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Patent Searching and Data


Title:
AIR CONDITIONING SYSTEM FOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102668
Kind Code:
A1
Abstract:
An air conditioning system for a vehicle includes a heat pump type cooling device (A) having a first circulation route (1), and also includes a circulation device (B) for heating having a second circulation route (8). A water-cooled condenser (3) in the first circulation route (1) is placed in the second circulation route (8) and releases heat of a first refrigerant to a second refrigerant. A flow path change valve (14) for changing between the radiator (10) side and a radiator bypass flow path (13) is provided in the second circulation route (8). In heating operation, the second refrigerant is caused to flow to the radiator bypass flow path (13) by the flow path change valve (14) and air heated by a heater core (12) is introduced as air conditioned air into a vehicle interior. In cooling operation, the second refrigerant is caused to flow to the radiator by the flow path change valve (14) and air cooled by an evaporator (6) is introduced as air conditioned air into the vehicle interior.

Inventors:
TAKAHASHI TORAHIDE
YOSHIOKA HIROKI
FUJITA TAKASHI
Application Number:
PCT/JP2008/052270
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CALSONIC KANSEI CORP (JP)
TAKAHASHI TORAHIDE
YOSHIOKA HIROKI
FUJITA TAKASHI
International Classes:
B60H1/22
Foreign References:
JPH1134640A1999-02-09
JP2004085176A2004-03-18
JP2002098430A2002-04-05
Other References:
See also references of EP 2072298A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 第1の冷媒が循環する第1循環経路を有するヒートポンプ式冷房装置と、
 第2の冷媒が循環する第2循環経路を有する暖房用循環装置と、を備え、
 前記ヒートポンプ式冷房装置の前記第1循環経路には、第1の冷媒を圧縮するコンプレッサと、前記第2循環経路内に配置され第1の冷媒の熱を第2の冷媒へ放熱させるコンデンサと、第1の冷媒を膨張させる膨張手段と、前記膨張手段で膨張された第1の冷媒と空気との間で熱交換させて空気を冷却するエバポレータと、が設けられ、
 前記暖房用循環装置の前記第2循環経路には、第2の冷媒を循環させるポンプと、第2の冷媒と空気との間で熱交換させて空気を加熱するヒータコアと、第2の冷媒の熱を放熱させる放熱器と、が設けられ、第2の冷媒は流体で、顕熱変化によって熱交換を行うものであり、
 前記放熱器は車室外空気に放熱し、
 前記エバポレータ及び前記ヒータコアは、ファンによって送風を車室内に導入できる空調ダクト内に配置され、前記空調ダクト内の通過空気を空調風として前記車室内に導入する
車両用空調システム。
 前記放熱器をバイパスする放熱器バイパス流路と、
 第2の冷媒を前記放熱器又は前記放熱器バイパス流路へと流すように流路を切り換える流路切換弁と、が設けられた
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記ヒータコアをバイパスするヒータコアバイパス流路と、
 第2の冷媒を前記ヒータコア又は前記ヒータコアバイパス流路へと流すように流路を切り換える流路切換弁と、が設けられた
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記第2循環経路中に、第2の冷媒を加熱するヒータが設けられた
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記コンデンサは、第2循環流路内で、前記ヒータの上流でかつ前記放熱器の下流に設けられている
請求項4に記載の車両用空調システム。
 前記エバポレータで冷却された空調風の少なくとも一部を車室外に排出する排出手段が設けられた
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記エバポレータと前記ヒータコアとは前記空調ダクト内で並列に設けられ、
 前記エバポレータ側へ流れる空調風と前記ヒータコア側へ流れる空調風とを分離する分離手段と、
 前記エバポレータにおいて冷却された空調風と前記ヒータコアにおいて加熱された空調風とを所定の割合で混合させる混合手段と、をさらに備える
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記ファンは、前記エバポレータ側へ空調風を送風する第1のファンと、前記ヒータコア側へ空調風を送風する第2のファンと、を含む
請求項1に記載の車両用空調システム。
 前記第1のファンによって送風される空調風及び前記第2のファンによって送風される空調風のうち、前記エバポレータ側へ流れる空調風と前記ヒータコア側へ流れる空調風との割合を変更可能な配風手段を備える
請求項8に記載の車両用空調システム。
 第1の冷媒は、二酸化炭素である
請求項1に記載の車両用空調システム。
 暖房運転時は、前記流路切換弁の切り換えによって第2の冷媒を前記放熱器バイパス流路へと流し、前記ヒータコアにおいて加熱された空気を空調風として車室内へ導入し、
 冷房運転時は、前記流路切換弁の切り換えによって第2の冷媒を前記放熱器へと流し、前記エバポレータにおいて冷却された空気を空調風として車室内へ導入する
請求項2に記載の車両用空調システム。
 暖房運転時は、前記流路切換弁の切り換えによって第2の冷媒がヒータコアへと流され、
 冷房運転時は、前記流路切換弁の切り換えによって第2の冷媒がヒータコアバイパス流路へと流される
請求項3に記載の車両用空調システム。
 前記ポンプは、前記放熱器の出口側で、且つ、前記放熱器バイパス流路との合流点と、前記コンデンサの位置との間に設けられた
請求項12に記載の車両用空調システム。
Description:
車両用空調システム

