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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA REACTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057473
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a plasma reactor (1A) comprising a reformer reactor (10), which is provided with a feed port (4) for an object gas to be reformed and a discharge port (8) for a reformed gas, a pair of electrodes (12) so arranged as to face each other in the internal space of the reformer reactor (10), and a pulse power supply (14) for applying a pulse voltage to the electrodes (12). One of the electrodes (12) is a linear electrode (12a), and the other is a honeycomb electrode (12b) which is composed of a conductive ceramic and has a plurality of cells (16) divided by partition walls and serving as gas flow paths.

Inventors:
TAKAHASHI MICHIO (JP)
SAKUMA TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068957
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
TAKAHASHI MICHIO (JP)
SAKUMA TAKESHI (JP)
International Classes:
C01B3/36; B01J19/08; C01B3/32; C01B3/38
Foreign References:
JP2005098134A2005-04-14
JP2006255064A2006-09-28
JP2006056748A2006-03-02
JP2004345879A2004-12-09
JP2003073103A2003-03-12
JP2004345879A2004-12-09
JP2006056748A2006-03-02
Other References:
See also references of EP 2213618A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building 20-18, Asakusabashi 3-chome, Taito-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 被改質ガスの導入口及び改質ガスの排出口が形成された改質反応器と、前記改質反応器の内部空間に、相対向するように配置された一対の電極と、前記一対の電極に対してパルス電圧を印加するパルス電源とを備え、
 前記一対の電極の一方が線状電極であるとともに、
 前記一対の電極の他方は導電性セラミックスからなり、隔壁によってガスの流路となる複数のセルが区画形成されたハニカム電極であるプラズマリアクタ。
 前記線状電極が、針状電極又は棒状電極である請求項1に記載のプラズマリアクタ。
 前記一対の電極の一方が、前記ハニカム電極を挟んで対向するように配置された、少なくとも一対の線状電極である請求項1又は2に記載のプラズマリアクタ。
 前記被改質ガスの改質反応を促進する触媒を更に備え、
 前記触媒は、前記ハニカム電極の前記隔壁に担持されている請求項1~3のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記触媒が、貴金属、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバリウムからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなるものである請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀及び金からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含有する物質からなるものである請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記ハニカム電極が、炭化珪素を含む導電性セラミックスからなるものである請求項1~6のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記ハニカム電極が、セル密度4~186セル/cm 2 のものである請求項1~7のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記ハニカム電極は、前記線状電極との電極間距離が1~30mmとなるように配置されている請求項1~8のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記ハニカム電極は、その熱伝導率が10~300W/mKのものである請求項1~9のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
 前記パルス電源が、スイッチング素子として静電誘導型サイリスタを用いた高電圧パルス電源である請求項1~10のいずれか一項に記載のプラズマリアクタ。
Description:
プラズマリアクタ

 本発明は、一対の電極間にプラズマを発 させ、そのプラズマによって改質反応を進 させるプラズマリアクタに関するものであ 。

 近年、クリーンなエネルギーとして水素 注目されている。そして、この水素を得る めのプロセスとしては、炭化水素等の改質 応が知られている。しかしながら、一般に 化水素の改質反応には700~900℃の高温が必要 であるため、改質装置が大型化せざるを得ず 、また、改質反応を進行させるためには、大 きな起動エネルギーや長い起動時間を必要と するといった問題があった。そこで、一対の 電極にパルス電圧等を印加してプラズマを発 生させ、そのプラズマを利用して低温でかつ 高効率に改質反応を行う技術が検討されてい る。

 例えば、被改質ガスとして、アルコール 水蒸気の混合ガスを用い、この混合ガス中 パルス放電を行って改質反応を行い、水素 発生させる方法及び装置が提案されている( 例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、パ ルス放電を行う一対の電極として、針状、平 板状等の形状の電極を用いることが記載され ている。

 また、炭化水素と水蒸気とを混合する混 ガス容器と、パルス電源と、混合ガス容器 に内在する一対の電極を備え、特定のパル 周波数の電圧を一対の電圧に印加し、水素 の転化反応を行う炭化水素改質装置が提案 れている(例えば、特許文献2参照)。特許文 2には、混合ガス容器内部に粒状の触媒を充 填させることによって(いわゆるパックドベ ド方式)、転化反応が促進されることも記載 れている。

 更に、反応器と、反応器内に対向するよ に配置された一対の電極と、電圧印加装置 加えて、粒状の酸化物触媒と、その酸化物 媒を反応器内で支持する触媒支持手段とを えた燃料改質装置が提案されている(例えば 、特許文献3参照)。

特開2003-73103号公報

特開2004-345879号公報

特開2006-56748号公報

 特許文献1に記載の方法は、従来法と比較 して、低温(80~120℃)、常圧の温和な条件の下 比較的低コストで炭化水素の改質を実施可 であるという利点がある。しかしながら、 許文献1に記載の方法は、一対の電極として 針状電極等を用いているため反応領域が狭く 、内径の小さな反応器を用いなければ水素生 成効率を高めることができないという問題が あった。従って、被改質ガスの処理量を増や すことができず、大量の水素を生成させるこ とができないという課題があった。また、針 状電極等は放電の際の熱劣化が大きく、電極 の耐久性が十分でないという課題もあった。

