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Patent Searching and Data


Title:
POLISHING COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/088053
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polishing composition which enables a high-speed polishing, while suppressing dishing. Specifically disclosed is a polishing composition which is suitable for polishing a metal film, especially a copper (Cu) film. This polishing composition contains ammonia, an ammonium salt, hydrogen peroxide and an amino acid, and the balance is composed of water. Ammonium chloride and ammonium carbonate are preferable as the ammonium salt, and an acidic amino acid and a hydroxyamino acid are preferable as the amino acid.

Inventors:
MATSUMURA YOSHIYUKI (JP)
NITTA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050646
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTA HAAS INC (JP)
MATSUMURA YOSHIYUKI (JP)
NITTA HIROSHI (JP)
International Classes:
H01L21/304
Foreign References:
JP2001077061A2001-03-23
JP2003507896A2003-02-25
Attorney, Agent or Firm:
SAIKYO, Keiichiro et al. (2-6 Bingomachi 3-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 51, JP)
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Claims:
 アンモニア、アンモニウム塩、過酸化水素およびアミノ酸を含むことを特徴とする研磨組成物。
 前記アンモニウム塩が、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、二硫酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、ペルオキソ酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウムおよびアジピン酸アンモニウムから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の研磨組成物。
 前記アミノ酸が、酸性アミノ酸およびヒドロキシアミノ酸から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の研磨組成物。
Description:
研磨組成物

 本発明は、金属膜研磨用、特に銅膜研磨 の研磨組成物に関する。

 半導体集積回路(LSI)の高集積化および小型 への要求に応えるため、メモリ機能、ロジ ク機能などの種々の機能を有する複数の半 体素子を一つの基板上に3次元的に搭載する システムインパッケージ(SIP)と呼ばれる手 が開発されている。これに伴い、基板上に 成される配線数およびバンプ数が増加し、 配線の径が小さくなり従来工法のビルドア プ法および機械研削では微細な配線形成が 難になってきている。
