被覆されている。つまり圧 成形物5は、吸収体4の内部に配されている したがって圧縮成形物5が尿を吸収して膨潤 壊し植物粉砕物の微粉が発生しても、該微 の飛散が上面被覆シート42によって防止さ るという利点がある。それ故、圧縮成形物5 吸収体4の内部に配されている本実施形態は 特に好ましい形態である。尤も、本発明はこ の実施形態に制限されず、例えば図4に示す うに、吸収体4の上側、即ち吸収体4の上面被 覆シート42と表面シート2との間に圧縮成形物 5を配してもよい。

 ペット用シート1の持ち運びの最中や使用中 に、表面シート2と吸収性コア41との間に配さ れている圧縮成形物5の位置ずれ及びそれに 因する偏りが起こらないようにする観点か 、圧縮成形物5を吸収体4の吸収性コア41上に 又は、吸収体4の上面被覆シート42上に固着 せることが好ましい。すなわち、圧縮成形 5を吸収性コア41と上面被覆シート42との間 配設する場合は吸収性コア41に、圧縮成形物 5を上面被覆シート42と表面シート2との間に 設する場合は上面被覆シート42に、該圧縮成 形物5を固着させると、尿の透過性において ましい。ここで言う固着とは、圧縮成形物5 強固に固定するというよりは、むしろ仮着 近い弱い固定の概念である。圧縮成形物5の 過度の偏りが起こらない程度に該圧縮成形物 5が吸収性コア41上又は上面被覆シート42上に 定されていれば足りるからである。この観 から、固定には、少量の接着剤を用いれば 分である。接着剤としては水溶性のものを いることが、圧縮成形物5に吸水阻害を生じ させない点から好ましいが、接着剤の使用量 が少量であれば、該接着剤として非水溶性の ものを用いても弊害は生じない。例えば、そ の接着方法としてはアクリルゴムなどの接着 剤を用いると良く、接着剤の量としては2~20g/ m 2 であることが好ましい。

 圧縮成形物5を構成する植物由来の素材と しては、木本及び草本の何れを用いることも できる。これらの粉砕物としては、例えば木 本の粉砕物(木質又は樹皮の粉砕物)、種子油 査、穀物外皮粉砕物、草本粉砕物などが挙 られる。ここで言う粉砕物とは、おが屑や ラインダによる摩砕物など、機械的な方法 植物を粉々にしたものを広く包含する。

 特に、圧縮成形物5を構成する植物由来の 素材としては、吸水による膨潤崩壊後嵩高と なり、ウエットバックを阻止するような植物 由来の素材本来の多孔性の性質を有するもの が好ましい。また、圧縮成形物5を構成する 物由来の素材としては、成形性及びフェノ ル系やテルペン系物質等の消臭効果を有す 物質が含まれていることによる消臭効果の から、木本の粉砕物、特にスギ科、マツ科 はヒノキ科などの針葉樹の粉砕物を用いる とが好ましい。植物粉砕物は、1種を単独で は2種以上を組み合わせて用いることができ る。

 圧縮成形物5は植物粉砕物100%を押し固め 形成されていてもよく、或いは他の成分が まれていてもよい。圧縮成形物5が植物粉砕 100%からなる場合には、ペットが誤って圧縮 成形物5を口にしても健康上の悪影響が生じ くいという利点がある。圧縮成形物5に植物 砕物以外の成分が含まれている場合、圧縮 形物5に占める植物粉砕物の割合は70~99.9重 %、特に85~99%、とりわけ92~98%であることが、 用前の保形性や、吸水後の崩壊性に優れる から好ましい。

 植物粉砕物以外に圧縮成形物5へ含有させ 得る成分としては、例えば無機粉体が挙げら れる。植物粉砕物と無機粉体とを混合して押 し固めて得られた圧縮成形物5を用いること 、ウエットバックの発生を一層効果的に防 することができる。この理由は、圧縮成形 5に無機粉体を含有させることで、その崩壊 が向上するからである。また、圧縮成形物5 の崩壊物からなる層がペットの体圧によって 押され、植物粉砕物から尿が滲み出たとして も、空気によって隔てられている該植物粉砕 物間が無機粉体よって一層隔てられることに なるので、滲み出た尿が表面シート側に一層 移行しづらくなる効果も有する。

 無機粉体としては、例えばベントナイト シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシ ム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、 ワイトカーボン、珪藻土、珪酸白土、カオ ン、ゼオライト、セピオライト等が挙げら る。これらの粉体は、一種を単独で又は2種 以上を組み合わせて用いることができる。使 用前の保形性や、吸水後の崩壊性に優れる点 から無機粉体としてゼオライトを用いること が好ましい。この観点から、無機粉体は、圧 縮成形物5中に0.1~30重量%、特に1~15重量%、と わけ2~8重量%含まれていることが好ましい。

