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Title:
PHASE CONTROLLER, PHASE CONTROLLING PRINTED CIRCUIT BOARD AND CONTROLLING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125508
Kind Code:
A1
Abstract:
A DLL circuit (100) comprises a delay line (110) which, when it receives an input of a reference signal, adds amounts of delays to a phase of the reference signal by respective delay devices (120) and outputs delayed signals of the respective delay devices. The DLL circuit further comprises a phase comparator (130) which compares phase differences between the reference signal and the delayed signals delayed by all of the plurality of delay devices of the delay line by using the delay signals and/or the reference signal that have been phase-adjusted by a phase-adjusting circuit (200). The DLL circuit also comprises delay-device controlling circuits (140, 150) for inputting a control voltage value generated from the phase differences outputted from the phase comparator to each of the plurality of delay devices of the delay line, the control voltage value being a value which synchronizes the delay signals compared by the phase comparator with the reference signal compared by the phase comparator.

Inventors:
YOSHIZAWA YOSHIHARU (JP)
KOYAMA YOSHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067544
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
September 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
YOSHIZAWA YOSHIHARU (JP)
KOYAMA YOSHITO (JP)
International Classes:
H03L7/081; H03L7/08; H03L7/087; H03L7/093
Domestic Patent References:
WO2005050844A12005-06-02
Foreign References:
JP2000134090A2000-05-12
JP2006025131A2006-01-26
JPS61225905A1986-10-07
JPH0767333A1995-03-10
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, HIROAKI (JP)
Hiroaki Sakai (JP)
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Claims:
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を備えた位相制御装置であって、
 前記DLL回路は、
 前記基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延ラインと、
 前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と前記基準信号との位相差を、位相調整回路によって位相を調整された当該遅延信号および/または当該基準信号を用いて比較する位相比較器と、
 前記位相比較器によって比較される遅延信号を前記位相比較器によって比較される基準信号に同期させる値であって、当該位相比較器によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路と、
 を備えたことを特徴とする位相制御装置。
 前記位相調整回路は、基準信号の位相を調整した調整信号を出力し、
 前記位相比較器は、前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と、前記位相調整回路によって出力された調整信号との位相差を比較し、
 前記遅延器制御回路は、前記位相比較器によって比較される遅延信号を前記位相調整回路によって出力される前記調整信号に同期させる制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力することを特徴とする請求項1に記載の位相制御装置。
 前記位相調整回路は、前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号の位相を調整した調整遅延信号を出力し、
 前記位相比較器は、前記位相調整回路によって出力された調整遅延信号と、前記基準信号との位相差を比較し、
 前記位相比較器によって比較される調整遅延信号を前記基準信号に同期させる制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路と、
 を備えたことを特徴とする請求項1に記載の位相制御装置。
 前記位相調整回路は、前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号の位相を調整した調整遅延信号を出力し、かつ、前記基準信号の位相を調整した調整信号を出力し、
 前記位相比較器は、前記位相調整回路によって出力された調整遅延信号と前記調整信号との位相差を比較し、
 前記遅延器制御回路は、前記位相比較器によって比較される調整遅延信号を前記位相調整回路によって出力される前記調整信号に同期させる制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力することを特徴とする請求項1に記載の位相制御装置。
 前記位相比較器は、最終段の遅延器から出力される遅延信号に対して、所定の負荷を与えるものであって、
 前記遅延ラインは、前記遅延器の内、前記位相比較器によって比較される遅延信号を当該位相比較器に供給する遅延器以外の遅延器各々から出力される遅延信号各々に対して、当該位相比較器によって前記遅延信号に与えられる所定の負荷と同様の負荷を与える素子各々を有することを特徴とする請求項2に記載の位相制御装置。
 前記位相調整回路は、最終段の遅延器から出力される遅延信号に対して、所定の負荷を与えるものであって、
 前記遅延ラインは、前記遅延器の内、前記位相調整回路によって位相が調整される遅延信号を当該位相調整回路に供給する遅延器以外の遅延器各々から出力される遅延信号各々に対して、当該位相調整回路によって前記遅延信号に与えられる所定の負荷と同様の負荷を与える素子各々を有することを特徴とする請求項3に記載の位相制御装置。
 前記位相調整回路は、最終段の遅延器から出力される遅延信号に対して、所定の負荷を与えるものであって、
 前記遅延ラインは、前記遅延器の内、前記位相調整回路によって位相が調整される遅延信号を当該位相調整回路に供給する遅延器以外の遅延器各々から出力される遅延信号各々に対して、当該位相調整回路によって前記遅延信号に与えられる所定の負荷と同様の負荷を与える素子各々を有することを特徴とする請求項4に記載の位相制御装置。
 前記位相調整回路は、PLL回路であって、前記基準信号を入力とし、当該位相調整回路内部の位相比較器によって出力された位相差から生成された電圧値とバイアス制御部によって制御された基準電圧値とを制御電圧とすることで、当該基準電圧値によって特定される位相差で当該基準信号を調整した調整信号を電圧制御発振器から出力することを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の位相制御装置。
 前記バイアス制御部は、前記位相制御装置を利用する利用者によって指定される制御信号によって特定される電圧値を、前記基準電圧値とすることを特徴とする請求項8に記載の位相制御装置。
 前記位相比較器は、出力電圧と位相差との関係が鋸波状となることを特徴とする請求項9に記載の位相制御装置。
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を備えた位相制御装置が搭載されたプリント板であって、
 前記DLL回路は、
 前記基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延ラインと、
 前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と前記基準信号との位相差を、位相調整回路によって位相を調整された当該遅延信号および/または当該基準信号を用いて比較する位相比較器と、
 前記位相比較器によって比較される遅延信号を前記位相比較器によって比較される基準信号に同期させる値であって、当該位相比較器によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路と、
 を備えたことを特徴とする位相制御装置が搭載されたプリント板。
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を用いる制御方法であって、
 前記DLL回路は、
 前記基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延工程と、
 前記遅延工程の複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と前記基準信号との位相差を、位相調整工程によって位相を調整された当該遅延信号および/または当該基準信号を用いて比較する位相比較工程と、
 前記位相比較工程によって比較される遅延信号を前記位相比較器によって比較される基準信号に同期させる値であって、当該位相比較工程によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延工程の複数の遅延器各々に入力する遅延器制御工程と、
 を含んだことを特徴とする制御方法。
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を備えた位相制御装置であって、
 前記遅延器によって加えられる遅延量の内所定の最小量よりも微細に基準信号の位相を調整した調整信号を出力するPLL回路を備え、
 前記DLL回路は、
 基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延ラインと、
 前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と、前記PLL回路によって出力された調整信号との位相差を比較する位相比較器と、
 前記位相比較器によって比較される遅延信号を前記PLL回路から出力される前記調整信号に同期させる値であって、当該位相比較器によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路と、
 を備えたことを特徴とする位相制御装置。
 前記PLL回路は、基準信号を入力とし、当該PLL回路内部の位相比較器によって出力された位相差から生成された電圧値とバイアス制御部によって制御された基準電圧値とを制御電圧とすることで、当該基準電圧値によって特定される位相差で当該基準信号を調整した調整信号を電圧制御発振器から出力することを特徴とする請求項13に記載の位相制御装置。
 前記バイアス制御部は、前記位相制御装置を利用する利用者によって指定される制御信号によって特定される電圧値を、前記基準電圧値とすることを特徴とする請求項14に記載の位相制御装置。
 前記位相比較器は、最終段の遅延器から出力される遅延信号に対して、所定の負荷を与えるものであって、
 前記遅延ラインは、遅延器の内、前記位相比較器によって比較される遅延信号を当該位相比較器に供給する遅延器以外の遅延器各々から出力される遅延信号各々に対して、前記位相比較器によって前記遅延信号に与えられる所定の負荷と同様の負荷を与える素子各々を有することを特徴とする請求項13~15のいずれか1つに記載の位相制御装置。
 前記位相比較器は、出力電圧と位相差との関係が鋸波状となることを特徴とする請求項16に記載の位相制御装置。
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を備えた位相制御装置が搭載されたプリント板であって、
 前記遅延器によって加えられる遅延量の内所定の最小量よりも微細に基準信号の位相を調整した調整信号を出力するPLL回路を備え、
 前記DLL回路は、
 基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延ラインと、
 前記遅延ラインの複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と、前記PLL回路によって出力された調整信号との位相差を比較する位相比較器と、
 前記位相比較器によって比較される遅延信号を前記PLL回路から出力される前記調整信号に同期させる値であって、当該位相比較器によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延ラインの複数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路と、
 を備えたことを特徴とする位相制御装置が搭載されたプリント板。
 基準信号の位相に対して遅延器各々によって遅延量を加えるDLL回路を用いる制御方法であって、
 前記遅延器によって加えられる遅延量の内所定の最小量よりも微細に基準信号の位相を調整した調整信号を出力する調整工程を含み、
 前記DLL回路は、
 基準信号の入力を受け付けると、前記遅延器各々によって当該基準信号の位相に対して遅延量を加えるとともに当該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延工程と、
 前記遅延工程の複数の遅延器すべてによって遅延された遅延信号と、前記調整工程によって出力された調整信号との位相差を比較する位相比較工程と、
 前記位相比較工程によって比較される遅延信号を前記調整工程から出力される前記調整信号に同期させる値であって、当該位相比較工程によって出力された位相差から生成された制御電圧値を、前記遅延工程の複数の遅延器各々に入力する遅延器制御工程と、
 を含んだことを特徴とする制御方法。
Description:
位相制御装置、位相制御プリン 板および制御方法

