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Patent Searching and Data


Title:
PLASMA STERILIZATION INDICATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113197
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a novel indicator for plasma sterilization in which a publicly known azo dye having been employed hitherto in producing indicators for ethylene oxide gas sterilization or heat sterilization is used and which quickly undergoes a color change in the process of low-temperature plasma sterilization using an oxidative gas such as hydrogen peroxide and shows a sharp color change. Use is made of a publicly known azo dye having been employed in the existing indicators for ethylene oxide gas sterilization or heat sterilization together with a compound capable of changing the color thereof which is a compound having a mercapto group or a dithiocarbamyl group and reacting with the azo dye in plasma sterilization to thereby change the color thereof. Moreover, use can be also made of a polyhydric phenol compound or an aromatic carboxylic acid compound as a fading inhibitor for the azo dye having been color-changed in the course of the plasma sterilization so as to facilitate the stabilization of the color change.

Inventors:
MIKUMO MASAO (JP)
KAZAMA KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067713
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
September 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HOGY MEDICAL CO LTD (JP)
MIKUMO MASAO (JP)
KAZAMA KENJI (JP)
International Classes:
A61L2/26; A61L2/14; C09D5/00; C09D7/12; C09K3/00; G01N31/22
Domestic Patent References:
WO2005095948A12005-10-13
WO1998046279A11998-10-22
Foreign References:
JPH11178904A1999-07-06
JP2005514112A2005-05-19
JP2002541466A2002-12-03
JP2002011081A2002-01-15
Other References:
See also references of EP 2253334A4
Attorney, Agent or Firm:
ISHIKAWA, YASUO (JP)
Yasuo Ishikawa (JP)
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Claims:
 a)一般式X-N=N-Y(式中Xはチアゾ-ル環、ベンゾチアゾ-ル環、チアジアゾ-ル環、トリアゾ-ル環、ピリジン環およびキノリン環より選ばれる複素環の残基を示す。これらの残基は更に置換基として非解離性の基をもつことが出来る。Yはp-位にカップリングすることが出来るアニリン誘導体残基を示し、この残基は更に置換基として非解離性の基をもつことが出来る。)で表されるアゾ染料の少なくとも一種と、
 b)メルカプト基またはジチオカルバミル基をもつ化合物の少なくとも一種と、
 c)結着剤としての樹脂の少なくとも一種と、
よりなるプラズマ滅菌用インジケーター。
 プラズマ滅菌処理工程中に生成する変色したアゾ染料の褪色防止剤として、多価フェノ-ル化合物、または芳香族カルボン酸の少なくとも一種を使用したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ滅菌用インジケーター。
 結着剤としての樹脂としてフェノキシ樹脂、非結晶性コポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリケトン樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂の中から選ばれた一種またはそれ以上の樹脂を使用したことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ滅菌用インジケーター。
 結着剤としての樹脂としてフェノキシ樹脂、非結晶性コポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリケトン樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂の中から選ばれた一種またはそれ以上の樹脂と、これと相溶性のあるこれら以外の樹脂を併用し、その使用比率が重量比で10/90以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ滅菌用インジケーター。
Description:
プラズマ滅菌用インジケーター

 本発明は過酸化水素ガスなどの酸化性の るガスを使用した低温プラズマ滅菌法によ て医療用器材を滅菌する際に、滅菌される 材が滅菌処理工程を経たかどうか、あるい 滅菌が効果的に行なわれたかどうかを色調 化によって確認するためのプラズマ滅菌用 ンジケーターに関する発明である。

 病院などの医療機関で手術用あるいは治 用に使用する器材を滅菌するために、(1)高 蒸気滅菌法、(2)エチレンオキサイド滅菌法 あるいは(3)低温プラズマ滅菌法が用いられ いる。

 これらの滅菌法においては、1)滅菌され 器材が滅菌工程を経たかどうかの判別、2)器 材に作用した滅菌効果が適正であったかどう かを検知することが重要である。

 この判別手段あるいは検知手段の一つと て滅菌処理により色調が変化する化学的滅 インジケーターが用いられており、この滅 用インジケーターはそれぞれの滅菌方法に いて専用のものを使用する必要がある。

 (プラズマ滅菌用インジケーターの従来技術 )
 過酸化水素ガスなどの酸化性のあるガスの 温プラズマによる殺菌力を利用した低温プ ズマ滅菌法は、エチレンオキサイドガス滅 法と同様に低温で滅菌が行なえるため、高 に弱い医療用器材などの滅菌に適している 更に滅菌所要時間がエチレンオキサイドガ 滅菌法より短くて済むという長所がある。

 現在実用化されている代表的な低温プラ マ滅菌法は、ジョンソン・エンド・ジョン ン社(米国)が開発した「STERRAD」(登録商標) ある。この滅菌法の滅菌工程の概略は、密 した滅菌器内を高度に減圧した後、一定量 過酸化水素水を注入して気化させ、滅菌物 過酸化水素蒸気を一定時間接触させる工程( 8~16分)と、これに続く高周波電圧の印加に り過酸化水素ガスのプラズマを発生させる 程を、2回繰り返すことからなる。