 一方、特許文献2又は3に記載の装置は、パ ス放電に加えて、触媒を使用しているため 反応器の内径を大きくしても水素生成効率 低下し難いという特徴がある。従って、比 的低温条件の下で被改質ガスから水素含有 質ガスを生成させることを期待することが きる。しかしながら、特許文献2又は3に記載 の装置は、触媒として粒状触媒を用いている ため、触媒同士の接触は点接触となり、触媒 間の熱伝達に劣る。従って、改質反応の起動 性が低いという課題があった。また、パック ドベッド方式を採用した場合には、反応器内 に充填された粒状触媒の間隙を被改質ガスが 通過することになり、被改質ガスの空間速度 が数千h -1 以下の範囲でしか使用することができない。 従って、被改質ガスの処理速度を高めること ができず、大量の水素を生成させることがで きないという課題があった。

 本発明は、前記課題に鑑みてなされたも であり、反応器の内径を大きくしても水素 成効率が低下し難いことに加えて、改質反 の起動性や反応効率に優れ、大量の水素を 成させることができ、電極の耐久性も高い ラズマリアクタを提供するものである。

 本発明者らは、前記の従来技術の課題を 決するために鋭意検討した結果、プラズマ アクタを構成する一対の電極の一方に、導 性セラミックスからなるハニカム形状の電 (ハニカム電極)を用いることによって、前 課題が解決されることに想到し、本発明を 成させた。具体的には、本発明により、以 のプラズマリアクタが提供される。

[1] 被改質ガスの導入口及び改質ガスの排 口が形成された改質反応器と、前記改質反 器の内部空間に、相対向するように配置さ た一対の電極と、前記一対の電極に対して ルス電圧を印加するパルス電源とを備え、 記一対の電極の一方が線状電極であるとと に、前記一対の電極の他方は導電性セラミ クスからなり、隔壁によってガスの流路と る複数のセルが区画形成されたハニカム電 であるプラズマリアクタ。

[2] 前記線状電極が、針状電極又は棒状電 である前記[1]に記載のプラズマリアクタ。

[3] 前記一対の電極の一方が、前記ハニカ 電極を挟んで対向するように配置された、 なくとも一対の線状電極である前記[1]又は[ 2]に記載のプラズマリアクタ。

[4] 前記被改質ガスの改質反応を促進する 媒を更に備え、前記触媒は、前記ハニカム 極の前記隔壁に担持されている前記[1]~[3]の いずれかに記載のプラズマリアクタ。

[5] 前記触媒が、貴金属、アルミニウム、 ッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム コバルト、マンガン、亜鉛、銅、スズ、鉄 ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリ ム、ビスマス、及びバリウムからなる群か 選択された少なくとも一種の元素を含有す 物質からなるものである前記[1]~[4]のいずれ かに記載のプラズマリアクタ。

[6] 前記触媒が、白金、ロジウム、パラジ ム、ルテニウム、インジウム、銀及び金か なる群より選択された少なくとも一種の元 を含有する物質からなるものである前記[1]~ [4]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。

[7] 前記ハニカム電極が、炭化珪素を含む 電性セラミックスからなるものである前記[ 1]~[6]のいずれかに記載のプラズマリアクタ。

[8] 前記ハニカム電極が、セル密度4~186セル/c m 2 のものである前記[1]~[7]のいずれかに記載の ラズマリアクタ。

[9] 前記ハニカム電極は、前記線状電極と 電極間距離が1~30mmとなるように配置されて る前記[1]~[8]のいずれかに記載のプラズマリ アクタ。

[10] 前記ハニカム電極は、その熱伝導率が 10~300W/mKのものである前記[1]~[9]のいずれかに 載のプラズマリアクタ。

[11] 前記パルス電源が、スイッチング素子 として静電誘導型サイリスタを用いた高電圧 パルス電源である前記[1]~[10]のいずれかに記 のプラズマリアクタ。

 本発明のプラズマリアクタは、反応器の 径を大きくしても水素生成効率が低下し難 ことに加えて、改質反応の起動性や反応効 に優れ、大量の水素を生成させることがで 、電極の耐久性も高い。

本発明のプラズマリアクタの一の実施 態を示す模式図である。 本発明のプラズマリアクタの別の実施 態を示す模式図である。 比較例3のプラズマリアクタの実施形態 を示す模式図である。

符号の説明

1A,1B,100:プラズマリアクタ、2:被改質ガス、 4:導入口、6:改質ガス、8:排出口、10:改質反応 器、12:電極、12a,12c:線状電極、12b:ハニカム電 極、12d:メッシュ電極、14:パルス電源、16:セ 、20:ハニカム構造体、22:網状体。

 以下、本発明のプラズマリアクタを実施 るための最良の形態について説明する。但 、本発明はその発明特定事項を備えるプラ マリアクタを広く包含するものであり、以 の実施形態に限定されるものではない。

[1]本発明のプラズマリアクタの特徴:
 本発明のプラズマリアクタは、図1に示すプ ラズマリアクタ1Aのように、被改質ガス2の導 入口4及び改質ガス6の排出口8が形成された改 質反応器10と、改質反応器10の内部空間に、 対向するように配置された一対の電極12と、 その一対の電極12に対してパルス電圧を印加 るパルス電源14とを備え、一対の電極12の一 方が線状電極12aであるとともに、一対の電極 12の他方は導電性セラミックスからなり、隔 によってガスの流路となる複数のセル16が 画形成されたハニカム電極12bである点に特 がある。

 このように、一対の電極の一方をハニカ 電極とすることにより、針状電極や平板状 極と比較して、放電の際の熱劣化が少なく 電極の耐久性を向上させることができる。 って、長期間にわたって安定的に改質ガス 供給することが要求される車載用燃料改質 等の用途にも好適に用いることができる。