 このため、従来から配線材料として用いら てきたアルミニウムに代えて、アルミニウ よりも電気抵抗の低い銅、銅合金などが代 利用される。ところが、銅は、その特性上 アルミニウムのようなドライエッチングに る配線形成が困難であるため、ダマシン法 呼ばれる配線形成法が確立されている。
 半導体プロセスに用いられるダマシン法に れば、たとえば、二酸化シリコン膜で被覆 れた基板表面に、形成しようとする配線パ ーンに対応する溝および形成しようとする ラグ(基板内部の配線との電気的接続部分) 対応する孔を形成した後、溝および孔の内 面にチタン、窒化チタン、タンタル、窒化 ンタル、タングステンなどからなるバリア タル膜(絶縁膜)を形成し、次いでめっきなど により基板表面の全面に銅膜を被覆して溝お よび孔に銅を埋め込み、さらに溝および孔以 外の領域の余分な銅膜を化学的機械的研磨法 (CMP、chemical mechanical polishing)によって除去す ることにより、基板表面に配線およびプラグ が形成される。
 同様にして、SIPにもダマシン法およびCMPを 用できるが、基板表面に被覆された銅膜な の金属膜の膜厚が5μm以上にも及ぶため、CMP による加工時間の増加及び大幅な生産性悪化 が懸念される。
 金属層に対するCMPにおいては、酸性領域に いて化学反応により金属表面に生じた化合 を研磨砥粒によって研磨するといったプロ スで研磨が進行していると考えられること ら、金属層に対するCMPに用いられるスラリ は通常酸性である(特開2002-270545号参照)。
 しかし、酸性スラリーは、研磨枚数が増加 るにつれて研磨速度が低下する傾向にあり また、研磨後に砥粒を除去するためのアル リ性洗浄液を使用すると、pHショックによ て砥粒が凝集してしまうことなどから、酸 スラリーに代わって高速研磨可能なアルカ 性スラリーが望まれている。
 また、pH2~8の酸性およびアルカリ性で用い れるスラリーとして、砥粒と、過酸化水素 硫酸、硝酸およびオゾンを含む酸化剤と、 ンモニウム水、硝酸アンモニウム、塩化ア モニウムなどを含むアンモニウム基を含有 たpH調整剤で構成されるスラリーを用いた研 磨方法が開示されている(国際公開第98/54756号 パンフレット参照)。
 CMPを用いて銅膜を研磨する場合、国際公開 98/54756号パンフレット記載のスラリーは、 化剤とアンモニウム基を含有したpH調整剤を 用いているが、これ以上の研磨速度の高速化 は困難である。さらに、酸化力を増加させて も、エッチング能力の増加を招き、配線パタ ーン部分などの埋め込み部分にディッシング を発生させるという問題がある。

 本発明の目的は、研磨速度1μm/min以上を達 し、かつ、ディッシングを抑制する事が出 る研磨組成物を提供することである。
 本発明は、アンモニア、アンモニウム塩、 酸化水素およびアミノ酸を含むことを特徴 する研磨組成物である。
 また本発明は、前記アンモニウム塩が、塩 アンモニウム、炭酸アンモニウム、硝酸ア モニウム、硫酸アンモニウム、二硫酸アン ニウム、亜硝酸アンモニウム、亜硫酸アン ニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アン ニウム、シュウ酸アンモニウム、ペルオキ 酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピ リン酸アンモニウムおよびアジピン酸アン ニウムから選ばれる1種または2種以上であ ことを特徴とする。
 また本発明は、前記アミノ酸が、酸性アミ 酸およびヒドロキシアミノ酸から選ばれる1 種または2種以上であることを特徴とする。

 本発明の目的、特色、および利点は、下記 詳細な説明と図面とからより明確になるで ろう。
 図1は、研磨速度に対するアミノ酸濃度の影 響を示すグラフである。
 図2は、研磨速度に対するアミノ酸濃度の影 響を示すグラフである。
 図3は、段差解消性の評価用基板の模式図で ある。
 図4は、段差解消性の評価結果を示す図であ る。
 図5は、段差解消性の評価結果を示す図であ る。

 以下図面を参考にして本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
 本発明の研磨組成物は、金属膜、特に銅(Cu) 膜に好適な研磨組成物であって、アンモニア 、アンモニウム塩、過酸化水素およびアミノ 酸を含み、残部が水である。これらを含むこ とで、ディッシングを抑制するとともに、よ り高速な研磨速度を実現することができる。