 本願の出願人は既に低温プラズマ滅菌法 使用するための化学的インジケーターにつ て提案している(特許文献1および特許文献2) 。

 上記特許文献1の技術内容は、トリフェニ ルメタン系などの塩基性染料とメルカプト基 をもつ化合物(変色助剤)とを含むインジケー ーで、過酸化水素蒸気や過酸化水素蒸気か 生じたプラズマの酸化力により塩基性染料 酸化分解されて褪色することを原理とした のである。

 また、特許文献2の内容は、感熱記録紙な どに使用されるラクト-ン環をもつフルオラ 系無色染料とジチオカルバミル基をもつ化 物(変色助剤)を含むインジケーターで過酸化 水素蒸気やこれから生じたプラズマの酸化力 により該染料のラクト-ン環が開環して有色 ロ-ダミン染料に変化することを原理とした のである。

 低温プラズマ滅菌法に用いられるインジケ ターには以上の他に、
・アミノ基を有するアントラキノン系染料を 含むもの(特許文献3)
・アントラキノン系化合物を主成分とする色 素と有機アミン系化合物を含むもの(特許文 4)
・pHの変化に伴い色調の変化する化合物を含 もの(特許文献5)
・吸着指示薬、キレ-ト滴定・金属指示薬か 成る群から選ばれる化合物と有機金属化合 とを含むもの(特許文献6)
・過酸化水素プラズマ滅菌において発生する ラジカルにより変色するライトグリ-ンSF黄色 、ギネアグリ-ン、およびブリリアントグリ- などを含むもの(特許文献7)
・(a)吸着指示薬、キレ-ト滴定・金属指示薬( マトキシリンなど)、(b)有機金属化合物、(c) 多価アルコ-ル、を含有するもの(特許文献8)
・(a)アントラキノン系染料、アゾ染料、およ びメチン系染料の少なくとも一種、(b)窒素含 有高分子(ポリアミド樹脂など)、(c)カチオン 界面活性剤、を含有するもの(特許文献9)
・(a)スチレン・アクリル樹脂またはスチレン ・マレイン酸樹脂の少なくとも一種、(b)メチ ン系染料、を含有するもの(特許文献10)
などが知られている。

 (エチレンオキサイドガス滅菌用インジケー ターに関する公知技術)
 本願のプラズマ滅菌用インジケーターに使 する特定のアゾ染料は従来からエチレンオ サイドガス滅菌用インジケーターの作成に いられている公知のものである。このよう アゾ染料を使用したエチレンオキサイドガ 滅菌用インジケーターに関しては多くの技 が公知となっている。公知例としては特許 献11~19を挙げることができる。

 エチレンオキサイドガス滅菌用インジケ ターに関する技術では、上記の特許文献11 記載されるものが基本的なものであり、そ 他は主としてその改良技術に関するもので る。

 上記の公知技術に共通している点は、第3 級窒素原子を含む複素環をもつアゾ染料と適 当な酸性物質(アゾ染料とエチレンオキサイ との反応を促進するための変色促進剤)とを 着剤と共に紙などの基材上に塗布または印 したもので、エチレンオキサイドガス滅菌 に該アゾ染料にエチレンオキサイドが開環 加し(アゾ染料の複素環中の第3級窒素原子 付加しこれを4級化する)、一種のカチオン染 料に変化するため別の色調に変化する。

 なお、これらの技術により作成したエチ ンオキサイドガス滅菌用インジケーターは れも過酸化水素ガスなどを用いた低温プラ マ滅菌法ではほとんど変色しない。

 (熱滅菌用インジケーターに関する公知技術 )
 本願のプラズマ滅菌用インジケーターに使 する特定のアゾ染料が酸性触媒の存在下に ポキシ化合物と反応して変色することを原 とした熱滅菌用インジケーターが報告され いる(特許文献20)。このインジケーターでは 該アゾ染料とエポキシ化合物とを隔離膜を介 して別々の層に保持し、熱や高圧蒸気により 隔離膜が融解しアゾ染料とエポキシ化合物が 接触・反応して変色することを原理としてい る。

特許第3435505号公報

特許第3418937号公報

特開2001-174449号公報

特開2002-71570号公報

特開2002-303618号公報

特開2003-102811号公報

特開2004-101488号公報

特開2004-298479号公報

特開2005-315828号公報

特開2007-40785号公報

特開昭51-49805号公報

特開昭55-69671号公報

特開昭56-95053号公報

特開昭59-36172号公報

特開昭59-219375号公報

特開昭62-121777号公報

特開平5-1252号公報

特開2002-294113号公報

特開2004-203984号公報

特開昭59-124956号公報

 本願は上記のような現状に鑑みなされた のであり、従来からエチレンオキサイドガ 滅菌用インジケーターや熱滅菌用インジケ ターの作成に使用されている公知のアゾ染 (第3級窒素原子を含む複素環をもつアゾ染 )を使用し、過酸化水素ガスなどの酸化性の るガスを用いた低温プラズマ滅菌法で変色 早く、明瞭な色調変化が起こり、且つ、保 安定性にも優れた新規なプラズマ滅菌用イ ジケーターを提供することを主たる課題と る。

