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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114668
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a pneumatic tire (1), in which turbulent flow creating ridges (10) extending from the inner circumference side to the outer circumference side are formed at intervals in the tire circumference direction on the outer circumference (3a) or the tire surface of a tire side portion (3). The pneumatic tire is characterized in that the turbulent flow creating ridges (10) have edge portions (10g), as viewed in the sectional shape (or the ridge width section shape) cut in the direction perpendicular to the extending direction, and in that the front wall angle θ1, which is made between the front wall faces (10a) of the turbulent flow creating ridges (10) to be hit by an air flow and the tire surface (or the outer circumference (3a)), is set within a range of 70° to 110° .

Inventors:
YAMAGUCHI MASASHI
Application Number:
PCT/JP2008/054535
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
YAMAGUCHI MASASHI
International Classes:
B60C13/00; B60C11/04; B60C11/13; B60C17/00
Foreign References:
JPH08337104A1996-12-24
JP2006248317A2006-09-21
JP2006248318A2006-09-21
JP2006076431A2006-03-23
Other References:
See also references of EP 2141031A4
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 タイヤ表面に、内周側から外周側に向かって延在される乱流発生用突起をタイヤ周方向に間隔を置いて設けた空気入りタイヤであって、
 前記乱流発生用突起は、延在方向に対する直交方向で切断した断面形状で見たときにエッジ部を有し、
 空気流が突き当たる前記乱流発生用突起の前壁面と前記タイヤ表面とがなす前壁角度は、70°~110°の範囲に設定されることを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状は、左右対称形であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 タイヤ回転方向に対して前記前壁面の後方に位置する後壁面と前記タイヤ表面とがなす後壁角度は、90°以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状は、左右非対称形であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状における下辺幅は、0.5mm~5mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の高さをh、タイヤ半径をRとすると、0.03≦h/R 1/2 ≦0.64の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の高さをh、タイヤ半径をRとすると、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64の関係を満足することを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状は、台形であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状は、三角形であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状における前記前壁面は、フラット面であり、
 前記乱流発生用突起の前記断面形状において、タイヤ回転方向に対して前記前壁面の後方に位置する後壁面は、円弧面であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の前記断面形状は、段差を有する段付き形状であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起には、延在方向に対する直交方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起の高さをh、タイヤ回転方向に隣接する前記乱流発生用突起のピッチをp、前記断面形状における前記乱流発生用突起の下辺幅をwとしたときに、1.0≦p/h≦50.0、かつ、1.0≦(p-w)/w≦100.0の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起のタイヤ径方向に対して傾く角度である傾斜角θは、-70°≦θ≦70°の範囲に設定されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起は、タイヤサイド部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記サイドタイヤ部には、前記タイヤサイド部を補強するサイドウォール補強層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 重荷重用タイヤであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記乱流発生用突起は、トレッド部に形成される溝に設けられることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤに関し、特に 特に劣化が生じやすいタイヤサイド部の温 低減を図ることができる空気入りタイヤに する。

 一般に、空気入りタイヤにおけるタイヤ 度の上昇は、材料物性の変化などの経時的 化を促進したり、高速走行時にはトレッド の破損などの原因になり、耐久性の観点か 好ましくないとされている。特に、重荷重 の使用となるオフザロードラジアルタイヤ( ORR)や、トラック・バスラジアルタイヤ(TBR)、 パンク走行時(内圧0kPa走行時)のランフラット タイヤにおいては、耐久性を向上させるため に、タイヤ温度を低減させることが大きな課 題となっている。

 例えば、トレッド幅方向の断面形状が三 月状のサイドウォール補強層を有するラン ラットタイヤでは、パンク走行時にタイヤ 方向の変形がサイドウォール補強層に集中 て、該サイドウォール補強層が非常に高温 達してしまい、耐久性に多大な影響を与え いる。

 このような空気入りタイヤにおけるタイ 温度、特に、タイヤサイド部の温度を低減 せる手段として、空気入りタイヤの各構成 材(特に、サイドウォール部に位置するカー カス層やビード部など)の歪みを低減する補 部材を設ける技術が開示されている(特開2006 -76431号公報)。

 また、空気入りタイヤにおけるタイヤ温 を低減させる他の手段として、リムと接す ビード部のトレッド幅方向外側に、多数の ッジが配置されるリムガードを備えた空気 りタイヤも知られている。

 しかしながら、上述した補強部材が設け れる従来の空気入りタイヤの場合、補強部 が設けられることで、タイヤ重量の増加に り補強部材でセパレーション(剥離)など意 しない新たな故障の発生してしまう。この とにより、操縦安定性や乗り心地性等の通 走行性能を悪化させてしまうという問題が った。特に、ランフラットタイヤでは、通 内圧走行時の縦バネ(タイヤ縦方向の弾力性) が高まり、通常走行性能を悪化させることが 懸念され、この通常走行性能を損なわない手 法が求められていた。

 一方、リムガードが設けられる空気入り イヤの場合、タイヤの表面積を増やして放 を促進させるものの、空気入りタイヤの外 側は熱伝導性の低いゴム材が配置されてい ため、単にタイヤ表面積を増加させただけ は効率良くタイヤサイド部を放熱すること できなかった。

 そこで、本発明は、このような状況に鑑 てなされたものであり、効率の良い放熱に ってタイヤ温度、特に、タイヤサイド部内 温度低減を図り、耐久性を向上させること できる空気入りタイヤを提供することを目 とする。

 本発明は、次のような特徴を有している まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、タ イヤ表面に、内周側から外周側に向かって延 在される乱流発生用突起をタイヤ周方向に間 隔を置いて設けた空気入りタイヤであって、 乱流発生用突起が、延在方向に対する直交方 向で切断した断面形状で見たときにエッジ部 を有し、空気流が突き当たる乱流発生用突起 の前壁面とタイヤ表面とがなす前壁角度が、 70°~110°の範囲に設定されることを要旨とす 。

 かかる特徴によれば、空気入りタイヤが 転すると、タイヤ表面には相対的にほぼタ ヤ周方向に沿って流れる空気流が発生する この空気流は、乱流発生用突起によって乱 となってタイヤ表面を流れ、該タイヤ表面 積極的な熱交換を行う。

