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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110196
Kind Code:
A1
Abstract:
A plasma display device is provided with a drive circuit board, which is arranged on a chassis member holding a plasma display panel, connected to an electrode terminal section of a display electrode through a flexible wiring board and applies a drive voltage to the display electrode; and a plurality of data drivers, which are arranged on a lower end section of the chassis member in proximity to an electrode terminal section of a data electrode, connected to the electrode terminal section through the flexible wiring board and apply a drive voltage to the data electrode. The plasma display panel forms a base film on the dielectric layer covering the display electrode, and a plurality of crystal grains composed of a metal oxide are adhered on the base film so that the crystal grains are distributed over the entire surface of the base film.

Inventors:
MIZOKAMI KANAME
ISHINO SHINICHIRO
SAKAMOTO KOYO
MIYAMAE YUICHIRO
OOE YOSHINAO
KAWARAZAKI HIDEJI
Application Number:
PCT/JP2009/000825
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
MIZOKAMI KANAME
ISHINO SHINICHIRO
SAKAMOTO KOYO
MIYAMAE YUICHIRO
OOE YOSHINAO
KAWARAZAKI HIDEJI
International Classes:
G09F9/00; G09G3/20; G09G3/28; G09G3/288; G09G3/291; G09G3/296; G09G3/298; H01J9/02; H01J11/12; H01J11/22; H01J11/34; H01J11/38; H01J11/40; H04N5/66
Domestic Patent References:
WO2007102329A12007-09-13
Foreign References:
JP2003295786A2003-10-15
JP2005250485A2005-09-15
JP2006147417A2006-06-08
JP2007311075A2007-11-29
JP2008293772A2008-12-04
JP2007121829A2007-05-17
JP2007048733A2007-02-22
Other References:
See also references of EP 2136387A4
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (JP)
Fumio Iwahashi (JP)
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Claims:
相対する両側端部に電極端子部を設けた複数の表示電極を有する前面板と前記表示電極に交差する方向に配列するとともに一方の端部に電極端子部を設けた複数のデータ電極を有する背面板とからなり、かつ前記前面板と前記背面板とを間に放電空間を形成するように対向配置して構成したプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルを保持するシャーシ部材と、
前記シャーシ部材に配置されるとともに前記プラズマディスプレイパネルの前記表示電極の前記電極端子部に配線基板を介して接続され前記プラズマディスプレイパネルの前記表示電極に駆動電圧を印加するための駆動回路基板と、
前記シャーシ部材において前記プラズマディスプレイパネルの前記データ電極の前記電極端子部に近接した一方の端部に配置されるとともに前記プラズマディスプレイパネルの前記データ電極の前記電極端子部に配線基板を介して接続されかつ前記データ電極に駆動電圧を印加するための複数のデータドライバーと、を備え、
かつ前記プラズマディスプレイパネルは、前記表示電極を覆う誘電体層上に下地膜を形成するとともに、前記下地膜に金属酸化物からなる複数個の結晶粒子を全面に亘って分布するように付着させることにより構成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
前記結晶粒子は、平均粒径が0.9μm以上2μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
Description:
プラズマディスプレイ装置

 本発明は、表示デバイスとしてプラズマ ィスプレイパネルを用いたプラズマディス レイ装置に関するものである。

 プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP 」と呼称する)は、高精細化、大画面化の実 が可能であることから、65インチクラスのテ レビなどが製品化されている。近年、PDPは従 来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハ ディフィニションテレビへの適用が進んで るとともに、環境問題に配慮して鉛成分を まないPDPが要求されている。

 PDPは、基本的には、前面板と背面板とで 成されている。前面板は、フロート法によ 硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と ガラス基板の一方の主面上に形成されたス ライプ状の透明電極とバス電極とで構成さ る表示電極と、表示電極を覆ってコンデン としての働きをする誘電体層と、誘電体層 に形成された酸化マグネシウム(MgO)からな 保護層とで構成されている。一方、背面板 、ガラス基板と、その一方の主面上に形成 れたストライプ状のデータ電極と、データ 極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上 形成された隔壁と、隔壁間に形成された赤 、緑色および青色それぞれに発光する蛍光 層とで構成されている。

 また、このPDPを用いたプラズマディスプ イ装置は、PDPを金属板からなるシャーシ部 の前面側に保持し、そのシャーシ部材の背 側にPDPを駆動させるための駆動回路ブロッ を配置してPDPモジュールを構成し、このPDP ジュールをケース内に収容することにより 成されている(特許文献1参照)。

 近年、テレビは高精細化がすすんでおり、 場では低コスト・低消費電力・高輝度のハ ディフィニション(1920×1080画素:プログレッ ブ表示)PDPが要求されている。