 以下、本発明の研磨組成物について詳細に 明する。
 本発明の研磨組成物に含まれるアンモニウ 塩としては、塩化アンモニウム、炭酸アン ニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ ム、二硫酸アンモニウム、亜硝酸アンモニ ム、亜硫酸アンモニウム、炭酸水素アンモ ウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸アンモ ウム、ペルオキソ酸アンモニウム、リン酸 ンモニウム、ピロリン酸アンモニウムおよ アジピン酸アンモニウムなどがあげられる これらの中でも塩化アンモニウム、炭酸ア モニウムが好ましい。
 アルカリ領域では、アンモニア(NH 3 )は、Cuに対する錯化剤および酸化剤として働 き、(1)式のように反応して錯体を形成する。
   Cu + 4NH 4 +  → [Cu(NH 3 ) 4 ] 2+       …(1)
 銅膜のCMPでは、このテトラアンミン銅錯体 研磨パッドとの接触によって除去され、研 が進行すると考えられている。
 研磨組成物中にアンモニウム塩が存在する 、アンモニウム塩から遊離したアニオンが 磨を促進するように機能する。
 アンモニウム塩を、たとえば塩化アンモニ ム(NH 4 Cl)とすると、塩素イオン(Cl - )が、テトラアンミン銅錯体または銅表面に 用し、その結果、低荷重であっても研磨速 が大幅に上昇することになる。たとえば、 重35gf/cm 2 で研磨速度が7μm/min、荷重140gf/cm 2 で研磨速度が9.5μm/minを達成する。
 さらに研磨屑などによる研磨パッドの目詰 りも抑えられ、研磨速度の安定化、研磨パ ドの長寿命化が実現できる。
 このように、アンモニウム塩は、研磨促進 として働くとともに、pH調整剤としても働 。
 本発明の研磨組成物におけるアンモニアの 有量は、研磨組成物全量の1~30重量%であり 好ましくは5~10重量%である。アンモニアの含 有量が1重量%未満および、30重量%を越えると 分な研磨速度が得られない。
 また、本発明の研磨組成物におけるアンモ ウム塩の含有量は、研磨組成物全量の0.1~25 量%であり、0.1重量%未満では、所望のpHを維 持することができず、研磨速度が低下し、25 量%を越えると十分な研磨速度が得られない 。
 本発明は、過酸化水素を含むことで、さら 高速な研磨速度を実現するとともに、均一 が大きく向上する。これは、過酸化水素を 加することで、研磨組成物の流量に依存し くなり、被研磨物表面における研磨組成物 局所的な流量のばらつきが発生したとして 、被研磨物全体が一様に研磨されるからで る。
 本発明の研磨組成物における過酸化水素の 有量は、研磨組成物全量の0.1~5.0重量%であ 、好ましくは0.5~4.0重量%である。過酸化水素 の含有量が0.1重量%未満では、平坦化特性が く、5.0重量%を越えると、研磨速度が低下す 。
 従来の技術では、過酸化水素などの酸化剤 、塩化アンモニウムなどのアンモニウム基 含有したpH調整剤とを含むことで研磨速度 向上するが、エッチング力が強いため、配 パターン部分などの埋め込み部分にディッ ングが発生してしまう。
 本発明は、さらにアミノ酸を含むことで、 ィッシングの発生を抑制し、従来よりもさ に高速な研磨速度を実現している。
 アミノ酸によって、被研磨物表面に脆弱な 応膜を形成させると同時に、被研磨物表面 のエッチング力が抑制される。したがって 研磨パッドと接触する被研磨物表面は除去 れるが、研磨パッドと接触しない埋め込み 分の凹部の底は除去されず、段差解消性が 上する、すなわちディッシングが抑制され ことになる。
 本発明の研磨組成物に含まれるアミノ酸と ては、アスパラギン酸、グルタミン酸を含 酸性アミノ酸およびセリン、スレオニンを むヒドロキシアミノ酸があげられる。これ の中でも、酸性アミノ酸であるアスパラギ 酸が好ましい。
 本発明の研磨組成物におけるアミノ酸の含 量は、研磨組成物全量の1.0~8.0重量%であり 好ましくは3.0~7.0重量%である。アミノ酸の含 有量が1.0重量%未満および8.0重量%を越えると 研磨速度があまり向上しない。
 本発明の研磨組成物において、そのpHは中 およびアルカリ性、すなわち7~14の範囲であ ばよく、好ましくは9~11である。
