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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139182
Kind Code:
A1
Abstract:
A tire (2) comprises a tread (4), a wing (6), a side-wall (8), a clinch part (10), a bead (12), a carcass (14), a support layer (16), a belt (18), a band (20), an inner-liner (22) and a chafer (24).  Dimples (62) are formed on the side-wall (8) and the clinch part (10).  When air flows into the dimples (62), a turbulent flow is generated.  The turbulent flow causes the release of heat of the tire (2) into the atmosphere.  Each of the dimples (62) has a round surface shape.  Each of the dimples (62) has a diameter of 6 to 18 mm inclusive.  Each of the dimples (62) has a depth of 0.5 to 3.0 mm inclusive.  The tire (2) has a CTT profile.

Inventors:
HAYASHI SATOSHI
IMAMURA AO
Application Number:
PCT/JP2009/002140
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
HAYASHI SATOSHI
IMAMURA AO
International Classes:
B60C13/00; B60C11/00; B60C17/00
Domestic Patent References:
WO2007032405A12007-03-22
Foreign References:
JP2008062716A2008-03-21
JPH04238703A1992-08-26
JPH04297310A1992-10-21
JPH1058925A1998-03-03
JP2008273288A2008-11-13
JPH08337101A1996-12-24
JP2007050854A2007-03-01
Other References:
See also references of EP 2277719A4
Attorney, Agent or Firm:
OKA, Kengo et al. (JP)
Kengo Oka (JP)
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Claims:
 曲率半径が互いに異なる複数の円弧を含むプロファイルを有するトレッド、
 それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
 このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
 上記トレッド及びサイドウォールに沿っており、両ビードの間に架け渡されたカーカス
並びに
 半径方向において、トレッドの内側でかつカーカスの外側に位置する補強層
を備えており、
 そのサイド面に多数のディンプルを有する空気入りタイヤ。
 上記ディンプルの平面形状が円である請求項1に記載のタイヤ。
 上記ディンプルが円錐台形である請求項1又は2に記載のタイヤ。
 上記ディンプルの直径が6mm以上18mm以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
 上記ディンプルの深さが0.5mm以上3.0mm以下である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
 上記サイドウォールの軸方向内側に位置する支持層をさらに備えた請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
 上記トレッド面の中心点TCから、この中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅の90%である点P 90 までのプロファイルが、複数の円弧によって形成されており、
 それぞれの円弧が、これに隣接する円弧と接しており、
 それぞれの円弧の曲率半径が、これよりも軸方向内側の円弧の曲率半径よりも小さく、 このプロファイルが、下記数式(1)から(4)を満たす請求項1から6のいずれかに記載のタイヤ。
  0.05 < Y 60 /H ≦ 0.10   (1)
  0.10 < Y 75 /H ≦ 0.2   (2)
  0.2 < Y 90 /H ≦ 0.4   (3)
  0.4 < Y 100 /H ≦ 0.7   (4)
(この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表し、Y 60 、Y 75 、Y 90 及びY 100 はそれぞれ中心点TCと点P 60 、点P 75 、点P 90 及び点P 100 との半径方向距離を表す。点P 60 、点P 75 、点P 90 及び点P 100 は、それぞれ中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分の幅の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点である。)
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤに関する。詳 には、本発明は、空気入りタイヤのサイド の改良に関する。

 タイヤのプロファイル(凹凸がないと仮定 されたときのトレッドからサイドウォールま での表面形状)は、操縦安定性、乗り心地等 タイヤの基本性能を左右する。タイヤのコ セプトに応じ、適正なプロファイルが決定 れる必要がある。特開平8-337101号公報には、 関数が用いられたプロファイルの決定方法が 開示されている。この方法によって決定され たプロファイルでは、赤道面から軸方向外側 に向かって、その曲率半径が徐々に減少する 。このプロファイルは、CTTプロファイルと称 されている。CTTプロファイルの採用により、 タイヤの諸性能が高められうる。

 近年、サイドウォールの内側に支持層を えたランフラットタイヤが開発され、普及 つつある。この支持層には、高硬度な架橋 ムが用いられている。このランフラットタ ヤは、サイド補強型と称されている。この イプのランフラットタイヤでは、パンクに って内圧が低下すると、支持層によって荷 が支えられる。この支持層は、パンク状態 のタイヤの撓みを抑制する。パンク状態で 行が継続されても、高硬度な架橋ゴムが、 持層での発熱を抑制する。このランフラッ タイヤでは、パンク状態でも、ある程度の 離の走行が可能である。このランフラット イヤが装着された自動車には、スペアタイ の常備は不要である。このランフラットタ ヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交 が避けられうる。

 パンク状態にあるランフラットタイヤの 行が継続されると、支持層の変形と復元と 繰り返される。この繰り返しにより支持層 熱が生じ、タイヤが高温に達する。この熱 、タイヤを構成するゴム部材の破損及びゴ 部材間の剥離を招来する。破損及び剥離が じたタイヤでは、走行は不可能である。パ ク状態での長時間の走行が可能なランフラ トタイヤ、換言すれば、熱に起因する破損 び剥離が生じにくいランフラットタイヤが まれている。

 特開2007-50854公報には、サイドウォールの 表面に溝を備えたランフラットタイヤが開示 されている。この溝を備えたサイドウォール の表面積は、大きい。従って、このタイヤの 大気との接触面積は、大きい。大きな接触面 積により、タイヤから大気への放熱が促進さ れる。このタイヤは、昇温しにくい。

 国際公開WO2007/32405公報には、サイド部に凸 を備えたランフラットタイヤが開示されて る。この凸部は、タイヤの周りに乱流を発 させる。この乱流により、タイヤから大気 の放熱が促進される。このタイヤは、昇温 にくい。

