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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149725
Kind Code:
A1
Abstract:
The heat resistance of carcass cords is enhanced, and an enhanced run-flat durability is attained. The pneumatic tire has a carcass (6) and, disposed outside in the radial direction thereof, a tread reinforcing cord layer (7). The carcass (6) consists of a carcass ply (6A) obtained by covering carcass cords (20) of aramid fiber, arranged at an angle of 45° to 90° with reference to the circumferential direction of the tire, with a topping rubber. Preferably, each of the carcass cords (20) has a two-bundle twist structure obtained by twisting together two lower twisted filament bundles by upper twisting. Also preferably, each of the carcass cords (20) has a twist coefficient (T), defined in the formula (1), of 0.5 to 0.7. T = NŒ√{(0.125ŒD/2)/ρ}Œ10-3 (1) wherein N is the number of upper twists (turns/10cm), D the total indication decitex (fineness) and ρ the specific gravity of cord material.

Inventors:
MIYAZAKI SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059714
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MIYAZAKI SHINICHI (JP)
International Classes:
B60C9/00; B60C9/04; B60C9/08; B60C11/00; B60C17/00
Foreign References:
JP2007069890A2007-03-22
JP2002301914A2002-10-15
JPH10297211A1998-11-10
JPH01240303A1989-09-25
JPH01240304A1989-09-25
JPH0446962Y21992-11-06
JP2713993B21998-02-16
JP2004203129A2004-07-22
JP2005178520A2005-07-07
JP2004010005A2004-01-15
JP2007161071A2007-06-28
JP2000351307A2000-12-19
JP2994989B21999-12-27
Other References:
See also references of EP 2151332A4
Attorney, Agent or Firm:
NAEMURA, Tadashi et al. (Nishinakajima 4-chomeYodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 11, JP)
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Claims:
 トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるトレッド補強コード層とを具える空気入りタイヤであって、
 正規リムに装着されかつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ軸心を含むタイヤ子午断面において、
 タイヤ外面のプロファイルは、曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面によって形成され、
 しかも、前記カーカスは、タイヤ周方向に対して45~90°の角度で配列したカーカスコードをトッピングゴムで被覆したカーカスプライからなるとともに、
 前記カーカスコードに、アラミド繊維を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記カーカスコードは、下撚りしたフィラメント束の2本を、上撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造をなすことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
 前記カーカスコードは、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5~0.7の範囲としたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3  ---(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル表示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比重である。)
 前記カーカスコードは、前記撚り係数Tが0.6~0.7の範囲であることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤ。
 前記カーカスプライの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*が5~13MPaの範囲としたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
 前記サイドウォール部に、最大厚さを有する中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面三日月状のサイド補強ゴム層を設けたランフラットタイヤであることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
 前記タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから接地端側に向かって曲率半径が漸減する複数の円弧からなる曲面によって形成されることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
 前記タイヤ外面のプロファイルは、タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、
 タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、
 前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100 /SH ≦0.7
の関係を満足することを特徴とする請求項7記載の空気入りタイヤ。
 前記タイヤ外面のプロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPにおける曲率半径よりも、接地端側における曲率半径の方が大であることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、例えば乗用車用タイヤ、自動 輪車用タイヤ、特にはランフラットなどと て好適であり、軽量化を達成しながらタイ の諸性能を向上させる空気入りタイヤに関 る。

 例えば、パンク等によりタイヤ内の空気が けたデフレート状態においても比較的長距 を走行しうるランフラットタイヤとして、 イドウォール部に、断面三日月状のサイド 強ゴム層を設た所謂サイド補強タイプのも が知られている(例えば特許文献1など参照) このタイプのタイヤでは、荷重支持能力を り高めるために、複数枚のカーカスプライ 採用するとともに、ランフラット走行時の イヤ温度が、インフレート状態での通常走 時に比して著しく高くなることから、ラン ラット耐久性の確保の観点から、カーカス ードとして耐熱性に優れるレーヨン繊維コ ドが使用されている。