 本発明は、暖房と冷房を行うことができ 車両用空調システムに関する。

 関連する車両用空調システムとしては、 開2002-98430号公報(図1、図9、第4実施形態等) 開示されたものがある。この車両用空調シ テムは、第1の冷媒が循環する第1循環流路 有するヒートポンプ式冷房装置と、第2の冷 が循環する第2循環流路を有する暖房用循環 装置とを備えている。

 ヒートポンプ式冷房装置の第1循環流路中 には、コンプレッサと内部熱交換部の放熱部 と室内用熱交換器と膨脹弁と室外用熱交換器 とが設けられている。室内熱交換器は、車室 に開口する空調ダクト内に配置されている。 第1循環流路は、種々のバイパス経路と第1冷 の経路を切り換えるための多数の切換弁を する。

 暖房運転時にあっては、内部熱交換部と 内用熱交換器が第1の冷媒に放熱させるコン デンサとして機能し、室外用熱交換器が第1 冷媒に吸熱させるエバポレータとして機能 、冷房運転時にあっては、室外用熱交換器 第1の冷媒に放熱させるコンデンサとして機 し、室内用熱交換器が第1の冷媒に吸熱させ るエバポレータとして機能するように経路が 切り換えられる。

 暖房用循環装置の第2循環流路には、第2 冷媒を循環させるポンプと内部熱交換部の 熱部とヒータコアが設けられている。ヒー コアは、車室に開口する空調ダクト内に配 されている。

 暖房運転時には、ヒートポンプ式冷房装 の室内用熱交換器とヒータコアを熱源とす 。冷房運転時にはヒートポンプ式冷房装置 室内用熱交換器を冷却源として車室内を暖 し、又、冷房する。

 しかしながら、前記関連する例のように ートポンプ式冷房装置を暖房用と冷房用の 用とすると、第1の冷媒の流路を切り換える ために、多数のバイパス流路及び切換弁など が必要となるため、ヒートポンプ式冷房装置 の構成が複雑になるという問題がある。

 また、特開2002-98430号公報の図1には、第1 冷媒が循環する第1循環流路を有するヒート ポンプ式暖房装置と、第2の冷媒が循環する 2循環流路を有する暖房用給湯水循環装置と 備えたシステムが開示されている。ヒート ンプ式暖房装置の第1循環流路中には、コン プレッサと内部熱交換部の放熱部と高圧側熱 交換器と膨張弁と低圧側熱交換器とが設けら れている。暖房用給湯水循環装置の第2循環 路中には、ポンプと内部熱交換部の受熱部 暖房用ヒータとが設けられている。このシ テムは、ヒートポンプ式暖房装置で得られ 熱を高圧側熱交換器を介して、又は、暖房 給湯水循環装置を介して利用するものであ 、第1の冷媒の流路を切り換えする必要がな ため構成が簡単である。しかし、このシス ムでは、冷房を行うことができない。又、 のシステムは、家庭用の暖房システムであ 、車両用ではない。