特開平8-337101号公報

特開2007-50854公報

国際公開WO2007/32405公報

 特開2007-50854公報に開示されたランフラッ トタイヤでは、大きな表面積によって放熱が 促進されるが、その効果は限定的である。国 際公開WO2007/32405公報に開示されたランフラッ トタイヤでは、凸部の下流において空気が滞 留するので、この凸部の下流における放熱は 不十分である。不十分な放熱は、タイヤの耐 久性を阻害する。従来のランフラットタイヤ の、パンク状態での耐久性には、改善の余地 がある。通常状態におけるタイヤの耐久性に も、改善の余地がある。

 本発明の目的は、耐久性に優れた空気入 タイヤの提供にある。

 本発明に係る空気入りタイヤは、
(1)曲率半径が互いに異なる複数の円弧を含む プロファイルを有するトレッド、
(2)それぞれが、このトレッドの端から半径方 向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
(3)このサイドウォールよりも半径方向略内側 に位置する一対のビード、
(4)上記トレッド及びサイドウォールに沿って おり、両ビードの間に架け渡されたカーカス
並びに
(5)半径方向において、トレッドの内側でかつ カーカスの外側に位置する補強層
を備える。このタイヤは、そのサイド面に多 数のディンプルを有する。

 好ましくは、ディンプルの平面形状は、 である。好ましくは、ディンプルは円錐台 である。

 好ましくは、ディンプルの直径は、6mm以 18mm以下である。好ましくは、ディンプルの 深さは、0.5mm以上3.0mm以下である。

 ディンプルの効果は、サイドウォールの 方向内側に位置する支持層を有するタイヤ( すなわちサイド補強型ランフラットタイヤ) おいて顕著である。

 ディンプルの効果は、いわゆるCTTプロファ ルを有するタイヤにおいて顕著である。こ タイヤでは、トレッド面の中心点TCから、 の中心点TCからの軸方向距離がタイヤの半分 の幅の90%である点P 90 までのプロファイルが、複数の円弧によって 形成される。それぞれの円弧は、これに隣接 する円弧と接する。それぞれの円弧の曲率半 径は、これよりも軸方向内側の円弧の曲率半 径よりも小さい。このプロファイルは、下記 数式(1)から(4)を満たす。
  0.05 < Y 60 /H ≦ 0.10   (1)
  0.10 < Y 75 /H ≦ 0.2   (2)
  0.2 < Y 90 /H ≦ 0.4   (3)
  0.4 < Y 100 /H ≦ 0.7   (4)
この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高 を表し、Y 60 、Y 75 、Y 90 及びY 100 はそれぞれ中心点TCと点P 60 、点P 75 、点P 90 及び点P 100 との半径方向距離を表す。点P 60 、点P 75 、点P 90 及び点P 100 は、それぞれ中心点TCからの軸方向距離がタ ヤの半分の幅の60%、75%、90%及び100%であるプ ロファイル上の点である。

 本発明に係るタイヤでは、ディンプルに り、サイド面の大きな表面積が達成される 大きな表面積は、タイヤから大気への放熱 促進する。このディンプルはさらに、タイ の周囲に乱流を発生させる。この乱流によ 、タイヤから大気への放熱が促進される。 のタイヤでは、空気の滞留が生じにくい。 のタイヤは、昇温しにくい。このタイヤで 、熱に起因するゴム部材の破損及びゴム部 間の剥離が生じにくい。このタイヤは、耐 性に優れる。

図1は、本発明の一実施形態に係る空気 入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤのサイドウォール 一部が示された拡大斜視図である。 図3は、図1のタイヤのディンプルが示 れた拡大平面図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図であ る。 図5は、図1のタイヤの一部が示された 面図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るタ イヤの一部が示された断面図である。 図7は、本発明のさらに他の実施形態に 係るタイヤの一部が示された断面図である。 図8は、解析結果が示されたグラフであ る。 図9は、実験結果が示されたグラフであ る。

符号の説明

 2・・・タイヤ
 4・・・トレッド
 8・・・サイドウォール
 10・・・クリンチ部
 12・・・ビード
 14・・・カーカス
 16・・・支持層
 18・・・ベルト
 20・・・バンド
 62、72、74・・・ディンプル
 64・・・ランド
 66・・・スロープ面
 68・・・底面
 76・・・第一曲面
 78・・・第二曲面

 以下、適宜図面が参照されつつ、好まし 実施形態に基づいて本発明が詳細に説明さ る。

 図1において、上下方向が半径方向であり 、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方 向が周方向である。図1に示された空気入り イヤ2(ランフラットタイヤ)は、図1中の一点 線Eqを中心としたほぼ左右対称の形状を呈 る。この一点鎖線Eqは、タイヤ2の赤道面を す。この図1において両矢印Hで示されている のは、基準線BL(後に詳説)からのタイヤ2の高 である。

 このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、 イドウォール8、クリンチ部10、ビード12、 ーカス14、支持層16、ベルト18、バンド20、イ ンナーライナー22及びチェーファー24を備え いる。ベルト18及びバンド20は、補強層を構 している。ベルト18のみから、補強層が構 されてもよい。バンド20のみから、補強層が 構成されてもよい。

 トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状 を呈している。トレッド4は、路面と接地す トレッド面26を形成する。トレッド面26には 溝28が刻まれている。この溝28により、トレ ッドパターンが形成されている。トレッド4 、キャップ層30とベース層32とを有している キャップ層30は、架橋ゴムからなる。ベー 層32は、他の架橋ゴムからなる。キャップ層 30は、ベース層32の半径方向外側に位置して る。キャップ層30は、ベース層32に積層され いる。

