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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC RADIAL TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102667
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a pneumatic radial tire capable of improving the belt durability effectively while retaining the excellent abrasion resistance of a tread surface. On the outer side of the crown area of a toroidal carcass (5) anchored by a pair of bead cores (4) and on the inner side of a tread rubber (7), two belt-reinforcing layers (8a and 8b) made of circumferentially extending reinforcing elements, and a belt (10) formed of two belt layers (9a and 9b) made of individual belt cords extending backward of each other with respect to the tire equatorial plane (E) are individually arranged sequentially from the inner side of the radial direction.The width (w1) of the belt cord entangled areas of the two belt layers (9a and 9b) is set to 65 % to 90 % of the tire width (W), and the maximum width (w0) of the belt-reinforcing layers (8a and 8b) is set to 60 % to 85 % of the tire width (W). The belt radius ratio of the difference (R0 - R1) between the radius (R0) on the tire equatorial plane and the radius (R1) at the belt side edge position of the belt (10) in the position of the tire charged with the regular internal pressure, to the belt half width (w/2) is 0.06 or less.

Inventors:
YOSHIKAWA YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052268
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
YOSHIKAWA YUSUKE (JP)
International Classes:
B60C9/22; B60C9/18; B60C9/20; B60C11/00
Domestic Patent References:
WO2005070533A12005-08-04
Foreign References:
JP2004345437A2004-12-09
JP2003154808A2003-05-27
JP2001191727A2001-07-17
JP2007001105A2007-01-11
JPH04331606A1992-11-19
JPH02208101A1990-08-17
Other References:
See also references of EP 2113398A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 少なくとも一対のビードコアに係留した、トロイド状のカーカスのクラウン域の外側でトレッドゴムの内側に、周方向に延びる補強素子からなる一層以上のベルト強化層と、タイヤ赤道面に対して相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコードからなる二層以上のベルト層にて形成したベルトとのそれぞれを、半径方向内側から順次に配設し、二層以上のベルト層のベルトコード交錯域の幅をタイヤ幅の65~90%、ベルト強化層の幅をタイヤ幅の60~85%とするとともに、タイヤへの正規内圧充填姿勢での、ベルトの、タイヤ赤道面上での半径(Ro)と、ベルト側縁位置での半径(R 1 )との差(R 0 -R 1 )の、ベルト半幅に対するベルト半径比を0.06以下としてなる空気入りラジアルタイヤ。
 ベルト強化層と、それの外周側に隣接するベルト層との、ベルト強化層側縁位置での、それぞれの層厚み中心線間距離を、ベルト強化層の補強素子の径の1.8倍以上7.0倍以下としてなる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
 それぞれのベルト層のベルトコードの、タイヤ赤道面に対する傾斜角度を30~70°の範囲としてなる請求項1もしくは2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
 二層以上のベルト層のベルトコード交錯域の幅を、ベルト強化層の幅より広幅としてなる請求項1~3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
 タイヤへの正規内圧充填姿勢での、トレッド表面の、タイヤ赤道面上での半径(r 0 )とトレッド側縁位置での半径(r 1 )との差(r 0 -r 1 )の、トレッド半幅に対するトレッド半径比を、0.07以下としてなる請求項1~4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
 ベルト強化層と、それの外周側に隣接するベルト層との間のゴム厚みを、その隣接ベルト層の側縁側に向けて漸増させてなる請求項1~5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
 ベルト強化層と、それの外周側に隣接するベルト層との間のゴム厚みを、2~10mmの範囲としてなる請求項1~6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
 ベルト強化層と、それの外周側に隣接するベルト層との間のゴムの引張弾性率を、ベルト強化層の被覆ゴムの引張弾性率以下としてなる請求項1~7のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
Description:
空気入りラジアルタイヤ

 この発明は、トレッド周方向に直線状、 グザグ状等の形態で延在する、コード、フ ラメントその他の補強素子からなるベルト 化層と、それの外周側に重ね合わせて配設 たベルトとを具える、トラック・バス等の 荷重車両用タイヤ、産業車両用タイヤ、建 車両用タイヤ等として用いて好適な空気入 ラジアルタイヤに関するものであり、とく は、トレッド表面の優れた耐摩耗性を確保 つつ、ベルトのセパレーションを効果的に 止する技術を提案するものである。

