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Title:
PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING FINE PARTICLE OIL-BASED SUSPENSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099615
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a pharmaceutical composition containing a base-in-water suspension of particles of a pharmaceutically active ingredient component having an average particle diameter of not more than 20 μm. This pharmaceutical composition enables to attain extremely high intestinal absorption and biological availability of the pharmaceutically active ingredient, particularly when the pharmaceutically active ingredient is poorly water-soluble.

Inventors:
SATO YASUNORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000230
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASKA PHARM CO LTD (JP)
SATO YASUNORI (JP)
International Classes:
A61K9/10; A61K9/16; A61K31/506; A61K45/00; A61K47/14; A61K47/44; A61P1/04; A61P43/00
Domestic Patent References:
WO2005105052A12005-11-10
WO2006070927A12006-07-06
WO2002024172A12002-03-28
WO2004073692A12004-09-02
WO1993014081A11993-07-22
WO1998052940A11998-11-26
WO2000039116A12000-07-06
WO1996025405A11996-08-22
WO2004017965A12004-03-04
WO2004022555A12004-03-18
WO2006070927A12006-07-06
WO2000064894A12000-11-02
WO2004072072A12004-08-26
WO2004014907A12004-02-19
WO2004073628A22004-09-02
WO2005073189A12005-08-11
WO2005085249A12005-09-15
WO2004000846A12003-12-31
Foreign References:
JP2002528492A2002-09-03
JP2007039408A2007-02-15
JP2005112753A2005-04-28
JP2002533378A2002-10-08
JP2004520269A2004-07-08
JP2004099442A2004-04-02
JP2005112753A2005-04-28
JPH07138151A1995-05-30
JPH1081621A1998-03-31
JPH11302156A1999-11-02
JP2000516244A2000-12-05
JP2006513267A2006-04-20
JP2005013938A2005-01-20
JPH0616556A1994-01-25
JP2005516943A2005-06-09
JP2002528492A2002-09-03
JP2007039408A2007-02-15
JP2000086657A2000-03-28
Other References:
YAMAMOTO H. ET AL.: "Ryushi Bussei Seigyo ni yoru Biryushi Drug Delivery System no Kino Sekkei", DRUG DELIVERY SYSTEM, vol. 17, no. 4, 2002, pages 321 - 329, XP008112377
See also references of EP 2123255A4
CLIN. TRANSPLANTATION, vol. 10, 1996, pages 364 - 373
INTERNATIONAL JOURNAL OF PHARMACEUTICS, vol. 41, 1988, pages 245 - 254
J. PHARMACOL. EXP. THER., vol. 284, 1998, pages 687 - 692
N. ENGL. J. MED., vol. 337, 1997, pages 1029 - 1035
GUT., vol. 40, 1997, pages 628 - 633
BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 5, no. 1, 1997, pages 49 - 64
PHARMACEUTICAL RESEARCH, vol. 18, no. 6, 2001, pages 788 - 793
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-Nisshoku Bldg.8-7, Kyobashi 1-chome,Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
平均粒径20μm以下の医薬有効成分微粒子の基剤油中懸濁液を含む医薬組成物。
医薬有効成分微粒子の平均粒径が10μm以下である請求の範囲第1項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分が難水溶性の医薬有効成分である請求の範囲第1項又は第2項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分が炎症性腸疾患の予防及び/又は治療のための医薬有効成分である請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分がp38MAPキナーゼ阻害作用を有する化合物又は生理学的に許容されるその塩である請求の範囲第4項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分が下記一般式(I):
(式中、R 1 は水素原子、低級アルキル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、フェニル低級アルキルアミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、又は低級アルキルスルフィニル基を示し;R 2 は未置換のアリール基若しくは未置換のヘテロアリール基、又はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルキル基、低級アルキレンジオキシ基、若しくはベンジルオキシ基からなる群から選ばれる1~3個の置換基によって置換されたアリール基若しくは1~3個の該置換基によって置換されたヘテロアリール基を示し;R 3 は水素原子又は低級アルキル基を示し;R 4 は置換若しくは未置換のフェニル基又は置換若しくは未置換の複素環式基を示し;Yは-(CH 2 ) n -、-CO-、-CH(CH 3 )-、-O-、-NH-、-C(CH 3 ) 2 -又は-C(-CH 2 CH 2 -)-で表される基を示し;nは0~3の整数を示す)で表される化合物又はその塩である請求の範囲第5項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分が、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)アセチルアミノ]-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
3-(4-クロロフェニル)-5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
3-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-[(3-メチルフェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2,3-メチレンジオキシフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(3-メチルフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(2-ブロモフェニル)アセチルアミノ]-3-(3-メチルフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
3-(3-メチルフェニル)-5-[(2-メチルフェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
3-(3-メチルフェニル)-5-[(3-メチルフェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
3-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)-5-(フェニルアセチルアミノ)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、
5-[(3-メトキシフェニル)アセチルアミノ]-3-(3-メチル-4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、又は
3-(3-メチル-4-フルオロフェニル)-5-[(2-メチルフェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサゾール、あるいはその塩である請求の範囲第5項に記載の医薬組成物。
該懸濁液中に懸濁化剤、ワックス類、及び分散剤からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の製剤用添加物を含む請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
医薬有効成分を該懸濁液全質量に対して1~30質量%の範囲で含む請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
基剤油を該懸濁液全質量に対して70~99質量%の範囲で含む請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
基剤油が中鎖脂肪酸トリグリセリドである請求の範囲第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
炎症性腸疾患の予防及び/又は治療のために用いる経口投与用の請求の範囲第1項ないし第11項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
平均粒径20μm以下の医薬有効成分微粒子を基剤油中に懸濁する工程により得ることができる請求の範囲第1項ないし第12項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
Description:
微粒子油性懸濁液を含む医薬組 物