特開2007-121829号公報

 本発明のプラズマディスプレイ装置は、 ラズマディスプレイパネルとシャーシ部材 駆動回路基板と複数のデータドライバーと 備えている。

 プラズマディスプレイパネルは、相対す 両側端部に電極端子部を設けた複数の表示 極を有する前面板と表示電極に交差する方 に配列するとともに、一方の端部に電極端 部を設けた複数のデータ電極を有する背面 とからなり、かつ前面板と背面板とを間に 電空間を形成するように対向配置して構成 ている。

 シャーシ部材は、このプラズマディスプ イパネルを保持する。駆動回路基板は、こ シャーシ部材に配置されるとともに、プラ マディスプレイパネルの表示電極の電極端 部に配線基板を介して接続されプラズマデ スプレイパネルの表示電極に駆動電圧を印 する。

 複数のデータドライバーは、シャーシ部 においてプラズマディスプレイパネルのデ タ電極の電極端子部に近接した一方の端部 配置されるとともに、プラズマディスプレ パネルのデータ電極の電極端子部に配線基 を介して接続され、かつデータ電極に駆動 圧を印加する。

 プラズマディスプレイパネルは、表示電 を覆う誘電体層上に下地膜を形成するとと に、その下地膜に金属酸化物からなる複数 の結晶粒子を全面に亘って分布するように 着させることにより構成したことを特徴と る。

 このような構成により、電子放出性能が 好で高い電荷保持性能も持つPDPの性能を十 に発揮できる構成とすることにより、高精 で高輝度の表示性能を備え、かつ低消費電 で低価格のプラズマディスプレイ装置を実 することができる。

図1は本発明の実施の形態におけるプラ ズマディスプレイ装置に用いるPDPの構造を示 す斜視図である。 図2は同PDPの電極配列図である。 図3は本発明の実施の形態におけるプラ ズマディスプレイ装置のブロック回路図であ る。 図4は同装置の駆動電圧波形図である。 図5は本発明の実施の形態におけるプラ ズマディスプレイ装置の全体構成を示す分解 斜視図である。 図6は同装置のPDPモジュール部分を背面 側から見た平面図である。 図7Aは同PDPモジュールのPDPを背面側か 見た平面図である。 図7Bは同PDPモジュールのPDPを前面側か 見た平面図である。 図8は同PDPモジュールの要部を拡大して 示す平面図である。 図9は本発明の実施の形態におけるプラ ズマディスプレイ装置のPDPの前面板の構成を 示す断面図である。 図10は同PDPの保護層において、凝集粒 を説明するための拡大図である。 図11は本発明の実施の形態による効果 説明するために行った実験結果において、P DPにおける電子放出性能とVscn点灯電圧の検討 結果を示す特性図である。 図12は結晶粒子のカソードルミネッセ ス測定結果を示す特性図である。 図13は結晶粒子の粒径と電子放出性能 関係を示す特性図である。 図14は結晶粒子の粒径と隔壁の破損の 生率との関係を示す特性図である。 図15は本発明の実施の形態によるPDPに いて、結晶粒子の粒度分布の一例を示す特 図である。

符号の説明

 1  前面板
 2  背面板
 3  放電空間
 4  走査電極
 5  維持電極
 6  表示電極
 7  ブラックストライプ(遮光層)
 8  誘電体層
 81  第1誘電体層
 82  第2誘電体層
 9  保護層
 10  データ電極
 11  下地誘電体層
 12  隔壁
 13  蛍光体層
 14  プラズマディスプレイパネル(PDP)
 14a,14b,14c  電極端子部
 16  データ電極駆動回路
 17  走査電極駆動回路
 18  維持電極駆動回路
 20  シャーシ部材
 25,28  フレキシブル配線板
 26,27,30  駆動回路基板
 29  データドライバー
 91  下地膜
 92  凝集粒子
 92a  結晶粒子

 以下、本発明の一実施の形態におけるプ ズマディスプレイ装置について図面を用い 説明する。

 (実施の形態)
 図1は本発明の実施の形態によるプラズマデ ィスプレイ装置におけるPDP14の構造を示す斜 図である。図1に示すように、PDP14は、前面 ラス基板などよりなる前面板1と、背面ガラ ス基板などよりなる背面板2とが対向して配 されている。PDP14の外周部はガラスフリット などからなる封着材によって気密封着されて いる。封着されたPDP14の内部であって、前面 1と背面板2との間に形成された放電空間3に 、NeおよびXeなどの放電ガスが400Torr~600Torrの 圧力で封入されている。

 前面板1の前面ガラス基板上には、走査電 極4および維持電極5よりなる1対の帯状の表示 電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互い 平行にそれぞれ複数列配置されている。前 ガラス基板上には表示電極6と遮光層7とを覆 うようにコンデンサとしての働きをする誘電 体層8が形成されている。さらに、誘電体層8 表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる 護層9が形成されている。