特開平2000-351307号公報

 前記構造のタイヤは、必要最低限の耐久 は確保されうるものの、近年のランフラッ 走行における高速化、長距離化の傾向から ランフラット耐久性や操縦安定性のさらな 向上が強く望まれている。

 そこで本発明は、レーヨン繊維コードに して耐熱性に優れ、かつ高弾性であるアラ ド繊維コードをカーカスコードに使用する とを基本として、ランフラットタイヤにお ては、軽量化を図りつつランフラット走行 における操縦安定性と耐久性とを高め、ラ フラット走行における高速化、長距離化を 成しうるとともに、乗用車用タイヤや自動 輪車用タイヤにおいては、軽量化を図りつ 、通常走行において、操縦安定性を高め、 速化、高性能化を達成しうる空気入りタイ を提供することを目的としている。

 前記目的を達成するために、本願請求項1の 発明は、トレッド部からサイドウォール部を へてビード部のビードコアに至るカーカスと 、トレッド部の内方かつ前記カーカスの半径 方向外側に配されるトレッド補強コード層と を具える空気入りタイヤであって、
 正規リムに装着されかつ正規内圧を充填し 正規内圧状態におけるタイヤ軸心を含むタ ヤ子午断面において、
 タイヤ外面のプロファイルは、曲率半径が なる複数の円弧からなる曲面によって形成 れ、
 しかも、前記カーカスは、タイヤ周方向に して45~90°の角度で配列したカーカスコード をトッピングゴムで被覆したカーカスプライ からなるとともに、
 前記カーカスコードに、アラミド繊維を用 たことを特徴としている。

 又請求項2の発明では、前記カーカスコー ドは、下撚りしたフィラメント束の2本を、 撚りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造を すことを特徴としている。

 又請求項3の発明では、前記カーカスコード は、次式(1)で示す撚り係数Tを0.5~0.7の範囲と たことを特徴としている。
  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3  ---(1)
(ただし、Nは上撚り数(回/10cm)、Dはトータル 示デシテックス(繊度)、ρはコード材料の比 である。)

 又請求項4の発明では、前記カーカスコー ドは、前記撚り係数Tが0.6~0.7の範囲であるこ を特徴としている。

 又請求項5の発明では、前記カーカスプラ イの前記トッピングゴムは、複素弾性率E*が5 ~13MPaの範囲としたことを特徴としている。

 又請求項6の発明では、前記サイドウォー ル部に、最大厚さを有する中央部分から半径 方向内外に厚さを減じてのびる断面三日月状 のサイド補強ゴム層を設けたランフラットタ イヤであることを特徴としている。

 又請求項7の発明では、前記タイヤ外面の プロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤 道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから接地 端側に向かって曲率半径が漸減する複数の円 弧からなる曲面によって形成されることを特 徴としている。

 又請求項8の発明では、前記タイヤ外面のプ ロファイルは、タイヤ赤道面Cからタイヤ最 断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上 点をPとするとき、
 タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CP から前記点Pに至るまでの間で徐々に減少す とともに、
 前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面 巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60 、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上 の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方 距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、 つタイヤ断面高さをSHとするとき、
     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100 /SH ≦0.7
の関係を満足することを特徴としている。

 又請求項9の発明では、前記タイヤ外面の プロファイルは、前記タイヤ外面とタイヤ赤 道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPにおける 曲率半径よりも、接地端側における曲率半径 の方が大であることを特徴としている。

 なお前記「正規リム」とは、タイヤが基 いている規格を含む規格体系において、当 規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例え JATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design  Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意 する。また前記「正規内圧」とは、前記規 がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATM Aであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LO AD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記 載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"  を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180 kPaとする。