 ベルトの補強のためのベルト強化層を設 た空気入りラジアルタイヤとしては、たと ば特許文献1に開示されたものがある。

 このタイヤは、少なくとも一対のビードコ により係留されたトロイド状のカーカスを ディ補強とし、このカーカスのまわりにそ 中央円周を含む平面、つまり赤道面に対し 10~40°の傾斜角にて互いに赤道を挟み交差す る多数のコード又はフィラメントを補強要素 とする少なくとも2層の交錯ベルトを有し、 らに、交錯ベルトの下に位置する、少なく も1層よりなり、波形もしくはジグザグ形を す多数のコード又はフィラメントの補強要 を全体として赤道に沿う配向としたストリ プによるクラウン補強層をもそなえること 特徴とするものであり、これによれば、交 ベルトのセパレーションの有効な抑制に寄 するクラウン部強化が、それ自体のセパレ ションの懸念なく、タイヤ製造上の弊害を うことなしに実現されるとする。

特開平2-208101号公報

 しかるに、近年は、車両の高速化、低床 の要求の下で、空気入りタイヤの偏平度が まるにつれて、内圧充填時のトレッド部の 成長が次第に増加する傾向にあり、上述し ような従来技術によっては、このような大 な径成長には十分に対処できないことから 径成長量の増加に起因する、ベルト側縁部 の早期のセパレーション、ひいては、ベル 耐久性の低下の問題が改めて顕在化するに っている。

 そこで、偏平度の高いタイヤでは、トレ ドショルダ部付近での径成長量がとくに多 なることから、周方向に延在する補強素子 らなるベルト強化層を、そのトレッドショ ダ部付近に到るまで広範囲にわたって配設 ることが提案されているも、ベルト強化層 むやみに広幅化したときは、そのベルト強 層と、それの半径方向に隣接して位置する ルト層との間の層間ゴムに、接地時にベル がタイヤ側方からみて、半径方向の内外に げられることで発生する、ベルトの周方向 びが、ベルト強化層とベルト層とで大きく なることを原因とする大きな周方向剪断力 作用することになり、この剪断力が層間セ レーションを惹起することになるという問 があった。

 そして、このような周方向剪断力は、ベ ト層およびベルト強化層の側縁がタイヤ赤 面から遠くなるにつれて、いいかえれば、 れらの層幅が広くなるにつれて大きくなる め、層間セパレーションの発生は、高偏平 のタイヤで、径成長を抑制する目的の下で ベルト強化層の幅を広げるほど重大であっ 。

 この一方で、タイヤ周方向に延在する補強 子からなるベルト強化層は、トレッド表面 摩耗に大きな影響をもつ、トレッド幅方向 よび円周方向の各方向の面内剪断入力に対 る剛性としての面内剪断方向の剛性をほと ど有しておらず、その面内剪断方向の剛性 、二層以上のベルト層のベルトコードの、 イヤ赤道面に対する傾斜角度および、それ れのベルトコードの交錯域の幅によって特 されることになり、この剪断剛性を高める とで、トレッド表面の摩耗量がそれの幅方 に均一化されることになる。
 従って、ベルト強化層およびベルト層を広 化することは、ベルト耐久性の低下をもた すことになる一方で、耐摩耗性とに関して 、交錯ベルト層を広幅化することが必要に るという背反関係が存在することになる。

 そこでこの発明は、これらの点に鑑みて トレッド表面のすぐれた耐摩耗性を確保し つ、ベルト耐久性を有効に向上させること できる空気入りラジアルタイヤを提供する とを目的とする。