 また、背面板2の背面ガラス基板上には、 前面板1の走査電極4および維持電極5と交差す る方向に、複数の帯状のデータ電極10が互い 平行に配置されている。そして、データ電 10を下地誘電体層11が被覆している。さらに 、データ電極10間の下地誘電体層11上には放 空間3を区切る所定の高さの隔壁12が形成さ ている。隔壁12間の溝にデータ電極10毎に、 外線によって赤色、緑色および青色にそれ れ発光する蛍光体層13を順次塗布して形成 れている。走査電極4および維持電極5がデー タ電極10と交差する位置に放電セルが形成さ 、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色 の蛍光体層13を有する放電セルがカラー表示 ための画素になる。

 図2は、PDP14の電極配列図である。PDP14に 、行方向に延長されたn本(本実施の形態にお いては、n=1080)の走査電極SC1~SCn(図1の走査電 4)およびn本の維持電極SU1~SUn(図1の維持電極5) が配列され、列方向に延長されたm本(本実施 形態においては、m=5760)のデータ電極D1~Dm(図 1のデータ電極10)が配列されている。そして 1対の走査電極SCi(i=1~n)および維持電極SUiと1 のデータ電極Dj(j=1~m)とが交差した部分に放 セルが形成され、放電セルは放電空間内にm n個形成されている。

 図3はこのPDP14を用いたプラズマディスプ イ装置の回路ブロック図である。このプラ マディスプレイ装置は、PDP14、画像信号処 回路15、データ電極駆動回路16、走査電極駆 回路17、維持電極駆動回路18、タイミング発 生回路19および電源回路(図示せず)を備えて る。

 画像信号処理回路15は、画像信号sigをサ フィールド毎の画像データに変換する。デ タ電極駆動回路16はサブフィールド毎の画像 データを各データ電極D1~Dmに対応する信号に 換し、各データ電極D1~Dmを駆動する。タイ ング発生回路19は水平同期信号Hおよび垂直 期信号Vをもとにして各種のタイミング信号 発生し、各駆動回路ブロックに供給してい 。走査電極駆動回路17はタイミング信号に とづいて走査電極SC1~SCnに駆動電圧波形を供 し、維持電極駆動回路18はタイミング信号 もとづいて維持電極SU1~SUnに駆動電圧波形を 給する。

 次に、PDP14を駆動するための駆動電圧波 とその動作について図4を用いて説明する。 4はPDP14の各電極に印加する駆動電圧波形を す図である。

 本実施の形態によるプラズマディスプレ 装置においては、1フィールドを複数のサブ フィールド(SF)に分割し、それぞれのサブフ ールドは初期化期間、書込み期間、維持期 を有している。

 第1サブフィールドの初期化期間では、デ ータ電極D1~Dmおよび維持電極SU1~SUnを0(V)に保 する。そして、走査電極SC1~SCnに対して放電 始電圧以下となる電圧Vi1(V)から放電開始電 を超える電圧Vi2(V)に向かって緩やかに上昇 るランプ電圧を印加する。すると、すべて 放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電 を起こす。その結果、走査電極SC1~SCn上に負 壁電圧が蓄えられるとともに維持電極SU1~SUn およびデータ電極D1~Dm上に正の壁電圧が蓄 られる。ここで、電極上の壁電圧とは電極 覆う誘電体層や蛍光体層上等に蓄積した壁 荷により生じる電圧を指す。

 その後、維持電極SU1~SUnを正の電圧Vh(V)に つ。そして、走査電極SC1~SCnに電圧Vi3(V)から 電圧Vi4(V)に向かって緩やかに下降するランプ 電圧を印加する。すると、すべての放電セル において2回目の微弱な初期化放電を起こす その結果、走査電極SC1~SCn上と維持電極SU1~SUn 上との間の壁電圧が弱められ、データ電極D1~ Dm上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整 れる。

 続く書込み期間では、走査電極SC1~SCnを一 旦Vc(V)に保持する。次に、1行目の走査電極SC1 に負の走査パルス電圧Va(V)を印加するととも 、データ電極D1~Dmのうち1行目に表示すべき 電セルのデータ電極Dk(k=1~m)に正の書込みパ ス電圧Vd(V)を印加する。このときデータ電 Dkと走査電極SC1との交差部の電圧は、外部印 加電圧(Vd-Va)(V)にデータ電極Dk上の壁電圧と走 査電極SC1上の壁電圧とが加算されたものとな る。その結果、データ電極Dkと走査電極SC1と 交差部の電圧は、放電開始電圧を超える。 して、データ電極Dkと走査電極SC1との間お び維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み 電が起こる。そして、この放電セルの走査 極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU 1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上 にも負の壁電圧が蓄積される。

 このようにして、1行目に表示すべき放電 セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電 圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、 書込みパルス電圧Vd(V)を印加しなかったデー 電極D1~Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は 電開始電圧を超えないので、書込み放電は 生しない。以上の書込み動作をn行目の放電 ルに至るまで順次行い、書込み期間が終了 る。