 又前記「複素弾性率(E*)は、粘弾性スペク トロメータを用いて70℃、初期張力1000g、動 歪み±0.03%の周波数10Hz条件で測定した値であ る。

 本発明は叙上の如く、特に耐熱性に優れ アラミド繊維コードをカーカスコードとし 採用している。従って、とりわけランフラ トタイヤにおいては、ランフラット走行時 温度上昇によるコード損傷を抑制できる。 、アラミド繊維コードは高弾性であり荷重 持能力を高めることができるため、プライ 数の低減(軽量化)を図りながら、ランフラ ト時のタイヤ変形を軽減でき、前述の耐熱 の向上と相俟ってランフラット耐久性を高 うる。又ランフラット走行時の操縦安定性 向上でき、ランフラット走行における高速 、長距離化を達成しうる。

 又乗用車用タイヤや自動二輪車用タイヤ おいては、軽量化を図りつつ、通常走行に いて、操縦安定性を高め、高速化、高性能 を達成しうる。

図1は、本発明の空気入りタイヤがラン フラットタイヤである場合の一実施例を示す 子午断面である。 図2は、そのトレッド部を拡大して示す 断面図である。 図3は、ビード部を拡大して示す断面図 である。 図4は、カーカスコードを説明する側面 図である。 図5は、タイヤ外面のプロファイルを示 す線図である。 図6は、タイヤ外面の各位置におけるRYi の範囲を示す線図である。 図7は、本発明の空気入りタイヤが乗用 車用タイヤである場合の一実施例を示す子午 断面である。 図9は、本発明の空気入りタイヤが自動 二輪車用タイヤである場合の一実施例を示す 子午断面である。

符号の説明

2   トレッド部
3   サイドウォール部
4   ビード部
5   ビードコア
6   カーカス
6A  カーカスプライ
7   トレッド補強コード層
11  サイド補強ゴム層
20  カーカスコード
21  フィラメント束

 以下、本発明の実施の一形態を、図示例 ともに説明する。図1は、本発明の空気入り タイヤ1がランフラットタイヤ1Aである場合を 示す正規内圧状態におけるタイヤ子午断面図 である。

 図1において、本実施形態のランフラット 1Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を てビード部4のビードコア5に至るカーカス6 、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半 径方向外側に配されるトレッド補強コード層 7とを具える。

 前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して 45~90°の角度で配列されるカーカスコードを ッピングゴムにより被覆した1枚以上のカー スプライから形成される。本例では、カー スコードを80~90°の角度で配列した1枚のカ カスプライ6Aからなる場合が示されている。 前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、 5間を跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビー ドコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側 折り返されるプライ折返し部6bを一連に具え る。

 そして前記プライ本体部6aとプライ折返 部6bとの間には、例えばゴム硬度が65~98度の 質のゴムからなり、前記ビードコア5から半 径方向外側に先細状にのびるビード補強用の ビードエーペックスゴム8が配される。本明 書においては、「ゴム硬度」は、温度23℃で 測定したデュロメータータイプAによる硬さ 意味する。このビードエーペックスゴム8の ードベースラインBLからのタイヤ半径方向 高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎ るとランフラット耐久性が不充分となり、逆 に大きすぎるとタイヤ質量の過度の増加や乗 り心地の悪化を招く恐れがある。このような 観点より、ビードエーペックスゴム8の前記 さhaは、タイヤ断面高さSHの10~60%、より好ま くは20~50%が望ましい。

 本例では、前記カーカス6のプライ折返し 部6bが、前記ビードエーペックスゴム8を半径 方向外側に超えて巻き上がり、その外端部6be が、プライ本体部6aと前記トレッド補強コー 層7との間に挟まれて終端する所謂超ハイタ ーンアップの折り返し構造を具える。これに より、1枚のカーカスプライ6Aを用いて、サイ ドウォール部3を効果的に補強しうる。また 記プライ折返し部6bの外端部6beが、ランフラ ット走行時に大きく撓むサイドウォール部3 ら離れるため、該外端部6beを起点とした損 を好適に抑制しうる。前記プライ折返し部6b とトレッド補強コード層7との重なり部のタ ヤ軸方向巾EWは、5mm以上、さらには10mm以上 好ましく、その上限は、軽量化の観点から40 mm以下、さらには30mm以下が好ましい。なお前 記カーカス6が複数枚のカーカスプライから 成される場合には、少なくとも1枚のカーカ プライがこの態様をなすのが好ましい。