 この発明は、位相制御装置、位相制御プ ント板および制御方法に関する。

 従来より、信号の位相を調整した出力信 を得る手法に関して、様々な手法が知られ いる。例えば、信号の位相を調整した出力 号を得る手法の一つとして、DLL(Delay Locked  Loop)が知られている。DLLにおいては、例えば 位相に対して遅延量を加える遅延器を用い 。そして、DLLでは、入力された信号の位相 対して遅延器が遅延量を加え、入力された 号の位相と比較して位相が遅延した遅延信 を出力信号とする。

 なお、信号の位相を調整した出力信号を る手法の一つとして、オフセット制御回路( 抵抗分割回路)を設けて、出力信号の位相を 整する手法が開示されている。

特開昭61-225905号公報(第2~3頁、第1図)

特開平7-67333号公報(第3~4頁、第1図)

 ところで、上記した従来の技術は、出力 号の位相を微細に調整することができない いう課題があった。

 例えば、従来の手法では、遅延器それぞ は、所定の最小値以上所定の最大値以下の 延量を、入力信号の位相に対して加える。 こで、所定の最小値とは、遅延器自体の伝 遅延時間であり、遅延器間の位相分解能を す。このため、従来の手法では、入力信号 位相に対して加える遅延量を所定の最小値 下とすることはできず、出力信号の位相を 所定の最小値以下で微細に調整することが きなかった。なお、特許文献1や特許文献2 は、出力信号の位相を微細に調整する手法 開示されていない。

 そこで、この発明は、上述した従来技術 課題を解決するためになされたものであり 出力信号の位相を微細に調整することが可 である位相制御装置、位相制御プリント板 よび制御方法を提供することを目的とする

 上述した課題を解決し、目的を達成する め、開示の位相制御装置は、基準信号の位 に対して遅延器各々によって遅延量を加え DLL回路を備えた位相制御装置である。また 前記DLL回路は、前記基準信号の入力を受け けると、前記遅延器各々によって当該基準 号の位相に対して遅延量を加えるとともに 該遅延器ごとの遅延信号を出力する遅延ラ ンを備える。また、前記DLL回路は、前記遅 ラインの複数の遅延器すべてによって遅延 れた遅延信号と前記基準信号との位相差を 位相調整回路によって位相を調整された当 遅延信号および/または当該基準信号を用い て比較する位相比較器を備える。また、前記 DLL回路は、前記位相比較器によって比較され る遅延信号を前記位相比較器によって比較さ れる基準信号に同期させる値であって、当該 位相比較器によって出力された位相差から生 成された制御電圧値を、前記遅延ラインの複 数の遅延器各々に入力する遅延器制御回路を 備える。

 出力信号の位相を微細に制御することが 能である。

図1は、実施例1に係るLSIの構成の一例 説明するための図である。 図2は、実施例1に係るPLL回路の構成の 例を説明するための図である。 図3は、チャージポンプからの出力電圧 と位相差との関係を説明するための図である 。 図4は、バイアス制御部からの出力電圧 と位相差との関係を説明するための図である 。 図5は、抵抗ストリング型DACを用いた場 合におけるバイアス制御部の構成の一例を説 明するための図である。 図6は、実施例1におけるDLL回路による 理の一例を説明するためのフローチャート ある。 図7は、実施例1におけるPLL回路による 理の一例を説明するためのフローチャート ある。 図8は、実施例1に係るLSIの効果を説明 るための図である。 図9は、実施例1に係るLSIの効果を説明 るための図である。 図10は、実施例2に係るLSIの構成の一例 を説明するための図である。 図11は、実施例3に係るLSIの構成の一例 を説明するための図である。 図12は、実施例3におけるセレクタ回路 を用いた場合における位相調整回路の構成の 一例を説明するための図である。 図13は、実施例3における一周期遅れて 同期する二つの信号を説明するための図であ る。 図14は、実施例4に係るLSIの構成の一例 を説明するための図である。 図15は、実施例5に係るLSIの構成の一例 を説明するための図である。 図16は、抵抗ラダー型を用いた場合に けるバイアス制御部の構成の一例を説明す ための図である。

符号の説明

 100 DLL回路
 110 電圧制御型遅延ライン
 120 遅延器
 130 位相比較器
 140 チャージポンプ(DLL)
 150 キャパシタ
 200 PLL回路
 210 位相周波数比較器
 220 チャージポンプ(PLL)
 230 ローパスフィルタ
 240 オペアンプ
 250 電圧制御発振器
 260 バイアス制御部
 300 素子
 400 位相調整回路
 401 遅延器
 402 セレクタ回路
 500 位相調整回路
 600 素子

 以下に添付図面を参照して、この発明に る位相制御装置、位相制御プリント板およ 制御方法の実施例を詳細に説明する。なお 以下では、実施例1に係るLSIの構成の概要、 LSIの構成および処理の流れ、実施例1に係るLS Iの効果を順に説明し、その後、その他の実 例について説明する。

[実施例1に係るLSIの構成の概要]
 まず最初に、図1を用いて、実施例1に係るLS I(「位相制御装置」とも称する)の構成の概要 について簡単に説明する。なお、以下では、 まず、図1を用いて、実施例1に係るLSIの概要 簡単に説明し、その後、実施例1に係るLSIの 構成について説明する。なお、図1は、実施 1に係るLSIの構成の一例を説明するための図 ある。