 続く維持期間では、走査電極SC1~SCnには第 1の電圧として正の維持パルス電圧Vs(V)を、維 持電極SU1~SUnには第2の電圧として接地電位、 なわち0(V)をそれぞれ印加する。このとき書 込み放電を起こした放電セルにおいては、走 査電極SCi上と維持電極SUi上との間の電圧は維 持パルス電圧Vs(V)に走査電極SCi上の壁電圧と 持電極SUi上の壁電圧とが加算されたものと る。その結果、走査電極SCi上と維持電極SUi との間の電圧は、放電開始電圧を超える。 して、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維 放電が起こる。このとき発生した紫外線に り蛍光体層13が発光する。そして走査電極SC i上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上 正の壁電圧が蓄積される。このときデータ 極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。

 書込み期間において書込み放電が起きな った放電セルでは、維持放電は発生せず、 期化期間の終了時における壁電圧が保持さ る。続いて、走査電極SC1~SCnには第2の電圧 ある0(V)を印加する。また、維持電極SU1~SUnに は第1の電圧である維持パルス電圧Vs(V)を印加 する。すると、維持放電を起こした放電セル では、維持電極SUi上と走査電極SCi上との間の 電圧が放電開始電圧を超える。その結果、再 び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電 が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積 され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される 。

 以降同様に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1 ~SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パ スを印加することにより、書込み期間にお て書込み放電を起こした放電セルで維持放 が継続して行われる。こうして維持期間に ける維持動作が終了する。

 続くサブフィールドにおける初期化期間 書込み期間、維持期間の動作も第1サブフィ ールドにおける動作とほぼ同様のため、説明 を省略する。

 図5に上記で説明した構造のPDP14を組み込 だプラズマディスプレイ装置の全体構成の 例を示している。また、図6に背面側から見 たPDPモジュールの駆動回路ブロックの配置の 一例を示している。さらに、図7A、7BにPDP14を 背面板2の側および前面板1の側から見た平面 を示している。また、図8に背面側から見た PDPモジュールの要部を示している。

 図5において、保持板としてのシャーシ部 材20は金属製の放熱板を兼ねている。シャー 部材20の前面側には、PDP14がシャーシ部材20 の間に放熱シート21を介在させて接着材な により接着することにより、保持されてい 。また、シャーシ部材20の背面側には、図5 示すように、PDP14を表示駆動させるための複 数の駆動回路ブロック22が配置されている。 れらによりPDPモジュールが構成されている なお、シャーシ部材20に設けたピン20aには 駆動回路ブロック22がビスなどにより取り付 けられている。

 このような構造のPDPモジュールは、図5に 示すように、PDP14の前面側に配置される前面 護カバー23と、シャーシ部材20の背面側に配 置される金属製のバックカバー24とを有する 体内に収容され、これによりプラズマディ プレイ装置が完成する。バックカバー24に 、モジュールで発生した熱を外部に放出す ための複数の通気孔24aが設けられている。

 次に、PDP14のパネル部およびPDPモジュー について、図6、図7A、図7B、図8により詳し 説明する。

 まず、PDP14は、図7A、図7Bに示すように、 面板1の相対する両側端部には、複数の表示 電極6を構成する走査電極4および維持電極5に 接続された電極端子部14a、14bが設けられてい る。また、背面板2の一方の端部である下端 には、複数のデータ電極10に接続された電極 端子部14cが設けられている。

 そして、図6に示すように、PDP14の両側端 には、走査電極4および維持電極5の電極端 部14a、14bに接続された表示電極用の配線基 としてのフレキシブル配線板25が設けられて いる。フレキシブル配線板25は、シャーシ部 20の外周部を通して背面側に引き回されて る。フレキシブル配線板25は、走査電極駆動 回路17の駆動回路基板26および維持電極駆動 路18の駆動回路基板27にコネクタを介して接 されている。駆動回路基板27は、シャーシ 材20に配置されている。上記したように、駆 動回路基板26、27は、PDP14の表示電極6の電極 子部14a、14bに配線基板としてのフレキシブ 配線板25を介して接続されPDP14の表示電極6に 駆動電圧を印加する。

 一方、PDP14の下端部には、図8に示すよう 、データ電極10の電極端子部14cに接続され データ電極用の配線基板としての複数のフ キシブル配線板28が設けられている。そして 、それらのフレキシブル配線板28は、シャー 部材20の外周部を通して背面側に引き回さ ている。また、フレキシブル配線板28は、デ ータ電極10に駆動電圧を印加するためのデー 電極駆動回路16の複数のデータドライバー29 それぞれに電気的に接続されている。また、 フレキシブル配線板28は、シャーシ部材20の 面側の下部位置に配置されたデータ電極駆 回路16の駆動回路基板30に電気的に接続され いる。なお、図8において、データドライバ ー29は、放熱板上に半導体チップを配置して 成している。そして、データドライバー29 、それらの半導体チップの複数の電極パッ それぞれをフレキシブル配線板28の配線パタ ーンに接続した構造を有する。また、駆動回 路基板30には、フレキシブル配線板28を接続 るためのコネクタ30aが設けられている。上 したように、複数のデータドライバー29は、 シャーシ部材20において、PDP14のデータ電極10 の電極端子部14cに近接した一方の端部に配置 されるとともにPDP14のデータ電極10の電極端 部14cに配線基板としてのフレキシブル配線 28を介して接続され、かつデータ電極10に駆 電圧を印加する。