 本発明は、上記した関連技術の課題を解 するためになされたものであって、ヒート ンプ式冷房装置を用いて暖房と冷房を行う ステムであって、ヒートポンプ式冷房装置 構成を簡略化できると共に空調システム全 としても簡単な構成である車両用空調シス ムを提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明のア ペクトは、第1の冷媒が循環する第1循環経 を有するヒートポンプ式冷房装置と、第2の 媒が循環する第2循環経路を有する暖房用循 環装置と、を備え、前記ヒートポンプ式冷房 装置の前記第1循環経路には、第1の冷媒を圧 するコンプレッサと、前記第2循環経路内に 配置され第1の冷媒の熱を第2の冷媒へ放熱さ るコンデンサと、第1の冷媒を膨張させる膨 張手段と、前記膨張手段で膨張された第1の 媒と空気との間で熱交換させて空気を冷却 るエバポレータとが設けられ、前記暖房用 環装置の前記第2循環経路には、第2の冷媒を 循環させるポンプと、第2の冷媒と空気との で熱交換させて空気を加熱するヒータコア 、第2の冷媒の熱を放熱させる放熱器とが設 られ、第2の冷媒は流体で、顕熱変化によっ て熱交換を行うものであり、前記放熱器は車 室外空気に放熱し、前記エバポレータ及び前 記ヒータコアは、ファンによって送風を車室 内に導入できる空調ダクト内に配置され、前 記空調ダクト内の通過空気を空調風として前 記車室内に導入する車両用空調システムであ ることを要旨とする。

 本発明の前記アスペクトによれば、ヒー ポンプ式冷房装置の第1の冷媒は、暖房運転 と冷房運転に係わらず第1循環経路を一定の 路で循環させれば良いため、ヒートポンプ 冷房装置の構成が簡単で良い。又、暖房用 環装置もコンデンサから熱を受ける第2の冷 をヒータコアと放熱器を通る経路で循環さ る構成であれば良い。そして、コンデンサ ら受けた熱を放熱器で車室外空気に放熱し り、コンデンサから受けた熱をヒータコア ら車室内に放熱したりすることにより、冷 と暖房を兼用できる。以上より、ヒートポ プ式冷房装置を用いて暖房と冷房を行うシ テムにあって、ヒートポンプ式冷房装置の 成を簡略化できると共に空調システム全体 しても簡単な構成で済む。また、第2循環経 路の冷媒が液体で相変化せずに顕熱変化する ものであるため、熱伝達効率が良くより小型 化が図れる。

 また、前記放熱器をバイパスする放熱器 イパス流路と、第2の冷媒を前記放熱器又は 前記放熱器バイパス流路へと流すように流路 を切り換える流路切換弁と、が設けられてい ても良い。

 前記構成によれば、放熱器を通過させる 否かの経路変更が行えるため、暖房性能の 化を防止できる。

 また、前記ヒータコアをバイパスするヒ タコアバイパス流路と、第2の冷媒を前記ヒ ータコア又は前記ヒータコアバイパス流路へ と流すように流路を切り換える流路切換弁と 、が設けられていても良い。

 前記構成によれば、ヒータコアを通過さ るか否かの経路変更が行えるため、冷房性 の悪化を防止できる。

 また、前記第2循環経路中に、第2の冷媒 加熱するヒータが設けられていても良い。

 前記構成によれば、暖房運転時はヒート ンプ式冷房装置において生じた熱とヒータ よって発生させた熱とを併用して空調風を 熱するため、エンジンなどの大きな熱源を たない車両において、外気温が極低温状態 あっても十分な暖房性能を発揮することが きる。

 また、前記コンデンサは、第2循環流路内 で、前記ヒータの上流でかつ前記放熱器の下 流に設けても良い。

 前記構成によれば、コンデンサはヒータ 上流に設けられるので、表面温度がヒータ り低いコンデンサがヒータより先に第2の冷 媒と熱交換を行うこととなり、コンデンサと 第2の冷媒との温度差を極力大きくとること でき、コンデンサにおける熱交換効率を向 させることができる。

 また、前記エバポレータで冷却された空 風の少なくとも一部を車室外に排出する排 手段が設けられていても良い。

 前記構成によれば、エバポレータにおい 冷却された空調風の少なくとも一部を車室 へと排出する排出手段を備えるので、暖房 転時にあって、低温の空調風がヒータコア よって加熱された高温の空調風と混ざるこ を防止して暖房性能をさらに向上させるこ ができる。

 また、前記エバポレータと前記ヒータコ とは前記空調ダクト内で並列に設けられ、 記エバポレータ側へ流れる空調風と前記ヒ タコア側へ流れる空調風とを分離する分離 段と、前記エバポレータにおいて冷却され 空調風と前記ヒータコアにおいて加熱され 空調風とを所定の割合で混合させる混合手 と、をさらに備えても良い。

 前記構成によれば、エバポレータとヒー コアとは空調ダクト内で並列に設けられ、 バポレータ側へ流れる空調風とヒータコア へ流れる空調風とを分離する分離手段と、 バポレータにおいて冷却された空調風とヒ タコアにおいて加熱された空調風とを所定 割合で混合させる混合手段とを備えるので 搭乗者の設定温度や外気温に基づいて空調 の吹き出し温度を所望の温度に設定するこ ができる。