 この発明に係る空気入りラジアルタイヤは 少なくとも一対の、場合によっては複数対 ビードコアに係留した、トロイド状のカー ス、すなわち、一枚以上のカーカスプライ らなるラジアル構造のトロイド状カーカス クラウン域の外側で、トレッド表面を形成 るトレッドゴムの内側に、周方向に直線状 ジグザグ状等の形態で延在する、コード、 ィラメントその他の補強素子からなる一層 上のベルト強化層と、タイヤ赤道面に対し 相互に逆方向に延びるそれぞれのベルトコ ドからなる二層以上のベルト層にて形成し ベルトとのそれぞれを、半径方向の内側か 順次に配設し、二層以上のベルト層のベル コード交錯域の幅をタイヤ幅の65~90%の範囲 ベルト強化層の最大幅をタイヤ幅の60~85%の 囲とするとともに、タイヤへの正規内圧充 姿勢での、ベルトの、タイヤ赤道面上での タイヤ軸線からの半径(R 0 )と、ベルト側縁位置での半径(R 1 )との差(R 0 -R 1 )の、ベルト半幅に対するベルト半径比を0.06 下としてなるものである。

 ここで、「タイヤへの正規内圧充填姿勢」 は、タイヤを適用リムに組付けるとともに 規定の空気圧を充填した無負荷状態をいう のとする。
 この場合、「適用リム」とは、タイヤのサ ズに応じて下記の規格に規定されたリムを 「規定の空気圧」とは、下記の規格におい 、最大負荷能力に対応して規定された空気 をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で タイヤに負荷することが許容される最大の 量をいう。
 なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不 性ガスその他に置換することも可能である

 そして規格とは、タイヤが生産または使 される地域に有効な産業規格をいい、たと ば、アメリカ合衆国では"THE TIRE AND RIM ASS OCIATION INC.のYEAR BOOKであり、欧州では、"THE  European Tyre and Rim Technical Organisation のSTANDA RDS MANUAL"であり、日本では日本自動車タイヤ 協会の"JATMA YEAR BOOK"である。

 またここでの、「ベルトの半径(R 0 、R 1 )」とは、複数層のベルト層がともに同一幅 あるときは、ベルトの厚み中心線で測った 径をいい、複数層のベルト層に幅の広狭が るときは、最広幅ベルト層の厚み中心線で った半径をいうものとする。 なお、通常の タイヤでは、半径(R 0 )は、半径(R 1 )以上の寸法となる。

 そしてさらに、「ベルト半幅」とは、タイ 赤道面から、ベルト層のうち最も幅が広い のの側縁までのベルト幅をいうのもとする
 また、タイヤ幅とは、タイヤの総幅から、 イヤ側面の模様、文字などを除いた断面幅 いうものとする。

 このようなタイヤにおいてより好ましく 、ベルト強化層と、それの外周側に隣接す ベルト層との、ベルト強化層側縁位置での それぞれの層厚み中心線間距離を、ベルト 化層の補強素子の径の1.8~7.0倍の範囲とする 。

 また好ましくは、それぞれのベルト層の ルトコードの、タイヤ赤道面に対する傾斜 度を30~70°の範囲とする。

 そしてまた好ましくは、上述したいずれか タイヤにおいて、二層以上のベルト層のベ トコード交錯域の幅を、ベルト強化層の最 幅より広幅とする。
 ここで、三層以上のベルト層のベルトコー が相互に交錯する場合の「ベルトコード交 域の幅」は、いずれか二層のコードの最大 錯幅をいうものとする。

 かかるタイヤでは、タイヤへの内圧充填姿 での、トレッド表面の、タイヤ赤道面上で 半径(r 0 )と、トレッド側縁位置での、タイヤ軸線か の半径(r 1 )との差(r 0 -r 1 )の、トレッドの半幅に対するトレッド半径 を、0.07以下にすることが好ましい。

 以上に述べたタイヤにおいては、ベルト強 層と、それの外周側に隣接するベルト層と 間のゴム厚みを、その隣接ベルト層の側縁 に向けて漸増させること、そのゴム厚みを ベルト幅方向のどの位置で測っても2~10mmの 囲とすること、および、ベルト強化層と、 れの外周側に隣接するベルト層との間のゴ の引張弾性率を、ベルト強化層の被覆ゴム 引張弾性率以下とすることが好ましい。
 なおここでいう、「ゴム厚み」は、ベルト 化層およびベルト層のそれぞれの被覆ゴム 厚みは含まないものとする。