 本発明は、医薬有効成分微粒子の基剤油 懸濁液を含み、高い生物学的利用率を達成 ることができる医薬組成物に関する。

 医薬等の有効成分の生物学的利用率を向 させるために、これまでに種々の製剤学的 夫がなされている。例えば、特開2004-99442号 公報には、難溶性薬物、ポリビニルピロリド ン、及びドデシル硫酸ナトリウムの混合物を 乾式粉砕することにより、難溶性薬物を平均 粒径数百nmの微粒子とする方法が記載されて る。しかしながら、数百nmの微粒子を調製 るには特殊な粉砕機や粉砕工程が必要であ 、さらに、このレベルの微粒子は水に濡れ くく水媒体中で凝集するなどの取扱い上の 点も有する。また、この刊行物には、有効 分の油性懸濁については何も記載されてい い。

 特開2005-112753号公報には、有効成分が油 類に懸濁化されたソフトカプセルにおいて 内容物に水素添加加工油脂をさらに配合す ことにより生物学的利用率が向上すること 記載されている。しかしながら、この刊行 には、油性懸濁製剤における有効成分の平 粒径と生物学的利用率との関係について何 述べられていない。

 特開平7-138151号公報には、5~40質量%の難油 溶性粉末原料と60~95質量%の油溶性原料とが配 合されたソフトカプセル剤が開示されている 。上記公報の[0008]段落には、難油溶性粉末原 料の平均粒径として0.1nm~1mmの数値が記載され ているが、この刊行物に記載された製剤は、 難油溶性粉末原料及び油溶性原料を同時に高 用量で摂取できるというものであり、有効成 分の生物学的利用率の向上を目的としたもの ではない。また、この刊行物には、有効成分 の平均粒径と生物学的利用率との関係につい ては何も記載されていない。

 国際公開WO2004/073692号パンフレットの第3 、第29~39行には、「最近になって免疫抑制剤 であるシクロスポリン約15質量%と可溶化剤と 界面活性剤を配合し、水溶性が増大し、経口 投与後消化管内で析出せず、経口吸収性の変 動が少なく、経口吸収が改善したゼラチンソ フトカプセル剤(ネオーラル(登録商標):Clin. T ransplantation,Vol.10,364-373(1996))や、カプトプリル を油脂で単に懸濁した半固形油性懸濁マトリ ックスを充填した徐放性ハードカプセル剤(In ternational Journal of Pharmaceutics,Vol.41,245-254(1988) )が市販されている」旨が記載されている。 かしながら、ネオーラルは直径が0.15μm未満 マイクロエマルジョン製剤であって、微粒 化された有効成分が油性懸濁されたもので なく、また、上記カプトプリルハードカプ ル剤は徐放化を指向したものであって、有 成分は微粒子化されていない。

 また、特開平10-81621号公報、特開平11-30215 6号公報、特表2000-516244号公報、特表2006-513267 公報、及び再公表2005-13938号公報には、微粒 子化された難水溶性化合物の懸濁についての 記載があるが、これらの刊行物には微粒子化 された難水溶性化合物を懸濁する工程に関し て具体的な記載や実施例等はない。従って、 これらの刊行物における上記の「懸濁」の記 述は単なる一般的説明であり、実施可能な程 度に記載されたものではない。

 さらに、特開平6-16556号公報、特開2004-9944 2号公報、及び特表2005-516943号公報には、微粒 子化された難水溶性化合物の水性懸濁剤に関 する記載があるが、油性懸濁とすることによ り生物学的利用率が向上することは何ら示唆 ないし教示されていない。