 また、一対の電極の一方をハニカム電極 すると、パルス電圧はハニカム電極全体に 加され、放電が行われる領域が拡大される これにより、針状電極や平板状電極と比較 て、反応領域を広げることができ、改質反 の起動性や反応効率を向上させ、ひいては 反応器の内径を大きくしても水素生成効率 向上させることが可能となる。

 更には、本発明のプラズマリアクタは、ハ カム電極の隔壁に触媒を担持することも可 である。この場合、パックドベッド方式で 状触媒を充填した場合と比較して、被改質 スが反応器内を通過し易くなる。これによ 、被改質ガスの空間速度が数万~数十万h -1 の範囲で(即ち、高い処理速度で)、被改質ガ を処理することが可能となる。

 また、触媒をハニカム電極の隔壁に担持 た場合、パックドベッド方式で粒状触媒を 填した場合と比較して、触媒同士の熱伝達 迅速となり、改質反応の起動性も向上する 従って、被改質ガスの処理速度・処理量を 幅に向上させることができ、大量の水素を 成させることが可能となる。更には、触媒 士の熱伝達が迅速となることを利用して、 えば、内燃機関のエンジンスタート時の触 早期活性化(コールドスタート用途)にも使 することが可能となる。

[2]プラズマリアクタの構成部材:
 本発明のプラズマリアクタの構成部材とし は、ハニカム電極、線状電極、触媒、改質 応器、パルス電源等が挙げられる。

[2-1]ハニカム電極:
 本発明のプラズマリアクタは、改質反応器 内部空間に、相対向するように一対の電極 配置されており、その一方の電極をハニカ 電極としたものである。本明細書にいう「 ニカム電極」とは、導電性セラミックスか なり、隔壁によってガスの流路となる複数 セルが区画形成されたハニカム構造の電極 意味する。

 ハニカム電極の構造は、隔壁によってガ の流路となる複数のセルが区画形成された 所謂ハニカム構造体であればよく、その他 部分について特に制限はない。例えば、セ 形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、 角形、その他の多角形等の中から所望の形 を適宜選択すればよい。

 本発明において、ハニカム電極のセル密度( 即ち、単位断面積当たりのセルの数)につい は特に制限はなく、目的に応じて適宜設計 ればよい。但し、6~2000セル/平方インチ(1.0~32 0セル/cm 2 )の範囲であることが好ましい。セル密度が6 ル/平方インチより小さくなると、隔壁の強 度、ひいてはハニカム電極自体の強度及び有 効GSA(幾何学的表面積)が不足するおそれがあ 。一方、セル密度が2000セル/平方インチを えると、被改質ガスが流れる際の圧力損失 大きくなるおそれがある。

 特に、炭化水素の改質による水素生成に用 る場合には、ハニカム電極のセル密度を25~1 163セル/平方インチ(4~186セル/cm 2 )とすることが好ましい。セル密度を4セル/cm 2 未満とすると、各セルの隔壁の表面において 沿面放電するプラズマの発生領域が疎らとな り、被改質ガスの改質効率が低下する場合が ある。一方、186セル/cm 2 を超えると、ハニカム構造体の背圧抵抗が増 加することがある。

 また、隔壁の厚さ(壁厚)についても、目 に応じて適宜設計すればよく、特に制限は い。例えば、炭化水素の改質による水素生 に用いる場合には、壁厚を50μm~2mmとするこ が好ましく、60~500μmとすることが更に好ま い。壁厚を50μm未満とすると、機械的強度が 低下して衝撃や温度変化による熱応力によっ て破損することがある。一方、2mmを超えると 、ハニカム電極に占めるセル容積の割合が低 くなり、被改質ガスが透過する際の圧力損失 が大きくなりすぎるという不具合が発生する おそれがある。

 また、ハニカム電極の長さ(ガスの流れ方 向の長さ)は、5~40mmであることが好ましく、10 ~30mmであることが更に好ましい。5mmより短い 、沿面放電によるプラズマの発生領域が狭 ぎて、被改質ガスに含まれる炭化水素の大 分が改質されないまま改質反応器から流出 てしまう場合がある。一方、40mmより長いと 、プラズマを発生させるための電力が大量に 必要となる他、プラズマリアクタ全体が大型 化し、小型で軽量であることが要求される車 載用燃料改質器等の用途にはそぐわなくなる 可能性がある。

 ハニカム電極を構成する「導電性セラミ クス」としては炭化珪素が好ましい。但し ハニカム電極が導電性を有する限り、必ず も電極全体が炭化珪素で構成されている必 はない。即ち、本発明のプラズマリアクタ おいては、ハニカム電極が炭化珪素を含む 電性セラミックスからなるものであること 好ましい。この場合、ハニカム電極中の炭 珪素の含有率は、導電性の低下を抑制する いう理由から、50質量%以上であることが好 しく、60質量%以上であることが更に好まし 。

 また、ハニカム電極は、気孔率30~60%の多 体であることが好ましく、40~50%の多孔体で ることが更に好ましい。30%未満であると、 ラミックス粒子間の空隙での微小放電の効 が少なくなるおそれがある。一方、60%超で 隔壁の強度不足等の不具合を生じるおそれ ある。

 ハニカム電極は、導電性を確保する観点 ら、その電気抵抗は180℃で3.5Vの電圧印加の 時に2ω以下のものが好ましく、0.3ω以下のも が更に好ましい。このような電気抵抗とす ためには、導電性セラミックスとして炭化 素を用い、これに金属珪素を混合する、或 は炭化珪素と金属珪素を複合化する等の処 をすることが好ましい。