 発明者は、ベルト強化層の幅を可能な限 広幅としてなお、高いベルト耐久性を確保 、併せて、トレッド表面のすぐれた耐摩耗 を実現するべく鋭意研究を行って、以下の うな知見を得た。

 すなわち、周方向に直線状もしくはジグ グ状に延在する補強素子からなるベルト強 層を広幅とした場合に最も問題となるのは ベルト強化層と、それの外周側に隣接する ルト層との間に発生するセパレーションで って、これがベルト耐久性の低下の原因と ることである。つまり、このようなセパレ ションは、ベルト強化層とベルト層との間 とくにはそれらの側縁部分間に、周方向曲 変形により発生するベルトの周方向伸びの いによる周方向変形量の差が存在すること よって、それらの層間ゴムに周方向剪断歪 生じ、これが、ベルト強化層の側縁付近に 裂をもたらし、そして、この亀裂がベルト 化層とベルト層の間で進展することによっ 引き起されるものであり、かかるセパレー ョンの発生によってタイヤは転動不能とな 。

 このことに対しては、周方向の曲げ変形 よって円周方向に大きく伸長変形する、ベ ト層の周方向変形を抑制し、その結果とし 、ベルト強化層との間のトレッド周方向の 形量の差を少なくすることが効果的である とを見い出した。

 また、ベルト層のこの周方向変形に関し、 ルトの、タイヤ赤道面上での、タイヤ軸線 らの半径(R 0 )と、ベルト側縁位置での半径(R 1 )との差(R 0 -R 1 )が大きいと、周方向曲げ変形に対し、その び量は、R 1 がR 0 に対して小さくなればなるほど、ベルト層の 側縁位置が周方向曲げの中立軸の外側になっ て、作用する引張力が大きくなるため、ベル ト側縁位置での周方向伸びが大きくなるのに 対し、半径差(R 0 -R 1 )が十分小さい場合、なかでも、その差(R 0 -R 1 )の、ベルト半幅に対するベルト半径比(差/ベ ルト幅)を0.06以下とした場合には、面内剪断 、ひいては、周方向変形を効果的に抑制で ることを見い出した。

 なお、このベルト半径比は、0.02以上とする ことがより好ましい。
 すなわち、その半径比を0.02未満としたとき は、トレッドショルダ部付近のトレッドゴム ゲージを十分に確保することが難しくなる。

 しかるに、半径差(R 0 -R 1 )をこのように小さく選択した場合にあって 、ベルト強化層の最大幅がタイヤ幅の60%未 では、タイヤの転動に伴う拡径変形による 状変化が大きくなって、タイヤの長期間の 用に対する耐摩耗性の確保が困難になるの 、ここでは、ベルト強化層の最大幅を60%以 とすることで、すぐれたベルト耐久性の実 を担保することとしている。この一方で、 ルト強化層の最大幅を、タイヤ幅の85%を越 る値としたときは、それぞれの層の側縁位 が揃ってしまうおそれが高く、幅方向での 性段差が大きくなるため、ベルト層縁に故 が発生し易くなる。そこでここでは、ベル 強化層の最大幅の上限値を85%としている。

 ところで、二層以上のベルト層のベルト ード交錯域の幅をタイヤ幅の65%未満とした きは、トレッド部側域での面内剪断剛性が 足することになって、トレッド表面に、局 的な摩耗が早期に発生することになるため このタイヤでは、ベルトコード交錯域の幅 タイヤ幅の65%以上とすることで、局部的な 耗の発生を抑制することとしているも、そ 値が90%を越えると、ベルト層の最大幅がト ッド幅を越える幅となって、製造が困難に るという、別個の問題が発生することにな ので、ここでは、その上限値を90%として、 かる問題の発生を防止している。

 以上のようなタイヤにおいて、ベルト強 層と、それの外周側に隣接するベルト層と 、ベルト強化層側縁位置での、それぞれの 厚み中心線間の距離を、ベルト強化層の補 素子、たとえばコードの径の1.8倍以上とし ときは、それらの両層間に十分なゴム厚み 確保して、ベルト層とベルト強化層の周伸 の差で発生する周方向剪断歪を有効に低減 せて、それらの両層間のセパレーションを り効果的に抑制することができる。