 サイドウォール8は、トレッド4の端から 径方向略内向きに延びている。このサイド ォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォ ル8は、カーカス14の外傷を防止する。サイ ウォール8は、リブ34を備えている。リブ34 、軸方向外側に向かって突出している。パ ク状態での走行のとき、このリブ34がリムの フランジ36と当接する。この当接により、ビ ド12の変形が抑制されうる。変形が抑制さ たタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れ 。

 クリンチ部10は、サイドウォール8の半径 向略内側に位置している。クリンチ部10は 軸方向において、ビード12及びカーカス14よ も外側に位置している。クリンチ部10は、 ムのフランジ36と当接している。

 ビード12は、サイドウォール8の半径方向 側に位置している。ビード12は、コア38と、 このコア38から半径方向外向きに延びるエイ ックス40とを備えている。コア38はリング状 であり、巻回された非伸縮性ワイヤー(典型 にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペッ ス40は、半径方向外向きに先細りである。 イペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる 。

 図1において矢印Haで示されているのは、 準線BLからのエイペックス40の高さである。 この基準線BLは、コア38の、半径方向におけ 最も内側地点を通過する。この基準線BLは、 軸方向に延びる。タイヤ2の高さHに対するエ ペックス40の高さHaの比(Ha/H)は、0.1以上0.7以 下が好ましい。比(Ha/H)が0.1以上であるエイペ ックス40は、パンク状態において車重を支持 うる。このエイペックス40は、パンク状態 のタイヤ2の耐久性に寄与する。この観点か 、比(Ha/H)は0.2以上がより好ましい。比(Ha/H) 0.7以下であるタイヤ2は、乗り心地性に優れ る。この観点から、比(Ha/H)は0.6以下がより好 ましい。

 カーカス14は、カーカスプライ42からなる 。カーカスプライ42は、両側のビード12の間 架け渡されており、トレッド4及びサイドウ ール8に沿っている。カーカスプライ42は、 ア38の周りを、軸方向内側から外側に向か て折り返されている。この折り返しにより カーカスプライ42には、主部44と折り返し部4 6とが形成されている。折り返し部46の端48は ベルト18の直下にまで至っている。換言す ば、折り返し部46はベルト18とオーバーラッ している。このカーカス14は、いわゆる「 ハイターンアップ構造」を有する。超ハイ ーンアップ構造を有するカーカス14は、パン ク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する このカーカス14は、パンク状態での耐久性に 寄与する。

 カーカスプライ42は、並列された多数の ードとトッピングゴムとからなる。各コー が赤道面に対してなす角度の絶対値は、45° ら90°、さらには75°から90°である。換言す ば、このカーカス14はラジアル構造を有す 。コードは、有機繊維からなる。好ましい 機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイ ン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフ レート繊維及びアラミド繊維が例示される

 支持層16は、サイドウォール8の軸方向内 に位置している。支持層16は、カーカス14と インナーライナー22とに挟まれてる。支持層1 6は、半径方向において、内向きに先細りで り外向きにも先細りである。この支持層16は 、三日月に類似の形状である。支持層16は、 硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンク したとき、この支持層16が荷重を支える。こ 支持層16により、パンク状態であっても、 イヤ2はある程度の距離を走行しうる。この ンフラットタイヤ2は、サイド補強型である 。タイヤ2が、図1に示された支持層16の形状 は異なる形状を有する支持層を備えてもよ 。

 カーカス14のうち、支持層16とオーバーラ ップしている部分は、インナーライナー22と れている。換言すれば、支持層16の存在に り、カーカス14は湾曲されられている。パン ク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかか 、カーカス14のうち支持層16と近接している 領域には引張り荷重がかかる。支持層16はゴ 塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カ カス14のコードは、引張り荷重に十分に耐 うる。支持層16とカーカスコードとにより、 パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制され 。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状 での操縦安定性に優れる。

 パンク状態での縦歪みの抑制の観点から 支持層16の硬度は60以上が好ましく、65以上 より好ましい。通常状態(タイヤ2に正規内 が負荷された状態)の乗り心地性の観点から 硬度は90以下が好ましく、80以下がより好ま しい。硬度は、「JIS K6253」の規定に準じ、 イプAのデュロメータによって測定される。 1に示された断面にこのデュロメータが押し 付けられ、硬度が測定される。測定は、23℃ 温度下でなされる。

 支持層16の下端50は、エイペックス40の上 52よりも、半径方向において内側に位置し いる。換言すれば、支持層16はエイペックス 40とオーバーラップしている。図1において矢 印L1で示されているのは、支持層16の下端50と エイペックス40の上端52との半径方向距離で る。距離L1は、5mm以上50mm以下が好ましい。 離L1がこの範囲であるタイヤ2では、均一な 性分布が得られる。距離L1は10mm以上がより ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。

 支持層16の上端54は、ベルト18の端56より 軸方向において内側に位置している。換言 れば、支持層16はベルト18とオーバーラップ ている。図1において矢印L2で示されている は、支持層16の上端54とベルト18の端56との 方向距離である。距離L2は、2mm以上50mm以下 好ましい。距離L2がこの範囲であるタイヤ2 は、均一な剛性分布が得られる。距離L2は5mm 以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより 好ましい。

 パンク状態での縦歪みの抑制の観点から 支持層16の最大厚みは3mm以上が好ましく、4m m以上がより好ましく、7mm以上が特に好まし 。タイヤ2の軽量の観点から、最大厚みは、2 5mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい

 ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に 位置している。ベルト18は、カーカス14と積 されている。ベルト18は、カーカス14を補強 る。ベルト18は、内側層58及び外側層60から る。図1から明らかなように、内側層58の幅 、外側層60の幅よりも若干大きい。図示さ ていないが、内側層58及び外側層60のそれぞ は、並列された多数のコードとトッピング ムとからなる。各コードは、赤道面に対し 傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常 10°以上35°以下である。内側層58のコードの 赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコー の赤道面に対する傾斜方向とは逆である。 ードの好ましい材質は、スチールである。 ードに、有機繊維が用いられてもよい。ベ ト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅W(後に 説)の0.85倍以上1.0倍以下が好ましい。ベルト 18が、3以上の層を備えてもよい。

 バンド20は、ベルト18を覆っている。図示 されていないが、このバンド20は、コードと ッピングゴムとからなる。コードは、螺旋 に巻かれている。このバンド20は、いわゆ ジョイントレス構造を有する。コードは、 質的に周方向に延びている。周方向に対す コードの角度は、5°以下、さらには2°以下 ある。このコードによりベルト18が拘束され るので、ベルト18のリフティングが抑制され 。コードは、有機繊維からなる。好ましい 機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエス ル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフ レート繊維及びアラミド繊維が例示される

 タイヤ2が、バンド20に代えて、ベルト18 端56の近傍のみを覆うエッジバンドを備えて もよい。タイヤ2が、バンド20と共に、エッジ バンドを備えてもよい。

 インナーライナー22は、カーカス14の内周 面に接合されている。インナーライナー22は 架橋ゴムからなる。インナーライナー22に 、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられてい 。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を 持する。

 図1に示されるように、このタイヤ2は、 のサイド面に多数のディンプル62を備えてい る。本発明においてサイド面とは、タイヤ2 外面のうち軸方向から目視されうる領域を 味する。典型的には、ディンプル62は、サイ ドウォール8の外面又はクリンチ部10の外面に 形成される。

 図2は、図1のタイヤ2のサイドウォール8の 一部が示された拡大斜視図である。図2には 多数のディンプル62が示されている。それぞ れのディンプル62の表面形状は、円である。 発明において表面形状とは、ディンプル62 無限遠から見られたときのディンプル62の輪 郭の形状を意味する。図示されていないが、 クリンチ部10にも、同様に円形のディンプル6 2が形成されている(図1参照)。サイドウォー 8にのみ、ディンプル62が形成されてもよい

 図3は、図1のタイヤ2のディンプル62が示 れた拡大平面図である。図4は、図3のIV-IV線 沿った断面図である。図4では、ディンプル 62の中心を通過し、タイヤ2の半径方向に対し て垂直な平面に沿った断面が示されている。 図4に示されるように、ディンプル62は凹陥し ている。サイド面のうちディンプル62以外の 域は、ランド64である。

 ディンプル62を有するサイド面の表面積 、ディンプル62がないと仮定されたときのサ イド面の表面積よりも大きい。このタイヤ2 大気との接触面積は、大きい。大きな接触 積により、タイヤ2から大気への放熱が促進 れる。

 ディンプル62は、スロープ面66と底面68と 備えている。スロープ面66は、リング状で る。底面68は、スロープ面66と連続している 底面68は、円形である。

 図3において二点鎖線で示されているのは 、タイヤ2の周りの空気の流れである。タイ 2は、走行時に回転する。タイヤ2が装着され た車両は、進行する。タイヤ2の回転と車両 進行とにより、ディンプル62を横切って空気 が流れる。空気は、ランド64に沿って流れ、 ロープ面66に沿ってディンプル62に流入する 。この空気はディンプル62の中を流れ、下流 スロープ面66に沿って流れ、ディンプル62か ら流出する。空気はさらに、下流のランド64 沿って流れる。

 図3に示されるように、ディンプル62に流 するとき、空気の流れに渦が生じる。換言 れば、ディンプル62の入口において乱流が じる。パンク状態においてタイヤ2の走行が 続されると、支持層16の変形と復元とが繰 返される。この繰り返しにより、支持層16で 熱が生じる。乱流は、この熱の大気への放出 を促進する。このタイヤ2では、熱によるゴ 部材の破損及びゴム部材間の剥離が抑制さ る。このタイヤ2は、パンク状態での長時間 走行が可能である。乱流は、通常状態(タイ ヤ2に正規内圧が負荷された状態)での放熱に 寄与する。ディンプル62は、通常状態での イヤ2の耐久性にも寄与する。運転者の不注 により、内圧が正規値よりも小さい状態で 行がなされることがある。この場合の耐久 にも、ディンプル62は寄与しうる。

 渦を形成した空気は、ディンプル62の内 において、スロープ面66及び底面68に沿って れる。この空気は、円滑にディンプル62か 流出する。このタイヤ2では、凸部を有する 来のタイヤ及び溝を有する従来のタイヤに られる滞留が生じにくい。従って、滞留に って放熱が阻害されることがない。このタ ヤ2は、耐久性に極めて優れる。

 このタイヤ2では、ディンプル62によって 温が抑制されるので、支持層16が薄くても パンク状態での長時間の走行が可能である 薄い支持層16により、タイヤ2の軽量が達成 れる。薄い支持層16により、転がり抵抗が抑 制される。軽量でかつ転がり抵抗が小さなタ イヤ2は、車両の低燃費に寄与する。さらに 薄い支持層16により、優れた乗り心地も達成 される。