 なお、ここにいう「電気抵抗」とは、ハニ ム電極のガスが流れる方向(セル形成方向) 沿って、長さ3.3cm、断面積1.1cm 2 (ガスの流れ方向に垂直な断面の断面積)の直 体を切り出し、直流電源による定電流4端子 法にて電圧端子間2.3cmで測定(180℃)した値を 味するものとする。

 ハニカム電極は、担持触媒の活性化とい 観点から、その熱伝導率が5~300W/mKのものが ましく、10~200W/mKのものが更に好ましく、20~ 100W/mKのものが特に好ましい。熱伝導率を5W/mK 未満とすると、担持触媒の活性化に時間を要 するおそれがある。一方、300W/mKを超えると 外部への放熱が大きくなり、担持触媒が十 に活性化しないおそれがある。このような 伝導率を有する導電性セラミックスとして 、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アル ニウム等を挙げることができる。

 ハニカム電極は、線状電極との電極間距 が1~30mmとなるように配置されていることが ましく、5~10mmとなるように配置されている とが更に好ましい。電極間距離を1mm未満と ると、電界集中が起こり易く、これを起点 して短絡し易くなることがある。また、電 間でプラズマ放電するものの、炭化水素の 質反応に伴う水素生成量が少なくなる場合 ある。一方、30mmを超えると、プラズマ放電 が安定し難くなり、プラズマの発生効率が低 下することがある。

 なお、本発明においては、改質反応器の 部空間に、導電性セラミックスからなるハ カム構造体を配置するだけでは足りず、電 として機能するハニカム構造体を配置する 要がある。例えば、図3に示すプラズマリア クタ100は、ハニカム電極に代えて、ステンレ ス製の網状体22と、網状体22の端面に当接す ように配置された、導電性セラミックスか なるハニカム構造体20を備えたものである。 プラズマリアクタ100においては、パルス電源 14に接続された網状体22にパルス電圧が印加 れるため、網状体22が電極12として作用する( メッシュ電極12d)。一方、ハニカム構造体20は 、導電体として機能するにすぎず、電極とし ては機能していないことになる。即ち、プラ ズマリアクタ100は、改質反応器10の内部空間 ハニカム構造体20が配置されているものの ハニカム電極を備えておらず、本発明の範 には含まれない。

[2-2]線状電極:
 本発明のプラズマリアクタは、一対の電極 うち、ハニカム電極以外の電極を線状電極 したものである。本明細書にいう「線状電 」とは、棒状の電極を意味し、例えば、棒 電極の他、針状電極等を挙げることができ 。「棒状」とは、直線的な円柱状であって 長手方向に向かって外径が均一な形状、「 状」とは、直線的な形状であって、先端が った形状を意味する。但し、線状電極は棒 電極、針状電極のように必ずしも直線的な 状に限定にされず、例えば、L字型等を含め て折れ曲がった形状であってもよい。線状電 極を配置する数は、少なくとも1本以上配置 れていればよく、複数本配置されていても い。

 線状電極の長さは、プラズマリアクタの イズを小さくするという理由から、3~50mmで ることが好ましく、5~30mmであることが更に ましい。長さを3mm未満とすると、プラズマ アクタの製造時に、線状電極のハンドリン が不安定になり、線状電極の固定が困難と るおそれがある。一方、50mmを超えると、流 動する被改質ガスとの接触により線状電極が 曲がり易くなるおそれがある。

 また、線状電極の外径は、0.1~5mmであるこ とが好ましく、0.5~3mmであることが更に好ま い。外径を0.1mm未満とすると、流動する被改 質ガスとの接触により線状電極が曲がり易く なり、プラズマ放電が不安定になるおそれが ある。一方、5mmを超えると、プラズマ放電が 制御し難くなるおそれがある。

 線状電極は導電性を確保する観点から、 電性が高い材質、具体的には、金属、合金 導電性セラミックス等によって構成されて ることが好ましい。導電性の高い金属とし は、ステンレス、ニッケル、銅、アルミニ ム、鉄等を、導電性の高い合金としては、 ルミニウム-銅合金、チタン合金、インコネ ル(商品名)等を、導電性セラミックスとして 、炭化珪素等を、その他の材質としては、 素等を挙げることができる。

 本発明においては、ハニカム電極と対に る線状電極を備えていればよく、線状電極 数は限定されない。例えば、図2に示すプラ ズマリアクタ1Bのように、一対の電極12の一 が、ハニカム電極12bを挟んで対向するよう 配置された、少なくとも一対の線状電極12a,1 2cである形態も好ましい。このような形態は 図1に示すプラズマリアクタ1Aのように線状 極を1本備えたものと比較して、被改質ガス がプラズマ空間を通過する時間が増えること により改質反応が確実に進行するため、未反 応の炭化水素を低減し、副生成物の生成を抑 制することができる。従って、炭化水素の改 質反応に用いた場合に、更に水素収率を高く し、副生物の生成をより抑制することができ るという効果を奏する。

[2-3]触媒:
 本発明のプラズマリアクタは、被改質ガス 改質反応を促進する触媒を備えていること 好ましい。触媒は、前記触媒作用を有する 質であれば特に制限なく使用することがで る。例えば、貴金属(白金、ロジウム、パラ ジウム、ルテニウム、インジウム、銀、金等 )、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム チタン、セリウム、コバルト、マンガン、 鉛、銅、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム ランタン、サマリウム、ビスマス、及びバ ウムからなる群より選択された少なくとも 種の元素を含有する物質を挙げることがで る。前記元素を含有する物質としては、金 単体、金属酸化物、それ以外の化合物(塩化 、硫酸塩等)等の各種形態が含まれる。これ らの物質は一種を単独で用いてもよいし、二 種以上を組み合わせて用いてもよい。