 上記課題を解決するための本発明のプラ マ滅菌用インジケーターは、a)一般式X-N=N-Y( 式中Xはチアゾ-ル環、ベンゾチアゾ-ル環、チ アジアゾ-ル環、トリアゾ-ル環、ピリジン環 よびキノリン環より選ばれる複素環の残基 示す。これらの残基は更に置換基として非 離性の基をもつことが出来る。Yはp-位にカ プリングすることが出来るアニリン誘導体 基を示し、この残基は更に置換基として非 離性の基をもつことが出来る。)で表される アゾ染料の少なくとも一種と、b)メルカプト またはジチオカルバミル基をもつ化合物の なくとも一種と、c)結着剤としての樹脂の なくとも一種と、よりなることを特徴とす 。

 ここで、本発明のプラズマ滅菌用インジ ーターにあっては、プラズマ滅菌処理工程 に生成する変色したアゾ染料の褪色防止剤 して、多価フェノ-ル化合物、または芳香族 カルボン酸の少なくとも一種を使用してもよ い。

 また、結着剤としての樹脂としてフェノ シ樹脂、非結晶性コポリエステル樹脂、ポ エステルポリウレタン樹脂、ポリケトン樹 およびロジン変性マレイン酸樹脂の中から ばれた一種またはそれ以上の樹脂を使用し もよい。

 また、結着剤としての樹脂としてフェノ シ樹脂、非結晶性コポリエステル樹脂、ポ エステルポリウレタン樹脂、ポリケトン樹 およびロジン変性マレイン酸樹脂の中から ばれた一種またはそれ以上の樹脂と、これ 相溶性のあるこれら以外の樹脂を併用し、 の使用比率が重量比で10/90以上であっても い。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 、次のような効果が得られる。

 第1に滅菌紙その他の素材から成る滅菌用 包装材料の表面に塗布又は印刷したものを使 用すれば、滅菌対象物が滅菌工程を経たかど うかの識別が色でできるようになる。

 第2に、カードなどに印刷したものを滅菌 対象物と一緒に滅菌処理すれば、滅菌後にそ の対象物に作用した滅菌条件が適切であった かどうかを色調変化から検知できる。

 第3に、滅菌前後で明瞭な変色が起き、且 つ滅菌後の色調が元の色に戻ることなく色調 の安定性に優れているため、プラズマ滅菌処 理が行われたことを確実に検知できる。

 より具体的には以下の通りである。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 使用するアゾ染料を用いた従来公知のエチ ンオキサイドガス滅菌用インジケーターや 滅菌用インジケーターでは、滅菌処理工程 該アゾ染料がエポキシ基(エポキシ環)をも 化合物であるエチレンオキサイドやエポキ 化合物と接触して反応し、変色する。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター は、アゾ染料とメルカプト基をもつ化合物( またはジチオカルバミル基をもつ化合物)と 予め混合して基材上に塗布して作成するも であり、両成分が接触していても通常の保 条件下では反応せず、従って変色も起こら いが、過酸化水素などの酸化性のあるガス 用いたプラズマ滅菌処理条件下では両者が やかに反応して変色するものである。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター は、一般的に、プラズマ滅菌処理過程で変 したアゾ染料の一部が、その滅菌処理工程 に酸化されて分解し、消色する傾向がある この滅菌処理工程で起こる変色したアゾ染 の分解の度合いはインジケーターに使用す メルカプト基、またはジチオカルバミル基 もつ化合物の種類や配合量、あるいはイン ケーターに使用する結着剤としての樹脂の 類にも関係があることが判明している。

 このような滅菌処理工程中に生じた変色 のアゾ染料(一種の塩基性染料)の分解、消 を防止するために、変色後のアゾ染料の安 化剤として多価フェノ-ル化合物、または芳 族カルボン酸を配合することが有効であり これによって滅菌処理工程でのインジケー ーの変色がより安定して起きる。

 なお、上記で使用する多価フェノ-ル化合 物、あるいは芳香族カルボン酸の種類を選べ ば、プラズマ滅菌処理後のインジケーターの 色調の高湿度下保存安定性も高めることが出 来ることも判明している。