 また、前記ファンは、前記エバポレータ へ空調風を送風する第1のファンと、前記ヒ ータコア側へ空調風を送風する第2のファン 、を含んでも良い。

 前記構成によれば、ファンは、エバポレ タ側へ空調風を送風する第1のファンと、ヒ ータコア側へ空調風を送風する第2のファン によって構成されるので、2つのファンの出 を制御することで、暖房性能及び冷房性能 制御することができる。

 また、前記第1のファンによって送風され る空調風及び前記第2のファンによって送風 れる空調風のうち、前記エバポレータ側へ れる空調風と前記ヒータコア側へ流れる空 風との割合を変更可能な配風手段を備えて ても良い。

 前記構成によれば、第1のファンによって 送風される空調風及び第2のファンによって 風される空調風のうち、エバポレータ側へ れる空調風とヒータコア側へ流れる空調風 の混合割合を変更可能な配風手段を備える で、車室内へ吹き込まれる温風又は冷風の 量を調整することができ、暖房性能及び冷 性能をより細かく制御することができる。 た、配風手段によってエバポレータ側の流 又はヒータコア側の流路を完全に閉塞して ァンを並列運転させることで、最大風量を 大させることができる。

 また、第1の冷媒は、二酸化炭素であって も良い。

 前記構成によれば、第1の冷媒は二酸化炭 素であるので、極低温状態でも飽和圧力が高 く、その分冷媒の流量をより確実に確保する ことができる。

 また、暖房運転時は、前記流路切換弁の り換えによって第2の冷媒を前記放熱器バイ パス流路へと流し、前記ヒータコアにおいて 加熱された空気を空調風として車室内へ導入 し、冷房運転時は、前記流路切換弁の切り換 えによって第2の冷媒を前記放熱器へと流し 前記エバポレータにおいて冷却された空気 空調風として車室内へ導入しても良い。

 前記構成によれば、暖房用循環装置の第2 の冷媒を暖房運転と冷房運転によって放熱器 を通過させるか否かの経路変更を行えば良い ため、比較的構成が簡単である。ヒートポン プ式冷房装置を用いて暖房と冷房を行うシス テムにあって、ヒートポンプ式冷房装置の構 成を簡略化できると共に空調システム全体と しても簡単な構成で済む。

 また、暖房運転時は、前記流路切換弁の り換えによって第2の冷媒がヒータコアへと 流され、冷房運転時は、前記流路切換弁の切 り換えによって第2の冷媒がヒータコアバイ ス流路へと流されても良い。

 前記構成によれば、冷房運転時にあって 、ヒータコアで第2の冷媒が放熱するのを回 避できるため、エバポレータを通過した空調 風がヒータコア内を通過するような構造であ ってもエバポレータにおいて冷却された空調 風がリヒートされることがない。

 また、前記ポンプは、前記放熱器の出口 で、且つ、前記放熱器バイパス流路との合 点と、前記コンデンサの位置との間に設け れても良い。

 前記構成によれば、暖房運転時に、流路 換弁の故障等によって第2の冷媒がヒータコ アバイパス流路を通って流れた場合にも、放 熱器バイパス流路を流れ、その流通過程で温 度が低下された第2の冷媒をポンプが吸い込 ことになるため、ヒータで加熱された直後 第2の冷媒をポンプが吸い込むことを防止で 、ポンプの信頼性・耐久性が向上する。

本発明の第1実施形態に係る車両用空調 システムのシステム構成図である。 本発明の第1実施形態に係る暖房運転時 の空調ダクトの構成を示す構成図である。 本発明の第1実施形態に係る冷房運転時 の空調ダクトの構成を示す構成図である。 本発明の第2実施形態に係る暖房運転時 の空調ダクトの構成を示す構成図である。 本発明の第2実施形態に係る冷房運転時 の空調ダクトの構成を示す構成図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用空調 システムのシステム構成図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用空調 システムのシステム構成図である。

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 説明する。以下の図面の記載において、同 又は類似の部分には同一又は類似の符号を している。但し、図面は模式的なものであ 、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの 率等は現実のものとは異なることに留意す きである。

(第1実施形態)
 図1は本実施形態における車両用空調システ ムのシステム構成図である。本実施形態の車 両用空調システムは、ヒートポンプ式冷房装 置Aと暖房用循環装置Bとを組み合わせたもの ある。