 触媒はハニカム電極の隔壁に担持されて ることが好ましい。被改質ガスが通過する ニカム電極のセル内部に触媒を担持してお ことにより、反応効率の向上を図ることが きる。また、粒状触媒が充填されるパック ベッド方式とは異なり、ガスの流路となる ルが確保されているため、被改質ガスの通 を妨げることが少ない。そして、担体とな ハニカム電極に触媒成分が担持されている め、触媒間の熱伝達も良好である。

 触媒の担持量としては、0.05~70g/Lであるこ とが好ましく、0.1~40g/Lであることが更に好ま しい。担持量を0.05g/L未満とすると、触媒作 が発現し難いおそれがある。一方、70g/Lを超 えると、プラズマリアクタの製造コストが上 昇するおそれがある。

 触媒は担体微粒子に担持された触媒コー 微粒子の状態でハニカム電極の隔壁に担持 れていることが好ましい。このような形態 、被改質ガスの触媒に対する反応効率を高 るという利点がある。担体微粒子としては 例えば、セラミックス粉末を用いることが きる。セラミックスの種類は特に限定され いが、例えば、金属酸化物、特にシリカ、 ルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、 オライト、モルデナイト、シリカアルミナ 金属シリケート、コージェライト等の粉末 好適に用いることができる。これらのセラ ックスは一種を単独で用いてもよいし、二 以上を組み合わせて用いてもよい。このよ な触媒コート微粒子をハニカム電極の隔壁 コーティングすることにより、担持させる とができる。

 これらの粉末の平均粒子径は0.01~50μmであ ることが好ましく、0.1~20μmであることが更に 好ましい。平均粒子径を0.01μm未満とすると 触媒が担体微粒子の表面に担持され難くな おそれがある。一方、50μmを超えると、触媒 コート微粒子がハニカム電極から剥離し易く なるおそれがある。

 担体微粒子に対する触媒の質量比率は、0 .1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%で ることが更に好ましい。触媒の質量比率を0 .1質量%未満とすると、改質反応が進行し難い おそれがある。一方、20質量%を超えると、触 媒が均一に分散されずに互いに凝集し易くな るために、担体微粒子に均一に担持され難く なる。従って、20質量%を超える量の触媒を加 えても、その量に見合った触媒添加効果を得 られず、改質反応が促進されないおそれがあ る。

 触媒コート微粒子は、例えば、担体微粒 となるセラミックス粉末に触媒成分を含む 溶液を含浸させた後、乾燥し、焼成するこ により得ることができる。この触媒コート 粒子に分散媒(水等)、その他の添加剤を加 てコーティング液(スラリー)を調製し、この スラリーをハニカム電極の隔壁にコーティン グすることによって、ハニカム電極の隔壁に 触媒を担持することができる。

[2-4]改質反応器:
 本発明において、改質反応器とは、被改質 スの導入口及び改質ガスの排出口が形成さ た管状の構造体である。ガスを通過させる 要から中空形状であることが必要であるが 形状について他の制限はなく、例えば、円 状、角筒状等の構造のものを用いることが きる。改質反応器の最大内径についても特 制限はなく、プラズマリアクタの用途によ 適宜サイズを決定すればよい。

 また、改質反応器を構成する材質は特に 定されないが、容器部分については、加工 が良好な金属(例えば、ステンレス等)で構 することが好ましい。また、短絡を防止す 必要から、容器内の電極の設置部分等につ ては、絶縁性材料で構成されていることが ましい。

 前記絶縁性材料としては、セラミックス 好適に用いることができる。セラミックス しては、例えば、アルミナ、ジルコニア、 化珪素、窒化アルミニウム、サイアロン、 ライト、シリカ、コーディエライト等を用 ることが好ましい。これらのセラミックス 1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組 合わせて用いてもよい。

[2-5]パルス電源:
 パルス電源とは、一対の電極に対してパル 電圧を印加する電源である。周期的に電圧 加えられる電源であれば用いることができ 。中でも、(a)ピーク電圧が1kV以上で、かつ1 秒当たりのパルス数が1以上のパルス波形、(b )ピーク電圧が1kV以上で、かつ周波数が1以上 交流電圧波形、(c)電圧が1kV以上の直流波形 又は、(d)これらの2種以上を重畳してなる電 圧波形、を供給することができる電源である ことが好ましい。そして、ピーク電圧が1~20kV の電源であることが好ましく、ピーク電圧が 5~10kVの電源を用いることが更に好ましい。

 このような電源としては、例えば、スイ チング素子として静電誘導型サイリスタ(SI イリスタ)又はMOS-FETを用いた高電圧パルス 源等を挙げることができる。中でも、使用 件が広いという理由から、スイッチング素 としてSIサイリスタを用いた高電圧パルス電 源(例えば、日本ガイシ社製)を用いることが ましい。なお、「MOS-FET」とは、電界効果ト ランジスタ(FET)のうち、ゲート電極が金属(Met al)-半導体酸化物(Oxide)-半導体(Semiconductor)の3 構造になっているタイプのものを意味する

[3]製造方法:
 本発明のプラズマリアクタは、例えば以下 ようにして製造することができる。従来公 の押出成形法により、ハニカム電極を得る 具体的には、セラミックス粉末を含む坏土 所望の形状に押し出した後、乾燥し、焼成 ることによって、ハニカム形状のハニカム 極を得る。この際、ハニカム電極について 導電性材料の炭化珪素等を原料セラミック として用いる。改質反応器については、従 公知の金属加工法により、管状(筒状)の改 反応器を得ればよい。この際、改質反応器 ついては、ステンレス等の加工容易な金属 料を用いることが好ましい。