 ここで使用する多価フェノ-ル化合物、あ るいは芳香族カルボン酸に代えてマロ-ン酸 マレイン酸などの脂肪族カルボン酸を使用 た場合にはほとんど効果が見られない。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター は結着剤として一種以上の樹脂を使用する 、使用する樹脂の種類によって、プラズマ 菌処理時の変色性、滅菌処理前後の色調の 明度、あるいは滅菌処理後の色調の高湿度 安定性などに差が見られる。結着剤として 用する樹脂について検討した結果、従来公 のエチレンオキサイドガス滅菌用インジケ ターで一般に使用される、アルキルフェノ ル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジ エステル、ロジン変性フェノ-ル樹脂、アク リル酸共重合体、カルボキシル変性塩酢ビ樹 脂などの酸性樹脂やポリビニルブチラール樹 脂、エチルセルロ-スなどを単独または併用 て使用することも出来る。上記の樹脂の中 はプラズマ滅菌処理時の変色性に対しては ロジン変性マレイン酸樹脂が最も良好であ 。

 上記以外の樹脂では、フェノキシ樹脂、 結晶性コポリエステル樹脂、固体の不飽和 リエステル樹脂、ポリエステルポリウレタ 樹脂、ケトン樹脂、クマロンインデン樹脂 水素添加ロジンなどが使用できるが、特に ェノキシ樹脂、非結晶性コポリエステル樹 、ポリエステルポリウレタン樹脂、ケトン 脂(特にシクロヘキサノン系)を使用したも がプラズマ滅菌処理時の変色性や滅菌処理 の色調の高温高湿度下安定性の点で優れて る。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 、必須成分としてのa)一般式X-N=N-Yで示され 特定のアゾ染料、b)プラズマ滅菌処理時に ゾ染料と反応して変色させる成分としての ルカプト基をもつ化合物、またはジチオカ バミル基をもつ化合物、c)結着剤としての樹 脂、および必要に応じて配合する成分である d)プラズマ滅菌処理中に生じた変色後のアゾ 料分子の安定性を高める作用をする多価フ ノ-ル化合物または芳香族カルボン酸をケト ン系その他の溶剤に溶解して作成したインキ を、滅菌に使用する過酸化水素ガスなどをあ まり吸収しないポリエチレン系やポリプロピ レン系の不織布、合成紙、フィルムなどの基 材上に適当な厚さに印刷または塗布して作成 するものである。

 これらの配合成分の配合割合は、用いる ゾ染料の色濃度、反応性成分であるメルカ ト基をもつ化合物、またはジチオカルバミ 基をもつ化合物の種類、多価フェノ-ル化合 物あるいは芳香族カルボン酸の種類、あるい は結着剤としての樹脂を溶剤に溶かしたとき の粘度やインキ塗膜の基材に対する接着性な どによって異なってくるので、適宜に調整す れば良い。

 また、上記の必須配合成分以外にプラズ 滅菌処理で変色しない染料や顔料、あるい 紫外線吸収剤などを必要に応じて配合する とも出来る。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 使用する特定のアゾ染料は従来からエチレ オキサイドガス滅菌用インジケーターや熱 菌用インジケーター作成技術で公知のもの 、例えば、特許文献15や特許文献20などに記 載されるもので、下記のものが使用できる。

 即ち、一般式X-N=N-Y(式中Xはチアゾ-ル環、 ベンゾチアゾ-ル環、チアジアゾ-ル環、トリ ゾ-ル環、ピリジン環、及びキノリン環より 選ばれる複素環の残基を示す。これらの残基 は更に置換基として非解離性の基をもつこと が出来る。Yはp-位にカップリングすることが 出来るアニリン誘導体残基を示し、この残基 は更に置換基として非解離性の基をもつこと が出来る)で表されるアゾ染料であり、この の少なくとも一種を使用する。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 使用するメルカプト基をもつ化合物として 、2-メルカプトベンゾチアゾール、6-エチル -2-メルカプトベンゾチアゾール、6-エトキシ- 2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプ チアゾリン、5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2 -チオール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テト ゾール、4,4’-チオビスベンゼンチオール、2 -メルカプト-5-メトキシ-ベンゾチアゾール、2 -メルカプト-5-メチル-ベンゾイミダゾール、2 -メルカプト-5-メトキシ-ベンゾイミダゾール 2-メルカプト-5-エトキシ-ベンゾイミダゾー 、2-メルカプト-ニコチン酸などが例示され 。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケーター 使用するジチオカルバミル基をもつ化合物 しては、テトラメチルチウラムモノスルフ ド、テトラメチルチウラムジスルフィド、 トラエチルチウラムジスルフィド、テトラ チルチウラムジスルフィド、ジペンタメチ ンチウラムテトラスルフィド、テトラベン ルチウラムジスルフィド、ジエチルジチオ ルバミン酸-2-ベンゾチアゾリ-ルなどが例示 される。

 上記のジチオカルバミル基をもつ化合物 中では、プラズマ滅菌処理時の変色が早い ンジケ-タ-が得られる点でテトラメチルチ ラムジスルフィドおよびテトラエチルチウ ムジスルフィドが良好である。

 しかし、ジチオカルバミル基をもつ化合 は一般にメルカプト基をもつ化合物と比べ その最適配合量の幅がかなり狭いという欠 がある。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケ-タ-で 滅菌処理工程で変色したアゾ染料の一部が その滅菌工程中に酸化されて褪色するのを 止し、変色を安定化する目的で多価フェノ- 化合物または芳香族カルボン酸の一種以上 使用する。