 図1に示すように、実施例1に係るLSIは、DL L(Delay Locked Loop)回路100と、PLL(「Phase Variable PLL(Phase locked loop」)(位相可変PLL)回路200とを 備えるものである。

 ここで、DLL回路100とは、入力信号(「基準 信号」とも称する)の位相に対して、DLL回路10 0内に設置されている遅延器120各々によって 延量(遅延時間)を加える。また、図1の「OUT1 ~「OUTn」に示すように、DLL回路100は、遅延 120各々によって遅延量が加えられた入力信 である遅延信号を、出力するものである。

 また、PLL回路200とは、入力信号の位相を 整した調整信号を、DLL回路100に出力するも である。また、PLL回路200は、DLL回路100内部 設置された遅延器120によって加えられる遅 量の内所定の最小量(遅延器120自体の伝播遅 延量)よりも微細に、位相を調整することが 能なものである。

 そして、以下で詳述するように、このよ な実施例1に係るLSIでは、DLL回路100とPLL回路 200とに、同一の入力信号が入力される。そし て、実施例1に係るLSIでは、入力信号そのも ではなく調整信号がDLL回路100(位相比較器130) に伝達されることで、入力信号に加える遅延 量が制御される。これにより、実施例1に係 LSIは、従来できなかった出力信号の微細な 相制御を可能にするものである。

[実施例1に係るLSIの構成]
 次に、図1と図2とを用いて、実施例1に係るL SIの構成について説明する。以下では、まず 実施例1に係るLSIの構成の内、主にDLL回路100 の構成の一例について説明し、その後、実施 例1に係るLSIが備えるPLL回路200の構成の一例 ついて説明する。

[実施例1におけるDLL回路]
 まず、図1に示すように、実施例1に係るLSI 、DLL回路100を有するものである。そして、 施例1に係るLSIは、DLL回路100内に、電圧制御 遅延ライン(Voltage Controlled Delay Line)110と、 位相比較器(「PD」、Phase Detector)130とを有す 。また、実施例1に係るLSIは、チャージポン (DLL)(「CP」、Charge pump)140と、キャパシタ(「 C」、capacitor)150とを有する。

 なお、電圧制御型遅延ライン110は、特許 求の範囲に記載の「遅延ライン」に対応す 。また、位相比較器130は、特許請求の範囲 記載の「位相比較器」に対応する。また、 ャパシタ150などは、特許請求の範囲に記載 「遅延器制御回路」に対応する。

 電圧制御型遅延ライン110は、信号の位相 対して遅延量を加える複数の遅延器120(Tap) 有する。例えば、図1に示す例では、電圧制 型遅延ライン110は、直列に連結された複数 遅延器120を有する。また、電圧制御型遅延 イン110は、位相比較器130に接続する。また 電圧制御型遅延ライン110が有する遅延器120 々は、キャパシタ150に接続する。

 また、電圧制御型遅延ライン110は、入力 号の入力をDLL回路100の外部から受け付ける 、遅延器120各々によって、当該入力信号の 相に対して遅延量を加えるとともに、当該 延器120ごとの遅延信号をDLL回路100の外部に 力する。なお、この入力信号とは、例えば クロック信号が該当する。

 具体的には、電圧制御型遅延ライン110は 当該電圧制御型遅延ライン110が設置されたD LL回路100の外部から入力信号の入力を受け付 る。そして、電圧制御型遅延ライン110では 直列に連結された複数の遅延器120の一端に 力信号が入力され、複数の遅延器120各々が 入力信号に対して遅延量を加える。そして 電圧制御型遅延ライン110は、当該遅延器120 との遅延信号を、DLL回路100の外部に出力す 。

 また、電圧制御型遅延ライン110は、複数 遅延器120すべてによって遅延された遅延信 を、位相比較器130に出力する。具体的には 電圧制御型遅延ライン110は、直列に連結さ た複数の遅延器120の一端(入力信号が入力さ れた一端とは異なる一端、最終段の遅延器120 )から、遅延信号を位相比較器130に出力する

 ここで、遅延信号をDLL回路100の外部に出 する点について、さらに具体的に説明する 電圧制御型遅延ライン110では、直列に連結 れた複数の遅延器120内の一部または全てに って遅延量を加えられた遅延信号が、当該 延器120と遅延器120との間から出力される。

 具体的な例を用いて説明すると、図1に示 す例では、電圧制御型遅延ライン110では、遅 延器「A」によって遅延量を加えられた遅延 号を、「OUT1」として出力する。また、電圧 御型遅延ライン110では、遅延器「A」と遅延 器「B」とによって遅延量を加えられた遅延 号を、「OUT2」として出力する。また、電圧 御型遅延ライン110では、遅延器すべてによ て遅延量を加えられた遅延信号を、「OUTn」 として出力する。

 なお、ここで、遅延器120について簡単に 言する。遅延器120とは、例えば、インバー (Inverter)を二つ合わせたものが該当する。ま た、この遅延器120は、キャパシタ150によって 入力される制御電圧によって、入力信号の位 相に加える遅延量が決定されるものである。 また、遅延量は、所定の最小量以上所定の最 大量以下の遅延量となり、一定の範囲内の量 となる。言い換えると、この遅延量は、所定 の最小量以下の遅延量とはならないものであ る。

 また、この遅延器120によって加えられる 延量の内所定の最小量とは、遅延器120自体 伝搬遅延量となる。言い換えると、遅延器1 20を信号が伝播する際に必ず遅延することに る遅延量となる。この最小時間は、例えば LSIで実現した場合には、当該LSIの微細化が めば高速に(最小量が小さく)なるものの、 相分解能としては、数十psecオーダーが限界 なる。

 位相比較器130は、電圧制御型遅延ライン1 10と、チャージポンプ(DLL)140と、PLL回路200と 接続する。なお、位相比較器130は、電圧制 型遅延ライン110と、電圧制御型遅延ライン11 0が有する遅延器120の内最終段の遅延器120を して接続する。

 位相比較器130は、二つの信号の位相を比 する。具体的には、位相比較器130は、電圧 御型遅延ライン110の複数の遅延器120すべて よって遅延された遅延信号を、電圧制御型 延ライン110から受け付ける。また、位相比 器130は、調整信号を、PLL回路200から受け付 る。そして、位相比較器130は、電圧制御型 延ライン110から受け付けた遅延信号の位相 、PLL回路200によって出力された調整信号の 相とを比較する。そして、位相比較器130は 比較結果(位相の差)を、チャージポンプ(DLL) 140に伝達する。

 具体的な例をあげて説明すると、位相比 器130は、二つの信号の位相の差に基づいて 遅延信号の位相が調整信号に比較して進ん いる場合には、位相差をdown信号パルスとし てチャージポンプ(DLL)140に伝達する。また、 相比較器130は、遅延信号の位相が調整信号 比較して遅れている場合には、位相差をup 号パルスとしてチャージポンプ(DLL)140に伝達 する。

 チャージポンプ(DLL)140は、位相比較器130 キャパシタ150とに接続する。また、チャー ポンプ(DLL)140は、位相比較器130から比較結果 を伝達されると、当該比較結果に相当する電 流をキャパシタ150に供給する。