 ハニカム電極の隔壁には触媒を担持させ 。予め、担体微粒子となるセラミックス粉 に触媒成分を含む水溶液を含浸させた後、 燥し、焼成することにより触媒コート微粒 得る。この触媒コート微粒子に分散媒(水等 )、その他の添加剤を加えてコーティング液( ラリー)を調製し、このスラリーをハニカム 電極の隔壁にコーティングした後、乾燥し、 焼成することによって、ハニカム電極の隔壁 に触媒を担持する。

 このようにして得られたハニカム電極を アルミナ等からなる絶縁体を介して改質反 器の内部空間に設置する。この際、ハニカ 電極は線状電極と相対向するように所定の 離だけ離隔させて配置する。そして、ハニ ム電極及び線状電極をパルス電源と電気的 接続することにより、プラズマリアクタを 成する。

[4]使用方法:
 本発明のプラズマリアクタは、改質反応、 に、炭化水素系化合物やアルコール類を被 質ガスとし、水素含有改質ガスを得る改質 応に好適に用いることができる。

 「炭化水素系化合物」としては、例えば メタン、プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘ サン等の軽質炭化水素、イソオクタン、ガ リン、灯油、ナフサ等の石油系炭化水素等 挙げることができる。「アルコール類」と ては、例えば、メタノール、エタノール、1 -プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー 等を挙げることができる。これらの被改質 スは、1種を単独で、また、2種以上を混合 て用いることができる。

 改質の方法についても特に限定されるも ではない。例えば、酸素を用いる部分改質 水を用いる水蒸気改質、酸素、水を用いる ートサーマル等のいずれの方法にも用いる とができる。

 改質反応は、本発明のプラズマリアクタ 用い、被改質ガスを改質反応器の内部空間 導入し、パルス電源から電極に対して、(a) ーク電圧が1kV以上で、かつ1秒当たりのパル ス数が1以上のパルス波形、(b)ピーク電圧が1k V以上で、かつ周波数が1以上の交流電圧波形 (c)電圧が1kV以上の直流波形、及び、(d)これ の2種以上を重畳してなる電圧波形のうちの 一種の電圧波形を有するパルス電圧を印加す ることにより行うことができる。

 本発明のプラズマリアクタについて、図1 に示すプラズマリアクタ1A及び図2に示すプラ ズマリアクタ1Bを例として更に具体的に説明 る。但し、本発明のプラズマリアクタは、 の発明特定事項を備えたプラズマリアクタ 全て包含するものであり、以下の実施例に 定されるものではない。

[プラズマリアクタの作製]
 まず、以下のようにして、プラズマリアク を作製した。

(実施例1)
 図1に示すようなプラズマリアクタ1Aを作製 た。改質反応器10としては、容器部分に、 テンレスからなり、内径30mm、厚さ5mm、長さ7 0mmの円筒体を用いた。このステンレス円筒体 の内部に、絶縁体としてアルミナを配置し、 その絶縁体にハニカム電極12b及び線状電極12a を設置した。

 ハニカム電極12bとしては、炭化珪素(含有 率75質量%)からなり、隔壁によってガスの流 となる複数のセル16が区画形成されたハニカ ム構造体20を用いた。ハニカム構造体20とし は、エンジン排ガス等に含有される粒子状 質を捕集するための炭化珪素製ディーゼル ティキュレートフィルタ(商品名:SiC-DPF、日 ガイシ社製)を切出して使用した。

 より具体的には、セル形状は正方形状、セ 密度は46セル/cm 2 、外径30mmφ、長さ(ガスの流れ方向の長さ)は2 0mmの円柱状のものであった。また、前記SiC-DP Fから、ガスが流れる方向に沿って、長さ2.5cm 、断面積12.3cm 2 (ガスの流れ方向に垂直な断面の断面積)の直 体を切り出し、直流電源による定電流4端子 法にて電圧端子間2.5cmで測定(180℃)した電気 抗は、0.2ωであった。更に、熱伝導率は100W/m Kであった。

 線状電極12aとしては、ニッケル基合金(商 品名:インコネル600、ニラコ社製)からなり、 さ10mm、外径0.5mmφの棒状体を使用した。ハ カム電極12bは線状電極12aとの電極間距離が5m mとなるように配置した。なお、このプラズ リアクタ1Aでは、線状電極12aを正極とした。

 パルス電源14としては、SIサイリスタをス イッチング素子とする高電圧パルス電源(日 ガイシ社製)を用いた。パルス電源14は、線 電極12a(正極)及びハニカム電極12b(負極)に電 的に接続した。

(実施例2)
 ハニカム電極の隔壁に触媒を担持させたこ を除いては、実施例1と同様にして、プラズ マリアクタを作製した。触媒の担持は、以下 の方法により行った。

 予め、担体微粒子となるアルミナ粉末(比表 面積107m 2 /g)に触媒成分ロジウムを含む硝酸ロジウム(Rh (NO 3 ) 3 )水溶液を含浸させた後、120℃で乾燥し、大 中550℃で3時間焼成することにより触媒コー 微粒子を得た。アルミナに対するロジウム 質量比率は、0.5質量%であった。

 この触媒コート微粒子に分散媒(水)、ア ミナゾルを加え、硝酸水溶液でpHを4に調整 てコーティング液(スラリー)を得た。ハニカ ム電極をこのスラリーに浸漬させることによ り、隔壁をコーティングした後、120℃で乾燥 し、窒素雰囲気中550℃で1時間焼成すること よって、ハニカム電極の隔壁に触媒を担持 た。ハニカム電極に担持したロジウム量は0. 5(g/L)であった。