 有効な多価フェノ-ル化合物としては、2,2 -ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビ ス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ パン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン 、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プ パン、2,2-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)プロパン、4,4’-ブチリデンビス(6-tert- チル-m-クレゾ-ル)、2,2-ビス(2-ヒドロキシ-5- フェニリル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘ シル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’- (α-メチルベンジリデン)ビスフェノ-ル、4,4’ -ジヒドロキシテトラフェニルメタン、α,α’ -ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロ ルベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキ )ベンゼン、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキ )ベンゼン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スル フォ-ン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフ イド、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル) スルファイド、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m- クレゾ-ル)、2,2’-チオビス(4-tert-オクチルフ ノ-ル)、1,1’-チオビス(2-ナフト-ル)、ビス(6 -ヒドロキシ-2-ナフチル)ジスルファイド、1,1- ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロ キサン、1,1-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロ シフェニル)シクロヘキサン、9,9-ビス(4-ヒ ロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒド ロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,1-ビ (4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,5 -ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシ フタレン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメト シベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシベン ゾフェノン、2,2’4,4’-テトラヒドロキシベ ゾフェノン、2,2’-メチレンビス(4-クロロフ ノ-ル)、2-[ビス(4-ヒドロキシフェニル)メチ ]ベンジルアルコ-ル、1,1’-メチレンジ-2-ナ ト-ル、1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2- ロピル]ベンゼン、4,4’,4’’-トリヒドロキ シトリフェニルメタン、1,1,1-トリス(4-ヒドロ キシフェニル)エタン、2,6-ビス[(2-ヒドロキシ -5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノ-ル 、α,α,α’-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1- チル-4-イソプロピルベンゼン、2,2’,3,3’,- トラヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、ジフェノ -ル酸、フェノ-ルフタリン、メチレンジサリ ル酸、などが例示される。

 多価フェノ-ル化合物としては一般に酸強 度の高いものが有効であり、更にプラズマ滅 菌処理後のインジケ-タ-の色調の高湿度下安 性に対してはそれらの中で親水性の低いも が有効である。

 また、多価フェノ-ル化合物はインジケ- -に使用する結着剤としての樹脂に対して10~1 00重量%程度の高い配合量であることが望まし いため、使用する結着剤としての樹脂との相 溶性の良いものを選んで使用することも重要 である。

 また、有効な芳香族カルボン酸としては 2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸、 3,5-ジ-tert-ブチル-サリチル酸、p-トルイル-o- 息香酸、o-フタル酸などが例示される。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケ-タ-で 結着剤として一種以上の樹脂を使用する。 用する樹脂の種類は前述したように、イン ケ-タ-のプラズマ滅菌処理時の変色性、滅菌 処理前後の色調の鮮明度、あるいは滅菌処理 後の色調の高湿度下安定性などに影響する。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケ-タ-に 用するのに特に適した結着剤としては、従 公知のエチレンオキサイドガス滅菌用イン ケ-タ-の結着剤として使用されるロジン変性 マレイン酸樹脂のほか、フェノキシ樹脂、非 結晶性コポリエステル樹脂、ポリエステルポ リウレタン樹脂、およびケトン樹脂(特にシ ロヘキサノン系)が見出された。これらの樹 を単独でまたは相溶性のあるものを組み合 せて使用すると良好な結果が得られる。ま 、これらの樹脂の何れかと相溶性のある他 樹脂を併用することも出来る。この場合の 脂の使用割合は使用する樹脂の種類や併用 る目的にもよるが、重量比で10/90以上を必 とする。

 本発明のプラズマ滅菌用インジケ-タ-の 着剤として使用する上記のフェノキシ樹脂 してはエポキシ基を全く含まないものが特 好ましい。

 一般に、直鎖状の高重合度のエポキシ樹 をフェノキシ樹脂と呼んでおり、これは分 鎖の末端にエポキシ基をもつが、樹脂の重 度が高いため樹脂中に含まれるエポキシ基 量はかなり少ない。しかし、本発明のプラ マ滅菌用インジケ-タ-の結着剤として使用 るフェノキシ樹脂としては更に分子末端に るエポキシ基を開環させて消失させたエポ シ基を持たないものが好ましい(インジケ-タ -の保存中にエポキシ基がアゾ染料と反応し 若干の変色が起きることによる)。

 以下で実施例により本発明を具体的に説 する。

 (実施例1および2)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:5-メチル-1,3,4-チアジア ゾール-2-チオール 50mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例1で 配合しない、実施例2では4,4’-(α-メチルベ ジリデン)ビスフェノール 2000mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:非結晶性コポリエス ル樹脂(東洋紡社製 バイロン 240) 10000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 20mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.6m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例1および2のプラズマ滅 菌用インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表1のよ うに変色した。