 次に、前記トレッド補強コード層7は、本 例では、前記カーカス6に重置されるベルト9 、そのさらに外側に重置されるバンド10と ら構成される。前記ベルト9は、タイヤ周方 に対して例えば10~45°の角度で配列したベル トコードをトッピングゴムにて被覆した2枚 上、本例では2枚のベルトプライ9A、9Bから形 成される。各ベルトコードは、プライ間相互 で交差することによりベルト剛性を高め、ト レッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固 補強する。

 又前記バンド10は、タイヤ周方向に対し 5°以下の角度で螺旋状に巻回されるバンド ードをトッピングゴムにて被覆した1枚以上 バンドプライからなり、前記ベルト9を拘束 し、操縦安定性、高速耐久性等を向上させる 。前記バンドプライとしては、ベルト9のタ ヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対の ッジバンドプライ、及びベルト9の略全巾を うフルバンドプライがあり、これらを単独 或いは組み合わせて使用される。本例では バンド10が1枚のフルバンドプライからなる のを例示している。なお前記トレッド補強 ード層7としては、ベルト9のみで形成する とも、又バンド10のみで形成することもでき る。

 又前記サイドウォール部3には、ランフラ ット機能を確保するためのサイド補強ゴム層 11が配される。このサイド補強ゴム層11は、 大厚さを有する中央部分11aから、タイヤ半 方向内端11i及び外端11oに向かってそれぞれ さを徐々に減じてのびる断面三日月状をな 。前記内端11iは、ビードエーペックスゴム8 外端よりもタイヤ半径方向内側に位置し、 記外端11oは、トレッド補強コード層7の外端 7eよりもタイヤ軸方向内側に位置する。この き、サイド補強ゴム層11とビードエーペッ スゴム8とのタイヤ半径方向の重なり巾Wiを5~ 50mm、かつサイド補強ゴム層11とトレッド補強 コード層7とのタイヤ軸方向の重なり巾Woを0~5 0mmとするのが好ましく、これにより前記外端 11o及び内端11iでの剛性段差の発生を抑える。

 前記サイド補強ゴム層11は、本例では、 ーカス6のプライ本体部6aの内側(タイヤ内腔 )に配される。そのため、サイドウォール部 3の曲げ変形時には、サイド補強ゴム層11には 主として圧縮荷重が、またコード材を有する カーカスプライ6Aには主として引張荷重が作 する。ゴムは圧縮荷重に強く、かつコード は引張荷重に強いため、上記のようなサイ 補強ゴム層11の配設構造は、サイドウォー 部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラッ 走行時のタイヤの縦撓みを効果的に低減し る。なおサイド補強ゴム層11のゴム硬度は 60度以上、さらには65度以上であるのが好ま い。前記ゴム硬度が60度未満であると、ラ フラット走行時の圧縮歪が大きくなって、 ンフラット性能が不充分となる。逆にゴム 度が高すぎても、タイヤの縦バネ定数が過 に上昇して乗り心地性を低下させる。この うな観点より、前記サイド補強ゴム層11のゴ ム硬度の上限は90度以下、さらには80度以下 好ましい。又サイド補強ゴム層11の最大厚さ tは、タイヤサイズや、タイヤのカテゴリ等 よって適宜設定されるが、乗用車用タイヤ 場合5~20mmが一般的である。