 またゼオライト等の多孔質粉体は、その 部に水を保持することが可能なので、無機 体として多孔質粉体を用いることで、崩壊 を更に一層効果的に向上させることが可能 なり、ウエットバックの発生を更に一層効 的に防止することを可能とする。更に、無 粉体として、ゼオライト及びその他の粘土 物を用いることで、圧縮成形物5に消臭機能 を付与することができる。

 特に、無機粉体としてゼオライトを用い 且つ植物由来の素材としてテルペン系物質 含有量の多い植物である針葉樹(スギ科、マ ツ科又はヒノキ科などの針葉樹)の粉砕物を い圧縮成形すると、該素材から揮散される 分の組成が変化する。その結果、消臭効果 高い物質であるテルペン系物質による消臭 果が増強される。

 圧縮成形物5は多孔質であることが、使用 前の保形性、吸水性、吸水後の崩壊性に優れ る点から好ましい。また圧縮成形物5の比重 0.5~1.8、特に0.8~1.5、とりわけ1~1.3であること 好ましい。

 圧縮成形物5の吸水性、吸水後の崩壊性及 び吸水速度は、以下に示す方法で測定され、 吸水率は15%以上、特に20%以上であり、一方、 微粉生成率は20%以上、特に30%以上であり、吸 水速度は40秒以下、特に20秒以下であること 、消臭性や、吸水後の崩壊性や、ウエット ック阻止性や、表面ドライ性に優れる点か 好ましい。このような吸水性及び崩壊性は 上述の原料を用い、以下に述べる方法によ て圧縮成形物5を製造することで達成するこ ができる。

  〔吸水率の測定方法〕
 底面に目開2.8mmのネットを配した直径80mm、 さ100mmの円筒内に圧縮成形物5を70±1g入れ、 縮成形物5を該円筒ごと25℃±3℃の水に3秒間 浸漬させる。水から引き上げた後、吸収シー ト〔キムタオル(商品名)、クレシア社製、坪 30g/m 2 )〕で容器に付着した水を拭き取った後、圧 成形物5を別の同円筒容器に移し替えて圧縮 形物5の重量を測定する。測定された吸水後 の圧縮成形物5の重量と、水に浸漬させる前 予め測定しておいた圧縮成形物5の重量とか 、次の式に従い、圧縮成形物5の吸水率(%)を 算出する。
 吸水率(%)=〔(浸漬後の圧縮成形物の重量-浸 前の圧縮成形物の重量)/(浸漬前の圧縮成形 の重量)〕×100

  〔微粉生成率の測定方法〕
 次いで、別に用意された前記円筒と同型の 筒に前記圧縮成形物を移し替え、この移し えの操作を交互に合計で50回繰り返す。こ 操作中に生じる微粉を採集し該微粉の重量 測定する。測定された重量(g)を浸漬前の圧 成形物の重量で除し、更に100を乗じた値を 縮成形物の微粉生成率(%)とする。

  〔吸水速度の測定方法〕
 吸水速度は、次の方法により測定される。D W法を実施する装置として一般的に知られて る図5に示す装置Demand Wettability Testerを用い 図5に示す如く、ビュレット内の生理食塩水 の液面を等水位にセットしたガラスフィルタ ー上に該チップ2.0gを載せ、三方活栓を開栓 て該チップに生理食塩水を吸水させ、気泡 出なくなるまでの時間を吸水速度(秒)とした 。

 圧縮成形物5の寸法は本実施形態において 臨界的ではないが、犬や猫用の物である場合 には、例えば直径が1~6mm、長さが1~15mm程度の レット状に圧縮加工したものであることが ましい。また、本発明の更なる実施態様と て、前記寸法よりも大きめの寸法の圧縮物 作製した後、これを、機械的粉砕方法等を いて前記寸法の破片物に加工してからペッ 用シートに用いても良い。ここで、機械的 砕、例えば、切断や破砕を経た後でも圧縮 態とそれに伴う上述の微粉生成率や吸水率 吸水速度が維持された破片物を、ペット用 ートに用いることが重要であるため、必要 応じて選別工程を設け粉塵除去・寸法安定 理等を行うなどの対策を講じると良い。以 のように機械的に粉砕した破片物を圧縮成 物5として用いることもできる。このように して得られた圧縮成形物5の破片物は一般に 定形であり表面積が大きいので、上述した 圧縮成形物5の仮着の際に、接着剤等を用い 固定を行いやすいという利点がある。

 ペット用シート1における圧縮成形物5の使 量は、吸収性コア41の使用量との関係で決定 される。具体的には、吸収性コア41としてパ プ、又はパルプと吸水性ポリマーとの混合 を用いる場合には、吸収性コア100重量部に して圧縮成形物5を30~250重量部、特に50~100重 量部用いることが好ましい。また、圧縮成形 物5それ自体の坪量は30~200g/m 2 、特に50~130g/m 2 であることが好ましい。