 タイヤ表面を流れる乱流の流れを詳しく 明すると、空気流は、乱流発生用突起の位 では上昇し、乱流発生用突起の存在しない 置では下降する上下乱流となる。特に、乱 発生用突起がエッジ部を有していることに って、空気入りタイヤの回転に伴い空気流 乱流発生用突起を乗り越える際に、タイヤ 面から剥離され易い。このため、タイヤ表 から一旦剥離された空気流は、乱流発生用 起のタイヤ回転方向後側(下流側)で発生す 負圧により急激にタイヤ表面に下降して衝 する乱流となり、タイヤ表面との熱交換を 進させることができる。

 また、乱流発生用突起の前壁角度θ1が70° ~110°の範囲に設定されることによって、上下 乱流は、エッジ部で剥離する空気の角度をあ る程度大きくすることができ、乱流発生用突 起の下流側で激しい下降流となってタイヤ表 面に突き当たるため、タイヤ表面と積極的な 熱交換が行われる。これにより、タイヤ表面 に設けられた乱流発生用突起によって、タイ ヤ温度の低減を確実に図ることができ、耐久 性を向上させることができる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状が、左右対称形であることを 旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 起幅断面形状が左右対称形であることによ て、突起幅断面における乱流発生用突起の 心位置から乱流発生用突起の表面までの距 が左右均等となるため、乱流発生用突起内 蓄熱量を極力小さくすることができる。

 その他の特徴に係る発明は、タイヤ回転 向に対して前壁面の後方に位置する後壁面 タイヤ表面とがなす後壁角度が、90°以上で あることを要旨とする。

 かかる特徴によれば、上下乱流の発生に 響がない後壁面の後壁角度θ2が90°以上に設 定されることによって、乱流発生用突起のゴ ム肉厚を高さ方向に向かって徐々に削減でき るため、下辺幅の寸法を確保して乱流発生用 突起の剛性を維持しつつ、乱流発生用突起内 の蓄熱を低減できると共に乱流発生用突起の ゴム量を削減できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起に断面形状が、左右非対称形であること 要旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 面形状が左右非対称形であることによって 乱流が発生するために最も適した前壁角度 1を設定でき、かつ、後壁面側で乱流発生用 起内の蓄熱を低減できると共に乱流発生用 起のゴム量を削減できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状における下辺幅が、0.5mm~5mmの 囲に設定されることを要旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 辺幅が0.5mm~5mmの範囲に設定されることによ て、乱流発生用突起内の蓄熱量が多くなり ぎることを極力防止しつつ、放熱特性の向 を図ることができる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用突 の高さをh、タイヤ半径をRとすると、0.03≦h /R 1/2 ≦0.64の関係を満足することを要旨とする。 に、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64の関係を満足することが好ましい。

 かかる特徴によれば、h/R 1/2 の値が0.03≦h/R 1/2 ≦0.64(特に、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64)の範囲に設定されることによって、タ ヤサイズに応じて乱流発生用突起の高さを 変することができるため、タイヤサイズに わらず、タイヤ温度の低減を確実に図るこ ができ、耐久性を向上させることができる

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状が、台形であることを要旨と る。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 起幅断面形状が台形であることによって、 流発生用突起に90°以上の角部がなくなるた め、角部の劣化によるクラック発生を極力防 止できる。また、下辺幅の寸法を確保して乱 流発生用突起の剛性を維持しつつ、乱流発生 用突起内の蓄熱を低減できると共に乱流発生 用突起のゴム量を削減できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状が、三角形であることを要旨 する。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 起幅断面形状が三角形であることによって 下辺幅の寸法を確保して乱流発生用突起の 性を維持しつつ、乱流発生用突起内の蓄熱 低減できると共に乱流発生用突起のゴム量 削減できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状における前壁面が、フラット であり、乱流発生用突起の断面形状におい 、タイヤ回転方向に対して前壁面の後方に 置する後壁面が、円弧面であることを要旨 する。

 かかる特徴によれば、突起幅断面形状に ける後壁面が円弧面であることによって、 流発生用突起の下流側は負圧域となって渦 が発生するが、この渦流を円弧面によって ムーズに主流に戻すことができる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の断面形状が、段差を有する段付き形状 あることを要旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 起幅断面形状が段付きであることによって 下辺幅の寸法を確保して乱流発生用突起の 性を維持しつつ、乱流発生用突起内の蓄熱 低減できると共に乱流発生用突起のゴム量 削減できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起には、延在方向に対する直交方向に貫通 る貫通孔が形成されていることを要旨とす 。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起に 通孔が形成されていることによって、貫通 に空気流が流れ込み、乱流発生用突起の内 を放熱することができる。したがって、乱 発生用突起内の蓄熱をさらに低減すること できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起の高さをh、タイヤ回転方向に隣接する前 記乱流発生用突起のピッチをp、断面形状に ける乱流発生用突起の下辺幅をwとしたとき 、1.0≦p/h≦50.0、かつ、1.0≦(p-w)/w≦100.0の関 係を満足することを要旨とする。

 かかる特徴によれば、p/h値が1.0≦p/h≦50.0 の範囲に設定され、かつ、(p-w)/w値が、1.0≦(p -w)/w≦100.0の範囲に設定されることによって 乱流発生用突起の存在しない位置でタイヤ 面と積極的な熱交換が行われるとともに、 流発生用突起内の蓄熱量を極力小さくする とができる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起のタイヤ径方向に対して傾く角度である 斜角θが、-70°≦θ≦70°の範囲に設定される ことを要旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起の 斜角θが、-70°≦θ≦70の範囲に設定される とによって、空気入りタイヤの回転により 対的に発生する空気流が乱流発生用突起の 壁面に確実に衝突するため、上記した乱流 よる放熱効果を期待できる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起がタイヤサイド部に設けられることを要 とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起が イヤサイド部に設けられることによって、 イヤサイド部と積極的な熱交換を行うこと でき、タイヤサイド部におけるタイヤ温度 低減を確実に図ることができる。