 具体的には、チャージポンプ(DLL)140は、 相比較器130から位相差を伝達されると、位 比較器130から伝達された位相差を電流に変 し、キャパシタ150に電流をチャージし、ま は、キャパシタ150に電流をディスチャージ る。なお、ここで、チャージポンプ(DLL)140は 、位相比較器130から位相差をup信号パルスと て伝達された場合には、キャパシタ150に電 をチャージする。また、チャージポンプ(DLL )140は、位相比較器130から位相差をdown信号パ スとして伝達された場合には、キャパシタ1 50に電流をディスチャージする。

 キャパシタ150は、チャージポンプ(DLL)140 電圧制御型遅延ライン110が有する遅延器120 々とに接続する。また、キャパシタ150は、 相比較器130によって出力された位相差から 成されて制御される制御電圧を、電圧制御 遅延ライン110の複数の遅延器120各々に入力 る。

 具体的には、キャパシタ150は、チャージ ンプ(DLL)140によって電流がチャージやディ チャージされる。ここで、キャパシタ150で 、チャージポンプ(DLL)140によってチャージや ディスチャージされる電流が当該キャパシタ 150の容量で積分され、制御電圧となる。キャ パシタ150は、この制御電圧を、電圧制御型遅 延ライン110が有する遅延器120各々に入力する 。

 ここで、DLL回路100内では、遅延信号と調 信号との位相差が位相比較器130によって常 監視され、当該二つの位相差が解消される うに、処理が行われる。なお、二つの位相 が解消された状態とは、遅延信号が、調整 号に1周期遅れて同期する状態を示す。具体 的には、DLL回路100では、位相比較器130からチ ャージポンプ(DLL)140を介してキャパシタ150へ 比較結果がフィードバックされる。これに り、キャパシタ150の制御電圧は、位相比較 130によって比較される遅延信号を調整信号 同期させる値となり、複数の遅延器120すべ によって遅延された遅延信号が、調整信号 位相同期した信号となる。

[実施例1におけるPLL回路]
 次に、図2~5を用いて、実施例1におけるPLL回 路の構成の一例を説明する。なお、図2は、 施例1におけるPLL回路の構成の一例を説明す ための図である。図3は、チャージポンプか らの出力電圧と位相差との関係を説明するた めの図である。図4は、バイアス制御部から 出力電圧と位相差との関係を説明するため 図である。図5は、バイアス制御部の構成の 例を説明するための図である。

 PLL回路200の構成の一例について説明する なお、PLL回路200とは、DLL回路100内部に設置 れた遅延器120によって加えられる遅延量の 所定の最小量よりも微細に、位相を調整す ことが可能なものである。具体的には、PLL 路200は、入力信号の位相を、遅延器120によ て加えられる遅延量の内所定の最小量より 微細に調整し、入力信号の位相を微細に調 した調整信号をDLL回路100に伝達できればよ 。このため、以下に説明するのは、あくま もPLL回路200の構成の一例であり、PLL回路200 構成は以下に記載する一例に限定されるも ではない。

 以下では、PLL回路200が、入力信号を入力 し、PLL回路200内部の位相周波数比較器210に って出力された位相差から生成された電圧 とバイアス制御部260によって制御された基 電圧値との差を制御電圧とする。そして、 該基準電圧値によって特定される位相差で 該入力信号を調整した調整信号を電圧制御 振器250から出力するPLL回路200を例に、説明 る。

 図1に示すように、PLL回路200は、DLL回路100 の位相比較器130と接続している。また、PLL回 路200は、調整信号を出力する。具体的には、 入力信号の位相を調整して調整信号として、 当該調整信号を位相比較器130に出力するもの である。なお、ここでいう「入力信号」とは 、DLL回路100の電圧制御型遅延ライン110に入力 される「入力信号」と同一のものである。

 図2に示すように、PLL回路200は、位相周波 数比較器(「PFD」、Phase Frequency Detector)210と チャージポンプ(PLL)220と、ローパスフィルタ (「LPF」、Low Pass Filter)230とを有する。また PLL回路200は、オペアンプ(「opamp」、operational  amplifier)240と、電圧制御発振器(「VCO」、volta ge controlled oscillator)250と、バイアス制御部( Bias-Control」)260とを有する。

 位相周波数比較器210は、チャージポンプ( PLL)220と電圧制御発振器250とに接続する。ま 、位相周波数比較器210は、二つの信号の位 を比較する。

 具体的には、位相周波数比較器210は、当 位相周波数比較器210が設置されたPLL回路200 外部から入力信号の入力を受け付ける。ま 、位相周波数比較器210は、電圧制御発振器2 50から調整信号をフィードバックされて受け ける。そして、位相周波数比較器210は、入 信号の位相と、調整信号との位相とを比較 る。そして、位相周波数比較器210は、比較 果(位相の差)を、チャージポンプ(PLL)220に伝 達する。

 具体的な例をあげて説明すると、位相周 数比較器210は、二つの信号の位相の差に基 いて、入力信号の位相が調整信号に比較し 進んでいる場合には、up信号パルスとして ャージポンプ(PLL)220に位相差を伝達する。ま た、位相周波数比較器210は、入力信号の位相 が調整信号に比較して遅れている場合には、 down信号パルスとしてチャージポンプ(PLL)220に 位相差を伝達する。

 チャージポンプ(PLL)220は、位相周波数比 器210とローパスフィルタ230とに接続する。 お、以下では、チャージポンプ(DLL)140とは異 なる点についてのみ、説明する。

 チャージポンプ(PLL)220は、位相周波数比 器210から比較結果を伝達されると、当該比 結果に応じた電流を、ローパスフィルタ230 伝達する。具体的には、チャージポンプ(PLL) 220は、位相周波数比較器210から伝達された位 相差を電流に変換する。そして、チャージポ ンプ(PLL)220は、電流をローパスフィルタ230に 達する。なお、ここで、位相周波数比較器2 10が比較する二つの信号の位相差と、チャー ポンプ(PLL)220から送信される電流の出力電 との関係において成立する一般特性を、図3 示した。

 なお、図3において、位相差が「2π」から 「-2π」となっているのは、「2π」位相が進 (または遅れる)と、一周期分ずれたことにな るからである。つまり、位相差の絶対値は、 「2π」より大きくなることはないからである 。また、同様に、チャージポンプ(PLL)220から 達される電流の出力電圧も、「Vl」から「Vh 」の範囲内の値となる。

 ローパスフィルタ230は、チャージポンプ( PLL)220とオペアンプ240とに接続する。また、 ーパスフィルタ230は、チャージポンプ(PLL)220 から電流が伝達されると、当該電流から、特 定の閾値よりも高い周波数信号を減衰させて 遮断する。そして、ローパスフィルタ230は、 当該電流の内、低域周波数のみを通過させて オペアンプ240に伝達する。

 オペアンプ240は、ローパスフィルタ230と イアス制御部260と電圧制御発振器250とに接 する。また、オペアンプ240は、二つの入力( 「+」と「-」)を有する。ここで、オペアンプ 240の「+」入力(非反転入力)は、バイアス制御 部260と接続し、オペアンプ240の「-」入力(反 入力)は、ローパスフィルタ230と接続してい る。なお、この二つの入力には、電圧がかか るものである。また、オペアンプ240は一つの 出力を有し、当該出力からは電圧が出力され 、電圧制御発振器250に伝達される。

 また、オペアンプ240の一つの出力からオ アンプ240の「-」入力に向けて、負帰還がか かっている。ここで、オペアンプ240において は、負帰還がかかっているので、当該負帰還 の効果により、「+」入力の出力電圧と、「- 入力の出力電圧とが、常に一致する(電圧差 が「0」となる)ものである。