 図4における二点鎖線Sgは、ディンプル62 一方のエッジEdから他方のエッジEdまで引か た線分である。図4において矢印Diで示され いるのは、線分Sgの長さであり、ディンプ 62の直径である。直径Diは、2mm以上70mm以下が 好ましい。直径Diが2mm以上であるディンプル6 2には十分に空気が流入するので、十分に乱 が発生する。このディンプル62により、タイ ヤ2の昇温が抑制される。この観点から、直 Diは4mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに 好ましく、6mm以上がさらに好ましく、8mm以上 が特に好ましい。直径Diが70mm以下であるディ ンプル62を有するタイヤ2では、多数の箇所で 乱流が発生しうる。さらに、直径Diが70mm以下 であるディンプル62を有するタイヤ2では、サ イド面の表面積が大きい。大きな表面積によ り、タイヤ2からの放熱が促進される。この ィンプル62により、タイヤ2の昇温が抑制さ る。この観点から、直径Diは50mm以下がより ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下が さらに好ましく、18mm以下が特に好ましい。 円形ディンプルの直径Diが決定される場合、 この非円形ディンプルの面積と同一の面積を 有する円形ディンプルが想定される。この円 形ディンプルの直径が、非円形ディンプルの 直径Diと定義される。

 タイヤ2が、互いに直径Diの異なる2種以上 のディンプル62を有してもよい。2種以上のデ ィンプル62を有するタイヤ2では、ディンプル の平均直径は2mmが好ましく、4mm以上がより好 ましく、5mm以上がさらに好ましく、6mm以上が さらに好ましく、8mm以上が特に好ましい。平 均直径は、70mm以下が好ましく、50mm以下がよ 好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以 がさらに好ましく、18mm以下が特に好ましい その直径Diが上記範囲内であるディンプル 数の、ディンプルの総数に対する比率は50% 上が好ましく、70%以上が好ましい。理想的 は、この比率は100%である。

 図4において矢印Deで示されているのは、 ィンプル62の深さである。深さDeは、ディン プル62の最深部と線分Sgとの距離である。深 Deは、0.1mm以上7mm以下が好ましい。深さDeが0. 1mm以上であるディンプル62では、十分な乱流 生じる。この観点から、深さDeは0.2mm以上が より好ましく、0.3mm以上がさらに好ましく、0 .5mm以上がさらに好ましく、0.7mm以上がさらに 好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。深さDe 7mm以下であるディンプル62では、底において 空気が滞留しにくい。さらに、ディンプル62 深さDeが7mm以下であるタイヤ2では、サイド ォール8、クリンチ部10等が十分な厚みを有 る。この観点から、深さDeは4mm以下がより ましく、3.0mm以下がさらに好ましく、2.0mm以 が特に好ましい。

 タイヤ2が、互いに深さDeの異なる2種以上 のディンプル62を有してもよい。2種以上のデ ィンプル62を有するタイヤ2では、ディンプル の平均深さは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上 より好ましく、0.3mm以上がさらに好ましく、 0.5mm以上がさらに好ましく、0.7mm以上がさら 好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。平均深 さは7mm以下が好ましく、4mm以下がより好まし く、3.0mm以下がさらに好ましく、2.0mm以下が に好ましい。その深さDeが上記範囲内である ディンプルの数の、ディンプルの総数に対す る比率は50%以上が好ましく、70%以上が好まし い。理想的には、この比率は100%である。

 深さDeと直径Diとの比(De/Di)は、0.01以上0.5 下が好ましい。比(De/Di)が0.01以上であるデ ンプル62では、十分な乱流が生じる。この観 点から、比(De/Di)は0.03以上がより好ましく、0 .05以上が特に好ましい。比(De/Di)が0.5以下で るディンプル62では、底において空気が滞留 しにくい。この観点から、比(De/Di)は0.4以下 より好ましく、0.3以下が特に好ましい。

 ディンプル62の容積は、1.0mm 3 以上400mm 3 以下が好ましい。容積が1.0mm 3 以上であるディンプル62では、十分な乱流が じる。この観点から、容積は1.5mm 3 以上がより好ましく、2.0mm 3 以上が特に好ましい。容積が400mm 3 以下であるディンプル62では、底において空 が滞留しにくい。さらに、ディンプル62の 積が400mm 3 以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、 リンチ部10等が十分な剛性を有する。この 点から、容積は300mm 3 以下がより好ましく、250mm 3 以下が特に好ましい。

 全てのディンプル62の容積の合計値は、300mm 3 以上5000000mm 3 以下が好ましい。合計値が300mm 3 以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなさ る。この観点から、合計値は600mm 3 以上がより好ましく、800mm 3 以上が特に好ましい。合計値が5000000mm 3 以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、 リンチ部10等が十分な剛性を有する。この 点から、容積は1000000mm 3 以下がより好ましく、500000mm 3 以下が特に好ましい。

 ディンプル62の面積は、3mm 2 以上4000mm 2 以下が好ましい。面積が3mm 2 以上であるディンプル62では、十分な乱流が じる。この観点から、面積は12mm 2 以上がより好ましく、20mm 2 以上が特に好ましい。ディンプル62の容積が4 000mm 2 以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、 リンチ部10等が十分な強度を有する。この 点から、面積は2000mm 2 以下がより好ましく、1300mm 2 以下が特に好ましい。本発明においてディン プル62の面積は、ディンプル62の輪郭に囲ま た領域の面積を意味する。円形ディンプル62 の場合は、下記数式によって面積Sが算出さ る。
  S = (Di / 2) 2  * π