 なお本例では、前記ビード部4には、リム プロテクトリブ12が凸設される場合が例示さ る。このリムプロテクトリブ12は、図2に示 ように、リムフランジJFを覆うように基準 郭線jから突出するリブ体であり、前記リム ランジJFの先端を越えてタイヤ軸方向外側 最も突出する突出面部12cと、この突出面部12 cからビード外側面に滑らかに連なる半径方 内側の斜面部12iと、前記突出面部12cからタ ヤ最大巾点M近傍位置で前記基準輪郭線jに滑 らかに連なる半径方向外側の斜面部12oとで囲 まれる断面台形状をなす。なお前記内側の斜 面部12iは、リムフランジJFの円弧部よりも大 い曲率半径rで形成された凹円弧面で形成さ れ、通常走行時においては、縁石等からリム フランジJFを保護する。又ランフラット走行 には、内側の斜面部12iがリムフランジJFの 弧部に寄りかかって接触するため、ビード 形量を軽減でき、ランフラット時の操縦安 性及びランフラット耐久性の向上に役立つ

 そして本発明では、前記ランフラット操 安定性及びランフラット耐久性を向上する めに、前記カーカスコードに、アラミド繊 を使用してる。

 前記アラミド繊維は、高弾性繊維として られ、ランフラットタイヤ1Aのカーカスコ ドに使用することにより、タイヤの荷重支 能力を高めることができる。従って、例え カーカスプライ枚数の低減、カーカスコー の細径化、及び/又はコード配列密度(コード エンド数)の低下などによるタイヤの軽量化 図りながら、ランフラット時のタイヤ変形 低減できる。しかも、アラミド繊維は、100~1 50℃の高温下においても弾性率の低下が、他 有機繊維コード材料に比べて小さく、耐熱 に優れるという特性を有する。従って、ラ フラット走行時のタイヤ温度上昇によって 、カーカスコードが強度低下して損傷を招 たり、又弾性率の低下によるタイヤ変形量 増加や、それに伴うさらなるタイヤ温度上 を招くことを防止できる。その結果、ラン ラット耐久性を向上できる。さらにタイヤ 度上昇によっても、高弾性率を維持してタ ヤ剛性を高めうるため、ランフラット時の 縦安定性を向上することもできる。これに りランフラット走行における高速化、長距 化が達成される。

 しかしながらアラミド繊維は、弾性率が い分、耐疲労性に劣る傾向がある。そのた 本例では、カーカスコード20に、図4に略示 るように、下撚りしたアラミド繊維のフィ メント束21(即ちストランド21)の2本を、上撚 りにて互いに撚り合わせた2本撚り構造を採 するとともに、このときの撚り合わせを、 来よりも高い撚り係数Tにて行っている。

 ここで前記「撚り係数T」は、周知の如く、 コードの上撚り数をN(単位:回/10cm)、コード1 のトータル表示デシテックス(繊度)をD(単位: dtex)、コード材料の比重をρとしたとき、次 (1)で示される。
  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3    ---(1)

 そして、この撚り係数Tを0.5~0.7の範囲ま 高めることにより、アラミド繊維コードの 点である耐疲労性を改善することができ、 来のレーヨンコードの場合に比して、ラン ラット耐久性を大幅に向上させることが可 となる。なお前記カーカスコード20の撚り係 数Tが0.5を下回ると、耐疲労性の向上効果が なく、ランフラット耐久性を充分に高める とができない。逆に、撚り係数Tが0.7を上回 と、コードの撚り加工が難しくなり生産性 不利となる。特に撚り係数Tの下限は0.6以上 が好ましく、これによりコードの耐疲労性が さらに改善され、ランフラット耐久性をより 向上しうる。

 なおカーカスコード20では、アラミド繊 の重要な特性である高弾性を活かして優れ 補強効果を発揮させるために、2本撚り構造 採用されている。そのとき、下撚り数と、 撚り数とが等しい所謂バランス撚りが好ま いが、撚り数の比(下撚り数/上撚り数)が0.2~ 2.0の範囲内、好ましくは0.5~1.5の範囲内で、 撚り数と上撚り数とを相違させても良い。