 なおここで、表中の「2分キャンセル処理 」とは、滅菌チャンバーを約0.5torrまで減圧 、その状態で滅菌チャンバー内に高周波エ ルギーを与えてエアプラズマ状態を作り出 、一度復圧した後、再度、約0.4torrまで減圧 た後、過酸化水素を注入し2分間拡散させる 処理のことをいう。また「ショートサイクル 処理」とは、前記「2分キャンセル処理」に けて、過酸化水素を6分間拡散させた後、僅 に減圧した後、高周波エネルギーを与えて 酸化水素の低温プラズマ状態を作り出した 、さらに過酸化水素の注入、8分間拡散、高 周波エネルギー付与、を行う処理のことをい う。これらの用語については、以下全て同じ 意味で使用している。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行ったところ、下記の表2に示す 果が得られた。

 (比較例1および2)
 上記実施例1および2と比較するために、実 例1および2に使用したインク成分で反応性物 質(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール) 配合しないもの(比較例1および2)を作成し、 これを実施例1および2の場合と同様にジョン ン・エンド・ジョンソンメディカル社のプ ズマ滅菌器で滅菌処理したところ、比較例 試料は何れも全く変色せず、処理前の赤色 ままであった。

 (実施例3および4)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾール 100mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例3で 配合しない、実施例4では1,1-ビス-(ヒドロキ フェニル)シクロヘキサン 1800mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:フェノキシ樹脂(米国 、ユニオンカーバイド社製 ペイフェンPKHC)80 00mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 27mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.6m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例3および4のプラズマ滅 菌用インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、米国、ジョンソン・エンド・ ョンソンメディカル社のプラズマ滅菌器(STE RRAD 100S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、お びショートサイクル処理)したところ下記の 3のように変色した。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行ったところ、下記の表4に示す 果が得られた。

 (実施例5および6)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾール 50mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例5で 配合しない、実施例6では1,1’-チオビス-2-ナ フトール 1800mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:ポリエステルポリウ タン樹脂溶液(東洋紡社製 バイロン UR-4800( 32重量%溶液)) 20000mg
(ホ)追加溶剤として:メチルエチルケトン 9mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.6m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例5および6のプラズマ滅 菌用インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表5のよ うに変色した。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行ったところ、下記の表6に示す 果が得られた。

 (実施例7~11)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:5-メチル-1,3,4-チアジア ゾール-2-チオール 30mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例7で 配合しない、実施例8では2,2-ビス(4-ヒドロキ シフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、実 例9では1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)シク ヘキサン[ビスフェノールZ]、実施例10では ス(4-ヒドロキシフェニル)スルホーン[ビスフ ェノールS]、実施例11では4,4’-(α-メチルベン ジリデン)ビスフェノール[ビスフェノールAP] を各1500mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:非結晶性コポリエス ル樹脂(東洋紡社製 バイロン240) 5000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 15mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例7~11のプラズマ滅菌用 インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表7のよ うに変色した。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行ったところ、下記の表8に示す 果が得られた。

 実施例8~11のインジケーターに使用した4種 の多価フェノール化合物は、何れも酸強度 高いものであり、このような酸強度の高い 価フェノール化合物を配合することにより ンジケーターのプラズマ滅菌処理時の変色 が向上する(滅菌処理工程で生じた青色のア 染料が安定化され、滅菌処理工程中に酸化 解され難くなることによる)。しかし、滅菌 処理後のインジケーターの高湿度下安定性に 対しては配合する多価フェノール化合物の親 水性の影響があり、親水性の低いビスフェノ ールZやビスフェノールAPを配合した実施例9 実施例11では耐湿性が向上しているが、親水 性が大きいビスフェノールAやビスフェノー Sを配合した実施例8や実施例10では滅菌処理 の耐湿性が寧ろ低下している。

 (実施例12および13)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾール 30mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例12で 配合しない、実施例13では1,1-ビス-(4-ヒドロ キシフェニル)シクロヘキサン 1800mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:ロジン変性マレイン 樹脂(日立化成ポリマー社製 テスポール1152 ) 16000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 13mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例12および13のプラズマ 滅菌用インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表9のよ うに変色した。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行ったところ、下記の表10に示す 結果が得られた。

 上記の実施例12および13に見られるように、 結着剤としてロジン変性マレイン酸樹脂を使 用したプラズマ滅菌用インジケーターでは一 般にプラズマ滅菌処理時の変色性は良好で変 色後の色調も非常に鮮明であるが、プラズマ 滅菌処理後の色調の高湿度下安定性がやや低 いという特徴がある。

 しかし、上記の23℃、90%RHで1ヶ月という スト条件に代えて、23℃、65%RHの条件下での ストを行なったところ、3ヶ月後でも色調変 化は少なく、特に実施例13では色調変化が殆 起こらないことが判明した。

 (実施例14および15)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:テトラエチルチウラム ジスルフィド 15mg
(ハ)多価フェノール化合物として:実施例14で 配合しない、実施例15では4,4’-(α-メチルベ ンジリデン)ビスフェノール 1800mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:非結晶性コポリエス ル(東洋紡社製 バイロン 240) 10000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 20mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例14および15のプラズマ 滅菌用インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表11の うに変色した。