 特表2002-528492号公報には、抵抗性嚢腫性 瘡の処置に使用されるイソトレチノインの 均粒径約90~100μmの油中懸濁物をそのまま微 子化して平均粒径5~30μmとすることにより、 物学的利用率が向上する旨が記載されてい 。また、特開2007-039408号公報には、クレア ンを非水系溶媒(エタノール)に分散させた後 ビーズミルにて粉砕することにより、平均粒 径2μm以下の微粉化クレアチンを製造する方 が記載されている。しかしながら、これら2 の刊行物は粒径を小さくすることにより生 学的利用率が向上することを教示している のの、薬物を微粒子化しかつ油性懸濁とす ことにより、単に薬物を微粒子化しただけ 場合よりもさらに高い生物学的利用率を達 できることを示唆ないし教示するものでは い。

 ところで、IBD(Inflammatory Bowel Disease:炎症 腸疾患)はクローン病及び潰瘍性大腸炎の総 称であるが、これら2つの疾患はどちらも再 と寛解を繰り返す難治性疾患である。IBDの 態においては、免疫機能が亢進し、腫瘍壊 因子-α(TNF-α)やインターロイキン-1(IL-1)など 炎症性サイトカインの上昇が見られるため これら炎症性サイトカインあるいはそれら 炎症反応経路の上流に位置するp38MAPキナー を阻害すれば、IBDの治療に有効となること 期待される(例えば、J.Pharmacol.Exp.Ther.,284,687- 692(1998)、N.Engl.J.Med.,337,1029-1035(1997)、Gut.,40,628- 633(1997)参照)。

 これまでに、p38MAPキナーゼ阻害作用を有 る化合物としては、例えば、イミダゾール 導体(Bioorganic & Medicinal Chemistry,Vol.5,No.1, 49-64(1997))及び国際公開WO93/14081号パンフレッ 参照)、ピラゾール誘導体(国際公開WO98/52940 パンフレット及び国際公開WO00/39116号パンフ ット参照)、イソオキサゾール誘導体(特開20 00-86657号公報、国際公開WO96/25405号パンフレッ ト、国際公開WO2004/17968号パンフレット、国際 公開WO2004/22555号パンフレット、及び国際公開 WO2006/070927号パンフレット参照)、チアゾール 導体(国際公開WO00/64894号パンフレット参照) トリアゾロピリジン誘導体(国際公開WO2004/72 072号パンフレット参照)、ピリドピリミジン 導体(国際公開WO2004/14907号パンフレット参照) 、ナフチリジン誘導体(国際公開WO2004/73628号 ンフレット参照)、6員環縮合ピラゾール誘導 体(国際公開WO2005/73189号パンフレット及び国 公開WO2005/85249号パンフレット参照)、二環式 素芳香環化合物(国際公開WO2004/00846号パンフ レット参照)等が知られている。しかしなが 、これまでに医薬品として上市されたp38MAP ナーゼ阻害剤はない。

 p38MAPキナーゼ阻害剤は、その作用機序か 、主にリウマチのような全身性の炎症性疾 を適応症として開発が進められてきたが、p 38MAPキナーゼ阻害剤には中枢移行性や肝毒性 腎毒性等多くの問題が存在し、これを一定 血中濃度を保持して疾患を処置するための 剤として開発することは困難であった。し し、IBDのような局所性の炎症性疾患に対し ならばp38MAPキナーゼ阻害剤が好適である可 性があるため、腸管等の局所で作用するIBD 療剤の開発が期待される。

 本発明の課題は、有効成分の生物学的利 率を高めた医薬を提供することにある。特 、難水溶性の有効成分の腸管からの吸収を めて生物学的利用率を向上させるための手 を提供すること、及び該手段により難水溶 の有効成分の生物学的利用率が高められた 薬を提供することが本発明の主たる課題で る。

 薬物の中には、通常に経口投与してもほ んど未変化体のまま糞中に排泄されてしま ものが多く存在する。特に、薬物が難水溶 の場合はその傾向が強い。薬物を微粒子化 ることにより糞中排泄率を低下させる(すな わち生物学的利用率を高める)ことができる のの、微粒子化することによる糞中排泄率 低下にも限界があることは当業者の技術常 である。

 本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭 研究を行っていたが、有効成分を微粒子化 、かつその微粒子を油性懸濁化することに り、有効成分を腸壁及び腸管組織内に存在 せることができ、糞中排泄率が大きく低下 て生物学的利用率が顕著に高まることを見 した。また、この糞中排泄率の低下は、有 成分の平均粒径と関係があることも見出し 。本発明はこれらの知見に基づき完成され ものである。