 制御回路基板31は、テレビジョンチュー 等の外部機器に接続するための接続ケーブ が着脱可能に接続される入力端子部を備え 入力信号回路ブロック32から送られる映像信 号に基づき、画像データをPDP14の画素数に応 た画像データ信号に変換してデータ電極駆 回路16の駆動回路基板30に供給する。また、 制御回路基板31は、放電制御タイミング信号 発生し、各々走査電極駆動回路17の駆動回 基板26および維持電極駆動回路18の駆動回路 板27に供給し、階調制御等の表示駆動制御 行うものである。制御回路基板31は、シャー シ部材20のほぼ中央部に配置されている。

 電源ブロック33は、各回路ブロックに電 を供給する。電源ブロック33は、制御回路基 板31と同様、シャーシ部材20のほぼ中央部に 置されている。電源ブロック33には、電源ケ ーブル(図示せず)が装着されるコネクタを通 て商用電源電圧が供給される。また、駆動 路基板26、27の近傍には、冷却ファン(図示 ず)がアングルに保持されて配置されている この冷却ファンから送られる風により駆動 路基板26、27が冷却されるように構成されて いる。

 次に本発明で用いるPDP14の構成について さらに詳細に説明する。

 図9は本発明におけるPDP14の前面板1の構成を 示す断面図である。図9に示すように、前面 1には、フロート法などにより製造された前 ガラス基板に、走査電極4と維持電極5より る表示電極6と遮光層7がパターン形成されて いる。走査電極4と維持電極5はそれぞれイン ウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO 2 )などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a 5a上に形成された金属バス電極4b、5bとによ 構成されている。金属バス電極4b、5bは透明 極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的 として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする 電性材料によって形成されている。

 誘電体層8は、前面ガラス基板上に形成さ れたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b 、5bと遮光層7を覆うように設けた第1誘電体 81と、第1誘電体層81上に形成された第2誘電 層82の少なくとも2層構成としている。さら 第2誘電体層82上に保護層9を形成している。 護層9は、誘電体層8上に形成された下地膜91 と、その下地膜91上に付着させた凝集粒子92 ら構成している。

 ここで、前面板1の誘電体層8を構成する 1誘電体層81と第2誘電体層82について詳細に 明する。

 まず、第1誘電体層81の誘電体材料は、次の 料組成より構成されている。すなわち、酸 ビスマス(Bi 2 O 3 )を20重量%~40重量%含み、酸化カルシウム(CaO) 酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO) ら選ばれる少なくとも1種を0.5重量%~12重量% み、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、二酸化マンガン(MnO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含んでいる。

 なお、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、二酸化マンガン(MnO 2 )に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、酸化コバルト(Co 2 O 3 )、酸化バナジウム(V 2 O 7 )、酸化アンチモン(Sb 2 O 3 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含ませてもよい。

 また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO )を0重量%~40重量%、酸化硼素(B 2 O 3 )を0重量%~35重量%、酸化硅素(SiO 2 )を0重量%~15重量%、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )を0重量%~10重量%など、鉛成分を含まない材 組成が含まれていてもよく、これらの材料 成の含有量に特に限定はない。

 これらの組成成分からなる誘電体材料を 湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径 0.5μm~2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料 粉末を作製する。次に、この誘電体材料粉末 55重量%~70重量%と、バインダ成分30重量%~45重 %とを三本ロールでよく混練してダイコート 、または印刷用の第1誘電体層用ペーストを 作製する。

 バインダ成分はエチルセルロース、また アクリル樹脂1重量%~20重量%を含むターピネ ール、またはブチルカルビトールアセテー である。また、ペースト中には、必要に応 て可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタ 酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸 リブチルの少なくとも1つ以上を添加し、分 散剤としてグリセロールモノオレート、ソル ビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kao ーポレーション社製品名)、アルキルアリル のリン酸エステルの少なくとも1つ以上を添 加して印刷性を向上させてもよい。

 この第1誘電体層用ペーストを用い、表示 電極6を覆うように前面ガラス基板にダイコ ト法あるいはスクリーン印刷法で印刷して 燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より し高い温度の575℃~590℃で焼成する。

 次に、第2誘電体層82について説明する。第2 誘電体層82の誘電体材料は、次の材料組成よ 構成されている。すなわち、酸化ビスマス( Bi 2 O 3 )を11重量%~20重量%含み、さらに、酸化カルシ ム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリ ウム(BaO)から選ばれる少なくとも1種を1.6重量 %~21重量%含み、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含んでいる。