 ここで、層厚み中心線間の距離は、コード の7.0倍を上限とすることが好ましい。
 すなわち、コード径の7.0倍を越える値とす と、トレッドショルダ部の総厚みが厚くな すぎて、回転中の発熱量が多くなり、結果 して、耐久性の向上を期し難くなる。

 また、それぞれのベルト層のベルトコード 、タイヤ赤道面に対する傾斜角度を、30~70° の範囲としたときは、ベルト耐久性と、トレ ッド表面の耐摩耗性とを高い次元で両立させ ることができる。
 すなわち、それが30°未満では、別の故障核 となる、交錯層間の周方向剪断歪が増加して 、耐久性の低下のおそれが高くなり、一方、 それが70°を越えると、交錯層の面内剪断剛 が小さくなって、耐摩耗性能が低下するこ になる。

 そして、二層以上のベルト層のベルトコ ド交錯域の幅を、ベルト強化層の最大幅よ 広幅としたときは、ベルト強化層端部での 激な剛性変化を、コード交錯層によって緩 することができる。

 上述したいずれかのタイヤにおいて、タイ への正規内圧充填姿勢での、トレッド表面 、タイヤ赤道面上での、タイヤ軸線からの 径(r 0 )と、トレッド側縁位置での半径(r 1 )との差(r 0 -r 1 )の、トレッド半幅に対するトレッド半径比 、0.07以下とした場合には、トレッドショル 部のゴムゲージを、トレッド中央域と同程 に確保することができる。

 なおここで、ベルト強化層と、それの外 側に隣接するバルト層との間のゴム厚みを その隣接ベルト層の側縁側に向けて漸増さ た場合は、所要の層間間隔を無理なく確保 て、ベルト強化層と隣接ベルト層との間の 方向剪断歪を有利に低減させることができ 。

 また、ベルト強化層と、それの外周側に隣 するバルト層との間のゴム厚みを、2~10mmの 囲としたときは、上記の周方向剪断歪をよ 効果的に低減させることができる。
 すなわち、層間ゴム厚みが2mm未満では、層 ゴムに、十分な歪抑制機能を発揮させるこ が難しく、一方、10mmを越えると、層間ゴム の発熱量が多くなりすぎて、発熱耐久性の低 下が懸念される。

 そしてさらに、ベルト強化層と、それの外 側に隣接するバルト層との間のゴムの引張 性率を、ベルト強化層の被覆ゴムの引張弾 率以下としたときは、柔らかな層間ゴムに 周方向剪断歪を一層有効に吸収させること できる。
 なお、ここでゴムの引張弾性率とは、50%伸 時の引張弾性率(M50)をいうものとする。

この発明の実施の形態を示す部分断面 図および、トレッド半部の幅方向断面図で る。 外層側ベルト強化層と内層側ベルト層 の、ベルト強化層外縁位置でのそれぞれの 厚み中心線間距離を示す拡大図である。 他の実施形態を示す、トレッド半部の 方向断面図である。 さらに他の実施形態を示す同様の幅方 断面図である。 従来例タイヤおよび比較例タイヤを示 断面図である。

符号の説明

1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
6 トレッド表面
7 トレッドゴム
8a,8b 最広幅ベルト強化層
9a,9b ベルト層
10 ベルト
E タイヤ赤道面
W タイヤ幅
w 0   最広幅ベルト強化層幅
w  最広幅ベルト層幅
R 0 、R 1  ベルト半径
r 0 、r 1  トレッド表面半径
w 1  ベルト交錯域幅
w 2  トレッド幅
α,β ベルトコード、傾斜角度
t 層厚み中心線間距離

 図1は、この発明に係る空気入りラジアル タイヤの実施の形態を示す図であり、図1(a) 、タイヤの半部につき、一部を破断除去し 示す部分断面斜視図、図1(b)は、トレッド部 半部を、タイヤへの内圧充填姿勢で示す幅 向断面図である。