 すなわち、本発明により、平均粒径20μm以 の医薬有効成分微粒子の基剤油中懸濁液を む医薬組成物が提供される。
 本発明の好ましい態様によれば、該医薬有 成分が難水溶性の医薬有効成分である上記 医薬組成物が提供され、また、別の好まし 態様によれば、該医薬有効成分が炎症性腸 患の予防及び/又は治療のための医薬有効成 分である上記の医薬組成物が提供される。さ らに、本発明の別の好ましい態様によれば、 該医薬有効成分がp38MAPキナーゼ阻害作用を有 する化合物又は生理学的に許容されるその塩 である上記の医薬組成物;該医薬有効成分微 子の平均粒径が10μm以下である上記の医薬組 成物;炎症性腸疾患の予防及び/又は治療のた に用いる経口投与用の上記医薬組成物が提 される。

 本発明の別の好ましい態様によれば、該 濁液中に懸濁化剤、ワックス類、及び分散 からなる群から選ばれる1種類又は2種類以 の製剤用添加物を含む上記の医薬組成物;該 剤用添加物のそれぞれを該懸濁液全質量に して0.1~10質量%の範囲で含む上記の医薬組成 物;医薬有効成分を該懸濁液全質量に対して1~ 30質量%の範囲で含む上記の医薬組成物;基剤 を該懸濁液全質量に対して70~99質量%の範囲 含む上記の医薬組成物;及び該懸濁液が充填 れたソフトカプセルの形態である上記の医 組成物が提供される。

 別の観点からは、上記の医薬組成物の製 方法であって、平均粒径20μm以下の医薬有 成分微粒子を基剤油中に懸濁する工程を含 方法;及び該方法により得ることができる上 のいずれかの医薬組成物が本発明により提 される。

 本発明の医薬組成物は、医薬有効成分の 管からの吸収が高められ、生物学的利用率 顕著に改善された医薬組成物であり、特に 薬有効成分が難水溶性である場合にも極め 高い腸管吸収及び生物学的利用率を達成で るという特徴がある。

糞中排泄率における医薬有効成分の平 粒径及び濃度の影響を示した図である(例19) 。

 本発明の医薬組成物に使用できる医薬有 成分の種類は特に制限されないが、水に対 て難溶な医薬有効成分を本発明の医薬組成 とすることにより、生物学的利用率を顕著 高めることができるので、このような性質 有する医薬有効成分は本発明の医薬組成物 おいて好ましく用いられる。水に対して難 な性質としては、例えば、日本薬局方にお て「溶けにくい」又はそれ以下として定義 れている溶解性(化合物の水に対する溶解度 が10mg/mL以下である溶解性)を挙げることがで 、そのような難溶な性質のうち、日本薬局 において「ほとんど溶けない」として定義 れている溶解性(化合物の水に対する溶解度 が0.1mg/mL以下である溶解性:この性質を本明細 書において「難水溶性」と呼ぶ)を有する医 有効成分を本発明において好適に用いるこ ができる。

 本発明の医薬組成物に使用する医薬有効 分が持つ薬理作用、及び本発明の医薬組成 の適用対象となる疾患は特に限定されない 、本発明の医薬組成物においては、難水溶 の医薬有効成分であっても、その有効成分 大部分が腸管内に移行及び滞留することか 、消化器関連疾患の予防及び/又は治療に対 して本発明の医薬組成物を好ましく用いるこ とができる。また、本発明の医薬組成物に使 用する医薬有効成分としては、例えば、消化 器関連疾患、好ましくは炎症性腸疾患の予防 及び/又は治療に用いるための医薬有効成分 挙げることができる。このような医薬有効 分を本発明の医薬組成物として経口投与す ことにより、該有効成分が腸管壁や腸管組 内に局在化ないし滞留し、該有効成分の薬 作用が腸管において発揮される。

 炎症性腸疾患の予防及び/又は治療に用い るための医薬有効成分としては、例えば、p38 MAPキナーゼ阻害作用を有する化合物又はその 塩、ステロイド化合物又はその塩、炎症性サ イトカインに対する抗体、又は免疫抑制作用 を有する化合物又はその塩などを挙げること ができる。これらのうち、p38MAPキナーゼ阻害 作用を有する化合物又はその塩が好ましく、 そのような化合物又はその塩の具体例として 、例えば、前記に述べた刊行物に種々記載さ れているものを挙げることができる。そして 、それらの化合物又はその塩が難水溶性であ っても、これらを本発明の医薬組成物として 好適に用いることができる。