 本発明においてディンプル62の占有率Yは、 記数式によって算出される。
 Y = (S1 / S2) * 100
この数式において、S1は基準領域に含まれる ィンプル62の面積であり、S2はディンプル62 ないと仮定されたときの基準領域の表面積 ある。基準領域は、サイド面のうち、基準 BLからの高さがタイヤ2高さHの20%以上80%以下 である領域である。占有率Yは、10%以上85%以 が好ましい。占有率Yが10%以上であるタイヤ2 では、十分な放熱がなされる。この観点から 、占有率Yは30%以上がより好ましく、40%以上 特に好ましい。占有率Yが85%以下であるタイ 2では、ランド64が十分な耐摩耗性を有する この観点から、占有率Yは80%以下がより好ま しく、75%以下が特に好ましい。

 隣接するディンプル62同士の間隔は、0.05m m以上20mm以下が好ましい。間隔が0.05mm以上で るタイヤ2では、ランド64が十分な耐摩耗性 有する。この観点から、間隔は0.10mm以上が り好ましく、0.2mm以上が特に好ましい。間 が20mm以下であるタイヤ2では、多数の箇所で 乱流が発生しうる。この観点から、間隔は15m m以下がより好ましく、10mm以下が特に好まし 。

 ディンプル62の総数は、50個以上5000個以 が好ましい。総数が50個以上であるタイヤ2 は、多数の箇所で乱流が発生しうる。この 点から、総数は100個以上がより好ましく、15 0個以上が特に好ましい。総数が5000個以下で るタイヤ2では、個々のディンプル62が十分 サイズを有しうる。この観点から、総数は2 000個以下がより好ましく、1000個以下が特に ましい。総数及びディンプルのパターンは タイヤのサイズ及びサイド部の面積に応じ 適宜決定されうる。

 タイヤ2が、円形ディンプル62に代えて、 は円形ディンプル62と共に、非円形ディン ルを有してもよい。典型的な非円形ディン ルの平面形状は、多角形である。タイヤ2が その平面形状が楕円又は長円であるディン ルを有してもよい。タイヤ2が、その平面形 状が涙形(ティアドロップタイプ)であるディ プルを有してもよい。タイヤ2が、ディンプ ルと共に凸部を有してもよい。

 タイヤ2は回転するので、ディンプルに対 する空気の流れ方向は、一定ではない。従っ て、このタイヤ2には、方向性を有さないデ ンプル62、すなわちその平面形状が円である ディンプル62が最も好ましい。タイヤ2の回転 方向が考慮され、方向性を有するディンプル が配置されてもよい。

 本発明において、「ディンプル」は、従 のタイヤにみられる溝とは明確に区別され る。溝は、幅に対する長さが大きい。溝を するタイヤでは、空気の滞留が生じやすい 一方ディンプルは、短径に対する長径の比 小さい。従って、ディンプルを有するタイ では、空気の滞留が生じにくい。短径に対 る長径の比は3.0以下が好ましく、2.0以下が り好ましく、1.5以下が特に好ましい。円形 ィンプルでは、この比は1.0である。長径と 、ディンプルが無限遠から見られたときの 郭内に画かれうる最長線分の長さである。 径は、この最長線分と直交する方向におけ ディンプルのサイズである。

 図2に示されるように、このタイヤ2では 多数のディンプル62が千鳥状に配置されてい る。従って、1個のディンプル62に6個のディ プル62が隣接している。この配置がなされた タイヤ2では、乱流の発生箇所が均一に分布 る。このタイヤ2では、サイド面から均一に が放出される。この配置は、冷却効果に優 る。多数のディンプル62がランダムに配置 れてもよい。

 図4に示されるように、ディンプル62の断 形状は台形である。換言すれば、ディンプ 62の形状は円錐台形である。このディンプ 62では、深さDeの割には容積が大きい。従っ 、十分な容積と小さな深さDeとが両立され る。小さな深さDeが設定されることにより、 サイドウォール8、クリンチ部10等が、ディン プル62の直下において十分な厚みを有しうる このディンプル62は、サイド面の剛性に寄 しうる。

 図4において符号αで示されているのは、 ロープ面66の角度である。角度αは、10°以 70°以下が好ましい。角度αが10°以上である ィンプル62では、十分な容積と小さな深さDe とが両立されうる。この観点から、角度αは2 0°以上がより好ましく、25°以上が特に好ま い。角度αが70°以下であるディンプル62では 、空気が円滑に流れる。この観点から、角度 は60°以下がより好ましく、55°以下が特に好 しい。

 図4において矢印Dbで示されているのは、 面68の直径である。直径Dbと直径Diとの比(Db/ Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(Db/Di)が0.4 0以上であるディンプル62では、十分な容積と 小さな深さDeとが両立されうる。この観点か 、比(Db/Di)は0.55以上がより好ましく、0.65以 が特に好ましい。比(Db/Di)が0.95以下である ィンプル62では、空気が円滑に流れる。この 観点から、比(Db/Di)は0.85以下がより好ましく 0.80以下が特に好ましい。

 図5は、図1のタイヤ2の一部が示された断面 である。図5には、トレッド4、ウイング6及 サイドウォール8が示されている。トレッド 4からウイング6を経てサイドウォール8に至る 表面の形状は、プロファイルと称される。プ ロファイルは、溝28、ディンプル62等の凹凸 ないと仮定されて決定される。図5において 印W/2で示されているのは、タイヤ2の幅Wの 分である。幅Wは、リブ34(図1参照)を除いて 軸方向で最も外側にある点P 100 が基準とされて決定される。プロファイルは 、中心点TCから点P 100 に至っている。図5において、点P 60 、点P 75 及び点P 90 は、それぞれ、点TCからの軸方向距離がタイ 2の半分の幅(W/2)の60%、75%及び90%であるプロ ァイル上の点を表す。