 ヒートポンプ式冷房装置Aは、第1の冷媒 しての二酸化炭素が封入された第1循環経路1 を有し、この第1循環経路1中に、コンプレッ 2,コンデンサである水冷コンデンサ3、内部 交換器4,膨張手段である膨張弁5、エバポレ タ6及びアキュームレータ7を順に備えて構 される。

 コンプレッサ2は、吸入した比較的低温低 圧の第1の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒と て吐出する。

 水冷コンデンサ3は、下記する第2循環経 8中の機器収容室15内に配置されており、コ プレッサ2から圧送された第1の冷媒を第2の 媒によって冷却する。すなわち、水冷コン ンサ3において第1の冷媒と第2の冷媒との間 熱交換が行われ、第2の冷媒は第1の冷媒によ って加熱される。

 内部熱交換器4は、水冷コンデンサ3から 出された第1の冷媒とアキュームレータ7から 送出されたより冷温の第1の冷媒との間で熱 換させ、水冷コンデンサ3から送出された第1 の冷媒はさらに冷却される。

 膨張弁5は、内部熱交換器4を通過した第1 冷媒を膨張(減圧)させて低温低圧のガスと てエバポレータ6へと送出する。

 エバポレータ6は、膨張弁5から送出され 第1の冷媒とエバポレータ6と通過する空気と を熱交換させ、エバポレータ6を通過する空 は第1の冷媒によって冷却される。

 アキュームレータ7は、エバポレータ6か 送出された第1の冷媒を気液分離して気相状 の第1の冷媒のみを内部熱交換器4へと送出 、液相状態の第1の冷媒を一時的に貯留する

 暖房用循環装置Bは、第2の冷媒としての や不凍液などの液体が封入された第2循環経 8を有し、この第2循環経路8中に、ポンプ9、 放熱器10、機器収容室15及びヒータコア12が順 に設けられている。機器収容室15は、第2循環 経路8よりも大きな断面積を有するスペース あり、この内部に上記した水冷コンデンサ3 共にヒータである電気ヒータ11が収納され いる。

 ポンプ9は、第2の冷媒を第2循環経路8内に 循環させるため、吸入した第2の冷媒を加圧 て圧送する。ポンプ9で圧送された液体の冷 は、相変化することなく液相のまま第2循環 経路8内を循環し、熱交換により顕熱変化す 。

 放熱器10は、第2の冷媒の熱を外気に放熱 せるものであり、電動ファンや走行風によ て外気が吹き付けられ、第2の冷媒と外気と の間で熱交換が行われる。

 電気ヒータ11は、水冷コンデンサ3の下流 に設けられ、通電することで発熱して第2の 冷媒を加熱する。

 ヒータコア12は、第2の冷媒とヒータコア1 2を通過する空気とを熱交換させることで、 ータコア12を通過する空気を加熱する。

 第2循環経路8には、放熱器10をバイパスす る放熱器バイパス流路13が設けられ、放熱器 イパス流路13の上流側に設けられた流路切 弁14を切り換えることで、第2の冷媒の流れ 放熱器10側又は放熱器バイパス流路13側へと り換えることができる。

 次に、第1実施形態における車両用空調シ ステムの暖房運転時及び冷房運転時における 動作について説明する。

 暖房運転時及び冷房運転時においてとも ヒートポンプ式冷房装置Aは作動しており、 第1の冷媒が第1循環経路1を一定の経路で循環 し、水冷コンデンサ3を流れる高温の第1の冷 によって第2の冷媒は加熱される。

 暖房運転時は、水冷コンデンサ3によって 加熱されて高温となった第2の冷媒がヒータ ア12を流れることでヒータコア12を通過する 気が加熱され、車室内に温風を取り入れる とができる。また、ヒータコア12で放熱し 第2の冷媒からのさらなる放熱を防止するた に、流路切換弁14を切り換えて第2の冷媒を 熱器バイパス流路13側へ流す。これにより 2の冷媒は放熱器10において放熱することな 、再度水冷コンデンサ3によって加熱される

 この暖房運転時にあって、電気ヒータ11 オンすれば、水冷コンデンサ3によって加熱 れた第2の冷媒が更に加熱されるため、強力 な暖房性能が得られる。エバポレータ6を通 する空気は冷却されるので、車室内には流 せずエンジンルームなどに排出する。