 又前記トータル表示デシテックスD(繊度) 、特に限定されるものではないが、ランフ ットタイヤの場合、1500~5000dtexの範囲が好ま しい。又カーカスプライ6Aにおけるコードエ ド数n(本/5cm)と前記トータル表示デシテック スDとの積は、70000~150000の範囲が好ましく、70 000未満では、アラミド繊維コードとはいえ、 ランフラット耐久性や操縦安定性が不充分と なり、逆に150000を越えると、カーカス剛性が 過大となって乗り心地性を損ねるとともに、 質量やコストの不必要な増加を招く。このよ うな観点から前記積D×nの下限は100000以上が らに好ましく、上限は120000以下がさらに好 しい。

 又耐疲労性に原因するカーカスコード20 損傷は、タイヤ変形時に圧縮歪みを受ける 位、即ち図2に示すように、プライ折返し部6 bのうちのビード側部分6b1にて発生しやすい しかしながら本例では、前述の如くビード 4にリムプロテクトリブ12を凸設しているた 、ランフラット走行時におけるビード変形 軽減され、カーカスコード20に圧縮歪みが作 用しにくくなる。その結果、アラミド繊維を 採用した場合のカーカスコード20の疲労損傷 さらに抑えることができ、ランフラット耐 性のいっそうの向上が図れる。言い換える 、アラミド繊維のカーカスコード20を用い タイヤでは、リムプロテクトリブ12を用いる ことが、コードの疲労損傷抑制の観点から好 ましい。

 さらに本例では、前記カーカスプライ6A トッピングゴムとして、複素弾性率E*が、5~1 3MPaの範囲と、従来のカーカストッピングゴ に比して高弾性のゴムを採用している。な 従来のカーカストッピングゴムの複素弾性 E*は3.8MPa程度である。このように高弾性のゴ ムをトッピングゴムに採用することで、タイ ヤ変形時、カーカスコード20に掛かる歪みを 減でき、ランフラット耐久性のさらなる向 を達成しうる。なお複素弾性率E*が5MPaを下 ると前記効果が期待できず、逆に13MPaを上 ると、ゴムが硬くなり過ぎ、乗り心地性が 気に悪化してしまう。このような観点から 複素弾性率E*の下限値は、5.5MPa以上、さらに は6MPa以上が好ましく、又上限値は11MPa以下、 さらに9MPa以下が好ましい。

 次に、前記正規内圧状態のタイヤ子午断 において、タイヤ外面2Aのプロファイルは 曲率半径が異なる複数の円弧からなる曲面 よって形成されている。特に、ランフラッ タイヤ1Aの場合、前記タイヤ外面2Aとタイヤ 道面Cとの交点であるタイヤ赤道点CPから、 地端Te側に向かって曲率半径Rが漸減する複 の円弧からなる曲面によって、前記プロフ イルを形成する好ましい。これにより、前 サイド補強ゴム層11のゴムボリュームを最 限に抑え、タイヤの軽量化、及び乗り心地 の向上を図ることができる。特に、特許第29 94989号公報で提案する如き特殊プロファイル 採用することで、前述の効果をさらに高く 揮させることができる。

 詳しく説明すると、先ず図5に示すように 、タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SW の45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をP するとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、前 記タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間 で徐々に減少するように設定される。なお前 記「タイヤ最大断面巾SW」とは、タイヤ外面2 Aの基準輪郭線jにおける最大巾であり、この 準輪郭線jは、タイヤ外面2Aに局部的に形成 れる例えば文字、図形、記号等を示す装飾 、情報用等の微細なリブや溝、リム外れ防 用のリムプロテクトリブ12、カット傷防止 のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸 を除外した滑らかな輪郭線を意味する。