 ここで、オペアンプ240の「-」入力は、ロ ーパスフィルタ230と接続しており、図3に示 た出力電圧がかかる。ここで、オペアンプ24 0の「-」入力は反転入力のため、オペアンプ2 40の「+」入力からは、図4に示すように、図3 示した出力電圧が反転した電圧(Vref)がかか ことになる。

 なお、ここで、オペアンプ240は、二つの 力にかかる電圧に少しでも差が生じると、 該差が、オペアンプ240の出力電圧に反映さ る。しかし、この出力電圧はすぐに「-」入 力にフィードバックされ、二つの入力にかか る電圧の差が無くなるように働くものである 。

 電圧制御発振器250は、オペアンプ240と位 周波数比較器210とに接続する。また、電圧 御発振器250は、電圧で発振周波数を制御す 発振器であり、調整信号を発振する。具体 には、電圧制御発振器250は、オペアンプ240 ら出力された電圧を用いて信号を発信する そして、電圧制御発振器250は、調整信号を 位相周波数比較器210に伝達するとともに、D LL回路100(位相比較器130)に伝達する。ここで オペアンプ240から出力された電圧を用いて 圧制御発振器250が発振する信号が、調整信 となる。

 バイアス制御部260は、オペアンプ240に接 する。具体的には、バイアス制御部260は、 ペアンプ240の「+」入力に、電圧をかけるも のである。例えば、バイアス制御部260は、LSI を利用する利用者によって指定される制御信 号(PCC(Phase Controlled Code))によって特定される 電圧値を、基準電圧値とする。

 なお、バイアス制御部260としては、例え 、DAC(Digital-Analog-Converter)を適用することが 能である。このDAC方式には、その構成方法 より、抵抗ラダー型、抵抗ストリング型、 み抵抗型等様々な構成がある。以下では、 5を用いて、抵抗ストリング型DAC(図5に示す では、3ビット制御)により制御する場合を例 に説明する。

 ここで、図5に示すバイアス制御部260の構 造を例に、制御信号によって、バイアス制御 部260がオペアンプ240の「+」入力にかける電 (Vref)がどのように決定されるかを説明する 例えば、図5に示す例では、バイアス制御部2 60は、3ビットの信号として、制御信号を受信 する。そして、例えば、制御信号が、「101」 である場合には、図5に示す例では、「MSB」 スイッチを「ON」に設定し、「BIT」のスイッ チを「OFF」に設定し、「LSB」のスイッチを「 ON」に設定する。このように、バイアス制御 260では、オペアンプの「+」入力にかける電 圧を、nビットの制御信号で制御される。

 なお、バイアス制御部260がオペアンプ240 「+」入力にかける電圧が変化すると、オペ アンプ240が当該電圧差をなくすように働き、 結果として、オペアンプ240の「-」入力にか る電圧が、オペアンプ240の「+」入力の電圧 と変化する。つまり、バイアス制御部260が ペアンプ240の「+」入力にかける電圧が変化 すると、図5に示すように、当該電圧に対応 る位相差へと、入力信号の位相差が変化す ことになる。

 すなわち、バイアス制御部260の電圧値(縦 軸)を変化させると、入力信号と調整信号と 位相差(横軸)が変化することになる。このた め、電圧値の刻み値の細かさが、位相の分解 能となる。例えば、8ビットの制御信号(外部 号)を用いて制御する場合には、256分割とな る。ここで、得たい位相分解能から、抵抗分 割数を決めることにより、位相分解能を簡単 に設定することが可能である。

[実施例1に係るLSIによる処理]
 次に、図6と図7とを用いて、実施例1に係るL SIによる処理の一例を説明する。なお、以下 は、まず、図6を用いて、DLL回路100における 処理の一例について説明し、その後、PLL回路 200における処理の一例について説明する。な お、図6は、実施例1におけるDLL回路による処 の一例を説明するためのフローチャートで る。図7は、実施例1におけるPLL回路による 理の一例を説明するためのフローチャート ある。

 まず、図6を用いて、DLL回路100における処 理の一例を説明する。同図に示すように、DLL 回路100では、電圧制御型遅延ライン110は、入 力信号の入力を受け付けると(ステップS101肯 )、遅延器120各々が、当該入力信号の位相に 対して遅延量を加える(ステップS102)。具体的 には、遅延器120各々は、キャパシタ150の電圧 に基づいて一意に決まる遅延量を、入力信号 に与える。また、遅延器120各々は、当該遅延 器120ごとの遅延信号を、当該DLL回路100外部に 出力する。(ステップS103)。

 そして、位相比較器130は、二つの信号の 相を比較する(ステップS104)。具体的には、 圧制御型遅延ライン110の複数の遅延器120す てによって遅延された遅延信号の位相と、P LL回路200によって出力された調整信号の位相 を比較する。そして、位相比較器130は、比 結果を伝達する(ステップS105)。例えば、位 比較器130は、比較結果として位相差をチャ ジポンプ(DLL)140に伝達する。

 そして、チャージポンプ(DLL)140は、当該 相差を電流に変換して、キャパシタ150をチ ージ/ディスチャージする(ステップS106)。

 次に、図7を用いて、PLL回路における処理 の一例を説明する。同図に示すように、PLL回 路200では、入力信号があると(ステップS201肯 )、当該入力信号の位相を、遅延器120によっ て加えられる遅延量の内所定の最小量よりも 微細に調整し(ステップS202)、位相を微細に調 整した調整信号をDLL回路100に伝達する(ステ プS203)。

[実施例1の効果]
 上記したように、実施例1によれば、遅延器 120によって加えられる遅延量の内所定の最小 量よりも微細に入力信号の位相を調整した調 整信号を出力するPLL回路200を備える。そして 、実施例1によれば、DLL回路100は、入力信号 入力を受け付けると、遅延器120各々によっ 当該入力信号の位相に対して遅延量を加え とともに当該遅延器120ごとの遅延信号を出 する。そして、実施例1によれば、電圧制御 遅延ライン110の複数の遅延器120すべてによ て遅延された遅延信号と、PLL回路200によっ 出力された調整信号との位相差を比較する そして、実施例1によれば、位相比較器130に よって比較される遅延信号をPLL回路200から出 力される調整信号に同期させる値であって、 当該位相比較器130によって出力された位相差 から生成された制御電圧値を、遅延ラインの 複数の遅延器120各々に入力する。これにより 、実施例1によれば、出力信号の位相を微細 制御することが可能である。また、これに り、実施例1によれば、伝送マージンの拡大 つながり更なる高速化が実現できる。

 具体的には、遅延器120それぞれは、遅延 を所定の範囲内で制御できるものであるが 最小遅延量が存在していた。このため、従 技術では、数十psec単位での位相制御が限界 とされていた。なお、この最小遅延量とは、 遅延器を用いて入力信号を遅延させる限り、 入力信号に与えてしまう最小の遅延量である 。このため、遅延器の遅延量を、この最小遅 延量以下の遅延量とすることはできない。

 ここで、図8に示すような従来のDLL回路と 比較して、開示のLSIは、遅延器120によって加 えられる遅延量の内所定の最小量よりも微細 に入力信号の位相を調整した調整信号を出力 するPLL回路200を備える。そして、このPLL回路 200が、入力信号の位相を微細に調整した調整 信号を作成し、DLL回路100の位相比較器130に提 供する。そして、DLL回路100内部の位相比較器 130が、調整信号と、電圧制御型遅延ライン110 にて信号を遅延させた入力信号(遅延信号)と 同期する。これにより、開示のLSIによれば 結果として、出力信号の位相を、数psec単位 で制御することが可能である。なお、図8は 実施例1に係るLSIの効果を説明するための図 ある。