 冷房運転時は、電気ヒータ11をオフにす とともに、流路切換弁14を切り換えて第2の 媒を放熱器10側へ流す。これにより、水冷コ ンデンサ3において吸熱した第2の冷媒を放熱 10において放熱させることができる。

 つまり、ヒートポンプ式冷房装置Aを作動 させることで冷房運転すると共に水冷コンデ ンサ3によって第2の冷媒を加熱し、空調シス ムとしてヒータコア12による熱が必要なと にはヒータコア12を通過した温風を車室内に 取り入れ、空調システムとして第2の冷媒の が不要なときには放熱器10で放熱するように 流路切換弁14を切り換えれば良い。そして、 率的に最大能力の暖房を行うときには、流 切換弁14で第2の冷媒を放熱器10に流通させ 、放熱器バイパス流路13に流通させるように すれば良い。

 次に、第1実施形態における車両用空調シ ステムの空調ダクト20の構成について図2、図 3を用いて説明する。図2、図3は空調ダクト20 構成を示す概略構成図であり、図2は暖房運 転時、図3は冷房運転時の構成を示す。

 空調ダクト20にはブロアファン21が設けら れ、内気又は外気を取り込んで空調ダクト20 ら車室内へと送風する。空調ダクト20内の 部は、分離手段である仕切板22によって平行 する2つの流路23,24に分離され、一方の流路23 はエバポレータ6、他方の流路24にはヒータ ア12が互いに並列に設けられている。これ より、空調ダクト20に吸入された空調風のう ち流路23へ流れる空調風はエバポレータ6によ って冷却され、流路24へ流れる空調風はヒー コア12によって加熱される。

 混合手段であるミックスドア25は、仕切 22の下流端に設けられている。ミックスドア 25は、エバポレータ6側の流路23又はヒータコ 側の流路24を閉塞可能な弁である。空調ダ ト20の側面の一部には、空調ダクト20と車室 、例えばエンジンルームとを連通させるバ パスドア26が設けられ、ミックスドア25がエ バポレータ6側の流路23を閉塞するとき、バイ パスドア26が開いてエバポレータ6によって冷 却された空調風を車室外へ排出させる。空調 ダクト20の下流端には空調ダクト20と車室内 を連通させる配風手段である複数のモード ア27が設けられ、開放するモードドア27の組 合わせを変えることで空調風を車室内の所 の位置へ送風することができる。

 次に、空調ダクト20の暖房運転時及び冷 運転時における動作について説明する。

 図2に示すように暖房運転時は、ミックス ドア25によってエバポレータ6側の流路23が閉 され、バイパスドア26を開放することで、 バポレータ6を通過した冷温の空調風を車室 へと排出する。さらに、モードドア27の少 くとも1つを開放させてヒータコア12を通過 た高温の空調風を車室内に送風する。

 図3に示すように冷房運転時は、ミックス ドア25によってヒータコア12側の流路24が閉塞 される。さらに、バイパスドア26は閉塞され モードドア27の少なくとも1つを開放させて バポレータ6を通過した低温の空調風を車室 内に送風する。

 また、暖房運転時及び冷房運転時におい 、ミックスドア25の開度を調節することで バポレータ6を通過した低温の空調風とヒー コア12を通過した高温の空調風との混合割 を変えて、空調風の車室内への吹き出し温 を調節することができる。

 以上、第1実施形態では、ヒートポンプ式 冷房装置Aの第1の冷媒は、暖房運転と冷房運 に係わらず第1循環経路1を一定の経路で循 させれば良いため、ヒートポンプ式冷房装 Aの構成が簡単で良い。又、暖房用循環装置B も水冷コンデンサ3から熱を受ける第2の冷媒 ヒータコア12と放熱器10を通る経路で循環さ せる構成とすれば良い。そして、第1実施形 のように、水冷コンデンサ3から受けた熱を 熱器10で車室外空気に放熱したり、水冷コ デンサ3から受けた熱をヒータコア12から車 内に放熱したりすることにより、冷房と暖 を兼用できる。以上より、ヒートポンプ式 房装置Aを用いて暖房と冷房を行うシステム あって、ヒートポンプ式冷房装置Aの構成を 簡略化できると共に空調システム全体として も簡単な構成で済む。

 また、第2循環経路8の冷媒が液体で相変 せずに顕熱変化するものであるため、熱伝 効率が良くより小型化が図れる。

 第1実施形態では、第2循環経路8には、放 器10をバイパスする放熱器バイパス流路13と 、第2の冷媒を放熱器10又は放熱器バイパス流 路13へと流すように流路を切り換える流路切 弁14とが設けられている。従って、放熱器10 を通過させるか否かの経路変更が行えるため 、暖房性能の悪化を防止できる。