 難水溶性のp38MAPキナーゼ阻害作用を有する 合物又はその塩としては、例えば、国際公 WO2006/070927号パンフレットに記載されている 下記一般式(I):
(式中、R 1 は水素原子、低級アルキル基、アミノ基、低 級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ 基、フェニル低級アルキルアミノ基、アシル アミノ基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基 、低級アルキルチオ基、又は低級アルキルス ルフィニル基を示し;R 2 は未置換のアリール基若しくは未置換のヘテ ロアリール基、又はハロゲン原子、低級アル キル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルキ ル基、低級アルキレンジオキシ基、若しくは ベンジルオキシ基からなる群から選ばれる1~3 個の置換基によって置換されたアリール基若 しくは1~3個の該置換基によって置換されたヘ テロアリール基を示し;R 3 は水素原子又は低級アルキル基を示し;R 4 は置換若しくは未置換のフェニル基又は置換 若しくは未置換の複素環式基を示し;Yは-(CH 2 ) n -、-CO-、-CH(CH 3 )-、-O-、-NH-、-C(CH 3 ) 2 -又は-C(-CH 2 CH 2 -)-で表される基を示し;nは0~3の整数を示す)で 表される化合物又はその塩を挙げることがで きる。上記式中の置換基等の定義については 、国際公開WO2006/070927号パンフレットに説明 れており、該国際公開パンフレットの全て 参照により本明細書の開示に含める。

 上記一般式(I)に包含される化合物又はその のうち好ましいものとして、例えば、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(4-フ オロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキ ゾール、
5-[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)アセチルア ノ]-3-(4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル )イソオキサゾール、
3-(4-クロロフェニル)-5-[(2-クロロフェニル)ア チルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2,4- フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオ キサゾール、
3-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-[(3-メチルフェニ ル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオ キサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2-フ オロ-4-メトキシフェニル)-4-(4-ピリミジニル )イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(2,3- チレンジオキシフェニル)-4-(4-ピリミジニル) イソオキサゾール、
5-[(2-クロロフェニル)アセチルアミノ]-3-(3-メ ルフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ール、
5-[(2-ブロモフェニル)アセチルアミノ]-3-(3-メ ルフェニル)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ール、
3-(3-メチルフェニル)-5-[(2-メチルフェニル)ア チルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ール、
3-(3-メチルフェニル)-5-[(3-メチルフェニル)ア チルアミノ]-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ール、
3-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)-5-(フェニル セチルアミノ)-4-(4-ピリミジニル)イソオキサ ゾール、
5-[(3-メトキシフェニル)アセチルアミノ]-3-(3- チル-4-フルオロフェニル)-4-(4-ピリミジニル )イソオキサゾール、及び
3-(3-メチル-4-フルオロフェニル)-5-[(2-メチル ェニル)アセチルアミノ]-4-(4-ピリミジニル) ソオキサゾール
又はそれらの塩を挙げることができるが、こ れらに限定されることはない。

 本発明の医薬組成物に含まれる医薬有効 分の微粒子は平均粒径20μm以下の微粒子で り、好ましくは平均粒径10μm以下の微粒子で ある。微粒子の平均粒径の下限は特に限定さ れることはないが、例えば0.5μm以上、好まし くは1μm以上である。

 本明細書において「平均粒径」は、積算 布曲線の50%積算値を示す粒子径であるメジ ン径を用いて表しており、また、平均粒径 測定方法は当業者に周知かつ慣用の方法で る。本発明の医薬組成物に含まれる医薬有 成分の粒径分布曲線は、単峰性ピークから る粒径分布曲線のほか、多峰性ピークを含 粒径分布曲線であってもよく、2以上のピー クが一部重なり合った粒径分布曲線であって もよい。粒径分布曲線が多峰性ピークを含む 場合には、それぞれのピークの相対的な大き さは特に限定されない。粒径分布曲線におけ るピークの形状も特に限定されず、シャープ な山形ピークのほか、ブロードな台形型ピー クを含むもであってもよい。粒径分布曲線が 多峰性ピークを含む場合には、最小粒径に相 当するピークにおける粒径最大値を例えば50 m以下程度、好ましくは40μm以下、さらに好 しくは30μm以下とすることができる。