 すなわち、図9に示すように、DLL回路100は 、図9の(A)に示す入力信号が入力されると、 該入力信号に対して遅延量を加える。そし 、図9の(1)~(4)に示すように、DLL回路100では、 遅延器120(図9では、「Tap」と記載)それぞれか ら、遅延量を加えた遅延信号(図9の(B)~(E))を 力する。なお、図9は、実施例1に係るLSIの効 果を説明するための図である。

 ここで、DLL回路100は、図9の(A)に示す入力 信号と、図9の(E)に示す遅延信号とが、一周 遅れて同期するよう遅延量を制御する。

 ここで、開示のLSIによれば、図9の(A)に示 す入力信号そのものと、図9の(E)に示す遅延 号とが同期するように遅延量を制御するの はなく、図9の(A)に示す入力信号の位相を微 に調整し、当該調整信号に入力信号が同期 るように制御する。これにより、出力信号 位相を、入力信号を微細に調整した分ずら ことが可能となり、出力信号の位相を微細 制御することが可能である。

 つまり、開示のLSIによれば、図9の(A)に示 す入力信号の位相を微細に調整し、図9の(A´) に示す調整信号にする。そして、図9の(A´)に 示す調整信号に、図9の(E)に示す遅延信号が 期するように、遅延量を制御する。これに り、入力信号を、図9の(A´)に示す調整信号 調整した分、図9の(1)~(4)において出力される 遅延信号それぞれの位相が、図9の(B)~(E)に示 遅延信号の位相と比較して、微細にずれる とになる。これにより、出力信号の位相を 細に制御することが可能である。

 また、開示のLSIによれば、バイアス制御 260は、LSIを利用する利用者によって指定さ る制御信号によって特定される電圧値を、 準電圧値とするので、位相分解能を制御信 で制御可能とすることで、利用者側での設 自由度を向上させることが可能である。

 さて、これまで、実施例1では、最終段の 遅延器120から出力される遅延信号に位相比較 器130によって与えられる負荷について考慮し なかったが、本発明はこれに限定されるもの ではない。具体的には、位相比較器130によっ て最終段の遅延器120から出力される遅延信号 に与えられる負荷を考慮してもよい。

 すなわち、位相比較器130は、最終段の遅 器120から出力される遅延信号に対して、所 の負荷を与える。また、位相比較器130から えられる負荷は、最終段の遅延器120以外の 延器120から出力される遅延信号に対しては 与えられない。このため、最終段の遅延器1 20から出力される遅延信号と、最終段の一つ の遅延器120から出力される遅延信号との位 差が、その他の連続している二つの遅延器1 20各々から出力される遅延信号各々間の位相 と、同一とならない。

 実施例1では、この位相差の違いについて 特に考慮しなかったが、本発明はこれに限定 されるものではなく、この位相差を等しくし てもよい。

 具体的には、図10に示すように、電圧制 型遅延ライン110は、遅延器120各々から出力 れる遅延信号各々に対して、位相比較器130 よって遅延信号に与えられる所定の負荷と 様の負荷を与える素子300各々を有する。具 的には、電圧制御型遅延ライン110は、遅延 120の内、位相比較器130によって比較される 延信号を位相比較器130に供給する遅延器120 外の遅延器120各々から出力される遅延信号 々に対して、負荷を与える。なお、図10は、 実施例2に係るLSIの構成の一例を説明するた の図である。

 これにより、実施例2に係るLSIによれば、 出力信号それぞれの位相差を均一にすること が可能である。例えば、遅延器120と遅延器120 との間に、位相比較器130内部に設けられてい る素子300と同一の素子300を挿入する。これに より、各遅延器120から出力される出力信号各 々に対して与えられる負荷を同一とすること ができ、出力信号間の位相差を均一にするこ とが可能である。

 さて、実施例1や2では、入力信号の位相 調整した調整信号を用いて位相比較器130が 相を比較する手法について説明したが、本 明はこれに限定されるものではなく、位相 調整した遅延信号を用いて位相比較器130が 相を比較してもよい。そこで、以下では、 相を調整した遅延信号を用いて位相比較器13 0が位相を比較する手法について説明する。 お、以下では、上記した実施例と共通する 明に関しては、説明を省略する。

[実施例3に係るLSIの構成の概要]
 図11を用いて、実施例3に係るLSIの構成の概 について簡単に説明する。なお、以下では まず、図11を用いて、実施例3に係るLSIの概 を簡単に説明し、その後、実施例3に係るLSI の構成について説明する。なお、図11は、実 例3に係るLSIの構成の一例を説明するための 図である。

 図11に示すように、実施例3に係るLSIは、D LL回路100を備え、また、DLL回路100内に、位相 整回路400を備える。位相調整回路400は、DLL 路100に設置された遅延器120各々の内最終段 遅延器120と位相比較器130と接続される。

 ここで、実施例3に係るLSIでは、入力信号 がDLL回路100に入力されると、電圧制御型遅延 ライン110が、遅延器120すべてによって遅延さ れた遅延信号を位相調整回路400に送る。そし て、位相調整回路400は、受け付けた遅延信号 の位相を調整した調整遅延信号を位相比較器 130に伝達する。

 そして、実施例3に係るLSIでは、DLL回路100 は、電圧制御型遅延ライン110の複数の遅延器 120すべてによって遅延された遅延信号そのも のではなく、調整遅延信号を用いて遅延量を 制御する。すなわち、DLL回路100では、調整遅 延信号と入力信号とが一周期遅れて同期する 状態になるように、遅延器120各々が加える遅 延量を制御する。これにより、実施例3に係 LSIは、出力信号の微細な位相制御を可能に る。

[実施例3に係るLSIの構成]
 次に、図11と図12とを用いて、実施例3に係 LSIの構成について説明する。以下では、ま 、実施例3に係るLSIの構成の内、実施例3にお けるDLL回路100の構成の一例について説明し、 その後、実施例3におけるDLL回路100内に設け れた位相調整回路400の一例について説明す 。

[実施例3におけるDLL回路]
 実施例3におけるDLL回路100について説明する 。図11に示すように、実施例3に係るLSIは、DLL 回路100内に、電圧制御型遅延ライン110と、位 相比較器130と、チャージポンプ(DLL)140と、キ パシタ150とを備え、また、位相調整回路400 備える。ここで、電圧制御型遅延ライン110 、チャージポンプ(DLL)140と、キャパシタ150 についての説明は、実施例1におけるDLL回路1 00の説明にて記載した内容と同様であり、説 を省略する。

 電圧制御型遅延ライン110は、位相調整回 400と接続され、具体的には、電圧制御型遅 ライン110が有する複数の遅延器120の内最終 の遅延器120を介して位相調整回路400と接続 れる。図11に示す例では、電圧制御型遅延 イン110は、遅延器「N」を介して位相調整回 400と接続される。また、電圧制御型遅延ラ ン110は、入力信号を受け付け、電圧制御型 延ライン110の複数の遅延器120すべてによっ 遅延された遅延信号を位相調整回路400に送 。図11に示す例では、電圧制御型遅延ライ 110では、遅延器「N」が、遅延信号を位相調 回路400に送り、さらに、図11の「OUTn」に示 ように、DLL回路100外に遅延信号を送る。