 図中1はトレッド部を、2は、トレッド部1 それぞれの側部に連続して、半径方向内方 へ延びる一対のサイドウォール部を、そし 3は、各サイドウォール部2の内周側に連続 るビード部をそれぞれ示す。

 ここでは、ビード部3に配設した、複数対と することができるも、図では一対としたビー ドコア4の周りに、それぞれの側部部分を巻 げて係留した、たとえば、一枚のカーカス ライからなるトロイド状のカーカス5のクラ ン域の外側で、そのカーカス5と、トレッド 部1に配設されてトレッド表面6を形成するト ッドゴム7との間に、トレッド部1の周方向 直線状もしくはジグザグ状、図では直線状 延びるコード、フィラメント等の補強素子 たとえばコードからなる、相互に等幅の二 のベルト強化層8a,8bと、タイヤ赤道面Eに対 て相互に逆方向に延びるそれぞれのベルト ードからなる二層以上、図では二層のベル 層9a,9bからなるベルト10とを半径方向の内方 から順次に配設し、このようなベルト10の 二層のそれぞれのベルト層9a,9bの幅をともに 、最広幅ベルト強化層8a,8bの幅w 0 より広幅とする一方で、外層側のベルト層9b 幅を、最広幅となる内層側のベルト層9aの wより狭幅とし、また、二層のベルト層9a,9b 、ベルトコード交錯域の幅w 1 をタイヤ幅Wの65~90%の範囲とするとともに、 広幅ベルト強化層の幅w 0 をタイヤ幅Wの60~85%の範囲とする。

 またここでは、図示のような、タイヤへの 規内圧充填姿勢での、ベルト10、この実施 態では最広幅のベルト層9aの、タイヤ赤道面 E上での、タイヤ軸線からの半径R 0 と、ベルト側縁位置での、通常はそれより小 さい、同様の半径R 1 との差(R 0 -R 1 )の、ベルト半幅、すなわち、最広幅ベルト の半幅w/2に対するベルト半径比(R 0 -R 1 /w/2)を0.06~0.02の範囲とする。

 このように構成してなる空気入りラジア タイヤでは、先に述べたように、トレッド 面のすぐれた耐摩耗性を確保して、ベルト 久性を有効に向上させることができる。

 かかるタイヤにおいてより好ましくは、 ルト強化層8bと、それの外周側に隣接する ルト層9aとの、ベルト強化層側縁位置での、 それぞれの層厚み中心線間距離、図2に要部 拡大して示すところでは、ベルト強化層8bの 側縁を通る半径方向線分上での、ベルト強化 層8bを形成するコードと、ベルト層9aを形成 るベルトコードとのコード中心線間距離tを ベルト強化層8bのコードの直径dの1.8~7.0倍の 範囲とする。

 なおこの場合は、ベルト強化層8bと、そ の外周側に隣接するベルト層9aとの間に、そ の隣接ベルト層9aの側縁側に向けて厚みが漸 する図示しない間ゴムを介装して、所期し 通りのコード中心間距離tを、十分正確に、 かつ無理なく確保することが好ましい。

 そしてこのような間ゴムを介装させるに っては、その間ゴムの厚みを2~10mmの範囲と ることが、間ゴムに、すぐれた歪抑制機能 発揮させるとともに、間ゴムそれ自体の発 熱量を抑える上で好ましい。

 ところで、このような間ゴムの引張弾性 をベルト強化層の被覆ゴムの引張弾性率以 としたときは、その間ゴムの高い柔軟性の で、歪を一層効果的に吸収させることがで る。

 また好ましくは、それぞれのベルト層9a,9 bのベルトコードの、タイヤ赤道面Eに対する 図1(a)に示すような傾斜角度α,βのそれぞれ 30~70°の範囲とする。

 そしてまた好ましくは、二層以上、図では 層のベルト層9a,9bの、ベルトコード交錯域 幅w 1 を、最広幅ベルト強化層8a,8bの幅woより広幅 する。

 以上に述べたいずれかのタイヤにおいて、 り好ましくは、タイヤへの正規内圧充填姿 での、トレッド表面6の、タイヤ赤道面E上 の、タイヤ軸線からの半径r 0 と、トレッド側縁位置での同様の半径r 1 との差(r 0 -r 1 )の、トレッド幅の半幅w 2 /2に対するトレッド半径比(r 0 -r 1 /w 2 /2)を、0.07以下とする。