 平均粒径が数100nmの微粒子は、例えば、 開2004-99442号公報に記載の方法により得るこ ができる。また、平均粒径が例えば2~4μm程 の微粒子は市販の気流式粉砕機又は機械式 砕機等を使用することにより容易に得るこ ができる。市販の気流式粉砕機としては、 えば、アルティマイザー(登録商標)、ジェ トミル等を挙げることができる。アルティ イザーを用いて湿式粉砕することにより平 粒径約4μmの微粒子を得ることができ、ジェ トミルを用いて乾式粉砕することにより平 粒径約2μmの微粒子を得ることができる。こ こで、ジェットミルを用いて乾式粉砕する際 にノズルエアー圧を調整することにより、平 均粒径約4μmの微粒子を得ることもできる。 らに粉砕条件を種々変更することにより平 粒径約1μmの微粒子も容易に得ることができ 。また、市販の機械式粉砕機としては、例 ば、ロールミル、ハンマーミル、ピンミル サンプルミル、ボールミル等を挙げること できる。一般に、機械式粉砕機を用いて乾 粉砕を行う際に粉砕条件を種々変更するこ により、例えば10μmや20μmの平均粒径とする ことができる。

 いかなる特定の理論に拘泥するわけでは いが、後記実施例の「イヌに腸溶性コーテ ングカプセルを経口投与した場合の医薬有 成分の糞中排泄率の測定」において示すよ に、医薬有効成分を基剤油に懸濁させた腸 性コーティングカプセルをイヌに経口投与 た場合の糞中排泄率は、平均粒径が20μmの きに50%を下回るようになる。これは、粒径 小さくなるにつれて、消化管内での医薬有 成分の溶解速度が上昇するだけでなく、粒 が大きい場合には消化管内容物の移動と共 医薬有効成分も移動して排泄されてしまう 、粒径が小さくなるにしたがって粒子が消 管粘膜のより深部に侵入しやすくなって腸 及び腸管組織内での滞留率が上昇するため 考えられる。そして、平均粒径が約10μm以下 となると、糞中排泄率は10%台又はそれ以下に まで低下するという驚くべき効果が得られる 。糞中排泄率の低下は生物学的利用率が高ま ることを意味しており、難水溶性の医薬有効 成分に関して、本発明の医薬組成物により極 めて高い生物学的利用率が達成できることが 後記実施例の試験結果により明らかにされて いる。本発明の医薬組成物における医薬有効 成分の平均粒径は、動物種の消化管内壁の大 きさや構造、もしくは消化管の長さや構造、 あるいは有効成分の種類などの条件に応じて 適宜選択することができる。なお、Drug Delive ry System 17-4, 321-329(2002)には、粒径が小さく るほど粒子が消化管粘膜のより深部に侵入 るようになる旨の記載があり、また、Pharmac eutical Research Vol.18, No.6, 788-793(2001)には、正 常な消化管においては粒径による消化管粘膜 への付着量に差は見られないが、大腸炎発症 ラットでは粒径が小さいほど付着量の増加が 認められる旨の記載がある。

 また、後記実施例の「イヌに腸溶性コー ィングカプセルを経口投与した場合の医薬 効成分の糞中排泄率の測定」において比較 験結果により示すように、平均粒径1.98μmの 医薬有効成分を乳糖との散剤(倍散)にしてイ に経口投与したところ、その糞中排泄率は よそ60%であったことから、本発明の医薬組 物において糞中排泄率の低下が達成される カニズムにおいては、医薬有効成分が微粒 化されていることに加えて、微粒子が油性 濁状態となっていることが重要であると考 られる。医薬有効成分微粒子を油性懸濁状 とすることで糞中排泄率が低下する理由は ずしも明らかではないが、基剤油の存在に り有効成分の消化管内壁への分散性が高ま ことが一つの理由であると考えられる。な 、本明細書において「懸濁」とは、基剤油 に医薬有効成分微粒子が分散された状態を 味するが、必ずしも均一に分散している必 はない。もっとも、基剤油中に該微粒子が 一に分散していることも好ましい。

 本発明における医薬組成物の形態は特に 定されず、経口投与に適し、かつ医薬有効 分微粒子を基剤油中に懸濁して得られる懸 液を含むものであれば、任意の形態の医薬 成物として調製することができる。好まし は、懸濁液を内部空間に充填して封入する とができるカプセル剤の形態が好ましい。 プセル剤の種類は特に制限されないが、例 ば、ソフトカプセル、マイクロカプセル、 ームレスソフトカプセル、又はシームレス イクロカプセル等を挙げることができる。 た、必要に応じて上記カプセルに腸溶性コ ティング等の被覆を施すこともできる。

 基剤油としては、例えば、植物性油脂、 物性油脂、及び合成油脂のいずれを用いて よい。具体的には、植物性油脂として、例 ば、オリーブ油、サフラワー油、シソ油、 豆油、小麦胚芽油、紅花油、アボガド油、 見草油、胡麻油等を挙げることができ、動 性油脂として、例えば、DHA、EPA、肝油、卵 油、オットセイ油、豚油、牛油等を挙げる とができる。また、合成油脂としては、例 ば、中鎖脂肪酸トリグリセリド(パナセート )等を挙げることができる。2種類以上の基剤 を適宜混合して用いてもよい。これらのう 、医薬有効成分の種類に応じて医薬有効成 との相互作用が少ないなど適切な基剤油を 択して用いるのが有利である。