 位相比較器130は、位相調整回路400と接続 れ、二つの信号の位相を比較する。具体的 は、位相比較器130は、位相調整回路400から 整遅延信号を受け付け、また、図11の「REF に示すように、入力信号を受け付ける。そ て、位相比較器130は、位相調整回路400から け付けた調整遅延信号の位相と、入力信号 位相とを比較し、比較結果(位相の差)をチャ ージポンプ(DLL)140に伝達する。なお、位相比 器130が受け付ける入力信号は、電圧制御型 延ライン110が受け付ける入力信号と同一で る。

[実施例3における位相調整回路]
 位相調整回路400について説明する。図11に すように、位相調整回路400は、電圧制御型 延ライン110と位相比較器130と接続される。 た、位相調整回路400は、電圧制御型遅延ラ ン110の複数の遅延器120すべてによって遅延 れた遅延信号を受け付け、受け付けた遅延 号の位相を調整し、調整遅延信号を位相比 器130に伝達する。

 ここで、位相調整回路400は、制御信号(例 えば、PCC)にて位相を切り替えられればよく 例えば、以下に説明するセレクタ回路など 該当する。以下では、図12を用いて、セレク タ回路を用いた場合における位相調整回路400 の構成の一例について説明する。図12は、実 例3におけるセレクタ回路用いた場合におけ る位相調整回路の構成の一例を説明するため の図である。なお、位相調整回路400として、 実施例1や2にて説明したPLL回路200を用いても い。

 図12に示すように、位相調整回路400は、 数の遅延器401とセレクタ回路402とを備える ここで、遅延器401各々は、直列に連結され おり、また、遅延器401各々が、セレクタ回 402と接続される。なお、遅延器401は、遅延 120と同様の性能を備える。位相調整回路400 は、電圧制御型遅延ライン110から遅延信号 受け付けると、遅延器401各々が、直列に連 された複数の遅延器401の内最前段にある遅 器401から順番に、遅延信号の位相に対して 延量を加えるとともに、当該遅延器401ごと 遅延信号をセレクタ回路402に送る。

 図12に示す例では、位相調整回路400では 遅延器「1」が、電圧制御型遅延ライン110か 受け付けた遅延信号に対して遅延量を加え 遅延器「2」とセレクタ回路402とに送る。そ の後、遅延器「2」は、遅延器「1」から受け けた遅延信号に対して遅延量を加え、遅延 「3」とセレクタ回路402とに送る。

 セレクタ回路402は、遅延器401各々と接続 れ、また、DLL回路100内にある位相比較器130 接続される。セレクタ回路402は、遅延器401 々から遅延信号を受け付け、また、DLL回路1 00の外部から制御信号を受け付ける。ここで セレクタ回路402は、遅延器401各々から受け けた遅延信号各々の内制御信号にて指定さ る遅延信号を、調整遅延信号として位相比 器130に送る。

 なお、その後、DLL回路100では、セレクタ 路402により出力された調整遅延信号と、セ クタ回路402が受け付けた遅延信号との位相 分、電圧制御型遅延ライン110にて加えられ 遅延量が変化する。ここで、当該差分は、 延器120各々に均等に分配され、個々の遅延 120が加える遅延量は、当該差分を遅延器120 数で除算した分変化することになる。

 実施例1や2におけるDLL回路100では、図13の 「IN」に示す入力信号の位相を調整し、図13 「OUTn」に示す最終段にある遅延器130から出 される遅延信号と調整信号とが一周期遅れ 同期するように制御していた。なお、図13 、実施例3における一周期遅れて同期する二 の信号を説明するための図である。また、 13に示す「Tap Delay」とは、遅延器130によっ 与えられる遅延量を示す。

 これに対して、実施例3によれば、位相調 整回路400は、図13の「OUTn」に示す最終段にあ る遅延器130から出力される遅延信号を調整し て調整遅延信号「OUT」を出力する。そして、 DLL回路100が、図13の「IN」に示す入力信号と 13の「OUT」に示す調整遅延信号とが1周期遅 て同期する状態になるように制御する。な 、図13に示す「位相調整回路 Delay」とは、 相調整回路400によって与えられる遅延量を す。

[実施例3の効果]
 上記したように、実施例3によれば、位相調 整回路400は、複数の遅延器120すべてによって 遅延された遅延信号の位相を調整して出力し 、位相比較器130が、位相調整回路400によって 出力された調整遅延信号と入力信号との位相 差を比較する。この結果、実施例3によれば 出力信号の位相を微細に制御することが可 である。

 さて、実施例1~3では、入力信号か遅延信 かのいずれか一方の位相を調整する手法に いて説明したが、本発明はこれに限定され ものではなく、入力信号と遅延信号との両 の位相を調整してもよい。そこで、実施例4 では、図14を用いて、入力信号と遅延信号と 両方の位相を調整する手法について説明す 。なお、図14は、実施例4に係るLSIの構成の 例を説明するための図である。

 図14に示すように、実施例4に係るLSIは、D LL回路100内に、電圧制御型遅延ライン110と、 相比較器130と、チャージポンプ(DLL)140と、 ャパシタ150とを備え、また、位相調整回路40 0と、位相調整回路500とを備える。ここで、 圧制御型遅延ライン110と、チャージポンプ(D LL)140と、キャパシタ150とについての説明は、 実施例1におけるDLL回路100の説明にて記載し 内容と同様であり、説明を省略する。また 位相調整回路400は、実施例3にて説明した位 調整回路400に対応する。

 位相調整回路500は、位相調整回路400と同 の性能を有し、位相比較器130と接続される また、位相調整回路500は、実施例1における PLL回路200と同様に、入力信号を受け付け、調 整信号を位相比較器130に送る。

 ここで、同一の制御信号を受け付けた場 に、位相調整回路400と位相調整回路500とが える遅延量が同一とならないように、位相 整回路400と位相調整回路500とのいずれか一 は、予め利用者によって遅延量に関する設 が行われる。すなわち、図14に示す例では 位相調整回路400と位相調整回路500とは、同 の制御信号(図14に示す「PCC」)を受け付ける 位相調整回路400と位相調整回路500とが、同 の制御信号を受け付けた場合に同一の遅延 を加えることになると、位相比較器130にて 較される二つの信号に位相差が発生せず、 延器120各々が加える遅延量を制御できない らである。

 このため、例えば、位相調整回路400と位 調整回路500とのいずれか一方は、他方の位 調整回路と比較して、同一の制御信号を受 付けた際に加える遅延量(位相制御量とも称 する)が2倍となる(分解能を2倍に悪化させる) 定を利用者によって行われる。

 なお、位相調整回路400と位相調整回路500 のいずれか一方にのみ利用者が設定する手 に限定されるものではなく、例えば、位相 整回路400と位相調整回路500とにそれぞれ異 る設定を行ってもよい。

 また、位相調整回路に設定を行わなけれ ならないのは、同一の制御信号を位相調整 路400と位相調整回路500とが用いるからであ 。このため、位相調整回路400や位相調整回 500に設定を行う代わりに、位相調整回路400 位相調整回路500とが、それぞれ別個の制御 号を受信するようにしてもよい。

[実施例4の効果]
 実施例4によれば、位相調整回路400が調整遅 延信号を出力し、また、位相調整回路500が調 整信号を出力し、位相比較器130が、位相調整 回路400や位相調整回路500によって出力された 調整遅延信号と調整信号との位相差を比較す る。この結果、実施例4によれば、出力信号 位相を微細に制御することが可能であり、 らに、位相調整回路にて発生する誤差変動 解消することが可能である。