 その他の特徴に係る発明は、サイドタイ 部には、タイヤサイド部を補強するサイド ォール補強層が設けられていることを要旨 する。

 かかる特徴によれば、サイドタイヤ部に イドウォール補強層が設けられていること よって、撓みなどにより温度の上昇が激し とされる部分(例えば、パンク状態における サイドウォール補強層の外側)でタイヤ温度 低減を確実に図ることができ、耐久性を向 させることができる。

 その他の特徴に係る発明は、重荷重用タ ヤであることを要旨とする。

 かかる特徴によれば、空気入りタイヤが 荷重用タイヤであることによって、重荷重 タイヤが装着される車両の速度が遅い場合( 例えば、10~50km/h)であっても、タイヤ表面と 極的な熱交換を行うことができ、タイヤ温 の低減を図ることができる。

 その他の特徴に係る発明は、乱流発生用 起がトレッド部に形成される溝に設けられ ことを要旨とする。

 かかる特徴によれば、乱流発生用突起が レッド部に形成される溝に設けられること よって、トレッド部に形成される溝と積極 な熱交換を行うことができ、トレッド部に けるタイヤ温度の低減を図ることができる

図1は、第1の実施の形態に係る空気入 タイヤの一部を示す分解斜視図である。 図2は、第1の実施の形態に係る空気入 タイヤを示すトレッド幅方向断面図である 図3は、第1の実施の形態に係る空気入 タイヤを示す部分側面図である。 図4は、第1の実施の形態に係る乱流発 用突起の一部を示す斜視図である。 図5は、第1の実施の形態に係る乱流発 用突起の断面を示す側面図である(その1)。 図6は、第1の実施の形態に係る乱流発 用突起の断面を示す側面図である(その2)。 図7は、変形例1に係る乱流発生用突起10 Aの断面を示す側面図である。 図8は、変形例2に係る乱流発生用突起10 Bの断面を示す側面図である。 図9は、変形例3に係る乱流発生用突起10 Cの断面を示す側面図である。 図10は、変形例4に係る乱流発生用突起 10Dの断面を示す側面図である。 図11は、変形例5に係る乱流発生用突起 10Eの断面を示す側面図である。 図12は、変形例6に係る乱流発生用突起 10Fの断面を示す側面図である。 図13は、変形例7に係る乱流発生用突起 10Gの断面を示す側面図である。 図14は、変形例8に係る乱流発生用突起 10Hの断面を示す側面図である。 図15は、変形例9に係る乱流発生用突起 10Iの断面を示す側面図である。 図16は、第2の実施の形態に係る空気入 りタイヤを示す一部分解斜視図である(その1) 。 図17は、第2の実施の形態に係る空気入 りタイヤを示す一部分解斜視図である(その2) 。 図18は、第2の実施の形態に係る空気入 りタイヤを示す一部分解斜視図である(その3) 。 図19は、第3の実施の形態に係る空気入 りタイヤのトレッド部を示す一部拡大斜視・ 断面図である(その1)。 図20は、第3の実施の形態に係る空気入 りタイヤのトレッド部を示す一部拡大斜視・ 断面図である(その2)。 図21は、第3の実施の形態に係る空気入 りタイヤのトレッド部を示す一部拡大斜視・ 断面図である(その3)。 図22は、その他の実施の形態に係る空 入りタイヤを示すトレッド幅方向断面図で る。 図23は、実施例における乱流発生用突 の前壁角度と耐久性との関係を示す図であ 。 図24は、実施例における乱流発生用突 の高さ・半径と耐久性との関係を示す図で る。 図25は、実施例における乱流発生用突 の後壁角度と耐久性との関係を示す図であ 。 図26は、実施例における乱流発生用突起のh/R 1/2 に対する熱伝達向上指数を示すグラフである 。

[第1の実施の形態]
 次に、本発明に係る空気入りタイヤの一例 ついて、図面を参照しながら説明する。な 、以下の図面の記載において、同一または 似の部分には、同一又は類似の符号を付し いる。ただし、図面は模式的なのものであ 、各寸法の比率などは現実のものとは異な ことを留意すべきである。従って、具体的 寸法などは以下の説明を参酌して判断すべ ものである。また、図面相互間においても いの寸法の関係や比率が異なる部分が含ま ている。

(空気入りタイヤの構成)
 まず、第1の実施の形態に係る空気入りタイ ヤの構成について、図1及び図2を参照しなが 説明する。図1は、第1の実施の形態に係る 気入りタイヤの一部を示す分解斜視図であ 、図2は、第1の実施の形態に係る空気入りタ イヤを示すトレッド幅方向断面図であり、図 3は、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ 示す部分側面図である。なお、本実施の形 では、空気入りタイヤ1は、乗用車用ラジア ルタイヤ(PCR)であるものとする。

 図1及び図2に示すように、空気入りタイ 1は、路面と接触するトレッド部2と、タイヤ 両側のタイヤサイド部3と、それぞれのタイ サイド部3の開口縁に沿って設けられたビー 部4とを備えている。

 なお、タイヤサイド部3は、路面と接する トレッド部2のトレッド幅方向端部から、リ (不図示)と接するビード部4のタイヤ径方向 側の位置までを示す。

 ビード部4は、タイヤサイド部3の開口部 縁部に沿って周回するビードコア6A及びビー ドフィラー6Bを備えている。このビードコア6 Aには、スチールコードなどが用いられる。

 トレッド部2、一対のタイヤサイド部3及 一対のビード部4の内側には、タイヤの骨格 なるカーカス層7が設けられている。タイヤ サイド部3に位置するカーカス層7の内側(タイ ヤ幅方向内側)には、タイヤサイド部3を補強 るサイドウォール補強層8が設けられている 。このサイドウォール補強層8は、トレッド 方向の断面断面形状が三日月形状のゴムス ックによって形成されている。

 トレッド部2の内周側で、かつカーカス層 7の外周側(すなわち、トレッド部2とカーカス 層7との間)には、複数層のベルト層(スチール ベルト補強層9A,9B、周方向補強層9C)が設けら ている。なお、内周側とは、タイヤ径方向 側を意味し、外周側とは、タイヤ径方向外 を意味する。