 このタイヤ2は、CTTプロファイルを有してい る。このCTTプロファイルでは、中心点TCから P 90 の間において、その曲率半径が徐々に減少し ている。CTTプロファイルは、典型的には、イ ンボリュート曲線に基づいて決定される。CTT プロファイルが、インボリュート曲線に近似 された多数の円弧から構成される部位を備え てもよい。図5に示されたタイヤ2では、中心 TCから点P 90 の間において、プロファイルが、インボリュ ート曲線に近似された多数の円弧から構成さ れている。円弧の数は3以上が好ましく、5以 がより好ましい。他の関数曲線に依拠して CTTプロファイルが決定されてもよい。

 CTTプロファイルが、関数曲線に近似され 多数の円弧を備える場合、それぞれの円弧 、これに隣接する円弧と接する。それぞれ 円弧の曲率半径は、これよりも軸方向内側 ある円弧の曲率半径よりも小さい。

 図5において、Y 60 は点TCと点P 60 との半径方向距離を表し、Y 75 は点TCと点P 75 との半径方向距離を表し、Y 90 は点TCと点P 90 との半径方向距離を表し、Y 100 は点TCと点P 100 との半径方向距離を表す。このCTTプロファイ ルは、下記数式(1)から(4)を満たす。
  0.05 < Y 60 /H ≦ 0.10   (1)
  0.10 < Y 75 /H ≦ 0.2   (2)
  0.2 < Y 90 /H ≦ 0.4   (3)
  0.4 < Y 100 /H ≦ 0.7   (4)
このCTTプロファイルは、タイヤ2の諸性能に 与する。このプロファイルでは、タイヤ2に 規荷重の80%が付加されたときの接地幅は、 イヤ2の最大幅Wの0.50倍以上0.65倍以下である 。

 CTTプロファイルを備えたタイヤ2では、接 地面の適正な形状が得られる。この接地面に より、優れた乗り心地性が得られる。CTTプロ ファイルを備えたタイヤ2では、通常状態で 走行時に繰り返される支持層16の変形が、大 きい。このタイヤ2では、熱が生じやすい。 のタイヤ2において、ディンプル62による放 が特に顕著な効果を発揮する。

 上記サイズ、形状及び総数を有するディ プル62は、種々のサイズのタイヤにおいて の効果を発揮する。乗用車タイヤの場合、 が100mm以上350mm以下であり、偏平率が30%以上1 00%以下であり、リム径が10インチ以上25イン 以下である場合において、上記ディンプル62 は効果を発揮する。

 このタイヤ2の製造では、複数のゴム部材 がアッセンブリーされて、ローカバー(未加 タイヤ)が得られる。このローカバーが、モ ルドに投入される。ローカバーの外面は、 ールドのキャビティ面と当接する。ローカ ーの内面は、ブラダー又は中子に当接する ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱 れる。加圧及び加熱により、ローカバーの ム組成物が流動する。加熱によりゴムが架 反応を起こし、タイヤ2が得られる。そのキ ャビティ面にピンプルを有するモールドが用 いられることにより、タイヤ2にディンプル62 が形成される。

 タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、特に 言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気 充填された状態で測定される。測定時には タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書 において正規リムとは、タイヤ2が依拠する 格において定められたリムを意味する。JATMA 規格における「標準リム」、TRA規格における 「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measurin g Rim」は、正規リムである。本明細書におい て正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格に いて定められた内圧を意味する。JATMA規格に おける「最高空気圧」、TRA規格における「TIR E LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」 掲載された「最大値」、及びETRTO規格にお る「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。 し、乗用車タイヤ2の場合、内圧が180kPaの状 態で、寸法及び角度が測定される。

 図6は、本発明の他の実施形態に係るタイ ヤの一部が示された断面図である。図6には ディンプル72の近傍が示されている。このタ イヤの、ディンプル72以外の構成は、図1に示 されたタイヤ2の構成と同等である。

 このディンプル72の平面形状は、円であ 。このディンプル72の断面形状は、円弧状で ある。換言すれば、このディンプル72は、球 一部である。このタイヤでは、ディンプル7 2からの空気の流出が円滑である。このディ プル72では、空気の滞留が抑制される。この タイヤでは、十分な放熱がなされる。

 図6において矢印Rで示されているのは、 ィンプル72の曲率半径である。曲率半径Rは 3mm以上200mm以下が好ましい。曲率半径Rが3mm 上であるディンプル72では、空気が円滑に流 れる。この観点から、曲率半径Rは5mm以上が り好ましく、7mm以上が特に好ましい。曲率 径Rが200mm以下であるディンプル72では、十分 な容積が達成されうる。この観点から、曲率 半径Rは100mm以下がより好ましく、50mm以下が に好ましい。このディンプル72の、直径Di、 さDe、容積、面積、比(De/Di)等の仕様は、図4 に示されたディンプル62のそれらと同等であ 。

 図7は、本発明のさらに他の実施形態に係 るタイヤの一部が示された断面図である。図 7には、ディンプル74の近傍が示されている。 このタイヤの、ディンプル74以外の構成は、 1に示されたタイヤ2の構成と同等である。

 このディンプル74の平面形状は、円であ 。このディンプル74は、第一曲面76と第二曲 78とを備えている。第一曲面76は、リング状 である。第二曲面78は、碗状である。図7にお いて符号Pbで示されているのは、第一曲面76 第二曲面78との境界点である。第二曲面78は 境界点Pbにおいて、第一曲面76と接している 。このディンプル74は、いわゆるダブルラジ スタイプである。このディンプル74の、直 Di、深さDe、容積、面積、比(De/Di)等の仕様は 、図4に示されたディンプル62のそれらと同等 である。