 本発明の研磨組成物においては、砥粒を含 ずとも十分な効果が発揮されるが、本発明 好ましい特性を損なわない範囲で、砥粒を んでいてもよい。
 砥粒としては、この分野で常用されるもの 使用でき、たとえば、コロイダルシリカ、 ュームドシリカ、コロイダルアルミナ、ヒ ームドアルミナおよびセリアなどが挙げら る。
 本発明の研磨組成物における砥粒の含有量 、被研磨物に応じて適宜設定すればよい。
 本発明の研磨組成物には、上記の組成に加 てさらに、表面平滑剤およびpH調整剤など 含んでいてもよい。
 pH調整剤としては、酸性成分として硝酸(HNO 3 )、硫酸、塩酸、酢酸、乳酸などが挙げられ アルカリ性成分として水酸化カリウム(KOH)、 水酸化カルシウム、水酸化リチウムなどが挙 げられる。
 本発明の研磨組成物は、その好ましい特性 損なわない範囲で、従来からこの分野の研 用組成物に常用される各種の添加剤の1種ま たは2種以上を含むことができる。
 本発明の研磨組成物で用いられる水として 特に制限はないが、半導体デバイスなどの 造工程での使用を考慮すると、たとえば、 水、超純水、イオン交換水、蒸留水などが ましい。
 本発明の研磨組成物の製造方法について説 する。
 研磨組成物が、砥粒を含まず、アンモニア アンモニウム塩、過酸化水素、アミノ酸お び水溶性の他の添加剤のみからなる場合は これらの化合物をそれぞれ適量、さらに全 が100重量%になる量の水を用い、これらの成 分を一般的な手順に従って、所望のpHとなる うに水中に均一に溶解または分散させるこ によって製造することができる。
 まず、水にアンモニウム塩を混合させるこ でpHを7.0~9.0に調整した水溶液を作製し、濃 30%のアンモニア水溶液を所定量だけ混合し 後にアミノ酸を添加することでアルカリ溶 を得る。砥粒を含む場合は、このアルカリ 液に対して、pHが4.0~6.0に調整されたシリカ 散液を所定の濃度になるように混合する。 ンモニウム塩、アミノ酸、およびアンモニ を含むアルカリ溶液、またはアンモニウム 、アミノ酸、アンモニアおよびシリカを含 アルカリ溶液に、濃度30%の過酸化水素水を 定量だけ混合することで本発明の研磨組成 が得られる。
 本発明の研磨組成物は、LSI製造工程におけ 各種金属膜の研磨に好適に使用することが き、特にダマシン法によって金属配線を形 する際のCMP工程において、金属膜を研磨す ための研磨スラリーとして好適に使用でき 。より具体的には、SIPにおいてLSIチップを 層するための金属配線、半導体デバイスの 層銅配線(この銅配線の形成には膜厚5μm以 の銅膜を研磨する必要がある)などを形成す 際の金属膜研磨スラリーとして非常に好適 使用できる。すなわち、本発明の組成物は ダマシン法によるCMP工程用金属膜研磨組成 として特に有用である。
 また、ここで研磨対象になる金属膜として 、基板表面に被覆される銅、銅合金などの 属膜、タンタル、窒化タンタル、チタン、 化チタン、タングステンなどが挙げられる この中でも、特に銅の金属膜が好ましい。

 以下では、本発明の実施例および比較例に いて説明する。
 本発明の実施例および比較例を、それぞれ 下のような組成で作製した。
 (実施例1~3)
 アンモニア                5重量%
 アンモニウム塩:塩化アンモニウム     10 重量%
 過酸化水素                2重量%
 アミノ酸:アスパラギン酸         3~10 量%
 pH調整剤:水酸化カリウム        5~10重 %
 水                    残部
 pHは、10.2に調整した。
 実施例1は、アスパラギン酸が3重量%、実施 2は、アスパラギン酸が5重量%、実施例3は、 アスパラギン酸が10重量%である。
 (実施例4~6)
 アンモニア                5重量%
 アンモニウム塩:塩化アンモニウム     10 重量%
 過酸化水素                2重量%
 アミノ酸:セリン             3~10重量 %
 pH調整剤:水酸化カリウム        5~10重 %
 水                    残部
 pHは、10.2に調整した。
 実施例4は、セリンが3重量%、実施例5は、セ リンが5重量%、実施例6は、セリンが10重量%で ある。