 各タイヤサイド部3のタイヤ表面である外 側面3aには、内周側から外周側に向かって延 される乱流発生用突起10がタイヤ周方向に 間隔で設けられている。この乱流発生用突 10のタイヤ径方向rに対して傾く角度である 斜角θは、図3に示すように、-70°≦θ≦70°の 範囲に設定されている。特に、傾斜角θは、- 30°≦θ≦30°の範囲に設定されることが好ま い。

 空気入りタイヤ1は、回転体であるため、 タイヤサイド部3の外周面3aを通過する空気流 は、該空気入りタイヤ1の回転及び遠心力に って内周側から外周側に向かっている。つ り、乱流発生用突起10の下流側(隣り合う乱 発生用突起10間)で、外周面3aとの熱交換を促 進させるために、乱流発生用突起11の傾斜角 を上記範囲に設定することが好ましい。

〈乱流発生用突起の構成〉
 次に、上述した乱流発生用突起10の構成に いて、図4及び図5を参照しながら説明する。 図4は、第1の実施の形態に係る乱流発生用突 の一部を示す斜視図であり、図5は、第1の 施の形態に係る乱流発生用突起の断面を示 側面図である。

 図4及び図5に示すように、乱流発生用突 10は、延在方向に対する直交方向Aで切断し 断面形状(以下、突起幅断面形状)が左右対称 形である。この乱流発生用突起10は、外側面3 aからトレッド幅方向外側に向けて突出し、 つ、タイヤ径方向内側からタイヤ径方向外 に向けて連続して(棒状に)延びている。

 具体的には、乱流発生用突起10は、タイ 回転方向前方(すなわち、空気入りタイヤ1の 回転により発生する空気流が突き当たる側) 位置する前壁面10aと、タイヤ回転方向に対 て前壁面10aの後方に位置する後壁面10bと、 イヤ径方向内側に位置する内側面10cと、タ ヤ径方向外側に位置する外側面10dと、外周 3aから最も突出する上面10eとによって構成さ れている。

 この乱流発生用突起10は、トレッド幅方 断面断面で見たときにエッジ部10fを有して る(図1及び図3参照)。すなわち、エッジ部10f 、乱流発生用突起10の内側面10cと上面10eと よって形成されている。

 また、乱流発生用突起10は、延在方向に する直交方向Aで切断した断面(以下、突起幅 断面)で見たときにエッジ部10gを有している すなわち、エッジ部10gは、乱流発生用突起10 の前壁面10aと上面10eとによって形成されてい る。

 なお、エッジ部10f,10fは、するどく尖って いることが好ましいが、必ずしもするどく尖 っている必要はなく、製造上丸みを帯びてい てもよく、予め微少丸くさせたものも含むこ とは勿論である。

 乱流発生用突起10の前壁面10aと外周面3a( イヤ表面)とがなす前壁角度θ1が70°~110°の範 囲に設定されている。

 なお、前壁角度θ1が70°未満であると、前 壁面10aに突き当たって上方に跳ね上げられる 空気の流れが少なくなり、エッジ部10gで剥離 する空気の角度β(図6参照)が小さくなってし うため、乱流発生用突起10の下流側で緩や な下降流しか発生しない。一方、乱流発生 突起10の前壁角度θ1が110°を越えると、エッ 部10gで剥離する空気の角度βが小さくなり 前壁面10aに突き当たって上方に跳ね上げら る空気の流速が遅くなってしまうため、外 面3aとの熱交換を促進させることができない 。

 ここで、第1の実施の形態では、乱流発生 用突起10の突起幅断面形状が四角形であり、 壁角度θ1が90°に設定されている。すなわち 、乱流発生用突起10の突起幅断面形状が左右 称であるため、タイヤ回転方向に対して前 面10aの後方に位置する後壁面10bと外周面3a( イヤ表面)とがなす後壁角度θ2は、前壁角度 θ1と同一角度(90°)に設定されている。勿論、 図6に示すように、前壁角度θ1及び後壁角度θ 2は、共に90°よりも小さい角度であってもよ 。

 乱流発生用突起10の突起幅断面形状にお る下辺幅(乱流発生用突起10の延在方向に直 する最も外周面3a側の幅)wは、0.5mm~5mmの範囲 設定されている。

 なお、乱流発生用突起10の下辺幅wが0.5mm 満であると、乱流発生用突起20が空気流によ って振動して、強度的に弱くなってしまう場 合がある。一方、乱流発生用突起10の下辺幅w が5mmを超えると、乱流発生用突起内10の蓄熱 (乱流発生用突起10の突起根元部での蓄熱量) が多くなり過ぎてしまう場合がある。

 ここで、各乱流発生用突起10の構成(上述 た下辺幅wや後述する高さh、タイヤ半径R、 ッチpなど)は、全てミリメートル(mm)で統一 ている。

 また、乱流発生用突起10の高さ(外周面3aか 乱流発生用突起の最も突出した位置までの 大高さ)をタイヤサイズによって設定するこ を考慮し、乱流発生用突起10の高さをh、タ ヤ半径をRとすると、0.03≦h/R 1/2 ≦0.64の関係を満足することが好ましい。特 、h/R 1/2 の値は、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64の範囲に設定されることが好ましい。

 なお、h/R 1/2 の値が0.03より小さいと、速度の遅い空気流 層に乱流発生用突起10が埋もれてしまい、そ の上方に流れる速い速度の空気流を十分に巻 き込むことができず、活発な熱交換が期待で きない。一方、h/R 1/2 の値が0.64を超えると、乱流発生用突起10の高 さが高すぎて、乱流発生用突起内10の蓄熱量 多くなり過ぎてしまう場合がある。

 また、乱流発生用突起10の高さをh、タイ 回転方向に隣接する乱流発生用突起10のピ チ(乱流発生用突起10の延在方向に直交する を2等分した互いの点間の距離)をp、乱流発 用突起10の下辺幅をwとしたときに、1.0≦p/h 50.0、かつ、1.0≦(p-w)/w≦100.0の関係を満足す ことが好ましい。特に、p/hの値は、10.0≦p/h ≦20.0の範囲に設定されること好ましい。ま 、(p-w)/wの値は、4.0≦(p-w)/w≦39.0の範囲に設 されることが好ましい。