 図3は、他の実施形態を示す、図1(b)と同様 幅方向断面図であり、図3(a)に示すものは、 広幅ベルト強化層8a,8bの幅w 0 を、図1に示すものより広幅とすることで、 ベルト強化層8a,8bの側部部分をともに、外層 側のベルト層9bより幅方向の外側へ突出させ とともに、ベルト強化層8a,8bおよびベルト 9a,9b、とくには、それらの側部部分の、図示 の断面内での延在形態を、図1(b)に示すとこ とは若干変更することで、ベルト半径差(R 0 -R 1 )をそれより小さくしたものである。

 また、図3(b)に示すものは、最広幅ベルト強 化層8a,8bの幅w 0 を、図3(a)に示すものと同様とし、ベルト層9a ,9bの幅および延在形態も、図3(a)に示すもの 同様とする一方で、ベルト強化層8a,8bの側部 部分の延在形態を変更することで、ベルト強 化層8bの側縁位置を通る半径方向線分上での ベルト強化層8bを形成するコードと、ベル 層9aを形成するベルトコードとのコード中心 線間距離tを先のいずれの場合よりも大きく たものである。

 さらに他の実施形態を示す図4において、図 4(a)に示すものは、図3(a)に示すものに比し、 層側のベルト層9bの幅を、内層側のベルト 9aよりは狭いものの、最広幅ベルト強化層8a, 8bのそれよりは広くしたものであり、そして 図4(b)に示すものは、図3(b)に示すものに比 て、ベルト強化層8bの側縁位置での、ベルト 強化層8bのコードと、ベルト層9aのベルトコ ドとのコード中心線間距離tを一層大きくす とともに、トレッド表面6のトレッド半径差 (r 0 -r 1 )を、前述したいずれのタイヤよりも小さく たものである。
 また、図4(c)に示すものは、図4(b)に示すも に比し、トレッド半径差(r 0 -r 1 )をわずかに大きくしたものである。

 サイズが435/45 R22.5の実施例タイヤ、従来 例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれを、 14.00×22.5のリムに組付けるとともに、充填空 圧を900kPaとして、ベルト耐久性能および、 レッド表面の耐摩耗性のそれぞれを評価し 。

 ここで、実施例タイヤ1は図1,2に示すトレッ ド部構造を、実施例タイヤ2,3はそ
れぞれ、図3(a)、(b)に示す構造を有するもの し、また、実施例タイヤ4~6はそ
れぞれ、図4(a)、(b)、(c)に示す構造を有する のとした。
そして従来例タイヤは図5(a)に示す構造を、 較例タイヤ1,2はそれぞれ、図5(b)、(c)に示す 造を有するものとした。
 これらのタイヤの寸法諸元は、評価結果と せて、表1に示す。

 なお、ベルト耐久性は、ドラム荷重59.0kN、 ラム速度60.0km/hの条件下で、ドラム走行試 を行って、ベルト強化層とベルト層との間 セパレーションが発生するまでの時間を測 して、指数をもって評価した。
 指数値は大きいほどすぐれた結果を示すも とした。

 また、トレッド表面の耐摩耗性は、トレー ーの駆動輪に供試タイヤを装着し、定積状 のトレーラー車両に連結して、高速道路を5 0000km走行後の、トレッドゴムの最も摩耗しな かった部分と、最も摩耗した部分との摩耗量 の比を求めて評価した。
 指数値は大きいほどすぐれた結果を示すも とした。

 表に示すところによれば、実施例タイヤは ずれもベルト強化層を広幅にしてなお、す れた耐摩耗性を確保しつつ、高いベルト耐 性を発揮し得ることが解かる。
 これに対し、それぞれのベルト層のベルト ードの傾斜角度を、ともに22°とし、ベルト 半径比を0.085とした従来例タイヤおよび、比 例タイヤ1,2では、ベルト耐久性能の低さが めない。