 なお、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )に代えて、酸化銅(CuO)、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、酸化コバルト(Co 2 O 3 )、酸化バナジウム(V 2 O 7 )、酸化アンチモン(Sb 2 O 3 )、酸化マンガン(MnO 2 )から選ばれる少なくとも1種を0.1重量%~7重量% 含ませてもよい。

 また、上記以外の成分として、酸化亜鉛(ZnO )を0重量%~40重量%、酸化硼素(B 2 O 3 )を0重量%~35重量%、酸化硅素(SiO 2 )を0重量%~15重量%、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )を0重量%~10重量%など、鉛成分を含まない材 組成が含まれていてもよく、これらの材料 成の含有量に特に限定はない。

 これらの組成成分からなる誘電体材料を 湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径 0.5μm~2.5μmとなるように粉砕して誘電体材料 粉末を作製する。次にこの誘電体材料粉末55 量%~70重量%と、バインダ成分30重量%~45重量% を三本ロールでよく混練してダイコート用 または印刷用の第2誘電体層用ペーストを作 製する。バインダ成分はエチルセルロース、 またはアクリル樹脂1重量%~20重量%を含むター ピネオール、またはブチルカルビトールアセ テートである。また、ペースト中には、必要 に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、 フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リ ン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリ セロールモノオレート、ソルビタンセスキオ レヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーショ 社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エス ルなどを添加して印刷性を向上させてもよ 。

 この第2誘電体層用ペーストを用いて第1 電体層81上にスクリーン印刷法、あるいはダ イコート法で印刷して乾燥させ、その後、誘 電体材料の軟化点より少し高い温度の550℃~59 0℃で焼成する。

 なお、誘電体層8の膜厚については、第1誘 体層81と第2誘電体層82とを合わせ、可視光透 過率を確保するためには41μm以下が好ましい 第1誘電体層81は、金属バス電極4b、5bの銀(Ag )との反応を抑制するために酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )の含有量を第2誘電体層82の酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )の含有量よりも多くし、20重量%~40重量%とし いる。そのため、第1誘電体層81の可視光透 率が第2誘電体層82の可視光透過率よりも低 なるので、第1誘電体層81の膜厚を第2誘電体 層82の膜厚よりも薄くしている。

 なお、第2誘電体層82において酸化ビスマス( Bi 2 O 3 )が11重量%以下であると着色は生じにくくな が、第2誘電体層82中に気泡が発生しやすく ましくない。また、40重量%を超えると着色 生じやすくなり透過率を上げる目的には好 しくない。

 また、誘電体層8の膜厚が小さいほどパネ ル輝度の向上と放電電圧を低減するという効 果は顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない 範囲内であればできるだけ膜厚を小さく設定 するのが望ましい。このような観点から、本 発明の実施の形態では、誘電体層8の膜厚を41 μm以下に設定し、第1誘電体層81を5μm~15μm、 2誘電体層82を20μm~36μmとしている。

 このようにして製造されたPDP14は、表示 極6に銀(Ag)材料を用いても、前面ガラス基板 の着色現象(黄変)が少なくて、なおかつ、誘 体層8中に気泡の発生などがない。したがっ て、絶縁耐圧性能に優れた誘電体層8を実現 ることができる。

 すなわち、本発明におけるPDP14の誘電体 8は、銀(Ag)材料よりなる金属バス電極4b、5b 接する第1誘電体層81では黄変現象と気泡発 を抑制している。また、誘電体層8は、第1誘 電体層81上に設けた第2誘電体層82によって高 光透過率を実現している。その結果、誘電 層8全体として、気泡や黄変の発生が極めて 少なく透過率の高いPDP14を実現することが可 となる。

 次に、本発明の実施の形態におけるPDP14 保護層9の構成および製造方法について説明 る。

 本発明の実施の形態におけるPDP14では、 9に示すように、保護層9を構成している。保 護層9は、誘電体層8上に、不純物としてAlを 有するMgOからなる下地膜91を形成する。そし て、その下地膜91上に、金属酸化物であるMgO 結晶粒子92aが数個凝集した凝集粒子92を離 的に散布する。このようにして、複数個の 集粒子92を、全面に亘ってほぼ均一に分布す るように付着させることにより、保護層9を 成している。なお、誘電体層8上の保護層9は 、表示電極6を覆う誘電体層8上に下地膜91を 成するとともに、下地膜91に金属酸化物から なる複数個の結晶粒子92aを全面に亘って分布 するように付着させて構成してもよい。