 基剤油中に医薬有効成分を懸濁して懸濁 を調製するにあたり、懸濁化剤、ワックス 、及び分散化剤からなる群から選ばれる1種 類又は2種類以上の製剤用添加物を用いるこ もできる。懸濁化剤としては、例えば、グ セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス ル、サラシミツロウ、硬化油等を挙げるこ ができ、ワックス類としては、例えば、ミ ロウ、ライスワックス等を挙げることがで 、分散化剤としては、例えば、グリセリン 肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソ ビタン脂肪酸エステル等を挙げることがで る。ワックス類を懸濁化剤として使用する と、あるいは分散化剤を懸濁化剤として使 することも可能であり、上記の製剤用添加 の使用目的は上記のものに固定されている けではない。上記の製剤用添加物を用いる 合には、一般的に、懸濁化剤、ワックス類 及び分散化剤それぞれについて、懸濁液全 量に対して0.1~10質量%程度の範囲で配合する とができ、好ましくは0.2~5質量%、さらに好 しくは0.5~2質量%の範囲で配合することがで る。

 本発明の医薬組成物における医薬有効成 の配合量は特に限定されないが、懸濁液の 質量に対して1~30質量%程度とすることがで 、好ましくは2~25質量%、さらには5~20質量%と ることが好適である。また、懸濁液におけ 基剤油の配合量も特に限定されないが、懸 液の全質量に対して70~99質量%程度とするこ ができ、好ましくは75~98質量%、さらには80~9 5質量%とすることが好適である。さらに必要 応じて他の製剤用添加物、例えば、乳化剤 安定化剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止 などを1種類又は2種類以上配合することも 能である。本発明の医薬組成物の調製方法 特に限定されないが、医薬有効成分の微粒 を調製した後、適宜の手段で基剤油中に微 子を懸濁し、得られる懸濁液をカプセルに 填するなど、当業者に周知かつ慣用の方法 より容易に調製される。

 以下、本発明を実施例によりさらに具体的 説明するが、本発明の範囲は下記の実施例 より限定されることはない。
例1:医薬有効成分の微粒子化
 粉砕条件を種々検討しながら、下記表1に示 す平均粒径(メジアン径D50)を有する医薬有効 分の微粒子を得た。ここで、平均粒径は、 ーザー回折式粒度分布測定装置LDSA-1400A(東 コンピュータアプリケーションズ)にて粒度 布を測定し算出した。

 なお、本明細書の実施例において用いた医 有効成分は下記式(i)の化合物である。

 この化合物は、国際公開WO2006/070927号パン フレットの実施例13の化合物であり、優れたp 38MAPキナーゼ阻害作用を有し、抗リウマチ薬 IBD治療薬等としての可能性が期待されてい 。この化合物の日本薬局方第1液(pH1.2)に対 る37℃における溶解度は1.09μg/mL、日本薬局 第2液(pH6.8)に対する37℃における溶解度は0.88 μg/mL、リン酸塩緩衝液(pH7.2)に対する37℃にお ける溶解度は0.53μg/mLであり、室温における ナセートに対する溶解度は約2mg/mLである。

例2~4:腸溶性コーティングカプセル(医薬有効 分の平均粒径1.98μm)の調製
 モノステアリン酸グリセリン200mg及びミツ ウ200mgを70℃の水浴中で中鎖脂肪酸トリグリ リド(パナセート)20mLに加えて溶解したもの 3つ用意した。
 この3つの溶解液を水浴から取り出し、それ ぞれの溶解液に、平均粒径1.98μmに微粒子化 た医薬有効成分937.5mg、1875mg又は3750mgを加え 混合物が室温になるまで撹拌しながら放冷 た後、室温にて1分間超音波照射を行い分散 化して、3通りの医薬有効成分濃度を有する 濁液を調製した。これらの懸濁液を00号ゼラ チンカプセルに0.8mLずつ充填し、ドリアコー ィング機(パウレック製)にて腸溶性フィル (HPMCP:ヒドロキシプロピルメチルセルロース タレート、グレード:HP-55)を被覆した。それ ぞれの腸溶性コーティングカプセルに充填し た懸濁液おける内容物の量を、下記例5~13に けるのと併せて下記表2に示す。