 位相調整回路にて発生する誤差変動を解 することが可能である点についてさらに説 する。位相調整回路(実施例1や2では、PLL回 )には、外部環境の影響により発生する誤差 要因がある。なお、誤差変動とは、当該誤差 要因によって発生する誤差である。例えば、 位相調整回路としてPLL回路を用いた場合には 、定常位相誤差が発生する。なお、定常位相 誤差とは、PLL回路の入出力位相差が外部環境 の影響により変化することにより発生する誤 差要因である。外部環境とは、例えば、温度 や湿度が該当する。

 この結果、入力信号か遅延信号かのいず か一方の位相を調整する手法では、位相比 器130にて比較される信号の内一方に誤差変 が含まれることになり、位相比較器130が、 較結果(位相差)として、誤差変動を含む値 出すことになる。その後、DLL回路100では、 差変動を含む比較結果を用いて、遅延器120 々が加える遅延量を制御する。

 これに対して、実施例4によれば、位相調 整回路400や位相調整回路500は、位相比較器130 にて比較される信号の両方の位相を調整する ことになり、位相比較器130が、同一の誤差変 動を含む二つの信号について比較する。誤差 変動は、外部環境の影響により発生するもの であり、位相比較器130にて比較される信号各 々に含まれる誤差変動が同じ値となるからで ある。この結果、実施例4によれば、位相比 器130は、誤差変動を含まない比較結果を出 ことが可能である。言い換えると、実施例4 よれば、誤差変動による影響を解消した上 、出力信号の位相を微細に制御することが 能である。

 さて、これまで、実施例3や4では、最終 の遅延器120から出力される遅延信号に、位 調整回路400によって負荷が与えられていた そこで、実施例5では、すべての遅延器120に して、位相調整回路400によって最終段の遅 器120から出力される遅延信号に与えられる 荷を等しく与える場合について説明する。

 すなわち、位相調整回路400は、最終段の 延器120から出力される遅延信号に対して、 定の負荷を与える。位相調整回路400から与 られる負荷は、最終段の遅延器120以外の遅 器120から出力される遅延信号に対しては、 えられない。このため、最終段の遅延器120 ら出力される遅延信号と、最終段の一つ前 遅延器120から出力される遅延信号との位相 が、その他の連続している二つの遅延器120 々から出力される遅延信号各々間の位相差 同一にならない。すなわち、以下では、遅 器120各々から出力される遅延信号各々間の 相差を同一にする場合について説明する。

 具体的には、図15に示すように、電圧制 型遅延ライン110は、素子600をさらに備える ここで、素子600は、遅延器120各々から出力 れる遅延信号各々に対して、位相調整回路40 0よって遅延信号に与えられる所定の負荷と 様の負荷を与える。具体的には、素子600は 遅延器120の内、位相調整回路400によって位 を調整される遅延信号を位相比較器130に供 する遅延器120以外の遅延器120各々から出力 れる遅延信号各々に対して、負荷を与える なお、図15は、実施例5に係るLSIの構成の一 を説明するための図である。

 これにより、実施例5に係るLSIによれば、 各遅延器120から出力される出力信号各々に対 して与えられる負荷を同一とすることができ 、出力信号間の位相差を均一にすることが可 能である。

 さて、これまで本発明の実施例について 明したが、本発明は上述した実施例に限定 れるものではなく、その他の実施例にて実 してもよい。そこで、以下では、その他の 施例について説明する。

[PLL回路における位相差比較手法]
 例えば、PLL回路において、PLL回路での位相 較手法(位相周波数比較器による二つの信号 の位相差を比較する手法)として、鋸波を用 る手法について特に言及しなかったが、鋸 を用いてもよい。具体的には、位相比較器 して、出力電圧と位相差との関係が鋸波状 なる位相比較器を用いてもよい。

 実施例1においては、図5に示すように、 力電圧と位相差との関係が、±2πの位相傾斜 となる出力比較器130を用いて説明した。また 、実施例1における位相比較器130では、出力 圧と位相差との関係が、+2π以上の領域や、- +2π以下の領域においては、一定の出力電圧 示す。

 しかし、本発明は、出力電圧と位相差と 関係が、±2πの位相傾斜となる出力比較器13 0を用いる手法に限定されるものではない。 えば、実施例3に係るLSIでは、出力電圧と位 差との関係が、±πの位相傾斜となり、出力 電圧と位相差との関係が、鋸波の形状となる 位相比較器を用いてもよい。これにより、実 施例3に係るLSIでは、バイアス制御部におけ 電圧感度を、1/2とすることが可能である。

[位相調整回路]
 また、例えば、実施例1では、入力信号の位 相を調整する回路としてPLL回路200を用いる手 法について説明したが、本発明はこれに限定 されるものではなく、実施例3にて説明した 相調整回路400や位相調整回路500を用いても い。例えば、PLL回路200の代わりにセレクタ 路402を用いた位相調整回路400としてもよい

 また、位相調整回路400や位相調整回路500 しては、例えば、PLL回路200を用いてもよく また、セレクタ回路402を用いてもよいが、P LL回路200を用いることにより、高周波成分の ッタをキャンセルすることが可能である。 お、ジッタとは、信号の時間的なズレや揺 ぎを示す。

 すなわち、PLL回路200では、ローパスフィ タ230が、特定の閾値よりも高い周波数信号 減衰させて遮断する。この結果、PLL回路200 の入力信号に高周波数成分のジッタが含ま ている場合であっても、PLL回路200から出力 れる段階では、当該ジッタを軽減すること 可能である。

 また、PLL回路200は、遅延器120によって加 られる遅延量の内所定の最小量よりも微細 位相を調整することができ、セレクタ回路4 02を用いた場合よりも微細に出力信号の位相 調整することが可能である。

[バイアス制御部]
 また、例えば、実施例1では、図5を用いて 抵抗ストリング型DACについて説明した。こ で、図16を用いて、さらに、抵抗ラダー型を 用いた例について説明する。なお、図16は、 抗ラダー型を用いた場合におけるバイアス 御部260を説明するための図である。

 図16に示す例では、バイアス制御部260は 「2R」の抵抗各々に対応づけられるスイッチ を備え、当該スイッチが「ON」である場合に 、「2R」の抵抗が基準電圧Vrefと接続され、 該スイッチが「OFF」である場合には、「2R の抵抗がグラウンドと接続される。また、 16に示す例は、バイアス制御部260は、スイッ チの「ON」「OFF」を決定する制御信号として Nビットの信号を受信する。そして、図16に す例では、バイアス制御部260は、1ビット目 の信号が「1」である場合には、「MSB」のス ッチを「ON」に設定し、また、3ビット目の 号が「0」である場合には、「BIT3」のスイッ チを「OFF」に設定する。この結果、バイアス 制御部260では、Nビットの制御信号を用いて オペアンプの「+」入力にかける電圧を制御 る。

[実施例の組み合わせについて]
 実施例1では、PLL回路200が入力信号に与える 遅延量を決定する際に、外部から与えられる 制御信号を用いる手法について説明したが、 本発明はこれに限定されるものではない。例 えば、PLL回路200が入力信号に与える遅延量は 、固定であってもよい。

[システム構成]
 また、上記文書中や図面中で示した処理手 、制御手順、具体的名称、各種のデータや ラメータを含む情報(図1、2、5、6、7、11、12 、14、15)については、特記する場合を除いて 意に変更することができる。




 
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