 なお、p/h値が1.0よりも小さいと、隣り合 乱流発生用突起10間の外周面3aに空気流が突 き当たらず、タイヤ温度を効率的に低減させ ることができない場合がある。一方、p/hの値 が50.0よりも大きいと、隣り合う乱流発生用 起10間で空気流の速度が低減してしまい、乱 流発生用突起11の形状加工が無い場合と同等 なってしまう場合がある。

 また、(p-w)/wの値が1.0よりも小さいと、放 熱させる面積に対する乱流発生用突起17の表 積が等しい若しくは大きくなり、タイヤ温 を効率的に低減させることができない場合 ある。一方、(p-w)/wの値が100.0よりも大きい 、隣り合う乱流発生用突起10間で空気流の 度が低減してしまい、乱流発生用突起11の形 状加工が無い場合と同等となってしまう場合 がある。

(第1の実施の形態に係る作用・効果)
 上記構成において、空気入りタイヤ1が回転 すると、図4及び図5に示すように、タイヤサ ド部3の外周面3aには相対的にほぼタイヤ周 向に沿って流れる空気流aが発生する。この 空気流aは、乱流発生用突起10によって乱流と なって外周面3aを流れ、該外周面3aと積極的 熱交換を行う。

 外周面3aを流れる乱流の流れを詳しく説 すると、空気流aは、乱流発生用突起10の位 では上昇し、乱流発生用突起10の存在しない 位置では下降する上下乱流a1となる。

 特に、乱流発生用突起10がエッジ部10fを していることによって、空気入りタイヤ1の 転に伴い内周側から外周側に遠心力によっ 流れる空気流を剥離させる作用がある。こ 剥離された空気流が下降流となりタイヤサ ド部3に突き当たって熱交換を促進させるこ とができる。

 また、乱流発生用突起10がエッジ部10gを していることによって、空気入りタイヤ1の 転に伴い空気流が乱流発生用突起10を乗り える際に、タイヤサイド部3から剥離され易 。このため、タイヤサイド部3から一旦剥離 された空気流は、乱流発生用突起10のタイヤ 転方向後側(下流側)で発生する負圧により 激にタイヤサイド部3に下降して衝突する乱 となり、タイヤサイド部3との熱交換を促進 させることができる。

 また、乱流発生用突起10の前壁角度θ1が70 °~110°の範囲に設定されることによって、上 乱流a1は、エッジ部10gで剥離する空気の角 βをある程度大きくすることができ、乱流発 生用突起10の下流側で激しい下降流となって 周面3aに突き当たるため、タイヤ表面と積 的な熱交換が行われる。これにより、外周 3aに設けられた乱流発生用突起10によって、 イヤ温度の低減を確実に図ることができ、 久性を向上させることができる。

 また、乱流発生用突起10の突起幅断面形 が左右対称形であることによって、突起幅 面における乱流発生用突起10の中心位置から 乱流発生用突起10の表面までの距離が左右均 となるため、乱流発生用突起10内の蓄熱量 極力小さくすることができる。

 また、乱流発生用突起10の下辺幅wが0.5mm~5 mmの範囲に設定されることによって、乱流発 用突起内10の蓄熱量が多くなり過ぎること 極力防止しつつ、放熱特性の向上を図るこ ができる。

 また、h/R 1/2 の値が、0.03≦h/R 1/2 ≦0.64(特に、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64)の範囲に設定されることによって、タ ヤサイズに応じて乱流発生用突起10の高さh 可変することができるため、タイヤサイズ 関わらず、タイヤ温度の低減を確実に図る とができ、耐久性を向上させることができ 。

 また、p/h値が、1.0≦p/h≦50.0(特に、10.0≦p /h≦20.0)の範囲に設定され、かつ、(p-w)/w値が 1.0≦(p-w)/w≦100.0(特に、4.0≦(p-w)/w≦39.0)の範 囲に設定されることによって、乱流発生用突 起10の存在しない位置で外周面3aと積極的な 交換が行われるとともに、乱流発生用突起10 内の蓄熱量を極力小さくすることができる。

 また、乱流発生用突起10の傾斜角θが、-70 °≦θ≦70°(特に、-30°≦θ≦30°)の範囲に設定 されることによって、空気入りタイヤ1の回 により相対的に発生する空気流aが乱流発生 突起10の前壁面10aに確実に衝突するため、 記した乱流による放熱効果を期待できる。

 また、乱流発生用突起10がタイヤサイド 3に設けられることによって、タイヤサイド 3と積極的な熱交換を行うことができ、タイ ヤサイド部3におけるタイヤ温度の低減を確 に図ることができる。

 さらに、サイドウォール補強層8が設けら れ、乱流発生用突起10がタイヤサイド部3に設 けられていることによって、撓みなどにより 温度の上昇が激しいとされる部分(例えば、 ンク状態におけるサイドウォール補強層の 側)でタイヤ温度の低減を確実に図ることが き、耐久性を向上させることができる。

[乱流発生用突起の変形例A]
 次に、上述した第1の実施の形態に係る乱流 発生用突起11では、乱流発生用突起10の突起 断面形状が四角形であるものとして説明し が、以下のように変形してもよい。

(変形例1)
 まず、変形例1に係る乱流発生用突起につい て、図7を参照しながら説明する。図7は、変 例1に係る乱流発生用突起10Aの断面を示す側 面図である。

 図7に示すように、乱流発生用突起10Aの突 起幅断面形状は、左右対称形である。この乱 流発生用突起10Aの突起幅断面形状は、台形で ある。また、前壁角度θ1及び後壁角度θ2は、 共に90°を超えた角度に設定されている。

 このように、乱流発生用突起10Aの突起幅 面形状が台形であることによって、乱流発 用突起10Aに90°以上の角部がなくなるため、 角部の劣化によるクラック発生を極力防止で きる。また、下辺幅wの寸法を確保して乱流 生用突起10Aの剛性を維持しつつ、乱流発生 突起10A内の蓄熱を低減できると共に乱流発 用突起10Aのゴム量を削減できる。