 又前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面 巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60 、X75、X90及びX100 を夫々隔てる各タイヤ外面 2A上の点をP60、P75、P90及びP100 とする。又こ 各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100  、前記タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距 離をY60、Y75、Y90及びY100 とする。

 そして、前記正規内圧状態においてビード ースラインBLから前記タイヤ赤道点CPまでの 半径方向高さであるタイヤ断面高さをSHとす とき、前記半径方向距離Y60、Y75、Y90及びY100  は、それぞれ以下の関係を満足することを 徴としている。
     0.05< Y60 /SH ≦0.1
      0.1< Y75 /SH ≦0.2
      0.2< Y90 /SH ≦0.4
      0.4< Y100 /SH ≦0.7
 ここで、RY60=Y60/SH
     RY75=Y75/SH
     RY90=Y90/SH
     RY100 =Y100 /SH
 として前記関係を満足する範囲RYiを図6に例 示する。図5、6のように前記関係を満足する ロファイルは、トレッドが非常に丸くなる め、フットプリントが、接地巾が小かつ接 長さを大とした縦長楕円形状となり、騒音 能とハイドロプレーニング性能とを向上し ることが、前記特許第2994989号公報で報告さ れている。なお前記RY60、RY75、RY90及びRY100  値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を 心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、 来タイヤとのプロファイルの差が少なくな 。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を 心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなす め、接地巾が過小となり、通常走行におい 必要な走行性能を確保することができなく る。

 なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定 ることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規 格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、 タイヤ最大高さなどを概ね定め得るため、前 記RY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を容易に算 できる。従って、前記タイヤ外面2Aは、前記 各位置におけるRY60、RY75、RY90及びRY100 の範 を満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減 少するように、前記タイヤ赤道点CPから前記 Pまで滑らかな曲線で描くことにより適宜定 めうる。

 又前記タイヤは、前記正規内圧状態のタ ヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態に いて、前記タイヤ外面2Aが接地するタイヤ 方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接 巾CWを、前記タイヤ最大断面巾SWの50%~65%の範 囲とするのが好ましい。これは、前記接地巾 CWが、前記タイヤ最大断面巾SWの50%未満の場 、通常走行において轍でふらつきやすくな などワンダリング性能が低下し、かつ接地 の不均一化により偏摩耗しやすくなるから ある。なお前記接地巾CWが、タイヤ最大断面 巾SWの65%を超える場合には、接地巾が過大と って前述の通過騒音とハイドロプレーニン 性能との両立が難しくなる。

 このような特殊プロファイルでは、サイ ウォール部の領域が短いという特徴を有す ため、ランフラットタイヤに採用すること より、サイド補強ゴム層11のゴムボリュー を低減でき、ランフラットタイヤにおける 量低下と乗り心地性の向上とを達成しうる しかし、ゴムボリューウムが大なトレッド 2での変形量が通常プロファイルのタイヤに して大きくなる。そのため耐熱性を高めた ラミド繊維のカーカスコードは、この特殊 ロファイルのタイヤにとってもより有利と りうる。

 次に、本発明の空気入りタイヤ1は、図7 示すように、通常の乗用車用タイヤ1Bとして 形成することができる。係る場合には、前記 サイド補強ゴム層11が配されないこと以外、 述のランフラットタイヤ1Aとほぼ同構成と ることができる。この乗用車用タイヤ1Bでは 、アラミド繊維の前記カーカスコード20を採 することにより、カーカス剛性が高まり、 量化を図りつつ、通常走行における操縦安 性を高め、高速化と高性能化とを達成しう 。又カーカスプライ6Aのトッピングゴムに 素弾性率E*が5~13MPaの範囲の前述の高弾性の ムを採用した場合には、通常走行における 縦安定性をさらに向上しうるとともに、カ カスコード20に掛かる歪みを低減でき、アラ ミド繊維コードにおける疲労損傷を抑制して 耐久性を向上しうる。乗用車用タイヤ1Bにお るカーカスコード20のトータル表示デシテ クスD(繊度)は、1000~5000dtexの範囲が好ましく 又このトータル表示デシテックスDとコード エンド数n(本/5cm)との積は、80000~120000の範囲 好ましい。