 第1実施形態では、暖房運転時はヒートポ ンプ式冷房装置Aにおいて生じた熱と電気ヒ タ11によって発生させた熱とを併用して空調 風を加熱することができるため、エンジンな どの大きな熱源を持たない車両において、外 気温が極低温状態であっても十分な暖房性能 を発揮することができる。

 第1実施形態では、コンデンサ3は水冷式 あるため、空冷式に比べて熱伝達効率が高 ためにコンパクト化でき、第1の冷媒の通路 抗を減少させることができる。よって、通 抵抗が減少した分だけコンプレッサ2の所要 動力が小さくなり、コンプレッサ2の駆動力 省力化できるとともにコンプレッサ2を小型 することができる。

 さらに、水冷コンデンサ3は電気ヒータ11 上流側に配置されるので、表面温度が電気 ータ11より低い水冷コンデンサ3が電気ヒー 11より先に第2の冷媒と熱交換を行うことと り、水冷コンデンサ3と第2の冷媒との温度 を極力大きくとることができ、水冷コンデ サ3における熱交換効率を向上させることが きる。

 さらに、暖房運転時、ミックスドア25に ってエバポレータ6側の流路23を閉塞してバ パスドア26を開放することでエバポレータ6 通過した空調風を空調ダクト20から車室外へ と排出するので、低温の空調風がヒータコア 12によって加熱された高温の空調風と混ざる とを防止して暖房性能をさらに向上させる とができる。

 さらに、エバポレータ6において冷却され た空調風とヒータコア12において加熱された 調風とをミックスドア25の開度を変えるこ で所定の割合で混合させるので、搭乗者の 定温度や外気に基づいて空調風の吹き出し 度を所望の温度に設定することができる。

 さらに、第1の冷媒として二酸化炭素を使 用するので、極低温状態でも飽和圧力が高く 、その分第1の冷媒の流量をより確実に確保 ることができる。

(第2実施形態)
 第2実施形態では車両空調システムのうち、 ヒートポンプ式冷房装置Aと暖房用循環装置B からなる構成は第1実施形態と同一であり、 空調ダクト20の構成が異なる。図4、図5は空 ダクト20の構成を示す概略構成図であり、図 4は暖房運転時、図5は冷房運転時の構成を示 。

 第2実施形態の空調ダクト20にはブロアフ ン30,31が2つ並列に設けられ、一方のブロア ァン30はエバポレータ6側の流路23、他方の ロアファン31はヒータコア12側の流路24に送 しやすいように設けられる。仕切板22の上流 端には、配風ドア32が設けられ、配風ドア32 角度を変えることで一方のブロアファン30か らの風量と他方のブロアファン31からの風量 の配風比率を変更することができる。

 図4に示すように暖房運転時は、ミックス ドア25によってエバポレータ6側の流路23が閉 され、バイパスドア26を開放することで、 バポレータ6を通過した冷温の空調風を車室 へと排出する。さらに、モードドア27の少 くとも1つを開放させてヒータコア12を通過 た高温の空調風を車室内に送風する。

 図5に示すように冷房運転時は、ミックス ドア25によってヒータコア12側の流路24が閉塞 される。さらに、バイパスドア26は閉塞され モードドア27の少なくとも1つを開放させて バポレータ6を通過した低温の空調風を車室 内に送風する。

 また、配風ドア32の角度を変えてエバポ ータ6側の流路23又はヒータコア12側の流路24 の配風比率を変化させることで、車室内へ き込まれる温風又は冷風の風量を調整する とができる。例えばフルクール時には、図5 に示すように配風ドア32によってヒータコア1 2側の流路24を完全に閉塞することで、ブロア ファン30,31の風量全てをエバポレータ6側へ送 風して車室内へ吹き出すことができる。

 また、2つのブロアファン30,31の出力を制 することで、エバポレータ6側からの冷風及 びヒータコア12側からの温風の風量を制御す ことができ、これによっても車室内への吹 出し温度を調節して暖房性能及び冷房性能 制御することができる。

 第2実施形態では、空調ダクト20内にブロ ファン30,31を2つ設け、一方のブロアファン3 0はエバポレータ6側に送風し、他方のブロア ァン31はヒータコア12側に送風するので、2 のブロアファン30,31の出力を制御することで 、暖房性能及び冷房性能を制御することがで きる。