(変形例2)
 次に、変形例2に係る乱流発生用突起につい て、図8を参照しながら説明する。図8は、変 例2に係る乱流発生用突起10Bの断面を示す側 面図である。

 図8に示すように、乱流発生用突起10Bの突 起幅断面形状は、左右対称形である。この乱 流発生用突起10Bの突起幅断面形状は、三角形 である。すなわち、前壁角度θ1及び後壁角度 θ2は、共に90°を超えた角度に設定されてい 。

 具体的には、乱流発生用突起10Bは、前壁 10aと、後壁面10bと、内側面10cと、外側面10d によって構成され、上面10eを有していない つまり、エッジ部10gは、乱流発生用突起10B 前壁面10aと後壁面10bとによって形成されて る。

 このように、乱流発生用突起10Bの突起幅 面形状が三角形であることによって、下辺 wの寸法を確保して乱流発生用突起10Bの剛性 を維持しつつ、乱流発生用突起10B内の蓄熱を 低減できると共に乱流発生用突起10Bのゴム量 を削減できる。

(変形例3)
 次に、変形例3に係る乱流発生用突起につい て、図9を参照しながら説明する。図9は、変 例3に係る乱流発生用突起10Cの断面を示す側 面図である。

 図9に示すように、乱流発生用突起10Cの突 起幅断面形状は、左右対称形である。この乱 流発生用突起10Cの突起幅断面形状は、段差を 有する段付き形状(クランク状)である。すな ち、前壁面10a及び後壁面10bは、段差を有す 段差面が施されている。また、前壁角度θ1 び後壁角度θ2は、共に90°に設定されている 。

 このように、乱流発生用突起10Cの突起幅 面形状が段付きであることによって、下辺 wの寸法を確保して乱流発生用突起10Cの剛性 を維持しつつ、乱流発生用突起10C内の蓄熱を 低減できると共に乱流発生用突起10Cのゴム量 を削減できる。

(変形例4)
 次に、変形例4に係る乱流発生用突起につい て、図10を参照しながら説明する。図10は、 形例4に係る乱流発生用突起10Dの断面を示す 面図である。

 図10に示すように、乱流発生用突起10Dの 起幅断面形状は、左右対称形である。この 流発生用突起10Dの突起幅断面形状は、四角 である。すなわち、前壁角度θ1及び後壁角 θ2は、共に90°に設定されている。

 また、乱流発生用突起10Dには、延在方向 対する直交方向に貫通する貫通孔20が形成 れている。なお、貫通孔20は、必ずしも延在 方向に対して直交方向に乱流発生用突起10Dを 貫通する必要はなく、例えば、延在方向に対 して傾斜して乱流発生用突起10Dを貫通しても よい。

 このように、乱流発生用突起10Dに貫通孔2 0が形成されていることによって、貫通孔20に 空気流が流れ込み、乱流発生用突起10Dの内部 を放熱することができる。したがって、乱流 発生用突起10D内の蓄熱をさらに低減すること ができる。

[乱流発生用突起の変形例B]
 次に、上述した第1の実施の形態及び変形例 Aに係る乱流発生用突起11では、乱流発生用突 起10の突起幅断面形状が左右対称形であるも として説明したが、以下のように変形して よい。

(変形例5)
 まず、変形例5に係る乱流発生用突起につい て、図11を参照しながら説明する。図11は、 形例5に係る乱流発生用突起10Eの断面を示す 面図である。

 図11に示すように、乱流発生用突起10Eの 起幅断面形状は、左右非対称形である。こ 場合であっても、乱流発生用突起10Eは、エ ジ部10f及びエッジ部10gを有している(図1及び 図3参照)。

 乱流発生用突起10Aの突起幅断面形状は、 形である。また、前壁角度θ1は、90°に設定 されている。また、後壁角度θ2は、90°を超 た角度に設定されている。

 このように、乱流発生用突起10Aの突起幅 面形状が左右非対称形であることによって 乱流が発生するために最も適した前壁角度 1を設定でき、かつ、後壁面10b側で乱流発生 突起10A内の蓄熱を低減できると共に乱流発 用突起のゴム量を削減できる。

 また、上下乱流a1の発生に影響がない後 面10bの後壁角度θ2が90°を超える角度に設定 れることによって、乱流発生用突起10Eのゴ 肉厚を高さ方向に向かって徐々に削減でき ため、下辺幅wの寸法を確保して乱流発生用 突起10Eの剛性を維持しつつ、乱流発生用突起 10E内の蓄熱を低減できると共に乱流発生用突 起10Eのゴム量を削減できる。

(変形例6)
 次に、変形例6に係る乱流発生用突起につい て、図12を参照しながら説明する。図12は、 形例6に係る乱流発生用突起10Fの断面を示す 面図である。

 図12に示すように、乱流発生用突起10Fの 起幅断面形状は、左右非対称形である。こ 乱流発生用突起10Fの突起幅断面形状は、三 形である。また、前壁角度θ1は、90°に設定 れている。また、後壁角度θ2は、90°を遙か に超えた角度に設定されている。

 具体的には、乱流発生用突起10Fは、前壁 10aと、後壁面10bと、内側面10cと、外側面10d によって構成され、上面10eを有していない つまり、エッジ部10gは、乱流発生用突起10F 前壁面10aと後壁面10bとによって形成されて る。

 このように、突起幅断面形状が三角形で り、かつ、上下乱流a1の発生に影響がない 壁面10bの後壁角度θ2が90°を超える角度に設 されることによって、下辺幅wの寸法を確保 して乱流発生用突起10Fの剛性を維持しつつ、 乱流発生用突起10F内の蓄熱を低減できると共 に乱流発生用突起10Fのゴム量を削減できる。

(変形例7)
 次に、変形例7に係る乱流発生用突起につい て、図13を参照しながら説明する。図13は、 形例7に係る乱流発生用突起10Gの断面を示す 面図である。