 圧縮成形物5は、以下の方法で好ましく製 造される。先ず、植物粉砕物並びに必要に応 じ無機粉体を所定の割合で十分に混合する。 植物粉砕物は、0.01~5mm、特に0.02~2mm程度の粒 であることが、均一に混合し得る点、成形 、吸水後の崩壊性、消臭性に優れる点から ましい。無機粉体は、1~20μm、特に0.1~5μm程 の粒径であることが、均一に混合し得る点 成形性、吸水後の崩壊性に優れる点から好 しい。

 前記の混合物を、圧縮押出成形機を用い 加圧成形し円筒形のペレット状とする。圧 押出成形機としては、押出穴が形成された と、前記の混合物を該押出穴へ押し込むた の押し込みロールとを備え、該押し込みロ ルが該型に隣接するように設置されている 圧押出成形機(リングダイ式押出成形機等) 用いることが好ましい。このような高圧押 成形機としては例えばスプラウト社製成形 が挙げられる。このような高圧押出成形機 用いると、高圧力で前記の混合物を押出穴 押し込むことが可能である。その結果、押 穴を深くでき、且つ押出穴内壁に発生する 抗力を十分に高めることができるので、高 押出抵抗力によって前記の混合物を圧密化 ることができる。それによって、使用前の 形性に優れ、また多孔質の構造を有する圧 成形物5を容易に得ることができる。このよ にして得られた圧縮成形物5は、押圧力によ って植物粉砕物どうしが結合しているので、 該圧縮成形物5が吸水すると、植物粉砕物ど しの結合が弱まり、それによって容易に膨 及び崩壊するようになる。なお、圧縮成形 5は、吸水によって膨潤崩壊し、それによっ 前記表面シートと前記吸収性コアとの間に 圧縮成形物の空気を含有した嵩高な含水崩 物からなりウエットバックを阻止する遮断 を形成する程度であれば少量のバインダを んでいても良い。

 本発明のペット用シートは、これを単独 用いペットの排泄物の処理に用いることが きるほか、別途用意されたペット用トイレ 組み込んで用いることもできる。そのよう ペット用トイレについて図6を参照しながら 説明する。図6に示すペット用トイレ100にお ては、上面が略矩形形状に開口する箱形の イレ本体113が、多孔質部材である簀の子114 よって上下に区画されている。簀の子114に 多数の透液孔112が設けられている。簀の子11 4の上方は砂収容部121になっている。また簀 子114の下方には薄底の平面略矩形形状のト ー116が配置されている。トレー116はトイレ 体113に出し入れ可能に設けられている。

 砂収容部121には、排泄物処理材(図示せず )が敷設される。トレー116内には、先に説明 た本発明のペット用シート1が敷設される。 ット用シート1は、その表面シート側が上方 を向くようにトレー116内に着脱交換可能に敷 設されトレー116がトイレ本体113にはめ込まれ ることで該ペット用トイレの下層部分に施設 される。ペット用シート1は、簀の子114の透 孔112を通過して砂収容部121から落下する尿 吸収する。ペット用シート1は、これを1枚用 いてトレー116の全域に敷設してもよく、或い は図5に示すように2枚用いるか、又はそれ以 の枚数を用いてトレー116の全域に敷設して よい。

 トイレ本体113は、例えばポリエチレン(PE) 、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル-ブ ジエン-スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂 らなる成形品である。トイレ本体113は、例 ば長辺が200~800mm、短辺が150~500mmの角部が湾 した略矩形の平面形状を有すると共に、例 ば100~200mmの高さを備えている。またトイレ 体113は、簀の子114によって上下に仕切られ いて、これの上方の40~200mm程度の高さの部 が、上面が開口する砂収容部121となってい と共に、これの下方の0~40mm程度の高さの部 が、トレー116を出し入れ可能に収容するト ー収容部120となっている。

 砂収容部121に敷設される排泄物処理材と ては、例えば、ペレット状の形状を有し、 水機能を有するものを用いることが好まし 。例えば植物由来の素材の粉砕物及び合成 脂を含む成形物からなるものが用いられる これらの成形物は、上述の方法で測定され 吸水率が1~10%の低吸水性であることが好ま い。このような低吸水性であることによっ 、ペットが排泄する尿が素早く通過して、 の子114の透液孔112を介して下層部分に落下 る。そして当該下層部分に配置されたトレ 116内のペット用シート1に尿が吸収される。 かる排泄物処理材として特に好ましいもの 、本出願人の先の出願に係る特開2002-84909号 公報に記載されている。具体的には、植物由 来の素材の粉砕物を70~97重量%、及び合成樹脂 を3~30重量%含み、該粉砕物及び該合成樹脂の 合物を、押出成形機を用いて所定形状に成 した成形物からなり、吸水率が3~10%であり 吸水しても崩壊しない程度の十分な保形性 有するものが特に好ましく用いられる。