例5~7:腸溶性コーティングカプセル(医薬有効 分の平均粒径3.88μm)の調製
 平均粒径3.88μmに微粒子化した医薬有効成分 について、例2~4と同様にして、下記表2に示 3通りの医薬有効成分濃度を有する懸濁液を む腸溶性コーティングカプセルを調製した

例8~10:腸溶性コーティングカプセル(医薬有効 成分の平均粒径9.59μm)の調製
 平均粒径9.59μmに微粒子化した医薬有効成分 について、例2~4と同様にして、下記表2に示 3通りの医薬有効成分濃度を有する懸濁液を む腸溶性コーティングカプセルを調製した

例11~13:腸溶性コーティングカプセル(医薬有 成分の平均粒径19.76μm)の調製
 平均粒径19.76μmに微粒子化した医薬有効成 について、例2~4と同様にして、下記表2に示 3通りの医薬有効成分濃度を有する懸濁液を 含む腸溶性コーティングカプセルを調製した 。

例14~16:シームレスソフトカプセル(医薬有効 分の平均粒径1.98μm)の調製
 平均粒径1.98μmに微粒子化した医薬有効成分 を用い、例2~4と同様にして、下記表3に示す3 りの医薬有効成分濃度を有する懸濁液を調 した。次いで、二重管ノズルに懸濁液及び ラチン溶液を入れ、シームレスソフトカプ ル製造機を用いて、液中滴下法によりカプ ル化した。得られたカプセルから凝固油を 法にて脱油後、速やかにドラム乾燥し、直 2.0mm、皮膜率30%、1カプセル中の内容量約3μL のシームレスソフトカプセルを製造した。な お、懸濁液の内容物の量を、例17~18における と併せて下記表3に示す。

例17~18:シームレスソフトカプセル(医薬有効 分の平均粒径19.76μm)の調製
 平均粒径19.76μmに微粒子化した医薬有効成 を用い、例14~16と同様にして、下記表3に示 2通りの医薬有効成分濃度を有する懸濁液を むシームレスソフトカプセルを調製した。

例19:イヌに腸溶性コーティングカプセルを経 口投与した場合の医薬有効成分の糞中排泄率 の測定
 一晩絶食させた雄ビーグル犬(体重10~15kg、 粒径の各濃度についてn=3、ただし平均粒径19 .76μmの医薬有効成分についての46.9mg/mLの濃度 及び平均粒径19.76μmの医薬有効成分について 93.8mg/mLの濃度についてはn=5)に、前記例2~13 調製した腸溶性コーティングカプセルを、 効成分の投与量として150mgとなるように1~4カ プセルずつ精製水30mLとともに経口投与した  。なお、比較例として、平均粒径1.98μmの医 有効成分を乳糖と混合して倍散にしたもの(3 00mgを00号カプセルに充填、有効成分の投与量 としては150mg)を、同様にしてイヌに経口投与 した。

 投与7時間後に給餌を行い、水は自由に摂取 させた。投与後24時間までの糞を回収してホ ジネートし、これに0.5mol/L炭酸水素ナトリ ム溶液0.5mLを加え、ジエチルエーテル2mLで抽 出した。遠心分離後、有機層を窒素気流下、 40℃にて乾固し、残留物をアセトニトリル0.5m Lに溶解した。さらに、このうちの10μLを分取 して窒素気流下、40℃にて乾固した。この抽 試料をアセトニトリル100μLに溶解し、この 液をさらに10倍に希釈し、LC/MS/MS(正イオンES I法) で分析した。ピーク面積を検量線に当 はめ、有効成分の糞中排泄量を算出し、有 成分の糞中排泄率を以下の式により算出し 。

 各群における糞中排泄率の平均値を下記表4 に示す。また、これをグラフ化したものを図 1に示す。

例20:イヌにシームレスソフトカプセルを経口 投与した場合の医薬有効成分の糞中排泄率の 測定
 前記例14及び15で調製したシームレスソフト カプセル、すなわち、平均粒径1.98μmの医薬 効成分を50mg/mL又は100mg/mLの濃度で含有する ームレスソフトカプセルについて、例19と同 様にして、イヌに20mg又は100mgを経口投与し( 濃度及び各投与量についてn=3)、医薬有効成 の糞中排泄率を測定した。この結果を下記 5に示す。

 以上の結果から、本発明の医薬組成物は 効成分が難水溶性の場合であっても乳糖と 混合物を含む比較例カプセルに比べて糞中 泄率が顕著に低く、高い生物学的利用率を えることが明らかになった。

 本発明の医薬組成物は、医薬有効成分の 管からの吸収が高められ、生物学的利用率 顕著に改善された医薬組成物であり、特に 薬有効成分が難水溶性である場合にも極め 高い腸管吸収及び生物学的利用率を達成で るので有用である。