 図13に示すように、乱流発生用突起10Gの 起幅断面形状は、左右非対称形である。こ 乱流発生用突起10Gの突起幅断面形状は、大 三角形である。

 具体的には、乱流発生用突起10Gの突起幅 面形状における前壁面10aは、フラット面で る。また、乱流発生用突起10Gの突起幅断面 状における後壁面10bは、円弧面である。す わち、前壁角度θ1は、90°に設定されている 。また、後壁角度θ2は、90°から湾曲した角 に設定されている。

 具体的には、乱流発生用突起10Gは、前壁 10aと、後壁面10bと、内側面10cと、外側面10d によって構成され、上面10eを有していない つまり、エッジ部10gは、乱流発生用突起10G 前壁面10aと後壁面10bとによって形成されて る。

 このように、突起幅断面形状が大略三角 であり、かつ、上下乱流a1の発生に影響が い後壁面10bの後壁角度θ2が90°を超える角度 設定されることによって、下辺幅wの寸法を 確保して乱流発生用突起10Gの剛性を維持しつ つ、乱流発生用突起10G内の蓄熱を低減できる と共に乱流発生用突起10Gのゴム量を削減でき る。

 また、突起幅断面形状における後壁面10b 円弧面であることによって、乱流発生用突 10Gの下流側は負圧域となって渦流が発生す が、この渦流を円弧面によってスムーズに 流に戻すことができる。

(変形例8)
 次に、変形例8に係る乱流発生用突起につい て、図14を参照しながら説明する。図14は、 形例8に係る乱流発生用突起10Hの断面を示す 面図である。

 図14に示すように、乱流発生用突起10Hの 起幅断面形状は、左右非対称形である。こ 乱流発生用突起10Hの突起幅断面形状は、段 を有する段付き形状(クランク状)である。す なわち、後壁面10bは、段差を有する段差面が 施されている。なお、前壁角度θ1及び後壁角 度θ2は、共に90°に設定されている。

 このように、乱流発生用突起10Hの突起幅 面形状が段付きであり、かつ、上下乱流a1 発生に影響がない後壁面10bの後壁角度θ2が90 °を超える角度に設定されることによって、 辺幅wの寸法を確保して乱流発生用突起10Hの 剛性を維持しつつ、乱流発生用突起10H内の蓄 熱を低減できると共に乱流発生用突起10Hのゴ ム量を削減できる。

(変形例9)
 次に、変形例9に係る乱流発生用突起につい て、図15を参照しながら説明する。図15は、 形例9に係る乱流発生用突起10Iの断面を示す 面図である。

 図15に示すように、乱流発生用突起10Iの 起幅断面形状は、左右非対称形である。こ 乱流発生用突起10Iの突起幅断面形状は、段 を有する段付き形状(クランク状)である。な お、後壁面10bに、段差を有する段付き形状が 施されている。

 また、乱流発生用突起10Iには、延在方向 対する直交方向に貫通する貫通孔20が形成 れている。なお、貫通孔20は、必ずしも延在 方向に対して直交方向に乱流発生用突起10fを 貫通する必要はなく、例えば、延在方向に対 して傾斜して乱流発生用突起10fを貫通しても よい。

 このように、乱流発生用突起10Hの突起幅 面形状が段付きであり、かつ、乱流発生用 起10Iに貫通孔20が形成されていることによ て、上述した変形例8の作用・効果に加えて 貫通孔20に空気流が流れ込み、乱流発生用 起10Iの内部を放熱することができる。した って、乱流発生用突起10I内の蓄熱をさらに 減することができる。

[第2の実施の形態]
 次に、第2の実施の形態に係る空気入りタイ ヤの構成について、図16を参照しながら説明 る。図16は、第2の実施の形態に係る空気入 タイヤを示す一部分解斜視図である。なお 上述した第1の実施の形態に係る空気入りタ イヤ1と同一部分(同一構成)には同一の符号を 付して相違する部分を主として説明する。

 図16に示すように、空気入りタイヤ1は、 レッド部2にリブ2Aが形成されるトラック・ ス用ラジアルタイヤ(TBR)である。この空気 りタイヤ1は、第1の実施の形態で説明した乗 用車用ラジアルタイヤ(PCR)よりも、ベルト層9 の枚数が多く、タイヤ半径が大きい。

 空気入りタイヤ1に形成される乱流発生用 突起10は、ビード部4の表面を放熱させたい場 合には、タイヤ最大幅の位置よりもタイヤ径 方向内側(すなわち、ビード部4側)に配置され てもよく、ベルト層9の端部側を放熱させた 場合には、タイヤ最大幅の位置よりもタイ 径方向外側(すなわち、トレッド部2側)に配 されてもよい。

 ここで、空気入りタイヤ1は、第1の実施 形態で説明した乗用車用ラジアルタイヤ(PCR) や、本実施の形態で説明したトラック・バス 用ラジアルタイヤ(TBR)に限定されるものでは く、例えば、図17に示すように、トレッド 2にラグ2Bのみが形成される建設車両用ラジ ルタイヤ(クレーダーやショベルローダー等) や、図18に示すように、トレッド部2にリブ2A びラグ2Bが形成される建設車両用ラジアル イヤ(ダンプトラックやクレーン等)などの重 荷重用タイヤであってもよく、必ずしもラジ アルタイヤである必要はなく、バイアスタイ ヤであっても勿論よい。

(第2の実施の形態に係る作用・効果)
 以上説明した第2の実施の形態に係る空気入 りタイヤ1によれば、重荷重用タイヤが装着 れる車両の速度が遅い場合(例えば、10~50km/h) であっても、外側面3aと積極的な熱交換を行 ことができ、タイヤ温度の低減を図ること できる。

[第3の実施の形態]
 次に、第3の実施の形態に係る空気入りタイ ヤの構成について、図19を参照しながら説明 る。図19(a)は、第3の実施の形態に係る空気 りタイヤのトレッド部を示す一部拡大斜視 であり、図19(b)は、第3の実施の形態に係る 気入りタイヤの溝近傍断面図である。なお 上述した第1の実施の形態に係る空気入りタ イヤ1と同一部分には同一の符号を付して相 する部分を主として説明する。

 図19(a)及び図19(b)に示すように、トレッド 部2に形成される溝2’には、タイヤ表面(溝2 内)から突出し、乱流を発生させる複数の乱 発生用突起10が設けられている。なお、溝2 は、第2の実施の形態で説明したリブ2Aやラ 2Bを含むものとする。