 さらに、配風ドア32の角度を変えてエバ レータ6側の流路23又はヒータコア12側の流路 24への配風比率を変化させるので、車室内へ き込まれる温風又は冷風の風量を調整する とができ、暖房性能及び冷房性能をより細 く制御することができる。また、配風ドア3 2によってエバポレータ6側の流路23又はヒー コア12側の流路24を完全に閉塞してブロアフ ン30,31を並列運転させることで、最大風量 増大させることができる。

(第3実施形態)
 図6は第3実施形態における車両用空調シス ムのシステム構成図である。図6に示すよう 、第3実施形態と第1実施形態とを比較する 、第3実施形態では膨張弁5とエバポレータ6 の間に流路切換弁42が設けられている。流路 切換弁42によって第1の冷媒をモータ40やイン ータ41を経由してからエバポレータ6に戻す とができるようになっている。

 他の構成は、第1実施形態と同様であるた め、同一構成箇所には同一符号を付してその 説明を省略する。

 流路切換弁42を用いて、暖房運転時には 張弁5を通過した第1の冷媒をモータ40やイン ータ41を経由してからエバポレータ6へ送る うに流路を切り換える。これにより、第2の 冷媒をモータ40やインバータ41において発生 た熱によっても加熱することができるので 暖房能力をさらに向上させることができる

(第4実施形態)
 図7は第4実施形態における車両用空調シス ムのシステム構成図である。図7に示すよう 、第4実施形態では、第2循環経路8中に、ヒ タコア12をバイパスするヒータコアバイパ 流路50と、第2の冷媒をヒータコア12又はヒー タコアバイパス流路50へと流すように流路を り換える流路切換弁51とが設けられている そして、暖房運転時には、流路切換弁51の切 り換えによって第2の冷媒をヒータコア12へと 流し、冷房運転時には、流路切換弁51の切り えによって第2の冷媒をヒータコアバイパス 流路50へと流すよう制御される。

 ポンプ9は、放熱器10の出口側で、且つ、 熱器バイパス流路13との合流点aと、水冷コ デンサ3が配置された位置との間に設けられ ている。

 他の構成は、第1実施形態と同様であるた め、同一構成箇所には同一符号を付してその 説明を省略する。

 第4実施形態では、冷房運転時にあっては 、ヒータコア12で第2の冷媒が放熱するのを回 避できるため、エバポレータ6を通過した空 風がヒータコア12内を通過するような構造で あってもエバポレータ6において冷却された 調風がリヒートされることがない。

 第4実施形態では、暖房運転時に、流路切 換弁51の故障等によって第2の冷媒がヒータコ アバイパス流路50を通って流れた場合にも、 熱器バイパス流路13を流れ、その流通過程 温度が低下された第2の冷媒をポンプ9が吸い 込むことになるため、電気ヒータ11で加熱さ た直後の高温の第2の冷媒をポンプ9が吸い むことを防止できるため、ポンプ9の信頼性 耐久性が向上する。

 ポンプ9は、水冷コンデンサ3と電気ヒー 11との間の位置に設けても良い。

(変形例)
 前記各実施形態では、ヒータとして電気ヒ タ11を使用しているが、燃焼ヒータなどを いても同様の作用・効果を得ることができ 。

 前記各実施形態では、第1の冷媒として二 酸化炭素を、第2の冷媒として水や不凍液な の液体をそれぞれ使用しているが、これら 外を冷媒として使用しても良い。

 前記各実施形態では、空調ダクト20内の バポレータ6及びヒータコア12が並列に配置 れているが、除湿暖房の効果をあげるため エバポレータ6を上流側とした直列配列にし も良い。また、図示されていないが、ブロ ファン21,30,31への導入空気は車室内、車室 から適宜導入可能にしたもので、エバポレ タ6を通過し冷却された空気をエンジンルー などに排出する場合は、排出に見合った車 からの空気導入をすることが望ましい。

 上記のように、本発明は実施形態によっ 記載したが、本発明はこれに限定されるも ではなく、各部の構成は、同様の機能を有 る任意の構成のものに置き換えることがで る。

産業上の利用の可能性

 ヒートポンプ式冷房装置を用いて暖房と 房を行うシステムにあって、ヒートポンプ 冷房装置の構成を簡略化できると共に空調 ステム全体としても簡単な構成である車両 空調システムを提供することができる。