 上記実施例14のように多価フェノール化合 を配合しない場合には滅菌処理時の変色が 常に遅い(2分キャンセル処理時の色調から) この場合にはプラズマ滅菌工程中に生じた 色のアゾ染料がその滅菌工程中に酸化分解 れて褪色する速度が非常に速いことを意味 ており、この配合で反応性物質であるテト エチルチウラムジスルフィドの配合量を増 しても2分キャンセル処理時の変色性はあま 向上しない。

 実施例15のように多価フェノール化合物を 合したものでは、2分キャンセル処理および ョートサイクル処理で変色している。しか 、この配合でも反応性物質であるテトラエ ルチウラムジスルフィドの配合量をあまり やすとショートサイクル処理時の青色の色 度が低くなる(一旦生じた青色のアゾ染料の 一部が褪色するためと思われる)
 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月間放置 るテストを行なったところ、実施例15のプラ ズマ滅菌後の耐湿性は、2分キャンセル処理 およびショートサイクル処理品共にほとん 変色しておらず良好であった。

 (実施例16~18)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾールを実施例16では100mg、実施例17では、2 00mg、実施例18では 300mg
(ハ)多価フェノール化合物として:1,1-ビス-(4- ドロキシフェニル)シクロヘキサン 2000mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:実施例16ではフェノ シ樹脂(米国、ユニオンカーバイド社製 ペ フェンPKHC)2000mgとアセトフェノン系ケトン樹 脂(本州化学工業社製 ハロン80)8000mg、実施例 17ではフェノキシ樹脂(米国、ユニオンカーバ イド社製 ペイフェンPKHC)2000mgとアセトフェ ン系ケトン樹脂の水素添加物(本州化学工業 製 ハロン110H)8000mg、実施例18ではフェノキ 樹脂(米国、ユニオンカーバイド社製 ペイ ェンPKHC)2000mgとシクロヘキサノン系ケトン 脂(荒川化学工業社製 ケトンレジンK-90)8000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトンを実施例 16では10mL、実施例17では11mL、実施例18では11mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例16~18のプラズマ滅菌 インジケーターを作成した。

 なお、これらの実施例のインジケーター は結着剤として主にケトン樹脂を使用した 、少量のフェノキシ樹脂を併用した理由は の結着剤としての強度を高めるためである

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表12の うに変色した。

 結着剤としてケトン樹脂を使用したインジ ーターは一般にプラズマ滅菌処理時の変色 が良好である。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高 度下での安定性を調べるために、滅菌処理 の試料を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヶ月 放置するテストを行ったところ、下記の表13 に示す結果が得られた。

 結着剤としてシクロヘキサノン系ケトン樹 を使用したインジケーターはプラズマ滅菌 理後の高湿度下安定性も優れている。

 (実施例19~24)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾール 100mg
(ハ)酸性物質として:実施例19では配合しない 実施例20では脂肪族カルボン酸であるマロ 酸 40mg(酸強度が高いためこれ以上配合でき い)、実施例21では脂肪族カルボン酸である レイン酸 20mg(酸強度が高いためこれ以上配 合できない)、実施例22では芳香族カルボン酸 であるp-トルイル-o-安息香酸 1500mg、実施例23 では芳香族カルボン酸である2-ナフトエ酸 80 0mg、実施例24では多価フェノール化合物であ 4,4’-(α-メチルベンジリデン)ビスフェノー  1500mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:クマロン樹脂を主体 し、これに結着剤としての強度を補う目的 少量の非結晶性コポリエステル樹脂を混合 たものを使用。具体的には、非結晶性コポ エステル(東洋紡社製、バイロン 240) 1500mg クマロン樹脂(日塗化学社製、エスクロン V -120) 6000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 10mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例19~24のプラズマ滅菌 インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表14の うに変色した。

 結着剤としてクマロン樹脂を使用したイン ケーターで、酸性物質を配合しない場合に 実施例19に見られるようにプラズマ滅菌処 時の変色性は不良である(プラズマ滅菌処理 に生じた青色のアゾ染料の一部がその滅菌 理工程中に酸化分解され、消失し易いこと 一つの原因であると思われる)。

 なお、ショートサイクル処理で灰色味の 調に変色する理由は、上記のように滅菌処 時の変色が遅いため、ショートサイクル処 で紫色となるのであるが、これにクマロン 脂のやや黄色の色調が加わり、灰色味の紫 なるものと思われる。

 このインジケーターに種々の酸性物質を 合すると、配合する酸性物質の種類により ラズマ滅菌処理時の変色性に差が出てくる

 配合する酸性物質の種類とインジケータ のプラズマ滅菌処理時の変色性向上効果と 関係は、脂肪族カルボン酸の配合ではほと ど効果が出ない(実施例20および21)、芳香族 ルボン酸の配合ではやや効果が見られる(実 施例22および23)、多価フェノール化合物の配 では明瞭な効果が見られる(実施例24)、とい うものであった。