 次に、本発明の空気入りタイヤ1は、図8 示すように、通常の自動二輪車用タイヤ1Cと して形成することができる。この自動二輪車 用タイヤ1Cの場合にも、アラミド繊維の前記 ーカスコード20を採用することにより、カ カス剛性が高まり、軽量化を図りつつ、通 走行における操縦安定性を高め、高速化と 性能化とを達成しうる。又カーカスプライ6A のトッピングゴムに複素弾性率E*が5~13MPaの範 囲の前述の高弾性のゴムを採用した場合には 、通常走行における操縦安定性をさらに向上 しうるとともに、カーカスコード20に掛かる みを低減でき、アラミド繊維コードにおけ 疲労損傷を抑制して耐久性を向上しうる。 動二輪車用タイヤ1Cにおけるカーカスコー 20のトータル表示デシテックスD(繊度)は、100 0~2500dtexの範囲が好ましく、又このトータル 示デシテックスDとコードエンド数n(本/5cm)と の積は、80000~120000の範囲が好ましい。

 又自動二輪車用タイヤ1Cでは、タイヤ外 2Aのプロファイルは、前記タイヤ赤道点CPに ける曲率半径RCoよりも、接地端Te側におけ 曲率半径RCeの方が大である。これにより、 体を大きくバンクさせる自動二輪車特有の 回性能を発揮させるとともに、旋回時の安 性を確保している。

 以上、本発明の特に好ましい実施形態に いて詳述したが、本発明は図示の実施形態 限定されることなく、種々の態様に変形し 実施しうる。

 図1に示す構造をなすタイヤサイズ245/40R18の ランフラットタイヤを表1の仕様で試作する ともに、各試供タイヤの、ランフラット耐 性をテストし、その結果を表1に記載した。 1に記載のカーカスコードの仕様以外は同一 である。
 ・ カーカスは、プライ枚数(1)、コード角 (90°)、
 ・ ベルト層は、ベルトプライ枚数(2)、コ ド角度(+24°/-24°)、
 ・ サイド補強ゴム層は、ゴム硬度(90度)、 大厚さ(10.0mm)
としている。

 表1中、撚り係数Tは次式(1)で表される。
  T=N×√{(0.125×D/2)/ρ}×10 -3   ---(1)
 又レーヨン繊維コードの比重ρは1.51,アラミ ド繊維コードの比重ρは1.44である。

 又トレッドプロファイルは、各タイヤと 、RY60=0.05~0.1、RY75=0.1~0.2、RY90=0.2~0.4、RY100=0.4 ~0.7の範囲で実質的に同じプロファイルのも を使用している。

 <ランフラット耐久性>
 各供試タイヤをバルブコアを取り去ったリ (18×8.5J)にリム組し、デフレート状態でドラ ム試験機上を速度(80km/h)、縦荷重(4.14kN)の条 にて走行させ、タイヤが破壊するまでの走 距離を測定し、比較例1を100とする指数によ 評価した。数値が大きいほど良好である。

 実施例1、2と実施例3、4とを比較するよう に、アラミド繊維コード(カーカスコード)に いて、撚り係数Tを0.5以上に高めることによ り、アラミド繊維コードの欠点である耐疲労 性を改善することができ、アラミド繊維コー ドの利点である優れた耐熱性と荷重支持能力 とを有効に発揮せしめ、ランフラット耐久性 を向上させることができる。又実施例5、7、9 、又は実施例6、8、10から、撚り係数Tの増加 つれて耐疲労性は増し、ランフラット耐久 が向上するのが解る。又実施例3、7、又は 施例4、8から、撚り係数Tが同じ場合、トッ ングゴムが5MPaを越えて増加することにより ランフラット耐久性が向上しているのが解 。