(実施例3)
 図2に示すようなプラズマリアクタ1Bを作製 た。一対の電極12の一方として、ハニカム 極12bを挟んで対向するように一対の線状電 12a,12cを配置したこと、改質反応器10として 容器部分に、ステンレスからなり、内径30mm 厚さ5mm、長さ120mmの円筒体を用いたことを いては、実施例2と同様にして、プラズマリ クタ1Bを作製した。線状電極12a,12cはハニカ 電極12bとの電極間距離がいずれも5mmとなる うに配置した。なお、このプラズマリアク 1Bにおいても、線状電極12a,12cを正極とした

(実施例4)
 パルス電源としてMOS-FETをスイッチング素子 とするパルス電源を用いたことを除いては、 実施例1と同様にして、プラズマリアクタを 製した。MOS-FETとしては、市販の耐圧MOS-FET( 芝社製)を用いた。

(比較例1)
 負極を構成するハニカム電極に代えて、正 と同じ針状電極を負極として配置したこと 除いては、実施例1と同様にして、プラズマ リアクタを作製した。電極間距離は5mmとした 。

(比較例2)
 パックドベッド方式で粒状触媒を充填した とを除いては、比較例1と同様にして、プラ ズマリアクタを作製した。粒状触媒の充填は 、以下の方法により行った。

 まず、担体となるチタン酸バリウム(BaTiO 3 )からなる外径2mmφのペレットを、実施例2で いたコーティング液(スラリー)に浸漬させる ことにより、ペレットをコーティングした。 その後、実施例2と同様の条件で、乾燥し、 成することによって、ペレットの表面に触 を担持した。

 この触媒担持ペレットを、ロジウム量が 施例2と同じ0.5(g/L)となるように、負極側に 填した。この際、負極側の針状電極がペレ トの表面から5mmだけ出るように触媒担持ペ ットを充填した。

(比較例3)
 図3に示すプラズマリアクタ100を作製した。 改質反応器10として、容器部分に、ステンレ からなり、内径30mm、厚さ5mm、長さ90mmの円 体を用いたこと、ハニカム電極に代えて、 テンレス製の網状体22と、網状体22の端面に 接するように配置された、導電性セラミッ スからなるハニカム構造体20を配置したこ を除いては、実施例1と同様にして、図3に示 すプラズマリアクタ100を作製した。網状体22 、線状電極12aと対をなす電極として機能す ものである(メッシュ電極12d)。

 ハニカム構造体20としては、実施例1でハ カム電極として用いたハニカム構造体20を のまま用いた。網状体22としては、ステンレ スからなり、直径30mmφ、厚さ5mmの円形状を呈 し、網目サイズが5mm角の網状体を用いた。

[プラズマ発生試験]
 実施例1又は4のプラズマリアクタを用い、 ラズマを発生させ、その発生状態を評価し 。具体的には、前記プラズマリアクタを用 てイソオクタン(i-C 8 H 18 )の水蒸気改質反応を行い、この際のプラズ の発生状態を評価した。その結果を表1に示 。

 被改質ガスとしては、イソオクタンを2000 ppm、水を16000ppm含有し、残部が窒素ガスで構 されるものを使用した。被改質ガスは、250 に加熱した窒素ガス中に、予め蒸発器を用 て気化させた水、及びイソオクタン(液体) 所定量注入することにより調製した。この 、イソオクタンの注入は、高圧マイクロフ ーダー(商品名:JP-H型、古江サイエンス社製) 用いて行った。

 前記被改質ガスをプラズマリアクタに供給 、水蒸気改質反応を行った。プラズマリア タを電気炉中に設置して、改質反応器の内 を常温(25℃)又は600℃とし、周期3kHz、ピー 電圧3kVの条件で、パルス電源から一対の電 に対してパルス電圧を印加した。この際、 入電力は表1に記載の値とした。また、改質 応器の内部における被改質ガスの空間速度( SV)は、いずれも20万h -1 となるように調整した。

(評価)
 表1に示すように、実施例1のプラズマリア タを用いた場合、改質反応器の内部温度、 入電力に拘らず、ストリーマ放電(低温プラ マ)とアーク放電(熱プラズマ)が混在する安 なプラズマが形成された。また、そのプラ マは放電の照射角度が10度以上であり、照 範囲が広かった。

 実施例4のプラズマリアクタを用いた場合 も、常温、30W以下の条件では、ストリーマ放 電(低温プラズマ)とアーク放電(熱プラズマ) 混在する安定なプラズマが形成された。し し、実施例1のプラズマリアクタと比較して 定なプラズマを発生可能な投入電力の範囲 狭かった。具体的には、常温、30W超の条件 び600℃、15W以下の条件では、発生したプラ マがアーク放電(熱プラズマ)へ移行し易く プラズマが不安定であった。また、発生し プラズマも線状で照射範囲が狭いものであ 、電極部品の熱劣化による損傷も大きかっ 。なお、実施例4のプラズマリアクタでは、6 00℃、15W超の条件では、プラズマは発生しな った。

 前記の結果から、本発明のプラズマリア タにおいては、パルス電源としてSIサイリ タやMOS-FETをスイッチング素子とする高電圧 ルス電源を用いることができ、SIサイリス をスイッチング素子とする高電圧パルス電 を用いる方がより好ましいことが確認され 。

[炭化水素の改質試験]
 実施例及び比較例のプラズマリアクタを用 、炭化水素の改質試験を行った。具体的に 、イソオクタン(i-C 8 H 18 )の水蒸気改質反応を行った。