 ここで、凝集粒子92とは、図10に示すよう に、所定の一次粒径の結晶粒子92aが凝集また はネッキングした状態のものである。固体と して大きな結合力を持って結合しているので はなく、静電気やファンデルワールス力など によって複数個の一次粒子が集合体の体をな しているものである。すなわち、結晶粒子92a が、超音波などの外的刺激により、その一部 または全部が一次粒子の状態になる程度で結 合しているものである。結晶粒子92の粒径と ては、約1μm程度のもので、結晶粒子92aとし ては、14面体や12面体などの7面以上の面を持 多面体形状を有するのが望ましい。

 また、このMgOの結晶粒子92aの一次粒子の 径は、結晶粒子92aの生成条件によって制御 きる。例えば、炭酸マグネシウムや水酸化 グネシウムなどのMgO前駆体を焼成して生成 る場合、焼成温度や焼成雰囲気を制御する とで、粒径を制御できる。一般的に、焼成 度は700℃程度から1500℃程度の範囲で選択で きるが、焼成温度が比較的高い1000℃以上に ることで、一次粒径を0.3μm~2μm程度に制御す ることが可能である。さらに、MgO前駆体を加 熱して結晶粒子92aを得ることにより、生成過 程において、複数個の一次粒子同士が凝集ま たはネッキングと呼ばれる現象が生じ、結合 した凝集粒子92を得ることができる。

 図11は、本発明の実施の形態によるPDP14の 効果を確認するために、電子放出性能と電荷 保持性能を調べた実験結果を示す図である。 図11において、試作品1は、MgOによる保護層の みを形成したPDPである。試作品2は、Al,Siなど の不純物をドープしたMgOによる保護層を形成 したPDPである。本実施の形態による試作品3 、MgOによる下地膜91上に、MgOの単結晶粒子を 凝集させた複数個の結晶粒子92aを全面に亘っ てほぼ均一に分布するように付着させたPDPで ある。なお、本実施の形態による試作品3に いて、下地膜91上に付着させた結晶粒子92aに ついて、カソードルミネッセンスを測定した ところ、図12に示すような波長に対する発光 度の特性を有していた。なお、発光強度は 対値で表示している。

 また、図11において、電子放出性能は、 きいほど電子放出量が多いことを示す数値 、放電の表面状態およびガス種とその状態 よって定まる初期電子放出量をもって表現 る。初期電子放出量については表面にイオ 、あるいは電子ビームを照射して表面から 出される電子電流量を測定する方法で測定 きるが、PDPの前面板表面の評価を非破壊で 施することは困難を伴う。そこで、特開2007- 48733号公報に記載されているように、放電時 遅れ時間のうち、統計遅れ時間と呼ばれる 電の発生しやすさの目安となる数値を測定 ている。そして、その数値の逆数を積分す ことで、初期電子放出量と線形に対応する 値が算出される。ここではこのようにして 出された数値を用いて初期電子放出量を評 している。この放電時の遅れ時間とは、パ スの立ち上がりから放電が遅れて行われる 電遅れの時間を意味し、放電遅れは、放電 開始される際にトリガーとなる初期電子が 護層表面から放電空間中に放出されにくい とが主要な要因として考えられている。

 電荷保持性能は、その指標として、PDPと て作成した場合に電荷放出現象を抑えるた に必要とする、走査電極に印加する電圧(以 下、「Vscn点灯電圧」と呼称する)の電圧値を いた。すなわち、Vscn点灯電圧の低い方が、 電荷保持性能が高いことを示す。このことは 、PDPのパネル設計上でも低電圧で駆動できる ため利点となる。すなわち、PDPの、電源や各 電気部品として、耐圧および容量の小さい部 品を使用することが可能となる。現状の製品 において、走査電圧を順次パネルに印加する ためのMOSFETなどの半導体スイッチング素子に は、耐圧150V程度の素子が使用されている。 のため、Vscn点灯電圧としては、温度による 動を考慮し、120V以下に抑えるのが望ましい 。

 図11から明らかなように、試作品3は、電 保持性能の評価において、Vscn点灯電圧を120 V以下にすることができ、しかも電子放出性 は6以上の良好な性能を得ることができる。

 このように本発明によるPDP14は、電子放 性能が6以上の特性で、電荷保持性能として Vscn点灯電圧が120V以下のものとすることが きる。これにより、高精細化により走査線 が増加し、かつセルサイズが小さくなって 、所定の書込み期間内で、各放電セルに十 な壁電圧を蓄積することができる。したが て、図6、図7A、図7Bに示すように、データ電 極に駆動電圧を印加するためのデータドライ バーを下端部側のみに配置した駆動回路構成 とすることができ、データドライバーの個数 を少なくすることができるため、装置全体の 消費電力を低減させることができるとともに 、コストの削減を実現することができる。

 ここで、結晶粒子92aの粒径について説明 る。なお、以下の説明において、粒径とは 均粒径であり、体積累積平均径(D50)のこと 意味している。

 図13は、図11で説明した本実施の形態にお けるPDP14において、MgOの結晶粒子の粒径を変 させて電子放出性能を調べた実験結果を示 ものである。なお、図13において、MgOの結 粒子の粒径は、結晶粒子をSEM観察すること 測定した。