 図7において、矢印R1で示されているのは 一曲面76の曲率半径であり、矢印R2で示され ているのは第二曲面78の曲率半径である。曲 半径R1は、曲率半径R2よりも小さい。曲率半 径R1と曲率半径R2との比(R1/R2)は、0.1以上0.8以 が好ましい。比(R1/R2)が0.1以上であるディン プル74では、空気が円滑に流れる。この観点 ら、比(R1/R2)は0.2以上がより好ましく、0.3以 上が特に好ましい。比(R1/R2)が0.8以下である ィンプル74では、十分な容積と小さな深さDe が両立されうる。この観点から、比(R1/R2)は 0.7以下がより好ましく、0.6以下が特に好まし い。

 図7において矢印D2で示されているのは、 二曲面78の直径である。直径D2と直径Diとの (D2/Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(D2/Di) が0.40以上であるディンプル74では、十分な容 積と小さな深さDeとが両立されうる。この観 から、比(D2/Di)は0.55以上がより好ましく、0. 65以上が特に好ましい。比(D2/Di)が0.95以下で るディンプル74では、空気が円滑に流れる。 この観点から、比(D2/Di)は0.85以下がより好ま く、0.80以下が特に好ましい。

  [解析例1]
  [モデル1]
 第一ゴムシートと第二ゴムシートとが積層 れ、第二ゴムシートの表面に図2から4に示 れたディンプルが形成されたモデルを作成 た。第一ゴムシート及び第二ゴムシートの みは、それぞれ10mmである。ディンプルの仕 は、下記の通りである。
  直径Di:7.8mm
  直径Db:5.8mm
  深さDe:1.0mm
  ディンプル同士の中心間距離:8.0mm

  [モデル2]
 ディンプルに代えて、凸条が形成された以 はモデル1と同様のモデル2を作成した。凸 の仕様は、下記の通りである。
  高さ:3.0mm
  幅:2.0mm
  凸条同士の距離:30.0mm

  [モデル3]
 ディンプルが形成されていないこと以外は デル1と同様のモデル3を作成した。

 上記モデル1から3を用い、コンピュータシ ュレーションにより、本発明の効果を確認 た。解析に用いられたゴム物性値は、以下 通りである。
  密度:1100kg/m 3
  熱伝導率:0.35W/m・K
  比熱:1350J/(kg・K)
解析に用いられた空気の物性値は、以下の通 りである。
  密度:1.205kg/m 3
  粘性係数:1.81*10 -5  Pa・s
  熱伝導率:2.637*10 -2  W/m・K
  比熱:1006J/(kg・K)
解析の条件は、以下の通りである。
  大気の温度:20℃
  空気の平均速度:33.3m/s
  第一ゴムシートの下面から15cm離れた箇所 の空気の温度:100℃
  第一ゴムシートにおける発熱量:2.0*10 W/m 3
この解析の結果が、下記の表1に示されてい 。

 表1に示されるように、モデル1では各部 の温度が低い。これは、ディンプルによっ 放熱が促進されるからである。

  [解析例2]
  [モデル4]
 ディンプルの仕様を下記の通りとした他は デル1と同様にして、モデル4を作成した。
  直径Di:5mm
  深さDe:1.00mm
  角度α:45°
  ディンプル同士の間隔:3.0mm

  [モデル5から30]
 ディンプルの仕様を下記の表2及び表3に示 れる通りとした他はモデル4と同様にして、 デル5から30を作成した。

  [モデル31]
 ディンプルが形成されていないこと以外は デル4と同様のモデル3を作成した。

 解析例1と同様の方法でシミュレーション を行い、第二ゴムシートの表面温度を求めた 。モデル31の表面温度との差を、算出した。 の結果が、下記の表2及び3並びに図8に示さ ている。

 表2及び3に示されるように、モデル4から3 0の表面温度は、モデル31の表面温度よりも低 い。これは、ディンプルによって放熱が促進 されるからである。

 以下、実施例によって本発明の効果が明 かにされるが、この実施例の記載に基づい 本発明が限定的に解釈されるべきではない

[実施例1]
 図2から4に示されるディンプルを備えたタ ヤを得た。ディンプルの仕様は、以下の通 である。
  直径Di:8mm
  深さDe:1.0mm
  角度α:45°
  ディンプルの総数:200
このタイヤのサイズは、「245/40R18」である。

[実施例2から9]
 ディンプルの仕様を下記表4に示される通り とした他は実施例1と同様にして、実施例2か 9のタイヤを得た。

[比較例1]
 ディンプルを設けなかった他は実施例1と同 様にして、比較例1のタイヤを得た。

[走行試験]
 タイヤを「18×8.5J」のリムに組み込み、こ タイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充 した。このタイヤを、排気量が4300ccであり フロントエンジン-リアドライブの乗用車の 後のホイールに装着した。このタイヤのバ ブコアを抜き取り、タイヤの内部を大気と 通させた。この乗用車の、左前、右前及び 後のホイールには、内圧が230kPaであるタイ を装着した。ドライバーに、この乗用車を テストコースで80km/hの速度で運転させた。 イヤが破壊するまでの走行距離を測定した この結果が、指数として、下記の表4に示さ れている。実施例1及び比較例1のタイヤにお る、走行距離と表面温度との関係が、図9に 示されている。

 表4に示されるように、各実施例のタイヤ の走行距離は、比較例1のそれよりも大きい この評価結果から、本発明の優位性は明ら である。

 ディンプルによる放熱効果は、ランフラ トタイヤ以外のタイヤでも得られる。本発 に係る空気入りタイヤは、種々の車両に装 されうる。




 
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