 この乱流発生用突起10は、溝2’の底面2a ら側面2bに連結して設けられている。なお、 乱流発生用突起10は、必ずしも溝2’の底面2a ら側面2bに設けられている必要はなく、例 ば、図20に示すように、溝2’の少なくとも 方の側面2bのみに設けられていてもよく、図 21に示すように、溝2’の底面2aのみに設けら ていてもよい。

(第3の実施の形態に係る作用・効果)
 以上説明した第3の実施の形態に係る空気入 りタイヤ1によれば、乱流発生用突起10がトレ ッド部に形成される溝2’に設けられること よって、トレッド部2に形成される溝2’と積 極的な熱交換を行うことができ、トレッド部 2におけるタイヤ温度の低減を図ることがで る。

[その他の実施の形態]
 上述したように、本発明の実施の形態を通 て本発明の内容を開示したが、この開示の 部をなす論述及び図面は、本発明を限定す ものであると理解すべきではない。

 具体的には、乱流発生用突起10は、タイ サイド部3の全周に亘って設けられているも として説明したが、これに限定されるもの はなく、タイヤサイド部3の一部領域のみに 設けられてもよい。

 また、乱流発生用突起10は、タイヤサイ 部3のタイヤ周方向に等間隔で設けられてい ものとして説明したが、これに限定される のではなく、タイヤ周方向に不均一な間隔 設けられてもよい。

 さらに、乱流発生用突起10は、タイヤサ ド部3の外周面3aに設けられているものとし 説明したが、これに限定されるものではな 、図22に示すように、タイヤサイド部3のタ ヤ表面である内周面(いわゆる、空気入りタ ヤ1の最も内周面であるインナーライナー) 設けられてもよい。この場合、乱流発生用 起10は、内周面からトレッド幅方向内側に向 けて突出する。

 この開示から当業者には様々な代替実施 形態、実施例及び運用技術が明らかとなろ 。したがって、本発明の技術的範囲は、上 の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発 特定事項によってのみ定められるものであ 。

 次に、実施例について説明する。実施例 び比較例では、以下の条件で耐久ドラム試 を行った。なお、各空気入りタイヤに関す データは、以下に示す条件において測定さ た。

  ・ タイヤサイズ : 255/55R18
  ・ ホイールサイズ : 8.5JJ×18
  ・ 内圧条件 : 0kPa
  ・ 荷重条件 : 6.57kN
  ・ 速度条件 : 80km/h
 *p/h、(p-w)/w、θ等の定義は、上記した通りで ある。

 まず、乱流発生用突起の前壁角度θ1を変 た空気入りタイヤの耐久性について、図23 参照しながら説明する。図23に示すように、 比較例1に係る空気入りタイヤは、乱流発生 突起が設けられていない。比較例2,3及び実 例1,2,3に係る空気入りタイヤは、上述した第 1の実施の形態と同様な構成の乱流発生用突 が設けられている。この比較例2,3及び実施 1,2,3に係る空気入りタイヤでは、前壁角度θ1 がそれぞれ異なる。

 耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、 障が発生するまでの耐久距離を指数化した のである。図23から、乱流発生用突起の前壁 角度θ1が70°~110°の範囲に設定されると、耐 性が高まることが判る。

 次に、乱流発生用突起の(p-w)/wの値、h/R 1/2 の値を変えた空気入りタイヤの耐久性につい て、図24を参照しながら説明する。図24に示 ように、比較例1に係る空気入りタイヤは、 流発生用突起が設けられていない。比較例2 ,3及び実施例1,2,3に係る空気入りタイヤは、 述した実施の形態と同様な構成の乱流発生 突部が設けられている。この比較例2,3及び 施例1,2,3に係る空気入りタイヤでは、p/h=12と し、(p-w)/wの値、h/R 1/2 の値がそれぞれ異なる。

 耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、上 した耐久ドラム試験と同様に、故障が発生 るまでの耐久距離を指数化したものである 図24から、1.0≦(p-w)/w≦100.0の範囲に設定され 、かつ、0.03≦h/R 1/2 ≦0.64の範囲に設定されると、耐久性が高ま ことが判る。

 次に、乱流発生用突起の後壁角度θ2を変 た空気入りタイヤの耐久性について、図25 参照しながら説明する。図25に示すように、 比較例及び実施例1,に係る空気入りタイヤは 上述した実施の形態と同様な構成の乱流発 用突部が設けられている。この比較例及び 施例1,2に係る空気入りタイヤでは、乱流発 用突起の前壁角度θ1が90°であり、後壁角度 θ2がそれぞれ異なる。

 耐久ドラム試験の結果(耐久性評価)は、 述した耐久ドラム試験と同様に、故障が発 するまでの耐久距離を指数化したものであ 。図25から、乱流発生用突起の後壁角度θ2が 90°~110°の範囲に設定されると、後壁角度θ2 90°未満とする場合に比べて、耐久性が高ま ことが判る。

 最後に、p/h=12としたときのh/R 1/2 に対する熱伝達率向上指数について、図26を 照しながら説明する。なお、熱伝達率向上 数は、乱流発生用突起が設けられていない 気入りタイヤを100している。

 図26から、0.03≦h/R 1/2 ≦0.64)の範囲に設定されると、耐久性が高ま ことが判る。また、図26から、0.05≦h/R 1/2 ≦0.64であることが好ましいことも判る。

 乱流発生用突起10による放熱効果を十分 発揮させるには、乱流発生用突起10を設置す る場所での速度境界層(壁面での速度が遅い )厚さと同等程度の突起高さを有することが 要であり、このことにより十分な流体の混 作用を発揮する。ある速度を仮定すると速 境界層厚さは、タイヤ径の平方根により規 されることから、それと突起高さの比が放 効果の指標と成り得る。

産業上の利用の可能性

 以上のように、本発明に係る空気入りタ ヤは、効率の良い放熱によってタイヤ温度 特に、タイヤサイド部内の温度低減を図り 耐久性を向上させることができるため、空 入りタイヤの製造技術などにおいて有用で る。