 この図13に示すように、粒径が0.3μm程度 小さくなると、電子放出性能が低くなり、 ぼ0.9μm以上であれば、高い電子放出性能が られることがわかる。

 ところで、放電セル内での電子放出数を 加させるためには、下地層上の単位面積あ りの結晶粒子数は多い方が望ましい。本発 者らの実験によれば、前面板の保護層と密 に接触する背面板の隔壁の頂部に相当する 分に結晶粒子が存在することで、隔壁の頂 を破損させることになる。その結果、その 料が蛍光体の上に乗るなどによって、該当 るセルが正常に点灯消灯しなくなる現象が 生することがわかった。この隔壁破損の現 は、結晶粒子が隔壁頂部に対応する部分に 在しなければ発生しにくいことから、付着 せる結晶粒子数が多くなれば、隔壁の破損 生確率が高くなる。図14は、本実施の形態 おける試作品3において、単位面積当たりに 径の異なる同じ数の結晶粒子を散布し、隔 破損の関係を実験した結果を示す図である

 この図14から明らかなように、結晶粒子 が2.5μm程度に大きくなると、隔壁破損の確 が急激に高くなる。しかし、結晶粒子径が2. 5μmより小さければ、隔壁破損の確率は比較 小さく抑えることができることがわかる。

 以上の結果に基づくと、本実施の形態に けるPDP14の結晶粒子としては、粒径が0.9μm 上2.5μm以下のものが望ましいと考えられる しかし、PDPとして実際に量産する場合には 結晶粒子の製造上でのばらつきや保護層を 成する場合の製造上でのばらつきを考慮す 必要がある。このような製造上でのばらつ などの要因を考慮するために、粒度分布の なる結晶粒子を用いて実験を行った。図15は 本実施の形態によるPDP14において、結晶粒子 粒度分布の一例を示す特性図である。縦軸 頻度(%)は、横軸に示されている結晶粒子の 径の範囲を分割し、それぞれの範囲に存在 る結晶粒子の量の全体に対する割合(%)を示 ている。実験の結果、図15に示すように、 均粒径が0.9μm以上2μm以下の範囲にある結晶 子を使用すれば、上述した本発明の効果が 定的に得られることがわかった。

 なお、以上の説明では、保護層として、MgO 例に挙げたが、下地に要求される性能はあ までイオン衝撃から誘電体を守るための高 耐スパッタ性能を有することであり、あま 電子放出性能が高くなくてもよい。従来のP DPでは、一定以上の電子放出性能と耐スパッ 性能という2つを両立させるため、MgOを主成 分とした保護層を形成する場合が非常に多か った。しかし、電子放出性能が金属酸化物の 単結晶粒子によって主に制御される構成をと るため、MgOである必要は全くなく、Al 2 O 3 等の耐衝撃性に優れる他の材料を用いても構 わない。

 また、本実施の形態では、単結晶粒子と てMgO粒子を用いて説明したが、他の単結晶 子でもよい。すなわち、MgO同様に高い電子 出性能を持つSr,Ca,Ba,Al等の金属の酸化物に る結晶粒子を用いても同様の効果を得るこ ができる。したがって、粒子種としてはMgO 限定されるものではない。

 以上説明したように本実施の形態による ラズマディスプレイ装置は、PDP14として、 示電極6を覆う誘電体層8上に下地膜91を形成 るとともに、その下地膜91に金属酸化物か なる複数個の凝集粒子92を全面に亘って分布 するように付着させた構成である。そして、 プラズマディスプレイ装置は、PDP14を保持す シャーシ部材20と、このシャーシ部材20に配 置されるとともにPDP14の表示電極6の電極端子 部14a、14bにフレキシブル配線板25を介して接 されPDP14の表示電極6に駆動電圧を印加する めの駆動回路基板26、27と、シャーシ部材20 おいてPDP14のデータ電極10の電極端子部14cに 近接した一方の端部に配置されるとともにPDP 14のデータ電極10の電極端子部14cにフレキシ ル配線板28を介して接続されかつデータ電極 10に駆動電圧を印加するための複数のデータ ライバー29とを備えている。

 このような構成により、高精細化により 査線数が増加し、かつセルサイズが小さく っても、所定の書込み期間内で、各放電セ に十分な壁電圧を蓄積することができる。 たがって、データ電極に駆動電圧を印加す ためのデータドライバーを下端部側のみに 置した駆動回路構成とすることができ、デ タドライバーの個数を少なくすることがで るため、装置全体の消費電力を低減させる とができるとともに、コストの削減を実現 ることができる。

 以上のように本発明は、高精細で高輝度 表示性能を備え、かつ低消費電力のプラズ ディスプレイ装置を実現する上で有用な発 である。