 被改質ガスとしては、イソオクタンを2000 ppm、水を16000ppm含有し、残部が窒素ガスで構 されるものを使用した。被改質ガスは、250 に加熱した窒素ガス中に、予め蒸発器を用 て気化させた水、及びイソオクタン(液体) 所定量注入することにより調製した。この 、イソオクタンの注入は、高圧マイクロフ ーダー(商品名:JP-H型、古江サイエンス社製) 用いて行った。

 前記被改質ガスをプラズマリアクタに供給 、水蒸気改質反応を行った。プラズマリア タを電気炉中に設置して、改質反応器の内 を250℃とし、周期8kHz、ピーク電圧3kVの条件 で、パルス電源から一対の電極に対してパル ス電圧を印加した。また、改質反応器の内部 における被改質ガスの空間速度(SV)は、いず も20万h -1 となるように調整した。

 改質反応により得られた改質ガスについて 素量を測定した。水素量の測定は、TCD(熱伝 導検出器)を備えたガスクロマトグラフィー( 品名:GC3200、ジーエルサイエンス社製)を用 て行った。この際、標準ガスとしては、濃 既知の水素、メタン(CH 4 )、アセチレン(C 2 H 2 )の混合ガスを、キャリヤーガスとしては、 ルゴンガスを用いた。ガスクロマトグラフ ーでは、水素に該当するピークの面積が濃 に比例して大きくなるため、予め濃度既知 水素に該当するピークの面積と比較するこ により、改質ガス中の水素量を測定するこ ができる。

 水素収率は、下記式(1)により算出した。水 収率が60質量%以上であれば「極めて良好/◎ 」、50質量%以上、60質量%未満であれば「良好 /○」、40質量%以上、50質量%未満であれば「 良/△」、40質量%未満の場合は「極めて不良/ ×」として評価した。その結果を表2に示す。
 水素収率(質量%)=改質ガス中の水素量から算 出されるイソオクタン量/被改質ガス中のイ オクタン量×100 :(1)

 副生物であるメタン量、アセチレン量の測 では、水素量の測定と同様に、標準ガスと て濃度既知の水素、メタン(CH 4 )、アセチレン(C 2 H 2 )の混合ガスを用い、ガスクロマトグラフィ で得られた各副生物に該当する各ピークの 積から濃度を算出した。この際、キャリヤ ガスとしてはヘリウムガスを使用した。副 物収率は、下記式(2)により算出した。その 果を表2に示す。
 副生物収率(質量%)=(改質ガスから採取した 副生物に該当するピーク面積/標準ガス中の 副生物のピーク面積)×標準ガス中の各副生 の濃度 :(2)

 実施例1~3のプラズマリアクタは、改質ガ の水素収率が高いことに加えて、副生物で るメタン、アセチレンの生成も抑制されて り、良好な結果を示した。ハニカム電極の 壁に触媒を担持した実施例2のプラズマリア クタは、触媒を担持しなかった実施例1のプ ズマリアクタと比較して、水素収率が高く 副生物の生成が抑制されており、更に良好 結果を示した。また、一対の線状電極が、 ニカム電極を挟んで対向するように配置さ ている実施例3のプラズマリアクタは、線状 極を1本のみ配置した実施例2のプラズマリ クタと比較して、更に水素収率が高く、副 物の生成が抑制されており、極めて良好な 果を示した。

 一方、比較例1~3のプラズマリアクタは、 施例1~3のプラズマリアクタと比較して、改 ガスの水素収率が低く、また、副生物であ メタン、アセチレンの生成も多く、結果は 良であった。

 粒状触媒を充填した比較例2のプラズマリ アクタは、触媒を用いなかった比較例1のプ ズマリアクタと比較すると、水素収率、副 物の生成率の面で改善されたが、実施例1~3 プラズマリアクタには及ばず、未だ不十分 結果であった。

 また、メッシュ電極を配置した比較例3の プラズマリアクタは、一対の線状電極を配置 した比較例2のプラズマリアクタと比較する 、水素収率の面でやや改善されたが、実施 1~3のプラズマリアクタには及ばず、未だ不 分な結果であった。この結果から、比較例3 プラズマリアクタでは、ハニカム構造体が に導電体としてのみ機能し、電極としては 能していないことが確認された。

 これらの結果から明らかなように、一対 電極の一方をハニカム電極とすることによ 、水素収率を向上させ、副生物の生成を抑 することができ、ハニカム電極の隔壁に触 を担持することにより、更にその効果を向 させることができる。これはハニカム電極 多孔質の導電性セラミックスから構成され おり、セラミックス粒子(炭化珪素粒子等) の空隙で微小放電が起きていることが理由 あると推定される。特に、ハニカム電極の 壁に触媒が担持されている場合には、その 小放電が触媒と強く相互作用(複合反応化)し 、イソオクタンの水蒸気改質が効率的に進行 し、高い水素生成率を示したものと考えられ る。

 本実施例では水蒸気改質の例を示したが 酸素を用いる部分酸化、酸素、水を用いる ートサーマル等の他の改質方法でも従来の ラズマリアクタと比較して高い水素生成率 示す結果が得られた。即ち、本発明のプラ マリアクタは、各種改質方法に適用するこ が可能であると言える。

 本発明のプラズマリアクタは、炭化水素 化合物やアルコール類の改質反応、特に水 生成反応に好適に用いることができる。そ て、長期間にわたって安定的に大量の改質 スを供給することができるので、車載用燃 改質器等の用途にも好適に用いることがで る。