 なお、上記の実施例の中でプラズマ滅菌 理時の変色性が良好であった実施例24のイ ジケーターの滅菌処理後の高湿度下安定性 調べるために、滅菌後の試料を23℃、90%RHの 温恒湿槽中に1ヶ月間放置するテストを行な った結果、2分キャンセル処理品およびショ トサイクル処理品共に色調の変化はほとん 認められず、滅菌処理後の高湿度下安定性 ほぼ良好であった。

 (実施例25~33)
(イ)アゾ染料として:C.Iディスパーズレッド58 20mg
(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾール 150mg
(ハ)酸性物質として:実施例25では配合しない 実施例26では脂肪族カルボン酸であるマレ ン酸 40mg(酸強度が高いためこれ以上配合で ない)、実施例27では芳香族カルボン酸であ p-トルイル-o-安息香酸 1500mg、実施例28では 香族カルボン酸である2-ナフトエ酸 1000mg、 実施例29では芳香族カルボン酸である3,5-ジ-te rt-ブチルサリチル酸 1000mg、実施例30では多 フェノール化合物であるジフェノール酸 100 0mg、実施例31では芳香族カルボン酸であるフ ノールフタリン 1500mg、実施例32では芳香族 カルボン酸であるメチレンジサリチル酸 1000 mg、実施例33では多価フェノール化合物であ 1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ ン 1500mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:非結晶性コポリエス ル(東洋紡社製、バイロン 240) 2000mgと水素 加ロジン(荒川林産化学社製、水添ロジン)  8000mg
(ホ)溶剤として:メチルエチルケトン 10mL
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.45m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例25~33のプラズマ滅菌 インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターは何れもほぼ赤 であったが、ジョンソン・エンド・ジョン ンメディカル社のプラズマ滅菌器(STERRAD 100 S)で滅菌処理(2分キャンセル処理、およびシ ートサイクル処理)したところ下記の表15の うに変色した。

 実施例25~33のインジケーターでは、結着剤 して水素添加ロジンを主体とし、これに結 剤としての強度を補うために少量の非結晶 コポリエステルをブレンドしたものを使用 ている。

 酸性物質を配合しない場合(実施例25)には 、プラズマ滅菌処理時の変色はショートサイ クル処理では青色でなく、薄い紺色に変色し た。このような色調に変色した原因としては 、プラズマ滅菌処理工程で生成した青色のア ゾ染料の一部がその滅菌工程中に酸化分解さ れて褪色し、薄い青色になり、これに水素添 加ロジンの薄い黄色が加わったためと思われ る。

 上表から、配合した酸性物質の種類とイン ケーターのプラズマ滅菌処理時の変色性向 効果との関係は、脂肪族カルボン酸ではほ んど配合効果が見られない(実施例26)、
芳香族カルボン酸では僅かに配合効果が見ら れる(実施例27~29)、多価フェノール化合物で 明瞭な配合効果が見られる(実施例30~33)、と うものであった。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高 度下での安定性を調べるために、滅菌後の 料を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヵ月間放 するテストを行ったところ、下記の表16に示 す結果が得られた。

 (実施例34~38)
(イ)アゾ染料として:実施例34では下記の化学 (1)のものを20mg、実施例35では下記の化学式( 2)のものを20mg、実施例36では下記の化学式(3) ものを20mg、実施例37では下記の化学式(4)の のを20mg、実施例38では下記の化学式(5)のも を20mg、

(ロ)反応性物質として:2-メルカプトベンゾチ ゾールを、実施例34では50mg、実施例35では50 mg、実施例36では50mg、実施例37では100mg、実施 例38では25mg、
(ハ)多価フェノール化合物として:1,1-ビス(4- ドロキシフェニル)シクロヘキサン 1500mg
(ニ)結着剤(樹脂)として:ポリエステルポリウ タン樹脂溶液(東洋紡社 バイロン
 UR-4800) 3.9mL(3.7g)
(ホ)追加溶剤として:メチルエチルケトン 7.7m L
を使用してインクを作成し、それぞれをポリ プロピレン系合成紙(ユポ・コーポレーショ 社製 ユポ FGS-250)の基材上に0.35m/mワイヤー ーで手塗りし、実施例34~38のプラズマ滅菌 インジケーターを作成した。

 これらのインジケーターを、ジョンソン エンド・ジョンソンメディカル社のプラズ 滅菌器(STERRAD 100S)で滅菌処理(2分キャンセ 処理、およびショートサイクル処理)したと ろ下記の表17のように変色した。

 なお、滅菌処理したインジケーターの高湿 下での安定性を調べるために、滅菌後の試 を23℃、90%RHの恒温恒湿槽中に1ヵ月間放置 るテストを行なったところ、何れの試料も とんど色調の変化がなく、滅菌処理後の高 度下安定性は良好であった。