 (実施例7~11)
 アンモニア                5重量%
 アンモニウム塩:塩化アンモニウム     10 重量%
 過酸化水素                2重量%
 アミノ酸:アスパラギン酸         1~10 量%
 pH調整剤:水酸化カリウム        5~10重 %
 水                    残部
 pHは、10.4に調整した。
 実施例7は、アスパラギン酸が1重量%、実施 8は、アスパラギン酸が3重量%、実施例9は、 アスパラギン酸が5重量%、実施例10は、アス ラギン酸が7重量%、実施例11は、アスパラギ 酸が10重量%である。
 (比較例)
 アンモニア                5重量%
 アンモニウム塩:塩化アンモニウム     10 重量%
 過酸化水素                2重量%
 pH調整剤:水酸化カリウム        10重量%
 水                    残部
 比較例は、アミノ酸を含んでいない。
 比較例1は、pH10.2であり、比較例2はpH10.4で る。
 これらの実施例1~11、および比較例1,2を用い て、研磨速度に対するアミノ酸濃度の影響を 検討した。研磨条件、および研磨速度の評価 方法は以下に示す通りである。また、評価結 果を図1および図2に示す。
 [研磨条件]
  被研磨基板:φ100mm銅めっき基板
  研磨装置:ECOMET4(BUEHLER社製)
  研磨パッド:MHパッド(ニッタ・ハース社製)
  研磨定盤回転速度:200rpmμm/
  キャリア回転速度:65rpm
  研磨荷重面圧:140gf/cm 2
  半導体研磨用組成物の流量:20ml/min
  研磨時間:60秒間
 [研磨速度]
 研磨速度は、単位時間当たりに研磨によっ 除去されたウエハの厚み(μm/min)で表される 研磨によって除去されたウエハの厚みは、 エハ重量の減少量を測定し、ウエハの研磨 の面積で割ることで算出した。
 図1および図2は、研磨速度に対するアミノ 濃度の影響を示すグラフである。図1は、実 例1~6および比較例1の結果を示し、図2は、 施例7~11および比較例2の結果を示す。縦軸は 研磨速度を示し、横軸はアミノ酸濃度を示す 。また比較例1,2は、アミノ酸濃度が0重量%の ロットである。折れ線1は、アスパラギン酸 (実施例1~3)の結果を示し、折れ線2は、セリン (実施例4~6)の結果を示し、折れ線3は、アスパ ラギン酸(実施例7~11)の結果を示している。
 グラフからわかるように、アミノ酸を含む とで実施例1~11は、比較例1,2より研磨速度が 向上した。また、特に図2に示されるように ミノ酸濃度1.0~8.0重量%が好ましく、より好ま しくは3.0~7.0重量%である。アスパラギン酸で 5重量%、セリンでは3重量%で研磨速度が最大 となることがわかった。
 次に、段差解消性について評価を行った。
 図3は、段差解消性の評価用基板を示す模式 図である。
 評価用基板は、基板4の表面に、形成しよう とする配線パターンに対応する溝5(幅w)を形 したのち、めっきおよび箔貼りなどにより 板表面の全面に銅膜6(厚みt)を被覆して溝お び孔に銅を埋め込んだ銅めっき基板である このとき銅膜6の埋め込み部分には、溝5に じて凹所が形成され、この凹所の深さがい ゆる段差(g)となる。
 エッチング力が強いスラリーを用いた場合 銅膜6の表層部分が研磨によって除去されて いると同時に、凹所の底部もエッチングによ って除去される。そうすると、凹所が形成さ れたまま研磨が進行するので、余分な銅膜6 除去したときに、本来除去するべきではな 溝5の埋め込み部分も除去されてしまう。す わちディッシングが発生することになる。
 凹所の底部は除去されることなく、銅膜6の 表層部分のみが除去されれば、研磨が進行す るにつれて凹所が浅くなり、段差が解消され る。したがって、このような段差解消性を評 価することでディッシングの評価を行うこと ができる。
 段差解消性の評価は、φ100mm銅めっき基板お よびφ300mm銅貼ガラスエポキシ基板の2種類の 価基板を用いて評価を行った。
 (銅めっき基板)
 銅膜6の厚みがt=8μm、凹所の深さ(段差)がg=6 m、溝5の幅がw=0.3mmの銅めっき基板を用いた 実施例2および比較例1のスラリーを使用し、 段差解消性を評価した。研磨条件は、上記の 条件と同様である。