 以上、本発明をその好ましい実施形態に づき説明したが、本発明は前記実施形態に 限されない。例えば前記実施形態のペット シート1は、犬や猫を飼育する場合に特に有 効なものであるが、該シート1の寸法や、吸 体4、圧縮成形物5の坪量等を適宜調整するこ とで、それらよりも小動物又は大動物の飼育 に用いることができる。

 以下、実施例により本発明を更に詳細に 明する。しかしながら本発明の範囲はかか 実施例に制限されるものではない。特に断 ない限り「%」は「重量%」を意味する。

  〔実施例1〕
(1)圧縮成形物の製造
 平均粒径1.2mmのドイツトーヒのおが屑をリ グダイ式押出成形機(スプラウト社製)でペレ ット状に成形し、目的とする圧縮成形物を得 た。圧縮成形物は直径2.0mm、長さ1~10mmであっ 。吸水試験の結果、この圧縮成形物の吸水 は12.2%、吸水速度は40秒であった。また微粉 生成率は17.2%であった。

(2)ペット用シートの製造
 図1ないし図3に示す構造のペット用シート1 製造した。表面シート2及び裏面シート3の に吸収体4を配した。表面シート2と吸収性コ ア41との間(即ち上面被覆シート42と吸収性コ 41との間)に前記の圧縮成形物5を敷き詰めた 。なお、圧縮成型物5と吸収性コア41とは合成 ゴム系スプレー接着剤(55スプレーのり:3M社製 )を7g/m 2 スプレーして接着した。そして、表面シート 2及び裏面シート3を30cm×45cmの大きさに切断し て目的とするペット用シートを作製した。表 面シートとしては坪量20g/m 2 のポリプロピレン製のスパンボンド不織布を 用いた。裏面シートとしては坪量30g/m 2 のポリエチレン製のフィルムを用いた。吸収 体としては100g/m 2 の綿状パルプと、65g/m 2 の吸水性ポリマー(ポリアクリル酸系)を混合 て得られた吸収性コアの上下に、台紙(15g/m 2 )を配したものを用いた。圧縮成形物5は坪量6 5g/m 2 となるように敷き詰めた。

  〔実施例2〕
 ドイツトーヒのおが屑95重量部とゼオライ 5重量部を十分に混合した。おが屑の平均粒 は1.2mmであった。ゼオライトの平均粒径は3 mであった。得られた混合物をリングダイ式 出成形機(スプラウト社製)でペレット状に 形し、目的とする圧縮成形物を得た。圧縮 形物は直径2.0mm、長さ1~10mmであった。吸水試 験の結果、この圧縮成形物の吸水率は30.3%、 水速度10秒であった。また微粉生成率は46.8% であった。得られた圧縮成形物を用いる以外 は実施例1と同様にしてペット用シートを得 。

  〔比較例1〕
 実施例1において、表面シート2と吸収体4と 間に圧縮成形物5を配さない以外は実施例1 同様にしてペット用シートを得た。

  〔評価〕
 実施例1及び2並びに比較例1で得られたペッ 用シートについて、以下の方法でウエット ック量を測定した。その結果、実施例1にお けるウエットバック量が1.3g、実施例2におけ ウエットバック量が0.7gであったのに対し、 比較例1におけるウエットバック量はそれよ も多い13.0gであった。

  〔ウエットバック量の測定〕
 ピペットを用い、ペット用シートに20gの生 食塩水をスポット状に注入する。注入終了1 0秒後に、予め重量を測定しておいた4×4cmの 紙を注入箇所上に重ね、その上に2kgの錘を いて10秒間放置する。錘を除去し、ろ紙を取 りだしてその重量を測定する。ウエットバッ ク量は吸収前後のろ紙の重量の差分から求め る。

 以上、詳述したとおり、本発明のペット シートによれば、表面シートと吸収性コア の間に配された植物由来の素材の粉砕物の 縮成形物が吸水することで崩壊膨潤し、そ によってウエットバックを阻止する遮断層 表面シートと吸収性コアとの間に形成され 。その結果、ウエットバックの発生を効果 に防止することができる。すなわち、本発 のペット用シートでは、適量の圧縮成形物 吸収性コアとを組み合わせて用いることに り、少量の圧縮成形物で極めて効果的な高 吸収能とウエットバック阻止能と表面ドラ 性とが達成されるのである。また圧縮成形 の成分である植物由来の素材は、本来的に 臭効果を有しているので、本発明のペット シートを用いることで尿臭の発生を防止で るという効果も奏される。