 図4は、段差解消性の評価結果を示す図であ る。縦軸が段差を示し、横軸が銅膜厚みを示 す。なお、研磨前の状態での銅膜厚みを8μm し、研磨によって銅膜が除去されると厚み 減少することになる。
 段差解消性は、銅膜厚みの減少とともに段 が0へと近づくような状態が望ましい研磨状 態であり、図4においては、測定値の近似直 の傾きが大きくなればなるほど望ましい研 状態であるといえる。
 実施例2および比較例1のスラリーを使用し 研磨中に、銅膜厚みと段差とを測定し、測 値を図4にプロットした。
 図4において、近似直線7が実施例2の段差解 性を示し、近似直線8が比較例1の段差解消 を示す。近似直線8よりも近似直線7の方が傾 きが大きいことから、実施例2を用いた場合 ほうが段差解消性に優れていることがわか た。
 (銅貼ガラスエポキシ基板)
 銅膜6の厚みがt=40μm、凹所の深さ(段差)がg=2 5μm、溝5の幅がw=0.2mmの銅貼ガラスエポキシ基 板を用いた。実施例1,2,12および比較例1のス リーを使用し、段差解消性を評価した。研 条件は、下記の条件である。
 [研磨条件]
  被研磨基板:φ300mm銅貼ガラスエポキシ基板
  研磨装置:SP800(Speed fam社製)
  研磨パッド:MHパッド(ニッタ・ハース株式 社製)
  研磨定盤回転速度:100rpm
  キャリア回転速度:フリー
  研磨荷重面圧:150gf/cm 2
  半導体研磨用組成物の流量:100~500ml/min
  研磨時間:120秒間
 図5は、段差解消性の評価結果を示す図であ る。縦軸が段差を示し、横軸が銅膜厚みを示 す。なお、研磨前の状態での銅膜厚みを40μm し、研磨によって銅膜が除去されると厚み 減少することになる。
 実施例1,2,12および比較例1のスラリーを使用 した研磨中に、銅膜厚みと段差とを測定し、 測定値を図5にプロットした。なお、実施例12 は、アスパラギン酸が2重量%であること以外 、実施例1~3と同様である。
 図5において、近似直線9が実施例12の段差解 消性を示し、近似直線10が実施例1の段差解消 性を示し、近似直線11が実施例2の段差解消性 を示し、近似直線12が比較例1の段差解消性を 示す。近似直線12よりも近似直線9~11の方が傾 きが大きいことから、実施例1,2,12を用いた場 合のほうが段差解消性に優れていることがわ かった。
 以上の結果から、本発明の研磨組成物は、 板の大きさを問わず段差解消性に優れ、デ ッシングを抑制できることがわかった。
 以上のように、本発明は、ディッシングを 制し、より高速研磨が可能な研磨組成物が 現できる。
 本発明は、その精神または主要な特徴から 脱することなく、他のいろいろな形態で実 できる。したがって、前述の実施形態はあ ゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範 は特許請求の範囲に示すものであって、明 書本文には何ら拘束されない。さらに、特 請求の範囲に属する変形や変更は全て本発 の範囲内のものである。

 本発明によれば、アンモニア、アンモニウ 塩、過酸化水素およびアミノ酸を含むこと 特徴とする研磨組成物である。
 これにより、ディッシングを抑制し、より 速研磨が可能な研磨組成物を実現できる。
 また本発明によれば、前記アンモニウム塩 、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、 酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、二硫 アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、亜硫 アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢 アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、ペ オキソ酸アンモニウム、リン酸アンモニウ 、ピロリン酸アンモニウムおよびアジピン アンモニウムから選ばれる1種または2種以 を用いることができる。
 また本発明によれば、前記アミノ酸が、酸 アミノ酸およびヒドロキシアミノ酸から選 れる1種または2種以上を用いることができ 。